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  • 特許-ハンガー装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】ハンガー装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/12 20060101AFI20220527BHJP
   A47G 25/02 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
D06F57/12 B
D06F57/12 G
A47G25/02 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017220394
(22)【出願日】2017-11-15
(65)【公開番号】P2019088582
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-10-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000148070
【氏名又は名称】株式会社川口技研
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】亀井 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光一
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】石原 豊巳
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 祐介
(72)【発明者】
【氏名】植田 真史
(72)【発明者】
【氏名】清水 龍
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-009129(JP,U)
【文献】実開昭49-129839(JP,U)
【文献】実開昭60-140593(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/12
A47G 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面等の被取付体に取り付けられる取付ベースの端部に、略コ字状で前方に開口している収納部を有するアームベースを設け、このアームベースには、基端部側が開口する略コ字状に形成されるとともにその開口が前記アームベースの開口に繋がるハンガーアームを、上軸支部及び下軸支部によって水平面内で回動可能に設けて成り、前記ハンガーアームは、下方にあってハンガーを掛止する掛止部と、その上方にあって先端部を先枠部を介して前記掛止部と連結する上枠部を有し、これらの上枠部と掛止部は前記アームベースに上下に距離を置いて垂直方向に同軸上に軸支されており、前記アームベース収納部の下面は、前記ハンガーアームの掛止部に前記下軸支部を介して前記掛止部、下軸支部及び収納部が連続して配置されると共に、前記下軸支部及び収納部は、前記掛止部とその幅がほぼ同じであるよう形成し、前記掛止部からスライド移動したハンガーを前記収納部に収納することができるようにしたことを特徴とするハンガー装置。
【請求項2】
掛止部、軸支部及び収納部が略同一平面に連続していることを特徴とする請求項1に記載のハンガー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に室内の壁面等の被取付体に取り付けられる取付ベースに、ハンガーアームを回動可能に取り付け、ハンガーアームにハンガーを掛けられるハンガー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】

特開平8-896号公報(特許文献1)には、ベースの両端にアームを回動自在に設けられ、アームには、内面に物干し竿の係止部となる嵌合孔を設けると共に、外面に洗濯物や衣類を掛けられる突起を設けてあり、室内で物干し竿を使って洗濯物を干すことができ、さらには、洗濯物に限らず洋服掛けとしても使用できる室内物干し装置が開示されている。
また、実公平2-46874号公報(特許文献2)には、物干し竿を支持する支持腕を取付片に回動可能に設け、支持腕の上側に半円弧凹状の竿受部を設けてそこに物干し竿を支持させて使用し、不使用時には、そこから取付片上側に物干し竿を持って移動して収納することができる物干し竿の支持装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-896号公報
【文献】実公平2-46874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された発明においては、物干し竿を使って洗濯物を乾燥させた後に、突起に掛けて収納するという使用方法も可能であるが、その場合、乾いた洗濯物を物干し竿から外し、さらに物干し竿を外してアームを折り畳んで突起に掛けるという動作が必要であり、その動作は手間がかかり極めて面倒であるという問題がある。
また、上記特許文献2に記載された考案においては、物干し竿の支持装置であり、使用状態においても収納状態においても物干し竿が風に煽られる等して容易に移動すると落下事故につながる危険もあるため、2つの状態間の移動は容易に行うことはできない構成となっており、このことは、物干し竿の支持装置という性質上当然のことであって、本発明のハンガー装置とは製品の性質が相違しているものである。
本発明は、主に室内の壁面に取り付けられて使用されるもので、ハンガーを容易に使用状態から収納状態にスライド移動することができるようにして、衣類を掛けたハンガーを簡単に移動させてコンパクトに収納することができるハンガー装置で、ワイシャツのように毎日着るものを乾燥させ、あるいは雨に濡れた上着を乾かしてそのままコンパクトに収納することができ、手間がかからず室内の体裁を損なわないハンガー装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、壁面等の被取付体に取り付けられる取付ベースにアームベースを設け、アームベースにハンガーアームを水平面内で回動可能に設けて成り、ハンガーアームは、下方にあってハンガーを掛止する掛止部と、その上方にあって先端部を先枠部を介して掛止部と連結する上枠部を有し、上枠部と掛止部はアームベースに上下に距離を置いて垂直方向に同軸上に上軸支部と下軸支部を設けて軸支されており、アームベースには、掛止部に下軸支部を介して連続して配置され、掛止部からスライド移動したハンガーを収納することができる収納部を形成したことを特徴とするハンガー装置である。
【発明の効果】
【0006】
以上のように本発明の構成によれば、ハンガーアームの掛止部に掛止されたハンガーを下軸支部を通って容易に収納部にスライド移動してハンガーアームを折り畳むことができるので、乾燥させた衣類をそのままコンパクトに収納することができ、手間がかからず収納状態においては邪魔にならず室内の体裁を損なわないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ハンガーアームを取付ベースから垂直に突出させ、掛止部にハンガーを掛止している状態を示す斜視図である。
図2】ハンガーを収納部に移動して一方のハンガーアームを取付ベース側へ回動して折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図3】ハンガーアームを取付ベースから垂直に突出させた状態を示す要部斜視図である。
図4】ハンガーアームを取付ベース側へ回動して折り畳んだ状態を示す要部斜視図である。
図5】ハンガーアームを取付ベースに組み付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【実施例1】
【0008】
本実施例のハンガー装置は、壁面等の被取付体に取り付けられる横長の取付ベース1の両端にアームベース3・3を設けて、それぞれその先端部に上軸支部5と下軸支部6によってハンガーアーム2・2を回動可能に取り付けてある。
【0009】
取付ベース1は、横長平板状の基板部19の上端部全長に亘って天板部20を設けて断面略L字状で、下端部には間隔を置いて多数のフック4・・・4を取り付けてあり、両端部にはアームベース3・3を取り付けてある。
【0010】
アームベース3は、略コ字状で前方に開口している収納部10を設け、上方前端部には上下に貫通する軸孔を設けた上軸受筒15を、下方前端部には同じく上下に貫通する軸孔を設けた下軸受筒16をそれぞれ設けてある。上軸受筒15は下軸受筒16よりも厚く、上下端面を段落ちさせて摺接面21・21を形成し、下軸受筒16は上端面を段落ちさせて摺接面22を形成してある。上軸受筒15と下軸受筒16の軸孔は、上下に距離を置いて垂直方向に同軸上に設けられている。
【0011】
ハンガーアーム2は、長尺で角棒状の掛止部7と、その上方に平行に間隔を置いて位置する平板状の上枠部8とのそれぞれ先端部を先枠部9で結合して、基端部側が開口する略コ字状に形成されている。掛止部7の基端部には、アームベース3の摺接面22に載置され上下に貫通する軸孔を設けた下軸入筒18を設け、上枠部8は掛止部7より幅広で、その基端部には、アームベース3の摺接面21・21を挟持し上下に貫通する軸孔を設けた上軸入筒17・17を設けてある。
【0012】
そして、アームベース3の上軸受筒15をハンガーアーム2の上軸入筒17・17で挟むと共に、下軸受筒16に下軸入筒18を載置して、上軸受筒15と上軸入筒17・17の軸孔に上方から上軸11を挿入して下方を上軸止具12で止めて軸支して上軸支部5を形成し、下軸受筒16と下軸入筒18の軸孔に上方から下軸13を挿入して下方を下軸止具14で止めて軸支して下軸支部6を形成する。また、ハンガーアーム2の上枠部8は、上下方向に幅広に形成され、上下2か所の上軸入筒17・17によって軸支されるので、ハンガーアーム2に掛けられる耐荷重強度を向上させることができる。なお、上枠部8の表裏面は意匠性を向上させるため化粧面としてもよい。
【0013】
上軸支部5と下軸支部6は同一垂直線上に同軸的に設けられ、ハンガーアーム2は、取付ベース1両端のアームベース3に回動可能に取り付けられることになり、取付ベース1に対して垂直方向に突出する状態から左右両側に90度ずつ、180度回動することできる。なお、上軸支部5と下軸支部6の構造は本実施例に限定されるものではなく、種々の構造が考えられる。また、ハンガーアーム2は本実施例のように2本ではなく1本でもよい。
【0014】
ハンガーアーム2の掛止部7上面、アームベース3の収納部10下面及びそれらを繋ぐ下軸支部6上面は略同一平面上に連続しており、掛止部7に掛けたハンガーHを容易に収納部10にスライド移動させて収納することができるようになっている。
【0015】
使用するには、ハンガーアーム2・2を取付ベース1に対して垂直に突出させて、衣類Cを掛けたハンガーHを掛止部7・7に掛止し、衣類Cが乾燥したら、衣類Cを掛けたままハンガーHを奥へ押し込むと、下軸支部6を通って収納部10にスムーズに移動して収納させ、ハンガーアーム2・2を取付ベース1側へ回動して折り畳めば、コンパクトな収納状態を実現することができる。なお、収納部10を掛止部7よりやや低くすると、ハンガーHを奥へ押し込む際に、同一平面上にある場合に比べて多少スムーズさにおいて劣るものの、収納されたハンガーHを収納部10から掛止部7へ移動しにくくすることができる。
【0016】
また、フック4にもハンガーHを掛けることができ、乾燥した衣類Cが掛かったハンガーHをこのフック4に掛けなおし、続けて乾燥していない衣類Cが掛かったハンガーHをハンガーアーム2・2の掛止部7・7に掛止して使用したり、ハンガーアーム2・2を取付ベース1側へ回動して折り畳んだ状態で、フック4と掛止部7に重なるように衣類を掛けるような使用方法も可能であり、たくさんの衣類をコンパクトに収納することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 取付ベース
2 ハンガーアーム
3 アームベース
5 上軸支部
6 下軸支部
7 掛止部
8 上枠部
9 先枠部
10 収納部
図1
図2
図3
図4
図5