(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法およびピクセル化ディスプレイ用多層構造体
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220527BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20220527BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20220527BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220527BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20220527BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20220527BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220527BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20220527BHJP
H01L 33/02 20100101ALI20220527BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/33
H01L27/00 301C
H01L27/06 102A
H01L27/088 E
H01L27/088 331E
H01L29/78 612Z
H01L29/78 627D
H01L33/02
(21)【出願番号】P 2019536268
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(86)【国際出願番号】 SG2018050016
(87)【国際公開番号】W WO2018132070
(87)【国際公開日】2018-07-19
【審査請求日】2021-01-12
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(73)【特許権者】
【識別番号】504161939
【氏名又は名称】ナンヤン・テクノロジカル・ユニバーシティー
(73)【特許権者】
【識別番号】507335687
【氏名又は名称】ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】チャン、リー
(72)【発明者】
【氏名】リー、エン キアン、ケネス
(72)【発明者】
【氏名】チュア、ソー ジン
(72)【発明者】
【氏名】フィッツジェラルド、ユージーン エー.
(72)【発明者】
【氏名】チア、シャウ ベン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジョセフ シルヴェスター
(72)【発明者】
【氏名】ク、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シュー、ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、クァン ホン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ビン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-517216(JP,A)
【文献】特表2017-508279(JP,A)
【文献】特開2002-076523(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102054666(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0012871(US,A1)
【文献】国際公開第2016/007088(WO,A1)
【文献】特表2004-506336(JP,A)
【文献】特開2013-069970(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105390446(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H01L21/18-21/20
21/336
21/34-21/36
21/8232-21/8238
21/8249
21/84
27/00
27/06
27/07
27/085-27/092
27/118
29/786
31/00-31/02
31/0232
31/0248
31/0264
31/08
31/10
31/107-31/108
31/111
31/18
33/00-33/46
51/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法であって、当該方法は:
第1の基板上に堆積された第1の層を有する第1のウエハを提供することを有し、前記の第1の層は、複数のp-n接合LED(発光デバイス)を形成するための非シリコン系半導体材料を有し;
第2の基板上に堆積された第2の層に形成されたシリコン系CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスを有する第2の部分的に処理済みのウエハを提供することを有し、前記CMOSデバイスは、前記の複数のLEDを制御するためのものであり;かつ
、
前記の第1および第2のウエハを結合して、複合ウエハを形成することを有
し;
前記の第1および第2のウエハを結合して、前記複合ウエハを形成することは:
前記の第1の基板とは反対側の前記の第1のウエハの側の上で、前記の第1のウエハにハンドルウエハを結合することを有し;
前記の第1のウエハから前記の第1の基板を除去することを有し;かつ、
前記の第2のウエハに前記の第1のウエハを結合することを有し、前記の第1の基板が除去された前記の第1のウエハの側が、前記の第2の基板とは反対側の前記の第2のウエハの側に結合される、
前記方法。
【請求項2】
さらに、
前記の複数のLEDおよびCMOSデバイスが互いに実質的に重複しない様式で、前記の第1の層において前記の複数のLEDを製作することを有し、前記の第1の層の未使用部分が除去されたときには前記CMOSデバイスのコンタクトが露出されるようになっている、
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記の複数のLEDを製作することが、同じ高さのn-コンタクトおよびp-コンタクトを製作することを有し、前記n-コンタクトおよびp-コンタクトが、実質的に同じレベルにあるようになっている、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記CMOSデバイスが電気的コンタクトを有し、当該方法がさらに、前記CMOSデバイスの前記コンタクト上にタングステンプラグを形成することを有し、前記タングステンプラグが、
前記の複数のLEDの前記n-コンタクトおよびp-コンタクトと同じレベルにあるように前記CMOSデバイスの前記コンタクトを伸ばすようになっている、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、
前記の第2の基板とは反対側の表面上の前記複合ウエハ上に誘電体層を堆積させることを有し;
前記複合ウエハの上面が実質的に平坦であるように前記誘電体層を平坦化することを有し;かつ、
多層金属化プロセスを用いて前記CMOSデバイスおよび前記の複数のLEDを接続することを有する、
請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記CMOSデバイスおよび前記の複数のLEDを接続することが、CMOSバックエンドオブライン多層金属化プロセスを用いて前記CMOSデバイスおよび前記の複数のLEDを接続することを有する、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記の第1の層の前記未使用部分を除去することが、前記の第1の基板から前記ハンドルウエハを除去して前記の第1の層を露出させることを有し、かつ、その後で前記の第1の層の前記未使用部分を除去することを有する、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記の第1のウエハを提供することが、前記の第1の基板上に堆積された前記の第1の層に形成された複数のLEDを有する第1の部分的に処理済みのウエハを提供することを有し;かつ、
前記の複数のLEDが同じ高さのn-コンタクトおよびp-コンタクトを有し、前記n-コンタクトおよびp-コンタクトが、実質的に同じレベルにあるようになっている、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記の複数のLEDおよびCMOSデバイスが互いに実質的に重複しない様式で、前記の第1の基板が除去された前記の第1のウエハの
前記側が、前記の第2の基板とは反対側の前記の第2のウエハの
前記側に結合され、前記の第1の層の未使用部分が除去されたときには、前記CMOSデバイスのコンタクトが露出されるようになっている、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記CMOSデバイスが電気的コンタクトを有し、当該方法がさらに、前記CMOSデバイスの前記コンタクト上にタングステンプラグを形成することを有し、前記タングステンプラグが、
前記の複数のLEDの前記n-コンタクトおよびp-コンタクトと同じレベルにあるように前記CMOSデバイスの前記コンタクトを伸ばすようになっている、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
さらに、
前記の第2の基板とは反対側の表面上の前記複合ウエハ上に誘電体層を堆積させることを有し;
前記複合ウエハの上面が実質的に平坦であるように前記誘電体層を平坦化することを有し;かつ、
多層金属化プロセスを用いて前記CMOSデバイスおよび前記の複数のLEDを接続することを有する、
請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記CMOSデバイスおよび前記の複数のLEDを接続することが、CMOSバックエンドオブライン多層金属化プロセスを用いて前記CMOSデバイスおよび前記の複数のLEDを接続することを有する、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記の第1の層の前記未使用部分を除去することが、前記の第1の基板から前記ハンドルウエハを除去して前記の第1の層を露出させることを有し、かつ、その後で前記の第1の層の前記未使用部分を除去することを有する、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記の第1の層が、III-V族半導体材料、II-VI族半導体材料またはIV族半導体材料を有する、請求項1
~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ピクセル化ディスプレイ用多層構造体であって、当該多層構造体は:
複数のp-n接合LED(発光デバイス)を形成するための非シリコン系半導体材料を有する第1の層を有し;
基板を有し;
前記基板上に第2の層を有し、該第2の層は、前記の複数のLEDを制御するためのシリコン系CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスを
有し;
かつ、
前記の第1の
層は、
前記基板とは反対側の前記の第2の層の側で前記の第2の層の上に堆積され、前記の第1の層と前記の第2の層との間には結合層が堆積される、
前記多層構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、大まかにはピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法およびピクセル化ディスプレイ用多層構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
近時におけるパーソナルモバイルデバイスおよびパーソナルコンピューターの爆発的普及に伴い、デジタルディスプレイ技術もまた、相前後して急速な発展を経験してきた。
【0003】
今日流行している多くのタイプのピクセル化ディスプレイのうち、LCD(液晶ディスプレイ)の形態のソリッドステートの実装例がますます目立ってきている。典型的には、かかるディスプレイは、TFT(薄膜トランジスタ)を利用して各ピクセルを制御し、かつ、ディスプレイ用のバックライトとして発光ダイオードを利用する。別の人気のある実装例が、OLED(有機LED)およびTFTの実装例である。
【0004】
しかしながら、人気のあるLCD-TFTおよびOLED-TFTの実装例は、比較的大きい回路面積、悪い電力効率、いっそうゆっくりとしたリフレッシュレートおよび低輝度の問題に悩まされる。
【0005】
特に、LCD-TFTおよびOLED-TFTの実装例は、いっそう大きい回路面積をもたらすLCDまたはOLEDとTFTとの間の非均一性の問題の対処専用の、比較的洗練された回路設計を必要とする。これら輝度非均一性の問題の例は、例えば、米国特許出願公開第2007/0008251号明細書および米国特許第8,284,145号明細書に見出されるであろう。
【0006】
さらに、LCD-TFTおよびOLED TFTの実装例は、比較的高い漏電に悩まされ、該比較的高い漏電は、駆動回路の蓄積キャパシタが無駄に放電することを引き起こし、電力損失をもたらす。
【0007】
伝統的なLCD-TFTおよびOLED-TFTの実装例の結果として生じる変調帯域もまた、たった数kHzに制限される。したがって、いっそう速いリフレッシュレートを必要とするディスプレイの応用例が、適宜制限される。
【0008】
したがって、上記問題のうちの少なくとも1つに対処することを求める、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法およびピクセル化ディスプレイ用多層構造体の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
概要
第1の態様によれば、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法が提供され、当該方法は、第1の基板上に堆積された第1の層を有する第1のウエハを提供することを有し、前記の第1の層は、複数のp-n接合LED(発光デバイス)を形成するための非シリコン系半導体材料を有し;第2の基板上に堆積された第2の層に形成されたシリコン系CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスを有する、第2の部分的に処理済みのウエハを提供することを有し、前記CMOSデバイスは複数のLEDを制御するためのものであり;かつ、ダブルボンディング(double-bonding)移送プロセスを
介して第1および第2のウエハを結合して(ボンディングして;bond)複合ウエハを形成することを有する。
【0010】
第1および第2のウエハを結合して複合ウエハを形成することは、第2の基板とは反対側の第2のウエハの表面上で、ハンドルウエハを第2のウエハに結合すること;第2のウエハから第2の基板を除去すること;および、第1のウエハの上部に第2のウエハを結合することを有していてもよく、第1の基板とは反対側の第1のウエハの表面には、第2の基板が除去された第2のウエハの表面が結合される。
【0011】
当該方法はさらに、第1の層が露出されるようにCMOSデバイスによって未使用である第2の層の部分を除去してウインドウを形成すること;および、ウインドウが形成された後で第1の層に複数のLEDを製作することを有していてもよい。
【0012】
複数のLEDを製作することは、同じ高さのn-コンタクト(n-contact)およびp-コンタクト(p-contact)を製作することを有していてもよく、n-コンタクトおよびp-コンタクトが実質的に同じレベルでアクセス可能であるようになっている。
【0013】
当該方法はさらに、n-コンタクトおよびp-コンタクト上にタングステンプラグを形成することを有していてもよく、タングステンプラグが、n-コンタクトおよびp-コンタクトを伸ばして、CMOSデバイスのコンタクト(contact)と同じレベルにするようになっている。
【0014】
当該方法はさらに、第1の基板とは反対側の表面上の複合ウエハ上に誘電体層を堆積させること;複合ウエハの上面が実質的に平坦であるように誘電体層を平坦化すること;および、多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0015】
CMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することは、CMOSバックエンドオブライン(back-end-of-line)多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0016】
第1のウエハを提供することは、第1の基板上に堆積された第1の層に形成された複数のLEDを有する第1の部分的に処理済みのウエハを提供することを有していてもよく;複数のLEDは、同じ高さのn-コンタクトおよびp-コンタクトを有し、n-コンタクトおよびp-コンタクトは実質的に同じレベルにあるようになっている。
【0017】
第1および第2のウエハを結合して複合ウエハを形成することは、第2の基板とは反対側の第2のウエハの側の上で、ハンドルウエハを第2のウエハに結合すること;第2のウエハから第2の基板を除去すること;第1のウエハの上部に第2のウエハを結合することを有していてもよく、複数のLEDおよびCMOSデバイスが互いに実質的に重複しない様式で、第1の基板とは反対側の第1のウエハの側には、第2の基板が除去された第2のウエハの側が結合され、第2の層の未使用部分が除去されたときには、複数のLEDの部分が露出されるようになっている。
【0018】
当該方法はさらに、n-コンタクトおよびp-コンタクト上にタングステンプラグを形成することを有していてもよく、タングステンプラグが、n-コンタクトおよびp-コンタクトを伸ばして、CMOSデバイスのコンタクトと同じレベルにするようになっている。
【0019】
当該方法はさらに、第1の基板とは反対側の表面上の複合ウエハ上に誘電体層を堆積させること;複合ウエハの上面が実質的に平坦であるように誘電体層を平坦化すること;および、多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0020】
CMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することは、CMOSバックエンドオブライン多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0021】
第1および第2のウエハを結合して複合ウエハを形成することは、第1の基板とは反対側の第1のウエハの側の上で、ハンドルウエハを第1のウエハに結合すること;第1のウエハから第1の基板を除去すること;および、第2のウエハの上部に第1のウエハを結合することを有していてもよく、第2の基板とは反対側の第2のウエハの側には、第1の基板が除去された第1のウエハの側が結合される。
【0022】
当該方法はさらに、複数のLEDおよびCMOSデバイスが互いに実質的に重複しない様式で、第1の層に複数のLEDを製作することを有していてもよく、第1の層の未使用部分が除去されたときには、CMOSデバイスのコンタクトが露出されるようになっている。
【0023】
複数のLEDを製作することは、同じ高さのn-コンタクトおよびp-コンタクトを製作することを有していてもよく、n-コンタクトおよびp-コンタクトが実質的に同じレベルにあるようになっている。
【0024】
当該方法はさらに、CMOSデバイスのコンタクト上にタングステンプラグを形成することを有していてもよく、タングステンプラグが、CMOSデバイスのコンタクトを伸ばして、n-コンタクトおよびp-コンタクトと同じレベルにするようになっている。
【0025】
当該方法はさらに、第2の基板とは反対側の表面上の複合ウエハ上に誘電体層を堆積させること;複合ウエハの上面が実質的に平坦であるように誘電体層を平坦化すること;および、多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0026】
CMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することは、CMOSバックエンドオブライン多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0027】
第1のウエハを提供することは、第1の基板上に堆積された第1の層に形成された複数のLEDを有する第1の部分的に処理済みのウエハを提供することを有していてもよく;かつ、複数のLEDは、同じ高さのn-コンタクトおよびp-コンタクトを有し、n-コンタクトおよびp-コンタクトが実質的に同じレベルにあるようになっている。
【0028】
第1および第2のウエハを結合して複合ウエハを形成することは、第1の基板とは反対側の第1のウエハの側の上で、ハンドルウエハを第1のウエハに結合すること;第1のウエハから第1の基板を除去すること;および、第2のウエハの上部に第1のウエハを結合することを有していてもよく、複数のLEDおよびCMOSデバイスが互いに実質的に重複しない様式で、第2の基板とは反対側の第2のウエハの側には、第1の基板が除去された第1のウエハの側が結合され、第1の層の未使用部分が除去されたときには、CMOSデバイスのコンタクトが露出されるようになっている。
【0029】
当該方法はさらに、CMOSデバイスのコンタクト上にタングステンプラグを形成することを有していてもよく、タングステンプラグが、CMOSデバイスのコンタクトを伸ばして、n-コンタクトおよびp-コンタクトと同じレベルにするようになっている。
【0030】
当該方法はさらに、第2の基板とは反対側の表面上の複合ウエハ上に誘電体層を堆積させること;複合ウエハの上面が実質的に平坦であるように誘電体層を平坦化すること;および、多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0031】
CMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することは、CMOSバックエンドオブライン多層金属化プロセスを用いてCMOSデバイスおよび複数のLEDを接続することを有していてもよい。
【0032】
第1の層は、III-V族半導体材料、II-VI族半導体材料またはIV族半導体材料を有していてもよい。
【0033】
第2の態様によれば、ピクセル化ディスプレイ多層構造体が提供され、当該多層構造体は、複数のp-n接合LED(発光デバイス)を形成するための非シリコン系半導体材料を有する第1の層を有し;複数のLEDを制御するためのシリコン系CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスを有する第2の層を有し;第1の層および第2の層は、それぞれ第1および第2のウエハから取得され、前記の第1および第2のウエハは、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合されて複合ウエハを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の例示的な実施形態は、例としてのみ、かつ、図面とともに、以下に記載の説明からいっそう良好に理解され、かつ、当業者にすぐに明らかになるであろう。
【0035】
【
図1】
図1A~
図1Dは、ある例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。
【
図2A-B】
図2A~
図2Dは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。
【
図2C-D】
図2A~
図2Dは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。
【
図3A-C】
図3A~
図3Eは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。
【
図3D-E】
図3A~
図3Eは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。
【
図4A-B】
図4A~
図4Dは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。
【
図4C-D】
図4A~
図4Dは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。
【
図5】
図5は、ある例示的な実施形態における、単一のLEDと駆動ユニットとを有するユニットセルの概略図である。
【
図6A】
図6Aは、ある例示的な実施形態における、フルカラーピクセルについてのマスクレイアウトである。
【
図6B】
図6B~
図6Fは、例示的な実施形態の個別の構成要素を示すマスクレイアウト図である。
【
図6C】
図6B~
図6Fは、例示的な実施形態の個別の構成要素を示すマスクレイアウト図である。
【
図6D】
図6B~
図6Fは、例示的な実施形態の個別の構成要素を示すマスクレイアウト図である。
【
図6E】
図6B~
図6Fは、例示的な実施形態の個別の構成要素を示すマスクレイアウト図である。
【
図6F】
図6B~
図6Fは、例示的な実施形態の個別の構成要素を示すマスクレイアウト図である。
【
図7】
図7は、ある例示的な実施形態における、2×2カラーピクセルアレイについてのマスクレイアウトである。
【
図8】
図8は、ある例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成するための方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
詳細な説明
本明細書に記載の例示的な実施形態は、マイクロピクセル化半導体発光デバイス技術に適用可能である。発光デバイス(複数のLED)は、個別にアドレス指定可能なマイクロまたはナノメートルサイズのピクセルのアレイから成っていてもよい。発光デバイスは、発光デバイスと同じウエハ上にあるCMOS回路によって制御される。CMOS回路による複数のLEDの制御は、複数のLEDの駆動およびアドレス指定を含む。
【0037】
本開示の例示的な実施形態はまた、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を提供する。当該方法は、第1の基板上に堆積された第1の層を有する第1のウエハを提供するステップを有し、前記の第1の層は、複数のp-n接合LED(発光デバイス)を形成するための非シリコン系半導体材料を有する。当該方法はさらに、第2の基板上に堆積された第2の層に形成されたシリコン系CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスを有する、第2の部分的に処理済みのウエハを提供するステップを有し、前記CMOSデバイスは複数のLEDを制御するためのものである。さらに、当該方法はさらに、ダブルボンディング移送プロセスを介して第1および第2のウエハを結合して複合ウエハを形成するステップを有する。
【0038】
本開示の例示的な実施形態はまた、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を提供し、当該多層構造体は、複数のp-n接合LED(発光デバイス)を形成するための非シリコン系半導体材料を有する第1の層を有し;複数のLEDを制御するためのシリコン系CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスを有する第2の層を有し;第1の層および第2の層は、それぞれ第1および第2のウエハから取得され、前記の第1および第2のウエハは、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合されて複合ウエハを形成する。
【0039】
図1A~
図1Dは、ある例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。この例示的な実施形態では、CMOS制御回路/デバイスは、ダブルボンディング移送プロセスを介して、未処理の半導体発光デバイス(すなわち、デバイス層)の上部に移送される。
【0040】
換言すれば、発光デバイスは、第1のウエハが第2のウエハと結合された後にのみ製作される。第2のウエハとの結合前、第1のウエハは、例えばSi(もしくはその他の基板)上で成長するダイオードまたはレーザーダイオードの形態で半導体発光デバイスを形成するのに適切な層を有する。結合(ボンディング;bonding)については、第1のウエハは、ダブルボンディング移送プロセスを介して、Siウエハ上にあるCMOS制御回路に鉛直方向に統合される。結合後、CMOS制御回路/デバイスを有する第2のウエハ上でウインドウが開かれて、半導体発光デバイスを形成するのに適した層が露出され、かつ、アクセス可能となり、発光デバイスが製作され得るようになっている。
【0041】
図1Aは、ある例示的な実施形態における第1のウエハ102と第2のウエハ104と
を示している。第1のウエハ102は、第1の基板108上に堆積された、発光デバイスを形成するための未処理層106を有する。層106は、基板層108上に堆積されたバッファー層110と、バッファー層110上に堆積されたn-型半導体層112と、n-型半導体層112上に堆積された活性領域層114と、活性領域層114上に堆積されたp-型半導体層116とを有する。誘電体酸化物層(図示せず)は、p-型半導体116層上に堆積されることが把握されるであろう。
【0042】
第2のウエハ104は、CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスが第2の基板118上に堆積された第2の層120に形成された、部分的に処理済みのウエハである。第2の層は、CMOSデバイス層122、ならびに、CMOSデバイスの各トランジスタのソース、ゲートおよびドレインコンタクト124a、124bおよび124cを有する。第2のウエハ104はさらに、第2のウエハ104の各上層上に形成された誘電体層126を有する。第2のウエハ104については、誘電体層126は、コンタクト124a、124bおよび124cを包む。誘電体層はSiO2を有していてもよく、場合によってはSiNxを含む。
【0043】
第1のウエハ102および第2のウエハ104は、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合される。
【0044】
例示的な実施形態では、第1のウエハ102は、次の項目を有し(かつ、該項目は、次の下降型配向(top-down orientation)で配置され)、該項目は:誘電体材料の層(図示せず)、複数のLEDを形成するための第1の層106(シリコンとは異なる)および例えばシリコン材料の基板層108である。第1のウエハ102の誘電体材料の層は、プラズマ支援化学気相堆積(PECVD)を用いて第1の層106上に堆積される。簡略化するために、誘電体材料の層のことを、以下ではPECVD SiO2層という。
【0045】
例示的な実施形態は、PECVDを用いた誘電体層の堆積を定めている一方で、代替的な堆積技術が実装されてもよいことが把握されるであろう。例えば、代替的な実施形態では、PETEOS(TEOS由来の酸化物のプラズマ支援堆積)、HDP(高密度プラズマ)CVDまたは同様の方法が実装されてもよい。
【0046】
例示的な実施形態では、第1の層106はIII-V族半導体材料を有し、該III-V族半導体材料としては(例えば):GaN、InGaP、AlGaAs、InGaAsP、InGaN、AlGaN、GaAs、InGaAsまたはそれらの任意の適切な組み合わせなどが挙げられてもよい。したがって、第1のウエハ102はまた、III-V/Si(例えば、InGaAs/GaAs/SiまたはGaN/Si)ウエハと称されてもよい。InGaAs/GaAs/Ge/SiおよびGaN/Siウエハは両方とも、金属有機物化学気相堆積(MOCVD)または分子線エピタキシー(MBE)を用いて、エピタキシャルに成長してもよい。
【0047】
PECVDプロセス後、表面粗さは比較的大きく、したがって、例えば1nm未満の所望の表面粗さを達成して融着を促進するためには、PECVDプロセス後に化学的機械的平坦化(CMP)がさらに必要とされるであろうことが把握されるであろう。この点に関して、第1の層106上に堆積されたPECVD SiO2層は、平坦化プロセスのためのキャッピング層として役立ち、その後に続いて結合界面を提供するであろう。さらなる高密度化が(300℃~850℃の適温にて)実行され、酸化物堆積の最中にPECVD
SiO2層に組み込まれたあらゆる残留ガス分子および副産物が除去される。この場合、高密度化プロセスは、窒素雰囲気中で数時間の間、450℃にて行われる。高密度化後、PECVD SiO2層は、CMPプロセスを用いて平坦化される。
【0048】
第1の層106は、II-VI族およびIV族半導体材料のようなその他の半導体材料族を有していてもよく、該その他の半導体材料族としては、例えばBAlN、BGaN、BInN、BInGaN、AlN、ZnOまたはMgZnOが挙げられてもよいことが把握されるであろう。
【0049】
このダブルボンディング移送プロセス下では、第2のウエハ104にはまず、ハンドルウエハ(図示せず)が結合され(例えば、ウエハボンダーを用いて)、第2の基板118の層の除去を可能にする。具体的には、ハンドルウエハは、第2の基板118とは反対側の第2のウエハ104の表面に結合される。ハンドル基板はシリコンでできていてもよいが、その他の適切な材料が用いられることを排除しない。第2のウエハ104(今やハンドルウエハと結合されている)は、アニールされて、ハンドルウエハとCMOSデバイス層120との間の結合強度を増大および向上させてもよい。
【0050】
次に、第2の基板118は、第2のウエハ104から除去される。特に、第2の基板118は、機械的研磨を用いて少なくとも部分的に除去され、かつ、その後に、保護材料(例えば、ProTEK登録商標B3-25、二酸化シリコンまたは窒化シリコン)の層を堆積させること(例えば、スピンコーティングすること)が続く。その後に続いて、第2のウエハ(ハンドルウエハと結合されている)は、ウェットまたはドライエッチングされて、第2の基板118のあらゆる残部(機械的研磨によって除去されない)が実質的に除去される。第2の基板118とCMOSデバイス層122との間には誘電体酸化物層(図示せず)が提供され、ウェットエッチングプロセスの最中にエッチング停止部層として役立ってもよいことが把握されるべきである。第2の基板118の層の除去に伴い、第2のウエハは、ハンドルウエハに一時的に移送されるものとして考えられる。エッチング後、保護材料は、酸素プラズマを用いてハンドルウエハから除去される。代替的には、保護材料のコーティングは、アセトン、メチルイソアミルケトン(MIAK)またはメチルエチルケトン(MEK)のような適切な溶剤を用いて除去可能である。
【0051】
その後に続いて、第2のウエハは、第1のウエハに結合される準備ができている。この第2の結合ステップについて準備するために、第2のウエハ104および第1のウエハ102は、まず、第1の基板108とは反対側の第1のウエハの表面(例えば、p-型層116上の酸化物層)が、第2の基板118が除去された第2のウエハの表面(例えば、CMOSデバイス層122下の酸化物層)に面するように互いに対して位置する。
【0052】
この実施形態では、説明の目的で、第2のウエハ104は第1のウエハ102の上に位置し、したがって、第1および第2のウエハ102,104は、この位置において互いに正反対に配置されることが把握されるであろう。一般化すると、結合に必要とされることは、第1のウエハ102の層116および第2のウエハ104のCMOSデバイス層122を接合することだけであり、それらの被覆酸化物層が接触し、その後でそれらを結合するようになっている(例えば、任意選択的にはアニーリングでさらに強化され得る融着または熱圧着を用いて)。
【0053】
一般性を失うことなく、第1および第2のウエハ102,104のこの結合から組み合わせウエハ130が形成される。結合は、第1のウエハ102の上部に第2のウエハ104を結合することとして見られてもよく、第2の基板118が除去された第2のウエハ104の表面が、第1の基板108とは反対側の第1のウエハ102の表面に結合される。この結合プロセスでは、第1のウエハ102および第2のウエハ104のそれぞれの結合された表面は、酸化物層(
図1Aには図示せず)を含有し、該酸化物層は、ここで
図1Bに示される結合媒体/剤128として役立つ。
【0054】
次に、ハンドルウエハは、組み合わせウエハ130から除去されて、意図された応用例のためにさらに処理されてもよいCMOSデバイス層122の少なくとも一部(例えば、表面全部)が露出される。特に、ハンドルウエハは機械的研磨を用いて除去され、その後でウェットエッチングされて、機械的研磨によって除去不能であるハンドルウエハのあらゆる残部が実質的に除去される。
【0055】
図1Bは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ130を示しており、該組み合わせウエハ130は、結合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、第2の基板118が除去されている。結合媒体剤(bonding medium agent)128は、CMOSデバイス層120と第1の未処理LED層106との間の、第1および第2のウエハの間の結合の界面の間に留まる。
【0056】
米国特許第9,530,763号明細書および国際公開第2016/007088号公報(参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる)には、ダブルボンディング移送プロセスの技術についての詳細な情報が記載されている。
【0057】
組み合わせウエハが形成された後、第1のウエハの第1の層106内の発光デバイスの製作が開始され得る。
図1Cは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ130を示しており、該組み合わせウエハ130は、結合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、発光デバイス132の製作が完了している。
【0058】
発光デバイスの製作の例示的な方法は、次の通りである。
【0059】
まず、CMOSウエハの第2の層120上でウインドウ134が開かれ、複数のLED132を形成するための第1の層が露出され、かつ、複合ウエハの上からアクセス可能であるようになっている。ウインドウ134は、CMOSデバイスによって未使用である第2の層の部分および結合媒体128の介在部が除去されることを可能にすることが把握されるであろう。このことは、当業者に既知であり、したがって、簡潔さのために本明細書には詳細に記載されない、典型的なリソグラフィーおよびエッチング技術を用いて達成されてもよい。
【0060】
一旦第1の層が露出され、かつ、アクセス可能になると、複数のLEDは、当業者に既知であり、したがって、簡潔さのために本明細書には詳細に記載されない、メサエッチング、n-コンタクト形成、p-コンタクト形成 SiO2堆積および平坦化ステップのようなリソグラフィー技術の組み合わせを用いて形成されてもよい。複数のLED132のn-コンタクト136およびp-コンタクト138はそれぞれ製作され、n-コンタクト136およびp-コンタクト138の両方の表面はほぼ同じ高さのものであり、n-コンタクト136およびp-コンタクト138が、基板108に対して実質的に同じレベル142にて複合ウエハ130の上からアクセス可能であるようになっている。
【0061】
その後、n-コンタクト136およびp-コンタクト138の上にはタングステンプラグ144が堆積され、それらが、基板108に対してCMOSデバイスのコンタクト124a、124bおよび124cと実質的に同じレベル146にて複合ウエハ130の上からアクセス可能であるように伸ばされるようになっている。組み合わせまたは統合ウエハ130は、その後、誘電体148(例えば、SiO2)とともに堆積され、かつ、平坦化される。
【0062】
タングステン堆積を即座に実行し、その後に続いてコンタクト136および138より上ではないタングステンの不要部分をエッチングして取り除くことが可能であることが把握されるであろう。しかしながら、プロセス歩留まり関連問題およびタングステン堆積を
用いて形成される幾何学的構造体のタイプへの制限がもたらされるであろう。
【0063】
したがって、例示的な実施形態では、上記のタングステンプラグ形成/堆積の前に、全ウエハ130の上に新たな誘電体層(例えば、PECVD SiO
2層)が堆積され、かつ、平坦化される。その後、n-コンタクト136およびp-コンタクト138の上のPECVD SiO2に新たなウインドウが開かれ、その中にはタングステンプラグ144が堆積される。堆積は全面的プロセスであるので(すなわち、全ウエハ130上)、堆積の後には、目的が材料を磨くこと、もしくは、機械的に研磨して取り除くこと/除去すること(平坦化することではない)であるエッチングおよび/または化学的機械的研磨(CMP)が続いてもよく、上記ウインドウ(その中にはタングステンプラグ144が形成される)の外側の過剰タングステンが除去されるようになっている。
図1Cおよび
図1Dは実質的に長方形であるタングステンプラグ/パッド144を示しているが、例示的な実施形態におけるタングステンプラグ/パッド144は、例えば、くし(すなわち、コンタクト136および138の中へと下向きに延びる「歯」)の形態の最適化された構造体を有していてもよいことがさらに把握されるであろう。これら最適化された複雑な構造体は、上記の追加のSiO
2堆積および平坦化ならびにウインドウ開口ステップを用いるだけで形成され得る。
【0064】
最後に、CMOSデバイスおよび発光デバイスを電気的に接続して所望の回路を形成するのに、標準的な、または、既存のCMOSバックエンドオブライン(BEOL)プロセスを含んでいてもよいがそれに限定されない多層金属化プロセスが用いられ、その概略的な例が
図5に示されている。例えば、BEOLプロセスはさらに次のステップを含んでいてもよく、該ステップは:
1.プリメタル誘電体層(例えば、誘電体層148)に穴を作り、かつ、CMOSデバイスのコンタクト(例えば、124a,124b,124c)およびLED(例えば、先行して既にタングステンプラグ144によって伸ばされた)を伸ばすステップ;
2.第1の金属層を追加するステップ;
3.金属内誘電体層を追加するステップ;
4.金属内誘電体を通してさらなるビアを作り、第1の金属層金属をその後に続くいっそう高い金属層と接続するステップであり、ビアは金属CVDプロセスによって充填される。
【0065】
適用可能である場合または必要とされる場合、ステップ2~4を繰り返すことによってさらなる金属層が追加されてもよいことが把握されるであろう。
【0066】
図1Dは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ130を示しており、該組み合わせウエハ130は、組み合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、発光デバイス132の製作が完了しており、かつ、CMOSデバイスと発光デバイスとの間の金属(例えば、タングステン)相互接続部150が形成されている。チップを保護するために、最終パッシベーション層が追加されてもよい。
【0067】
図1に示されている例示的な実施形態は、p-型半導体層116がn-型半導体層112より上に堆積される「p-up」デバイス構造体を示している一方で、未だに発光デバイスの形成を可能としながら、層112および116の配向が逆にされてもよいことが把握されるであろう。換言すれば、代替的な実施形態では、層116はn-型半導体層であり、かつ、層112はp-型半導体層であり、「p-down」デバイス構造体を形成してもよい。この代替的な実施形態では、コンタクト136はp-コンタクトとなり、一方で、コンタクト138はn-コンタクトとなる。「p-up」および「p-down」構造体の両方は、p-n接合デバイスについて既知の/典型的な配向であることが把握されるであろう。
【0068】
図2A~
図2Dは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。この例示的な実施形態では、CMOS制御回路/デバイスは、整列(位置合わせされた;aligned)ダブルボンディング移送プロセスを介して、処理済みの半導体発光デバイス(すなわち、デバイス層)の上部に移送される。
【0069】
換言すれば、発光デバイスは、第2のウエハとの結合前に製作される。第1のウエハは、例えばSi(もしくはその他の基板)上で成長するダイオードまたはレーザーダイオードの形態で製作済みの半導体発光デバイスを有する。結合については、発光デバイスが製作済みであるので、第1および第2のウエハの結合は、鉛直方向に統合されたCMOS制御回路が製作済みの複数のLEDと実質的に重複しないことを確実にするように整列し、複数のLEDの部分が第2のウエハの上からアクセス可能であり、複数のLEDとCMOSデバイスとの間の金属相互接続部(例えば、CMOS層および結合媒体のエッチングを通して作られたタングステンビアの形態)が形成されるようになっている。
【0070】
図2Aは、ある例示的な実施形態における第1のウエハ202と第2のウエハ204とを示している。第1のウエハ202は、発光デバイス232が既製であり、かつ、第1の基板208上に堆積された、部分的に処理済みの層206を有する。
【0071】
複数のLED232の製作前、第1のウエハ202は、
図1Aに示されているウエハ102と同様である。すなわち、層206は、元々は、基板層208上に堆積されたバッファー層210と、バッファー層210上に堆積されたn-型半導体層212と、n-型半導体層212上に堆積された活性領域層214と、活性領域層214上に堆積されたp-型半導体層216とを有する。
【0072】
製作の最中、複数のLED232は、当業者に既知であり、したがって、簡潔さのために本明細書には詳細に記載されない、メサエッチング、n-コンタクト形成、p-コンタクト形成 SiO2堆積および平坦化ステップのようなリソグラフィー技術の組み合わせを用いて形成される。好ましくは、複数のLED232のn-コンタクト236およびp-コンタクト238はそれぞれ製作され、n-コンタクト236およびp-コンタクト238の両方の表面はほぼ同じ高さのものであり、n-コンタクト236およびp-コンタクト238が、基板208に対して実質的に同じレベル242にて第1のウエハ202の上からアクセス可能であるようになっている。第1のウエハ202上で複数のLED232の製作を完了させるために、誘電体酸化物層が第1のウエハ202上に堆積されることが把握されるであろう。
【0073】
例示的な実施形態では、第1のウエハ202の誘電体材料の層は、プラズマ支援化学気相堆積(PECVD)を用いて第1の層206上に堆積される。簡略化するために、誘電体材料の層のことを、以下ではPECVD SiO2層という。
【0074】
例示的な実施形態では、第1の層206はIII-V族半導体材料を有し、該III-V族半導体材料としては(例えば):GaN、InGaP、AlGaAs、InGaAsP、InGaN、AlGaN、GaAs、InGaAsまたはそれらの任意の適切な組み合わせなどが挙げられてもよい。したがって、第1のウエハ202はまた、III-V/Si(例えば、InGaAs/GaAs/SiまたはGaN/Si)ウエハと称されてもよい。InGaAs/GaAs/Ge/SiおよびGaN/Siウエハは両方とも、金属有機物化学気相堆積(MOCVD)または分子線エピタキシー(MBE)を用いて、エピタキシャルに成長してもよい。
【0075】
PECVDプロセス後、表面粗さは比較的大きく、したがって、例えば1nm未満の所
望の表面粗さを達成して融着を促進するためには、PECVDプロセス後に化学的機械的平坦化(CMP)がさらに必要とされるであろうことが把握されるであろう。この点に関して、第1の層206上に堆積されたPECVD SiO2層は、平坦化プロセスのためのキャッピング層として役立ち、その後に続いて結合界面を提供するであろう。さらなる高密度化が(300℃~850℃の適温にて)実行され、酸化物堆積の最中にPECVD
SiO2層に組み込まれたあらゆる残留ガス分子および副産物が除去される。この場合、高密度化プロセスは、窒素雰囲気中で数時間の間、450℃にて行われる。高密度化後、PECVD SiO2層は、CMPプロセスを用いて平坦化される。
【0076】
第1の層206は、II-VI族およびIV族半導体材料のようなその他の半導体材料族を有していてもよく、該その他の半導体材料族としては、例えばBAlN、BGaN、BInN、BInGaN、AlN、ZnOまたはMgZnOが挙げられてもよいことが把握されるであろう。
【0077】
第2のウエハ204は、CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスが第2の基板218上に堆積された第2の層220に形成された、部分的に処理済みのウエハである。第2の層は、CMOSデバイス層222、ならびに、CMOSデバイスの各トランジスタのソース、ゲートおよびドレインコンタクト224a、224bおよび224cを有する。第1および第2のウエハ202,204はさらに、第1および第2のウエハ202,204の各上層上に形成されたそれぞれの誘電体層227,226を有する。第2のウエハ204については、誘電体層226は、コンタクト224a、224bおよび224cを包む。誘電体層はSiO2を有していてもよく、場合によってはSiNxを含む。
【0078】
第1のウエハ202および第2のウエハ204は、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合される。このダブルボンディング移送プロセス下では、第2のウエハ204にはまず、ハンドルウエハ(図示せず)が結合され(例えば、ウエハボンダーを用いて)、第2の基板218の層の除去を可能にする。具体的には、ハンドルウエハは、第2の基板218とは反対側の第2のウエハ204の表面に結合される。ハンドル基板はシリコンでできていてもよいが、その他の適切な材料が用いられることを排除しない。第2のウエハ204(今やハンドルウエハと結合されている)は、アニールされて、ハンドルウエハとCMOSデバイス層220との間の結合強度を増大および向上させてもよい。
【0079】
次に、第2の基板218は、第2のウエハ204から除去される。特に、第2の基板218は、機械的研磨を用いて少なくとも部分的に除去され、かつ、その後に、保護材料(例えば、ProTEK登録商標B3-25、二酸化シリコンまたは窒化シリコン)の層を堆積させること(例えば、スピンコーティングすること)が続く。その後に続いて、第2のウエハ(ハンドルウエハと結合されている)は、ウェットまたはドライエッチングされて、第2の基板218のあらゆる残部(機械的研磨によって除去されない)が実質的に除去される。第2の基板218とCMOSデバイス層222との間には誘電体酸化物層(図示せず)が提供され、ウェットエッチングプロセスの最中にエッチング停止部層とし役立ってもよいことが把握されるべきである。第2の基板218の層の除去に伴い、第2のウエハは、ハンドルウエハに一時的に移送されるものとして考えられる。エッチング後、保護材料は、酸素プラズマを用いてハンドルウエハから除去される。代替的には、保護材料のコーティングは、アセトン、メチルイソアミルケトン(MIAK)またはメチルエチルケトン(MEK)のような適切な溶剤を用いて除去可能である。
【0080】
その後に続いて、第2のウエハは、第1のウエハに結合される準備ができている。この第2の結合ステップについて準備するために、第2のウエハ204および第1のウエハ202は、まず、第1の基板208とは反対側の第1のウエハの表面(例えば、p-型層216上の酸化物層)が、第2の基板218が除去された第2のウエハの表面(例えば、C
MOSデバイス層222下の酸化物層)に面するように互いに対して位置する。
【0081】
この実施形態では、説明の目的で、第2のウエハ204は第1のウエハ202の上に位置し、したがって、第1および第2のウエハ202,204は、この位置において互いに正反対に配置されることが把握されるであろう。一般化すると、結合に必要とされることは、第1のウエハ202の層216および第2のウエハ204のCMOSデバイス層222を接合することだけであり、それらの被覆酸化物層が接触し、その後でそれらを結合するようになっている(例えば、任意選択的にはアニーリングでさらに強化され得る融着または熱圧着を用いて)。
【0082】
一般性を失うことなく、第1および第2のウエハ202,204のこの結合から組み合わせウエハ230が形成される。結合は、第1のウエハ202の上部に第2のウエハ204を結合することとして見られてもよく、第2の基板218が除去された第2のウエハ204の表面が、第1の基板208とは反対側の第1のウエハ202の表面に結合される。この結合プロセスでは、第1のウエハ202および第2のウエハ204のそれぞれの結合された表面は、酸化物層を含有し、該酸化物層は、ここで
図2Bに示される結合媒体/剤228として役立つ。
【0083】
この例示的な実施形態では、複数のLED232およびCMOSデバイスは、結合プロセス前に製作される。したがって、結合プロセスの最中に複数のLED232およびCMOSデバイスの整列が実行されなければならないであろう。すなわち、第2のウエハ204は、第1のウエハ202の上部に結合され、複数のLED232およびCMOSデバイスが互いに実質的に重複しない様式で、第1の基板とは反対側の第1のウエハの側には、第2の基板218が除去された第2のウエハの側が結合され、第2の層220の未使用部分240(CMOSデバイスによって未使用である)が除去されたときには、複数のLED232の部分が露出され得、かつ、複合ウエハ230の上からアクセス可能であるようになっている。
【0084】
次に、ハンドルウエハは、組み合わせウエハ230から除去されて、意図された応用例のためにさらに処理されてもよいCMOSデバイス層222の少なくとも一部(例えば、表面全部)が露出される。特に、ハンドルウエハは機械的研磨を用いて除去され、その後でウェットエッチングされて、機械的研磨によって除去不能であるハンドルウエハのあらゆる残部が実質的に除去される。
【0085】
図2Bは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ230を示しており、該組み合わせウエハ230は、結合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、第2の基板218が除去されている。結合媒体剤228は、CMOSデバイス層220と第1の未処理LED層206との間の、第1および第2のウエハの間の結合の界面の間に留まる。
【0086】
米国特許第9,530,763号明細書および国際公開第2016/007088号公報(参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる)には、ダブルボンディング移送プロセスの技術についての詳細な情報が記載されている。
【0087】
その後、リソグラフィーおよびエッチング技術を用いて、第2の層220の未使用部分240が除去され得、かつ、n-コンタクト236およびp-コンタクト238の上にはタングステンプラグ244が堆積され、それらが、CMOSデバイスのコンタクト224a、224bおよび224cと実質的に同じレベル246にて複合ウエハ230の上からアクセス可能であるように伸ばされるようになっており、前記レベルは基板208に対してのものである。
【0088】
タングステン堆積を即座に実行し、その後に続いてコンタクト236および238より上ではないタングステンの不要部分をエッチングして取り除くことが可能であることが把握されるであろう。しかしながら、プロセス歩留まり関連問題およびタングステン堆積を用いて形成される幾何学的構造体のタイプへの制限がもたらされるであろう。
【0089】
したがって、例示的な実施形態では、上記のタングステンプラグ形成/堆積の前に、全ウエハ230の上に新たな誘電体層(例えば、PECVD SiO
2層)が堆積され、かつ、平坦化される。その後、n-コンタクト236およびp-コンタクト238の上のPECVD SiO2に新たなウインドウが開かれ、その中にはタングステンプラグ244が堆積される。堆積は全面的プロセスであるので(すなわち、全ウエハ230上)、堆積の後には、目的が材料を磨くこと、もしくは、機械的に研磨して取り除くこと/除去すること(平坦化することではない)であるエッチングおよび/または化学的機械的研磨(CMP)が続いてもよく、上記ウインドウ(その中にはタングステンプラグ244が形成される)の外側の過剰タングステンが除去されるようになっている。
図2Cおよび
図2Dは実質的に長方形であるタングステンプラグ/パッド244を示しているが、実際の最適化された構造体は、くし(すなわち、コンタクト136および138の中へと下向きに延びる「歯」)を有することがさらに把握されるであろう。これら最適化された複雑な構造体は、上記の追加のSiO
2堆積および平坦化ならびにウインドウ開口ステップを用いるだけで形成され得る。
【0090】
組み合わせまたは統合ウエハ230は、その後、誘電体248(例えば、SiO
2)とともに堆積され、かつ、平坦化される。
図2Cは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ230を示しており、該組み合わせウエハ230は、第1のウエハおよび第2のウエハを有し、該第1のウエハおよび第2のウエハはそれぞれ、製作済みの複数のLED232およびCMOSデバイスを有し、タングステンプラグ244を有する。
【0091】
最後に、CMOSデバイスおよび発光デバイスを電気的に接続して所望の回路を形成するのに、標準的な、または、既存のCMOSバックエンドオブライン(BEOL)プロセスを含んでいてもよいがそれに限定されない多層金属化プロセスが用いられ、その概略的な例が
図5に示されている。例えば、BEOLプロセスはさらに次のステップを含んでいてもよく、該ステップは:
1.プリメタル誘電体層(例えば、誘電体層248)に穴を作り、かつ、CMOSデバイスのコンタクト(例えば、224a,224b,224c)およびLED(例えば、先行して既にタングステンプラグ244によって伸ばされた)を伸ばすステップ;
2.第1の金属層を追加するステップ;
3.金属内誘電体層を追加するステップ;
4.金属内誘電体を通してさらなるビアを作り、第1の金属層金属をその後に続くいっそう高い金属層と接続するステップであり、ビアは金属CVDプロセスによって充填される。
【0092】
適用可能である場合または必要とされる場合、ステップ2~4を繰り返すことによってさらなる金属層が追加されてもよいことが把握されるであろう。
【0093】
図2Dは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ230を示しており、該組み合わせウエハ230は、組み合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、CMOSデバイスと発光デバイスとの間の金属(例えば、タングステン)相互接続部250が形成されている。
【0094】
図2に示されている例示的な実施形態は、p-型半導体層216がn-型半導体層212より上に堆積される「p-up」デバイス構造体を示している一方で、未だに発光デバ
イスの形成を可能としながら、層212および216の配向が逆にされてもよいことが把握されるであろう。換言すれば、代替的な実施形態では、層216はn-型半導体層であり、かつ、層212はp-型半導体層であり、「p-down」デバイス構造体を形成してもよい。この代替的な実施形態では、コンタクト236はp-コンタクトとなり、一方で、コンタクト238はn-コンタクトとなる。「p-up」および「p-down」構造体の両方は、p-n接合デバイスについて既知の/典型的な配向であることが把握されるであろう。
【0095】
図1A~
図1Dおよび
図2A~
図2Bにおいて上記で開示されたダブルボンディング移送プロセスは、共通のシリコン系プラットフォーム上でIII-V化合物の複数のLEDをSi-CMOSデバイスとモノリシックに統合して、複数のシリコン貫通ビア(TSV)を用いる必要性を伴うことなく並列ハイブリッド回路を実現するための3Dウエハ積層を利用するように意図的に工夫されることが把握されるであろう。すなわち、多層構造体(
図1B~
図1Dおよび
図2B~
図2Dに示されているような)は、ユニバーサルで単一のシリコンプラットフォーム上にSi-CMOSデバイスおよびIII-V LEDデバイスを組み込んだハイブリッド構造体である。複数のLEDのIII-V材料は、所望の高温環境において、それら高温においてSi-CMOSデバイスにダメージを与えることを心配することなく、Si-CMOSデバイスとは別個に成長するので、Si-CMOSデバイスへのダメージは回避されるであろう。
【0096】
図1Dおよび
図2Dは、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体の例示的な実施形態を示している。これら実施形態では、CMOSデバイスは、第1の層(
図1D,
図2Dにおいてそれぞれ106,206)に形成された複数のLEDの上に堆積された第2の層(例えば、
図1D,
図2Dにおいてそれぞれ参照数字120,220)に形成される。第1の層は複数のLED(発光デバイス)を形成するためのIII-V族半導体材料を有し、一方で、第2の層はシリコン系CMOSデバイスを有し、CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスは複数のLEDを制御するためのものである。第1の層は第1のウエハから取得され、かつ、第2の層は第2のウエハから取得され、第1および第2のウエハは、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合されて複合ウエハを形成し、第1および第2の層が、ここでは同一の基板上に堆積されるようになっている。
【0097】
図1Dおよび
図2Dに示されている例示的な実施形態では、複数のLEDが第2の層におけるCMOSデバイスの下の第1の層に形成されるので、複数のLEDは、CMOSデバイスによって未使用である第2の層の部分の直下の第1の層の部分に形成される。すなわち、複数のLEDおよびCMOSデバイスは、複合ウエハの上から見たときには、互いに実質的に重複しない。このことは、第2の層の未使用部分(CMOSデバイスによって未使用である)が除去されたときには、複数のLEDの部分が露出されることを可能とし得、複数のLEDへのアクセスが提供されるようになっている。
図1Dおよび
図2Dに示されているように、金属相互接続部150,250がしたがって、それらのそれぞれの第1および第2の層における複数のLEDとCMOSとの間に形成されてもよい。
【0098】
図3A~
図3Dは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。この例示的な実施形態では、未処理の半導体発光デバイス(すなわち、デバイス層)は、ダブルボンディング移送プロセスを介して、CMOS制御回路/デバイスの上部に移送される。
【0099】
換言すれば、発光デバイスは、第1のウエハが第2のウエハと結合された後にのみ製作される。第2のデバイスとの結合前、第1のウエハは、例えばSi(もしくはその他の基板)上で成長するダイオードまたはレーザーダイオードの形態で半導体発光デバイスを形成するのに適切な層を有する。結合については、第1のウエハは、ダブルボンディング移
送プロセスを介して、Siウエハ上にあるCMOS制御回路に鉛直方向に統合される。
【0100】
図3Aは、ある例示的な実施形態における第1のウエハ302と第2のウエハ304とを示している。第1のウエハ302は、第1の基板308上に堆積された、発光デバイスを形成するための未処理層306を有する。層306は、基板層308上に堆積されたバッファー層310と、バッファー層310上に堆積されたn-型半導体層312と、n-型半導体層312上に堆積された活性領域層314と、活性領域層314上に堆積されたp-型半導体層316とを有する。誘電体酸化物層(図示せず)は、p-型半導体316層上に堆積されることが把握されるであろう。
【0101】
例示的な実施形態では、第1の層306はIII-V族半導体材料を有し、該III-V族半導体材料としては(例えば):GaN、InGaP、AlGaAs、InGaAsP、InGaN、AlGaN、GaAs、InGaAsまたはそれらの任意の適切な組み合わせなどが挙げられてもよい。したがって、第1のウエハ302はまた、III-V/Si(例えば、InGaAs/GaAs/SiまたはGaN/Si)ウエハと称されてもよい。InGaAs/GaAs/Ge/SiおよびGaN/Siウエハは両方とも、金属有機物化学気相堆積(MOCVD)または分子線エピタキシー(MBE)を用いて、エピタキシャルに成長してもよい。第1の層306は、II-VI族およびIV族半導体材料のようなその他の半導体材料族を有していてもよく、該その他の半導体材料族としては、例えばBAlN、BGaN、BInN、BInGaN、AlN、ZnOまたはMgZnOが挙げられてもよいことが把握されるであろう。
【0102】
第2のウエハ304は、CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスが第2の基板318上に堆積された第2の層320に形成された、部分的に処理済みのウエハである。第2の層は、CMOSデバイス層322、ならびに、CMOSデバイスの各トランジスタのソース、ゲートおよびドレインコンタクト324a、324bおよび324cを有する。
【0103】
例示的な実施形態では、第2のウエハ304は、次の項目を有し(かつ、該項目は、次の下降型配向で配置され)、該項目は:誘電体材料326の層、第2の層320(その中に形成されたCMOSデバイスを有する)および例えばシリコン材料の基板層318である。第2のウエハ304の誘電体材料の層は、プラズマ支援化学気相堆積(PECVD)を用いて第2の層320上に堆積される。簡略化するために、誘電体材料の層のことを、以下ではPECVD SiO2層326という。PECVDプロセス後、表面粗さは比較的大きく、したがって、例えば1nm未満の所望の表面粗さを達成して融着を促進するためには、PECVDプロセス後に化学的機械的平坦化(CMP)がさらに必要とされるであろうことが把握されるであろう。この点に関して、第2の層320上に堆積されたPECVD SiO2層は、平坦化プロセスのためのキャッピング層として役立ち、その後に続いて結合界面を提供するであろう。さらなる高密度化が(300℃~850℃の適温にて)実行され、酸化物堆積の最中にPECVD SiO2層326に組み込まれたあらゆる残留ガス分子および副産物が除去される。この場合、高密度化プロセスは、窒素雰囲気中で数時間の間、450℃にて行われる。高密度化後、PECVD SiO2層326は、CMPプロセスを用いて平坦化される。
【0104】
第1のウエハ302および第2のウエハ304は、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合される。このダブルボンディング移送プロセス下では、第1のウエハ302にはまず、ハンドルウエハ(図示せず)が結合され(例えば、ウエハボンダーを用いて)、第1の基板308の層の除去を可能にする。具体的には、ハンドルウエハは、第1の基板308とは反対側の第1のウエハ302の表面に結合される(例えば、第1の層306の上または第1の層306に近接して)。ハンドル基板はシリコンでできていてもよいが、その他の適切な材料が用いられることを排除しない。第1のウエハ302(今やハ
ンドルウエハと結合されている)は、アニールされて、ハンドルウエハと第1の層306との間の結合強度を増大および向上させてもよい。
【0105】
次に、第1の基板308は、第1のウエハ302から除去される。特に、第1の基板308は、機械的研磨を用いて少なくとも部分的に除去され、かつ、その後に、保護材料(例えば、ProTEK登録商標B3-25、二酸化シリコンまたは窒化シリコン)の層を堆積させること(例えば、スピンコーティングすること)が続く。その後に続いて、第1のウエハ(ハンドルウエハと結合されている)は、ウェットまたはドライエッチングされて、第1の基板308のあらゆる残部(機械的研磨によって除去されない)が実質的に除去される。第1の基板308と第1の層306との間には、バッファー層310が提供される。
【0106】
デバイスおよびウエハのタイプ/材料に基づき、バッファー層310について、種々の材料が用いられてもよい。所定のタイプのデバイス(例えば、GaN LED)については、用いられるウエハ302のタイプに基づいて、バッファー層について2つの可能性が存在するであろう。例えば、
a) Si上にGaN LEDがあるウエハについては、バッファー層は半導体材料(例えば、III-N合金)のみから成るであろうし;
b) 絶縁体上にGaN LEDがある(GaN-OI)ウエハについては、バッファー層は、少なくとも1つの誘電体層を含み(したがって、「オン-インシュレーター」記載)、かつ、場合によっては1つ以上の半導体層(例えば、III-N合金)を含むであろう。
【0107】
バッファー層310はまた、例えばウェットエッチングプロセスの最中にエッチング停止部層として役立つであろう。かかるシナリオでは、バッファー層310は、例えば誘電体エッチング停止部層(DESL)を有していてもよい。バッファー層310におけるこのDESLは、その後でまた、ウエハの結合のための被覆酸化物層として役立つであろう。このDESLはまた、必要であれば、例えばPECVD、スピンオンガラス、PETEOSなどを用いて新たな被覆酸化物層と置換されてもよい。
【0108】
ウエハの結合を促進するため、かつ、バッファー層310がDESLを有さない場合、基板308およびバッファー310の不要部分がタイムエッチングを介して除去された後で、PECVD、スピンオンガラス、PETEOSなどを用いて新たな被覆酸化物層が堆積されてもよい。
【0109】
第1の基板308の層の除去に伴い、第1のウエハは、ハンドルウエハに一時的に移送されるものとして考えられる。エッチング後、保護材料は、酸素プラズマを用いてハンドルウエハから除去される。代替的には、保護材料のコーティングは、アセトン、メチルイソアミルケトン(MIAK)またはメチルエチルケトン(MEK)のような適切な溶剤を用いて除去可能である。
【0110】
その後に続いて、第1のウエハは、第2のウエハに結合される準備ができている。この第2の結合ステップについて準備するために、第1のウエハ302および第2のウエハ304は、まず、第2の基板318とは反対側の第2のウエハの表面(例えば、CMOSデバイス層322上の酸化物層)が、第1の基板308が除去された第1のウエハの表面(例えば、バッファー層310)に面するように互いに対して位置する。
【0111】
この実施形態では、説明の目的で、第1のウエハ302は第2のウエハ304の上に位置し、したがって、第1および第2のウエハ302,304は、この位置において互いに正反対に配置されることが把握されるであろう。一般化すると、結合に必要とされること
は、第2のウエハ302の酸化物層326および第1のウエハ304のバッファー層310を接合することだけであり、それらの被覆酸化物層が接触し、その後でそれらを結合するようになっている(例えば、任意選択的にはアニーリングでさらに強化され得る融着または熱圧着を用いて)。
【0112】
一般性を失うことなく、第1および第2のウエハ302,304のこの結合から組み合わせウエハ330(
図3B)が形成される。結合は、第1のウエハ304の上部に第1のウエハ302を結合することとして見られてもよく、第1の基板308が除去された第1のウエハ302の表面が、第2の基板318とは反対側の第2のウエハ302の表面に結合される。この結合プロセスでは、第1のウエハ302および第2のウエハ304のそれぞれの結合された表面は、酸化物層を含有し、該酸化物層は、ここで
図3Bに示される結合媒体/剤328として役立つ。
【0113】
次に、ハンドルウエハは、組み合わせウエハ330から除去されて、意図された応用例のためにさらに処理されてもよい第1の層306のp-型半導体層316の少なくとも一部(例えば、表面全部)が露出される。特に、ハンドルウエハは機械的研磨を用いて除去され、その後でウェットエッチングされて、機械的研磨によって除去不能であるハンドルウエハのあらゆる残部が実質的に除去される。
【0114】
図3Bは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ330を示しており、該組み合わせウエハ330は、結合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、第1の基板308が除去されている。結合媒体剤328は、第1の層306とCMOSデバイス層およびその被覆誘電体層326との間の、第1および第2のウエハの間の結合の界面の間に留まる。
【0115】
米国特許第9,530,763号明細書および国際公開第2016/007088号公報(参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる)には、ダブルボンディング移送プロセスの技術についての詳細な情報が記載されている。
【0116】
組み合わせウエハが形成された後、第1のウエハの第1の層306内の発光デバイスの製作が開始され得る。
図3Cは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ330を示しており、該組み合わせウエハ330は、結合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、発光デバイス332の製作が完了している。
【0117】
複数のLED332の製作は、次の通りである。複数のLEDは、当業者に既知であり、したがって、簡潔さのために本明細書には詳細に記載されない、メサエッチング、n-コンタクト形成、p-コンタクト形成 SiO2堆積および平坦化ステップのようなリソグラフィー技術の組み合わせを用いて第1の層から形成されてもよい。複数のLED332のn-コンタクト336およびp-コンタクト338はそれぞれ製作され、n-コンタクト336およびp-コンタクト338の両方の表面はほぼ同じ高さのものであり(バッファー層に対して)、n-コンタクト336およびp-コンタクト338が、実質的に同じレベル342にて第1のウエハ302の上からアクセス可能であるようになっており、前記レベルは基板318に対してのものである。
【0118】
例示的な実施形態では、CMOSデバイスが第1の(LED)層306の下に埋め込まれているので、複数のLEDは、それらがCMOSデバイスのコンタクトと直接重複しないか、または、CMOSデバイスのコンタクトの直上にある位置にて製作されなければならず、第1の層の未使用部分が除去されたときには、CMOSデバイス(または、少なくともそれらのコンタクト)が露出されるようになっている。
図3Cに示されているように、CMOSデバイス層320におけるCMOSデバイスの各トランジスタのそれぞれのソ
ース、ゲートおよびドレインコンタクト324a、324bおよび324cは、複数のLED338が製作されていないアクセスウインドウ334を介して複数のLEDの上からアクセス可能である。
【0119】
その後、
図3Dに示されているように、CMOSデバイスのコンタクト324a、324bおよび324cの上にはタングステン(w)ビアまたはプラグ344が、上記(LED)層および結合媒体328のエッチング、W堆積ならびにW化学的機械的研磨(CMP)を通して形成され、CMOSコンタクトが、n-コンタクト336およびp-コンタクト338と実質的に同じレベル342にてウエハ330の上からアクセス可能であるように伸ばされるようになっており、前記レベル342は基板318に対してのものである。組み合わせまたは統合ウエハ330は、その後、誘電体348(例えば、SiO
2)とともに堆積され、かつ、平坦化される。
【0120】
最後に、CMOSデバイスおよび発光デバイスを電気的に接続して所望の回路を形成するのに、標準的な、または、既存のCMOSバックエンドオブライン(BEOL)プロセスを含んでいてもよいがそれに限定されない多層金属化プロセスが用いられ、その概略的な例が
図5に示されている。例えば、BEOLプロセスはさらに次のステップを含んでいてもよく、該ステップは:
1.プリメタル誘電体層(例えば、誘電体層348)に穴を作り、かつ、CMOSデバイスのコンタクト(例えば、324a,324b,324c)およびLED(例えば、先行して既にタングステンプラグ344によって伸ばされた)を伸ばすステップ;
2.第1の金属層を追加するステップ;
3.金属内誘電体層を追加するステップ;
4.金属内誘電体を通してさらなるビアを作り、第1の金属層金属をその後に続くいっそう高い金属層と接続するステップであり、ビアは金属CVDプロセスによって充填される。
【0121】
適用可能である場合または必要とされる場合、ステップ2~4を繰り返すことによってさらなる金属層が追加されてもよいことが把握されるであろう。
【0122】
図3Eは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ330を示しており、該組み合わせウエハ330は、組み合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、発光デバイス332の製作が完了しており、かつ、CMOSデバイスと発光デバイス332との間の金属(例えば、タングステン)相互接続部350が形成されている。
【0123】
図3に示されている例示的な実施形態は、p-型半導体層316がn-型半導体層312より上に堆積される「p-up」デバイス構造体を示している一方で、未だに発光デバイスの形成を可能としながら、層312および316の配向が逆にされてもよいことが把握されるであろう。換言すれば、代替的な実施形態では、層316はn-型半導体層であり、かつ、層312はp-型半導体層であり、「p-down」デバイス構造体を形成してもよい。この代替的な実施形態では、コンタクト336はp-コンタクトとなり、一方で、コンタクト338はn-コンタクトとなる。「p-up」および「p-down」構造体の両方は、p-n接合デバイスについて既知の/典型的な配向であることが把握されるであろう。
【0124】
図4A~
図4Dは、別の例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成する方法を示している。この例示的な実施形態では、処理済みまたは既製の半導体発光デバイス(すなわち、デバイス層)は、整列ダブルボンディング移送プロセスを介して、CMOS制御回路/デバイスの上部に移送される。
【0125】
換言すれば、発光デバイスは、第2のウエハとの結合前に製作される。第1のウエハは、例えばSi(もしくはその他の基板)上で成長するダイオードまたはレーザーダイオードの形態で製作済みの半導体発光デバイスを有する。結合については、発光デバイスが製作済みであるので、第1および第2のウエハの結合は、製作済みの複数のLEDが鉛直方向に統合されたCMOS制御回路と実質的に重複しないことを確実にするように整列し、CMOS制御回路のコンタクトが第1のウエハの上からアクセス可能であり、複数のLEDとCMOSデバイスとの間の金属相互接続部(例えば、未使用LED層および結合媒体のエッチングを通して作られたタングステンビアまたはプラグの形態)が形成されるようになっている。
【0126】
図4Aは、ある例示的な実施形態における第1のウエハ402と第2のウエハ404とを示している。第1のウエハ402は、発光デバイス432が既製であり、かつ、第1の基板408上に堆積された、部分的に処理済みの層406を有する。層406は、基板層408上に堆積されたバッファー層410と、バッファー層410上に堆積されたn-型半導体層412と、n-型半導体層412上に堆積された活性領域層414と、活性領域層414上に堆積されたp-型半導体層416とを有する。誘電体酸化物層(図示せず)は、p-型半導体416層上に堆積されることが把握されるであろう。
【0127】
例示的な実施形態では、第1の層406はIII-V族半導体材料を有し、該III-V族半導体材料としては(例えば):GaN、InGaP、AlGaAs、InGaAsP、InGaN、AlGaN、GaAs、InGaAsまたはそれらの任意の適切な組み合わせなどが挙げられてもよい。したがって、第1のウエハ402はまた、III-V/Si(例えば、InGaAs/GaAs/SiまたはGaN/Si)ウエハと称されてもよい。InGaAs/GaAs/Ge/SiおよびGaN/Siウエハは両方とも、金属有機物化学気相堆積(MOCVD)または分子線エピタキシー(MBE)を用いて、エピタキシャルに成長してもよい。第1の層406は、II-VI族およびIV族半導体材料のようなその他の半導体材料族を有していてもよく、該その他の半導体材料族としては、例えばBAlN、BGaN、BInN、BInGaN、AlN、ZnOまたはMgZnOが挙げられてもよいことが把握されるであろう。
【0128】
製作の最中、複数のLED432は、当業者に既知であり、したがって、簡潔さのために本明細書には詳細に記載されない、メサエッチング、n-コンタクト形成、p-コンタクト形成 SiO2堆積および平坦化ステップのようなリソグラフィー技術の組み合わせを用いて形成される。好ましくは、複数のLED432のn-コンタクト436およびp-コンタクト438はそれぞれ製作され、n-コンタクト436およびp-コンタクト438の両方の表面はほぼ同じ高さのものであり、n-コンタクト436およびp-コンタクト438が、実質的に同じレベル442にて第1のウエハ402の上からアクセス可能であるようになっており、前記レベル442は基板408に対してのものである。第1のウエハ402上で複数のLED432の製作を完了させるために、誘電体酸化物層が第1のウエハ402上に堆積され、かつ、表面を実質的に平坦化するためのCMPが実行されることが把握されるであろう。複数のLED432の製作に加えて、第1のウエハ402はまた、第2のウエハのCMOSコンタクトパッドへのアクセスを提供する、ビアホールまたはアクセスウインドウ434を有していてもよい。これらビアホールは、メサエッチングステップの最中に作成されてもよく、別個のステップにおいて作成されてもよく、かつ、複合ウエハを形成するために結合後にCMOSデバイスの直上にあるであろう領域における発光デバイス材料の部分的または完全な除去を伴ってもよい。
【0129】
第2のウエハ404は、CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスが第2の基板418上に堆積された第2の層420に形成された、部分的に処理済みのウエハである。第2の層は、CMOSデバイス層422、ならびに、CMOSデバイスの各トランジスタの
ソース、ゲートおよびドレインコンタクト424a、424bおよび424cを有する。
【0130】
例示的な実施形態では、第2のウエハ404は、次の項目を有し(かつ、該項目は、次の下降型配向で配置され)、該項目は:誘電体材料426の層、第2の層420(その中に形成されたCMOSデバイスを有する)および例えばシリコン材料の基板層418である。第2のウエハ404の誘電体材料の層は、プラズマ支援化学気相堆積(PECVD)を用いて第2の層420上に堆積される。簡略化するために、誘電体材料の層のことを、以下ではPECVD SiO2層426という。
【0131】
PECVDプロセス後、表面粗さは比較的大きく、したがって、例えば1nm未満の所望の表面粗さを達成して融着を促進するためには、PECVDプロセス後に化学的機械的平坦化(CMP)がさらに必要とされるであろうことが把握されるであろう。この点に関して、PECVD SiO2層426は、第2の層420上に堆積されて平坦化プロセスのためのキャッピング層として役立ち、その後に続いて結合界面を提供するであろう。さらなる高密度化が(300℃~850℃の適温にて)実行され、酸化物堆積の最中にPECVD SiO2層426に組み込まれたあらゆる残留ガス分子および副産物が除去される。この場合、高密度化プロセスは、窒素雰囲気中で数時間の間、450℃にて行われる。高密度化後、PECVD SiO2層426は、化学的機械的平坦化(CMP)プロセスを用いて平坦化される。
【0132】
第1のウエハ402および第2のウエハ404は、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合される。このダブルボンディング移送プロセス下では、第1のウエハ402にはまず、ハンドルウエハ(図示せず)が結合され(例えば、ウエハボンダーを用いて)、第1の基板408の層の除去を可能にする。具体的には、ハンドルウエハは、第1の基板418とは反対側の第1のウエハ402の表面に結合される(例えば、第1の層406の上または第1の層406に近接して)。ハンドル基板はシリコンでできていてもよいが、その他の適切な材料が用いられることを排除しない。第1のウエハ402(今やハンドルウエハと結合されている)は、アニールされて、ハンドルウエハと第1の層406との間の結合強度を増大および向上させてもよい。
【0133】
次に、第1の基板408は、第1のウエハ402から除去される。特に、第1の基板408は、機械的研磨を用いて少なくとも部分的に除去され、かつ、その後に、保護材料(例えば、ProTEK登録商標B3-25、二酸化シリコンまたは窒化シリコン)の層を堆積させること(例えば、スピンコーティングすること)が続く。その後に続いて、第1のウエハ(ハンドルウエハと結合されている)は、ウェットまたはドライエッチングされて、第1の基板408のあらゆる残部(機械的研磨によって除去されない)が実質的に除去される。
【0134】
第1の基板408と第1の層406との間には、バッファー層410が提供される。デバイスおよびウエハのタイプ/材料に基づき、バッファー層410について、種々の材料が用いられてもよい。所定のタイプのデバイス(例えば、GaN LED)については、用いられるウエハ402のタイプに基づいて、バッファー層について2つの可能性が存在するであろう。例えば、
a) Si上にGaN LEDがあるウエハについては、バッファー層は半導体材料(例えば、III-N合金)のみから成るであろうし;
b) 絶縁体上にGaN LEDがある(GaN-OI)ウエハについては、バッファー層は、少なくとも1つの誘電体層を含み(したがって、「オン-インシュレーター」記載)、かつ、場合によっては1つ以上の半導体層(例えば、III-N合金)を含むであろう。
【0135】
バッファー層410はまた、例えばウェットエッチングプロセスの最中にエッチング停止部層として役立つであろう。かかるシナリオでは、バッファー層410は、例えば誘電体エッチング停止部層(DESL)を有していてもよい。バッファー層410におけるこのDESLは、その後でまた、ウエハの結合のための被覆酸化物層として役立つであろう。このDESLはまた、必要であれば、例えばPECVD、スピンオンガラス、PETEOSなどを用いて新たな被覆酸化物層と置換されてもよい。
【0136】
ウエハの結合を促進するため、かつ、バッファー層410がDESLを有さない場合、基板408およびバッファー410の不要部分がタイムエッチングを介して除去された後で、PECVD、スピンオンガラス、PETEOSなどを用いて新たな被覆酸化物層が堆積されてもよい。
【0137】
第1の基板408の層の除去に伴い、第1のウエハは、ハンドルウエハに一時的に移送されるものとして考えられる。エッチング後、保護材料は、酸素プラズマを用いてハンドルウエハから除去される。代替的には、保護材料のコーティングは、アセトン、メチルイソアミルケトン(MIAK)またはメチルエチルケトン(MEK)のような適切な溶剤を用いて除去可能である。
【0138】
その後に続いて、第1のウエハは、第2のウエハに結合される準備ができている。この第2の結合ステップについて準備するために、第1のウエハ402および第2のウエハ404は、まず、第2の基板418とは反対側の第2のウエハの表面(例えば、CMOSデバイス層422上の酸化物層)が、第1の基板408が除去された第1のウエハの表面(例えば、バッファー層410)に面するように互いに対して位置する。
【0139】
この実施形態では、説明の目的で、第1のウエハ402は第2のウエハ404の上に位置し、したがって、第1および第2のウエハ402,404は、この位置において互いに正反対に配置されることが把握されるであろう。一般化すると、結合に必要とされることは、第2のウエハ402の酸化物層426および第1のウエハ404のバッファー層410を接合することだけであり、それらのそれぞれの被覆酸化物層が接触し、その後でそれらを結合するようになっている(例えば、任意選択的にはアニーリングでさらに強化され得る融着または熱圧着を用いて)。
【0140】
一般性を失うことなく、第1および第2のウエハ402,404のこの結合から組み合わせウエハ430(
図4B)が形成される。結合は、第1のウエハ404の上部に第1のウエハ402を結合することとして見られてもよく、第1の基板408が除去された第1のウエハ402の表面が、第2の基板418とは反対側の第2のウエハ402の表面に結合される。この結合プロセスでは、第1のウエハ402および第2のウエハ404のそれぞれの結合された表面は、酸化物層を含有し、該酸化物層は、ここで
図4Bに示される結合媒体/剤428として役立つ。
【0141】
この例示的な実施形態では、複数のLED432およびCMOSデバイスは、結合プロセス前に製作される。したがって、結合プロセスの最中に複数のLED432およびCMOSデバイスの整列が実行されなければならないであろう。すなわち、第1のウエハ402は、第2のウエハ402の上部に結合され、複数のLED432がCMOSデバイスのコンタクトと直接重複しないか、または、CMOSデバイスのコンタクトの直上にある様式で、第2の基板とは反対側の第2のウエハの側には、第1の基板408が除去された第1のウエハの側が結合され、第1の層206の未使用部分(複数のLED432によって未使用である)が除去されたときには、CMOSデバイスのコンタクトが露出されるようになっている。図示されているように、
図4Bはアクセスウインドウ434を示しており、該アクセスウインドウ434から、複数のLED432の上からCMOSデバイス層に
含まれるCMOSデバイスの各トランジスタのそれぞれのソース、ゲートおよびドレインコンタクト424a、424bおよび424cへのアクセスが提供される。上記のように、アクセスウインドウ434は、複数のLED432によって未使用である第1の層206の部分が除去されたときに形成される。
【0142】
次に、ハンドルウエハは、組み合わせウエハ430から除去されて、意図された応用例のためにさらに処理されてもよい、n-コンタクト436およびp-コンタクト438を被覆する誘電体層が露出される。特に、ハンドルウエハは機械的研磨を用いて除去され、その後でウェットエッチングされて、機械的研磨によって除去不能であるハンドルウエハのあらゆる残部が実質的に除去される。
【0143】
図4Bは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ430を示しており、該組み合わせウエハ430は、結合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、第1の基板408が除去されている。結合媒体剤428は、第1の層406とCMOSデバイス層およびその被覆誘電体層426との間の、第1および第2のウエハの間の結合の界面の間に留まる。
【0144】
米国特許第9,530,763号明細書および国際公開第2016/007088号公報(参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる)には、ダブルボンディング移送プロセスの技術についての詳細な情報が記載されている。
【0145】
その後、
図4Cに示されているように、CMOSデバイスのコンタクト424a、424bおよび424cの上にはタングステン(w)ビアまたはプラグ444が、上記(LED)層および結合媒体428のエッチング、W堆積ならびにW化学的機械的研磨(CMP)を通して形成され、CMOSコンタクトが、n-コンタクト436およびp-コンタクト438と実質的に同じレベル442にて複合ウエハ430の上からアクセス可能であるように伸ばされるようになっており、前記レベル442は基板418に対してのものである。組み合わせまたは統合ウエハ430は、その後、誘電体448(例えば、SiO
2)とともに堆積され、かつ、平坦化される。
【0146】
最後に、CMOSデバイスおよび発光デバイスを電気的に接続して所望の回路を形成するのに、標準的な、または、既存のCMOSバックエンドオブライン(BEOL)プロセスを含んでいてもよいがそれに限定されない多層金属化プロセスが用いられ、その概略的な例が
図5に示されている。例えば、BEOLプロセスはさらに次のステップを含んでいてもよく、該ステップは:
1.プリメタル誘電体層(例えば、誘電体層448)に穴を作り、かつ、CMOSデバイスのコンタクト(例えば、424a,424b,424c)およびLED(例えば、先行して既にタングステンプラグ444によって伸ばされた)を伸ばすステップ;
2.第1の金属層を追加するステップ;
3.金属内誘電体層を追加するステップ;
4.金属内誘電体を通してさらなるビアを作り、第1の金属層金属をその後に続くいっそう高い金属層と接続するステップであり、ビアは金属CVDプロセスによって充填される。
【0147】
適用可能である場合または必要とされる場合、ステップ2~4を繰り返すことによってさらなる金属層が追加されてもよいことが把握されるであろう。
【0148】
図4Dは、例示的な実施形態における組み合わせウエハ430を示しており、該組み合わせウエハ430は、組み合された第1のウエハおよび第2のウエハを有し、CMOSデバイスと発光デバイス432との間の金属(例えば、タングステン)相互接続部450が
形成されている。
【0149】
図4に示されている例示的な実施形態は、p-型半導体層416がn-型半導体層412より上に堆積される「p-up」デバイス構造体を示している一方で、未だに発光デバイスの形成を可能としながら、層412および416の配向が逆にされてもよいことが把握されるであろう。換言すれば、代替的な実施形態では、層416はn-型半導体層であり、かつ、層412はp-型半導体層であり、「p-down」デバイス構造体を形成してもよい。この代替的な実施形態では、コンタクト436はp-コンタクトとなり、一方で、コンタクト438はn-コンタクトとなる。「p-up」および「p-down」構造体の両方は、p-n接合デバイスについて既知の/典型的な配向であることが把握されるであろう。
【0150】
図3Eおよび
図4Dは、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体の例示的な実施形態を示している。これら実施形態では、第1の層(
図3E,
図4Dにおいてそれぞれ306,406)に形成された複数のLEDは、第2の層(例えば、
図3E,
図4Dにおいてそれぞれ参照数字320,420)に形成されたCMOSデバイス上に堆積される。第1の層は複数のLED(発光デバイス)を形成するためのIII-V族半導体材料を有し、一方で、第2の層はシリコン系CMOSデバイスを有し、CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスは複数のLEDを制御するためのものである。第1の層は第1のウエハから取得され、かつ、第2の層は第2のウエハから取得され、第1および第2のウエハは、ダブルボンディング移送プロセスを介して一緒に結合されて複合ウエハを形成し、第1および第2の層が、ここでは同一の基板上に堆積されるようになっている。
【0151】
図3Eおよび
図4Dに示されている例示的な実施形態では、CMOSデバイスが第1の層における複数のLEDの下の第2の層に形成されるので、CMOSデバイスは、複数のLEDによって未使用である第1の層の部分の直下の第2の層の部分に形成される。すなわち、複数のLEDおよびCMOSデバイスは、複合ウエハの上から見たときには、互いに重複しない。このことは、第1の層の未使用部分(複数のLEDによって未使用である)が除去されたときには、CMOSデバイスが露出されることを可能にし得、CMOSへのアクセスが提供されるようになっている。
図3Eおよび
図4Eに示されているように、金属相互接続部350,450がしたがって、それらのそれぞれの第1および第2の層における複数のLEDとCMOSとの間に形成されてもよい。
【0152】
上記の実施形態のいずれか1つにおいて定められた製作方法を用いて、複数のLED(またはレーザー)とCMOS制御回路との高密度アクティブアレイが達成され得る。
【0153】
例示的な実施形態において記載され、かつ、図示された種々の層は、デバイスの応用例に基づいてパターニングされていてもよく、したがって、図面に示されているものとは異なっていてもよい。例えば、
図1Cではn-層112はパターニングされておらず(すなわち、それはウエハ全体にわたって連続的であり)、一方で、
図2Bではn-層212はパターニングされている。これは、応用例(すなわち、どのように種々のLED素子を作動させることを選択するか)に基づいて、種々の方法で1つのLEDが別のものから「隔離」され得るからであり、該方法は:
a) 活性領域を通してエッチングするが、n-層は手付かずのまま残すこと(例えば、
図1Cにおける層112を参照)
b) n-層を部分的にエッチングすること
c) n-層を完全にエッチングするが、バッファー層は手付かずのまま残すこと(例えば、
図2Bにおける層212を参照)
d) 構成要素であるバッファー層のうちの1つ以上をエッチングすること(部分的に/完全に)(例えば、
図3Cにおける層310を参照)である。
【0154】
選択は、LEDがどのように回路素子の残部に電気的に接続されるかに影響を与え、また、製作プロセスのロバスト性/歩留まりと関わりを有し、したがって、回路設計およびプロセスの最適化に基づいて、異なるオプションが選択され得るであろう。
【0155】
図5は、ある例示的な実施形態における、単一のLED502と駆動ユニット504とを有するユニットセル500の概略図を示している。例示的な実施形態では、LED502はIII-V半導体系であり、一方で、駆動ユニットはSi CMOS系である。
【0156】
図5に示されているように、駆動ユニット504は、駆動FET(電界効果トランジスタ)506、切替FET508および蓄積キャパシタ510を有する。例示的な実施形態では、駆動FETはp-チャネルFETであり、そのソースは電源Vdd512に電気的に接続され、かつ、ドレインはLED502の入力端に電気的に接続される。切替FET508はp-チャネルFETであり、切替FETのゲートおよびドレインはそれぞれ、アドレス指定信号Vdata514およびVselect516に電気的に接続される。切替FET508のソースは、駆動FET506のゲートに電気的に接続され、かつ、蓄積キャパシタ510は、駆動FETのゲートとLED502の出力端との間に電気的に接続される。作動中、アドレス指定信号Vdata514およびVselect516が活性化されるとき、電源がLED502に提供されるように駆動FET506のスイッチが入れられる。
【0157】
フルカラー赤緑青(RGB)ピクセルが、それら個別のドライバーを有する3つのLEDのセットから構成されることが把握されるであろう。
図6Aは、ある例示的な実施形態におけるフルカラーピクセルについてのマスクレイアウトを示している。レイアウト600の個別の構成要素は、いっそう良好な簡潔性のために
図6B~
図6Fに示されている。
図6Bは、3つのLEDの開いたウインドウ634(例えば、
図1Cおよび
図1Dのウインドウ134に対応)ならびにn-コンタクト636(
図1Cおよび
図1Dのn-コンタクト136に対応)およびp-コンタクト638(
図1Cおよび
図1Dのp-コンタクト138に対応)を示すレイアウト図である。
図6Cは、タングステンプラグ644(
図1Cおよび
図1Dのプラグ144に対応)を示すレイアウト図である。
図6D、
図6Eおよび
図6Fは、CMOSデバイスのコンタクトとLEDデバイスとの間の接続を示すそれぞれのレイアウト図である。
図6Dは、CMOSの第1の金属層650(
図1Dにおける数字150に対応)を示すレイアウト図である。
図6Eは、CMOSポリゲート624b(
図1Aにおける数字124bに対応)を示すレイアウト図である。
図6Fは、CMOSの第2の金属層(
図1には図示せず)を示すレイアウト図である。
【0158】
かかるレイアウトについては、解像度250nmのリソグラフィーツールを用いて
図1~
図4において上記された方法が実装されると仮定すると、15μm以下のピクセルピッチが容易に達成され得る。
図7は、ある例示的な実施形態における、2×2カラーピクセルアレイについてのマスクレイアウトを示している。この2×2アレイは、
図6Aに示されているピクセルのうちの4つを有することが把握されるであろう。
【0159】
図6および
図7に示されている上記の実施形態では、2μm以下の個別のLEDが描かれている。これは、約1700のインチ毎ピクセル(PPI)値に換算される。さらに、PPIは、いっそう細かい解像度ならびに/またはいっそう小さい限界寸法を有するCMOSおよびIII-Vプロセスを有するリソグラフィーツールを採用することによって、いっそう増大され得る。
【0160】
さらに、CMOS制御回路(またはCMOSデバイス)は、第3および第4の実施形態(
図3および
図4)では、第1および第2の実施形態とは異なり発光デバイスの直下に配
置され得る。このことは、場合によっては、ディスプレイのPPIおよび有効口径(全表面積に対する発光面積の割合)を増大させ得る。CMOS回路のコンタクトは、複数のLEDの上からアクセス可能なままであるべきことが把握されるであろう。すなわち、複数のLEDは、それらがCMOSデバイスのソース-ゲート-ドレインコンタクトと重複しないように位置する。
【0161】
図8は、ある例示的な実施形態における、ピクセル化ディスプレイ用多層構造体を形成するための方法800を示している。ステップ802において、第1の基板上に堆積された第1のウエハが提供される。第1の層は、複数のLED(発光デバイス)を形成するためのIII-V族半導体材料を有する。ステップ804において、第2の基板上に堆積された第2の層に形成されたシリコン系CMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスを有する、第2の部分的に処理済みのウエハが提供される。CMOSデバイスは、複数のLEDを制御するためのものである。ステップ806において、第1および第2のウエハはダブルボンディング移送プロセスを介して結合されて、複合ウエハが形成される。
【0162】
例示的な実施形態では、ソリッドステートLEDとSi系CMOSとの組み合わせは、LCD/薄膜トランジスタ(TFT)/LEDバックライトおよび有機LED(OLED)/TFTタイプのディスプレイに対して固有の利点を有する。
【0163】
第1に、ソリッドステートの複数のLEDおよびSi CMOSドライバーのデバイス特性がウエハスケールで本質的に均一であるので、かかるハイブリッド半導体デバイスにおける非均一性の問題処理専用の洗練された回路設計(いっそう多いCMOS回路面積を消費する)が回避され得、いっそう小さいユニットセルおよびいっそう高いアレイ解像度を可能にする。
【0164】
追加的には、CMOS切替トランジスタは電流漏れが少なく、このことは、蓄積キャパシタの放電を防止する。このことは、CMOS統合ソリッドステートLEDに電力効率の点で利点を与える。
【0165】
第3に、ソリッドステートの複数のLEDの3dB変調帯域は、複数のLEDおよび複数のOLEDが数kHzに制限されるのに対し、100MHz~1GHzである。したがって、速いリフレッシュレートを優先するディスプレイの応用例または制御方法論が、ディスプレイの構成要素の変調帯域によって制限されない。
【0166】
さらに、ソリッドステートの複数のLEDは、数106cd/m2の高輝度を示し、これは、複数のOLEDより2桁大きい。このことは、有利なことに、本願の例示的な実施形態を用いて可能となる自発光投影システムを可能にし得る。
【0167】
追加的には、本願の例示的なプロセスまたは構造は、標準CMOSバックエンドプロセスが、CMOSデバイスのみを接続するのに用いられる(すなわち、従来技術)だけでなく、CMOSデバイスおよびその他の例えばIII-V半導体デバイスの両方を接続するのに用いられることを可能にする。このことは、CMOSバックエンド相互接続技術がよく発達しており、広範に用いられ、かつ、統合回路の形成に利用可能な高密度相互接続技術を有するので、特に有利である。
【0168】
さらに、p-n接合(例えば、III-V)半導体はSi CMOSデバイスとは別個に成長するので、Si CMOSデバイスは、高品質のIII-V材料成長に必要な高温に曝されることが防止され得る。
【0169】
本明細書で用いられる用語「基板」は、構造体であって、その上に1つ以上の材料また
は材料の1つ以上の層が堆積されてもよい前記構造体を意味するものとして広く解釈されるべきである。基板は、その上に堆積された材料の1つ以上の層を有していてもよい。基板は、その上に堆積された、例えば誘電体層、金属層などであるがそれらに限定されない材料の1つ以上の層を有するウエハを有していてもよい。
【0170】
構造体を説明するのに用いられるときの用語「層」は、別の構造体の別のレベルまたは厚さと識別可能である構造体のレベルまたは厚さを意味するものとして広く解釈されるべきである。構造体は、その他の構造体から識別可能であり、かつ、同一の材料を有していてもよく、異なる材料を有していてもよい。構造体とその他の構造体とは、それらが互いに識別可能である限り、同一であってもよく、異なっていてもよい。層は単一の材料に限定されないが、1つ以上の材料の1つ以上の副層または中間層を有していてもよく、該副層または中間層自体もまた、隣接する層から識別可能であってもよい。したがって、層が個別の副層または中間層によって形成されるとき、個別の副層または中間層のそれぞれの寸法は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0171】
本明細書で用いられる用語「連結される」または「接続される」は、そうでないことが言及されなければ、直接接続されることと、1つ以上の中間手段を通して接続されることとの両方をカバーすることを意図する。
【0172】
2つの要素に言及するときに本明細書で用いられる用語「関連付けられる」は、2つの要素の間の広い関係を意味する。関係は、物理的、化学的または電気的関係を含むが、それらに限定されない。例えば、要素Aが要素Bと関連付けられるとき、要素AおよびBは、直接的もしくは間接的に互いに取り付けられてもよく、または、要素Aは要素Bを含有していてもよく、その逆であってもよい。
【0173】
2つの要素に言及するときに本明細書で用いられる用語「隣接する」は、1つの要素が別の要素に近接しており、かつ、要素が互いに接触していてもよいがそのことに限定されず、要素がその間に配置された1つ以上のさらなる要素によって分離されることをさらに含んでいてもよいことを意味する。
【0174】
本明細書で用いられる用語「上(above)」、「下(below)」、「下(beneath)」、「下(under)」、「上(over)」、「上(top)」、「底(bottom)」などは、記載されているウエハの基板または多層構造体に対する位置を意味する。例えば、
図1Aを参照すると、p-型半導体層116は、基部としての基板108に対して、活性領域114の「上(over)」または「上(above)」に堆積され、一方で、バッファー層110は、基部としての基板108に対して、n-型半導体層112の「下(under)」、「下(beneath)」または「下(below)」にある。第1の層106については、基部としての基板108に対して、「上(top)」層はp-型半導体層116を意味し、一方で、「底(bottom)」層はバッファー層110を意味する。ウエハの「上(above)」からの特定のレベルのアクセスは、特定のレベルが基板とは反対側のウエハの「上(top)」を越えてアクセス可能であることを可能にすることを意味する。
【0175】
用語「および/または」(例えば、Xおよび/またはY)は、「XおよびY」または「XまたはY」のいずれかを意味するものと理解され、かつ、両方の意味またはいずれかの意味について明確に支持するものとして解釈されるべきである。
【0176】
さらに、本明細書における説明では、語「実質的に」は、用いられるときはいつでも、「全体的に」または「完全に」などを含むが、それらに限定されないものと理解される。さらに、「有する(comprising)」、「有する(comprise)」などの
ような用語は、用いられるときはいつでも、それらが、かかる用語の後に列挙された要素/構成要素を、明確には列挙されていないその他の構成要素に加えて広く含む非限定的な記述言語であることを意図する。さらに、「約」、「ほぼ」などのような用語は、用いられるときはいつでも、典型的には、合理的なばらつき(例えば、開示された値の±5%のばらつき、または、開示された値の±4%のばらつき、または、開示された値の±3%のばらつき、開示された値の±2%のばらつき、または、開示された値の±1%のばらつき)を意味する。
【0177】
さらに、本明細書における説明では、特定の値が、ある範囲で開示されていてもよい。範囲の終点を示す値は、好ましい範囲を示すことを意図する。範囲が記載されたときはいつでも、範囲はすべての考え得る部分範囲およびその範囲内の個別の数値をカバーならびに教示することが意図される。すなわち、範囲の終点は、柔軟性のない限定として解釈されるべきではない。例えば、1%~5%の範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲1%~2%、1%~3%、1%~4%、2%~3%などを有し、かつ、1%、2%、3%、4%および5%のようなその範囲内の値を個別に有することを意図する。上記の具体的な開示の意図は、ある範囲のあらゆる深さ/幅に適用可能である。
【0178】
追加的には、いくつかの実施例を説明するとき、本開示は、ステップの特定の順番として方法および/またはプロセスを開示していたであろう。しかしながら、逆のことが必要とされるのでなければ、方法またはプロセスは、開示されたステップの特定の順番に限定されるべきではないことが把握されるであろう。ステップのその他の順番が可能であろう。本明細書に開示された特定の順序は、過度の限定として解釈されるべきではない。逆のことが必要とされるのでなければ、本明細書に開示された方法および/またはプロセスは、ステップが記載された順序で実行されることに限定されるべきではない。ステップの順番は変化し、かつ、未だに本開示の範囲内に留まるであろう。
【0179】
本開示の例示的な実施形態は、以下の説明および適用可能である場合には図面とともにいっそう良好に理解され、かつ、当業者にすぐに明らかになるであろう。構造的、電気的および光学的変化に関するその他の修正が、本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが把握されるべきである。例示的な実施形態は、いくつかが1つ以上の実施形態と組み合されて新たな例示的な実施形態を形成してもよいので、必ずしも相互に排他的ではない。
【0180】
その他の変形および/または修正が、広範に記載された本発明の範囲から逸脱することなく特定の実施形態に対してなされてもよいことが当業者によって把握されるであろう。本実施形態は、したがって、あらゆる点で説明的であり、かつ、限定的ではないと考えられるべきである。