(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック及びそのプライヤースティックを用いた間接活線工法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20220527BHJP
B25J 1/02 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
H02G1/02
B25J1/02
(21)【出願番号】P 2020512745
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 KR2018010014
(87)【国際公開番号】W WO2019045458
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-02-26
(31)【優先権主張番号】10-2017-0111780
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0099054
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515067103
【氏名又は名称】デウォン エレクトリック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DAEWON ELECTRIC CO.,LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】520066762
【氏名又は名称】デウォン インダストリー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DAEWON INDUSTRY COMPANY
【住所又は居所原語表記】26, Soemarul-gil, Jeungpyeong-eup Jeungpyeong-gun Chungcheongbuk-do 27913 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】クウォン,セ ウォン
【審査官】須藤 竜也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-028925(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0378195(KR,Y1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0011408(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第106410667(CN,A)
【文献】特開2009-056571(JP,A)
【文献】特開2014-138456(JP,A)
【文献】特開平10-094124(JP,A)
【文献】特開平09-117880(JP,A)
【文献】実公平07-003768(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
B25J 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧を制御する取っ手作動部(10)と、
内部には後端がシリンダーロッド(430)の先端に結合して前方に突出する作動バー(510)が形成され、後端がシリンダーユニット(400)を取り囲んで結合して前方に突出する絶縁延長スティック(500)と、
取っ手作動部(10)の油圧作動によって折畳及び展開作動するギアグリッパー部(20)とを含んでなり、
取っ手作動部(10)は、
オイルが充填され、先端にはオイル出口(110)が形成され、外部は取っ手(120)で取り囲まれるオイルタンク(100)と、
オイルタンク(100)と連結されてオイルの進出を断続し、内部にはオイルが流動する第1展開油路(201)及び第1折畳油路(202)が形成されたポンピングユニット(200)と、
ポンピングユニット(200)の先端に連結され、内部には第1展開油路(201)及び第1折畳油路(202)と連結される第2展開油路(301)及び第2折畳油路(302)が形成された固定ブロック(300)と、
固定ブロック(300)の先端に連結形成され、内部には第2展開油路(301)と連結される第3展開油路(401)及び第2折畳油路(302)と連結される第3折畳油路(402)が形成され、先端に出沒作動するシリンダーロッド(430)が形成されたシリンダーユニット(400)とを含んでなり、
ギアグリッパー部(20)は、
絶縁延長スティック(500)の前方に形成され、中央には前方にラックギア(611)が形成され後方に作動バー(510)の先端が結合される出沒部(610)が貫設され、前方両側には一対の装着部作動溝(620、620’)が形成されたグリップホルダー(600)と、
後方がそれぞれの装着部作動溝(620、620’)に挿入されて軸設され、軸設された後方周囲にはラックギア(611)と噛み合うピニオンギア(710)がそれぞれ形成され、シリンダーロッド(430)の出沒によって展開又は折畳される両側一対のプライヤー装着部(700、700’)と、
それぞれのプライヤー装着部(700、700’)に装着されてプライヤー装着部(700、700’)とともに展開及び折畳作動するプライヤー(1000)とを含んでなることを特徴とする、活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項2】
ポンピングユニット(200)は、
オイルタンク(100)と連結されるボディー210と、
ボディー(210)の内部に形成され、内部にはスプリング(222)が弾設される外部の油圧レバー(221)によって作動するピストン(223)が形成されて油圧が付与される圧力室(220)と、
ボディー(210)の内部で連結油路(231)を介して圧力室(220)と連結され、オイルタンク(100)のオイル出口(110)と連通し、両側にはボディー(210)の先端に開放する第1展開油路(201)及び第1折畳油路(202)がそれぞれ形成され、圧力室(220)とは、圧力の付与時に遮断され、解除時に開放する一方向チェックバルブ(232)を介して連結される分岐室(230)と、
ボディー(210)を貫通して往復出沒し、第1展開油路(201)及び第1折畳油路(202)の中間部を貫通してそれぞれの第1展開油路(201)及び第1折畳油路(202)を分離し、周囲には出沒作動時に第1展開油路(201)又は第1折畳油路(202)及び連結油路(231)と選択的に連結される一対の第1及び第2流路(241、242)が形成され、出沒作動時に分離された第1展開油路(201)又は分離された第1折畳油路(202)の連結方向性を調節する方向転換バルブ(240)とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項3】
絶縁延長スティック(500)は、外周に取っ手安全掛け部(520)をさらに含むように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項4】
固定ブロック(300)には、それぞれの第2展開油路(301)及び第2折畳油路(302)を取っ手作動部(10)側の後方側とギアグリッパー部(20)側の前方側を成すように両側に分離するバルブ室(311)が形成され、
バルブ室(311)には、第2展開油路(301)又は第2折畳油路(302)に流動する油圧の方向によって分離された第2展開油路(301)又は第2折畳油路(302)を連結する両方向チェックバルブ(310)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項5】
両方向チェックバルブ(310)は、
バルブ室(311)の一側に結合され、内部には分離された第2展開油路(301)を連結する展開油室(321a)が形成され、展開油室(321a)の内部にはスライド作動によって分離された第2展開油路(301)の連結を断続する展開バルブ(322)が形成された展開バルブユニット(321)と、
バルブ室(311)の他側に結合され、内部には分離された第2折畳油路(302)を連結する折畳油室(325a)が形成され、折畳油室(325a)の内部にはスライド作動によって分離された第2折畳油路(302)の連結を断続する折畳バルブ(326)が形成された折畳バルブユニット(325)と、
バルブ室(311)において展開バルブユニット(321)と折畳バルブユニット(325)との間に形成され、油圧によって往復作動して、第2展開油路(301)又は第2折畳油路(302)に流動する油圧の方向によって展開バルブ(322)又は折畳バルブ(326)の開閉量を調節するバルブピストン(328)とを含んでなることを特徴とする、請求項4に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項6】
両方向チェックバルブ(310)は、
バルブ室(311)の両端を仕上げる一対の仕上げキャップ(331、331’)と、
バルブ室(311)の内側で油圧によって往復作動し、第2展開油路(301)又は第2折畳油路(302)に流動する油圧の方向によって前方側と後方側に分離された第2展開油路(301)又は第2折畳油路(302)の開閉量を調節するバルブピストン(335)と、
バルブピストン(335)の両端と仕上げキャップ(331、331’)との間に弾設されてバルブピストン(335)に弾性を付与する一対のピストンスプリング(339、339’)とを含んでなり、
バルブピストン(335)は、
一側端には、傾斜面(336a)を成しながら縮小した直径を有し、端部には作動過程で一側の仕上げキャップ(331)と干渉する展開油路支持突部(336b)が形成されて第2展開油路(301)とバルブ室(311)の連結を断続する展開油路連通部(336)が形成され、
他側端には、傾斜面(337a)を成しながら縮小した直径を有し、端部には作動過程で他側仕上げキャップ(331’)と干渉する折畳油路支持突部(337b)が形成されて第2折畳油路(302)とバルブ室(311)の連結を断続する折畳油路連通部(337)が形成されることを特徴とする、請求項4に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項7】
前方側に位置する第2展開油路(301)には、内側でスプリング(342)が弾設されてバルブ室(311)側に突出して閉鎖力を有する球形のボールタイプ展開油路チェックバルブ(341)をさらに含み、
前方側に位置する第2折畳油路(302)には、内側でスプリング(352)が弾設されてバルブ室(311)側に突出して閉鎖力を有する球形のボールタイプ展開油路チェックバルブ(351)をさらに含み、
第2展開油路(301)のバルブ室(311)側の端部には段部(301a)がさらに形成され、
第2折畳油路(302)のバルブ室(311)側の端部には段部(302a)がさらに形成され、
展開油路チェックバルブ(341)及び折畳油路チェックバルブ(342)はそれぞれ第2展開油路(301)及び第2折畳油路(302)の内径より小さな直径を有するように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項8】
シリンダーユニット(400)は、
固定ブロック(300)に結合され、内側には前方に開放するピストン室(411)が形成され、後方一側には第2展開油路(301)とピストン室(411)を連結する第3展開油路(401)が形成され、後方中央には第2折畳油路(302)とピストン室(411)を連結する第3折畳油路(402)が形成されたシリンダーボディー(410)と、
ピストン室(411)の内部で後端中央に結合され、中央には第3折畳油路(402)と連通する貫通ホール(421)が貫設されたガイド管(420)と、
後端にはピストン室(411)に収容されるシリンダーピストン(431)が形成され、後方にはガイド管(420)が挿入されてスライドするようにガイド孔(432)が形成され、周囲にはガイド孔(432)と連通する流路通孔(433)が形成されたシリンダーロッド(430)と、
シリンダーボディー(410)の先端を仕上げ、中央にはシリンダーロッド(430)が貫通し、後端にはシリンダーロッド(430)より大きな直径をもってピストン室(411)及び流路通孔(433)と連通するオイル孔(441)が形成された仕上げキャップ(440)とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項9】
プライヤー(1000)は、両側が一組の折畳バー(1001、1001’)を成し、シリンダーロッド(430)の出沒時にラックギア(611)及びピニオンギア(710)の作動によってプライヤー装着部(700、700’)とともに展開又は折畳作動する構造を有するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項10】
プライヤー(1000)は、折畳バー(1001、1001’)の内周面に所定の曲率で湾曲して電線を把持することができる把持曲面部(1110、1110’)が形成され、その把持曲面部(1110、1110’)には互いに対応する少なくとも一対以上の電線配置溝(1111、1111’)が形成されることにより、折畳時に把持力を有するグリッパープライヤー(1100)を構成し、
グリッパープライヤー(1100)はプライヤー装着部(700、700’)に交替可能に装着されることを特徴とする、請求項9に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項11】
プライヤー(1000)は、折畳バー(1001、1001’)の先端外側に対称状の打開部(1210)が形成されることにより、展開時に打開力を付与するスナッププライヤー(1200)を構成し、
折畳バー(1001、1001’)がプライヤー装着部(700、700’)に交替可能に装着されることを特徴とする、請求項9に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項12】
プライヤー(1000)は、折畳バー(1001、1001’)の先端内側に対応する切断部(1310)が形成されることによって折畳時に切断力を有するニッパープライヤー(1300)、折畳バー(1001、1001’)の先端内側に対応するヤットコ部(1410)が形成されることによって折畳時に把持力を有するロングノーズプライヤー(1400)、及び折畳バー(1001、1001’)の先端内側に対応する半円形ピン把持曲面部1(510)が形成されることによって折畳時に把持力を有するピン把持プライヤー(1500)のいずれか一つを構成し、
ニッパープライヤー(1300)、ロングノーズプライヤー(1400)及びピン把持プライヤー(1500)のいずれか一つがプライヤー装着部(700、700’)に装着されて使用されることを特徴とする、請求項9に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック。
【請求項13】
オイルタンク(100)、ポンピングユニット(200)、固定ブロック(300)及びシリンダーユニット(400)からなって油圧を制御する取っ手作動部(10)と、取っ手作動部(10)の前方に延設される絶縁延長スティック(500)と、絶縁延長スティック(500)の前方に延設され、グリップホルダー(600)及びプライヤー装着部(700、700’)からなるギアグリッパー部(20)と、プライヤー装着部(700、700’)に形成されるプライヤー(1000)とを含んでなる活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法であって、
前記シリンダーユニット(400)の先端には、出沒作動するシリンダーロッド(430)が形成され、
前記グリップホルダー(600)は、前記絶縁延長スティック(500)の前方に形成され、中央には前方にラックギア(611)が形成され、前方両側には一対の装着部作動溝(620、620’)が形成され、
前記プライヤー装着部(700、700’)は、後方がそれぞれの装着部作動溝(620、620’)に挿入されて軸設され、軸設された後方周囲にはラックギア(611)と噛み合うピニオンギア(710)がそれぞれ形成され、前記シリンダーロッド(430)の出沒によって展開又は折畳される両側一対のものであり、
高圧活線状態での配電設備工事過程で作業者にとって絶縁延長スティック(500)を用いて配電線路から安全な離隔距離を確保した状態で、間接活線作業を行うことを特徴とする、活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用
いており、
取っ手作動部(10)は、
オイルが充填され、先端にはオイル出口(110)が形成され、外部は取っ手(120)で取り囲まれるオイルタンク(100)と、
オイルタンク(100)と連結されてオイルの進出を断続し、内部にはオイルが流動する第1展開油路(201)及び第1折畳油路(202)が形成されたポンピングユニット(200)と、
ポンピングユニット(200)の先端に連結され、内部には第1展開油路(201)及び第1折畳油路(202)と連結される第2展開油路(301)及び第2折畳油路(302)が形成された固定ブロック(300)と、
固定ブロック(300)の先端に連結形成され、内部には第2展開油路(301)と連結される第3展開油路(401)及び第2折畳油路(302)と連結される第3折畳油路(402)が形成され、先端に出沒作動するシリンダーロッド(430)が形成されたシリンダーユニット(400)とを含んでなる、間接活線工法。
【請求項14】
プライヤー(1000)を折畳時に作用する把持力を有するグリッパープライヤー(1100)として用意し、活線作業過程でプライヤー装着部(700、700’)にグリッパープライヤー(1100)を装着して電線などの把持作業を遂行することを特徴とする、請求項13に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法。
【請求項15】
プライヤー(1000)を広開時に作用する打開力を有するスナッププライヤー(1200)として用意し、活線作業過程でプライヤー装着部(700、700’)にスナッププライヤー(1200)を装着し、スリーブカバー又はデッドアンドクランプを取り囲むデッドアンドカバーなどを広げて剥き出すか被せる作業を遂行することを特徴とする、請求項13に記載の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法。
【請求項16】
プライヤー(1000)を、ニッパープライヤー(1300)、ロングノーズプライヤー(1400)及びピン把持プライヤー(1500)の中で少なくとも一種以上として用意して活線作業過程で請求項1に記載のプライヤー装着部(700、700’)に装着して使い、間接活線作業遂行する、ことを特徴とする、活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧活線状態での配電設備工事の際、電線架線又は電線の固定又は撤去のために電柱に設置及び撤去する資機材(装柱)などを活線作業安全離隔距離を確保した遠距離間接活線作業で施工するための絶縁ギアグリッパープライヤースティックに関するもので、より詳しくは特高圧電線との十分な距離を確保した状態で電線や資機材などに対する強力な把持力又は打開力などで所望の施工を行うことができ、油圧作動部を絶縁スティックの取っ手作動部に取り付けて絶縁スティックの先端を軽量化することにより、間接活線作業を容易にしながらも作業者の安全を図るための活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック及びそのプライヤースティックを用いた間接活線工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力急増につれてこれに対応する電力設備がずっと拡充されており、電力使用者の電気品質に対する要求水準が高くなるにつれて瞬間の停電も請願の対象となって補償請求などの電気使用者の集団行動と訴訟事例が増加している実情であるので、配電工事時に良質の電力供給のために電力を遮断しない状態(活線状態)で工事を行う無停電工法が行われている。
【0003】
一方、このような無停電作業を行う過程で、活線作業のために、既存には直接活線作業又は人力間接活線作業を介して遂行していたが、このような従来技術による直接活線作業と人力間接作業はその作業の範囲が制限的であり、危険度が高く、作業の難解及び作業時間の相当な遅延をもたらす問題点があった。
【0004】
よって、この頃には多様な装備が開発されている。特に、本発明の出願人の韓国特許登録第10-1693146号のように、電線皮剥器を用い、活線バケットトラックを使って線路に容易に接近することができるようになり、作業者が絶縁装備を着用して直接活線状態の線路と接触しながら作業する直接作業が普遍化しており、作業の範囲が拡大し、作業時間及び作業効率の面でも間接作業に比べて数等優れた点があった。
【0005】
しかし、活線状態の電線路と直接接触するかあるいは非常に近接した距離で作業を行っているから、それによる作業者の間違いによる安全事故も頻繁に発生し、無停電作業の中断及び縮小の必要性まで提起される問題点があった。
【0006】
したがって、本発明の出願人は、前記のような諸般問題点を解決するために、絶縁スティックの形態に構成され、活線状態の電線と活線作業安全距離を確保した状態で間接活線作業で電線の皮剥作業が行える活線作業用皮剥電線固定開閉具を有するケーシングに着脱式カッター部内装型電線外被カッティングホルダーを装着したギア回転管の回転による半自動特高圧絶縁皮剥器及びその皮剥器を用いた間接活線電線皮剥工法を提案したことがある。
【0007】
しかし、前記のような皮剥器を用いて作業を遂行しても、その作業時に電柱に設置及び撤去する活線状態の電線又は資機材を把持して固定するか撤去し、切るとか広げるなどの多様な作業が必要になり、仕方なく補助作業者が絶縁装備を着用し、線路と直接接触し得るというのを甘受しながら安全に握って固定しなければならないが、以前の人力のみに依存した間接活線器具によっては把持力が足りなくて多様な高難度作業ができないだけでなく、作業の労動強度が高くて連続作業時の作業者の間違い及び体力の限界による安全事故が度々発生する深刻な問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許登録第第10-1693146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記のような諸般の問題点を解決するために創案されたもので、絶縁延長スティックの先端にギアグリッパーが形成され、後端絶縁スティック取っ手作動部には油圧の断続でグリッパーを作動する油圧作動部及び油圧ポンピングユニットを作動させる油圧レバーが形成されるなど、活線作業安全離隔距離を確保した遠距離作業でギアグリッパーの作動を可能にすることにより、特高圧活線状態での配電設備工事の際、電線架線作業又は電線の固定のために電柱に設置及び撤去する資機材(装柱)などを間接活線作業で施工するときに作業者が危険を甘受しながら近付く必要がなく、活線安全離隔距離を確保した状態で遠距離でも油圧レバーの作動により、特高圧電線又は資機材に対する容易で強力な把持力又は打開力などで施工することができるなど、絶縁スティック油圧作動部を絶縁スティック取っ手作動部に取り付けて絶縁スティックの先端を軽量化することにより、作業中の労動強度及び体力の限界による不安定な危険を除去し、安全を確保するための活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック及びそのプライヤースティックを用いた間接活線工法を提供することに本発明の目的がある。
【0010】
また、多様なグリッパーのプライヤー装着部に多様な工具を交替可能に装着して使用することができるようにすることにより、特高圧活線状態での強力な把持力又は打開力を用いて多様な作業を遂行することができるようにするなど、その使用効率性の向上をもたらすための活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック及びそのプライヤースティックを用いた間接活線工法を提供することに本発明の他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための具体的な手段としては、油圧を制御する取っ手作動部と、
内部には後端がシリンダーロッドの先端に結合して前方に突出する作動バーが形成され、後端がシリンダーユニットを取り囲んで結合して前方に突出する絶縁延長スティックと、
取っ手作動部の油圧作動によって折畳及び展開作動するギアグリッパー部とを含んでなり、
取っ手作動部は、
オイルが充填され、先端にはオイル出口が形成され、外部は取っ手で取り囲まれるオイルタンクと、
オイルタンクと連結されてオイルの進出を断続し、内部にはオイルが流動する第1展開油路及び第1折畳油路が形成されたポンピングユニットと、
ポンピングユニットの先端に連結され、内部には第1展開油路及び第1折畳油路と連結される第2展開油路及び第2折畳油路が形成された固定ブロックと、
固定ブロックの先端に連結形成され、内部には第2展開油路と連結される第3展開油路及び第2折畳油路と連結される第3折畳油路が形成され、先端に出沒作動するシリンダーロッドが形成されたシリンダーユニットとを含んでなり、
【0012】
ギアグリッパー部は、
絶縁延長スティックの前方に形成され、中央には前方にラックギアが形成され後方に作動バーの先端が結合される出沒部が貫設され、前方両側には一対の装着部作動溝が形成されたグリップホルダーと、
後方がそれぞれの装着部作動溝に挿入されて軸設され、軸設された後方周囲にはラックギアと噛み合うピニオンギアがそれぞれ形成され、シリンダーロッドの出沒によって展開又は折畳される両側一対のプライヤー装着部と、
それぞれのプライヤー装着部に装着されてプライヤー装着部とともに展開及び折畳作動するプライヤーとを含んでなる、活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用い、
高圧活線状態での配電設備工事過程で作業者にとって絶縁延長スティックを用いて配電線路から安全な離隔距離を確保した状態で、取っ手作動部を用いた油圧のポンピング作動、プライヤーを用いた電線などの把持作業、スリーブカバー又はデッドアンドクランプを取り囲むデッドアンドカバーなどを広げて剥き出すか被せる作業、バインド線、被覆、ワイヤなどの切断作業、小型部品などの把持作業、及び懸垂碍子などの連結時に使われる連結ピン(コッタピン)などの把持作業のいずれか一つの間接活線作業を行うことによって達成することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック及びそのプライヤースティックを用いた間接活線工法は、特高圧活線状態での配電設備工事の際、電線架線又は電線の固定のために電柱に設置及び撤去する資機材(装柱)などを間接活線作業するにあたり、作業者が危険を甘受して近付く必要がなく、絶縁スティック油圧作動部を絶縁スティック取っ手作動部に取り付けて絶縁スティックの先端を軽量化することにより、活線安全離隔距離を確保した遠距離でも油圧レバーの作動によって特高圧電線又は資機材に対する容易で強力な把持などの取扱及び設置ができるようにするなど、労動強度及び労動者の体力の限界を解決して安全作業となるようにし、これによって作業能率を一層向上させる効果を得ることができるものである。
【0014】
また、グリッパーのプライヤー装着部に多様なプライヤーを交替して使うことにより、特高圧活線状態の配電設備工事で強力な把持力又は打開力を用いて多様な間接活線作業が行えるようにするなど、使用効率性を一層向上させる効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの斜視図である。
【
図2】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの側断面図である。
【
図3】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの平断面図である。
【
図4】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの後方要部の斜視図である。
【
図5】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの後方要部の側断面図である。
【
図6】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの後方要部の平断面図である。
【
図7】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの両方向チェックバルブの実施例を示す図である。
【
図8】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの両方向チェックバルブの他の実施例を示す図である。
【
図9】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの両方向チェックバルブの他の実施例を示す図である。
【
図10】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの前方要部の斜視図である。
【
図11】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの前方要部の側断面図である。
【
図12】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックのプライヤーの他の実施例を示す図である。
【
図13】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックのプライヤーの他の実施例を示す図である。
【
図14】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックのプライヤーの他の実施例を示す図である。
【
図15】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックのプライヤーの他の実施例を示す図である。
【
図16】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法の作業準備状態を示す図である。
【
図17】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法のプライヤースティックの展開作動状態を示す図である。
【
図18】本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法のプライヤースティックの折畳作動状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的又は辞書的意味に限定して解釈されてはいけなく、発明者は自分の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に合う意味及び概念に解釈されなければならない。
【0017】
したがって、本明細書に記載した実施例と図面に示した構成は本発明の最も好適な一実施例に過ぎないだけで、本発明の技術的思想を全部代弁するものではないので、本出願時点にこれらを取り替えることができた多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0018】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの斜視図、
図2は本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの側断面図、
図3は本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックの平断面図である。
【0020】
図1~
図3に示すように、本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック1は、取っ手作動部10と、絶縁延長スティック500と、ギアグリッパー部20とからなる。
【0021】
まず、取っ手作動部10は、本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック1の作動において、油圧を制御することができるように構成されたものであり、オイルタンク100と、ポンピングユニット200と、固定ブロック300と、シリンダーユニット400とからなる。
【0022】
ここで、前記オイルタンク100は、内部にオイルが充填され、先端には充填されたオイルの進出が可能なオイル出口110が構成される。
【0023】
そして、オイルタンク100は、その外周が、使用者が後方を把持することができるように、取っ手120で取り囲まれるように構成される。
【0024】
前記ポンピングユニット200は前記オイルタンク100と連結され、オイルタンク100からのオイルの排出及びオイルの循環を断続するように構成されたものであり、
図4~
図6に示すように、まず、前記オイルタンク100と連結されるブロック形のボディー210が構成される。
【0025】
ここで、ボディー210の内部には、まずオイルの圧力を付与するための圧力室220が構成される。ここで、圧力室220は図面上で垂直な形態を成し、その内部にはスプリング222が弾設されたピストン223が構成され、そのピストン223はボディー210の外側に形成される油圧レバー221のポンピング作用によって作動して圧力室220に圧力を付与するように構成される。
【0026】
また、ボディー210の内部には分岐室230が構成される。ここで、分岐室230は前記圧力室220の後方に隣合う位置でその圧力室220と同列を成し、下部の連結油路231を介して圧力室220と連結されるように構成される。
【0027】
そして、分岐室230は前記オイルタンク100のオイル出口110と連結され、その連結部には平面上で“コ”字形に分期される第1展開油路201及び第1折畳油路202が構成され、その第1展開油路201及び第1折畳油路202は先端がボディー210の先端で開放する形態を成すように構成される。
【0028】
そして、分岐室230において、連結油路231と連結される位置には、圧力室220から圧力を付与するときに遮断し、圧力を解除するときに開放する一方向チェックバルブ232が構成される。ここで、一方向チェックバルブ232は新しく具現されるものではなく、通常のバルブヘッド、スプリング及びボール(図示せず)によって作動するものであれば可能なものであり、圧力を付与するときにボールがスプリング力を克服して圧力室220を遮断し、圧力を解除するときにボールがスプリング力によって圧力室を開放してバルブヘッドを通してオイルが流動することができるように構成される。
【0029】
また、ボディー210には方向転換バルブ240が構成される。ここで、方向転換バルブ240は、ボディー210の側面で圧力室220に対して直角方向に水平方向に貫通するように構成され、両側に出沒作動するように構成される。
【0030】
ここで、方向転換バルブ240は、前記分期された第1展開油路201及び第1折畳油路202の中間部を貫通し、その第1展開油路201及び第1折畳油路202をそれぞれ前後方の両側にそれぞれ分離するとともに、外周が連結油路231を介して圧力室220と連結されることにより、オイルが第1展開油路201又は第1折畳油路202を通して排出できるように構成される。
【0031】
そして、方向転換バルブ240には、その外周にそれぞれ円形を成す2列の第1及び第2流路241、242が構成され、第1及び第2流路241、242は出沒作動時に連結油路231と選択的に連結され、それぞれ第1展開油路201又は第1折畳油路202と選択的に干渉するように構成される。
【0032】
すなわち、方向転換バルブ240は、出沒作動過程で第1流路241が連結油路231と連結されるときには、第1展開油路201と連結され、圧力室220の圧力作用によってオイルが連結油路231と第1流路241を経て前方側の第1展開油路201を通して前方に供給されるように構成され、第2流路242が連結油路231と連結されるときには、第1折畳油路202と連結され、圧力室220の圧力作用によってオイルが連結油路231と第2流路242を経て前方側の第1展開油路201を通して供給されるように構成される。
【0033】
前記固定ブロック300はブロック形に構成され、前記ポンピングユニット200のボディー210の先端に連結されるように構成される。その内部には、前記前方側の第1展開油路201及び第1折畳油路202と連結される第2展開油路301及び第2折畳油路302が構成される。
【0034】
また、固定ブロック300にはそれぞれの第2展開油路301及び第2折畳油路302を前後方の両側に分離するバルブ室311が貫設される。ここで、バルブ室311には、第2展開油路301又は第2折畳油路302に流動する油圧の方向によってその分離された第2展開油路301又は第2折畳油路302を連結する両方向チェックバルブ310が構成される。
【0035】
一方、バルブ室311によって分離されるそれぞれの第2展開油路301と第2折畳油路302の方向性は限定されるものではなく、互いに同一線を成すように分離して構成するか、互いに異なる線を成すように分離して構成するか迂回構造を成すように構成することができるというのは言うまでもない。
【0036】
ここで、両方向チェックバルブ310は限定されるものではなく、多様な実施例に適用することができるように構成することができる。
【0037】
まず、両方向チェックバルブ310は、
図7に示すように、展開バルブユニット321と、折畳バルブユニット325と、バルブピストン328とから構成することができる。
【0038】
ここで、展開バルブユニット321は前記バルブ室311の一側に結合してバルブ室311の一側を仕上げるように構成され、その内部には通孔(図示せず)などによって分離された第2展開油路301を連結する展開油室321aが構成される。
【0039】
そして、展開油室321aの内部には、後述するバルブピストン328と反応してスライド作動し、そのスライド作動過程で分離された第2展開油路301の連結を断続する展開バルブ322が構成される。
【0040】
前記折畳バルブユニット325は前記バルブ室311の他側に結合されてバルブ室311の他側を仕上げるように構成され、その内部には通孔(図示せず)などによって分離された第2折畳油路302を連結する折畳油室325aが構成される。
【0041】
そして、折畳油室325aの内部には、後述するバルブピストン328と反応してスライド作動し、そのスライド作動過程で分離された第2折畳油路302の連結を断続する折畳バルブ326が構成される。
【0042】
前記バルブピストン328は前記バルブ室311で展開バルブユニット321と折畳バルブユニット325との間に形成され、油圧作用によってバルブ室311の内部でスライド往復作動し、その作動過程で前記展開バルブ322又は折畳バルブ326と反応してその展開バルブ322又は折畳バルブ326の開閉量を調節するように構成される。
【0043】
すなわち、両方向チェックバルブ310は、第1展開油路201と連結される第2展開油路301側に油圧が作用するとき、反対側の第2展開油路301に伝達される過程でバルブピストン328を押して開放し、展開バルブユニット321の展開バルブ322及び展開油室321aを通してオイルが流動することができるようにする。
【0044】
これとは反対に、第1折畳油路202と連結される第2折畳油路302側に油圧が作用するとき、反対側の第2折畳油路302に伝達される過程でバルブピストン328を押して開放し、折畳バルブユニット225の折畳バルブ326及び折畳油室325aを通してオイルが流動することができるようにする。
【0045】
また、両方向チェックバルブ310は、
図8に示すように、仕上げキャップ331、331’と、バルブピストン335と、ピストンスプリング339、339’とから構成することができる。
【0046】
ここで、仕上げキャップ331、331’は前記バルブ室311の両側に結合されてそのバルブ室311を仕上げるように構成される。
【0047】
前記バルブピストン335は前記バルブ室311で仕上げキャップ331、331’の間に形成されるものであり、油圧作用によってバルブ室311の内部で第2展開油路301又は第2折畳油路302に流動する油圧の作用によってスライド往復作動し、その作動過程で前記第2展開油路301又は第2折畳油路302の開閉量を調節するように構成される。
【0048】
ここで、バルブピストン335の両側にはそれぞれ展開油路連通部336と折畳油路連通部337が構成される。
【0049】
まず、展開油路連通部336はバルブピストン335の一側端から傾斜面336aを成しながら縮小する直径を有するように構成されるものであり、その端部にはバルブピストン335のスライド作動過程で一側の仕上げキャップ331と干渉する展開油路支持突部336bが構成される。
【0050】
したがって、展開油路連通部336は、第2展開油路301に油圧が作用するとき、その傾斜面336aによってバルブピストン335の第2折畳油路302側への作動を案内するように構成され、よって第2展開油路301とバルブ室311の連結を断続するように構成される。
【0051】
そして、折畳油路連通部337はバルブピストン335の他側端から傾斜面337aを成しながら縮小する直径を有するように構成されるものであり、その端部にはバルブピストン335のスライド作動過程で他側の仕上げキャップ331’と干渉する折畳油路支持突部337bが構成される。
【0052】
よって、折畳油路連通部337は、第2折畳油路302に油圧が作用するとき、その傾斜面337aによってバルブピストン335の第2展開油路301側への作動を案内するように構成され、よって第2折畳油路302とバルブ室311の連結を断続するように構成される。
【0053】
前記ピストンスプリング339、339’は2個が一組を成すように構成され、前記バルブピストン335の両端と両側の仕上げキャップ331、331’との間に弾設されるように構成されたものであり、両側が同じ弾性を有するように構成され、バルブピストン335に復帰弾性を付与するように構成される。
【0054】
すなわち、両方向チェックバルブ310は、第1展開油路201と連結される第2展開油路301側に油圧が作用するとき、反対側の第2展開油路301に伝達される過程で展開油路連通部336の傾斜面336aを介してバルブピストン335を第2折畳油路302側に押して両側の第2展開油路301を開放し、展開油路連通部336の開放によるバルブ室311の連結によってオイルが流動することができるようにする。
【0055】
一方、バルブピストン335が第2折畳油路302側に押される過程で折畳油路連通部336の折畳油路支持突部337bは他側の仕上げキャップ331’に接することになり、傾斜面337aは第2折畳油路302の中間部に位置してその第2折畳油路302を開放し、所定量のオイルが流動することができるようにする。
【0056】
これとは反対に、第1折畳油路202と連結される第2折畳油路302側に油圧が作用するとき、反対側の第2折畳油路302に伝達される過程で折畳油路連通部337の傾斜面337aを介してバルブピストン335を第2展開油路301側に押して両側の第2折畳油路302を開放し、折畳油路連通部337の開放によるバルブ室311の連結によってオイルが流動することができるようにする。
【0057】
一方、バルブピストン335が第2展開油路301側に押される過程で展開油路連通部336の展開油路支持突部336bは一側の仕上げキャップ331に接することになり、傾斜面336aは第2展開油路301の中間部に位置してその第2展開油路301を開放し、所定のオイルが流動することができるようにする。
【0058】
一方、
図8に示すように、両方向チェックバルブ310を仕上げキャップ331、331’と、バルブピストン335と、ピストンスプリング339、339’とから構成するにあたり、他の実施例は、
図9に示すように、前方側に位置する第2展開油路301に展開油路チェックバルブ341をさらに含むように構成され、前方側に位置する第2折畳油路302には展開油路チェックバルブ351をさらに含むように構成されることができる。
【0059】
まず、展開油路チェックバルブ341は、前方側に位置する第2展開油路301の内側にスプリング342が弾設されることにより、バルブ室311側に突出して閉鎖力を有する“球形”のボールタイプに構成されることができる。
【0060】
ここで、第2展開油路301のバルブ室311側の端部には段部301aがさらに形成され、展開油路チェックバルブ341は第2展開油路301の直径より所定大きさだけ小さく構成されることにより、第2展開油路301側に油圧が作用するとき、油圧が展開油路チェックバルブ341を押して第2展開油路301を開放し、オイルが流動することができるようにする。
【0061】
また、折畳油路チェックバルブ351は、前方側に位置する第2折畳油路302の内側にスプリング352が弾設されることにより、バルブ室311側に突出して閉鎖力を有する“球形”のボールタイプに構成されることができる。
【0062】
ここで、第2折畳油路302のバルブ室311側の端部には段部302aがさらに形成され、折畳油路チェックバルブ351は第2折畳油路302の直径より所定大きさだけ小さく構成されることにより、第2折畳油路302側に油圧が作用するとき、油圧が折畳油路チェックバルブ351を押して第2折畳油路302を開放し、オイルが流動することができるようにする。
【0063】
すなわち、第2展開油路301側に油圧が作用するとき、反対側の第2展開油路301に伝達される過程で展開油路連通部336の傾斜面336aを介してバルブピストン335を第2折畳油路302側に押して両側の第2展開油路301を開放し、展開油路連通部336の開放によるバルブ室311の連結によってオイルが流動することができるようにし、よってオイルの圧力が展開油路チェックバルブ341を押して第2展開油路301を開放し、オイルが流動することができるようにする。
【0064】
ここで、バルブピストン335の折畳油路連通部337の傾斜面337aはバルブ室311側に突出した折畳油路チェックバルブ351を所定大きさだけ押して第2折畳油路302が所定大きさだけ開放するようにし、その第2折畳油路302に所定量のオイルが流動することができるようにする。
【0065】
これとは反対に、第1折畳油路202と連結される第2折畳油路302側に油圧が作用するとき、反対側の第2折畳油路302に伝達される過程で折畳油路連通部337の傾斜面337aを介してバルブピストン335を第2展開油路301側に押して両側の第2折畳油路302を開放し、折畳油路連通部337の開放によるバルブ室311の連結によってオイルが流動することができ、よってオイルの圧力が折畳油路チェックバルブ351を押して第2折畳油路302を開放し、オイルが流動することができるようにする。
【0066】
ここで、バルブピストン335の展開油路連通部336の傾斜面336aはバルブ室311側に突出した展開油路チェックバルブ341を所定大きさだけ押して第2展開油路301を所定大きさだけ開放し、その第2展開油路301に所定量のオイルが流動することができるようにする。
【0067】
前記シリンダーユニット400は前記固定ブロック300の先端に連結構成され、内部には、後方に開放して固定ブロック300の第2展開油路301と連結される第3展開油路401及び第2折畳油路302と連結される第3折畳油路402が構成され、前記固定ブロック300にオイルが流動することができるように構成される。
【0068】
ここで、シリンダーユニット400は、まず、シリンダーボディー410が構成され、シリンダーボディー410はその後方が固定ブロック300の先端に連結されるように構成され、内側には前方に開放するピストン室411が構成される。
【0069】
また、後方の一側には前記第2展開油路301とピストン室411の一側を連結する第3展開油路401が貫設され、後方中央には前記第2折畳油路302とピストン室411の中央を連結する第3折畳油路402が構成される。
【0070】
そして、シリンダーユニット400にはガイド管420が構成され、ガイド管420は水平管の形態に構成され、中央にはオイルが流動することができるようにする貫通ホール421が構成される。
【0071】
ここで、ガイド管420はピストン室411に収容された状態でその後端が第3折畳油路402に結合され、第3折畳油路402と貫通ホール421が連通するように構成される。
【0072】
そして、シリンダーユニット400にはシリンダーロッド430が構成され、シリンダーロッド430はピストン室411に挿入されてシリンダーボディー410の前方に突出するように構成され、その後端には、ピストン室411に収容され、油圧作動によって前後に移動するシリンダーピストン431が構成される。
【0073】
ここで、シリンダーロッド430は、その後端中央に、ガイド管420の前方が挿入されて水密状態でスライドするように、シリンダーピストン431を通ってシリンダーロッド430の内部中間部まで形成されるガイド孔432が構成される。
【0074】
また、シリンダーロッド430の周囲には、前記ガイド孔432と連通する流路通孔433が構成される。
【0075】
そして、シリンダーユニット400には仕上げキャップ440が構成され、仕上げキャップ440はネジ締結などによってシリンダーボディー410の前方に結合されてピストン室411を仕上げるように構成され、その中央には前記シリンダーロッド430が貫通して水密にスライドするように構成される。
【0076】
また、後端には、後方に開放し、シリンダーロッド430より大きな直径をもってシリンダーロッド430を取り囲み、ピストン室411よりは小さな直径を有するオイル孔441が形成され、オイル孔441はピストン室411及びシリンダーロッド430の流路通孔433と連通するように構成される。
【0077】
すなわち、シリンダーユニット400は、第3展開油路401を通して油圧が進入してピストン室411の後方から油圧が作用するとき、シリンダーピストン431の後面を押してシリンダーロッド430を前進させるように構成され、これとは反対に、第3折畳油路402を通して油圧が進入するとき、ガイド管420を通して油圧がシリンダーピストン431のガイド孔432に流入して油圧を付与し、その油圧はシリンダーロッド430の流路通孔433を通して仕上げキャップ440のオイル孔441に排出され、シリンダーピストン431の前方を押して後進させるように構成される。
【0078】
前記絶縁延長スティック500は、本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック1の長さを延ばすように構成されるものであり、中央が貫通された管体形に構成される。
【0079】
ここで、絶縁延長スティック500はその後端が前記シリンダーユニット400のシリンダーボディー410を取り囲んで結合されるとともに前方に突出するように構成される。
【0080】
また、絶縁延長スティック500の内部には作動バー510が構成され、作動バー510はその後端がシリンダーロッド430の先端に結合して前方に突出するように構成され、シリンダーロッド430の前後作動によって作動するように構成される。
【0081】
また、絶縁延長スティック500の外周には、使用者が活線作業安全距離を区分することができる取っ手安全掛け部520がさらに突設されるように構成されることができる。
【0082】
前記ギアグリッパー部20は前記取っ手作動部10の油圧作動によって折畳及び展開作動するように構成されるものであり、グリップホルダー600と、プライヤー装着部700、700’と、プライヤー1000とからなる。
【0083】
ここで、前記グリップホルダー600は、
図10及び
図11に示すように、前記絶縁延長スティック500の前方に形成され、その中央には出沒部610が貫通するように構成される。
【0084】
ここで、出沒部610は、前方周囲には両側にネジ部を有する四角形のラックギア611が形成され、その後端には作動バー510の先端が結合されるように構成されるものであり、作動バー510の前後作動によって作動するように構成される。
【0085】
そして、グリップホルダー600には前方両側に一対の装着部作動溝620、620’が構成され、装着部作動溝620、620’は前方及び両側に開放するように構成され、前記出沒部610のラックギア611と連結されるように構成される。
【0086】
前記プライヤー装着部700、700’は、両側に一対から構成され、出沒部610のラックギア611と反応して展開又は折畳作動するように構成される。
【0087】
ここで、それぞれのプライヤー装着部700、700’は、後端に前記出沒部610のラックギア611と噛み合うピニオンギア710が構成され、そのピニオンギア710の中心がグリップホルダー600の装着部作動溝620、620’に軸設されるように構成される。
【0088】
前記プライヤー1000はそれぞれのプライヤー装着部700、700’にピン又はボルトなどの結合手段を介して装着され、そのプライヤー装着部700、700’とともに展開及び折畳作動するように構成され、活線作業時に作業工具として使われる。
【0089】
ここで、プライヤー1000は両側に一組の折畳バー1001、1001’からなり、シリンダーロッド430の出沒時、ラックギア611及びピニオンギア710の作動によってプライヤー装着部700、700’とともに展開又は折畳作動する構造を成すように構成されるものであり、多様な作業ができるように相異なる形態の多数種を成すように構成され、相異なる種類のプライヤー1000がプライヤー装着部700、700’に交替可能に装着されることにより、活線作業過程で多様な作業を遂行することができるように構成される。
【0090】
一方、その多数種のプライヤー1000は、まず、
図10及び
図11に示すように、折畳バー1001、1001’の対応する内周面に所定の曲率で湾曲して電線を把持することができる把持曲面部1110、1110’がそれぞれ構成され、それぞれの把持曲面部1110、1110’には互いに対応する位置に少なくとも一つ以上の三角溝形の電線配置溝1111、1111’が形成されることにより、折畳時に把持力を有するグリッパープライヤー1100を構成することができるものでああり、グリッパープライヤー1100は活線作業過程で電線などの把持作業ができるように構成される。
【0091】
ここで、前記折畳バー1001、1001’の構成において、いずれか一側の折畳バー1001は間隔を置いて2列に構成することができる。これは、折畳過程で他側の折畳バー1001’がその離隔した折畳バー1001の間を通過して交差することができるようになり、電線の大きさに構わずに把持することができ、特にこのような交差構造は電線などの把持はもちろんのこと、折畳バー1001、1001’の端部によって電線などを広げる打開作動も可能になる。
【0092】
また、プライヤー1000は、
図12に示すように、折畳バー1001、1001’の先端外側に対称状の打開部1210が突設されることにより、展開時に広げる外力(打開力)を付与するスナッププライヤー1200を構成することができ、スナッププライヤー1200は活線作業過程でスリーブカバー又はデッドアンドクランプを取り囲むデッドアンドカバーなどを広げて剥き出すか被せる作業ができるように構成される。
【0093】
また、プライヤー1000は、
図13に示すように、折畳バー1001、1001’の先端内側に対応する切断部1310が形成されることにより、折畳時に切断力を有するニッパープライヤー1300を構成することができ、ニッパープライヤー1300は活線作業過程でバインド線、被覆、ワイヤなどの切断作業が行えるように構成される。
【0094】
また、プライヤー1000は、
図14に示すように、折畳バー1001、1001’の先端内側に対応するヤットコ部1410が形成されることにより、折畳時に把持力を有するロングノーズプライヤー1400を構成することができ、ロングノーズプライヤー1400は活線作業過程で小型部品などを把持することができるように構成される。
【0095】
また、プライヤー1000は、
図15に示すように、折畳バー1001、1001’の先端内側に対応する半円形ピン把持曲面部1510が形成されることにより、折畳時に把持力を有するピン把持プライヤー1500を構成することができ、ピン把持プライヤー1500は活線作業過程で懸垂碍子などを連結するときに使われる連結ピン(コッタピン)などを把持することができるように構成される。
【0096】
すなわち、プライヤー1000は多数種を成すように構成することができるものであり、グリッパープライヤー1100、ニッパープライヤー1300、ロングノーズプライヤー1400、スナッププライヤー1200及びピン把持プライヤー1500のいずれか一つを折畳バー1001、1001’を介してプライヤー装着部700、700’にピン又はボルトなどの結合手段で交替可能に装着して使用することができるように構成される。
【0097】
以下、前記のような構成を有する本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0098】
本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックを用いた間接活線工法は、前記のような構成を有する活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック1を用いて高圧活線状態での配電設備工事を行うことができるものであり、絶縁延長スティック500によって作業者にとって配電線路から安全な離隔距離を確保した状態で取っ手作動部10を用いて油圧をポンピング作動し、これによってプライヤー1000を作動させることによって遂行する。
【0099】
すなわち、プライヤー1000を用いて、電線などの把持作業、又はスリーブカバー又はデッドアンドクランプを取り囲むデッドアンドカバーなどを広げて剥き出すか被せる作業、又はバインド線、被覆、ワイヤなどの切断作業、又は小型部品などの把持作業、又は懸垂碍子などを連結するときに使われる連結ピン(コッタピン)などの把持作業を行うことができる。
【0100】
これを詳細に説明すれば、
まず、
図16に示すように、間接活線作業を行う主作業者と補助作業を行う補助作業者は作業に必要なプライヤースティック1を携帯した状態で安全距離を確保する安全離隔距離まで線路に近付けば良い。
【0101】
一方、このように安全離隔距離まで線路に近付くとき、活線バケットを用いて安全距離を確保した状態で安全離隔距離まで線路に近付くことができ、その安全離隔距離は本発明のプライヤースティック1の絶縁延長スティック500の長さを考慮して適宜調節すれば良い。
【0102】
すなわち、作業者が線路に近付く場合、比較的地上から近距離に線路が位置するときには作業者が直接接近することができ、比較的遠距離の柱上に位置するときには別途の活線バケットを用いて近付くことができる。
【0103】
ここで、作業者は、プライヤースティック1を携帯する過程で、プライヤー装着部700、700’に交替して使用可能なグリッパープライヤー1100と、ニッパープライヤー1300と、ロングノーズプライヤー1400と、スナッププライヤー1200と、ピン把持プライヤー1500の中で少なくとも一種以上を準備すれば良い。
【0104】
その後、通常の配電設備工事を遂行するとき、その電線の活線状態で作業を遂行する。
【0105】
ここで、本発明では、前記のような活線作業を行う過程で、作業者が絶縁装備を着用して直接線路と接触する必要なしに、安全距離を確保した状態で本発明のプライヤースティック1を用いて間接活線作業を行うことができる。
【0106】
ここで、本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック1は、
図1~
図15に示すとともに
図16に示すように、活線作業を行う過程で、作業者にとって安全距離を確保した状態で電線50の把持などの多様な作業を安全に行うことができる。これは、絶縁延長スティック500を用いて電線50から一定距離を確保することができ、後方でポンピングユニット200の作動によって先端のプライヤー装着部700、700’の展開及び折畳作動が可能になり、このときにそのプライヤー装着部700、700’に装着されるプライヤー1000の作動が可能になる。
【0107】
詳細に説明すれば、まずプライヤー1000の展開を行うときには、
図4~
図6に示すように、ポンピングユニット200の方向転換バルブ240を作動させて連結油路231と第1流路241と前方側の第1展開油路201を互いに連結し、第1折畳油路202と第2流路242を連結した状態でポンピングユニット200の油圧レバー221を押圧作動すれば良い。
【0108】
すなわち、油圧レバー221を作動してピストン223を押圧して圧力室220に圧力を付与すれば良い。よって、その圧力によって圧力室220のオイルは連結油路231を通して方向転換バルブ240に供給され、反対に分岐室230には一方向チェックバルブ232の遮断によって供給が遮断される。
【0109】
よって、圧力室220の圧力作動の際、オイルが連結油路231と第1流路241を経て前方側の第1展開油路201を通して前方に供給され、両方向チェックバルブ310及び第2展開油路301を通してシリンダーユニット400の第3展開油路401に供給されてピストン室411に流入することになる。
【0110】
一方、このような展開過程でオイルの流動を断続する両方向チェックバルブ310は、
図7及び
図8に示すように、多様に適用することができるというのは言うまでもない。まず、
図7に示すように、両方向チェックバルブ310を展開バルブユニット321と折畳バルブユニット325とバルブピストン328とから構成する場合には、第2展開油路301側に油圧が作用するとき、反対側の第2展開油路301に伝達される過程でバルブピストン328を押して開放し、展開バルブユニット321の展開バルブ322及び展開油室321aを通してオイルが流動することができるようにする。
【0111】
また、
図8に示すように、仕上げキャップ331、331’とバルブピストン335とピストンスプリング339、339’とから構成する場合には、第2展開油路301側に油圧が作用するとき、反対側の第2展開油路301に伝達される過程で展開油路連通部336の傾斜面336aを介してバルブピストン335を第2折畳油路302側に押して両側の第2展開油路301を開放し、展開油路連通部336の開放によるバルブ室311の連結によってオイルが流動することができるようにする。
【0112】
よって、
図17に示すように、シリンダーロッド430が前方に前進し、そのシリンダーロッド430と絶縁延長スティック500の作動バー510で連結された出沒部610が前進する。この際、出沒部610に形成されたラックギア611が前進し、そのラックギア611とピニオンギア710が噛み合っているプライヤー装着部700、700’及びプライヤー1000が両側に広げられる展開状態を成す。
【0113】
一方、このような展開作動による油圧の作用状態を説明すると、
図4~
図8に示すように、連結油路231に供給されるオイルは、方向転換バルブ240の第1流路241を通して、前方に位置する第1展開油路201と後方側の第2展開油路301と両方向チェックバルブ310と前方側の第2展開油路301と第3展開油路401を通してピストン室411の後方に進入し、よってシリンダーロッド430のシリンダーピストン431の後方を押圧してシリンダーロッド430を前方に押し出す。
【0114】
よって、
図18に示すように、シリンダーロッド430の前方に連結された作動バー510及び出沒部610の前進によってラックギア611とピニオンギア710が噛み合っているプライヤー装着部700、700’及びプライヤー1000が両側に広げられる展開状態を成す。
【0115】
一方、このように展開による圧力が付与されるとき、ピストン室411の前方では仕上げキャップ440のオイル孔441及びシリンダーロッド430に形成された流路通孔433を通してガイド孔432にオイルが排出され、このように排出されたオイルはガイド管420と第3折畳油路402と前方側の第2折畳油路302と両方向チェックバルブ310と後方側の第2折畳油路302と前方側の第1折畳油路202と方向転換バルブ240の第2流路242と後方側の第1折畳油路202及び分岐室230を通してオイルタンク100に流入して回収される。
【0116】
その後、方向転換バルブ240を反対に作動させた状態で前記のように作動した油圧レバー221の押圧力を解除すれば、その油圧レバー221はスプリング222の弾性によって復帰し、このような過程で回収されるオイルはピストン223の吸入力によって圧力室220に充填される。
【0117】
その後、プライヤー装着部700、700’の折畳作動時には、前記展開時と反対に、方向転換バルブ240を作動させて連結油路231と第2流路242と前方側の第1折畳油路202が互いに連結されるようにし、第1展開油路201と第1流路241が連結されるようにした状態で、ポンピングユニット200の油圧レバー221を押圧作動させれば良い。
【0118】
すなわち、油圧レバー221を作動してピストン223を押圧して圧力室220に圧力を付与し、その圧力によって圧力室220のオイルは連結油路231を通して方向転換バルブ240に供給され、反対に分岐室230には一方向チェックバルブ232の遮断によって供給が遮断される。
【0119】
よって、
図18に示すように、シリンダーロッド430が後方に後進し、そのシリンダーロッド430と絶縁延長スティック500の作動バー510で連結された出沒部610が後進する。ここで、出沒部610に形成されたラックギア611が後進し、ラックギア611とピニオンギア710が噛み合っているプライヤー装着部700、700’及びプライヤー1000が窄んで折畳状態を成す。
【0120】
一方、このような折畳作動による油圧の作用状態を説明すると、
図4~
図8に示すように、連結油路231に供給されるオイルは方向転換バルブ240の第2流路242を通して前方に位置する第1折畳油路202と後方側の第2折畳油路302と両方向チェックバルブ310と前方側の第2折畳油路302と第3折畳油路402とガイド管420とシリンダーロッド430のガイド孔432と流路通孔433と仕上げキャップ440のオイル孔441とを通してピストン室411の前方に進入し、よってシリンダーロッド430のシリンダーピストン431の前方を押圧してシリンダーロッド430を後方に押し出す。
【0121】
一方、前記のように展開過程でオイルの流動を断続する両方向チェックバルブ310は、
図7及び
図8に示すように、多様に適用することができるとういのは言うまでもない。まず、
図7に示すように、両方向チェックバルブ310を展開バルブユニット321と折畳バルブユニット325とバルブピストン328とから構成する場合には、第2折畳油路302側に油圧が作用するとき、反対側の第2折畳油路302に伝達される過程でバルブピストン328を押して開放し、折畳バルブユニット225の折畳バルブ326及び折畳油室325aを通してオイルが流動することができるようになる。
【0122】
また、
図8に示すように、仕上げキャップ331、331’とバルブピストン335とピストンスプリング339、339’とから構成される場合には、第2折畳油路302側に油圧が作用するとき、反対側の第2折畳油路302に伝達される過程で折畳油路連通部337の傾斜面337aを介してバルブピストン335を第2展開油路301側に押して両側の第2折畳油路302を開放し、折畳油路連通部337の開放によるバルブ室311の連結によってオイルが流動することができるようにする。
【0123】
よって、シリンダーロッド430の前方に連結された作動バー510及び出沒部610の後進によってラックギア611とピニオンギア710が噛み合っているプライヤー装着部700、700’及びプライヤー1000が窄む折畳状態を成す。
【0124】
一方、前記のように展開による圧力が付与されるとき、ピストン室411の後方では、第3展開油路401と前方側の第2展開油路301と両方向チェックバルブ310と後方側の第2展開油路301と前方側の第1展開油路201と方向転換バルブ240の第1流路241と後方側の第1展開油路201及び分岐室230とを通してオイルタンク100に流入して回収される。
【0125】
その後、方向転換バルブ240を反対に作動させた状態で前記のように作動した油圧レバー221の押圧力を解除すれば、その油圧レバー221はスプリング222の弾性によって復帰し、このような過程で回収されるオイルはピストン223の吸入力によって圧力室220に充填される。
【0126】
すなわち、本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティック1は、油圧の作動によるシリンダーロッド430の出沒作動によってプライヤー装着部700、700’の展開及び折畳動作が可能になり、よってそのプライヤー装着部700、700’に装着されるプライヤー1000の折畳バー1001、1001’が展開及び折畳作動することができる。
【0127】
そのプライヤー1000を用いた活線作業は、まず、グリッパープライヤー1100を用いて電線50を把持することができる。一例として、
図17及び
図18に示すように、電線50はグリッパープライヤー1100の把持曲面部1110、1110’に形成された電線配置溝1111、1111’によって遊動なしに安定に把持され、このような作動によって、作業者にとって電線から遠距離、すなわち安全距離を確保した状態で電線を安全に把持することができるようになる。
【0128】
一方、前記プライヤー1000は、グリッパープライヤー1100の他に多数種を用いて活線作業での多様な作業を遂行することができる。よって、プライヤー装着部700、700’にピン又はボルトなどの結合手段を介して多様なプライヤー1000を交替して使うことができる。
【0129】
まず、
図12に示すように、スナッププライヤー1200を使うときには、プライヤー装着部700、700’にスナッププライヤー1200を装着して使うことにより、活線作業過程で打開部1210を用いて被覆電線50を広げるかスリーブカバー又はデッドアンドクランプを取り囲むデッドアンドカバーなど(図示せず)を広げるかあるいは被せるのに使用することができる。
【0130】
また、
図13に示すように、ニッパープライヤー1300を使うときには、プライヤー装着部700、700’にニッパープライヤー1300を装着して使うことにより、活線作業過程で切断部1310を用いてバインド線、被覆、ワイヤなど(図示せず)の切断作業を遂行することができる。
【0131】
また、
図14に示すように、ロングノーズプライヤー1400を使うときには、プライヤー装着部700、700’にロングノーズプライヤー1400を装着して使うことにより、活線作業過程でヤットコ部1410を用いて小型部品などを把持するかボルトなど(図示せず)を締め付けるか深い部分の部品などを把持するときに使用することができる。
【0132】
また、
図15に示すように、ピン把持プライヤー1500を使うときには、プライヤー装着部700、700’にピン把持プライヤー1500を装着して使うことにより、活線作業過程でピン把持曲面部1510を用いて、懸垂碍子などの連結時に使われる連結ピン(コッタピン)など(図示せず)を把持するのに使用することができる。
【0133】
一方、本発明の実施例では、前記多数種のプライヤー1000の使用を一実施例として説明したが、これは必ずしも制限されるものではなく、活線作業過程で各作業に合うプライヤー1000を交替して使用することができるというのは言うまでもない。
【0134】
すなわち、プライヤー1000は多数種を成すように構成されるものであり、グリッパープライヤー1100、スナッププライヤー1200、ニッパープライヤー1300、ロングノーズプライヤー1400及びピン把持プライヤー1500のいずれか一つをプライヤー装着部700、700’に交替可能に装着して使用することができるので、単一プライヤースティック1で多様な作業を遂行することができるなど、非常に効率的で安全な活線作業が可能になる。
【0135】
以上のように、本発明の活線作業用手動油圧式多機能特高圧絶縁ギアグリッパープライヤースティックは、活線状態の電線を扱って作業する過程で、作業者にとって安全距離を確保した状態でその把持力又は打開力を使用することができるなど、作業上の便利性及び安全性を確保することになるなど、その使用効率性が一層向上する。
【符号の説明】
【0136】
10 取っ手作動部
20 ギアグリッパー部
50 電線
100 オイルタンク
110 オイル出口
120 取っ手
200 ポンピングユニット
201 第1展開油路
202 第1折畳油路
210 ボディー
220 圧力室
221 油圧レバー
222 スプリング
223 ピストン
230 分岐室
231 連結油路
232 一方向チェックバルブ
240 方向転換バルブ
241 第1流路
242 第2流路
300 固定ブロック
301 第2展開油路
302 第2折畳油路
310 両方向チェックバルブ
311 バルブ室
321 展開バルブユニット
321a 展開油室
322 展開バルブ
325 折畳バルブユニット
325a 折畳油室
326 折畳バルブ
218 バルブピストン
331、331’ 仕上げキャップ
335 バルブピストン
336 展開油路連通部
336a 傾斜面
337 折畳油路連通部
337a 傾斜面
400 シリンダーユニット
401 第3展開油路
402 第3折畳油路
410 シリンダーボディー
411 ピストン室
420 ガイド管
421 貫通ホール
430 シリンダーロッド
431 シリンダーピストン
432 ガイド孔
433 流路通孔
440 仕上げキャップ
441 オイル孔
500 絶縁延長スティック
510 作動バー
520 取っ手安全掛け部
600 グリップホルダー
610 出沒部
611 ラックギア
620、620’ 装着部作動溝
700、700’ プライヤー装着部
710 ピニオンギア
1000 プライヤー
1100 グリッパープライヤー
1001、1001’ 折畳バー
1110、1110’ 把持曲面部
1111、1111’ 電線配置溝
1200 スナッププライヤー
1210 打開部
1300 ニッパープライヤー
1310 切断部
1400 ロングノーズプライヤー
1410 ヤットコ部
1500 ピン把持プライヤー
1510 ピン把持曲面部