(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】配膳車
(51)【国際特許分類】
A47B 31/00 20060101AFI20220530BHJP
A47B 31/02 20060101ALI20220530BHJP
F25D 23/12 20060101ALI20220530BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20220530BHJP
A47J 39/02 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
A47B31/00 H
A47B31/02 B
A47B31/02 D
F25D23/12 N
F25D23/12 P
F25D23/06 P
F25D23/06 W
A47J39/02
(21)【出願番号】P 2018026185
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】與語 勇一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 泰光
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-177441(JP,A)
【文献】特開2013-202085(JP,A)
【文献】特開2006-158649(JP,A)
【文献】実開平03-077190(JP,U)
【文献】特開2007-100732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 31/00-31/02
F25D 23/12
F25D 23/06
A47J 39/02
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側方に開放した第1断熱箱体と、前記第1断熱箱体に隣接し、かつ前記第1断熱箱体と同じ方向に開放した第2断熱箱体とを有する断熱ユニットを備える配膳車であって、
前記断熱ユニットは、前記第1断熱箱体と前記第2断熱箱体との間に配置される真空断熱材を有
し、
前記第1断熱箱体は、前記第2断熱箱体と接する第1外立壁を含む第1外箱と、前記第1外箱の内側に配される第1内箱と、前記第1外箱と前記第1内箱との間に充填される第1断熱材とを有し、
前記第2断熱箱体は、前記第1断熱箱体と接する第2外立壁を含む第2外箱と、前記第2外箱の内側に配される第2内箱と、前記第2外箱と前記第2内箱との間に充填される第2断熱材とを有し、
前記断熱ユニットは、互いに接する前記第1外立壁と前記第2外立壁を貫通する形で設けられた立壁開口部を有し、
前記真空断熱材は、前記立壁開口部の内側に収まるように配され、
前記第1断熱材及び前記第2断熱材は、前記立壁開口部を介して互いに連続し、かつ前記真空断熱材の周りを取り囲む配膳車。
【請求項2】
前記断熱ユニットは、前記立壁開口部に面する前記第1内箱の外壁面に固定され、かつ前記真空断熱材を保持するブラケットを有する請求項1に記載の配膳車。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記真空断熱材が取り付けられる取付部と、基部が前記外壁面に固定されると共に先端が前記取付部に接続され、かつ前記取付部が前記外壁面から離されるように前記外壁面側から前記第2断熱箱体側に向かって延びた固定部とを有する請求項2に記載の配膳車。
【請求項4】
前記第2断熱箱体は、前記第1断熱箱体よりも上下方向の長さが短くかつ下方に空間が形成されるように前記第1断熱箱体に隣接し、
前記断熱ユニットは、前記第2断熱箱体と前記空間を挟んで上下方向で重なるように前記第1断熱箱体の下部から水平に延びた載置台を有し、
前記第2断熱箱体と前記載置台との間に装着される機械室ユニットを備える請求項3に記載の配膳車。
【請求項5】
前記真空断熱材は、前記第1断熱箱体と前記第2断熱箱体との境界部分に沿って配される板状をなした板型真空断熱材である請求項1~請求項4の何れか一項に記載の配膳車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配膳車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されるように、冷蔵機能と温蔵機能を兼ね備えた配膳車が知られている。この種の配膳車では、冷蔵室用の断熱箱体と温蔵室用の断熱箱体とが互いに隣接した状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の配膳車では、冷蔵室と温蔵室との間で生じる熱移動を如何にして抑えるかが重要な課題となっている。従来の配膳車では、冷蔵室及び温蔵室を構成する各断熱箱体の壁の中に、それぞれ発泡樹脂からなる断熱材を充填することで断熱性能が確保されている。しかしながら、冷蔵室内の設定温度と温蔵室内の設定温度との差は、例えば、最大で80℃程度にもなり、それらの間の熱移動を無視することができず、改善の余地が多く残されているのが実情であった。
【0005】
本発明の目的は、隣り合った断熱箱体同士の間の熱移動が抑制された配膳車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配膳車は、一側方に開放した第1断熱箱体と、前記第1断熱箱体に隣接し、かつ前記第1断熱箱体と同じ方向に開放した第2断熱箱体とを有する断熱ユニットを備える配膳車であって、前記断熱ユニットは、前記第1断熱箱体と前記第2断熱箱体との間に配置される真空断熱材を有する。
【0007】
前記配膳車において、前記第1断熱箱体は、前記第2断熱箱体と接する第1外立壁を含む第1外箱と、前記第1外箱の内側に配される第1内箱と、前記第1外箱と前記第1内箱との間に充填される第1断熱材とを有し、前記第2断熱箱体は、前記第1断熱箱体と接する第2外立壁を含む第2外箱と、前記第2外箱の内側に配される第2内箱と、前記第2外箱と前記第2内箱との間に充填される第2断熱材とを有し、前記断熱ユニットは、互いに接する前記第1外立壁と前記第2外立壁を貫通する形で設けられた立壁開口部を有し、前記真空断熱材は、前記立壁開口部の内側に収まるように配され、前記第1断熱材及び前記第2断熱材は、前記立壁開口部を介して互いに連続し、かつ前記真空断熱材の周りを取り囲むことが好ましい。
【0008】
前記配膳車において、前記断熱ユニットは、前記立壁開口部に面する前記第1内箱の外壁面に固定され、かつ前記真空断熱材を保持するブラケットを有することが好ましい。
【0009】
前記配膳車において、前記ブラケットは、前記真空断熱材が取り付けられる取付部と、基部が前記外壁面に固定されると共に先端が前記取付部に接続され、かつ前記取付部が前記外壁面から離されるように前記外壁面側から前記第2断熱箱体側に向かって延びた固定部とを有することが好ましい。
【0010】
前記配膳車において、前記第2断熱箱体は、前記第1断熱箱体よりも上下方向の長さが短くかつ下方に空間が形成されるように前記第1断熱箱体に隣接し、前記断熱ユニットは、前記第2断熱箱体と前記空間を挟んで前記空間を挟んで上下方向で重なるように前記第1断熱箱体の下部から水平に延びた載置台を有し、前記第2断熱箱体と前記載置台との間に装着される機械室ユニットを備えることが好ましい。
【0011】
前記配膳車において、前記真空断熱材は、前記第1断熱箱体と前記第2断熱箱体との境界部分に沿って配される板状をなした板型真空断熱材であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、隣り合った断熱箱体同士の間の熱移動が抑制された配膳車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】扉が取り除かれた状態の配膳車を左前方側から見た斜視図
【
図11】オペレーションパネルが取り付けられるブラケットの正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る配膳車1について、
図1~
図5を参照しつつ説明する。
図1は、配膳車1を左前方側から見た斜視図であり、
図2は、扉7が取り除かれた状態の配膳車1を左前方側から見た斜視図である。なお、
図1及び
図2の左側が、配膳車1の前側(前方)であり、右側が配膳車1の後側(後方)である。また、
図1及び
図2の紙面手前側が、配膳車1の左側(左方)であり、紙面奥側が、配膳車1の右側(右方)である。
【0015】
配膳車1は、冷蔵機能と温蔵機能を兼ね備えた、手押し車型(カート型)の配膳車であり、断熱ユニット2と、その断熱ユニット2に対して着脱可能な機械室ユニット3等を備えている。機械室ユニット3が断熱ユニット2に装着されると、断熱ユニット2及び機械室ユニット3によって、配膳車1の本体部9が構成される。また、配膳車1は、それら以外に、車輪4、天板5、ハンドル6、扉7、折り畳み式テーブル8等を備えている。
図3は、
図2のA-A線断面図であり、
図4は、断熱材Cが充填された状態の本体部9の断面図である。なお、説明の便宜上、
図3では、内部の断熱材が取り除かれた状態の本体部9が示されている。
【0016】
本体部9(断熱ユニット2)の下面(底面)に、複数個の車輪4が取り付けられている。また、本体部9(断熱ユニット2)の後側寄りの底面には、配膳車1を制動する圧式のペダルロック(不図示)が設置されている。本体部9(断熱ユニット2)の上面側には、天板5が取り付けられている。ハンドル6は、利用者が配膳車1を移動させる際に掴む部分であり、配膳車1の後側に位置する天板5の端部に固定されている。また、本体部9の左側面には、両開き式の一対の扉7(7A,7B)と、閉状態の扉7(7A,7B)の間に配される上下方向に延びたオペレーションパネル11とが設けられている。
【0017】
断熱ユニット2は、ステンレス鋼板等の金属板と、硬質ウレタンフォーム等の発泡樹脂からなる断熱材を主体として構成されている。そのような断熱ユニット2は、第1断熱箱体21、第2断熱箱体22、及び載置台23を備えている。断熱ユニット2を構成する第1断熱箱体21、第2断熱箱体22及び載置台23は、一体的に構成されている。
【0018】
第1断熱箱体21は、温蔵機能を備えた温蔵室21aを形成するための断熱箱体である。第1断熱箱体21は、左方(一側方)に開放した縦長の直方体型の箱体であり、厚みのある壁体によって構成されている。第2断熱箱体22は、冷蔵機能を備えた冷蔵室22aを形成するための断熱箱体である。第2断熱箱体22は、第1断熱箱体21と同じ方向(左方)に開放し、かつ第1断熱箱体21よりも上下方向の長さが短い直方体型の箱体である。また、第2断熱箱体22も、厚みのある壁体によって構成されている。第1断熱箱体21は、配膳車1の後側に配され、第2断熱箱体22は、配膳車1の前側に配される。なお、第2断熱箱体22は、下方に空間が形成されるように、第1断熱箱体21の前側に隣接されている。
【0019】
第1断熱箱体21は、第1外箱21Aと、その内側に配される第1内箱21Bと、主として、第1外箱21Aと第1内箱21Bとの間の空間を充填する第1断熱材21C(断熱材C)とを備えている。第1外箱21A及び第1内箱21Bは、ステンレス鋼板等の金属板が所定形状に加工されたものからなる。第1外箱21Aは、主として、第1断熱箱体21の外面部分を構成する。なお、第1外箱21Aの底面はなく、第1断熱箱体21の底面は、共通底面パネル24によって構成される。共通底面パネル24は、主として、1枚の金属板が所定形状に加工されたものからなり、第1断熱箱体21の底面と共に、後述するように、載置台23の底面も構成する(
図3参照)。また、第1外箱21Aは、第2断熱箱体22(後述する第2外箱22A)と接する第1外立壁21A1を有する。
【0020】
第2断熱箱体22は、第2外箱22Aと、その内側に配される第2内箱22Bと、主として、第2外箱22Aと第2内箱22Bの間の空間を充填する第2断熱材22C(断熱材C)とを備えている。第2外箱22A及び第2内箱22Bも、ステンレス鋼板等の金属板が所定形状に加工されたものからなる。第2外箱22Aは、主として、第2断熱箱体22の外面部分を構成する。
【0021】
第1外箱21Aの上面及び第2外箱22Aの上面は、共に無く、第1断熱箱体21の上面及び第2断熱箱体の上面は、一枚の金属板からなる共通上面パネル25によって構成されている。なお、第1断熱箱体21の上面の高さ位置と、第2断熱箱体22の上面の高さ位置は、互いに同じ位置となるように設定されている。また、第2外箱22Aは、第1断熱箱体21(第1外箱21A)と接する第2外立壁22A1を有する。
【0022】
本明細書において、主として、第1外箱21Aと第1内箱21Bとの間で形成される、第1断熱箱体21の内部の空間を「第1空間S1」と表す。また、主として、第2外箱22Aと第2内箱22Bとの間で形成される、第2断熱箱体22の内部の空間を「第2空間S2」と表す。第1断熱材21Cは、第1空間S1を充填し、第2断熱材22Cは、第2空間S2を充填する。
【0023】
第1断熱箱体21の内側の空間(第1内箱21Bで囲まれた空間)は、温蔵室21aとして利用される。温蔵室21aには、保温対象の料理が載せられたホテルパンやシートパン等が収容される。配膳車1の左方に開放した温蔵室21aは、配膳車1の後側に配される扉7(7A)によって閉塞される。第1内箱21Bのうち、第2断熱箱体22側に配される第1内立壁21B1の内壁面側には、温蔵室21a内に温風を供給するための温風室21bが形成されている。温風室21bの壁面には、コードヒーター21cが貼り付けられている(
図5参照)。なお、共通上面パネル25の略中央に設けられた凹部25aは、温風室21bに風を送るファン等の機械類10を収容するための部分である。
【0024】
第2断熱箱体22の内側の空間(第2内箱22Bで囲まれた空間)は、冷蔵室22aとして利用される。冷蔵室22aには、保冷対象の料理が載せられたホテルパンやシートパン等が収容される。配膳車1の左方に開放した冷蔵室22aは、配膳車1の前側に配される扉7(7B)によって閉塞される。なお、扉7(7B)は、冷蔵室22aと共に、その下方に配される部分(機械室3a)を覆う形となっている。第2断熱箱体22の第2内箱22Bの外側の壁面には、後述する冷凍サイクルを構成する一部品である蒸発器(冷却器)22bが取り付けられている(
図3参照)。
【0025】
第2断熱箱体22は、第1断熱箱体21の前側に並ぶ形で第1断熱箱体21に溶接やネジ止め等により固定されている。第1外箱21Aが備える前側に配された第1外立壁21A1と、第2外箱22Aが備える後側に配された第2外立壁22A1は、互いに重ねられた状態で(つまり、互いに接する形)で固定されている。そして、互いに接する第1外立壁21A1と第2外立壁22A1を前後方向に貫通する形で、立壁開口部26が設けられている。第1断熱箱体21内の第1空間S1と、第2断熱箱体22内の第2空間S2は立壁開口部26を介して互いに繋がっている。なお、立壁開口部26は、第1外立壁21A1の板片状の部分と、第2外立壁22A1の板片状の部分とが、互いに重ねられた状態で、クリップ型の挟持部材で厚み方向から挟み付けられた部分からなる。また、立壁開口部26は、第1断熱箱体21(第1外箱21A)と第2断熱箱体22(第2外箱22A)との境界部分に配されている。
【0026】
また、断熱ユニット2は、第1断熱箱体21と第2断熱箱体22の境界部分に、真空断熱材27を備えている。真空断熱材27は、多孔質構造の芯材をラミネートフィルム(アルミラミネートフィルム)で被覆した後、その内部を減圧して封止したものからなる。真空断熱材27は、板状の外観を有する板型真空断熱材であり、第1断熱箱体21と第2断熱箱体22の境界面に沿う形で、断熱ユニット2の内部に設けられている。断熱ユニット2は、第1断熱箱体21と第2断熱箱体22の境界部分にある枠状をなした立壁開口部26の内側に収まるように配されている。真空断熱材27は、第2内箱22Bと第1内箱21Bとが、立壁開口部26を介して互いに向かい合っている部分の間に配置されている。第1内箱21Bと対向する第2内箱22Bの外壁面には、蒸発器(冷却器)22bが取り付けられているため低温(例えば、0℃)になり易い。これに対し、第2内箱22Bと対向する第1内箱21Bの壁(第1内立壁21B1)の内側には温風室21bがあるため、その壁は高温(例えば、80~90℃)になり易い。真空断熱材27は、このように温度差が生じ易くて、熱移動が起こり易い箇所に配置される。なお、立壁開口部26と真空断熱材27との間には、断熱材Cの充填時に未硬化状態の断熱材C(発泡樹脂)が第1空間S1側から第2空間S2側等へ移動できる程度の隙間が確保されている。
【0027】
真空断熱材27は、ブラケット28を介して、第1断熱箱体21の第1外箱21Aの外壁面21B2に固定されている。外壁面21B2は、第1内立壁21B1の外側の壁面であり、立壁開口部26(第2内箱22Bの外壁面)に面する形となっている。
図5は、ブラケット28の斜視図である。ブラケット28は、金属製の板材を折り曲げ加工等して形成されたものであり、第1断熱箱体21の第1外箱21Aの外壁面21B2に固定された状態で、真空断熱材27を保持する。
【0028】
ブラケット28は、真空断熱材27が取り付けられる取付部28aと、外壁面21B2に固定されると共に取付部28aに接続される固定部28bとを備えている。取付部28aは、板状をなし、その表面に、真空断熱材27が両面粘着型の両面テープ等を介して貼り付けられる。固定部28bは、外壁面21B2側から第2断熱箱体22側に向かって延びた形をなしている。固定部28bは、平面視で矩形状をなした取付部28aの四隅に設けられている。固定部28bの基部28b1は、外壁面21B2に対して、ネジ止めや溶接等で固定される部分である。本実施形態の場合、
図5に示されるように、上下方向で互いに間隔を保ちつつ並ぶ1組の固定部28bにおいて、それらの間を接続する形で上下方向に延びた板片状の基部28b1が設けられている。残りの1組の固定部28bについても、同様に、上下方向に延びた板片状の基部によって接続されている。
【0029】
このような4つの固定部28bによって支えられた取付部28aは、外壁面21B2から離された状態となる。真空断熱材27の表面にあるラミネートフィルムの耐熱性は、通常、90℃程度であり、第1内箱21Bの第1内立壁21B1(外壁面21B2)に直接、真空断熱材27を貼り付けると、第1内箱21Bから伝わる熱の影響により、ラミネートフィルムが損傷する虞がある。ラミネートフィルムが損傷すると、真空断熱材27の内部の減圧状態が維持されず、真空断熱材27の性能が著しく低下してしまうため、好ましくない。そのため、本実施形態では、真空断熱材27を、高温になり易い外壁面21B2から離した状態で、断熱ユニット2内に配置している。
【0030】
ブラケット28の取付部28aと外壁面21B2との間に形成される隙間には、断熱材Cが充填される。断熱ユニット2の内部において、真空断熱材27の周りには、断熱材Cが隙間なく充填されている。つまり、真空断熱材27は、ブラケット28に取り付けられた状態で、その周りにある断熱材Cによって取り囲まれている。
【0031】
真空断熱材27は、上記のように、ブラケット28の取付部28aに取り付けられた状態で、外壁面21B2から離されているため、熱による損傷を受け難くなっている。なお、固定部28bは、外壁面21B2に対して直接、繋がっているため、外壁面21B2側からの熱が固定部28bを介して真空断熱材27に伝わるものの、その影響は少ない。つまり、外壁面21B2からの熱の影響で、真空断熱材27のラミネートフィルムが損傷することはない。
【0032】
なお、真空断熱材27を、ブラケットを介して、第2断熱箱体22の第2内箱22Bに取り付けることも考えられる。しかしながら、第2内箱22Bの外側の壁面には、蒸発器22bが取り付けられているため、スペースの都合上、ブラケットを取り付けることが難しい。そのため、真空断熱材27のブラケットを、高温側の第1断熱箱体21(第1内箱21A)に取り付けなければならない事情がある。
【0033】
載置台23は、
図2~
図4に示されるように、断熱ユニット2に機械室ユニット3が装着された際に機械室ユニット3が載せられる箇所である。載置台23は、全体的には、内部に断熱材C(第3断熱材23C)が充填される扁平な箱型をなしており、第2断熱箱体22と空間を挟んで上下方向で重なるように第1断熱箱体21の下部から水平に延びている。載置台23の底面は、共通底面パネル24の一部で構成されている。なお、載置台23の内部の空間は、第1断熱箱体21の内部の第1空間S1と繋がっている。したがって、断熱ユニット2内の第1空間S1、第2空間S2及び第3空間S3は、互いに繋がっている。
【0034】
断熱ユニット2は、
図3に示されるように、載置台23内の第3空間S3から第1断熱箱体21の底側の第1空間S1に渡って配される前後方向に延びた長手状の補強部材40を備えている。補強部材40は、共通底面パネル24の上面に固定されている。
【0035】
断熱ユニット2において、機械室ユニット3を収容する機械室3aは、載置台23の上面、第2断熱箱体22の下面及び第1断熱箱体21の第1外立壁21A1によって構成される。機械室3aには、機械室ユニット3以外に、その他の機械類が収容されてもよい。
【0036】
機械室ユニット3は、冷蔵室22aを冷却するための冷凍サイクルを構成する冷凍ユニット31と、冷凍ユニット31が取り付けられる板状の底部32と、底部32に立設され、機械室ユニット3が断熱ユニット2に装着された際に第2断熱箱体22を下方から支えるための支持部33を備えている。冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、キャピラリーチューブ、蒸発器、膨張弁等で構成され、それらを循環する冷媒の気化熱を利用した公知の冷却システムである。機械室ユニット3は、冷凍サイクルを構成する部品群(圧縮機等)のうち、蒸発器22b以外の部品を備えている。本明細書において、機械室ユニット3に設けられる冷凍サイクルの構成部品群を、冷凍ユニット31と称する。
【0037】
なお、機械室ユニット3は、第2断熱箱体22と載置台23との間に、断熱ユニット2の前側から挿入される。
図2には、機械室ユニット3が断熱ユニット2に装着された状態が示されている。
【0038】
ここで、断熱ユニット2の内部の空間(第1空間S1、第2空間S2及び第3空間S3)に、断熱材Cを充填する方法を簡単に説明する。まず、断熱ユニット2を、上下を反転させた状態で配置し、その状態の断熱ユニット2に対して、断熱ユニット2の底面(共通底面パネル24)に設けられた注入孔(不図示)から、未硬化状態の発泡樹脂(例えば、硬質ウレタンフォーム)が、断熱ユニット2の内部に供給される。未硬化状態の発泡樹脂は、断熱ユニット2の内部で発泡しつつ、第1断熱箱体21内の第1空間S1や、第2断熱箱体22内の第2空間に充填される。そして、最終的に、上側に配されている第1断熱箱体21内の底側の第1空間S1と、その第1空間S1と繋がっている載置台23内の第3空間S3に、発泡樹脂が充填される。
【0039】
その後、未硬化状態の発泡樹脂が断熱ユニット2の内部で硬化すると、第1空間S1、第2空間S2及び第3空間S3を充填する断熱材Cが得られる。なお、本明細書において、第1空間S1に充填される断熱材Cを、第1断熱材21Cと表し、第2空間S2に充填される断熱材Cを、第2断熱材22Cと表し、第3空間S3に充填される断熱材Cを、第3断熱材23Cと表す(
図4参照)。なお、共通底面パネル24に設けられた注入孔は、断熱材Cが充填された後、適宜、塞がれる。
【0040】
以上のような構成を備える本実施形態の配膳車1は、第1断熱箱体21と第2断熱箱体22との間に真空断熱材27が介在されているため、隣り合った第1断熱箱体21と第2断熱箱体22との間の熱移動が、効率的に抑制されている。
【0041】
以下、本実施形態の配膳車1に関連する技術について、
図6~
図15を参照しつつ説明する。
図6は、
図2のB-B線断面図である。
図6には、配膳車1の左側における機械室3aと第1断熱箱体21の境界部分が示されている。機械室3aには、上述したように機械室ユニット3が配置されているものの、機械室3aには、機械室ユニット3以外のものを配置できるスペースが、左側(配膳車1の左側)に設けられている。そのため、このスペースに、内部に電装品52を収容するフロントフレーム50が配設されている。フロントフレーム50は、金属製の板材が断面視で略コの字状に加工された柱状の部材であり、第1断熱箱体21の第1外箱21A(第2外立壁22A1の下側部分)に取り付けられることで、それと共に箱型を形成する。フロントフレーム50は、
図6に示されるように、オペレーションパネル11の奥側であり、かつ第1断熱箱体21に隣接する形で載置台23の上に取り付けられている。フロントフレーム50の内側には、トランスやリレー等の電装品52が収納される。電装品52は、オペレーションパネル11内にある制御基板(オペレーションボード)等に対して、電気的に接続されている。このように、フロントフレーム50に電装品52を収納することで、配線を機械室3aを横切るように引き回す必要がない。また、電装品52は、フロントフレーム50等の金属製の板材で囲まれた空間内に収納されているため、仮に電装品52が発火しても、延焼を防ぐことができる。
【0042】
図7は、配膳車1の左側面図であり、
図8は、操作表示部53の正面図である。
図7に示されるように、オペレーションパネル11の上部側に、配膳車1の冷蔵室内の温度や温蔵室内の温度等の設定、及びそれらの設定温度を表示する操作表示部53が設けられている。なお、オペレーションパネル11及び操作表示部53を説明する際は、配膳車1の左側面を、正面とする。
図8には、操作表示部53のうち、最表面に配されるオペレーションラベル59が示されている。
【0043】
操作表示部53は、配膳車1の使用者がなるべく操作し易くするために、高い位置に設定されている。ところで、配膳車1が使用される場所(例えば、病院、介護施設等)には、建物の壁面等に手すりが設けられていること多い。手すりは、建物の壁面等から飛び出した状態で設けられおり、しかも、人がつかまり易いように床面(地上)から750mm~800mmの高さ位置に設定される。したがって、このような手すりが設けられた環境で、配膳車1が使用されると、手すりが操作表示部53に設けられている操作スイッチに衝突して、操作スイッチが故障する虞があった。そのため、本実施形態では、操作表示部53が備える各種の操作スイッチ54,55,56(
図13参照)が、タクタイルスイッチによって構成されている。タクタイルスイッチは、例えば、ロッカースイッチと比べて操作表示部53からの出っ張りを小さく抑えることができる。なお、配膳車1を上方から見下ろした際に、操作表示部53の表面は、天板5の周縁部よりも内側に引っ込んだ状態となっている。また、各種の操作スイッチ54,55,56は、手すりが設置される高さよりも低くなるように、床面(地上)から700mm以下の高さ位置となるように、操作表示部53に配置されている。
図8に示される直線L1は、床面から800mmの高さ位置を表し、直線L2は、床面から700mmの高さ位置を表す。
【0044】
温蔵室内の設定温度を表示する第1表示部57と、冷蔵室内の設定温度を表示する第2表示部58は、操作表示部53において、床面から700mmの高さ位置(直線L2)と、床面から800mmの高さ位置(直線L1)との間に配置されている。第1表示部57及び第2表示部58は、使用者が頻繁に確認する部分であるため、見やすいように操作表示部53の上部側に配置されている。
【0045】
なお、
図8に示されるように、オペレーションラベル59には、各操作スイッチ54,55,56にそれぞれ対応する領域54A,55A,56Aが設けられている。また、オペレーションラベル59には、第1表示部57及び第2表示部58にそれぞれ対応する領域57A,58Aも設けられている。オペレーションラベル59は、オペレーションパネル11に貼り付けられた状態で、操作スイッチ54等のスイッチ類、及び第1表示部57等の表示部類を覆う形となっている。そのため、オペレーションラベル59によって、操作スイッチ54,55,56の隙間等に水等やホコリ等の異物が入り込むことが防止されている。
【0046】
図9は、オペレーションパネル11の正面図であり、
図10は、
図9のC-C線断面図であり、
図11は、オペレーションパネル11が取り付けられるブラケット60の正面図であり、
図12は、ブラケット60が備える係止部61の拡大図である。オペレーションパネル11は、全体的には、上下方向に延びつつ、かつ配膳車1の本体部9側に開口した浅底の箱型をなしている。オペレーションパネル11は、金属製の板材が所定形状に加工されたものからなる。オペレーションパネル11は、上下方向に延びた板状の正面部11aと、正面部11aの左右両端に配される上下方向に延びた一対の側面部11b、11cと、正面部11aの上端に配される上面部11dと、正面部11aの下端に配される下面部11eとを備えている。また、下面部11eには、下方に延びた板片状のフランジ部11fが設けられている。
【0047】
後述するように、オペレーションパネル11の内部には、制御基板が収納され、その制御基板上には、操作スイッチ54等のスイッチ類や第1表示部57等の表示部類が実装されている。そのため、それらのスイッチ類や表示部類を表側から露出させるための孔部11a1が、正面部11aに複数個設けられている。このように、制御基板上にスイッチ類が直接、設けられていると、他のスイッチへの配線がなくなり、組立作業の効率化が図れる。
【0048】
なお、操作表示部53は、主として、オペレーションラベル59、その下側に配される操作スイッチ54等のスイッチ類、第1表示部57等の表示部類、スイッチ類及び表示部類が実装される制御基板(オペレーションボード)70、及びオペレーションラベル59が貼り付けられるオペレーションパネル11の正面部11aによって構成される。
【0049】
図9に示されるように、左側に示される側面部11bと、右側に示される側面部11cには、内側に向かって折り曲げられた板片からなる係止爪12がそれぞれ2つずつ設けられている。これらの係止爪12は、オペレーションパネル11を、配膳車1の本体部9側に設けられたブラケット60に対して、取り付けるために利用される。また、フランジ部11fには、オペレーションパネル11を本体部9側にネジ止めする際に利用される孔部13が設けられている。
【0050】
ブラケット60は、配膳車1の左側面にある第1断熱箱体21と第2断熱箱体22との境界部分の本体部9に対して、ネジ62等の固定手段を利用して固定されている。ブラケット60は、全体的には、上下方向に延びた板状をなしている。上下方向に沿って延びたブラケット60の両側縁部には、凹状に切り欠かれた切り欠き部63があり、切り欠き部63に対して、一部重なるように、左右方向(ブラケット60の短手方向)に沿って延びた細長い板状の係止部61が、ブラケット60に対して固定されている。係止部61は、ブラケット60に対して、表側から重ねられる形でネジ止めや溶接等を利用して固定されている。
【0051】
オペレーションパネル11をブラケット60に対して取り付ける際、オペレーションパネル11の高さ位置を、正規の高さ位置よりも若干、低くし、かつ各係止爪12が、切り欠き部63の端部と係止部61の端部との間で形成されるそれぞれの隙間に収まるように、オペレーションパネル11が配膳車1の本体部9に宛がわれる。その際、各係止爪12は、係止部61よりも奥側に位置した状態となる。その後、オペレーションパネル11が正規の高さ位置となるように、オペレーションパネル11を上方へ移動させると、各係止爪12が係止部61と、本体部9との間にある隙間に差し込まれる。このように差し込まれた状態の係止爪12(係止爪12A)は、
図12に示されるように、係止部61と重なりつつその奥側に配された形となる。このようにして、オペレーションパネル11を本体部9側に取り付けた後、フランジ部11fが本体部9側に対してネジ止めされる。なお、取り付け時の逆の手順を行えば、オペレーションパネル11を取り外すことができる。
【0052】
このように、本実施形態のオペレーションパネル11は、簡単な手順でブラケット60に対する取り付け、及び取り外しを行うことができる。そのため、組み立て作業やメンテナンス作業を行い易い構成となっている。特に、本実施形態の場合、配膳車1の扉7が閉められたままの状態でも、オペレーションパネル11の取り付け、及び取り外しを行うことができる。そのため、温蔵室21a内及び冷蔵室22a内に料理等が入っていても、衛生的に作業を行うことができる。また、オペレーションパネル11では、ネジ止めの箇所が最小限にとどめられており、基本的に平坦な板材で構成されている。そのため、デザイン性や清掃作業の行い易さ等の観点からも優れている。
【0053】
図13は、
図7のD-D線断面図であり、
図14は、
図13に示される領域Rの拡大図である。
図13に示されるように、オペレーションパネル11の内部には、制御基板(オペレーションボード)70が配設されている。制御基板70は、上下方向に沿いつつ、かつオペレーションパネル11の正面部11aに対して、間隔を保ちつつ平行に並ぶように配設されている。制御基板70は、複数個のクリンチングスペーサ81を利用して、正面部11aに固定されている。クリンチングスペーサ81が正面部11aに固定される箇所は、オペレーションラベル59によって覆い隠されており、表側には露出していない。ところで、制御基板70の上下方向の長さは、オペレーションラベル59よりも長いため、制御基板70の下端70a側は、オペレーションラベル59からはみ出した状態になっている。そのため、制御基板70の下端70a側を、クリンチングスペーサ81で固定しようとすると、その固定箇所が、オペレーションパネル11の表側から見えてしまう。しかしながら、制御基板70の下端70aを、オペレーションパネル11に対して固定しないと、例えば、オペレーションパネル11等に外力が加えられた際に、制御基板70の下端70aが、金属製の板材からなる正面部11aや、その反対側にある同じく金属製のブラケット60(
図11参照)に対して接触する可能性がある。制御基板70の下端70aには、充電部が実装されているため、その充電部が正面部11a等に接触すると、制御基板70がショートして、故障する虞がある。特に、オペレーションパネル11を取り外して、メンテナンス作業を行う際に、このような制御基板70の接触が起こり易い。そのため、本実施形態の制御基板70の下端70aには、絶縁性の樹脂成型品からなる棒状のボードサポート82が取り付けられている。ボードサポート82は、制御基板70の下端70a部分に設けられた孔部を貫通する形で挿し込まれている。そのため、
図14に示されるように、制御基板70の下端70aが、正面部11aに近づくように撓んでも、ボードサポート82の一方の端部82aの方が、制御基板70の下端70aよりも先に正面部11aに接触する形となる。また、制御基板70の下端70aが、その反対側(ブラケット60側)に近づくように撓んでも、ボードサポート82の他方の端部82bの方が、制御基板70の下端70aよりも先にブラケット60に接触する形となる。
【0054】
このように、制御基板70の下端70aにボードサポート82を設けることで、美観を損ねることなく、制御基板70の下端70aが正面部11a等に接触してショートすることが抑制される。
【0055】
配膳車1には、図示されない電源コードを介して外部より電力が供給される。本実施形態の場合、電源コードの差し込みプラグが、電源コンセント(アウトレット)から抜かれても、抜かれる前の冷蔵室及び温蔵室の運転状態が記憶される。例えば、冷蔵室及び温蔵室が運転状態の場合に、電源コードが抜かれて、その後、再び電源コードが差されると、冷蔵室及び温蔵室の運転が再開される。また、冷蔵室及び温蔵室が運転していない場合に、電源コードが抜かれて、その後、再び電源コードが差されると、冷蔵室及び温蔵室は運転しない状態が維持される。
【0056】
図15は、左右方向で切断した配膳車1の部分断面図である。
図15には、冷蔵室22a側の第2断熱箱体22のうち、オペレーションパネル11に近い方の天井側の断面構成が示されている。なお、
図15の右側が、配膳車1の左側に対応し、その左側が、配膳車1の右側に対応する。
図15の上側には、天板5が示されている。天板5は、水平な板状の天板本体部5aと、その天板本体部5aから左側(
図15の右側)に延びつつ下方に向かって延びるように折れ曲がった天板縁部5bとを備えている。天板縁部5bの下端側は、右側(
図15の左側)に向かって水平に延びるように折れ曲がりつつ、さらにその先端は、上方に向かって垂直に立ち上がるように折り曲げられている。この垂直に立ち上がった部分(以下、立ち上がり部5c)は、第2断熱箱体22の天井側の左側面(第2断熱箱体22を開放した側から見た際の天井側の正面部分)を構成するフロントパネル22Dと離れるように構成されている。
【0057】
フロントパネル22Dは、第2外箱22Aや第2内箱22Bと共に、冷蔵室22a用の第2断熱箱体22を構成する部分であるため、冷え易い部分である。このようなフロントパネル22Dが、天板縁部5bと接触していると、天板縁部5bまでもが冷やされ、その部分に結露が生じる。天板縁部5bは、オペレーションパネル11の上方に配置しているため、天板縁部5bで生じた結露水が、オペレーションパネル11側に落下して、オペレーションパネル11内に浸入すると、内部にある制御基板70に結露水が付着する等して、各種電装品が故障する虞がある。そのため、上記のように、フロントパネル22Dと立ち上がり部5cとは、熱の移動が起こらないように、互いに離されている。
【0058】
なお、フロントパネル22Dと立ち上がり部5cとは、距離Xだけ離れるように設定される。この距離Xは、例えば、使用者の指先が入り込まない程度の距離に設定される。このように、フロントパネル22Dと立ち上がり部5cとの間隔を設定することで、使用者の安全面も確保される。
【0059】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
(1)上記実施形態では、第1断熱箱体が温蔵室用であり、第2断熱箱体が冷蔵室用であったが、本発明はこれに限られず、例えば、第1断熱箱体が第1の温蔵室用であり、第2断熱箱体が第2の温蔵室用であってもよい。つまり、本発明は、互いに設定温度の異なる第1の温蔵室と、第2の温蔵室とを備える配膳車に適用されてもよい。
【0061】
(2)上記実施形態では、第1断熱箱体が配置される側が、配膳車の後側であり、第2断熱箱体が配置される側が、配膳車の前側であったが、本発明はこれに限られず、例えば、前後が入れ替わった構成であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…配膳車、2…断熱ユニット、21…第1断熱箱体、21a…温蔵室、21A…第1外箱、21A1…第1外立壁、21B…第1内箱、22…第2断熱箱体、22a…冷蔵室、22A…第2外箱、22A1…第2外立壁、22B…第2内箱、23…載置台、27…真空断熱材、28…ブラケット、24…底面共通パネル、3…機械室ユニット、4…車輪、5…天板、6…ハンドル、7…扉、8…折り畳み式テーブル、9…本体部、21C…第1断熱材、22C…第2断熱材、23C…第3断熱材、C…断熱材、S1…第1空間、S2…第2空間、S3…第3空間