(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】情報仲介システム、情報仲介方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20220527BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2019090935
(22)【出願日】2019-05-13
【審査請求日】2021-01-27
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
【審査官】安田 勇太
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-177607(JP,A)
【文献】特開2018-173852(JP,A)
【文献】特開2017-016595(JP,A)
【文献】特開2007-293598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金融機関に第1口座を有し、前記第1金融機関とは異なる第2金融機関に第2口座の開設を希望するユーザに、複数の金融機関と前記複数の金融機関それぞれにおける口座を開設するための要件とが関係付けられるデータベースに基づいて、前記第2金融機関で口座を開設するための要件に関する要件情報を送信する第1送信部と、
前記ユーザから、前記要件情報に対応する前記ユーザの本人確認のための情報を示す本人確認情報と、前記第1金融機関と前記第2金融機関との間における情報連携に関する前記ユーザの同意を示す連携同意情報と、を取得する第1取得部と
、
前記第1金融機関に、前記連携同意情報に基づいて、前記第1口座に関する第1口座情報と、前記ユーザの本人確認情報と、を発信するよう要求する情報要求部と、
前記情報要求部の要求に応じて前記第1金融機関から発信される前記第1口座情報及
び本人確認情報を取得する第2取得部と、
前記第1取得部で取得される本人確認情報と、前記第2取得部で取得される本人確認情報と、前記データベースと、に基づいて、前記ユーザについて、前記第2口座を開設するための要件を充足するか否かを判定する判定部と、
前記判定部におい
て前記第2口座を開設するための前記要件を充足すると判定される場合、前記第2金融機関において前記第2口座を開設するべく、前記連携同意情報に基づいて、前記第2金融機関に、前記
第1取得部で取得される本人確認情報と、
前記第2取得部で取得される本人確認情報と、前記
第2取得部で取得される第1口座情報と、を送信する第2送信部と、
前記
第1取得部で取得される本人確認情報及び前記
第2取得部で取得される第1口座情報に基づき前記第2金融機関で開設された前記第2口座に関する第2口座情報を、前記連携同意情報に基づいて、前記第1金融機関に送信する第3送信部と、
を備えることを特徴とする情報仲介システム。
【請求項2】
前記第1金融機関は、第1国の金融機関であり、
前記第2金融機関は、前記第1国とは異なる第2国の金融機関である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報仲介システム。
【請求項3】
前記第1送信部は、前記判定部において、前記第2口座を開設するための要件を充足しないと判定された場合、前記ユーザに対して、前記第2口座を開設するために必要な情報を要求する情報を送信する、
請求項1または請求項2に記載の情報仲介システム。
【請求項4】
前記第1金融機関は、第1国の金融機関であり、
前記第2金融機関は、前記第1国とは異なる第2国の金融機関であり、
前記第1送信部は、前記第2国における前記ユーザの雇用者に、前記第2口座情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報仲介システム。
【請求項5】
前記第1送信部および前記第2送信部は、前記第1金融機関および前記第2金融機関とAPI接続される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報仲介システム。
【請求項6】
前記本人確認情報および前記第1口座情報を記憶する記憶部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報仲介システム。
【請求項7】
前記ユーザの要求に応じて、前記第2金融機関に、前記第2送信部から前記第2金融機関に送信された前記本人確認情報に基づいて前記第1金融機関へ送金させるための送金信号を、前記第2金融機関に送信する送金信号送信部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報仲介システム。
【請求項8】
コンピュータが、
第1金融機関に第1口座を有し、前記第1金融機関とは異なる第2金融機関に第2口座の開設を希望するユーザに、複数の金融機関と前記複数の金融機関それぞれにおける口座を開設するための要件とが関係付けられるデータベースに基づいて、前記第2金融機関で口座を開設するための要件に関する要件情報を送信する第1送信ステップと、
前記ユーザから、前記要件情報に対応する前記ユーザの本人確認のための情報を示す本人確認情報と、前記第1金融機関と前記第2金融機関との間における情報連携に関する前記ユーザの同意を示す連携同意情報と、を取得する第1取得ステップと
、
前記第1金融機関に、前記連携同意情報に基づいて、前記第1口座に関する第1口座情報と、前記ユーザの本人確認情報と、を発信するよう要求する情報要求ステップと、
前記情報要求ステップにおける要求に応じて前記第1金融機関から発信される前記第1口座情報及
び本人確認情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップで取得される本人確認情報と、前記第2取得ステップで取得される本人確認情報と、前記データベースと、に基づいて、前記ユーザについて、前記第2口座を開設するための要件を充足するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおい
て前記第2口座を開設するための前記要件を充足すると判定される場合、前記第2金融機関において前記第2口座を開設するべく、前記連携同意情報に基づいて、前記第2金融機関に、前記
第1取得ステップで取得される本人確認情報と、
前記第2取得ステップで取得される本人確認情報と、前記
第2取得ステップで取得される第1口座情報と、を送信する第2送信ステップと、
前記
第1取得ステップで取得される本人確認情報及び前記
第2取得ステップで取得される第1口座情報に基づき前記第2金融機関で開設された前記第2口座に関する第2口座情報を、前記連携同意情報に基づいて、前記第1金融機関に送信する第3送信ステップと、
を実行する情報仲介方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第1金融機関に第1口座を有し、前記第1金融機関とは異なる第2金融機関に第2口座の開設を希望するユーザに、複数の金融機関と前記複数の金融機関それぞれにおける口座を開設するための要件とが関係付けられるデータベースに基づいて、前記第2金融機関で口座を開設するための要件に関する要件情報を送信する第1送信ステップと、
前記ユーザから、前記要件情報に対応する前記ユーザの本人確認のための情報を示す本人確認情報と、前記第1金融機関と前記第2金融機関との間における情報連携に関する前記ユーザの同意を示す連携同意情報と、を取得する第1取得ステップと
、
前記第1金融機関に、前記連携同意情報に基づいて、前記第1口座に関する第1口座情報と、前記ユーザの本人確認情報と、を発信するよう要求する情報要求ステップと、
前記情報要求ステップにおける前記第1金融機関への要求に応じて、前記第1金融機関から発信される前記第1口座情報及
び本人確認情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップで取得される本人確認情報と、前記第2取得ステップで取得される本人確認情報と、前記データベースと、に基づいて、前記ユーザについて、前記第2口座を開設するための要件を充足するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおい
て前記第2口座を開設するための前記要件を充足すると判定される場合、前記第2金融機関において前記第2口座を開設するべく、前記連携同意情報に基づいて、前記第2金融機関に、前記
第1取得ステップで取得される本人確認情報と、
前記第2取得ステップで取得される本人確認情報と、前記
第2取得ステップで取得される第1口座情報と、を送信する第2送信ステップと
前記
第1取得ステップで取得される本人確認情報及び前記
第2取得ステップで取得される第1口座情報に基づき前記第2金融機関で開設された前記第2口座に関する第2口座情報を、前記連携同意情報に基づいて、前記第1金融機関に送信する第3送信ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報仲介システム、情報仲介方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末において、口座開設の申込者における本人確認情報、本人確認書類のデジタルデータ、及びそれらに紐づく登録番号に基づき、金融機関で口座を開設する口座開設方法が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、所定の金融機関で口座を有する申込者において、他の金融機関において新たに口座を開設するときに、所定の金融機関における申込者の口座に関する情報を、活用することができないという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、所定の金融機関で口座を有するユーザにおける本人確認情報および口座情報に基づいて、ユーザが所定の金融機関とは異なる金融機関(所定の金融機関と同一事業者であってもよい)において簡易に口座を開設するための情報仲介システム、情報仲介方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報仲介システムは、第1金融機関に第1口座を有し、第2金融機関に第2口座の開設を希望するユーザから、前記ユーザの本人確認のための情報を示す本人確認情報を取得する第1取得部と、前記第1金融機関に、前記第1口座に関する第1口座情報を発信するよう要求する情報要求部と、前記情報要求部の要求に応じて前記第1金融機関から発信される前記第1口座情報を取得する第2取得部と、前記第2金融機関において前記第2口座を開設するべく、前記第2金融機関に、前記本人確認情報と、前記第1口座情報とを送信する送信部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、第1金融機関に第1口座を有し、第2金融機関に第2口座の開設を希望するユーザから、前記ユーザの本人確認のための情報を示す本人確認情報を取得する第1取得ステップと、前記第1金融機関に、前記第1口座に関する第1口座情報を発信するよう要求する情報要求ステップと、前記情報要求ステップにおける要求に応じて前記第1金融機関から発信される前記第1口座情報を取得する第2取得ステップと、前記第2金融機関において前記第2口座を開設するべく、前記第2金融機関に、前記本人確認情報と、前記第1口座情報とを送信する送信ステップと、を実現する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1金融機関に第1口座を有し、第2金融機関に第2口座の開設を希望するユーザから、前記ユーザの本人確認のための情報を示す本人確認情報を取得すること、前記第1金融機関に、前記第1口座に関する第1口座情報を発信するよう要求すること、前記第1金融機関への要求に応じて、前記第1金融機関から発信される前記第1口座情報を取得すること、前記第2金融機関において前記第2口座を開設するべく、前記第2金融機関に、前記本人確認情報と、前記第1口座情報とを送信することを実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1金融機関で口座を有するユーザの本人確認情報および第1金融機関における口座情報に基づいて、ユーザは、第2金融機関において簡易に口座を開設できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報仲介システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】情報仲介システムにおける口座開設処理の概要を示す図である。
【
図3】情報仲介システムにおける送金処理の概要を示す図である。
【
図4】情報仲介サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】ユーザ情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】要件情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】第1サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図8】第2サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図10】口座開設の処理に係るユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図11】口座開設の処理に係るユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図12】口座開設の処理に係るユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図13】送金の処理に係るユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図14】情報仲介サーバの口座開設の処理の一例を示すフロー図である。
【
図15】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態における情報仲介システム1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0012】
[情報仲介システム1の構成]
情報仲介システム1は、ユーザにおける本人確認情報と第1金融機関が所有するユーザの口座に関する口座情報とに基づき、第2金融機関で該ユーザの口座を開設するためのシステムである。
【0013】
第1金融機関および第2金融機関は、例えば、銀行、証券会社、クレジットカード会社などである。第1金融機関は、第2金融機関と、同一の国における異なる金融機関であるか、異なる国における同一の金融機関であるか、異なる国における異なる金融機関であるか、いずれでもよい。以下、一例として、第1金融機関は、第2金融機関と異なる国における異なる金融機関であるものとして説明する。また、一例として、第1金融機関は第1国の金融機関であり、第2金融機関は第2国の金融機関であり、ユーザは第1国に居住しており第2国に移住予定であることを想定して説明する。
【0014】
なお、本実施形態では、第2金融機関でのみ口座を開設することについて説明しているが、複数の金融機関で口座を開設するものにも適用できる。
【0015】
図1は、情報仲介システム1の構成例を示す図である。
図1に示すように、情報仲介システム1は、情報仲介サーバ10、端末装置20、第1サーバ30、第2サーバ40、第3サーバ50を含む。以下、情報仲介システム1の各構成要素について説明する。
【0016】
情報仲介サーバ10は、例えば、サーバコンピュータなどの情報処理装置で構成され、端末装置20、第1サーバ30、第2サーバ40、及び第3サーバ50との間で各種情報を仲介・判定するサーバである。
【0017】
端末装置20は、例えば、第1金融機関に口座を有するユーザの端末であり、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどである。端末装置20は、ネットワーク60を介して情報仲介サーバ10と接続され、情報仲介サーバ10から送信される各種情報を、
図15に示す表示装置107に表示する。ユーザは、端末装置20を用いて、情報仲介サーバ10からの要求に対応する。
【0018】
第1サーバ30は、例えば、サーバコンピュータなどの情報処理装置で構成され、第1金融機関における口座情報、本人確認情報などを管理するサーバである。第1サーバ30は、ネットワーク60を介して情報仲介サーバ10と通信可能に接続され、情報仲介サーバ10を介して端末装置20および第2サーバ40に各種情報を提供する。第1サーバ30と、情報仲介サーバ10との間の各種情報の送受信については後述する。以下、第1金融機関で管理するユーザの口座を「第1口座」という。
【0019】
第2サーバ40は、例えば、サーバコンピュータなどの情報処理装置で構成され、第2金融機関における口座情報、本人確認情報などを管理するサーバである。第2サーバ40は、ネットワーク60を介して情報仲介サーバ10と通信可能に接続され、情報仲介サーバ10を介して端末装置20および第1サーバ30に各種情報を提供する。第2サーバ40と、情報仲介サーバ10との間の各種情報の送受信については後述する。以下、第2金融機関で管理するユーザの口座を「第2口座」という。
【0020】
第3サーバ50は、例えば、サーバコンピュータなどの情報処理装置で構成され、被雇用者の給与振込先などを管理するサーバである。第3サーバ50は、ネットワーク60を介して情報仲介サーバ10および第2サーバ40と通信可能に接続される。
【0021】
[情報仲介システム1の概要]
情報仲介システム1の概要について説明する。
図2は、情報仲介システム1における口座開設の処理の概要を示す図である。
図3は、情報仲介システム1における送金の処理の概要を示す図である。以下では、まず、
図2を参照して、第1国に居住するユーザAが第2国の第2金融機関で第2口座を開設するまでの各種情報の流れを説明する。続いて、
図3を参照して、第2国に居住するユーザが第2金融機関から第1金融機関に送金する際の各種情報の流れを説明する。
【0022】
以下、ユーザAが行うものとして説明される処理は端末装置20で実施される。第1金融機関、第2金融機関で行うものとして説明される処理は第1サーバ30、第2サーバ40のそれぞれにより実施される。雇用者で行うものとして説明される処理は第3サーバ50で実施される。
【0023】
まず、
図2を参照して、口座開設の処理について説明する。ここでは、一例として、第1国に居住するユーザAが移住先の第2国の第2金融機関において新たに第2口座を開設する場面を想定している。
【0024】
口座開設の処理は、例えば、第1金融機関で第1口座を有するユーザA(S1)が情報仲介サーバ10を介して各種情報を第2国の第2金融機関に提供することにより、第2金融機関で第2口座を開設する処理である。以下において、各種情報の送受信・要求は、各アカウント間において例えばAPI(Application Programming Interface)を利用して実施される。これにより情報仲介システム1を構築するための工数を削減できる。
【0025】
まず、ユーザAは、情報仲介サーバ10に、本人確認情報、AML(Anti-Money Laundering)情報、及び情報連系同意情報を送信する(S2)。本人確認情報とは、例えば、ユーザAにおける、氏名、生年月日、住所、及びパスポートなどをスキャンして得られた本人確認書類画像データを含む情報である。AML情報とは、例えば、口座開設目的や出入金予定額などを含む情報である。なお、ALM情報は本人確認情報に含めて取り扱われてもよい。情報連系同意情報とは、例えば、情報仲介サーバ10において、第1金融機関および第2金融機関に対し、ユーザAに関する情報を提供することにつき、ユーザAが同意したことを証明する情報である。本手順(S2)は、第2金融機関においてユーザAが第2口座を開設するために必要な情報を、情報仲介サーバ10に提供するための手順である。以下、ユーザAから送信される本人確認情報およびAML情報をまとめて「ユーザ情報」という。
【0026】
次に、情報仲介サーバ10は、ユーザAにより送信される第1口座に関する情報(不図示)に基づき、第1金融機関に対して、第1口座情報、第1口座に関するユーザAの本人確認情報およびAML情報を要求する。第1金融機関は、該要求に応じて、これらの情報を情報仲介サーバ10に送信する(S3)。第1口座情報とは、第1口座の口座番号や口座種別など、口座を特定する情報である。なお、第1金融機関から情報仲介サーバ10に送信する第1口座情報は、上記に示す口座番号や口座種別に限定されず、例えばユーザAが第1口座を有することを示すメッセージを示す情報であってもよい。本手順は、第2金融機関において第2口座を開設するために、ユーザAが第1金融機関で第1口座を有していることを証明する(第1金融機関におけるユーザAの信頼性を証明する)ための手順である。また、第2金融機関と第1金融機関との間で口座に関する情報を共有することにより、第2金融機関において第1金融機関に送金する手続きを円滑にすることも可能となる。以下、第1金融機関から送信される第1口座情報、第1口座に関する本人確認情報およびAML情報をまとめて「第1金融機関提供情報」という。
【0027】
次に、情報仲介サーバ10は、ユーザAから取得したユーザ情報について、第2金融機関で第2口座を開設するための要件を充足するか否かを判定する(S4)。ユーザ情報が要件を充足しない場合は、情報仲介サーバ10は、ユーザAに対して不足している情報を要求する。判定方法については後述する。これにより、各国・各金融機関で異なる口座開設手続きを、円滑に進めることができる。
【0028】
次に、情報仲介サーバ10は、ユーザ情報および第1金融機関提供情報を、第2金融機関に送信する(S5)。第2金融機関は、ユーザ情報と第1金融機関提供情報とに基づいて第2口座を開設する。なお、情報仲介サーバ10のみにおいてユーザAの信頼性を確認する場合は、情報仲介サーバ10は、ユーザ情報のみを第2金融機関に送信してもよい。
【0029】
そして、第2金融機関は、新たに開設した第2口座に関する第2口座情報、第2口座に関する本人確認情報およびAML情報を情報仲介サーバ10に送信する(S6)。第2口座情報とは、第2口座の口座番号や口座種別など、口座を特定する情報である。以下、第2金融機関から送信される第2口座情報、第2口座に関する本人確認情報およびAML情報をまとめて「第2金融機関提供情報」という。
【0030】
情報仲介サーバ10は、第2金融機関提供情報を第1金融機関に送信する(S7)。これにより、第1金融機関は、第2金融機関との間で、第1金融機関提供情報および第2金融機関提供情報を共有することができ、第2口座開設後、各金融機関は、送金手続きなどの各種手続きを円滑に実施することができる。つまり、ユーザAのおける各口座間、ユーザAとその家族などとの各口座間における送金手続きなどを円滑に実施することができる。
【0031】
さらに、情報仲介サーバ10は、第2国におけるユーザAの雇用者に第2口座情報を送信する(S8)。これにより、移住後、ユーザAにおける雇用者に対する給与振込先の指定手続きなどを軽減できる。
【0032】
次に、
図3を参照して、送金の処理について説明する。送金の処理は、例えば、ユーザAにおいて、第2金融機関の第2口座から第1金融機関の第1口座に送金する処理を想定している。
【0033】
ユーザAは、情報仲介サーバ10を介し、例えば第2金融機関に第1金融機関への送金要求を送信する(S9,S10)。第2金融機関は、ユーザAの送金要求に応じて、送金NW(Network)を経由して第1金融機関に送金する(S11)。送金NWとは、例えばSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)の提供するサービスなどである。ここで、第1金融機関と第2金融機関との間で第1口座情報、本人確認情報、及びAML情報を共有し、これらの情報に基づく第2金融機関から第1金融機関への送金は、FATF(Financial Action Task Force)が求めるリスクベースアプローチに準拠する。なお、ユーザAは、APIを用いずに、情報仲介サーバ10を経由せず、直接第2金融機関に第1金融機関への送金要求を実施してもよい(S12,S13)。
【0034】
[情報仲介システム1の機能構成]
次に、上記の処理を実現するために、情報仲介サーバ10、端末装置20、第1サーバ30、第2サーバ40、及び第3サーバ50が備えている機能について説明する。
【0035】
まず、
図4を参照して、情報仲介サーバ10の機能構成について説明する。
図4は、情報仲介サーバ10の機能構成の一例を示す図である。
図4に示すとおり、情報仲介サーバ10は、例えば、ユーザ情報データベース11、要件情報データベース12、第1取得部13、第2取得部14、第3取得部15、送信部16、情報要求部17、及び判定部18の機能を有する。情報仲介サーバ10が有する機能は、
図15における、情報仲介サーバ10の制御部(プロセッサ101)が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行し、情報仲介サーバ10の各構成を制御すること等により実現される。
【0036】
図5は、ユーザ情報データベース11の構成例を示している。
図5に示すように、ユーザ情報データベース11は、ユーザ情報を格納しており、データ項目として、例えば、ユーザID、氏名、生年月日、住所、及び書類データを含む。ユーザIDは、ユーザを特定するための識別符号である。氏名、生年月日、及び住所は、ユーザIDに紐づく個人情報である。書類データは、ユーザIDに紐づく本人確認書類画像データ(パスポート、運転免許証、健康保険証などをスキャンして得られた画像データ)である。
【0037】
図6は、要件情報データベース12の構成例を示している。
図6に示すように、要件情報データベース12は、データ項目として、例えば、国ID、金融機関ID、及び必要情報を含む。国IDは国を特定するための識別符号である。金融機関IDは国IDに紐づく各金融機関を特定するための識別符号である。必要情報は国IDに紐づく各金融機関において口座開設に必要な情報(氏名、住所、生年月日、各種画像データなど)である。以下、国ID、金融機関IDおよびそれらに紐づく必要情報をまとめて「要件情報」という。
【0038】
図4に戻り、第1取得部13は、ネットワーク60を介してユーザA(端末装置20)から送信されたユーザ情報を取得する。また、ユーザAから送信された、第2金融機関から第1金融機関への送金処理を要求する送金要求を取得する。
【0039】
第2取得部14は、ネットワーク60を介して第1金融機関(第1サーバ30)から送信された第1金融機関提供情報を取得する。これにより、情報仲介サーバ10はユーザAの信頼性を確認することができる。
【0040】
第3取得部15は、ネットワーク60を介して第2金融機関(第2サーバ40)から送信された第2金融機関提供情報を取得する。これにより、情報仲介サーバ10は第2口座が開設されたことを確認することができる。
【0041】
送信部16は、ユーザA、第1金融機関、第2金融機関、及び雇用者に各種情報を送信する。
【0042】
情報要求部17は、第1金融機関に、第1金融機関提供情報を発信するよう要求する。また、情報要求部17は、第2金融機関に、第2金融機関提供情報を発信するよう要求する。
【0043】
判定部18は、ユーザ情報データベース11に記憶されているユーザAのユーザ情報と、要件情報データベース12に記憶されている第2金融機関の要件情報とに基づき、第2金融機関において、第2口座を開設するための要件を充足するか否かを判定する。具体的には、
図5に示すユーザID「0001」のユーザが、
図6に示す国ID「A」の国における金融機関ID「AA」の金融機関において、第2口座を開設する場合、判定部18は、ユーザID「0001」に紐づく各項目に登録されている「X」(氏名項目)、「1980/11/*」(生年月日項目)、「AAA」(住所項目)、及び「パスポート写真」(書類データ項目)の情報と、国ID「A」の金融機関ID「AA」に紐づく各項目に登録されている「氏名」、「住所」、「生年月日」、及び「パスポート写真」の情報と、をそれぞれ突合して判定する。この例において、判定部18は、ユーザIDに紐づく各項目が国IDに紐づく各項目を充足するため、要件を充足すると判断する。これにより、第2金融機関における第2口座の開設手続きを円滑に進めることができる。
【0044】
変形例として、判定部18は、ユーザ情報および第1金融機関提供情報と、要件情報とに基づき、第2口座を開設するための要件を充足するか否かを判定してもよい。この場合、要件情報データベース12には、必要情報として、第1金融機関における第1口座情報などが含まれる。本変形例は、第2金融機関において、第2口座を開設するために、既に開設済の第1口座に関する第1口座情報が必要である場合に対応するものである。
【0045】
変形例として、判定部18は、さらに、ユーザ情報に含まれる所定の情報と、第1金融機関提供情報に含まれる所定の情報と、が一致するか否かを判定してもよい。これにより、ユーザ情報に含まれる各種情報と、該各種情報に対応する第1金融機関提供情報に含まれる各種情報と、が一致しない場合、ユーザAが端末装置20にユーザ情報を誤入力したことや、ユーザAに対するなりすましなどが生じていることを判定できる。
【0046】
さらにいうと、判定部18は、第1金機関提供情報に基づきユーザAの信頼性を判定する機能を有していてもよい。具体的には、判定部18は、第1金融機関から、ユーザAのユーザ情報に対応する第1金融機関提供情報を取得できた場合、ユーザAは信頼性を有すると判定する。
【0047】
判定部18において要件を充足しないと判定した場合、判定部18は、送信部16により、端末装置20に判定結果を示す情報を通知する。ユーザAは、端末装置20にユーザ情報を再度入力することにより、情報仲介サーバ10に正当なユーザ情報を提供する。
【0048】
送金信号送信部19は、第1取得部13で取得された送金要求に応じて、第2金融機関に、送信部16から第2金融機関に送信された本人確認情報およびAML情報に基づいて第1金融機関へ送金させるための送金信号を、第2金融機関に送信する。送金信号には、例えば、送金者、送金元の第2口座情報、送金先の第1口座情報、送金額に関する情報が含まれる。これにより、各金融機関では、送金者における、本人確認情報、口座情報、及びAML情報などが共有されているため、FATFの基準に準拠した金融機関間の送金が容易に可能となる。なお、送金信号には、送金者の本人確認情報やAML情報が含まれていてもよい。
【0049】
次に、
図7、
図8を参照して、第1サーバ30、第2サーバ40、及び第3サーバ50の機能構成について説明する。なお、第2サーバ40は、第1サーバ30の機能構成に加えて信頼性判定部45、送金信号取得部46、及び送金実行部47を有するためそれのみ説明する。
【0050】
図7は、第1サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
図7に示すとおり、第1サーバ30は、ユーザ情報データベース31、口座データベース32、取得部33、送信部34の機能を有する。第1サーバ30が有する機能は、
図15に示す第1サーバ30の制御部(プロセッサ101)が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行し、第1サーバ30の各構成を制御すること等により実現される。
【0051】
ユーザ情報データベース31は、情報仲介サーバ10のユーザ情報データベース11と同様であるため、その説明を省略する。
【0052】
口座データベース32は、例えば、ユーザ情報データベース31におけるユーザIDに、第1金融機関提供情報(第2サーバ40の場合は第2金融機関提供情報)を紐づけているデータベースである。
【0053】
取得部33は、情報仲介サーバ10から、第1金融機関提供情報を発信する要求を取得する。また、例えば、情報仲介サーバ10を介して、第2金融機関から第2金融機関提供情報を取得する。
【0054】
送信部34は、取得部33で取得した要求に応じて、情報仲介サーバ10に第1金融機関提供情報を送信する。
【0055】
図8は、第2サーバ40の機能構成の一例を示す図である。第2サーバ40は、第1サーバ30の機能に加えて信頼性判定部45、送金信号取得部46、及び送金実行部47の機能を有する。
【0056】
信頼性判定部45は、第1金機関提供情報に基づきユーザAの信頼性を判定する。具体的には、信頼性判定部45は、情報仲介サーバ10を介して、第1金融機関から、ユーザAのユーザ情報に対応する第1金融機関提供情報を取得できた場合、ユーザAは信頼性を有すると判定する。これにより、第2金融機関は、安全に第2口座を開設できる。
【0057】
送金信号取得部46は、情報仲介サーバ10から送信された送金信号を取得する。
【0058】
送金実行部47は、送金取得部46で取得した送金信号に基づいて第1金融機関への送金処理を実行する。具体的には、送金実行部47は、例えば、送金信号に基づいて、送金者、送金元の第2口座情報、送金先の第1口座情報、及び送金額などを認識し、ユーザ情報データベース41および口座データベース42に基づいて、送金者の本人確認情報、第1口座情報およびAML情報を認識する。送金実行部47は、認識された各種情報に基づいて第1金融機関への送金処理を実行する。これにより、マネーロンダリングなどにつき適切な送金処理が可能になるとともに、既に各種情報を共有している第1金融機関への送金であるため、第2金融機関における送金処理にかかる手続きを軽減できる。これについては、送金される第1金融機関においても同様に、第1金融機関における第2金融機関からの送金者に対する各種登録手続きなどの手間を軽減できる。
【0059】
第3サーバ50は、給与振込データベース51、取得部(不図示)、振込処理部(不図示)の機能を有する。第3サーバ50が有する機能は、
図15に示す、第3サーバ50の制御部(プロセッサ101)が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行し、第3サーバ50の各構成を制御すること等により実現される。
【0060】
給与振込データベース51は、例えば、ユーザIDに第2口座情報が紐づけられているデータベースである。取得部は、第2金融機関から情報仲介サーバ10を介して、雇用者によるユーザAへの給与の振込に関する情報(第2口座情報)を取得する。振込処理部は、雇用者においてユーザAに対し給与を振込む処理を実施する。
【0061】
次に、
図9を参照して、端末装置20の機能構成について説明する。
図9は、端末装置20の機能構成の一例を示す図である。
図9に示すとおり、端末装置20は、入力部21、送受信部22、及び表示制御部23の機能を有する。端末装置20が有する機能は、
図15に示す、端末装置20の制御部(プロセッサ101)が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行し、端末装置20の各構成を制御すること等により実現される。
【0062】
入力部21は、ユーザによる端末装置20に対する操作に応じて各種の情報(データ)を受け付ける。例えば、入力部21は、ユーザAによる操作に応じて、本人確認に使用されるユーザの本人確認情報の入力を受け付ける。また、入力部21は、ユーザによる操作に応じて、本人確認書類画像データの入力を受け付ける。ユーザによる操作には、例えば、ユーザAの本人確認書類(例えば、パスポート、運転免許証、健康保険証など)をスキャン又は撮像して得られた本人確認書類画像データを端末装置20にダウンロードする操作が含まれる。
【0063】
送受信部22は、端末装置20におけるデータの送受信を制御する。例えば、送受信部22は、入力部21により入力された情報を情報仲介サーバ10などの外部装置に送信する。また、送受信部22は、情報仲介サーバ10などの外部装置からの通知や各種情報を受信する。
【0064】
表示制御部23は、端末装置20が備える、又は端末装置20に接続された表示装置107の表示を制御する。例えば、表示制御部23は、ユーザの本人確認の手続を進めるために必要な各種の画面(ユーザインタフェース)を生成し、表示装置107へ表示することを制御する。
【0065】
以下、
図10~
図13を参照して、表示制御部23が表示を制御するユーザインタフェースの具体的な画面例について説明する。
図10~
図12は、口座開設の処理に係るユーザインタフェースの一例を示す図である。
図13は、送金の処理に係るユーザインタフェースの一例を示す図である。
図10~
図13に示すユーザインタフェースは、例えば、端末装置20が情報仲介サーバ10との間で送受信したデータに基づいて生成され、表示される。以下、第1金融機関を「第1銀行」とし、第2金融機関を「第2銀行」として説明する。
図10~
図13において示される矢印は画面遷移の順の一例を示す。
【0066】
まず、
図10~
図12を参照して、口座開設の処理に関するユーザインタフェースについて説明する。
【0067】
図10のユーザインタフェース(a)は、ユーザAが、口座の開設を希望する第2口座に関する第2口座情報を入力する画面である。ユーザインタフェース(a)では、第2口座情報として「第2国」の「第2銀行」において「銀行口座」および「プリペイド口座」を開設することが示されている。なお、ユーザインタフェース(a)は、第2口座情報をタイプ入力する形式であってもよいし、第2口座情報を選択的に入力(例えばプルダウンによる選択入力)するものであってもよい。以下、各ユーザインタフェースにおける入力について同様とする。
【0068】
図10のユーザインタフェース(b)は、第2口座を開設するために本人確認書類データをアップロードする画面である。ユーザインタフェース(b)では、ユーザインタフェース(a)で入力された第2口座情報に応じて、例えば、要件情報データベース12に基づき、自動的に第2口座を開設するために必要な本人確認書類の種別を表示する。なお、ユーザインタフェース(b)においては、ユーザAの「国籍」および「本人確認書類」の種別を示しているが、さらに、氏名、住所、生年月日などのユーザに関する情報、口座開設目的、出入金予定額などのAMLに関する情報などを入力するように構成されていてもよい。ユーザAは表示された種別に入力する。
【0069】
変形例として、情報仲介サーバ10において、第1金融機関提供情報に基づいて第2口座を開設するための項目が充足していると判定された項目については、ユーザインタフェース(b)では、既に入力済みとして表示されてもよい。これによりユーザAの入力手間を軽減できる。
【0070】
図10のユーザインタフェース(c)は、本人確認書類データをアップロードした状況を示す画面である。
【0071】
図10のユーザインタフェース(d)は、本人確認情報およびAML情報を情報仲介サーバ10に送信したことを示す画面である。これによりユーザAは第2口座開設の処理が進行していることを把握できる。
【0072】
上記の
図10のユーザインタフェース(a)~(d)に関する処理は、
図2における(S2)に対応する処理である。これにより、ユーザAは、第2口座を開設するために、アプリケーション上で、第2銀行に本人確認情報などを提供する準備を容易に実施することができる。
【0073】
図11のユーザインタフェース(a)は、ユーザAが有する第1口座に関する各種情報(本人確認情報、AML情報などが含まれていてもよい)を、第1銀行から取得することにつき、ユーザAに確認同意を得るための画面である。ユーザインタフェース(a)では、例えば、確認同意を得るためのポップアップが表示される。端末装置20は、ポップアップにおける同意により、情報連携同意情報を情報仲介サーバ10に送信する。
【0074】
図11のユーザインタフェース(b)は、情報仲介サーバ10を介して、第1銀行(第1サーバ30)において第1口座に関する各種情報を確認できたことにつき、ユーザAに通知するための画面である。ユーザインタフェース(b)では、例えば、確認したことを把握するためのボップアップが表示される。端末装置20は、ポップアップにおける同意により、確認したことを示す情報を情報仲介サーバ10に送信する。
【0075】
上記の
図11のユーザインタフェース(a)、(b)に関する処理は、
図1における(S3)に対応する処理である。これにより、情報仲介サーバ10においてユーザAの信頼性を確認することができる。
【0076】
なお、
図1における(S4)に対応するユーザインタフェース(不図示)として、第2口座を開設するための要件を満たしているか否かについて通知する画面を表示させてもよい。
【0077】
図11のユーザインタフェース(c)は、上記で得られたユーザAのユーザ情報(本人確認情報およびAML情報)を、第2銀行に送信することにつき、ユーザAに確認同意を得るための画面である。ユーザインタフェース(c)では、例えば確認同意を得るためのポップアップが表示される。端末装置20は、ポップアップにおける同意により、情報連携同意情報(第2銀行への情報提供に関する同意)を情報仲介サーバ10に送信する。
【0078】
図11のユーザインタフェース(d)は、情報仲介サーバ10を介して、第2銀行(第2サーバ40)にユーザ情報を送信できたことを、ユーザAにポップアップで通知する画面である。
【0079】
上記の
図11のユーザインタフェース(c)、(d)に関する処理は、
図2における(S5)に対応する処理である。これにより、第2銀行において、ユーザAの信頼性を確認することができる。
【0080】
図12のユーザインタフェース(a)は、第2銀行で開設した第2口座に関する第2口座情報を含む第2金融機関提供情報を、第1銀行に送信することにつき、ユーザAに確認同意を得るための画面である。
【0081】
図12のユーザインタフェース(b)は、情報仲介サーバ10を介して、第1銀行(第1サーバ30)に第2金融機関提供情報を送信できたことを、ユーザAにポップアップで通知する画面である。
【0082】
上記の
図12のユーザインタフェース(a)、(b)に関する処理は、
図2における(S6)(S7)に対応する処理である。これにより、ユーザAは、送金手続きを容易にするために、第1銀行と第2銀行との間においてユーザAの各口座に関する情報を共有させることができる。
【0083】
図12のユーザインタフェース(c)は、第2口座情報を、ユーザAの雇用者(第3サーバ50)に送信することにつき、ユーザAに確認同意を得るための画面である。
【0084】
図12のユーザインタフェース(d)は、情報仲介サーバ10を介して、雇用者に第2口座情報を送信できたことを、ユーザAにポップアップで通知する画面である。これにより、第2国に移動したユーザAの雇用者との間における手続きを縮減できる。
【0085】
上記の
図12のユーザインタフェース(c)、(d)に関する処理は、
図2における(S8)に対応する処理である。
【0086】
次に、
図13を参照して、送金の処理に関するユーザインタフェースについて説明する。
【0087】
図13のユーザインタフェース(a)は、送金の処理において、ユーザAに対し、送金元の第2口座情報をポップアップで確認するための画面である。
【0088】
図13のユーザインタフェース(b)は、ユーザAに対し、送金先の第1口座情報をポップアップで確認するための画面である。
【0089】
図13のユーザインタフェース(c)は、送金額に関する情報をポップアップで確認するための画面である。本実施形態では、第2国の第2銀行から第1国の第1銀行に送金するものであるため、例えば為替レートについても表示されている。
【0090】
図13のユーザインタフェース(d)は、情報仲介サーバ10を介して、第2口座から第1口座に送金できたことを、ユーザAにポップアップで通知する画面である。ここで、送金処理を実行する際に、第2銀行(第2サーバ40)においてユーザAの本人確認情報やAML情報などを確認する。
【0091】
上記の
図13のユーザインタフェース(a)~(d)に関する処理は、
図2における(S9)~(S11)に対応する処理である。これにより、ユーザAは、アプリケーション上で、適切かつ容易に送金処理を実施できる。
【0092】
[情報仲介サーバ10の処理手順]
図14は、情報仲介サーバ10の口座開設の処理の一例を示すフロー図である。
図14を参照して、情報仲介サーバ10により実行される口座開設の処理および送金処理の一例を説明する。
【0093】
まず、ステップS100において、情報仲介サーバ10は、第2金融機関における第2口座の開設のために、ユーザAにより端末装置20を介して入力され、ネットワーク60を介して送信されたユーザ情報を取得する。
【0094】
次に、ステップS101において、情報仲介サーバ10は、第1金融機関から第1金融機関提供情報を取得する。
【0095】
次に、ステップS102において、情報仲介サーバ10は、ユーザ情報と、要件情報と、に基づき、第2口座を開設するための要件を充足するか否かを判定する。なお、ユーザ情報および第1金融機関提供情報と、要件情報と、に基づき判定してもよい。要件を充足していないと判定した場合(S102:NO)、情報仲介サーバ10は、端末装置20を介してユーザに、再度、ユーザ情報を送信するよう通知する。要件を充足していると判定した場合(S102:YES)、情報仲介サーバ10は処理を進める。
【0096】
次に、ステップS103において、情報仲介サーバ10は、ユーザ情報および第1金融機関提供情報を、第2金融機関に送信する。
【0097】
次に、ステップS104において、情報仲介サーバ10は、第2金融機関において第2口座を開設後、第2金融機関から第2金融機関提供情報を取得する。
【0098】
次に、ステップS105において、情報仲介サーバ10は、第2金融機関提供情報を第1金融機関に送信する。
【0099】
次に、ステップS106において、情報仲介サーバ10は、ユーザAの送金要求に応じて、送金信号を第2金融機関に送信する。そして、第2金融機関は、ユーザAの本人確認情報、第1,第2口座情報、AML情報などを確認して、第1金融機関への送金処理を実行する。
【0100】
[ハードウェア構成]
図15を参照して、情報仲介サーバ10、端末装置20、第1サーバ30、第2サーバ40、及び第3サーバ50をコンピュータ100により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0101】
図15は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図15に示すように、コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、入力I/F部104と、データI/F部105と、通信I/F部106、及び表示装置107を含む。
【0102】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ100における各種の処理を制御する制御部である。
【0103】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ102は、プロセッサ101によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0104】
記憶装置103は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置103は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0105】
入力I/F部104は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部104の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部104は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続されても良い。
【0106】
データI/F部105は、コンピュータ100の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部105の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部105は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部105は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ100へと接続される。
【0107】
通信I/F部106は、コンピュータ100の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部106は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部106は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続される。
【0108】
表示装置107は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置107の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置107は、コンピュータ100の外部に設けられても良い。その場合、表示装置107は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ100に接続される。また、入力I/F部104としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置107は、入力I/F部104と一体化して構成することが可能である。
【0109】
[他の実施例]
情報仲介サーバ10は、第1口座情報および第2口座情報を格納する口座情報データベース(不図示)を有していてもよい。口座情報データベースは、例えば、ユーザ情報データベース11におけるユーザIDに、第1口座情報(口座種別、口座番号など)、第2口座情報(口座種別、口座番号など)などを紐づけているデータベースである。これにより、ユーザAが、第2金融機関から第1金融機関に送金するにあたり、情報仲介サーバ10を介して、送金元口座、送金先口座を確認することができるため、より安全、確実な送金の処理を実施できる。
【0110】
情報仲介サーバ10は、ユーザAにおいて、第1金融機関、第2金融機関、雇用者のそれぞれの構成要素に対し、各種情報の所定の取り扱い(他装置との送受信など)につき同意したか否かの結果を格納する同意管理データベース(不図示)を有していてもよい。同意管理データベースは、第1金融機関、第2金融機関、雇用者のそれぞれにおける上記同意したことを示す例えばフラグを、ユーザ情報データベース11におけるユーザIDに紐づけているデータベースである。これにより、情報仲介サーバ10は、ユーザAにおいて取り扱いを制限したい情報につき適切に管理することができる。
【0111】
なお、述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1…情報仲介システム、10…情報仲介サーバ、11…ユーザ情報データベース、12…要件情報データベース、13…第1取得部、14…第2取得部、15…第3取得部、16…送信部、17…情報要求部、18…判定部、19…送金信号送信部、20…端末装置、21…入力部、22…送受信部、23…表示制御部、30…第1サーバ、31…ユーザ情報データベース、32…口座データベース、33…取得部、34…送信部、40…第2サーバ、45…信頼性判定部、46…送金信号取得部、47…送金実行部、50…第3サーバ、60…ネットワーク、100…コンピュータ、101…プロセッサ、102…メモリ、103…記憶装置、104…入力I/F部、105…データI/F部、106…通信I/F部、107…表示装置。