(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】シングル又はデュアルテクノロジー動物タグ及びシステム、並びにその使用方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20220527BHJP
A01K 11/00 20060101ALI20220527BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20220527BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20220527BHJP
G16Y 20/40 20200101ALI20220527BHJP
H04B 1/59 20060101ALI20220527BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
G06K19/077 228
A01K11/00 A
A01K11/00 C
A01K29/00 Z
G06K19/07 200
G06K19/07 230
G06K19/077 240
G16Y20/40
H04B1/59
H04B5/02
(21)【出願番号】P 2018551829
(86)(22)【出願日】2017-03-30
(86)【国際出願番号】 US2017024987
(87)【国際公開番号】W WO2017173065
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-06
(32)【優先日】2016-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519064665
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム アニマル ヘルス ユーエスエイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】デリウー ピエール-エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ラフォン セバスティアン
【審査官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/091765(WO,A2)
【文献】実開平06-072352(JP,U)
【文献】特開2013-117905(JP,A)
【文献】特開2006-209497(JP,A)
【文献】特開2007-094875(JP,A)
【文献】国際公開第2012/086412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
A01K 29/00
A01K 11/00
H04B 1/59
H04B 5/02
G06K 19/07
G16Y 20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に関する情報を追跡するためのタグシステムであって、
第1の厚み寸法を有し、かつ、第1の領域を含むタグ本体を備え、
前記第1の領域は多角形を有し、
前記タグ本体は、さらに、
前記第1の領域に連続し、同じ前記第1の厚み寸法を有する第2の領域を含み、
前記第1の領域及び第2の領域は、実質的に平坦な面を画成し、前記第2の領域は前記多角形の表面積未満の表面積を有する狭域部分を有し、前記狭域部分は、互いに対向する少なくとも2つの円弧を備え、前記第2の領域は第1の開口部を含み、
前記タグシステムは、
第1のアンテナ
を有する第1の電子タグを含み、前記第1のアンテナは、第1のコイルを備え、かつ、概ね円形であり、前記第1の電子タグは、第2の厚み寸法を有し、かつ、前記第2の領域の前記第1の開口部と同心状に位置する第2の開口部
を有する概ね円形
であり、前記第1のアンテナは、前記厚み寸法により画成されるキャビティ内に配置されており、前記第1の電子タグは、前記第2の領域に恒久的に取り付けられ、かつ、前記実質的に平坦な面の頂部に配置され、
前記タグシステムは、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部内に位置する円筒形収容部
を含み、前記円筒形収容部は、前記第1の電子タグの概ね円形の部分の一部であり、かつ、一体に形成されており、前記第1の電子タグの前記円筒形収容部は、締結具を受け入れ、前記第1の電子タグは、前記円筒形収容部により前記締結具を受け入れるときに、前記動物に前記タグ本体を固定するのを助け、
前記タグシステムは、第2のアンテナを有する第2の電子タグ
を含み、前記第2のアンテナは第2のコイルを有し、前記第2の電子タグは、前記多角形の形状を有する前記第1の領域内に位置し、前記第2の電子タグはポーチ内に配置され、当該ポーチは、前記タグ本体の前記第1の領域の材料により形成され、かつ、前記第1の厚み寸法により画成され、前記第2のアンテナは、第2の周波数で作動し、前記第2の周波数は、前記第1の周波数よりも高く、
前記第1の電子タグは、RFIDタグを含み、前記第2の電子タグはNFCタグを含み、前記NFCタグは約10cmの距離内で携帯電話機により読み取り可能であり、前記NFCタグは第1のメモリを有し、前記第1のメモリは、前記携帯電話機で読み取るときに前記携帯電話機と通じるユニバーサルリソースロケータを記憶しており、
前記RFIDタグは、携帯電話機以外の装置により、実質的に10cmよりも大きな距離で読み取り可能であり、前記RFIDタグは第2のメモリを有し、前記第2のメモリは、前記第1のメモリに記憶されているユニバーサルリソースロケータとは異なる情報を記憶している、ことを特徴とするタグシステム。
【請求項2】
前記多角形は、長方形又は正方形を含む、
請求項1に記載のタグシステム。
【請求項3】
前記第1の電子タグは、約
134kHzの無線周波数で情報を通信し、前記第2の電子タグは、約
14MHzの無線周波数で情報を通信する、
請求項1に記載のタグシステム。
【請求項4】
前記締結具は、リベットを含む、
請求項1に記載のタグシステム。
【請求項5】
前記タグ本体は、プラスチック及びゴムの少なくとも一方で形成された材料を含む、
請求項1に記載のタグシステム。
【請求項6】
前記タグ本体は、プラスチック及びゴムの少なくとも一方で形成された材料を含む、
請求項
1に記載のタグシステム。
【請求項7】
前記タグ本体は、
家畜又はペットの少なくとも一方を含む動物に取り付けられる、
請求項
1に記載のタグシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権及び関連出願の記述〕
本特許出願は、2016年3月31日に出願された「シングル又はデュアルテクノロジー動物タグ及びシステム、並びにその使用方法(SINGLE OR DUAL TECHNOLOGY ANIMAL TAGS AND SYSTEM AND METHOD OF USING THE SAME)」という名称の米国仮特許出願第62/316204号に対する合衆国法典第35編第119条(e)に基づく優先権を主張するものであり、この文献の内容は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
現在では、生産動物、家畜及び野生動物を含む動物を様々な理由で識別するために無線個体識別(RFID)「マイクロチップ」が使用されている。このようなRFIDマイクロチップは、生産動物の移動及び取り扱いの記録、行方不明の家畜の特定、並びに研究を目的とした野生生物の「バンディング(banding)」などの様々な状況で使用される。時に、RFIDマイクロチップには、特別に設計されたRFIDリーダの可用性、能力及び可搬性の限界、並びにRFIDマイクロチップを通じて入手できる情報の限界を含む様々な不利点がある。さらに、競合するマイクロチップメーカーが別個のデータベースを維持し、これらのメーカーのマイクロチップが、自社メーカーのマイクロチップしか読み取ることができない異なるタイプのRFIDリーダを使用していることもある。
【0003】
さらに、動物タグ内のRFIDマイクロチップは、携帯電話機などのポータブルコンピュータ装置との互換性を有していないことが多い。すなわち、ほとんどの携帯電話機には、携帯電話機と動物タグ内のRFIDマイクロチップとの間の通信を可能にするハードウェア又はソフトウェア、或いはこれらの両方が備わっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第6,083,519号明細書
【文献】米国特許第9,000,187号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、当業では、携帯電話機などのポータブルコンピュータ装置との通信をサポートする動物タグが必要とされている。
【0006】
本出願におけるあらゆる文献の引用又は識別は、このような文献を本発明の先行技術として利用できることを認めるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
限定するわけではないが、とりわけ生産動物(例えば、ウシ、ブタ、ヒツジなど)、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ及びウマ)、家禽及び魚などを含む家畜及び野生動物を追跡するためのシステム及び方法を開示する。このシステム及び方法は、一般に少なくとも1つの近距離無線通信(NFC)タグを有する、動物に取り付けられるタグシステムを含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、タグシステムが、少なくともNFCタグと無線個体識別(RFID)タグとを含む。
【0008】
NFCタグについては、NFCリーダアプリケーションソフトを実行する携帯電話機などのポータブルコンピュータ装置を用いてこのようなタグを読み取ることができる。携帯電話機は、それぞれの電子タグから受け取られた情報を中継するために、通信ネットワーク、そして最終的に1又は2以上のコンピュータサーバと通信することができる。
【0009】
電子タグは、動物に固定し、埋め込み、又は動物が摂取することができる。電子タグは、機械的結合体の一部とすることができる。この機械的結合体は、タグを動物に固定するか、埋め込むか、それとも動物が摂取するかに応じて異なる構造を有することができる。機械的結合体は、動物に固定する場合、耳タグ、ストラップ、バンド、首輪、馬勒又は装着帯を含むことができる。機械的結合体は、動物に埋め込み、又は動物が摂取する場合、限定するわけではないが、ガラスバイアル又は何らかの生体適合性材料で形成されたバイアルなどの超小型容器を含むことができる。
【0010】
各電子タグは、何らかの形態の同調回路、プロセッサ、メモリ及びアンテナを含むコンピュータチップ(すなわち、システムオンチップ:SOC)とすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、電子タグが、アンテナ、コンピュータチップ及び支持基板を共有することができる。各電子タグは、それぞれの電子タグの一部であるメモリに記憶されているいずれかの情報を「読み取る」ために使用できる質問信号から給電を受けることができる。
【0011】
なお、本開示、特に特許請求の範囲及び/又は段落における、「備える(comprises、comprised、comprising)」という用語及び同様の用語は、米国特許法のものに帰する意味を有することができ、例えばこれらの用語は、「含む(includes、included、including)」及び同様のものを意味することができ、また「基本的に~から成る(consistig essentially of、consists essentially of)」などの用語は、米国特許法のものに帰する意味を有することができ、例えばこれらの用語は、明示されていない要素を考慮するものではあるが、先行技術に見られる、或いは本発明の基本的な又は新規の特徴に影響を与える要素を排除するものである。
【0012】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに後述する概念の選択を導入するために示したものである。この概要は、特許請求する主題の重要な又は必須の特徴を識別するためのものでも、特許請求する主題の範囲を限定する支援として使用するためのものでもない。
【0013】
以下の詳細な説明は、これらの及びその他の実施形態を開示し、又は明らかにして含む。
【0014】
図では、別途指示していない限り、様々な図全体を通じて同じ部分を同じ参照番号によって示す。「102A」又は「102B」のように、参照番号に文字記号(letter character designations)が付いている場合には、同じ図に存在する2つの同様の部分又は要素をこれらの文字記号によって区別することができる。全ての図において、同じ参照番号を有する全ての部分をある参照番号が網羅するように意図している場合には、参照番号の文字記号を省略することがある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の原理によるシステムの1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図2A】本発明の原理による、埋め込み型又は摂取型RFIDの1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図2B】本発明の原理による、埋め込み型又は摂取型NFCの1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3A-1】本発明の原理による、別個のチップと別個のアンテナとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ及びRFIDタグのための単一の容器の1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3B-1】本発明の原理による、共通のチップと別個のアンテナとを有する埋め込み型又は摂取型NFC及びRFIDタグの組み合わせのための単一の容器の1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3C-1】両タグ機能のための共通のチップと共通のアンテナとを有する埋め込み型又は摂取型NFC及びRFIDタグのための単一の容器60の1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3A-2】
図3A-1に示す例示的な実施形態による、別個のチップと別個のアンテナとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ及びRFID200のための単一の容器の1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3B-2】
図3B-1に示す例示的な実施形態による、共通のチップと別個のアンテナとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ及びRFIDタグのための単一の容器の1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3C-2(i)】
図3C-1に示す例示的な実施形態による、両タグのための共通のチップと単一の共通するアンテナとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ及びRFIDタグのための単一の容器の1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3C-2(ii)】
図3C-1に示す例示的な実施形態による、両タグのための共通のチップと単一のアンテナとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ及びRFIDタグのための単一の容器の1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3D】本明細書で説明する例示的な実施形態による、RFIDチップ又はNFCチップのいずれかを形成できる、或いはNFC通信及びRFID通信の両方をサポートする1対の二重回路(図示の単一の回路の2つの複製物)を有するチップを形成できる回路の1つの例示的な実施形態の機能ブロック図である。
【
図4A】本発明の原理による、プラスチック製の動物用首輪の内部に位置することができるNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図4B】本発明の原理による、プラスチック製の動物用首輪の外部に位置することができるNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図4C】本発明の原理による、動物用首輪の外部に存在して動物用首輪の本体の一部を成すNFCタグの別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図5A】本発明の原理による、皮革製の動物用首輪の内部に存在するNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図5B】本発明の原理による、皮革製の動物用首輪の外部に存在するNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図5C】本発明の原理による、皮革製の動物用首輪の外部に存在するNFCタグの別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図6A】動物用耳タグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図6B】
図6Aの耳タグのリベット点に位置するRFIDタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図6C】締結具として機能して
図6Bに示すようなタグのリベット点に結合できるボタン型構造を有するRFIDタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図6D】
図6Aの耳タグの本体内のRFIDタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図7A-1】
図6Aの単純な耳タグに類似するが耳タグの矩形部分にアンテナを含む、耳タグ内のNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図7A-2】
図7A-1に示すNFCタグの背面図の例示的な実施形態を破断図で示す図である。
【
図7A-3】
図7A-1に示すNFCタグの例示的な実施形態の単純な背面図である。
【
図7A-4】動物にタグ構造を固定するために
図7Aの例示的な実施形態のリベット点において使用できるボタン構造の斜視図である。
【
図7A-5】
図7A-1に示すNFCタグの例示的な実施形態の正面斜視図である。
【
図7B-1】
図6Aの単純な耳タグ600に類似するがタグのリベット点付近にアンテナを有する、耳タグ内のNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図7B-2】
図7B-1の一体型タグ構造のさらなる詳細を示す図である。
【
図7C-1】
図6Cの例示的な実施形態及び
図7Bの例示的な実施形態と同様の、円形/リング部分が例示的な実施形態によるNFCタグのアンテナを含むことができるボタン型構造60Lを示す図である。
【
図7C-2】
図7C-1に示すボタン型タグ構造の破断図である。
【
図8A】構造の矩形部分にRFIDタグが位置することができる一方で、リベット収容部として機能する耳タグの円形部分に位置することができるNFCタグを示す図である。
【
図8B-1】耳タグ構造のリベット収容部として機能する円形部分にRFIDタグが含まれる一方でNFCタグが平坦/矩形部分に位置することができる、
図8Aとは逆の実施形態を示す図である。
【
図8B-2】対応する
図8B-1のNFCチップが見える、NFCアンテナの詳細を示す破断図である。
【
図8C】ボタン型耳タグのリベット点におけるRFIDタグ及びNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8D】
図6Aの耳タグのリベット点におけるRFIDタグ及びNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8E】
図6Aの耳タグ内におけるRFIDタグ及びNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8F】
図6Aの耳タグ内におけるRFIDタグ及びNFCタグの別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図8G】第1のRFIDタグが締結具を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグが構造の矩形部分に形成された、デュアルモードRFIDタグシステムの別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図8H-1】第1のRFIDタグが締結具を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグがNFCタグと共に構造の矩形部分に形成された、トリプルモードタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8H-2】第1のRFIDタグが締結具を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグがNFCタグと共に構造の矩形部分に形成された、トリプルモードタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8H-3】RFIDタグがNFCタグと共に構造の矩形部分に形成されたデュアルモードタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8I-1】第1のRFIDタグが締結具を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグがNFCタグと共に構造の矩形部分に形成され、第2のRFIDタグとNFCタグとがそれぞれの同調回路のために同一の電子チップを共用する、トリプルモードタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8I-2】第1のRFIDタグが締結具を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグがNFCタグと共に構造の矩形部分に形成され、第2のRFIDタグとNFCタグとがそれぞれの同調回路のために同一の電子チップを共用する、トリプルモードタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図8I-3】RFIDタグがNFCタグと共に構造の矩形部分に形成され、第2のRFIDタグとNFCタグとがそれぞれの同調回路のために同一の電子チップを共用する、デュアルモードタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図9】バンド又は足輪として取り付けられる本発明の例示的な実施形態を示す図である。
【
図10A】バンド又は足輪内のNFCタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図10B】バンド又は足輪内のNFCタグ及びRFIDタグの例示的な実施形態を示す図である。
【
図10C】バンド又は足輪内の、単一の基板を共有するNFCタグ及びRFIDタグの別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図10D】バンド又は足輪内の、それぞれの同調回路のために同一の電子チップを共有するNFCタグ及びRFIDタグの別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図11】1つの例示的な実施形態による、
図1に示すコンピュータサーバのうちの1つ又は2つ以上を形成できる汎用コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、同じ要素を同じ参照番号によって示す添付図を参照しながら、シングル又はデュアルテクノロジー動物タグ及びシステム、並びにその使用方法の実施形態を詳細に参照する。
【0017】
まず、
図1に、本発明の原理によるシステム100の1つの例示的な実施形態を示す。システム100は、識別コンピュータサーバ105aと、アプリケーションコンピュータサーバ105bと、携帯電話機110と、通信ネットワーク150とを含むことができる。サーバ105a~b及びクライアント装置/携帯電話機110は、全てコンピュータ通信ネットワーク150を介して共に結合することができる。コンピュータ通信ネットワーク150は、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、基本電話システム(「POTS」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、インターネット、又はこれらの及びその他のタイプのネットワークのあらゆる組み合わせを含むことができる。サーバ105a~b及びクライアント装置110は、ネットワーク150を介して通信し、タグシステム45に関する情報を交換することができる。
【0018】
携帯電話機110は、タグシステム45のアンテナ67A、67Bを介してタグシステム45と通信することができる。タグシステム45は、動物80に物理的に取り付けることができるような機械的結合体/ケーシング60を含むことができる。具体的に言えば、機械的結合体/ケーシング60は、ウシ80の耳のような動物80の耳などにおいて動物80の頭部65に結合することができる。
【0019】
タグシステム45は、無線個体識別(RFID)タグ200と、近距離無線通信(NFC)タグ300とを含むことができる。RFIDタグ200は、独自のアンテナ67Aを有することができ、NFCタグ300は、独自のアンテナ67Bを有することができる。タグ200、300の一方又は両方は、以下で詳細に説明するような携帯電話機110を含むことができるポータブルコンピュータ装置110と通信することができる。
【0020】
RFIDタグ200は、破線27Aで示すようにNFCタグ300に電気的に結合して直接通信することができ、この逆も同様である。或いは、RFIDタグ200及びNFCタグ300は、直接的な通信/通信線27Aを有さずに互いに独立して動作することもできる。RFIDタグ200は、NFCタグ300と同じ物理的ハウジング内に収容/配置することも、或いは破線27Bで示すように2つの装置を互いに分離することもできる。これらの通信スキーム、及びRFIDタグ200とNFCタグ300との間の収容関係/物理的関係の変形例については、様々な例示的な実施形態を示す複数の図に関連して以下でさらに詳細に説明する。
【0021】
上述したように、
図1に示すシステム100は、以下で詳細に説明するようなタグ、メダリオン、トランスポンダインプラント、或いは(一般に「タグ300」、「チップ302(
図3A-2を参照)」又は「マイクロチップ」として知られている)近距離無線通信(NFC)装置を含む(本明細書では1又は複数の「タグ」200、300と呼ぶ)他の装置に関連する。各NFCタグ300は、システム100に含まれる2つのNFCタグ300が同じ識別情報を有さないような一意の識別(UID)を有するように符号化することができる。
【0022】
本発明によるシステム100は、個々のNFC装置300に関する情報と、個々のNFCタグ/装置300に関連する動物80のアイデンティティに関する対応する情報とを記憶する「識別」サーバ105aを含むことができる。本発明は、本発明によるNFC装置300のユーザに、NFCタグ300に関連する動物80のタイプ、或いは動物80又はNFCタグ300のカテゴリに合わせることができる様々なサービスへのアクセスを提供する「アプリケーション」サーバ105bを含むこともできる。これらのコンポーネントの詳細については、以下の説明において詳細に説明する。
【0023】
通常、本明細書及び以下で説明するRFIDタグ200は、市販のコンポーネントを含む。例示的なシステム100の1つの焦点/目的は、現在のところ動物識別業界標準で使用されていないNFCタグ300が、今やほとんどの動物識別業界標準の一部になっているRFIDタグと連動した時に動物のデータ収集をどのように強化できるかである。
【0024】
NFCタグの特徴
NFCチップ302は、データを記憶する受動装置を含むことができる。従って、NFCタグ300又はチップ302の1つの利点は、NFCタグ/チップ300/302がバッテリ駆動式ではなく、携帯電話機などの駆動中のNFC装置の近くに持ち込まれることによって駆動する点である。通常、NFCタグ300又はチップ302は、携帯電話機などの別のNFC装置に転送するための少量の情報を記憶することができる。一般に、NFCチップは、通常の使用では読み取り専用であるが、NFCチップ302の使用目的に応じて書き換え可能とすることもできる。
【0025】
NFCチップ302は、既知のプロトコルに従って読み取り又は通信を行うことができる。現在のNFCリーダは、ISO/IEC 18000-3エアインターフェイスに基づく約13.56MHzの世界的に利用可能なライセンス不要無線周波数ISMバンド内で、約106.0~約424.0kbit/sの速度で動作する。本発明は、特定の周波数での動作に限定されるものではなく、利用可能な近距離無線通信技術(NFC)の動作周波数に適合するように調整することができる。NFCチップ302を読み取るには、一般にNFCチップ302の約10.0cm以内にNFCリーダを持って来なければならない。しかしながら、異なる周波数では、及び/又は将来的にNFCタグ300の規格が変化した場合には、この範囲を上回る他の距離が可能である。
【0026】
NFCリーダは、スマートフォン110、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、ウェアラブル装置又は(ワンドリーダ、USBリーダ、シリアルリーダなどの)周辺機器などのポータブル電子装置、或いは他の適切な装置に含めて、各NFCタグ300の約10.0cm(約4.0インチ)内にポータブル電子装置を持って来ることによって通信を確立することができる。状況によっては、NFCタグ300及び/又はリーダのタイプに応じて、NFCタグ300がリーダをさらに近接させることを必要とする場合もある。
【0027】
例えば、スマートフォンを用いてNFCタグ300を読み取るには、NFCタグ300の約1.0インチ内にスマートフォン110を持って来ることが必要になり得る。NFCタグは、ポータブル電子装置と情報を交換することができる。例えば、NFCタグ300は、ユニバーサルリソースロケータ(URL)、構成パラメータ、予めプログラムされた暗号鍵、及び医療記録又は認証情報などに対する署名、認証、ロック解除を行うためのトークンとして使用できる追加の暗号鍵を記憶するアプリケーションが使用するメモリブロックなどの情報を記憶することができる。記憶される特定のデータは、NFCタグ300の記憶容量に応じて変化することができ、特に情報へのアクセスが、狂犬病の予防接種状況又はアレルギー情報などの緊急性の高いものである時、或いは情報に素早くアクセスできるようにすることで他の利益をもたらす時には暗号化することも又はしないこともできる、ワクチン接種証明書、(期限切れなどの)ワクチン接種情報、既知の医学的状態、アレルギー情報などの側面を含むことができる。
【0028】
本発明の態様によるNFCタグ300は、タグ識別情報を提供できる識別コードを含むことができる。この識別は、システム100に含まれる2つのNFCタグ300が同じ識別情報を有さないような一意的なものであるように意図される。すなわち、タグ識別子は、システムの全ての意図及び目的上一意的なものである(UID)。例えば、タグ識別情報は、タグのメーカー名及び製造日などの情報を含むことができる。NFCタグ300は、他の情報を含むようにプログラムすることもできる。通常、NFCタグ300には、NFCデータ交換フォーマット(NDEF)などの特定のデータフォーマットで情報が記憶される。例えば、NFCタグ300は、URL(ウェブアドレス)又は電話番号を記憶することができる。通常、現在のNFCタグ300は、約40~約132文字のURLを記憶する。
【0029】
NFCタグメーカー、又はNFCタグ300と共に使用されるURLアドレスを保有してURLアドレス情報をロードするサービスプロバイダなどのその後の団体は、このURLアドレスを予めロードしておくことができる。NFCタグ300は、一旦データが書き込まれたら変更できないようにロックすることができる。ほとんどのNFCタグ300では、このロックが一方向処理であり、従って一旦タグがロックされるとロック解除することができない。現在のNFCタグ300について説明したが、本発明の原理は、現在のNFC技術を使用する実施形態に限定されるものではない。
【0030】
例えば、ほとんどの現在のNFCチップ302には、7バイト(56ビット)2^56=7.2E16個の組み合わせに基づく、工場で符号化された読み取り専用のID番号が付いている。IPv4の32ビットアーキテクチャ(UUID)及びIPv6の128ビットアーキテクチャ(UUTD)では、タグ情報のさらなる拡張が可能である。技術の進歩と共に、本発明の態様も拡張することができる。チップ302は、静的メモリ440a内の恒久的情報、及び動的書き換え可能メモリ440b内の編集可能情報という2つの情報タイプを有するようにカスタマイズすることができる(メモリ440については
図3Dを参照されたい)。
【0031】
NFCタグの物理的実施形態
NFCタグ300の物理的実施形態は、本発明の原理に従って異なる形を取ることができる。NFCタグ300の形態は、動物のタイプ及びNFCタグ300の使用に適するように選択することができる。例えば、NFCタグ300は、ウェアラブル装置の内部に存在し、ウェアラブル装置の外部に存在し、ウェアラブル装置に固定し、又はウェアラブル装置に取り付けることができる。
【0032】
内部に存在するNFCタグ300は、飼い主から離れたペットの識別に使用されるいくつかのRFIDタグ200と同様に埋め込み式になるであろう。このような構造では、NFCチップ302を適切な生体適合性密封容器(例えば、ガラスバイアル)60(すなわち、
図2~3を参照)で包み、或いは適切な生体適合性材料に埋め込んで既知の方法で皮下に挿入することができる。以下で詳細に説明するように、NFCタグ300は、アプリケーションソフトウェアを実行する利用可能なコンピュータ、タブレット又はスマートフォン110を用いてNFCタグ300を読み取る能力などの、従来のRFIDタグ200に優る利点をもたらす。
【0033】
次に、
図2Aに、本発明の原理による埋め込み型又は摂取型RFIDタグ200の1つの例示的な実施形態を示す。RFIDタグ200は、容器60Aに封入されたアンテナ67Aを含むことができる。
【0034】
図2Bには、本発明の原理による埋め込み型又は摂取型NFCタグ300の1つの例示的な実施形態を示す。NFCタグ300も、
図2AのRFIDタグ200と同様に、容器60Bに封入されたアンテナ67Bを含むことができる。
【0035】
NFCタグ300は、本発明に従ってNFCタグ300を介して、又は既知の方法に従ってRFIDタグ200を介して動物80を識別できるように、RFIDタグ200に加えて同じ動物80に埋め込むことができる。NFCタグ300及びRFIDタグ300は、同じ又は別個の手順を用いて埋め込むことができる。このような状況では、NFCインプラント及びRFIDインプラントの位置を、適切なタグを励起して読み取ろうとする人物が適切なリーダ(NFC又はRFID)を適用すべき場所が分かるように、一般的に理解される動物上の位置とすることができる。例えば、ウシの用途では、タグ200、300が、一般に動物80の耳又はその付近に固定され及び/又は埋め込まれる。
【0036】
本発明の1つの態様によれば、NFCタグ300を、例えば生体適合性密封容器60などの、ペットの皮下に埋め込むことができる媒体に含めることができる。例えば、NFCタグ300は、従来のRFIDタグシステムと同様に、ただし本明細書で説明するNFCタグ機能と共にガラスバイアル60に含めて埋め込むことができる。
【0037】
次に、
図3A-1に、本発明の原理による、別個のチップ202、302と別個のアンテナ67A、67Bとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ300及びRFIDタグ200のための単一の容器60Cの1つの例示的な実施形態を示す。
図3A-1に概略的に示すように、単一のバイアル又は容器60Cは、既知のRFIDリーダに適した周波数で通信する独自のアンテナ67Aを有するRFIDチップ202と、NFCリーダに適した周波数で通信する適切なアンテナ67Bを有するNFCチップ302とを含むことができる。この
図3A-1に示す例示的な実施形態のさらなる詳細は、以下でさらに詳細に説明する
図3A-2に示す。
【0038】
次に、
図3B-1に、本発明の原理による、共通のチップ400と別個のアンテナ67A、67Bとを有する埋め込み型又は摂取型NFC及びRFIDタグの組み合わせのための単一の容器60Dの1つの例示的な実施形態を示す。
図3B-1に概略的に示すように、単一のチップ400は、既知のRFIDリーダに適した周波数を送受信できる第1のアンテナ67Aに動作可能に接続できるとともに、NFCリーダに適した周波数を送受信できる第2のアンテナ67Bにも動作可能に接続することができる。
図3B-1の例示的な実施形態のさらなる詳細は、以下でさらに詳細に説明する
図3B-2に示す。
【0039】
同様に、
図3C-1に、両タグ機能のための共通のチップ400と共通のアンテナ67とを有する埋め込み型又は摂取型NFC及びRFIDタグのための単一の容器60Eの1つの例示的な実施形態を示す。
図3C-1に概略的に示すように、単一の「デュアルモード」チップ400は、既知のRFIDリーダに適した周波数とNFCリーダに適した周波数とを送受信できる単一のアンテナ67に動作可能に接続して単一のバイアル又は容器に含めることができる。
図3C-1の例示的な実施形態のさらなる詳細は、後述する
図3B-1及び
図3B-2に示す。
【0040】
図3B-1及び
図3B-2の単一のチップ400は、標準的なRFID技術の機能とNFCタグの機能とを含むことができる。すなわち、例えばチップ400は、この種のマイクロチップに特化したRFIDリーダと、一般に携帯電話機110及びタブレットなどの様々なポータブル電子装置と共に利用できるタイプの汎用NFCリーダとによって励起できるコンポーネント/要素を有することができる。
【0041】
例えば、RFIDタグ200は、励起されると一般に約136.0kHzの周波数で動作し、チップ400から約3.0フィートの地点で読み取られて一意の識別コードを送信し、これをユーザ識別情報と相関させてユーザへのサービスの提供を容易にすることができる。
【0042】
通常、この相関情報は、獣医師、動物保護施設、法執行機関及び動物管理職員などの適切な「読み取り者」がアクセスできるデータベースに保持される。また、同じ単一のチップ400が、本発明の原理に従って、NFCリーダがチップ400のNFCタグ機能を励起して、インターネットに接続された装置上で又はアプリを介してURLを起動するように機能することもできる。
【0043】
本発明の別の態様では、タグ200、300を、例えば実験動物に使用するための摂取型とすることができる。本図には示していないが、当業者であれば理解するように、摂取型タグ200、300は、タグに使用される材料が安全に摂取できるものである限り埋め込み型タグと同様に製造することができる。
【0044】
図3A-2に、
図3A-1に示す例示的な実施形態による、別個のチップ202、302と別個のアンテナ67A、67Bとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ300及びRFIDタグ200のための単一の容器60Cの1つの例示的な実施形態を示す。単一の容器60Cは、ガラス、プラスチック及び/又は生体適合性ポリマを含むことができる。容器60Cは、プラスチックで形成した時には、約0.20mm~約0.70mmの、好ましくは約0.30mmの厚みを含むことができる。しかしながら、当業者であれば理解するように、これよりも大きな又は小さな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.50mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0045】
容器60Cは、ガラスで形成した時には、約0.30mm~約0.40mmの、好ましくは約0.35mmの厚みを含むことができる。しかしながら、当業者であれば理解するように、これよりも大きな又は小さな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0046】
容器60Cは、2つのアンテナ67A、67Bと、RFIDチップ202と、NFCチップ302とを支持する基板210を包み込むことができる。RFIDチップ202及びNFCチップ302内に存在する例示的な回路のさらなる詳細については、以下で
図3Eに関連して説明する。
【0047】
容器60Cは、ガラスで形成した時には、約3.5mm~約4.0mmの、好ましくは約3.85mmの厚み又は高さ寸法H2を有することができる。基板210は、プラスチック又はセラミックなどの誘電材料(非導電材料)を含むことができる。
【0048】
しかしながら、他の誘電材料を使用することもでき、これも本開示の範囲に含まれる。基板210の誘電材料は、複合材料を含むことができる。これらの複合材料は、母材(通常はエポキシ樹脂)と補強材(通常は織布、時には不織布、ガラス繊維、さらには紙)とを含むことができ、当業者であれば理解するように、場合によっては樹脂に充填材が添加される(例えば、セラミック、チタン酸セラミックを用いて誘電率を高めることができる)。
【0049】
基板210の厚み又は高さH1は、約0.8mm~約1.4mm、好ましくは約1.2mmを有することができる。しかしながら、当業者であれば理解するように、これよりも大きな又は小さな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0050】
第1のアンテナ67Aは、RFIDチップ202に結合することができる。第1のアンテナ67Aは、半田ワイヤ204及び半田パッド206を介してRFIDチップに結合することができる。半田パッドは、基板210を貫通/通過するワイヤ208によってRFIDチップ202に結合される。同様に、第2のアンテナ67Bは、NFCチップ302に結合することができる。第2のアンテナ67Bは、第2の半田ワイヤ204及び第2の半田パッド206を介してNFCチップに結合することができる。第2の半田パッド206は、基板210を貫通/通過するワイヤ208によってNFCチップ302に結合される。
【0051】
当業者であれば理解するように、第1のアンテナ67Aは、絶縁ワイヤを有するコイルアンテナを含むことができる。他の実施形態では、必要に応じてアンテナ67Aのワイヤを絶縁しないこともできる。
【0052】
第1のアンテナ67Aは、RFIDチップ202の通信をサポートする。第1のアンテナ67Aは、約134.2kHzの第1の無線周波数(RF)に同調させることができる。しかしながら、当業者であれば理解するように、第1のアンテナ67Aは、この周波数よりも高い又は低い他の周波数に同調させることもできる。例えば、RFIDタグ200の他の周波数は、以下に限定するわけではないが、約125.0kHz~約148.0kHz、好ましくは約134.2kHz(低周波)、及び約914.0MHz~約916.0MHz、好ましくは約915.0MHz(超高周波)を含むことができる。これらの周波数範囲は、本明細書で説明する全てのRFIDタグ200に適用することができる。
【0053】
当業者であれば理解するように、第2のアンテナ67Bも、第1のアンテナ67Aと同様に、絶縁ワイヤを有するコイルアンテナを含むことができる。他の実施形態では、必要に応じてアンテナ67Bのワイヤを絶縁しないこともできる。第2のアンテナ67Bは、NFCチップ302の通信をサポートする。第2のアンテナ67Bは、約13.56MHzの第2の無線周波数(RF)に同調させることができる。しかしながら、当業者であれば理解するように、第2のアンテナ67Bは、この周波数よりも高い又は低い他の周波数に同調させることもできる。例えば、NFCタグ300の他の周波数は、以下に限定するわけではないが、約12.00MHz~約14.00MHz、約13.553MHz~約13.567MHz、好ましくは約13.56MHz(高周波)を含むことができる。これらの周波数範囲は、本明細書で説明する全てのNFCタグ300に適用することができる。
【0054】
上述した容器60C内の要素の例示的な長さは、容器60Cの第1の端部と基板210との間の距離を定める約1.0mmの長さL1と、基板210の第1の端部と第1のアンテナ67Aの第1の端部との間の距離を定める約0.5mmの第2の長さL2と、第1のアンテナ67Aの第1の端部と第1のアンテナ67Aの第2の端部との間の距離を定める約6.0mmの第3の長さL3と、第1のアンテナ67Aの第2の端部と第2のアンテナ67Bの第1の端部との間の距離を定める約4.0mmの第4の長さL4と、第2のアンテナ67Bの第1の端部と第2のアンテナ67Bの第2の端部との間の距離を定める約6.0mmの第5の長さL5と、第2のアンテナ67Bの第2の端部と基板210の第2の端部との間の距離を定める約4.5mmmの第6の長さL6と、基板210の第2の端部と容器60Cの第2の端部との間の距離を定める約1.0mmの第7の長さL7とを含む。当業者であれば理解するように、これらの例示的な長さは、本開示の範囲から逸脱することなく増減させることができる。例えば、上述した各長さについてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0055】
この
図3A-2に示す例示的な実施形態では2つのコイルアンテナ67A、67Bの長さが同じであるが、当業者であれば、これらのアンテナ67A、67Bに関して、物理的な長さは等しいけれどもそれぞれが互いに異なる周波数をサポートするように数多くの変数/パラメータのうちのいずれか1つを調整することもできると認識する。例えば、当業者であれば理解するように、2つのアンテナ67A、67Bの物理的な長さを同じにする一方で送信周波数を異ならせ/調整できるように、アンテナ67の1つに強磁性コアを設け、及び/又は2つのアンテナ67間に使用されるワイヤのゲージを異ならせ、及び/又は同調回路/インピーダンス整合回路(図示せず、
図3Eの回路405を参照)を使用することができる。
【0056】
次に、
図3B-2に、
図3B-1に示す例示的な実施形態による、共通のチップ400と別個のアンテナ67A、67Bとを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ300及びRFIDタグ200のための単一の容器60Dの1つの例示的な実施形態を示す。
図3B-2の例示的な実施形態は、
図3A-2の例示的な実施形態と比べて同様の物理的特徴を共有する。従って、以下では
図3A-2に示す実施形態と
図3B-2に示す実施形態との間の相違点のみを説明する。
【0057】
第1のアンテナ67Aは、半田ワイヤ204を介して第1の半田パッド206に結合される。半田パッド206は、基板210を貫通する第1の半田ワイヤ208を介して共通のチップ400に結合される。同様に、第2のアンテナ67Bは、半田ワイヤ204を介して第2の半田パッド206に結合される。第2の半田パッド206は、やはり基板210を貫通する第2の半田ワイヤ208を介して共通のチップ400に結合される。
【0058】
第1のアンテナ67Aは、RFID通信のための無線周波数をサポートすることができ、第2のアンテナ67Bは、NFC通信のための無線周波数をサポートすることができる。共通のチップ400は、NFC通信及びRFID通信をサポートする回路を含むことができる。従って、共通のチップ400は、後述する
図3Eに示す2組の回路を有することができる。
【0059】
図3C-2(i)に、
図3C-1に示す例示的な実施形態による、両タグ200、300のための共通のチップ400と単一の共通するアンテナ67とを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ300及びRFIDタグ200のための単一の容器60Eの1つの例示的な実施形態を示す。
図3C-1の例示的な実施形態は、
図3A-2及び
図3B-2の例示的な実施形態と比べて同様の物理的特徴を共有する。従って、以下では
図3A-2/
図3B-2に示す実施形態と
図3C-2(i)に示す実施形態との間の相違点のみを説明する。
【0060】
単一のアンテナ67は、半田ワイヤ/トレース204を介して半田パッド206に結合される。半田パッド206は、基板210を貫通/通過して共通のチップ400に到達できる半田ワイヤ208にも結合される。共通のチップ400は、NFC通信及びRFID通信の両方をサポートするためのNFC回路及びRFID回路の両方を有することに加えて、同調回路/インピーダンス整合回路405(
図3Eを参照)を含むこともできる。当業者であれば理解するように、インピーダンス整合回路405は、単一のアンテナ67をRFID周波数及びNFC周波数の両方で同調/動作させることができる。
【0061】
上述した容器60E内の要素の例示的な長さは、容器60Eの第1の端部と基板210との間の距離を定める約1.0mmの長さL(i)と、基板210の第1の端部と単一のアンテナ67の第1の端部との間の距離を定める約0.5mmの第2の長さL(ii)と、単一のアンテナ67の第1の端部と単一のアンテナ67の第2の端部との間の距離を定める約6.0mmの第3の長さL(iii)と、単一のアンテナ67の第2の端部と基板210の第2の端部との間の距離を定める約3.5mmの第4の長さL(iv)と、基板210の第2の端部と容器60Eの第2の端部との間の距離を定める約1.0mmの第7の長さL(v)とを含むことができる。当業者であれば理解するように、これらの例示的な長さは、本開示の範囲から逸脱することなく増減させることができる。例えば、上述した各長さについてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0062】
次に、
図3C-2(ii)に、
図3C-1に示す例示的な実施形態による、両タグ200、300のための共通のチップ400と単一のアンテナ67とを有する埋め込み型又は摂取型NFCタグ300及びRFIDタグ200のための単一の容器60Fの1つの例示的な実施形態を示す。
図3C-2(ii)の例示的な実施形態は、
図3C-2(i)の例示的な実施形態と比べて同様の物理的特徴を共有する。従って、以下では
図3C-2(i)に示す実施形態と
図3C-2(ii)に示す実施形態との間の相違点のみを説明する。
【0063】
この
図3C-2(ii)の例示的な実施形態の単一のアンテナ67は、半田ワイヤ204を介して半田パッド206に結合される。半田パッド206は、基板210を貫通/通過する半田ワイヤ208を介して同調/インピーダンス整合チップ405に結合される。同調/インピーダンス整合チップ405は、共通のチップ400に結合される。上述したように、また当業者であれば理解するように、共通のチップ400は、NFC通信及びRFID通信の両方をサポートするためのNFC回路及びRFID回路の両方を有することができる。共通のチップ400の詳細については、
図4に関連して後述する。
【0064】
図3Dは、本明細書で説明する例示的な実施形態による、RFIDチップ200又はNFCチップ300のいずれかを形成できる、或いはNFC通信及びRFID通信の両方をサポートする1対の二重回路(図示の単一の回路の2つの複製物)を有するチップ400を形成できる回路の1つの例示的な実施形態の機能ブロック図である。RFIDタグ200、RFIDチップ202、NFCタグ300、NFCチップ302及び共通のチップ400は、インピーダンス整合回路/モジュール405と、パワーハーベスタモジュール410と、変調器モジュール415と、復調器モジュール420と、電圧レギュレータ430と、マイクロコントローラユニット(MCU)435と、メモリモジュール440とを含むことができる。
【0065】
アンテナ67が受け取ったRFエネルギーは、インピーダンス整合回路/モジュール405を通じてパワーハーベスタモジュール410に流れることができる。パワーハーベスタモジュール410は、到来するRFエネルギーを直流電圧に整流して、チップ/システム全体に電力を供給することができる。電圧レギュレータ430は、パワーハーベスタモジュール410から受け取ったDC電圧を平滑化/フィルタ除去する。電圧レギュレータ430は、その電流/電圧をMCU435に送信する。
【0066】
一方で、復調器モジュール420は、当業者であれば理解するように、振幅シフトキーイング(ASK)を用いてRF搬送波からデータストリームを抽出する。復調器モジュール420は、その信号をMCU435に送信する。
【0067】
MCU435は、復調器モジュール420から受け取った信号を読み取ってこれに作用することができる。MCU435は、復調器モジュール420から受け取った信号に応答して信号を生成することができる。例えば、MCU435は、タグ200、300の一意の識別子を提供するための要求を受けることができる。この一意の識別子は、メモリモジュール440に記憶されたものとすることができる。MCU435は、メモリモジュール440から一意の識別子を取り出して変調器モジュール415に送信することができる。
【0068】
次に、変調器モジュール415は、MCU435から受け取った一意の識別子信号を用いてRF搬送波を変調することができる。その後、このRF搬送波がインピーダンス整合回路/405を流れ、ここでアンテナ67によって送信される。当業者であれば理解するように、本明細書で説明するNFC回路/タグ300は、本稿執筆時点で周知のECMA-340及びISO/IEC 18092という2つの規格の少なくとも一方に従って構築することができる。当業者であれば理解するように、本明細書で説明するRFID回路/タグ200は、本稿執筆時点で周知のISO/IEC 18000、ISO/IEC 29167、ISO/IEC 20248、及びISO/IEC JTC 1/SC 31という4つの規格のうちの少なくとも1つに従って構築することができる。
【0069】
次に、
図4Aに、本発明の原理による、プラスチック製の動物用首輪60G(i)の内部に位置することができるNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。NFCタグ300は、動物80(動物80については
図1を参照)のためのペット用首輪又はその他の外部装置60の材料に固定し、内包し、又は埋め込むことができる。イヌ及びネコなどのペット又は伴侶動物80については、この外部装置又は結合機構60が、ペット用首輪、駆虫性ペット用首輪又は装着帯などの形を取ることができる。
【0070】
ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの生産動物80については、この外部装置/結合機構60が、例えば上述した
図2~
図3に示すような耳タグなどの取り付け可能タグの形を取ることができる。ウマ又はラクダなどの競技動物80については、この外部装置が、馬勒、鞍、装着帯などの形を取ることができる。マウス、ラット、ウサギなどの実験動物については、この外部装置が、動物80の脚、首又は足などに適用される耳輪、足輪又は首輪60M(後述する
図9~10を参照)などの形を取ることができる。
【0071】
盲導犬、捜索救助動物、税関薬物探知動物、巡回馬などの介助又は支援動物80については、この外部装置/結合機構60が装着帯の形を取ることができる。鶏、七面鳥、アヒル及びガチョウなどの生産用鳥類又は家禽動物80については、この外部装置/結合機構60が、脚帯60M(後述する
図9~10を参照)、足輪、翼タグ又はビードの形を取ることができる。野生動物については、外部装置/結合機構60が、インプラント、首輪、耳タグ、脚帯、翼タグ、装着帯又はビードを含む、上記で識別した適切な形のいずれかを取ることができる。本明細書で説明するNFCタグ300の各構成を特定のタイプの動物に関して提案しているが、当業者であれば理解するように、NFCタグ300の各構成は、いずれかの特定タイプの動物に限定されるものではなく、本開示では全ての置換及び組み合わせが想定される。例えば、ラクダ又はウマに首輪60G(
図4A~
図5Cを参照)を使用することも、イヌに耳タグ60(
図2~
図3を参照)を使用することもできる。
【0072】
NFCタグ300を含む外部装置/結合機構60については、装置/結合機構60内又は装置/結合機構60上にタグ300及びその回路/チップ302を組み込むことができる。例えば、ペット用首輪60Gは、布地、皮革、プラスチック、ゴム又はその他の材料で形成することができる。首輪60Gは、バックル又はプラスチッククリップ又はその他の同様の閉鎖機構433(
図4A~
図5Cを参照)を有することができる。布地、皮革又は同様の材料については、NFCタグ300を布地又は皮革に縫い付け又は縫い込み、或いは材料の層間に挟み込んで接着することができる。駆虫性医薬化合物を含む首輪などのプラスチック性の首輪60G(i~iii)(
図4A~
図4Cを参照)では、首輪を形成するために使用するプラスチックなどの材料内にNFCタグ300を包み込むことができる。
【0073】
NFCタグ300は、他の既知の方法によって別様に首輪に取り付け、固定し、クリップ留めし、又は埋め込むこともできる。装着帯、馬勒、鞍、脚帯、翼タグ、足輪、ビードなどについても、同様の加工を使用することができる。NFCタグ300は、接着剤、スタンピング又はリベット留めなどの既知の方法によって単純に外部装置60Gに固定することもできる。RFIDタグ200(結合機構60と共には図示せず)も、同様に共同提供(co-host)して取り付けることができる。
【0074】
図4A~
図4C及び
図5(a)~(c)は、首輪60に関するNFCタグ300の概略図である。これらの図には、バックル閉鎖部を有する首輪60を示しているが、本明細書において検討する発明は、いかなる特定の閉鎖機構にも限定されるものではない。例えば、首輪60が布地である場合、布地の2つの層間にNFCタグ300を縫い込み又は密封することができる。首輪60がプラスチックである場合、内部にNFCタグ300を成形することができる。NFCタグ300をペット用首輪60に組み込む場合には、ペット用首輪60の特定の位置にNFCタグ300が含まれていることを示す通知をペット用首輪60に刻印することができる。或いは、例えば射出成型に使用される金型を通じて首輪の材料内に情報を成形することもできる。
【0075】
本発明の原理による、プラスチック製の動物用首輪60G(i)の内部に位置することができるNFCタグ300の例示的な実施形態を示す
図4Aを再び参照する。この例示的な実施形態によれば、NFCタグ300は、プラスチック製の動物用首輪60G(i)に埋め込むことができる。従って、NFCタグ300は、
図4Aに示す首輪60G(i)の外観図に関する視野から隠れていることを示すように破線で示している。NFCタグ300は、この図では見えない小型のチップ302及びアンテナ67Bを有することができる。NFCタグ300は、上述した
図3Dの概略図に関連して説明したものと同じ構造及び機能を有することができる。
【0076】
当業者であれば理解するように、この
図4Aの例示的な実施形態の閉鎖機構433Aは、プラスチック製の動物用首輪60G(i)に存在する様々な穴(図示せず)を貫く突出部材を有するバックルを含むことができる。様々な穴は、動物80(図示せず、
図1を参照)の首周りに動物用首輪60G(i)をフィットさせる調整を可能にする。
【0077】
次に、
図4Bに、本発明の原理による、プラスチック製の動物用首輪の外部に位置することができるNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。
図4Bは、
図4Aの実施形態に類似する。従って、以下ではこれらの2つの動物用首輪60間の相違点のみを説明する。
【0078】
この例示的な実施形態では、プラスチック材料で形成された首輪60G(ii)の外側部分にNFCタグ300の取り付け/固定が行われる。NFCタグ300は、接着剤、音波溶接などの既知の締結技術のいずれかによって取り付け/固定を行うことができる。
【0079】
次に、
図4Cに、本発明の原理による、動物用首輪60G(iii)の外部に存在して動物用首輪60G(iii)の本体の一部を成すNFCタグ300の別の例示的な実施形態を示す。
図4Cは、
図4Aの実施形態に類似する。従って、以下ではこれらの2つの動物用首輪60間の相違点のみを説明する。
【0080】
この例示的な実施形態によれば、NFCタグ300は、プラスチック材料で形成された動物用首輪60G(iii)の一部を成すように大型のハウジング及び/又は機械的構造を有することができる。この例示的な実施形態におけるNFCタグ300は、動物用首輪60G(iii)の2つの端部に恒久的に取り付けられるハウジングを有する。
【0081】
NFCタグ300のハウジングは、動物用首輪60G(iii)のサイズ及び形状を反映するようなサイズ及び形状を有することができる。
図4Cに示すNFCタグ300は、首輪60G(iii)のサイズ及び形状よりもわずかに大きなサイズ及び形状を有するように示しているが、上述したように、また当業者であれば理解するように、首輪60G(iii)と同じサイズ及び形状のハウジングを有するNFCタグ300を形成することも可能である。
【0082】
次に、
図5Aに、本発明の原理による、皮革製の動物用首輪60J(i)の内部に存在するNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。
図5Aは、
図4Aの実施形態に類似する。従って、以下ではこれらの2つの動物用首輪60G(i)と60J(i)との相違点のみを説明する。
【0083】
この実施形態のNFCタグ300は、
図4Aの実施形態と同様に動物用首輪60J(i)の布地/皮革構造に埋め込み/内包することができる。動物用首輪60J(i)は、首輪60J(i)の中間部分に比べて端部の方が太い不均一な断面形状を有することができる。しかしながら、当業者であれば理解するように、均一な断面形状及び太さを有する皮革首輪60J(i)を製造することも可能である。
【0084】
次に、
図5Bに、本発明の原理による、皮革製の動物用首輪60J(ii)の外部に存在するNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。
図5Bは、
図4Bの実施形態に類似する。従って、以下ではこれらの2つの動物用首輪60G(ii)と60J(ii)との相違点のみを説明する。
【0085】
この
図5Bの実施形態のNFCタグ300は、
図4Bに示す実施形態と同様に皮革首輪60J(ii)の外側部分に取り付け/恒久的に固定することができる。一般に、NFCタグ300は、皮革首輪60J(ii)の太さよりも小さなハウジングを有する。
【0086】
次に、
図5Cに、本発明の原理による、皮革製の動物用首輪60J(ii)の外部に存在するNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。
図5Cは、
図4Cの実施形態に類似する。従って、以下ではこれらの2つの動物用首輪60G(iii)と60J(iii)との相違点のみを説明する。
【0087】
NFCタグ300は、
図4Cの実施形態と同様に皮革首輪60J(iii)の少なくとも2つの端部に固定されるハウジングを有する。
図5Cに示すNFCタグ300は、首輪60J(iii)のサイズ及び形状よりもわずかに大きなサイズ及び形状を有するように示しているが、上述したように、また当業者であれば理解するように、首輪60J(iii)と同じサイズ及び形状のハウジングを有するNFCタグ300を形成することも可能である。
【0088】
図6~
図10を全体的に参照すると、これらの図で参照するNFCタグ200及びRFIDタグ200は、
図3Dに関連して上述した機能及び回路を有する。まず、
図6Aに、動物用耳タグ600の例示的な実施形態を示す。通常、このような装置は、プラスチック、ゴム又は他の好適な材料で形成され、多くの場合、
図6Bに示すような、RFIDタグ200を動物80(図示せず)に固定するためのリベット点/取り付け点602(すなわち、概ね幾何学的中心)にRFIDタグ200(
図6Cを参照)を含むことができる。
【0089】
耳タグ600は、タグ情報609を刻印できるような矩形部分又は領域607を含むことができる。耳タグ600は、矩形に限定されるものではない。他の多角形も可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。例えば、他の形状は、限定するわけではないが、三角形、正方形、五角形、八角形などを含む。さらに、耳タグ600の考えられる幾何学的形状には、限定するわけではないが、円形、楕円形などの湾曲形状も含まれる。
【0090】
タグ情報609は、機械を用いて付与できる及び/又は人間が手書きできる英数字を含むことができる。タグ情報609は、ウシなどの生産動物80に使用される識別システムに従って動物の飼い主が提供する英数字を含むことができる。タグ情報609は、インクを含むことも、及び/又は機械的スタンピング装置によって付与して動物タグ600の矩形部分607に物理的に刻印することもできる。
【0091】
次に、
図6Cに、締結具として機能して
図6Bに示すようなタグ600のリベット点602に結合できるボタン型構造を有するRFIDタグ60K(i)の例示的な実施形態を示す。当業者であれば理解するように、(見えない)RFIDアンテナ67Aは、コイルアンテナを含むことができる。
【0092】
次に、
図6Dに、具体的には
図6Aの耳タグ60L(i)の矩形部分607である本体内のRFIDタグ200の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、通常のボタン/締結具(締結具720については
図7A-4を参照)を用いてこの耳タグ60L(i)をウシのような生産動物80などの動物80に固定する。
【0093】
次に、
図7A-1に、
図6Aの単純なタグ600に類似するがタグ60Jの矩形部分にアンテナ67Bを含む、耳タグ60L(i)内のNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。NFCタグ300は、以下で
図7A-2に関連してさらに詳細に説明するループアンテナ67Bを含むことができる。
【0094】
次に、
図7A-2に、
図7A-1に示すNFCタグ300の背面図の例示的な実施形態を破断図で示す。この破断図には、アンテナ67Bと、アンテナ67B及びNFCチップ302を収容するためのポーチ/容量/空間705によって包む/封入することができる耳タグ60L(i)の領域/部分とのさらなる詳細を示す。
【0095】
アンテナ67B及びNFCチップ302を収容/封入するためのポーチ705は、約65.0mmの長さ寸法L7A(i)と、約47.0mmの幅寸法W7A(i)とを有することができる。(最も内側の矩形を有する)ポーチ705を取り囲む矩形境界710(最も外側の形状)は、約3.0mmの厚みを有することができる。当業者であれば理解するように、通常、矩形境界710は音波溶接によって形成される。
【0096】
耳タグ60Iは、約74.0mmの長さ寸法L7A(ii)を有することができる。耳タグは、約56.0mmの幅寸法を有することもできる。しかしながら、当業者であれば理解するように、これよりも大きな又は小さな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0097】
次に、
図7A-3に、
図7A-1に示すNFCタグ300の例示的な実施形態の単純な背面図を示す。この例示的な実施形態は、
図6Bに示す例示的な実施形態と同様に、耳タグ60Iの部分715であるリベット点602を含むことができる。部分715は、この
図7A-3ではいずれの線でも示していない矩形ポーチ705に対してネック部と呼ぶことができる。
【0098】
次に、
図7A-4に、動物80に耳タグ構造60L(i)を固定するために
図7Aの例示的な実施形態のリベット点602において使用できるボタン構造/締結具720の斜視図を示す。このボタン構造720の斜視図には、高さ寸法H7A(i)を有する例示的なリベット725を示す。締結具720の端部は、円錐形状(すなわち、直円錐)などに基づく尖端部を含むことができる。しかしながら、締結端部については平坦な形状又は楔形などの他の形状も可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
【0099】
この締結具720の高さ寸法H7A(i)は、約25.0mmの大きさを有することができる。リベット725は、約5.0mmの内径を有することができる。一方で、ボタン構造720は、外径寸法D7A(iii)を有することもできる。この外径寸法D7A(iii)は、約30.0mmの大きさを有することができる。当業者であれば、これよりも小さな又は大きな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれると認識する。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0100】
本開示の(単複の)締結具720は、(単複の)リベットに限定されるものではない。使用できる他の締結具720は、限定するわけではないが、クリップ、ねじ、釘、接着剤などを含むことができる。当業者であれば理解するように、このような締結具720の材料は、限定するわけではないが、プラスチック、金属、複合物などを含むことができる。
【0101】
次に、
図7A-5に、
図7A-1に示すNFCタグ300の例示的な実施形態の正面斜視図を示す。この斜視図には、リベット収容部730がいかに高さ寸法H7A(ii)を有するかを示す。リベット収容部は、
図7A-4のボタン構造/締結具720と嵌合する。高さ寸法H7A(ii)は、約10.0mmの大きさを有することができる。リベット収容部730は、約6.0mmの内径を有することができる。当業者であれば、これよりも小さな又は大きな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれると認識する。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0102】
次に、
図7B-1に、
図6Aの単純なタグ600に類似するがタグ60L(ii)のリベット点602付近にアンテナ67Bを有する、耳タグ60L(ii)内のNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。NFCタグ300は、リベット点602に、以下で
図7B-2に関連してさらに詳細に説明する、耳タグ構造60L(ii)と一体になったループアンテナ67Bを含むことができる。
【0103】
換言すれば、この
図7B-1に示す実施形態によれば、NFCタグ300は、タグ構造60L(ii)全体に恒久的に取り付けられ/固定され/溶接される。NFCタグ300は、タグ構造60L(ii)と一体であり、タグ構造60L(ii)全体の製造中に一体的に形成することができ、或いは製造後に単一の本体/実体になるようにわずかな工程で一体化される。NFCアンテナ300を有する一体タグ構造60L(ii)は、リベット点602において動物80に固定されるためにリベット/締結具720(
図7A-4を参照)を必要とする。
【0104】
次に、
図7B-2に、
図7B-1のタグ60L(ii)全体と一体になったNFCタグ300のさらなる詳細を示す。(この図では見えない)アンテナ67Bを収容するボタン型タグ/リング構造743は、タグ構造60L(ii)全体の一部であってタグ構造60L(ii)全体に一体化される。たとえ矩形部分607を含むタグ構造60L(ii)全体に比べてリング構造743が別個の幾何学的形状のように見えるとしても、これらの2つの構造743、60L(ii)は融合/結合することができる。他の例示的な実施形態(図示せず)では、リング構造743の底部/下半分を、矩形部分607の真上に存在するネック部の部分とすることができる。
【0105】
次に、
図7C-1に、
図6Cの例示的な実施形態及び
図7Bの60L(ii)の例示的な実施形態と同様の、円形/リング部分743が例示的な実施形態によるNFCタグのアンテナを含むことができるボタン型構造60L(iii)を示す。ボタン型構造60L(iii)は、リベット点602と、収容部730と、リング構造/部分743とを含むことができる。この構造60L(iii)を動物80に取り付けるには、
図7A-4の締結具720などの締結具を使用することができる。当業者であれば理解するように、本開示の範囲から逸脱することなく、
図7A-4に示すもの以外の他の締結具を使用することもできる。
【0106】
次に、
図7C-2に、
図7B-1に示すボタン型タグ構造60L(iii)の破断図を示す。この破断図には、NFCチップ302に結合されたアンテナ67Bの詳細を示す。アンテナ67Bを支持するボタン構造の円形の平面部分743は、外径寸法D7B(i)を有することができる。この外径寸法D7B(i)は、約30.0mmの大きさを有することができる。一方で、コイルアンテナ67Bは、外形寸法D7B(ii)を含むこともできる。この外径寸法D7B(ii)は、約30.0mmの大きさを有することができる。当業者であれば、これよりも小さな又は大きな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれると認識する。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0107】
本発明の原理によれば、耳タグ60は、動物の識別を目的とした「デュアルモード」とすることができる。以下でさらに詳細に説明するように、本明細書で説明するいくつかの構成では、NFCタグ300及びRFIDタグ200の動作周波数を、これらが互いに干渉せずにタグの「二重適用性」を可能にし、ユーザがいずれかのタイプの技術を用いて、動物に関する情報と、少なくともNFCタグに関して提供されるサービスとにアクセスできるように設定することができる。
【0108】
「デュアルモード」耳タグ60の一例として、
図8Aを参照されたい。この図には、リベット収容部として機能する耳タグ60L(iv)の円形部分に位置することができるNFCタグ300を示す。また、耳タグ60L(iv)の平坦/矩形部分607にはRFIDタグ200を含めることができる。
【0109】
次に、
図8B-1に、耳タグ構造60L(v)のリベット収容部として機能する円形部分にRFIDタグ200が含まれる一方でNFCタグ300が平坦/矩形部分607に位置することができる、
図8Aとは逆の実施形態を示す。
図8B-2に、この例示的な実施形態のさらなる詳細を示す。
【0110】
図8B-2の破断図には、NFCアンテナ67B及びその対応するNFCチップ302の詳細が見える。
図8Bの例示的な実施形態は、基本的に
図6CのRFIDタグ200と、
図7Aに示す例示的な実施形態とを組み合わせたものである。RFIDアンテナ200は、NFCタグ300をタグ構造60L(ii)に対して恒久的に取り付ける/一体に形成する
図7B-1及び
図7B-2で上述した実施形態と同様に、タグ構造60L(v)全体に形成し及び/又は恒久的に取り付けることができる。
【0111】
図8B-2のRFIDタグ200は、
図7BのNFCタグ300と同様に、
図7A-4のリベット720のような締結具を受け取るための収容部730を含むことができる。RFIDタグ200は、(この図では見えない)そのコイルアンテナを収容するためのリング/円形構造743をさらに含むことができる。円筒収容部730の中心は、タグ構造60L(v)を動物80に取り付ける時に締結具720が貫通するリベット点602を提供することができる。
【0112】
次に、
図8Cに、ボタン型耳タグ60K(iii)のリベット点におけるRFIDタグ200及びNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態によれば、RFIDタグ200の(この図では見えない)コイルアンテナ67Aの方が小さな直径を有し、NFCタグ300の(この図では見えない)大きなコイルアンテナ67B内に位置することができる。
【0113】
次に、
図8Dに、ボタン型耳タグ60L(vi)のリベット点におけるRFIDタグ200及びNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、上述した
図8Cに示す例示的な実施形態とは逆に、NFCタグ300の(この図では見えない)コイルアンテナ67Bの方が小さな直径を有し、RFIDタグ200の(この図では見えない)大きなコイルアンテナ67A内に位置することができる。
【0114】
次に、
図8Eに、耳タグ60L(vii)内におけるRFIDタグ200及びNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。具体的に言えば、タグ200及び300は、いずれもタグ構造60L(vii)の矩形部分607内に位置することができる。この例示的な実施形態によれば、RFIDタグ200は、NFCタグ300が占めている領域を含む/取り囲む回路及び/又は(見えない)アンテナ67Aを有することができる。
【0115】
次に、
図8Fに、
図6Aの耳タグ60L(viii)内におけるRFIDタグ200及びNFCタグ300の別の例示的な実施形態を示す。具体的に言えば、タグ200及び300は、いずれもタグ構造60L(vii)の矩形部分607内に位置することができる。この例示的な実施形態によれば、RFIDタグ200がNFCタグ300に隣接して位置し、両方が矩形部分607を占めることができる。この例示的な実施形態によれば、破線で示すように、NFCタグ200は、NFCタグ300が占めている表面積よりも狭い表面積を占めることができる。
【0116】
次に、
図8Gに、第1のRFIDタグ200Aが締結具を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグ200Bが構造60L(ix)の矩形部分607に形成された、デュアルモードRFIDタグシステム60L(ix)の別の例示的な実施形態を示す。第1のRFIDタグ200Aのアンテナは、(見えない)コイルアンテナを含むことができる。第1のRFIDタグ200Aは、約134.2kHzの周波数で動作する低周波タグとして特徴付けることができる。
【0117】
一方で、第2のRFIDタグ200Bのアンテナは、当業者であれば理解するようなダイポールアンテナを含むことができる。第2のRFIDタグ200Bは、
図7A-4に関連して上述したコイルアンテナ67Bと同様に矩形部分607内に封入/形成することができる。第2のRFIDタグ200Bは、約840.0~約960.0MHzの周波数範囲で動作する超高周波(UHF)タグとして特徴付けることができる。第2のRFIDタグ200Bは、約30.0mm×約50.0mmの表面積を占めることができる。当業者であれば理解するように他の寸法も可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0118】
次に、
図8H-1に、第1のRFIDタグ200Aが締結具(すなわち、
図7A-4の720)を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグ200BがNFCタグ300と共に構造60L(x)の矩形部分607に形成された、トリプルモードタグ60L(x)の例示的な実施形態を示す。
【0119】
この例示的な実施形態によれば、各タグは独自のチップを有する。
図8H-1に示すように、NFCタグ300は、独自のチップ302とアンテナとを有する。同様に、第2のRFIDタグ200Bは、独自のチップ202と、2つの矩形パッチアンテナを含む独自のアンテナとを有する。
図8H-1では見えないが、第1のRFIDタグ200Aは、独自のコイルアンテナと(見えない)独自のチップ202とを有する。
【0120】
第1のRFIDタグ200Aは、低周波(LF)として特徴付けることができ、約134.2kHzの周波数で動作することができる。NFCタグ300は、高周波(HF)として特徴付けることができ、約13.56MHzで動作することができる。一方で、第2のRFIDタグ200Bは超高周波(UHF)として特徴付けることができ、約840.0~約960.0MHzで動作することができる。NFCアンテナは約25.0mmの直径を有することができ、UHFアンテナの各パッチは、約15.0mm×約60.0mmのサイズを有することができ、ここでの15.0mm×60.0mmという寸法は、基板上のインレーをサイズ通りに切断する場合に機械による切り取りのための多少の裁ち切り空間(bleed space)を含む、第2のRFIDタグ200BのUHFアンテナの総設置面積を含むことができる。
【0121】
図8H-1の各パッチアンテナは、約12.0mm×約12.0mm平方の寸法を含むことができる。当業者であれば、これよりも小さな又は大きな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれると認識する。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。さらに、特にこれらのアンテナのそれぞれの寸法を調整する時/場合には、他のアンテナ形状も可能である。しかしながら、当業者であれば理解するように、これよりも大きな又は小さな他の寸法も実現可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。例えば、上述した各寸法についてそれぞれを約0.5mm増減させることができ、これも本開示の範囲に含まれる。
【0122】
次に、
図8H-2に、第1のRFIDタグ200Aが締結具(すなわち、
図7A-4の720)を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグ200BがNFCタグ300と共に構造60L(x)の矩形部分607に形成された、トリプルモードタグ60L(x)’の例示的な実施形態を示す。この
図8H-2の例示的な実施形態は、
図8H-1の例示的な実施形態に類似する。従って、これらの2つの例示的な実施形態間の相違点のみを説明する。
【0123】
この
図8H-2の例示的な実施形態によれば、第2のRFIDタグ200Bの位置とNFCタグ300の位置が
図8H-1の実施形態に対して反転/逆転している。すなわち、NFCタグ300のコイルアンテナはタグL(x)’の底部に近接して位置するのに対し、第2のRFIDタグ200Bの2つのパッチアンテナはタグL(x)’の矩形部分607の中間部分内に位置する。
【0124】
次に、
図8H-3に、単一のRFIDタグ200BがNFCタグ300と共に構造の矩形部分607に形成されたデュアルモードタグL(x)’’の例示的な実施形態を示す。この
図8H-3の例示的な実施形態は、
図8H-2の例示的な実施形態に類似する。従って、これらの2つの例示的な実施形態間の相違点のみを説明する。
図8H-3の例示的な実施形態によれば、
図8H-2の実施形態に存在するRFIDタグ200Aが省略/除去され、単一のRFIDタグ200Bのみが残っている。
【0125】
次に、
図8I-1に、第1のRFIDタグ200Aが締結具(すなわち、
図7A-4の720)を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグ200BがNFCタグ300と共に構造60L(xi)の矩形部分607に形成された、
図8H-1の実施形態と同様のトリプルモードタグ60L(xi)の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態は、
図8H-1の例示的な実施形態に類似する。従って、これらの2つの例示的な実施形態間の相違点のみを説明する。
【0126】
この
図8I-1の例示的な実施形態によれば、第2のRFIDタグ200B及びNFCタグ300が、それぞれの同調回路のために同じ電子チップ400を共有する。この実施形態は、上述したようなタグ200、300が共通のチップ400を共有する
図3B-
図3Cなどの上述した例示的な実施形態に類似する。
【0127】
次に、
図8I-2に、第1のRFIDタグ200Aが締結具を受け取るための収容部を形成し、第2のRFIDタグ200BがNFCタグ300と共に構造の矩形部分607に形成され、第2のRFIDタグ200BとNFCタグ300とがそれぞれの同調回路のために同一の電子チップを共用する、トリプルモードタグ60L(xi)’(プライム)の例示的な実施形態を示す。この
図8I-2の例示的な実施形態は、
図8I-1の例示的な実施形態に類似する。従って、これらの2つの例示的な実施形態間の相違点のみを説明する。
【0128】
この
図8I-2の例示的な実施形態によれば、第2のRFIDタグ200Bの位置とNFCタグ300の位置とが
図8H-1の実施形態に対して反転/逆転している。すなわち、NFCタグ300のコイルアンテナはタグL(xi)’の底部に近接して位置するのに対し、第2のRFIDタグ200Bの2つのパッチアンテナはタグL(xi)’の矩形部分607の中間部分内に位置する。そして、上述したように、第2のRFIDタグ200B及びNFCタグ300は同一のチップ400を共有する。
【0129】
図8I-3には、RFIDタグ200BがNFCタグ300と共に構造の矩形部分607に形成され、第2のRFIDタグ200BとNFCタグ300とがそれぞれの同調回路のために同一の電子チップを共用する、デュアルモードタグL(xi)’’(ダブルプライム)の例示的な実施形態を示す。この
図8I-3の例示的な実施形態は、
図8I-2の例示的な実施形態に類似する。従って、これらの2つの例示的な実施形態間の相違点のみを説明する。
図8I-3の例示的な実施形態によれば、
図8H-2の実施形態に存在するRFIDタグ200Aが省略/除去され、単一のRFIDタグ200Bのみが残っている。
【0130】
図9に、バンド又は足輪60Mとして取り付けられる本発明の例示的な実施形態を示す。足輪又はバンド60Mは、例えば生産用鳥類80又は野生動物の研究のために、鳥80の脚916の周囲に配置して使用することができる。足輪又はバンド60Mは、以下で
図10A~
図10Dに関連して説明するようにRFIDタグ200及び/又はNFCタグ300を含むことができる。足輪又はバンド60Mは、プラスチック材料又はゴム材料で形成することができる。
【0131】
次に、
図10Aに、バンド又は足輪60M内のNFCタグ300の例示的な実施形態を示す。(鳥の脚80に適用する前の巻き上げ/巻き付けを行っていない開いた状態で示す)バンド60Mは、NFCタグ300のみを含むことができる。NFCタグ300は、上述したものと同様の、NFC装置に使用される周波数で送受信を行うのに適したNFCチップ302及びアンテナ67Bを含む。
【0132】
次に、
図10Bに、バンド又は足輪60M(i)内のNFCタグ300及びRFIDタグ200の例示的な実施形態を示す。足輪又はバンド60M(i)は、バンド60M(i)上に互いに隣接して位置するRFIDタグ200及びNFC300を含むことができる。
図10Bに示すように、RFIDタグ200及びNFCタグ300は、足輪上で分離して異なる回路基板(矩形構造を参照)を有することができ、これによってあらゆる潜在的なRF干渉を低減するという利点をもたらすことができる。或いは、図示してはいないが、同じ足輪/バンド60M上でRFIDタグ200とNFCタグ300とが互いに隣接することもできる。
【0133】
次に、
図10Cに、バンド又は足輪60M(ii)内の、単一の基板(図示の矩形構造を参照されたい)を共有するNFCタグ300及びRFIDタグ200の別の例示的な実施形態を示す。
図10Cに示すように、この単一の装置は、RFIDチップ202及び適切な第1のアンテナ67Aと、NFCチップ302及び適切な第2のアンテナ67Bとを含むことができる。RFIDタグ200及びNFCタグ300は、タグの内部(すなわち、バンド/足輪60M(ii)を構成する材料の内部)に存在し、或いはバンド上に外部から取り付け、固定し又は装着することもできる。この装置は、RFID装置200及びNFC装置300がバンド60M(ii)を配置する脚に隣接するように、或いはRFID装置200及びNFC装置300が足輪/バンド60M(ii)を配置する動物の脚80に対してバンド60M(ii)の両面に位置できるようにバンド60M(ii)上に存在することができる。
【0134】
次に、
図10Dに、バンド又は足輪60M(iii)内の、それぞれの同調回路のために同一の電子チップ400を共有するNFCタグ300及びRFIDタグ200の別の例示的な実施形態を示す。
【0135】
図11は、システム100内でNFCタグ300の追跡に使用できる、例えばコンピュータサーバ105などのインターネット接続装置の機能ブロック図である。システム100の例示的な動作環境は、従来のコンピュータ150の形態の汎用コンピュータ装置を含む。
【0136】
一般に、(
図1のシステム100内のサーバ105a、105bを形成できる)コンピュータ150は、処理装置1121と、システムメモリ1122と、システムメモリ1122を含む様々なシステムコンポーネントを処理装置1121に結合するシステムバス1123とを含む。
【0137】
システムバス1123は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及び様々なバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用するローカルバスを含む複数のタイプのバス構造のうちのいずれかとすることができる。システムメモリは、リードオンリメモリ(ROM)1124とランダムアクセスメモリ(RAM)1125とを含む。ROM1124には、起動中などにコンピュータ105内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを含む基本入力/出力システム(BIOS)1126が記憶される。
【0138】
コンピュータ105は、図示していないハードディスクとの間で読み出し及び書き込みを行うハードディスクドライブ1127Aと、(フラッシュメモリ及び/又はUSBドライブのような)リムーバブル補助ストレージ1129との間で読み出し又は書き込みを行う補助ストレージドライブと、CD-ROM又はその他の光学媒体などのリムーバブル光ディスク11311との間で読み出し又は書き込みを行う光ディスクドライブ1130とを含むことができる。ハードディスクドライブ1127A、磁気ディスクドライブ1128及び光ディスクドライブ1130は、それぞれハードディスクドライブインターフェイス1132、補助ストレージドライブインターフェイス1133及び光ディスクドライブインターフェイス1134によってシステムバス1123に接続される。
【0139】
本明細書で説明する例示的な環境は、ハードディスク1127A、リムーバブル磁気ディスク1129及びリムーバブル光ディスク11311を使用しているが、当業者であれば、この例示的な動作環境では、本発明の範囲から逸脱することなく、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、RAM及びROMなどの、コンピュータがアクセスできるデータを記憶することができる他タイプのコンピュータ可読媒体を使用することもできると理解されたい。図示のハードウェア以外のこのような他の形のコンピュータ可読媒体は、システム100のサーバ105及び携帯電話機110などのインターネット接続装置において使用される。
【0140】
図11に示すドライブ及びその関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ又はクライアント装置100Aのためのコンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール及びその他のデータの不揮発性記憶装置を形成する。ハードディスク1127、磁気ディスク1129、光ディスク11311、ROM1124又はRAM1125には、以下に限定するわけではないが、オペレーティングシステム1135、動物管理ソフトウェア111及びNFCサーバソフトウェア1177を含む複数のプログラムモジュールを記憶することができる。プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。本発明の態様は、電話機110によって実行される、上述したNFCリーダを提供するダウンロード可能なクライアント側動物管理ソフトウェア111の形で実装することができる。
【0141】
ユーザは、キーボード1140及びポインティングデバイス1142などの入力装置を介してコンピュータ105にコマンド及び情報を入力することができる。ポインティングデバイスは、マウス、トラックボール、並びに電子タブレットと併用できる電子ペンを含むことができる。他の入力装置(図示せず)は、マイク、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナなどを含むことができる。これらの及びその他の入力装置は、システムバス1123に結合されたシリアルポートインターフェイス1146を通じて処理装置1121に接続されることが多いが、パラレルポート、ゲームポート又はユニバーサルシリアルバス(USB)などの他のインターフェイスによって接続することもできる。
【0142】
システムバス1123には、ビデオアダプタ1148などのインターフェイスを介してディスプレイ1147を接続することもできる。上述したように、ディスプレイ1147は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、及び陰極線管(CRT)ディスプレイなどのあらゆるタイプのディスプレイ装置を含むことができる。
【0143】
システムバス1123には、アダプタ1170などのインターフェイスを介してカメラ1175を接続することもできる。上述したように、カメラ1175は、ウェブカメラなどのビデオカメラを含むことができる。カメラ1175は、CCD(電荷結合素子)カメラ又はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)カメラとすることもできる。コンピュータを含む識別サーバ105bは、モニタ1147及びカメラ1175に加えて、スピーカ及びプリンタなどの他の周辺出力装置(図示せず)を含むこともできる。
【0144】
コンピュータ105は、
図11の識別サーバ105bなどの1又は2以上の遠隔コンピュータへの論理接続を用いてネットワーク環境内で動作することができる。遠隔コンピュータは、別のパーソナルコンピュータ、サーバ105b、携帯電話機110、ルータ、ネットワークPC、ピア装置又はその他の共通ネットワークノードとすることができる。通常、サーバ又は遠隔コンピュータ105bは、上述した要素の多く又は全部を含むが、
図11には、識別サーバ105bについてはメモリ記憶装置1127Eしか示していない。
【0145】
図示の論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)150A及びワイドエリアネットワーク(WAN)150Bを含む。このようなネットワーク環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット及びインターネットにおいて一般的である。
【0146】
コンピュータ105は、LANのネットワーク環境150Aで使用される場合には、ネットワークインターフェイス又はアダプタ1153を介してローカルエリアネットワーク150Aに接続されることが多い。通常、コンピュータ105は、WANのネットワーク環境で使用される場合には、インターネットなどのWAN150Bを介して通信を確立するモデム1154又はその他の手段を含む。内蔵モデム又は外付けモデムとすることができるモデム1154は、シリアルポートインターフェイス1146を介してシステムバス1123に接続される。ネットワーク環境では、サーバ4C又はその一部に関連して示すプログラムモジュールを遠隔メモリ記憶装置1127Eに記憶することができる。図示のネットワーク接続は例示的なものであり、
図1のコンピュータ105と携帯電話機110との間の通信リンクを確立する他の手段を使用することもできると理解されるであろう。
【0147】
さらに、当業者であれば、
図1の携帯電話機110のようなハンドヘルド装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークパーソナルコンピュータ、ミニコンピュータ及びメインフレームコンピュータなどを含む他のコンピュータシステム構成で本発明を実装することもできると理解するであろう。本発明は、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理装置がタスクを実行する分散コンピューティング環境で実施することもできる。分散コンピューティング環境では、ローカルメモリ記憶装置及び遠隔メモリ記憶装置の両方にプログラムモジュールを配置することができる。
【0148】
また、プログラミングの当業者であれば、例えば本明細書のフローチャート及び関連する説明に基づいて、開示した発明を容易に実装するためのコンピュータコードを書き、或いは開示した発明を容易に実装するのに適したハードウェア及び/又は回路を識別することができる。
【0149】
従って、本発明の実施方法及び使用方法を十分に理解するために特定のプログラムコード命令セット又は詳細なハードウェア装置の開示は不要と考えられる。特許請求するコンピュータ実装プロセスの独創的機能については、様々なプロセスフローを示すことができる図及び/又は文章と共に上記で詳細に説明した。
【0150】
1又は2以上の例示的な態様では、説明した機能をハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのいずれかの組み合わせで実装することができる。ソフトウェアで実装する場合、これらの機能をコンピュータ可読媒体上の1又は2以上の命令又はコードとして記憶又は送信することができる。コンピュータ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を促すあらゆる媒体を含むコンピュータ記憶媒体及び通信媒体の両方を含むことができる。記憶媒体は、コンピュータがアクセスできるあらゆる利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく一例として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは、命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを搬送又は記憶するために使用できるとともに、コンピュータがアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。
【0151】
また、正確にはあらゆる接続もコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(「DSL」)、又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を用いてウェブサイト、サーバ又はその他の遠隔ソースからソフトウェアを送信する場合、これらの同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術も媒体の定義に含まれる。
【0152】
本明細書で使用するディスク(disk又はdisc)は、コンパクトディスク(「CD」)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(「DVD」)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクを含み、この場合、diskは、通常データを磁気的に再生し、discは、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。これらの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に含めるべきである。
【0153】
本明細書で説明したNFCタグ300は制限がなく、本発明の原理に従って、以下に限定するわけではないが、イヌ、キツネ、ネコ、フェレット、アライグマ、ヤマネコ、子牛、雌牛、子豚、ヒツジ、ブタ、イノシシ、ウマ、雄牛、シマウマ、ラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ、ダチョウ、シカ、ヘラジカ、アメリカヘラジカ、サル、鶏、雌鶏、七面鳥、ガチョウ及び様々な種の鳥、マグロ、イルカ、サメ及び様々な種の魚、ライオン、ヒョウ、ピューマなどを含む全てのタイプの動物80に適合することができる。
【0154】
様々なタイプのNFCタグ300が存在し、本システムで使用するNFCタグ300は、システム、並びにシステムに応じた情報及び使用法に適するように様々なタイプのNFCタグから選択することができる。例えば、ペットの飼い主/ユーザがNFCタグへの書き込みアクセス権を有していないURLなどの情報を符号化されたロックタグのためにシステムを使用する意図がある場合には、静的な「1回書き込み(ライトワンス)」型のタグを使用することができる。
【0155】
システムアーキテクチャが、ペットの飼い主/ユーザがタグに連絡先情報などの情報を直接書き込めるようにしようと意図する場合には、書き換え可能なNFCタグ300を使用することができる。NFCタグ300のサイズ及び材料は、例えば皮下への埋め込み、プラスチック製の首輪への外部固定又はプラスチック内への収容を含む様々な使用に適するようなものとすることができる。
【0156】
タグの符号化
本発明の態様によれば、ユーザ(例えば、獣医師、農場主、ペットの飼い主など)は、本発明によるNFCタグ300を入手した時点で、(例えば、「スマート」携帯電話機100又はコンピュータタブレット105内の)NFCリーダを用いてNFCタグ300にアクセスする。NFCタグ300は、予めNFCタグのメモリ440にロードされているURLアドレスを提供することができる。ポータブル電子装置100がインターネットに接続できる場合、NFCタグ300と、(ポータブルコンピュータ装置内、すなわち携帯電話機100内の)NFCリーダと、オンラインサービスとの間でデータを交換することができ、これによって2つのNFC対応装置300間でのテキスト又は数字などのデータの転送が可能になる。
【0157】
NFCタグ300を読み取るために、又はNFCタグ300の読み取りに応答して、ポータブルコンピュータ装置(PCD)100にインストールされたアプリケーション(「アプリ」)が起動することができる。本明細書では、ユーザ又は第三者が、ウェブサイトと相互作用する代わりに「アプリ」と相互作用することができる。アプリは、カスタマイズすることもできる。例えば、URLに進む代わりに「アプリ」が起動するように設定することができ、或いはURLに進む代わりにユーザにアプリを起動する選択肢を提供することができる。
【0158】
それまで(PCD100内の)NFCリーダによって一度も読み取られたことがないタグ300が励起されて、インターネットに接続されたNFCタグリーダによって読み取られると、NFCタグリーダ及びアプリをホストするPCD100が、インターネットブラウザ上に又は適切なアプリケーションを介して関連するURLを立ち上げる。このURLは、NFCタグ300、ユーザ及びホスト装置60(例えば、動物タグ、バンド、首輪など)に関する情報をホストする識別サーバ105a(
図1を参照)へのインターフェイスを含む。
【0159】
NFCタグ300との初めての交信時には、このURLが情報入力画面を提供する。この時、ユーザにアカウントを作成するように、或いはアカウントを設定せずに名前、住所、電話番号、獣医師情報、その他の連絡先情報又は他の動物識別情報などの情報を入力するように促すことができる。
【0160】
事前符号化されたURL及び最新のNFCチップ機能が、URLの末尾への一意の「チップID」の付加を可能にする。ユーザは、NFCチップを読み取ると、識別サーバのサーバページに導かれてサーバに一意のIDを受け渡すようになり、これによってサーバを通じて提供されるサーバの挙動及びサービスをこのチップIDにカスタマイズできるようになる。予めインストールされたアプリ又はサービスがユーザ体験にとって不要である点が利点として挙げられる。あらゆるNFC電話機が、この特定の「チップID」のためにカスタマイズされたウェブブラウザ体験を開始し、これによって見掛け上「シームレス」な体験が創出される。
【0161】
或いは、NFCタグ300と相互作用する前にPCD100上でアプリが起動して実行されている場合には、このPCD100上のアプリがNFCタグ300のチップ302との主な相互作用になり、「ウェブのみ」よりも高度な体験を可能にする。例えば首輪などのホスト装置60は、その上部又は内部に、例えば動物、登録又はチップIDにリンクできる(Quick Read(「QR」)コード、データマトリクス2Dバーコード又はその他の2Dバーコード、或いはバーコードなどの)光学コード、英数字又はその他の情報、或いはシステムのサーバ105bへの非符号化アクセス又は制限付きアクセスを可能にする情報などの可視情報を含むことができる。ホスト装置60に関する情報は、印刷、彫刻、エンボス加工、銘刻などを含む、ホスト装置に適した形で提供することができる。別の情報は、情報/登録を動物に一意的にリンクさせ、符号化アクセスを通じてアクセスできるようにすることができる。
【0162】
アプリケーションサーバ105b上にアカウントを設定する場合、ユーザは、名前、住所、電話番号、獣医師情報、他の連絡先情報、或いは説明又は医療上の必要性などの他の動物識別情報を入力することができる。例えば、ユーザ又は獣医師は、アレルギー情報、ワクチン接種記録及び有効期限、並びに治療記録などを追加することができる。PCD100のユーザは、情報又はアカウントに関連するパスワード又はPINを設定することができる。場合によっては、ペットが行方不明になった場合などのトリガイベントまで連絡先情報を入力不要とすることもできる。
【0163】
ペット用首輪又は外部装置60にNFCタグ300を埋め込む1つの利点は、そのペットを発見した第三者が、ペットがNFCタグに関連していることを容易に識別できる点である。すなわち、首輪又は外部装置には、内部にNFCタグが埋め込まれている旨の表示を、任意にNFCタグを読み取るための指示と共に含めることができる。
【0164】
本発明の1つの例示的な実施形態では、ペット80の、特にネコ又はイヌのペット用首輪60又はその他の外部装置60の材料にNFCタグ300を固定し、内包し又は埋め込むことができる。NFCタグ300は、ノミ及びダニなどの外部寄生虫に対して活性を有する物質を組み込んだ母材で形成された例示的な首輪60に含められることが想定される。この首輪60又はその他の外部装置60は、ノミ及びダニに対する長期有効性を保証するように設計することができる。米国特許第6,083,519号には、5~40%の活性物質を混和して時間と共に放出できる例示的な首輪60が記載されており、この文献は、本明細書に完全に記載されているかのようにあらゆる目的で引用により組み入れられる。
【0165】
本発明の首輪60内で使用できる例示的な活性としては、例えばフルメトリン、イミダクロプリド及びS-メソプレンなどの、(引用により組み入れられる)米国特許第9,000,187号の開示が挙げられる。米国特許第9,000,187号には、このような首輪60内で使用されるイミダクロプリドが記載されており、この文献は、本明細書に完全に記載されているかのようにあらゆる目的で引用により組み入れられる。さらに、本発明の原理から逸脱することなく、駆虫性首輪60にフルメトリンを含めることもできると想定される。従って、これらの首輪60は、理論的には長期にわたる保護を保証するという目的を有する。NFCタグ300に記憶される情報は、ロット番号、製造日、医薬品、医薬品ロット番号、有効期限、効力終了日などを含む、首輪に関する情報を含むこともできる。このシステムは、行方不明のペット又は迷子を探すためにGPS受信機と併用し、行動追跡器などと組み合わせることもできる。
【0166】
NFCマイクロチップ302を含む装置は、ペンダント又はブレスレット、耳タグ、又はその他の好適な装置とすることもでき、子供、高齢者、或いは特別な支援を必要とする又は障害を抱える人物のための情報を提供することなどの他の用途に適合させることもできる。バックエンドシステムにも、着用者の識別、医療上の必要性又はアラートなどの類似の機能を設けることができる。本発明の原理がもたらす機能は、NFCタグ情報及びプラットフォームを用いたサードパーティアプリケーションの開発を可能にする。
【0167】
本明細書で説明した例示的な方法におけるいくつかのステップは、本発明が説明通りに機能できるように他のステップに優先する。しかしながら、説明したステップの順番又は順序によって本開示のシステム及び方法の機能が変化しない場合、本発明は、このようなステップの順番に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、いくつかのステップを他のステップの前に、後に又は他のステップと平行して(実質的に同時に)実行することもできると認識される。場合によっては、本発明から逸脱することなく、いくつかのステップを省略し、又は実行しないこともできる。さらに、「その後に、次に(thereafter、then、next)」などの単語は、ステップの順番を限定するように意図したものではない。これらの単語は、例示的な方法の説明を通じて読者を導くために使用するものにすぎない。
【0168】
本発明が属する技術分野の当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示のシステム及び方法の別の実施形態が明らかになるであろう。上記では本発明の様々な特定の実施形態について説明したが、これらは限定ではなく一例として示したものにすぎないと理解されたい。当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更が可能であることが明らかであろう。従って、本発明の外延及び範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきものではなく、以下の特許請求の範囲及びその同等物のみに従って定められるべきものである。