(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】コネクタ、及び、導電路接続部カバー
(51)【国際特許分類】
H01R 13/629 20060101AFI20220527BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
H01R13/629
H01R13/64
(21)【出願番号】P 2018120031
(22)【出願日】2018-06-25
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000144267
【氏名又は名称】株式会社三桂製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】591198320
【氏名又は名称】株式会社TERADA
(74)【代理人】
【識別番号】100175536
【氏名又は名称】高井 智之
(74)【代理人】
【識別番号】100075959
【氏名又は名称】小林 保
(72)【発明者】
【氏名】飛田 征寛
(72)【発明者】
【氏名】西村 正芳
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-139252(JP,A)
【文献】特開平11-214059(JP,A)
【文献】特開平10-334997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/72
H01R 12/00-12/91
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピン本体と第一導電路接続部とを有し該第一導電路接続部を介して第一導電路の端末に接続されるピンと、筒状に形成され内部に前記ピン本体が配置される嵌合部を有する第一カバーと筒状に形成され該第一カバーと締結可能であり内部に前記第一導電路接続部が配置される第二カバーとからなるピンカバーと、を備えるプラグと、
ソケット本体と第二導電路接続部とを有し該第二導電路接続部を介して第二導電路の端末に接続されるソケットと、内部に前記ソケット本体が配置され且つ前記嵌合部が挿入及び嵌合可能な嵌合空間を有するソケットカバーと、を備えるレセプタクルと、
を備え、前記プラグと前記レセプタクルとが嵌合及び抜出可能に構成されるコネクタにおいて、
前記嵌合部は、
この外面に、ロック突起を一又は二以上突設してなり、
前記レセプタクルは、
前記プラグと前記レセプタクルとの嵌合状態をロックする嵌合ロック手段を備え、
該嵌合ロック手段は、
内面に前記ロック突起が進入可能なロック溝部と前記ソケットカバーに係止可能に形成された係止突起とが設けられたアーム部と、該アーム部に連続し且つ付勢部材にて当該コネクタの軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢される操作部と、を備え、
前記ロック溝部は、
前記嵌合部を前記嵌合空間に挿入した際に前記ロック突起が摺動可能なテーパー面を有する摺動溝部と、該摺動溝部に連通し且つ前記ロック突起が係合可能なロック突起係合溝部と、を備え、
さらに、前記嵌合ロック手段は、
前記ロック突起が前記テーパー面を摺動することにより前記軸線に直交する方向に押し下げられ且つ前記ロック突起が前記テーパー面を乗り越えたとき前記操作部が前記付勢部材にて前記軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢され前記ロック突起が前記ロック突起係合溝部に係合し該係合が保持された状態となるとともに該係合が保持された状態において前記操作部を前記軸線に直交する方向に押し下げると前記ロック突起の前記ロック突起係合溝部に対する係合が解除された状態となるように配置される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記嵌合部は、
この前記外面に、ロック板係合溝部を設けてなり、
前記嵌合ロック手段は、
前記アーム部の前記内面に、内側に向かって突出するように形成され且つ前記ロック板係合溝部に係合可能なロック板を設けてなる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコネクタにおいて、
前記第二カバーは、
前記第一導電路が導出する側の端部に、前記第一導電路を挿通可能に形成された接触防止部を設けてなり、
該接触防止部は、
この内径が、該接触防止部の内面と前記第一導電路の外面との間に当該コネクタを取り扱う者の手指が入り込まないように形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタにおいて、
前記接触防止部は、
この前記内面に、導通検査用の器具を挿通可能に形成された挿通部を設けてなる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載のコネクタにおいて、
前記嵌合ロック手段は、
剛性を有する部材として形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5に記載のコネクタにおいて、
前記嵌合ロック手段の前記係止突起は、
前記アーム部における前記操作部と連続する部分近傍に形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6に記載のコネクタにおいて、
前記レセプタクルは、
前記操作部を誤って前記軸線に直交する方向に押し下げることを防止する誤操作防止手段を設けてなる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のコネクタにおいて、
前記誤操作防止手段は、
前記ソケットカバーの外側に配置されるガイド部と、該ガイド部にてガイドされ前記ソケットカバーの軸を中心に該軸の周方向に沿って回動可能に配置される誤操作防止リングと、を備え、
前記ガイド部は、
前記ソケットカバーの軸の周方向に沿って形成されるガイド溝を設けてなり、
前記誤操作防止リングは、
この外面に、ガイド突起と、誤操作防止部と、切り欠き部と、を設けてなり、
前記ガイド突起は、
前記ガイド溝に係合し前記誤操作防止リングを前記回動させたとき該ガイド溝内を摺動可能となるように形成され、
前記誤操作防止部は、
前記操作部を誤って当該コネクタの軸線に直交する方向に押し下げることを防止することが可能となるように形成され、
前記切り欠き部は、
前記操作部を前記軸線に直交する方向に押し下げることが可能となるように切り欠き形成され、
さらに、前記誤操作防止リングは、
前記操作部を前記軸線に直交する方向に押し下げたいときは、前記切り欠き部を前記操作部の直上に配置させ、前記操作部を誤って前記軸線に直交する方向に押し下げることを防止したいときは、前記誤操作防止部を前記操作部の直上に配置させる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項9】
請求項8に記載のコネクタにおいて、
前記誤操作防止リングは、
この外面に、引っ掛け部が設けられ、
該引っ掛け部は、
前記誤操作防止リングを前記ソケットカバーの軸を中心に該軸の周方向に沿って回動するときに、当該コネクタを取り扱う者の手指を引っ掛ける部分として形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載のコネクタにおいて、
前記ピンは、
前記第一導電路接続部が該第一導電路接続部に接続する前記第一導電路の断面積に合わせて形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のコネクタにおいて、
前記操作部は、
この上面にテーパー状に形成される押圧部を設けてなる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11に記載のコネクタにおいて、
前記嵌合部は、
この前記外面に誤挿入防止突起を設けてなり、
前記嵌合空間は、
この内面に前記誤挿入防止突起が嵌挿可能な誤挿入防止溝部を設けてなる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項13】
請求項12に記載のコネクタにおいて、
前記誤挿入防止突起は、
前記嵌合部が前記嵌合空間に挿入を開始した後に前記誤挿入防止溝部に嵌挿を開始することが可能な位置に設けてなる
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項14】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13に記載のコネクタにおいて、
前記嵌合部は、
この断面形状が非円形に形成され、
前記嵌合空間は、
前記軸線方向から視たときの形状が前記嵌合部の断面形状と略同一となるように形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項15】
請求項14に記載のコネクタにおいて、
前記嵌合部は、
この前記外面に平面状に形成された平面部を設けてなり、
前記嵌合空間は、
この内面のうち前記嵌合部が挿入及び嵌合したときに前記平面部と対向する箇所が該平面部と面接触可能な平面状に形成される
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項16】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15に記載のコネクタにおける前記レセプタクルに対して嵌合及び抜出可能な
前記嵌合部を有する
前記プラグを構成する
前記第二カバー
を、
前記ピン本体と
前記第一導電路接続部とを有し該
第一導電路接続部を介して
前記第一導電路の端末に接続される
前記ピンの前記ピン本体が収容される
前記嵌合部を有する
前記第一カバーと締結可能であり且つ前記
第一導電路接続部が収容される導電路接続部カバー
としたとき、
当該導電路接続部カバーは、
第一半筒部と、第二半筒部と、を備える二分割構造にて形成される、又は、第一半筒部と、第二半筒部と、前記第一半筒部と前記第二半筒部とを繋ぐヒンジと、を備え、該ヒンジを介して開閉自在な分割構造にて形成される
ことを特徴とする導電路接続部カバー。
【請求項17】
請求項16に記載の導電路接続部カバーにおいて、
前記第一半筒部と前記第二半筒部それぞれには、
前記第一半筒部と前記第二半筒部とを係合する係合部が形成されている
ことを特徴とする導電路接続部カバー。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の導電路接続部カバーにおいて、
当該導電路接続部カバーは、
前記
第一導電路が導出する側の端部に、前記
第一導電路を挿通可能に形成された接触防止部を設けてなり、
該接触防止部は、
この内径が、
前記接触防止部の内面と前記
第一導電路の外面との間に前記プラグを取り扱う者の手指が入り込まないように形成される
ことを特徴とする導電路接続部カバー。
【請求項19】
請求項18に記載の導電路接続部カバーにおいて、
前記接触防止部は、
この前記内面に、導通検査用の器具を挿通可能に形成された挿通部を設けてなる
ことを特徴とする導電路接続部カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグとレセプタクルとを嵌合及び抜出可能に構成されるコネクタ、及び、プラグを構成する導電路接続部カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述したコネクタの技術としては、例えば、ねじによって、プラグと、レセプタクルとを結合するように構成された特許文献1に開示されているような技術が知られている。
【0003】
特許文献1の
図4に図示するコネクタは、嵌合部の外周に回転リング522を有するプラグ520と、シェル511の外周に雄ねじ512が形成されたレセプタクル510とを備えて構成されている。レセプタクル510と、プラグ520との結合は、レセプタクル510にプラグ520を嵌合させた後、回転リング522を回転させて、この内側に形成された雌ねじ523をレセプタクル510の雄ねじ512とかみ合わせて締結することにより行う。
【0004】
特許文献1以外のコネクタの技術としては、1アクションで嵌合が完了する構造を採用した特許文献2に開示されているような技術が知られている。
【0005】
特許文献2の
図1に図示するコネクタは、第一ハウジング11を有する第一コネクタ10と、第二ハウジング31を有する第二コネクタ30とを備えて構成されている。第一ハウジング11は、この内側に向かって突出するロック部23が設けられた可撓部21を有する。第二ハウジング31は、第一ハウジング11と嵌合するとロック部23が係合可能な係止段部38Aが形成された被ロック部38を有している。
【0006】
特許文献1,2以外のコネクタの技術としては、その他に、所謂バヨネットロック機構を採用した特許文献3に開示されているような技術が知られている。
【0007】
特許文献3の
図1及び
図7に図示するように、コネクタは、内周面部3aにロック部3Bが一対突設されたスリーブ3を有するコネクタプラグ1と、ガイド溝部47Aと係合溝部47Bとを有するレセプタクル40とを備えている。コネクタプラグ1とレセプタクル40との結合は、ロック部3Bをガイド溝部47Aに挿入した後、スリーブ3を回転させることでロック部3Bを係合溝部47Bに係合することにより行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-236777号公報
【文献】特開2015-62193号公報
【文献】特開2006-66354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1では、プラグ520とレセプタクル510とを固定する際、プラグ520とレセプタクル510とを嵌合させた後、プラグ520側の回転リング522の雌ねじ523をレセプタクル510の雄ねじ512とを締結しなければならなかった。また、プラグ520とレセプタクル510とを抜出する際、回転リング522を回転させて上記ねじの締結を解除しなければならなかった。このため、上記ねじの締結及びこの締結の解除に時間が掛かってしまい、プラグ520とレセプタクル510との嵌合及び抜出作業が煩雑になっていた。したがって、上記嵌合及び抜出作業における作業効率が悪くなり上記嵌合及び抜出作業における作業性が良くないというような問題点があった。
【0010】
また、特許文献1では、回転リング522を操作する際、作業者が回転リング522を把持して回転させていた。ここで、複数のコネクタを、例えば、電気機器の筐体の壁部に、横方向に並べて取り付けようとする場合、回転リング522の外側に作業者が手を差し入れるためのスペースを確保する必要があった。このため、コネクタ同士の間隔が広くなってしまい、コネクタ同士を密接して配置することが困難であった。したがって、コネクタの実装密度を高めることができないという問題点があった。
【0011】
また、特許文献1では、ねじの締結によって嵌合作業が完了することが作業者に解り難いため、上記ねじの締結を忘れてしまうというような虞があった。また、上記ねじの締結後、振動等によって、この締結が緩んでしまうというような虞があった。さらに、作業者によって上記ねじの締結作業の際のねじを締め付ける力にばらつきが出てしまうというような虞があった。これらのことにより、上記ねじの締結が正規に行われていない場合、プラグ520側に、プラグ520をレセプタクル510から抜出する方向(抜出方向)への引張力が加わると、プラグ520がレセプタクル510から抜出されてしまう虞があるという問題点があった。
【0012】
また、特許文献2では、ロック部23を設けて係止段部38Aに係合する構成を備えているため、第一ハウジング11と第二ハウジング31との嵌合強度が弱いというような虞があった。したがって、第一ハウジング11に抜出方向への過大な引張力が加わったとき、第一ハウジング11と第二ハウジング31との嵌合が解除されてしまう虞があるという問題点があった。
【0013】
また、特許文献2では、第一ハウジング11と第二ハウジング31との嵌合を解除する際、作業者が第一ハウジング11を把持して回転させ、ロック部23を外側に弾性撓み変位させて、特許文献2の
図6に図示するように、第二ハウジング31の円筒嵌合面39上に移動させている(所謂アンロックさせている)ため、複数のコネクタを、電気機器の筐体の壁部に、横方向に並べて取り付けようとする場合、第一ハウジング11の外側に作業者が手を差し入れるためのスペースを確保する必要があった。このため、特許文献1と同様、コネクタ同士の間隔が広くなってしまい、コネクタ同士を密接して配置することが困難であった。したがって、特許文献2においてもコネクタの実装密度を高めることができないという問題点があった。
【0014】
また、特許文献2では、上記アンロックの状態であっても第一ハウジング11が第二ハウジング31に保持されることになるため、正規のロック状態とアンロック状態とが、外見上、解り難かった。このため、アンロック状態であっても作業者が正規のロック状態であると誤認してしまい、アンロック状態で第一ハウジング11が第二ハウジング31に保持されたままとなってしまう虞があった。このような場合、第一ハウジング11に抜出方向への過大な引張力が加わったとき、第一ハウジング11が第二ハウジング31から抜出されてしまう虞があるという問題点があった。
【0015】
また、特許文献3では、コネクタプラグ1とレセプタクル40とを嵌合又は抜出する際、作業者がスリーブ3を把持して回転させているため、複数のコネクタを、電気機器の筐体の壁部に、横方向に並べて取り付けようとする場合、第一ハウジング11の外側に作業者が手を差し入れるためのスペースを確保する必要があった。このため、特許文献1,2と同様、コネクタ同士の間隔が広くなってしまい、コネクタ同士を密接して配置することが困難であった。したがって、特許文献3においてもコネクタの実装密度を高めることができないという問題点があった。
【0016】
また、特許文献3では、作業者がロック部3Bをガイド溝部47Aに挿入しただけでコネクタプラグ1とレセプタクル40との結合が完了したものと誤認してしまい、スリーブ3を回転させロック部3Bを係合溝部47Bに係合する作業を忘れてしまうというような虞があった。ここで、ロック部3Bが係合溝部47Bに係合されていない場合、コネクタプラグ1側に、抜出方向への引張力が加わると、コネクタプラグ1がレセプタクル40から抜出されてしまう虞があるという問題点があった。
【0017】
また、特許文献3では、ロック部3Bを一対設けて係合溝部47Bに係合する構成を備えているため、コネクタプラグ1とレセプタクル40との嵌合強度が弱いというような虞があった。したがって、上記抜出方向に過大な引張力が加わったとき、コネクタプラグ1とレセプタクル40との嵌合が解除されてしまう虞があるという問題点があった。
【0018】
また、特許文献3では、コネクタプラグ1とレセプタクル40との嵌合する際、コネクタプラグ1側の嵌合位置合わせ用溝部10Bと、レセプタクル40側の嵌合位置合わせ用突起部47Dとを合わせることで、コネクタプラグ1とレセプタクル40との嵌合位置合わせを行う必要があった。しかしながら、嵌合位置合わせ用溝部10Bと、嵌合位置合わせ用突起部47Dとによる嵌合位置合わせは、作業者に解り難く、コネクタプラグ1の嵌合部の嵌合時方向性を認識し難かった。このため、作業者は、嵌合する際のコネクタプラグ1の嵌合部の正規の向きを、外見上、認識し難く、嵌合部を正規の向きで嵌合できないとうような虞があった。したがって、コネクタの嵌合作業における作業性が良くないというような問題点があった。
【0019】
さらに、特許文献3に開示されているような大電流コネクタは、電線のサイズに応じてコネクタの大きさを変更する必要があった。このように、コネクタの大きさを変更する場合、コネクタの製造装置を設計変更する必要があった。したがって、コネクタの製造コストが嵩んでしまうという問題点があった。
【0020】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、作業性を高めることができるコネクタ、及び、プラグを構成する導電路接続部カバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のコネクタは、ピン本体と第一導電路接続部とを有し該第一導電路接続部を介して第一導電路の端末に接続されるピンと、筒状に形成され内部に前記ピン本体が配置される嵌合部を有する第一カバーと筒状に形成され該第一カバーと締結可能であり内部に前記第一導電路接続部が配置される第二カバーとからなるピンカバーと、を備えるプラグと、ソケット本体と第二導電路接続部とを有し該第二導電路接続部を介して第二導電路の端末に接続されるソケットと、内部に前記ソケット本体が配置され且つ前記嵌合部が挿入及び嵌合可能な嵌合空間を有するソケットカバーと、を備えるレセプタクルと、を備え、前記プラグと前記レセプタクルとが嵌合及び抜出可能に構成されるコネクタにおいて、前記嵌合部は、この外面に、ロック突起を一又は二以上突設してなり、前記レセプタクルは、前記プラグと前記レセプタクルとの嵌合状態をロックする嵌合ロック手段を備え、該嵌合ロック手段は、内面に前記ロック突起が進入可能なロック溝部と前記ソケットカバーに係止可能に形成された係止突起とが設けられたアーム部と、該アーム部に連続し且つ付勢部材にて当該コネクタの軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢される操作部と、を備え、前記ロック溝部は、前記嵌合部を前記嵌合空間に挿入した際に前記ロック突起が摺動可能なテーパー面を有する摺動溝部と、該摺動溝部に連通し且つ前記ロック突起が係合可能なロック突起係合溝部と、を備え、さらに、前記嵌合ロック手段は、前記ロック突起が前記テーパー面を摺動することにより前記軸線に直交する方向に押し下げられ且つ前記ロック突起が前記テーパー面を乗り越えたとき前記操作部が前記付勢部材にて前記軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢され前記ロック突起が前記ロック突起係合溝部に係合し該係合が保持された状態となるとともに該係合が保持された状態において前記操作部を前記軸線に直交する方向に押し下げると前記ロック突起の前記ロック突起係合溝部に対する係合が解除された状態となるように配置されることを特徴とする。
【0022】
請求項2記載の本発明のコネクタは、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記嵌合部は、この前記外面に、ロック板係合溝部を設けてなり、前記嵌合ロック手段は、前記アーム部の前記内面に、内側に向かって突出するように形成され且つ前記ロック板係合溝部に係合可能なロック板を設けてなることを特徴とする。
【0023】
請求項3記載の本発明のコネクタは、請求項1又は2に記載のコネクタにおいて、前記第二カバーは、前記第一導電路が導出する側の端部に、前記第一導電路を挿通可能に形成された接触防止部を設けてなり、該接触防止部は、この内径が、該接触防止部の内面と前記第一導電路の外面との間に当該コネクタを取り扱う者の手指が入り込まないように形成されることを特徴とするコネクタ。
【0024】
請求項4記載の本発明のコネクタは、請求項3に記載のコネクタにおいて、前記接触防止部は、この前記内面に、導通検査用の器具を挿通可能に形成された挿通部を設けてなることを特徴とするコネクタ。
【0025】
請求項5記載の本発明のコネクタは、請求項1、2、3又は4に記載のコネクタにおいて、前記嵌合ロック手段は、剛性を有する部材として形成されることを特徴とするコネクタ。
【0026】
請求項6記載の本発明のコネクタは、請求項1、2、3、4又は5に記載のコネクタにおいて、前記嵌合ロック手段の前記係止突起は、前記アーム部における前記操作部と連続する部分近傍に形成されることを特徴とするコネクタ。
【0027】
請求項7記載の本発明のコネクタは、請求項1、2、3、4、5又は6に記載のコネクタにおいて、前記レセプタクルは、前記操作部を誤って前記軸線に直交する方向に押し下げることを防止する誤操作防止手段を設けてなることを特徴とする。
【0028】
請求項8記載の本発明のコネクタは、請求項7に記載のコネクタにおいて、前記誤操作防止手段は、前記ソケットカバーの外側に配置されるガイド部と、該ガイド部にてガイドされ前記ソケットカバーの軸を中心に該軸の周方向に沿って回動可能に配置される誤操作防止リングと、を備え、前記ガイド部は、前記ソケットカバーの軸の周方向に沿って形成されるガイド溝を設けてなり、前記誤操作防止リングは、この外面に、ガイド突起と、誤操作防止部と、切り欠き部と、を設けてなり、前記ガイド突起は、前記ガイド溝に係合し前記誤操作防止リングを前記回動させたとき該ガイド溝内を摺動可能となるように形成され、前記誤操作防止部は、前記操作部を誤って当該コネクタの軸線に直交する方向に押し下げることを防止することが可能となるように形成され、前記切り欠き部は、前記操作部を前記軸線に直交する方向に押し下げることが可能となるように切り欠き形成され、さらに、前記誤操作防止リングは、前記操作部を前記軸線に直交する方向に押し下げたいときは、前記切り欠き部を前記操作部の直上に配置させ、前記操作部を誤って前記軸線に直交する方向に押し下げることを防止したいときは、前記誤操作防止部を前記操作部の直上に配置させることを特徴とする。
【0029】
請求項9記載の本発明のコネクタは、請求項8に記載のコネクタにおいて、前記誤操作防止リングは、この外面に、引っ掛け部が設けられ、該引っ掛け部は、前記誤操作防止リングを前記ソケットカバーの軸を中心に該軸の周方向に沿って回動するときに、当該コネクタを取り扱う者の手指を引っ掛ける部分として形成されることを特徴とする。
【0030】
請求項10記載の本発明のコネクタは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載のコネクタにおいて、前記ピンは、前記第一導電路接続部が該第一導電路接続部に接続する前記第一導電路の断面積に合わせて形成されることを特徴とする。
【0031】
請求項11記載の本発明のコネクタは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のコネクタにおいて、前記操作部は、この上面にテーパー状に形成される押圧部を設けてなることを特徴とする。
【0032】
請求項12記載の本発明のコネクタは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11に記載のコネクタにおいて、前記嵌合部は、この前記外面に誤挿入防止突起を設けてなり、前記嵌合空間は、この内面に前記誤挿入防止突起が嵌挿可能な誤挿入防止溝部を設けてなることを特徴とする。
【0033】
請求項13記載の本発明のコネクタは、請求項12に記載のコネクタにおいて、前記誤挿入防止突起は、前記嵌合部が前記嵌合空間に挿入を開始した後に前記誤挿入防止溝部に嵌挿を開始することが可能な位置に設けてなることを特徴とする。
【0034】
請求項14記載の本発明のコネクタは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13に記載のコネクタにおいて、前記嵌合部は、この断面形状が非円形に形成され、前記嵌合空間は、前記軸線方向から視たときの形状が前記嵌合部の断面形状と略同一となるように形成されることを特徴とする。
【0035】
請求項15記載の本発明のコネクタは、請求項14に記載のコネクタにおいて、前記嵌合部は、この前記外面に平面状に形成された平面部を設けてなり、前記嵌合空間は、この内面のうち前記嵌合部が挿入及び嵌合したときに前記平面部と対向する箇所が該平面部と面接触可能な平面状に形成されることを特徴とする。
【0036】
上記課題を解決するためになされた請求項16記載の本発明の導電路接続部カバーは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15に記載のコネクタにおける前記レセプタクルに対して嵌合及び抜出可能な前記嵌合部を有する前記プラグを構成する前記第二カバーを、前記ピン本体と前記第一導電路接続部とを有し該第一導電路接続部を介して前記第一導電路の端末に接続される前記ピンの前記ピン本体が収容される前記嵌合部を有する前記第一カバーと締結可能であり且つ前記第一導電路接続部が収容される導電路接続部カバーとしたとき、当該導電路接続部カバーは、第一半筒部と、第二半筒部と、を備える二分割構造にて形成される、又は、第一半筒部と、第二半筒部と、前記第一半筒部と前記第二半筒部とを繋ぐヒンジと、を備え、該ヒンジを介して開閉自在な分割構造にて形成されることを特徴とする。
【0037】
請求項17記載の本発明の導電路接続部カバーは、請求項16に記載の導電路接続部カバーにおいて、前記第一半筒部と前記第二半筒部それぞれには、前記第一半筒部と前記第二半筒部とを係合する係合部が形成されていることを特徴とする。
【0038】
請求項18記載の本発明の導電路接続部カバーは、請求項16又は17に記載の導電路接続部カバーにおいて、当該導電路接続部カバーは、前記第一導電路が導出する側の端部に、前記第一導電路を挿通可能に形成された接触防止部を設けてなり、該接触防止部は、この内径が、前記接触防止部の内面と前記第一導電路の外面との間に前記プラグを取り扱う者の手指が入り込まないように形成されることを特徴とする。
【0039】
請求項19記載の本発明の導電路接続部カバーは、請求項18に記載の導電路接続部カバーにおいて、前記接触防止部は、この前記内面に、導通検査用の器具を挿通可能に形成された挿通部を設けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
請求項1に記載された本発明によれば、摺動溝部に進入したロック突起がテーパー面を摺動することにより、嵌合ロック手段がコネクタの軸線に直交する方向に押し下げられ、ロック突起がテーパー面を乗り越えたとき操作部が付勢部材にて上記軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢されロック突起がロック突起係合溝部に係合し、この係合が保持される。また、操作部を上記軸線に直交する方向に押し下げるとロック突起のロック突起係合溝部に対する係合が解除される。これにより、嵌合部を嵌合空間に挿入するという簡易な作業だけで、プラグとレセプタクルとを嵌合させ、この嵌合状態をロックすることができるようになる。また、操作部を上記軸線に直交する方向に押し下げるという簡易な作業だけで、プラグとレセプタクルとの嵌合を解除することができるようになる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合及び抜出作業における作業効率を良好にし上記嵌合及び抜出の作業性を高めることができるという効果を奏する。
【0041】
また、本発明によれば、嵌合ロック手段が先述の動作をすることから、嵌合部を嵌合空間に挿入するだけで、自動的に嵌合ロック手段によるプラグとレセプタクルとの嵌合状態のロックが完了する。このため、嵌合ロック手段によるロック忘れが生じなくなる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における作業性を、より高めつつ上記嵌合における安全性を高めることができるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明によれば、嵌合状態では、操作部が付勢部材にて上記軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢されることにより、ロック突起のロック突起係合溝部への係合が保持される。このため、誤操作により、プラグとレセプタクルとの嵌合が解除され、プラグがレセプタクルから抜出されてしまうことを防止することができるようになる。したがって、このような点からも、プラグとレセプタクルとの嵌合における作業性を、より高めつつ上記嵌合における安全性を高めることができるという効果を奏する。
【0043】
また、本発明によれば、プラグとレセプタクルとを嵌合又は抜出する際、プラグ側の細い部分を把持して作業することができる。これにより、複数のコネクタを取付対象物の筐体の壁部に横方向に並べて取り付けようとする場合、従来技術のように、コネクタの外側に作業者が手を差し入れるためのスペースを確保する必要が無くなる。このため、コネクタ同士の間隔を狭くすることができ、コネクタ同士を密接して配置することできるようになる。したがって、コネクタの実装密度を高めることができるという効果を奏する。
【0044】
請求項2に記載された本発明によれば、プラグと、レセプタクルとを嵌合すると、ロック突起がロック突起係合溝部に係合される他、ロック板がロック板係合溝部に係合されるため、プラグとレセプタクルとの嵌合状態を嵌合ロック手段にて二重にロックすることができるようになる。このため、プラグに抜出方向への過大な引張力が加わったときの引張強度を従来技術よりも強くすることができるようになる。したがって、抜出方向に過大な引張力が加わってもプラグとレセプタクルとの嵌合強度を高めることができ、嵌合状態を、より強固に確保することができるという効果を奏する。
【0045】
請求項3に記載された本発明によれば、第二カバーにおける第一導電路が導出する側の端部に接触防止部が設けられ、この接触防止部の内径が、接触防止部の内面と第一導電路の外面との間に手指が入り込まないような内径になる。これにより、接触防止部の内面と第一導電路の外面との間の隙間に手指が入り込んで第一導電路の導体や第一導電路接続部に手指が接触して作業者が感電してしまうというような虞が無くなる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0046】
請求項4に記載された本発明によれば、接触防止部の内面に挿通部が設けられることから、第二カバーにおける第一導電路が導出する側の端部に接触防止部が設けられていても第二カバー内に導通検査用の器具を挿入することができるようになる。これにより、コネクタの嵌合状態において、導通検査を有効に行うことができるようになる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0047】
請求項5に記載された本発明によれば、嵌合ロック手段は、剛性を有する部材として形成されるため、プラグとレセプタクルとの嵌合強度を、より高めることができるようになる。したがって、このような点からも、抜出方向に過大な引張力が加わってもプラグとレセプタクルとの嵌合強度を高めることができ、嵌合状態を、より強固に確保することができるという効果を奏する。
【0048】
請求項6に記載された本発明によれば、嵌合ロック手段の係止突起は、アーム部における操作部と連続する部分近傍に形成されることから、係止突起を、例えば、アーム部の先端部(自由端部)側に形成される場合に比べて嵌合ロック手段を小型化することができる。これにより、コネクタ全体の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【0049】
請求項7に記載された本発明によれば、誤操作防止手段にて、操作部を誤ってコネクタの軸線に直交する方向に押し下げることが防止されるため、誤操作により、プラグとレセプタクルとの嵌合が解除され、プラグがレセプタクルから抜出されることを防止することができる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合状態を、より確実に保持することができるという効果を奏する。
【0050】
請求項8に記載された本発明によれば、操作部をコネクタの軸線に直交する方向に押し下げたいときは、誤操作防止リングを回動させて切り欠き部を操作部の直上に配置させ、操作部を誤って上記軸線に直交する方向に押し下げることを防止したいときは、誤操作防止リングを回動させて誤操作防止部を操作部の直上に配置させるという簡易な方法により、操作部を誤ってコネクタの軸線に直交する方向に押し下げることが防止されるため、誤操作防止手段の操作における作業性を高めることができるという効果を奏する。
【0051】
請求項9に記載された本発明によれば、引っ掛け部に手指を引っ掛けて誤操作防止リングを回動することができる。したがって、誤操作防止リングに引っ掛け部を設けていない場合に比べて誤操作防止手段の操作における作業性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0052】
請求項10に記載された本発明によれば、第一導電路接続部が、この第一導電路接続部に接続する第一導電路の断面積(第一導電路のサイズ)に合わせて形成されるため、ピン本体及びソケットの形状、大きさを共通化することができる。このため、ピンカバー及びソケットカバーの形状、大きさを共通化することができる。これにより、第一導電路接続部に接続する第一導電路のサイズに応じてコネクタの大きさを変更する必要が無くなる。したがって、コネクタの製造装置の設計の効率化を図ることができ部材調達が行い易くなることから、コネクタの製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0053】
請求項11に記載された本発明によれば、押圧部をプラグの挿入方向に押圧しながらプラグを抜出することができるため、レセプタクルからのプラグの抜出作業における作業効率を、より良好にすることができるという効果を奏する。
【0054】
請求項12に記載された本発明によれば、嵌合部の外面に誤挿入防止突起が設けられ、嵌合空間の内面に誤挿入防止溝部が設けられることから、取付対象物の筐体の壁部に複数のコネクタを取り付けた場合、プラグを正規の嵌合相手とは異なるレセプタクルに誤って挿入することを防止することができる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における作業性や安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0055】
請求項13に記載された本発明によれば、嵌合部が嵌合空間に挿入を開始した後に誤挿入防止突起が誤挿入防止溝部に嵌挿を開始することから、嵌合部の嵌合空間への挿入と、誤挿入防止突起の誤挿入防止溝部への嵌挿とを、段階的に行うことができるようになる。これにより、誤挿入防止突起が、嵌合部の嵌合空間への挿入開始と同じタイミングで誤挿入防止溝部への嵌挿を開始するような位置に設けられた場合と比べてスムーズに嵌合作業を行うことができるようになる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における作業性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0056】
請求項14に記載された本発明によれば、嵌合部の断面形状が非円形に形成され、嵌合空間の軸線方向から視たときの形状が嵌合部の断面形状と略同一となるように形成されることから、嵌合部の嵌合空間への嵌合時方向性が限定される。このため、作業者は、嵌合時の嵌合部の正規の向きを、外見上、認識し易くなり、嵌合部を正規の向きで嵌合空間に嵌合することができる。したがって、このような点からも、プラグとレセプタクルとの嵌合における作業性や安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0057】
請求項15に記載された本発明によれば、嵌合部に平面部が設けられ、嵌合空間の内面には、平面部と面接触可能な平面状にの箇所が形成されることから、嵌合部の嵌合空間への嵌合時方向性が、より限定される。このため、作業者は、嵌合時の嵌合部の正規の向きを、外見上、より認識し易くなり、嵌合部を正規の向きで嵌合空間に嵌合することができる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における作業性や安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0058】
請求項16に記載された本発明によれば、第一導電路の端末に第一導電路接続部が接続された後、導電路接続部カバーを、第一導電路に取り付けることが可能となる。第一導電路の端末に第一導電路接続部が接続された後、第一導電路に取り付けることができないタイプの導電路接続部カバーを用いる場合、第一導電路の端末に第一導電路接続部を接続した後では、導電路接続部カバーに第一導電路を挿通させることができないため、プラグの組み立てを行う作業者は、第一導電路の端末に第一導電路接続部を接続する前に、導電路接続部カバーに第一導電路を挿通させておく必要がある。しかしながら、作業者は、上記接続前における導電路接続部カバーへの第一導電路の挿通を忘れてしまうことがある。上記接続前における導電路接続部カバーへの第一導電路の挿通を忘れてしまうと導電路接続部カバーを第一導電路に後付けすることができない。ここで、本発明によれば、第一導電路の端末に第一導電路接続部を接続する前に導電路接続部カバーを第一導電路に取り付けるのを忘れていたとしても、導電路接続部カバーは、二分割構造又はヒンジを介して開閉自在な分割構造であることから、導電路接続部カバーを第一導電路に後付けすることができるようになる。したがって、コネクタの組み立てにおける作業性を高めることができるという効果を奏する。
【0059】
請求項17に記載された本発明によれば、第一半筒部と第二半筒部それぞれには、係合部が形成されていることから、第一半筒部と第二半筒部とを係合することができる。これにより、導電路接続部カバーを後付けしても導電路接続部カバーが脱落することなく第一導電路接続部をカバーすることができる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における作業性や安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0060】
請求項18に記載された本発明によれば、導電路接続部カバーにおける第一導電路が導出する側の端部に接触防止部が設けられ、この接触防止部の内径が、接触防止部の内面と第一導電路の外面との間に手指が入り込まないような内径になる。これにより、接触防止部の内面と第一導電路の外面との間の隙間に手指が入り込んで第一導電路の導体や第一導電路接続部に手指が接触して作業者が感電してしまうというような虞が無くなる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0061】
請求項19に記載された本発明によれば、接触防止部の内面に挿通部が設けられることから、導電路接続部カバーにおける第一導電路が導出する側の端部に接触防止部が設けられていても導電路接続部カバー内に導通検査用の器具を挿入することができるようになる。これにより、プラグとレセプタクルとが嵌合した状態において、導通検査を有効に行うことができるようになる。したがって、プラグとレセプタクルとの嵌合における安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明の実施例1に係るコネクタを示す分解斜視図である。
【
図2】ピンカバーを構成する第一カバーを示す斜視図である。
【
図3】ピンカバーを構成する第二カバーを示す斜視図である。
【
図7】プラグとレセプタクルとの嵌合作業を説明する図である。
【
図8】プラグとレセプタクルとの嵌合作業を説明する図である。
【
図9】プラグとレセプタクルとを嵌合した状態のコネクタの斜視図である。
【
図10】プラグとレセプタクルとを嵌合した状態のコネクタの分解斜視図である。
【
図11】取付対象物の筐体の壁部に複数のコネクタを横方向に並べて取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施例2に係るコネクタを示す斜視図である。
【
図14】誤操作防止ロック突起を誤操作防止ロック溝部に係合した状態のコネクタの斜視図である。
【
図15】本発明の実施例3に係るコネクタを示す分解斜視図である。
【
図16】本発明の実施例に係る第二カバー(導電路接続部カバー)を示す斜視図である。
【
図17】第二カバーの分解斜視図であり、(a)は第二カバーを構成する第一半筒部を示す斜視図、(b)は第二カバーを構成する第二半筒部を示す斜視図である。
【
図20】誤操作防止リングを示す斜視図であり、(a)は誤操作防止部を上側にした斜視図、(b)はガイド突起を上側にした斜視図である。
【
図21】プラグとレセプタクルとの嵌合作業を説明するコネクタの斜視図である。
【
図22】プラグとレセプタクルとを嵌合した状態のコネクタの斜視図である。
【
図23】プラグとレセプタクルとの嵌合状態を解除する作業を説明するコネクタの斜視図である。
【
図24】取付対象物の筐体の壁部に複数のコネクタを横方向に並べて取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図25】第二カバーの変形例1を示す斜視図である。
【
図26】第二カバーの変形例1を示す分解斜視図であり、(a)は第二カバーを構成する第一半筒部を示す斜視図、(b)は第二カバーを構成する第二半筒部を示す斜視図である。
【
図27】第二カバーの変形例2を示す斜視図であり、(a)は第二カバーが閉じた状態を示す斜視図、(b)は第二カバーが開いた状態を示す斜視図である。
【
図28】第二カバーの変形例3を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、
図1-
図11を参照しながら、本発明に係るコネクタの実施例1について、また、
図12-
図14を参照しながら、本発明に係るコネクタの実施例2について、また、
図15-
図28を参照しながら、本発明に係るコネクタの実施例3及び本発明に係る導電路接続部カバー(第二カバー)の実施例について、さらに、本発明に係る導電路接続部カバーの変形例1-3について、それぞれ説明する。
【実施例1】
【0064】
図1は本発明の実施例1に係るコネクタを示す分解斜視図、
図2はピンカバーを構成する第一カバーを示す斜視図、
図3はピンカバーを構成する第二カバーを示す斜視図、
図4はプラグを示す分解斜視図、
図5はソケットカバーを示す斜視図、
図6は嵌合ロック手段を示す斜視図、
図7及び
図8はプラグとレセプタクルとの嵌合作業を説明する図、
図9はプラグとレセプタクルとを嵌合した状態のコネクタの斜視図、
図10はプラグとレセプタクルとを嵌合した状態のコネクタの分解斜視図、
図11は取付対象物の筐体の壁部に複数のコネクタを横方向に並べて取り付けた状態を示す斜視図である。
なお、図中の矢印は、上下、左右、前後の各方向を示している(矢印の各方向は一例であるものとする)。
【0065】
図1において、引用符号1は、本発明に係るコネクタの実施例1を示している。コネクタ1は、プラグ2と、レセプタクル3とを備え、プラグ2と、レセプタクル3とを、コネクタ1の軸線方向に沿って互いに嵌合及び抜出可能に構成されている。本実施例では、コネクタ1は、大電流用のコネクタであり、特に限定するものではないが、レセプタクル3が取付対象物である図示しない電源装置(バッテリー)の筐体の壁部100(
図11参照)に取り付けられる部材である。以下、コネクタ1の各構成について説明する。
【0066】
まず、プラグ2について説明する。
図1に図示するプラグ2は、第一導電路4と、ピン5と、ピンキャップ6と、ピンカバー7とを備えて構成されている。
【0067】
図1に図示する第一導電路4は、本実施例では、特に図示しないが、導体と、導体上に被覆される絶縁被覆とを備えて構成される電線を用いるものとする。本実施例では、第一導電路4として、サイズが60mm
2の電線を用いるものとする(電線サイズは一例であるものとする)。なお、第一導電路4として、上述した電線の他、導体と、導体上に被覆される絶縁被覆と、絶縁被覆上に被覆されるシースとを備えて構成されるケーブルを用いてもよいものとする。
【0068】
図1に図示するピン5は、導電性を有する金属にて成形され、ピン本体8と、第一導電路接続部9と、フランジ部10とを備えて構成されている。
図1に図示するピン本体8は、円柱状に形成され、プラグ2と、レセプタクル3とが嵌合した状態において、後述するソケット本体36に挿入可能であり電気的に接続する部分として形成されている。
【0069】
図1に図示する第一導電路接続部9は、円筒状に形成され、第一導電路4の端末にて露出される導体が圧着にて接続される部分として形成されている。
【0070】
第一導電路接続部9は、この第一導電路接続部9に接続する第一導電路4の断面積(第一導電路4のサイズ)に合わせて形成されている。具体的には、
図4(a)~(d)に図示するように、第一導電路接続部9は、第一導電路4の断面積(
図4(a)では38mm
2、
図4(b)では60mm
2、
図4(c)では100mm
2、
図4(d)では150mm
2)が大きくなるにしたがって、第一導電路4が接続可能な大きさに形成されている。なお、上記第一導電路4の断面積は、一例であって、上記各数値に限定されるものではない。
【0071】
図1に図示するフランジ部10は、フランジ状に形成され、ピン本体8と、第一導電路接続部9との間に配置されている。
【0072】
図1に図示するピンキャップ6は、絶縁性を有する合成樹脂にて成形され、ピン本体8の先端に装着可能に形成されている。ピンキャップ6をピン本体8の先端に装着することにより、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合作業時に、作業者の手が誤ってピン本体8に接触することが防止されるようになる。
【0073】
図1に図示するピンカバー7は、絶縁性を有する合成樹脂にて成形され、第一カバー11と、第二カバー12とを備えて構成されている。
【0074】
図2に図示する第一カバー11は、嵌合部13と、連結部14とを備えて構成されている。嵌合部13は、第一カバー11の前後方向の前側に配置され、後述する嵌合空間40に挿入及び嵌合可能な部分として形成されている。嵌合部13は、筒状に形成され、この内部に、ピン本体配置空間15を備えて構成されている。ピン本体配置空間15は、ピン本体8が配置可能な空間として形成されている。
【0075】
図2に図示する嵌合部13は、この軸線方向に直交するように切断したときの断面形状が非円形(本実施例では、馬蹄形)に形成されている。具体的には、嵌合部13は、この外周に、上面16と、下面17と、左側面18と、右側面19とを備えて構成されている。上面16は、特許請求の範囲に記載される「平面部」に相当するものである。
図2に図示するように、上面16は、平面状に形成されている。上面16を平面状に形成することにより、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合作業時に、作業者がプラグ2の嵌合部13の上面16を認識することができるようになっている。
【0076】
図2に図示する下面17は、第一カバー11の前後方向の前端側に誤挿入防止突起20が突設されている。誤挿入防止突起20は、後述する誤挿入防止溝部48に嵌挿可能に形成されている。ここで、誤挿入防止突起20は、嵌合部13が嵌合空間40に挿入を開始した後に誤挿入防止溝部48に嵌挿を開始することが可能な位置に設けられている。
【0077】
図2に図示する左側面18及び右側面19には、ロック突起21と、ロック板係合溝部22とが設けられている。ロック突起21は、一又は二以上設けられ、外側に向かって突出するように形成されている。本実施例では、
図2に図示するように、ロック突起21は、左側面18及び右側面19それぞれに一つずつ突設されている。
【0078】
図2に図示するロック板係合溝部22は、ロック突起21よりも前後方向の前側に配置され、コネクタ1の軸線方向に直交する方向(
図2では、上下方向)に延びるように形成されている。
【0079】
図1に図示する連結部14は、円筒状に形成され、この内部に、フランジ部配置空間23と、雌ネジ部24とを備えて構成されている。
図1に図示するフランジ部配置空間23は、フランジ部10が配置可能であり、このフランジ部配置空間23内でフランジ部10が回転可能な空間として形成されている。このように、フランジ部配置空間23内でフランジ部10が回転可能に配置されることにより、第一導電路4が可動した場合であっても、第一導電路4の捻れを吸収することができるようになっている。
【0080】
図1に図示する雌ネジ部24は、連結部14におけるピン5を挿入する側の内周面に雌ネジが形成されている。
【0081】
図1及び
図2に図示するように、連結部14は、外面26に挿入方向指示部29が設けられている。挿入方向指示部29には、嵌合部13を嵌合空間42に挿入する方向を指示する矢印が表示されている。挿入方向指示部29を設けることにより、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合作業時に、作業者が嵌合部13を嵌合空間42に挿入する方向を認識することができるようになっている。
【0082】
図3に図示する第二カバー12は、例えば、絶縁性のゴム、エラストマー、プラスチックにて成形されている。上記プラスチックとしては、耐熱性、耐久性に優れたポリブチレンテレフタレート(PBT)を採用することが好ましいものとする。第二カバー12は、円筒状に形成され、この内部に、第一導電路接続部配置空間25を備えて構成されている。第二カバー12は、この外面28の前後方向の前端側に雄ネジ部27を備えて構成されている。雄ネジ部27は、雌ネジ部24(
図1参照)に締結(螺合)可能な部分として形成されている。
【0083】
つぎに、レセプタクル3について説明する。
図1に図示するレセプタクル3は、図示しない第二導電路と、ソケット30と、コンタクト31と、ソケットキャップ32と、ソケットカバー33と、付勢部材34と、嵌合ロック手段35とを備えて構成されている。
【0084】
第二導電路は、本実施例では、電源装置から導出される導電路である。第二導電路は、本実施例では、特に図示しないが、導体と、導体上に被覆される絶縁被覆とを備えて構成される電線を用いるものとする。なお、第二導電路として、上述した電線の他、導体と、導体上に被覆される絶縁被覆と、絶縁被覆上に被覆されるシースとを備えて構成されるケーブルを用いてもよいものとする。
【0085】
図1に図示するソケット30は、導電性を有する金属にて成形され、ソケット本体36と、第二導電路接続部37とを備えて構成されている。ソケット本体36は、円筒状に形成され、プラグ2と、レセプタクル3とが嵌合した状態において、プラグ本体8が挿入可能であり電気的に接続する部分として形成されている。
【0086】
図1に図示する第二導電路接続部37は、本実施例では、ボルト状に形成され、第二導電路が接続される部分として形成されている。第二導電路と第二導電路接続部37との接続は、本実施例では、第二導電路の端末に設けられる端子を第二導電路接続部37に取り付けて、図示しないナットで締め付けて固定すること行われるものとする。
【0087】
図1に図示するコンタクト31は、導電性を有する金属にて成形され、ピン本体8との電気的な接続を確実にするためにソケット本体36内に配置される部材である。
【0088】
図1に図示するソケットキャップ32は、絶縁性を有する合成樹脂にて成形され、ソケット本体36の先端に装着可能に形成されている。ソケットキャップ32をソケット本体36の先端に装着することにより、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合作業時に、作業者の手が誤ってソケット本体36に接触することが防止されるようになる。
【0089】
図1及び
図5に図示するソケットカバー33は、絶縁性を有する合成樹脂にて成形され、ソケットカバー本体38と、取付部39とを備えて構成されている。
【0090】
図1及び
図5に図示するソケットカバー本体38は、嵌合部挿入口40と、ロック突起挿入溝部41と、嵌合空間42と、付勢部材載置部43と、嵌合ロック手段スライド部44と、嵌合ロック手段係止溝部45と、位置決め表示部46とを備えて構成されている。
【0091】
図1及び
図5に図示する嵌合部挿入口40は、嵌合空間42に連通し、嵌合部13が挿入可能に形成されている。嵌合部挿入口40は、具体的には、レセプタクル3(コネクタ1)の軸線方向から視たときの形状が嵌合部13の断面形状と略同一となるように形成されている。
【0092】
図1及び
図5に図示するロック突起挿入溝部41は、嵌合部挿入口40の左右両側部それぞれに連通し、嵌合部13を嵌合部挿入口40に挿入する際、ロック突起21が挿入可能に形成されている。
【0093】
図1及び
図5に図示する嵌合空間42は、ソケット本体6が配置可能な空間として形成され、嵌合部13が挿入及び嵌合可能な空間として形成されている。具体的には、嵌合空間42は、嵌合部13の外形に合わせた形状に形成されている。より具体的には、嵌合空間42は、レセプタクル3(コネクタ1)の軸線方向から視たときの形状が嵌合部13の断面形状と略同一となるように形成されている。嵌合空間42は、この内面47のうち嵌合部13が挿入及び嵌合したときに上面16(平面部)と対向する箇所が上面16と面接触可能な平面状に形成されている。
【0094】
図1及び
図5に図示する嵌合空間42は、この内面47に、誤挿入防止溝部48が設けられている。
図5に図示する誤挿入防止溝部48は、前後方向に延びるように形成され、嵌合部13の誤挿入防止突起20が嵌挿可能に形成されている。
【0095】
図1及び
図5に図示する付勢部材載置部43は、平面状に形成され、
図1に図示する付勢部材34を載置する部分として形成されている。
【0096】
図1及び
図5に図示する嵌合ロック手段スライド部44は、嵌合空間42の左右両側部に連通し、後述する嵌合ロック手段35のアーム部51が挿入され嵌合ロック手段35をコネクタ1の軸線方向に直交する方向(
図5では、上下方向)にスライド可能に形成されている。
【0097】
図1及び
図5に図示する嵌合ロック手段係止溝部45は、ソケットカバー本体38の左右両側部それぞれに配置され、後述する嵌合ロック手段係止片55の係止突起60が係止可能に形成されている。
【0098】
図1及び
図5に図示する位置決め表示部46は、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合する際の目安となる部分として形成されている。
【0099】
図1及び
図5に図示する取付部39は、電源装置の筐体の壁部100(
図11参照)に取り付け可能に形成されている。取付部39は、矩形の板状に形成され、四隅のそれぞれに、ボルト挿通孔49が貫通形成されている。ボルト挿通孔49は、ボルト50を挿通可能に形成されている。
【0100】
図1に図示する付勢部材34は、後述するように、嵌合ロック手段35の操作部52をコネクタ1の軸線方向に直交する方向に付勢する部材である。付勢部材34は、所謂弾性部材であり、具体的には、公知の円錐コイルバネを用いるものとする。
【0101】
図1及び
図6に図示する嵌合ロック手段35は、絶縁性を有する合成樹脂にて成形され、剛性を有する部材として形成されている。嵌合ロック手段35は、一対のアーム部51と、操作部52とを備えて構成されている。
図6に図示する一対のアーム部35それぞれは、ロック溝部53と、ロック板54と、嵌合ロック手段係止片55とを備えて構成されている。
【0102】
図1及び
図6に図示するロック溝部53は、一対のアーム部35それぞれの内面59にロック部21が進入可能に形成され、摺動溝部56と、ロック突起係合溝部57とを備えて構成されている。
【0103】
図6に図示する摺動溝部56は、ロック溝部53におけるロック突起21が進入する側(
図6では、前後方向の前側)に配置されテーパー面58を有している。
図6に図示するテーパー面58は、嵌合部13を嵌合空間42に挿入した際にロック突起21が摺動可能に形成されている。
図6に図示するように、テーパー面58は、摺動溝部56の前後方向の前端から後端に行くにしたがって摺動溝部56の上下方向の幅が小さくなるように傾斜面状に形成されている。
【0104】
図6に図示するロック突起係合溝部57は、摺動溝部56に連通し、ロック突起21が係合可能に形成されている。
図1及び
図6に図示するように、ロック突起係合溝部57は、コネクタ1の軸線方向に直交する方向(
図6では、上下方向)に延びるように形成されている。
【0105】
図6に図示するロック板54は、板状に形成され、一対のアーム部51それぞれの内面59の前後方向の後端に、内側に向かって突出するように形成されている。
図1及び
図6に図示するロック板54は、嵌合部13のロック板係合溝部22に係合可能に形成されている。
【0106】
図6に図示する嵌合ロック手段係止片55は、可撓性を有し、外面61の先端側に係止突起60が外側に向かって突出するように形成されている。
図6に図示する係止突起60は、嵌合ロック手段係止溝部45(
図5参照)に係止可能に形成されている。
【0107】
図1及び
図6に図示する操作部52は、一対のアーム部51を連結し、この下面63が付勢部材34にてコネクタ1の軸線方向に直交する方向(
図6では、上下方向)に押し上げられるように付勢される部分として形成されている。
【0108】
つぎに、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合作業の手順について説明する。
まず、あらかじめ、プラグ2と、レセプタクル3とを組み立て、レセプタクル3は、取付部39を介して取付対象物(電源装置)の筐体の壁部100(
図11参照)に取り付けておく。しかる後、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合を開始する。
【0109】
ここで、
図7-
図10を参照しながら、プラグ2の嵌合部13を、レセプタクル3の嵌合空間42に挿入した際の各部の動作について説明する。
なお、
図7及び
図8では、説明の便宜上、プラグ2側は、嵌合部13を備える第一カバー11のみ図示するとともに、レセプタクル3側は、嵌合ロック手段35のみ図示するものとする。また、
図7及び
図8では、嵌合ロック手段35の一方のアーム部51を断面視したように図示するものとする。また、
図10では、レセプタクル3側は、嵌合ロック手段35と、ボルト50のみ図示するものとする。
【0110】
図7(a)に図示するように、プラグ2を矢印Aの指示する方向に嵌合部13を移動させ、嵌合部挿入口40(
図1及び
図5参照)を通過させる。このとき、誤挿入防止突起20が誤挿入防止溝部48(
図1及び
図5参照)に嵌挿される。嵌合部13が嵌合部挿入口40を通過し嵌合空間42(
図1及び
図5参照)に挿入されていくと、ロック突起21がロック突起挿入溝部41(
図1及び
図5参照)を通過する。すると、
図7(b)に図示するように、ロック突起21が摺動溝部56に進入を開始する。
【0111】
嵌合部13の挿入を続けていくと、
図7(c)に図示するように、ロック突起21がテーパー面58を摺動することにより、嵌合ロック手段35がコネクタ1の軸線に直交する方向(
図7(c)では、矢印Bの指示する方向)に押し下げられる。このとき、付勢部材34(
図1参照)は、操作部52の下面63にて押圧され押し潰されたような状態となっている。
【0112】
しかる後、
図8(a)に図示するように、ロック突起21がテーパー面58を乗り越えたとき、嵌合ロック手段35の押し下げが解除される。すると、操作部52の下面63にて押圧され押し潰されたような状態となっていた付勢部材34は、元の形状に復帰しようとする。これにより、操作部52の下面63が、付勢部材34にて、コネクタ1の軸線に直交する方向(
図8(a)では、矢印Cの指示する方向)に押し上げられるように付勢される。
【0113】
すると、
図8(b)に図示するように、ロック突起21がロック突起係合溝部57に係合されるとともに、ロック板54が嵌合部13のロック板係合溝部22に嵌挿及び係合される。このとき、操作部52の下面63が、付勢部材34にて、コネクタ1の軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢されているため、
図8(b)に図示するロック突起21のロック突起係合溝部57への係合と、ロック板54のロック板係合溝部22への係合とが、保持された状態となる。これにより、
図9に図示するように、プラグ2と、レセプタクル3とが嵌合するとともに、
図10に図示するように、この嵌合状態がロックされる。以上により、プラグ2と、レセプタクル3との嵌合作業が完了する。
【0114】
ここで、プラグ2と、レセプタクル3とを嵌合する際の作用について説明する。
本実施例によれば、摺動溝部56に進入したロック突起21がテーパー面58を摺動することにより、嵌合ロック手段35がコネクタ1の軸線に直交する方向に押し下げられ、ロック突起21がテーパー面58を乗り越えたとき操作部52が付勢部材34にて上記軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢されロック突起21がロック突起係合溝部57に係合し、この係合が保持される。また、操作部を上記軸線に直交する方向に押し下げるとロック突起のロック突起係合溝部に対する係合が解除される。これにより、嵌合部13を嵌合空間42に挿入するという簡易な作業だけで、プラグ2とレセプタクル3とを嵌合させ、この嵌合状態をロックすることができるようになる。また、操作部52を上記軸線に直交する方向に押し下げるという簡易な作業だけで、プラグ2とレセプタクル3との嵌合を解除することができるようになる。
【0115】
また、本実施例によれば、嵌合ロック手段35が先述の動作をすることから、嵌合部13を嵌合空間42に挿入するだけで、自動的に嵌合ロック手段35によるプラグ2とレセプタクル3との嵌合状態のロックが完了する。このため、嵌合ロック手段35によるロック忘れが生じなくなる。
【0116】
また、本実施例によれば、嵌合状態では、操作部52が付勢部材34にて上記軸線に直交する方向に押し上げられるように付勢されることにより、ロック突起21のロック突起係合溝部57への係合が保持される。このため、誤操作により、プラグ2とレセプタクル3との嵌合が解除され、プラグ2がレセプタクル3から抜出されてしまうことを防止することができるようになる。
【0117】
また、本実施例によれば、プラグ2と、レセプタクル3とを嵌合すると、ロック突起21がロック突起係合溝部57に係合される他、ロック板54がロック板係合溝部22に係合されるため、プラグ2とレセプタクル3との嵌合状態を嵌合ロック手段35にて二重にロックすることができるようになる。このため、プラグ2に抜出方向(
図10では、矢印Fの指示する方向)への過大な引張力が加わったときの引張強度を従来技術よりも強くすることができるようになる。
【0118】
また、本実施例によれば、一対のロック突起21がロック突起係合溝部57に係合され、一対のロック板54がロック板係合溝部22に係合されるため、プラグ2とレセプタクル3との嵌合は、合計四箇所で保持されることになる。このため、仮に、上記四箇所のうち、いずれか一箇所が欠損した場合であっても、残りの三箇所でプラグ2とレセプタクル3との嵌合を保持することができるようになる。これにより、プラグ2とレセプタクル3との嵌合における安全性に優れた構造となっている。
【0119】
ところで、プラグ2とレセプタクル3との嵌合強度を高めようとする場合、ロック突起21のサイズを大きくすることが考えられる。ここで、ロック突起21のサイズを大きく形成するには、その分、スペースを取ってしまう。このように、ロック突起21の大型化を図ることは、嵌合ロック手段35のストロークの制限や、コネクタ1の小型化、及び、後述するコネクタ1,70の高密度実装化の要請と背反することになる。したがって、プラグ2とレセプタクル3との嵌合強度を高めるために、ロック突起21の大型化を図ることは困難である。そこで、本実施例では、ロック突起21をロック突起係合溝部57に係合するとともに、ロック板54をロック板係合溝部22に係合し、先述の通り、二重ロックをすることで、ロック突起21のサイズを大きくすることなく、プラグ2とレセプタクル3との嵌合強度を高めることができるようなる。
【0120】
また、本実施例によれば、嵌合ロック手段35は、剛性を有する部材として形成されるため、プラグ2とレセプタクル3との嵌合強度を、より高めることができるようになる。
【0121】
また、本実施例によれば、第一導電路接続部9が、この第一導電路接続部9に接続する第一導電路4の断面積(第一導電路4のサイズ)に合わせて形成されるため、ピン本体8及びソケット30の形状、大きさを共通化することができる。このため、ピンカバー7及びソケットカバー33の形状、大きさを共通化することができる。これにより、第一導電路接続部9に接続する第一導電路4のサイズに応じてコネクタ1の大きさを変更する必要が無くなり、コネクタ1の製造装置の設計の効率化を図ることができ部材調達が行い易くなる。
【0122】
また、本実施例によれば、嵌合部13の下面17に誤挿入防止突起20が設けられ、嵌合空間42の内面47に誤挿入防止溝部48が設けられることから、後述するように、取付対象物の筐体の壁部100(
図11参照)に複数のコネクタ1,70を取り付けた場合、プラグ2を正規の嵌合相手とは異なるレセプタクル3に誤って挿入することを防止することができる。
【0123】
また、本実施例によれば、嵌合部13が嵌合空間42に挿入を開始した後に誤挿入防止突起20が誤挿入防止溝部48に嵌挿を開始することから、嵌合部13の嵌合空間42への挿入と、誤挿入防止突起20の誤挿入防止溝部48への嵌挿とを、段階的に行うことができるようになる。これにより、誤挿入防止突起20が、嵌合部13の嵌合空間42への挿入開始と同じタイミングで誤挿入防止溝部48への嵌挿を開始するような位置に設けられた場合と比べてスムーズに嵌合作業を行うことができるようになる。
【0124】
さらに、本実施例によれば、嵌合部13の断面形状が非円形(本実施例では、馬蹄形)に形成され、嵌合空間42の軸線方向から視たときの形状が嵌合部の断面形状と略同一となるように形成されることから、嵌合部13の嵌合時方向性が限定される。特に、本実施例では、嵌合部13に平面部(上面16)が設けられ、嵌合空間42の内面47には、平面部と面接触可能な平面状の箇所が形成されることから、上記嵌合時方向性が、より限定される。このため、作業者は、嵌合時の嵌合部13の正規の向きを、外見上、認識し易くなり、嵌合部13を正規の向きで嵌合空間42に嵌合することができる。
【0125】
つぎに、
図11を参照しながら、複数のコネクタ70を取付対象物(電源装置)の筐体の壁部100に横方向に並べて取り付けようとする場合の作用について説明する。なお、
図11に図示するコネクタ70は、第一導電路71と、第一導電路71の断面積(ここでは、150mm
2)に合わせて形成された第一導電路接続部を有するピンとを備える点以外は、本実施例のコネクタ1と同一の構成及び構造であるものとする。
【0126】
本実施例によれば、プラグ2とレセプタクル3とを嵌合又は抜出する際、プラグ2側の細い部分を把持して作業することができる。これにより、複数のコネクタ70を取付対象物の筐体の壁部100に横方向に並べて取り付けようとする場合、従来技術のように、コネクタの外側に作業者が手を差し入れるためのスペースを確保する必要が無くなる。このため、コネクタ同士の間隔を狭くすることができ、コネクタ同士を密接して配置することできるようになる。
【0127】
つぎに、プラグ2と、レセプタクル3との抜出作業の手順について説明する。
まず、
図9に図示するように、操作部52を、矢印Eの指示する方向に押し下げる。すると、ロック突起21とロック突起係合溝部57との係合、及び、ロック板54とロック板係合溝部22との係合が解除された状態(
図8(a)に図示するような状態)になる。
【0128】
しかる後、プラグ2を、レセプタクル3から抜出方向に抜出する。以上により、プラグ2と、レセプタクル3との抜出作業が完了する。
【0129】
つぎに、本実施例の効果について説明する。
以上、
図1-
図11を参照しながら説明してきたように、本実施例によれば、プラグ2とレセプタクル3との嵌合及び抜出作業における作業効率を良好にし上記嵌合及び抜出の作業性を高めることができるという効果を奏する。また、プラグ2とレセプタクル3との嵌合における作業性を、より高めつつ上記嵌合における安全性を高めることができるという効果を奏する。また、コネクタの実装密度を高めることができるという効果を奏する。また、抜出方向に過大な引張力が加わってもプラグ2とレセプタクル3との嵌合強度を高めることができ、嵌合状態を、より強固に確保することができるという効果を奏する。さらに、コネクタの製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【実施例2】
【0130】
本発明に係るコネクタは、実施例1の他、下記の実施例2を用いてもよいものとする。以下、
図12-
図14を参照しながら、本発明に係るコネクタの実施例2について説明する。
【0131】
図12は本発明の実施例2に係るコネクタを示す斜視図、
図13はレセプタクルの分解斜視図、
図14は誤操作防止ロック突起を誤操作防止ロック溝部に係合した状態のコネクタの斜視図である。
なお、実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0132】
図12に図示するコネクタ80は、レセプタクル81を備える点において、実施例1と異なっている。
図13に図示するレセプタクル81は、嵌合ロック手段82と、ソケットカバー83と、誤操作防止ロック86とを備えて構成される点において、実施例1におけるレセプタクル3(
図1参照)と異なっている。
【0133】
まず、嵌合ロック手段82について説明する。
図13に図示する嵌合ロック手段82は、操作部92の上面93に、誤操作防止ロック取付部91と、第一押圧面94とを備えて構成されている。誤操作防止ロック取付部91は、後述する誤操作防止ロック86を取り付け可能に形成されている。第一押圧面94は、特許請求の範囲に記載され、引用符号90にて図示する「押圧部」を構成するものであり、誤操作防止ロック86の前後方向の前端から後端にわたって次第に高さが高くなるようなテーパー状に形成されている。
【0134】
つぎに、ソケットカバー83について説明する。
図13に図示するソケットカバー83は、取付部84に、誤操作防止ロック溝部87を備えて構成されている。
図13に図示する誤操作防止ロック溝部87は、特許請求の範囲に記載され、引用符号85にて図示する「誤操作防止手段」を構成するものである。誤操作防止ロック溝部87は、取付部84の上端側に配置され、後述する誤操作防止ロック突起89が係合可能に形成されている。
【0135】
つぎに、誤操作防止ロック86について説明する。
図13に図示する誤操作防止ロック86は、特許請求の範囲に記載される「誤操作防止手段」を構成するものである。誤操作防止ロック86は、絶縁性を有する合成樹脂にて成形され、把持部88と、誤操作防止ロック突起89と、第二押圧面95とを備えて構成され、誤操作防止ロック取付部91に回動可能に取り付けられている。
【0136】
図13に図示する把持部88は、誤操作防止ロック86を操作する際、作業者が把持する部分として形成されている。
図13に図示する誤操作防止ロック突起89は、誤操作防止ロック溝部87に係合可能に形成されている。
図13に図示する第二押圧面95は、特許請求の範囲に記載される「押圧部」を構成するものであり、誤操作防止ロック86の前後方向の前端から後端にわたって次第に高さが高くなるようなテーパー状に形成されている。
【0137】
つぎに、プラグ2と、レセプタクル81との嵌合作業、及び、誤操作防止ロック86の操作の手順について説明する。
まず、
図12に図示するように、プラグ2と、レセプタクル81とを嵌合する。プラグ2と、レセプタクル81との嵌合作業は、実施例1と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0138】
しかる後、
図12において、作業者は、誤操作防止ロック86の把持部88を把持した状態で誤操作防止ロック86を矢印Gの指示する方向に略90°回動させる。すると、
図14に図示するように、誤操作防止ロック突起89は、誤操作防止ロック溝部87に係合した状態となる。
【0139】
ここで、誤操作防止ロック突起89を誤操作防止ロック溝部87に係合した状態における作用について説明する。
図14に図示する状態で、操作部92を、コネクタ80の軸線に直交する方向(
図14では、矢印Hの指示する方向)に押し下げようとしても、誤操作防止ロック突起89は、誤操作防止ロック溝部87に係合されているため、上記軸線方向に直交する方向への押し下げが規制される。これにより、操作部92を誤って上記軸線に直交する方向に押し下げることが防止されるため、誤操作により、プラグ2とレセプタクル81との嵌合が解除され、プラグ2がレセプタクル81から抜出されることを防止することができる。
【0140】
つぎに、レセプタクル81からのプラグ2の抜出作業の手順について説明する。
まず、作業者は、
図14において、誤操作防止ロック86の把持部88を把持した状態で誤操作防止ロック86を矢印Jの指示する方向に略90°回動させる。すると、
図12に図示するように、誤操作防止ロック突起89と、誤操作防止ロック溝部87との係合が解除される。
【0141】
しかる後、
図12において、押圧部90をプラグ2の挿入方向(
図12では、矢印Kの指示する方向)に押圧することにより、プラグ2を、レセプタクル81から抜出方向に抜出する。ここで、本実施例によれば、押圧部90をプラグ2の挿入方向に押圧しながらプラグ2を抜出することができるため、プラグ2とレセプタクル81との嵌合状態の解除と、レセプタクル81からのプラグ2の抜出を、一連の動作で行うことができる。以上により、レセプタクル81からのプラグ2の抜出作業が完了する。
【0142】
つぎに、本実施例の効果について説明する。
以上、
図12-
図14を参照しながら説明してきたように、本実施例によれば、実施例1の効果に加え、つぎのような効果も奏する。すなわち、プラグ2とレセプタクル81との嵌合状態を、より確実に保持することができるという効果を奏する。また、レセプタクル81からのプラグ2の抜出作業における作業効率を、より良好にすることができるという効果を奏する。
【実施例3】
【0143】
本発明に係るコネクタは、実施例1、又は、実施例2の他、下記の実施例3を用いてもよいものとする。以下、
図15-
図24を参照しながら、本発明に係るコネクタの実施例3及び本発明に係る導電路接続部カバー(第二カバー)の実施例について説明する。
【0144】
図15は本発明の実施例3に係るコネクタを示す分解斜視図、
図16は本発明の実施例に係る第二カバー(導電路接続部カバー)を示す斜視図、
図17は第二カバーの分解斜視図であり、(a)は第二カバーを構成する第一半筒部を示す斜視図、(b)は第二カバーを構成する第二半筒部を示す斜視図、
図18はソケットカバーを示す斜視図、
図19は嵌合ロック手段を示す斜視図、
図20は誤操作防止リングを示す斜視図であり、(a)は誤操作防止部を上側にした斜視図、(b)はガイド突起を上側にした斜視図、
図21はプラグとレセプタクルとの嵌合作業を説明するコネクタの斜視図、
図22はプラグとレセプタクルとを嵌合した状態のコネクタの斜視図、
図23はプラグとレセプタクルとの嵌合状態を解除する作業を説明するコネクタの斜視図、
図24は取付対象物の筐体の壁部に複数のコネクタを横方向に並べて取り付けた状態を示す斜視図である。
なお、実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0145】
図15に図示するコネクタ101は、プラグ102と、レセプタクル103とを備える点において、実施例1、又は、実施例2と異なっている。以下、コネクタ101の各構成について説明する。
【0146】
まず、プラグ102について説明する。
図15に図示するプラグ102は、ピンカバー107を備えて構成される点において、実施例1におけるプラグ2(
図1参照)と異なっている。
図15に図示するピンカバー107は、第一カバー111と、第二カバー112とを備えて構成されている。第一カバー111は、実施例1における第一カバー11(
図1参照)と形状において若干の相違を有するが、基本的には、実施例1における第一カバー11と同一の構成及び構造を備えている。本実施例のように、本発明を「第二カバー(導電路接続部カバー)」と捉えたとき、「第一カバー」を「ピン本体カバー」と読み替えてもよいものとする。
【0147】
図16及び
図17に図示する第二カバー112は、本発明に係るものである。本実施例のように、本発明を「第二カバー」と捉えたとき、「第二カバー」を「導電路接続部カバー」と読み替えてもよいものとする。第二カバー112は、円筒状に形成され、第一導電路4の端末に第一導電路接続部9が接続された後、第一導電路接続部9に取り付け可能な構造(以下、適宜、「後付け可能な構造」と称してもよいものとする)にて形成されている。上記後付け可能な構造として、本実施例では、第二カバー112は、二分割構造にて形成されている。より具体的には、第二カバー112は、半円筒状に形成された第一半筒部113と、同じく半円筒状に形成された第二半筒部114とを備えている。
【0148】
図17(a)に図示する第一半筒部113は、一対の係合枠部115と、一対の第一係合凹部116及び一対の第二係合凹部117と、雄ネジ部127とを備えている。一対の係合枠部115は、特許請求の範囲に記載される「係合部」を構成するものである。一対の係合枠部115は、第一半筒部113の前後方向の略中間部に設けられている。一対の係合枠部115それぞれには、係合ガイド部118が設けられている。係合ガイド部118は、係合枠部115に後述する係合突起119が係合する際、係合突起119をガイド可能に形成されている。一対の第一係合凹部116は、第一半筒部113の前後方向の前端側に設けられ、また、一対の第二係合凹部117は第一半筒部113の前後方向の後端側に設けられている。雄ネジ部127は、第一半筒部113の前後方向の前端側に設けられている。雄ネジ部127は、第一カバー111の雌ネジ部24(
図15参照)に締結(螺合)可能な部分として形成されている。
【0149】
図17(b)に図示する第二半筒部114は、一対の係合突起119と、一対の第一係合凸部120及び一対の第二係合凸部121と、雄ネジ部127とを備えている。一対の係合突起119は、特許請求の範囲に記載される「係合部」を構成するものである。一対の係合突起119は、第二半筒部114の前後方向の略中間部に設けられている。一対の係合突起119それぞれは、第二半筒部114の前後方向に沿って並ぶ二つの突起からなる。一対の係合突起119それぞれは、係合枠部115に係合可能に形成されている。一対の第一係合凸部120は、第二半筒部114の前後方向の前端側に設けられ、また、一対の第二係合凸部121は第二半筒部114の前後方向の後端側に設けられている。雄ネジ部127は、第二半筒部114の前後方向の前端側に設けられている。雄ネジ部127は、第一カバー111の雌ネジ部24(
図15参照)に締結(螺合)可能な部分として形成されている。
【0150】
ここで、分割構造でない一体型の第二カバー(以下、「一体型の第二カバー」と称する)を用いる場合、第一導電路4の端末に第一導電路接続部9が接続された後では、一体型の第二カバーに第一導電路4を挿通させることができないため、プラグ102の組み立てを行う作業者は、第一導電路4の端末に第一導電路接続部9を接続する前に、一体型の第二カバーに第一導電路4を挿通させておく必要がある。しかしながら、作業者は、上記接続前における一体型の第二カバーへの第一導電路4の挿通を忘れてしまうことがある。上記接続前における一体型の第二カバーへの第一導電路4の挿通を忘れてしまうと一体型の第二カバーを第一導電路4に後付けすることができない。ここで、本実施例によれば、第二カバー112は、二分割構造であることから、第一導電路4の端末に第一導電路接続部9を接続する前に第二カバー112を第一導電路4に取り付けるのを忘れていたとしても、上記接続後、第二カバー112を、第一導電路4に取り付けることができるようになる。
【0151】
なお、本実施例のように、本発明を「第二カバー(導電路接続部カバー)」と捉えたとき、「第一導電路」を「導電路」と、「第一導電路接続部」を「導電路接続部」と、それぞれ、読み替えてもよいものとする。
【0152】
つぎに、レセプタクル103について説明する。
図15に図示するレセプタクル103は、ソケット130と、ソケットカバー133と、嵌合ロック手段135と、誤操作防止リング170とを備えて構成される点において、実施例1におけるレセプタクル3(
図1参照)や、実施例2におけるレセプタクル31(
図13参照)と異なっている。
【0153】
図15に図示するソケット130は、導電性を有する金属にて成形され、ソケット本体136と、第二導電路接続部137とを備えて構成されている。ソケット130は、実施例1及び実施例2におけるソケット30と比べて短尺になるように形成されている。
【0154】
図18に図示するソケットカバー133は、ガイド部171を備える点において、実施例1におけるレセプタクル3(
図1参照)や、実施例2におけるレセプタクル81(
図13参照)と異なっている。
図18に図示するガイド部171は、特許請求の範囲に記載される「誤操作防止手段」を構成するものである。ガイド部171は、ソケットカバー本体138の外側を取り囲むように円弧状に形成されている。ガイド部171には、ガイド溝172と、当接面173とが設けられている。ガイド溝172は、ガイド部171の内面から外面にわたって貫通しガイド部171の周方向に沿って形成されている。当接面173は、ガイド部171の周方向における一端側と他端側とに形成されている。
【0155】
図19に図示する嵌合ロック手段135は、操作部152の上面162に、押圧面174が設けられている点において、実施例1における嵌合ロック手段35(
図1参照)や、実施例2における嵌合ロック手段82(
図13参照)と異なっている。押圧面174は、特許請求の範囲に記載される「押圧部」に相当するものである。
【0156】
また、
図19に図示する嵌合ロック手段135は、係止突起176がアーム部151における操作部52と連続する部分近傍に形成されている点において、実施例1における嵌合ロック手段35(
図1参照)や、実施例2における嵌合ロック手段82(
図13参照)と異なっている。より具体的には、係止突起176は、嵌合ロック手段係止片175の先端に形成されている。嵌合ロック手段係止片175は、アーム部151の延在方向の略中間部からアーム部151における操作部152と連続する部分にわたって延在するように形成されている。係止突起176は、取付部39に設けられた図示しない嵌合ロック手段係止溝部に係合可能に形成されている。
【0157】
本実施例によれば、係止突起176は、アーム部151における操作部152と連続する部分近傍に形成されることから、
図6に図示する嵌合ロック手段35のように、係止突起60が、例えば、アーム部51の先端部(自由端部)側に形成される場合に比べて、嵌合ロック手段175を小型化することができる。これにより、コネクタ101全体の小型化を図ることができる。
【0158】
図20に図示する誤操作防止リング170は、特許請求の範囲に記載される「誤操作防止手段」を構成するものである。誤操作防止リング170は、絶縁性を有する合成樹脂にて成形され、円環状に形成されている。誤操作防止リング170は、ガイド部171にてガイドされソケットカバー133の軸を中心に、この軸の周方向に沿って回動可能に配置されている。
【0159】
図20に図示する誤操作防止リング170は、この外面177に、ガイド片178と、誤操作防止部179と、切り欠き部180と、引っ掛け部181と、ストッパー183とが設けられている。
【0160】
ガイド片178は、複数(本実施例では、二つ)設けられ、この先端にガイド突起182が形成されている。ガイド突起182は、爪状に形成され、ガイド部171のガイド溝172(
図18参照)に係合し誤操作防止リング170を回動させたときガイド溝172内を摺動可能となるように形成されている。
【0161】
誤操作防止部179は、誤操作防止リング170の前後方向の前端側に設けられている。誤操作防止部179は、操作部152(
図15参照)を誤ってコネクタ101の軸線に直交する方向に押し下げることを防止することが可能となるように形成されている。
【0162】
切り欠き部180は、誤操作防止リング170の前後方向の前端側で且つ誤操作防止部179に隣り合うように設けられている。切り欠き部180は、コネクタ101を取り扱う者(以下、適宜、「作業者」と読み替えても良いものとする)が操作部152に手指をあてがい、操作部152を軸線に直交する方向に押し下げることが可能となるように誤操作防止リング170の前後方向の前端から誤操作防止リング170の前後方向の略中間部にわたって切り欠き形成されている。
【0163】
引っ掛け部181は、誤操作防止部179の上部に設けられている。引っ掛け部181は、誤操作防止リング170を回動するときに作業者の手指を引っ掛ける部分として形成されている。
【0164】
ストッパー183は、誤操作防止リング170の前後方向の後端側に設けられている。ストッパー183には、一方の端面184と他方の端面185とが設けられている。一方の端面184と他方の端面185とは、ガイド部171の当接面173に当接可能に形成されている。
【0165】
つぎに、プラグ102と、レセプタクル103との嵌合作業、及び、誤操作防止リング170の操作の手順について説明する。
まず、
図21に図示するプラグ102を矢印Lの指示する方向に移動させ、レセプタクル103と嵌合させる。ここで、
図21に図示するように、あらかじめ、誤操作防止部179を操作部152の直上に配置させておく。プラグ102と、レセプタクル103との嵌合作業は、実施例1と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0166】
ここで、誤操作防止部179を操作部152の直上に配置した状態における作用について説明する。
図22に図示する状態で、操作部152を、コネクタ101の軸線に直交する方向(
図22では、矢印Mの指示する方向)に押し下げようとしても、誤操作防止部179が操作部152の直上に配置されているため、上記軸線方向に直交する方向への押し下げが規制される。これにより、操作部152を誤って上記軸線に直交する方向に押し下げることが防止されるため、誤操作により、プラグ102とレセプタクル103との嵌合が解除され、プラグ102がレセプタクル103から抜出されることを防止することができる。
【0167】
つぎに、レセプタクル103からのプラグ102の抜出作業の手順について説明する。
まず、作業者は、
図22において、誤操作防止リング170の引っ掛け部181に手指を引っ掛け、誤操作防止リング170をソケットカバー133の軸を中心にこの軸の周方向に沿って(
図22に図示する矢印Nの指示する方向に)回動させる。すると、
図23に図示するように、切り欠き部180が操作部152の直上に配置される。
【0168】
本実施例によれば、作業者は、引っ掛け部181に手指を引っ掛けて誤操作防止リング170を回動することができることから、誤操作防止リング170に引っ掛け部181を設けていない場合に比べて誤操作防止リング170の操作における作業性を、より高めることができる。
【0169】
しかる後、
図23において、押圧部152をコネクタ101の軸線に直交する方向(
図23では、矢印Pの指示する方向)に押し下げることにより、プラグ102を、レセプタクル103から抜出方向に抜出する。以上により、レセプタクル103からのプラグ102の抜出作業が完了する。
【0170】
ここで、
図24に図示するように、複数のコネクタ101を取付対象物(電源装置)の筐体の壁部100に横方向に並べて取り付けるとき、複数のコネクタ101それぞれに、異なる着色を施してもよいものとする。例えば、複数のコネクタ101のうち、コネクタ101aは、プラグ102側の挿入方向指示部29の矢印部分と、レセプタクル103側の嵌合ロック手段135の操作部152とを赤色に着色し、コネクタ101bは、挿入方向指示部29の矢印部分と、操作部152とを白色に着色し、コネクタ101cは、挿入方向指示部29の矢印部分と、操作部152とを青色に着色してもよいものとする(上記着色は、一例であるものとする)。
【0171】
このように、複数のコネクタ101(101a~101c)それぞれに、異なる着色を施すことにより、壁部100に複数のレセプタクル103が横方向に並べて取り付けられていても、作業者は、レセプタクル103側の着色とプラグ102側の着色を確認することによって、どのプラグ102を、どのレセプタクル103に嵌合すればよいか視覚的に認識することできる。
【0172】
つぎに、本実施例の効果について説明する。
以上、
図15-
図24を参照しながら説明してきたように、本実施例によれば、実施例1及び実施例2の効果に加え、つぎのような効果も奏する。すなわち、コネクタ101全体の小型化を図ることができるという効果を奏する。また、コネクタ101の組み立てにおける作業性を、より高めることができるという効果を奏する。さらに、プラグ102とレセプタクル103との嵌合における作業性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0173】
本実施例における第二カバー112は、
図25及び
図26に図示する変形例1、
図27に図示する変形例2、又は、
図28に図示する変形例3に置き換えてもよいものとする。以下、変形例1-3について説明する。
【0174】
図25は第二カバーの変形例1を示す斜視図、
図26は第二カバーの変形例1を示す分解斜視図であり、(a)は第二カバーを構成する第一半筒部を示す斜視図、(b)は第二カバーを構成する第二半筒部を示す斜視図、
図27は第二カバーの変形例2を示す斜視図であり、(a)は第二カバーが閉じた状態を示す斜視図、(b)は第二カバーが開いた状態を示す斜視図、
図28は第二カバーの変形例3を示す背面図(第二カバーを、接触防止部が設けられる側から第二カバーの軸方向に視た図)である。
なお、実施例3と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0175】
まず、変形例1について説明する。
図25及び
図26に図示する第二カバー212は、第一導電路4が導出する側の端部(
図25においては後端)に接触防止部203が設けられている点において、本実施例における第二カバー112(
図16及び
図17参照)と異なっている。第二カバー212は、接触防止部213が設けられている点以外は、第二カバー112と形状において若干の相違を有するが、基本的には、第二カバー112と同一の構成及び構造を備えている。
【0176】
接触防止部213は、この内径が、内面214と第一導電路4の外面との間にコネクタ101を取り扱う者の手指が入り込まないように形成されている。具体的には、
図25に図示するように、接触防止部213は、この内面214と、接触防止部213に挿通する第一導電路4のうち最大径の第一導電路4の外面との間に、ほとんど隙間が生じないような内径となるように形成されている。また、接触防止部213は、この内面214と、接触防止部213に挿通する第一導電路4のうち最大径以外の第一導電路4の外面との間に、内面214と第一導電路4の外面との間にコネクタ101を取り扱う者の手指が入り込まないような内径となるように形成されている。ここで、上記「接触防止部213に挿通する第一導電路4」は、例えば、断面積が38mm
2、60mm
2、100mm
2、150mm
2の第一導電路4をいうものとする。なお、上記第一導電路4の断面積は、一例であって、上記各数値に限定されるものではない。
【0177】
図25に図示する接触防止部213は、この内面214に、導通検査溝215が形成されている。導通検査溝215は、特許請求の範囲に記載される「挿通部」に相当するものである。導通検査溝215は、第二カバー212の軸線方向(
図25では、前後方向)に沿って延びるように形成されている。導通検査溝215は、複数(
図25においては四つ)形成され等間隔となるように配置されている。導通検査溝215は、導通検査用の図示しない器具が挿通可能に形成されている。上記導通検査用の器具は、コネクタ101の嵌合状態における導通を検査するものであって、例えば、検電プローブが挙げられる。
【0178】
なお、変形例1では、特許請求の範囲に記載される「挿通部」に相当するものとして、導通検査溝215を設けているが、これに限定されるものではない。その他、特許請求の範囲に記載される「挿通部」に相当するものとして、「導通検査孔」を設けてもよいものとする。導通検査孔は、特に図示しないが、接触防止部213に貫通形成され且つ上記導通検査用の器具(検電プローブ)が挿通可能に形成されている。導通検査孔は、複数(例えば、四つ)形成され等間隔となるように配置されている。
【0179】
変形例1によれば、第二カバー212における第一導電路4が導出する側の端部に接触防止部213が設けられ、この接触防止部213の内径が、接触防止部213の内面214と第一導電路4の外面との間に手指が入り込まないような内径になる。これにより、接触防止部213の内面214と第一導電路4の外面との間の隙間に手指が入り込んで第一導電路4の導体や第一導電路接続部9に手指が接触して作業者が感電してしまうというような虞が無くなる。
【0180】
また、変形例1によれば、接触防止部213の内面214に挿通部(導通検査溝215、又は、導通検査孔)が設けられることから、第二カバー212における第一導電路4が導出する側の端部に接触防止部213が設けられていても第二カバー212内に導通検査用の器具を挿入することができるようになる。これにより、コネクタ101の嵌合状態において、導通検査を有効に行うことができるようになる。
【0181】
つぎに、変形例2について説明する。
図27に図示する第二カバー312は、第一半筒部113と第二半筒部114とを繋ぐヒンジ313を備える点において、本実施例における第二カバー112(
図16及び
図17参照)や変形例1における第二カバー212(
図25及び
図26参照)と異なっている。第二カバー312は、ヒンジ313を介して開閉自在な分割構造にて形成されている。ヒンジ313は、特に図示しないが、回動軸と、この回動軸の軸受とから構成されている。
【0182】
つぎに、変形例3について説明する。
図28に図示する第二カバー412は、第一半筒部113と第二半筒部114とを繋ぐヒンジ413を備える点において、本実施例における第二カバー112(
図16及び
図17参照)や変形例1における第二カバー212(
図25及び
図26参照)と異なっている。第二カバー412は、ヒンジ413を介して開閉自在な分割構造にて形成されている。ヒンジ413は、薄肉ヒンジにて構成されている点において、変形例2におけるヒンジ313(
図27参照)と異なっている。
【0183】
つぎに、変形例1-3の効果について説明する。
以上、
図25-
図28を参照しながら説明してきたように、変形例1-3によれば、実施例1-3の効果に加え、つぎのような効果も奏する。すなわち、プラグ102とレセプタクル103との嵌合における安全性を、より高めることができるという効果を奏する。
【0184】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0185】
上記説明では、実施例1は、
図1及び
図6に図示するように、操作部52の上面62に、実施例2における押圧部90(
図12参照)のような部分を設ける構成を備えていないが、これに限らず、つぎのような構成にしてもよいものとする。
【0186】
すなわち、特に図示しないが、実施例1における操作部52の上面62に、実施例2における押圧部90(
図12参照)のような部分を設ける構成であってもよいものとする。
【0187】
上記構成を備えることにより、実施例1によれば、実施例2と同様、上記押圧部をプラグ2の挿入方向に押圧しながらプラグ2を抜出することができるため、レセプタクル3からのプラグ2の抜出作業における作業効率を良好にすることができるという効果を奏する。
【0188】
また、上記説明では、実施例1及び実施例2は、第二カバー12を備えているが、実施例3における第二カバー112、変形例1における第二カバー212、変形例2における第二カバー312、又は、変形例3における第二カバー412に置き換えてもよいものとする。
【符号の説明】
【0189】
1,70,80,101…コネクタ、 2,102…プラグ、 3,81,103…レセプタクル、 4…第一導電路(導電路)、 5…ピン、 6…ピンキャップ、 7,107…ピンカバー、 8…ピン本体、 9…第一導電路接続部(導電路接続部)、 10…フランジ部、 11,111…第一カバー(ピン本体カバー)、 12,112,212,312,412…第二カバー(導電路接続部カバー)、 13…嵌合部、 14…連結部、 15…ピン本体配置空間、 16,62,93,162…上面、 17,63…下面、 18…左側面、 19…右側面、 20…誤挿入防止突起、 21…ロック突起、 22…ロック板係合溝部、 23…フランジ部配置空間、 24…雌ネジ部、 25…第一導電路接続部配置空間、 26,28,61,177…外面、 27,127…雄ネジ部、 29…挿入方向指示部、 30,130…ソケット、 31…コンタクト、 32…ソケットキャップ、 33,83,133…ソケットカバー、 34…付勢部材、 35,82,135…嵌合ロック手段、 36,136…ソケット本体、 37,137…第二導電路接続部、 38…ソケットカバー本体、 39,84…取付部、 40…嵌合部挿入口、 41…ロック突起挿入溝部、 42…嵌合空間、 43…付勢部材載置部、 44…嵌合ロック手段スライド部、 45…嵌合ロック手段係止溝部、 46…位置決め表示部、 47,59,214…内面、 48…誤挿入防止溝部、 49…ボルト挿通孔、 50…ボルト、 51,151…アーム部、 52,92,152…操作部、 53…ロック溝部、 54…ロック板、 55,175…嵌合ロック手段係止片、 56…摺動溝部、 57…ロック突起係合溝部、 58…テーパー面、 60,176…係止突起、 85…誤操作防止手段、 86…誤操作防止ロック、 87…誤操作防止ロック溝部、 88…把持部、 89…誤操作防止ロック突起、 90…押圧部、 91…誤操作防止ロック取付部、 94…第一押圧面、 95…第二押圧面、 100…壁部、 113…第一半筒部、 114…第二半筒部、 115…係合枠部(係合部)、 116…第一係合凹部、 117…第二係合凹部、 118…係合ガイド部、 119…係合突起(係合部)、 120…第一係合凸部、 121…第二係合凸部、 170…誤操作防止リング、 171…ガイド部、 172…ガイド溝、 173…当接面、 174…押圧面、 178…ガイド片、 179…誤操作防止部、 180…切り欠き部、 181…引っ掛け部、 182…ガイド突起、 183…ストッパー、 184…一方の端面、 185…他方の端面、 213…接触防止部、 215…導通検査溝(挿通部)、 313,413…ヒンジ