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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】エアフィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/28 20060101AFI20220527BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20220527BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20220527BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20220527BHJP
   B01J 20/24 20060101ALI20220527BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
B01D53/28
B01D53/26 230
A61L9/014
A61L9/01 H
B01J20/24 A
B01J20/28 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018077488
(22)【出願日】2018-04-13
(65)【公開番号】P2019181391
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-01-12
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発/木質系バイオマスの効果的利用に向けた特性評価、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000193047
【氏名又は名称】進和テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】松本 英俊
(72)【発明者】
【氏名】張 紹玲
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 明彦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 正行
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-148208(JP,A)
【文献】特開2002-219324(JP,A)
【文献】特開2013-253137(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0074803(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00-53/96、
39/00-41/04、
46/00-46/54
B01J 20/00-20/28、
20/30-20/34
A61L 9/00- 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁によって仕切られた複数の貫通孔を有する構造体と、前記貫通孔に充填されたセルロースナノファイバとを有し、
前記セルロースナノファイバが、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバであり、
前記隔壁が通気性を有しない材質である、エアフィルタ。
【請求項2】
平面状又はプリーツ状に成形された通気性を有する支持体と、前記支持体と混合して配置されたセルロースナノファイバとを有し、
前記セルロースナノファイバが、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバである、エアフィルタ。
【請求項3】
前記セルロースナノファイバに、気体を通気することにより、前記気体中のガス状物質を吸脱着する、請求項1または2に記載のエアフィルタ。
【請求項4】
前記セルロースナノファイバの単位質量あたりの比表面積が、40~250m/gである、請求項1乃至のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項5】
前記セルロースナノファイバが、
湿潤状態のパルプ繊維を解繊して得られたセルロースナノファイバ分散液を凍結乾燥することにより製造されたものである、請求項1乃至のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
水分や臭気など気体を吸着するエアフィルタとして、通気性を有する基材に吸着剤などが担持したフィルタ部材が知られている。水分用吸着剤としては、例えば、シリカゲルやゼオライトなど用いられている。
【0003】
特許文献1には、温度変化によって気体を吸脱着させるフィルタ部材として、三次元立体編物にバインダを用いて吸着剤を担持させた特定のフィルタ部材が開示されている。特許文献1では、吸着剤として、ゼオライト、シリカゲル、ハイシリカゼオライトなどが挙げられている。特許文献1によれば、ハイシリカゼオライトを200℃で加熱することにより、吸着した水分が脱着されるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-069427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シリカゲルやゼオライト等の吸着剤から水分子を脱着するためには、一般に100℃を超える温度に加熱する必要であり、省エネルギー性の観点から、より低温で再生可能な吸着剤が求められている。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、低温で吸着機能が再生可能なエアフィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1実施形態のエアフィルタは、隔壁によって仕切られた複数の貫通孔を有する構造体と、前記貫通孔に充填されたセルロースナノファイバとを有し、
前記セルロースナノファイバが、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバである。
【0008】
本発明に係る第2実施形態のエアフィルタは、平面状又はプリーツ状に成形された通気性を有する支持体と、前記支持体上、または、前記支持体と混合して配置されたセルロースナノファイバとを有し、
前記セルロースナノファイバが、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバである。
【0009】
前記第2実施形態のエアフィルタの一実施形態は、前記セルロースナノファイバが、前記支持体表面にバインダを介して付着している。
【0010】
前記第1実施形態及び第2実施形態のエアフィルタの一実施形態は、前記セルロースナノファイバに、気体を通気することにより、前記気体中のガス状物質を吸脱着する。
【0011】
前記第1実施形態及び第2実施形態のエアフィルタの一実施形態は、前記セルロースナノファイバの単位質量あたりの比表面積が、40~250m/gである。
【0012】
前記第1実施形態及び第2実施形態のエアフィルタの一実施形態は、前記セルロースナノファイバが、湿潤状態のパルプ繊維を解繊して得られたセルロースナノファイバ分散液を凍結乾燥することにより製造されたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、低温で吸着機能が再生可能なエアフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1実施形態のエアフィルタの一例を示す写真である。
図2図2は、第1実施形態のエアフィルタに用いられる構造体の一例を示す模式図である。
図3図3は、第1実施形態のエアフィルタに用いられる構造体の別の一例を示す模式図である。
図4図4は、第2実施形態のエアフィルタの一例を示す模式的な断面図である。
図5図5は、第2実施形態のエアフィルタの支持体の一例を示す模式図である。
図6図6は、実施例で用いたエアフィルタを示す写真である。
図7図7は、実施例及び比較例のエアフィルタの吸湿特性を示すグラフである。
図8図8は、実施例で用いたセルロースナノファイバ、及び比較例で用いたゼオライトとの水蒸気吸着等温線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るエアフィルタについて説明する。なお、説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0016】
図1は第1実施形態のエアフィルタの一例を示す写真である。本発明に係る第1実施形態のエアフィルタ10は、隔壁11によって仕切られた複数の貫通孔12を有する構造体と、前記貫通孔12に充填されたセルロースナノファイバ13とを有し、
前記セルロースナノファイバが、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバであることを特徴とする。
【0017】
第1実施形態のエアフィルタ10は、貫通孔12の孔の方向に気体を通すことにより、セルロースナノファイバ中を当該気体が通気し、当該気体中に含まれる水分等のガス状物質がセルロースナノファイバに吸着される。本発明においては、セルロースナノファイバが、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバであることにより、セルロースナノファイバの単位質量あたりの比表面積が大きく、吸着効率に優れている。また、セルロースナノファイバに吸着したガス状物質は、例えば100℃以下で加熱することにより脱着するため、本発明のエアフィルタは容易に再生可能となる。
【0018】
図2及び図3を参照して第1実施形態のエアフィルタ10に用いられる構造体14を説明する。図2及び図3の例に共通して構造体14は、隔壁11によって複数の貫通孔12が形成された構造体14であり、通常、貫通孔の向きに通気15する。構造体14は、充填されるセルロースナノファイバを支持し、フィルタの形状が維持されるものであればよい。そのため貫通孔の開口部の形状は特に限定されず、多角形であっても円形又は楕円形であってもよい。具体的には、例えば図2の例に示されるような六角形のハニカム構造であってもよく、図3の例に示されるようなこるゲートハニカム形状であってもよく、図示しない格子状などであってもよく、また、2種以上の多角形が組み合わされた形状であってもよい。また、図1の例に示されるように、貫通孔の形状は正多角形でなくてもよく、セルロースナノファイバの充填量などに応じて変形するものであってもよい。
構造体14の厚みは、特に限定されず、エアフィルタの用途や、セルロースナノファイバの充填量などを考慮して適宜調整すればよい。構造体14の厚みは、一例として1mm以上10cm以下などの範囲で適宜設定できる。
【0019】
隔壁11の材質は特に限定されず、公知のエアフィルタに用いられているものの中から適宜選択すればよい。例えば、アルミ、ステンレス、鉄などの金属、アルミナ、シリカ等のセラミックのほか、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の樹脂のほか、ガラス繊維、セルロース紙などを用いることができる。隔壁11は、通気性を有する材質であってもよく、通気性を有しない材質であってもよい。
【0020】
図4及び図5を参照して第2実施形態のエアフィルタ10を説明する。本発明に係る第2実施形態のエアフィルタ10は、平面状又はプリーツ状(図5参照)に成形された通気性を有する支持体16と、前記支持体上、または、前記支持体と混合して配置されたセルロースナノファイバ13とを有し、
前記セルロースナノファイバが、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバであることを特徴とする。
【0021】
第2実施形態のエアフィルタ10において、セルロースナノファイバ13は、図4の例に示されるように、支持体16上に積層していてもよく、また、微細繊維化されたセルロースナノファイバが、支持体16の通気孔内に入り込んで当該通気口内の表面に付着していてもよい。セルロースナノファイバが支持体16の表面に付着する場合には、支持体16表面にバインダを介して付着していてもよい。
【0022】
第2実施形態のエアフィルタ10に用いられる支持体は、通気性を有する材質のものの中から適宜選択される。例えば、アルミ、ステンレス、鉄などの金属繊維、アルミナ、シリカ等のセラミック繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の樹脂繊維、ガラス繊維、セルロース紙などの繊維状のもの挙げられる。
また、上記各材質に、セルロースナノファイバを混合することで、セルロースナノファイバを含有する支持体を用いてもよい。
【0023】
次に第1実施形態のエアフィルタ及び第2実施形態のエアフィルタに共通するセルロースナノファイバについて説明する。
本発明においてセルロースナノファイバは、綿状、塊状、または、微細繊維状のセルロースナノファイバである。当該特定のセルロースナノフィルタは比表面積が大きいため、ガス状物質の吸着性能に優れている。本発明に用いられるセルロースナノフィルタは、単位質量あたりの比表面積が40m/g以上250m/g以下、繊維径50~700nmであることが好ましい。
【0024】
本発明においてセルロースナノファイバは、セルロースのほか一部が改質されたセルロースも包含する。例えば、セルロース分子中の水酸基の一部がアルデヒド基、カルボキシル基などに酸化されたもの、硝酸エステル、酢酸エステル、リン酸エステルなどのようにエステル化されたもの、メチルエーテル、ヒドロキシプロピルエーテル、カルボキシメチルエーテルなどのようにエーテル化されたものなど、他の置換基に置換されたものを含む。また、本発明においてセルロースナノファイバは、セルロース分子鎖が2本以上の束を形成している。セルロース分子鎖が2本以上の束を形成しているとは、2本以上のセルロース分子鎖が集合してミクロフィブリルと呼ばれる集合体を形成している状態をいう。
【0025】
セルロースナノファイバの製造方法について説明する。本発明において用いられるセルロースナノファイバは、湿潤状態のパルプ繊維を解繊して得られたセルロースナノファイバ分散液を凍結乾燥することにより製造されたものであることが好ましい。当該製造方法によれば、比表面積が大きい綿状又は塊状のセルロースナノファイバを製造することができる。
【0026】
本発明において原料となるパルプ繊維は、特に限定されず、広葉樹、針葉樹等の木材パルプ;藁、バガス、ケナフ、竹、葦、楮、亜麻などの非木材パルプ;サルファイトパルプ、脱墨パルプなどの古紙パルプ;グランドパルプ、加圧式砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、ケミメカニカルパルプ、ケミグランドパルプ(CGP)などの機械パルプから適宜選択して用いることができる。パルプ繊維は、これらのパルプをホモジナイザー、ミルなどによって粉砕した粉末状のセルロースである。
【0027】
前記粉末状のセルロースは、必要に応じて、水に分散させた後、酸化触媒と、共酸化剤とを添加して、酸化反応を行ってもよい。酸化触媒としては、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(TEMPO)などのN‐オキシル化合物等があげられる。また、共酸化剤は、例えば、アルカリ金属次亜ハロゲン酸塩などが挙げられる。本発明においては、酸化反応を行わなくても、比表面積の大きいセルロースナノファイバを製造することができる。
【0028】
次いで粉末状のセルロースに水を添加し、湿潤状態で解繊を行う。本発明においてセルロースナノファイバの解繊は、機械的に行うことが好ましい。解繊方法としては、例えば、ボールミル、ジェットミルなどを用いることができ、中でもジェットミルで解繊することが好ましい。
【0029】
次いで解繊後のセルロースナノファイバを凍結乾燥することにより、綿状ないし塊状で、多孔質のセルロースナノファイバを得ることができる。更に当該セルロースナノファイバを分散し、微細化することにより微細繊維状のセルロースナノファイバを得ることができる。
【0030】
本発明のエアフィルタは、このようにして得られた比表面積の大きいセルロースナノファイバを用いることにより、吸湿性に優れたフィルタとすることができる。また、セルロースナノファイバに吸着したガス状物質は、100℃以下、更に70℃以下で加熱することにより脱着するため、本発明のエアフィルタは低温で吸着機能の再生が可能である。
【0031】
本発明のエアフィルタは、公知の除湿調湿装置用のエアフィルタとして好適に用いることができる。また、既存の空調設備の吸気口などに設置することにより除湿調湿用のプレフィルタとして用いることができる。
【実施例
【0032】
以下、実施例、比較例を挙げて本実施を詳細に説明するが、本実施は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
[製造例1~2:セルロースナノファイバの製造]
スギパルプ材に機械的破砕処理を行うことによって解繊を行い、セルロースナノファイバを得た。
製造例1ではパルプ懸濁液を高圧条件下でノズル噴射し、音速以上の高速条件で懸濁液同士を衝突させルことにより解繊を行なった(CNF1)。
また、製造例2ではパルプ懸濁液を高圧条件下でノズル噴射し、セラミックボールに高速衝突させることにより解繊を行なった(CNF2)。
上記機械的破砕処理を行なった懸濁液を、それぞれ凍結乾燥することによって、セルロースナノファイバ(CNF1及びCNF2)を得た。
CNF1及びCNF2はいずれも綿状のセルロースナノファイバであった。
【0034】
[セルロースナノファイバの比表面積の測定]
上記製造例1及び2で得られたセルロースナノファイバ(CNF1及びCNF2)及び後述する比較例で用いたゼオライトについて、それぞれ、Micromeritics社製の高機能比表面積/細孔径分布測定装置ASAP2020を用いて測定温度20℃の条件で水蒸気吸着実験を行った。吸着等温線から求めた比表面積はCNF1で108m2/g、CNF2で107m2/g、ゼオライトで448m2/gであった。
【0035】
[実施例1:エアフィルタの製造]
セルロース製のハニカム構造を有し直径54mmの円形の構造体に、前記CNF1を1g充填して、実施例1のエアフィルタ1を得た。図6(a)に当該エアフィルタ1の写真を示す。
【0036】
[実施例2:エアフィルタの製造]
実施例1において、CNF1の代わりに、CNF2を1g充填した以外は実施例1と同様にして、実施例2のエアフィルタ2を得た。図6(b)に当該エアフィルタ2の写真を示す。
【0037】
[比較例1]
前記実施例1において、CNF1の代わりに4A型のゼオライト1gを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1のエアフィルタを得た。
【0038】
<エアフィルタの吸湿特性>
実施例及び比較例のエアフィルタに70℃の空気を0.22m/secの速度で15分間通気し再生し、エアフィルタの準備を行った。次いで、相対湿度55%の空気を供給して、エアフィルタ通気後の空気の相対湿度を測定した。結果を図7に示す。
【0039】
図7に示されるように、ゼオライトを用いた比較例1のエアフィルタと比較して、セルロースナノファイバを用いた実施例1及び実施例2のエアフィルタは吸湿性に優れていることがわかる。
【0040】
<エアフィルタ再生評価>
上記吸湿特性評価後の各エアフィルタに、70℃の空気を0.22m/secの速度で15分間通気し再生した。通気後のエアフィルタに、再度、相対湿度55%の空気を供給して、エアフィルタ通気後の空気の相対湿度を測定した。セルロースナノファイバを用いた実施例1及び実施例2のエアフィルタは、上記吸湿特性評価と同様の吸湿特性を示し、吸湿機能が再生されることが明らかとなった。一方、ゼオライトを用いた比較例1のエアフィルタは、70℃の空気では吸湿機能の再生は少なかった。
このように本発明のエアフィルタは、70℃の空気を通風するという穏やかな条件で吸着機能が再生されることが明らかとなった。
【0041】
<水蒸気吸着等温線>
図8に、実施例1で用いたセルロースナノファイバ(CNF1及びCNF2)、並びに、比較例1で用いたゼオライトの水蒸気吸着等温線を示す。図8のグラフにおいて、横軸は相対圧力=(測定時(平衡時)の水蒸気圧P/測定温度における飽和水蒸気圧P)を表し、縦軸は、セルロースナノファイバ又はゼオライト1gあたりの吸着量を示す。
【0042】
図8に示されるように、CNFよりもゼオライトのほうが、平衡吸着量が大きかった。しかしながら、ゼオライトは再生のため100℃以上に加熱する必要があり、エアフィルタの繰り返し使用を考慮すると、本発明のエアフィルタのほうが省エネルギー性に優れた除湿システムを構築可能なことが明らかとなった。
【符号の説明】
【0043】
10 エアフィルタ
11 隔壁
12 貫通孔
13 セルロースナノファイバ
14 構造体
15 通気
16 支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8