(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】発生器の皮相ソースインピーダンスを変化させるための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20220527BHJP
【FI】
H05H1/46 R
(21)【出願番号】P 2020520228
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(86)【国際出願番号】 US2018055492
(87)【国際公開番号】W WO2019075258
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-06-02
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597112542
【氏名又は名称】アドバンスト・エナジー・インダストリーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Advanced Energy Industries, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】バン ジル, ギデオン ヨハネス ヤコブス
【審査官】松平 佳巳
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-077248(JP,A)
【文献】特開2005-286936(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0174420(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0281741(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
G01R 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムにおける負荷に接続され
、前記負荷に電力を提供する発生器を制御するための方法であって、
基準インピーダンス(Z
c)
の関数として計算される順方向電力に
依存する第1の測定値(M1)が、M1のための第1の設定点(S1)に向かうようにするために、前記発生器の出力を調節すること
であって、前記基準インピーダンス(Z
c
)の関数として計算される前記順方向電力は、一定に保持され、前記基準インピーダンス(Z
c
)は、前記発生器の皮相ソースインピーダンスである、ことと、
発生器の出力の
第2の測定値(M2)をM2のための第2の設定点(S2)に向かって調節するために、S1を調節することと
であって、前記第2の測定値(M2)は、50Ωまたは75Ωの基準インピーダンスの関数として計算される電圧、電流、送達電力、または順方向電力のうちの1つである、ことと
を含
み、前記負荷は、プラズマ負荷であり、
前記発生器は、無線周波数発生器または直流発生器である、方法。
【請求項2】
前記基準インピーダンス(Z
c)
の関数として計算される前記順方向電力は、
【数1】
に等しく、vは、基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記負荷に対して流動する電流である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準インピーダンスZ
c
の関数として計算される順方向電力に
依存する前記第1の測定値(M1)は、xをvおよびiの異なる組み合わせに対して一定に保つことが、|v+Z
ci|を前記負荷への電力送達に関連するvおよびiの組み合わせ全てに関するvおよびiのそれらの同一の組み合わせに対して一定に保つことを示すような、vおよびiに関する数学演算から導出される任意の値xであ
り、xは、|v+Z
c
i|
2
に比例するかまたは依存する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準インピーダンスZ
c
の関数として計算される順方向電力に
依存する前記第1の測定値(M1)は、f(|v+Z
ci|)に等しく、fは、任意の1対1関数である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記基準点は、前記発生器の出力部と前記負荷との間にある、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記基準点は、
前記発生器からの前記負荷よりも前記発生器からさらに離れるように、または、前記負荷からの前記発生器よりも前記負荷からさらに離れるように
、数学変換を使用して移動させられる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
Z
cは、調節可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
Z
cは、安定性を改良するために調節される、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
Z
cは、Z
cを
【数2】
に等しくなるように設定することによって確立され、ρは、0~1の大きさを伴う複素数であり、ρの角度は、0°から360°に変動され、Z
cは、前記負荷への電力送達における任意の発振の周波数に基づいて、
かつ発振周波数の急激な変化が存在する動作の安定した面積に基づいて確立される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
Z
cは、プラズマ点火を改良するために調節される、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記発生器は、無線周波数発生器であり、Z
cは、複素数値をとることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記発生器は、直流発生器であり、Z
cは、実数値に制限される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
|Z
c-Z
0|/|Z
c+Z
0|>0.3であり、Z
0は、電力を伝導するために使用される同軸ケーブルの特性インピーダンスである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
Z
0=50である、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
プラズマ処理システムのための電力供給源であって、
負荷に接続され、前記負荷に電力を提供する発生器と、
基準インピーダンス(Z
c)
の関数として計算される順方向電力に
依存する第1の測定値
(M1)のための第1の設定点(S1)と、前記基準インピーダンス(Z
c)
の関数として計算される前記順方向電力に
依存する前記第1の測定値(M1)とを使用する第1のコントローラであって、前記第1のコントローラは、M1がS1に向かうようにするために、前記発生器の出力を調節
し、前記基準インピーダンスZ
c
の関数として計算される前記順方向電力は、一定に保持され、前記基準インピーダンスZ
c
は、前記発生器の皮相ソースインピーダンスである、第1のコントローラと、
発生器の出力の
第2の測定値
(M2)のための第2の設定点(S2)と、前記発生器の出力の
前記第2の測定値(M2)とを使用する第2のコントローラであって、前記第2のコントローラは、M2をS2に向かって調節するために、前記第1のコントローラへの前記第1の設定点(S1)を調節
し、前記第2の測定値(M2)は、50Ωまたは75Ωの基準インピーダンスの関数として計算される電圧、電流、送達電力、または順方向電力のうちの1つである、第2のコントローラと
を備え
、
前記負荷は、プラズマ負荷であり、
前記発生器は、無線周波数発生器または直流発生器である、電力供給源。
【請求項16】
基準インピーダンスZ
c
の関数として計算される前記順方向電力は、
【数5】
に等しく、vは、基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記負荷に対して流動する電流である、請求項
15に記載の電力供給源。
【請求項17】
前記基準インピーダンスZ
c
の関数として計算される順方向電力に
依存する前記
第1の測定値(M1)と、
前記発生器の出力の
前記第2の測定値(M2)とを提供する測定システムをさらに備える、請求項
15に記載の電力供給源。
【請求項18】
前記基準インピーダンスZ
c
の関数として計算される前記順方向電力に
依存する前記
第1の測定値
(M1)は、xをvおよびiの異なる組み合わせに対して一定に保つことが、|v+Z
ci|を前記負荷への電力送達に関連するvおよびiの組み合わせ全てに関するvおよびiのそれらの同一の組み合わせに対して一定に保つことを示すような、vおよびiに関する数学演算から導出される任意の値xであ
り、xは、|v+Z
c
i|
2
に比例するかまたは依存する、請求項
16に記載の電力供給源。
【請求項19】
前記基準インピーダンスZ
c
の関数として計算される順方向電力に
依存する前記
第1の測定値
(M1)は、f(|v+Z
ci|)に等しく、fは、任意の1対1関数である、請求項
16に記載の電力供給源。
【請求項20】
前記基準点は、前記発生器の出力部と前記
負荷との間にある、請求項
16に記載の電力供給源。
【請求項21】
前記基準点は、
前記発生器からの前記負荷よりも前記発生器からさらに離れるように、または、前記負荷からの前記発生器よりも前記負荷からさらに離れるように
、数学変換を使用して移動させられる、請求項
16に記載の電力供給源。
【請求項22】
Zcは、調節可能である、請求項
15に記載の電力供給源。
【請求項23】
Z
cは、安定性を改良するために調節される、請求項
22に記載の電力供給源。
【請求項24】
Zcは、Zcを
【数6】
に等しくなるように設定することによって確立され、ρは、0~1の大きさを伴う複素数であり、前記ρの角度は、0°から360°に変動され、前記負荷への電力送達における任意の発振の周波数に基づいて、
かつ発振周波数の急激な変化が存在する動作の安定した面積に基づいて確立される、請求項
23に記載の電力供給源。
【請求項25】
Z
cは、プラズマ点火を改良するために調節される、請求項
22に記載の電力供給源。
【請求項26】
前記発生器は、無線周波数発生器であり、Z
cは、複素数値をとることができる、請求項
15に記載の電力供給源。
【請求項27】
前記発生器は、直流発生器であり、Z
cは、実数値に制限される、請求項
15に記載の電力供給源。
【請求項28】
|Z
c-Z
0|/|Z
c+Z
0|>0.3であり、Z
0は、電力を伝導するために使用される同軸ケーブルの特性インピーダンスである、請求項
15に記載の電力供給源。
【請求項29】
Z
0=50である、請求項
28に記載の電力供給源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許協力条約(PCT)出願は、その内容全体が、あらゆる目的のために参照することによって本明細書に組み込まれる、「METHOD AND APPARATUS FOR CHANGING THE APPARENT SOURCE IMPEDANCE OF A GENERATOR」と題された、2017年10月11日に出願された、米国特許出願第62/570,693号に関し、その優先権を主張する。
【0002】
本開示の側面は、発生器のための電力制御システムに関し、より具体的には、プラズマ負荷に電力を提供する、発生器の皮相ソースインピーダンスを変化させ得る、制御システムに関し得る。
【背景技術】
【0003】
プラズマ処理システムは、材料の表面性質を改質するために、種々の産業において広く使用されている。例えば、現代的な集積回路の製造は、概して、マイクロメートル未満の特徴のエッチングのために、または原子的に薄い材料層を堆積させるためにプラズマを使用する、多くの処理ステップを伴う。典型的なプラズマ処理システムは、処理チャンバと、チャンバの内側にプラズマを生じさせ、それを維持する、電力送達システムとを備える。電気的に、プラズマは、電力送達システムに非線形の負荷をもたらす。しかしながら、プラズマによって電力送達システムにもたらされるインピーダンスは、概して、一定ではなく、プラズマに送達される電力、ガス圧、および化学的性質、および他のプロセス条件、または他の変数に応じて変動し得る。
【0004】
文書で十分に裏付けられているように(例えば、米国特許第9,741,544号(第‘544号特許)参照)、発生器と非線形の負荷(例えば、プラズマ負荷)との間の相互作用は、不安定性をもたらし得る。第‘544号特許において説明されるように、ソースインピーダンスが発生器にもたらされるプラズマシステムインピーダンスに整合される、発生器は、プラズマ安定性に関して常時最適であるわけではない。非常に敏感なプラズマシステムに関して(プラズマシステムによって発生器にもたらされるインピーダンスは、印加される電力の関数として急激に変化する)、発生器のソースインピーダンスをオフセットさせることは、より良好な安定性をもたらす。第‘544号特許は、発生器のソースインピーダンスを物理的に変化させ、これをプラズマシステムインピーダンスからオフセットさせるための方法を説明する。一実施例では、異なる長さのケーブルが、発生器のソースインピーダンスを改変させるために使用される。
【0005】
これらの観察を念頭において、とりわけ、本開示の側面が、想起され、開発された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の側面は、プラズマチャンバおよび関連付けられるプラズマ負荷等の負荷に接続される、発生器を制御するための方法、システム、装置、および同等物を伴い得る。システムおよび装置にも適用可能であるが、特に、方法に関して、これは、基準インピーダンス(Z
c)に関して計算される順方向電力に関連する第1の測定値(M1)が、M1のための第1の設定点(S1)に向かうようにするために、発生器の出力を調節するステップを伴う。本方法はさらに、発生器の出力の従来の測定値の第2の測定値(M2)を、M2のための第2の設定点(S2)に向かって調節するために、S1を調節するステップを伴う。基準インピーダンス(Z
c)に関して計算される、順方向電力は、
【化1】
(但し、vは、基準点における電圧であり、iは、基準点における負荷に対して流動する、電流である)に等しい。本方法は、コントローラ、複数のコントローラ、発生器、インピーダンス整合ネットワーク、および電力送達システムの他のコンポーネントによって実装され得る。
【0008】
本開示の側面はさらに、プラズマチャンバおよび関連付けられるプラズマ負荷等の負荷と結合される、発生器を制御するための方法、装置、システム、および同等物を伴う。本方法(および本システム等)は、発生器の出力の従来の測定値のための設定点を受信するステップと、発生器の出力の従来の測定値が、設定点の緩慢な変化のための、および負荷が発生器にもたらすインピーダンスの緩慢な変化のための、および負荷が発生器にもたらすインピーダンスの急速な変化のための、設定点に向かい、かつ基準インピーダンスZ
cに関して計算される、順方向電力が、一定なままである傾向にあるように、発生器からの電力出力を制御するステップとを伴う。基準インピーダンスZ
cに関して計算される、順方向電力は、
【化2】
(但し、vは、基準点における電圧であり、iは、基準点における負荷に対して流動する、電流である)に等しい。
【0009】
別の側面では、負荷に接続される発生器を制御する方法は、基準インピーダンスZ
cに関して計算される、負荷に送達される順方向電力に関連する、測定値を計算するステップを伴う。第1のコントローラは、基準インピーダンスZ
cに関して計算される順方向電力に関連する、該値のための設定点を受信し、第1のコントローラは、基準インピーダンスZ
cに関して計算される負荷に送達される順方向電力に関する測定値が、設定点に向かうようにするために、発生器の出力を調節する。本方法はさらに、従来の電力値の測定値を従来の電力設定点に向かって調節するために、第1のコントローラへの設定点を調節する、第1のコントローラと同一の制御ユニット内に具現化され得る、第2のコントローラによる、従来の電力設定点および従来の電力値の測定値を受信するステップを伴う。Z
cに関する順方向電力は、(スカラー)×|(基準点における電圧)|
2+Z
c×(基準点における、発生器から負荷または負荷から発生器へのいずれかに流動する電流)に等しい。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
負荷に接続される発生器を制御するための方法であって、
基準インピーダンス(Z
c
)に関して計算される順方向電力に関連する第1の測定値(M1)が、M1のための第1の設定点(S1)に向かうようにするために、前記発生器の出力を調節することと、
発生器の出力の従来の測定値の第2の測定値(M2)をM2のための第2の設定点(S2)に向かって調節するために、S1を調節することと
を含む、方法。
(項目2)
前記基準インピーダンス(Z
c
)に関して計算される前記順方向電力は、
【数1】
に等しく、vは、基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記負荷に対して流動する電流である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記基準インピーダンスZ
c
に関して計算される順方向電力に関連する前記第1の測定値(M1)は、xをvおよびiの異なる組み合わせに対して一定に保つことが、|v+Z
c
i|を前記負荷への電力送達に関連するvおよびiの組み合わせ全てに関するvおよびiのそれらの同一の組み合わせに対して一定に保つことを示すような、vおよびiに関する数学演算から導出される任意の値xである、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記基準インピーダンスZ
c
に関して計算される順方向電力に関連する前記第1の測定値(M1)は、f(|v+Z
c
i|)に等しく、fは、任意の1対1関数である、項目2に記載の方法。
(項目5)
発生器の出力の従来の測定値の前記第2の測定値(M2)は、50Ωまたは75Ωに関して計算される電圧、電流、送達電力、または順方向電力のうちの1つである、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記基準点は、前記発生器の出力部と前記負荷との間にある、項目2に記載の方法。
(項目7)
前記基準点は、数学的に、前記発生器からの前記負荷よりも前記発生器からさらに離れるように、または、前記負荷からの前記発生器よりも前記負荷からさらに離れるように拡張される、項目2に記載の方法。
(項目8)
Z
c
は、調節可能である、項目1に記載の方法。
(項目9)
Z
c
は、安定性を改良するために調節される、項目8に記載の方法。
(項目10)
Z
c
は、Z
c
を
【数2】
に等しくなるように設定することによって確立され、ρは、0~1の大きさを伴う複素数であり、ρの角度は、0°から360°に変動され、Z
c
は、前記負荷への電力送達における任意の発振の周波数に基づいて、そして発振周波数の急激な変化が存在する動作の安定した面積に基づいて確立される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記負荷は、プラズマ負荷であり、Z
c
は、プラズマ点火を改良するために調節される、項目8に記載の方法。
(項目12)
前記発生器は、無線周波数発生器であり、Z
c
は、複素数値をとることができる、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記発生器は、直流発生器であり、Z
c
は、実数値に制限される、項目1に記載の方法。
(項目14)
|Z
c
-Z
0
|/|Z
c
+Z
0
|>0.3であり、Z
0
は、電力を伝導するために使用される同軸ケーブルの特性インピーダンスである、項目1に記載の方法。
(項目15)
Z
0
=50である、項目14に記載の方法。
(項目16)
負荷と結合される発生器を制御するための方法であって、
発生器の出力の従来の測定値のための設定点を受信することと、
前記発生器からの電力出力を
発生器の出力の従来の測定値が、前記設定点の緩慢な変化のために、および前記負荷が前記発生器にもたらすインピーダンスの緩慢な変化のために、前記設定点に向かい、かつ
前記負荷が前記発生器にもたらすインピーダンスの急速な変化のために、基準インピーダンスZ
c
に関して計算される順方向電力が一定なままである傾向にある
ように制御することと
を含む、方法。
(項目17)
基準インピーダンスZ
c
に関して計算される順方向電力が、
【数3】
に等しく、vは、基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記負荷に対して流動する電流である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記緩慢な変化は、周波数ドメインにおいて、総エネルギーの半分超が周波数F1よりも下に含有される電力密度スペクトルを有する変化であり、急速な変化は、前記周波数ドメインにおいて、前記総エネルギーの半分超がF1よりも上に含有される電力密度スペクトルを有する変化である、項目16に記載の方法。
(項目19)
F1は、10Hz~10kHzの値である、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記発生器の出力の従来の測定値は、50Ωまたは75Ωに関して計算される電圧、電流、送達電力、または順方向電力のうちの1つである、項目16に記載の方法。
(項目21)
前記基準点は、前記発生器の出力部と前記負荷との間にある、項目17に記載の方法。
(項目22)
前記基準点は、数学的に、前記発生器からの前記負荷よりも前記発生器からさらに離れるように、または、前記負荷からの前記発生器よりも前記負荷からさらに離れるように拡張される、項目17に記載の方法。
(項目23)
Z
c
は、調節可能である、項目16に記載の方法。
(項目24)
Z
c
は、安定性を改良するために調節される、項目23に記載の方法。
(項目25)
Z
c
は、Z
c
を
【数4】
に等しくなるように設定することによって確立され、ρは、0~1の大きさを伴う複素数であり、前記ρの角度は、0°から360°に変動され、Z
c
は、前記負荷への電力送達における任意の発振の周波数に基づいて、そして前記発振周波数の急激な変化が存在する動作の安定した面積に基づいて確立される、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記負荷は、プラズマ負荷であり、Z
c
は、プラズマ点火を改良するために調節される、項目23に記載の方法。
(項目27)
前記発生器は、無線周波数発生器であり、Z
c
は、複素数値をとることができる、項目16に記載の方法。
(項目28)
前記発生器は、直流発生器であり、Z
c
は、実数値に制限される、項目16に記載の方法。
(項目29)
|Z
c
-Z
0
|/|Z
c
+Z
0
|>0.3であり、Z
0
は、電力を伝導するために使用される同軸ケーブルの特性インピーダンスである、項目16に記載の方法。
(項目30)
Z
0
=50である、項目29に記載の方法。
(項目31)
電力供給源であって、
発生器と、
基準インピーダンス(Z
c
)に関して計算される順方向電力に関連する値のための第1の設定点(S1)と、前記基準インピーダンス(Z
c
)に関して計算される前記順方向電力に関連する値の測定値(M1)とを使用する第1のコントローラであって、前記第1のコントローラは、M1がS1に向かうようにするために、前記発生器の出力を調節する、第1のコントローラと、
発生器の出力の従来の測定値のための第2の設定点(S2)と、前記発生器の出力の従来の測定値の測定値(M2)とを使用する第2のコントローラであって、前記第2のコントローラは、M2をS2に向かって調節するために、前記第1のコントローラへの前記第1の設定点(S1)を調節する、第2のコントローラと
を備える、電力供給源。
(項目32)
基準インピーダンスZ
c
に関して計算される前記順方向電力は、
【数5】
に等しく、vは、基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記負荷に対して流動する電流である、項目31に記載の電力供給源。
(項目33)
前記基準インピーダンスZ
c
に関して計算される順方向電力に関連する前記測定値(M1)と、発生器の出力の前記従来の測定値の測定値(M2)とを提供する測定システムをさらに備える、項目31に記載の電力供給源。
(項目34)
前記基準インピーダンスZ
c
に関して計算される前記順方向電力に関連する前記値は、xをvおよびiの異なる組み合わせに対して一定に保つことが、|v+Z
c
i|を前記負荷への電力送達に関連するvおよびiの組み合わせ全てに関するvおよびiのそれらの同一の組み合わせに対して一定に保つことを示すような、vおよびiに関する数学演算から導出される任意の値xである、項目32に記載の電力供給源。
(項目35)
前記基準インピーダンスZ
c
に関して計算される順方向電力に関連する前記値は、f(|v+Z
c
i|)に等しく、fは、任意の1対1関数である、項目32に記載の電力供給源。
(項目36)
前記発生器の出力の従来の測定値は、50Ωまたは75Ωに関して計算される電圧、電流、送達電力、または順方向電力のうちの1つである、項目31に記載の電力供給源。
(項目37)
前記基準点は、前記発生器の出力部と前記発生器との間にある、項目32に記載の電力供給源。
(項目38)
前記基準点は、数学的に、前記発生器からの前記負荷よりも前記発生器からさらに離れるように、または、前記負荷からの前記発生器よりも前記負荷からさらに離れるように拡張される、項目32に記載の電力供給源。
(項目39)
Zcは、調節可能である、項目31に記載の電力供給源。
(項目40)
Z
c
は、安定性を改良するために調節される、項目39に記載の電力供給源。
(項目41)
Zcは、Zcを
【数6】
に等しくなるように設定することによって確立され、ρは、0~1の大きさを伴う複素数であり、前記ρの角度は、0°から360°に変動され、前記負荷への電力送達における任意の発振の周波数に基づいて、そして前記発振周波数の急激な変化が存在する動作の安定した面積に基づいて確立される、項目40に記載の電力供給源。
(項目42)
前記負荷は、プラズマ負荷であり、Z
c
は、プラズマ点火を改良するために調節される、項目39に記載の電力供給源。
(項目43)
前記発生器は、無線周波数発生器であり、Z
c
は、複素数値をとることができる、項目31に記載の電力供給源。
(項目44)
前記発生器は、直流発生器であり、Z
c
は、実数値に制限される、項目31に記載の電力供給源。
(項目45)
|Z
c
-Z
0
|/|Z
c
+Z
0
|>0.3であり、Z
0
は、電力を伝導するために使用される同軸ケーブルの特性インピーダンスである、項目31に記載の電力供給源。
(項目46)
Z
0
=50である、項目45に記載の電力供給源。
(項目47)
負荷に結合される電力供給源であって、
発生器と、
前記発生器を制御するためのコントローラであって、前記コントローラは、発生器の出力の従来の測定値のための設定点を受信し、前記発生器からの電力出力を
発生器の出力の従来の測定値が、前記設定点の緩慢な変化のために、および前記負荷が前記発生器にもたらすインピーダンスの緩慢な変化のために、前記設定点に向かい、かつ
前記負荷が前記発生器にもたらすインピーダンスの急速な変化のために、基準インピーダンスZ
c
に関して計算される順方向電力が一定なままである傾向にある
ように制御する、コントローラと
を備える、電力供給源。
(項目48)
前記基準インピーダンスZ
c
に関して計算される前記順方向電力は、
【数7】
に等しく、vは、基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記負荷に対して流動する電流である、項目47に記載の電力供給源。
(項目49)
前記緩慢な変化は、前記周波数ドメインにおいて、前記総エネルギーの半分超が周波数F1よりも下に含有される電力密度スペクトルを有する変化であり、急速な変化は、前記周波数ドメインにおいて、前記総エネルギーの半分超がF1よりも上に含有される電力密度スペクトルを有する変化である、項目47に記載の電力供給源。
(項目50)
F1は、10Hz~10kHzの値である、項目49に記載の電力供給源。
(項目51)
前記発生器の出力の従来の測定値は、50Ωまたは75Ωに関して計算される電圧、電流、送達電力、または順方向電力のうちの1つである、項目47に記載の電力供給源。
(項目52)
前記基準点は、前記発生器の出力部と前記負荷との間にある、項目48に記載の電力供給源。
(項目53)
前記基準点は、数学的に、前記発生器からの前記負荷よりも前記発生器からさらに離れるように、または、前記負荷からの前記発生器よりも前記負荷からさらに離れるように拡張される、項目48に記載の電力供給源。
(項目54)
Z
c
は、調節可能である、項目47に記載の電力供給源。
(項目55)
Z
c
は、安定性を改良するために調節される、項目54に記載の電力供給源。
(項目56)
Z
c
は、Z
c
を
【数8】
に等しくなるように設定することによって確立され、ρは、0~1の大きさを伴う複素数であり、前記ρの角度は、0°から360°に変動され、前記負荷への電力送達における前記任意の発振の周波数に基づいて、そして前記発振周波数の急激な変化が存在する動作の安定した面積に基づいて確立される、項目55に記載の電力供給源。
(項目57)
前記負荷は、プラズマ負荷であり、Z
c
は、プラズマ点火を改良するために調節される、項目54に記載の電力供給源。
(項目58)
前記発生器は、無線周波数発生器であり、Z
c
は、複素数値をとることができる、項目47に記載の電力供給源。
(項目59)
前記発生器は、直流発生器であり、Z
c
は、実数値に制限される、項目47に記載の電力供給源。
(項目60)
|Z
c
-Z
0
|/|Z
c
+Z
0
|>0.3であり、Z
0
は、電力を伝導するために使用される同軸ケーブルの特性インピーダンスである、項目47に記載の電力供給源。
(項目61)
Z
0
=50である、項目60に記載の電力供給源。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に記載される本開示の技術の種々の特徴および利点は、添付図面に図示されるように、それらの発明の概念の特定の実施形態の以下の説明から明白となるであろう。しかしながら、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、発明の概念の原理を図示することに強調が置かれていることに留意されたい。本明細書に開示される実施形態および図は、限定ではなく、例証的であると見なされるべきであることが意図される。
【0011】
【
図1】
図1は、発生器の皮相ソースインピーダンスを制御するための制御システムを含む、プラズマ負荷に給電する発生器を図示する、概略図である。
【0012】
【
図2】
図2は、発生器の皮相ソースインピーダンスを制御するための制御システムおよび関連付けられる動作の実装を示す。
【0013】
【
図3】
図3は、コントローラ、発生器、インピーダンス整合ネットワーク、または
図2に提示される機能を実施するように構成される、コンピューティングモジュールを伴う、他の電力システムコンポーネント等の電子デバイスの略図である。
【0014】
【
図4】
図4は、
図2に提示される動作を実施するように構成されるコンピュータ可読命令を含む、メモリを伴う、コンピュータシステムの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発生器の皮相ソースインピーダンスを変化させることによって、電気発生器と非線形の負荷との間の相互作用を修正するための、新しく、非常に有効な方法が、本明細書に説明される。一実施例では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、制御手段を通して、第‘544号特許(参照することによって本明細書に組み込まれる)内で議論されるような物理的システムと同一、それに類似する、またはそれより有益な効果を達成し得る。当然ながら、本明細書に議論される制御システムおよび方法は、第‘544号特許に議論される物理的方法およびシステムと組み合わせて使用され得る。単独であるか、または物理的手段と組み合わせてであるかどうかにかかわらず、制御を通してこれを行うことは、発生器のソースインピーダンスを物理的にオフセットさせることのみが、一般的に、いくつかの状況において電力を送達するための発生器の能力を妨げ得、不整合負荷に適合させるための能力も妨げ得るため、システム性能全体を改良する。
【0016】
一般的に言えば、発生器は、所望されるレベルの順方向または送達電力を負荷に送達するように設計される、制御システムを含む。発生器は、可変または非線形の負荷(例えば、プラズマ負荷)に電力を送達し、プラズマ負荷への順方向電力または送達電力のいずれかを制御するように設計される。制御システムはまた、負荷から反射される最大電力を限定し得る。例えば、50Ωシステム(発生器にもたらされる公称インピーダンスは、例えば、50Ωである)において、発生器の視点からの順方向信号aは、以下の通りであり(但し、vは、基準点における電圧であり、iは、同一の基準点における、負荷に向かった電流である)、
【化3】
反射信号bは、以下の通りである。
【化4】
これらの定義を用いて、負荷に送達される実電力P
delは、以下の通りである。
P
del=|a|
2-|b|
2
順方向電力P
fwdは、以下のように定義される
【化5】
反射電力P
rflは、以下のように定義される。
【化6】
送達電力を順方向電力および反射電力に分岐させるために使用される、基準インピーダンスを決定するために重要なパラメータは、上記のaおよびbの定義における、iの乗数である。ファクター
【化7】
は、方程式P
del=|a|
2-|b|
2において電力を計算するとき、スケールファクターが適用される必要がないように都合がよいと見なされることができる。
【0017】
典型的には、aおよびbは、結合器または電圧/電流(vi)センサから取得される、信号から決定される。発生器の較正の一部として、行列が、センサから取得される、フェーザv
fおよびv
rを用いて、
【化8】
(但し、M
cは、発生器の較正を通して取得される、行列である)となるように決定される。aおよびbを見出し得る測定システムを実装するための方法に関する詳細が、例えば、米国特許第7,970,562号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。
【0018】
本開示の側面に従って、異なる基準インピーダンスZcに関する順方向および反射信号のセットが、計算される。高速内部ループが、算出される基準インピーダンスZcに関して計算される、順方向電力を制御する。任意のZcに関して計算される順方向電力が、順方向電力の任意の認識可能な概念に適合しないため(単にZcに関して順方向電力を再計算することによって、Zcの適切な選択を通して、順方向電力は、実送達電力から∞まで変化され得、反射電力もまた、ゼロから∞まで変化され得る)、送達電力(Zcを変化させることが、送達電力が順方向電力と反射電力との間で分岐される方法を改変させる方法とは独立して、正しいままである)または50Ωまたは75Ω等の従来の基準インピーダンスに関する順方向電力等の、電力の認識可能な概念に関して制御する、外部ループが、起動される。
【0019】
これらの概念を例証するために、52+j5Ωのインピーダンス(但し、
【化9】
である)を伴う負荷に500Wの順方向電力を送達する発生器を検討する。次いで、以下が、得られる。
【化10】
iを、位相のための基準であると選定すると、次いで、以下が、得られる。
【化11】
これより、以下が、得られる。
【化12】
および、以下が、得られる。
【化13】
式中、x
*は、xの複素共役を示す。
また、以下のように、反射電力を計算することができ、
【化14】
予期されるように、これは、以下に整合する。
【化15】
【0020】
任意のインピーダンスZ
cに関して、入射信号a
Zcは、以下の通りである。
【化16】
Z
cに関する反射信号b
Zcは、以下の通りである。
【化17】
Z
cに関する順方向電力P
fwdZcは、以下の通りである。
【化18】
Z
cに関する反射電力P
rflZcは、以下の通りである。
【化19】
これらの定義とともに、依然として、以下が、得られることが、示され得る。
P
del=P
fwdZc-P
rflZc
【0021】
例証するために、
Z
c=62+j83
とし、前述と同一の条件で、すなわち、50Ωに関して計算された500Wの順方向電力を52+j5の負荷インピーダンスへと送達する発生器に関して、順方向電力および反射電力を計算する。以下が、見出される。
【化20】
Z
cに関する反射信号b
Zcは、以下の通りである。
【化21】
予期されるように、以下が、依然として得られる。
【化22】
【0022】
Z
c=62+j83の本任意の選択に関して、498.61Wの送達電力が、約801.89Wの順方向電力と、303.28Wの反射電力とに分岐されることに留意されたい。これは、いくつかの実施形態において、認識可能な量に関して外部ループが必要である理由を例証する。言い換えると、50オームに対する500ワットの順方向電力が、従来の方法であると理解されるのに対し、例えば、62+j83に対する800Wの順方向電力を伴う、本明細書に提示される概念は、完全に新しい概念であり、外部ループの使用は、ユーザまたはシステムコントローラが、理解されている従来の方法の観点から発生器の出力を規定することを可能にする。要点をさらに例証するために、以下を検証することができる。
1)Z
c=Z
L
*=52-j5に関して、順方向電力は、送達電力(
【化23】
)に等しく、反射電力は、ゼロである。
2)10
6Ω、すなわち、例証のために任意に選定された設定点に関して、順方向電力は、約2397411.07Wであり、反射電力は、約2396912.46Wであり、予期されるように、差異は、依然として、実送達電力、すなわち、約498.61Wである。
【0023】
上記の第1の結果は、Z
c
*の負荷へと電力を送達するとき、v=Z
c
*iとなり、したがって、Z
cに関する反射信号は、ゼロとなるため、偶然ではないことに留意されたい。
【化24】
本実施例は、送達電流が、負荷に送達される実電力に等しい値からから∞までの順方向電力に分岐され、単にそれに対して順方向および送達電力が計算される基準インピーダンスを変化させることによってゼロから∞までの範囲で反射され得ることを例証する。
【0024】
Zcに関して計算される順方向電力が一定に保持されるように順方向電力を制御する効果は、以下の通りである。
1)Zc
*の負荷への反射電力は、ゼロであり、したがって、Zc
*の負荷への送達電力は、Zcに関して計算される順方向電力に等しい。
2)Zc
*以外の任意の負荷への送達電力は、Zc
*への送達電力未満である。
制御システムを用いてZcに関して計算される順方向電力を保持する効果は、制御システム帯域幅の内側では、これが、発生器がZcのソースインピーダンスを有しているかのように現れるということである。
【0025】
したがって、Zcに関する順方向電力を制御する制御システムの帯域幅内に、Zcのソースインピーダンスを有するように現れる発生器が、存在する。発生器が非線形の負荷と相互作用する方法を変化させるためにソースインピーダンスを制御する利点は、第‘544号特許で説明されており、とりわけ、種々のおよび/または非線形の負荷の存在下での発生器の安定性を改良することを含む。
【0026】
任意の基準インピーダンスに関して順方向電力を制御する、制御システムを実装するために、以下の式、
【化25】
また、以下の定義、
【化26】
および
【化27】
のため、以下が得られる。
【化28】
式中、ここでは、M
cは、v
fおよびv
rからaおよびbを計算し、
【化29】
は、v
fおよびv
rからa
Zcおよびb
Zcを計算する。
【0027】
したがって、較正行列M
cおよび基準インピーダンスZ
cを前提として、本発明の側面を実装するために、Z
cに関する入射および反射信号、したがって、Z
cに関する順方向電力を見出すための新しい較正行列
【化30】
を容易に計算することができる。
【0028】
本明細書に説明されるように発生器の皮相ソースインピーダンスを変化させることは、発生器と非線形の負荷(プラズマ)との相互作用を変化させ、これは、安定したシステムを達成するために有用である。これはまた、発生器が負荷インピーダンスの変化に反応する方法を変化させ、したがって、また、非線形の負荷へと電力をパルス化する、またはオンにするときのパルス形状に影響を及ぼすために使用されることもできる。そのような変化は、例えば、プラズマ点火のために有益であり得る。
【0029】
図1は、種々の産業または半導体加工プロセスのために、その中でプラズマ120が点火および持続され得る、プラズマチャンバ110に結合される、電力発生器100の概略図である。一実施例では、本システムは、プラズマ負荷と発生器との間のインピーダンスを整合させるために使用される、整合ネットワーク150を含んでもよい。負荷への無線周波数(RF)電力出力を生じ得る、電力発生器は、
図2に関してより詳細に議論される、コントローラ130を含んでもよい。一般的に言えば、他の機能の中でもとりわけ、コントローラは、発生器の皮相ソースインピーダンスを制御する。コントローラはまた、順方向および反射電力の従来の(例えば、50Ωに関する)定義に基づいて、プラズマ負荷に送達される電力を制御してもよい。コントローラは、実装に応じて、発生器またはインピーダンス整合ネットワークの一部であってもよい。皮相ソースインピーダンスの修正および従来の制御機能は、1つのコントローラに統合されてもよい、または別個であってもよい。コントローラまたは複数のコントローラが、独立型デバイスである、またはそうでなければ、電力システムの他のコンポーネントへと統合されていることもまた、可能性として考えられる。電力発生器はまた、DC電力源、RF増幅器、および基準点における負荷に送達される電力の種々の属性を測定するためのセンサ140を含む、種々のセンサ等の他のコンポーネントを含んでもよく、その基準点は、そのようなインピーダンス整合ネットワークが存在する、またはさらには、発生器および負荷を越えて延在する想像される伝送ラインの測定値と想定される特性インピーダンスとの数学的操作を通して、負荷が発生器から離れているよりも発生器からさらに離れている点にあるか、または、発生器が負荷から離れているよりも負荷からさらに離れている点にある場合、整合ネットワーク150の両側の発生器と負荷との間にあってもよい。
【0030】
図2は、発生器の皮相ソースインピーダンスを制御し、さらに、発生器の所望される皮相ソースインピーダンスに関して計算される、順方向電力に基づいて電力源(発生器、電力増幅器、コンバータ、インバータ)200への制御信号を提供するための、制御システムの一実施例を図示する。システム図はまた、皮相ソースインピーダンスを制御するための方法を図示する。上記で議論されるように、本システムは、米国特許第7,970,562号等において議論される、センサ240と、関連付けられる測定システム250とを含んでもよい。センサおよび測定システムは、基準点255における負荷220に送達される電力の側面を検出し、測定する。
【0031】
本システムおよび関連付けられる方法は、負荷に送達される基準インピーダンス(例えば、Zc)に関して計算される順方向電力(例えば、PfwdZc)に関連する、値を取得するステップ(261)を伴う。Zcに関して計算される順方向電力に関連する値は、|v+Zci|2(但し、vは、基準点255(例えば、負荷への発生器の出力または入力)における電圧であり、iは、基準点において負荷または発生器に向かって流動する電流である)に比例する、またはそれに依存する任意の値であってもよい。(例えば、スミス図表および負荷または発生器に向かった負荷反射係数の回転を使用する)周知の数学変換は、基準点を、任意の所望される場所、さらに、発生器よりも負荷からさらに離れた点、または負荷よりも発生器からさらに離れた点に移動させることができる。
【0032】
Z
cの好適な値が、種々の方法で取得され得る。一実施例では、第‘544号特許で説明されるシステムを参照すると、Z
cの種々の値に関する順方向および反射電圧の測定値に基づいてZ
cを変動させ、発振を監視することによって、種々のシステムの安定性を試験することが可能である。特に、Z
cが、以下から計算されるインピーダンスであり、
【化31】
ρが、固定された大きさを伴う、複素数であり、ρの角度が、0~360度で変動される場合、効果は、ρの大きさが、十分に大きい(例えば、>0.3)ことを前提として、第‘544号特許に説明されるように、発生器と非線形の負荷との間の発生器の出力周波数において0~180度遅延で変動されるケーブル長を挿入することに類似する(負荷反射係数の0~360度の回転)。位相が変動されるにつれて、発振は、典型的には、低周波数(典型的には、<1kHz)発振と高周波数(典型的には、>10kHz)発振との間で切り替わる。安定した面積(発振なし)が、見出され得る場合、これは、低周波数発振と高周波数発振との間の境界において見出されることが予期される。なお、本挙動は、Z
cの最も好ましい設定に関する非常に容易な自動的検索を助長し得るものであり、設定を変化させながら発振周波数を監視し、低周波数発振と高周波発振との間の遷移に近い設定を選定することができる。完全に安定した動作が見出されない場合、遷移の高周波数側であるが、遷移に近接する点を選定することは、多くの場合、システムが容認可能な方法で機能することを可能にする。当然ながら、また、オーバーシュートおよびアンダーシュート等の波形特性を考慮し、Z
cのための最良な設定の決定を行うこともできる。ρの角度を変動させることに加えて、ρの大きさもまた、変動され、システム全体の安定した、または容認可能な動作をもたらす値を検索することができる。Z
cの決定は、例えば、コンピュータ内に実装されるアルゴリズム280によって行われることができる。
【0033】
依然として
図2を参照すると、本システムは、2つのコントローラ(265、270)を含んでもよい。コントローラは、統合されてもよく、本明細書では、それらは、単に、システム全体において異なる機能を提供するため、別個の制御部として説明される。第1のコントローラ265は、電力源に制御出力を提供する。第1のコントローラは、2つの入力、すなわち、第2のコントローラ270からの設定点と、Z
cに関する測定された順方向電力とを受信する(261)。より具体的には、第1のコントローラ265は、第2のコントローラ270から設定点を受信し、設定点は、基準インピーダンスZ
cに関して計算される順方向電力に関連する、測定された順方向値のためのものである。第1のコントローラ265は、基準インピーダンスZ
cに関して計算される順方向電力に関連する測定値が、コントローラ270から第2の設定点に向かうようにするために、発生器の出力を調節する。
【0034】
第2のコントローラは、従来の電力制御値を受信する。すなわち、第2のコントローラは、従来の設定点277と、基準点255における従来の電力値276の測定値とを受信する。従来の電力値は、従来のインピーダンス(例えば、50Ω)に関する、電圧、電流、実送達電力、順方向電力、および他のものであってもよい。第2のコントローラは、従来の値を使用して、従来の電力設定点に向かう従来の電力値の測定値を調節するために、第1のコントローラへの設定点を提供し、調節する。従来のシステムは、第1のコントローラを有しておらず、代わりに、第2のコントローラは、単にその出力を制御される電力源に提供するであろう。本システムおよび方法では、第2のコントローラは、代わりに、設定点として、その出力を第1のコントローラに提供する。ひいては、第1のコントローラは、第2のコントローラに提供される電力の従来の測定値ではなく、Z
cに関して計算される順方向電力に関連する、またはそれに依存する値の測定値を受信する。例えば、基準点255における発生器への負荷220によってもたらされるインピーダンスが、60+j10Ωであり、従来の設定点277が、基準点において200V RMSであり、Z
cが、30+j40Ωであり、順方向電力に関連する値が、
【化32】
である場合、いったんコントローラが設定点において定常状態に到達すると、第2のコントローラは、200V RMSの設定点277を受信し、200V RMSの測定値276を受信し、第1のコントローラに
【化33】
の設定点271を提供するであろう。
第2のコントローラによって提供される設定点への、基準インピーダンスZ
cに関して計算される順方向電力に関連する値を移動させるように、発生器の出力を制御する、第1のコントローラに設定点を提供する、発生器の出力の従来の測定値に関して動作する、第2のコントローラの効果は、以下のとおりである。すなわち、発生器は、従来の設定点277の緩慢な変化に従い、プラズマ負荷によって発生器にもたらされる負荷インピーダンスの緩慢な変化に関して、発生器の出力は、従来の設定点に従う。プラズマ負荷によって発生器にもたらされる負荷インピーダンスの急速な変化に関して、発生器は、基準インピーダンスZ
cに関して計算される順方向電力を一定に保つ傾向にある。本挙動は、システムの利点のいくつかのものを生じる。本挙動は、制御システムの異なる構成によって達成されることができる。一実施例では、緩慢な変化は、周波数ドメインにおいて、総エネルギーの半分超が、周波数F1(例えば、0Hz~10Hz、および0Hz~10kHzのF1値)よりも下に含有される電力密度スペクトルを有する変化であり、急速な変化は、周波数ドメインにおいて、総エネルギーの半分超が、F1よりも上に含有される電力密度スペクトルを有する変化であると見なされ得る。
【0035】
一実施例では、Zcに関する順方向電力に関連する値は、(スカラー)×|(基準点における電圧)|2+Zc×(基準点における負荷に対して流動する電流(例えば、基準点において発生器から負荷に流動する電流、または-(発生器に向かって流動する電流)))に等しい。例えば、Zcが、10+j20であり、vが、基準点における電圧であり、iが、基準点において発生器から負荷に流動する電流である場合、基準点におけるZcに関する順方向電力に関連する値は、5|v+(10+j20)i|2となり得る。別の実施例では、Zcに関する順方向電力に関連する値は、(スカラー)×|(基準点における電圧)|+-Zc×(基準点において負荷から発生器に流動する電流)に等しい。例えば、Zcが、10+j20であり、vが、基準点における電圧であり、iが、基準点において負荷から発生器に流動する電流である場合、基準点におけるZcに関する順方向電力に関連する値は、|v-(10+j20)i|となり得る。本開示では、Zcに関する順方向電力に関連する値は、xをvおよびiの異なる組み合わせに対して一定に保つことが、PfwdZcを電力送達システムに関連するvおよびiのそれらの組み合わせにわたってvおよびiのそれらの同一の組み合わせに対して一定に保つことを示すような、vおよびiに関する数学演算から導出される任意の値xである。電力送達システムに関連し得る、vおよびiの組み合わせの実施例は、電力送達システムが、10mA~100Aの電流を負荷に送達することが予期され、負荷インピーダンスの大きさが、0.5Ω~1,000Ωであることを意味し得る、0.01<|i|<100および0.5|i|<|v|<1,000|i|である。PfwdZcに関連する値を作成するためのPfwdZcに関する演算の実施例は、したがって、累乗するステップ(例えば、0.5乗することによって平方根を求める)と、スカラーによって乗算するステップと、スカラーの加算とを含む。より一般的には、PfwdZcに関連する値は、1対1関数をPfwdZcに適用することによって取得され得る。
【0036】
位相の概念が存在しない、DC発生器に関して、同一の原理が、DC発生器とプラズマ負荷との間の相互作用を変化させるために使用され得ることにも留意されたい。本場合では、v、i、およびZ
cは、実数であり、すなわち、複雑な基準インピーダンスを選定することが可能である代わりに、基準抵抗を選定することに限定される。皮相電源抵抗のそのような変化は、安定性の向上、パルス化する間、または設定点(例えば、電力、電圧、または電流)をオンにする、または変化させるときのパルス成形のために、そしてアークの取扱(発生器が負荷抵抗の急激な変化に応答する方法)のために有用であり得る。DC発生器の皮相ソースインピーダンスはさらに、リアクティブソースインピーダンスをエミュレートすることによって修正されることができる。例えば、コンデンサCに並列なレジスタRと、インダクタンスLの直列の組み合わせとから成る、ソースインピーダンスは、
【化34】
を、制御システムを用いて一定に保つことによって、制御システム帯域幅内でエミュレートされることができる。
【0037】
Zcの値は、異なる目標を成し遂げるように変化されてもよい。例えば、Zcは、点火を向上させるための時間の関数として、電力の形状を制御するために、発生器の出力の開始時に1つの値を有し、次いで、いったんプラズマが点火されると、安定性を達成するために異なる値に切り替ってもよい。変調波形(例えば、2つの異なる電力レベル間でパルス化すること、または繰り返し周期を伴う波形を繰り返すこと)を発生させる発生器に関して、Zcは、変調波形と同期して変化されてもよい。
【0038】
図3に目を向けると、本開示される技術の種々の演算を実施するように配列される、演算ユニット302-308を含む、電子デバイス300が、示される。デバイス300の演算ユニット302-308は、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装され、本開示の原理を実行する。
図3に説明される演算ユニット302-308は、組み合わせられる、または下位ブロックに分離され、本開示の原理を実装し得、かつ実装に含まれる全てのユニットではないことが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本開示の説明は、可能性として考えられる任意の組み合わせ、または分離、または演算ユニット302-308のさらなる定義を支援する。
【0039】
1つの実装では、電子デバイス300は、グラフィカルユーザインターフェース等の情報を表示するように構成されるディスプレイユニット302と、ディスプレイユニット302と通信する処理ユニット304と、1つ以上の入力デバイスまたはシステムからデータを受信するように構成される入力ユニット306とを含む。本明細書に説明される種々の演算が、入力ユニット306によって受信されるデータを使用して、処理ユニット304によって実装され、ディスプレイユニット302を使用して表示するための情報を出力してもよい。コントローラは、ディスプレイユニットを含まない場合もある。
【0040】
加えて、1つの実装では、電子デバイス300は、
図2に関して説明される演算を実装する、ユニットを含む。例えば、算出によって実施される演算260および270は、測定ユニット508によって実装されてもよく、演算406-412は、ユニット308を用いて実装されてもよい。いくつかの実装では、算出ユニット308はさらに、Z
cの値を決定または調節するための種々の演算を実装する。
【0041】
図4を参照すると、本明細書に議論される種々のシステムおよび方法を実装し得る、1つ以上のコンピューティングユニットを有する、例示的コンピューティングシステム400の詳細な説明が、提供される。コンピューティングシステム400は、コントローラまたは複数のコントローラ、測定システム、
図2の同一または全ての機能を統合する、インピーダンス整合システム、算出ユニット、および
図2のシステムおよび方法に関連する、他のコンピューティングデバイスに適用可能であり得る。これらのデバイスの具体的な実装は、その全てが本明細書に具体的に議論されているわけではないが、当業者によって理解されるであろう、異なる可能性として考えられる具体的なコンピューティングアーキテクチャであり得ることを理解されたい。
【0042】
コンピュータシステム400は、コンピュータプロセスを実行するためのコンピュータプログラム製品を実行することが可能である、コンピューティングシステムであってもよい。データおよびプログラムファイルが、ファイルを読み取り、その中でプログラムを実行する、コンピュータシステム400への入力であってもよい。1つ以上のハードウェアプロセッサ402、1つ以上のデータ記憶デバイス404、1つ以上のメモリデバイス408、および/または1つ以上のポート408-410を含む、コンピュータシステム400の要素のいくつかのものが、
図4に示される。加えて、当業者によって認識されるであろう他の要素もまた、コンピューティングシステム400内に含まれてもよいが、
図4には明示的に描写されておらず、本明細書でさらに議論されてはいない。コンピュータシステム400の種々の要素は、1つ以上の通信バス、2点間通信路、または
図4に明示的に描写されていない、他の通信手段を用いて相互に通信してもよい。
【0043】
プロセッサ402は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/またはキャッシュの1つ以上の内部レベルを含んでもよい。プロセッサ402が、一般的には、並列処理環境と称される、相互に並列に命令を実行し、演算を実施することが可能である、単一の中央処理ユニットまたは複数の処理ユニットを含むように、1つ以上のプロセッサ402が、存在してもよい。
【0044】
コンピュータシステム400は、従来のコンピュータ、分散型コンピュータ、またはクラウドコンピューティングアーキテクチャを介して利用可能にされる、1つ以上の外部コンピュータ等の任意の他のタイプのコンピュータであってもよい。本説明される技術は、随意に、データ記憶デバイス404上に記憶される、メモリデバイス406上に記憶される、および/またはポート408-410のうちの1つ以上のものを介して通信される、ソフトウェア内に実装され、それによって、
図4のコンピュータシステム400を、本明細書に説明される演算を実装するための特殊目的機械に変換する。
【0045】
1つ以上のデータ記憶デバイス404は、アプリケーションプログラムおよびコンピューティングシステム400の種々のコンポーネントを管理するオペレーティングシステム(OS)の両方の命令を含み得る、コンピュータプロセスを実施するためのコンピュータ実行可能命令等の、コンピューティングシステム400内で生成または採用されるデータを記憶することが可能である任意の不揮発性データ記憶デバイスを含んでもよい。データ記憶デバイス404は、限定ではないが、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュドライブ、および同等物を含んでもよい。データ記憶デバイス404は、リムーバブルデータ記憶媒体、非リムーバブルデータ記憶媒体、および/または1つ以上のデータベース管理製品、ウェブサーバ製品、アプリケーションサーバ製品、および/または他の付加的ソフトウェアコンポーネントを含む、そのようなコンピュータプログラム製品を伴う、有線または無線のネットワークアーキテクチャを介して利用可能にされる、外部記憶デバイスを含んでもよい。リムーバブルデータ記憶媒体の実施例は、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク読取専用メモリ(DVD-ROM)、光磁気ディスク、フラッシュドライブ、および同等物を含む。非リムーバブルデータ記憶媒体の実施例は、内部磁気ハードディスク、SSD、および同等物を含む。1つ以上のメモリデバイス406は、揮発性メモリ(例えば、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、および/または不揮発性メモリ(例えば、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等)を含んでもよい。
【0046】
本説明される技術によるシステムおよび方法をもたらすための機構を含有するコンピュータプログラム製品は、機械可読媒体として参照され得る、データ記憶デバイス404および/またはメモリデバイス406内に常駐してもよい。機械可読媒体は、命令を記憶またはエンコードし、機械による実行のための本開示の演算のうちの任意の1つ以上のものを実施することが可能である、または、そのような命令によって利用される、または、それと関連付けられるデータ構造および/またはモジュールを記憶またはエンコードすることが可能である、任意の有形の一過性媒体を含み得ることを理解されたい。機械可読媒体は、1つ以上の実行可能な命令またはデータ構造を記憶する、単一の媒体または複数の媒体(例えば、中央または分散型データベース、および/または関連付けられるキャッシュおよびサーバ)を含んでもよい。
【0047】
いくつかの実装では、コンピュータシステム400は、他のコンピュータ、ネットワーク、または車両デバイスとの通信のための、入力/出力(I/O)ポート408および通信ポート410等の1つ以上のポートを含む。ポート408-410は、組み合わせられる、または分離され得、より多いまたはより少ないポートが、コンピュータシステム400内に含まれ得ることを理解されたい。
【0048】
I/Oポート408は、それによって情報がコンピューティングシステム400に入力される、またはそれから出力される、I/Oデバイスまたは他のデバイスに接続されてもよい。そのようなI/Oデバイスは、限定ではないが、1つ以上の入力デバイス、出力デバイス、および/または環境変換器デバイスを含んでもよい。
【0049】
1つの実装では、入力デバイスは、人間の声、身体の移動、身体の接触または圧力、および/または同等物等の人間が生成した信号を、I/Oポート408を介したコンピューティングシステム400への入力データとして、電気信号に変換する。同様に、出力デバイスは、I/Oポート408を介してコンピューティングシステム400から受信される電気信号を、音、光、および/または感触等の人間による出力として感知され得る、信号に変換してもよい。入力デバイスは、I/Oポート408を介してプロセッサ402に情報および/またはコマンド選択を通信するための、英数字キーおよび他のキーを含む、英数字入力デバイスであってもよい。
【0050】
1つの実装では、通信ポート410は、それを用いてコンピュータシステム400が本明細書に提示される方法およびシステムを実行し、かつそれによって決定される、情報およびネットワーク構成変化を伝送することにおいて有用である、ネットワークデータを受信し得る、ネットワークに接続される。言い換えると、通信ポート410は、コンピュータシステム400を、1つ以上の有線または無線の通信ネットワークまたは接続を用いて、コンピューティングシステム400と他のデバイスとの間で情報を伝送および/または受信するように構成される、1つ以上の通信インターフェースデバイスに接続する。そのようなネットワークまたは接続の実施例は、限定ではないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、Long-Term Evolution(LTE)等を含む。1つ以上のそのような通信インターフェースデバイスは、通信ポート410を介して利用され、2点間の通信路を経由して直接、広域ネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)を経由する、ローカルエリアネットワーク(LAN)を経由する、セルラー(例えば、第3世代(3G)または第4世代(4G))ネットワークを経由する、または別の通信手段を経由するかのいずれかで、1つ以上の他の機械に通信してもよい。さらに、通信ポート410は、電磁気信号の伝送および/または受信のために、アンテナまたは他のリンクと通信してもよい。
【0051】
ある例示的実装では、健康データ、空気濾過データ、およびソフトウェア、および他のモジュールおよびサービスが、データ記憶デバイス404および/またはメモリデバイス406上に記録される命令によって具現化され、プロセッサ402によって実行されてもよい。コンピュータシステム400は、
図2に示されるシステムと統合される、またはそうでなければ、その一部を形成してもよい。
【0052】
図4に記載されるシステムは、本開示の側面に従って採用する、または構成され得る、コンピュータシステムの1つの可能性として考えられる実施例である。コンピューティングシステム上に本開示される技術を実装するためのコンピュータ実行可能な命令を記憶する、他の非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体もまた、利用され得ることを理解されたい。
【0053】
本開示では、開示される方法は、デバイスによって読取可能な命令またはソフトウェアのセットとして実装され得る。さらに、開示される方法のステップの具体的な順序または階層は、例示的アプローチの事例であることを理解されたい。設計選好に基づいて、本方法のステップの具体的な順序または階層は、開示される主題の範囲内に留まりながら、再配列され得ることを理解されたい。添付の方法に係る請求項は、種々のステップの要素をサンプル順序で提示し、必ずしも提示される具体的な順序または階層に限定することを意図していない。
【0054】
説明される開示は、本開示に従ってプロセスを実施するようにコンピュータシステム(または他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る、その上に記憶される命令を有する非一過性の機械可読媒体を含み得る、コンピュータプログラム製品またはソフトウェアとして提供され得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読取可能である形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための、任意の機構を含む。機械可読媒体は、限定ではないが、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、磁気光記憶媒体、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために好適な他のタイプの媒体を含んでもよい。
【0055】
本開示は、種々の実装を参照して説明されているが、これらの実装は、例証的であり、本開示の範囲は、それらに限定されないことを理解されたい。多くの変形例、修正、追加、および改良が、可能性として考えられる。さらに一般的には、本開示による実施形態は、特定の実装という文脈において説明されている。機能性は、本開示の種々の実施形態において異なるように分離される、またはブロックに組み合わせられる、または異なる専門用語を用いて説明され得る。これらおよび他の変形例、修正、追加、および改良は、本開示の範囲内にあり得る。