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特許7080189自動車用の変速機及び自動車用のドライブトレイン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】自動車用の変速機及び自動車用のドライブトレイン
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/66 20060101AFI20220527BHJP
   F16H 3/72 20060101ALI20220527BHJP
   B60K 6/365 20071001ALI20220527BHJP
   B60K 6/387 20071001ALI20220527BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20220527BHJP
   B60K 6/547 20071001ALI20220527BHJP
【FI】
F16H3/66 B
F16H3/72 A
B60K6/365
B60K6/387
B60K6/48
B60K6/547
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018568322
(86)(22)【出願日】2017-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2017061731
(87)【国際公開番号】W WO2018001622
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-03-12
(31)【優先権主張番号】102016211891.9
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ツィーマー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ロースケ
(72)【発明者】
【氏名】ユリ パウロコヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ローゼマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル クベルシュク
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222118(JP,A)
【文献】特開2013-76438(JP,A)
【文献】特開2013-67224(JP,A)
【文献】特開2007-112382(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0051043(US,A1)
【文献】特表2005-509554(JP,A)
【文献】特開2013-132934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/66
F16H 3/72
B60K 6/365
B60K 6/387
B60K 6/48
B60K 6/547
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸(GW1)と、出力軸(GW2)と、複数の遊星歯車セット(P1、P2、P3)と、複数のシフト要素(A、B、C、D、E)と、前記駆動軸(GW1)に対して軸方向に平行に配置された電気機械(EM)と、を備える自動車用の変速機(G)であって、前記電気機械(EM)が、円筒歯車機構(STG)、トラクションドライブ機構(ZMG)、チェーン又はコグベルトを用いて、前記駆動軸(GW1)と一定の変速比を介して作動接続し、
前記シフト要素(A、B、C、D、E)を選択的に締結することにより、前記遊星歯車セット(P1、P2、P3)を用いて、前記駆動軸(GW1)と前記出力軸(GW2)との間で異なるギヤ段を切換可能であり、
ギヤを構成する前記遊星歯車セットのうちの1つの遊星歯車セット(P3)の要素(E13、E23、E33)は、
少なくとも部分的に、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトの、前記駆動軸(GW1)に対して同軸に配置された要素(STG1、ZMG1)の径方向内側に入れ子になっており
前記1つの遊星歯車セット(P3)の前記要素(E13、E23、E33)が、前記駆動軸(GW1)の回転軸に対して直角に配向された面(E1)に、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトと共に配置されていることを特徴とする変速機(G)。
【請求項2】
請求項1に記載の変速機(G)であって、変速機外の駆動ユニットへのインターフェイス(GA)を一方の端部に備え、前記インターフェイス(GA)を用いて、前記変速機外の駆動ユニットの回転運動を前記駆動軸(GW1)へ伝達可能であり、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトが、前記変速機外の駆動ユニットへの前記インターフェイス(GA)とは反対側の、前記変速機(G)の端部に配置されていることを特徴とする変速機(G)
【請求項3】
請求項1又は2に記載の変速機(G)であって、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトが、前記遊星歯車セット(P3)の内歯車(E33)に対して直接に作動接続し、前記遊星歯車セット(P3)が、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトの前記要素(STG1、ZMG1)の径方向内側に配置されていることを特徴とする変速機(G)。
【請求項4】
請求項3に記載の変速機(G)であって、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトの、前記駆動軸(GW1)に対して同軸に配置された前記要素(STG1、ZMG1)が、前記内歯車(E33)の外径に一体的に構成されていることを特徴とする変速機(G)。
【請求項5】
請求項4に記載の変速機(G)であって、前記駆動軸(GW1)が、前記変速機(G)のハウジング(GG)に対して軸方向に支承され、前記内歯車(E33)が、前記駆動軸(GW1)と常に回転不能な状態で接続されていることを特徴とする変速機(G)。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の変速機(G)であって、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトが、前記遊星歯車セット(P3)の遊星キャリア(E23)に対して直接に作動接続し、前記遊星歯車セット(P3)が、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトの前記要素(STG1、ZMG1)の径方向内側に配置されていることを特徴とする変速機(G)。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の変速機(G)であって、残りの遊星歯車セット(P1、P2)は、合計で4つの軸(W1、W2、W3、W4)を備え、前記4つの軸(W1、W2、W3、W4)のうちの1つの軸(W3)は、前記出力軸(GW2)の構成部分であることを特徴とする変速機(G)。
【請求項8】
請求項7に記載の変速機(G)であって、前記円筒歯車機構(STG)、前記トラクションドライブ機構(ZMG)、前記チェーン又は前記コグベルトの前記要素(STG1、ZMG1)の径方向内側に配置されている遊星歯車セット(P3)は、前記駆動軸(GW1)と前記残りの遊星歯車セット(P1、P2)の前記4つの軸のうちの1つの軸との間で切換可能な、動力経路の構成部分であることを特徴とする変速機(G)。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の変速機(G)を特徴とする、自動車用のドライブトレイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の変速機、及びそうした変速機を備える自動車用のドライブトレインに関する。本明細書中でいう変速機とは、特に多段変速機である。多段変速機においては、多数のギヤ、つまり固定変速比を、変速機の駆動軸と出力軸との間で、シフト要素によって、好適には自動で切換可能である。本明細書中では、シフト要素は、例えばクラッチ又はブレーキである。この種の変速機は、主に自動車において、駆動ユニットの回転数出力特性及びトルク出力特性を、適切な方法で、車両の走行抵抗に対して調整するために使用される。
【背景技術】
【0002】
国際出願のドイツ語翻訳文の公開第11 2012 003 406号は、ハイブリッド駆動装置を開示する。このハイブリッド駆動装置においては、電気モータが、第1軸と平行な第2軸上に配置されている。第1軸上には、入力軸とカウンタドリブンギヤを備える変速機構が配置されている。カウンタドリブンギヤは、差動装置を介して、自動車の駆動輪と接続されている。電気モータは、円筒歯車ピニオンとして形成された連結機構を介して、入力軸と接続されている。変速機のギヤ構成部分は、概略的にのみ示されている。
【0003】
ドイツ特許出願公開第10 2009 018 958号は、多段変速機を開示する。この多段変速機は、ハウジング、3つの遊星歯車セット、並びに第1軸、第2軸及び第3軸を備える。第3軸は、第1軸及び第2軸に対して、軸方向にずらして配置されている。図3に示す実施形態によれば、多段変速機は電気機械を備える。この電気機械は、第3軸に対して同軸に配置されている。電気機械は、チェーン接続又はベルト接続を介して、第2軸と常に作動接続する。
【0004】
従来技術で既知の両方の装置は、自動車の走行方向に対して横向に配向された自動車ドライブトレインでの使用を意図している。この種の装置は、通常、軸方向の構造長を可及的に短くするよう、最適化するためのものである。なぜなら、駆動機械と変速機からなる軸方向の混合構成が、自動車フロント構造のサイドレールの間に配置されているためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際出願のドイツ語翻訳文の公開第11 2012 003 406号
【文献】ドイツ特許出願公開第10 2009 018 958号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の課題は、軸方向の構造長が特に短いことを特徴とする、自動車用の変速機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の特徴により解決される。有利な構成は、従属請求項、明細書の記載、及び図面から明らかとなる。
【0008】
変速機は、駆動軸と、出力軸と、複数の遊星歯車セットと、複数のシフト要素と、駆動軸に対して軸方向に平行に配置された電気機械と、を備える。シフト要素を選択的に締結することにより、遊星歯車セットを用いて、駆動軸と出力軸との間で異なるギヤ段を切換可能である。電気機械は、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトを用いて、駆動軸と常に作動接続する。駆動軸と電気機械との間の変速比は、一定である。
【0009】
円筒歯車機構は、1つ以上の中間歯車を備えることができる。中間歯車の回転軸は、電気機械のロータの回転軸に対して軸方向に平行であり、駆動軸の回転軸に対して軸方向に平行である。トラクションドライブ機構の例はVベルトである。
【0010】
本発明により、ギヤを構成する遊星歯車セットのうちの1つの遊星歯車セットの要素は、少なくとも部分的に、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの、駆動軸に対して同軸に配置された要素の径方向内側に配置されている。これら要素は、駆動軸の回転軸に対して直角に配置された面に、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトと共に配置されている。
【0011】
換言すると、ギヤを構成する遊星歯車セットのうちの1つの遊星歯車セットは、少なくとも部分的に、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの、駆動軸に対して同軸に配置された要素の径方向内側に入れ子になっている。円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの要素、及びこの遊星歯車セットの要素は、共通の面に配置されている。共通の面は、駆動軸に対して直角に配向されている。
【0012】
本発明による構成により、変速機の軸方向の構造長を低減することができる。なぜなら、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーンもしくはコグベルト及び遊星歯車セットが、もはや軸方向で前後に配置されていないためである。
【0013】
好適には、変速機は、変速機外の駆動ユニットへの、例えば内燃機関への、インターフェイスを備える。インターフェイスは、変速機外の駆動ユニットの回転運動を、変速機の駆動軸へ伝達するよう形成されている。インターフェイスは、例えばフランジ又は差込歯部として形成されてよい。インターフェイスは、駆動軸上に形成されていてよく、又は駆動軸と接続可能な連結軸上に形成されていてもよい。インターフェイスは、例えば、駆動軸と接続するハイドロダイナミック式トルクコンバータに形成されていてもよい。ハイドロダイナミック式トルクコンバータは、始動要素としての役割を果たす。円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトは、この場合、変速機外の駆動ユニットへのインターフェイスとは反対側の、変速機の軸方向の端部に配置されている。
【0014】
好適な一構成によれば、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトは、遊星歯車セットの内歯車に対して直接に作動接続する。この遊星歯車セットが、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの、駆動軸に対して同軸に配置された要素の径方向内側に配置されている。対応する円筒歯車歯部又はチェーン歯車歯部は、この内歯車の外径に一体的に形成されてよい。これにより、別個の構造部分及び対応する接続要素を省略可能である。
【0015】
好適には、駆動軸は、変速機のハウジングに対して軸方向に支承されている。前述の内歯車が、駆動軸と常に回転不能な状態で接続されている。これにより、円筒歯車機構トラクション機構、チェーン又はコグベルトの、駆動軸に対して同軸に配置された要素の支承が簡単になる。
【0016】
代替的な一構成によれば、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトは、遊星歯車セットの遊星キャリアに対して直接に作動接続する。この遊星歯車セットが、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの、駆動軸に対して同軸に配置された要素の径方向内側に配置されている。遊星歯車セットの合計軸としての遊星キャリアは、とにかく堅牢に支承されることが必要である。従って、遊星キャリアの軸受は、円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの、駆動軸に対して同軸に配置された要素を支承する役割を果たすこともできる。
【0017】
好適には、それらの要素が円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの径方向内側に配置されていない残りの遊星歯車セットは、合計で4つの軸を備える。これらの4つの軸のうちの1つの軸は、出力軸の構成部分である。円筒歯車機構トラクションドライブ機構、チェーン又はコグベルトの径方向内側に配置されている遊星歯車セットは、好適には、駆動軸とこれら4つの軸のうちの1つの軸との間で切換可能な、動力経路の構成部分である。切換可能な動力経路とは、この場合、シフト要素のうちの1つのシフト要素を締結することにより、駆動軸とこれら4つの軸のうちの1つの軸との間で作り出すことの可能な作動接続を指す。作動接続はこの場合、直接に、又はパワーフローに存在する遊星歯車セットを介在させて、発生させることができる。
【0018】
変速機は、自動車用のドライブトレインの構成部分とすることができる。ドライブトレインは、変速機に加えて、内燃機関も備える。内燃機関は、変速機内又は変速機外のねじり振動ダンパを介して、変速機の駆動軸とねじり弾性的に接続される、又は分離クラッチを介して接続可能である。出力軸は、変速機内又は変速機外の差動歯車装置と作動接続する。差動歯車装置の出力軸は、自動車の駆動輪と接続されている。変速機は、電気機械と共に、自動車の複数の駆動モードを可能にする。電気走行駆動において、自動車は変速機の電気機械によって駆動される。内燃機関駆動において、自動車が内燃機関によって駆動される。ハイブリッド駆動において、自動車が内燃機関と変速機の電気機械の両方によって駆動される。
【0019】
本発明の実施形態は、以下に添付の図面を参照して詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による変速機の概略図である。
図2】本発明による変速機の概略図である。
図3】本発明による変速機の領域の断面図である。
図4】本発明による変速機の領域の断面図である。
図5】自動車用のドライブトレインの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、第1実施形態による変速機Gの概略図を示す。変速機Gは、駆動軸GW1と、出力軸GW2と、第1遊星歯車セットP1と、第2遊星歯車セットP2と、第3遊星歯車セットP3と、5つのシフト要素A、B、C、D、Eと、電気機械EMと、ねじり振動ダンパTSと、連結軸ANと、分離クラッチK0と、を備える。
【0022】
3つの遊星歯車セットP1、P2、P3は、駆動軸GW1に対して同軸に配置されている。遊星歯車セットP1、P2は、共に、4つの軸を備える。4つの軸は、W1、W2、W3、W4として示される。第2遊星歯車セットP2の内歯車は、第3軸W3の構成部分であり、出力軸GW2と常に接続されている。遊星歯車セットP1、P2の遊星キャリアは、相互に接続され、第2軸W2の構成部分である。第1遊星歯車セットP1の太陽歯車は、第1軸W1の構成部分である。第1遊星歯車セットP1の内歯車は、第2遊星歯車セットP2の太陽歯車と、常に接続され、第4軸W4の構成部分である。第1遊星歯車セットP1は、この場合、第2遊星歯車セットP2の径方向内側に配置されている。
【0023】
シフト要素Aを締結することにより、第4軸W4を、第3遊星歯車セットP3の遊星キャリアE23と接続可能である。シフト要素Bを締結することにより、第1軸W1を、第3遊星歯車セットP3の遊星キャリアE23と接続可能である。シフト要素Cを締結することにより、第1軸W1を、変速機GのハウジングGGに対して回転不能な状態で固定可能である。シフト要素Dを締結することにより、第2軸W2を、同様に、回転不能な状態で固定可能である。シフト要素Eを締結することにより、駆動軸GW1を第2軸W2と接続可能である。第3遊星歯車セットP3の内歯車E33は、駆動軸GW1と常に接続されている。第3遊星歯車セットP3の太陽歯車E13は、ハウジングGGに対して常に回転不能な状態で固定されている。
【0024】
変速機Gは、例えば内燃機関として形成することができる、変速機外の駆動ユニットへのインターフェイスGAを備える。インターフェイスGAは、変速機外の駆動ユニットの回転数を駆動軸GW1へ伝達するよう、調整されている。インターフェイスGAと駆動軸GW1との間には、ねじり振動ダンパTS及び分離クラッチK0が配置されている。分離クラッチK0を締結することにより、駆動軸GW1は連結軸ANと接続可能である。連結軸AN上には、インターフェイスGAが配置されている。
【0025】
出力軸GW2は、一部分に円筒歯車歯部を備える。円筒歯車歯部は、出力軸GW2と、出力軸GW2に対して軸方向に平行に配置された図示されない差動歯車装置AGとの間で、動力を伝達する役割を果たす。差動歯車装置AGは、変速機Gの構成部分であってよい。
【0026】
電気機械EMは、ハウジングGGに対して回転不能なステータと、回転可能なロータと、を備える。電気機械EMが、駆動軸GW1に対して軸方向に平行に配置されている。ロータは、円筒歯車機構STGを介して、駆動軸GW1に対して常に作動接続する。円筒歯車機構STGが、図示の実施形態において中間歯車を備える。中間歯車が、ハウジングGGに回転可能に支承されている。この中間歯車は、円筒歯車機構STGの、駆動軸GW1に対して同軸に配置された要素STG1と噛合う。第3遊星歯車セットP3は、この場合、要素STG1の径方向内側に配置されている。円筒歯車機構STGの構成部分、並びに太陽歯車E13、遊星キャリアE23及び第3遊星歯車セットP3の内歯車E33は、面E1に配置されている。面E1は、駆動軸の軸に対して垂直に配向されている。要素STG1は、この場合、内歯車E33と直結されている。
【0027】
図2は、変速機Gの第2実施形態の概略図を示す。変速機Gは、実質的に、図1に示す第1実施形態に対応する。ここでは円筒歯車機構STGに代わって、トラクションドライブ機構ZMG、チェーン又はコグベルトが、電気機械EMと駆動軸GW1との間で動力を伝達するために使用される。トラクションドライブ機構ZMG、チェーン又はコグベルトの、駆動軸GW1に対して同軸に配置された要素ZMG1は、この場合、遊星キャリアE23と常に接続されている。太陽歯車E13を常に回転不能な状態で固定することにより、この場合、駆動軸GW1と電気機械EMのロータとの間に、一定の変速比が存在する。
【0028】
図3は、図1に示す第1実施形態による変速機Gの部分的な断面図を示す。一方図4は、図2に示す第2実施形態による変速機Gの部分的な断面図を示す。
【0029】
図5は、自動車のドライブトレインを概略的に示す。内燃機関VKMは、ねじり振動ダンパTSを介して、変速機Gの連結軸ANと接続されている。図5に示す変速機Gは、図1に示す本発明の第1実施形態に対応する。これは、単に例示的なものとみなす。内燃機関VKMは、ねじり振動ダンパTSを介して、変速機Gの駆動軸GW1と直結されてもよい。ドライブトレインは、ハイドロダイナミック式トルクコンバータを含んでもよい。ハイドロダイナミック式トルクコンバータは、パワーフローにおいて内燃機関VKMと変速機Gの駆動軸GW1との間に配置されている。そうしたトルクコンバータは、ロックアップクラッチを含んでもよい。当業者は、外部境界条件に応じて、ドライブトレインの個々の構成部品の構成及び空間的位置を自由に設計するであろう。出力軸GW2は、差動歯車装置AGと作動的に接続されている。出力軸GW2に作用する動力は、差動歯車装置AGを介して自動車の駆動輪に分配される。
【符号の説明】
【0030】
G 変速機
GG ハウジング
GW1 駆動軸
GW2 出力軸
EM 電気機械
P1 第1遊星歯車セット
P2 第2遊星歯車セット
W1 第1軸
W2 第2軸
W3 第3軸
W4 第4軸
P3 第3遊星歯車セット
E13 太陽歯車
E23 遊星キャリア
E33 内歯車
A シフト要素
B シフト要素
C シフト要素
D シフト要素
E シフト要素
STG 円筒歯車機構
STG1 円筒歯車機構の要素
ZMG トラクションドライブ機構
ZMG1 トラクションドライブ機構の要素
E1 面
GA インターフェイス
K0 分離クラッチ
TS ねじり振動ダンパ
AN 連結軸
VKM 内燃機関
AG 差動歯車装置
DW 駆動輪
図1
図2
図3
図4
図5