(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】ガス遮断装置
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20220527BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20220527BHJP
G01F 15/063 20220101ALI20220527BHJP
G01F 1/667 20220101ALI20220527BHJP
F16K 17/36 20060101ALI20220527BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20220527BHJP
F23K 5/00 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
G01F3/22 B
G01F3/22 D
G01F1/00 Y
G01F15/063
G01F1/667 Z
F16K17/36 K
F23N5/24 111Z
F23K5/00 304
(21)【出願番号】P 2018216754
(22)【出願日】2018-11-19
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 卓久
(72)【発明者】
【氏名】塩田 和希
(72)【発明者】
【氏名】榎本 光伸
(72)【発明者】
【氏名】岩本 龍志
(72)【発明者】
【氏名】木場 康雄
(72)【発明者】
【氏名】大和久 崇
(72)【発明者】
【氏名】宇野 長武
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 博久
(72)【発明者】
【氏名】土屋 創太
(72)【発明者】
【氏名】田中 恭太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝信
(72)【発明者】
【氏名】久米村 秀明
(72)【発明者】
【氏名】安井 昌広
(72)【発明者】
【氏名】田村 至
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
(72)【発明者】
【氏名】深澤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】山崎 拓也
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第4099881(JP,B2)
【文献】特許第4697236(JP,B2)
【文献】特許第4697237(JP,B2)
【文献】特許第4215009(JP,B2)
【文献】特許第5926595(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス通路内を通過するガス流量を検知すると流量信号を出力する流量検出部と、
前記流量検出部の前記流量信号を受け取ると流量値を算出する流量算出部と、
前記流量算出部の前記流量値が予め保持している所定の値を超えた場合に弁閉栓信号を出力する異常判定部と、
前記異常判定部の前記弁閉栓信号、復帰可否判定部の弁開栓信号、及び強制遮断複数判定部の弁閉栓信号のうち、少なくとも1つの信号を受け取ると弁開閉信号を出力する弁駆動部と、
前記弁駆動部の前記弁開閉信号に基づきガス通路を閉栓または開栓する双方向弁と、
外部より復帰操作を検出すると復帰信号を出力する復帰入力部と、
前記復帰入力部の前記復帰信号を受け付けると強制遮断入力部の強制オンオフ信号を受け取り、前記強制オンオフ信号がオフならば前記弁開栓信号を出力し、前記強制オンオフ信号がオンならば前記弁開栓信号を出力しない前記復帰可否判定部と、
外部より強制操作の有無に基づき前記強制オンオフ信号を出力する前記強制遮断入力部と、
前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号のパターン判定を実施し、所定のパターンを検出したときに前記弁閉栓信号を出力する前記強制遮断複数判定部と、を備え、
前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していると、前記復帰可否判定部から前記弁開栓信号を出力しないことによりガス通路の閉栓状態を保つようにしたことを特徴としたガス遮断装置。
【請求項2】
前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していることを検出し通信等により報知する報知手段を設け、
前記報知手段によって報知された前記強制オンオフ信号がオン状態の場合、外部から通信手段を介して前記復帰入力部に前記復帰信号を出力しないことを設定する請求項1に記載のガス遮断装置
【請求項3】
前記通信手段から通信電文により遠隔制御で復帰する命令を伝える遠隔制御判定手段を設け、
前記遠隔制御判定手段による遠隔復帰の場合も前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していると、前記復帰可否判定部から前記弁開栓信号を出力しない請求項1に記載のガス遮断装置
【請求項4】
前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していることを表示部に表示および報知する請求項1~請求項3に記載のガス遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス遮断装置の強制遮断入力状態を検出することで、強制遮断入力のオンオフ状態を判別し、オン状態が継続しているときには復帰処理を実施しない技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガス遮断装置は、特許文献1に記載するような構成として先行技術文献に記載されている。
【0003】
図3は、特許文献1に記載された従来のガス遮断装置を示すものである。
【0004】
図3に示すように、従来のガス遮断装置は流量検出部1、流量算出部2、異常判定部3、弁駆動部4、双方向弁5、復帰入力部6、復帰判定部7、強制遮断複数判定部8、強制遮断入力部9から構成され、以下にその役割を記載する。
【0005】
流量検出部1は、ガス通路内を通過するガス流量を検知(例えば、ガス遮断装置の計量体積毎に流量パルスを検出したり、計量体積を複数分割した流量パルスを検出し複数分割分の流量パルスを取得すると計量体積分のガス流量が流れたとして算出したり、ガス通路の上流側と下流側に対になるように超音波センサを取り付けガス流量の違いによる伝搬時間の差異から流量を検出しても良い)すると流量信号aを出力する。
【0006】
流量算出部2は、流量検出部1の流量信号aを受け取ると流量値bを算出する。
【0007】
異常判定部3は、流量算出部2の流量値bが予め保持している所定の値(例えば、所定以上の流量が所定の時間以内に流れたり、あるいは所定の時間継続して所定の範囲の流量が流れ続けていた場合等)を超えた場合に弁閉栓信号cを出力する。
【0008】
弁駆動部4は、異常判定部3の弁閉栓信号cや復帰判定部7の弁開栓信号fや強制遮断複数判定部8の弁閉栓信号hを受け取ると弁開閉信号dを出力する。
【0009】
双方向弁5は、弁駆動部4の弁開閉信号dに基づきガス通路を閉栓(弁開閉信号dが閉栓信号の場合)または開栓(弁開閉信号dが開栓信号の場合)する。
【0010】
復帰入力部6は、外部より復帰操作(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)を検出すると復帰信号eを出力する。
【0011】
復帰判定部7は、復帰入力部6の復帰信号eを受け付けると弁開栓信号fを出力する。
【0012】
強制遮断入力部9は外部より強制操作の有無(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)に基づき強制オンオフ信号gを出力する。
【0013】
強制遮断複数判定部8は、強制遮断入力部9の強制オンオフ信号gのパターン判定(例えば、オンとオフとの組み合わせや組み合わせのオンオフ時間等)を実施し、所定のパターンを検出したときに弁閉栓信号hを出力するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前記従来のガス遮断装置では強制遮断装置が2回検出すれば弁が駆動し閉栓するが、その後何らかの要因(例えば、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等)で、強制遮断入力がオン状態で継続したまま、復帰操作により弁を開栓してガスが使用可能となると、オン状態が継続しているためオフ期間を判定することができず、再度の強制遮断が実施できない可能性があった。
【0016】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、復帰操作時に強制遮断入力がオン状態にあった場合は、復帰処理を実施せずガスを閉栓したままとすることで、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等を検出することができるガス遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス通路内を通過するガス流量を検知すると流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号を受け取ると流量値を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量値が予め保持している所定の値を超えた場合に弁閉栓信号を出力する異常判定部と、前記異常判定部の前記弁閉栓信号、復帰可否判定部の弁開栓信号、及び強制遮断複数判定部の弁閉栓信号のうち、少なくとも1つの信号を受け取ると弁開閉信号を出力する弁駆動部と、前記弁駆動部の前記弁開閉信号に基づきガス通路を閉栓または開栓する双方向弁と、外部より復帰操作を検出すると復帰信号を出力する復帰入力部と、前記復帰入力部の前記復帰信号を受け付けると強制遮断入力部の強制オンオフ信号を受け取り、前記強制オンオフ信号がオフならば前記弁開栓信号を出力し、前記強制オンオフ信号がオンならば前記弁開栓信号を出力しない前記復帰可否判定部と、外部より強制操作の有無に基づき前記強制オンオフ信号を出力する前記強制遮断入力部と、前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号のパターン判定を実施し、所定のパターンを検出したときに前記弁閉栓信号を出力する前記強制遮断複数判定部と、を備え、前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していると、前記復帰可否判定部から前記弁開栓信号を出力しないことによりガス通路の閉栓状態を保つようにしたものである。
【0018】
これによれば、強制遮断入力部が(強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等)が受けているときは復帰許可判定部から弁開栓信号Fをしないことでガスユーザの安全性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のガス遮断装置は、従来では弁開栓時に強制遮断入力部の信号状態に係わらずガス通路を開栓したため、強制遮断入力部の判定パターンが再度成立しガス通路を閉栓できなかったものを、強制遮断入力部の信号状態の基づきガス通路の開栓の可否を判定できるようになるため、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態1~4におけるガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
【
図2】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置のフローチャートを示すものである。
【
図3】従来のガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の発明は、ガス通路内を通過するガス流量を検知すると流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号を受け取ると流量値を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量値が予め保持している所定の値を超えた場合に弁閉栓信号を出力する異常判定部と、前記異常判定部の前記弁閉栓信号や復帰可否判定部の弁開栓信号や強制遮断複数判定部の弁閉栓信号を受け取ると弁開閉信号を出力する弁駆動部と、前記弁駆動部の前記弁開閉信号に基づきガス通路を閉栓または開栓する双方向弁と、外部より復帰操作を検出すると復帰信号を出力する復帰入力部と、前記復帰入力部の前記復帰信号を受け付けると強制遮断入力部の強制オンオフ信号を受け取り、前記強制オンオフ信号がオフならば前記弁開栓信号を出力し、前記強制オンオフ信号がオンならば前記弁開栓信号を出力しない前記復帰可否判定部と、外部より強制操作の有無に基づき前記強制オンオフ信号を出力する前記強制遮断入力部と、前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号のパターン判定を実施し、所定のパターンを検出したときに前記弁閉栓信号を出力する前記強制遮断複数判定部とを備えたものである。
【0022】
これによれば、前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していると、前記復帰可否判定部から前記弁開栓信号を出力しないことによりガス通路の閉栓状態を保つようにすることで、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることができる。
【0023】
第2の発明は、第1の発明において、前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していることを検出し通信等により報知する報知手段を設け、前記報知手段によって報知された前記強制オンオフ信号がオン状態の場合、外部から通信手段を介して前記復帰入力部に前記復帰信号を出力しないことを設定する。
【0024】
第3の発明は、第1の発明において、前記通信手段から通信電文により遠隔制御で復帰する命令を伝える遠隔制御判定手段を設け、前記遠隔制御判定手段による遠隔復帰の場合も前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していると、前記復帰可否判定部から前記弁開栓信号を出力しない。
【0025】
第4の発明は、第1~第3の発明のうち、いずれかの発明において、前記強制遮断入力部の前記強制オンオフ信号がオン状態のまま継続していることを表示部に表示および報知する。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
【0028】
図1において、実施の形態1のガス遮断装置は流量検出部11、流量算出部12、異常判定部13、弁駆動部14、双方向弁15、復帰入力部16、復帰可否判定部17、強制遮断複数判定部18、強制遮断入力部19とから構成され、以下にその役割を記載する。
【0029】
なお、ガス遮断装置内には制御基板(図中には記載はない)が内蔵され、制御基板内のマイクロコンピュータ(図中には記載はない)が上記構成の各入出力や各判定を実施している。また、マイクロコンピュータは電池(図中には記載はない)で駆動されている。
【0030】
流量検出部11は、ガス通路内を通過するガス流量を検知(例えば、ガス遮断装置の計量体積毎に流量パルスを検出したり、計量体積を複数分割した流量パルスを検出し複数分割分の流量パルスを取得すると計量体積分のガス流量が流れたとして算出したり、ガス通路の上流側と下流側に対になるように超音波センサを取り付けガス流量の違いによる伝搬時間の差異から流量を検出しても良い)すると流量信号Aを出力する。
【0031】
流量算出部12は、流量検出部11の流量信号Aを受け取ると流量値Bを算出する。
【0032】
異常判定部13は、流量算出部12の流量値Bが予め保持している所定の値(例えば、所定以上の流量が所定の時間以内に流れたり、あるいは所定の時間継続して所定の範囲の流量が流れ続けていた場合等)を超えた場合に弁閉栓信号Cを出力する。
【0033】
弁駆動部14は、異常判定部13の弁閉栓信号Cや復帰可否判定部17の弁開栓信号Fや強制遮断複数判定部18の弁閉栓信号Hを受け取ると弁開閉信号Dを出力する。
【0034】
双方向弁15は、弁駆動部14の弁開閉信号Dに基づきガス通路を閉栓(弁開閉信号Dが閉栓信号の場合)または開栓(弁開閉信号Dが開栓信号の場合)する。
【0035】
復帰入力部16は、外部より復帰操作(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)を検出すると復帰信号Eを出力する。
【0036】
復帰可否判定部17は、復帰入力部16の復帰信号Eを受け付けると強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gを受け取り、強制オンオフ信号Gがオフならば弁開栓信号Fを出力し、強制オンオフ信号Gがオンならば弁開栓信号Fを出力しない。
【0037】
強制遮断入力部19は外部より強制操作の有無(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)に基づき強制オンオフ信号Gを出力する。
【0038】
強制遮断複数判定部18は、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gのパターン判定(例えば、オンとオフとの組み合わせや組み合わせのオンオフ時間等)を実施し、所定のパターンを検出したときに弁閉栓信号Hを出力する。
【0039】
すなわち、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gのオンかオフかを判断し、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等を受けている場合、弁開栓信号Fを出力しないことにより、ガス通路の閉栓状態を保つようにすることで、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることができる。
【0040】
図2は、実施の形態1におけるガス遮断装置のフローチャートを示すものである。
【0041】
今、処理開始から処理終了までのフローは、例えばインターバル時間ごとに周期的に処理されるものとする。
【0042】
流量検出部11および流量算出部12において、処理S1は流量の有無を判定し、流量があれば処理S2へ移行し、流量がなければ処理S3へ移行する。
【0043】
異常判定部13において、処理S2は予め保持している所定の値(例えば、所定以上の流量が所定の時間以内に流れたり、あるいは所定の時間継続して所定の範囲の流量が流れ続けていた場合等)を超えた場合に弁閉栓信号Cを出力し処理S7へ移行し、異常でなければ処理S3へ移行する。なお、
強制遮断入力部19において、処理S3は外部より強制操作の有無(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)に基づき強制オンオフ信号Gを出力し処理S4に移行する。なお既にガス通路が閉栓されている場合は処理S5へ移行する。
【0044】
強制遮断複数判定部18において、処理S4は強制オンオフ信号Gのパターン判定(例えば、オンとオフとの組み合わせや組み合わせのオンオフ時間等)を実施し、所定のパターンを検出したときに弁閉栓信号Hを出力して処理S7へ移行し、パターン判定が成立しなければ処理S5へ移行する。
【0045】
復帰入力部16において、処理S5は部より復帰操作(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)を検出すると復帰信号Eを出力して処理S6へ移行し、復帰操作がなければ処理を終了する。
【0046】
復帰可否判定部17において、処理S6は強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gを
判定し、強制オンオフ信号Gがオフならば弁開栓信号Fを出力し処理S8へ移行し、オンならば処理を終了する。
【0047】
弁駆動部14および双方向弁15において処理S7はガス通路を閉栓して処理を終了する。また処理S8はガス通路を開栓して処理を終了する。
【0048】
(実施の形態2)
図1は、本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
【0049】
図1において、実施の形態2のガス遮断装置は、流量検出部11、流量算出部12、異常判定部13、弁駆動部14、双方向弁15、復帰入力部16、復帰可否判定部17、強制遮断複数判定部18、強制遮断入力部19、報知手段20、通信手段21とから構成され、以下にその役割を記載する。
【0050】
なお、ガス遮断装置内には制御基板(図中には記載はない)が内蔵され、制御基板内のマイクロコンピュータ(図中には記載はない)が上記構成の各入出力や各判定を実施している。また、マイクロコンピュータは電池(図中には記載はない)で駆動されている。
【0051】
流量検出部11は、ガス通路内を通過するガス流量を検知(例えば、ガス遮断装置の計量体積毎に流量パルスを検出したり、計量体積を複数分割した流量パルスを検出し複数分割分の流量パルスを取得すると計量体積分のガス流量が流れたとして算出したり、ガス通路の上流側と下流側に対になるように超音波センサを取り付けガス流量の違いによる伝搬時間の差異から流量を検出しても良い)すると流量信号Aを出力する。
【0052】
流量算出部12は、流量検出部11の流量信号Aを受け取ると流量値Bを算出する。
【0053】
異常判定部13は、流量算出部12の流量値Bが予め保持している所定の値(例えば、所定以上の流量が所定の時間以内に流れたり、あるいは所定の時間継続して所定の範囲の流量が流れ続けていた場合等)を超えた場合に弁閉栓信号Cを出力する。
【0054】
弁駆動部14は、異常判定部13の弁閉栓信号Cや復帰可否判定部17の弁開栓信号Fや強制遮断複数判定部18の弁閉栓信号Hを受け取ると弁開閉信号Dを出力する。
【0055】
双方向弁15は、弁駆動部14の弁開閉信号Dに基づきガス通路を閉栓(弁開閉信号Dが閉栓信号の場合)または開栓(弁開閉信号Dが開栓信号の場合)する。
【0056】
報知手段20は強制オンオフ信号Gを受け取ると通信等により報知信号Iを出力し報知する。
【0057】
通信手段21は報知手段20から報知信号Iを受け取ると外部に報知し、強制オンオフ信号Gがオン状態の場合、外部からの通信を介して開栓禁止信号Jを出力する。
【0058】
復帰入力部16は、通信手段21から開栓禁止信号Jを受け取ると復帰操作の入力禁止設定を行い、復帰操作の入力禁止設定がされていない場合に、外部より復帰操作(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)を検出すると復帰信号Eを出力する。
【0059】
復帰可否判定部17は、復帰入力部16の復帰信号Eを受け付けると強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gを受け取り、強制オンオフ信号Gがオフならば弁開栓信号Fを出力し、強制オンオフ信号Gがオンならば弁開栓信号Fを出力しない。
【0060】
強制遮断入力部19は外部より強制操作の有無(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)に基づき強制オンオフ信号Gを出力する。
【0061】
強制遮断複数判定部18は、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gのパターン判定(例えば、オンとオフとの組み合わせや組み合わせのオンオフ時間等)を実施し、所定のパターンを検出したときに弁閉栓信号Hを出力する。
【0062】
すなわち、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gのオンかオフかを判断し、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等を受けている場合、報知手段20で外部に報知するとともに通信手段21を介して復帰信号そのものを受け取らないように設定し、弁開栓信号Fを出力しないことにより、ガス通路の閉栓状態を保つようにすることで、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることができる。
【0063】
(実施の形態3)
図1は、本発明の実施の形態3におけるガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
【0064】
図1において、実施の形態3のガス遮断装置は、流量検出部11、流量算出部12、異常判定部13、弁駆動部14、双方向弁15、復帰入力部16、復帰可否判定部17、強制遮断複数判定部18、強制遮断入力部19、通信手段21、遠隔制御判定手段22とから構成され、以下にその役割を記載する。
【0065】
なお、ガス遮断装置内には制御基板(図中には記載はない)が内蔵され、制御基板内のマイクロコンピュータ(図中には記載はない)が上記構成の各入出力や各判定を実施している。また、マイクロコンピュータは電池(図中には記載はない)で駆動されている。
【0066】
流量検出部11は、ガス通路内を通過するガス流量を検知(例えば、ガス遮断装置の計量体積毎に流量パルスを検出したり、計量体積を複数分割した流量パルスを検出し複数分割分の流量パルスを取得すると計量体積分のガス流量が流れたとして算出したり、ガス通路の上流側と下流側に対になるように超音波センサを取り付けガス流量の違いによる伝搬時間の差異から流量を検出しても良い)すると流量信号Aを出力する。
【0067】
流量算出部12は、流量検出部11の流量信号Aを受け取ると流量値Bを算出する。
【0068】
異常判定部13は、流量算出部12の流量値Bが予め保持している所定の値(例えば、所定以上の流量が所定の時間以内に流れたり、あるいは所定の時間継続して所定の範囲の流量が流れ続けていた場合等)を超えた場合に弁閉栓信号Cを出力する。
【0069】
弁駆動部14は、異常判定部13の弁閉栓信号Cや復帰可否判定部17の弁開栓信号Fや強制遮断複数判定部18の弁閉栓信号Hを受け取ると弁開閉信号Dを出力する。
【0070】
双方向弁15は、弁駆動部14の弁開閉信号Dに基づきガス通路を閉栓(弁開閉信号Dが閉栓信号の場合)または開栓(弁開閉信号Dが開栓信号の場合)する。
【0071】
復帰入力部16は、外部より復帰操作(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)を検出すると復帰信号Eを出力する。
【0072】
遠隔制御判定手段22は通信手段21の通信電文により遠隔制御で復帰する命令により復帰信号Eを出力する。
復帰可否判定部17は、復帰入力部16または遠隔制御判定手段の復帰信号Eを受け付けると強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gを受け取り、強制オンオフ信号Gがオフならば弁開栓信号Fを出力し、強制オンオフ信号Gがオンならば弁開栓信号Fを出力しない。
【0073】
強制遮断入力部19は外部より強制操作の有無(例えば、プッシュスイッチやタクトスイッチあるいは非接触スイッチ)に基づき強制オンオフ信号Gを出力する。
強制遮断複数判定部18は、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gのパターン判定(例えば、オンとオフとの組み合わせや組み合わせのオンオフ時間等)を実施し、所定のパターンを検出したときに弁閉栓信号Hを出力する。
【0074】
すなわち、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gのオンかオフかを判断し、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等を受けている場合、遠隔制御通信においても弁開栓信号Fを出力しないことにより、ガス通路の閉栓状態を保つようにすることで、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることができる。
【0075】
(実施の形態4)
図1は、本発明の実施の形態4におけるガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
【0076】
図1において、実施の形態4のガス遮断装置は流量検出部11、流量算出部12、異常判定部13、弁駆動部14、双方向弁15、復帰入力部16、復帰可否判定部17、強制遮断複数判定部18、強制遮断入力部19、報知手段20、通信手段21、遠隔制御判定手段22、表示部23とから構成され、以下にその役割を記載する。
【0077】
実施形態4において、表示部23は、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gに基づき表示(LCDやLED等の表示可能な装置)を行う。
【0078】
すなわち、強制遮断入力部19の強制オンオフ信号Gの出力を作業者の目で確認できることで、作業者のメータ交換等の作業性を向上させる。
【0079】
実施形態1において、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等を受けていた場合、弁開栓信号Fを出力しないことにより、ガス通路の閉栓状態を保つようにすることで、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることができる。
【0080】
実施形態2において、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等を受けていた場合、復帰信号そのものを受け取らないように設定することで、弁開栓信号Fを出力しないこととなり、ガス通路の閉栓状態を保つようにすることで、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることができる。
【0081】
実施形態3において、強制遮断入力が、オン故障状態となったり、いたずら状態が継続していた場合や、外部よりいたずら操作相当の影響等を受けていた場合、遠隔制御通信においても弁開栓信号Fを出力しないことにより、ガス通路の閉栓状態を保つようにすることで、強制遮断機能を損なうことがなくなりガスユーザの安全性を向上させることができる。
【0082】
実施形態4において、強制オンオフ信号Gの出力を作業者の目で確認できることで、作業者のメータ交換等の作業性を向上させる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明にかかるガス器具判別装置は、入力部の故障やいたずらを検出することができることから、電気メータや水道メータにおいても同様に適用できる。
【符号の説明】
【0084】
11 流量検出部
12 流量算出部
13 異常判定部
14 弁駆動部
15 双方向弁
16 復帰入力部
17 復帰可否判定部
18 強制遮断複数判定部
19 強制遮断入力部
20 報知手段
21 通信手段
22 遠隔制御判定手段
23 表示部