(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】光学装置のためのカスタマイズされた視覚システム
(51)【国際特許分類】
G02B 25/00 20060101AFI20220527BHJP
A61B 90/20 20160101ALI20220527BHJP
G02B 21/00 20060101ALN20220527BHJP
【FI】
G02B25/00 Z
A61B90/20
G02B21/00
(21)【出願番号】P 2019538084
(86)(22)【出願日】2017-09-25
(86)【国際出願番号】 US2017053283
(87)【国際公開番号】W WO2018058053
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-24
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519101948
【氏名又は名称】ヒューレット,ロバート・トロイ
(73)【特許権者】
【識別番号】519101959
【氏名又は名称】バトラー,ジョナサン・マイケル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒューレット,ロバート・トロイ
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ジョナサン・マイケル
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-230316(JP,A)
【文献】特開平10-142519(JP,A)
【文献】特開2003-270547(JP,A)
【文献】米国特許第4698857(US,A)
【文献】特開2005-257714(JP,A)
【文献】特開2002-040364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/20 - 90/25
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/00 - 21/36
G02B 23/00 - 23/22
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立型光学装置への付属装置であって、前記付属装置は、双眼鏡視野のため構成され、少なくとも1つの2つの接眼開口部を含むマスクを備え、各接眼開口部は、独立型光学装置の2つの接眼鏡の1つに結合するように構成され、前記マスクは、少なくとも1つのピボットの第1の場所で前記ピボットに結合され
、前記ピボットは
前記ピボットの第2の場所で、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザが、マスクに自身の顔をもたれて、首や背中の張りを予防し、接眼開口部のそれぞれを見通し、および接眼開口部を見通している間に、左右に顔の圧力を加えてピボットを動かすことにより接眼鏡に対してマスクを左右に動かすために、光学装置の接眼鏡に結合するように構成されている、付属装置。
【請求項2】
少なくとも1つのピボットが、レール組立品、さねはぎ組立品、あり継組立品、ジンバル組立品、ロッカーアーム組立品、バネ留め式組立品、低摩擦プレート組立品、軸受組立品及び可撓性材料からなる群から選択される、請求項1に記載の付属装置。
【請求項3】
マスクが、2つの前記ピボットをさらに備え、マスクは、顔の左側のための半分から分離された、顔の右側のための半分をさらに備え、前記左右の半分のそれぞれは、接眼鏡の1つに結合されたピボットの1つを備える、請求項1に記載の付属装置。
【請求項4】
マスクが、ユーザ顔面の形状に基づいてカスタマイズされた内部の輪郭をさらに含む、請求項1に記載の付属装置。
【請求項5】
カスタマイズされた内部の輪郭が、各前記接眼鏡のレンズから最適なアイレリーフ距離でユーザの各目を位置決めする、請求項4に記載の付属装置。
【請求項6】
独立型光学装置への付属装置であって、前記付属装置は、双眼鏡視野のため構成され、可撓性材料を含むマスクと、2つの接眼開口部と、を備え、各前記接眼開口部は、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザが、マスクに自身の顔をもたれて、首や背中の張りを予防し、接眼開口部のそれぞれを見通し、および接眼開口部を見通している間に、左右に顔の圧力をマスクに加えることにより接眼鏡に対してマスクを左右に伸ばすために、光学装置の2つの接眼鏡の1つへ取付けるように構成されている、付属装置。
【請求項7】
可撓性材料が、ゴム、シリコーン、プラスチック及び発泡プラスチックからなる群から選択される、請求項6に記載の付属装置。
【請求項8】
マスクが、顔の左側のための半分から分離された、顔の右側のための半分をさらに備える、請求項6に記載の付属装置。
【請求項9】
マスクが、ユーザ顔面用にカスタマイズされた、カスタマイズされた内部の輪郭をさらに含む、請求項6に記載の付属装置。
【請求項10】
カスタマイズされた内部の輪郭が、接眼鏡の各々のレンズから最適なアイレリーフ距離でユーザの各目を位置決めする、請求項9に記載の付属装置。
【請求項11】
独立型光学装置への付属装置であって、前記付属装置は、2つの接眼鏡と、双眼鏡視野のため構成されたマスクと、少なくとも1つのピボットと、を備え、1つの場所の前記1つの接眼鏡のそれぞれは光学装置に結合するように構成され、レンズを備え、前記マスクは、少なくとも1つのピボットの第1の場所に結合され、前記ピボットは第2の場所で、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザが、マスクに自身の顔をもたれて、首や背中の張りを予防し、接眼開口部のそれぞれを見通し、および接眼開口部を見通している間に、左右に顔の圧力を加えてピボットを動かすことによって接眼鏡に対してマスクを左右に動かすために、接眼鏡に結合されている、付属装置。
【請求項12】
少なくとも1つのピボットが、レール組立品、さねはぎ組立品、あり継組立品、ジンバル組立品、ロッカーアーム組立品、バネ留め式組立品、低摩擦プレート組立品、軸受組立品及び可撓性材料からなる群から選択される、請求項11に記載の付属装置。
【請求項13】
2つの前記ピボットをさらに備え、マスクが、顔の左側のための半分から分離された、顔の右側のための半分をさらに備え、前記左右の半分のそれぞれは、接眼鏡の1つに結合されるピボットの1つを備える、請求項11に記載の付属装置。
【請求項14】
マスクが、ユーザ顔面にカスタマイズされた内部の輪郭をさらに含む、請求項11に記載の付属装置。
【請求項15】
カスタマイズされた内部の輪郭が、最適なアイレリーフでユーザの目を位置決めする、請求項14に記載の付属装置。
【請求項16】
各レンズが、ユーザの目の1つに対し屈折の処方をさらに含む、請求項11に記載の付属装置。
【請求項17】
各々のレンズが、中心を有し、中心は、ユーザの測定された瞳孔距離で離間する、請求項13に記載の光学装置。
【請求項18】
独立型光学装置への付属装置であって、2つの接眼鏡と、双眼鏡視野のため構成され、可撓性材料を含むマスクと、を備え、各前記接眼鏡は第1の場所で光学装置に結合され、レンズを備え、前記接眼鏡は第2の場所で、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザが、マスクに自身の顔をもたれて、首や背中の張りを予防し、接眼開口部のそれぞれを見通し、および接眼開口部を見通している間に、左右に顔の圧力をマスクに加えることにより接眼鏡に対してマスクを左右に伸ばすために、前記マスクに結合されている、独立型光学装置への付属装置。
【請求項19】
可撓性材料が、ゴム、シリコーン、プラスチック及び発泡プラスチックからなる群から選択される、請求項18に記載の付属装置。
【請求項20】
マスクは、顔の左側のための半分から分離された、顔の右側のための半分をさらに備える、請求項18に記載の付属装置。
【請求項21】
マスクが、ユーザ顔面用にカスタマイズされた内部の輪郭をさらに含む、請求項18に記載の付属装置。
【請求項22】
カスタマイズされた内部の輪郭が、最適なアイレリーフでユーザの目を位置決めするように構成される、請求項21に記載の付属装置。
【請求項23】
各々のレンズが、ユーザの目の1つに対し屈折の処方をさらに含む、請求項18に記載の付属装置。
【請求項24】
各々のレンズが、中心を有し、中心は、ユーザの測定された瞳孔距離で離間する、請求項20に記載の付属装置。
【請求項25】
前記左右の半分のそれぞれは、ピボットの1つにより他の前記半分から独立して動く、請求項3に記載の付属装置。
【請求項26】
前記左右の半分のそれぞれは、ピボットの1つにより他の前記半分から独立して動く、請求項8に記載の付属装置。
【請求項27】
前記左右の半分のそれぞれは、ピボットの1つにより他の前記半分から独立して動く、請求項13に記載の付属装置。
【請求項28】
前記左右の半分のそれぞれは、ピボットの1つにより他の前記半分から独立して動く、請求項20に記載の付属装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
優先権に関する申し立て
本出願は、2017年9月26日に発行された、2016年9月23日出願の米国特許出願番号第15/274,905号の一部において継続するものである、2017年9月25日出願の米国特許出願番号第15/714,505号の優先権及び全ての利益を主張する。米国特許出願番号第15/274,905号は、出願番号15/274,905のその全体を組み込む。
【0002】
顕微鏡等の独立型光学装置は、ユーザに単独又は1組の像を提供し、十分な重量を有し、又はある位置に固定され、もしも頭部が置かれる心地よくかつ使用可能な場所が光学装置に取り付けられるならば、ユーザの頭部、首及び背中の重量を支持することが可能である。ユーザは、このように寄りかかってもたれる所がないので、頭部、首及び背中をある位置まで度々前にかがませることで、接眼鏡を視た。このような前かがみになることは、短期的に筋肉疲労、長期的には背骨への損傷を頻繁に引き起こす。
【0003】
例えば、外科用顕微鏡の双眼鏡は、ユーザに向けて2つの像を、目の1つに1つずつ伝送する。双眼鏡は、ユーザの眼窩に接触可能なプラスチック又は金属製のアイカップを通常具備する2つの接眼鏡を有する。このような型の接眼鏡を有する双眼鏡がかなり長期にわたり存在するものの、ユーザが抱える実用上の難点が数多く存在する。
【0004】
光学系の接眼鏡は通常、ユーザの頭部が接眼鏡にもたれることができない方法で構成され、光学系に取り付けられる。ユーザは、外科処置等の長時間、双眼鏡の接眼鏡(又は単眼用装置の単一接眼鏡)を視ることが頻繁に求められる。先行技術の接眼鏡により、顕微鏡のユーザは、光学系を使用する長時間、頭部を安定させるために、首と背中の筋肉と背骨を使うことからの、首と背中に張りを経験し得る。先行技術の接眼鏡を有する双眼鏡又は単眼用器具では、ユーザは、プラスチック又は金属製の接眼鏡のカップに、最適な方法で寄りかかることができない。例えば、先行技術の接眼鏡のカップは、ユーザの眉部に多くて2つの小さな接点を与えるが、ユーザがこれら小さな領域で受ける圧力は、十分なほど長時間続く場合、不快感を与える。すなわち、先行技術の接眼鏡のカップは、外科処置中等の、長時間の使用に快適に、ユーザの頭部や背中を支持する構成ではなかった。多くの光学装置のユーザは、首や背中の張りで引き起こされる問題が数年にわたる光学系の使用で蓄積すると、キャリヤが継続できなくなり、これらの種類の問題は、光学装置のいかなるユーザも経験し得る。
【0005】
現在の接眼鏡がユーザに生成する視覚像は、必ずしも理想的とはいえない。すなわち、ユーザの光学環境は、瞳孔距離(PD)、屈折レンズ補正、焦点像面の長さ(アイレリーフ)からなり、かなりの個人差がある。例えば、ユーザのPDは、ユーザ顔面の大きさにより異なる。また、光学装置のユーザは、屈折レンズで補正された映像を有することが多く、調整可能なジオプトリーが、接眼鏡を有する先行技術の双眼鏡内で提供されるが、これらは、手術中又は手術の間ですら調整が困難又は非実用的であり得る。最後に、ユーザの角膜と接眼鏡のレンズとの距離(アイレリーフ)も、ユーザの経験に影響する。ユーザは、複数の場所のスペースに頭部を安定させて最良の像を見つけなければならず、これが次には、ユーザが固定位置のスペースに頭部を安定させようとする時に、首や背中に張りをもたらす。前述の状況は、最良の光学環境を達成するにはかなりの調整を要し、一般的に首や背中の張りにつながることを意味する。
【0006】
光学装置を出てユーザに向かう光の柱(column)は、「視野」と呼ばれる。ユーザが、光学装置を視ながら眼球を回し、したがって、光学装置の接眼鏡に対して眼球を動かす時に、ユーザの角膜の中心がもはや接眼鏡のレンズの中心にはないため、「視野」は部分的にのみ見られることが多い。先行技術の光学装置では、それが光学装置の接眼鏡に対しての動きを許容しないので、眼球の回転が、光学装置内の視野の周囲を見るために必要であるが、実際のところ、眼球の回転はユーザに周囲を可視化させることは全くできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、最良の視覚像を伝送し、ユーザの首や背中の健康を維持するための課題を生む、接眼鏡を有する現在の光学装置の双眼鏡及び単眼用器具には実用上、多くの欠点が存在する。
【0008】
本発明は、以下に記載するように、これらの問題への解決法を複数提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】マスクと光学装置の双眼のハウジングに固定される接眼鏡の内部の輪郭に接触するユーザ顔面の側面の概略図である。切り取り部を覆う窓が示され、窓越しに、最適なアイレリーフ距離で接眼鏡のレンズに向けて目が位置決めされているのが見られることができる。
【
図2A】多くの光学装置にとって、ユーザの視野や接眼鏡の視野が、必ずしも最適ではないことを示す概略図である。
【
図2B】多くの光学装置にとって、ユーザの視野や接眼鏡の視野が、必ずしも最適ではないことを示す概略図である。
【
図2C】多くの光学装置にとって、ユーザの視野や接眼鏡の視野が、必ずしも最適ではないことを示す概略図である。
【
図3】独立型光学装置(本例では、外科用顕微鏡)への付属された物の実施形態の斜視図である。
【
図4A】本発明の実施形態と光学装置の双眼のハウジングの背面図である。レンズの中心間の瞳孔距離が示されている。
【
図4B】本発明の実施形態と光学装置の双眼のハウジングの後面斜視図である。
【
図5A】左右の半分(左右のカバーを含む)でのマスクと光学装置の双眼のハウジングを有する、本発明の実施形態の背面図である。
【
図5B】左右の半分(左右のカバーを含む)の状態のマスクと光学装置の双眼のハウジングを有する、本発明の実施形態の後面斜視図である。
【
図6A】本明細書記載のマスクとカバーの1つの実施形態であって、本明細書では点線表示のレール組立品であるピボットが、カバーと接眼鏡にも設置される側面図である。
図6Bは、接眼鏡開口部に接眼鏡がない状態の、マスクのカバーの正面図である。
【
図6B】
図6Bは、接眼鏡開口部に接眼鏡がない状態の、マスクのカバーの正面図である。
【
図7A】ここではレール組立品であるピボットが、カバーと接眼鏡に設置される、6A-B中の実施形態の内部立面図である。
【
図8】マスクとカバー又は双眼のハウジングに設置するためのプレートとに設置される、ここではあり継組立品であるピボットの側面図である。
【
図9A】マスクと接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するためのプレートとに設置される、ジンバル組立品を有する実施形態中のピボットの側面図である。
【
図9B】マスクと接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するためのプレートとに設置される、ジンバル組立品を有する実施形態中のピボットの斜視図である。
【
図10】マスクと接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するためのプレートとに設置される、ロッカーアーム組立品を有する実施形態中のピボットの斜視図である。
【
図11A】マスクと接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するためのプレートとに設置される、埋込軸受組立品を有する実施形態中のピボットの斜視図である。
【
図11B】マスクと接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するためのプレートとに設置される、埋込軸受組立品を有する実施形態中のピボットの側面図である。
【
図12】接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するためのバネ留め式組立品を有する実施形態中のピボットの内部立面図である。
【
図13】マスクと接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するためのプレートとに設置される、可撓性材料のパッドを有する実施形態中のピボットの斜視図である。
【
図14】接眼鏡又は双眼の又は単眼のハウジングに設置するための低摩擦プレート組立品を有する実施形態中のピボットの斜視図である。
【
図15】ここではあり継組立品であるピボットの1つの側面に設置される、ここでは顕微鏡であるマスクの側面図であり、ピボットの他の1つの側面が、双眼のハウジングに直接設置され、さらに、双眼のハウジングが、接眼鏡にしっかりと固定されることを示す。本図は、マスク上部が少し伸ばされた形状を示し、それが双眼の又は単眼のハウジングと結合可能である。この用途の全体にわたって、マスクのこの側面(表面に接触する内部の輪郭と反対側)は、マスクをピボットに結合させるのに必要な任意の形状をとり、そのため、ピボットが都合の良い場所に配置され得る。
【
図16】
図16は、各目の瞳孔から各レンズの中心まで線で表示される通り、目(点線で表示)が右を向けるよう、伸ばされた可撓性材料からなるマスクを有する本発明の実施形態の背面図である。
【0010】
接眼鏡を有するすべての図に関して、これらは、本発明の1つの実施形態の部分であり得るか、又は代替的に、接眼鏡は、光学装置の部分であり、接眼鏡開口部に結合されるように示される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、1つの実施形態において、ヘッドマウント型装置として着用されない、顕微鏡、望遠鏡、武器の照準装置、テレビゲーム又はバーチャルリアリティ装置等の独立型光学装置へのカスタマイズされた付属装置1である。すなわち、独立型装置は、それに寄りかかるユーザの頭部、首及び背中を支持することが可能で、本発明は、首や背中の張りを予防するために、ユーザが寄りかかることができる場所を提供する。本発明はまた、システムの構造に組み込まれる、ユーザ顔面の測定値から得られるプリセット値を取り込んで、調整可能なセッティングを使用する際の実用上の難点を最低限度に抑え、本明細書記載の他の問題を解決する。
【0012】
1つの実施形態において、別個の独立型光学装置15への付属装置の視覚システムは、ピボット20、すなわち複数の機械式手段のいずれか、によって固定される少なくとも1つの接眼鏡2a、2bを備え、接眼鏡は、少なくとも1つの接眼鏡開口部6a、6bを具備するマスク5に固定される。ある実施形態においては、接眼鏡は接眼鏡開口部内で固定され、他の実施形態においては、接眼鏡は本発明の部分ではないが、本発明の接眼鏡開口部が、独立型光学装置の接眼鏡に固定される。マスクの内部の輪郭は、ユーザ顔面の大きさや形状にカスタマイズされる場合がある。接眼鏡は、任意の実用的な形状(例:丸形、四角形、長円形等)の少なくとも1つの硬質の側壁と、光学装置からユーザの目まで光ビームを伝えるためのレンズ等の少なくとも1つの光学素子を備える。各前記接眼鏡は、第1の端部13a、13bと第2の端部14a、14bをも備え、各前記接眼鏡は、第2の端部14a、14b近傍に位置するレンズ3a、3bを備え、各前記レンズ3a、3bは、中心4a、4bを備え、各前記レンズの前記中心は、ユーザの測定された瞳孔距離(PD)11に類似する距離で他の前記レンズの中心に対して離間されることができる。1つの実施形態において、各前記レンズは、最適なアイレリーフ距離12で位置決めされることもでき、ユーザはマスクに自身の顔をもたれて、それによって、首や背中の張りを予防できる。
【0013】
1つの実施形態において、レンズ3a、3bは、各目に1つ、ユーザの処方レンズに対応するよう選択され、又は処方が不要であれば、接眼鏡は、度のないようにセットされる。各レンズ3a、3bは、中心4a、4bを有し、その上でユーザは、目の瞳孔の中心を決め得る。各レンズは、各接眼鏡の第2の端部14a、14b近傍で設置又は固定されるが、これら端部はユーザに最も近い接眼鏡の端部としても説明され得る。瞳孔距離11は、ユーザの瞳孔の中心間距離である。網膜は、小さい細部を有する像を解像するための優先的な面積を有し、最良の映像のために、それらの領域に光の焦点を合わせるべきである。最適な像をユーザの網膜に伝送するために、像が目の各瞳孔とレンズを通して網膜まで最適に伝送され得るように、目に伝送される像は、ユーザの角膜で焦点を合わせるべきある。レンズ3a、3bはまた、通過する光がユーザの網膜上に最適な像を形成するように、ユーザの角膜からカスタマイズされた距離で配置され、
図1に示す通り、像は最も鮮明となる。すなわち、本発明は、ユーザの角膜を各接眼鏡で生成されるアイレリーフ12と同一面上に配置するようカスタマイズされる。カスタマイズされたアイレリーフ距離は、ユーザ自身から測定されるユーザ顔面の寸法や形状、特に目のインセットとユーザ顔面の残りの部分に対するそれらの位置に合わせてマスクを成形することで達成される。
【0014】
1つの実施形態において、本発明のレンズ3a、3bの中心4a、4bは、互いに対して配置され、すなわちそれらは、PD11が
図1及び2で示される通り、ユーザから測定される、特別なユーザPDである距離で離間する。レンズ3a、3bは、ユーザの目に対し屈折の処方を遂行するようカスタマイズもされる。本発明は、マスク5をさらに備え、マスク5は、各接眼鏡に1つの接眼鏡開口部6a、6b内に2つの接眼鏡2a、2bを固定する。
【0015】
マスク5は、1つの実施形態において、ユーザが頭部をマスクに完全にもたれて、首や背中の張りをなくすことができるように配置される。マスクは、ユーザが着用するものではなく、光学装置に取り付けられる。1つの実施形態において、マスク5は、使用中にマスクは頭部が置かれる所を提供する限り、ユーザ顔面の形状や寸法にカスタマイズされなくてもよい。マスクは、接眼鏡を実質的に同一面に固定するのに十分強度がある任意の材料で作成でき、その材料は、
図16に示す通り、比較的柔軟ではないか、又は可撓性があり伸ばしを可能とする場合がある。1つの実施形態において、マスクは、顔の3D像を作成可能なカメラで通信する3Dプリンタにより形成される高分子化合物からなる場合がある。別の実施形態において、マスクは、顔の石膏型をとり、その後それからプラスチック構造体を作成する従来の方法により作成可能である。1つの実施形態において、顎当ても提供される場合がある。別の実施形態において、独立気泡フォーム又はゴム等の比較的軟質な材料の詰め物17が、ユーザ顔面に接触するマスク5の縁18に取り付けられる。マスクは、顔の上部のみ(額から鼻まで)を覆うか、又はユーザの呼気による接眼鏡の結露を防止するため寸法に余裕がありうる限り、さらに下方の顎に向かって伸びてもよい。
【0016】
手術環境に典型的な空気の流れによるユーザの目の乾燥は、ユーザにこまめに点眼させざるを得ないことが多い問題である。ドライアイを起こす別の要因は、ある時点でユーザが、いかなる動作又は進展の見逃しも避けるため瞬きを控える可能性があり、そのためこれが、瞬きにより目を潤す能力を低下させることである。1つの実施形態において、ユーザが周辺の映像を用いることができるように、マスク5は、各側面に切り取り部10を有する。切り取り部10を有する実施形態で起こり得るドライアイの問題を解決するため、切り取り部は、ユーザの周辺の映像を可能にし、またマスクとユーザ顔面との間のスペースである閉ざされた空間を維持する透明プラスチック又はガラスを具備する窓16で囲まれてもよい。ユーザ顔面は、マスクに押しつけられ、それにより、手術環境に典型的な空気の流れから目を保護し、目をより潤わせる環境を保持する。
【0017】
しかし、本発明とユーザ顔面との間にたまる温かい水分は、手術中等で、涼しい使用環境であれば、接眼鏡の結露の問題を生じ得る。1つの実施形態において、マスクは、少なくとも1つの電池又は他の電源(表示なし)を備え、この電池又は他の電源は、マスク中の空洞8内に任意選択で収容され、マスク及び/又は接眼鏡を加熱又は冷却するための少なくとも1つの加熱素子又はペルチェ素子9を操作する回路に電力供給する。任意選択で、電池を充電するためのコイル用の円形空洞27も含まれる場合がある。手術室等の本発明が使用される多くの環境は涼しい環境であって、接眼鏡を加熱すると接眼鏡の結露が防止される。
【0018】
接眼鏡2a、2bは、ネジ切り、クリップ、ネジ等の任意の機械的手段又は、磁力にもより、顕微鏡等の光学装置に結合される場合がある。
【0019】
1つの実施形態において、本発明は、2つの接眼鏡開口部6a、6bを具備するマスク5を備える。マスクは、ユーザ顔面の大きさと形状にカスタマイズされ得り、各前記接眼鏡開口部6a、6bは、本発明の接眼鏡付属装置へ、又は独立型光学装置に組み込まれる接眼鏡へ取り付けるように構成される。各前記接眼鏡と接眼鏡開口部は、中心4a、4bを有し、中心4a、4bはユーザの両目の中心で定義され、接眼鏡は、ユーザの計測された瞳孔距離に類似する距離で、他の前記接眼鏡開口部6a、6bの中心に対して離間する。各前記接眼鏡開口部は、光学装置の接眼鏡のレンズ3a、3bが、ユーザにとって最適アイレリーフ距離12であり、すなわち、光学装置からの像が、最適にユーザの角膜に焦点が合わせられるようにも構成される。前述事項の結果として、ユーザはマスクに自身の顔をもたれて、それによって、首や背中の張りを予防できる。1つの実施形態において、接眼鏡は提供されず、本発明は光学装置の一部である接眼鏡に取り付けられる。この実施形態において、接眼鏡開口部の中心は、光学装置の接眼鏡のレンズの中心が、本発明が光学装置に取り付けられる時に配置される点である。
【0020】
別の実施形態において、光学装置は、テレビゲーム又はバーチャルリアリティ装置に像を投影する1つ以上のスクリーンである場合がある。別の実施形態において、光学装置は、武器又は武器体系の光学コンポーネントであり得る。別の実施形態において、光学装置は望遠鏡である。別の実施形態において、光学装置は、ある実験用顕微鏡内等の単眼の装置であり得る。そのような単眼の実施形態においては、接眼鏡を1つだけ、接眼鏡開口部6a、6bに挿入可能である。本発明のすべての実施形態において、光学装置は独立型で、ユーザがそれに寄りかかる時、ユーザの頭部、首と背中を支持可能であることが要求される。
【0021】
ユーザに利用可能な光学装置の射出瞳をより利用できるようにするための解決方法は、
図2A、2B及び2Cに記載されている。
図2Aは、中心に置かれて、接眼鏡を直視する眼球を示す。ユーザの視野は、接眼鏡の視野と同軸で、全円の像を生成する同心である。
図2Bは、眼球を側方に動かすことなく、周囲を見るよう回転した眼球を示す。ユーザの視野と接眼鏡の視野はクリップされた又は部分的な視覚を残して、一致しない。
図2Cは、マスク5が動いた後、回転し側方に動いた眼球を示し、この位置で目の視野は、接眼鏡の視野の中に完全に含まれ、完全な丸形の像を生じる。頭部のわずかな動きでも、光学装置によっては、左右いずれかの方向に、0.1~5ミリメートルの範囲内に入りうるであろう。顔の構造や皮膚は、本発明の特徴がなくても、上下の動きを実現可能にさせる。すなわち、顔の皮膚は、十分な撓み又は遊びを有し、頭部を左右いずれかの方向に0.1~5ミリメートルの範囲内で容易に動かせる。しかし、左右の動きは、ユーザが容易に利用可能ではなく、その理由は、皮膚がその方向に容易に動かず、また、マスクがユーザの鼻の上に置かれる必要があるため鼻がふさがれるためである。本明細書で開示されるのは、ユーザの頭部の横の動きを可能にするための複数の手段であり、一方で、(本発明の一部として提供される時は本発明の、又は光学装置により提供される時は光学装置の)接眼鏡が、固定場所のままである。ピボット20、又は複数のピボットは、側方又は垂直に動くように構成される場合がある。
【0022】
マスクの、したがってユーザの頭部と目の動きを可能にするためには、本明細書記載の通り、複数の手段が存在する。
【0023】
1つの実施形態において、本発明は、独立型光学装置15への付属装置を備え、前記付属装置は、独立型光学装置の接眼鏡2a、2bに結合するように構成される少なくとも1つの接眼鏡開口部6a、6bを具備するマスク5を備え、前記マスクは、第1の場所で少なくとも1つのピボット20に結合され、前記ピボットは、第2の場所で光学装置の接眼鏡に結合するようにも構成され、それにより、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザはマスクに自身の顔をもたれて、それによって、首や背中の張りを予防し、ピボットを動かして、接眼鏡に対してマスクを動かすことにより、ユーザの目を動かすことができる。マスクは、ユーザ顔面の上部全体を覆う場合があり、ユーザの鼻の真ん中の鉛直軸に対応する中心を有する。別の実施形態において、
図5Aと5B等の中で、マスク5は、例えば
図4A-4B中で、2つの前記接眼鏡開口部と、2つの前記ピボット20と、をさらに備え、マスクは、ユーザの顔の左側のための半分5aから分離された、顔の右側のための半分5bをさらに備え、各々の前記左右の半分5b、5aは、ピボットの1つを備え、そのため、各半分は、それ自身のピボットにより他の半分と独立して動く。このように、
図6-14に示すピボットは、マスク5全体又はマスク5a、5bの各別個の半分を動かすよう使用される場合があり、そのような場合、カバー19は、2つの半分19a、19bに分割されてよい。
【0024】
別の実施形態において、本発明は、独立型光学装置への付属装置を備え、前記付属装置は、(
図16に示すように)弾性があり伸ばしが可能な可撓性材料からなるマスクと、光学装置の接眼鏡への取付けのために構成される少なくとも1つの接眼鏡開口部と、を備え、それにより、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザはマスクに自身の顔をもたれて、それによって、首や背中の張りを予防し、ユーザの目が接眼鏡に対して動くことができるようにマスクを伸ばすことができる。マスクの可撓性材料は、ゴム、シリコーン、プラスチック及び発泡プラスチックからなる群から選択され、ユーザが光学装置の視野の部分を視ようとする時、ユーザの頭部にかかる圧力に応答して伸びる等により、ピボットを必要とせずユーザの頭部を動かすことができる。本実施形態において、マスクそれ自体は同一の場所に固定されたままであるが、マスクの材料の弾性が伸び、ユーザの目が接眼鏡に対して動くことを可能とする。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、独立型光学装置への付属装置を備え、前記付属装置は、少なくとも1つの接眼鏡と、マスクと、少なくとも1つのピボットと、を備え、前記少なくとも1つの接眼鏡は1つの場所で光学装置に結合するように構成され、レンズを備え、前記マスクは、第1の場所で少なくとも1つのピボットに結合され、前記ピボットは、第2の場所で少なくとも1つの接眼鏡に結合され、それにより、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザはマスクに自身の顔をもたれて、それによって、首や背中の張りを予防し、ピボットを動かして、少なくとも1つの接眼鏡に対してマスクを動かしてユーザの目を動かせる。別の実施形態において、本発明は、2つの前記接眼鏡と、2つの前記ピボットと、をさらに備え、マスクは、顔の左側のための半分から分離された、顔の右側のための半分をさらに備え、各々の前記左右の半分は、接眼鏡の1つに結合される1つのピボットを備える。別の実施形態において、マスクは、ユーザ顔面にカスタマイズされた内部の輪郭をさらに含み、カスタマイズされた内部の輪郭は、最適なアイレリーフでユーザの目を位置決めする。付属装置も、少なくとも1つのレンズを備える場合があり、各レンズは、ユーザの目の1つに対し屈折の処方を含む。各々のレンズは、中心を有し、中心は、ユーザの測定された瞳孔距離で離間する。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの接眼鏡と可撓性材料からなるマスクを具備する、独立型光学装置への付属装置を備え、前記少なくとも1つの接眼鏡は第1の場所で光学装置に結合され、レンズを備え、前記接眼鏡は、第2の場所で前記マスクに結合され、それにより、付属装置を光学装置に固定すると、ユーザはマスクに自身の顔をもたれて、それによって、首や背中の張りを予防し、
図16に示す通り、マスクを伸ばして、少なくとも1つの接眼鏡に対して目を動かすことができる。可撓性材料は、ゴム、シリコーン、プラスチック及び発泡プラスチックからなる群から選択され、この群に適合する可撓性材料はさらに多く存在する。本実施形態において、マスク自体は同一の場所に固定されたままであるが、マスクの材料の弾性が伸び、ユーザの目が接眼鏡に対して動くことを可能にする。
【0027】
別の実施形態において、付属装置は、2つの前記接眼鏡を備え、マスクは、顔の左側のための半分から分離された、顔の右側のための半分をさらに備える。マスクは、ユーザ顔面にカスタマイズされた、内部の輪郭をさらに含むことができ、カスタマイズされた内部の輪郭は、最適なアイレリーフでユーザの目を位置決めすることができる。別の実施形態において、少なくとも1つのレンズは、ユーザの目の1つに対し屈折の処方をさらに含み、各々のレンズは、中心を有し、中心は、ユーザの測定された瞳孔距離で離間することができる。
【0028】
本明細書のピボットは、第1の場所でしっかりとマスクに又はしっかりとカバーに結合され、そのため、ユーザがマスクに圧力をかけると、
図6、7A-7B、12及び14に示す通り、マスクがその方向に動いて、ユーザの目が接眼鏡に対して動くことを可能にする。ピボットは、第2の場所で、ユーザからの圧力に応答しては動かない接眼鏡にも結合される。すなわち、接眼鏡は、光学装置のクラッチやブレーキ、又は双眼の又は単眼のハウジングを固定するための他の機械的方法を使用して、ある位置に一度ロックされると、通常使用では静止状態のままである。ピボットは第2の場所では、接眼鏡に(1)直接的に、又は(2)
図15に示すように、双眼の又は単眼のハウジング15等の接眼鏡にしっかりと固定される光学装置の別な部分に間接的に、「結合される」場合がある。接眼鏡とピボットとの間の結合が、双眼のハウジングにおけるように、間接的な場合、ピボットの所望の構成は、
図8-11及び13に示すようであり得る。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、ピボットを備える場合があり、マスクは可撓性材料からなることもでき、ピボットと可撓性材料からなるマスクの組合せにより、ユーザの両目の動きを容易にする。
【0030】
別の実施形態において、マスク5、5a-bは、ユーザ顔面の形状に基づいてカスタマイズされた内部の輪郭をさらに含み、カスタマイズされた内部の輪郭は、最適なアイレリーフ距離12で光学装置15の少なくとも1つの接眼鏡のレンズ3a、3bからユーザの目を位置決めすることができ、その距離は、モールド又は3D像化及びそれに続く追加的な製造により測定される。光学装置の使用環境は時に厳しいため、マスクの実施形態は、マスク又は接眼鏡を温めるための少なくとも1つのヒーターと、マスク又は接眼鏡を冷却するための少なくとも1つのペルチェ素子、及び/又はユーザ顔面がマスクに押しつけられる時に形成される空間の換気のためのファン(表示なし)と、をさらに備える場合がある。別の実施形態において、マスクは、ユーザが周辺の映像で見ることを可能にする各側面上の切り取り部10をさらに備え、切り取り部は、窓16で囲まれる場合がある。
【0031】
定義
「マスク」は、カバーがマスクにしっかりと取り付けられる時に、カバー19を含む。
【0032】
「ピボット」は、線形(垂直又は側方に)又は回転的な動きを可能にする任意の機械式装置又は組立品を含む。「ピボット」は、レール組立品、さねはぎ組立品、あり継組立品、ジンバル組立品、ロッカーアーム組立品、バネ留め式組立品、低摩擦プレート組立品、軸受組立品及び可撓性材料のパッドからなる群から選択される場合がある。
【0033】
「結合される」又は「結合」は、通常の使用ではしっかりとして曲げを被らない直接的な結合又は間接的な結合を意味する。単なる例示として、間接的な結合接眼鏡は、独立型光学装置の接眼鏡と双眼の/単眼のハウジング又は他のコンポーネントとの間の構造体を、限定なしに含む。すなわち、ハウジングは、光学装置の接眼鏡に対する場所で、両者が直接接触しなくても、実質的に固定される。
【0034】
ピボットに関するさらなる検討
図6、7A及び7Bは、レール組立品としてのピボット20の実施形態を示す。
図7Aは、平行な2つのレール20aであって、各々が固定具20bで各端部に固定されたレール、および、2つの接眼鏡のハウジング21a、21bであって、各々が、接眼鏡2a、2bに直接的に結合され、また各接眼鏡のハウジング内のトンネルを通過する各レール20aに摺動可能に係合された接眼鏡のハウジングを、示す。各接眼鏡のハウジングは、たとえば、ユーザの頭部がマスクに圧力を加えた時、レールに沿っていずれかの方向に動くことが可能であり、ここでの接眼鏡のハウジングの動き(及び接眼鏡自体の動き)は止め具26で制限される。1つの実施形態において、接眼鏡のハウジングの動きは、ユーザの頭部からの圧力が除去される時、各接眼鏡のハウジングと止め具との間の各レール上に配置されるバネ7により、自動的に逆転する。接眼鏡と接眼鏡のハウジングの動きは、
図7Bに示される。
【0035】
図8は、一般的に雌型である受け部20cと一般的に雄型である滑り挿入部20dを具備するあり継組立品としてのピボット20の実施形態であり、各々は、互いにぴったり嵌め合うような大きさに作製される。あり継組立品は、さねはぎ組立品からより分化したバージョンである。結合しない20cと20dの側面は、マスク5と双眼のハウジング15とに、あるいは、ピボット支持体25a、25bに取り付けられ、ピボット支持体は、接眼鏡又は双眼のハウジング等の構造体とマスク5とにそれぞれ取り付けられる場合がある。
【0036】
図9Aと9Bは、ジンバル支持体20f内の開口部に通されたロッド20eを具備するジンバル組立品であるピボット20を示し、ジンバル支持体20fの少なくとも1つは、マスク5に、またはマスクに取り付けられたピボット支持体25bに取り付けられ、あるいは、接眼鏡2a、2bに、接眼鏡へ取り付けられるピボット支持体25aに、又は接眼鏡に間接的に結合される双眼鏡ハウジング等の別の構造体に、取り付けられる。
【0037】
図10は、ピボット20の実施形態であり、ピボット20は、ロッカーアームの各端部が軸回転できるブラケット20hに各々2つの端部で取り付けられるロッカーアーム20gを具備するロッカー組立品である。ロッカー組立品の1つの側面は、マスク又はピボット支持体25bに取り付けられ、他の側面は、接眼鏡、ピボット支持体25aを含む、双眼の/単眼のハウジング又は他の構造体に取り付けられる。
【0038】
図11Aと11Bはそれぞれ、埋込軸受組立品の1つの実施形態としての、ピボット20の斜視図及び側面図であり、ピボット20は、マスク、又はマスクに取り付けられたピボット支持体25bに結合される軸受ハウジング20jの窪みに入る軸受20i(部分表示)を具備する。軸受20iは、回転し、別のピボット支持体25a(又は、双眼のハウジングの表面等)が、マスク又はピボット支持体25bに対して動けるようにする。
【0039】
図12は、バネ20kを具備するバネ留め式組立品の1つの実施形態であるピボット20の立面図であり、各々のバネは、接眼鏡に取り付けられたプレート25に1端部において、マスク5に固定されるカバー19に他の端部において取り付けられる。
【0040】
図13は、ピボット20であり、可撓性材料のパッド201の実施形態の斜視図であり、ピボット20は、マスクに直接的に又はピボット支持体25bにより取り付けられ、および、接眼鏡に直接的に又は双眼の/単眼のハウジング(又は光学装置の他の構造体)に、ピボット支持体25aにより、取り付けられる。
【0041】
図14は、互いに接触し、互いに対して摺動可能なプレート20mと20pを具備する低摩擦プレート組立品の1つの実施形態におけるピボット20の斜視図である。
【0042】
図15は、
図8に示すような、あり継組立品等のピボット20に結合されるマスク5の側面図であり、ピボットは、双眼のハウジングに結合され、双眼のハウジングは、接眼鏡に間接的に結合される。双眼のハウジングは、接眼鏡にしっかりと固定され、そのため、ピボットでのマスクの動きは、接眼鏡に対する動きとなる。