(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】複数のシリカを有するFCC触媒、その調製及び使用
(51)【国際特許分類】
B01J 29/06 20060101AFI20220527BHJP
C10G 11/18 20060101ALI20220527BHJP
C10G 11/04 20060101ALI20220527BHJP
C10G 11/05 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
B01J29/06 M
C10G11/18
C10G11/04
C10G11/05
(21)【出願番号】P 2019506090
(86)(22)【出願日】2017-08-04
(86)【国際出願番号】 US2017045580
(87)【国際公開番号】W WO2018027173
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-06-15
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594066006
【氏名又は名称】アルベマール コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サバヒ,アミル
(72)【発明者】
【氏名】ローブル,アンドリュー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガバルダ,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】フランシス,ジュリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】イヤンペルマル,エスワラモールティ
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-146529(JP,A)
【文献】特表2008-523976(JP,A)
【文献】特表2008-537505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C10G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
FCC触媒組成物の重量を基準として、5~60重量%の1種以上のゼオライト、15~35重量%の準結晶性ベーマイト、0~35重量%の微結晶性ベーマイト、0重量%を超え15重量%以下のナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカからのシリカ、0重量%を超え30重量%以下の酸性コロイダルシリカまたはポリケイ酸からのシリカ、及び残部の粘土を含む、FCC触媒組成物の製造方法であって、
前記方法が、
(a)15~35重量%の準結晶性ベーマイト、0~35重量%の微結晶性ベーマイト、0重量%を超え15重量%以下の
シリカを含有するナトリウム安定化塩基性コロイダルシリ
カ、及び残部重量%の粘土(後述の工程(c)及び(d)に定義されたとおりに添加されるゼオライトポリケイ酸又は酸性コロイダルシリカの量を考慮する)を添加してスラリーを形成する工程、
(b)前記スラリーを一塩基酸で4.0未満のpHに消化する工程、
(c)前記スラリーに5~60重量%の1種以上のゼオライトを添加する工程、
(d)別個に作製されインラインで添加された
0重量%を超え30重量%以下のシリカを含有するポリケイ
酸を添加するか、または
、
工程(a)~(c)の間もしくは後であるが工程(e)の前の任意の時点で
0重量%を超え30重量%以下のシリカを含有する酸性コロイダルシリ
カを添加する工程、
(e)前記スラリーを混合し、次いで前記pHを4.0超に上げることによって前記スラリーを不安定化する工程、
(f)得られたFCC触媒を成形し、回収する工程、
を含
み、ここで前記重量%は、特定の物質または物質の形態が構成要素または成分である最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする、物質の特定の形態の乾燥ベース重量%である、製造方法。
【請求項2】
0.5重量%を超え10重量%以下のシリカを含有するナトリウム安定化塩基性コロイダルシリ
カが工程(a)で添加され
、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
1重量%を超え8重量%以下のシリカを含有するナトリウム安定化塩基性コロイダルシリ
カが工程(a)で添加され
、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
1重量%を超え25重量%以下のシリカを含有する酸性コロイダルシリカまたはポリケイ
酸が工程(d)で添加され
、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
5重量%を超え20重量%以下のシリカを含有する酸性コロイダルシリカまたはポリケイ
酸が工程(d)で添加され
、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
FCC触媒を製造するためのプロセスであって:
a.粘土、
準結晶性ベーマイト
及び任意に微結晶性ベーマイト、並びにナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカを添加してスラリーを形成する工程;
b.前記スラリーを一塩基酸で4.0未満のpHに消化する工程;
c.前記スラリーに1種以上のゼオライトを添加する工程;
d.別個に作製されインラインで添加されたポリケイ酸を添加するか
、または、
工程a~cの間または後であるが工程eの前の任意の時点で酸性コロイダルシリカを添加する工程;
e.前記スラリーを混合し、次いで前記pHを4.0超に上げることによって前記スラリーを不安定化する工程、
f.得られたFCC触媒を成形し、回収する工程、
を含む、前記プロセス。
【請求項7】
5~60重量%の1種以上のゼオライトを添加することを更に含
み、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
0重量%を超え15重量%以下のシリカを含有するナトリウム安定化塩基性コロイダルシリ
カを添加する工程を更に含
み、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
0重量%を超え30重量%以下のポリケイ酸を添加する工程を更に含
み、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項10】
0重量%を超え30重量%以下の酸性コロイダルシリカを添加する工程を更に含
み、ここで前記重量%は、最終FCC触媒の総乾燥ベース重量を基準とする乾燥ベース重量%である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項11】
炭化水素供給原料からより多くの液体成分を生成するためのプロセスであって、
a.請求項1に記載の製造方法により製造されたFCC触媒組成物を提供する工程と
b.前記FCC触媒組成物を前記炭化水素供給原料と0.5~12秒の範囲の滞留時間で400~650℃の範囲の1つ以上の温度で接触させる工程であって、これにより前記炭化水素供給原料の重量を基準として4~20重量%の範囲の変換効率でプロピレンが形成される、前記接触させる工程、
を含む、前記プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より良好な物理的特性及び性能で、例えば、原油の処理から得られたものなどの炭化水素から構成される供給物の分解または変換のためのプロセスにおける触媒組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
不均一系触媒の設計及び生成における一般的な課題は、触媒粒子に十分な物理的強度、すなわち、摩耗抵抗性を付与する際の活性部位の有効性及び/またはアクセシビリティと固定化マトリックスの有効性との間の良好な妥協点を見出すことである。
【0003】
摩耗抵抗性触媒の調製はいくつかの先行技術文献に開示されている。US4,086,187は、(i)5重量%未満のナトリウム含有量を有するフォージャサイトゼオライトを(ii)カオリン、(iii)解膠された疑似ベーマイト、及び(iv)アンモニウムポリケイ酸塩と混合することによって調製された水性スラリーを噴霧乾燥することによる摩耗抵抗性触媒の調製のためのプロセスを開示している。US4,206,085による摩耗抵抗性触媒は、2種類の酸性化疑似ベーマイト、ゼオライト、アルミナ、粘土、及びアンモニウムポリケイ酸塩またはシリカゾルのいずれかを混合することによって調製されたスラリーを噴霧乾燥することによって調製される。
【0004】
GB1315553は、ゼオライト、粘土、及びアルミナバインダーを含む摩耗抵抗性炭化水素変換触媒の調製を開示している。その触媒は、まずゼオライト及び粘土を乾燥混合し、続いてアルミナゾルを添加することによって調製される。次いで、得られた混合物は塑性堅さまで混合され、これは約20分の混合時間を必要とする。成形された粒子を形成するためには、塑性堅さがペレット化または押し出しのいずれかがなされるか、またはそれは水と混合され、次に噴霧乾燥される。この英国特許明細書に開示されたアルミナゾルは、水酸化アルミニウム及び三塩化アルミニウムを4.5~7.0のモル比で含む(アルミニウムクロロヒドロールとも呼ばれる)。
【0005】
US4,458,023は同様の調製手順に関し、それに続いて噴霧乾燥された粒子を焼成する。焼成中に、アルミニウムクロロヒドロール成分はアルミナバインダーに変換される。WO96/09890は、摩耗抵抗性流動接触分解触媒の調製のためのプロセスを開示している。このプロセスは、硫酸アルミニウム/シリカゾル、粘土スラリー、ゼオライトスラリー、及びアルミナスラリーの混合、それに続く噴霧乾燥を含む。このプロセス中に、酸またはアルカリ安定性界面活性剤がシリカゾル、粘土スラリー、ゼオライトスラリー、アルミナスラリー及び/または噴霧乾燥スラリーに添加される。CN1247885も噴霧乾燥された分解触媒の調製に関する。この調製は、アルミニウムゾル、疑似ベーマイト、モレキュラーシーブ、粘土、及び無機酸を含むスラリーを使用する。このプロセスでは、アルミニウムゾルがスラリーに添加されてから、粘土及び無機酸が添加され、無機酸が添加された後にモレキュラーシーブスラリーが添加される。一実施形態によれば、疑似ベーマイト及びアルミニウムゾルが最初に混合され、続いて無機酸が添加される。酸性化後、モレキュラーシーブが添加され、続いてカオリンが添加される。
【0006】
WO02/098563は、高い摩耗抵抗性及び高いアクセシビリティの両方を有するFCC触媒の調製のためのプロセスを開示している。その触媒は、ゼオライト、粘土、及びベーマイトをスラリー化し、スラリーを成形装置に供給し、混合物を成形して粒子を形成することによって調製され、成形工程の直前に混合物が不安定化されることを特徴としている。この不安定化は、例えば、温度上昇、pH上昇、pH低下、または塩、リン酸塩
、硫酸塩、及び(部分的に)ゲル化したシリカなどのゲル誘導剤の添加によって達成される。不安定化の前に、スラリー中に存在する任意の解膠性化合物を十分に解膠しなければならなかった。
【0007】
WO06/067154は、FCC触媒、その調製及びその使用を記載している。それは、高い摩耗抵抗性及び高いアクセシビリティの両方を有するFCC触媒の調製のためのプロセスを開示している。その触媒は、粘土、ゼオライト、ナトリウム非含有シリカ源、準結晶性ベーマイト、及び微結晶性ベーマイトをスラリー化し(但し、スラリーは解膠された準結晶性ベーマイトを含まない)、b)スラリーに一価酸を添加し、c)スラリーのpHを3を超える値に調整し、d)スラリーを成形して粒子を形成することによって調製される。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、特定の触媒組成物上で炭化水素供給物を分解して、供給物の炭化水素、例えば、高いガソリン留分を含む生成物よりも低い分子量の変換生成物の炭化水素化合物を生成するためのプロセスで採用されることが意図されたFCC触媒に関する。本発明の独特の特徴は、複数のシリカ源の使用である。
【0009】
それ故、一実施形態では、約5~約60重量%の1種以上のゼオライト、約15~約35重量%の準結晶性ベーマイト(QCB)、約0~約35重量%の微結晶性ベーマイト(MCB)、約0重量%を超え約15重量%以下のナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカからのシリカ、約0重量%を超え約30重量%以下の酸性コロイダルシリカまたはポリケイ酸からのシリカ、及び残部の粘土を含む粒子状FCC触媒が提供される。
【0010】
別の実施形態では、FCC触媒を製造するためのプロセスであって、そのプロセスが:
(a)粘土、ベーマイト及びナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカを添加してスラリーを形成すること;
(b)スラリーを一塩基酸で4未満のpHに消化すること;
(c)スラリーに1種以上のゼオライトを添加すること;
(d)別個に作製されインラインで添加されたポリケイ酸を添加すること;
(e)スラリーを混合し、次いでpHを4.0超に上げることによってスラリーを不安定化すること
(f)得られたFCC触媒を成形し、回収すること;
(g)続いて任意に必要に応じて過剰のナトリウムを除去するための焼成工程及び後洗浄工程、
を含む。
【0011】
別の実施形態では、FCC触媒を製造するためのプロセスであって、そのプロセスが:
(a)粘土、ベーマイト、ナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカを添加してスラリーを形成すること;
(b)スラリーを一塩基酸で4未満のpHに消化すること;
(c)スラリーに1種以上のゼオライトを添加すること;
(d)工程(a)~(c)の間または後であるが工程(e)の前の任意の時点で酸性コロイダルシリカを添加すること;
(e)スラリーを混合し、次いでpHを4.0超に上げることによってスラリーを不安定化すること;
(f)得られたFCC触媒を成形し、回収すること
を含む。
【0012】
得られた触媒は、当該技術分野で知られているものよりも改善された利益を示す。例え
ば、改善された触媒は、改善された摩耗ならびにより高いABD及びアクセシビリティを示す。更に、改善した触媒は、失活後にゼオライト及び触媒のより高い安定性をもたらす。
【0013】
また更なる実施形態では、石油留分供給原料を分解するためのプロセスであって、前記プロセスが:
a)約5~約60重量%の1種以上のゼオライト、約15~約35重量%の準結晶性ベーマイト、約0~約35重量%の微結晶性ベーマイト、約0重量%を超え約15重量%以下のナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカからのシリカ、約0重量%を超え約30重量%以下の酸性コロイダルシリカまたはポリケイ酸からのシリカ、及び残部の粘土を含むFCC触媒組成物を提供する工程;
b)FCC触媒を前記石油留分供給原料と0.5~12秒の範囲の滞留時間で400~650℃の範囲の温度で接触させる工程、
を含む。
【0014】
本発明のこれらの及び更なる他の実施形態、利点及び特徴は、添付の特許請求の範囲を含む以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
別段示されない限り、本明細書で使用される重量パーセント( 重量%)は、特定の物質または物質の形態が構成要素または成分である生成物の総乾燥ベース重量を基準とする、物質の特定の形態の乾燥ベース重量パーセントである。本明細書で何らかの手法で好ましいものとして工程または成分または要素を記載している場合、それらは本開示の最初の日付時点で好ましいものであること、及びそのような好ましいもの(複数可)は当然ながら所与の状況または将来の技術の発展に応じて変わり得ることが更に理解されるべきである。
【0016】
全般的手順
改善された触媒を製造するプロセスの第1の工程は、粘土源をナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカ、及び1種以上のアルミナ(ベーマイト)源と混合することである。以下に論述するように、酸性コロイダルシリカの第2のシリカ源をこのスラリーにまたは後の工程で任意に添加することができる。粘土、ゼオライト、QCB、MCB、ナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカ、及び任意の他の成分は、それらを乾燥固体として水に添加することによってスラリー化され得る。代替的には、個々の材料を含有するスラリーを混合して、工程a)に従ってスラリーを形成する。また、材料の一部をスラリーとして、且つ他の材料を乾燥固体として添加することも可能である。任意に、アルミニウムクロロヒドロール、硝酸アルミニウム、Al2O3、Al(OH)3、アニオン性粘土(例えば、ハイドロタルサイト)、スメクタイト、セピオライト、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、カルシウム-ケイ酸塩、マグネシウム-ケイ酸塩、チタン酸マグネシウム、混合金属酸化物、層状ヒドロキシ塩、追加のゼオライト、酸化マグネシウム、塩基もしくは塩、及び/またはアルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca、及びBa)、IIIA族遷移金属、IVA族遷移金属(例えば、Ti、Zr)、VA族遷移金属(例えば、V、Nb)、VIA族遷移金属(例えば、Cr、Mo、W)、VIIA族遷移金属(例えば、Mn)、VIIIA族遷移金属(例えば、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt)、IB族遷移金属(例えば、Cu)、IIB族遷移金属(例えば、Zn)、ランタニド(例えば、La、Ce)、またはそれらの混合物を含有する化合物などの金属添加剤などの他の成分が添加され得る。これらの化合物の任意の添加順序が使用され得る。これらの化合物を全て同時に組み合わせることも可能である。
【0017】
「ベーマイト」という用語は、酸化アルミニウム-水酸化物[AlO(OH)]のもの
に近いX線回折(XRD)パターンを示すアルミナ水和物を記述するために業界で使用されている。更に、ベーマイトという用語は一般に、異なる量の水和水を含有し、異なる表面積、細孔容積、比密度を有し、熱処理時に異なる熱特性を示す広い範囲のアルミナ水和物を記述するために使用される。それにもかかわらず、それらのXRDパターンは、それらが特徴的なベーマイト[AlO(OH)]ピークを示すものの、通常はそれらの幅が変化し、それらの位置もシフトし得る。XRDピークの鋭さ及びそれらの位置は、結晶化度、結晶サイズ、及び欠陥の量を示すために使用されてきた。
【0018】
概して、2つのカテゴリーのベーマイトアルミナ:準結晶性ベーマイト(QCB)及び微結晶性ベーマイト(MCB)が存在する。最新技術では、準結晶性ベーマイトは、擬似ベーマイト及びゼラチン状ベーマイトとも称される。通常、これらのQCBは、MCBより高い表面積、より大きな細孔及び細孔容積、ならびにより低い比密度を有する。それらは、水または酸に容易に分散し、MCBよりも小さな結晶サイズを有し、より多くの水和水分子を含有する。QCBの水和の程度は、通常は規則的にまたはそうでなければ八面体層間にインターカレートされた広範囲の値、例えば、Al1モル当たり約1.4から約2モルまでの水を有し得る。いくつかの典型的な市販のQCBは、Pural(登録商標)、Catapal(登録商標)、及びVersal(登録商標)製品である。
【0019】
微結晶性ベーマイトは、それらの高い結晶化度、比較的大きな結晶サイズ、非常に小さな表面積、及び高い密度によってQCBとは区別される。QCBとは対照的に、MCBは、より高いピーク強度及び非常に狭い半値幅を有するXRDパターンを示す。これは、それらの比較的少数のインターカレートされた水分子、大きな結晶サイズ、バルク材料のより高い結晶化度、及びより少ない量の結晶欠陥に起因する。典型的には、インターカレートされる水分子の数は、Al1モル当たり約1から約1.4までの範囲で変化し得る。典型的な市販のMCBはCondeaのP-200(登録商標)である。
【0020】
MCB及びQCBは粉末X線反射によって特徴付けられる。ICDDはベーマイトの項目を含有し、(020)、(021)、及び(041)面に対応する反射が存在するであろうことを確認する。銅放射線の場合、そのような反射は14、28、及び38度2θに現れるであろう。反射の正確な位置は、結晶化度の程度及びインターカレートされた水の量に依存する:インターカレートされた水の量が増えると、(020)反射はより大きなd間隔に対応するより低い値に移動する。それにもかかわらず、上記の位置に近い線は、1種類以上のベーマイト相の存在を示すであろう。本明細書の目的のため、我々は、準結晶性ベーマイトを、1.5°または1.5°2θを超える半値全幅(FWHH)を有する(020)反射を有するものとして定義する。1.5°2θより小さなFWHHを有する(020)反射を有するベーマイトは微結晶性ベーマイトと考えられる。スラリーは好ましくは、最終触媒を基準として約1~約50重量%、より好ましくは約15~約35重量%の非解膠QCBを含む。スラリーはまた、最終触媒を基準として約1~約50重量%、より好ましくは約0~約35重量%のMCBを含む。
【0021】
また、粘土は、低いナトリウム含有量を有するか、またはナトリウムを含まないことが好ましい。好適な粘土には、カオリン、ベントナイト、サポナイト、セピオライト、アタパルジャイト、ラポナイト、ヘクトライト、英国粘土、ハイドロタルサイトなどのアニオン性粘土、及びメタカオリンなどの熱または化学処理された粘土が含まれる。スラリーは好ましくは、約5~約70重量%、より好ましくは約10~約60重量%、最も好ましくは約10~約50重量%の粘土を含む。
【0022】
次の工程では、一価の酸が懸濁液に添加され、消化を引き起こす。有機及び無機の一価の酸の両方、またはそれらの混合物が使用され得る。好適な一価の酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、硝酸、及び塩酸である。酸は、7未満、より好ましくは1~4のpHを
得るのに十分な量でスラリーに添加される。
【0023】
次の工程では、1種以上のゼオライトが添加される。本発明によるプロセスで使用されるゼオライトは、好ましくは、低いナトリウム含有量(1.5重量%未満のNa2O)を有するか、またはナトリウムを含まない。工程a)のスラリー中に存在するのに好適なゼオライトには、Yゼオライト(HY、USY、脱アルミニウム化Y、RE-Y、及びRE-USYを含む)、ゼオライトベータ、ZSM-5、リン活性化されたZSM-5、イオン交換されたZSM-5、MCM-22、及びMCM-36、金属交換されたゼオライト、ITQ、SAPO、ALPO、及びそれらの混合物などのゼオライトが含まれる。スラリーは好ましくは、最終触媒を基準として5~60重量%の1種以上のゼオライトを含む。
【0024】
以下に論述されるように、第2のシリカ源が酸性コロイダルシリカである場合、前の任意の時点で第2のシリカ源がスラリーに添加され得る。第2のシリカ源がポリケイ酸である場合、それはインラインで作製され、ゼオライトの添加の直後で且つ次の工程の混合の前に添加される。例示的なポリケイ酸は、適切な量の硫酸及び水ガラスを混合することによってプロセスのインラインで作製されるナトリウム安定化またはナトリウム非含有ポリケイ酸である。
【0025】
次いで、上記スラリーを高剪断ミキサーに通し、そこでそれはpHを上昇させることによって不安定化される。次に、スラリーのpHが、3を超え、より好ましくは3.5を超え、更により好ましくは4を超える値に調整される。より高いpHを有するスラリーは取り扱いが困難であり得るため、スラリーのpHは7以下であることが好ましい。pHは、スラリーに塩基(例えば、NaOHまたはNH4OH)を添加することによって調整され得る。pH調整と成形工程d)との間の時間は好ましくは、30分以下、より好ましくは5分未満、最も好ましくは3分未満である。この工程において、スラリーの固形分含有量は好ましくは、約10~約45重量%、より好ましくは約15~約40重量%、最も好ましくは約25~約35重量%である。
【0026】
次いでスラリーは成形される。好適な成形方法には、噴霧乾燥、パルス乾燥、ペレット化、押出(任意に混練と組み合わされる)、ビーズ製造、または触媒及び吸収剤の分野で使用される任意の他の従来の成形方法またはそれらの組み合わせが含まれる。好ましい成形方法は噴霧乾燥である。触媒が噴霧乾燥によって成形される場合、噴霧乾燥機の入口温度は好ましくは300~600℃の範囲であり、出口温度は好ましくは105~200℃の範囲である。
【0027】
シリカ源
本発明の独特の特徴は、触媒粒子内での少なくとも2つのシリカ源の使用である。添加されるシリカの総量は1.0%を超える。総シリカは約5.0%を超えることが好ましく、シリカの総量は約10.0%を超えることが最も好ましい。更に、第1のシリカ源の第2のシリカ源に対する比は、約1:1~約1:10であることが好ましい。
【0028】
第1のシリカ源は典型的には、低ナトリウムシリカ源であり、初期スラリーに添加される。そのようなシリカ源の例には、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸リン、及びケイ酸バリウムが含まれるがこれらに限定されない。好適な有機シリケートの例は、シリコーン(ポリオルガノシロキサン、例えばポリメチルフェニルシロキサン及びポリジメチルシロキサン)及びSi-O-C-O-Si構造を含有する他の化合物、及びその前駆体、例えばメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ならびにそれらの混合物である。好ましい低ナトリウムシリカ源は
、ナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカである。スラリーは、最終触媒の重量を基準として0重量%を超え約15重量%以下、より好ましくは約0.5重量%を超え約10重量%以下、最も好ましくは約1重量%を超え8重量%以下の低ナトリウムケイ素源からのシリカを更に含む。
【0029】
第2のシリカ源は典型的には、低ナトリウムまたはナトリウム非含有酸性コロイダルシリカまたはポリケイ酸である。第2のシリカ源として添加される好適なケイ素源には、(ポリ)ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ナトリウム非含有ケイ素源、及び有機ケイ素源が含まれる。1つのそのような第2のシリカ源は、適切な量の硫酸及び水ガラスを混合することによってプロセスのインラインで作製されるナトリウム安定化またはナトリウム非含有ポリケイ酸である。この第2のシリカの添加は、最終触媒の重量を基準として約0重量%を超え30重量%以下、好ましくは約1重量%を超え約25重量%以下、最も好ましくは約5~約20%の量で添加される。
【0030】
第2のシリカ源の選択は、材料が上記で論述したスラリーに添加されるときに影響を及ぼし得る。酸性コロイダルシリカが使用される場合、そのときは、シリカはpH調整工程の前の任意の工程で添加され得る。しかしながら、第2のシリカ源がナトリウム安定化またはナトリウム非含有ポリケイ酸である場合、シリカは、pH調整工程の直前にゼオライト添加後に添加されるべきである。また、ポリケイ酸のナトリウム含有量のために、過剰のナトリウムを除去するために最終触媒を洗浄することが必要な場合がある。更に、最終触媒を焼成することが必要であるかまたは望ましい場合がある。
【0031】
得られた触媒
このようにして得られた触媒は、極めて良好な摩耗抵抗性及びアクセシビリティを有する。そのため、本発明はまた、本発明によるプロセスによって得ることができる触媒に関する。触媒は一般に、約5~約60%の1種以上のゼオライト、約15~約35重量%の準結晶性ベーマイト、約0~約25重量%の微結晶性ベーマイト、約0重量%を超え約15重量%以下のナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカからのシリカ、約0重量%を超え約30重量%以下の酸性コロイダルシリカまたはポリケイ酸からのシリカ、及び残部の粘土を含むFCC触媒である。
【0032】
これらの触媒は、水素化処理触媒、アルキル化触媒、改質触媒、ガス・トゥ・リキッド変換触媒、石炭変換触媒、水素製造触媒、及び自動車触媒におけるFCC触媒またはFCC添加剤として使用され得る。そのため、本発明はまた、流動接触分解、水素化処理、アルキル化、改質、ガス・トゥ・リキッド変換、石炭変換、及び水素製造における触媒または添加剤としての、及び自動車触媒としての、本発明のプロセスによって得ることができるこれらの触媒の使用に関する。
【0033】
本発明のプロセスは、流動接触分解(FCC)に特に適用可能である。詳細が一般に知られているFCCプロセスでは、触媒は、90重量%を超える約5~約300ミクロンの範囲の直径を有する粒子を含む微粒子として一般に存在する。反応器部分では、粒状触媒が炭化水素供給原料流中に同伴され流動化されるように、炭化水素供給原料がガス化され、反応ゾーンを通って上方へ導かれる。再生器から来る高温の触媒は、触媒によって気化及び分解される炭化水素供給物と反応する。典型的には、反応器内の温度は400~650℃であり、圧力は減圧下、大気圧下または超大気圧下、通常は約大気圧~約5気圧であり得る。接触プロセスは、固定床、移動床、または流動床のいずれかであり得、炭化水素流は、触媒流に対して並行または向流のいずれかであり得る。本発明のプロセスはまた、TCC(サーモフォア接触分解)またはDCCに好適である。
【実施例】
【0034】
任意の実験室試験の前に、精製装置内で触媒をシミュレートするために触媒を失活させなければならず、これは典型的には水蒸気で行われる。これらのサンプルは、水蒸気の存在下での分解、ストリッピング及び再生工程からなるNi/Vでの周期的失活によってまたは高温での100%水蒸気を用いてのいずれかで失活させたが、これらはFCC触媒のための工業的に許容されている失活方法である。失活工程は当該技術分野で知られており、触媒活性のために必要である。商業的なFCC設定では、失活は、触媒導入直後に起こり、別個の工程として行う必要はない。
【0035】
アクセシビリティの測定。以下の実施例に従って調製された触媒のアクセシビリティは、50gの真空軽油を含有する撹拌容器に1gの触媒を添加することによって測定した。溶液を容器と分光光度計との間で循環させ、そのプロセスでVGO濃度を連続的に測定した。触媒のVGOに対するアクセシビリティは、アクゾアクセシビリティ指数(AAI:Akzo Accessibility Index)によって定量化した。溶液中のVGOの相対濃度を時間の平方根に対してプロットした。AAIはこのグラフの初期勾配として定義される:
AAI=-d(Ct/C0)/d(t1/2)*100%
この方程式において、tは時間(分)であり、C0及びCtはそれぞれ、実験の開始時及び時間tにおける溶媒中の高分子量化合物の濃度を表す。
【0036】
摩耗抵抗性の測定。触媒の磨耗抵抗性は標準的な磨耗試験によって測定した。この試験では、触媒床は3つのノズルを有する磨耗板上に存在する。磨耗板は、周囲温度にある磨耗チューブ内に配置されている。空気をノズルに強制的に送り込み、得られた噴流が触媒粒子及び生成した微粉の上方への輸送を引き起こす。磨耗チューブの最上部には、流れが消散する分離チャンバがあり、約16ミクロンを超えるほとんどの粒子は磨耗チューブ内に落下して戻る。より小さな粒子は収集バッグ内に収集される。この試験は600℃での触媒サンプルの焼成後に行われ、最初に5時間行われ、50グラムの想像上の摂取量に基づいて、収集バッグ内に収集された微粉の重量百分率が決定される。これは初期の摩耗である。次いで試験を更に15時間行い、この期間(5~20時間)における微粉の重量百分率を決定する。これは固有の摩耗である。磨耗指数(AI)は、25時間後の外挿した重量%の微粉である。そのため、触媒の摩耗抵抗性が高いほど、AI値は低くなる。
【0037】
実施例1-ナトリウム安定化ポリケイ酸。本明細書に記載の技術を使用して5つの別個の例を作製した。各々の別個の例を、単一のシリカ源を使用した基本ケースと比較した。各々のシリカの量は、以下の表に詳述されているように、例の各々について変化した。シリカ1はナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカであり、シリカ2はナトリウム安定化ポリケイ酸である。噴霧乾燥後、本発明の触媒を洗浄プロセスに供してナトリウムを除去した。以下に示される物理的特性(ABD及び摩耗)データから、本発明の触媒の全てが、単一のシリカを用いた基本ケースのいずれかに対して改善した結合を示したことは明らかである。また、より高いアクセシビリティ(AAI)及び総表面積がこれらの触媒で認められた。失活後、従来技術の触媒よりも約5%高い表面積保持率に加えて、MiPV保持%は本発明の触媒については20%超高い。以下のサンプルでは、準結晶性ベーマイトレベルは同じであり(20%)、ゼオライトも同様に一定のままである。
【表1】
【0038】
実施例2-ナトリウム非含有ポリケイ酸。この例では、ナトリウム非含有ポリケイ酸(シリカ3)が上記の例からのナトリウム安定化ポリケイ酸(シリカ2)に置き換わる。ナトリウム非含有ポリケイ酸は、粒子サイズが時間とともに成長し、物理的性質及び性能の両方の悪影響を示すため、触媒を噴霧乾燥する直前に作製し、ゼオライト添加工程の後に添加した。ナトリウム非含有ポリケイ酸は低ナトリウムシリカであるため、ナトリウムを除去するために噴霧乾燥後に触媒を後洗浄する必要はない。本明細書に記載の技術を使用して例示的な触媒を作製した。シリカ1はナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカであり、シリカ3はナトリウム非含有ポリケイ酸である。この例を、単一のシリカ源を使用した基本ケースと比較した。基本ケースと比較して、約25%の摩耗の改善及びより高いアクセシビリティがこの触媒で認められる。これらの触媒の周期的失活は、表面積及びMiPV保持%が基本ケースの触媒よりも高いことを示しており、これは上記の例におけるナトリウム安定化ポリケイ酸での結果と一致する。以下の例では、全ての例について準結晶性ベーマイトレベルは同じであり(20%)、ゼオライトレベルは一定である。
【表2】
【0039】
実施例3-酸性コロイダルシリカ。ナトリウム安定化ポリケイ酸が使用される場合にナトリウムを除去するための触媒における生成後洗浄プロセスを回避するために、酸性コロイダルシリカ源が使用された。以下は、上記の例からのナトリウム安定化ポリケイ酸(シリカ2)に置き換わる酸性コロイダルシリカ(シリカ4)の例である。シリカ4は、ナトリウム含有量を有しない市販の酸安定化コロイダルシリカである。このシリカは、1)20nmのPSD、2)2.8のpH及び3)30重量%のSiO
2を有すると報告されている。このシリカが、最初の組の例におけるナトリウム安定化ポリケイ酸(シリカ2)に完全に置き換わり、以下に示されるように、それは、基本ケースに対して触媒ABD、表面積及び磨耗を改善させた。周期的失活時に、酸性コロイダルシリカを有する本発明の触媒は、基本ケースよりも良好な表面積及びMiPV保持率を示した。以下のサンプルの各々について、準結晶性ベーマイトのアルミナレベルは同じであり(20%)、ゼオライト含
有量は一定のままである。
【表3】
【0040】
実施例4-水蒸気失活:物理的性質及び表面積及びゼオライト保持率におけるこれらの触媒の利点を異なる失活プロトコル(水蒸気失活)下で更に検証した。第2のシリカ源としてナトリウム安定化ポリケイ酸(シリカ2)を有する触媒の例を作製し、1つのシリカ源(シリカ1)を用いて作製された基本ケースと比較した。以下の表に示されているように、この触媒でもやはりより良好な摩耗及びABDが認められた。水蒸気失活(100%の水蒸気で788℃/20時間)の後、基本ケースと比較して、新規な触媒についてより高いゼオライト保持%が認められた。
【表4】
【0041】
実施例5-様々なシリカ含有量:本明細書に記載の技術を使用して11個の別個の例を作製した。各々の別個の例を、単一のシリカ源を使用した基本ケースと比較した。各々のシリカの量は、以下の表に詳述されているように、例の各々について変化した。シリカ1はナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカであり、シリカ4は酸性コロイダルシリカである。以下に示される物理的特性(ABD及び摩耗)データから、本発明の触媒が、実施例5~8を除き、単一のシリカを用いた基本ケースに対して同様のまたは改善した結合を示したことは明らかである。増加したMiPV保持率に加えて、より高いアクセシビリティ(AAI)及び総表面積がこれらの触媒で認められた。以下の比較サンプルについて、QCB含有量は30重量%である一方で、実施例は20重量%のQCB含有量を有する。総ゼオライトはケースを通して同じである。
【表5】
【0042】
実施例6-単一源シリカ試験:本明細書に記載の技術を使用して1つの例を作製した。その例を、様々な量の単一のシリカ源を使用したいくつかの基本ケースと比較した。各々のシリカの量は、以下の表に詳述されているように、例の各々について変化した。シリカ1はナトリウム安定化塩基性コロイダルシリカであり、シリカ4は酸性コロイダルシリカである。そのデータは、他の例と全体を通して組み合わせて、1つ以上のシリカ源の使用が、等しい量の単一のシリカ源に対して同様のまたは改善した性能を提供することを示している。しかしながら、複数のシリカ源を使用は、配合物におけるより大きな柔軟性を可能にし、少量のシリカでも同様に利益を提供する。以下のサンプルの各々について、総アルミナ含有量は全体を通して維持されている。総ゼオライトレベルは触媒の全てについて同一に維持されている。以下の例は、触媒が本明細書に記載の本発明によって作製された場合、改善した物理的性質が単一源のシリカ1の同一総量に対して示され、単一源のシリカ2に関して同様の物理的性質が示されることを示している。しかしながら、少なくとも2つのシリカ源の使用は、生成物設計においてより大きな柔軟性を可能にし、例全体を通して示されているように、より少ない量のシリカで良好な物理的特徴を可能にする。
【表6】