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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】マルチチャンネルストリーマケーブル
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/00 20060101AFI20220527BHJP
   G01H 3/00 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
G01V1/00 C
G01H3/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018084510
(22)【出願日】2018-04-25
(65)【公開番号】P2019191010
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】303057044
【氏名又は名称】株式会社ソニック
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】原口 康史
(72)【発明者】
【氏名】荒井 晃作
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓彦
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-066195(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0233051(US,A1)
【文献】特開昭61-178686(JP,A)
【文献】特開昭57-172274(JP,A)
【文献】特開2003-232865(JP,A)
【文献】特開2012-247303(JP,A)
【文献】特開2016-055841(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0226204(US,A1)
【文献】特表2001-522041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続される複数の受振ユニットを含み、
前記受振ユニットは、水密ケースに収められた、
水中の音波を受振する受振器と、
前記受振器の出力信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器で増幅された信号をデジタル化するAD変換器と、
前記AD変換器で変換されたデジタル信号を計測データとして内部メモリに記憶させる処理を行う処理部と
前記処理部が隣接する前記受振ユニットと相互通信するための有線シリアル双方向通信インターフェースとを備えた、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の受振ユニットとデータ通信を行う制御ユニットを更に含み、
前記処理部は、
前記内部メモリに記憶された計測データを前記制御ユニットに送信する処理を行い、
前記制御ユニットは、
前記受振ユニットから受信した計測データを記憶する記憶装置を備えた、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【請求項3】
請求項2において、
前記処理部は、
前記制御ユニットから受信した指令に基づいて前記増幅器の増幅率を変更する、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記処理部は、
前記制御ユニットから受信した指令に含まれる計測時間に従って計測を行う、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項において、
前記制御ユニットは、
測位衛星から受信した時刻情報に基づき時刻を修正される原子時計を備えた、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項において、
前記制御ユニットは、
前記記憶装置に記憶された計測データをフィルタ処理し、フィルタ処理した計測データを外部処理装置に送信する、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか1項において、
前記制御ユニット及び前記複数の受振ユニットに電源を供給する電源ユニットを更に含む、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項において、
前記複数の受振ユニットのうち最後段に位置する受振ユニットに連結される水中抵抗体を更に含む、マルチチャンネルストリーマケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチチャンネルストリーマケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水中に音波を発振する音源と、水中の音波を受振する受振器を備えたストリーマケーブル(曳航型受振ケーブル)と、音源とストリーマケーブルを曳航する観測船とを有する水域地中探査システムにおいて、ストリーマケーブルとして、複数の受振器をケーブルに取り付けたマルチチャンネルストリーマケーブルを用いたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-137320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマルチチャンネルストリーマケーブルでは、各受振器の出力信号はアナログ信号のままケーブルを通じて観測船上の装置に送られるため、ノイズに対する耐性が低く、特にケーブルの終端側に配置された受振器からの信号のSN比が極端に悪化するといった問題があった。また、従来のマルチチャンネルストリーマケーブルでは、ケーブルの中に複数の受振器を内蔵して構成されるため、受振器間の間隔を任意に変更することができなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ノイズに対する耐性が高いマルチチャンネルストリーマケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、直列に接続される複数の受振ユニットを含み、前記受振ユニットは、水中の音波を受振する受振器と、前記受振器の出力信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された信号をデジタル化するAD変換器と、前記AD変換器で変換されたデジタル信号を計測データとして内部メモリに記憶させる処理を行う処理部とを備えた、マルチチャンネルストリーマケーブルに関する。
【0007】
本発明によれば、各受振ユニットが個別に受振器の出力信号を増幅しデジタル化して計測データとして内部記憶するため、ノイズに対する耐性が高いマルチチャンネルストリーマケーブルを実現することができる。
【0008】
(2)また本発明に係るマルチチャンネルストリーマケーブルは、前記複数の受振ユニットとデータ通信を行う制御ユニットを更に含み、前記処理部は、前記内部メモリに記憶された計測データを前記制御ユニットに送信する処理を行い、前記制御ユニットは、前記受振ユニットから受信した計測データを記憶する記憶装置を備えていてもよい。
【0009】
(3)また本発明に係るマルチチャンネルストリーマケーブルでは、前記処理部は、前記制御ユニットから受信した指令に基づいて前記増幅器の増幅率を変更してもよい。
【0010】
本発明によれば、受振ユニット毎に増幅率を設定することができるため、使い勝手の良いマルチチャンネルストリーマケーブルを実現することができる。
【0011】
(4)また本発明に係るマルチチャンネルストリーマケーブルでは、前記処理部は、前記制御ユニットから受信した指令に含まれる計測時間に従って計測を行うようにしてもよい。
【0012】
本発明によれば、受振ユニット毎に計測時間を設定することができるため、使い勝手の良いマルチチャンネルストリーマケーブルを実現することができる。
【0013】
(5)また本発明に係るマルチチャンネルストリーマケーブルでは、前記制御ユニットは、測位衛星から受信した時刻情報に基づき時刻を修正される原子時計を備えていてもよい。
【0014】
本発明によれば、原子時計によって計測時間を精度良く管理することができる。
【0015】
(6)また本発明に係るマルチチャンネルストリーマケーブルでは、前記制御ユニットは、前記記憶装置に記憶された計測データをフィルタ処理し、フィルタ処理した計測データを外部処理装置に送信してもよい。
【0016】
本発明によれば、デジタルフィルタにより計測データのノイズを除去して外部処理装置に送信することができる。
【0017】
(7)また本発明に係るマルチチャンネルストリーマケーブルは、前記制御ユニット及び前記複数の受振ユニットに電源を供給する電源ユニットを更に含んでいてもよい。
【0018】
(8)また本発明に係るマルチチャンネルストリーマケーブルは、前記複数の受振ユニットのうち最後段に位置する受振ユニットに連結される水中抵抗体を更に含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るマルチチャンネルストリーマケーブルを含む音波探査システムの構成の一例を示す図。
図2】受振ユニットの構成の一例を示すブロック図。
図3】制御ユニットの構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0021】
図1は、本実施形態に係るマルチチャンネルストリーマケーブル(以下、単に「ストリーマケーブル」という)を含む音波探査システムの構成の一例を示す図である。音波探査システム1は、水中に音波を発振する音源2と、複数の受振器(受振ユニット10)を備えたストリーマケーブル3と、音源2とストリーマケーブル3を曳航する観測船4とを含む。音源2は、高圧空気を使用するエアガン、振動板を使用するブーマ、スピーカなどの水中音源装置である。音源2の動作は、観測船4に搭載された外部処理装置5により制御される。ストリーマケーブル3は、例えば、水深数十m~数千mの水中に沈められる。音波探査システム1は、音源2により水中に音波を発生させ、海底面Bや海底下の地層境界面Fで反射した音波をストリーマケーブル3に備わる複数の受振器で受振し、複数の受振器の出力信号に基づく計測データを外部処理装置5で解析して、海底の形状(起伏)や海底下の地層の形状、構造等を調査する。
【0022】
ストリーマケーブル3は、複数(N個)の受振ユニット10(10-1,10-2,10-3,…,10-N)と、制御ユニット20と、電源ユニット30と、水中抵抗体40から構成される。ストリーマケーブル3を構成する各構成要素は直列に接続され、ストリーマケーブル3は、水中に沈められた状態で水平方向に直線状に延びる。直列接続の最前段には電源ユニット30が位置し、その次に制御ユニット20が位置し、その次に複数の受振ユニット10が位置し、最後段には水中抵抗体40が位置する。電源ユニット30と制御ユニット20、制御ユニット20と最前段の受振ユニット10-1、隣り合う2つの受振ユニット10、及び、最後段の受振ユニット10-Nと水中抵抗体40は、それぞれ曳航ケーブル50(曳航ロープ)を介して連結される。曳航ケーブル50の両端は、各ユニット(受振ユニット10、制御ユニット20、電源ユニット30)に固定されたリング状の取付部材(アイボルト)を介して各ユニットに取り付けられる。また、電源ユニット30と制御ユニット20、制御ユニット20と受振ユニット10-1、及び、隣り合う2つの受振ユニット10は、それぞれ電源・通信ケーブル51を介して電気的に接続される。電源・通信ケーブル51の両端は、各ユニット(受振ユニット10、制御ユニット20、電源ユニット30)に備わるコネクタに接続される。また、電源ユニット30は、通信ケーブルを内蔵する曳航ケーブル52を介して観測船4に接続される。
【0023】
受振ユニット10は、それぞれ受振器を備え、それぞれシングルチャンネルストリーマケーブルとして機能する。制御ユニット20は、電源・通信ケーブル51を介して複数の受振ユニット10とデータ通信を行い、また、電源・通信ケーブル51、曳航ケーブル52(通信ケーブル)を介して外部処理装置5とデータ通信を行う。電源ユニット30(バッテリボックス)は、バッテリ(二次電池)を備え、電源・通信ケーブル51を介して制御ユニット20と複数の受振ユニット10に電源を供給する。水中抵抗体40は、例えば、円錐形の水中パラシュートである。ストリーマケーブル3の最後段に水中抵抗体40を設けることで、ストリーマケーブル3を略直線状に延びた状態で曳航することができる。
【0024】
図2は、受振ユニット10の構成の一例を示すブロック図である。受振ユニット10は、水中の音波を受振する受振器11と、受振器11の出力信号を増幅する増幅器12(プリアンプ)と、増幅器12で増幅された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する(デジタル化する)AD変換器13と、処理部14と、スイッチングハブ15を備える。受振器11は、1つ又は複数のハイドロフォン(水中マイク)で構成される。受振ユニット10の各構成要素には、電源・通信ケーブル51に内蔵される電源ケーブル53を介して電源が供給され、処理部14は、スイッチングハブ15を介して電源・通信ケーブル51に内蔵される通信ケーブル54(有線LAN)に接続される。
【0025】
処理部14は、CPU(プロセッサ)、メモリ(RAM、ROM)、通信モジュール等を含むコンピュータである。処理部14は、AD変換器13で変換されたデジタル信号を、計測データとして内部メモリ(RAM)に記憶させ、内部メモリに記憶された計測データを、有線LANを介して制御ユニット20に送信する処理を行う。処理部14は、制御ユニット20から有線LANを介して受信した指令(計測データ取得指令)に含まれる計測時間(計測開始時刻、計測終了時刻、計測間隔など)に従って、計測データを取得する(受振器11、増幅器12、AD変換器13を動作させ、AD変換器13からのデジタル信号を計測データとして内部メモリに記憶させる)。また、処理部14は、制御ユニット20から受信した指令(計測データ送信指令)に基づいて、内部メモリに記憶された計測データを制御ユニット20に送信する。また、処理部14は、制御ユニット20から受信した指令(増幅率変更指令)に基づいて、増幅器12の増幅率を、例えば0倍から100倍の範囲で変更する。
【0026】
図3は、制御ユニット20の構成の一例を示すブロック図である。制御ユニット20は
、処理部21と、記憶装置22(SSDなどの不揮発性半導体メモリ)と、原子時計23と、水圧計24と、スイッチングハブ25を備える。制御ユニット20の各構成要素には電源ケーブル53を介して電源が供給され、処理部21は、スイッチングハブ25を介して通信ケーブル54(有線LAN)に接続される。
【0027】
原子時計23の時刻情報は処理部21に供給され、処理部21は、原子時計23の時刻情報に基づき動作する。また、処理部21は、原子時計23の時刻情報を各受振ユニット10に送信して、各受振ユニット10に備わる計時部(クロック)の時刻情報を原子時計23の時刻情報と同期させる。原子時計23は、測位衛星(GPSなどのGNSS衛星)から受信した時刻情報(UTCに同期した時刻)に基づいて時刻を修正される。制御ユニット20には、GPS受信機などのGNSS受信機を外部から接続可能なコネクタが設けられており、制御ユニット20を水中に沈める前に、制御ユニット20にGNSS受信機を接続して、GNSS受信機を介して時刻情報を取得し、取得した時刻情報に基づいて原子時計23の時刻を修正する。なお、外部処理装置5も、観測船4に搭載された原子時計(測位衛星から受信した時刻情報に基づいて時刻を修正される原子時計)の時刻情報に基づき動作しており、外部処理装置5と制御ユニット20(処理部21)の時刻情報は正確に同期している。
【0028】
水圧計24の出力信号は処理部21に供給され、処理部21は、水圧計24の出力信号に基づいて水深(ストリーマケーブル3が沈められている水深)を算出する。
【0029】
処理部21は、CPU(プロセッサ)、メモリ(RAM、ROM)、通信モジュール等を含むコンピュータである。制御ユニット20、各受振ユニット10、及び外部処理装置5には、それぞれアドレス(IPアドレス)が付与されており、処理部21は、このアドレスを用いて、有線LANを介して各受振ユニット10、外部処理装置5とデータの送受信を行う。
【0030】
処理部21は、各受振ユニット10に計測(計測データの取得)を行わせるための指令(計測データ取得指令)を受振ユニット10毎に生成し、生成した指令を各受振ユニット10に送信する。計測データ取得指令は、計測時間(計測開始時刻、計測終了時刻、計測間隔)に関する情報を含む。処理部21は、記憶装置22に記憶された音源2の発振時間(外部処理装置5が音源2を発振させる時刻や時間間隔)、水圧計24の出力信号に基づき算出される水深、各受振ユニット10の位置(配置)等に基づいて、各受振ユニット10の計測時間を設定して各受振ユニット10に計測データ取得指令を送信することで、各受振ユニット10に、音源2から発振され海底面Bや地層境界面Fで反射した音波の計測データを取得させる。
【0031】
また、処理部21は、各受振ユニット10に計測データを送信させるための指令(計測データ送信指令)を受振ユニット10毎に生成し、生成した指令を各受振ユニット10に送信する。処理部21は、計測データ送信指令に応じて各受振ユニット10から送信された計測データを、送信元の受振ユニット10、計測時間(計測時刻)及び水深等に対応付けて記憶装置22に記憶させる。また、処理部21は、所定のタイミング(計測終了後、定期的なタイミング、或いは、外部処理装置5から指令を受信したタイミング)で、記憶装置22に記憶された計測データ(受振ユニット10、計測時間、水深等に対応付けられた計測データ)を外部処理装置5に送信する。外部処理装置5は、制御ユニット20から受信した計測データに基づいて解析処理を行って海底下の地層図等を作成する。
【0032】
また、処理部21は、記憶装置22に記憶された計測データを、バンドパスフィルタ等のデジタルフィルタ(例えば、FIRフィルタ、IIRフィルタ)によりフィルタ処理し、フィルタ処理した計測データを外部処理装置5に送信するようにしてもよい。計測デー
タをフィルタ処理することで、観測船4のスクリュー音等に起因するノイズを計測データから除去することができる。なお、処理部21は、記憶装置22に記憶された計測データのうちフィルタ処理する計測データを選択し、選択した一部の計測データのみをフィルタ処理するようにしてもよい。例えば、観測船4の近くに位置する受振ユニット10から受信した計測データについてはフィルタ処理した上で外部処理装置5に送信し、観測船4から離れた位置の受振ユニット10から受信した計測データについてはフィルタ処理せずに生データのまま外部処理装置5に送信してもよい。
【0033】
また、処理部21は、各受振ユニット10に増幅率を変更(設定)させるための指令(増幅率変更指令)を受振ユニット10毎に生成し、生成した指令を各受振ユニット10に送信する。例えば、受振ユニット10毎の増幅率を格納するテーブルを記憶装置22に記憶しておき、処理部21は、このテーブルを参照して各受振ユニット10に送信する増幅率変更指令を生成する。
【0034】
以上のように、本実施形態のストリーマケーブル3では、各受振ユニット10が個別に受振器11の出力信号を増幅しデジタル化して計測データとして内部記憶するため、受振器11の出力信号(アナログ信号)が長い距離を伝播することでSN比が悪化したり、当該出力信号がコネクタに起因するノイズや電源ノイズに影響を受けたりするようなことがなく、ノイズに対する耐性が高いマルチチャンネルストリーマケーブルを実現することができる。また、本実施形態のストリーマケーブル3では、受振ユニット10間を接続するケーブル(曳航ケーブル50、電源・通信ケーブル51)の長さを変えるだけで、受振器11間の間隔を任意に独立して変更することができ、例えば観測船4の船速に応じて受振器11間の間隔を変更することを容易に行うことができる。また、直列接続する受振ユニット10の個数を超えるだけで、容易にストリーマケーブルの受振器の個数(チャンネル数)を変更することができる。また、本実施形態のストリーマケーブル3では、受振ユニット10毎に個別に増幅率や計測時間を設定することができるため、使い勝手の良いマルチチャンネルストリーマケーブルを実現することができる。また、本実施形態のストリーマケーブル3では、制御ユニット20が、測位衛星から受信した時刻情報に基づいて時刻を修正される原子時計23を備えることで、計測時間を精度良く管理することができる。
【0035】
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0036】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0037】
1…音波探査システム、2…音源、3…ストリーマケーブル、4…観測船、5…外部処理装置、10…受振ユニット、11…受振器、12…増幅器、13…AD変換器、14…処理部、15…スイッチングハブ、20…制御ユニット、21…処理部、22…記憶装置、23…原子時計、24…水圧計、25…スイッチングハブ、30…電源ユニット、40…水中抵抗体、50…曳航ケーブル、51…電源・通信ケーブル、52…曳航ケーブル、53…電源ケーブル、54…通信ケーブル、B…海底面、F…地層境界面
図1
図2
図3