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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】2つ以上のスレーブとの通信
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20220527BHJP
   G06F 13/14 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
G06F13/38 340Z
G06F13/38 340D
G06F13/14 320A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018544879
(86)(22)【出願日】2016-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2016074627
(87)【国際公開番号】W WO2017143578
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2018-10-19
【審判番号】
【審判請求日】2020-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン, リー
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ジンシェン
【合議体】
【審判長】田中 秀人
【審判官】山崎 慎一
【審判官】篠原 功一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/104535(WO,A1)
【文献】特開2013-37477(JP,A)
【文献】特開2009-105731(JP,A)
【文献】特開2008-118630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/38
G06F13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上のスレーブと通信する方法であって、
インターフェースを用いてコマンドパケットを受信することであって、前記コマンドパケットは、マスタ-スレーブバスを介してマスタによって送信される、受信することと、
前記コマンドパケットのスレーブアドレスを、前記インターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブのうちの1つに関連付けることと、を含み、
前記スレーブアドレスを前記インターフェースに通信可能に結合された前記2つ以上のスレーブのうちの前記1つと関連付けることは、前記スレーブアドレスを前記インターフェースのメモリに格納された2つ以上のアレイのうちの1つと関連付けることを含み、
前記2つ以上のアレイの各々は、前記2つ以上のスレーブの各々と関連付けられている、方法。
【請求項2】
前記インターフェースを用いて前記コマンドパケットを受信することは、
前記マスタ-スレーブバスに通信可能に結合されたポートを用いて前記コマンドパケットを受信することと、
前記スレーブアドレスが前記2つ以上のスレーブのうちの少なくとも1つに対応するか否かを判定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スレーブアドレスを前記インターフェースに通信可能に結合された前記2つ以上のスレーブのうちの前記1つと関連付けることは、
前記コマンドパケットからの前記スレーブアドレスを解析することと、
前記解析されたスレーブアドレスを2つ以上のアドレスグループと比較することとを含み、
前記2つ以上のアドレスグループの各々は、前記2つ以上のスレーブの各々と関連付けられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コマンドパケット内の前記スレーブアドレスと関連付けられる前記2つ以上のスレーブのうちの1つから得られるデータを有する応答パケットを送信することによって前記コマンドパケットに応答することをさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コマンドパケット内の前記スレーブアドレスと関連付けられる前記2つ以上のスレーブのうちの1つから得られるデータを有する応答パケットを送信することによって前記コマンドパケットに応答することをさらに含み、
前記応答パケットは、前記マスタ-スレーブバスに通信可能に結合された前記ポートを介して送信される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース(100)であって、
2つ以上のスレーブ(10a、10b)に通信可能に結合するように構成されたプロセッサ(110)と、
前記プロセッサ(110)に通信可能に結合されている通信ポート(140)であって、前記通信ポート(140)は、マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合するように構成されている、通信ポート(140)と、を備え、
前記プロセッサ(110)は、
前記マスタ-スレーブバス(50)を介してマスタ(40)からコマンドパケット(500a、500b)を受信し、
前記コマンドパケット(500a、500b)のスレーブアドレス(502a、502b)を前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つに関連付けるように構成されており、
前記プロセッサ(110)が、前記スレーブアドレス(502a、502b)を前記インターフェース(100)に通信可能に結合された前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの前記1つに関連付けるように構成されていることは、前記プロセッサ(110)が、前記スレーブアドレス(502a、502b)を前記インターフェース(100)のメモリに格納された2つ以上のアレイ(104a、104b)のうちの1つと関連付けるように構成されていることを含み、
前記2つ以上のアレイ(104a、104b)の各々は、前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられている、インターフェース(100)。
【請求項7】
前記コマンドパケット(500a、500b)を受信するように構成されている前記プロセッサ(110)は、前記マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合された前記通信ポート(140)を用いて前記コマンドパケット(500a、500b)を受信し、前記スレーブアドレス(502a、502b)が前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの少なくとも1つに対応するか否かを決定するように構成されている前記プロセッサ(110)を含む、請求項に記載のインターフェース(100)。
【請求項8】
前記スレーブアドレス(502a、502b)を前記インターフェース(100)に通信可能に結合された前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの前記1つに関連付けるように構成されている前記プロセッサ(110)は、
前記コマンドパケット(500a、500b)からの前記スレーブアドレス(502a、502b)を解析し、前記解析されたスレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)と比較するように構成されている前記プロセッサ(110)を含み、
前記2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)の各々は、前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられる、請求項6または7に記載のインターフェース(100)。
【請求項9】
ロセッサ(110)は、前記コマンドパケット(500a、500b)内の前記スレーブアドレス(502a、502b)と関連付けられる前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの前記1つから得られるデータを有する応答パケットを送信することによって前記コマンドパケット(500a、500b)に応答するようにさらに構成されている、請求項6~8のいずれか一項に記載のインターフェース(100)。
【請求項10】
前記応答パケットは、前記マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合された前記通信ポート(140)を介して送信される、請求項に記載のインターフェース(100)。
【請求項11】
2つ以上のスレーブと通信するためのシステム(5)であって、前記システム(5)は、
マスタ-スレーブバス(50)を介してマスタ(40)に通信可能に結合されているインターフェース(100)と、
前記インターフェース(100)に通信可能に結合されている2つ以上のスレーブ(10a、10b)と、を備え、
前記インターフェース(100)は、
前記マスタ-スレーブバス(50)を介して前記マスタ(40)からコマンドパケット(500a、500b)を受信し、
前記コマンドパケット(500a、500b)のスレーブアドレス(502a、502b)を前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つに関連付けるように構成されており、

前記インターフェース(100)が、前記スレーブアドレス(502a、502b)を前記インターフェース(100)に通信可能に結合された前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの前記1つに関連付けるように構成されていることは、前記インターフェース(100)が、前記スレーブアドレス(502a、502b)を前記インターフェース(100)のメモリに格納された2つ以上のアレイ(104a、104b)のうちの1つと関連付けるように構成されていることを含み、
前記2つ以上のアレイ(104a、104b)の各々は、前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられている、システム(5)。
【請求項12】
前記コマンドパケット(500a、500b)を受信するように構成されている前記インターフェース(100)は、前記マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合された通信ポート(140)を用いて前記コマンドパケット(500a、500b)を受信し、前記スレーブアドレス(502a、502b)が前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの少なくとも1つに対応するか否かを決定するように構成されている前記インターフェース(100)を含む、請求項11に記載のシステム(5)。
【請求項13】
前記スレーブアドレス(502a、502b)を前記インターフェース(100)に通信可能に結合された前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの前記1つに関連付けるように構成されている前記インターフェース(100)は、前記コマンドパケット(500a、500b)からの前記スレーブアドレス(502a、502b)を解析し、前記解析されたスレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)と比較するように構成されている前記インターフェース(100)を含み、前記2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)の各々は、前記2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられる、請求項11または12に記載のシステム(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明される実施形態は、振動センサに関し、より詳細には、2つ以上のスレーブと通信する振動センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、振動濃度計およびコリオリ流量計のような振動センサは、一般に知られており、質量流量および流量計内の導管を流れる材料に関する他の情報を測定するために使用される。例示的なコリオリ流量計は、米国特許第4,109,524号、米国特許第4,491,025号、および再発行特許第31,450号に開示されている。これらの流量計は、直線構成または湾曲構成の1つまたは複数の導管を有する計器アセンブリを有する。例えば、コリオリ質量流量計の各導管構成は、単純な屈曲、ねじり、または結合タイプであってもよい固有振動モードのセットを有する。各導管は好ましいモードで振動するように駆動することができる。流量計を通る流れがないとき、導管(複数可)に加えられる駆動力は、導管(複数可)に沿ったすべての点を同位相で、または流れがない状態で測定される時間遅延である小さな「ゼロオフセット」で振動させる。
【0003】
材料が導管(複数可)を通って流れ始めると、コリオリの力により、導管(複数可)に沿った各点が異なる位相を有するようになる。例えば、流量計の入口端の位相は、中央の駆動機構位置の位相より遅れ、一方で、出口の位相は、中央の駆動機構位置の位相より先行する。導管(複数可)上のピックオフが、導管(複数可)の動きを表す正弦波信号を生成する。ピックオフからの信号出力が、ピックオフ間の時間遅延を決定するために処理される。2つ以上のピックオフ間の時間遅延は、導管(複数可)を流れる物質の質量流量に比例する。
【0004】
駆動機構に接続された計器電子回路が、駆動機構を動作させるための駆動信号を生成するとともに、ピックオフから受け取った信号からプロセス材料の質量流量および/または他の特性を決定する。駆動機構は、多くの周知の構成の1つを含むことができる。しかしながら、磁石および対向する駆動コイルが、流量計業界において大きな成功を収めている。所望の導管振幅および周波数で導管(複数可)を振動させるために、交流電流が駆動コイルに送られる。ピックオフを、駆動機構構成に非常に類似したマグネットおよびコイル構成として提供することも、当技術分野では知られている。
【0005】
多くのシステムは、様々な設計制約のために、2つ以上の計器アセンブリを利用する。例えば、液化天然ガス(LNG)をLNG車両に分配するのに使用される計器アセンブリは、LNG貯蔵タンクからLNG車両に圧送される燃料を測定するために第1の計器アセンブリを利用することができる。第2の計器アセンブリが、LNGタンクに戻される燃料を測定するために使用され得る。LNGタンクに戻される燃料は、異なる流量、温度、状態などを有する場合がある。ホストは、ホストがマスタであり、第1の計器アセンブリおよび第2の計器アセンブリがスレーブであるマスタ-スレーブバスを介して、第1の計器アセンブリおよび第2の計器アセンブリから情報を得ることができる。したがって、2つ以上のスレーブと通信する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
2つ以上のスレーブと通信する方法が提供される。一実施形態によれば、この方法は、インターフェースを用いてコマンドパケットを受信することであって、コマンドパケットは、マスタ-スレーブバスを介してマスタによって送信される、受信することと、コマンドパケットのスレーブアドレスを、インターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブのうちの1つに関連付けることとを含む。
【0007】
2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェースが提供される。一実施形態によれば、インターフェースは、2つ以上のスレーブに通信可能に結合するように構成されたプロセッサと、プロセッサに通信可能に結合された通信ポートとを含む。通信ポートは、マスタ-スレーブバスに通信可能に結合するように構成される。プロセッサは、マスタ-スレーブバスを介してマスタからコマンドパケットを受信し、コマンドパケットのスレーブアドレスを2つ以上のスレーブのうちの1つに関連付けるように構成される。
2つ以上のスレーブと通信するためのシステムが提供される。一実施形態によれば、システムは、マスタ-スレーブバスを介してマスタに通信可能に結合されたインターフェースと、インターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブとを備える。インターフェースは、マスタ-スレーブバスを介してマスタからコマンドパケットを受信し、コマンドパケットのスレーブアドレスを2つ以上のスレーブのうちの1つに関連付けるように構成される。
態様
一態様によれば、2つ以上のスレーブと通信する方法は、インターフェースを用いてコマンドパケットを受信することであって、コマンドパケットは、マスタ-スレーブバスを介してマスタによって送信される、受信することと、コマンドパケットのスレーブアドレスを、インターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブのうちの1つに関連付けることとを含む。
【0008】
好ましくは、インターフェースを用いてコマンドパケットを受信することは、マスタ-スレーブバスに通信可能に結合されたポートを用いてコマンドパケットを受信することと、スレーブアドレスが2つ以上のスレーブのうちの少なくとも1つに対応するか否かを判定することとを含む。
【0009】
好ましくは、スレーブアドレスをインターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブのうちの1つと関連付けることは、スレーブアドレスを2つ以上のアレイのうちの1つと関連付けることを含み、2つ以上のアレイの各々は、2つ以上のスレーブの各々と関連付けられる。
【0010】
好ましくは、スレーブアドレスをインターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブのうちの1つと関連付けることは、コマンドパケットからのスレーブアドレスを解析することと、解析されたスレーブアドレスを2つ以上のアドレスグループと比較することとを含み、2つ以上のアドレスグループの各々は、2つ以上のスレーブの各々と関連付けられる。
【0011】
好ましくは、この方法は、コマンドパケット内のスレーブアドレスと関連付けられる2つ以上のスレーブのうちの1つから得られるデータを有する応答パケットを送信することによってコマンドパケットに応答することをさらに含む。
【0012】
好ましくは、応答パケットは、マスタ-スレーブバスに通信可能に結合されたポートを介して送信される。
【0013】
一態様によれば、2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース(100)は、2つ以上のスレーブ(10a、10b)に通信可能に結合するように構成されたプロセッサ(110)と、プロセッサ(110)に通信可能に結合された通信ポート(140)とを備え、通信ポート(140)は、マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合するように構成されている。プロセッサ(110)は、マスタ-スレーブバス(50)を介してマスタ(40)からコマンドパケット(500a、500b)を受信し、コマンドパケット(500a、500b)のスレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つと関連付けるように構成される。
【0014】
好ましくは、コマンドパケット(500a、500b)を受信するように構成されているプロセッサ(110)は、マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合された通信ポート(140)を用いてコマンドパケット(500a、500b)を受信し、スレーブアドレス(502a、502b)が2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの少なくとも1つに対応するか否かを決定するように構成されているプロセッサ(110)を含む。
【0015】
好ましくは、スレーブアドレス(502a、502b)をインターフェース(100)に通信可能に結合された2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つに関連付けるように構成されているプロセッサ(110)は、スレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のアレイ(104a、104b)のうちの1つと関連付けるように構成されているプロセッサ(110)を含み、2つ以上のアレイ(104a、104b)の各々は、2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられる。
【0016】
好ましくは、スレーブアドレス(502a、502b)をインターフェース(100)に通信可能に結合された2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つに関連付けるように構成されているプロセッサ(110)は、コマンドパケット(500a、500b)からのスレーブアドレス(502a、502b)を解析し、解析されたスレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)と比較するように構成されているプロセッサ(110)を含み、2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)の各々は、2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられる。
【0017】
好ましくは、プロセッサ(110)は、コマンドパケット(500a、500b)内のスレーブアドレス(502a、502b)と関連付けられる2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つから得られるデータを有する応答パケットを送信することによってコマンドパケット(500a、500b)に応答するようにさらに構成されている。
【0018】
好ましくは、応答パケットは、マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合された通信ポート(140)を介して送信される。
【0019】
一態様によれば、2つ以上のスレーブと通信するためのシステム(5)は、マスタ-スレーブバス(50)を介してマスタ(40)に通信可能に結合されたインターフェース(100)と、インターフェース(100)に通信可能に結合された2つ以上のスレーブ(10a、10b)とを備える。インターフェース(100)は、マスタ-スレーブバス(50)を介してマスタ(40)からコマンドパケット(500a、500b)を受信し、コマンドパケット(500a、500b)のスレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つと関連付けるように構成される。
【0020】
好ましくは、コマンドパケット(500a、500b)を受信するように構成されているインターフェース(100)は、マスタ-スレーブバス(50)に通信可能に結合された通信ポート(140)を用いてコマンドパケット(500a、500b)を受信し、スレーブアドレス(502a、502b)が2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの少なくとも1つに対応するか否かを決定するように構成されているインターフェース(100)を含む。
【0021】
好ましくは、スレーブアドレス(502a、502b)をインターフェース(100)に通信可能に結合された2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つに関連付けるように構成されているインターフェース(100)は、スレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のアレイ(104a、104b)のうちの1つのアレイと関連付けるように構成されているインターフェース(100)を含み、2つ以上のアレイ(104a、104b)の各々は、2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられる。
【0022】
好ましくは、スレーブアドレス(502a、502b)をインターフェース(100)に通信可能に結合された2つ以上のスレーブ(10a、10b)のうちの1つに関連付けるように構成されているインターフェース(100)は、コマンドパケット(500a、500b)からのスレーブアドレス(502a、502b)を解析し、解析されたスレーブアドレス(502a、502b)を2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)と比較するように構成されているインターフェース(100)を含み、2つ以上のアドレスグループ(102a、102b)の各々は、2つ以上のスレーブ(10a、10b)の各々と関連付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
同じ参照番号は、すべての図面上で同じ要素を表す。図面は必ずしも原寸に比例しないことを理解されたい。
図1】2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース100を含むシステム5を示す図である。
図2】2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース100を含むシステム5を示す図である。
図3】インターフェース100のブロック図である。
図4】2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース100の別の図である。
図5】2つ以上のスレーブと通信するために使用される2つ以上のコマンドパケット500を示す図である。
図6】2つ以上のスレーブと通信するために使用される2つ以上のパケットプロセス600を示す図である。
図7】2つ以上のスレーブと通信するための方法700を示す図である。
図8】2つ以上のスレーブと通信するための別の方法800を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図8および以下の説明は、当業者に2つ以上のスレーブとの通信の実施形態の最良の形態を作成および使用する方法を教示するための特定の例を示している。本発明の原理を教示するために、いくつかの従来の態様は簡略化または省略されている。当業者であれば、本明細書の範囲内に入るこれらの例からの変形形態を理解するであろう。当業者であれば、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせて2つ以上のスレーブとの通信の複数の変形形態を形成することができることを理解するであろう。その結果、下記に説明する実施形態は、以下に説明する具体例に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【0025】
インターフェースは、2つ以上のスレーブと通信することができる。インターフェースは、2つ以上のスレーブに通信可能に結合されたプロセッサと、マスタ-スレーブバスに通信可能に結合するように構成された通信ポートとから構成することができる。プロセッサは、マスタ-スレーブバスを介してマスタからコマンドパケットを受信し、コマンドパケットのスレーブアドレスを2つ以上のスレーブのうちの1つに関連付けるように構成することができる。したがって、マスタは、単一のインターフェースを介して2つ以上のスレーブアドレスの各々と通信することができる。
システム
図1は、2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース100を含むシステム5を示す。システム5は、二重振動センサシステムであってもよい。したがって、図1に示すように、システム5は、それぞれコリオリ流量計などの第1の振動センサおよび第2の振動センサであってもよい第1のサブシステム5aおよび第2のサブシステム5bを含む。第1のサブシステム5aおよび第2のサブシステム5bは、それぞれインターフェース100と第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bとから構成されている。以下に説明するように、インターフェース100は、計器電子回路であってもよく、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bは、計器アセンブリ内の流体の特性を測定するように構成された計器アセンブリであってもよい。
【0026】
インターフェース100は、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介して第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bに通信可能に結合されている。第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bは、インターフェース100上の第1の通信ポート27aおよび第2の通信ポート27bに結合(例えば、取り付け、固定など)される。第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bはまた、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10b上の第1の通信ポート7aおよび第2の通信ポート7bを介して、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bに結合される。インターフェース100は、経路26を介して情報をマスタに提供するように構成されている。第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bは、流管を取り囲むケースとともに示されている。インターフェース100ならびに第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bについては、図2および図3を参照して以下により詳細に説明する。
【0027】
さらに図1を参照すると、振動センサとしての第1のサブシステム5aおよび第2のサブシステム5bは、例えば、供給ラインSLと戻りラインRLとの間の流量および/または総流量の差を計算するために使用することができる。より具体的には、システム5は、流体が液体状態においてタンクから供給され、その後、気体状態でタンクに戻される低温応用形態で利用されてもよい。1つの例示的な低温応用形態では、第1のスレーブ10aは、LNGをLNGディスペンサLDに供給する供給ラインSLの一部であってもよく、第2のスレーブ10bは、LNGディスペンサLDからの戻りラインRLの一部であってもよい。第2のスレーブ10bを通る総流量を、第1のスレーブ10aを通る総流量から減算して、LNG車両に供給されるLNGの総量を決定することができる。供給ラインSLおよび戻りラインRLを有するこの例示的な応用形態は、システム5が他の応用形態で使用されてもよいことを示すために点線で示されている。これも理解されるように、説明されている実施形態および他の実施形態では、計算はインターフェース100によって実行されることができ、これについては以下により詳細に説明する。
【0028】
図2は、2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース100を含むシステム5を示す。図2に示すように、システム5は、図1を参照して上述した第1のサブシステム5aおよび第2のサブシステム5bを含む。インターフェース100ならびに第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bの事例は、明瞭化のために示されていない。インターフェース100は、経路26を介して密度、質量流量および温度情報ならびに他の情報を提供する、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介して第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bに接続される。コリオリ流量計構造が示されているが、本発明は、アクチュエータまたはトランスデューサを含む任意のシステムで実施できることは、当業者には明らかである。振動導管濃度計、音叉型濃度計などのような代替的な振動構造を利用してもよい。
【0029】
図示されるように、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bは、第1の平行な導管の対13a、13a’および第2の対の平行な導管の対13b、13b’、駆動機構18a、18b、温度センサ19a、19b、ならびに左右のピックオフセンサの対17al,17arおよび17bl,17brを含む計器アセンブリである。導管の対13a、13a’および13b、13b’の各々は、導管13a、13a’および13b、13b’の長さに沿った2つの対称位置で屈曲し、それらの長さ全体にわたって本質的に平行である。導管13a,13a’および13b、13b’は、それぞれの曲げ軸の周りで反対方向に、かつ流量計の第1の位相外曲げモードと呼ばれるモードにおいて駆動機構18a、18bによって駆動される。駆動機構18a、18bは、導管13a’、13b’に取り付けられたマグネット、ならびに導管13a、13bに取り付けられており、両導管13a、13a’および13b、13b’を振動させるために交流電流が流れる対向するコイルのような多くの構成のいずれか1つを含むことができる。適切な駆動信号が、インターフェース100によって駆動機構18a、18bに印加される。
【0030】
第1のサブシステム5aおよび第2のサブシステム5bは、最初に較正され得、ゼロオフセットΔTと共に流量較正係数FCFが生成され得る。使用時には、流量較正係数FCFに、ピックオフによって測定される時間遅延ΔTからゼロオフセットΔTを引いた値を乗算して、質量流量
【0031】
【数1】
【0032】
を生成することができる。流量較正係数FCFおよびゼロオフセットΔTを利用する質量流量式の例は、式(1)によって表される。
【0033】
【数2】
【0034】
式中、
【0035】
【数3】
【0036】
FCF=流量較正係数
ΔTmeasured=測定される時間遅延
ΔT=初期ゼロオフセット

温度センサ19a、19bは導管13a’、13b’に取り付けられて、導管13a’、13b’の温度を連続的に測定する。導管13a’、13b’の温度、したがって所与の電流に対して温度センサ19a、19bに見られる電圧は、導管13a’、13b’を通過する材料の温度によって決まる。温度センサ19a、19bにわたって見られる温度依存電圧は、インターフェース100によって、導管温度の任意の変化に起因する導管13a’および13b’の弾性率の変化を補償するために使用することができる。図示の実施形態では、温度センサ19a、19bは抵抗温度検出器(RTD)である。本明細書で説明される実施形態はRTDセンサを使用するが、他の実施形態では、サーミスタ、熱電対などの他の温度センサが利用されてもよい。
【0037】
インターフェース100は、第1の左右のピックオフセンサ17al,17arおよび第2の左右のピックオフセンサ17bl、17brからの左右のセンサ信号、ならびに、第1の温度センサ19aおよび第2の温度センサ19bからの温度信号を、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介して受信する。インターフェース100は、駆動機構18a、18bに駆動信号を供給し、第1の導管の対13a、13a’および第2の導管の対13b、13b’を振動させる。インターフェース100は、左右のセンサ信号および温度信号を処理して、第1のスレーブ10aおよび/または第2のスレーブ10bを通過する材料の質量流量および密度を計算する。この情報は、他の情報とともに、信号として経路26を介してインターフェース100によって印加される。
【0038】
理解されるように、図1および図2に示すシステム5は2つのスレーブ10a、10bのみを含むが、システム5は3つ以上のスレーブを含むシステムにおいて利用することができる。例えば、3つ以上のスレーブと通信するようにインターフェースを構成することができる。このような構成では、システム5は、インターフェースの一部分、および、3つ以上のスレーブのうちの2つであってもよい。
インターフェース
図3は、インターフェース100のブロック図を示す。図3に示すように、インターフェース100は、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bに通信可能に結合されている。第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bは、図1を参照して説明したように、第1の左右のピックオフセンサ17al,17arおよび第2の左右のピックオフセンサ17bl,17brと、駆動機構18a、18bと、温度センサ19a、19bとを含み、これらは、第1の通信チャネル112aおよび第2の通信チャネル112bならびに第1の入出力ポート160aおよび第2の入出力ポート160bを通じて、第1のリード線セット11aおよび第2のリード線セット11bを介してインターフェース100に通信可能に結合されている。
【0039】
インターフェース100は、リード11a、11bを介して第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bを供給する。より具体的には、インターフェース100は、第1のスレーブ10a内の第1の駆動機構18aに第1の駆動信号14aを供給する。インターフェース100はまた、第2の駆動信号14bを第2のスレーブ10b内の第2の駆動機構18bに供給するように構成されている。さらに、第1のセンサ信号12aおよび第2のセンサ信号12bが、それぞれ第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bによって提供される。より具体的には、図示の実施形態では、第1のセンサ信号12aは、第1のスレーブ10a内の第1の左右のピックオフセンサ17al,17arによって提供される。第2のセンサ信号12bは、第2のスレーブ10b内の第2の左右のピックオフセンサ17bl,17brによって提供される。理解されるように、第1のセンサ信号12aおよび第2のセンサ信号12bは、それぞれ第1の通信チャネル112aおよび第2の通信チャネル112bを通じてインターフェース100に提供される。
【0040】
インターフェース100は、1つまたは複数の信号プロセッサ120および1つまたは複数のメモリ130に通信可能に結合されたプロセッサ110を含む。プロセッサ110はまた、ユーザインターフェース30に通信可能に結合される。プロセッサ110は、経路26にわたって通信ポート140を介してマスタと通信可能に結合され、電力ポート150を介して電力を受け取る。プロセッサ110はマイクロプロセッサであってもよいが、任意の適切なプロセッサが利用されてもよい。図示されているように、プロセッサ110はプロセッサメモリ110mを含むが、任意の適切な構成が代替の実施形態において利用されてもよい。例えば、プロセッサ110は、マルチコアプロセッサ、シリアル通信ポート、周辺インターフェース(例えば、シリアル周辺インターフェース)、オンチップメモリ、I/Oポートなどのような、サブプロセッサから構成されてもよい。これらのおよび他の実施形態では、プロセッサ110は、デジタル化信号などの受信および処理された信号に対する演算を実行するように構成される。
【0041】
プロセッサ110は、1つまたは複数の信号プロセッサ120からデジタル化センサ信号を受信することができる。プロセッサ110はまた、位相差、第1のスレーブ10aまたは第2のスレーブ10b内の流体の特性などの情報を提供するように構成されている。プロセッサ110は、通信ポート140を通じてマスタに情報を提供することができる。プロセッサ110はまた、1つまたは複数のメモリ130と通信して、情報を受信し、および/または、1つまたは複数のメモリ130内に格納するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ110は、1つまたは複数のメモリ130から較正係数および/または計器アセンブリゼロ(例えば、流れがないときの位相差)を受信することができる。較正係数および/または計器アセンブリゼロの各々は、それぞれ第1のサブシステム5aおよび第2のサブシステム5bならびに/または第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bと関連付けることができる。プロセッサ110は、較正係数を使用して、1つまたは複数の信号プロセッサ120から受信したデジタル化センサ信号を処理することができる。
【0042】
1つまたは複数の信号プロセッサ120は、第1のエンコーダ/デコーダ(CODEC)122および第2のCODEC124ならびにアナログ-デジタルコンバータ(ADC)126から構成されるものとして示されている。1つまたは複数の信号プロセッサ120は、アナログ信号を調整し、調整されたアナログ信号をデジタル化し、および/またはデジタル化信号を提供することができる。第1のCODEC122および第2のCODEC124は、第1の左右のピックオフセンサ17al,17arおよび第2の左右のピックオフセンサ17bl、17brから左右のセンサ信号を受信するように構成されている。第1のCODEC122および第2のCODEC124は、第1の駆動機構18aおよび第2の駆動機構18bに第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bを供給するようにも構成される。代替的な実施形態では、より多くのまたはより少ない信号プロセッサが利用されてもよい。例えば、第1のセンサ信号12aおよび第2のセンサ信号12bならびに第1の駆動信号14aおよび第2の駆動信号14bに対して単一のコーデックが利用されてもよい。
【0043】
図示の実施形態では、1つまたは複数のメモリ130は、読み出し専用メモリ(ROM)132、ランダムアクセスメモリ(RAM)134、および強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))136から構成される。しかし、代替の実施形態では、1つまたは複数のメモリ130は、より多くのまたはより少ないメモリから構成されてもよい。付加的または代替的に、1つまたは複数のメモリ130は、異なるタイプのメモリ(例えば、揮発性、不揮発性など)から構成されてもよい。例えば、FRAM(登録商標)136の代わりに、例えば、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などのような異なる種類の不揮発性メモリが利用されてもよい。
【0044】
したがって、インターフェース100は、第1のセンサ信号12aおよび第2のセンサ信号12bをアナログ信号からデジタル信号に変換するように構成することができる。インターフェース100はまた、デジタル化センサ信号を処理して、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10b内の流体の特性を決定するように構成することもできる。例えば、一実施形態では、インターフェース100は、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10b内の第1の左右のピックオフセンサ17al,17arおよび第2の左右のピックオフセンサ17bl、17brの間の第1の位相差および第2の位相差をそれぞれ決定することができる。
【0045】
第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bから得られたデータは、インターフェース100を通じてマスタ-スレーブバス50を介してマスタ40に供給することができる。したがって、以下でより詳細に説明するように、単一のインターフェース100が使用される場合であっても、マスタ40は第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bの各々と通信することができる。
【0046】
図4は、2つ以上のスレーブと通信するためのインターフェース100の別の図を示す。図4に示すように、インターフェース100は、図1図3を参照して上述した経路26を含むことができるマスタ-スレーブバス50を介してマスタ40に通信可能に結合される。図4に示すように、インターフェース100は、2つ以上のアドレスグループおよびアレイをそれぞれ含むデータリンク層102およびデータベース104を含む。また、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bも示されている。データリンク層102は、第1のアドレスグループ102aと、第2のアドレスグループ102bとを含む。データベース104は、第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bを含む。第1のアドレスグループ102aおよび第2のアドレスグループ102bは、それぞれ第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bに通信可能に結合されている。
【0047】
データリンク層102は、マスタとスレーブとの間の通信のためのシリアル通信プロトコルであってもよい。サーバ-クライアントの用語では、マスタは代わりにクライアントと呼ばれる場合もあり、スレーブはサーバと呼ばれる場合もある。図示の実施形態では、マスタ40は、データリンク層102を使用して、マスタ-スレーブバス50を介して第1のスレーブ10aまたは第2のスレーブ10bにコマンド/要求を送信する。データリンク層102は、コマンド/要求内のスレーブアドレスが、第1のアドレスグループ102aおよび第2のアドレスグループ102bのうちの1つと一致するか否かを判定することができる。スレーブアドレスが第1のアドレスグループ102aおよび第2のアドレスグループ102bの1つと一致する場合、コマンド/要求は、対応する第1のアレイ104aまたは第2のアレイ104bと通信可能に結合することができる。これは、図5を参照して以下においてより詳細に説明される。
マスタ-スレーブバス
さらに図4に示す実施形態を参照すると、マスタ40は、マスタ-スレーブバス50を介してすべての通信を開始する。すなわち、マスタ-スレーブバス上のスレーブは、例えば割り込み要求を用いて通信を開始しない。マスタがマスタ-スレーブバス上のスレーブにコマンドパケットを送信すると、通信が開始される。コマンドを正しいスレーブに送るために、コマンドパケットは、コマンドパケットを受信することを意図されるスレーブのアドレスを有するアドレスフィールドを含む。アドレス指定されたスレーブは、コマンド/要求パケットを受信し、マスタ-スレーブバスを介して応答パケットを送信することによって応答する。応答にはマスタのアドレスが含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。
【0048】
図4に示すように、コマンド応答プロトコルは、RS-232またはRS-485などのシリアル通信規格を利用する。したがって、インターフェース100は、RS-232またはRS-485規格を使用して通信するように構成することができる。より具体的には、通信ポート140は、RS-232またはRS-485規格に適合するコネクタであってもよい。しかし、代替の実施形態では、コマンド応答プロトコルは、他のプロトコル内で「バンドル」されてもよい。例えば、コマンド応答プロトコルは、Ethernet(登録商標)通信内に含まれてもよい。したがって、通信ポート140は、Ethernetポートであってもよい。他の実施形態では、代替のポートおよびプロトコルを使用することができる。
【0049】
これらおよび他の実施形態では、第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bは、例えば、第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bに格納されたデータによってコマンド/要求パケットに応答することができる。例えば、コマンド/要求パケット内のスレーブアドレスが第1のスレーブ10aに対応する場合、第1のアレイ104aは、第1のスレーブ10aによって提供されるデータによって応答することができる。同様に、スレーブアドレスが第2のスレーブ10bに対応する場合、第2のアレイ104bは、第2のスレーブ10bによって提供されるデータによって応答することができる。提供されるデータは、コマンド/要求パケットなどに応答して第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bによって提供される、第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bにすでに格納されているデータであってもよい。
【0050】
第1のアドレスグループ102aおよび第2のアドレスグループ102bを用いて、第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bから供給されたデータを応答パケットにおいてマスタ40に送信することができる。図4に示すように、第1のアレイ104aによって提供されるデータは、コマンド/要求パケット内のスレーブアドレスと関連付けることができる。応答パケットは、データリンク層102を介してマスタ40に送信することができる。送信は、通信ポート140を通じてマスタ-スレーブバス50を介して行われてもよい。しかし、代替の実施形態では、送信は、代替の通信ポートおよび/またはバスを介して行われてもよい。
【0051】
上記では、コマンド応答プロトコルの使用について説明している。前述したように、コマンド応答プロトコルは、2つ以上のスレーブ10a、10bと通信するためにコマンドおよび応答パケットを利用する。コマンドパケットおよび応答パケットは、図5を参照して以下により詳細に説明される。
パケット
図5は、2つ以上のスレーブと通信するために使用される2つ以上のコマンドパケット500を示す。図5に示すように、2つ以上のコマンドパケット500は、第1コマンドパケット500aおよび第2コマンドパケット500bを含む。第1のコマンドパケット500aおよび第2のコマンドパケット500bはそれぞれ、第1のスレーブアドレス510aおよび第2のスレーブアドレス510bならびにペイロード520a、520bを含む。図5に示す実施形態では、第1のペイロード520aおよび第2のペイロード520bはそれぞれ、第1のコード522aおよび第2のコード522b、データ524a、524b、ならびに、第1のコマンドパケット500aおよび第2のコマンドパケット500bの完全性をチェックするために使用することができるチェック526a、526bを含む。
【0052】
第1のコマンドパケット500aおよび第2のコマンドパケット500bは、ヘッダおよびプロトコルデータユニット(PDU)を有して構成することができる。図4に示すように、PDUは、第1のコード522aおよび第2のコード522bならびにデータ524a、524bから構成される。ヘッダは、バスを介してアドレス指定されたデバイス(例えば、マスタ40、第1のスレーブ10aまたは第2のスレーブ10bなど)にPDUを搬送するために使用される。図示の実施形態では、第1のスレーブアドレス510aおよび第2のスレーブアドレス510bは、1~247に及び得る整数値から構成することができる。したがって、マスタ-スレーブバス50に結合された248個の固有のデバイスが存在し得る。他のアドレスが使用されてもよい。例えば、すべてのスレーブによって受信されるブロードキャストメッセージには「0」が使用されてもよい。
【0053】
PDUにおいて、第1のコード522aおよび第2のコード522bを使用して、スレーブにデータベースに対する書き込みまたは読み出しを指示することができる。例えば、第1のコード522aおよび第2のコード522bは、データベース内の特定のテーブル、アレイまたは他のデータ構造内の情報に対するアクセス、読み出し、および/または書き込みをスレーブに指示することができる。データ構造に書き込まれるデータは、第1のデータ524aおよび第2のデータ524bであってもよい。第1のデータ524aおよび第2のデータ524bは、例えば、スレーブによる使用に適した任意の適切なデータであってもよい。例えば、第1のデータ524aおよび第2のデータ524bは、スレーブに、例えば、データの提供、測定の作動または取得などの機能の実行を行わせることができる実行可能なコマンドを含むこともできる。データは、実行不能なデータも含むことができる。例えば、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bが計器アセンブリである実施形態では、第1のペイロード520aおよび第2のペイロード520bは、要求されているデータのタイプなどの情報を含むことができる。要求されているデータのタイプは、それぞれ第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bによって測定される流量であってもよい。
【0054】
コマンド応答プロトコルにおいて、応答パケットは、コマンドパケットと同様の構造を有することができる。例えば、応答パケットは、アドレスを含むヘッダを有することができる。アドレスは、応答パケットを提供しているスレーブのアドレスであってもよい。付加的または代替的に、ヘッダはマスタのアドレスを含むことができる。応答パケット内のPDUは、スレーブによって提供されるデータを含むことができる。コマンド応答プロトコルを実行するプロセスは、図6を参照して以下でより詳細に説明される。
パケットプロセス
図6は、2つ以上のスレーブと通信するために使用される2つ以上のパケットプロセス600を示す。図5を参照して上述したインターフェース100も、データリンク層102ならびに第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bとともに示されている。図6に示すように、2つ以上のパケットプロセス600は、第1のパケットプロセス600aおよび第2のパケットプロセス600bを含む。図示された実施形態では、第1のパケットプロセス600aおよび第2のパケットプロセス600bは、それぞれ図5を参照して上述した第1のコマンドパケット500aおよび第2のコマンドパケット500bを受信することができるが、代替の実施形態においては、他のパケットが利用されてもよい。
【0055】
図6に示すように、第1のパケットプロセス600aおよび第2のパケットプロセス600bはそれぞれ、データリンク層102において実行される第1のパーサ602aおよび第2のパーサ602bと、ペイロードプロセッサ604a、604bとを含む。第1のペイロードプロセッサ604aおよび第2のペイロードプロセッサ604bは、それぞれ、第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bからのデータ要求として第1のペイロード520aおよび第2のペイロード520bを受信および解釈し、要求されたデータを第1のパーサ602aおよび第2のパーサ602bに返す。第1のパーサ602aおよび第2のパーサ602bは、要求されたデータを第1の応答パケットおよび第2の応答パケットにバンドルし、第1の応答パケットおよび第2の応答パケットを第1の応答606aおよび第2の応答606bとして送信する。
【0056】
インターフェース100、コマンド応答プロトコル、およびパケットプロセス600、ならびに他の実施形態は、以下に詳細に説明するように、2つ以上のスレーブと通信するための方法によって使用されてもよい。
方法
図7は、2つ以上のスレーブと通信するための方法700を示す。ステップ710において、方法700は、インターフェースを用いてコマンドパケットを受信する。コマンドパケットは、マスタ-スレーブバスを介してマスタによって送信されてもよい。インターフェースは、図1図4を参照して上述したインターフェース100であってもよい。一実施形態では、インターフェースは、振動センサのための計器電子回路である。ステップ720において、方法700は、コマンドパケット内のスレーブアドレスを、インターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブのうちの1つと関連付ける。インターフェースが計器電子回路である実施形態では、スレーブアドレスは、計器電子回路に通信可能に結合された計器アセンブリと関連付けられてもよい。すなわち、計器電子回路は、特定の計器アセンブリを識別するためにスレーブアドレスを使用することができる。
【0057】
ステップ710において、方法700は、例えば、上述した通信ポート140を介してコマンドパケットを受信することができる。コマンドパケットは、マスタ-スレーブバス50から受信することができる。ステップ710において、方法700は、コマンドパケットがインターフェースに対してアドレス指定されているか否かを判定することもできる。例えば、図5を参照すると、インターフェース100は、第1のコマンドパケット500a内の第1のスレーブアドレス510aが、図4に示す第1のアドレスグループ102aおよび第2のアドレスグループ102bのうちの1つと一致するか否かを判定することができる。
【0058】
ステップ720において、方法700は、コマンドパケット内のスレーブアドレスを、インターフェースに通信可能に結合された2つ以上のスレーブのうちの1つと関連付けることができる。方法700は、例えば、コマンドパケット内のスレーブアドレスをインターフェースに格納されたアドレスと比較することができる。図4を参照すると、コマンドパケット内のスレーブアドレスは、データリンク層102において、第1のアドレスグループ102aおよび第2のアドレスグループ102bと比較することができる。比較は、前述の第1のパケットプロセス600aおよび第2のパケットプロセス600bによって実行されてもよい。理解されるように、第1のパケットプロセス600aおよび第2のパケットプロセス600bは、以下にさらに詳細に説明するように、他の方法およびステップを実行してもよい。
【0059】
図8は、2つ以上のスレーブと通信するための別の方法800を示す。ステップ810において、方法800は、インターフェースを用いてコマンドパケットを受信する。これは、前述のステップ710と同様の方法で実行されてもよい。ステップ820において、方法800は、コマンドパケットからのスレーブアドレスを解析することができる。スレーブアドレスは、コマンドパケットのヘッダ内にあってもよい。ステップ830において、方法800は、スレーブアドレスの第1のバイトが、図4を参照して説明した第1のアドレスグループ102aなどの第1のアドレスグループに関連付けられているか否かを判定する。スレーブアドレスの第1のバイトが第1のアドレスグループに関連付けられている場合、スレーブアドレスは、ステップ840において、図4を参照して説明した第1のアレイ104aであってもよい第1のアレイと関連付けられる。
【0060】
スレーブアドレスの第1のバイトが第1のアドレスグループに関連付けられていない場合、方法800はステップ850に進む。ステップ850において、方法800は、スレーブアドレスの第1のバイトが、図4を参照して説明した第2のアドレスグループ102bであり得る第2のアドレスグループに関連付けられているか否かを判定する。スレーブアドレスの第1のバイトが第2のアドレスグループに関連付けられている場合、方法800はステップ860に進み、ステップ860は、スレーブアドレスを第2のアレイに関連付ける。スレーブアドレスの第1のバイトが第2のアドレスグループに関連付けられていない場合、方法800はステップ870に進み、ステップ870はエラーを示す。スレーブアドレスがステップ840および860において第1のアレイおよび第2のアレイの1つに関連付けられた後、方法800は、ステップ880においてコマンドパケットのペイロードを処理し、ステップ890において応答パケットによってマスタに応答する。
【0061】
ステップ830および850は、スレーブアドレスをアレイに関連付けるデータ構造を含むソフトウェアによって実行することができる。例えば、データテーブルにおいて、各行は、スレーブアドレスとアレイとの間の関係に対応することができる。したがって、ステップ830および850において、方法800は、テーブル内のスレーブアドレスの第1のバイトを検索し、対応するアレイを選択することができる。他のデータ構造および/または方法が利用されてもよい。ステップ830および850に基づいて、ステップ840および860は、スレーブアドレスを第1のアレイまたは第2のアレイに関連付けることができる。
【0062】
第1のアレイまたは第2のアレイに関連付けられた後、コマンドパケットのペイロードは、例えば、第1のアレイまたは第2のアレイからデータを得るために処理され得る。図4を参照して上述した第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bを参照すると、方法800は、第1のコード522aおよび第2のコード522bなどのコードを実行して、データを読み出しおよび/または書き込むことができる。例えば、スレーブアドレスが第1のアレイ104aに関連付けられている場合、第1のコード522aおよび/またはデータ524aは、インターフェース100に、第1のアレイ104aにデータを問い合わせさせることができる。付加的または代替的に、第1のコード522aおよび/またはデータ524aは、インターフェース100に、第1のスレーブからデータを取得させることができる。したがって、データは、第1のコマンドパケット500aに応答して、第1のアレイ104aによって提供することができる。
【0063】
上述の実施形態は、2つ以上のスレーブとの通信を可能にする。上記で説明したように、システム5、インターフェース100、および方法700,800は、インターフェース100と通信可能に結合された第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bと通信することができる。第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bは、インターフェース100にデータを提供することができる。データはそれぞれ、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bにそれぞれ関連付けられた第1のアレイ104aおよび第2のアレイ104bに格納することができる。インターフェース100は、第1のコマンドパケット500aまたは第2のコマンドパケット500bを受信することができる。インターフェース100はまた、第1のコマンドパケット500aおよび第2のコマンドパケット500bからの第1のスレーブアドレス502aおよび第2のスレーブアドレス502bを解析し、第1のスレーブアドレス502aおよび第2のスレーブアドレス502bをそれぞれ第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bに関連付けることができる。したがって、単一のインターフェース100を介して第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bからデータを取得することができる。
【0064】
例えば、LNG燃料供給システムのような低温応用形態では、インターフェース100は、LNG供給ラインSLにある第1のスレーブ10aに対応する第1の計器アセンブリと、LNG戻りラインRLにある第2のスレーブ10bに対応する第2の計器アセンブリの両方に向けて構成されている計器電子回路であってもよい。第1の計器アセンブリは、第1のアレイ104aに関連付けられる1インチ振動センサタイプであってもよく、第2の計器アセンブリは、第2のアレイ104bに関連付けられる1/4インチ振動センサタイプであってもよい。したがって、インターフェース100は、供給ラインSLと戻りラインRLの両方におけるLNGの流量を正確に測定するために、第1のスレーブ10aおよび第2のスレーブ10bからマスタ40にデータを正確に提供することができる。
【0065】
上記の実施形態の詳細な説明は、本開示の範囲内であると本発明者らが考えているすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、当業者であれば、上述の実施形態の特定の要素は、さらなる実施形態を作成するために様々に組み合わせまたは削除されてもよく、このようなさらなる実施形態は、本開示の範囲および教示内に入ることを認識するであろう。また、当業者には、本開示の範囲および教示内で追加の実施形態を作成するために、上述の実施形態を全体的または部分的に組み合わせてもよいことは明らかであろう。
【0066】
したがって、特定の実施形態は、例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者には理解されるように、本明細書の範囲内で様々な均等な変更が可能である。本明細書で提供される教示は、上述され添付の図面に示されている実施形態だけでなく、2つ以上のスレーブと通信する他のシステムおよび方法に適用することができる。したがって、上述の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
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図7
図8