(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】面光源を使用する照明装置及び自動車両用システム
(51)【国際特許分類】
F21S 43/19 20180101AFI20220530BHJP
F21S 43/145 20180101ALI20220530BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20220530BHJP
F21Y 105/00 20160101ALN20220530BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220530BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/145
F21W103:00
F21Y105:00
F21Y115:15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018121053
(22)【出願日】2018-06-26
【審査請求日】2021-05-24
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】デン、シンユー
(72)【発明者】
【氏名】チュー、リンシュアン
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5924790(US,A)
【文献】特開2015-135776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/19
F21S 43/145
F21W 103/00
F21Y 105/00
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの面光源(100)と、そのための支持体(200)と、を備える照明装置であって、
前記面光源(100)は、長手方向(X)に延在するとともにT字形状の断面を有する固定要素(1)を備え、
前記支持体(200)は、前記固定要素(1)のための受容部(2)を備え、
前記受容部(2)の断面は、前記固定要素(1)の断面に対して相補的な形状を有し、
前記照明装置は、前記受容部(2)に対する前記固定要素(1)の少なくとも1つのストッパ(12)を備え、
前記ストッパ(12)は、前記長手方向(X)における前記固定要素(1)の延在部に配設さ
れ、
前記固定要素(1)は、ヘッド(11)が設けられた直立部(10)を備え、
前記直立部(10)は、前記面光源(100)の下面(101)から延在し、
前記直立部(10)及び前記ヘッド(11)は、前記面光源(100)の前記下面(101)とともに、前記支持体(200)の前記受容部(2)のための少なくとも1つの係合溝(3a、3b)を画定する、
照明装置。
【請求項2】
前記ストッパ(12)は、前記固定要素(1)の前記長手方向(X)に対して実質的に垂直に延在する少なくとも1つのブロック壁(12)を備える、
ことを特徴とする請求項
1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記受容部(2)は、前記固定要素(1)のためのガイド部分(21)と、前記固定要素(1)のための係合部分(22)と、を備え、
前記ガイド部分(21)及び前記係合部分(22)は、前記受容部(
2)の主延在方向(A)における互いの延在部に配置される、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記係合部分(22)は、前記主延在方向(A)に対して垂直な高度方向(B)において、前記ガイド部分(21)から突出して延在する、
ことを特徴とする請求項
3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記係合部分(22)は、スロット(230)が配設される上壁(23)を備え、
その最大寸法部は、前記受容部(2)の前記主延在方向(A)において実質的に延在する、
ことを特徴とする請求項
3又は
4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記係合部分(22)は、第1側壁(24a)と、第2側壁(24b)と、入口壁(25)と、を備え、
これらの壁は、前記上壁(23)とともに、前記面光源(100)の前記固定要素(1)のための受容キャビティ(220)を画定する、
ことを特徴とする請求項
5に記載の照明装置
。
【請求項7】
前記入口壁(25)は、前記ガイド部分(21)と前記係合部分(22)との前記主延在方向(A)における交差部において、当該主延在方向(A)に対して実質的に垂直に延在する、
ことを特徴とする請求項
6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記照明装置は、前記支持体(200)上の前記面光源(100)のためのプリアセンブリ・フック(3)を備え、
前記プリアセンブリ・フック(3)は、前記係合部分(22)の側壁(24a、24b)から突出するラグ(30)と、前記固定要素(1)に配設される可撓性タブ(31)とによって形成される、
ことを特徴とする請求項
3乃至
7の一項に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至
8のいずれかに記載の少なくとも1つの照明装置を備える、自動車両用照明及び/又はシグナリングシステム。
【請求項10】
複数の照明装置
を備えており、
前記支持体(200)は前記複数の照明装置に共通
である、
ことを特徴とする請求項
9に記載の照明及び/又はシグナリングシステム。
【請求項11】
少なくとも2つの面光源(100)を前記支持体上にブロックするように構成される一体鋳造部品(8)を備える、
ことを特徴とする請求項
10に記載の照明及び/又はシグナリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、自動車両用の照明装置及び/又はシグナリング装置の分野である。より具体的には、本発明は、少なくとも1つの面光源を使用する照明及び/又はシグナリング装置に関する。
【0002】
審美性や規制に関する変化や自動車両に使用される要素の重量及びサイズに関する制約により、光力を備えた広範な審美的可能性、長い耐用年数、小ささ、柔軟性、及び実現容易性を併せ持つ照明及び/又はシグナリング装置の製造に関心が高まっている。この意味で、単数又は複数の面光源と特に単数又は複数の有機発光ダイオードとを備える光源の使用が、研究開発の対象となっている。このような光源は、光学的性能及び設計の柔軟性という点において大きな可能性を開く。
【0003】
有機発光ダイオード、すなわちOLEDは、従来的に、2つの電極から形成される照明モジュールを備えている。これらの電極の間には、これら2つの電極間に印加された電圧の影響を受けて発光する有機層からなるアセンブリが配置される。電極と有機層とから形成されるアセンブリは、通常、半透明の材料からなる2つの基板の間に配置される。実用レベルにおいて、自動車両用照明及び/又はシグナリングシステム用のOLED源は、従来的に、有機層と電極と上述の基板とから形成される発光部と、この発光部が適当な接着剤により装着されるベースとから構成され、アセンブリは、好適な接続手段によって電力供給装置及び制御装置に接続される。
【0004】
面光源や特にOLED源は、自動車両部門において、照明又は車両それ自体のシグナリングを目的として、且つ特に車両の視覚的及び照明特徴という見地における審美的理由を目的として、ますます使用されるようになっている。この文脈において、本発明は、自動車両の後方シグナリングを意図するランプに好適に使用されるがこれに限定されない。
【0005】
公知の態様において、このようなランプは、レンズにより閉鎖されるハウジングを備える。ハウジングと閉鎖レンズは、単数又は複数の光源を受容する容積部を共に画定する。このようなライトは、また、受容容積部を、車両の外部から見える光学的容積部と技術的容積部とに分離する光源支持体を備える。光学的容積部は、光源の発光部を収容する。技術的容積部は、光源を電力供給装置及び源の制御装置に接続する要素を収容する。このような支持体は、従来的に、その機械的及び熱的特性に関して選択された材料の射出成形によって製造される。面光源を使用するランプの場合、面光源を支持体に固定する必要がある。
【0006】
本発明が解決策を提案する技術的課題は、面光源をこのような支持体に固定することである。実際に、現在利用される固定モードには、支持体の特殊な形状が必要とされる。その射出成形による製造は複雑で費用がかかる。これは、特に、この固定モードでは、区画を有する型が必要であるためである。また、このような区画は、支持体に型マークを残してしまうが、このような型マークは見栄えの点で問題があるであろう。とりわけ、公知の固定方法は、面光源について設計上の制約を課するとともに、審美的可能性を制限し、且つ面光源の全ての利点の達成を妨げる。最後に、現在利用される固定方法では、面光源が支持体の表面から突出する2つの実質的に平行なフィンの間に受容される。面光源の設置時に、支持体に対するその移動がこれらのフィンによってのみ、すなわち単独の空間方向において明白に制限される。また、面光源がストッパまで確実に挿入されることが保証されない。したがって、面光源の設置において、わずかな相違及び/又は再現性の欠如が存在し得る。これらが発光する際、品質不合格となる視覚的非連続性を生じ得る。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、単純で再現性のある固定方法であって、その実施が、自動車両の照明及び/又はシグナリングランプ、例えば、テールランプに面光源を支承することが意図される支持体の単純で安価な製造と両立し得る工程方法を提案することにより、これらの欠点を克服することである。
【0008】
この目標のために、本発明の目的は、少なくとも1つの面光源と、そのための支持体と、を備える照明装置であって、前記面光源は、長手方向に延在するとともにT字形状の断面を有する固定要素を備え、前記支持体は、前記固定要素のための受容部を備え、前記受容部の断面は、前記固定要素の断面に対して相補的な形状を有し、前記照明装置は、前記受容部に対する前記固定要素の少なくとも1つのストッパを備え、前記ストッパは、前記長手方向における前記固定要素の延在部に配設される、照明装置である。
【0009】
照明装置のための支持体は、例えば、自動車両のテールランプの技術容積部を見えないようにすることが意図されるマスクである。
【0010】
「面光源」という用語は、発光面を有する源を意味する。発光面の寸法は、面源の高さより大きく、例えば、その面積は、1cm2より大きいかこれに等しい、又は10cm2より大きい。
【0011】
有利には、面光源は、全体としてプレート形状を有する発光部を備え、その一面が発光する。任意の態様において、以下で「上方」という用語は、面光源の発光面を指す。
【0012】
有利には、固定要素は、面光源の発光部の面であって前記上面に対して反対側の面に好適な接着剤を介して取付けられたベースから延在する。
【0013】
本発明の特徴によれば、前記固定要素は、ヘッドが設けられた直立部を備え、前記直立部は前記面光源の下面から延在し、前記直立部及び前記ヘッドは、前記面光源の前記下面とともに、前記支持体の前記受容部のための少なくとも1つの係合溝を画定する。
【0014】
有利には、固定要素はヘッドで終端する。なぜならば、面光源に向かって配向されたヘッドの反対方向においてヘッドから延在する材料が設けられないからである。換言すれば、固定要素を構成する直立部以外に、ヘッドから出現する追加の直立部は存在しない。
【0015】
本例において、面光源の「下面」とは、上述のベースの下面、すなわち、ベースが面光源の発光部に取付けられる面に対して反対側のベースの面を意味することを理解されたい。
【0016】
固定要素の直立部は、有利には、バーの形状を取る。このバーは、面光源の下面から、固定要素の高さと称される第1方向において、当該下面に対して実質的に垂直に延在する。また、この直立部は、面光源の下面に沿って、以下で面光源の長手方向とも称される第2方向又は主延在方向において延在する。当該長手方向における固定要素の直立部の寸法は、以下で固定要素の長さと称される。
【0017】
有利であるが排他的ではない変形実施形態において、固定要素の直立部は、直方体の形状を実質的に取る。前記長手方向に対して垂直な横断面におけるその断面は、全体として矩形の形状を有する。
【0018】
固定要素のヘッドは、面光源の下面に対して実質的に平行に、固定要素の直立部の下縁部から延在する。この下縁部は、直立部が面光源の下面に取付けら得る縁部に対して反対側の縁部である。有利には、固定要素のヘッドは、上述の長手方向における固定要素の全長に亘って延在する。
【0019】
有利には、固定要素のヘッドは、前記長手方向及び上述の高さに対して垂直な横手方向において、固定要素の直立部の両側に実質的に対称的に延在する。この横手方向における固定要素のヘッドの寸法は、当該ヘッドの幅として規定される。同一ラインに沿って計測されるヘッドの幅と直立部の幅との比率は、少なくとも3より大きいことに留意されたい。有用な溝を形成するように、ヘッドは、直立部より顕著に幅が広い。
【0020】
したがって、固定要素の直立部及びヘッドにより形成されるアセンブリの断面は、前記長手方向に垂直な横断面において、全体としてT字形状である。T字形状は、その鉛直方向のブランチが固定要素の直立部の断面によって形成されるとともに、その水平方向のブランチが固定要素のヘッドによって形成される。
【0021】
固定要素の直立部とヘッドとからなるこの特定の構造の結果、固定要素の直立部によって実現される前記T字形状の垂直方向ブランチと、直立部の両側に横手方向に延在する固定要素のヘッドの2つの部分によって実現される当該T字形状の水平方向ブランチとともに、面光源の下面によって、係合溝が形成される。このようにして、固定要素は、面光源の下面とともに、上述の横手方向において固定要素の直立部の両側に配置される2つの係合溝を形成する。
【0022】
本発明の他の特徴によれば、ストッパは、固定要素の長手方向に対して実質的に垂直に、特に上述の長手方向に対して実質的に垂直な平面において延在する少なくとも1つのブロック壁、有利には2つのブロック壁を備える。このブロック壁は、面光源の下面から、長手方向における直立部の端部に延在する。有利には、横手方向におけるブロック壁の寸法は、同じ横手方向における固定要素のヘッドの寸法に少なくとも等しい。したがって、ブロック壁が固定要素の直立部の端部に取付けられている端部において、ブロック壁は上述の係合溝の閉鎖体を形成する。
【0023】
直立部、ヘッド、及びブロック壁は、面光源の支持体の受容部と係合により協働するように構成される面光源の固定要素を形成する。
【0024】
本発明による照明装置の支持体の受容部は、以下の単数又は複数の特徴を、単独で又は組み合わせて有する。
‐受容部は、固定要素のためのガイド部分と、固定要素のための係合部分と、を備え、これらの部分は、受容部の主延在方向における互いの延在部に配置される。本例において、ガイド部分と係合部分は、長手方向における互いの端部において並んで配置され、それらの交差部において共通の端部を共用していることが理解される。
‐係合部分は、ガイド部分を含む平面に対して垂直な方向において、ガイド部分から突出して延在する。有利には、また、ガイド部分は、同じ高度方向において、受容部が配設される支持面から突出して延在する。換言すれば、受容部全体が、マスクからの突出部を形成する。
‐係合部分は、2つの側壁と、これら側壁の間に延在する上壁と、入口壁と、選択的に端部壁とから形成される。これらの壁は、面光源の固定要素のための受容キャビティを共に画定する。係合部分の側壁は、互いに対して実質的に平行であるとともに、上壁に対して垂直である。入口壁と端部壁の双方は、係合部分の上壁及び側壁に対して垂直であるとともに、これらの間で延在する。有利には、係合部分の側壁は、受容部が配設される支持体の面から延在する。
‐係合部分の入口壁は、受容部の主延在方向において、ガイド部分と係合部分との交差部に配設される。
‐入口壁は、前記受容キャビティへの入口を形成する開口を備える。換言すれば、この開口の形状及び寸法は、面光源の固定要素がこの開口を介して受容キャビティ内に係合することを可能とするように規定される。
‐スロットが、係合部分の上壁に配設される。スロットの最大寸法部は、受容部の主延在方向において配向される。より正確には、このスロットは、受容部の主延在方向及び高度方向に対して実質的に垂直な横手方向において、係合部分の上壁の実質的に中央位置で延在する。
‐受容部の主延在方向に対して垂直に計測されるスロットの幅は、ガイド部分の付近において、スロットを長手方向に画定する端縁部の付近より大きい。これにより、固定要素の受容部への挿入が容易となる。スロットの幅は、相互に平行な側壁を維持しつつ、又はこれらを傾斜させることにより直線的に延び得る。したがって、主延在方向に対して垂直に計測されるスロットの幅が、ガイド部分の近傍において、スロットが終端する端縁部の近傍より大きくなるように、側壁は互いに対して傾斜し得る。
‐入口壁は、固定要素の受容部への挿入動作を制限するように、固定要素と受容部との間のストッパが当接する受容部の領域を形成する。
‐有利には、直立部が容易にスロットに挿入されてその内部で特に直立部の長手方向において移動するように、このスロットの寸法は、固定要素の直立部に対して、特に上述のその高さ及び幅に対して相補的である。また、前記スロットの側縁部が固定要素の係合溝に係合され得るように、上壁の厚さは、有利には、固定要素の直立部の高さより小さく規定される。
‐受容部の主延在方向における端部のうちの一方において、スロットは、係合部分の入口壁において、固定要素の直立部の通過を許容するように構成された開口に開口している。主延在方向におけるその反対側の端部において、スロットは、固定要素のための受容部の入口壁に対して実質的に平行なベースによって制限される。
‐受容部の係合部分の主延在方向において、前記開口とベースとの間で計測されるスロットの寸法は、固定要素の直立部の長さに少なくとも等しい。
‐各側壁は、固定要素のための受容キャビティに向かって配向されるその下面において、面光源の固定要素のヘッドのためのガイドショルダを備える。有利には、これらショルダのそれぞれは係合部分の上壁に配設され、受容部の主延在要素におけるその寸法は、同一方向における上述のスロットの寸法に実質的に等しい。より正確には、上述の高度方向において、各ショルダは、固定要素のための受容キャビティの上壁に、受容部が出現する支持体の表面より近接している。有利には、受容部の主延在方向に対して垂直に計測される2つのショルダ間の寸法は、固定要素のヘッドの幅に少なくとも等しい。
【0025】
‐面光源は、その支持体に以下の態様において固定される。
‐固定要素のヘッドを、ガイド部分に当接して配置し、これに沿って、固定要素のストッパに対して反対側の端部であって前端部と称される端部が上述の受容キャビティの開口に到達するまで摺動させる。このような構成により、固定要素のT字形状部が受容部と整列することが可能となる。
‐長手方向平行移動により、すなわち、固定要素の長手方向に平行な移動において、固定要素を受容キャビティに係合させる。より正確には、係合部分の上壁に配設されたスロットの側縁部が、固定要素の係合溝にそれぞれ受容される。したがって、各係合溝は、スロットの横方向縁部が係合する摺動ガイドレールを形成する。この摺動移動において、固定要素の直立部が上述のスロットに沿って摺動し、固定要素のヘッドの側壁が係合部分の側壁に配設された各ガイドショルダに沿って摺動する。したがって、これらのショルダのそれぞれは、受容キャビテイの内部で移動する固定要素のための相補的なガイドを形成する。
‐ブロック壁が係合部分の入口壁に突き当たって停止するまで、固定要素は上述のスロットに沿って摺動する。
【0026】
上記の結果、面光源をその支持体に固定すると、その固定要素の長手方向と、支持体の受容部の主延在方向とが一致する。同様に、受容部の高度方向と固定要素の高さ方向とが一致し、固定要素の幅と係合部分の横手方向についても同様である。
【0027】
面光源が受容キャビテイに受容されると、固定要素の上述の高さ、幅、及び長さが、それぞれ照明装置の高さ、幅、及び長さとなる。しかしながら、これらの呼称は、自動車両の照明及び/又はシグナリングランプにおける本発明による照明装置の最終的な配向となるものでは全くないことに留意されたい。
【0028】
面光源がその支持体に組付けられて本発明による照明装置が形成されると、照明装置はいくつかの空間的方向においてブロック(固定)される。
‐第一に、特にブロック壁が入口壁に当接すると、及び/又は、固定要素の前端部がスロットの端縁部に当接すると、受容部に対する固定要素のストッパは、上述の長手方向の一方向におけるブロックを形成する。
‐スロットの側縁部と、場合により係合部分に配設されたショルダである係合部分の側壁は、上述の横手方向の双方向におけるブロックを形成する。
‐固定要素のT字形状と、固定要素及び面光源の下面により画定される係合溝内のスロットの側縁部との係合によって、本発明による照明装置の高度方向の双方向におけるブロックが生じる。
【0029】
このようなブロックは、面光源のその支持体に対する再現可能な組付を保証し、これにより本発明の目標の1つが実現される。
【0030】
また、面光源の支持体に配設される受容部の形状により、この支持体を、特に区画を有する型の使用を必要としない単純な射出成形操作によって製造することができる。したがって、このような支持体の製造方法は、簡単且つ安価であり、これにより本発明の他の目標が実現される。
【0031】
面光源のその支持体への組付を更に容易なものとする本発明の他の態様において、本発明は、支持体上の面光源のためのプリアセンブリ(組立準備)・フックを提供する。このようなプリアセンブリ・フックは、係合部分の側壁から突出するラグと、固定要素に配設された可撓性タブと、を備える。変形実施形態によれば、プリアセンブリ・フックは、支持体の受容部に設けられた固定要素のための受容キャビティの内部で延在する。このプリアセンブリ・フックは、有利には前記受容キャビテイの内部の側壁のうちの一方から突出するラグを備える。
【0032】
また、プリアセンブリ・フックは、固定要素の直立部の前端部に、前記ラグと協働するように構成された可撓性タブを備える。残りの部分として、固定要素の直立部の前端部は、固定要素の長手方向において、ブロック壁を備える前記直立部の端部の反対側に位置する直立部の端部である。有利には、受容キャビテイの内部における固定要素の長手方向摺動移動において、可撓性タブは前記ラグに到達すると変形し、そして、長手方向摺動移動によりラグを通過すると、これに当接して、逆方向の摺動移動を阻止する。換言すれば、ラグ及び可撓性タブにより形成されるプリアセンブリ・フックは、本発明による照明装置の長手方向において、支持体に対する面光源の挿入方向に対して反対の方向において、面光源を受容部内にブロックすることを実現する。これにより、単数又は複数の面光源が、支持体の取り扱い中に不所望に離脱してしまうことを阻止する組立準備(プリアセンブリ)が達成される。
【0033】
好適には、面光源は、1cm2より大きい、又は10cm2より大きい発光面積を有する。好適には、面光源は、有機発光ダイオードである。
【0034】
本発明は、また、上述の単数又は複数の特徴を単独で又は組み合わせて有する少なくとも1つの照明装置を備える自動車両用照明及び/又はシグナリングシステムをカバーする。
【0035】
有利には、このような照明システムは、複数の面光源に共通の支持体に全てが固定される複数の上述の照明装置を備える。有利には、面光源は、この支持体上でずらして配置される。このような配置により、特に、照明及び/又はシグナリングランプ内部の源によって生成される発光面積が増大され得る。
【0036】
本発明のこの態様によれば、このような照明及び/又はシグナリングシステムは、レンズによって閉鎖されるハウジングを備える。ハウジング及びレンズが、本発明による複数の照明装置を収容する受容容積部を共に画定する。支持体は、受容容積部に配設されるマスクであって、受容容積部を、本発明による照明装置を収容する第1サブ容積部と、各照明装置の接続要素を収容する技術容積部又は領域と称される第2サブ容積部とに分割するマスクを形成する。
【0037】
より具体的には、第1サブ容積部は、車両の外部から見えるが、技術的容積部は見えない。
【0038】
本発明によれば、このような照明及び/又はシグナリングシステムは、少なくとも2つの面光源を支持体上に、例えば面光源の受容部への挿入方向に対して反対の方向においてブロックするように構成される一体鋳造部品を備える。この一体鋳造部品は、面光源が支持体に固定要素によって上述の受容部に設置された後の、面光源の支持体に対する取付を保証する。したがって、一体鋳造部品は、本発明による数個の照明装置に共用される(共通である)。
【0039】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点が、添付図面に関する情報として下記になされる説明を読むことでより明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明による照明装置の有機発光ダイオードの斜視図。
【
図2】本発明による照明装置の有機発光ダイオードの支持体の受容部の斜視図。
【
図4】本発明による照明装置の有機発光ダイオードの変形実施形態の斜視図。
【
図5】
図4に示す本発明による照明装置の詳細を下方から示す図。
【
図6】
図4及び5に示される照明装置の斜視図であって、有機発光ダイオードがその支持体に組付けられている図。
【
図7】本発明による照明及び/又はシグナリングシステムの種々の部品の分解図。
【
図8】本発明による照明及び/又はシグナリングシステムの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
最初に、図面は本発明をその実施に関して詳細に呈示するが、これらの図面は、当然ながら適用可能であれば本発明をより良く規定し得るものであることに留意されたい。
【0042】
また、読み易さを期して、有機発光ダイオードは、以下においてOLEDダイオードと記す。
【0043】
図面を参照すると、上述のように、本発明による照明装置は、少なくとも1つのOLEDダイオード100と、これを固定するための支持体200とを備える。OLEDダイオード100と支持体200とは、OLEDダイオード100に配設された固定要素1によって、及び支持体200に配設された、固定要素1のための受容部2によって、機械的に接続される。
【0044】
特に
図1を参照すると、本発明による照明装置のOLEDダイオード100は、光線発光部110により形成され、光線発光部110は、有利には合成材料を型に射出することにより作製されたベース120に取付けられている。また、OLEDダイオード100は、
図1に示さない供給アセンブリへの電気的接続のための接続要素130を備える。接続要素130は、例えば、可撓性のプリント回路基板又は接続ワイヤである。
【0045】
OLEDダイオード100の発光部110は、
図1に示す実施形態によれば有機層と電極と基板とからなるアセンブリから形成され、全体として平坦なプレート形状を有する。その下面111は、ベース120の上面121に連結される。発光部110の下面111は、本例において、OLEDダイオード100の発光面112に対して反対側の面として規定される。発光面112から、OLEDダイオード100により生成された光線が出現する。発光面112は、以下の説明においてOLEDダイオード100の上面112とも称される。
【0046】
図1に示すように、OLEDダイオード100の固定要素1は、ベース120の下面101から延在する直立部10を備える。ベース120の下面101は、本例において、上面121に対して反対側の当該ベースの面として規定される。上面121を介して、ベース120がOLEDダイオード100の発光部110に連結される。意味を拡大して、ベース120の下面101を、以下ではOLEDダイオード100の下面と記す。有利には、固定要素1の直立部10は、Z方向において、すなわちOLEDダイオード100の下面101に対して実質的に垂直な高さにおいて、OLEDダイオード100の上面112に対して反対側に延在する。OLEDダイオード100の下面101に沿って、固定要素1の直立部10は、以下で長手方向と称する主延在方向Xにおいて延在する。この長手方向における寸法を、以下で長さと記す。
【0047】
図面に更に具体的に示される変形実施形態によれば、固定要素1の直立部10は、2つの側面10a、10bを備える全体として直方体の形状を取る。2つの側面10a、l10bは、互いに対して実質的に平行であるとともに、OLEDダイオード100の下面101に対して垂直である。より正確には、直立部10の側面10a、10bは、高さZに対して、及び上述の長手方向Xに対して実質的に平行な面内に延在する。上述のように、固定要素1の直立部10は、特に、前記長手方向Xにより規定されるとともに、側面10a、10bに対して平行な対称長手方向平面P1を有する。対称長手方向平面P1は、上述の長手方向X及び高さZに対して垂直な横手方向Yすなわち幅において、直立部10の長手方向中央平面である。また、直立部10は、長手方向Xにおいて、前端部と称される端部壁10dと、後端部と称される端部壁10eを備える。前端部10d及び後端部10eは、側壁10a、10bに対して実質的に垂直である。
図1を参照すると、前端部10dは、OLEDダイオード100の接続要素130に最も近接した直立部10の端部であり、後端部10eは、この接続要素130から最も離間した直立部の端部である。意味を拡大して、直立部10の前端部10d及び後端部10eを、以下で固定要素1の前端部及び後端部とそれぞれ記す。「前」及び「後」という用語は、長手方向Xを基準として適用される。
【0048】
また、固定要素1は、幅Yにおいて直立部10の両側で、OLEDダイオード100の下面101に対して実質的に平行に延在するヘッド11を備える。固定要素1は、有利には、ベース120と同一材料から単独部品として形成されることに留意されたい。図面に更に具体的に示す実施形態によれば、ヘッド11は、長手方向平面P1に対して対称的に配設された実質的に平行六面体プレートの形状を有する。
【0049】
直立部10及びヘッド11の各構成の結果、これら2つの要素は、前述の長手方向Xに対して垂直な横断面P2に沿った断面において倒立したT字形状をなし、その鉛直方向のブランチが直立部10によって形成され、その水平方向のブランチがヘッド11によって形成される。倒立したT部は、OLEDダイオード100のベース120の下方に、その下面101に対して実質的に垂直に延在する。「下方」という用語は、本例において、この倒立したT字形状部が、ベース120に対してOLEDダイオード100の発光部110の反対側に、上述の高さZにおいて延在することを意味する。この倒立したT字形状部は、本発明による照明装置の前記横断面P2における断面を示す
図3により具体的に示される。換言すれば、直立部10の両側のヘッド11は、直立部の各側面10a、10b及びOLEDダイオード100の下面101とともに、それぞれ符号3a、3bが付される、長手方向Xに延在する係合溝を画成する。
【0050】
図1に示すように、照明装置は、受容部2に対する固定要素1のストッパ12を備える。このようなストッパ12は、固定要素1の長手方向Xにおいて、固定要素1と受容部2との相対移動を制限する。ストッパ12は、固定要素1の端部に、より具体的には、固定要素1のT字形状部の端部に設けられる。このストッパ12は、溝3a、3bのうちの少なくとも一方を長手方向に閉鎖する。
【0051】
一実施形態において、ストッパ12は、OLEDダイオード100の下面101から、直立部10及びヘッド11に対して実質的に垂直に延在する少なくとも1つのブロック壁12aを備える。したがって、ブロック壁12aは、上述の高さZ及び幅Yの両方に実質的に平行な平面において延在する。より正確には、ブロック壁12aは、OLEDダイオード100の電気的接続要素130から最も離間した直立部10の後端部10eに延在している。有利には、ブロック壁12aは、直立部10の端部10eにおいて、係合溝3a、3bの閉鎖体を形成する。例えば、ブロック壁12aの幅は、少なくともヘッド11の幅に等しい。
【0052】
図2を参照すると、本発明による照明装置の支持体200の受容部2は、ガイド部分と称される第1部分21と、係合部分と称される第2部分22とを備えている。
【0053】
図面に更に具体的に示す実施形態によれば、ガイド部分21は、受容部2が出現する支持体200の面から、高度方向と称される受容部2の方向Bにおいて突出するように延在する。ガイド部分21は、実質的に平坦な上壁21aと、互いに対して実質的に平行であるとともに上壁21aに対して垂直である2つの側壁21b、21cとによって形成される。より具体的には、ガイド部分21の側壁21b、21cは、高度方向Bに対して実質的に平行に延在する。ガイド部分の上壁21aは、側壁21b、21cの縁部であって、これら側壁が支持体200の表面に取り付けられる縁部に対して反対側の縁部の間で延在する。
【0054】
本発明は、係合部22が、ガイド部分21から前記高度方向Bにおいて突出して延在することを規定する。また、本発明は、ガイド部分21及び係合部分22が、前記高度方向Bに対して垂直な受容部2の延在方向Aにおける互いの延在部に延在することを規定する。より正確には、係合部分22は、受容部2の主延在方向Aにおいてガイド部分21と並んで、ガイド部分21の一端部から延在する。本例において、「並んで」という用語は、係合部分22が、主延在方向Aにおけるその端部のうちの一方において、この主延在方向Aにおけるガイド部分21の一方の端部に取付けられているということを意味することが理解される。
図2により具体的に示す実施形態の変形例によれば、ガイド部分21と係合部分22のそれぞれは、実質的に平行六面体ブロックの全体形状を有し、その最長辺が主延在方向Aにおいて延在している。この排他的でない変形実施形態は、支持体200の製造について、合成材料を型に射出することによって実質的に平行六面体形状の受容部2を製造するにあたって、型に区画を設ける必要がないという点において非常に有利である。これにより、支持体200の製造コストが抑えられる。
【0055】
係合部分22は、上壁23と、互いに対して実質的に平行であるとともに、係合部分22の上壁23に対して垂直である2つの側壁24a、24bと、によって形成される。また、係合部分22は、その端部に入口壁25と、主延在方向Aにおいてその反対側の端部に、入口壁25に対して実質的に平行な端部壁26と、を備える。入口壁25を介して、係合部分22はガイド部分21に取付けられる。係合部分22の入口壁25、上壁23、側壁24a、24b、及び選択的に端部壁26は、OLEDダイオード100の固定要素1のための受容キャビティ220を共に画定する。
【0056】
本発明によれば、固定要素1のための受容キャビティ220は、係合部分22の入口壁25において開口250内に開口している。
図2により具体的に示す実施形態の変形例によれば、開口250は、ガイド部分21の上壁21aにおいて、呈示オリフィス210内に延在している。その目的は後で説明する。
【0057】
図面に更に具体的に示す変形実施形態によれば、ガイド部分21のそれぞれの側壁21b及び24b及び係合部分22と同様に、ガイド部分21のそれぞれの側壁21c及び21a及び係合部分22は、単独で同一の壁を形成していることに留意されたい。換言すれば、受容部2の主延在方向Aに対して垂直に計測されるガイド部分21の側壁21c、21bの間の寸法は、前記主延在方向Aに対して垂直に計測される係合部分22の側壁24a、24bの間の寸法に実質的に等しい。
【0058】
係合部分22の上壁23は、受容部2の主延在方向Aにおいて延在するスロット230を備える。スロット230は、互いに対して及び主延在方向Aに対して実質的に平行な2つの側縁部230a、23bによって境界を定められている。スロット230は、入口壁25において、係合開口231内に開口している。有利には、スロット230は、係合部分22の上壁23においてセンタリングされている。すなわち、スロット230は、上述の受容部2の主延在方向Aと高度方向Bとによって規定される対称平面P3の両側に対称的に延在している。対称平面P3は、高度方向B及び主延在方向Aに対して垂直な横手方向Cにおいて、上壁23の長手方向中央平面である。
【0059】
受容部2の主延在方向Aにおいて係合開口230に対して反対側の端部において、スロット230は、スロット230を画定する側縁部230a、230bに対して実質的に垂直な端縁部230cによって閉鎖される。換言すれば、スロット230は、係合部分22の上壁23に実質的に矩形の切開部を形成し、その長辺が上述の主延在方向Aに配向されている。
【0060】
主延在方向Aに対して垂直に計測されるスロット230の側縁部230a、230b間の幅11が、同一方向において計測される固定要素1の直立部10の幅12よりわずかに大きいことに留意されたい。また、主延在方向Aにおけるスロット230の長さは、固定要素1の直立部10の長さと実質的に等しい。本例において、これらの寸法は、固定要素1の直立部10がスロット230に十分容易に、しかし過剰な遊びなく挿入され得るように規定されることを理解されたい。
【0061】
図3に示すように、係合部分22の各側壁24a、24bは、受容キャビティ220の内部容積の側に位置する内面において、少なくとも1つのショルダ、又は参照符号27a、27bが付される2つのショルダを備える。ショルダは、受容キャビティ220を長手方向に画定する入口壁と端部壁との間に実質的に延在する。
図3により正確に示すように、ショルダ27a、27bは、有利には、受容キャビティ220の内部に配置された上壁23の内面23bに配設される。各ショルダ27a、27bは、受容キャビティ220の内部容積の狭窄部を形成する。より正確には、主延在方向Aに対して垂直に計測されるショルダ27a、27b間の幅13は、同一方向において計測される係合部分22の側壁24a、24bの内面間の幅13よりわずかに小さい。
【0062】
ショルダ27a、27b間の幅13は、固定要素1の幅Yにおいて計測されるヘッド11の幅より大きい。本例において、この寸法は、固定要素1のヘッド11が、特に当該ヘッド11の幅方向において、ショルダ27a、27b間に容易に、しかし過剰な遊びなく挿入され得るように規定されることが理解されなければならない。
【0063】
上記の結果、主延在方向Aに対して実質的に垂直な横断面において、スロット230と受容キャビティ220は、固定要素1の直立部10とヘッド11とによって形成されるアセンブリの倒立したT字形状に対して実質的に相補的な形状を有する。
【0064】
図3を参照しつつ、OLEDダイオード100のその支持体200への組付プロセスを以下に述べる。
【0065】
最初の組付ステップにおいて、OLEDダイオード100の固定要素1を、上述の受容キャビティ220に係合させる。この案内をしやすくするために、固定要素1をそのヘッド11においてガイド部分21の上壁21aに当接させてもよい。こうして、固定要素1の直立部10の前端部10dが、入口壁25の開口250に係合する。スロット230及び固定要素1のそれぞれの構成及び寸法の結果、次いで、直立部10が係合開口231に係合する。この係合開口231を介して、スロット230は入口壁25に開口している。この操作において、ガイド部分21の上壁21aとその内部に配設された呈示オリフィス210は、固定要素1の受容キャビティ220への係合を案内し、これを容易とする役割を果たす。
【0066】
固定要素1とこれを支承するOLEDダイオード100を、受容部2の主延在方向Aにおいて、受容キャビティ220の端部壁26及びスロット230の端縁部230cの方向に摺動させる。この長手方向摺動移動において、スロット230及び固定要素1の直立部10のそれぞれの寸法によって、スロット230の側縁部230a、230bが、固定要素1の係合溝3a、3bにそれぞれ係合する。換言すれば、各係合溝3a、3bはレールを形成し、その内部に係合部分22の上壁23の一部が係合する。OLEDダイオード100の下面101は、この時に係合部分22の上壁23の外面23aに実質的に当接することに留意されたい。外面23aは、受容キャビティ220の外側に位置する上壁の面である。
【0067】
前記摺動動作において、固定要素1のヘッド11の側壁は、受容キャビティ220に配設されたショルダ27a、27bによって案内される。こうして、OLEDダイオード100は、その固定要素1と、スロット230と、有利には各ショルダ27a、27bとの協働により、受容部2内でその摺動が案内される。
【0068】
主延在方向Aにおける摺動動作は、固定要素1の直立部10の前端部10dがスロット230の端縁部230cに当たるまで継続する。有利には、ストッパ12の寸法、特にその幅、及び上述の横手方向Cにおける開口250の幅は、ストッパ12が開口230を実質的に完全に閉鎖し、これにより受容キャビティ220を閉鎖するように規定される。このような構成により、本発明による照明システムの技術部と可視部との間で光が漏れることが制限される。
【0069】
固定要素1のスロット230に沿った摺動動作が終了すると、すなわち、固定要素1の直立部10の前端部10dがスロット230の端縁部230cに突き当たって停止すると、OLEDダイオード100は、受容部2を介して支持体200に組付けられ、これにより本発明による照明装置が形成される。この状態において、固定要素1の長手方向Xと、受容部2の主延在方向Aは一致する、又は実質的に一致する。同様に、受容部2が支持体200から突出して延在する方向は、固定要素1の高さZに一致する、又は実質的に一致する。したがって、固定要素1の長手方向X、高さZ、及び幅Yは、それぞれ、本発明による照明装置の長手方向、高さ、及び幅となる。また、上述の対称平面P1とP3とが一致する、又は実質的に一致することとなる。
【0070】
図3に示す本発明による照明装置の組立状態において、OLEDダイオード100は、受容部2に対して種々の態様及び方向においてブロック(固定)されている。
‐スロット230の側縁部230a、230bが固定要素1の係合溝3a、3b内に係合することにより、固定要素1は、受容部2内で、本発明による照明装置の高さ方向Zの双方向においてブロックされる。実際に、係合部分の上壁23の外面23aに当接するOLEDダイオード100の下面101は、OLEDダイオード100と受容部2との相対移動を、本発明による照明装置の高さに相当する方向Zの双方向において制限する。
‐また、スロット230の側縁部230a、230bが固定要素1の係合溝3a、3b内に係合すること、及び受容キャビティ220に対する固定要素1のヘッド11の特定の構造により、固定要素1は、受容部2内で、本発明による照明装置の幅に対応する方向Yの双方向においてブロックされる。
‐最後に、スロット230の端縁部230cに当接した固定要素1の直立部10の前端部10dにより達成されるストッパ12、及び/又はストッパ12のブロック壁12aの受容部2の入口壁25に対する閉塞により、固定要素1は、本発明による照明装置の長手方向Xの一方向において、支持体200に対してブロックされる。より正確には、この長手方向ブロックは、受容キャビティ220に固定要素1を長手方向に挿入することで達成される。
【0071】
したがって、OLEDダイオード100は、単純且つ再現可能な態様で支持体200に組付けられる。
【0072】
図4及び5は、OLEDダイオード100がその支持体200とともに、特に上述の長手方向Xにおいて、この長手方向の双方向にブロックされる本発明の変形実施形態を示す。これを達成するために、本実施形態の照明装置は、プリアセンブリ(組立準備)・フック3を備える。
【0073】
図5を参照すると、プリアセンブリ・フック3は、本発明による照明装置の幅方向Yにおいて、係合部分22の側壁24a、24bのうちの少なくとも一方から、本例においては側壁24aから突出して配置されるラグ30を備える。有利には、本発明による照明装置の長手方向Xにおいて、ラグ30は、係合部分22に設けられたスロットの端縁部の非常に近傍に、すなわち、係合部分22の入口壁よりもこの端縁部に近接して配置される。
【0074】
図4及び5を参照すると、プリアセンブリ・フック3は、また、固定要素1のヘッド11に設けられた可撓性タブ31とスリット32とを備える。より正確には、可撓性タブ31及びスリット32は、ヘッド11の側壁のうちの少なくとも一方に配設される。有利には、可撓性タブ31は、ヘッド11の側壁に対して突出する。
図4及び5に更に具体的に示す変形例であって排他的でない実施形態によれば、可撓性タブ31は、全体としてL字形状を有し、その短いブランチ31bが本発明による照明装置の長手方向Xにおいて配向されるとともに、その長いブランチ31aが前記横手方向Yに配向される。
【0075】
この変形実施形態によれば、スリット32も、可撓性タブ31のL字形状に対して実質的に相補的なL字形状を有する。より正確には、スリット32は、可撓性タブ31により形成されるL字のブランチの周囲においてヘッド11に設けられた切欠によって形成される。
【0076】
本発明によれば、ラグ30及び可撓性タブ31の寸法及び/又は各位置は、固定要素1の受容キャビティ220内部への挿入時の長手方向摺動動作の最中に、ラグ30が固定要素1の前進に対する障害物となるように規定される。換言すれば、摺動動作中に、可撓性タブ31の長いブランチ31aが、ラグ30に突き当たって停止する。
【0077】
可撓性タブ31の可撓性及びスリット32の特定の形状により、固定要素1の受容キャビティ220内における継続した摺動動作によって長手方向に生じる圧力を受けて、可撓性タブ31は変形する。長いブランチ31は、ラグ30を脱出してこれを通過する。
【0078】
固定要素1の受容キャビティ220内での端部壁26への方向における継続した摺動動作において、固定要素1を構成する材料の生来の弾性を理由として、且つスリット32を理由として、可撓性タブ31はその当初位置を再び取る。こうして、可撓性タブ31の長いブランチ31aの後面は、長手方向ストッパを構成し、固定要素1の後方への、すなわち受容キャビティ220の入口壁25の方向における摺動を阻止する。
【0079】
ラグ30及び可撓性タブ31により形成されたプリアセンブリ・フック31を設けることにより、本発明は、OLEDダイオード100の支持体200における中間ブロック、すなわち最終ブロック前のブロックを提供することを可能とする。
【0080】
図6は、上述の本発明による照明装置と、電力供給装置に接続するその組付の一部の斜視図である。図面では、OLEDダイオード100とその支持体200が、受容部2の係合部分22とともに示される。図面では、固定要素1の前端部において、支持体200が突出部分4を備え、その一部がOLEDダイオード100の上面112上に位置するように構成され、これにより、ヘッド11の長手方向端部が被覆されている。
【0081】
また、同図には、上述の接続要素130と、図示しないOLEDダイオード100の電力供給装置との間の電気的接続を保証することが意図されるコネクタ5が概略的に示されている。コネクタ5は、支持体200に対して受容部2の反対側に配設されていることが明瞭である。換言すれば、コネクタ5と、OLEDダイオード100及び受容部2によって形成される照明装置とは、支持体200を形成する壁の一側にそれぞれ配設されている。
【0082】
図7は、本発明による少なくとも1つの照明装置を備える自動車両用の照明及び/又はシグナリングシステムの数個の部品を概略的に示す。同図を参照すると、このようなシステムは、ハウジング6と透明又は半透明のレンズ7とを備え、これらは、本発明による少なくとも1つの照明装置の受容容積部600を共に画定する。
【0083】
支持体200に受容された少なくとも1つのOLEDダイオード100は、受容容積部600に配置される。
図7に示す例示的であるが排他的でない実施形態によれば、支持体200は、それぞれがOLEDダイオード100を受容することが意図される複数の受容部2a、2b、2c、2dを備える(
図7にはOLEDダイオード100が1つのみ示される)。
【0084】
図7に示す特定の構成によれば、OLEDダイオード100は、支持体200上に、上述の横手方向Yにおいて並んで配設されている。図示しない他の例示的な実施形態によれば、OLEDダイオード100及びこれらに対応する受容部は、例えば、支持体200上に、特に2つ一組としてずらして配置される。
【0085】
本例における支持体200は、受容容積部600を、OLEDダイオード及び対応する受容部を収容する第1サブ容積部と、
図6に示すコネクタ5等のコネクタを収容する、技術容積部とも称される第2サブ容積部とに分割するマスクを形成する。コネクタを介して、OLEDダイオード100は、電力供給装置に接続される。
【0086】
図8は、上述の照明及び/又はシグナリングシステムを背面図において示す。本例において「背面図」という用語は、支持体200を前記技術容積部から見た図を意味する。本発明によれば、一体鋳造部品8が、技術容積部の側に配向された支持体200の面201に接触して配置され、これにより一体鋳造部品8が、少なくとも2つのOLEDダイオード100を各受容部に、特に長手方向Xにおいてブロックするようになっている。有利には、一体鋳造部品8は、照明及び/又はシグナリングシステムのOLEDダイオード100のアセンブリを、OLEDダイオード100の対応する受容部への挿入方向に対して反対方向においてブロックする。
【0087】
図8に更に正確に示すように、一体鋳造部品8は、本発明による複数の照明装置に共通である(共用される)。
【0088】
有利には支持体200に例えば少なくとも1つのネジ(
図8に示さず)を介して固定される共通部品8により、受容部内のOLEDダイオード100のアセンブリを、一体鋳造部品8を固定する1つのステップだけで完全に固定することが可能となる。
【0089】
本発明による照明装置は、上述の接続要素130のうちの幾つか又は全てが接続され得る共通の接続要素500を介してプリント回路基板35に電気的に接続される。こうして、印刷回路基板35の電気的接続が、照明システムの外部の電力供給装置への接続用のアセンブリ9によって達成される。
【0090】
したがって、本発明は、単数又は複数のOLEDダイオードが、単純で安価に製造される支持体200、すなわちマスクに単純且つ再現可能な態様で固定される、照明装置と、少なくとも1つのOLEDタイプのダイオードと照明システムと装置とを使用する自動車両用の及び照明及び/又はシグナリングシステムと、を達成する。
【0091】
上述の発明は、自動車両の後方に配置される照明及び/又はシグナリングランプに特に有利に適用されるが、これに限られない。
【0092】
しかしながら、上述の発明は、記載され図示された手段及び構成に限られず、全ての同等の手段又は構成、及びこのような手段の組合せに適用され得る。特に、本明細書に記載され図示された形状、特にOLEDダイオードの発光部の形状、OLEDダイオード100の固定要素1や受容部2の要素の実質的に平行六面体形状は排他的なものではなく、本文書に記載の機能を果たす限り他の形状も想定され得る。
【0093】
更に、本発明を、面光源としてのOLED源の特定例を念頭に解説したが、本発明は、現テキストに規定のようないずれのタイプの面光源にも明らかに適用される。