(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】エアレイド複合シート材料
(51)【国際特許分類】
B32B 5/26 20060101AFI20220527BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20220527BHJP
D04H 1/425 20120101ALI20220527BHJP
D04H 1/4374 20120101ALI20220527BHJP
D04H 1/732 20120101ALI20220527BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20220527BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
B32B5/26
B32B27/12
D04H1/425
D04H1/4374
D04H1/732
A61F13/53 300
A61F13/15 323
(21)【出願番号】P 2019559071
(86)(22)【出願日】2017-10-19
(86)【国際出願番号】 IB2017056511
(87)【国際公開番号】W WO2018197937
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2020-10-19
(31)【優先権主張番号】201710284171.5
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519381724
【氏名又は名称】フィテサ(チャイナ)エアレイド カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】レン,ジチュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヂュアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,シュンワン
(72)【発明者】
【氏名】チュ,イ-ジエン
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,マーク
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-195753(JP,A)
【文献】特開2003-113564(JP,A)
【文献】特開2003-325411(JP,A)
【文献】特開2007-031856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
D04H 1/00-18/04
A61F 13/53
A61F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気により互いに結合されて一体化された不織布を形成している複数のステープル繊維を含む
けば立たせられた不織布を含む流体捕捉構成要素;及び
前記流体捕捉構成要素に重なるエアレイド構成要素、ここで、該エアレイド構成要素は、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維のブレンドを含み、該エアレイド構成要素は、前記流体捕捉構成要素の表面に向かって配置され且つ
通気により結合された第1の表面と、複合シート材料の外面を規定する第2の表面とを含む、
吸収性物品用の複合シート材料。
【請求項2】
前記エアレイド構成要素の前記外面が、複数の交互の凹凸及び、前記エアレイド構成要素の前記外面を横切って延在するところのチャネルを含む、請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項3】
前記エアレイド構成要素が、隣接するエアレイド層に熱的に結合された複数のエアレイド層を含む、請求項1または2記載の複合シート材料。
【請求項4】
前記エアレイド構成要素が、2~10のエアレイド層を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項5】
前記不織布が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、又はそれらの混合物を含む、けば立たせられた不織布である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項6】
前記けば立たせられた不織布の前記二成分ステープル繊維が、
25~60ミリメートル(mm)の長さを有する、請求項5に記載の複合シート材料。
【請求項7】
前記非セルロース繊維が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項8】
前記エアレイド層の1以上が、セルロース及び非セルロース繊維と混合された超吸収性ポリマー又は超吸収性繊維を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項9】
前記非セルロース繊維が、
0.8~10ミリメートル(mm)の長さを有する、請求項
8に記載の複合シート材料。
【請求項10】
前記セルロース繊維が、処理されたパルプ繊維、処理されていないパルプ繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項1~
9のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項11】
前記不織布がポリ乳酸(PLA)ステープル繊維を含み、且つ前記エアレイド構成要素の前記非セルロース繊維がPLAを含む、請求項1~
10のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項12】
前記複合シート材料の秤量が、
50~180g/m
2である、請求項1~
11のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項13】
前記複合シート材料の秤量が、
50~100g/m
2である、請求項1~
12のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項14】
ポリマーコーティング層が前記第2の表面に重ねられて堆積されており、前記ポリマーコーティングが、エチレン酢酸ビニル、アクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物を含み、前記ポリマーコーティングの施与乾燥重量が、前記複合シート材料の総重量に基づいて、
1.5~4重量パーセントである、請求項1~
13のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項15】
前記流体捕捉構成要素が、前記エアレイド構成要素の密度よりも低い密度を有する、請求項1~
14のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【請求項16】
前記複合シート材料が、下記によって特徴付けられる、請求項1~
15のいずれか1項に記載の複合シート材料:
0.5秒~
2秒の範囲の流体捕捉時間;
15~30g/gの範囲の流体吸収;
8~15g/gの範囲の流体保持;
10~50mmの範囲の流体ウィッキング高さ;及び
30~60%の範囲の弾性。
【請求項17】
請求項1~
16のいずれか1項に記載の複合シート材料を含む吸収性物品であって、おむつ又は女性用衛生用パッドを含む、前記吸収性物品。
【請求項18】
複合シートの製造方法であって、
けば立たせられた不織布を用意すること、ここで、該けば立たせられた不織布はステープル繊維を含む;
第1のエアレイド層を前記けば立たせられた不織布の表面上に堆積して、複合シートを形成すること、ここで、該第1のエアレイド層は、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維の混合物を含む;及び
前記複合シートを加熱ガスで通気により結合して、非セルロースステープル繊維のポリマーを溶融させ、そして隣接する繊維と融合させること、ここで、前記エアレイド層の非セルロースステープル繊維は、互いと、前記セルロースステープル繊維、及びけば立たせられた不織布層と結合される、
を含む、前記方法。
【請求項19】
前記第1のエアレイド層上に、複数のエアレイド層を逐次に積層することを含む、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記けば立たせられた不織布が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、又はその混合物を含み、且つ、前記非セルロース繊維が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項
18に記載の方法。
【請求項21】
前記けば立たせられた不織布の前記二成分ステープル繊維が
25~60ミリメートル(mm)の長さを有し、且つ前記エアレイド構成要素の前記非セルロース繊維が
0.8~10ミリメートル(mm)の長さを有する、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記けば立たせられた不織布がポリ乳酸(PLA)ステープル繊維を含み、且つ前記エアレイド層の前記非セルロース繊維がPLAを含む、請求項
18~
21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
最外側層のエアレイド層の表面上にポリマーラテックスのコーティング層を堆積すること、そして次に、前記複合シート材料を、前記ポリマーラテックスを硬化及び乾燥させるのに十分な温度で加熱することをさらに含む、請求項
18~
22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つのエアレイド層が超吸水性ポリマーを含む、請求項
18~
23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記不織布が、スパンレース不織布又は樹脂結合不織布を含む、請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項26】
前記エアレイド構成要素の前記非セルロース繊維が、ポリエチレンテレフタレートを含む単成分ステープル繊維である、請求項1に記載の複合シート材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、吸収性物品において使用する為の複合シート材料に、より特には、多孔性流体捕捉層と、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維のブレンドを含むエアレイド層とを含む複合シート材料に、関する。
【背景技術】
【0002】
様々な天然繊維及び合成繊維の組み合わせで作製された不織複合シートが、吸収性物品の製造での使用の為に知られている。そのような吸収性物品は、使い捨て衛生製品、例えば紙おむつ、女性用衛生用製品、成人失禁用製品など、を含みうる。
【0003】
典型的な吸収性物品は典型的には、着用者の皮膚と接触する内面を画定する内層(トップシート(top sheet)とも呼ばれる)と、該トップシートの下に配置された捕捉/分布層(AQDL(acquisition/distribution layer)構成要素とも呼ばれる)と、流体を吸収するように選択された材料を含む吸収性層と、該物品の外面を画定する外層(バックシート(back sheet)とも呼ばれる)とを有する多層構成を含む。典型的には、該バックシートは、吸収性コア内に吸収された何らかの流体が排出又は漏出しないような、流体に対して不浸透である材料を含む。
【0004】
AQDLで典型的に使用される材料は典型的には、流体を上記トップシートから上記吸収性コアに迅速に移動させるように選択される。この迅速な移動(本明細書において瞬間浸透とも呼ばれる)は、流体を上記トップシートから上記吸収性コアにz方向に移動させる。着用者の皮膚の近くに流体が溜まる又は残ることを防ぐ為に、上記分布層は、上記吸収性コアから上記トップシートを通して戻る流体の逆浸透を防ぐ又は低減することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、AQDLの製造に使用される多くの慣用的な材料は、z方向の迅速な流体捕捉を有するが、望ましくない横方向の流体分布(x方向及びy方向)を有する。結果として、流体は、上記トップシートから上記吸収性コアに素早く移動させられるが、多くの場合、該吸収性コアに取り込まれる前にAQDL全体にわたって十分に分布されない。これは、流体の吸収性コアの1つの領域への局在化を引き起こし、その結果、着用者の皮膚の流体への延長された曝露を結果として生じる。流体への延長された曝露は望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施態様は、吸収性物品における流体AQDL構成要素として特に有用である複合シートに向けられている。一つの実施態様において、流体捕捉構成要素と、該流体捕捉構成要素に重なるエアレイド構成要素とを含む複合シートが提供される。上記エアレイド構成要素は、互いに重ねて逐次に形成される1以上のエアレイド層を含みうる。好ましくは、上記エアレイド層の各々は、隣接層が互いに関して流体連通するように、該エアレイド構成要素の真隣の層に隣接し且つこれと直接的に接触する。
【0007】
一つの実施態様において、上記流体捕捉構成要素は、通気により互いに結合されて一体化された不織布を形成している複数のステープル繊維を含むけば立たせられた不織布(carded nonwoven fabric)を包含する不織布を含む。一つの実施態様において、非セルロース繊維は、合成源由来のポリマー及び/又は天然若しくは持続可能資源由来のポリマー、例えばPLA、を含む。該けば立たせられた不織布の為の好ましいステープル繊維は、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分繊維、又はそのような繊維の混合物を含む。
【0008】
一つの実施態様において、上記エアレイド構成要素は、流体捕捉層の表面上に直接堆積された又は先に堆積されたエアレイド層の表面上に直接堆積された、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維の均質混合物を含む少なくとも1つのエアレイド不織層を含む。有利には、エア層は、さらなる接着剤の使用又はさらなるポリマー粉末及び樹脂の使用なしに、上記流体捕捉層に熱接合されうる。好ましい非セルロースステープル繊維は、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分繊維、並びにそのような繊維の混合物を含む。
【0009】
上記セルロースステープル繊維は、処理された又は処理されていない木材パルプを含みうる。上記非セルロースステープル繊維は、二成分若しくは単成分の繊維又はそれらのブレンドを含みうる。一つの実施態様において、上記非セルロース繊維は、合成源由来のポリマー及び/又は天然若しくは持続可能資源由来のポリマー、例えばPLA、を含む。
【0010】
従来技術の材料と比較して、本発明の実施態様に従う複合シートは、以下に詳述する利点を提供しうる。
【0011】
(1)上記複合シート材料は、良好な流体瞬間浸透及び分布特性を有する不織布を含む。ある特定の実施態様において、該複合シート材料は、エアレイド構成要素と熱接合されることができる一方、吸収性物品の製造における後続の転化プロセスで使用されることがなお可能である流体捕捉層を含む。
【0012】
(2)上記複合シートは、1以上のエアレイド層を含むエアレイド構成要素を含み、それはまた、吸収性物品の着用者により快適である該吸収性物品を提供しうる。例えば、該エアレイド構成要素は、ふわふわし且つ柔らかい感覚並びに低い積算密度を有する材料を含みうる。さらに、上記流体捕捉層及び上記エアレイド構成要素の為の材料は、(例えば、各連続する層においてより低い密度からより高い密度への)密度勾配をもたらして、流体を上記トップシートから上記吸収性コアへ素早く移動させるのを補助するように選択されうる。
【0013】
(3)上記複合シートの上記流体捕捉層は、大きな平均孔径及び相対的に低い密度を有する多孔構造を含みうる。結果として、該流体捕捉層は、流体を上記トップシートから、且つ上記複合シートの上記エアレイド構成要素内に効率的に移動させることが可能でありうる。
【0014】
(4)幾つかの実施態様において、上記エアレイド構成要素は、より小さい孔容積及び相対的に高い密度を有する相対的によりコンパクトな構造を含む。さらに、該エアレイド構成要素は、セルロース繊維を含み、それはまた、流体吸収特性をもたらすのを助ける。これらの特性の組み合わせは、流体を上記エアレイド構成要素全体にわたって素早く且つ広範に分布させ、且つ一時的に流体を保持するのを助ける。これは、流体が上記吸収性コア内に移動する前に、上記エアレイド層を通して流体を効率的に移動及び分布させるのを助ける。
【0015】
(5)上記複合シート材料はまた、着用者に改善された快適性を提供しうる。特には、上記複合シート材料の実施態様は、吸収性物品に使用される他の材料と比較して、良好な反発弾性を有しうる。特には、反発弾性は、圧縮力にかけられた後、材料がその元の厚さに戻る能力を測定する。より高い反発弾性は、材料の全体的なクッション性の柔らかさ及び快適性を示す。幾つかの実施態様において、圧縮下で3か月のエージング後の本発明の実施態様に従う物品の厚さ反発弾性は約15~60%以上でありうる。これと比較して、従来技術の材料は、10%以下である反発弾性を有しうる。この利点は、最終製品吸収性物品が、着用者に対するクッション性の柔らかさ且つふわふわした感覚を有することを可能にするのを助けうる。
【0016】
(6)上記複合シートはまた、非常に良好な逆浸透防止性能を有し得、それは、乾いた感触を有する吸収性物品を結果として生じ、そして着用者による使用の快適性をさらに改善する。
【0017】
(7)上記複合シートを調製する方法はまた、繊維層中の2種類の繊維が均質に混合され、そして互いに且つ該複合シートの隣接層に接合されることを可能にする。これは、層間及び複合シート全体を通した流体分布をさらに改善しうる。結果として、改善された流体分布、拡散及び吸収、弾性並びに逆浸透防止特性が吸収性物品において得られうる。
【0018】
(8)先に述べたように、上記複合シートはまた、流体を吸収するときに密度勾配を有する材料を含みうる。結果として、該複合シートの表面汚れのサイズはより小さくなり得、結果として、吸収された流体は、流体捕捉層を通して移動するとき、素早く広がることができる。これは、吸収性物品を含む物品が、流体を吸収するとき、小さい表面汚れのサイズを達成するのを助けうる。上記エアレイド構成要素における相対的に大きな液体吸収面積は、吸収性物品(例えば、サニタリーナプキン)が、かなり小さい表面視覚効果を有するのを助け、それはまた、複合シートの良好な逆浸透性能をもたらすのを助けうる。
【0019】
(9)最後に、上記複合シートの分布及び瞬間浸透は、他の材料と比較して改善され、逆浸透防止効果は良好であり、粉末接合剤及び繊維の組成物を超えるさらなるポリマー樹脂は、上記流体分布構成要素と上記エアレイド構成要素とを一緒にすることを必要とされないので、該複合シートは従来技術で提供される材料よりもはるかに柔らかく且つふわふわしている。
【0020】
本発明を一般的な用語でこのように記載してきたが、ここで、必ずしも縮尺通りに描かれるとは限らない添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートの横断面図である。
【
図2】
図2は、複数のエアレイド層を含む、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートの横断面図である。
【
図3】
図3は、最外側エアレイド層の表面に堆積されたコーティング層を含む、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートの横断面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施態様に従う複合シートを調製する為のシステムの模式図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の少なくとも1つの実施態様に従うエアレイド層を調製する為の形成ヘッドの模式図である。
【
図5】
図5は、最外側エアレイド層の表面に形成された複数の
交互の凹凸及びチャネルを含む、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シートの横断面図である。
【
図6】
図6は、複合シート材料を通した流体の移動及び分布を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う吸収性物品を例示する図である。
【
図8】
図8は、女性用衛生用パッドの形態である、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う吸収性物品を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、本発明の一部ではあるが全てではない実施態様が示される添付の図面を参照し、本発明は以下でより完全に記載される。実際、これらの発明は、多くの異なる形態で実施されえ、本明細書で示される実施態様に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施態様は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数は全体を通して同様の要素を云う。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「該(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを記述しない限り、複数の参照を含む。
【0023】
定義
本出願の為に、下記の語は下記の意味を有することになる。
【0024】
語「繊維」は、有限長さの繊維又は無限長さのフィラメントを云うことができる。
【0025】
語「ステープル繊維」は、有限長さの繊維を云う。一般に、ステープル繊維は、約2~200ミリメートル(mm)の長さを有しうる。
【0026】
本明細書で使用される場合、語「単成分」は、1種のポリマーから形成された又はポリマーの単一のブレンドから形成された繊維を云う。当然のことながら、これは、着色、帯電防止特性、潤滑、親水性、液体撥水性などの為に添加剤が添加されている繊維を除外しない。
【0027】
本明細書で使用される場合、語「多成分」は、別々の押出機から押出された少なくとも2種のポリマーから形成された繊維(例えば、二成分繊維)を云う。少なくとも2種のポリマーは、各々独立して、互いに同じである若しくは異なることができ、又はポリマーのブレンドであることができる。該ポリマーは、繊維の断面を横切って実質的に一定して位置決めされた別個のゾーンに配置構成される。該成分は、任意の所望の構成、例えばシース-コア(sheath-core)、横並び(side-by-side)、区切られた円状(segmented pie)、海島(island-in-the-sea)など、に配置構成されうる。多成分繊維を形成する為の様々な方法が、Taniguchi等に対する米国特許第4,789,592号明細書及びStrack等に対する米国特許第5,336,552号明細書、Kaneko等に対する米国特許第5,108,820号明細書、Kruege等に対する米国特許第4,795,668号明細書、Pike等に対する米国特許第5,382,400号明細書、Strack等に対する米国特許第5,336,552号明細書及びMarmon等に対する米国特許第6,200,669号明細書に記載されており、これら文献はそれらの全体が参照により本明細書内に取り込まれる。様々な不規則形状を有する多成分繊維もまた、例えば、Hogle等に対する米国特許第5,277,976号明細書、Hillsに対する米国特許第5,162,074号明細書、Hillsに対する米国特許第5,466,410号明細書、Largman等に対する米国特許第5,069,970号明細書及びLargman等に対する米国特許第5,057,368号明細書に記載されるように形成され得、これら文献はそれらの全体が参照により本明細書内に取り込まれる。
【0028】
本明細書で使用される場合、語「不織」、「不織ウェブ」及び「不織布」は、相互に絡まり合っているが同一視することはできない繰り返しの方式にある個々の繊維又は糸の構造を生成する為の織る又は編むプロセスを使用することなく形成された材料の構造又はウェブを云う。過去、不織ウェブは、様々な慣用的なプロセス、例えばメルトブローンプロセス、スパンボンドプロセス及びステープル繊維カーディングプロセス、によって形成されてきている。
【0029】
本明細書で使用される場合、語「けば立たせられた布」は、カーディングプロセスを使用して縦方向に主に配列され且つ配向されたステープル繊維を含む不織布を云う。
【0030】
本明細書で使用される場合、語「メルトブローン」は、溶融熱可塑性材料を、マイクロ繊維の直径になることができる通常は円形の複数の細いダイキャピラリーを通して高速のガス(例えば空気)の流れに押出し、これにより溶融熱可塑性材料を細くし、繊維を形成することによって繊維が形成されるプロセスを云う。その後、メルトブローン繊維は、ガス流によって運ばれ、回収面に堆積されて、ランダムメルトブローン繊維のウェブが形成する。そのようなプロセスは、例えば、Buntin等に対する米国特許第3,849,241号明細書に開示されている。
【0031】
本明細書で使用される場合、語「縦方向」または「MD:machine direction」は、製造の間に不織ウェブが動く方向を云う。
【0032】
本明細書で使用される場合、語「横方向」または「CD:cross direction」という用は、縦方向に垂直であり、且つ不織ウェブの幅を横切って横向きに延在する方向を云う。
【0033】
本明細書で使用される場合、語「スパンボンド(spunbond)」は、溶融熱可塑性材料を、通常は円形の複数の細い吐糸管のキャピラリーからフィラメントとして押出し、次いで該フィラメントが細くされ、機械により又は空気により引き出されることが関与するプロセスを云う。該フィラメントは、回収面に堆積されて、ランダムに配置構成された実質的に連続したフィラメントのウェブが形成し、これはその後、一緒に結合されて一体化された不織布が形成する。スパンボンド不織ウェブの生成は、特許、例えば、米国特許第3,338,992号明細書、米国特許第3,692,613号明細書、米国特許第3,802,817号明細書、米国特許第4,405,297号明細書及び米国特許第5,665,300号明細書に例示されている。一般に、これらのスパンボンドプロセスは、フィラメントを吐糸管から押出すこと、該フィラメントを空気の流れによりクエンチして溶融フィラメントの固化を速めること、空気により該フィラメントを気流に乗せるか又は機械により該フィラメントを機械式引取ロールに巻き付けるかのいずれかによって引出張力を加えることによって該フィラメントを細くすること、該引き出されたフィラメントを有孔回収面上に堆積してウェブを形成すること、及びばらけたフィラメントの該ウェブを不織布に接合することを含む。該接合は、任意の熱又は化学接合処理であることができ、熱点接合が典型的である。
【0034】
本明細書で使用される場合、語「通気による熱接合」とは、材料、例えば、接合される繊維の1以上のウェブ、を、加熱ガス、例えば空気、の流れを通過させることが関与し、該加熱ガスの温度は、接合されている材料の少なくとも1種のポリマー成分の軟化又は溶融温度よりも高い。通気による熱接合とは、材料を、加熱オーブンを通過させることが関与しうる。
【0035】
本明細書で使用される場合、語「熱点接合」とは、材料、例えば、接合される繊維の1以上のウェブ、を、加熱カレンダーロールとアンビルロールとの間を通過させることが関与する。カレンダーロールは、典型的には、パターン付けされており、そのため、布は、その表面全体を横切って接合されるのではなく、不連続な点接合部位で接合される。
【0036】
本明細書で使用される場合、語「ポリマー」は、一般に、ホモポリマー、コポリマー、例えば、ブロック、グラフト、ランダム及び交互コポリマー、ターポリマーなど、並びにそれらのブレンド及び変形例を含むがこれらに限定されない。さらに、具体的に限定されない限り、語「ポリマー」は、アイソタクチック、シンジオタクチック及びランダム対称を含む全てのありうる幾何学的立体配置の材料を含むべきである。
【0037】
語「複合体」は、本明細書で使用される場合、2以上の層、例えばフィルム層及び繊維層又は一緒に成形された複数の繊維層、を含む構造でありうる。複合構造の2つの層は、本発明のある特定の実施態様に従って、それらの共通X-Y平面界面の実質的部分であるように一緒に連結されうる。
【0038】
文脈から明らかでない限り、語「約」は、述べられた値の測定誤差の標準的な差(例えば、SEM)、又は特定された値から±0.5%、1%、5%若しくは10%の変動内の値を包含する。
【0039】
本発明の実施態様は、吸収性物品、特には、使い捨て女性用衛生製品及びおむつ製品の製造に特に有用である複合シート材料に向けられている。以下でより詳細に説明されるように、複合シート材料は、流体捕捉層と、該流体捕捉層に重ねて逐次に堆積された1以上のエアレイド層とを有する多層構造を含む。該エアレイド層は、吸収性物品において流体捕捉層として使用するのに特に適した布をもたらすように選択されたセルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維のブレンドを含む。
【0040】
図1を参照すると、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シート材料が示され且つ参照番号10で表されている。例示された実施態様において、該シート材料は、流体捕捉構成要素12と、該流体捕捉構成要素に重なるエアレイド構成要素14とを含む。該流体捕捉構成要素は、第1の外面16と第2の外面18とを有する少なくとも1つの不織層を含む。同様に、該エアレイド構成要素は、第1の外面20と第2の外面22とを含む。
【0041】
一つの実施態様において、流体捕捉構成要素12の外面18は、エアレイド構成要素14の相対する外面20に隣接して配置される。好ましい実施態様において、流体分布及びエアレイド構成要素12、14の相対する外面18、20は、各構成要素の表面が互いに接触するように互いに直接相対して配置されている。
【0042】
幾つかの実施態様において、エアレイド構成要素14は、1以上のエアレイド層を含みうる。この点について、
図2は、エアレイド構成要素が流体捕捉構成要素12に重ねて形成されている複数のエアレイド層を含む本発明の実施態様を例示する。好ましくは、上記エアレイド層の各々は、隣接層が互いに関して流体連通するように、該エアレイド構成要素の真隣の層に隣接し且つこれと直接的に接触する。
【0043】
一般に、上記流体捕捉構成要素の質量は、上記複合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約8~85重量パーセントを含む。一つの実施態様において、上記流体捕捉構成要素の質量は、複上記合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約20~75重量パーセント、特には約30~60、を含む。
【0044】
上記エアレイド構成要素の質量は、上記複合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約15~92重量パーセントを含む。一つの実施態様において、上記エアレイド構成要素の質量は、上記複合シートの総重量に基づいて、該複合シートの約20~80重量パーセント、特には約30~70、を含む。
【0045】
本発明に従う複合シートは、吸収性物品の製造における流体AQDL構成要素として特に有用である。典型的には、そのような流体AQDL構成要素は、流体を着用者の皮膚から離して素早く移動させ、流体を吸収性物品の吸収性コアに均一に分布させる為に特性のバランスを取る必要がある。流体が、AQDL構成要素を通して素早く移動する場合、流体は、層を通して横方向(x-y方向に)に分布しないことがある。これにより、吸収性コアの1つの領域に局在化している流体が多くなりすぎうる。理想的には、流体を、流体AQDL構成要素を通して素早く移動させる一方、同時に、流体が、該構成要素を通して横方向に分布することが望ましい。これにより、流体が吸収性コアの大きな表面積にわたって吸収されることが可能になる。
【0046】
この所望のバランスを達成する為に、流体AQDL構成要素は、良好な流体吸収特性、良好なウィッキング特性(該構成要素を通して移動する流体の毛細管現象)、短い流体捕捉時間(材料が所与の量の流体を吸収するのにかかる時間の長さ)、及び良好な流体保持特性を有することが重要である。最初の3つの特性は、流体がいかに素早く着用者の皮膚から離れ吸収性コアに移動するかに寄与し、流体保持特性は、これらの特性のバランスを取るのを助けて、流体が吸収性コアに移動する前に横方向に分布させることを可能にする。
【0047】
吸収性物品は、典型的には個人に着用されることになる為、着用者への材料の快適性もまた重要である。材料が、柔軟性がない、硬い又はごわごわしている場合、着用者は、吸収性物品を拒否する可能性が最も高い。従って、吸収性物品は、上記の特性のバランスをもたらすだけでなく、弾性も有して、着用者への改善された快適性及びフィット感をもたらすことが望ましい。
【0048】
本発明の発明者等は、本発明に従う複合シートが、流体吸収、流体ウィッキング、流体捕捉時間及び流体保持の良好なバランスをもたらし、良好な弾性を有する複合シートをもたらすことを見出した。結果として、本発明の実施態様に従う複合シートは、吸収性物品の製造におけるAQDL構成要素として特に有用である。
【0049】
一つの観点において、本発明の実施態様に従う複合シートは、約0.75秒~約2秒、特には約0.8~1.5秒、特には約0.84~1.3秒、の範囲の流体捕捉時間によって特徴付けられる。
【0050】
一つの観点において、本発明の実施態様に従う複合シートは、約15~30g/g、特には約20~26g/g、特には約20~25g/g、の範囲の流体吸収によって特徴付けられる。
【0051】
一つの観点において、本発明の実施態様に従う複合シートは、約8~15g/g、特には約9~14g/g、特には約10~12g/g、の範囲の流体保持によって特徴付けられる。
【0052】
一つの観点において、本発明の実施態様に従う複合シートは、約10~50mm、特には約15~45mm、より特には約15~40mm、の範囲の流体ウィッキング高さによって特徴付けられる。
【0053】
一つの観点において、本発明の実施態様に従う複合シートは、約30~60%、特には約35~55%、より特には約40~50%、の範囲の弾性によって特徴付けられる。
【0054】
一つの実施態様において、本発明に従う複合シートは、約0.5秒~約2秒の範囲の流体捕捉時間、約15~30g/gの範囲の流体吸収、約8~15g/gの範囲の流体保持、約10~50mmの範囲の流体ウィッキング高さ、及び約30~60%の範囲の弾性によって特徴付けられうる。例えば、複合シートは、約0.65~1.5秒の範囲の流体捕捉時間、約20~26g/gの範囲の流体吸収、約9~14g/gの範囲の流体保持、約15~45mmの範囲の流体ウィッキング高さ、及び約35~55%の範囲の弾性を有しうる。ある特定の実施態様において、複合シートは、約0.84~1.3秒の範囲の流体捕捉時間、約20~25g/gの範囲の流体吸収、約10~12g/gの範囲の流体保持、約15~40mmの範囲の流体ウィッキング高さ、及び約40~55%の範囲の弾性を有しうる。
【0055】
好ましい実施態様において、複合シートは、約1.25秒の流体捕捉時間、約25g/gの流体吸収、約10g/gの流体保持、約40mmの流体ウィッキング高さ、及び約40%の弾性を有する。
【0056】
複合シートの秤量は、1平方メートル当たり約25~400グラム(g/m2)、特には約40~225g/m2、より特には約50~180g/m2、の範囲でありうる。好ましい実施態様において、複合シートは、約50~100g/m2である秤量を有する。
【0057】
複合シートの厚さは、約1~6mm、特には約1.3~4.5mm、より特には約1.5~3.0mm、の範囲でありうる。好ましい実施態様において、複合シートは、約1.6~2.5mmである厚さを有する。
【0058】
流体捕捉層
一つの実施態様において、上記流体捕捉層の表面にぶつかると、流体が、該流体捕捉層を通り且つエアレイド構成要素14内に素早く移動するように、上記流体捕捉構成要素は、相対的に浸透性で且つ多孔性の構造を有する不織布を含む流体捕捉層を含む。流体捕捉層の浸透性及び多孔性の性質は、一般に、層の密度によって特徴付けられうる。例えば、流体捕捉層の密度は、約0.02~0.07g/cm3、特には約0.03~0.06g/cm3、でありうる。好ましい実施態様において、流体捕捉層の密度は、約0.04~0.05g/cm3である。
【0059】
多種多様な不織布が、上記流体捕捉層として使用されうる。一つの実施態様において、該流体捕捉層の不織布は、ステープル繊維を含むけば立たせられた不織布を含む。該流体捕捉層中のステープル繊維の典型的な長さは、約20~100mm、特には約25~60mm、より特には約35~55mm、の範囲でありうる。
【0060】
上記流体捕捉層として使用されうる不織布の他の例は、ラテックス結合されたけば立たせられた布及びスパンレース不織布を含みうる。該流体捕捉層の繊維は、熱接合、樹脂接合、スティッチボンディング、機械による接合、例えば、ニードルパンチ又は水流絡合法などを含む様々な方法で接合されうる。
【0061】
ステープル繊維は、単成分又は多成分繊維を含みうる。一つの実施態様において、ステープル繊維は、シース/コア構成を有する二成分繊維を含む。二成分繊維の例は、横並び、海島及びシース/コア配置構成を含む。好ましくは、該繊維は、該シースが第1のポリマー成分を含み、該コアが第2のポリマー成分を含むシース/コア構造を有する。この配置構成では、第1及び第2のポリマー成分のポリマーは、互いに同じ又は異なりうる。例えば、一つの実施態様において、該シースは第1のポリマー成分を含み、該コアは、第1のポリマー成分と異なる又は同じ第2のポリマー成分を含む。好ましい実施態様、二成分繊維の第1ポリマー成分と第2ポリマー成分とは、互いに異なる。
【0062】
幾つかの実施態様において、流体捕捉層のステープル繊維は、該コアがシースに対して中心を占めるシース/コア構成を有しうる。代替的には、該コアは、シースに対してオフセット構成で存在しうる。この構成では、該コアは、該シースに対して中心に配列されない。結果として、例えば接合の間に熱が加えられる場合、該繊維は、カールする又は縮れる傾向を有し、これが次に上記流体捕捉層にかさばりをもたらすのを助けうる。
【0063】
一つの実施態様において、該シースの第1のポリマー成分は、該コアを含む第2のポリマー成分の溶融温度よりも低い溶融温度を有するポリマーを含む。該シースのより低い溶融ポリマーは、接合を促進する一方、より高い溶融温度を有する該コアのポリマー成分は、繊維及び従って最終接合不織に強度をもたらす。
【0064】
一般に、該繊維中のシースの重量百分率対コアの重量百分率は、不織布の所望の特性に応じて幅広く変動しうる。例えば、シース対コアの重量比は、約10:90~90:10、特には約20:80~80:20、で変動しうる。好ましい実施態様において、シース対コアの重量比は、約60:40~40:60であり、約50:50の重量比が好ましい。
【0065】
一般に、上記流体捕捉層は、約18~100(g/m2)、特には約25~80g/m2、より特には約30~55g/m2、の範囲の秤量を有する。好ましい実施態様において、該流体捕捉層は、約35~40g/m2である秤量を有する。
【0066】
該流体捕捉層の厚さは、約0.4~4mm、特には約0.7~3mm、より特には約0.7~2mm、の範囲でありうる。好ましい実施態様において、該流体捕捉層は、約0.8~1.5mmである厚さを有する。
【0067】
多様なポリマーが、該流体捕捉層に使用する為のステープル繊維を調製する為に使用されうる。好適な繊維の例は、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン並びにこれらのコポリマー、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、ポリスチレン、コポリマー並びにこれらのブレンド、並びに繊維の調製に使用されうる他の合成ポリマーを含みうる。一つの実施態様において、ステープル繊維は、ポリエチレンシースとポリプロピレンのコアとを含むシース/コア構成を有する。他の実施態様において、ステープル繊維は、ポリエチレンシースとポリエステルのコア、例えばポリエチレンテレフタレートを含むコア、とを含むシース/コア構成を有しうる。
【0068】
幾つかの実施態様において、ステープル繊維は、繊維のブレンド、例えば、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、並びにポリエチレンシースとポリプロピレンのコアとを有する二成分ステープル繊維のブレンドを含みうる。一つの実施態様において、流体捕捉層の繊維は、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアと、4.3dtexの細さ、並びに38~51mmの平均長さを有する偏芯二成分ステープル繊維を含みうる。そのような繊維の例は、製品名TS47でIndoramaPolyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。
【0069】
上記のポリマーは、一般に、合成源に由来する、例えば、石油由来のポリマーであると、考えられる。幾つかの実施態様において、1以上の持続可能なポリマー成分を含む流体捕捉層を提供することが所望されうる。石油源由来のポリマーとは対照的に、持続可能なポリマーは、一般に、バイオベース材料に由来する。幾つかの実施態様において、持続可能なポリマー成分はまた、生物分解性であると考えられうる。バイオベース材料で作製された生物分解性製品の特別なクラスは、それが構成環境において分解されることができる場合、堆肥化可能であるとみなされうる。持続可能分で構成された布又はフィルムが堆肥化可能であると分類されることができるかを決定する為に欧州規格EN13432、「Proof of Compostability of Plastic Products」が使用されうる。
【0070】
そのような一つの実施態様において、流体捕捉層は、持続可能なポリマー成分を含むステープル繊維を含む。好ましくは、ステープル繊維は、合成材料、例えば、石油系材料及びポリマーを実質的に含まない。例えば、流体捕捉層を含む繊維は、該流体捕捉層の総重量に基づいて、25重量パーセント未満の非バイオベースである材料、より好ましくは20重量パーセント未満、15重量パーセント未満、10重量パーセント未満、さらにより好ましくは5重量パーセント未満、の非バイオベース材料を有しうる。
【0071】
一つの実施態様において、使用する為の持続可能なポリマーは、ポリ乳酸及びバイオベース由来のポリエチレンを含みうる。一般に、ポリ乳酸系ポリマーは、トウモロコシ由来の糖源であるデキストロースから調製される。北米では、トウモロコシが糖への最終転化の為の最も経済的な植物デンプン源である為、トウモロコシが使用される。しかしながら、デキストロースは、トウモロコシ以外の供給源に由来することができることが認識されるべきである。糖は、微生物の使用による発酵を介して乳酸又は乳酸誘導体に転化される。従って、トウモロコシを除いて、テンサイ、サトウキビ、小麦、セルロース系材料、例えば木材パルプから回収されたキシロースなどを含む他の農産物ベースの糖源が使用されることができる。同様に、バイオベースポリエチレンは糖から調製されることができ、これは発酵されてエタノールが生成し、これが次に脱水されてエチレンが生じる。本発明に使用する為に好ましい持続可能なポリマーは、ポリ乳酸(PLA)を含む。
【0072】
ある特定の実施態様において、シース及びコアはいずれもPLA樹脂を含む。これらの実施態様において、合成ポリマー成分、例えば石油系材料及びポリマーを実質的に含まないPLAスパンボンド不織布が提供されうる。例えば、PLAスパンボンド不織布の繊維は、両方の成分がPLAベースであり、従って100%PLAである繊維が生成される二成分配置構成を有しうる。本明細書で使用される場合、「100%PLA」はまた、単に例として、着色、柔らかさ、スリップ性、帯電保護、潤滑性、親水性、液体撥水性、酸化防止保護などを提供する為の添加剤及び/又は添加剤のマスターバッチを含む最大5%の添加剤を含みうる。この点について、不織布は、95~100%PLA、例えば、96~100%PLA、97~100%PLA、98~100%PLA、99~100%PLAなどを含みうる。そのような添加剤がマスターバッチとして添加される場合、例えば、マスターバッチキャリアは、加工を促進し、繊維中の持続可能分を最大化する為に主にPLAを含みうる。例えば、流体捕捉層のPLAステープル繊維は、1以上の追加の添加剤を含みうる。そのような実施態様において、例えば、添加剤は、着色剤、軟化剤、スリップ剤、帯電防止剤、潤滑剤、親水化剤、液体撥水剤、酸化防止剤などのうちの少なくとも1種又はこれらの任意の組み合わせを含みうる。
【0073】
一つの実施態様において、シースのPLAポリマーは、コアのPLAポリマーと同じPLAポリマーでありうる。他の実施態様において、シースのPLAポリマーは、コアのPLAポリマーとは異なるPLAポリマーでありうる。例えば、二成分繊維は、シースが第1のPLAグレードを含み、コアが第2のPLAグレードを含み、該第1のPLAグレード及び該第2のPLAグレードが異なる(例えば、該第1のPLAグレードが該第2のPLAグレードよりも低い融点を有する)ように、PLA/PLA二成分繊維を含みうる。単に例として、第1のPLAグレードは最大約5%の結晶化度を含み得、第2のPLAグレードは約40%~約50%の結晶化度を含みうる。
【0074】
幾つかの実施態様において、例えば、第1のPLAグレードは約125℃~約135℃の融点を含み得、第2のPLAグレードは約155℃~約170℃の融点を含みうる。さらなる実施態様において、例えば、第1のPLAグレードは、約4重量%~約10重量%の重量パーセントのD異性体を含み得、第2のPLAグレードは、約2重量%の重量パーセントのD異性体を含みうる。
【0075】
例えば、一つの実施態様において、上記コアは、上記シースに使用されるPLAポリマーの%D異性体よりも低い%D異性体のポリ乳酸を有するPLAを含みうる。より低い%D異性体のPLAポリマーは、紡績の間に、より高度の応力誘導結晶化を示す一方、より高いD%異性体のPLAポリマーは、紡績の間に、より非晶質状態を維持する。より非晶質のシースは接合を促進する一方、より高度の結晶化を示すコアは、繊維及び従って最終接合ウェブに強度をもたらす。特定の一つの実施態様において、4%D異性体のNature Works PLA Grade PLA 6752がシースとして使用されることができる一方、2%のD異性体のNatureWorks Grade 6202がコアとして使用されることができる。
【0076】
幾つかの実施態様において、上記シースはバイオベースポリエチレンを含み得、上記コアはPLAポリマーを含みうる。
【0077】
幾つかの実施態様において、上記シースはPLAポリマーを含み得、上記コアは合成ポリマー、例えばポリプロピレン、を含みうる。
【0078】
エアレイド層
エアレイド構成要素14は、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維のブレンドを含む少なくとも1つのエアレイド層を含む。以下でより詳細に論じられるように、該少なくとも1つのエアレイド層は、流体分布構成要素の表面上に堆積され、次いで、得られた複合シート材料は、通気により結合されて、流体捕捉層及びエアレイド層の両方のステープル繊維が互いに一体化された複合構造が形成する。
【0079】
複合シート材料を作製するプロセスの間、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維の混合物は、まず気流中で混合され、次いで、流体捕捉層の表面上に堆積される。その後、流体捕捉層及びエアレイド層の繊維は、複合シート材料を通して、加熱ガス、例えば空気、の流れを導入することによって互いに接合される。例えば、一つの実施態様において、複合シート材料は、非セルロースステープル繊維の軟化温度をよりも高い温度に加熱されたオーブンを通過させられ、これによりステープル繊維の低融点シースポリマー成分が、少なくとも部分的に軟化され、流動して、冷却時に繊維が、隣接するセルロース及び非セルロース繊維に融合及び接合する。
【0080】
多種多様なセルロース材料が、セルロース繊維の為に使用されうる。例えば、軟材(針葉樹に由来する)、硬材(落葉樹に由来する)、又はコットンリンターからの消化セルロース繊維が利用されることができる。エスパルト、バガス、ケンプ、アマ、並びに他の木質及びセルロース繊維源もまた利用されうる。他の繊維は、再生セルロース、多糖又は他の吸収性繊維形成組成物で作製された吸収性天然繊維を含む。費用、製造の容易さ及び廃棄性の理由から、好ましい繊維は、木材パルプに由来するもの(例えば、セルロース繊維)である。特には、好適な材料の例は、硬材、軟材、ストローのパルプ、化学パルプ、毛羽立ちパルプ、ケミメカニカルパルプ、サーモメカニカルパルプ及びこれらの混合物を含む処理された及び処理されていないパルプを含む。好適なセルロース繊維は、製品表示名NB416及びNB405でWeyerhauserから、製品表示名4821、4822及び4823でInternational Paper Super soft M, Georgia Pacificから得られるもの、並びにこれらの混合物でありうる。
【0081】
上記セルロース繊維は、一般に、約0.8~10mm、特には約2~8mm、より特には約2~5mm、の繊維長さを有する。
【0082】
上記エアレイド層に使用する為の非セルロースステープル繊維の為の好適な材料は、単成分若しくは多成分繊維、又は単成分及び多成分繊維の混合物を含みうる。好ましい実施態様において、該エアレイド層の非セルロースステープル繊維は、シース/コア構成を有する二成分繊維を含む。
【0083】
上記非セルロース繊維を調製する為に使用されうるポリマーの例は、上記流体捕捉層における使用の為に上記で論じられたものを含む。例えば、該非セルロース繊維は、持続可能なポリマー、例えば、PLA及びバイオベースポリエチレン、合成繊維、並びにこれらの組み合わせを、含みうる。一つの実施態様において、上記非セルロースステープル繊維は、バイオベースポリエチレンを含むシース及びPLAポリマーを含むコアを含みうる。他の実施態様において、上記非セルロースステープル繊維は、PLAポリマーが互いに同じ又は異なりうるPLAポリマーシース及びPLAポリマーコアを含みうる。
【0084】
他の実施態様において、上記シースはPLAポリマーを含み得、上記コアは合成ポリマー、例えばポリプロピレン、を含みうる。
【0085】
一つの実施態様において、上記非セルロースステープル繊維は、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維を含みうる。そのような一例は、2.2dtexの細さ及び3mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維であり、これは、製品名EZBON A(UN-204)でToray Chemical Korea Inc.から入手可能である。さらなる例は、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアとを有する偏芯二成分ステープル繊維である。そのような繊維は、製品名TS47(4.3dtexの細さ及び3mmの平均長さ)でIndoramaPolyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。別の例は、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維であり、これは製品表示名T255ステープル繊維でTreviraから入手可能である。これらのステープル繊維は、4.3dtexの細さ及び3mmの平均長さを有する。
【0086】
別の実施態様において、上記非セルロースステープル繊維は、ポリエチレンシースとポリプロピレンのコアとを有する二成分ステープル繊維を含みうる。そのような一例は、4.0dtexの細さ及び40mmの平均長さを有するステープル繊維であり、これは、製品名Y116でYangzhou Petrochemical Co. Ltd.から入手可能である。ポリエチレンシースとポリプロピレンのコアと、6.0のデニール並びに51mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維の別の例は、製品表示名JNGX-PZ11-6*51LでJiangNan High Polymer Fiberから入手可能である。
【0087】
幾つかの実施態様において、上記非セルロース繊維は、繊維のブレンド、例えば、二成分PE/PET及びPE/PPステープル繊維を含むブレンド、を含みうる。
【0088】
上記非セルロースステープル繊維は、典型的には、約3~15mm、特には約3~10mm、より特には約3~6mm、の範囲の長さを有する。
【0089】
全体として、上記エアレイド層の秤量は、約7~300g/m2、特には約20~200g/m2、より特には約30~100g/m2、の範囲でありうる。好ましい実施態様において、エアレイド層は、約50g/m2である秤量を有する。
【0090】
幾つかの実施態様において、上記エアレイド層の1以上は、セルロース及び非セルロース繊維と混合された超吸収性ポリマー又は超吸収性繊維を含みうる。該超吸収性ポリマー又は超吸収性繊維は、エアレイド構成要素の1つの層のみに存在し得、又はエアレイド構成要素の複数のエアレイド層に存在しうる。存在する場合、超吸収性ポリマー又は超吸収性繊維は、該超吸収性ポリマー又は超吸収性繊維が存在するエアレイド層の総重量に基づいて、約10~50重量パーセント、特には約10~35重量パーセント、の量で存在しうる。
【0091】
追加の層
幾つかの実施態様において、上記複合シートは、上記エアレイド構成要素の外面22に堆積されたポリマーベースの層をさらに含みうる。この点について、
図3は、複合シート材料10が、エアレイド構成要素14の外面に配置されたコーティング層24を含む本発明の実施態様を例示する。一つの実施態様において、上記コーティング層は、担体、例えば、水又は有機溶媒、及び該担体中に分散された高分子材料を含む組成物、が施与されうる。例えば、一つの実施態様において、上記コーティング層は、エチレン酢酸ビニル、アクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物を含む水性ポリマー分散液のラテックス配合物を含みうる。
【0092】
一つの実施態様において、上記ラテックス配合物は、モノマーである酢酸ビニル及びエチレンから生成されたポリマーを含み、これは製品名VINNAPAS(登録商標)192でWackerから入手可能であり、50~55%の範囲の固体構成成分を含む。
【0093】
上記コーティング層は、種々様々な方法、例えば、スプレーコーティング、フォームコーティング、キスコーティングなど、で複合シート材料に施与されうる。
【0094】
水性分散液又はエマルジョンの場合、上記コーティング層は、液体として施与され、次いでこれは、硬化され乾燥されて、複合シートに接着された固体コーティングを形成しうる。任意の乾燥及び硬化工程後に複合シートに添加されるコーティング層の量は、典型的には、複合シートの総重量に基づいて、約1~5重量パーセント、特には約1.5~3重量パーセント、より特には約1.75~2.25重量パーセント、である。
【0095】
複合シートの調製プロセス
図4Aを参照すると、複合シート材料を調製する為のシステム及び関連するプロセスが示され、参照番号26で表されている。システム26は、流体捕捉層12としての使用の為の布の供給源を含む。例示される実施態様において、該供給源は、巻かれる場合、流体捕捉層が先に形成されているスプール28として示される。しかしながら、該システムは、システム26の残りに関して連続ラインで流体捕捉層の不織布を調製する為の布形成デバイス、例えばカード又はスピニングビーム、を含みうることが認識されるべきである。
【0096】
示されるように、流体捕捉層12の不織布は、スプール28から取り外され、回収面29、例えば無端ベルト、に堆積される。次いで、流体捕捉層は、一続きのエアレイド布形成ヘッド(30a、30b、30c)に移される。各形成ヘッドで、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維の流れが均質に混合されて、混合ステープル繊維流が形成する。次いで、各形成ヘッドは、ステープル繊維の該混合流を流体捕捉層12の表面上に堆積させる。吸引機31a、31b、31cが、該回収面の下側且つ該形成ヘッドの各々の下に位置決めされて、流体捕捉層12上への繊維の該混合流の堆積を補助する。システムは、任意的に、各形成ヘッドに続いて配置された1組以上の圧縮ローラー32a、32bを含みうる。存在する場合、圧縮ローラー32a、32bは加熱されうる。例えば、圧縮ローラー32a、32bは、約90~110℃の範囲の温度に加熱されうる。
【0097】
3つのエアレイド形成ヘッドが示されているが、上記システムは、流体捕捉層12上に堆積されるエアレイド層の所望の数に応じて任意の数の形成ヘッドを含みうることが理解されるべきである。例えば、エアレイド形成ヘッドの数は、1~10、例えば、2~8、3~6及び4~5、の範囲でありうる。上記システムの動作の間、形成ヘッドのうち1以上が使用されないことがあることもまた認識されるべきである。
【0098】
図4Bを参照すると、本発明のある特定の実施態様で使用されうる形成ヘッドが例示されている。見て分かる通り、形成ヘッド30aは、該形成ヘッド内で乱流を作る複数の撹拌器35を含む。該乱流は、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維の混合及び均質混合物の形成を引き起こす。該形成ヘッドはまた、該ステープル繊維の該形成ヘッドからの出力を制限/制御し、それによって均一に分布したエアレイド層を形成するのを助けるスクリーン33を含む。
【0099】
図4Aに戻ると、こうしてエアレイド層が堆積された複合シート材料は、第1の加熱オーブン36aに移される。該第1の加熱オーブンは、典型的には、該エアレイド層の非セルロース繊維が軟化し溶融するのに十分な温度で維持される。この溶融は、ポリマーの流動、及び隣接繊維への融合を引き起こして、
一体化された複合シートが生じる。例えば、非セルロースステープル繊維がポリエチレンシースを有する二成分繊維を含む実施態様において、該複合シート材料は、シースの融点よりも高いがコアの融点よりも低い温度に加熱されうる。ポリエチレンでは、オーブンの温度は、典型的には約120~150℃である。
【0100】
幾つかの実施態様において、上記システムは、該複合シートの表面にエンポスパターンを付与する為に使用されうる1以上のエンボスロール34を含みうる。幾つかの実施態様において、上記システムはまた、該複合シートの厚さを調節する及び/又は内層が隣接層間に接合するのを補助する為の1組の較正ロール38を含みうる。較正ロール38は、ロール間隙を画定又は隙間を付けられうる。幾つかの実施態様において、該較正ロールは加熱され、他の実施態様において、該較正ロールは加熱されない。
【0101】
該第1の加熱オーブン中でのこの初期熱接合の前に、該複合シートは、施与ステーション35に移され、この時点でコーティング層が、最外側エアレイド層の表面に施与されうる。このコーティング層は、慣用的な技術、例えばスプレーコーティング、キスロール施与など、を含む当技術分野で公知であるものを使用して施与されうる。好ましい実施態様において、水性ラテックス分散液のコーティングが、複合ウェブの表面に施与される。幾つかの実施態様において、第2の施与コーティング層が、施与ステーション37を介して該コーティングの反対側に施与されうる。
【0102】
該複合シートの表面への該任意選択の第2のコーティング層又は任意の他の材料の施与に続き、該複合シートは、先に施与されたコーティング層を乾燥し硬化する温度で維持された第2の加熱オーブン36bに移される。任意的に、該複合シート材料は、第3のオーブン36cでさらに加熱されうる。
【0103】
次いで、該接合され乾燥された複合シート材料は、ロール39に巻かれうる。幾つかの実施態様において、該複合シートは、縦方向に連続して切断されて、別々のロールに各々巻かれる複数の個々の複合シートが形成しうる。
【0104】
幾つかの実施態様において、上記複合シートのエアレイド構成要素上にパターンをエンボス加工することが所望されうる。例えば、
図4Aに示されるエンボスロール34が使用される。この点について、
図5は、複合シート10の表面22が、最外側エアレイド層の表面に画定された複数の
交互の凹凸 R及びチャネル/溝Cを有する本発明の実施態様を示している。吸収性物品の構成において、流体捕捉層は、典型的には、トップシートに向かって配置され、一方エアレイド構成要素は、吸収性コアに向かって配置される。複合シート材料に進入する流体は、該流体捕捉層を通り、エアレイド層に分布する。流体は吸収性コアに向かって移動する為、複数の嶺及びチャネルは、流体がさらに分布するのを助けて、流体はより該エアレイド層全体を通して、従って、該吸収性コア全体を通してより均一に分布しうる。
【0105】
複数の交互の凹凸及びチャネルのパターンは典型的には、複合シート材料の縦方向に延在するが、他の配向、例えば、斜め、又は横方向において、又は非直線形、例えば、蛇行、及び/又は非連続構成において、が可能である。
【0106】
上記パターンは、ロールを一周して延在する交互する隆起面及び溝のパターンを有するロールによって生成されうる。幾つかの実施態様において、該ロールは加熱され得、且つ圧力が複合シート材料の表面に加えられ得て、交互する溝及び嶺のパターンの形成を促進するのを助ける。各溝の幅(例えば、隣接する嶺間の距離)は、吸収性物品の目的の用途に応じて変動しうるが、典型的には、約0.2~10mm、特には約1~6mm、より特には約2~3mm、の範囲である。各溝の深さは典型的には、約0.1~5mm、特には約0.3~3mm、である。
【0107】
先に論じられたように、本発明の複合シート材料は特に、吸収性物品におけるAQDL構成要素として有用である。特には、該複合シートは、流体を、流体捕捉層を通して迅速に移動させ、次いで該流体を1以上のエアレイド層を通して横方向に分布させることが可能である。流体のこの移動が、
図6に例示されている。
【0108】
吸収性物品
本発明に従う複合シートは、多種多様な物品、特には多様な吸収性物品、に使用されうる。
【0109】
図7を参照すると、本発明の実施態様に従う吸収性物品(「おむつ」)の実施態様が示されており、且つ参照番号40で広く表示されている。おむつ40は、吸収性コア44がその中に配置されたところのコア領域42を含む。シャーシ領域46は、コア領域42を取り囲み、且つ前面部48、背面部50並びに前面及び背面ウエスト領域52a、52bを含む。前面、背面及びコア領域で構成される該シャーシ領域は、一般に、互いに相対する面に沿って取り付けられてそれらの間に吸収性コアが配置される空洞が画定される液体浸透性トップシート及び液体不浸透性バックシートを含む複合構造を有する。
【0110】
上記のトップシート、バックシート及び吸収性コアの為の好適な材料は一般に、吸収性物品の製造に慣用的に使用される任意の材料を含みうる。
【0111】
図7に示されるように、おむつはまた、本発明の少なくとも1つの実施態様に従う複合シート材料10を含む。複合シート10は、吸収性物品の流体捕捉分布システム90(すなわち、AQDL構成要素)を画定する。上記で論じられたように、複合シート10は、流体の着用者から吸収性コア44への移動を効率的に促進するのを助ける流体分布/捕捉構成要素を画定する。
【0112】
幾つかの実施態様において、おむつの前面及び背面領域はまた、おむつのウエスト領域に配置された1組の耳54を各々含む。(本明細書で使用される場合、語「配置」は、おむつのある要素が、おむつの他の要素との一体化構造として、又はおむつの別の要素に連結された別々の要素として特定の場所又は位置に形成(連結及び位置決め)されることを意味する為に使用される。)耳54は、伸縮性の側部布切れによりおむつの側が伸長及び収縮することが可能になるので、まずおむつを着用者に合わせて着け、このフィット感を、おむつに滲出物が入った時間を十分すぎて着用している時間全体を通して維持することによって、より快適で身体に沿うフィット感をもたらす伸縮性の伸長特徴をもたらす。
【0113】
さらに、耳54は、以下でより詳細に論じられる留め付けシステムによって生じ、維持される張力を強化する着用力(張力)を生じ、維持して、おむつ40を着用者に着けたままにし、ウエストフィット感を強化する。
図7に示されるように、おむつは、背面ウエスト領域52b近傍のおむつシャーシの背面領域50に連結される1組の背面耳56a、56b、及び前面ウエスト領域52a近傍のおむつシャーシの前面領域48に連結される1組の前面耳58a、58bを含む。
【0114】
前面及び背面耳は、当技術分野で公知の任意の接合方法、例えば接着接合、加圧接合、熱接合など、によってシャーシ領域46に連結されうる。他の実施態様において、前面及び/又は背面耳は、前面及び/又は背面耳にわたって延在する層、要素又は基材を有するシャーシ領域46でシャーシ領域に連結される別個の要素を含みうる。例えば、各耳は、シャーシ領域の側端部60から横方向に外に向かって且つこれに沿っておむつ40の縦方向端部62に延在するおむつシャーシ領域の一部を含みうる。一つの実施態様において、耳は、一般に、おむつ40の終端部64から、脚用開口部を形成するおむつ20の縦方向端部62の一部(縦方向端部62のこの部分は脚端部66として表示されている)に縦方向に延在する幾つかの実施態様において、耳は、トップシート又はバックシートに連結された別々の布又はウェブを含みうる。他の実施態様において、各耳は、吸収性コア44の側端部を超えて延在するトップシート及びバックシートの一部によって形成されうる。
【0115】
一つの実施態様において、おむつ40はまた、流体及び他の身体滲出物の改善された閉じ込めをもたらす為の伸縮性レッグカフ70を含みうる。伸縮性の各レッグカフ70は、脚領域における身体滲出物の漏れを低減する為に幾つかの異なる実施態様を含みうる。(レッグカフは、脚帯、側部フラップ、バリアカフ又は伸縮性カフであることができ、これらと呼ばれることもある。)1975年1月14日にBuellに発行された「Contractable Side Portions for a Disposable Diaper」と題される米国特許第3,860,003号明細書は、伸縮性のレッグカフ(ガスケットカフ)を提供する為の側部フラップ及び1以上の伸縮性部を有する収縮性の脚用開口部を提供する使い捨ておむつを記載している。1990年3月20日にAziz及びBlaneyに発行された「Disposable Absorbent Article Having Elasticized Flaps」と題される米国特許第4,909,803号明細書は、脚領域の閉じ込めを改善する為の「自立型」伸縮性のフラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつを記載している。1987年9月22日にLawsonに発行された「Absorbent Article Having Dual Cuffs」と題される米国特許第4,695,278号明細書は、ガスケットカフ及びバリアカフを含む2重カフを有する使い捨ておむつを記載している。1987年11月3日にBuellに発行された「Disposable Waist Containment Garment」と題される米国特許第4,704,115号明細書は、衣類内に自由液体を含有するように構成された側端部漏れ防止用ガターを有する使い捨ておむつ又は失禁用衣類を開示している。これらの特許の各々は、参照により本明細書内に取り込まれる。「Garment Having Elastomeric Laminate」と題される米国特許第6,476,289号明細書は、本発明の実施態様においても使用されうる様々な伸縮性レッグカフ構成を記載している。
【0116】
好ましい実施態様において、レッグカフは、該レッグカフ構造に組み込まれた複数の伸縮性ストランドを含むSMS構造を有する布層を含みうる。好ましくは、該レッグカフは、液体バリア特性を有する材料を含む。
【0117】
該レッグカフの形成に使用する為の布の一例は、第1のポリマー成分シース及び第2のポリマー成分コアを有する二成分繊維を含むスパンボンド不織層を有するSMS布を含む。該シース及びコアの為の材料の例は、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン、ポリエステル、PLA系ポリマーなどを含む。一つの実施態様において、二成分繊維は、ポリプロピレンシース及びPLAコアを含む。この実施態様に使用する為のポリプロピレン材料の例、例えば、La Port、TX 77571、USAのTotal Petrochemicals and Refining USA, Inc.によってGrade M 3766(メタロセンポリプロピレン)及び3764又は3866(Zeigler Nattaポリプロピレン)として提供されるものは、20~40g/10分のメルトフローレート(MFR)(ASTM D1238に従って測定(190℃/2.16kg))を有しうる。PLAコアとして使用するのに好適な材料は、2%D異性体を含むGrade 6202としてNature Works PLAから入手可能である。メルトブローン層は、1,300g/10分のMFR(ASTM D1238に従って測定(190℃/2.16kg))を有するポリプロピレン、例えば、La Port、TX、77571、USAのTotal Petrochemicals and Refining USA, Inc.によってGrade 3962として提供されるものを含みうる。
【0118】
第2の例において、レッグカフは、PLAシース及びPLAコアを有する二成分繊維を含むスパンボンド不織層並びにPLA繊維を含むメルトブローン層を有するSMS布を含みうる。該シースとして使用するのに好適なPLA材料の例は、4%D異性体を含むPLA Grade 6752であり、該コアとして使用するのに好適なPLA材料の例は、2%D異性体を有するPLA Grade 6202であり、その両方がNatureWorksから入手可能である。PLAメルトブローン繊維に好適な材料は、PLA Grade 6252であり、これもまたNatureWorksから入手可能である。
【0119】
第3の実施態様において、SMSレッグカフは、スパンボンド不織層がポリプロピレンシース及びPLAコアを有する二成分布を含むSMS構造を有する布を含みうる。該シース及びコアに好適な材料の例は、上記されている。メルトブローン層は、国際公開第PCT/US2015/012658号で教示されるプロセスを使用するPP/PLAで構成されたスパンボンド二成分繊維から再生利用されたPLA及びポリプロピレンのブレンドを含むメルトブローン繊維を含みうる。
【0120】
第4の実施態様において、上記レッグカフは、スパンボンド不織層がPLAシース及びPLAコアを有する二成分布を含むSMS構造を有する布を含みうる。該シース及びコアに好適な材料の例は、上記されている。上記で論じされた第3の実施態様における通り、メルトブローン層は、国際公開第PCT/US2015/012658号で教示されるプロセスを使用するPP/PLAで構成されたスパンボンド二成分繊維から再生利用されたPLA及びポリプロピレンのブレンドを含むメルトブローン繊維を含みうる。
【0121】
好ましくは、上記レッグカフを形成する為のスパンボンド布は、およそ30/70~70/30のシース/コア比を有する。一つの実施態様において、SMS布の秤量は、約8g/m2~15g/m2である。好ましくは、メルトブローン含有率は、SMS布の総重量に基づいて約10~30重量%を含む。幾つかの実施態様において、レッグカフの形成に使用する為のSMS布は、INDA試験法WSP 80.6に従って測定した場合、約50mmよりも大きい水頭値を有する。
【0122】
幾つかの実施態様において、おむつ40はまた、ウエスト領域52の1以上及び伸縮性カフの周囲に配置された伸縮性要素を含みうる。例えば、おむつはまた、改善されたフィット性及び閉じ込めをもたらすのを助ける少なくとも1つの伸縮性ウエスト特徴(図示せず)を含みうる。該伸縮性ウエスト特徴は、一般に、伸縮性に伸長及び収縮して着用者のウエストに動的に合うように意図される。該伸縮性ウエスト特徴は、好ましくは、吸収性コアの少なくとも1つのウエスト端部から少なくとも縦方向に外側に向かって延び、一般に、吸収性物品の終端部の少なくとも一部を形成する。使い捨ておむつは、1つは前面ウエスト領域に位置決めされ、1つは背面ウエスト領域に位置決めされた2つの伸縮性ウエスト特徴を有するように構成されることができる。伸縮性ウエスト特徴は、米国特許第4,515,595号明細書、米国特許第4,710,189号明細書、米国特許第5,151,092号明細書及び米国特許第5,221,274号明細書に記載されるものを含む幾つかの異なる構成で構成されうる。
【0123】
幾つかの実施態様において、伸縮性特徴は、おむつのトップシートとバックシートとの間に収縮性に取り付けられた伸縮性ストランド又は糸を含む伸縮性要素を含みうる。そのようなストランド又は糸は、バイオベース材料、例えば天然ゴム、で構成されることができる。上記のように、天然ゴムストランドは、不織、例えばトップシート及び/又はバックシート、によって被覆されて、伸縮性成分が、着用者の皮膚と直接接触しないことが確実になる。
【0124】
吸収性物品は、留め付けシステムを含みうる。該留め付けシステムは、吸収性物品の周囲に横方向張力をもたらして、テープ式おむつに関して典型的であるように、吸収性物品を着用者に固定する為に使用されることができる。この留め付けシステムは、はくスタイルの吸収性物品のウエスト領域は既に接合されていること為、これらの物品、例えばトレーニングパンツ又は成人失禁用吸収性物品、には必要ではない。
【0125】
上記留め付けシステムは、通常、留め具、例えば、テープタブ、ホック及びループ留め付け構成要素、咬合式留め具、例えば、タブ及びスロット、バックル、ボタン、スナップ及び/又はオスメス式留め付け構成要素、を含むが、任意の他の公知の留め付け手段が一般に許容可能である。ランディングゾーンは、通常、該留め具が取り外し可能に取り付けられるように前面ウエスト領域に備えられる。留め付けられると、該留め付けシステムは、前面ウエスト領域52aと背面ウエスト領域52bとを咬合させる。留め付けられると、おむつ44は、ウエストを囲む開口部及び脚を囲む2つの開口部を含む。
【0126】
上記留め付けシステムは、係合部80及び受け部82(ランディングゾーンとも呼ばれる)を含みうる。係合部80は、ホック、ループ、接着剤、粘着剤、タブ又は他の留め付け機構を含みうる。受け部82は、係合部80を受けることができるホック、ループ、スロット、接着剤、粘着剤又は他の留め付け機構を含みうる。好適な係合部80と受け部82の組み合わせは、当技術分野で周知であり、ホック/ループ、ホック/ホック、接着部/高分子フィルム、粘着剤/粘着剤、接着剤/接着剤、タブ/スロット及びボタン/ボタン穴を含むがこれらに限定されない。好適には、留め付けシステムは、バイオベース材料由来のポリマーを含みうる。
【0127】
この点について、
図7は、上記係合部が、おむつ40の背面耳56a、56bに連結された1組のタブ80、並びに前面84に配置された関連するランディングゾーン82を含む留め付けシステムをさらに示している。幾つかの実施態様において、タブは、該タブをランディングゾーンに接着して取り付ける為の感圧接着剤を含みうる。
【0128】
一部の例示的な面留め付けシステムは、Buellに発行された米国特許第3,848,594号明細書、米国特許第4,662,875号明細書、米国特許第4,846,815号明細書、米国特許第4,894,060号明細書、米国特許第4,946,527号明細書、米国特許第5,151,092号明細書及び米国特許第5,221,274号明細書に開示されている。例示的な咬合留め付けステムは、米国特許第6,432,098号明細書に開示されている。留め付けシステムはまた、Robertsonらに発行された米国特許第4,963,140号明細書に開示されているように、物品を使い捨て構成に保持する手段を提供しうる。
【0129】
上記留め付けシステムはまた、米国特許第5,242,436号明細書、米国特許第5,499,978号明細書、米国特許第5,507,736号明細書及び米国特許第5,591,152号明細書に開示されているように、重なり部分のずれを低減する又はフィット感を改善する為の米国特許第4,699,622号明細書に開示される通りの一次及び二次留め付けシステムを含みうる。
【0130】
好ましい実施態様において、上記留め付けシステムは、米国特許第9,084,701号明細書に記載されているように、ホック及びループを用いることができる。好ましい実施態様において、ホック及びループ留め付けシステムは、繊維質材料で作製された女性用留め付け材料及び繊維質材料用に構成されたホックを有する男性用留め付け材料を含む。
【0131】
一つの実施態様において、女性用ループ材料は、バイオベース材料、例えばPLAを有するスパンボンド二成分繊維、とサトウキビ由来のポリエチレンポリマーを含むシースとを有する接合された二成分繊維を含む。そのような材料の例は、上記されている。コアに好適なPLAポリマーの例は、PLA Grade 6202としてNatureWorksから入手可能である。
【0132】
50%バイオベース材料含有率をもたらす女性用ループ構成要素として使用する為の第2の繊維は、石油系ポリプロピレンポリマーのシース及び製品名PLA Grade 6202でNatureWorksから得られたPLAコアを含む。この実施態様に使用する為の好ましいポリプロピレン、例えば、La Port、TX 77571、USAのTotal Petrochemicals and Refining USA,Inc.によって提供されるGrade M3766(メタロセンポリプロピレン)及び3764又は3866(Zeigler Nattaポリプロピレン)は、典型的には20~40g/10分のメルトフローレート(MFR)(ASTM D1238に従って測定(190℃/2.16kg))を有しうる。
【0133】
50%バイオベース材料含有率をもたらす女性用ループ材料を構成する為の繊維のさらなる例は、上記コアがリグニン系ポリマー及び石油系ポリエチレンを含むシースを含むスパンボンド二成分繊維を含む。そのような繊維は、欧州特許第2,630,285号明細書の実施例4、5、6、7、8及び9、並びに米国特許出願公開第2014/0087618号明細書に開示されている通りである。
【0134】
これらの実施例における石油系ポリエチレンシースの、いずれのポリマーも上で開示されるBraskem S.A.から入手可能なサトウキビ由来ポリエチレン又はNatureWorksから入手可能なトウモロコシ由来のPLAのいずれかで構成されるシースによる置き換えは、最大100%のバイオベース材料含有率を有する繊維をもたらすと考えられる。
【0135】
女性用ループ材料の構成の為に使用されることができる繊維のさらなる例は、(PLA)のコア及びPLAを含むシースを有する二成分繊維である。例えば、一つの実施態様において、該コアは、該シースに使用されるPLAポリマーの%D異性体よりも低い%D異性体のポリ乳酸を有するPLAを含みうる。より低い%D異性体のPLAポリマーは、紡績の間に、より高度の応力誘導結晶化を示す一方、より高いD%異性体のPLAポリマーは、紡績の間に、より非晶質状態を維持する。より非晶質のシースは接合を促進する一方、より高度の結晶化を示すコアは繊維及び従って最終接合ウェブに直線性をもたらす。
【0136】
特定の一つの実施態様において、4%D異性体を含むNature Works PLA Grade PLA 6752がシースとして使用されることができる一方、2%D異性体を含むNatureWorks Grade 6202がコアとして使用されることができる。
【0137】
少なくとも50%のバイオベース材料含有率をもたらす女性用ループ材料に使用する為の繊維のさらなる例は、綿繊維及び石油系ポリマー、例えばポリプロピレン、の50/50ブレンドを含みうる。そのような布を形成するのに有用なポリプロピレンステープル繊維の例は、Grade T-198としてFibervisions Corporationから入手可能である。そのような不織布を形成するのに使用する為の綿繊維の例は、TJ Beall Companyから入手可能な製品名TRUECOTTON(登録商標)で販売されている繊維、及びBarnhardt Manufacturing Companyから入手可能な製品名HIGH-Q ULTRA(登録商標)で販売されている繊維を含む。
【0138】
好ましい実施態様のこの留め付けシステムに使用される男性用ホックはまた、大量の持続可能含有率で構成される。ホックを含む男性用留め付け材料は、キャスティング、成型、プロファイル押出又は微細複製によって作製されることができ、ここで使用されるポリマーは、トウモロコシ由来のPLA、例えばNatureWorksから入手可能なもの、である。NatureWorksは、Grade 3001D、3052D、3100HP及び3251Dを含む、そのようなホックを作製する為に使用されることができる射出成形用グレードの選択肢を提供している。
【0139】
図8を参照すると、本発明の実施態様に従う吸収性物品のさらなる実施態様が例示されており、ここでは、該吸収性物品は、参照番号100で広く表示される女性用衛生用パッドの形態である。
【0140】
パッド100は、トップシート102、バックシート104及びそれらの間に配置された吸収性コア106を含みうる。好ましくは、トップシート102及びバックシート104は、相対する外側端部に沿って互いに連結されて、パッド100の周辺部110に延在する連続継目108を画定する。連続継目108は、該トップシート及びバックシートの互いの熱接合から形成されたヒートシールを含みうる。他の実施態様において、連続継目108は、該トップシート及びバックシートを互いに接着接合することによって形成される。
【0141】
上記のトップシート、バックシート及び吸収性コアの為の好適な材料は、吸収性物品の構成に典型的に使用される材料を含みうる。
【0142】
示されるように、パッド100は、流体AQDL構成要素112を画定する複合シート10を含む。該AQDL構成要素は、吸収性コア106とトップシート102との間に配置される。上記で論じられたように、流体分布/捕捉構成要素を画定する複合シートは、けば立たせられた不織を含む流体捕捉層と、セルロースステープル繊維及び非セルロース繊維のブレンドを含む少なくとも1つのエアレイド層とを含み、該繊維の該層は互いに熱接合されている。
【0143】
吸収性物品の様々な構成要素は典型的には、熱又は接着接合を介して連結される。好適な接着剤の例は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はエチレン酢酸ビニル系溶融接着剤を含む。幾つかの実施態様において、該接着剤は、バイオベース接着剤を含みうる。バイオベース接着剤の例は、製品コード92721でDanimer Scientificから入手可能な感圧接着剤である。
【0144】
なお別の観点では、本発明のある特定の実施態様は、吸収性物品を提供する。ある特定の実施態様によると、該吸収性物品は、本発明に従う複合シートを含みうる。
【0145】
この点について、本発明の実施態様に従って調製された複合シートは、多様な物品及び用途に使用されうる。例えば、本発明の実施態様は、パーソナルケア用途、例えばベビーケア(おむつ、おしり拭き)、女性のケア(パッド、サニタリータオル、タンポン)、成人ケア(失禁用製品)、又は化粧品用途(パッド)、の為の製品に使用されうる。
【実施例】
【0146】
以下の実施例は、本発明の1以上の実施態様を例示する為に提供され、本発明を制限するものとして解釈されるべきでない。
【0147】
他に定義されない限り、下記の実施態様で使用される技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。以下の実施態様で使用される試験試薬は、他に指定されない限り慣用的な試薬であり、上記実験方法は、他に指定されない限り慣用的な方法である。
【0148】
試験方法
厚さは、デジタル厚さ測定器を使用して、EDANA 30.5-99に従って決定された。この試験に従うと、材料の試料は、圧力下(0.5kPa)で2つのプレート間に位置決めされ、及び、該2つのプレート間の距離は単位「mm」で報告される。
【0149】
異なる製品要件に従って、試料の取り出し及び切断を行い、試験される試料の端部から機器の上側端部までのサイズは5mm未満となるべきではなく、該試料は、一定温度及び湿度条件(23±2℃、相対湿度:50%±5%)下で少なくとも4時間適合されるべきである。該試料の適合が行われない場合、比較参照の為にのみ、測定を実施する間のその時の温度及び湿度が記録されるべきである。
【0150】
圧縮及び弾性:
4時間の適合を行わずエージングされた生成物から試料を取った後、第1の試験を30分以内に完了し、厚さをT1とし、該試料を4時間維持した後、再度厚さを測定し、該厚さ値をT2とし、反発弾性は、(T2-T1/T1)のパーセンテージで表される。
【0151】
材料の同じ領域を連続測定することによって異なる圧力下での厚さを試験して、「ヒト」の接触/圧迫プロセスをシミュレーションする。
0.5kPa下、ノギスによる測定:T1
2.1kPa下、ノギスによる測定:T2
0.5kPa下、ノギスによる測定:T3
%圧縮=(T2-T1)/T2×100%
%弾性=(T3-T2)/T2×100%
【0152】
秤量
秤量は、EDANA 40.3-90に従って測定された。
【0153】
質量決定:単位面積の質量が、試料(グラム重量)の質量決定、単位g/m2である。
【0154】
試験機:電子秤(精度0.001グラム)、スクリーンが秤の周りに設置されて、気流及び他の干渉因子が該秤に影響を与えるのを防ぐ。
【0155】
試料は、一定温度及び湿度条件(23±2℃、相対湿度:50%±5%)下で少なくとも4時間かけて平衡化する必要がある。オンラインリアルタイム試験で平衡化が行われない場合、比較参照の為にのみ、測定を実施する間のその時の温度及び湿度が記録されるべきである。
【0156】
秤の読み取り値が安定した後、試験される試料を該秤に載せ、重量を単位グラムで記録する。
【0157】
質量決定(GSM)==A/B
式中、GSM:試料の質量測定値、
A:試料の重量、
B:試料の面積。
【0158】
引張強度及び破断伸びは、EDANA 20.2-89に従って測定された。
【0159】
引張強度:特定のサイズの試料を破断するまで一定速度で引っ張るのに必要とされる張力。試料が破断するまで引っ張られたときの長さ対該試料の元の長さのパーセンテージが、単位「%」の破断伸びである。
【0160】
試験機:Zwick 2.5強度試験機
【0161】
試料を200mm×25.4mmのサイズに切断し、該試料は、一定温度及び湿度条件(23±2℃、相対湿度:50%±5%)下で少なくとも4時間かけて適合させる必要がある。オンラインリアルタイム試験で適合が行われない場合、比較参照の為にのみ、測定を実施する間のその時の温度及び湿度が記録されるべきである。
【0162】
試験手順を下記の試験パラメーターに従って設定する:
最大試験限度:100N、
試験速度:254mm/分、
クランプ距離:51mm、
クランプ圧力:5bar。
【0163】
流体浸透速度は、EDANA 150.5-02に従って測定された。
【0164】
液体浸透速度:回路伝導によって、0.9%塩化ナトリウム溶液5mlが試料に浸透するときの液体の遷移時間を秒単位で記録する。
【0165】
試験機:Lister液体浸透装置。
【0166】
液体吸収は、EDANA 10.4-02に従って測定された。
【0167】
液体吸収能:試料を10分間の継続時間にわたって液体に浸した後の、総重量の増加パーセンテージが該試料の吸収能である。
【0168】
液体吸収能:試料を10分間の継続時間にわたって液体に浸した後の、総重量の増加が該試料の吸収能である。(g/g)
【0169】
保持:試料を10分間の継続時間にわたって液体に浸し、それを2分間、容器中で維持し、次いで、該試料に1976gの重りを慎重に載せた後の、重量増加が該試料の水保持能である。(g/g)
【0170】
再湿潤(g)
試験される試料を吸収コア(試験の間、150gsmのSAPコア(18%SAP)が施与される)に載せる。φ60mmシリンダーを、試験される該試料の中心位置に載せ、ブライン15mlを取り、それを該シリンダーに入れ、同時に時間計測を開始し、5分後、既知重量の多層フィルター紙を試料表面に載せ(フィルター紙の最上層がいかなる液体を吸収しなくなるまで)、同時に1.2kgの標準圧縮ブロックを該フィルター紙に載せ、再度時間計測を開始し、1分の継続時間後、該標準圧縮ブロックを取り除き、該試料表面上のフィルター紙の質量を、秤によって秤量し、その増加重量が逆浸透値である。該値が小さいほど、良好な再湿潤性能が予期される。
【0171】
流体保持能は下記の手順を使用して測定された。材料の試料を10分間の持続時間にわたって液体に浸され、次いで2分間容器中で維持された。次いで、1976gの重りが該試料に載せられた。重量増加のパーセンテージが、該試料の水分保持能である。
【0172】
流体捕捉は、EDANA 150.5-02に従って測定された。
【0173】
捕捉:回路伝導によって、0.9%塩化ナトリウム溶液5mlが試料に浸透するときの液体の遷移時間を秒単位で記録する。
【0174】
試験機:Lister液体浸透装置
【0175】
逆浸透防止性能は、参照標準:EDNA 150.5-02、ERT 154.0-02に従って測定された。
【0176】
試験される試料を取り、φ60mmシリンダーを、試験される該試料の中心位置に載せ、ブライン15mlを取り、それを該シリンダーに入れ、同時に時間計測を開始し、5分後、既知重量の多層フィルター紙を試料表面に載せ(フィルター紙の最上層がいかなる液体を吸収しなくなるまで)、同時に1.2kgの基準圧縮ブロックを該フィルター紙に載せ、再度時間計測を開始し、1分の継続時間後、該標準圧縮ブロックを取り除き、該試料表面上のフィルター紙の質量を、秤によって秤量し、その増加重量が逆浸透値である。該値が小さいほど、逆浸透防止性能は良好である。
【0177】
液体の吸引範囲は、参照標準EDANA 10.4-02により測定された。
【0178】
液体吸引範囲:鉛直に吊るされた試料の一端が5分間流体に浸された後、該流体が該試料に沿って上昇した高さが該試料の吸引範囲である。
【0179】
試料サイズ:試料サイズは、30mm×200mmである。
【0180】
試料は、一定温度及び湿度条件(23±2℃、相対湿度:50%±5%)下で少なくとも4時間かけて平衡化する必要がある。
【0181】
試験スタンドをプラスチック容器に入れ、2つの物差しを該スタンドに垂直に固定し、0.9%NaCl溶液又は蒸留水(利用者の要求時)を添加し、液体レベルを2つの物差しの目盛りが15mmになるように調節する。適量の青色着色剤を該溶液に添加及び混合して、読み取りを容易にする。該物差しを液体レベルから出して回転させ、表面の水をきれいに拭き取り、魚尾クリップを使用することによって、十分調製された試料を該物差しに固定し、該物差しの下端をゼロ点に注意してそろえる。該物差しを液体レベルから出して回転させ、同時に時間計測を開始する。液体中に延在する該物差しの一端をわずかに後ろに傾けて、該物差しと該試料間にあるある特定のギャップを生じさせる。同時に、5分後にタイマーを鳴らし、2つの物差しを液体レベルから出して回転させ、目盛りを読み取り(該試料に沿って上昇した液体の高さを観察し、ピーク点の値を読み取り、該試料端部で個々の値が高すぎる場合、それを回し、他のピーク点での値を読み取る)。試験結果は、実際の値から15mmが引かれたものであり、これが液体吸引範囲の値である。
【0182】
ウィッキング率は、参照標準:EDANA 10.4-02に従って測定された。
【0183】
鉛直に吊るされた試料の一端が5分間液体に浸された後、該液体が該試料に沿って上昇した高さが該試料の吸引範囲である。
【0184】
試料サイズ:試料サイズは、30mm×200mmである。
【0185】
試料は、一定温度及び湿度条件(23±2℃、相対湿度:50%±5%)下で少なくとも4時間かけて平衡化する必要がある。
【0186】
試験スタンドをプラスチック容器に入れ、2つの物差しを該スタンドに垂直に固定し、0.9%NaCl溶液又は蒸留水(利用者の要求時)を添加し、液体レベルを2つの物差しの目盛りが15mmになるように調節する。適量の青色着色剤を該溶液に添加及び混合して、読み取りを容易にする。該物差しを液体レベルから出して回転させ、表面の水をきれいに拭き取り、魚尾クリップを使用することによって、十分調製された試料を該物差しに固定し、該物差しの下端をゼロ点に注意してそろえる。該物差しを液体レベルから出して回転させ、同時に時間計測を開始する。液体中に延在する該物差しの一端をわずかに後ろに傾けて、該物差しと該試料との間にあるギャップを生じさせる。同時に、5分後にタイマーを鳴らし、2つの物差しを液体レベルから出して回転させ、目盛りを読み取り(該試料に沿って上昇した液体の高さを観察し、ピーク点の値を読み取り、該試料端部で個々の値が高すぎる場合、それを回し、他のピーク点での値を読み取る)。試験結果は、ウィッキング率を得る為に実際の値から15mmが引かれたものである。
【0187】
複合シートに使用される材料及び比較不織布が、以下で特定される。全てのパーセンテージは、他に示されない限り、重量パーセントである。全ての物理特性及び組成の値は、他に示されない限り近似値である。
【0188】
「パルプ-1」は、製品名NB416でWeyerhaeuserから入手可能な処理されていないパルプステープル繊維を云う。
【0189】
「パルプ-2」は、製品名NB405でWeyerhaeuserから入手可能な処理されたパルプステープル繊維を云う。
【0190】
「PE/PET-1」は、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアと、2.2dtexの細さ、並びに3mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維を指し、これは、製品名EZBON A(UN-204)でToray Chemical Korea Inc.から入手可能である。
【0191】
「PE/PET-2」は、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアとを有し、4.3dtexの細さ及び40mmの平均長さを有する偏芯二成分ステープル繊維を指し、これは、製品名TS47でIndoramaPolyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。
【0192】
「PE/PET-3」は、製品表示名T255ステープル繊維でTreviraから入手可能な、ポリエチレンシースとポリエチレンテレフタレートのコアとを有し、4.3dtexの細さ及び3mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維を云う。
【0193】
「PE/PP-1」は、ポリエチレンシースとポリプロピレンのコアと、4.0のデニール、並びに40mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維を指し、これは、製品名Y116でYangzhou Petrochemical Co. Ltd.から入手可能である。
【0194】
「PE/PP-2」は、ポリエチレンシースとポリプロピレンのコアと、6.0のデニール並びに51mmの平均長さを有する二成分ステープル繊維を指し、これは、製品表示名JNGX-PZ11-6*51LでJiangNan High Polymer Fiberから入手可能である。
【0195】
「PET-1」は、9.0のデニール及び51mmの平均長さを有するポリエチレンテレフタレートステープル繊維を指し、これは、製品表示名INR-207Z-TG21/TG31でIndoramaPolyester Industries Public Company Limitedから入手可能である。
【0196】
「ラテックス」は、モノマーである酢酸ビニル及びエチレンから生成された水性ポリマー分散液を指し、これは、製品名VINNAPAS(登録商標)192でWackerから入手可能である。該ラテックス配合物は、51~53%の範囲の固体構成成分を有する。
【0197】
以下に示される本発明の実施例1~4では、本発明の実施態様に従う複合シートが、通気により接合された(ATB)けば立たせられた布層に重ねて2~3のエアレイド布層を堆積することによって調製された。本発明の実施例1~4で使用されるけば立たせられたATB布は、下記の通りである。
【0198】
「ATB-1」は、繊維の30重量%がPE/PP-1繊維を含み、70重量%がPE/PET-2繊維を含むステープル繊維の混合物を含むけば立たせられた布を云う。該けば立たせられた布は、30g/m2の秤量を有した。
【0199】
「ATB-2」は、繊維の20重量%がPE/PP-1繊維を含み、80重量%がPE/PET-2繊維を含むステープル繊維の混合物を含むけば立たせられた布を云う。該けば立たせられた布は、35g/m2の秤量を有した。
【0200】
「ATB-3」は、繊維の20重量%がPE/PET-1繊維を含み、80重量%がPE/PP-2繊維を含むステープル繊維の混合物を含むけば立たせられた布を云う。該けば立たせられた布は、55g/m2の秤量を有した。
【0201】
本発明の実施例
他に示されない限り、本発明の実施例は、下記の手順に従って調製された。第1の工程では、通気により接合されたけば立たせられた不織布(ATB布)で構成される、先に調製された布が、スプールから巻き外され、連続メッシュベルト上に移された。このATB布は、複合シートの流体捕捉層、従って、流体分布構成要素を規定する。次いで、該ATB布は、該ATB布上にセルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維の混合物を堆積させて複合シートのエアレイド構成要素を形成するエアレイド形成ヘッドに移される。下記の実施例において、2~3つのエアレイド層が、該ATB布に重ねて堆積された。該エアレイド布層は、M&J Companyから入手可能なエアレイド装置を用い、水平スクリーン型形成技術により形成された。
【0202】
該エアレイド層の該セルロース及び非セルロース繊維は、気流及び各形成ヘッド内で乱流を作る複数のブレードを使用して均質に混合された。吸引機が、ベルトの下に位置決めされて、該ATB布層の表面上にステープル繊維を回収するのを補助する。第1のエアレイド層が堆積された後、プレストレスローラーが、任意的に第1及び第2の形成ヘッド間に位置決めされた。次いで、該複合シートは、第2のエアレイド形成領域に移され、第2のエアレイド布層が、該先に堆積されたエアレイド層に重ねて堆積される。このプロセスが、所望量のエアレイド層が該複合シート上に堆積されるまで繰り返される。次いで、得られた複合シートは、80~100℃の温度に加熱された加熱ローラーを用いて安定化されうる。次いで、該複合シートは、約120~150℃の温度で維持された第1の加熱オーブンに移され、これを通過した。該第1のオーブンの温度は、エアレイド層及び流体捕捉層(例えば、ATB層)の両方の非セルロース繊維が軟化し溶融するように選択されて、繊維は一緒に溶融し流動して一体化された複合シートを形成した。
【0203】
該オーブンを通過する前に、該複合シートは、コーティングステーションに移され、この時点で、ラテックス配合物で構成されたコーティング層が、最外側エアレイドの表面上に堆積されて、コーティング層が形成した。次いで、該複合シートは該オーブン中で加熱されて、該ラテックスコーティングが乾燥及び硬化した。該オーブンは、約120~150℃の温度で維持された。任意的に、該複合シート材料は、第3のオーブンでさらに乾燥されうる。
【0204】
本発明の実施例1
本発明の実施例1は、2つのエアレイド層を先に調製されたATB-1の布上に堆積することによって調製された。該2つのエアレイド層は、パルプ1繊維及びPE/PET-1繊維の均質な繊維混合物を含んだ。該2つのエアレイド層の堆積に続き、ラテックス配合物のコーティングが、最外側エアレイド層の表面に施与された。次いで、複合シート材料は、一続きのオーブンを逐次に通過して、繊維が互いに接合し、該ラテックス配合物が乾燥及び硬化した。ラテックス層の施与乾燥重量は、本発明の実施例1の総重量に基づいて2重量パーセントであった。得られた複合シートは、70g/m2の秤量を有した。
【0205】
本発明の実施例1の複合シートは、下記の表1に示される通りの構造を有した。
【0206】
【0207】
本発明の実施例2
本発明の実施例2は、2つのエアレイド層を先に調製されたATB-2の布上に堆積することによって調製された。該2つのエアレイド層は、パルプ1繊維及びPE/PET-1繊維の均質な繊維混合物を含んだ。該2つのエアレイド層の堆積に続き、ラテックス配合物のコーティングが、最外側エアレイド層の表面に施与された。次いで、複合シート材料は、一続きのオーブンを逐次に通過して、繊維が互いに接合し、該ラテックス配合物が乾燥及び硬化した。ラテックス層の施与乾燥重量は、本発明の実施例2の総重量に基づいて2重量パーセントであった。得られた複合シートは、75g/m2の秤量を有した。
【0208】
本発明の実施例1の複合シートは、下記の表2に示される通りの構造を有した。
【0209】
【0210】
本発明の実施例3
本発明の実施例3は、2つのエアレイド層を先に調製されたATB-2の布上に堆積することによって調製された。該2つのエアレイド層は、パルプ1繊維及びPE/PET-1繊維の均質な繊維混合物を含んだ。該2つのエアレイド層の堆積に続き、ラテックス配合物のコーティングが、最外側エアレイド層の表面に施与された。次いで、複合シート材料は、一続きのオーブンを逐次に通過して、繊維が互いに接合し、該ラテックス配合物が乾燥及び硬化した。ラテックス層の施与乾燥重量は、本発明の実施例3の総重量に基づいて2重量パーセントであった。得られた複合シートは、85g/m2の秤量を有した。
【0211】
本発明の実施例3の複合シートは、下記の表3に示される通りの構造を有した。
【0212】
【0213】
本発明の実施例4
本発明の実施例4は、3つのエアレイド層を先に調製されたATB-3の布上に堆積することによって調製された。該3つのエアレイド層は、パルプ1繊維及びPE/PET-1繊維の均質な繊維混合物を含んだ。該3つのエアレイド層の堆積に続き、ラテックス配合物のコーティングが、最外側エアレイド層の表面に施与された。次いで、複合シート材料は、一続きのオーブンを逐次に通過して、繊維が互いに接合し、該ラテックス配合物が乾燥及び硬化した。ラテックス層の施与乾燥重量は、本発明の実施例4の総重量に基づいて2重量パーセントであった。得られた複合シートは、95g/m2の秤量を有した。
【0214】
本発明の実施例4の複合シートは、下記の表4に示される通りの構造を有した。
【0215】
【0216】
比較例
比較例1~3
比較例1~3は、それぞれ70、80及び95g/m2の秤量を有するエアレイド不織布であった。該不織布は、パルプ1ステープル繊維及びPE/PET-3ステープル繊維のブレンドを含んだ。ラテックスのラテックス配合物が、該布の各々の総重量に基づいてそれぞれ6.0%、6.0%及び6.5重量%の乾燥重量として比較例1~3の各々に施与された。比較例1は、71%のパルプ1繊維及び23%のPE/PET-3繊維を含み、比較例2は、70%のパルプ1繊維及び24%のPE/PET-3繊維を含み、比較例3は、73.5%のパルプ1繊維及び20%のPE/PET-3繊維を含んだ。該布は、150~160℃の温度で、1以上のオーブンで乾燥された。比較例1~3の布は、Tianjin、ChinaのFitesa China Airlaid Co. Ltd.によって提供された。
【0217】
比較例4~5
比較例4は、40g/m2の秤量を有し、20重量%のPE/PP-1繊維及び80重量%のPE/PET-2ステープル繊維の繊維混合物で構成された通気により接合され(ATB)不織布を含んだ。比較例5は、55gsmの秤量を有し、20重量%のPET-1繊維及び80重量%のPE/PP-2ステープル繊維の繊維混合物で構成されたATB不織布を含んだ。
【0218】
比較例6
比較例6は、45g/m2の秤量を有するPET樹脂接合繊維で構成された不織布を含んだ。
【0219】
比較例7~9
比較例7~9は、それぞれ50、60及び70g/m2の秤量を有するスパンボンド布であった。該スパンボンド布は、増白剤として0.5重量%のTiO2を含むポリプロピレン連続フィラメントで構成された。該フィラメントは、長円/楕円18%接合パターンを有するカレンダーロールを用いて、約160℃の温度でカレンダー接合された。比較例7~9の布は、Shandon Kanjie Nonwovensから得られた。
【0220】
比較例10~11
比較例10及び11の不織布は、それぞれ50g/m2及び70g/m2の秤量を有するスパンレース不織布であった。比較例10は1.67dtexの細さを有する50重量%のPET繊維並びに1.67dtexの細さ及び38mmの長さを有する50重量%のビスコース繊維を含んだ。比較例11は1.67dtexの細さを有する50重量%のPET繊維(アンチモンを含まない)並びに1.67dtexの細さ及び38mmの長さを有する50重量%のビスコース繊維を含んだ。
【0221】
本発明の実施例1~4及び比較例1~11は、吸収性物品の構成における捕捉/流体捕捉層としての使用に望ましい特性について評価された。先に論じられたように、そのような布/材料は、流体の捕捉、吸収及び保持を含む特性の良好なバランスを示すことが望ましい。該布は、流体がコアに移動する前に複合シート全体を通して分布させることを可能にする良好な流体ウィッキング特性を有することもまた望まれる。さらに、該布(すなわち、複合シート)の弾性が、着用者に快適性をもたらす為に望ましい。本発明の複合シートが吸収性物品における使用に好適であることを示す為に、これらの特性が全て評価された。結果は、下記の表5にまとめられている。
【0222】
【0223】
本発明の実施例5
本発明の実施例5は、上記で論じられた手順に従って調製された。流体捕捉層は、約20g/m2の秤量を有する通気により接合されたけば立たせられた布を含み、繊維の30重量%がPE/PP-1繊維を含み、70重量%は、PE/PET-2繊維を含むステープル繊維の混合物を含んだ。第1のエアレイド層は、79.31重量%のパルプ-1ステープル繊維及び20.69重量%のPE/PET-1ステープル繊維を含んだ。該エアレイド層の秤量は、50g/cm2であった。2層の複合シート材料は、約1mmの厚さを有した。複合シート全体の秤量は、70g/m2であった。ラテックス配合物で構成されたエマルジョンコーティングが、エアレイド布の外面上に噴霧された。下記の表6は、本発明の実施例5の複合シートの構造及び組成をまとめている。
【0224】
【0225】
本発明の実施例6
本発明の実施例6は、約85g/m2の秤量及び約1.75mmの厚さを有する3層の複合シートを含んだ。流体捕捉層は、繊維の30重量%がPE/PP-1繊維を含み、70重量%がPE/PET-2繊維を含む、35g/m2の秤量を有するけば立たせられたATB布を含んだ。複合シートのエアレイド構成要素は、該流体捕捉層に重なって連続して堆積された2つのエアレイド層を含んだ。両方のエアレイド層は、パルプ-1ステープル繊維及びPE/PET-1ステープル繊維のブレンドを含んだ。ラテックス配合物で構成されたエマルジョンコーティングが、約2重量パーセントの乾燥付加量で、エアレイド布の外面上に噴霧された。本発明の実施例6は、上記で論じられたプロセス工程に従って調製された。下記の表7は、本発明の実施例6の複合シートの構造及び組成をまとめている。
【0226】
複合急速浸透性エアレイド紙の構造は、3層で構成され、急速浸透性捕捉分布層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約41.20%であり、第1の繊維層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約26.34%であり、繊維層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約30.46%であり、ラテックスは、生成物の総重量測定値の約2.00%である。様々な層における様々な構成要素の分布が、下記の表7に示され、該表中の比は、その層における様々な材料の質量パーセンテージで表される。
【0227】
【0228】
本発明の実施例7
本発明の実施例7は、約140g/m2の秤量及び約3.10mmの厚さを有する4層の複合シートを含んだ。流体捕捉層は、55g/m2の秤量を有するけば立たせられたATB-3を含んだ。該複合シートのエアレイド構成要素は、該流体捕捉層に重なって連続して堆積された3つのエアレイド層を含んだ。第1のエアレイド層は、パルプ-2ステープル繊維及びPE/PET-1ステープル繊維のブレンドを含んだ。第2及び第3のエアレイド層は、パルプ-1ステープル繊維及びPE/PET-1ステープル繊維のブレンドを含んだ。ラテックス配合物で構成されたエマルジョンコーティングが、約2重量パーセントの乾燥付加量で、エアレイド布の外面上に噴霧された。本発明の実施例7は、上記で論じられたプロセス工程に従って調製された。下記の表8は、本発明の実施例7の複合シートの構造及び組成をまとめている。
【0229】
複合急速浸透性エアレイド紙の構造は、3層で構成され、急速浸透性捕捉分布層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約41.20%であり、第1の繊維層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約26.34%であり、繊維層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約30.46%であり、ラテックスは、生成物の総重量測定値の約2.00%である。様々な層における様々な構成要素の分布が、下記の表8に示され、該表中の比は、その層における様々な材料の質量パーセンテージで表される。
【0230】
流体捕捉層は、複合シートの総重量に基づいて複合シートの約39.29重量%パーセントを占めた。第1、第2及び第3のエアレイド層は、複合シートの総重量に基づいてそれぞれ約16.07%、21.43%及び21.43%を占めた。ラテックスの層が、複合シートの総重量に基づいて約1.79%の乾燥付加量で施与された。該第1のエアレイドにおけるパルプ-2(処理されたパルプ)の使用により、幾つかの利益、例えば、はるかにより柔らかく、よりふわふわになる効果がもたらされ、これによりまた、該第1のエアレイド層が該第2及び第3のエアレイド層との密度勾配を形成することが可能になる。
【0231】
【0232】
本発明の実施例8
この実施例において、本発明の複合シートは、本発明の実施例6の複合シートの構造に従って調製される。しかしながら、この実施例において、シート材料を、パターン付き表面を有するロールと接触させながら通過させることによって、複数の交互の嶺及び谷が、最外側エアレイド層(例えば、第3のエアレイド層)の外面上に作られる。この工程の間、圧力及び熱が加えられて、複合シートの縦方向長さに沿って縦方向に延在するところの複数の交互の嶺及び溝が形成する。パターンロールの表面は、深さ(例えば、1mm)を有し、隣接する溝/チャネルから間隔(例えば、3mmの間隔)をあけた複数の溝/チャネルを含む。該複数の溝/チャネルは、該ロール表面を一周して伸びる。該パターンロールの温度は、好ましくは120℃以下である。該パターン付きロールによって最外側エアレイド層に加えられる圧力は、一般に、60Nmm以下である、複合シートの外面に形成される溝/筋の所望の深さに従って調節されることができる。温度及び圧力の調節は、最終製品の要件に従って行われることができる。溝/筋を有する製品は、複合シートがエンボス加工された後、後続の加工プロセスによって得られることができる。
【0233】
下記の比較例(比較例12~14)において、上記と同じプロセスが、布の作製に使用された。
【0234】
比較例12
比較例12は、約80g/m2の秤量及び約1.3mmの厚さを有するエアレイド布を含んだ。該布は、3つのエアレイド布層を紙基体層に重ねて堆積させることによって調製された。紙基体層に好適な材料は、Golden HongYe Paper製のNKA130シリーズ又はHavix製の17 gsm製品が含まれうる。
【0235】
該エアレイド布は、セルロースステープル繊維及び非セルロース二成分PLA繊維のブレンドを含んだ。下記の材料が、該エアレイド層中のセルロース性繊維に使用されうる:パルプ-1(Weyerhauser NB416)、International Paper Super soft M又はGeorgia Pacific 4821、4822、4823及びこれらの混合物。セルロース繊維は、一般に、約2~5mmである繊維長を有する。非セルロースステープル繊維は、PLAシース及びPLAコアを有する二成分繊維を含んだ。PLA/PLA二成分繊維の細さは、2.2dtex/6mmであった。シースのPLAポリマーの融点温度は約130℃であり、コアのPLAポリマーの融点温度は約160℃であった。
【0236】
エアレイド布の構造は、4層で構成され、第1の層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約16%であり、第2の層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約23%であり、第3の層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約29%であり、第3の層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約32%である。材料の両側に、プロセスの間に、10%の総質量測定値で水が噴霧された。
【0237】
様々な層における様々な構成要素の分布が、下記の表9に示されている。
【0238】
【0239】
比較例13
比較例13は、約150g/m2の秤量及び約1.3mmの厚さを有する4層布を含んだ。比較例12におけるのと同じ材料が、比較例13で使用された。紙基体層は、17g/m2の秤量を有した。
【0240】
エアレイド紙の構造は、4層で構成され、第1の層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約11%であり、第2の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約25%であり、第3の層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約31%であり、第3の層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約33%である。また、材料の両側に、プロセスの間に、10%の総質量測定値の水が噴霧された。様々な層における様々な構成要素の分布が、下記の表10に示されている。
【0241】
【0242】
比較例14
比較例14は、約150g/m2の秤量及び約1.3mmの厚さを有する4層布を含んだ。比較例12におけるのと同じ材料が、比較例13で使用された。紙基体層は、17g/m2の秤量を有した。
【0243】
この実施態様のエアレイド紙の総質量測定値は、約175g/m2であり、厚さは約1.45mmであった。エアレイド層中のセルロース繊維は、約2~5mmの繊維長を有するパルプ-1ステープル繊維を含んだ。二成分ステープル繊維は、ポリプロピレン(PP)のコア及びポリエチレン(PE)のシースで構成された。繊維長は約3~6mmであり、細さは約1.7~3.0dtexであった。
【0244】
ベース不織布層は、22g/m2の秤量を有し、ポリプロピレンスパンボンド不織布を含んだ。超吸収性ポリマーは、Sandia-930由来、又はStockhausen、Sumitomo、Shokubaiなどのような製造業者製であり、ラテックスエマルジョンに噴霧されたラテックスコーティング中の第4の層は、上記で論じられたラテックス配合物で構成された。
【0245】
比較例14の布の構造は、4層で構成された。第1の層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約12.6%であり、第2の層の質量測定値は、生成物の総質量測定値の約27.4%であり、第3の層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約30%であり、第4の層の質量測定値は、生成物の総重量測定値の約28%であり、約32%の総量のエマルジョンが第4の層に噴霧される。様々な層における様々な構成要素の分布が、下記の表11に示されている。
【0246】
【0247】
下記の表12において、本発明の実施例5~8が評価され、そして比較例12~14と比較された。盲検試験に関して、20名の個人がランダムに選択されて、彼らの感覚によって材料の柔らかさ、ふわふわ感、並びに逆浸透性能の試験後、材料の乾燥及びシャリ感特性を評価した。一般に、不織布がより柔らかくふわふわしているほど、該布の表面はより乾燥していることが予期される。
【0248】
本発明の複合シートは、はるかに良好な性能を示し、これは特に、逆浸透性能について明らかであることが表12のデータから見て分かる。交互する溝/チャネルを有する生成物は、より良好な拡散率を示し、例えば、吸引範囲(筋の方向である長手方向の)が一度で増加し、それはまた、液体の拡散アスペクト比が1よりはるかに大きいことの主な理由でもある。従って、吸収性物品の分布層としての複合シートの使用は、分布層の下の吸収層の効果領域を完全に利用し、原料に対する投資を最小にし、製造コストを削減することができることが予期される。
【0249】
さらに、表12の比較によって、本発明の生成物が、よりふわふわしており(より密度が低い)、乾燥及びシャリ感特性が大幅に改善されており、材料は、非常に良好な反発弾性を有し、ある種の優れた品質の急速浸透性エアレイド紙であることが見て分かる。溝/チャネルがエンボス加工された後であっても、物品は依然として、従来技術のエアレイド紙よりもふわふわしており(より密度が低い)、逆浸透性能並びに乾燥及びシャリ感特性の両方もまた非常に良好である。これは、過去の技術と比較して有意な改善を示し、そして材料は非常に良好な反発弾性を有するので、それはある種の優れた品質の急速浸透性エアレイド紙である。
【0250】
【0251】
特許請求の範囲のまとめ
【0252】
1. けば立たせられた不織布を含む流体捕捉構成要素;及び
前記流体捕捉構成要素に重なるエアレイド構成要素、ここで、該エアレイド構成要素は、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維のブレンドを含み、該エアレイド構成要素は、前記流体捕捉構成要素の表面に向かって配置され且つ熱的に結合された第1の表面と、複合シート材料の外面を規定する第2の表面とを含む、
を含む、複合シート材料。
【0253】
2. 前記エアレイド構成要素の前記外面が、複数の交互の凹凸及び、前記エアレイド構成要素の前記外面を横切って延在するところのチャネルを含む、請求項1に記載の複合シート材料。
【0254】
3. 前記嶺及びチャネルが、前記複合シート材料の縦方向、横方向、非直線方向の1以上において延在し、且つ前記嶺及びチャネルが連続又は非連続である、請求項2に記載の複合シート材料。
【0255】
4. 前記嶺及びチャネルが、前記複合シート材料の縦方向に延在する、請求項2に記載の複合シート材料。
【0256】
5. 前記エアレイド構成要素が、隣接するエアレイド層に熱的に結合された複数のエアレイド層を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0257】
6. 前記エアレイド構成要素が、2~10のエアレイド層を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0258】
7. 前記エアレイド構成要素が、3~6のエアレイド層を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0259】
8. 前記けば立たせられた不織布が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0260】
9. 前記けば立たせられた不織布の前記二成分ステープル繊維が、約25~60ミリメートル(mm)の長さを有する、請求項8に記載の複合シート材料。
【0261】
10. 前記非セルロース繊維が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0262】
11. 前記非セルロース繊維が、約0.8~10ミリメートル(mm)の長さを有する、請求項8に記載の複合シート材料。
【0263】
12. 前記セルロース繊維が、処理されたパルプ繊維、処理されていないパルプ繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0264】
13. 前記けば立たせられた不織布がポリ乳酸(PLA)ステープル繊維を含み、且つ前記非セルロース繊維がPLAを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0265】
14. 前記複合シート材料の秤量が、約50~180g/m2である、請求項1~13のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0266】
15. 前記複合シート材料の秤量が、約50~100g/m2である、請求項1~14のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0267】
16. ポリマーコーティング層が前記第2の表面に重ねられて堆積されており、前記ポリマーコーティングが、エチレン酢酸ビニル、エチレンアクリレート、ポリアクリレート、フェニルエチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンアクリレート、ポリビニルアルコール、又はそれらの混合物を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0268】
17. 前記ポリマーコーティングの施与乾燥重量が、前記複合シート材料の総重量に基づいて、約1.5~4重量パーセントである、請求項16に記載の複合シート材料。
【0269】
18. 前記流体捕捉構成要素が、前記エアレイド構成要素の密度よりも低い密度を有する、請求項1~17のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0270】
19. 前記複合シート材料が、下記によって特徴付けられる、請求項1~18のいずれか1項に記載の複合シート材料:
約0.5秒~約2秒の範囲の流体捕捉時間;
約15~30g/gの範囲の流体吸収;
約8~15g/gの範囲の流体保持;
約10~50mmの範囲の流体ウィッキング高さ;及び
約30~60%の範囲の弾性。
【0271】
20. 前記複合シート材料が、下記によって特徴付けられる、請求項1~19のいずれか1項に記載の複合シート材料:
約0.65~1.5秒の範囲の流体捕捉時間;
約20~26g/gの範囲の流体吸収;
約9~14g/gの範囲の流体保持;
約15~45mmの範囲の流体ウィッキング高さ;及び
約35~55%の範囲の弾性。
【0272】
21. 前記複合シート材料が、下記によって特徴付けられる、請求項1~20のいずれか1項に記載の複合シート材料:
約0.84~1.3秒の範囲の流体捕捉時間;
約20~25g/gの範囲の流体吸収;
約10~12g/gの範囲の流体保持;
約15~40mmの範囲の流体ウィッキング高さ;及び
約40~55%の範囲の弾性。
【0273】
22. 前記非セルロースステープル繊維が持続可能なポリマーを含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の複合シート材料。
【0274】
23. 請求項1~22のいずれか1項に記載の複合シート材料を含む、吸収性物品。
【0275】
24. 前記物品が、おむつ又は女性用衛生用パッドを含む、請求項23に記載の吸収性物品。
【0276】
25. 複合シートの製造方法であって、
けば立たせられた不織布を用意すること、ここで、該けば立たせられた不織布はステープル繊維を含む;
第1のエアレイド層を前記けば立たせられた不織布の表面上に堆積して、複合シートを形成すること、ここで、該第1のエアレイド層は、セルロースステープル繊維及び非セルロースステープル繊維の混合物を含む;及び
前記複合シートを加熱ガスで結合して、非セルロースステープル繊維のポリマーを溶融させ、そして隣接する繊維と融合させること
を含む、前記方法。
【0277】
26. 前記第1のエアレイド層上に、複数のエアレイド層を逐次に積層することを含む、請求項25に記載の方法。
【0278】
27. 前記複合シートが、前記けば立たせられた不織布に重ねて逐次に積層された2~10のエアレイド層を含む、請求項24に記載の方法。
【0279】
28. 前記けば立たせられた不織布が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、及びその混合物を含み、且つ、前記非セルロース繊維が、ポリエチレンシースとポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートのコアとを有する二成分ステープル繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【0280】
29. 前記けば立たせられた不織布の前記二成分ステープル繊維が約25~60ミリメートル(mm)の長さを有し、且つ前記非セルロース繊維が約0.8~10ミリメートル(mm)の長さを有する、請求項28に記載の方法。
【0281】
30. 前記けば立たせられた不織布がポリ乳酸(PLA)ステープル繊維を含み、且つ前記非セルロース繊維がPLAを含む、請求項25又は26に記載の方法。
【0282】
31. 最外側層のエアレイド層の表面上にポリマーラテックスのコーティング層を堆積すること、そして次に、前記複合シート材料を、前記ポリマーラテックスを硬化及び乾燥させるのに十分な温度で加熱することをさらに含む、請求項25~30のいずれか1項に記載の方法。
【0283】
32. 前記第1のエアレイド層が超吸水性ポリマーを含む、請求項25~31のいずれか1項に記載の方法。
【0284】
本明細書に記載された本発明の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の利益を有するこれらの発明が関係する当業者に思い浮かぶであろう。従って、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。それ故に、本明細書内で特定の用語が用いられているが、それらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的でない。