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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】検知方法、検知装置及び検知システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
A61B5/11 200
A61B5/11 230
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018095593
(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2019198532
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】小澤 順
(72)【発明者】
【氏名】樋山 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 佳州
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/194330(WO,A1)
【文献】特開2010-005033(JP,A)
【文献】特開2013-244055(JP,A)
【文献】特開2006-284404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
人に歩幅を提示し、
提示された前記歩幅に従って前記人が歩行する際に、前記人の体に装着されて前記人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号を取得し、
取得した前記第1体動信号から前記人の歩行状態を示すパラメータを算出し、
算出した前記パラメータに基づいて、前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行しているか否かを判断し、
前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行していないと判断した場合、前記人に提示する前記歩幅を所定の間隔だけ増加させ、
前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行していると判断した場合、前記第1体動信号から所定の歩幅に対応する基準歩行波形を生成し、
生成した前記基準歩行波形をメモリに記憶し、
人が前記所定の歩幅で歩行した際に、前記体動センサから得られる第2体動信号を取得し、
前記基準歩行波形を前記メモリから取得し、
取得した前記基準歩行波形と、取得した前記第2体動信号の波形とを比較することにより、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かを判断し、
判断結果を出力する、
検知方法。
【請求項2】
前記体動センサは、前記人の体の加速度を検出して加速度信号を出力し、
さらに、前記体動センサから得られた前記加速度信号に基づき、前記加速度の最大値、前記人の歩幅及び前記人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を算出し、
前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行しているか否かの判断は、算出した前記歩行状態に基づいて、前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かを判断する、
請求項1記載の検知方法。
【請求項3】
前記体動センサは、前記人の体の加速度を検出して加速度信号を出力し、
さらに、前記人が歩行した際に、前記人の重心変化を検出する圧力センサから得られる重心信号を取得し、
さらに、前記体動センサから得られた前記加速度信号と、前記圧力センサから得られた前記重心信号とに基づき、前記加速度の最大値、前記人の歩幅及び前記人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を算出し、
前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行しているか否かの判断は、算出した前記歩行状態に基づいて、前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かを判断する、
請求項1記載の検知方法。
【請求項4】
前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かの判断は、算出した前記加速度の最大値の標準偏差、前記人の歩幅の標準偏差及び前記人の歩行周期の標準偏差の少なくとも1つを算出し、算出した前記加速度の最大値の標準偏差、前記歩幅の標準偏差及び前記歩行周期の標準偏差の少なくとも1つが閾値未満である場合、前記所定の歩幅で前記人が歩行していると判断する、
請求項2又は3記載の検知方法。
【請求項5】
前記基準歩行波形の生成は、前記第1体動信号から歩行周期毎に切り出した複数の体動信号の加算平均を算出することにより、前記基準歩行波形を生成する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の検知方法。
【請求項6】
前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かの判断は、前記基準歩行波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つと、取得した前記第2体動信号の波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つとの差分が閾値以上である場合、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれていると判断する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の検知方法。
【請求項7】
前記体動センサは、前記人の一方の足首に装着される、
請求項1~6のいずれか1項に記載の検知方法。
【請求項8】
プロセッサと、
メモリと、
を備え、
前記プロセッサは、
人に歩幅を提示し、
提示された前記歩幅に従って前記人が歩行する際に、前記人の体に装着されて前記人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号を取得し、
取得した前記第1体動信号から前記人の歩行状態を示すパラメータを算出し、
算出した前記パラメータに基づいて、前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行しているか否かを判断し、
前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行していないと判断した場合、前記人に提示する前記歩幅を所定の間隔だけ増加させ、
前記体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な歩幅で前記人が歩行していると判断した場合、前記第1体動信号から所定の歩幅に対応する基準歩行波形を生成し、
生成した前記基準歩行波形を前記メモリに記憶し、
人が前記所定の歩幅で歩行した際に、前記体動センサから得られる第2体動信号を取得し、
前記基準歩行波形を前記メモリから取得し、
取得した前記基準歩行波形と、取得した前記第2体動信号の波形とを比較することにより、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かを判断し、
判断結果を出力する、
検知装置。
【請求項9】
前記体動センサと、
請求項8記載の検知装置と、
を備える、
検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人の体に装着されたセンサの初期装着位置からのずれを検知する検知方法、検知装置及び検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の高齢者化社会に伴い、高齢者の介護が注目されている。特に、高齢者の運動機能を推定することにより、筋力低下が要因で引き起こされる転倒等の予期せぬ事故を未然に防ぐことが可能となる。また、高齢者の運動機能を推定することにより、介護又はリハビリでの運動機能の回復度がわかる。そのため、推定された運動機能は、介護職員又は医療従事者にとって大変有用な情報となりうる。さらに、高齢者に限らず、人の運動機能を把握することにより、日々の体調を把握することができるので、運動機能の推定は、大変需要のある技術となりうる。
【0003】
人の運動機能を推定するためには、手首、足首又は腰の位置に装着されたセンサが用いられることが多い。センサは、運動機能又は健康状態を正確に推定するために、人の体に装着した後に較正を行い、初期装着位置における較正が必要となる。しかし、センサがベルトなどで装着されている場合に、ユーザの動作によって、ベルトが緩んでしまい、初期装着位置からセンサがずれるおそれがある。
【0004】
そのようなセンサの位置ずれに対して、例えば、特許文献1では、ユーザの第1脚に取り付けた装着型計測装置に固定されたカメラを用いて、第1脚の足位置に対する第2脚の足の相対位置を算出し、第1脚に対するカメラの相対的な初期固定位置を記憶しているとともに、カメラが撮影した第1脚の画像から第1脚に対するカメラの相対位置を算出し、算出された相対位置と記憶している初期固定位置との位置ずれ量を算出し、算出された第2脚の足の相対位置を位置ずれ量で補正する装着型計測装置が開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献2では、体動信号からバランスの評価を行うと共に、生体の移動方向を推定し、推定した移動方向から体動信号検出装置の取り付け位置のズレを検出する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-259469号公報
【文献】特開2013-244055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、歩行動作からは精度よくセンサの位置のずれを検出できない場合があり、上記従来の技術では、更なる改善が必要とされていた。
【0008】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたもので、体動センサの装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができる検知方法、検知装置及び検知システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る検知方法は、コンピュータが、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて前記人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号を取得し、前記体動センサが初期装着位置に装着された状態で前記所定の歩幅で歩行した際に前記体動センサから得られた第2体動信号から生成された基準歩行波形をメモリから取得し、取得した前記基準歩行波形と、取得した前記第1体動信号の波形とを比較することにより、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かを判断し、判断結果を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、体動センサの装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態1におけるずれ検知装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施の形態1における基準歩行波形生成部による基準歩行波形生成処理を説明するためのフローチャートである。
図3】ユーザの右足首の前方に体動センサが装着されており、ユーザの靴の1.5足分の歩幅で歩行したときに体動センサで検出された鉛直方向の加速度を示す図である。
図4】ユーザの右足首の前方に体動センサが装着されており、ユーザの靴の2足分の歩幅で歩行したときに体動センサで検出された鉛直方向の加速度を示す図である。
図5】本実施の形態1において、基準歩行波形の算出方法を説明するための図である。
図6】本実施の形態1におけるずれ検知部によるずれ検知処理を説明するためのフローチャートである。
図7】本開示の実施の形態2におけるずれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1及び特許文献2は、ともに歩行動作におけるセンサの取り付け位置のずれを検出している。しかしながら、人の歩行動作からは、左右の足のバランスが異なったり、高齢化に伴い筋肉が低下したりすることにより、再現性のあるデータを取得することが困難である。つまり、歩行動作からは精度よくセンサの位置のずれを検出できない場合がある。
【0013】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る検知方法は、コンピュータが、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて前記人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号を取得し、前記体動センサが初期装着位置に装着された状態で前記所定の歩幅で歩行した際に前記体動センサから得られた第2体動信号から生成された基準歩行波形をメモリから取得し、取得した前記基準歩行波形と、取得した前記第1体動信号の波形とを比較することにより、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かを判断し、判断結果を出力する。
【0014】
この構成によれば、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号の波形と、体動センサが初期装着位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した際に体動センサから得られた第2体動信号から生成された基準歩行波形とが比較される。ここで、体動センサが初期装着位置と同じ位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じになるが、体動センサが初期装着位置からずれた位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じにはならない。したがって、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似している場合に、体動センサの装着位置が初期装着位置と同じであると判断することができるとともに、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似していない場合に、体動センサの装着位置が初期装着位置からずれていると判断することができるので、体動センサの装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができる。
【0015】
また、上記の検知方法において、さらに、前記体動センサが初期装着位置に装着された状態で歩行した際に、前記体動センサから得られる前記第2体動信号を取得し、さらに、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かを判断可能な前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かを判断し、さらに、前記所定の歩幅で前記人が歩行していると判断された場合、前記体動センサから得られた前記第2体動信号から基準歩行波形を生成し、さらに、生成した前記基準歩行波形を前記メモリに記憶してもよい。
【0016】
この構成によれば、体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な所定の歩幅で人が歩行していると判断された場合、体動センサから得られた第2体動信号から基準歩行波形が生成され、生成された基準歩行波形がメモリに記憶される。したがって、基準歩行波形がメモリに記憶された後、人に所定の歩幅で歩行させ、このとき体動センサから得られる第1体動信号と、メモリに記憶されている基準歩行波形とを用いて、体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを確実に判断することができる。
【0017】
また、上記の検知方法において、前記体動センサは、前記人の体の加速度を検出して加速度信号を出力し、さらに、前記体動センサから得られた前記加速度信号に基づき、前記加速度の最大値、前記人の歩幅及び前記人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を算出し、前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かの判断は、算出した前記歩行状態に基づいて、前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かを判断してもよい。
【0018】
この構成によれば、体動センサから得られた加速度信号から算出された加速度の最大値、人の歩幅及び人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を用いて、所定の歩幅で人が歩行しているか否かを判断することができる。
【0019】
また、上記の検知方法において、前記体動センサは、前記人の体の加速度を検出して加速度信号を出力し、さらに、前記人が歩行した際に、前記人の重心変化を検出する圧力センサから得られる重心信号を取得し、さらに、前記体動センサから得られた前記加速度信号と、前記圧力センサから得られた前記重心信号とに基づき、前記加速度の最大値、前記人の歩幅及び前記人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を算出し、前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かの判断は、算出した前記歩行状態に基づいて、前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かを判断してもよい。
【0020】
この構成によれば、人の体の加速度を検出する体動センサから得られた加速度信号と、人の重心変化を検出する圧力センサから得られた重心信号とに基づき、加速度の最大値、人の歩幅及び人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を正確に算出することができ、算出された歩行状態を用いて、所定の歩幅で人が歩行しているか否かを確実に判断することができる。
【0021】
また、上記の検知方法において、前記所定の歩幅で前記人が歩行しているか否かの判断は、算出した前記加速度の最大値の標準偏差、前記人の歩幅の標準偏差及び前記人の歩行周期の標準偏差の少なくとも1つを算出し、算出した前記加速度の最大値の標準偏差、前記歩幅の標準偏差及び前記歩行周期の標準偏差の少なくとも1つが閾値未満である場合、前記所定の歩幅で前記人が歩行していると判断してもよい。
【0022】
この構成によれば、加速度の最大値のばらつき、人の歩幅のばらつき及び人の歩行周期のばらつきが小さいほど、人が所定の歩幅を維持して歩行していると判断することができるので、算出された加速度の最大値の標準偏差、歩幅の標準偏差及び歩行周期の標準偏差の少なくとも1つが閾値未満である場合、人が所定の歩幅を維持して歩行していると確実に判断することができる。
【0023】
また、上記の検知方法において、前記基準歩行波形の生成は、前記第2体動信号から歩行周期毎に切り出した複数の体動信号の加算平均を算出することにより、前記基準歩行波形を生成してもよい。
【0024】
この構成によれば、基準歩行波形の生成において、第2体動信号から歩行周期毎に切り出した複数の体動信号の加算平均を算出することにより、1歩行周期分の基準歩行波形を生成することができる。
【0025】
また、上記の検知方法において、さらに、前記所定の歩幅で前記人が歩行していると判断された場合、前記所定の歩幅を前記メモリに記憶し、さらに、前記第1体動信号を取得する前に、前記所定の歩幅で前記人を歩行させるために、前記メモリに記憶されている前記所定の歩幅を前記人に提示してもよい。
【0026】
この構成によれば、メモリに記憶されている所定の歩幅が人に提示されるので、人は、提示された所定の歩幅に従って歩行することにより、所定の歩幅を維持して歩行することができ、体動センサの装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができる。
【0027】
また、上記の検知方法において、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かの判断は、前記基準歩行波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つと、取得した前記第1体動信号の波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つとの差分が閾値以上である場合、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれていると判断してもよい。
【0028】
この構成によれば、基準歩行波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つと、取得した第1体動信号の波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つとの差分が閾値以上であるか否かを判断することにより、体動センサの装着位置が初期装着位置からずれているか否かを容易に判断することができる。
【0029】
また、上記の検知方法において、前記体動センサは、前記人の一方の足首に装着されてもよい。
【0030】
この構成によれば、体動センサは、人の一方の足首に装着されているので、体動センサにより人の歩行動作による体動を高い精度で検出することができる。
【0031】
本開示の他の態様に係る検知装置は、プロセッサと、メモリと、を備え、前記プロセッサは、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて前記人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号を取得し、前記体動センサが初期装着位置に装着された状態で前記所定の歩幅で歩行した際に前記体動センサから得られた第2体動信号から生成された基準歩行波形を前記メモリから取得し、取得した前記基準歩行波形と、取得した前記第1体動信号の波形とを比較することにより、前記体動センサの装着位置が前記初期装着位置からずれているか否かを判断し、判断結果を出力する。
【0032】
この構成によれば、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号の波形と、体動センサが初期装着位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した際に体動センサから得られた第2体動信号から生成された基準歩行波形とが比較される。ここで、体動センサが初期装着位置と同じ位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じになるが、体動センサが初期装着位置からずれた位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じにはならない。したがって、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似している場合に、体動センサの装着位置が初期装着位置と同じであると判断することができるとともに、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似していない場合に、体動センサの装着位置が初期装着位置からずれていると判断することができるので、体動センサの装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができる。
【0033】
本開示の他の態様に係る検知システムは、前記体動センサと、上記の検知装置と、を備える。
【0034】
この構成によれば、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて人の体動を検出する体動センサから得られる第1体動信号の波形と、体動センサが初期装着位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した際に体動センサから得られた第2体動信号から生成された基準歩行波形とが比較される。ここで、体動センサが初期装着位置と同じ位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じになるが、体動センサが初期装着位置からずれた位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じにはならない。したがって、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似している場合に、体動センサの装着位置が初期装着位置と同じであると判断することができるとともに、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似していない場合に、体動センサの装着位置が初期装着位置からずれていると判断することができるので、体動センサの装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができる。
【0035】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0036】
(実施の形態1)
以下、図1に基づいて本実施の形態1に係るずれ検知装置を説明する。
【0037】
図1は、本開示の実施の形態1におけるずれ検知装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態1のずれ検知装置1は、検出部10と、プロセッサ20と、メモリ30と、歩幅提示部40と、表示部50とを備えている。
【0038】
検出部10は、足の裏に加わる力を検出するとともに、人の体の変位を検出する。
【0039】
まず、検出部10の詳細を説明する。検出部10は、足裏センサ101と、体動センサ102とを備える。
【0040】
足裏センサ101は、人の歩行時に足裏にかかる力を検出する。体動センサ102は、歩行中の体動を検出する。足裏センサ101は、例えば、公知のフットスイッチを採用することができる。体動センサ102は、例えば、公知の姿勢センサを採用することができる。
【0041】
フットスイッチは、フィルム型の圧力センサを備えており、足裏の接地状況から歩行周期を計測することできる。さらに、フットスイッチは、歩行中に加わる足裏の圧力によって歩行中の重心変化を数値として検出することもできる。このように、足裏センサ101は、人が歩行した際に、人の重心変化を検出し、重心信号を出力する。
【0042】
体動センサ102は、人の体の加速度を検出して加速度信号を出力する。姿勢センサは、一般的には3軸の加速度計、3軸のジャイロ(角速度測定)及び3軸地磁気センサ(角変位測定)等を備えているので、人の体の上下左右前後方向の加速度及び回転角度を1つのセンサで計測することができる。
【0043】
足裏センサ101は、ローデータをそのまま出力してもよいが、オフセットを校正処理した後のデータを出力してもよい。なお、ユーザ毎に異なる体重及び足にかかる重心等の影響を減らすため、予め足裏センサ101を装着した状態で歩行動作を実施させることで、足裏センサ101が所定の装着位置からずれていかないかを確認することが好ましい。
【0044】
足裏センサ101の取り付け位置は、歩行時に足裏が接触する位置であれば特に限定されない。また、足裏センサ101は、靴底又は靴内に入れる中敷きに備えてもよい。特に、足裏センサ101は、歩行時に足裏が接地する踵付近に設けることが好ましい。足裏センサ101は、踵部分に取り付けられることにより、足裏が接地した際の圧力を確実に検出することができる。例えば、土踏まず付近に足裏センサ101を取り付けた場合、歩行時に圧力が検出され難くなる可能性がある。足裏センサ101が踵部分に取り付けられることにより、歩行時の足裏の接地状況を精度よく測定できるという利点が得られる。
【0045】
体動センサ102は、例えば、スマートフォン又はタブレット端末等の端末機器に取り付けられた加速度センサ又は角速度センサであってもよい。体動センサ102は、ローデータをそのまま出力する必要はなく、例えば、オフセット又は感度を校正処理した後のデータを出力してもよい。体動センサ102は、検出部10に別途内蔵された温度センサにより測定された温度を用いて、温度補償の校正処理を実現してもよい。
【0046】
また、加速度センサとしては、1軸~3軸の加速度センサを任意に用いることができる。加速度センサとしては、歩行時の鉛直方向、水平前後方向、及び水平左右方向の3方向へ作用する加速度を検出するための3軸加速度センサを用いることが好ましいが、3軸加速度センサに限定されるものではない。
【0047】
体動センサ102の取り付け位置は、特に限定されない。人の体幹部のベルト位置近傍、足首又は大腿部にベルト等で体に巻き付けて装着されることが好ましく、特に歩行時の周期的な動きを捉えることが可能な腰部又は足部に装着されることが好ましい。足首に装着される場合は、片足の足首のみに装着されてもよい。本実施の形態1では、体動センサ102は、一方の足の足首の前方部分に装着される。なお、体動センサ102は、ユーザが身に着けている靴又は衣類(ウェア又はソックス等)に貼り付けたり、靴又は衣類の内部に組み込んだり、クリップ等で靴又は衣類に挟み込んだりすることにより、体に装着してもよい。体動センサ102が上記の位置に取り付けられた場合、外乱(歩行又は走行以外の運動による変動)が少ない状態で加速度又は回転角度などを測定できる。これにより、人の体の加速度又は回転角度を精度よく測定できるという利点が得られる。
【0048】
なお、足裏センサ101及び体動センサ102は、無線通信方式又は有線通信方式によりデータを送信する送信部を内蔵していることが好ましい。その場合に、足裏センサ101のみがデータを無線送信し、体動センサ102は、ずれ検知装置1と一体に構成されてもよいし、足裏センサ101と体動センサ102とが、それぞれデータを無線送信してもよい。
【0049】
また、本実施の形態1において、ずれ検知装置1の検知部10は、体動センサ102のみを備え、足裏センサ101を備えていなくてもよい。
【0050】
プロセッサ20は、基準歩行波形生成部201及びずれ検知部202を備える。メモリ30は、歩幅記憶部301及び基準歩行波形記憶部302を備える。メモリ30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の各種情報を記憶可能な記憶装置である。
【0051】
まず、基準歩行波形生成部201の詳細を説明する。
【0052】
基準歩行波形生成部201は、検出部10からの信号に基づいて、人の歩行状況、具体的には、歩行周期及び移動距離(例えば歩幅等)を推定する。
【0053】
基準歩行波形生成部201は、歩幅取得部211と、センサデータ取得部212と、歩行状態算出部213と、歩幅判断部214と、歩幅更新部215と、基準歩行波形算出部216とを備える。
【0054】
基準歩行波形生成部201は、検出部10の体動センサ102の初期装着位置を決定するために行われる処理であり、例えば、体動センサ102が装着されたときに、基準歩行波形生成部201の処理が実施される。
【0055】
歩幅記憶部301は、ずれ検知に適した所定の歩幅を記憶する。なお、歩幅記憶部301は、ずれ検知に適した歩幅の提示パターンを記憶してもよい。
【0056】
歩幅取得部211は、歩幅記憶部301に記憶されている歩幅を取得する。歩幅取得部211は、取得した歩幅の提示パターンを生成し、歩幅提示部40へ出力する。なお、歩幅取得部211は、歩幅記憶部301から歩幅の提示パターンを取得した場合、取得した歩幅の提示パターンを歩幅提示部40へ出力する。
【0057】
歩幅提示部40は、ユーザが所定の歩幅で歩行するように、歩幅取得部211によって取得された歩幅を提示する。歩幅提示部40は、スピーカーで構成されてもよく、音声又はブザー音で歩幅を提示してもよい。また、歩幅提示部40は、例えば、レーザ光源を含み、歩幅から決定される足の踏み出し位置にレーザ光を照射してもよい。レーザ光が使用される場合は、歩幅提示部40は、足裏が地面に接地している間(歩行周期の定義における立脚期)にレーザ光を照射するように制御してもよい。また、歩幅提示部40は、文字又は画像で歩幅の具体的な長さを通知してもよい。また、歩幅提示部40は、LED(発光ダイオード)等の発光部で構成されてもよい。なお、歩幅提示部40は、例えば、上記の視覚による提示又は聴覚による提示のうちの、少なくとも一方の機能を有していてもよい。
【0058】
足の踏み出し位置を提示するパターンとしては、例えば、初めに、歩幅提示部40は、ブザー音と同じタイミングで足を踏み出すように、音声によってユーザへ通知する。そして、歩幅提示部40は、音声案内を通知してから0.5秒が経過した後、1秒毎にブザー音を出力することにより、足の踏み出しのタイミングを提示してもよい。なお、歩幅記憶部301は、歩幅に応じたブザー音を出力するタイミングを予め記憶していてもよい。ブザー音を出力するタイミングは、予め設定された時間間隔で行われる。具合的には、一般的な人の歩行動作は、0.3秒~1.6秒につき1歩程度の周期、つまり0.7Hz~3.0Hzの周期の範囲内であるため、当該周期の範囲内で、ブザー音を出力する時間間隔が決定されてもよい。
【0059】
センサデータ取得部212は、検出部10からの信号を取得し、ローパスフィルタなどによるデータ処理を施してノイズを除去する。また、センサデータを受信する方法としては、無線通信方式又は有線通信方式を適用することができる。その場合に、センサデータ取得部212は、センサデータを受信することが可能な通信方式を用いて、センサデータを受信する。なお、ローパスフィルタのカットオフ周波数は4Hz~10Hzが好ましい。また、体動センサ102が3軸加速度センサである場合、センサデータ取得部212は、3軸加速度センサの各信号X,Y,Zから、下記の式(1)に示す合成加速度を算出してもよい。
【0060】
合成加速度=(X+Y+Z1/2・・・(1)
センサデータ取得部212は、例えば、所定のサンプリング周波数(例えば、100Hz)で体動信号を測定する。体動を測定するサンプリング周波数は、体動の速度に追従できる周波数であれば特に限定されないが、例えば、10~1000Hzの範囲であることが好ましい。
【0061】
センサデータ取得部212は、体動センサ102が初期装着位置に装着された状態で歩行した際に、体動センサ102から得られる体動信号(第2体動信号)を取得する。センサデータ取得部212は、人が歩行した際に、人の重心変化を検出する足裏センサ101から得られる重心信号を取得する。
【0062】
歩行状態算出部213は、センサデータ取得部212によって取得された信号に基づき、体動センサ102が装着されている人の歩行周期及び歩幅等を算出する。歩行状態算出部213は、体動センサ102から得られた加速度信号と、足裏センサ101から得られた重心信号とに基づき、加速度の最大値、人の歩幅及び人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を算出する。また、歩行状態算出部213は、体動センサ102から得られた加速度信号に基づき、加速度の最大値、人の歩幅及び人の歩行周期の少なくとも1つを含む歩行状態を算出してもよい。
【0063】
センサデータ取得部212によって取得された足裏センサ101の信号から歩行周期を算出する場合には、歩行状態算出部213は、例えば、信号が閾値を超えた時点(一方の足が接地した時点)を基準として、次に信号が閾値を超えた時点(一方の足を前に出して次に一方の足が接地した時点)までに要した時間を、1歩行周期(1周期にかかる時間)として算出する。また、加速度センサである体動センサ102の信号から歩行周期を算出する場合には、歩行状態算出部213は、例えば、かかとが接地されたタイミングで発生する鉛直方向の最大ピーク値を特徴量として検出し、特徴量を検出した区間の時間を1歩行周期として算出する。歩行状態算出部213は、どちらの方法を用いて歩行周期を算出してもよいが、少なくとも一方の算出方法を用いて歩行周期を算出する。
【0064】
歩幅の算出方法としては、歩行状態算出部213は、体動センサ102の信号から、進行方向(前後方向)の加速度を積分して、歩幅を推定してもよい。しかし、単純に加速度を積分しただけでは、ドリフトが発生するおそれがある。そこで、歩行状態算出部213は、加速度の積分結果に対して回帰曲線を算出し、算出した回帰曲線の分を積分結果から減算することにより、相対歩幅を算出することができる。そして、歩行状態算出部213は、足裏センサ101から算出した歩行周期の区間に対する相対歩幅の面積を歩幅として算出してもよい。
【0065】
また、歩行状態算出部213は、体動信号から歩行周波数を算出することで、歩行速度を推定してもよい。その場合は、歩行状態算出部213は、体動信号に対して1次元離散フーリエ変換演算を実施し、周波数領域に変換されたデータ範囲内でパワーが最大となる成分が持つ周波数を歩行速度(歩行周波数)として推定することができる。なお、歩行状態算出部213は、前述の歩行周期と歩幅とから歩行速度を算出してもよい。
【0066】
なお、歩行状態算出部213が算出する歩行状態を示すパラメータは、加速度の最大値、歩行周期、歩幅及び歩行速度の少なくとも一つであってもよい。
【0067】
歩行時の信号は、時系列の部分的な適当な長さに分割される。この長さは、目的とする信号が連続的に継続している長さであれば特に制限はないが、歩行動作が周期的に繰り返されている場合に、目的とする信号が数周期程度含まれている長さであることが好ましい。歩行動作であれば、例えば、5秒~10秒程度の長さの信号であることが望ましい。
【0068】
歩幅判断部214は、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な所定の歩幅で人が歩行しているか否かを判断する。歩幅判断部214は、歩行状態算出部213によって算出された歩行状態に基づいて、所定の歩幅で人が歩行しているか否かを判断する。
【0069】
歩幅判断部214は、歩行状態算出部213によって算出された歩行状態を示すパラメータに基づいて、ずれ検知に適した所定の歩幅で人が歩行しているか否かを判断する。歩行状態を示すパラメータは、歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値の少なくとも1つである。歩幅判断部214は、例えば、一定周期の歩行に対して、特徴的な大きな振幅を持つパターンが急に出現する場合、歩行状態が変化したとみなし、所定の歩幅で歩行していない不適切な歩行であると判断する。
【0070】
なお、歩幅判断部214は、歩行周期及び歩幅等の歩行状態を示すパラメータの平均又はばらつき度合いを求め、数周期分の歩行に対して予め設定した所定の閾値を超える平均値又はばらつきが検出された場合に、所定の歩幅で歩行していない不適切な歩行であると判断してもよい。ここで、上記の判断において、歩幅判断部214は、判断精度の向上のために、予め設定されている判断基準に対して、実際の装着者に応じて歩行状態を示すパラメータを補正してもよい。また、歩幅判断部214は、歩行状態を示すパラメータのばらつき度合いを標準偏差等で算出してもよく、装着者の年齢又は身長に応じて閾値を変更してもよい。なお、ずれ検知に適した所定の歩幅で歩行しているか否かの判断には、重心変化、歩幅及び歩行周期をすべて用いてもよいが、少なくとも一つを用いてもよい。
【0071】
歩幅判断部214は、算出された加速度の最大値の標準偏差、人の歩幅の標準偏差及び人の歩行周期の標準偏差の少なくとも1つを算出し、算出した加速度の最大値の標準偏差、歩幅の標準偏差及び歩行周期の標準偏差の少なくとも1つが閾値未満である場合、所定の歩幅で人が歩行していると判断する。
【0072】
歩幅判断部214によって所定の歩幅で歩行していないと判断された場合、歩幅更新部215は、歩幅記憶部301に記憶されている歩幅を変更する。歩幅更新部215は、歩幅記憶部301に記憶されている現在の歩幅を所定の長さだけ長くする。そして、歩幅取得部211は、歩幅更新部215によって更新された歩幅を取得し、歩幅提示部40へ出力する。歩幅提示部40は、歩幅更新部215によって更新された歩幅を提示する。これにより、人は、新たに提示された歩幅で歩行する。体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断可能な所定の歩幅で人が歩行していると判断されるまで、歩幅更新部215は、歩幅記憶部301に記憶されている歩幅を変更する。歩幅判断部214は、所定の歩幅で人が歩行していると判断した場合、所定の歩幅を歩幅記憶部301に記憶する。
【0073】
歩幅更新部215は、歩幅判断部214によって所定の歩幅で歩行していないと判断された場合に、歩幅を提示する予め設定された時間間隔のパターンを、異なる時間間隔のパターンに変化させてもよい。このパターンは、所定の数値幅で段階的に設定され、ユーザ毎に適宜設定を変更してもよい。
【0074】
基準歩行波形算出部216は、所定の歩幅で人が歩行していると判断された場合、体動センサ102から得られた体動信号(第2体動信号)から基準歩行波形を生成する。基準歩行波形算出部216は、体動信号(2体動信号)から歩行周期毎に切り出した複数の体動信号の加算平均を算出することにより、基準歩行波形を生成する。基準歩行波形算出部216は、ずれ検知に適した歩幅であると判断された体動信号に対して、例えば、加算平均等を行うことで基準歩行波形を算出する。その場合に、基準歩行波形算出部216は、歩行周期毎に切り出した複数の体動信号に対して、それぞれのピーク値で時間合わせを行い、加算平均してもよい。
【0075】
基準歩行波形記憶部302は、基準歩行波形算出部216によって算出された時間情報を含む体動信号の基準歩行波形を記憶する。基準歩行波形算出部216は、生成した基準歩行波形を基準歩行波形記憶部302に記憶する。
【0076】
続いて、ずれ検知部202の詳細を説明する。
【0077】
ずれ検知部202は、基準歩行波形生成部201において決定された歩幅に基づき、ユーザに周期的な歩行を行わせるとともに、基準歩行波形生成部201において生成された基準歩行波形に基づき、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断する。
【0078】
ずれ検知部202は、基準歩行波形生成部201によって決定されたずれ検知に適した歩幅での歩行に対して、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれている場合に、体動センサ102の装着位置のずれを検知する。
【0079】
ずれ検知部202は、歩幅取得部221と、センサデータ取得部222と、歩行状態算出部223と、ずれ判断部224とを備える。
【0080】
歩幅取得部221は、歩幅記憶部301に記憶されている歩幅を取得する。歩幅取得部221は、取得した歩幅の提示パターンを生成し、歩幅提示部40へ出力する。なお、歩幅取得部221は、歩幅記憶部301から歩幅の提示パターンを取得した場合、取得した歩幅の提示パターンを歩幅提示部40へ出力する。なお、歩幅取得部221は、歩幅取得部211と同様の機能を有する。歩幅提示部40は、ユーザが所定の歩幅で歩行するように、歩幅取得部221によって取得された歩幅を提示する。体動センサ102を装着した人は、歩幅提示部40によって提示された提示パターンに従って、周期的な歩行を実施する。すなわち、歩幅提示部40は、センサデータ取得部222によって体動信号(第1体動信号)が取得される前に、所定の歩幅で人を歩行させるために、歩幅記憶部301に記憶されている所定の歩幅を人に提示する。
【0081】
センサデータ取得部222は、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて人の体動を検出する体動センサ102から得られる体動信号(第1体動信号)を取得する。
【0082】
センサデータ取得部222は、検出部10からの信号を取得し、ローパスフィルタなどによるデータ処理を施してノイズを除去する。また、センサデータを受信する方法としては、無線通信方式又は有線通信方式を適用することができる。その場合に、センサデータ取得部222は、センサデータを受信することが可能な通信方式を用いて、センサデータを受信する。また、体動センサ102が3軸加速度センサである場合、センサデータ取得部222は、3軸加速度センサの各信号X,Y,Zから、上記の式(1)に示す合成加速度を算出してもよい。なお、センサデータ取得部222は、センサデータ取得部212と同様の機能を有する。
【0083】
歩行状態算出部223は、センサデータ取得部222によって取得された体動センサ102からの加速度信号を歩行周期毎に分割する。具体的には、歩行状態算出部223は、かかとが接地されたタイミングで発生する鉛直方向の最大ピーク値を特徴量として検出し、検出された2つの最大ピーク値の間の区間を1歩行周期として算出する。なお、歩行状態算出部223は、足裏センサ101からの重心信号を用いて歩行周期を算出することにより、加速度信号を歩行周期毎に分割してもよい。歩行状態算出部223は、歩行周期毎に分割した加速度信号から、1歩行周期の加速度信号の波形を切り出し、切り出した1歩行周期の加速度信号の波形をずれ判断部224へ出力する。
【0084】
ずれ判断部224は、体動センサ102が初期装着位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した際に体動センサ102から得られた体動信号(第2体動信号)から生成された基準歩行波形を基準歩行波形記憶部302から取得する。ずれ判断部224は、取得した基準歩行波形と、体動センサ102から取得した体動信号(第1体動信号)の波形とを比較することにより、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断する。
【0085】
ずれ判断部224は、基準歩行波形の歩行周期、歩幅及び最大値のそれぞれと、取得した体動信号(第1体動信号)の波形の歩行周期、歩幅及び最大値のそれぞれとの差分が閾値以上である場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断する。
【0086】
なお、ずれ判断部224は、基準歩行波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つと、取得した体動信号(第1体動信号)の波形の歩行周期、歩幅及び最大値の少なくとも1つとの差分が閾値以上である場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断してもよい。
【0087】
ずれ判断部224は、基準歩行波形記憶部302の基準歩行波形と、歩行状態算出部223によって算出された1歩行周期の体動信号の波形とにずれが生じているか否かを評価する。
【0088】
ずれ判断部224は、基準歩行波形記憶部302に記憶されている加算平均された加速度信号の基準歩行波形の最大ピーク値を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の最大ピーク値が入っているか否かを判断してもよい。また、ずれ判断部224は、基準歩行波形記憶部302に記憶されている加算平均された加速度信号の基準歩行波形の歩幅を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の歩幅が入っているか否かを判断してもよい。また、ずれ判断部224は、基準歩行波形記憶部302に記憶されている加算平均された加速度信号の基準歩行波形の歩行周期を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の歩行周期が入っているか否かを判断してもよい。
【0089】
そして、ずれ判断部224は、基準歩行波形の最大ピーク値を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の最大ピーク値が入っていないと判断した場合、基準歩行波形の歩幅を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の歩幅が入っていないと判断した場合、又は基準歩行波形の歩行周期を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の歩行周期が入っていないと判断した場合、体動センサ102の装着位置がずれていると判断する。
【0090】
一方、ずれ判断部224は、基準歩行波形の最大ピーク値を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の最大ピーク値が入っていると判断し、かつ基準歩行波形の歩幅を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の歩幅が入っていると判断し、かつ基準歩行波形の歩行周期を基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の歩行周期が入っていると判断した場合、体動センサ102の装着位置がずれていないと判断する。
【0091】
なお、ずれ判断部224は、基準歩行波形記憶部302に記憶されている加算平均された加速度信号の基準歩行波形の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期の少なくとも1つを基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期の少なくとも1つが入っているか否かを判断してもよい。ずれ判断部224は、基準歩行波形の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期の少なくとも1つを基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期の少なくとも1つが入っていなければ、体動センサ102の装着位置がずれていると判断する。一方、ずれ判断部224は、基準歩行波形の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期の少なくとも1つを基準とする所定の範囲内に、歩行状態算出部223によって算出された加速度信号の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期の少なくとも1つが入っていれば、体動センサ102の装着位置がずれていないと判断する。
【0092】
なお、例えば、基準歩行波形の最大ピーク値を基準とする所定の範囲は、基準歩行波形の最大ピーク値に、当該最大ピーク値の-10%を加算した値と、基準歩行波形の最大ピーク値に、当該最大ピーク値の+10%を加算した値との間の範囲を示す。また、例えば、基準歩行波形の歩幅を基準とする所定の範囲は、基準歩行波形の歩幅に、当該歩幅の-10%を加算した値と、基準歩行波形の歩幅に、当該歩幅の+10%を加算した値との間の範囲を示す。さらに、例えば、基準歩行波形の歩行周期を基準とする所定の範囲は、基準歩行波形の歩行周期に、当該歩行周期の-10%を加算した値と、基準歩行波形の歩行周期に、当該歩行周期の+10%を加算した値との間の範囲を示す。
【0093】
なお、ずれ判断部224は、取得した基準歩行波形と、体動センサ102から取得した体動信号(第1体動信号)の波形との相関値を算出し、算出した相関値が所定の閾値以上であるか否かを判断してもよい。ずれ判断部224は、算出した相関値が所定の閾値以上であると判断した場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていないと判断し、算出した相関値が所定の閾値より小さいと判断した場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断してもよい。
【0094】
ずれ判断部224は、判断結果を表示部50へ出力する。
【0095】
表示部50は、ずれ判断部224による判断結果をユーザに通知する。表示部50は、例えば液晶方式又は発光素子方式の表示パネルであり、ユーザに画像が見えやすい位置に配置される。表示部50は、例えば、腕時計型液晶ディスプレイであってもよい。これにより、ユーザは、腕に装着した腕時計型液晶ディスプレイを視認しながら歩行することができる。
【0096】
なお、ずれ検知装置1が視認しにくい位置、例えば、足部に装着されている場合、ずれ検知装置1は、表示部50に替えてスピーカーを備えてもよい。スピーカーは、ずれ判断部224による判断結果を、ブザー音又は人の音声により出力してもよい。
【0097】
次に、図2図5を用いて、本実施の形態1における基準歩行波形生成部201による基準歩行波形生成処理を説明する。
【0098】
図2は、本実施の形態1における基準歩行波形生成部による基準歩行波形生成処理を説明するためのフローチャートである。図3及び図4は、本実施の形態1において、ずれ検知に適した歩幅の判断方法を説明するための図である。図5は、基準歩行波形の算出方法を説明するための図である。
【0099】
なお、以下に示す基準歩行波形生成処理では、体動センサ102は、右足の足首の前方に装着された加速度センサであり、足裏センサ101は、右足の足の裏のかかと部分に装着された圧力センサである。また、体動センサ102は、角速度センサ等の加速度信号とは異なる体動信号を検出可能な別のセンサであってもよい。さらに、検出部10は、体動センサ102と足裏センサ101との両方を備えていなくてもよく、体動センサ102のみを備えていてもよい。また、基準歩行波形生成処理は、不図示の入力部により、基準歩行波形生成処理を開始するための入力操作を受け付けることにより、開始される。また、基準歩行波形生成処理は、体動センサ102が人に装着されたことが不図示の検知部により検知された場合に、開始されてもよい。
【0100】
まず、ステップS1において、歩幅取得部211は、歩幅記憶部301に記憶されている歩幅を取得する。なお、歩幅記憶部301は、初期歩幅を予め記憶するとともに、ずれ検知に適した所定の歩幅を記憶する。ここで、歩幅取得部211は、歩幅記憶部301に記憶されている初期歩幅を取得する。歩幅取得部211は、取得した歩幅に応じた提示パターンを歩幅提示部40に出力する。例えば、音声により歩幅を提示する場合、歩幅取得部211は、歩幅に応じて音声を出力する時間間隔を示す提示パターンを歩幅提示部40に出力する。また、レーザ光により歩幅を提示する場合、歩幅取得部211は、歩幅に応じたレーザ光を出射する角度を歩幅提示部40に出力する。
【0101】
次に、ステップS2において、歩幅提示部40は、歩幅取得部211によって取得された歩幅をユーザに提示する。歩幅提示部40は、周期的な歩行動作をユーザに行わせるために、ユーザが足を前方に踏み出すタイミングをブザー音又は人の音声で提示する。なお、例えば、歩幅に応じてブザー音を出力する時間間隔が予め設定されており、歩幅提示部40は、例えば、1秒毎にブザー音を出力する。ユーザは、ブザー音が出力されるタイミングで足を前方に踏み出すことにより、周期的な歩行動作を行う。なお、踏み出すタイミングは、歩幅によって異なり、歩幅更新部215によって歩幅が記憶された場合、歩幅取得部211は、歩幅更新部215によって変更された歩幅を読み出し、読み出された歩幅に応じて、ブザー音の出力間隔を変動させる。
【0102】
次に、ステップS3において、センサデータ取得部212は、足の裏にかかる重心変化を示す重心信号を足裏センサ101から取得するとともに、加速度信号を体動センサ102から取得する。足裏センサ101は、重心信号をセンサデータ取得部212へ出力し、体動センサ102は、加速度信号をセンサデータ取得部212へ出力する。センサデータ取得部212は、取得した重心信号及び加速度信号を歩行状態算出部213へ出力する。
【0103】
次に、ステップS4において、歩行状態算出部213は、センサデータ取得部212によって取得された重心信号及び加速度信号に基づいて、人の歩行状態を示すパラメータを算出する。歩行状態を示すパラメータは、例えば、歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値である。歩行状態算出部213は、歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値を算出する。
【0104】
ここで、歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値の算出方法について説明する。
【0105】
歩行状態算出部213は、歩行中の圧力を時間的な変化として捉える足裏センサ101からの重心信号を利用して、歩行周期を算出する。具体的には、歩行状態算出部213は、重心信号が所定の閾値を超えた時点(足の裏が接地した時点)から、次に重心信号が所定の閾値を超えた時点(歩行により、次に足の裏が接地した時点)までの到達時間を歩行周期として算出する。なお、足裏接地時の所定の閾値は、予め設定されている。また、歩行周期の算出範囲としては、例えば、5秒程度の歩行から5周期分の片足の歩行ステップが検出可能である場合、5周期分の歩行周期が算出される。
【0106】
また、歩行状態算出部213は、歩幅を算出する。歩行状態算出部213は、体動センサ102からの加速度信号を積分し、積分結果の回帰曲線を算出し、算出した回帰曲線の分を積分結果から減算する。さらに、歩行状態算出部213は、回帰曲線の分を減算した積分結果を積分し、積分結果の回帰曲線を算出し、算出した回帰曲線の分を積分結果から減算し、減算値を相対歩幅として算出する。歩行状態算出部213は、例えば、5つの歩行周期などの複数の歩行周期のそれぞれの歩幅を算出する。
【0107】
また、歩行状態算出部213は、体動センサ102からの加速度信号の最大値を算出する。歩行状態算出部213は、例えば、5つの歩行周期などの複数の歩行周期のそれぞれの加速度の最大値を算出する。
【0108】
なお、本実施の形態1では、歩行状態算出部213は、歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値を算出するが、本開示は特にこれに限定されず、歩行状態算出部213は、歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値の少なくとも1つを算出してもよい。
【0109】
歩行状態算出部213は、歩行状態を示すパラメータを歩幅判断部214へ出力する。
【0110】
次に、ステップS5において、歩幅判断部214は、歩行状態算出部213によって算出された歩行状態を示すパラメータに基づいて、人がずれ検知に適した歩幅で歩行しているか否かを判断する。歩幅判断部214は、複数周期分の加速度の最大値の標準偏差を算出し、算出した加速度の最大値の標準偏差が閾値未満であるか否かを判断する。また、歩幅判断部214は、複数周期分の歩行周期の標準偏差を算出し、算出した歩行周期の標準偏差が閾値未満であるか否かを判断する。さらに、歩幅判断部214は、複数周期分の歩幅の標準偏差を算出し、算出した歩幅の標準偏差が閾値未満であるか否かを判断する。
【0111】
加速度の最大値の標準偏差に対する閾値、歩行周期の標準偏差に対する閾値、及び歩幅の標準偏差に対する閾値は、予め設定される。
【0112】
歩幅判断部214は、加速度の最大値の標準偏差が閾値未満であり、かつ歩行周期の標準偏差が閾値未満であり、かつ歩幅の標準偏差が閾値未満であると判断された場合に、人の歩行が再現性のある歩行であると判断し、人がずれ検知に適した歩幅で歩行していると判断する。つまり、歩幅判断部214は、ユーザの歩行が再現性のある歩行であるか否かを判断する。
【0113】
なお、歩幅判断部214は、加速度の最大値の標準偏差、歩行周期の標準偏差及び歩幅の標準偏差が全て閾値未満であると判断された場合に、人がずれ検知に適した歩幅で歩行していると判断する。一方、歩幅判断部214は、加速度の最大値の標準偏差、歩行周期の標準偏差及び歩幅の標準偏差のうちの1つでも閾値以上であると判断された場合、人がずれ検知に適した歩幅で歩行していないと判断する。
【0114】
また、本実施の形態1では、歩幅判断部214は、加速度の最大値の標準偏差、歩行周期の標準偏差及び歩幅の標準偏差が全て閾値未満である場合に、人がずれ検知に適した歩幅で歩行していると判断しているが、本開示は特にこれに限定されず、歩幅判断部214は、加速度の最大値の標準偏差、歩行周期の標準偏差及び歩幅の標準偏差のいずれか1つが閾値未満である場合に、人がずれ検知に適した歩幅で歩行していると判断してもよい。また、歩幅判断部214は、加速度の最大値の標準偏差、歩行周期の標準偏差及び歩幅の標準偏差のいずれか2つが閾値未満である場合に、人がずれ検知に適した歩幅で歩行していると判断してもよい。
【0115】
また、歩行状態算出部213が、歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値の少なくとも1つを算出する場合、歩幅判断部214は、複数周期分の歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値の少なくとも1つの標準偏差を算出し、算出した歩行周期、歩幅、及び加速度の最大値の少なくとも1つの標準偏差が閾値未満であるか否かを判断してもよい。
【0116】
図3は、ユーザの右足首の前方に体動センサが装着されており、ユーザの靴の1.5足分の歩幅で歩行したときに体動センサで検出された鉛直方向の加速度を示す図である。図4は、ユーザの右足首の前方に体動センサが装着されており、ユーザの靴の2足分の歩幅で歩行したときに体動センサで検出された鉛直方向の加速度を示す図である。なお、図3及び図4において、縦軸は鉛直方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。
【0117】
一般的に、歩幅が狭い場合、一方の足の裏のみに重心がかからない。図3において、加速度の最大値10A~10Bは、右足に重心がかかっている状態であり、加速度の最大値10C~10Eは、左足に重心がかかっている状態である。そのため、加速度の最大値10A~10Eには、ばらつきがある。これにより、加速度の最大値10A~10Eの標準偏差は閾値以上であると判断され、ずれ検知に適した歩幅で歩行していないと判断される。
【0118】
一方、歩幅が広い場合、一方の足の裏のみに重心がかかる。図4において、加速度の最大値10F~10Jは、右足に重心がかかっている状態である。そのため、加速度の最大値10F~10Jには、ばらつきがない。これにより、加速度の最大値10F~10Jの標準偏差は閾値未満であると判断され、ずれ検知に適した歩幅で歩行していると判断される。
【0119】
ステップS5でずれ検知に適した歩幅で歩行していないと判断された場合(ステップS5でNO)、ステップS6において、歩幅更新部215は、歩幅を所定の間隔だけ増加させる。なお、歩幅に応じて提示される足を踏み出すタイミングの時間間隔が、最初に1秒間に設定されていた場合に、歩幅更新部215は、時間間隔が長くなるように更新する。例えば、歩幅更新部215は、歩幅を更新する毎に、現在の時間間隔に0.5秒を加算する。
【0120】
次に、ステップS7において、歩幅更新部215は、更新した歩幅を歩幅記憶部301に記憶する。そして、ステップS1に処理が戻り、歩幅取得部211は、歩幅更新部215によって更新された歩幅を歩幅記憶部301から取得する。歩幅提示部40は、歩幅取得部211によって取得された更新された歩幅をユーザに提示する。
【0121】
一方、ステップS5でずれ検知に適した歩幅で歩行していると判断された場合(ステップS5でYES)、ステップS8において、基準歩行波形算出部216は、加速度信号を歩行周期毎に切り出し、歩行周期毎の加速度信号の加算平均を算出することにより、基準歩行波形を算出する。
【0122】
図5は、本実施の形態1において、基準歩行波形の算出方法を説明するための図である。図5では、体動センサ102は右足首の前方に装着され、ユーザがずれ検知に適した歩幅で歩行したときに、体動センサ102で検出される鉛直方向の加速度を示している。なお、図5において、縦軸は鉛直方向の加速度を示し、横軸は時間を示す。
【0123】
基準歩行波形算出部216は、歩行時に踵が接地したときに閾値を超えるピーク値を検出し、検出したピーク値間の加速度信号を切り出す。あるいは、基準歩行波形算出部216は、一定区間の中で加速度の最大値を検出し、検出した最大値間の加速度信号を切り出す。図5において、加速度の最大値11Aと最大値11Bとの間の加速度信号が切り出され、加速度の最大値11Bと最大値11Cとの間の加速度信号が切り出される。基準歩行波形算出部216は、切り出した歩行周期毎の加速度信号の加算平均を行うことで基準歩行波形を算出する。
【0124】
次に、ステップS9において、基準歩行波形算出部216は、算出した基準歩行波形を基準歩行波形記憶部302に記憶する。
【0125】
続いて、図6を用いて、本実施の形態1におけるずれ検知部202によるずれ検知処理を説明する。
【0126】
図6は、本実施の形態1におけるずれ検知部によるずれ検知処理を説明するためのフローチャートである。
【0127】
なお、以下に示すずれ検知処理では、体動センサ102は、足首に装着された加速度センサであり、足裏センサ101は、足の裏のかかと部分に装着された圧力センサである。また、体動センサ102は、角速度センサ等の体動信号を検出可能な別のセンサであってもよい。さらに、検出部10は、圧力センサを備えていなくてもよい。また、ずれ検知処理は、不図示の入力部により、ずれ検知処理を開始するための入力操作を受け付けることにより、開始される。
【0128】
まず、ステップS21において、歩幅取得部221は、歩幅記憶部301に記憶されているずれ検知に適した歩幅を取得する。歩幅取得部221は、取得した歩幅に応じた提示パターンを歩幅提示部40に出力する。例えば、音声により歩幅を提示する場合、歩幅取得部221は、歩幅に応じてユーザの足を前方に踏み出すタイミングで音声を出力する時間間隔を示す提示パターンを歩幅提示部40に出力する。また、レーザ光により歩幅を提示する場合、歩幅取得部221は、歩幅に応じたレーザ光を出射する角度を歩幅提示部40に出力する。ユーザの足を前方に踏み出すタイミングが、例えばブザー音で提示されることで、ユーザに周期的な歩行動作を実施させる。なお、歩幅取得部221は、歩幅取得部211と同様の機能を有する。
【0129】
次に、ステップS22において、歩幅提示部40は、歩幅取得部221によって取得された歩幅をユーザに提示する。歩幅提示部40は、周期的な歩行動作をユーザに行わせるために、ユーザが足を前方に踏み出すタイミングをブザー音又は人の音声で提示する。
【0130】
次に、ステップS23において、センサデータ取得部222は、足の裏にかかる重心の変化を示す重心信号を足裏センサ101から取得するとともに、加速度信号を体動センサ102から取得する。足裏センサ101は、重心信号をセンサデータ取得部222へ出力し、体動センサ102は、加速度信号をセンサデータ取得部222へ出力する。センサデータ取得部222は、取得した重心信号及び加速度信号を歩行状態算出部223へ出力する。
【0131】
次に、ステップS24において、歩行状態算出部223は、加速度信号を歩行周期毎に分割し、歩行周期毎に分割した加速度信号のうちの1歩行周期の加速度信号の波形を切り出す。歩行状態算出部223は、切り出した1歩行周期の加速度信号の波形をずれ判断部224へ出力する。
【0132】
次に、ステップS25において、ずれ判断部224は、基準歩行波形を基準歩行波形記憶部302から取得する。
【0133】
次に、ステップS26において、ずれ判断部224は、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かを判断する。具体的に、ずれ判断部224は、基準歩行波形記憶部302から取得した基準歩行波形の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期を算出するとともに、歩行状態算出部223によって切り出された加速度信号の波形の最大ピーク値、歩幅及び歩行周期を算出する。
【0134】
ずれ判断部224は、基準歩行波形から算出された最大ピーク値を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された最大ピーク値が入っているか否かを判断する。また、ずれ判断部224は、基準歩行波形から算出された歩幅を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された歩幅が入っているか否かを判断する。また、ずれ判断部224は、基準歩行波形から算出された歩行周期を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された歩行周期が入っているか否かを判断する。
【0135】
そして、ずれ判断部224は、基準歩行波形から算出された最大ピーク値を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された最大ピーク値が入っていないと判断した場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断する。または、ずれ判断部224は、基準歩行波形から算出された歩幅を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された歩幅が入っていないと判断した場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断する。または、ずれ判断部224は、基準歩行波形から算出された歩行周期を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された歩行周期が入っていないと判断した場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断する。
【0136】
一方、ずれ判断部224は、基準歩行波形から算出された最大ピーク値を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された最大ピーク値が入っていると判断し、かつ、基準歩行波形から算出された歩幅を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された歩幅が入っていると判断し、かつ、基準歩行波形から算出された歩行周期を基準とする所定の範囲内に、切り出された加速度信号の波形から算出された歩行周期が入っていると判断した場合、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていないと判断する。
【0137】
次に、ステップ27において、ずれ判断部224は、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かの判断結果を表示部50へ出力する。
【0138】
表示部50は、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かのずれ判断部224による判断結果を表示する。具体的には、表示部50は、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていないと判断された場合、例えば「〇」のような肯定的なマークを表示する。また、表示部50は、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断された場合、例えば「×」のような否定的なマークを表示する。
【0139】
また、表示部50は、体動センサ102の装着位置のずれの大きさを複数の段階に分類し、体動センサ102の装着位置のずれの大きさに応じて分類された段階に合わせてユーザが装着位置をずらす目安を表示してもよい。なお、体動センサ102の装着位置のずれの大きさは、基準歩行波形から算出された最大ピーク値と、切り出された加速度信号の波形から算出された最大ピーク値との差分、基準歩行波形から算出された歩幅と、切り出された加速度信号の波形から算出された歩幅との差分、又は、基準歩行波形から算出された歩行周期と、切り出された加速度信号の波形から算出された歩行周期との差分に基づいて推定される。
【0140】
また、表示部50は、体動センサ102の装着位置のずれの大きさに応じて、ユーザが体動センサ102の装着位置を移動させる方向及び長さを表示してもよい。ユーザが体動センサ102の装着位置を移動させる方向及び長さは、基準歩行波形から算出された最大ピーク値と、切り出された加速度信号の波形から算出された最大ピーク値との差分、基準歩行波形から算出された歩幅と、切り出された加速度信号の波形から算出された歩幅との差分、又は、基準歩行波形から算出された歩行周期と、切り出された加速度信号の波形から算出された歩行周期との差分に基づいて推定される。
【0141】
なお、本実施の形態1において、ずれ検知装置1は、表示部50に替えてスピーカーを備えてもよい。スピーカーは、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれているか否かの判断結果を示す音声を出力してもよい。体動センサ102の装着位置のずれを音によって警告する場合は、スピーカーは、体動センサ102のずれが大きいときにブザー音を出力する間隔を狭くしてもよく、体動センサ102が初期装着位置に対してどの程度ずれているのかを判断可能な指標を提示してもよい。
【0142】
このように、所定の歩幅で歩行した際に、人の体に装着されて人の体動を検出する体動センサ102から得られる第1体動信号の波形と、体動センサ102が初期装着位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した際に体動センサから得られた第2体動信号から生成された基準歩行波形とが比較される。ここで、体動センサ102が初期装着位置と同じ位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じになるが、体動センサ102が初期装着位置からずれた位置に装着された状態で所定の歩幅で歩行した場合、第1体動信号の波形と基準歩行波形とは略同じにはならない。したがって、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似している場合に、体動センサ102の装着位置が初期装着位置と同じであると判断することができるとともに、第1体動信号の波形と基準歩行波形とが近似していない場合に、体動センサ102の装着位置が初期装着位置からずれていると判断することができるので、体動センサ102の装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができる。
【0143】
(実施の形態2)
以下、図7に基づいて本実施の形態2に係るずれ検知システムを説明する。
【0144】
図7は、本開示の実施の形態2におけるずれ検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態2のずれ検知システム2は、第1検出装置3と、第2検出装置4と、ずれ検知装置5とを備える。なお、本実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0145】
第1検出装置3は、足裏センサ101及び通信部103を備える。第1検出装置3は、靴底又は靴内に入れる中敷きに備えてもよい。特に、足裏センサ101は、歩行時に足裏が接地する踵付近に設けることが好ましい。足裏センサ101は、人が歩行した際に、人の重心変化を検出し、重心信号を出力する。通信部103は、足裏センサ101によって検出された重心信号をずれ検知装置5へ送信する。第1検出装置3は、ずれ検知装置5とネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークは、例えば、インターネット、無線LAN(Local Area Network)又は近距離無線通信である。
【0146】
第2検出装置4は、体動センサ102及び通信部104を備える。第2検出装置4は、人の体幹部のベルト位置近傍、足首又は大腿部にベルト等で体に巻き付けて装着されることが好ましく、特に歩行時の周期的な動きを捉えることが可能な腰部又は足部に装着されることが好ましい。足首に装着される場合は、片足の足首のみに装着されてもよい。本実施の形態2では、第2検出装置4は、一方の足の足首の前方部分に装着される。体動センサ102は、人の体の体動を検出して体動信号を出力する。体動センサ102は、例えば加速度センサであり、体動信号は、例えば加速度信号である。通信部104は、体動センサ102によって検出された体動信号をずれ検知装置5へ送信する。第2検出装置4は、ずれ検知装置5とネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0147】
なお、本実施の形態2において、ずれ検知システム2は、第1検出装置3を備えていなくてもよい。
【0148】
ずれ検知装置5は、プロセッサ20と、メモリ30と、歩幅提示部40と、表示部50と、通信部60とを備えている。プロセッサ20は、基準歩行波形生成部201と、ずれ検知部202とを備える。基準歩行波形生成部201及びずれ検知部202の構成は、実施の形態1と同様である。メモリ30は、歩幅記憶部301と、基準歩行波形記憶部302とを備える。
【0149】
通信部60は、第1検出装置3によって送信された重心信号を受信し、受信した重心信号をプロセッサ20へ出力する。また、通信部60は、第2検出装置4によって送信された体動信号を受信し、受信した体動信号をプロセッサ20へ出力する。
【0150】
本実施の形態2におけるずれ検知システム2の動作については、ずれ検知装置5がネットワークを介して第1検出装置3及び第2検出装置4から信号を受信すること以外は、実施の形態1におけるずれ検知装置1の動作と同じである。
【0151】
また、ずれ検知装置5が、基準歩行波形生成部201、ずれ検知部202、歩幅記憶部301及び基準歩行波形記憶部302を備えていなくてもよく、ずれ検知装置5とネットワークを介して互いに通信可能に接続されたサーバが、基準歩行波形生成部201、ずれ検知部202、歩幅記憶部301及び基準歩行波形記憶部302を備えてもよい。
【0152】
以上、本開示の装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0153】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0154】
本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0155】
また、本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0156】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
【0157】
また、上記フローチャートに示す各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0158】
さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本開示に係る検知方法、検知装置及び検知システムは、体動センサの装着位置の初期装着位置からのずれを人の歩行動作から高い精度で検出することができ、人の体に装着されたセンサの初期装着位置からのずれを検知する検知方法、検知装置及び検知システムとして有用である。
【符号の説明】
【0160】
1,5 ずれ検知装置
2 ずれ検知システム
3 第1検出装置
4 第2検出装置
10 検出部
20 プロセッサ
30 メモリ
40 歩幅提示部
50 表示部
60,103,104 通信部
101 足裏センサ
102 体動センサ
201 基準歩行波形生成部
202 ずれ検知部
211 歩幅取得部
212 センサデータ取得部
213 歩行状態算出部
214 歩幅判断部
215 歩幅更新部
216 基準歩行波形算出部
221 歩幅取得部
222 センサデータ取得部
223 歩行状態算出部
224 ずれ判断部
301 歩幅記憶部
302 基準歩行波形記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7