(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】弾球遊技機の入賞装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
A63F7/02 316A
A63F7/02 325
(21)【出願番号】P 2017246886
(22)【出願日】2017-12-22
【審査請求日】2020-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】595112915
【氏名又は名称】株式会社ヤマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 忠勉
【審査官】武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-213199(JP,A)
【文献】特開2017-176546(JP,A)
【文献】特開2006-345925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾球遊技機の遊技盤面に取り付けられてベース面に設けられた窓部を介して突出部材を該ベース面と略面一の待避位置から前方に突出させた突出位置へと移動させ、遊技球をこの上部に沿って転動させて入賞経路に導くシャッター式入賞装置であって、
前記突出位置は前記突出部材を前記ベース面から少なくとも前記遊技球の半径よりも大なる距離だけ突出させた位置にあり、
前記窓部の下部において、前記ベース面と平行且つ略水平に移動シャフトを有するアクチュエータが設けられ、
前記ベース面の後方且つ前記窓部の側部に位置する回動軸に駆動アームの一端部を軸支させ
るとともに前記一端部には前記ベース面方向へ向けて伸びる延長アームを固定されその延長端部をこれに係合する前記移動シャフトの突出端部で前記窓部の側方へ向けて移動させて前記駆動アームを水平面内で振り子動させることで前記駆動アームの他端部に係合させた前記突出部材を前記突出位置及び前記待避位置の間で往復動自在とし、
前記駆動アームと前記延長アームとは互いに鋭角をなすようにして、前記回転軸を超えて
前記駆動アームの前記他端部を後方に配置させることなく
且つ前記回転軸を超えて前記延長アームの前記延長端部を前記窓部の側部外側へ位置させることなく、前記突出部材を前記突出位置での前方位置と前記待避位置での後方位置との間で移動させることを特徴とするシャッター式入賞装置。
【請求項2】
前記延長アームが前記ベース面に対して垂直位置に移動して、前記突出部材を前記突出位置に移動させることを特徴とする請求項
1記載のシャッター式入賞装置。
【請求項3】
前記窓部を閉塞するように前記ベース面と平行に前板を有し、前記ベース面と前記前板との間を前記遊技球が落下可能であることを特徴とする請求項1
又は2に記載のシャッター式入賞装置。
【請求項4】
前記突出部材は前記突出位置に移動し前記前板との間の間隔を前記遊技球の1/2以下とすることを特徴とする請求項
3記載のシャッター式入賞装置。
【請求項5】
前記突出部材が前記突出位置に移動し、前記遊技球が前記前板に導かれ前記突出部材の前記上部に沿って転動することを特徴とする請求項
4記載のシャッター式入賞装置。
【請求項6】
前記前板に導かれ前記突出部材の前記上部に沿って転動し落下してくる前記遊技球を受け止める位置に入賞口が設けられていることを特徴とする請求項
5記載のシャッター式入賞装置。
【請求項7】
前記突出部材が前記待避位置にあって、前記ベース面と前記前板との間を落下してくる前記遊技球を受け止める位置に第2の入賞口が設けられていることを特徴とする請求項
6記載のシャッター式入賞装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機の入賞装置に関し、特に、突出部材を遊技盤面と略面一の待避位置から前方に突出させた突出位置へと移動させて落下してくる遊技球をこの上部に沿って転動させるシャッター式の入賞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機には、遊技球を入賞しやすくする大入賞口などの入賞装置が設けられる。例えば、大入賞口は通常時に遊技球を入賞させないよう閉鎖されており、特定の条件によって解放されると遊技球を入賞させやすくする。これによって、遊技球の入賞に伴って賞球を払い出す遊技者にとって有利な状態とすることができる。
【0003】
例えば、特許文献1では、入賞装置のうち、シャッター式の入賞装置を開示している。かかる入賞装置は、ソレノイドによって上下方向に駆動するプランジャと、プランジャに連動して上下する第1作動部材と、第1作動部材の上下動に伴って左右方向に延びる回動軸の周囲で回動する第2作動部材と、第2作動部材の回動に伴って開位置と閉位置との間で前後にスライドする平板状の開閉部材(シャッター)とを備える。ソレノイドの駆動により開閉部材を開位置にスライドさせることで、その下の大入賞口を開放できる。第1作動部材には、後方に突出するロック部が備えられ、開閉部材を閉位置から開位置に不正に移動させようとすると第2作動部材の第2ロック部が当接してその移動を阻止し、不正行為を防止できるとしている。
【0004】
ところで、このようなシャッター式の入賞装置は、スペースの限られる遊技機に用いられるため、コンパクトにすることを提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2では、シャッター式の入賞装置において、嵩張りを抑制することを開示している。ソレノイドによって左右にスライドするスライド部材を、水平面内で回転可能とされて回転の中心部を折れ部としたL字状の連動部材の一方のアーム部に係合させ、連動部材の他方のアーム部を板状で前後にスライド可能な球誘導体(シャッター)に係合させる。そして、ソレノイドの駆動によってスライド部材を介して一方のアーム部を左右に移動させるように連動部材を回転させるとともに他方のアーム部を前後方向に移動させ、球誘導体を前後にスライドさせるのである。球誘導体は、前方に突出した誘導位置にあるときに遊技球を側方の入賞口に導き、後方に待避させた通過位置にあるときに遊技球を下方へ落下させる。ここで、ソレノイドの駆動によって変位する部材の全てを水平方向に変位させるとともに、左右及び前後方向において球誘導体の配置領域に重ねるように配置させることで、左右及び前後方向の嵩張りを抑制するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-249702号公報
【文献】特開2015-213589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シャッター式の入賞装置は、少なくとも前後にスライドする部材を設けているため、その動作を行うためのスペースが必要となる他、駆動機構やその動作を行うためのスペースも必要となる。このようなシャッター式の入賞装置において、装置をコンパクトにしたいとの要求がある。
【0008】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コンパクトなシャッター式の入賞装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるシャッター式入賞装置は、弾球遊技機の遊技盤面に取り付けられて窓部を介して突出部材を該遊技盤面と略面一の待避位置から前方に突出させた突出位置へと移動させ、落下してくる遊技球をこの上部に沿って転動させて入賞経路に導くシャッター式入賞装置であって、前記突出位置は前記突出部材を前記遊技盤面から少なくとも前記遊技球の半径よりも大なる距離だけ突出させた位置にあり、前記遊技盤面の後方且つ前記窓部の側部に位置する回動軸に駆動アームの一端部を軸支させ水平面内で振り子動させることで前記駆動アームの他端部に係合させた前記突出部材を前記突出位置及び前記待避位置の間で往復動自在とさせることを特徴とする。
【0010】
かかる発明によれば、駆動アームの回動角度を小さくしつつ突出位置及び待避位置の間の距離を大きくできて、結果としてコンパクトなシャッター式入賞装置を得ることができる。
【0011】
上記した発明において、前記駆動アームの前記一端部には前記遊技盤面方向へ向けて伸びる延長アームが固定され、その延長端部を前記窓部の側方へ向けて移動させて前記突出部材を前記待避位置から前記突出位置に移動させることを特徴としてもよい。さらに、前記窓部の下部において、前記遊技盤面と平行且つ略水平に移動シャフトを有するアクチュエータが設けられ、前記移動シャフトの突出端部が前記延長アームの前記延長端部に係合していることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、入賞装置をコンパクトに維持しつつ突出部材を移動させる駆動機構を簡便に得られる。
【0012】
上記した発明において前記駆動アームと前記延長アームとは互いに鋭角をなすことを特徴としてもよい。さらに、前記延長アームが前記遊技盤面に対して垂直位置に移動して、前記突出部材を前記突出位置に移動させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、駆動アーム及び延長アームの移動範囲を狭くできて、シャッター式入賞装置をコンパクトにすることを容易とする。
【0013】
上記した発明において、前記窓部を閉塞するように前記遊技盤面と平行に前板を有し、前記遊技盤面と前記前板との間を前記遊技球が落下可能であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、突出位置を前板との関係で定め得て、結果としてシャッター式入賞装置のコンパクトさを維持できる。
【0014】
上記した発明において、前記突出部材は前記突出位置に移動し前記前板との間の間隔を前記遊技球の1/2以下とすることを特徴としてもよい。さらに、前記突出部材が前記突出位置に移動し、前記遊技球が前記前板に導かれ前記突出部材の前記上部に沿って転動することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、突出位置にある突出部材の上で遊技球を確実に転動させ得る。
【0015】
上記した発明において、前記前板に導かれ前記突出部材の前記上部に沿って転動し落下してくる前記遊技球を受け止める位置に入賞口が設けられていることを特徴としてもよい。また、上記した発明において、前記突出部材が前記待避位置にあって、前記遊技盤面と前記前板との間を落下してくる前記遊技球を受け止める位置に第2の入賞口が設けられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、突出部材の突出位置及び待避位置のそれぞれに対応した入賞口を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による1つの実施例におけるシャッター式入賞装置の正面図である。
【
図2】前方壁を除いたシャッター式入賞装置の斜視図である。
【
図3】シャッター式入賞装置の要部の正面図である。
【
図4】シャッター部材及びその駆動機構の正面図である。
【
図5】シャッター部材及びその駆動機構の平面図である。
【
図7】シャッター部材の駆動機能の要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による1つの実施例としてのシャッター式入賞装置について、
図1乃至
図5を用いて説明する。
【0018】
図1に示すように、シャッター式入賞装置1は、例えば、大当たり動作時に右打ちで遊技球の入賞を促進させる弾球遊技機において、盤面右側に設置する大入賞口(アタッカー)を備える入賞装置として使用され得る。すなわち、大当たり動作中に遊技球の入賞のあった場合に大入賞口を開放するための始動入賞口2と、右側上方から進入する遊技球を受け入れる進入口3と、進入口3に進入した遊技球を左側(盤面中央側)に向けて導くように左側を低くする傾斜を有する通路4と、通路4の前方を区画する前方壁である前板5とを含む。前板5は、通路4の右側部分の前方において欠けており、通路4に進入した遊技球を遊技者から見やすくしている。
【0019】
図2を併せて参照すると、通路4の底面を区画する底板部4aに連続するように左右を長手方向とする矩形面10aを上側に有するシャッター部材10が備えられる。シャッター部材10は前後にスライド可能となるようにアタッカーベース12に保持されて、アタッカーベース12のベース面12aから突出することのできる突出部材である。つまり、シャッター部材10がアタッカーベース12のベース面12aから前方に突出した突出位置にあるときには、通路4から導かれた遊技球を矩形面10aの上でさらに左側に導いて排出口6から排出できる。他方、シャッター部材10が後方に待避してその先端をアタッカーベース12のベース面12aと略面一の位置に配置した待避位置にあるときには通路4から導かれた遊技球を矩形面10aに乗せることなく手前側へ落下させ、アタッカーベース12に形成された入賞通路13へ導くことができる。
【0020】
なお、アタッカーベース12は、シャッター式入賞装置1を遊技盤40(
図6参照)に取り付けるための台板11に前後方向に挿通されるようにして固定されている。さらに、台板11は遊技盤40(
図6参照)に取り付けられて、台板11の前面及びアタッカーベース12のベース面12aを遊技盤40の手前側の面である遊技盤面と略面一に配置している。つまり、突出位置は突出部材であるシャッター部材10を遊技盤面から少なくとも遊技球の半径よりも大なる距離だけ突出させた位置にあることになる。
【0021】
入賞通路13は矩形面10aと同様に左側を低くする傾斜を有しており、落下してきた遊技球を左端の入賞口14に導くことができる。つまり、シャッター部材10の突出位置がアタッカーの閉鎖、シャッター部材10の待避位置がアタッカーの開放となる。
【0022】
アタッカーベース12の入賞通路13のさらに下方には、シャッター部材10をスライドさせる駆動力を得るためのソレノイド21が収容されている。ソレノイド21により駆動される機構については後述する。
【0023】
図3に示すように、アタッカーベース12は、シャッター部材10をスライド可能に保持しつつ前方に突出させるため、シャッター部材の正面形状に対応した開口である窓部12cをベース面12aに有している。また、シャッター部材10は、矩形面10aを除いてその裏面やその他の部分に前後方向に延びる複数の突条10bを備える。そして、アタッカーベース12は、シャッター部材10の各突条10bにそれぞれ対応して前後に延びる溝12bを備え、スライド時のシャッター部材10の向きを安定させ得る。これによってシャッター部材10の向きを安定させて動作をスムーズにすることができる。
【0024】
図4及び
図5に示すように、シャッター部材10は、矩形面10aの左右方向の中央の裏面から下方へ向けて突出する第1ピン体10cを備える。第1ピン体10cには、略鉛直方向に延びる回動軸Zの周りに回動するよう軸支された回動部材30が接続される。回動部材30は、回動軸Zから左方向に延びる駆動アーム31と、前方に延びる延長アーム32とを備え、それぞれを水平面内で回動可能にしている。駆動アーム31の先端は左方向に開口する二股状の先端部31aを有し、先端部31aの二股の間に第1ピン体10cを左右方向にスライド自在に保持している。また、延長アーム32の前方の延長端部には下方に向けて延びて接続部材23に係合する第2ピン体32aを備える。第2ピン体32aは接続部材23に設けられた前後方向に延びる溝24に遊挿されて、接続部材23に対して前後方向にスライド可能に保持される。接続部材23は、ソレノイド21のプランジャ22に取り付けられて、ソレノイド21によって遊技盤面40a(
図6参照)と平行に左右方向に駆動可能とされる。また、回動部材30において、駆動アーム31と延長アーム32とは互いに鋭角をなしている。
【0025】
ここで、回動軸Zは矩形面10aよりも右側、つまりシャッター部材10の正面視での外形に対応する窓部12cの側方に設けられている。また、回動軸Zは、アタッカーベース12のベース面12aと略面一の位置にある遊技盤40の遊技盤面40a(
図6参照)よりも後方に設けられる。回動軸Zの周りに回動する駆動アーム31は、矩形面10aの左右方向の中央に設けられる第1ピン体まで延びているから、その長さは少なくとも矩形面10aの左右方向の長さの半分以上になる。また、矩形面10aの傾斜の高くなる側である右側に回動軸Zを設けて、駆動アーム31などのシャッター部材10よりも下側に配置される部材のスペースをより広く得るようにしている。
【0026】
次に、シャッター式入賞装置1のシャッター部材10の動作について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0027】
図5に示すように、シャッター部材10は、アタッカーベース12のベース面12aから前方(紙面下方)に突出した突出位置にある。このとき、ソレノイド21はプランジャ22を右方に突出させて接続部材23を右側に離して位置させている。
【0028】
ソレノイド21によってプランジャ22をソレノイド21の本体側(左側)へ引き寄せると、プランジャ22に取り付けられた接続部材23も左側に引き寄せられる。すると、接続部材23に設けられた溝24に保持された第2ピン体31aが左側に引き寄せられて、延長アーム32とともに回動部材30を上面視で時計回りに回動させる。これに伴い、回動部材30の駆動アーム31もその先端部31aを後方(紙面上方)に移動させるように回動する。これによって、先端部31aに保持された第1ピン体10cとともに、シャッター部材10が後方の待避位置に移動する。
【0029】
さらにシャッター部材10を突出位置に戻す場合には、これと逆方向の動作を行えばよい。つまり、鋭角をなす回動部材30の両アームのうち、延長アーム32を遊技盤面40aに対して垂直に近い位置に移動させて(紙面上時計回り)、駆動アーム31の先端部31aを前方に移動させ、シャッター部材10を突出位置に移動させるのである。
【0030】
このように、駆動アーム31の先端部31aを水平面内で振り子動させて第1ピン体10cとともにシャッター部材10を前後動させることができる。
【0031】
なお、上記したように、駆動アーム31と延長アーム32とは互いに鋭角をなしており、突出位置にある場合に、延長アーム32の延長端部である第2ピン体32aについて回動軸Zを超えて右側に位置させることがない。同様に、待避位置にある場合に、回動軸Zを超えて駆動アーム31の先端部31aを後方に配置させることがない。つまり、回動部材30の振り子動によっても回動部材の各アームは回動軸Zの右側や後方にはみ出すことがなく、駆動アーム31及び延長アーム32の移動範囲を狭くできる。
【0032】
図6(a)に示すように、このような動作における突出位置では、シャッター部材10の矩形面10aは、突出位置にあるときに遊技球を矩形面10aで左側の排出口6に導く通路の底面とする必要がある。そのため、突出位置における矩形面10aのベース面12aから突出する距離は少なくとも遊技球の半径よりは大きい。ここで、矩形面10aの前方端(紙面下方)は前方壁である前板5との間に間隙dを設けるように配置されている。遊技球が間隙dに嵌り込まないようにするためには、間隙dを遊技球の直径の1/2よりも小さくすることが好ましい。このような間隙dを設けることで、シャッター部材10の突出位置及び待避位置の間の距離を小さくできる。
【0033】
図6(b)に示すように、待避位置においては、シャッター部材10の矩形面10aは、その前方端を遊技球の通路の後方を区画する面であるアタッカーベース12のベース面12aよりも前方に突出させている。かかる突出による突出寸法は、遊技球を確実にシャッター部材10aの前方で落下させるように、遊技球の直径の1/2未満に設定される。また、突出による前板5との間隙は遊技球の直径を超えるものに設定される。このように、待避位置において矩形面10aをベース面12aよりも突出させることで、シャッター部材10の突出位置及び待避位置の間の距離をさらに小さくできる。
【0034】
以上のように、シャッター式入賞装置1では、回動軸Zを窓部12aの側部に設けて駆動アーム31の長さを長くしている。これによって、シャッター部材10の前後への移動距離に対する回動部材30の回動角度を小さくしている。つまり、回動部材30の回動角度を小さくしつつシャッター部材10の突出位置及び待避位置の間の距離を大きくでき、結果としてシャッター式入賞装置1をコンパクトにし得る。例えば、シャッター式入賞装置1によれば、遊技盤40の後方にはみ出ないように取り付け可能である。
【0035】
なお、
図7に示すように、接続部材23の溝24には、矩形面10a側(左側)の側面に回動軸Z側へ向けて溝24を狭くするような段差24aが形成されている。そして、シャッター部材10を突出位置に位置させたときに、第2ピン体32aは段差24a内に収容される。ここで、第2ピン体32aは回動軸Zよりも矩形面10a側(左側)にある。そのため、シャッター部材10を後方に押し込むように外部から力を加えても、第2ピン体32aの後方への移動を接続部材23の段差24aで阻止し、回動部材30の時計回りの回動を防止できる。つまり、部品数を増やさず、また寸法を犠牲にすることなく、突出位置にあるシャッター部材10を押し込んで待避位置に移動させるような不正行為を防止できる。
【0036】
なお、上記した実施例では、シャッター部材10の下に入賞口14を設け、矩形面10aで遊技球を転動させた左側に排出口6を設けてはずれとしたが、これとは逆に入賞口14の位置にはずれ孔を設けるとともに排出孔6の位置に入賞口を設けて、はずれと入賞とを逆の位置にすることもできる。さらには、両方とも入賞口として、それぞれ異なる賞球や異なる特典を付与するようにすることもできる。
【0037】
ここまで本発明による代表的実施例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0038】
1 シャッター式入賞装置
5 前板(前方壁)
10 シャッター部材
10a 矩形面
21 ソレノイド
23 接続部材
30 回動部材
31 駆動アーム
32 延長アーム
Z 回動軸