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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】表面構成部材
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20220530BHJP
   A47B 96/20 20060101ALI20220530BHJP
   A47B 96/18 20060101ALI20220530BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
H01H36/00 J
A47B96/20 C
A47B96/18 A
A47B96/18 E
H01H9/16 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018041257
(22)【出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2019160431
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】須賀 政晴
(72)【発明者】
【氏名】中田 貴規
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-009586(JP,A)
【文献】特開2016-110775(JP,A)
【文献】特許第3371959(JP,B2)
【文献】特許第3391285(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3164739(JP,U)
【文献】特開2014-113505(JP,A)
【文献】特許第5718503(JP,B2)
【文献】特開2016-086909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
A47B 96/20
A47B 96/18
H01H 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の表面を構成する表面部材と、
前記表面部材の裏面に配置された基材と、
前記表面部材の表面での操作を検出するセンサと、
前記操作により発光可能な発光部と、
前記発光部を支持する電極接続部と、
前記センサの検出に応じて、前記発光部の発光を制御する制御部と、を備えた表面構成部材であって、
前記センサは、電極によって使用者の操作を検出し、
前記電極には、使用者の操作を案内する案内表示部に合わせた透光部と非透光部とが設けられ、
前記透光部は、前記発光部の発光を透過させることにより、前記表面に案内光を表示し、
前記基材には、該基材を厚み方向に貫く貫通孔が形成され、
前記電極接続部は、
前記基材に対して前記厚み方向で前記表面部材側とは反対側から、前記貫通孔内に挿入される柱状のセンサ基部と、
前記センサ基部のうち前記厚み方向で前記表面部材側に位置する部分に配置され、前記表面部材に向かい合うセンサ基板と、を備え、
前記発光部は、前記貫通孔内において前記センサ基板のうち前記厚み方向で前記表面部材を向く面に配置されていることを特徴とする表面構成部材。
【請求項2】
前記電極が設けられたセンサシートを備え、
前記センサシートは、前記表面部材と前記基材との間に配置されていることを特徴とする請求項に記載の表面構成部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面構成部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板と、天板(表面構成部材)を支持する支持体と、を備えた天板付什器が知られている。
このような天板付什器として、例えば、昇降機能を備えた天板付什器が知られている。
天板を昇降させる技術として、たとえば、ガススプリングを用いる方法やギアを用いる方法(特許文献1,2)などが知られている。
特許文献1,2に開示された技術は、構造が簡易であるのでコストを安く抑えることができる。しかしながら、特許文献1,2に開示された技術では、力の弱い使用者にとっては操作しにくい場合があったり、天板の高さによっては天板を昇降させるために無理な姿勢を強いたりすることがある。
また、天板付什器が備えるワイヤーを操作部により操作して、ガススプリングのストッパ等をロック又は解除し、天板を昇降動作させる技術が知られている(特許文献3,4,5)。
また、天板を昇降させる際の操作性を向上させるために、電動式の駆動ユニットを用いて天板を昇降させる技術が知られている(特許文献6)。特許文献3,4,5,6に開示された技術では、天板近傍に配される操作部やスイッチ(以下、操作部等という)を用いて使用者が天板の昇降操作をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3371959号公報
【文献】特許第3391285号公報
【文献】実用新案登録第3164739号公報
【文献】特開2014-113505号公報
【文献】特許第5718503号公報
【文献】特開2016-86909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献3,4,5,6に開示された技術は、操作部等を操作して天板を昇降させるようになっている。このため、例えば大型の天板に操作部等が配置されている場合には、天板を昇降させる使用者が操作部等に届く位置まで移動して操作する必要があるので、操作に手間がかかる。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、使用者が所望の操作を容易に行うことができる表面構成部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、物品の表面を構成する表面部材と、前記表面部材の裏面に配置された基材と、前記表面部材の表面での操作を検出するセンサと、前記操作により発光可能な発光部と、前記発光部を支持する電極接続部と、前記センサの検出に応じて、前記発光部の発光を制御する制御部と、を備えた表面構成部材であって、前記センサは、電極によって使用者の操作を検出し、前記電極には、使用者の操作を案内する案内表示部に合わせた透光部と非透光部とが設けられ、前記透光部は、前記発光部の発光を透過させることにより、前記表面に案内光を表示し、前記基材には、該基材を厚み方向に貫く貫通孔が形成され、前記電極接続部は、前記基材に対して前記厚み方向で前記表面部材側とは反対側から、前記貫通孔内に挿入される柱状のセンサ基部と、前記センサ基部のうち前記厚み方向で前記表面部材側に位置する部分に配置され、前記表面部材に向かい合うセンサ基板と、を備え、前記発光部は、前記貫通孔内において前記センサ基板のうち前記厚み方向で前記表面部材を向く面に配置されている表面構成部材である。
【0007】
このように構成された表面構成部材では、使用者の操作を検出する電極が、使用者の操作を案内する案内表示部に合わせた透光部と非透光部とを備えている。そして、透光部が、発光部の発光を透過させることにより、表面に案内光を表示するので、このように表示された案内光に従って、使用者が操作を行うことが可能になり、使用者が所望の操作を容易に行うことができる。
【0008】
またこのように構成された表面構成部材では、表面部材の裏面に基材が配置されているので、基材により表面部材を支持することができる。また、基材に形成された貫通孔内に発光部が配置されているので、簡易な構成で発光部を表面部材の裏側に配置することができる。
【0009】
また、本発明に係る表面構成部材では、前記電極が設けられたセンサシートを備え、前記センサシートは、前記表面部材と前記基材との間に配置されてもよい。
このように構成された表面構成部材では、電極がセンサシートに設けられているので、センサシートを交換することで、容易に電極の位置や大きさを変更することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表面構成部材によれば、使用者が所望の操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る天板(表面構成部材)を備えた天板付什器の斜視図である。
図2図1に示す天板付什器における(a)上面図、(b)正面図、(c)側面図、(d)下面図である。
図3図1に示す天板の一部における分解斜視図である。
図4図1に示す天板の(a)一部平面図、(b)A-A線矢視断面図である。
図5図4に示す案内表示部による表示態様のうち、(a)操作開始時、(b)操作選択時、(c)昇降操作時、(d)下降操作時を示す図である。
図6】(a)図4に示す電極の案内表示部、(b)~(k)案内表示部の第1変形例群を列挙する図である。
図7図6に示す案内表示部の第2変形例群を示す図である。
図8図4(a)に示す電極における他の配置状態を示す図である。
図9図6に示す案内表示部の他の配置状態を示す図である。
図10図7に示す案内表示部の他の配置状態を示す図である。
図11図1に示す天板付什器において、電極の位置を例示する図である。
図12図1に示す天板付什器において、電極を複数設けた状態を示す図である。
図13図1に示す天板付什器において、電極の姿勢を変更した状態を示す図である。
図14図1に示す天板付什器において、電極の変形例を示す図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る天板の一部における分解斜視図である。
図16図15に示す天板の(a)一部平面図、(b)B-B線矢視断面図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る天板の一部における分解斜視図である。
図18図17に示す天板の(a)一部平面図、(b)C-C線矢視断面図である。
図19】本発明の第4実施形態に係る天板の一部における分解斜視図である。
図20図19に示す天板の(a)一部平面図、(b)D-D線矢視断面図である。
図21図11に示す天板付什器における(a)上面図、(b)正面図、(c)側面図、(d)下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1から図14を参照して説明する。まず、図1および図2を参照し、本実施形態に係る天板(表面構成部材)2を備えた天板付什器1(物品)の概略構成を説明する。図1は、天板付什器1の斜視図である。図2は、天板付什器1における(a)側面図、(b)正面図である。
以下の説明において、天板付什器1の使用者から見た前後方向を天板付什器1の前後方向X、使用者から見た左右方向を天板付什器1の左右方向Yという。また、使用者から見た上下方向を天板付什器1の上下方向Zという。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る天板付什器1は、天板2、および天板2を支持する支持体5を含むデスク本体1Aを備えている。天板2は上面視で矩形状をなし、上面3と下面4とを有する。
支持体5は、梁部6と、軸部7と、脚部8と、昇降駆動部10と、を有している。梁部6は、天板2の前後方向Xに延びている。梁部6は、天板2の左右端に1つずつ配されている。
【0014】
軸部7は、梁部6を介して天板2に接続されている。軸部7は、天板2の下面4から垂直に下方へ延びている。
脚部8は、床面に接触して天板付什器1を支持するとともに、昇降駆動部10を介して軸部7に連結されている。本実施形態では、脚部8は、床面と平行に延びる水平部8aと、軸部7と同軸をなして垂直に延びる第一筒部8b及び第二筒部8cと、を有している。
【0015】
昇降駆動部10は、軸部7、第一筒部8b、および第二筒部8cが延びる上下方向Zに沿って、これらを相対移動させるためのモータとギア(不図示)を有している。昇降駆動部10は、後述する制御部15に電気的に接続されている。昇降駆動部10が動作することによって、支持体5が上下方向Zに伸縮し、天板2が昇降する。すなわち、昇降駆動部10および制御部15が、後述する電極21における検出結果に基づいて、天板2を昇降させる昇降機構を構成している。
【0016】
次に、図3および図4を参照し、天板2について詳述する。図3は、天板2の一部における分解斜視図である。図4は、天板2の(a)一部平面図、(b)A-A線矢視断面図である。
天板2は、表面を構成する表層(表面部材)20と、表層20を支持する基層22と、表層20の表面での操作を検出するセンサ9と、操作により発光可能な発光部50と、センサの検出に応じて、発光部50の発光を制御する制御部15と、を備えている。
表層20および基層22は上面視で矩形状をなし、互いに同等の形状、大きさをなしている。
【0017】
表層20は、表面を構成する表面シート20Aと、複数のコアシート20Bと、を積層状態で一体化することにより形成されている。図示の例では、表層20は、表面シート20Aの下方に3枚のコアシート20Bが上下方向Zに積層された状態で、一体化されている。
表面シート20Aの上面視における形状および大きさは、コアシート20Bと同等となっている。なお、コアシート20Bの枚数は任意に変更することができる。
【0018】
表面シート20Aの上方を向く表面には、木目等の意匠性を備えた模様が施されている。表面シート20Aには、例えばメラミン化粧板を採用することができる。コアシート20Bとしては、例えばクラフト紙を採用することができる。
【0019】
センサ9は、使用者の操作を検出する電極21が設けられたセンサシート23により構成されている。センサシート23は、上面視で基材22Aと同等の形状、および大きさをなしている。
センサシート23は、表層20と、基層22における後述する基材22Aと、の間に配置されている。
【0020】
表層20とセンサシート23との間、およびセンサシート23と基材22Aとの間にはそれぞれ、接着剤(図示せず)が介在している。接着剤により、表層20、センサシート23および基層22が固着されている。
なお、このような態様に限られず、例えばセンサシート23が、表層20と積層状態で一体化されていてもよい。センサシート23を表層20と積層状態で一体に形成することで、天板2の組立工数を削減することができる。
【0021】
センサシート23は、例えば紙材料等により形成されている。センサシート23の少なくとも一部に、電極21が形成されている。本実施形態では、電極21は、例えばナノ銀インク等の導電性材料がセンサシート23にプリントされることで形成されている。
なお、電極21は板状やフィルム状に形成され、センサシート23に接着剤等により貼付されてもよい。
【0022】
基層22は、剛性を有する基材22Aと、基材22Aの下方に位置する裏面材22Bと、を備えている。基材22Aは、例えば非金属材料等により形成されている。裏面材22Bは上面視で基材22Aと同等の形状、大きさをなしている。なお、裏面材22Bは設けられなくてもよい。
【0023】
基層22には、この基層22を上下方向(厚み方向)Zに貫く貫通孔22Cが形成されている。貫通孔22Cは、基材22Aとともに裏面材22Bを貫いている。
図示の例では、前後方向Xおよび左右方向Yにおける一方側の端部に、左右方向Yに列をなすように、複数の貫通孔22Cが配置されている。貫通孔22Cは上面視で円形状を呈する。なお、貫通孔22Cの位置、数量、および形状は任意に変更することができる。
【0024】
電極21は、センサシート23の裏面に配置され、表層20を介して天板2の上面3での操作を検出可能となっている。複数の電極21は、表層20と基材22Aとの間に、前後方向Xおよび左右方向Yにおける一方側の端部に、左右方向Yに列をなしている。
複数の電極21は、複数の貫通孔22Cと対応する位置に配置されている。
【0025】
電極21は、少なくとも一部が貫通孔22Cに臨むように配置されている。
図示の例では、電極21は上面視で正方形状を呈し、電極21の全体が貫通孔22Cの内側に位置している。複数の電極21は、互いに同等の形状、および大きさをなしている。図示の例では、電極21は3つ配置されている。なお、電極21の位置、数量、および形状は任意に変更することができる。
【0026】
また本実施形態では、天板2は、貫通孔22C内に配置され、電極21に電気的に接続された電極接続部30を有している。電極接続部30は、基層22に固定されたセンサ基部31と、センサ基部31に取り付けられたセンサ基板32と、電極21に接触し、センサ基板32と電極21とを電気的に接続する接点部33と、を備えている。
【0027】
センサ基部31は、円柱状をなしている。センサ基部31の下端部には、径方向の外側に向けて突出するフランジ部31Aが形成されている。センサ基部31は貫通孔22C内に下方から挿入されている。センサ基部31のフランジ部31Aが、裏面材22Bにおける下方を向く下面に固定されている。
【0028】
センサ基板32には、電極21に対して行った操作による静電容量の変化に基づいて、操作内容を認識するタッチセンサが採用されている。接点部33は、センサ基板32の上面と、電極21の下面と、の間に配置されている。接点部33は、各センサ基板32の上面に、左右方向Yに間隔をあけて一対配置されている。
【0029】
接点部33には、上下方向Zに付勢されたバネ部材が採用されている。図示の例では、バネ部材は板バネである。このため、センサ基板32と電極21との間の寸法がばらつく場合であっても、確実にセンサ基板32と電極21とを電気的に接続することができる。また、センサ基板32は、制御部15と電気的に接続されている。
【0030】
発光部50には、LEDが採用されている。発光部50は、基材22Aの貫通孔22C内に配置されている。
発光部50は、センサ基板32の上面のうち、一対の接点部33における左右方向Yの間に位置する部分に配置されている。発光部50はセンサ基板32の上面に複数ずつ配置されている。
【0031】
ここで、電極21には、使用者の操作を案内する案内表示部40に合わせた透光部60と非透光部61とが設けられている。透光部60は、センサシート23のうち、上面視で発光部50と重なる部分に設けられている。透光部60は例えば電極を上下方向に貫くように形成されている。電極のうち、透光部60が形成されていない部分が非透光部61となっている。
図4(b)に示すように、発光部50は電極よりも表面から離間した位置に配置されている。
【0032】
そして、透光部60は、発光部50の発光を透過させることにより、表面に案内光を表示する。透光部60が透過した発光部50からの発光は、センサシート23および表層20を透過して表面から視認することができる。
なお、透光部60は電極を上下方向に貫いていなくてもよい。透光部60の厚みが非透光部61よりも薄くされていることで、透光部60が発光部50の発光を透過しやすくしてもよい。
また、透光性又は半透光性を有するセンサシート23を用い、電極21のうち非透光部61には非透光性を有する導電性材料をプリントし、透光部60には非透光性を有する導電性材料をプリントしないことで、発光部50の発光を透過しやすくしてもよい。
【0033】
センサ基板32および発光部50は、対応して複数設けられている。すなわち、複数の貫通孔22C内に、発光部50が各別に配置されている。制御部15は、一のセンサ9で使用者の操作が検出されると、センサ基板32と対応する発光部50を発光させる。
センサ基板32と対応する発光部50とは、例えばセンサ基板32と同じ貫通孔22C内に配置された発光部50を指す。
【0034】
図4(a)に示すように、電極21には、透光部60および非透光部61が表示する案内表示部40として、複数の記号が形成されている。図示の例では、案内表示部40として、プラス記号、ドット記号、およびマイナス記号が形成されている。
複数の電極21それぞれに形成された案内表示部40の形状は互いに異なっている。また、発光部50は、案内表示部40の形状に沿って形成された透光部60と互いに重なるように配置されているので、各センサ基板に配置された発光部50の位置、および数量は互いに異なっている。
【0035】
電極21のうち、ドット記号が形成された透光部60の周囲が初期操作部41となっている。また、電極21のうち、プラス記号が形成された透光部60の周囲が上昇操作部42、マイナス記号が形成された透光部60の周囲が下降操作部43となっている。
【0036】
次に、図5を参照して、案内表示部40の表示態様について説明する。図5は、示す案内表示部40による表示態様のうち、(a)操作開始時、(b)操作選択時、(c)昇降操作時、(d)下降操作時を示す図である。
図5(a)に示すように、操作前の状態で、初期操作部41が点灯しているものとする。
【0037】
まず、使用者は、初期操作部41をタッチする。これにより、図5(b)に示すように、初期操作部41が消灯するとともに、上昇操作部42および下降操作部43が点灯する。この際、使用者はこれから後に天板2を上昇させるか、下降させるかを選択する。すなわち、案内表示部40により、使用者の次の操作を案内している状態となっている。
【0038】
そして天板2を上昇させる場合には、上昇操作部42をタッチする。これにより、図5(c)に示すように、下降操作部43が消灯する。そして天板2が上昇する。
また、天板2を下降させる場合には、下降操作部43をタッチする。これにより、図5(d)に示すように、上昇操作部42が消灯する。そして天板2が下降する。
なお、このような態様に限られず、例えばタッチした上昇操作部42、又は下降操作部43が、タッチしている間において、点滅するようにしてもよい。
【0039】
次に、本実施形態に係る天板付什器1の動作について説明する。
使用者が天板付什器1の天板2を昇降させる際には、天板2の上面において、前述した操作を行う。電極21が検出した操作内容を、接点部33を介してセンサ基板32が認識すると、センサ基板32は、制御部15に操作内容を伝達する。そして、制御部15は昇降駆動部10に指令値を入力する。昇降駆動部10が、入力された指令値に基づいて駆動することで、天板付什器1の天板2が昇降、又は下降する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る天板2によれば、使用者の操作を検出する電極21が、使用者の操作を案内する案内表示部40に合わせた透光部60と非透光部61とを備えている。
そして、透光部60が、発光部50の発光を透過させることにより、表面に案内光を表示するので、このように表示された案内光に従って、使用者が操作を行うことが可能になり、使用者が所望の操作を容易に行うことができる。
【0041】
また、表層20の裏面に基材22Aが配置されているので、基材22Aにより表層20を支持することができる。また、基材22Aに形成された貫通孔22C内に発光部50が配置されているので、簡易な構成で発光部50を表層20の裏側に配置することができる。
また、電極21がセンサシート23に設けられているので、センサシート23を交換することで、容易に電極21の位置や大きさを変更することができる。
【0042】
次に図6を参照して電極21における案内表示部40の第1変形例について説明する。図6(a)は、電極21の案内表示部40、図6(b)~(k)は、案内表示部の第1変形例群を列挙する図である。この図では、案内表示部40のうち、発光する部分に黒色を付している。
図6に複数列挙するように、案内表示部40は任意に変更することができる。例えば前述したプラス記号とマイナス記号に対して、図6(b)に示すように、発光する部分を中抜きにしてもよい。
【0043】
また、図6(c)から図6(f)に示すように、プラス記号とマイナス記号に代えて、上昇と下降を意味する三角記号や矢印記号に変更してもよいし、図6(g)から図6(h)に示すように、文字に変更してもよい。また、第6(k)に示すように、上昇と下降とを表意する図形に変更してもよい。
【0044】
次に、図7を参照して電極21における案内表示部40の第2変形例について説明する。図7は、案内表示部の第2変形例群を示す図である。この図では、案内表示部40のうち、発光する部分に黒色を付している。
図7に示すように、第2変形例に係る電極21では、案内表示部40が初期操作部41を備えていない。この場合には、前述した表示態様において、初期操作部41の表示が省略され、操作前の状態では、上昇操作部42と下降操作部43とが、それぞれ表示された状態となる。
【0045】
次に、図8から図10を参照して、電極の変形性について説明する。図8は、電極21における他の配置状態を示す図である。図9は、図6に示した案内表示部40の他の配置状態を示す図である。図10は、図7に示した案内表示部40の他の配置状態を示す図である。
図8に示すように、電極21は前後方向に並べて配置してもよい。このような場合には、図9および図10に示すように、案内表示部40を前後方向に並べて配置することができる。
【0046】
次に、図11から図13、および図21を参照して、電極21の配置パターンおよび変形例について説明する。図11は、天板付什器1において、電極21の位置を例示する図である。図12は、天板付什器1において、電極21を複数設けた状態を示す図である。図13は、天板付什器において、電極の姿勢を変更した状態を示す図である。図14は、電極の変形例を示す図である。図21は、図11に示す天板付什器における(a)上面図、(b)正面図、(c)側面図、(d)下面図である。
【0047】
図11に示すように、電極21の位置は任意に変更することができる。また、図12に示すように、電極21を複数配置してもよいし、図13に示すように、電極21を前後方向Xおよび左右方向Yに対して交差する向きに並べて配置してもよい。
また、図14に示すように、電極21に透光部60を設けることなく、案内表示部40が形成された案内シート65を天板2の表面に貼付してもよい。この場合には、案内シート65と上下方向に重なる位置に、電極21が設けられている。また、案内表示部40を天板2の上面に、直接印字してもよい。
【0048】
(第2実施形態)
次に、図15および図16を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図15は、本実施形態に係る天板2Bの一部における分解斜視図である。図16は、天板2Bの(a)一部平面図、(b)B-B線矢視断面図である。
なお、以下の各実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0049】
図15に示すように、本実施形態に係る天板2Bでは、表層20が複数のコアシート20Bを備えておらず、表面シート20Aのみにより構成されている。このため、センサシート23は、表面シート20Aと基材22Aとの間に配置されている。このような構成を採用することで、表層20が厚み方向にかさ張るのを抑え、発光部50からの発光を確実に表面に透過させて、使用者に視認しやすくすることができる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、図17および図18を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図17は、本実施形態に係る天板2Cの一部における分解斜視図である。図18は、天板2Cの(a)一部平面図、(b)C-C線矢視断面図である。
なお、以下の各実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0051】
図17に示すように、本実施形態に係る天板2Cは、センサシート23を備えていない。そして、電極21はセンサ基板32に各別に配置され、センサ9を構成している。本実施形態にかかる電極接続部30は、接点部33を備えておらず、電極21がセンサ基板32と例えば、はんだ付け等により電気的に接続されている。電極21は上面視で円形状をなし、センサ基板32と同形同大をなしている。
電極21に形成された透光部60の内側に、発光部50が各別に配置されている。このような構成を採用することで、部品点数を削減し、安価な構成とすることができる。
なお、電極21の形状は円形状に限られず、任意の形状とすることができる。
【0052】
(第4実施形態)
次に、図19および図20を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。図19は、本実施形態に係る天板2Dの一部における分解斜視図である。図20は、天板2Dの(a)一部平面図、(b)D-D線矢視断面図である。
なお、以下の各実施形態において、第3実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0053】
図20に示すように、本実施形態に係る天板2Dでは、センサ基板32に発光部50が収容される収容溝32Aが形成されている。収容溝32Aは、上面視で電極の透光部60と同等の形状をなしている。
このため、収容溝32Aに配置された発光部50が発光すると、その光が透光部60および表面シート20Aを透過して、使用者が案内表示部40の表示を視認することができる。
このような構成を採用することで、センサ基板32、電極21、および発光部50が上下方向にかさ張るのを抑えることができる。
なお、発光部50はセンサ基板32の下面に接続してもよい。
【0054】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、発光部50が基材に形成された貫通孔22C内に配置されている構成を示したが、このような態様に限られない。発光部50は貫通孔22Cの外側に配置されてもよい。
【0055】
また、上記第1実施形態および第2実施形態においては、センサシート23が上面視で基材22Aと同等の形状、および大きさをなしている構成を示したが、このような態様に限られない。例えばセンサシート23は、上面視で基材22Aに形成された貫通孔22Cの周囲のみを覆うような形状、および大きさであってもよい。
なお、発光部50はセンサ基板32に複数配置されなくてもよく、例えば広配光のLED等をセンサ基板32の中央に1つ配置し、透光部60全体が発光するようにしてもよい。
【0056】
また、上記各実施形態においては、表面構成部材としての天板2、昇降駆動部10、および制御部15により構成された昇降機構を備えた天板付什器1を例に挙げて説明したが、このような態様に限られない。表面構成部材としては、例えば壁部材や仕切り部材等であってもよい。
このような場合には、使用者が行う操作として、天板2の昇降に代えて、例えば照明器具の点灯、消灯、または照度の調整を行ってもよいし、カーテンやブラインド等の遮光部材の開閉を行ってもよい。また、ドアやシャッターの開閉や、スクリーンの昇降等をおこなってもよい。
【0057】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 天板付什器
2、2B、2C、2D 天板(表面構成部材)
9 センサ
15 制御部
20 表層(表面部材)
21 電極
22A 基材
23 センサシート
22C 貫通孔
50 発光部
60 透光部
61 非透光部
図1
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