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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】内燃機関の添加剤分散システム
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/36 20060101AFI20220530BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20220530BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20220530BHJP
   F01N 13/08 20100101ALI20220530BHJP
   F02B 37/00 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
F01N3/36 C
F01N3/08 B
F01N3/24 N
F01N13/08 Z
F01N3/08 A
F02B37/00 302Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018046859
(22)【出願日】2018-03-14
(65)【公開番号】P2019157781
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 利幸
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-074455(JP,A)
【文献】特開2010-203248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00
F01N 13/00
F02B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気浄化装置よりも上流側となる内燃機関の排気管内に添加剤を噴射する添加弁を有して、前記添加弁から噴射される添加剤を、前記排気管内を流れる排気ガス中に分散させる、内燃機関の添加剤分散システムであって、
前記排気浄化装置よりも上流側となる前記排気管における長手方向の一部かつ周方向の一部の内壁周辺に、排気ガスの流速が周囲の排気ガスの流速よりも遅くなる流速遅延領域が形成されており、
前記添加弁から噴射された添加剤が前記流速遅延領域内のみを通過して前記流速遅延領域内における前記排気管の内壁に衝突するように前記添加弁が配置されており、
前記排気管は、2本の前記排気管が合流部にて1本の前記排気管にまとめられた後、1本にまとめられた前記排気管の下流側が前記排気浄化装置に接続されており、
前記合流部は、2本の前記排気管における一方の前記排気管の途中に設定され、2本の前記排気管における他方の前記排気管の下流側の端部が接続されており、
前記流速遅延領域は、
他方の前記排気管における前記合流部の上流側の長手方向の一部において排気ガスの流れる方向を変えるように他方の前記排気管を曲げた曲げ部、
にて、前記曲げ部の内周側かつ前記曲げ部の近傍の下流側に形成されており、
前記添加弁は、
他方の前記排気管における前記流速遅延領域に、自身から噴射された添加剤が前記流速遅延領域のみを通過して前記流速遅延領域内の他方の前記排気管の内壁に衝突するように、設けられている、
内燃機関の添加剤分散システム。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の添加剤分散システムであって、
他方の前記排気管における前記曲げ部は、前記合流部の近傍に形成されており、
前記流速遅延領域は、前記曲げ部の内周側かつ前記曲げ部の近傍の下流側かつ前記合流部まで、に形成されている、
内燃機関の添加剤分散システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の内燃機関の添加剤分散システムであって、
排気ガスが流入される流入口と、流入された排気ガスを吐出する吐出口と、を有する2つのターボタービンを有し、
2本の前記排気管におけるそれぞれの上流側は、それぞれの前記ターボタービンの前記吐出口に接続されている、
内燃機関の添加剤分散システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気管内の排気ガス中に、排気ガスの浄化に用いるための添加剤を分散させる、内燃機関の添加剤分散システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば内燃機関の1つであるディーゼルエンジンでは、排気浄化装置として、排気管の上流側から順に、酸化触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、尿素SCR(選択式還元触媒)が配置されている場合がある。酸化触媒は排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化させて無害化し、DPFは排気ガス中のスス等の粒子状物質を捕集し、尿素SCRは排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元させて無害化する。なお、DPFにて捕集した粒子状物質が所定量以上に達した場合は、燃料添加弁を用いて酸化触媒の上流側から排気管中に燃料(添加剤)を噴射して酸化触媒内で反応させて排気ガスの温度を強制的に上昇させて、高温となった排気ガスを用いてDPF内の粒子状物質を燃焼焼却させて除去している。また尿素SCRの還元処理を行う場合は、尿素水添加弁を用いて尿素SCRの上流側から排気管中に尿素水(添加剤)を噴射して尿素SCR内にて還元処理を行っている。
【0003】
排気ガス中の有害成分を効率よく無害化するためには、燃料添加弁から噴射された燃料(添加剤)を排気管内の排気ガス中に均一に分散させること、及び、尿素水添加弁から噴射された尿素水(添加剤)を排気管内の排気ガス中に均一に分散させること、が必要である。なお、燃料を排気ガス中に添加して分散させる方法としては、以下の(方法1)~(方法3)が考えられる。
(方法1)シリンダ内で燃焼後の排気ガス中に噴射する方法。
(方法2)シリンダからターボタービンまでの排気経路(排気マニホルド等)内で排気ガス中に噴射する方法。
(方法3)ターボタービンよりも下流側の排気経路内で排気ガス中に噴射する方法。
【0004】
上記の(方法1)では、排気ガス中に添加剤が均一に分散されやすい利点を有しているが、シリンダ内に未燃焼燃料が付着してエンジンオイルが希釈化する場合があるという欠点を有している。また上記の(方法2)では、排気ガス中に添加剤が均一に分散されやすい利点を有しているが、ターボタービンに燃料が付着してタービン性能が低下する場合があるという欠点を有している。上記の(方法3)では、上記の(方法1)の欠点も(方法2)の欠点も回避できるという利点を有しているが、排気ガス中に添加剤を均一に分散しにくいという欠点を有している。上記の(方法3)において、添加弁から噴射された時点の添加剤は、粒子径が比較的大きく、排気ガス中に効率よく分散させることが困難である。そこで一般的には、排気管内に分散板を配置し、当該分散板に向けて添加剤を噴射して、添加剤を分散板に衝突させて微粒化することで、排気ガス中への添加剤の分散を促進させている。以下の特許文献1と特許文献2は、どちらも上記の(方法3)を用いており、排気管内に分散板を配置し、添加剤を分散板に衝突させて排気ガス中に添加剤を均一に分散させている。
【0005】
例えば、特許文献1では、添加剤噴射装置(添加弁に相当)の近傍において、略水平な排気管内の中央部に、排気管の長手方向に延びる平面状の区画壁(分散板に相当)を配置して、排気管内をかまぼこ状の上方区画領域と下方区画領域の2つの領域に区画した、排気通路構造が開示されている。そして、添加剤噴射装置は、区画壁の上面に向けて、かつ、上流側から下流側に向けて区画壁に対して所定の傾斜角度となるように、添加剤を噴射している。添加剤噴射装置から噴射された添加剤は、上方区画領域内の排気ガスの流れを横切って区画壁の上面に衝突して微粒化されて上方区画領域内に分散され、さらに上方区画領域と下方区画領域が合流する合流部(区画壁の下流側の終端部以降)から、排気管内全体に分散されている。
【0006】
また特許文献2では、噴射口(添加弁に相当)の近傍において、排気管内の中央部に、排気管の長手方向に延びる添加剤分散板を配置した、排気通路の添加剤分散板構造が開示されている。噴射口は、添加剤分散板の上面に向けて、かつ、上流側から下流側に向けて添加剤分散板に対して所定の傾斜角度となるように、添加剤を噴射している。添加剤分散板は、排気管の長手方向に沿って複数の板状部材が配置されて構成されている。各板状部材の長手方向は、排気管の長手方向に直交しており、各板状部材における下流側の縁部は、上流側の縁部よりも高くなるように配置されて傾斜面(衝突部)を有している。そして排気管の長手方向に隣り合う板状部材の間には、所定の隙間が設けられており、添加剤分散板の上面の側から下面の側へと連通する通路部が形成されている。噴射口から噴射された添加剤は、排気ガスの流れを横切って添加剤分散板の上面の各傾斜面(衝突部)に衝突して微粒化される。微粒化された添加剤の一部は、添加剤分散板の上面の側を流れる排気ガス中に分散され、微粒化された添加剤の残りは、添加剤分散板の通路部をとおって添加剤分散板の下面の側に流れ、添加剤分散板の下面の側を流れる排気ガス中に分散される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-162122号公報
【文献】特開2009-68460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び特許文献2に記載の添加剤分散システムは、どちらも排気管内に分散板を有し、どちらの分散板も、排気管内の中央部に、排気管の長手方向に沿うように、配置されている。このため、排気管内を流れる排気ガスの流速が最も大きな領域(中央部)に分散板が配置されているので、排気ガスの圧損が懸念される。排気ガスの圧損は、内燃機関の出力及び燃費を低下させる要因となる。
【0009】
また、特許文献1及び特許文献2に記載のいずれの添加剤分散システムも、添加弁から噴射した添加剤を、排気ガスの流速が最も大きな領域(排気管内の中央部)を横切らせて、この排気ガスの流速が最も大きな領域に配置された分散板に衝突させている。このため、内燃機関を高回転で運転して排気ガスの流速及び流量が非常に大きい場合、添加弁から噴射された添加剤の一部が、高速かつ大流量の排気ガスに流されて(運ばれて)分散板に衝突することなく分散板の下流まで流されてしまう可能性がある。この場合、分散板に衝突しなかった添加剤は、微粒化されずに粒径が比較的大きく、排気ガス中に適切に分散されない可能性がある。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、内燃機関の排気管内における排気ガスの圧損をより低減し、かつ、排気ガスの流速及び流量が大きくなっても、添加弁から噴射された添加剤を、適切に微粒化させて排気管内の排気ガス中に適切に分散させることができる、内燃機関の添加剤分散システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、排気浄化装置よりも上流側となる内燃機関の排気管内に添加剤を噴射する添加弁を有して、前記添加弁から噴射される添加剤を、前記排気管内を流れる排気ガス中に分散させる、内燃機関の添加剤分散システムであって、前記排気浄化装置よりも上流側となる前記排気管における長手方向の一部かつ周方向の一部の内壁周辺に、排気ガスの流速が周囲の排気ガスの流速よりも遅くなる流速遅延領域が形成されており、前記添加弁から噴射された添加剤が前記流速遅延領域内のみを通過して前記流速遅延領域内における前記排気管の内壁に衝突するように前記添加弁が配置されている、内燃機関の添加剤分散システムである。
【0012】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の添加剤分散システムであって、前記流速遅延領域は、前記排気浄化装置よりも上流側の前記排気管における長手方向の一部において排気ガスの流れる方向を変えるように前記排気管を曲げた曲げ部と、前記曲げ部の内周側かつ前記曲げ部の近傍の下流側の前記排気管内に設けられて、前記曲げ部の内周側かつ前記曲げ部の近傍の下流側を流れる排気ガスの流れを堰き止める堰部材と、にて、前記堰部材の近傍の下流側に形成されており、前記添加弁は、前記排気管における前記流速遅延領域に、自身から噴射された添加剤が前記流速遅延領域のみを通過して前記流速遅延領域内の前記排気管の内壁に衝突するように、設けられている、内燃機関の添加剤分散システムである。
【0013】
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の添加剤分散システムであって、前記排気管は、2本の前記排気管が合流部にて1本の前記排気管にまとめられた後、1本にまとめられた前記排気管の下流側が前記排気浄化装置に接続されており、前記合流部は、2本の前記排気管における一方の前記排気管の途中に設定され、2本の前記排気管における他方の前記排気管の下流側の端部が接続されており、前記流速遅延領域は、他方の前記排気管における前記合流部の上流側の長手方向の一部において排気ガスの流れる方向を変えるように他方の前記排気管を曲げた曲げ部、にて、前記曲げ部の内周側かつ前記曲げ部の近傍の下流側に形成されており、前記添加弁は、他方の前記排気管における前記流速遅延領域に、自身から噴射された添加剤が前記流速遅延領域のみを通過して前記流速遅延領域内の他方の前記排気管の内壁に衝突するように、設けられている、内燃機関の添加剤分散システムである。
【0014】
次に、本発明の第4の発明は、上記第3の発明に係る内燃機関の添加剤分散システムであって、他方の前記排気管における前記曲げ部は、前記合流部の近傍に形成されており、前記流速遅延領域は、前記曲げ部の内周側かつ前記曲げ部の近傍の下流側かつ前記合流部まで、に形成されている、内燃機関の添加剤分散システムである。
【0015】
次に、本発明の第5の発明は、上記第3の発明または第4の発明に係る内燃機関の添加剤分散システムであって、排気ガスが流入される流入口と、流入された排気ガスを吐出する吐出口と、を有する2つのターボタービンを有し、2本の前記排気管におけるそれぞれの上流側は、それぞれの前記ターボタービンの前記吐出口に接続されている、内燃機関の添加剤分散システムである。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、流速遅延領域を、排気管の長手方向の一部、かつ、排気管の中央部ではなく排気管の周方向の一部の内壁周辺に形成している。従って、排気ガスの流速が最も大きい中央部を避け、かつ、分散板を用いないので、排気管内における排気ガスの圧損をより低減することができる。また、添加弁から噴射された添加剤を、流速遅延領域内のみを通過させて排気管の内壁に衝突させることで、添加剤が内壁に衝突することなく排気ガスに流されることを防止している。従って、排気ガスの流速及び流量が大きくなっても、添加剤を排気管の内壁に確実に衝突させることが可能であり、添加剤を適切に微粒化させて排気管内の排気ガス中に適切に分散させることができる。
【0017】
第2の発明によれば、排気管が1本の場合において、排気ガスの圧損を抑制しつつ、曲げ部と堰部材にて流速遅延領域を適切かつ比較的容易に形成することができる。また、添加弁を、適切な位置に配置することができる。
【0018】
第3の発明によれば、2本の排気管が合流部にて接続されて1本の排気管とされた排気管の場合において、排気ガスの圧損を抑制しつつ、曲げ部にて流速遅延領域を適切かつ比較的容易に形成することができる。また、添加弁を、適切な位置に配置することができる。
【0019】
第4の発明によれば、添加弁から噴射された添加剤は、流速遅延領域内の排気管の内壁に衝突して微粒化されると、すぐに合流部に達する。そして微粒化された添加剤を、合流部にて、一方の排気管から流れてくる排気ガスと、他方の排気管から流れてくる排気ガスと、の双方の排気ガスにて攪拌し、1本にまとめられた排気管内に均一に分散させることができる。
【0020】
第5の発明によれば、並列にターボタービンを有する内燃機関において、排気管内における排気ガスの圧損をより低減し、排気ガスの流速及び流量が大きくなっても、添加弁から噴射された添加剤を、適切に微粒化させて排気管内の排気ガス中に適切に分散させることが可能な、内燃機関の添加剤分散システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の内燃機関の添加剤分散システムを適用した内燃機関の概略全体構成を説明する図である。
図2】第1の実施の形態の添加剤分散システムの全体構成を説明する図であり、図1におけるII部の拡大図であって、2本の排気管における一方の排気管の途中の合流部に、他方の排気管を接続した排気管の場合において、流速遅延領域の位置と添加弁の位置等を説明する図である。
図3図2におけるIII-III断面図であり、添加弁から噴射される添加剤が排気管の内壁に衝突するまでの経路等を説明する図である。
図4図2におけるIV-IV断面図であり、流速遅延領域内で微粒化された添加剤が、酸化触媒の直前の排気管内において均一に分散されている様子の例を説明する図である。
図5図2に対して、流速遅延領域から合流部までの距離が長い場合の比較例を説明する図である。
図6図5におけるVI-VI断面図であり、添加弁から噴射される添加剤が排気管の内壁に衝突するまでの経路等を説明する図である。
図7図5におけるVII-VII断面図であり、流速遅延領域内で微粒化された添加剤が、酸化触媒の直前の排気管内において偏って分散されている様子の例を説明する図である。
図8】第2の実施の形態の添加剤分散システムの全体構成を説明する図であり、図1におけるVIII部の拡大図であって、排気管が1本の場合において、流速遅延領域の位置と添加弁の位置等を説明する図である。
図9図8におけるIX-IX断面図であり、添加弁から噴射される添加剤が排気管の内壁に衝突するまでの経路等を説明する図である。
図10図8におけるX-X断面図であり、流速遅延領域内で微粒化された添加剤が、尿素SCRの直前の排気管内において均一に分散されている様子の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
●[内燃機関1の概略全体構成(図1)]
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。まず図1を用いて、内燃機関1の概略全体構成について説明する。本実施の形態の説明では、内燃機関の例として、車両に搭載されたエンジン10(例えばディーゼルエンジン)を用いて説明する。図1の例では、エンジン10は、右バンク10Rと左バンク10Lを有する多気筒エンジンであり、右バンク10Rには右ターボチャージャ20Rが設けられ、左バンク10Lには左ターボチャージャ20Lが設けられている。以下、エンジン10への吸気経路とエンジン10からの排気経路を説明しながら、各部材等を説明する。
【0023】
吸気管31Rの下流側は、右ターボチャージャ20Rの右コンプレッサ22Rの吸入口に接続されている。右コンプレッサ22Rの吐出口は、吸気管32Rの上流側に接続されている。そして吸気管32Rの下流側は、インタークーラ30Cの吸入口に接続されている。右コンプレッサ22Rは、排気ガスによって回転駆動される右タービン21Rにて回転駆動され、吸気管31Rから吸入した空気を圧縮して吸気管32Rへと吐出する。なお、吸気管31L、吸気管32L、左ターボチャージャ20L、左コンプレッサ22L、左タービン21Lも同様であり、これらについては説明を省略する。また、吸気管31Rの上流側と吸気管31Lの上流側は、1本にまとめられていてもよい。
【0024】
インタークーラ30Cは、吸気管32Rと吸気管32Lの合流部に設けられており、吸気管32Rと吸気管32Lからの圧縮された空気を冷却して酸素密度を向上させ、冷却した圧縮空気を吸気管33に吐出する。吸気管33の下流側は吸気マニホルド34に接続されている。また吸気管33には、電子スロットル装置67が設けられている。
【0025】
電子スロットル装置67は、制御装置80からの制御信号に基づいて吸気管33の開度を調整するスロットルを有しており、吸気流量を調整する。制御装置80は、スロットル開度検出手段(図示省略したスロットル開度センサ等)からの検出信号と目標スロットル開度に基づいて、電子スロットル装置67に制御信号を出力して吸気管33の開度を調整可能である。
【0026】
また制御装置80には、アクセルペダル踏込量検出手段53からの検出信号が入力されている。アクセルペダル踏込量検出手段53は、例えばアクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。制御装置80は、アクセルペダル踏込量検出手段53からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量(運転者の加速要求、減速要求)を検出することが可能である。
【0027】
吸気マニホルド34は、エンジン10の右バンク10Rの各気筒、左バンク10Lの各気筒、のそれぞれに吸気を供給する。また吸気マニホルド34には、排気マニホルド41R、41Lと配管35を経由して排気ガスの一部を戻すEGR経路が接続されている。そして配管35には、EGRクーラ40C、EGR弁68が設けられている。
【0028】
EGRクーラ40Cは、配管35における排気マニホルド41R、41Lの側である排気流入側から高温の排気ガスが流入され、配管35における吸気マニホルド34の側である排気流出側から冷却した排気ガスを吐出する。EGRクーラ40Cには、冷却用のクーラントが供給されている。EGRクーラ40Cは、いわゆる熱交換機であり、クーラントを用いて、流入された排気ガスを冷却して吐出する。
【0029】
EGR弁68(EGRバルブ)は、配管35におけるEGRクーラ40Cに近接する排気流入側または排気流出側に配設されており、制御装置80からの制御信号に基づいて、配管35の開度(すなわち、EGR量)を調整する。
【0030】
エンジン10には、例えば、回転検出手段52、クーラント温度検出手段51等が設けられている。回転検出手段52は、例えばエンジン10のクランク軸の回転数や、クランク軸の回転角度(例えば各気筒の圧縮上死点タイミング)等を検出可能な回転角度センサである。制御装置80は、回転検出手段52からの検出信号に基づいて、エンジン10のクランク軸の回転数や回転角度等を検出することが可能である。クーラント温度検出手段51は、例えば、エンジン10内を循環しているクーラントの温度を検出する温度センサである。制御装置80は、クーラント温度検出手段51からの検出信号に基づいて、エンジン10内を循環しているクーラントの温度を検出することが可能である。
【0031】
エンジン10の右バンク10Rの排気側には、排気マニホルド41Rが接続されている。排気マニホルド41Rの下流側は、排気管42Rの上流側に接続されている。排気管42Rの下流側は、右ターボチャージャ20Rの右タービン21Rの流入口に接続されている。右バンク10Rの各気筒からの排気ガスは、排気マニホルド41Rにてまとめられて排気管42Rを経由して右タービン21Rに導かれる。なお、左バンク10L、排気マニホルド41L、排気管42L、左ターボチャージャ20Lの左タービン21Lも同様であり、これらについては説明を省略する。右タービン21Rは、排気管42Rから流入してくる排気ガスによって回転駆動され、直結された右コンプレッサ22Rを回転駆動する。左タービン21Lは、排気管42Lから流入してくる排気ガスによって回転駆動され、直結された左コンプレッサ22Lを回転駆動する。
【0032】
また図1の例では、左タービン21Lの流入口に接続された排気管42Lには、排気管42Lの開口と閉鎖を行う遮断弁69が設けられている。また、排気管42Rと排気管42Lは、連通配管42にて連通されている。制御装置80は、エンジン10の運転状態に応じて遮断弁69を制御することで、運転状態に応じて左ターボチャージャ20Lを有効化または無効化することができる。遮断弁69が開口状態の場合、左バンク10Lからの排気ガスは、排気管42Lを経由して左タービン21Lに導かれる。遮断弁69が閉鎖状態の場合、左バンク10Lからの排気ガスは、連通配管42と排気管42Rを経由して右タービン21Rに導かれる。
【0033】
右タービン21Rの吐出口には、排気管43R(他方の排気管に相当)の上流側が接続され、排気管43Rの下流側は、合流部43RLにおいて排気管43L(一方の排気管に相当)に接続されている。また左タービン21Lの吐出口には、排気管43Lの上流側が接続され、排気管43Lの下流側は、酸化触媒71の流入口に接続されている。排気管43Lの途中には合流部43RLが設定されており、当該合流部43RLに、排気管43Rの下流側の端部が接続されている。また、排気管43Rにおける合流部43RLの近傍には、排気管内の排気ガス中に添加剤(この場合、燃料)を噴射する添加弁61(この場合、燃料添加弁)が配置されている。また排気管43Rにおける添加弁61よりも少し上流側には、排気管43Rを曲げた曲げ部43RMが形成されている。
【0034】
酸化触媒71の吐出口には、排気管45の上流側が接続され、排気管45の下流側は、DPF72(Diesel Particulate Filter)の流入口に接続されている。DPF72の吐出口には、排気管46の上流側が接続され、排気管46の下流側は、尿素SCR73の流入口に接続されている。また排気管46には、排気管46を曲げた曲げ部46Mが形成されており、曲げ部46Mの近傍の下流側には、堰部材63が設けられており、堰部材63の近傍の下流側には、排気管内の排気ガス中に添加剤(この場合、尿素水)を噴射する添加弁62(この場合、尿素水添加弁)が配置されている。そして尿素SCR73の吐出口には、排気管47の上流側が接続されている。
【0035】
制御装置80は、CPU(制御手段81)と記憶手段82とを有し、記憶手段82に記憶されたプログラムに従った処理を行う。制御手段81は、上述した各種の検出手段等からの検出信号が入力されて、エンジン10の運転状態を検出し、EGR弁68、遮断弁69、電子スロットル装置67、添加弁61、添加弁62等を駆動する制御信号を出力する。また制御手段81へ検出信号を出力する検出手段、及び制御手段81から制御されるアクチュエータは、図1の例に限定されず、種々の検出手段(圧力検出手段や排気温度検出手段等)や、種々のアクチュエータ(インジェクタや各種ランプ等)が有るが、これらについては図示及び説明を省略する。
【0036】
酸化触媒71(排気浄化装置の1つ)は、排気ガス中の一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)を酸化させて無害化する。DPF72(排気浄化装置の1つ)は、排気ガス中の粒子状物質が大気中に放出されないように捕集する。そして制御手段81は、エンジン10の運転状態等に基づいて、DPF72にて捕集した粒子状物質が所定量以上に達したと判定すると、添加弁61から所定量の添加剤(この場合、燃料)を噴射して、酸化触媒71内で排気ガスと燃料を反応させる。そして反応して高温となった排気ガスは、酸化触媒71から吐出されてDPF72内に流入し、DPF72内の粒子状物質を燃焼焼却させ、DPF72を再生する。また制御手段81は、エンジン10の運転状態等に基づいて、還元実施条件が成立したと判定すると、添加弁62から所定量の添加剤(この場合、尿素水)を噴射して、尿素SCR73(排気浄化装置の1つ)内で排気ガスと尿素水を反応させて、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元して無害化する。
【0037】
DPF72内に捕集された粒子状物質を効率よく燃焼焼却させるためには、添加弁61から排気管43R内に噴射した添加剤(この場合、燃料)を、酸化触媒71に到達するまでに、排気ガス中にほぼ均一に分散させる必要がある。また、尿素SCR73内にてNOxを効率よく還元するためには、添加弁62から排気管46内に噴射した添加剤(この場合、尿素水)を、尿素SCR73に到達するまでに、排気ガス中にほぼ均一に分散させる必要がある。以降にて、添加剤分散システムの第1の実施の形態(添加弁61及びその周囲に適用した添加剤分散システム)と、第2の実施の形態(添加弁62及びその周囲に適用した添加剤分散システム)について説明する。
【0038】
●[第1の実施の形態の添加剤分散システム(図2図4)]
図2は、図1におけるII部の拡大図であり、図3図2におけるIII-III断面を示し、図4図2におけるIV-IV断面を示している。図2に示すように、第1の実施の形態では、2本の排気管43L、43Rが、合流部43RLにて1本の排気管(合流部43RLよりも下流側の排気管43L)にまとまられた後、1本にまとめられた排気管(合流部43RLよりも下流側の排気管43L)の下流側が酸化触媒71(排気浄化装置)に接続されている。合流部43RLは、2本の排気管43L、43Rにおける一方の排気管43Lの途中に設定され、2本の排気管43L、43Rにおける他方の排気管43Rの下流側の端部が接続されている。なお図1に示すように、一方の排気管43Lの上流側は左タービン21L(ターボタービンに相当)の吐出口に接続され、他方の排気管43Rの上流側は右タービン21R(ターボタービンに相当)の吐出口に接続されている。
【0039】
酸化触媒71(排気浄化装置)よりも上流側となる他方の排気管43Rにおける長手方向の一部、かつ、周方向の一部、の内壁周辺には、排気ガスの流速が周囲の排気ガスの流速よりも遅くなる流速遅延領域90A(図2図3においてハッチングにて示す領域)が形成されている。流速遅延領域90Aは、他方の排気管43Rにおける合流部43RLの上流側の長手方向の一部において、排気ガスの流れる方向を変えるように他方の排気管43Rを曲げた曲げ部43RMにて、曲げ部43RMの内周側、かつ、曲げ部43RMの近傍の下流側、に形成されている。図2に示すように、他方の排気管43R内を流れる排気ガスは、点線にて示すように、流速遅延領域90Aを避けるように流れる。つまり、流速遅延領域90Aでは、排気ガスの流速が周囲の排気ガスの流速よりも遅くなり、排気ガスが淀む。なお、曲げ部43RM及び添加弁61は、遮断弁69(図1参照)が設けられていない側の排気管に設けられている。
【0040】
図2及び図3に示すように、添加弁61(この場合、燃料添加弁)は、他方の排気管43Rにおける流速遅延領域90Aに、自身から噴射された添加剤61A(この場合、燃料)が、流速遅延領域90Aのみを通過して流速遅延領域90A内の他方の排気管43Rの内壁に衝突するように、設けられている。添加弁61から噴射された添加剤61Aは、エンジンを高回転で運転して排気ガスが高速かつ大流量で流れても、高速かつ大流量の排気ガスの流れにさらされていないので、流速遅延領域90A内のみを通過して、流速遅延領域90A内の他方の排気管43Rの内壁に確実に衝突する。そして衝突して微粒化された添加剤61Aは、合流部43RLへと流れ、一方の排気管43Lの上流側から合流部43RLへと流れる排気ガス(図2中の一点鎖線にて示す排気ガス)と、他方の排気管43Rの上流側から合流部43RLへと流れる排気ガス(図2中の点線にて示す排気ガス)にて攪拌される。そして攪拌された添加剤61A(微粒化された添加剤61A)は、酸化触媒71に到達する直前には、図4に示すように、一方の排気管43L内にてほぼ均一に分散される。
【0041】
なお、他方の排気管43Rにおける曲げ部43RMは、合流部43RLの近傍に設けられている。図2において、曲げ部43RMから合流部43RLまでの距離L1は、例えば約10~15[cm]程度の距離である。流速遅延領域90Aは、曲げ部43RMの内周側、かつ、曲げ部43RMの近傍の下流側、かつ、合流部43RLまで、に形成されている。このため、流速遅延領域90A内で微粒化された添加剤は、他方の排気管43R内に分散される前に合流部43RLへと流れ、一方の排気管43L内の排気ガスと他方の排気管43R内の排気ガスにて攪拌される。これにより図4に示すように、合流部43RLよりも下流側の排気管43L内には、微粒化された添加剤61Aが、ほぼ均一に分散される。
【0042】
●[第1の実施の形態に対する比較例(図5図7)]
図5は、図2に示す第1の実施の形態に対して、曲げ部243RMから合流部243RLまでの距離L2が長い場合の比較例を示している。距離L2は、例えば約70~100[cm]程度の距離である。なお図6図5におけるVI-VI断面を示し、図7図5におけるVII-VII断面を示している。図5及び図6に示す比較例は、図2及び図3に示す第1の実施の形態に対して、距離L2が長い点のみが異なる。距離L2が比較的長い場合、図7に示すように、添加剤261Aの濃度が高い高濃度領域AHと、添加剤261Aの濃度が低い低濃度領域ALと、が形成されてしまい、排気管243L内の排気ガス中に添加剤261Aが均一に分散されないので、好ましくない。
【0043】
距離L2が比較的長い場合、流速遅延領域290Aから合流部243RLまでの距離L3が長いため、流速遅延領域290A内で微粒化された添加剤261Aは、合流部243RLに達するまでの間に、他方の排気管243R内の排気ガス中に分散される。そして添加剤261Aが分散された排気ガス(排気管243Rからの排気ガス)と、添加剤261Aを含まない排気ガス(排気管243Lからの排気ガス)が、合流部243RLにて合流しても、添加剤は排気ガス中に均一に分散されず、図7に示すように、添加剤261Aの濃度が高い高濃度領域AHと、添加剤261Aの濃度が低い低濃度領域ALと、が形成されてしまう。従って、図2に示すように、曲げ部を合流部の近傍に設けることが好ましい。
【0044】
●[第2の実施の形態の添加剤分散システム(図8図10)]
図8は、図1におけるVIII部の拡大図であり、図9図8におけるIX-IX断面を示し、図10図8におけるX-X断面を示している。図8に示すように、第2の実施の形態では、1本の排気管46の下流側が尿素SCR73(排気浄化装置)に接続されている。
【0045】
尿素SCR73(排気浄化装置)よりも上流側となる排気管46における長手方向の一部、かつ、周方向の一部、の内壁周辺には、排気ガスの流速が周囲の排気ガスの流速よりも遅くなる流速遅延領域90B(図8図9においてハッチングにて示す領域)が形成されている。流速遅延領域90Bは、排気管46における長手方向の一部において、排気ガスの流れる方向を変えるように排気管46を曲げた曲げ部46Mと、曲げ部46Mの内周側、かつ、曲げ部46Mの近傍の下流側、を流れる排気ガスの流れを堰き止める堰部材63と、にて堰部材63の近傍の下流側に形成されている。図8に示すように、排気管46内を流れる排気ガスは、点線にて示すように、流速遅延領域90Bを避けるように流れる。つまり、流速遅延領域90Bでは、排気ガスの流速が周囲の排気ガスの流速よりも遅くなり、排気ガスが淀む。図8において、曲げ部46Mの上流側の排気管46から堰部材63までの距離L11は、例えば数[cm]~10[cm]程度の距離に設定されている。また、堰部材63から流速遅延領域90Bの下流側の端部までの距離L12は、例えば10~20[cm]程度の距離である。
【0046】
図8及び図9に示すように、添加弁62(この場合、尿素水添加弁)は、排気管46における流速遅延領域90Bに、自身から噴射された添加剤62A(この場合、尿素水)が、流速遅延領域90Bのみを通過して流速遅延領域90B内の排気管46の内壁に衝突するように、設けられている。添加弁62から噴射された添加剤62Aは、エンジンを高回転で運転して排気ガスが高速かつ大流量で流れても、高速かつ大流量の排気ガスの流れにさらされていないので、流速遅延領域90B内のみを通過して、流速遅延領域90B内の排気管46の内壁に確実に衝突する。そして衝突して微粒化された添加剤62Aは、排気管46内を流れる排気ガスにて攪拌される。そして攪拌された添加剤62A(微粒化された添加剤62A)は、尿素SCR73に到達する直前には、図10に示すように、排気管46内にてほぼ均一に分散される。
【0047】
第2の実施の形態では、曲げ部46Mに加えて堰部材63を設けることで、流速遅延領域90Bを、より適切に形成することができる。なお堰部材63のサイズは、シミュレーション等によって、適切なサイズに設定される。
【0048】
●[本実施の形態による効果]
以上、本実施の形態にて説明した内燃機関の添加剤拡散システムでは、排気管における長手方向の一部、かつ、周方向の一部の内壁周辺に流速遅延領域を形成し、当該流速遅延領域内で添加剤を排気管内壁に衝突させて添加剤を微粒化している。従って、排気管内で排気ガスの流速が最も大きな排気管内の中央部に分散板を配置する場合と比較して、排気ガスの圧損をより低減することができる。さらに、添加剤を排気管の内壁に衝突させるので、排気管内に分散板を設ける必要が無い。また、添加弁から噴射した添加剤を、排気管内の一部の内壁近傍の流速遅延領域内のみを通過させて排気管の内壁に衝突させるので、排気ガスの流速及び流量が大きくなっても、添加剤が排気ガスに流されて排気管の内壁に衝突しないことを回避できる。
【0049】
本発明の内燃機関の添加剤分散システムは、本実施の形態で説明した外観、構成、構造、形状等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
【0050】
また、本発明の内燃機関の添加剤分散システムを適用する対象制御システムは、図1の例に示すものに限定されず、種々の内燃機関に適用することが可能である。また添加剤は、燃料、尿素水に限定されるものではなく、排気管内の排気ガス中に均一に分散させることを所望する添加剤に適用することが可能である。また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
10 エンジン(内燃機関)
10R 右バンク
10L 左バンク
20R 右ターボチャージャ
20L 左ターボチャージャ
21R 右タービン(ターボタービン)
21L 左タービン(ターボタービン)
22R 右コンプレッサ
22L 左コンプレッサ
30C インタークーラ
31R、31L、32R、32L、33 吸気管
34 吸気マニホルド
35 配管
40C EGRクーラ
41R、41L 排気マニホルド
42 連通配管
42R、42L、45、46、47 排気管
43L 排気管(一方の排気管)
43R 排気管(他方の排気管)
43RL 合流部
43RM 曲げ部
46M 曲げ部
51 クーラント温度検出手段
52 回転検出手段
53 アクセルペダル踏込量検出手段
61、62 添加弁
61A、62A 添加剤
63 堰部材
67 電子スロットル装置
68 EGR弁(EGRバルブ)
69 遮断弁
71 酸化触媒
72 DPF
73 尿素SCR
80 制御装置
81 制御手段
82 記憶手段
90A、90B 流速遅延領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10