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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/2485 20160101AFI20220527BHJP
   H01M 8/0267 20160101ALI20220527BHJP
   H01M 8/2465 20160101ALI20220527BHJP
   H01M 8/2484 20160101ALI20220527BHJP
【FI】
H01M8/2485
H01M8/0267
H01M8/2465
H01M8/2484
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021547950
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2019080049
(87)【国際公開番号】W WO2020099161
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】102018219201.4
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591006586
【氏名又は名称】アウディ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】AUDI AG
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】グレッツァー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クルーイ,ノルベルト
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-133291(JP,A)
【文献】特開2009-054378(JP,A)
【文献】特表2015-519692(JP,A)
【文献】特開2007-115696(JP,A)
【文献】特開平03-025862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00- 8/0297
H01M 8/08- 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積層方向に積層された複数のユニットセル(11)から形成された燃料電池スタック(12)を有する燃料電池装置(1)であって、各ユニットセルが、1つまたは複数の媒体チャネル(8)と、カソード、アノード、およびカソードとアノードとの間に配置された膜を備えた膜電極アセンブリ(2)と、を有し、積層方向に実質的に平行に延在する媒体ガイド(22)であって、燃料電池スタック(12)のユニットセル(11)の媒体チャネル(8)の内外へと積層方向に対して実質的に横方向に媒体を案内するように、燃料電池スタック(12)に接続可能なまたは接続された媒体ガイド(22)を有しており、
媒体ガイド(22)が機能コンポーネント(35)として形成されるか、またはそのような機能コンポーネント(35)が媒体ガイド(22)に組み込まれ、機能コンポーネント(35)は、媒体が媒体チャネル(8)に入る前に媒体を前処理するか、または媒体が媒体チャネル(8)を出た後にその媒体を後処理するように設計され
燃料電池スタック(12)が、媒体ガイド(22)のガイドレッグ(24a,24b)をそれぞれ収容するように設計された複数のレッグレセプタクル(26)を有しており、ガイドレッグ(24a,24b)がプレテンション下でレッグレセプタクル(26)にセルフロック方式で固定されるように、媒体ガイド(22)が弾性的な弾力性を有する、燃料電池装置。
【請求項2】
機能コンポーネント(35)が、加湿器(36)、イオン交換器(40)、イオントラップ、粒子フィルタ(38)、エアフィルタ(37)、および水分離器(39)を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池装置(1)。
【請求項3】
複数の媒体ガイド(22)が設けられ、それらの媒体ガイド(22)は、空気を供給するための第1の媒体供給部(22a)、および少なくとも部分的に消費された空気を排出するための第1の媒体排出部(22b)として形成されるとともに、燃料を供給するための第2の媒体供給部(22c)、および燃料電池スタック(12)の少なくとも部分的に消費された燃料を排出するための第2の媒体排出部(22d)として形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の燃料電池装置(1)。
【請求項4】
第1の媒体供給部(22a)が加湿器(36)として形成される、またはそのような加湿器(36)が第1の媒体供給部(22a)に組み込まれることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池装置(1)。
【請求項5】
第1の媒体排出部(22b)がエアフィルタ(37)として形成される、またはそのようなエアフィルタが第1の媒体排出部(22b)に組み込まれることを特徴とする、請求項3または4に記載の燃料電池装置(1)。
【請求項6】
第2の媒体供給部(22c)が粒子フィルタ(38)として形成される、またはそのような粒子フィルタが第2の媒体供給部(22c)に組み込まれることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載の燃料電池装置(1)。
【請求項7】
第2の媒体排出部(22d)が水分離器(39)として形成される、またはそのような水分離器(39)が第2の媒体排出部(22d)に組み込まれることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載の燃料電池装置(1)。
【請求項8】
複数の媒体ガイド(22)が冷却剤供給部(22e)および冷却剤排出部(22f)に細分されることを特徴とする、請求項3~6のいずれか一項に記載の燃料電池装置(1)。
【請求項9】
冷却剤供給部(22e)がイオン交換器(40)として形成される、またはそのようなイオン交換器(40)が冷却剤供給部(22e)に組み込まれることを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックを有する燃料電池装置に関し、燃料電池スタックは、積層方向に積層された複数のユニットセルから形成され、各ユニットセルが、1つまたは複数の媒体チャネルと、カソード、アノード、およびカソードとアノードとの間に配置された膜を備えた膜電極アセンブリと、を有し、特にスタックの外側で、積層方向に実質的に平行に延びる媒体ガイドを有しており、媒体ガイドは、燃料電池スタックのユニットセルの媒体チャネルへと、または媒体チャネルから、積層方向に対して実質的に横方向に媒体を案内するように、燃料電池スタックに接続可能な、または接続された、燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スタックの外側に媒体ガイドを有する燃料電池装置は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、または特許文献4から知られている。特許文献5は、請求項1のプリアンブルの特徴による燃料電池装置を示しており、ここでは媒体ガイドもスタックの外側で燃料電池スタックに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2009/0226795号明細書
【文献】特開2005-071959号公報
【文献】欧州特許第1836739号明細書
【文献】独国特許出願公開第102010011206号明細書
【文献】独国特許出願公開第10315601号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、コンパクトであり、延いては省スペースの設計を有する燃料電池装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の一連の特徴を有する燃料電池装置によって達成される。本発明の好都合な改良を有する有利な実施形態は、従属請求項に記載される。
【0006】
この燃料電池装置は、媒体ガイドが機能コンポーネントとして形成されるか、またはそのような機能コンポーネントが媒体ガイドに組み込まれており、媒体が媒体チャネルに入る前にその媒体を前処理するか、または媒体が出た後にその媒体を後処理するように設計されるという点で区別される。したがって、媒体を処理するための機能コンポーネントは、個別に配置されるのではなく、それらの媒体ガイド自体に直接形成されるか、またはそれらに関連付けられる。それにより、燃料電池装置に必要なスペースを大幅に節約することができる。さらに、部品点数が減る。
【0007】
媒体ガイド、いわゆる外部ヘッダは、スタックの残りの部分とは別に製造され、スタックの完成後にのみスタックに接続される。したがって、機能コンポーネントの形状は、スタックの形状とは無関係に選択することができ、積層方向とは無関係に、機能コンポーネントにおける媒体の供給または排出を選択する可能性も開かれる。
【0008】
機能コンポーネントとして、加湿器、イオン交換器、イオントラップ、粒子フィルタ、エアフィルタ、および水分離器からなる群から選択すれば有利であることが判明している。
【0009】
この製造が容易な燃料電池装置は、複数の媒体ガイドが設けられることを特徴とし、それらのガイドは、空気を供給するための第1の媒体供給部、および少なくとも部分的に消費された空気を排出するための第1の媒体排出部として形成されるとともに、燃料を供給するための第2の媒体供給部、および燃料電池スタックの少なくとも部分的に消費された燃料を排出するための第2の媒体排出部として形成される。したがって、2つの反応媒体が、媒体ガイド内で、すなわち、スタックの外側で、燃料電池スタックに沿って横方向に案内され、それらの反応媒体は、積層方向に垂直に、したがって横方向に、燃料電池スタックのユニットセルに出入りすることができる。
【0010】
燃料電池スタック内の水分含有量を調整できるようにするために、第1の媒体供給部が加湿器として形成されるか、またはそのような加湿器が第1の媒体供給部に組み込まれることが有利である。
【0011】
汚染物質を環境に放出しないために、第1の媒体排出部がエアフィルタとして形成されるか、またはそのようなエアフィルタが第1の媒体排出部に組み込まれる可能性が開かれる。
【0012】
しかしながら、燃料電池スタックを汚染物質からも保護するために、第2の媒体供給部が粒子フィルタとして形成されるか、またはそのような粒子フィルタが第2の媒体供給部に組み込まれるのであれば理にかなっている。
【0013】
アノード回路で発生する凝縮液を収集するために、第2の媒体排出部が水分離器として設計されているか、またはそのような水分離器が第2の媒体排出部に組み込まれていれば有利である。
【0014】
さらに燃料電池スタックに沿ってスタックの外側に冷却剤を案内し、燃料電池スタックのユニットセル内または2つのユニットセル間に冷却剤を横方向に案内するために、媒体ガイドがまた冷却剤供給部と冷却剤排出部に細分されているのであれば理にかなっている。
【0015】
これは、冷却剤供給部がイオン交換器として形成されるか、またはそのようなイオン交換器が冷却剤供給部に組み込まれる可能性を開く。これにより、コンポーネントの短絡や電気的帯電を回避するために、燃料電池スタックに供給される冷却剤が電気的に中性であるまたは臨界導電率値を下回ることを確実にする。
【0016】
燃料電池装置の組み立てを容易にするために、燃料電池スタック、特にユニットセルが、媒体ガイドの1つのガイドレッグをそれぞれ受け入れるように設計されたレッグレセプタクルを有する場合、有利であることが判明した。ここで、ガイドレッグは、好ましくは、互いに直接接続されている。
【0017】
特に、媒体ガイドのガイドレッグは、積層方向に実質的に平行に延びる燃料電池スタックのレッグレセプタクルに挿入される。
【0018】
媒体ガイドのガイドレッグは、所定の止め部を有する燃料電池スタック上に横方向に配置することができる。これにより、媒体ガイドを正しい場所に設置する手間が省ける。さらに、燃料電池スタックに形成されたレッグレセプタクルにより、媒体ガイドを取り付けるための取り付け時間が最小限に抑えられる。
【0019】
このような配置はまた、ユニットセルまたはユニットセルのバイポーラプレートとは異なる材料を媒体ガイド用に選択できるので有利である。さらに、媒体ガイドを密封するために製造する必要のあるシールトラックの数を減らすことができる。これにより、製造の複雑さも軽減される。
【0020】
燃料電池スタックのレッグレセプタクルは、積層方向に実質的に平行に延びる溝として形成される場合に有用であることが判明している。このような溝は、製造技術の観点から非常に簡単に形成することができる。
【0021】
さらに、媒体ガイドに弾性的な弾力性を持たせ、ガイドレッグがプレテンションの下でレッグレセプタクルに保持されるようにすると有利である。そのようなプレテンションは、燃料電池スタックへの設置中に媒体ガイドをセルフロック方式で固定することを可能にし、好ましくは、強力な接続を確立するために、ガイドレッグの燃料電池スタックへの、特にそのレッグレセプタクルへの物質的な結合をさらに形成することができる。
【0022】
媒体によって生成された圧力がガイドレッグに外向きの力をも引き起こすため、復元力は好ましくは外向きに向けられる。流れる媒体の力と弾性によって与えられる復元力の総和により、燃料電池スタックへの媒体ガイドのさらに強力でより安全な取り付けが達成される。
【0023】
レッグレセプタクル内のガイドレッグの追加の固定は、レッグレセプタクルが、好ましくは積層方向に実質的に平行に延びるアンダーカットを有することにより達成され、このアンダーカットは、ガイドレッグの少なくとも一方に形成または配置されたガイド要素を収容するように設計される。
【0024】
ガイドレッグの固定をさらに強化するために、ガイド要素をアンダーカットにぴったり合うように受け入れることができれば有利であることが判明している。
【0025】
これに関連して、ガイド要素がガイドレッグとは異なる材料で形成されている場合も有用である。例えば、ガイド要素は、接着特性を有する材料から形成することができ、その結果、任意選択的に、ぴったり合わせることに加えて、ガイド要素がアンダーカット内でさらに接着結合され、それにより物質的な結合が付加的に形成される。
【0026】
案内された媒体に起因する媒体ガイド内の圧力または燃料電池スタック内の圧力が支配的であるため、媒体ガイドの燃料電池スタックへの接続は、堅固なシールを維持することに関して課題に直面している。したがって、この要件を満たすために、ガイド要素もまたシーリング材料から形成されることが有用であることが判明している。
【0027】
媒体ガイドの一実施形態では、ガイドレッグは、ガイドウェブを介して互いに間接的に接続されている。これは、U字型を表すように用いられてもよく、ここでは「U」の開放端が燃料電池スタックの方を向いており、それにより媒体が外側から燃料電池スタックへと案内される。したがって、媒体は媒体ガイド内を実質的に積層方向と平行に流れる。それらの媒体は、積層方向(z方向)に対して横方向(x-y方向)に燃料電池スタックへと流入する。
【0028】
代替的に、ガイドレッグはまた、互いに直接接続されてもよく、代わりに、燃料電池スタックに向かって「C」の開放端を有する、断面がC字型である媒体ガイドの設計が実施される。媒体はここでも媒体ガイド内を実質的に積層方向に平行に流れ、そして積層方向に対して横方向に燃料電池スタックへと流入する。
【0029】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、特許請求の範囲、以下の好ましい実施形態の説明に起因し、図面に基づくものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1a】燃料電池装置の斜視図である。
図1b】さらなる燃料電池装置の斜視図である。
図2】ユニットセルの(第1の)バイポーラプレートの上面図である。
図3図2の断面III-IIIを示す図である。
図4図2の(第1の)バイポーラプレートに複合層を適用したものを示す上面図である。
図5図4の断面V-V(非圧縮状態)を示す図である。
図6】燃料電池アセンブリが配置された図4の(第1の)バイポーラプレートを示す図である。
図7図6の断面VII-VII(非圧縮状態)を示す図である。
図8】接続層が適用された図6の構成を示す図である。
図9図8の断面IX-IX(非圧縮状態)を示す図である。
図10】(第2の)バイポーラプレートを有する燃料電池スタックのユニットセルを示す上面図である。
図11】(第2の)バイポーラプレートの底面図、すなわち、膜電極アセンブリに面している第2のバイポーラプレートの表面から見た図である。
図12図10に対応する複数のユニットセルから形成された燃料電池スタックの斜視図である。
図13】互いに積層された複数のユニットセル(圧縮状態)を通した図10のXIII-XIIIの断面図である。
図14】互いに積層された複数のユニットセル(圧縮状態)を通した図10のXIV-XIVの断面図である。
図15】媒体ガイドが取り付けられた図1aの燃料電池スタックを通した、積層方向に対して垂直に延びる断面図である。
図16図1bの燃料電池装置を通した、積層方向に対して垂直に延びる断面図である。
図17図1bによる燃料電池装置の詳細な斜視図である。
図18】レッグレセプタクル(leg receptacle)とガイドレッグの端部の詳細な図である。
図19】ガイドレッグが挿入されたレッグレセプタクルのさらなる詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
示されている図の寸法、比率、および縮尺は固定されておらず、変動し得ることを事前に指摘しておく必要がある。特に断面図では、個々の層がどの位置にどの順序で積層されているかが理解できるように示されている。
【0032】
燃料電池スタック12を有する燃料電池装置1が、図1aおよび1bのそれぞれに示されている。燃料電池スタック12は、積層方向(z方向)に積層された複数のユニットセル11から形成されている。ユニットセル11はそれぞれ、1つまたは複数の媒体チャネル8(図2)および膜電極アセンブリ2(図6)を有する。ユニットセル11内の膜電極アセンブリ2の各々は、カソード、アノード、およびカソードとアノードの間に配置されたイオン伝導性膜を備える。
【0033】
燃料電池装置1はさらに、積層方向に平行に延びる媒体ガイド22を有し、それらは、燃料電池スタック12のユニットセル11の媒体チャネル8の内外へと媒体を積層方向に対して実質的に横方向に誘導するために、燃料電池スタック12に接続される。本発明の燃料電池装置1は、この目的のために複数の媒体ガイド22を備え、それらのガイドは、燃料電池スタック12の第1の側に第1の反応媒体(例えば、酸素または空気)をカソードに供給するための第1の媒体供給部22aと、第1の側とは反対側の燃料電池スタック12の第2の側にユニットセルで消費されなかった第1の反応媒体を排出するための第1の媒体排出部22bと、に細分される。さらに、媒体ガイド22は、燃料電池スタック12の第3の側に第2の反応媒体(例えば、水素の形態の燃料)をアノードに供給するための第2の媒体供給部22cと、第3の側とは反対側の燃料電池スタック12の第4の側にユニットセル11で消費されなかった第2の反応媒体を排出するための第2の媒体排出部22dと、に細分される。最後に、媒体ガイド22はまた、燃料電池スタック12の第3の側に冷却剤(例えば、液体水)を供給するための冷却剤供給部22eと、燃料電池スタック12の第4の側に(部分的に)加熱された冷却剤を排出するための冷却剤排出部22fと、に細分される。
【0034】
図1aと1bから、媒体ガイド22自体が機能化されており、より具体的には、それら自体が機能コンポーネント(functional component)35として形成されていることが分かる。そのような機能コンポーネント35が、媒体ガイド22によって提供される空洞に統合または導入される可能性もある。
【0035】
この場合、単なる一例として、第1の媒体供給部22aは、供給空気を加湿することによって燃料電池スタック12内の水分含有量を設定するために、加湿器36として形成される。
【0036】
この場合、単なる一例として、第1の媒体排出部22bは、汚染物質を濾過するために、エアフィルタ37として形成される。
【0037】
この場合、単なる一例として、第2の媒体供給部22cは、燃料電池スタック12の汚染を防止するために、粒子フィルタ38として形成される。
【0038】
この場合、単なる一例として、第2の媒体排出部22dは、アノード回路で発生する凝縮物を回収するために、水分離器39として形成される。
【0039】
さらに、この場合、単なる一例として、冷却剤供給部22eは、燃料電池スタック12に供給される冷却剤の導電率を低下させるために、イオン交換器40として形成される。
【0040】
示される燃料電池スタック12のユニットセル11の製造または構造を、図2~11を参照しながら一例として以下に説明する。
【0041】
図2には、ユニットセル11のうちの1つのバイポーラプレート7が示されている。この第1のバイポーラプレート7aは、破線で示される内側の活性領域3と、破線で示される外側の縁部領域5とを有する。縁部領域5では、複数の媒体チャネル8が形成され、これらは、図の左側に示される第1の媒体入口チャネル8aと、図の右側に示される第1の媒体出口チャネル8bと、に細分することができる。この場合、一対のレッグレセプタクル26が、媒体チャネル8のそれぞれを取り囲むように形成され、これについては、以下でより詳細に説明する。バイポーラプレート7の長辺17aには、更なるレッグレセプタクル26が形成されている。
【0042】
この場合、5つの第1の媒体入口チャネル8a、および5つの第1の媒体出口チャネル8bが、第1のバイポーラプレート7aに形成される。別の個数であってもよい。第1の媒体入口チャネル8aは、第1の流れ場13aを介して第1の媒体出口チャネル8bに流体的に接続されている。この流れ場13aは、活性領域3に位置し、隣接する膜電極アセンブリ2に反応媒体を提供することができる。図2による例では、流れ場13aは、膜電極アセンブリ2の表面に亘って反応媒体を均一に分布させるための複数のガイドまたは壁14を有する。しかしながら、他のタイプの流れ場13aを使用することも可能であり、例えば、反応媒体の流れが、活性表面の領域に亘って蛇行する形で導かれる流れ場を使用することも可能である。さらに、複数の壁14、壁、またはウェブの間の距離も変更してもよい。隣接する壁14によって形成されるチャネルの深さもまた、異なるように具体化され、変更してもよい。
【0043】
図2の断面III-IIIである図3から分かるように、さらに流れ場13cが、第1のバイポーラプレート7aの、膜電極アセンブリ2とは反対側に面する側に形成され、その流れ場は別の媒体、例えば冷却剤の貫流に使用される。
【0044】
図4が示すように、複合層15、特に接合層が、第1のバイポーラプレート7aの縁部領域5に適用される。この複合層15は、複数の部分で形成されるか、または媒体チャネル8a,8bの領域に凹部16を有する。凹部16は、媒体入口チャネル8aおよび媒体出口チャネル8bが密封されず、後で媒体が通過することを可能にすることを確実にする。
【0045】
縁部領域5に適用された複合層15は、第1のバイポーラプレート7aの長辺(long edges)17aに沿って延在し、その結果、バイポーラプレート7の寸法によって事前に決定された縁部領域5と面一の終端部が生じる。レッグレセプタクル26の領域もまた、複合層15上で開放された状態である。この複合層15によって、活性表面すなわち活性領域3が環境から遮断され、複合層15の材料は、そのシーリング機能が保証されるように選択される。図4の断面V-Vである図5では、複合層15の面一の終端部すなわちバイポーラプレート7との結合材料を、その長辺17aに沿って見ることができる。短辺(short edges)17bに位置する複合層15のセクションもまた、好ましくは、バイポーラプレート7と面一で終端する。複合層15の選択された表現は一例である。第1のバイポーラプレート7aよりもはるかに薄くすることができる。
【0046】
図6では、膜電極アセンブリ2を有する燃料電池アセンブリが、複合層15で覆われた図4の第1のバイポーラプレート7aに適用または配置される。活性領域3は、実質的に膜電極アセンブリ2の寸法によって予め定められており、図において内側の破線によって再び輪郭が描かれている。活性領域3は、1つの平面(x-y平面)だけでなく、紙面の内外へと指向する積層方向(z方向)にも延在している。
【0047】
活性領域3は、膜電極アセンブリ2によって形成された燃料電池の電気化学反応が起こる領域である。電気化学的反応では、燃料(水素など)がアノードに導かれ、そこで電子を放出しながら触媒的に酸化されてプロトンを形成する。それらのプロトンは、イオン交換膜を介してカソードに輸送される。燃料電池から得られた電子は、電気消費部を介して、好ましくは車両を駆動するための電気モーターまたは電池へと流れる。次に、電子はカソードに導かれる。カソードでは、酸化媒体(例えば、酸素または酸素を含む空気など)が電子の吸収によって陰イオンに還元され、プロトンと直接反応して水を形成する。
【0048】
燃料がアノードに直接到達すること、または酸化媒体がカソードに直接到達することを確実にするために、シール構造4が膜電極アセンブリ2に横方向に関連付けられている(図6,8)。膜電極アセンブリ2とシール構造4の組み合わせは、共通の燃料電池アセンブリを形成する。シール構造4は、縁部領域5に延在するか、または縁部領域5を超えて突出する構成要素を備える。したがって、これらの構成要素は、活性領域3の外側に配置される。換言すれば、縁部領域5は、活性領域3をラジアル方向、横方向または円周方向に境界を定める。
【0049】
図6および8から、隣接するバイポーラプレート7に形成されるとともに縁部領域5に配置された媒体チャネル8を軸方向に気密に被覆するように、シール構造4が縁部領域5へと延在し、またはその縁部領域を超えて延在するシーリングタング6を備えることが分かる。ここに示される燃料電池アセンブリは、合計4つのシーリングタング6を有する。シーリングタング6のうちの2つは、膜電極アセンブリ2の短縁部9a上に互いに反対側に配置される。他の2つのシーリングタング6は、膜電極配置体2の長縁部9b上に互いに向かい合って配置されるとともに、互いにオフセットされている。この場合、シーリングタング6は全て長方形の形状を有する。一方、シーリングタング6の多角形の形状が可能であり、丸いシーリングタング6も考慮に入れられる。
【0050】
シール構造4、特にシーリングタング6は、それらに軸方向に作用する圧縮および/または引張応力に関して寸法的に安定している。シーリングタング6が縁部領域5を超えて延在していることも分かる。一方、1つまたは複数のシーリングタング6が縁部領域5内に延在するのみで、縁部領域5を完全に覆っていなくてもよく、または縁部領域5を超えて横方向に突出していなくてもよい。
【0051】
シール構造4は、膜電極アセンブリ2を横方向にシールするシール縁部10を有することも分かる。シール縁部10によって形成されるシール線は、媒体の横方向の逃げに対して膜電極アセンブリ2をシールする。
【0052】
燃料電池アセンブリの左側のシーリングタング6は、第1のバイポーラプレート7aの左側の媒体チャネル8を軸方向に気密に覆っている。燃料電池配置の右側のシーリングタング6は、第1のバイポーラプレート7aの右側の媒体チャネル8を軸方向に気密に覆っている。換言すれば、左側のシーリングタング6は、延いては左側の第1の媒体入口チャネル8aを軸方向に気密に覆うための第1の入口シーリングタング6aとして形成される。同様に、右側のシーリングタング6は、右側の第1の媒体出口チャネル8bを軸方向に気密に覆うための第1の出口シーリングタング6bとして形成される。バイポーラプレート7aの長辺17aに設けられたシーリングタング6は、複合層15上にある。それらは、第2の入口シーリングタング6cおよび第2の出口シーリングタング6dに細分することができる。
【0053】
プラスチックまたはプラスチック混合物は、複合層15の材料として使用することができ、これは好ましくは、シール構造4またはシーリングタング6のプラスチックまたはプラスチック混合物よりも低い熱安定性を有する。(ホット)プレスプロセス中、シーリングタング6は、複合層15に沈み、好ましくは複合層と融合し、シーリングタング6は、その寸法安定性を維持する。換言すれば、シール構造4の材料の融点は、複合層15の材料の融点よりも高い。
【0054】
中央領域、すなわち活性領域3が位置する場所において、燃料電池アセンブリのシール構造4の外側輪郭は、複合層15によって予め定められた内側輪郭に適合される。シール構造4におけるシーリングタングのない部分は、複合層15との接触点、接触線18、または接触面を形成するので、シール機能がさらに保証される。
【0055】
図6の断面VII-VIIである図7は、部分的なユニットセル11の非圧縮断面図を示している。第1のシーリングタング6a,6bが複合層15を超えて突出し、それとともに突出部19を形成していることが分かる。ここでは、横方向に必要なシーリングが確保されている。選択された表現も、ここでスケーリングするのが正しいと理解されるべきではない。個々の層の厚さは、特に接続プロセスまたは接合プロセス(ホットプレスプロセス)の後で変化する可能性があり、その後、それらは単一の共通の層のように見えるまたは機能する可能性がある。次に、入口シーリングタング6aとチャネル8との間に位置する凹部16の領域は、入口シーリングタング6aがチャネル8を軸方向に覆うように最小化される。媒体は、第1の入口シーリングタング6aの下で膜電極アセンブリ2に横方向および積層方向に供給される。そして、(部分的に)消費された媒体は、第1の出口シーリングタング6bの下で燃料電池スタック12のユニットセル11を横方向および積層方向に出ていく。
【0056】
図8では、さらなる接合層として理解されるべき接続層20が、第1の入口シーリングタング6aおよび第1の出口シーリングタング6bに適用されている。複合層15および接続層20は、第1のバイポーラプレート7aの、第2のバイポーラプレート7bへの積層方向の確実な接続を保証する。複合層15は、接続層20とオーバーラップ21を形成し、それにより2つの層が積層方向に接触面を有する。これによりシーリング機能が保証される。オーバーラップ21は、図8の断面IX-IXである図9により詳細に見ることができる。非圧縮状態もここに示されるが、これは縮尺どおりではなく、個々の層の積層配置を明確にすることを意図している。
【0057】
ここでユニットセル11を完成させるための第2のバイポーラプレート7bを、複合層15およびこれに接続された接続層20に適用することができる。これは、図10に見ることができる。第1のバイポーラプレート7aおよび第2のバイポーラプレート7bは、たかだか小さな突出部を備えたユニットセル11が、第1のバイポーラプレート7a、燃料電池アセンブリ、および第2のバイポーラプレート7bから作成されるように、接合層によって互いに接合することができる。一方、ユニットセル11の個々の層は、好ましくは、縁部なく接続されるか、または積層方向にオフセットされる。
【0058】
第1のバイポーラプレート7aと同様に、図10および図11に示される第2のバイポーラプレート7bもまた、膜電極アセンブリ2とは反対側に面する側に、冷却媒体を案内するための流れ場13cを有する。この流れ場13cは、実質的に活性領域3に位置している。これは、冷却剤入口チャネル8eおよび冷却剤出口チャネル8fに流体的に接続される。さらに、第2のバイポーラプレート7bはまた、レッグレセプタクル26を形成する陥凹領域を含む。
【0059】
しかしながら、膜電極アセンブリ2に面するその側において、第2のバイポーラプレート7bは、1つまたは複数の第2の媒体入口チャネル8cと、1つまたは複数の第2の媒体出口チャネル8dと、を有する(図11)。さらに、その第2のバイポーラプレートは、第2の媒体入口チャネル8cおよび第2の媒体出口チャネル8dに流体的に接続されるとともに、反応媒体の1つを膜電極アセンブリ2に供給することが可能な第2の流れ場13bを備える。
【0060】
図12には、複数のユニットセル11から形成された燃料電池スタック12が示されている。この燃料電池スタック12は、既知のバイポーラプレートと比較してより小さな寸法を有するようにバイポーラプレート7を設計することができ、それにより燃料電池スタック12の製造コストが削減されるという利点を有する。この場合、バイポーラプレート7は、基本的に長方形の形状であり、本発明は、バイポーラプレート7の長方形の形状に依存しないが、例えば、限定されることなく円形または曲線などを有するあらゆる形状を適用することができる。いずれにせよ、この文脈において、燃料電池スタック12が、積層方向に平行に形成された複数のレッグレセプタクル26を有し、その上に媒体ガイド22を固定することができることが重要である。
【0061】
図13は、図10の燃料電池スタック12を通る断面XIII-XIIIに沿った例示的な断面図を示す。複合層15は、接合またはホットプレス後の第1のバイポーラプレート7aおよび第2のバイポーラプレート7bの両方に接触しており、バイポーラプレート7が複合層15を介して互いに接続または接合されることが分かる。第2の媒体入口チャネル8cが、縁部領域5へとまたはこれを超えて延びる第2の入口シーリングタング6cによって軸方向に気密に覆われていることも分かる。この状況は、第2のバイポーラプレート7bの反対側と対応しており、縁部領域5へとまたはこれを超えて延びる第2の出口シーリングタング6dは、第2の媒体出口チャネル8cの軸方向に気密な被覆を提供する。図13では、第2の反応媒体が膜電極アセンブリ2へと、シール構造4の上で横方向および積層方向に案内されていることも分かる。これに対応して、シール構造4の上の積層方向では、(部分的に)消費された第2の反応媒体が、ユニットセル11または燃料電池スタック12から再び横方向に外へ案内される。
【0062】
次に、第1のユニットセル11の第2のバイポーラプレート7bは、さらなるユニットセル11の第1のバイポーラプレート7aと共に、冷却媒体の通路のための完全なチャネル断面を形成する。換言すれば、これらはまた、冷却剤入口チャネル8eおよび冷却剤出口チャネル8fを形成する。第1のユニットセル11の第2のバイポーラプレート7bおよびさらなるユニットセル11の第1のバイポーラプレート7aはまた、接合剤または接合媒体を使用して互いに接合することができる。代替的に、隣接するバイポーラプレート7の電気を発生させるように製造されたワンピース設計が可能である。
【0063】
図14は、図10の燃料電池スタック12を通る断面XIV-XIVに沿った例示的な断面図を示す。第2のバイポーラプレート7aが、積層方向で接続層20および複合層15に適用されることが分かる。第1の反応媒体が、シール構造4の下で積層方向に膜電極アセンブリ2へと導かれることも分かる。第1の媒体入口チャネル8aは、この場合、第1の入口シーリングタング6aによって軸方向に気密に被覆されている。第1の反応媒体は、積層方向に対して水平方向または横方向に供給される。これに対応して、(部分的に)消費された第1の反応媒体もまた、ユニットセル11または燃料電池スタック12から、シール構造4の下で積層方向に横方向へと戻される。
【0064】
図15は、図1aによる燃料電池装置1の断面図を示しており、これは実質的に、図10によるユニットセル11の上面図に対応する。一方、機能コンポーネント35として形成された媒体ガイド22がガイドレッグ24a,24bと共にレッグレセプタクル26に挿入されているのが分かる。ここに示される媒体ガイド22は、2つの端子ガイドレッグ24a,24bを互いに接続するガイドウェブ23を有する。ガイドレッグ24a、24bのそれぞれは、燃料電池スタック12の積層方向に平行に延びるレッグレセプタクル26の1つに収容される。媒体ガイド22の開放側は、燃料電池スタック12の方を向いており、それらのガイドを通って流れる媒体は、ユニットセル12に横方向に入ることができる。媒体ガイド22は、実質的に断面が矩形であるが、異なる形状が可能である。媒体チャネル22は、好ましくは、特に寸法的に安定しているプラスチックから形成される。
【0065】
図16は、機能コンポーネント35として形成された媒体ガイド22の異なる形状を示しており、図1bの燃料電池スタック12の断面がここに示されている。この場合、媒体ガイド22は、半円形またはC字形であり、その結果、ガイドレッグ24a,24bは、ガイドウェブ23を省きながら、互いに直接接続される。
【0066】
図17による詳細図から、この場合、媒体ガイド22は弾性的に弾力性がある(elastically resilient)ことが分かる。その結果、ガイドレッグ24a,24bは、特に外向きのプレテンションで、燃料電池スタック12のレッグレセプタクル26に保持される。したがって、復元力(力の矢印29によって示される)がアクティブであり、媒体ガイド22は、この復元力のためにレッグレセプタクル26内に固定される。さらに、ガイドレッグ24a,24bは、媒体ガイド22内を流れる媒体の圧力のためにさらに固定される。この媒体はまた、外向きの力をもたらし、これは、復元力と合算されて、媒体ガイド22と燃料電池スタック12の間にさらに強い接続をもたらす。
【0067】
代替的または付加的に、レッグレセプタクル26はまた、図18に示される詳細に従って形成され得る。この場合、レッグレセプタクル26はアンダーカット27を有し、ガイドレッグ24a,24b上に形成または配置されたガイド要素28がこのアンダーカット27に収容される。レッグレセプタクル26内(アンダーカット27の反対側)に、傾斜した挿入面30が形成され、これにより、ガイドレッグ24a,24bのレッグレセプタクル26への挿入が容易となる。挿入面30は、バイポーラプレート7の長辺17aおよび短辺17bの両方に関して傾斜するように配置される。挿入面30は、(横方向の)接触面31に合流し、この接触面31は、プレートの辺と平行に配向されるとともに、ガイドレッグ24a,24bのレッグレセプタクル26への差込みの深さを規定および/または制限する。接触面31から開始して、レッグレセプタクル26は、次に、好ましくはアンダーカット27を形成する溝形状の接触面32に合流する。
【0068】
図17による例では、ガイド要素28は、ガイドレッグ24a,24bと一体に形成されているが、図19による例では、ガイド要素28は、ガイドレッグ24a,24bとは異なる材料から形成されている。この他の材料は、例えば、燃料電池スタック12の気密性をさらに確実にするための(追加の)シーリング材料であってもよい。
【0069】
本発明の燃料電池装置1の設計は、媒体ガイド22が燃料電池スタック12上に正確に配置されることを可能にする。摩擦により固定された、および/または、ぴったり合わせられた、および/または、物質的に結合された連結による、燃料電池スタック12のレッグレセプタクル26内へのガイドレッグ24a,24bの固定は、燃料電池スタック12から離れる方向に向けられるとともに媒体ガイド22内を流れる媒体の圧力によって印加される大きな力に耐える。媒体ガイド22は、それらの優れたセルフロック機能によって区別され、機能コンポーネント35の統合により、製造の複雑さが軽減される。
【符号の説明】
【0070】
1…燃料電池装置
2…膜電極アセンブリ(MEA)
3…活性領域
4…シール構造
5…縁部領域
6…シーリングタング(sealing tongue)
6a…第1の入口シーリングタング
6b…第1の出口シーリングタング
6c…第2の入口シーリングタング
6d…第2の出口シーリングタング
7…バイポーラプレート
7a…第1のバイポーラプレート
7b…第2のバイポーラプレート
8…媒体チャンネル(media channel)
8a…第1の媒体入口チャネル
8b…第1の媒体出口チャネル
8c…第2の媒体入口チャネル
8d…第2の媒体出口チャンネル
8e…冷却剤入口チャネル
8f…冷却剤出口チャンネル
9a…膜電極アセンブリの短辺(short edge)
9b…膜電極アセンブリの長辺(long edge)
10…シールリング
11…ユニットセル
12…燃料電池スタック
13a…第1の流れ場
13b…第2の流れ場
13c…流れ場(冷却媒体)
14…壁
15…複合層
16…凹部
17a…バイポーラプレートの長辺
17b…バイポーラプレートの短辺
18…接触線
19…突出部
20…接続層
21…オーバーラップ
22…媒体ガイド
22a…第1の媒体供給部
22b…第1の媒体排出部
22c…第2の媒体供給部
22d…第2の媒体排出部
22e…冷却剤供給部
22f…冷却剤排出部
23…ガイドウェブ
24a…ガイドレッグ(左)
24b…ガイドレッグ(右)
26…レッグレセプタクル(leg receptacle)
27…アンダーカット
28…ガイド要素
29…力の矢印
30…挿入面
31…(横方向)接触面
32…(溝状)接触面
33…媒体フィッティング
34…インターフェース
35…機能コンポーネント(functional component)
36…加湿器
37…エアフィルタ
38…粒子フィルタ
39…水分離器
40…イオン交換器
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19