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特許7080472チューブポンプシステムおよびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】チューブポンプシステムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/12 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
F04B43/12 T
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018050828
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019163702
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591257111
【氏名又は名称】サーパス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】今井 幸宣
(72)【発明者】
【氏名】平井 和樹
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-067054(JP,A)
【文献】特開昭56-129790(JP,A)
【文献】特開2016-169620(JP,A)
【文献】特開2008-308994(JP,A)
【文献】特開昭52-112805(JP,A)
【文献】特開昭57-073882(JP,A)
【文献】特開2017-062247(JP,A)
【文献】特開2014-214614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに円弧状に形成される内周面を有する収容部と、
前記内周面に沿って配置されるとともに可撓性を有するチューブと、
前記収容部に収容されるとともに前記軸線回りの接触位置から離間位置に至るまで前記チューブを押し潰した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、
前記一対のローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、
前記チューブの一端から流入した液体を前記チューブの他端から吐出させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記一対のローラ部の一方が前記チューブを押し潰した状態を解除する際に該一対のローラ部の一方の角速度を一時的に増加させ、かつ前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過した後に前記一対のローラ部の他方の前記離間位置へ向けた角速度を漸次減少させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御するチューブポンプシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記一対のローラ部の一方が前記チューブを押し潰した状態を解除する際に該一対のローラ部の一方の角速度を一時的に増加させるとともに前記一対のローラ部の他方の角速度を前記一対のローラ部の一方の角速度よりも高い所定角速度に維持する請求項1に記載のチューブポンプシステム。
【請求項3】
前記チューブの他端には、可撓性を有するとともに内部を流通する液体の圧力を大気圧よりも高い第1所定圧力に維持する配管が接続されており、
前記制御部は、前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過する際に、該一対のローラ部との接触により閉塞された前記チューブ内の液体の圧力が前記第1所定圧力と所定圧力差の第2所定圧力に上昇するように前記一対の駆動部のそれぞれを制御する請求項1または請求項2に記載のチューブポンプシステム。
【請求項4】
前記チューブから吐出される液体の流量を計測する流量計を備え、
前記制御部は、前記流量計が計測する液体の流量が目標流量となるように前記一対の駆動部のそれぞれを制御する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチューブポンプシステム。
【請求項5】
前記第1所定圧力が、20kPaG以上かつ250kPaG以下である請求項に記載のチューブポンプシステム。
【請求項6】
軸線回りに円弧状に形成される内周面を有する収容部と、前記内周面に沿って配置されるとともに可撓性を有するチューブと、前記収容部に収容されるとともに前記軸線回りの接触位置から離間位置に至るまで前記チューブを押し潰した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、前記一対のローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、を備えるチューブポンプシステムの制御方法であって、
前記チューブの一端から流入した液体を前記チューブの他端から吐出させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御する制御工程を備え、
前記制御工程は、前記一対のローラ部の一方が前記チューブを押し潰した状態を解除する際に、該一対のローラ部の一方の角速度を一時的に増加させ、かつ前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過した後に前記一対のローラ部の他方の前記離間位置へ向けた角速度を漸次減少させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御するチューブポンプシステムの制御方法。
【請求項7】
前記制御工程は、前記一対のローラ部の一方が前記チューブを押し潰した状態を解除する際に該一対のローラ部の一方の角速度を一時的に増加させるとともに前記一対のローラ部の他方の角速度を前記一対のローラ部の一方の角速度よりも高い所定角速度に維持する請求項6に記載のチューブポンプシステムの制御方法。
【請求項8】
前記チューブの他端には、可撓性を有するとともに内部を流通する液体の圧力を大気圧よりも高い第1所定圧力に維持する配管が接続されており、
前記制御工程は、前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過する際に、該一対のローラ部との接触により閉塞された前記チューブ内の液体の圧力が前記第1所定圧力と所定圧力差の第2所定圧力に上昇するように前記一対の駆動部のそれぞれを制御する請求項6または請求項7に記載のチューブポンプシステムの制御方法。
【請求項9】
前記配管の内部を流通する液体の流量を計測する計測工程を備え、
前記制御工程は、前記計測工程が計測する液体の流量が目標流量となるように前記一対の駆動部のそれぞれを制御する請求項8に記載のチューブポンプシステムの制御方法。
【請求項10】
前記第1所定圧力が、20kPaG以上かつ250kPaG以下である請求項に記載のチューブポンプシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブポンプシステムおよびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、可撓性を有するチューブを複数のローラによって間欠的に押し潰すことによってチューブ内の液体を圧送するチューブポンプが知られている。チューブポンプは、間欠的に液体を圧送するため、圧送される液体に脈動(流量の増減が繰り返される動作)が生じる。
ポンプによって圧送される液体に生じる脈動を抑制する装置として、内部に設けた気室と液室との圧力バランスを保持することで液室に導かれる液体の脈動を抑制するダンパーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-205201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたダンパーをチューブポンプの下流側の流路に設けることにより、液体の脈動を抑制することができる。
しかしながら、特許文献1に開示されたダンパーは、一定量の液体を収容する液室を設けた構造であるため、液室内に流通しない液体が保持される空間(いわゆるデッドボリューム)を有する。そのため、この空間に滞留する液体に雑菌等が発生し、液体の純度が適切に維持されない可能性がある。また、特許文献1に開示されたダンパーは、気室と液室とを設けた比較的複雑かつ容積を必要とするため、装置全体が複雑化しかつ大型化してしまう。
【0005】
更に、発明者らは、チューブポンプにおいて、ローラにより押し潰されたチューブが原形に戻る際に、下流側の流路からチューブポンプ側に液体が引き込まれる現象が発生し、この現象によって脈動が生じるという知見を得た。この現象を抑制または消滅させることにより、液体の脈動を更に抑制することができる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置を複雑化あるいは大型化させることなく液体の脈動を抑制または消滅させることを可能としたチューブポンプシステムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のチューブポンプは以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムは、軸線回りに円弧状に形成される内周面を有する収容部と、前記内周面に沿って配置されるとともに可撓性を有するチューブと、前記収容部に収容されるとともに前記軸線回りの接触位置から離間位置に至るまで前記チューブを押し潰した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、前記一対のローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、前記チューブの一端から流入した液体を前記チューブの他端から吐出させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過した後に前記一対のローラ部の他方の前記離間位置へ向けた角速度を漸次減少させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御する。
【0008】
一対のローラ部の一方が離間位置を通過した後に一対のローラ部の他方を一定の角速度で回転させた場合、一対のローラ部の他方がチューブを押し潰す位置から離間位置までの距離が漸次減少する。そのため、一対のローラ部の他方が離間位置に近づくにしたがって離間位置の上流側の液体の圧力が上昇し、それに伴ってチューブの他端から吐出する液体の流量が漸次増加してしまう。そこで、本発明の一態様に係るチューブポンプシステムでは、一対のローラ部の一方が離間位置を通過した後に一対のローラ部の他方の離間位置へ向けた角速度を漸次減少させている。そのため、一対のローラ部の他方が離間位置に近づくことによる上流側の液体の圧力上昇と一対のローラ部の他方の角速度の減少による液体の圧力減少とを相殺することができる。そのため、チューブの他端から吐出する液体の流量の変動を抑制または消滅させ、液体の脈動を抑制または消滅させることができる。
【0009】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいて、前記チューブの他端には、可撓性を有するとともに内部を流通する液体の圧力を大気圧よりも高い第1所定圧力に維持する配管が接続されており、前記制御部は、前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過する際に、該一対のローラ部との接触により閉塞された前記チューブ内の液体の圧力が前記第1所定圧力と所定圧力差の第2所定圧力に上昇するように前記一対の駆動部のそれぞれを制御する構成としてもよい。
本構成に係るチューブポンプシステムによれば、配管の内部の液体の静圧が大気圧よりも高く維持されるため、液体の脈動によって配管内の液体の静圧が更に上昇した場合には、配管が弾性変形して液体の脈動が抑制される。
【0010】
また、本構成に係るチューブポンプにおいて、一対のローラ部の一方が離間位置を通過した後は離間位置の上流側と下流側とでチューブ内部の液体が連通した状態となるため、離間位置の上流側と下流側の液体の圧力に差があるとチューブの他端から吐出される液体の流量が変動してしまう。そこで、本構成に係るチューブポンプシステムでは、一対のローラ部の一方が離間位置を通過する際に、一対のローラ部との接触により閉塞されたチューブ内の液体の圧力を第1所定圧力と所定圧力差の第2所定圧力に上昇させる。そのため、一対のローラ部の一方が離間位置を通過してローラ部により押し潰されたチューブが原形に戻る際に、離間位置の下流側の液体の圧力と離間位置の上流側の液体の圧力との圧力差が小さくなって所定圧力差となる。これにより、この圧力差が所定圧力差よりも大きい場合に比べ、一対のローラ部の一方が離間位置を通過する際に、離間位置で液体の流量が変動して液体の脈動が生じることが抑制される。
【0011】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記一対のローラ部の一方が前記チューブを押し潰した状態を解除する際に、該一対のローラ部の一方の角速度を一時的に増加させるようにしてもよい。
このようにすることで、一対のローラ部の一方がチューブを押し潰した状態を解除する際に、一対のローラ部の一方が離間位置の下流側へ向けて液体を吐出する吐出力を一時的に高めることができる。そのため、離間位置の下流側の高圧力の液体が、離間位置の上流側の低圧力の流体に向けて引き込まれて液体の脈動が発生することを抑制することができる。
【0012】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいて、前記チューブから吐出される液体の流量を計測する流量計を備え、前記制御部は、前記流量計が計測する液体の流量が目標流量となるように前記一対の駆動部のそれぞれを制御してもよい。
このようにすることで、液体の脈動が発生することを抑制しつつ、流量計が計測する液体の流量が目標流量となるように一対の駆動部のそれぞれを制御することができる。
【0013】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムにおいては、前記第1所定圧力が、20kPaG以上かつ250kPaG以下であってもよい。
このようにすることで、配管を流通する液体の第1所定圧力が大気圧よりも十分に高くなり、液体の脈動が配管から更に下流側へ伝達されることが抑制される。
【0014】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法は、軸線回りに円弧状に形成される内周面を有する収容部と、前記内周面に沿って配置されるとともに可撓性を有するチューブと、前記収容部に収容されるとともに前記軸線回りの接触位置から離間位置に至るまで前記チューブを押し潰した状態で前記軸線回りに回転する一対のローラ部と、前記一対のローラ部のそれぞれを前記軸線回りに同方向に回転させる一対の駆動部と、を備えるチューブポンプシステムの制御方法であって、前記チューブの一端から流入した液体を前記チューブの他端から吐出させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御する制御工程を備え、前記制御工程は、前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過した後に前記一対のローラ部の他方の前記離間位置へ向けた角速度を漸次減少させるよう前記一対の駆動部のそれぞれを制御する。
【0015】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法によれば、一対のローラ部の一方が離間位置を通過した後に一対のローラ部の他方の離間位置へ向けた角速度を漸次減少させるため、一対のローラ部の他方が離間位置に近づくことによる上流側の液体の圧力上昇と一対のローラ部の他方の角速度の減少による液体の圧力減少とを相殺することができる。そのため、チューブの他端から吐出する液体の流量の変動を抑制または消滅させ、液体の脈動を抑制または消滅させることができる。
【0016】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法において、前記チューブの他端には、可撓性を有するとともに内部を流通する液体の圧力を大気圧よりも高い第1所定圧力に維持する配管が接続されており、前記制御工程は、前記一対のローラ部の一方が前記離間位置を通過する際に、該一対のローラ部との接触により閉塞された前記チューブ内の液体の圧力が前記第1所定圧力と所定圧力差の第2所定圧力に上昇するように前記一対の駆動部のそれぞれを制御する構成としてもよい。
本構成に係るチューブポンプシステムの制御方法によれば、配管の内部の液体の静圧が大気圧よりも高く維持されるため、液体の脈動によって配管内の液体の静圧が更に上昇した場合には、配管が弾性変形して液体の脈動が抑制される。
【0017】
また、本構成に係るチューブポンプシステムの制御方法によれば、一対のローラ部の一方が離間位置を通過する際に、一対のローラ部との接触により閉塞されたチューブ内の液体の圧力が第1所定圧力と所定圧力差の第2所定圧力に上昇する。そのため、一対のローラ部の一方が離間位置を通過してローラ部により押し潰されたチューブが原形に戻る際に、離間位置の下流側の液体の圧力と離間位置の上流側の液体の圧力との圧力差が小さくなって所定圧力差となる。これにより、この圧力差が所定圧力差よりも大きい場合に比べ、一対のローラ部の一方が離間位置を通過する際に、離間位置で液体の流量が変動して液体の脈動が生じることが抑制される。
【0018】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法において、前記制御工程は、前記一対のローラ部の一方が前記チューブを押し潰した状態を解除する際に、該一対のローラ部の一方の角速度を一時的に増加させるようにしてもよい。
このようにすることで、一対のローラ部の一方がチューブを押し潰した状態を解除する際に、一対のローラ部の一方が離間位置の下流側へ向けて液体を吐出する吐出力を一時的に高めることができる。そのため、離間位置の下流側の高圧力の液体が、離間位置の上流側の低圧力の流体に向けて引き込まれて液体の脈動が発生することを抑制することができる。
【0019】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法において、前記配管の内部を流通する液体の流量を計測する計測工程を備え、前記制御工程は、前記計測工程が計測する液体の流量が目標流量となるように前記一対の駆動部のそれぞれを制御してもよい。
このようにすることで、液体の脈動が発生することを抑制しつつ、流量計が計測する液体の流量が目標流量となるように一対の駆動部のそれぞれを制御することができる。
【0020】
本発明の一態様に係るチューブポンプシステムの制御方法において、前記第1所定圧力が、20kPaG以上かつ250kPaG以下であってもよい。
このようにすることで、配管を流通する液体の第1所定圧力が大気圧よりも十分に高くなり、液体の脈動が配管から更に下流側へ伝達されることが抑制される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、装置を複雑化あるいは大型化させることなく液体の脈動を抑制または消滅させることを可能としたチューブポンプシステムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る流量制御装置を示す構成図である。
図2図1に示すチューブポンプの正面図である。
図3図2に示すチューブポンプのI-I矢視縦断面図である。
図4図3に示すチューブポンプの分解斜視図である。
図5図3に示す第1駆動部が第1ローラ部に駆動力を伝達する構造を示す縦断面図である。
図6図3に示す第2駆動部が第2ローラ部に駆動力を伝達する構造を示す縦断面図である。
図7】チューブが閉じた状態のチューブポンプを示す平面図である。
図8】チューブが開き始める状態のチューブポンプを示す平面図である。
図9】チューブが開いた状態のチューブポンプを示す平面図である。
図10】第2ローラ部が離間位置に到達した状態のチューブポンプを示す図である。
図11図7に示すチューブポンプの部分拡大図である。
図12図8に示すチューブポンプの部分拡大図である。
図13図9に示すチューブポンプの部分拡大図である。
図14図10に示すチューブポンプの部分拡大図である。
図15図11に示すチューブのII-II矢視断面図である。
図16図12に示すチューブのIII-III矢視断面図である。
図17図13に示すチューブのIV-IV矢視断面図である。
図18図14に示すチューブのV-V矢視断面図である。
図19】第1ローラ部の回転角度に対する第1ローラ部および第2ローラ部の角速度を示すグラフである。
図20】第1ローラ部の回転角度に対する第1ローラ部および第2ローラ部の角速度の比較例を示すグラフである。
図21】本実施形態のチューブポンプシステムの流量計が計測する液体の流量を示すグラフである。
図22】チューブポンプシステムの流量計が計測する液体の流量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係るチューブポンプシステムおよびその制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下、本発明の一実施形態のチューブポンプシステム700について、図面を参照して説明する。
本実施形態のチューブポンプシステム700は、流入端701から流出端702へ向けて液体を圧送するとともに、チューブポンプ100により圧送される液体の流量を制御する装置である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のチューブポンプシステム700は、液体を圧送するチューブポンプ100と、チューブポンプ100からニードルバルブ500へ液体を搬送する配管200と、配管200を流通する液体の圧力を検出する圧力センサ300と、配管200を流通する液体の流量を計測する流量計400と、上流側に配置される配管200を流通する液体の圧力を調整するニードルバルブ500と、チューブポンプ100が吐出する液体の吐出量を制御する制御部600とを備える。
【0025】
以下、本実施形態のチューブポンプシステム700が備える各構成について説明する。
チューブポンプ100は、流入端701から流出端702へ向けて液体を圧送する装置である。チューブポンプ100は、可撓性を有するチューブをローラで押し潰した状態でローラを移動させる動作を繰り返すことにより液体を圧送する。チューブポンプ100から配管200に吐出された液体は、流量計400およびニードルバルブ500を通過して流出端702へ到達する。
チューブポンプ100の詳細については後述する。
【0026】
配管200は、チューブポンプ100からニードルバルブ500へ液体を搬送する配管である。配管200は、チューブポンプ100により圧送される液体の圧力によって弾性変形する可撓性を有する樹脂材料(例えば、シリコーン樹脂)により形成されている。配管200は、後述するニードルバルブ500の開度を調整することにより、内部を流通する液体の圧力を大気圧よりも高い第1所定圧力Pr1に維持することができる。
配管200の流路長Lは、例えば、約1000mmとするのが望ましい。
【0027】
圧力センサ300は、配管200の内部を流通する液体の圧力を検出する装置である。圧力センサ300は、チューブポンプ100からニードルバルブ500へ液体を導く配管200において、流量計400の上流側に配置されている。圧力センサ300は、検出した圧力を制御部600へ伝達する。
【0028】
流量計400は、配管200の内部を流通する液体の流量を計測する装置である。流量計400は、チューブポンプ100からニードルバルブ500へ液体を導く配管200において、圧力センサ300の下流側に配置されている。流量計400は、計測した流量を制御部600へ伝達する。
【0029】
ニードルバルブ500は、弁孔(図示略)に対するニードル状の弁体(図示略)の挿入量を調整することにより、配管200から流出端702へ向けて流通させる流体の流量を調整する装置である。ニードルバルブ500は、チューブポンプ100から流出端702へ液体を導く流路において、流路断面積が最小となる領域を形成する。
【0030】
ニードルバルブ500の流路断面積を最小としているのは、ニードルバルブ500の配管抵抗をチューブポンプ100から流出端702へ液体を導く流路において最も高くするためである。そのため、ニードルバルブ500の上流側の配管200の液体の静圧が高い状態に維持される。本実施形態においては、配管200の内部を流通する液体の圧力が大気圧よりも高い第1所定圧力Pr1となるようにニードルバルブ500の開度が調整される。
ここで、第1所定圧力Pr1は、20kPaG以上かつ250kPaG以下の範囲のいずれかの値に設定するのが望ましい。特に、90kPaG以上かつ110kPaG以下の範囲のいずれかの値に設定するのが望ましい。ここで、Gはゲージ圧を意味している。
【0031】
内部の液体の静圧が高い状態に維持される配管200を可撓性の樹脂材料によって形成しているのは、液体の脈動によって配管200内の静圧がさらに上昇した場合に弾性変形することにより、液体の脈動が下流側に伝達されることを抑制するためである。
このように、チューブポンプ100から流出端702へ液体を導く流路において最も配管抵抗の高いニードルバルブ500の上流側に可撓性の樹脂材料によって形成される配管200を配置することにより、チューブポンプ100から圧送される液体の脈動を抑制することができる。
【0032】
制御部600は、チューブポンプ100が備える可撓性のチューブ101の一端から流入した液体をチューブ101の他端から吐出させるよう後述する第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御する装置である。
制御部600は、圧力センサ300から伝達される圧力が第1所定圧力Pr1と一致するように第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御する。また、制御部600は、流量計400が計測する流量が予め定めた目標流量となるように第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御する。制御部600による第1駆動部50および第2駆動部60の詳細な制御方法については、後述する。
【0033】
次に、チューブポンプシステム700が備えるチューブポンプ100について説明する。
図2に示す本実施形態のチューブポンプ100は、軸線X1(第1軸線)回りに第1ローラ部10(第1接触部材)と第2ローラ部20(第2接触部材)とを同方向に回転させることにより、流入側端部101aから流入するチューブ101内の流体を流出側端部101bへ吐出させる装置である。流出側端部101bには、配管200が接続されている。
なお、図2は、図3に示すカバー83を取り外した状態のチューブポンプ100を示すものである。
【0034】
図2の正面図に示すように、チューブポンプ100には、第1ローラ部10および第2ローラ部20を収容するローラ収容部82の凹所82aの内周面82bに沿って、軸線X1回りに円弧状にチューブ101が配置される。図2に示すように、ローラ収容部82に収容される第1ローラ部10および第2ローラ部20は、チューブ101に接触しながら反時計回りの回転方向(図2中に矢印で示す方向)に沿って軸線X1回りに回転する。
【0035】
図2の正面図において、接触位置Po1は、第1ローラ部10および第2ローラ部20がチューブ101から離間した状態からチューブ101へ接触した状態へ切り替わる軸線X1回りの位置を示す。また、離間位置Po2は、第1ローラ部10および第2ローラ部20がチューブ101に接触した状態からチューブ101から離間した状態へ切り替わる軸線X1回りの位置を示す。図2に示す破線は、接触位置Po1および離間位置Po2に配置された第1ローラ部10および第2ローラ部20を示している。
第1ローラ部10および第2ローラ部20は、接触位置Po1から離間位置Po2に至るまでチューブ101を内周面82bとの間で押し潰した状態で、それぞれ独立して軸線X1回りを回転する。
【0036】
図3の縦断面図および図4の分解斜視図に示すように、本実施形態のチューブポンプ100は、チューブ101に接触しながら軸線X1回りに回転する第1ローラ部10および第2ローラ部20と、軸線X1上に配置されるとともに第1ローラ部10に連結される駆動軸30(軸部材)と、第2ローラ部20に連結される駆動筒(筒部材)40と、駆動軸30に駆動力を伝達する第1駆動部50と、第2駆動部60と、第2駆動部60の駆動力を駆動筒40に伝達する伝達機構70(伝達部)と、を備える。
【0037】
第1ローラ部10は、チューブ101と接触しながら軸線X1と平行な軸線回りに回転する第1ローラ11と、軸線X1回りに一体に回転するように駆動軸30に連結された第1ローラ支持部材12と、両端部が第1ローラ支持部材12に支持されるとともに第1ローラ11を回転可能に取り付ける第1ローラシャフト13とを有する。
【0038】
第2ローラ部20は、チューブ101と接触しながら軸線X1と平行な軸線回りに回転する第2ローラ21と、軸線X1回りに一体に回転するように駆動筒40に連結された第2ローラ支持部材22と、両端部が第2ローラ支持部材22に支持されるとともに第2ローラ21を回転可能に取り付ける第2ローラシャフト23とを有する。
【0039】
図3に示すように、第1駆動部50および第2駆動部60は、ケーシング(収容部材)80の内部に収容されている。ケーシング80の内部には、伝達機構70を収容するためのギヤ収容部81と、第1駆動部50および第2駆動部60を支持する支持部材90が取り付けられている。また、ケーシング80の上部には、第1ローラ部10と第2ローラ部20とを収容するためのローラ収容部82が取り付けられている。
【0040】
ローラ収容部82は、第1ローラ部10および第2ローラ部20を収容する凹所82aを有する。凹所82aには、軸線X1回りに円弧状に形成される内周面82bが設けられている。
図3に示すように、チューブ101は、内周面82bに沿って軸線X1回りに円弧状に配置されている。
【0041】
支持部材90には、軸線X1に沿って延びる第1貫通穴91と軸線X2に沿って延びる第2貫通穴92が形成されている。第1駆動部50は、支持部材90に形成された第1貫通穴91に第1駆動軸51を挿入した状態で支持部材90に締結ボルト(図示略)により取り付けられている。同様に、第2駆動部60は、支持部材90に形成された第2貫通穴92に第2駆動軸61を挿入した状態で支持部材90に締結ボルト(図示略)により取り付けられている。このように、第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれは、一体に形成された部材である支持部材90に取り付けられている。
【0042】
ここで、第1駆動部50が第1ローラ部10に駆動力を伝達する構造について、図5を参照して説明する。図5において、実線で示す部分が、第1駆動部50の駆動力を第1ローラ部10に伝達する構造を構成する部分である。
図5に示すように、第1駆動部50は、軸線X1上に配置されて駆動軸30に連結される第1駆動軸51を有する。第1駆動軸51は、軸線X1に直交する方向に延びるピン51aを挿入した状態で駆動軸30の下端に取り付けられている。ピン51aにより駆動軸30が第1駆動軸51に対して軸線X1回りに相対的に回転しないように固定されている。そのため、第1駆動部50が第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させると、第1駆動軸51の駆動力が駆動軸30に伝達され、駆動軸30が軸線X1回りに回転する。
【0043】
第1駆動部50は、第1駆動軸51と、第1電動モータ52と、第1電動モータ52が回転させる回転軸(図示略)の回転を減速して第1駆動軸51に伝達する第1減速機53とを有する。第1駆動部50は、第1電動モータ52の駆動力を第1駆動軸51に伝達することにより、第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させる。
【0044】
第1駆動軸51には、第1駆動軸51とともに軸線X1回りに回転する位置検出用部材51bが取り付けられている。位置検出用部材51bは、円環状に形成される外周縁部に軸線X1回りの周方向に第1ローラ部10の軸線X1回りの回転位置を検出するためのスリット(図示略)が形成されている。
【0045】
図5に示すように、位置検出用部材51bの外周縁部の上面と下面を挟み込むように位置検出センサ54が配置されている。位置検出センサ54は、上面側および下面側の一方に発光素子を配置し、上面側および下面側の他方に受光素子を配置したセンサである。位置検出センサ54は、位置検出用部材51bの軸線X1回りの回転に伴ってスリットにより発光素子が発光する光が通過することを受光素子で検知することにより、第1ローラ部10が軸線X1回りのどの位置に配置されているかを示す回転位置を検出し、制御部600へ送信するものである。
【0046】
駆動軸30は、その下端が第1駆動軸51に連結され、その上端がカバー83に形成された挿入穴に挿入される。カバー83の挿入穴には、第1駆動軸51の先端を軸線X1回りに回転可能に支持する第3軸受部材33が挿入されている。
また、駆動軸30は、外周面に沿って挿入された円筒状の第1軸受部材31と、第1軸受部材31とは独立に形成された円筒状の第2軸受部材32とにより、駆動筒40の内周側に軸線X1回りに回転可能に支持されている。
【0047】
このように、駆動軸30は、下端側の外周面が第1軸受部材31により支持され、中央部の外周面が第2軸受部材32により支持され、先端側の外周面が第3軸受部材33により支持されている。そのため、駆動軸30は、中心軸を軸線X1上に保持した状態で軸線X1回りに円滑に回転する。
ここで、図4に示すように第1軸受部材31と第2軸受部材32とが軸線X1方向に離れた状態で配置されているのは、駆動筒40の内周面に軸線X1回りに延びる無端状の環状突起部40aが形成されているからである。
【0048】
駆動軸30の先端側には、第1ローラ部10の第1ローラ支持部材12が軸線X1回りに一体に回転するように連結されている。
以上のように、第1駆動部50が第1駆動軸51を軸線X1回りに回転させる駆動力は、第1駆動軸51から駆動軸30を介して第1ローラ部10に伝達される。
【0049】
図5に示すように、駆動軸30の下端は円環状に形成されるスラスト軸受35の上面に支持されており、スラスト軸受35の下面は支持部材90により支持されている。そのため、駆動軸30に軸線X1に沿って下方に向けたスラスト力が加わった場合には、そのスラスト力は第1減速機53および第1電動モータ52に伝達されることなく、スラスト軸受35により支持される。
そのため、駆動軸30に軸線X1に沿って下方に向けたスラスト力が加わった場合に、そのスラスト力によって第1減速機53および第1電動モータ52に衝撃が加わることが抑制される。
【0050】
次に、第2駆動部60が第1ローラ部10に駆動力を伝達する構造について、図6を参照して説明する。図6において、実線で示す部分が、第2駆動部60の駆動力を第2ローラ部20に伝達する構造を構成する部分である。図6に示す構造は、第2ローラ部20と、駆動筒40と、第2駆動部60と、伝達機構70とを有する。
図6に示す伝達機構70は、軸線X1と平行な軸線X2(第2軸線)回りに回転する第1ギヤ部71と、第1ギヤ部71から第2駆動軸61の駆動力が伝達される第2ギヤ部72とを有する。伝達機構70は、第2駆動軸61の軸線X2回りの駆動力を駆動筒40の外周面に伝達して駆動筒40を軸線X1回りに回転させる。
【0051】
図6に示すように、第2駆動部60は、軸線X2上に配置される第2駆動軸61と、第2電動モータ62と、第2電動モータ62が回転させる回転軸(図示略)の回転を減速して第2駆動軸61に伝達する第2減速機63とを有する。第2駆動部60は、第2電動モータ62の駆動力を第2駆動軸61に伝達することにより、第2駆動軸61を軸線X2回りに回転させる。
【0052】
第2駆動軸61は、軸線X2回りに円筒状に形成される第1ギヤ部71の中心部に形成された挿入穴に挿入されている。第1ギヤ部71は、第2駆動軸61が挿入された状態で固定ネジ71aを締結して固定ネジ71aの先端を第2駆動軸61に突き当てることにより、第2駆動軸61に固定される。このようにして、第1ギヤ部71は、第2駆動軸61に連結されて第2駆動軸61とともに軸線X2回りに回転する。
【0053】
第1ギヤ部71の軸線X2回りに形成された第1ギヤ71bは、第2ギヤ部72の軸線X1回りに形成された第2ギヤ72bと係合している。そのため、第1ギヤ部71の軸線X2回りの回転による駆動力は、第2ギヤ部72を軸線X1回りに回転させる駆動力として伝達される。
【0054】
第1ギヤ部71には、第2駆動軸61とともに軸線X1回りに回転する位置検出用部材71cが形成されている。位置検出用部材71cは、円環状に形成される外周縁部に軸線X2回りの周方向に第2ローラ部20の軸線X1回りの回転位置を検出するためのスリット(図示略)が形成されている。
【0055】
図6に示すように、位置検出用部材71cの外周縁部の上面と下面を挟み込むように位置検出センサ64が配置されている。位置検出センサ64は、上面側および下面側の一方に発光素子を配置し、上面側および下面側の他方に受光素子を配置したセンサである。位置検出センサ64は、位置検出用部材71cの軸線X2回りの回転に伴ってスリットにより発光素子が発光する光が通過することを受光素子で検知することにより、第2ローラ部20が軸線X1回りのどの位置に配置されているかを示す回転位置を検出し、制御部600へ送信するものである。
【0056】
駆動筒40は、軸線X1回りに円筒状に形成される第2ギヤ部72の中心部に形成された挿入穴に挿入されている。挿入穴は、駆動筒40の外周面に連結される内周面を有する穴である。
第2ギヤ部72は、駆動筒40が挿入された状態で固定ネジ72aを締結して固定ネジ72aの先端を駆動筒40に突き当てることにより、駆動筒40に固定される。このようにして、第2ギヤ部72は、駆動筒40に連結されて駆動筒40とともに軸線X1回りに回転する。
【0057】
図6に示すように、駆動筒40は、駆動軸30の外周側に第1軸受部材31および第2軸受部材32を挟んだ状態で配置されている。そのため、駆動筒40は、駆動軸30と独立して軸線X1回りに回転可能となっている。駆動軸30は第1駆動部50による駆動力により軸線X1回りに回転し、駆動筒40は駆動軸30とは独立した状態で、第2駆動部60による駆動力により軸線X1回りに回転する。
【0058】
駆動筒40の先端側には、第2ローラ部20の第2ローラ支持部材22が軸線X1回りに一体に回転するように連結されている。
以上のように、第2駆動部60が第2駆動軸61を軸線X2回りに回転させる駆動力は、伝達機構70によって駆動筒40の外周面に伝達され、駆動筒40から第2ローラ部20に伝達される。
【0059】
次に、本実施形態のチューブポンプシステム700により実行される液体の吐出について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のチューブポンプシステム700は、チューブポンプ100から配管200へ吐出される液体の圧力を圧力センサ300で検出し、制御部600へ伝達する。また、チューブポンプシステム700は、配管200を流通する液体の流量を流量計で計測し、制御部600へ伝達する。制御部600は、配管200を流通する液体の流量が目標流量と一致するように、第1ローラ部10および第2ローラ部20の軸線X1回りの角速度を制御する。また、チューブポンプシステム700の作業者は、圧力センサ300が検出する圧力が第1所定圧力Pr1と一致するように、ニードルバルブ500の開度を調整する。
【0060】
図1に示すチューブポンプシステム700は、チューブポンプ100の第1駆動部50および第2駆動部60を制御するための制御信号を制御部600からチューブポンプ100へ送信する。
なお、チューブポンプ100を、制御部600が内部に組み込まれた装置として構成するようにしてもよい。この場合、チューブポンプ100の内部に組み込まれた制御部600が第1駆動部50および第2駆動部60を制御するための制御信号を生成し、第1駆動部50および第2駆動部60へ伝達する。
【0061】
図7から図18に示す例は、チューブ101の流入側端部101aから脈動が発生していない液体(流量の変動が発生していない液体)が流入し、それを脈動が発生しない状態で流出側端部101bから吐出するようにした例である。
図7図10はチューブポンプ100を示す平面図であり、第2ローラ部20が離間位置Po2に近づく様子を時系列で示している。図11図14は、それぞれ図7図10に示すチューブポンプ100の第2ローラ21の近傍の部分拡大図である。図15図18は、それぞれ図11図14に示すチューブ101の縦断面図である。
【0062】
図7は、チューブ101が閉じた状態のチューブポンプ100を示す平面図である。チューブ101が閉じた状態とは、図11および図15に示すように第2ローラ部20の第2ローラ21がチューブ101を押し潰した状態をいう。この時点において、図15に示すチューブ101の流路断面積は0となる。
【0063】
図8は、チューブ101が開き始める状態のチューブポンプ100を示す平面図である。チューブ101が開き始める状態とは、図12および図16に示すように第2ローラ部20の第2ローラ21がチューブ101を押し潰した状態の解除が開始される状態をいう。この時点において、図16に示すチューブ101の流路断面積は0よりも大きな値となる。
【0064】
図9は、チューブ101が開いた状態のチューブポンプ100を示す平面図である。チューブ101が開いた状態とは、図13および図17に示すように第2ローラ部20の第2ローラ21がチューブ101を押し潰した状態が解除された状態をいう。この時点において、図17に示すチューブ101の流路断面積は第2ローラ21が接触しない状態と同じ流路断面積となる。
【0065】
図10は、第2ローラ部20が離間位置Po2に到達した状態のチューブポンプ100を示す平面図である。第2ローラ部20が離間位置Po2に到達した状態とは、図14および図18に示すように、第2ローラ部20によるチューブ101の変形が解除された状態をいう。この時点において、図18に示すチューブ101の流路断面積は図17に示すチューブ101の流路断面積と同じである。これは、第2ローラ部20が図9に示す位置に到達した後は、チューブ101の変形が徐々に解除されるもののチューブ101の流路断面積が変化しないことを意味している。
【0066】
図19は、第1ローラ部10の回転角度Ra(°)に対する第1ローラ部10および第2ローラ部20の角速度(rad/s)を示すグラフである。ここで、第1ローラ部10の回転角度Raとは、図7に示す各位置を0°,90°,180°,270°とした軸線X1回りの角度をいう。
図1に示す制御部600は、第2ローラ部20が離間位置Po2を通過する際に、第1ローラ部10および第2ローラ部20が図19に示す角速度で回転するように、第1駆動部50および第2駆動部60を制御するための制御信号をチューブポンプ100へ送信する。
【0067】
次に、図19を参照して、第2ローラ部20が離間位置Po2を通過する際の制御部600によるチューブポンプ100の制御方法について説明する。なお、以下では第1ローラ部10の制御方法を説明するが、第2ローラ部20の制御方法も同様であるので、以下での重複する説明を省略する。
【0068】
図7に示すように、離間位置Po2は、軸線X1回りの回転角度Raが270°より大きく360°(0°)より小さい範囲に存在している。以下では、回転角度が0°から360°に至るまでにチューブポンプ100が実行する動作を説明する。
【0069】
回転角度Ra1は、図7に示すように、第2ローラ部20との接触によりチューブ101が閉じた状態に対応する。また、回転角度Ra2は、図8に示すように、第2ローラ部20と接触したチューブ101が開き始める状態に対応する。また、回転角度Ra3は、図9に示すように、チューブ101が開いた状態に対応する。また、回転角度Ra4は、図10に示すように、第2ローラ部20が離間位置Po2に到達した状態に対応する。
【0070】
回転角度Ra5は、第1ローラ部10との接触によりチューブ101が閉じた状態に対応する。また、回転角度Ra6は、第1ローラ部10と接触したチューブ101が開き始める状態に対応する。また、回転角度Ra7は、チューブ101が開いた状態に対応する。また、回転角度Ra8は、第1ローラ部10が離間位置Po2に到達した状態に対応する。
【0071】
制御部600は、回転角度0°から回転角度Ra1に至るまで第1ローラ部10を角速度V1に維持したままとし、回転角度Ra1において第1ローラ部10を角速度V1から角速度V4に増加させる。ここで、角速度V4は、チューブポンプ100の各部の特性に応じて、流量計400が計測する流量に変動(脈動)が生じないように、角速度V1より大きい任意の角速度とすることができる。例えば、制御部600は、角速度V4を、圧力センサ300が検出する第1所定圧力Pr1に比例するように設定する。これにより、チューブ101の内部で閉塞された液体の圧力を、配管200の液体の第1所定圧力Pr1と一致させることができる。
【0072】
また、例えば、制御部600は、角速度V4を第1所定圧力Pr1に比例させずに一定とし、回転角度Ra1から回転角度Ra3までの回転角度の範囲を第1所定圧力Pr1に比例するように設定してもよい。この場合、回転角度Ra1を変動させずに回転角度Ra3を増加させてもよいし、回転角度Ra3を変動させずに回転角度Ra1を減少させてもよい。さらに、回転角度Ra1を減少させかつ回転角度Ra3を増加させてもよい。これにより、チューブ101の内部で閉塞された液体の圧力を、配管200の液体の第1所定圧力Pr1と一致させることができる。
【0073】
制御部600が回転角度Ra1から第1ローラ部10の角速度を増加させているのは、第1ローラ部10と第2ローラ部20との軸線X1回りの角度差を減少させるためである。
図7および図8に示すように、回転角度Ra1,Ra2においては、チューブ101の一部が第1ローラ部10および第2ローラ部20との接触により押し潰されて閉塞された状態となっている。そのため、第1ローラ部10と第2ローラ部20との軸線X1回りの角度差が減少すると、閉塞されたチューブ101の内部の体積が減少し、内部に存在する液体の圧力が上昇する。
【0074】
制御部600は、チューブ101が開き始める状態となる回転角度Ra2においてチューブ101内の液体の圧力が、配管200の液体の圧力である第1所定圧力Pr1との圧力差が所定圧力差となる第2所定圧力Pr2に上昇するように第1駆動部50および第2駆動部60を制御する。
ここで、所定圧力差としては、第1所定圧力Pr1の0.2倍以内とするのが望ましい。すなわち、第2所定圧力Pr2が以下の条件式(1)を満たすようにするのが望ましい。
0.8Pr1≦Pr2≦1.2Pr1 (1)
【0075】
制御部600は、条件式(1)を満たす第2所定圧力Pr2となるようにチューブ101内の液体の圧力を上昇させる。これにより、チューブ101が開き始める状態において、チューブ101が開き始める位置の上流側と下流側の液体の圧力差が小さくなる。そのため、チューブ101が開き始める位置の上流側と下流側との間で液体の流出入が起こり、それにより脈動が生じるという不具合を抑制することができる。
【0076】
制御部600は、第1ローラ部10の角速度を、チューブ101が開き始める状態となる回転角度Ra2を通過した後も、回転角度Ra3に至るまでは角速度V4を維持する。これは、回転角度Ra2を通過してもチューブ101が開いた状態である回転角度Ra3に至るまでは、チューブ101の流路断面積が増加するからである。制御部600は、チューブ101の流路断面積が増加する際に、チューブ101が開く位置の上流側と下流側との間で液体の流出入が生じないように、第2ローラ部20の角速度よりも第1ローラ部10の角速度を高い速度に維持する。
【0077】
制御部600は、チューブ101が開いた状態となる回転角度Ra3を通過した後に、第1ローラ部10を角速度V4から角速度V2まで減速する。図19に示すように、角速度V2は、角速度V1よりも高い速度である。
【0078】
図19に示す例では、第1ローラ部10の角速度を角速度V4から角速度V2まで一定の勾配で漸次減少させるようにしたが、他の態様であってもよい。例えば、第1ローラ部10および第2ローラ部20を軸線X1回りに一定速度で回転させたときに流量計400が計測する流量の時系列変化の波形を予め測定し、流量の時系列変化の波形の逆波形となるように角速度V4から角速度V2まで角速度を減少させるようにしてもよい。このようにすることで、第1ローラ部10および第2ローラ部20を軸線X1回りに一定速度で回転させたときの流量の時系列変化を相殺するように、第1ローラ部10を角速度V4から角速度V2まで減速させることができる。
【0079】
制御部600は、回転角度Ra4に到達した後は、回転角度Ra5に至るまで、第1ローラ部10を角速度V2から角速度V1まで漸次減少させる。すなわち、制御部600は、第2ローラ部20が離間位置Po2を通過した後に第1ローラ部10の離間位置Po2へ向けた角速度を漸次減少させるよう第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御する。
ここで、角速度V2は、チューブポンプ100の各部の特性に応じて、流量計400が計測する流量に変動(脈動)が生じないように、角速度V1より大きい任意の角速度とすることができる。例えば、制御部600は、角速度V2を、圧力センサ300が検出する第1所定圧力Pr1に比例するように設定する。これにより、チューブ101内の液体の圧力を、配管200の液体の第1所定圧力Pr1と一致させることができる。
【0080】
制御部600は、第1ローラ部10が回転角度Ra5を通過した後に、第1ローラ部10が回転角度Ra6に至るまで第1ローラ部10を角速度V1から一定の加速度で角速度V3まで増加させる。ここで、回転角度Ra6は、第1ローラ部10がチューブ101を押し潰した状態を解除してチューブ101が開き始める状態に対応する。したがって、制御部600は、第1ローラ部10がチューブ101を押し潰した状態を解除する際に、第1ローラ部10の角速度を一時的に増加させる。このようにすることで、第1ローラ部10がチューブ101を押し潰した状態を解除する際に、第1ローラ部10が離間位置Po2の下流側へ向けて液体を吐出する吐出力を一時的に高めることができる。
【0081】
このようにしているのは、チューブ101が、図15に示す流路断面積が0の状態から図16に示す流路断面積が0より大きい状態に変化する際に、第1ローラ部10および第2ローラ部20により閉塞されたチューブ101の内部の体積が漸次増大するからである。チューブ101の内部の体積の増大に伴ってチューブポンプ100から吐出される液体の流量が減少する。前述したように、第1ローラ部10の吐出力を一時的に高めることにより、チューブポンプ100から吐出される液体の流量が減少して液体の脈動が発生することを抑制することができる。
【0082】
ここで、角速度V3は、チューブポンプ100の各部の特性に応じて、流量計400が計測する流量に変動(脈動)が生じないように、角速度V1より大きい任意の角速度とすることができる。例えば、制御部600は、角速度V3を、圧力センサ300が検出する第1所定圧力Pr1に比例するように設定する。これにより、チューブ101内の液体の圧力を、配管200の液体の第1所定圧力Pr1と一致させることができる。
【0083】
第1ローラ部10の吐出力を一時的に高めることは、配管200の内部を流通する液体の圧力である第1所定圧力Pr1が比較的低い場合(例えば、90kPa以下)に特に有効である。第1所定圧力Pr1が比較的低い場合、チューブポンプ100から吐出される液体の流量の減少による圧力変動が第1所定圧力Pr1に対して相対的に大きくなるからである。
【0084】
次に、本実施形態のチューブポンプシステム700により制御される液体の流量について、比較例と対比しながら説明する。
図20は、第1ローラ部10の回転角度Ra(°)に対する第1ローラ部10および第2ローラ部20の角速度(rad/s)の比較例を示すグラフである。比較例において、制御部600は、チューブ101が開いた状態となる回転角度Ra3を通過した後に、第1ローラ部10を角速度V4から角速度V1まで減速している。また、比較例において、制御部600は、第1ローラ部10が回転角度Ra3に至るまで角速度V1を維持している。
【0085】
図21は、本実施形態のチューブポンプシステム700の流量計400が計測する液体の流量を示すグラフである。図22は、比較例のチューブポンプシステムの流量計400が計測する液体の流量を示すグラフである。
【0086】
図22に示すように、比較例のチューブポンプシステムでは、流量計400が計測する液体の流量について、約3秒間隔で振幅が2ml/min程度の周期的な脈動が生じている。流量が減少している期間においては、第1ローラ部10が回転角度Ra3を通過してチューブ101が開いた状態となり、チューブ101の内部体積の増大に伴ってチューブポンプ100から吐出される液体の流量が減少していると推察される。また、流量が増加している期間においては、第1ローラ部10が離間位置Po2に近づくにつれて第1ローラ部10がチューブ101を押し潰す位置と離間位置Po2までの距離が短くなり、第1ローラ部10の下流側の液体の圧力が増加していると推察される。このように、比較例においては、第1ローラ部10および第2ローラ部20が離間位置Po2を通過した後に流量計400が計測する液体の流量の変動が生じており、周期的な流量の変動(脈動)が発生している。
【0087】
一方、図21に示すように、本実施形態のチューブポンプシステム700では、流量計400が計測する液体の流量について、周期的な脈動が発生していない。これは、第1ローラ部10が回転角度Ra3を通過してチューブ101が開いた状態となっても、第1ローラ部10の角速度を角速度V1よりも高い角速度V2までしか減速させず、チューブ101の内部体積の増大に伴うチューブポンプ100からの液体の吐出量の減少を抑制しているためと推察される。また、第1ローラ部10が離間位置Po2に近づくにつれて第1ローラ部10の角速度を漸次減少させることで、第1ローラ部10の下流側の液体の圧力の増加を抑制しているためと推察される。
【0088】
以上で説明した本実施形態のチューブポンプシステム700が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、第1ローラ部10および第2ローラ部20の一方が離間位置Po2を通過した後に第1ローラ部10および第2ローラ部20の他方の離間位置Po2へ向けた角速度を漸次減少させるため、第1ローラ部10および第2ローラ部20の他方が離間位置Po2に近づくことによる上流側の液体の圧力上昇と第1ローラ部10および第2ローラ部20の他方の角速度の減少による液体の圧力減少とを相殺することができる。そのため、チューブ101の流出側端部101bから吐出する液体の流量の変動を抑制または消滅させ、液体の脈動を抑制または消滅させることができる。
【0089】
また、本実施形態のチューブポンプシステム700によれば、第1ローラ部10および第2ローラ部20の一方が離間位置Po2を通過する際に、第1ローラ部10および第2ローラ部20との接触により閉塞されたチューブ101内の液体の圧力が第1所定圧力Pr1と所定圧力差の第2所定圧力Pr2に上昇する。そのため、第1ローラ部10および第2ローラ部20の一方が離間位置Po2を通過して第1ローラ部10および第2ローラ部20により押し潰されたチューブ101が原形に戻る際に、離間位置Po2の下流側の液体の圧力と離間位置Po2の上流側の液体の圧力との圧力差が小さくなって所定圧力差となる。これにより、この圧力差が所定圧力差よりも大きい場合に比べ、第1ローラ部10および第2ローラ部20の一方が離間位置Po2を通過する際に、離間位置Po2で液体の流量が変動して液体の脈動が生じることが抑制される。
【0090】
また、本実施形態のチューブポンプシステム700は、配管200の内部を流通する液体の流量を計測する流量計400を備え、制御部600は、流量計400が計測する液体の流量が目標流量となるように第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御する。
このようにすることで、液体の脈動が発生することを抑制しつつ、流量計400が計測する液体の流量が目標流量となるように第1駆動部50および第2駆動部60のそれぞれを制御することができる。
【0091】
本実施形態のチューブポンプシステム700においては、第1所定圧力Pr1を、20kPaG以上かつ250kPaG以下とするようにニードルバルブ500の開度を調整するのが望ましい。
このようにすることで、配管200を流通する液体の第1所定圧力Pr1が大気圧よりも十分に高くなり、液体の脈動が配管200から更に下流側へ伝達されることが抑制される。
【0092】
〔他の実施形態〕
以上の説明において、チューブポンプシステム700は、チューブポンプ100から流出端702へ液体を導く流路において流路断面積を最小とするニードルバルブ500を設けるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、チューブポンプ100から流出端702へ液体を導く流路において流路断面積を最小とするオリフィス等をニードルバルブ500の代わりに設けても良い。
【0093】
また、以上の説明において、チューブポンプシステム700は、流量計400が計測する液体の流量が目標流量となるように制御部600がチューブポンプ100を制御するものであったが、他の態様であってもよい。例えば、流量計400が計測する流量をチューブポンプ100により制御しない態様や、流量計400を設けない態様としても良い。
【符号の説明】
【0094】
10 第1ローラ部
20 第2ローラ部
30 駆動軸(軸部材)
40 駆動筒(筒部材)
50 第1駆動部
60 第2駆動部
70 伝達機構(伝達部)
80 ケーシング(収容部材)
81 ギヤ収容部
82 ローラ収容部
82a 凹所
82b 内周面
83 カバー
90 支持部材
100 チューブポンプ
101 チューブ
101a 流入側端部
101b 流出側端部
200 配管
300 圧力センサ
400 流量計
500 ニードルバルブ
600 制御部
700 チューブポンプシステム
701 流入端
702 流出端
Po1 接触位置
Po2 離間位置
X1 軸線(第1軸線)
X2 軸線(第2軸線)
図1
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