(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20220530BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20220530BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20220530BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20220530BHJP
H01M 50/403 20210101ALI20220530BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20220530BHJP
H01G 13/00 20130101ALI20220530BHJP
H01G 13/02 20060101ALI20220530BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20220530BHJP
B21D 53/00 20060101ALN20220530BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M4/04 Z
H01M4/139
H01M50/403 F
H01G11/84
H01G13/00 381
H01G13/02 M
H01M10/052
B21D53/00 D
(21)【出願番号】P 2019572730
(86)(22)【出願日】2018-06-28
(86)【国際出願番号】 IB2018054796
(87)【国際公開番号】W WO2019008478
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】102017000075065
(32)【優先日】2017-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519293829
【氏名又は名称】マンツ・イタリー・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サレ マッシミリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】サグアッティ ステファノ
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/072898(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/00-10/39
H01M 4/00- 4/62
H01M50/40-50/497
H01G11/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する装置(1)であって、材料(M)を、該材料(M)の停止及び前進を交互にする間欠送りで送る少なくとも1つの送り経路と、該送り経路に沿って続けて配置された少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)とを備え、該少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)の各々は、一連の機械加工サイクルを実施するように構成され、該一連の機械加工サイクルでは、各機械加工サイクルは、前記材料(M)を停止する段階と該材料(M)を前進させる段階とを含み、前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)のうちの少なくとも1つは、前記送り経路に沿ったその位置を変更し、かつ、該少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)の間の相互距離の調整を可能にするように、ガイド手段(5)において移動可能であ
り、
前記少なくとも2つの機械加工ステーションのうちの1つ(3)は溶接ステーションである、装置。
【請求項2】
前記材料(M)の間欠前進のステップ(P)に関連する少なくとも1つのデータに応じて、前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)の間の前記相互距離を調整するように適合された、プログラム可能な電子制御手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)のうちの他の1つは、前記送り経路に沿ったその位置を変更し、かつ、該少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)の間の相互距離の調整を可能にするように、ガイド手段(5)において移動可能である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)のうちの前記少なくとも1つが移動可能である前記ガイド手段(5)は、前記材料(M)の送り方向(F)に対して平行である少なくとも1つの直線摺動ガイドを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記材料(M)の位置を変更し、かつ、前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)からの該材料(M)の距離の調整を可能にするように、該材料(M)の送り方向(F)に対して平行である直線状ロールガイド手段(7)に沿って移動可能な、該材料(M)の少なくとも1つの巻出しロール(6)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの機械加工ステーションのうちの他の1つ(4)は、前記溶接ステーションの下流に配置されたせん断ステーションである、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ガイド手段(5)における前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)のうちの前記少なくとも1つの機械加工ステーションの移動を駆動するモーター手段(8)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
更なる材料(M’)を間欠送りで送る更なる送り経路と、該更なる送り経路に沿って続けて配置された少なくとも2つの更なる機械加工ステーション(3’;4’)とを備え、前記少なくとも2つの更なる機械加工ステーション(3’;4’)の各々は、機械加工サイクルの各々が前記更なる材料(M’)の少なくとも1つの停止段階と少なくとも1つの前進段階とを含む該機械加工サイクルを実行するように構成され、前記少なくとも2つの更なる機械加工ステーション(3’;4’)のうちの少なくとも1つは、前記更なる送り経路に沿ったその位置を変更し、かつ、該少なくとも2つの更なる機械加工ステーション(3’;4’)の間の相互距離を調整することができるように、更なるガイド手段(5’)において移動可能であり、前記送り経路及び前記更なる送り経路は、前記材料(M)及び前記更なる材料(M’)の同じ機械加工領域に向かって合流する、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記機械加工ステーション(3;4)は、前記更なる機械加工ステーション(3’;4’)の上方に配置され、前記機械加工ステーション(3:4)は、前記ガイド手段(5)において摺動可能に懸架され、前記更なる機械加工ステーション(3’;4’)は、前記更なるガイド手段(5’)の上に摺動可能に支持されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記機械加工領域は、前記送り経路から来る前記材料(M)と前記更なる送り経路から来る前記更なる材料(M’)とを合わせて巻回するように構成された巻回デバイス(2)を備え、及び/又は、前記機械加工領域は、前記材料(M)及び前記更なる材料(M’)を個別化し、個別化した切片を積層するデバイスを備える、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する方法であって、少なくとも1つの送り経路に沿って材料(M)を間欠的に送ることと、少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)を前記送り経路に沿って続けて配置することと、前記材料(M)の間欠送りのステップ(P)に関連する少なくとも1つのデータに応じて、前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)の間の相互距離を調整するように、前記送り経路に沿った前記少なくとも2つの機械加工ステーション(3;4)のうちの少なくとも1つの位置を変更することとを含
み、 前記少なくとも2つの機械加工ステーションのうちの1つ(3)は溶接ステーションである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、連続材料(ウェブ、ストリップ、シート等の形態)を機械加工する機械加工装置に関する。
【0002】
具体的には、ただし排他的にではなく、本発明は、特に、当該装置で機械加工される材料が、巻回されるか又は積層されて電気エネルギー貯蔵デバイスを作製することができる場合に、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造することに適用することができる。特に、本発明は、例えばリチウム電池及びコンデンサー等、製造中の電気エネルギー貯蔵セルを巻回し及び/又は積層する装置に適用することができる。
【背景技術】
【0003】
先行技術は、少なくとも2つの機械加工ステーションが、機械加工すべき材料(例えば、電極)を前進させる経路に沿って続いて配置される、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する装置を含む。機械加工ステーションは、基準加工面を画定する垂直に延在する板上に片持ち式に固定される。
【0004】
先行技術の問題のうちの1つは、製品サイズの変化に装置を適合させることであり、その理由は、一般に、サイズ変化(特に、電極の長さ寸法)により、機械加工ステップ、したがって、材料の間欠送りのステップの変動がもたらされる可能性があり、その結果、材料の各停止中、機械加工ステーション全てにおいて機械を実質的に同時に実施することができるように、この変動を何らかの方法で補償する必要があるためである。
【0005】
この問題を克服するために、可変長の1つ以上の経路部分が設けられた送り経路の使用が知られており、そこでは、材料は可動プーリの上で摺動可能であり、可動プーリの移動により、機械加工ステーションの間に含まれる経路部分の長さを、この長さが常に材料の間欠送りのステップの倍数であるように変更することができる。
【0006】
特許文献1は、個々に電極活物質層が形成された帯状の正極板及び帯状の負極板が、正極板と負極板との間に挿入された帯状のセパレーターを用いて捲回して偏平形状に形成された、捲回型の電極体と、電極体及び電解液を内部に収納し、正極端子及び負極端子が設けられるケースとを備える、捲回型電極電池を製造する装置及び方法を開示している。
【0007】
特許文献2は、絶縁テープの張着作業において、表面に凹凸のある原反の正確な高速ピッチ送りを実施することができる、ピッチ送り機構を開示している。長尺の原反における絶縁テープ張着工程領域の下流側に設けられ、境界部分に従って原反の一方向におけるピッチ送りを実施する、原反ピッチ送り機構。
【0008】
特許文献3は、リチウム電池用の電気化学セルの列を含む連続要素が、切断デバイス及び2つの引張デバイスが連続的に配置されている供給経路に沿って供給され、切断デバイス及び引張デバイスの各々が、連続要素に関連する動作ユニットを有する往復運動要素を有する、切断装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2009/239133号
【文献】米国特許出願公開第2012/222819号
【文献】米国特許出願公開第2014/174268号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この既知の解決法には、いくつかの限界及び欠点がある。第1に、材料の比較的長い経路と、一般に、装置の大きい長手方向寸法とを設定する必要がある。第2に、可変長の経路部分の配置は、材料の前進方向の様々な変動を伴い、材料の大きい張力及び方向転換のリスクが増大し、さらに、材料の経路が長いことは、移動する材料の質量の増大を必然的に伴い、そのため、一般に、非常に脆弱な及び/又は薄い材料は使用することができない。さらに、既知のタイプの装置には、特に、送り経路及び対応する調整システムの複雑性を起因とする一定の構造的複雑化があり、その結果、完成した製品(電気エネルギー貯蔵デバイス)における機械加工の不正確さ及び欠陥のリスクが増大する。
【0011】
本発明の1つの目的は、製品サイズの変化に容易に適合可能である、特に電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する、2つ以上の機械加工ステーションが設けられた、間欠送りで送られる材料を機械加工する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの利点は、連続的な機械加工ステーションの間の距離を比較的短縮することを可能にし、その結果、機械加工ステーションを横切る材料の経路部分の全長が短縮する、ということである。
【0013】
1つの利点は、機械加工ステップ、したがって材料を前進させるステップの変動に適合可能である、特に電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する、機械加工装置を提供することである。
【0014】
1つの利点は、機械加工装置の出口において、装置の下流に配置された別の機械加工システムからの連続ラインにおいて、受け取られるために既に正確に位置決めされている製品を取得することである。
【0015】
1つの利点は、一列になっている、特に電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する、間欠的に送られる材料を機械加工する2つ以上の機械加工ステーションを備える、機械加工装置の順応性及び汎用性を向上させることである。
【0016】
1つの利点は、長手方向寸法が比較的短縮された機械加工装置を利用可能とすることである。
【0017】
1つの利点は、連続材料を高い生産性で機械加工する機械加工装置及び/又は方法をもたらすことである。
【0018】
1つの利点は、構造的に単純であり、実用性がありかつ即時使用できる機械加工装置を作製することである。
【0019】
1つの利点は、機械加工すべき材料の大きい張力及び方向転換のリスクを低減させ、比較的脆弱な及び/又は薄い材料を使用することができるようにすることである。
【0020】
1つの利点は、高品質かつ高精度な電気エネルギー貯蔵デバイスを高い生産性で製造することができるようにすることである。
【0021】
こうした目的及び利点並びに更に他の目的及び利点は、添付する請求項のうちの1つ以上による機械加工装置によって、及び/又は方法によって達成される。
【0022】
1つの実施形態では、特に電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する、機械加工装置は、材料を間欠送りで送る経路と、この送り経路に沿って続いて配置された少なくとも2つの機械加工ステーションとを備え、少なくとも1つの機械加工ステーションは、送り経路に沿ってその位置を変更し、かつ、2つの機械加工ステーションの間の相互距離を材料の間欠送りのステップに応じて調整することができるようにするように、モーター手段のコマンドに従って、ガイド手段において移動可能であり、それにより、特に、機械加工製品のサイズが変化した場合に装置の適合を容易にし、及び/又は2つ以上の機械加工ステーションの間に含まれる機械加工されている材料の長さを最小限にする。
【0023】
本発明は、非限定的な例によって本発明のいくつかの実施形態を例示する添付の図面を参照して、よりよく理解し実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明によってもたらされた機械加工装置の第1の実施形態の垂直立面図での図である。
【
図2】機械加工装置が異なる動作構成にある
図1の図である。
【
図3】材料の間欠送りのステップが変化する際の
図1の装置の2つの機械加工ステーションの工具の4つの異なる動作構成を概略的に示す図である。
【
図4】本発明によってもたらされた機械加工装置の第2の実施形態の垂直立面図での図である。
【
図5】本発明によってもたらされた機械加工装置の第3の実施形態の垂直立面図での図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
上述した図に関して、表現をより明確にするために、同様の要素は、異なる実施形態に属している場合であっても同じ番号付けによって示している。
【0026】
1により、特に、ウェブ、ストリップ、シート等の形態の材料(複数の場合もある)Mを機械加工する、機械加工装置全体を示している。機械加工装置1は、特に、電気エネルギー貯蔵デバイスを製造するため、特に、電極テープ(カソード及び/又はアノード)及び/又は少なくとも1つのセパレーターを備える材料Mを機械加工するために使用することができる。材料Mは、電気エネルギー貯蔵デバイスを形成するために巻回デバイス2において回転しているコアの周囲に巻回されるように意図された、又は、選び出された後に積層されて電気エネルギー貯蔵デバイスを形成するように意図された、連続材料を含むことができる。
【0027】
機械加工装置1は、特に、材料Mの送り経路を備えることができる。送り経路は、特に、送り経路に沿って材料Mを引っ張る手段(例えば、既知であり図示しないタイプ)、経路に沿って材料Mを案内する手段(例えば、ローラータイプ)、経路に沿って材料Mに張力をかける手段(例えば、既知であり図示しないタイプ)、材料の検査及び/又は点検を実施する手段(例えば、既知であり図示しないタイプ)等を備えることができる。
【0028】
送り経路は、特に、材料Mを、材料Mの停止の期間及び前進の期間を交互にする間欠送りで送るように構成することができる。特に、材料Mの間欠送りは、経路に沿って一直線に配置された少なくとも2つの機械加工ステーションにおける一連の機械加工サイクルの実行に関連する。特に、具体的な実施形態におけるように、各停止中、2つ以上の機械加工ステーションで停止する、材料Mの2つ以上の事前設定された部分を、機械加工することができ、一方、各前進(制御されたステップP)中、同じ機械加工ステーションにおいて後続する機械加工サイクルの機械加工タスクを実施するように、好適な材料Mを位置決めすることができる。
【0029】
これらの具体的な例では、第1の機械加工によって影響を受ける材料の部分は、後に第2の機械加工を受けなければならない材料の部分と実質的に同じ材料の部分とすることができる。言い換えれば、第1の機械加工及び第2の機械加工、すなわち、第1の機械加工ステーションにおける材料の第1の部分(後に、第2の機械加工ステーションの中心に位置決めされなければならない第1の部分)に対する第1の機械加工、及び、第2の機械加工ステーションにおける材料の第2の部分(先行して、第1の機械加工ステーションの中心に既に位置決めされていた第2の部分)に対する第2の機械加工を、同時に実施することができるようにするために、2つの機械加工ステーションの間の距離は、送り経路に沿った材料の間欠送りのステップPの倍数でなければならない。
【0030】
機械加工装置1は、特に、送り経路に続けて配置された少なくとも2つの機械加工ステーション3及び4を備えることができる。各機械加工ステーション3及び4は、これらの実施形態におけるように、各機械加工サイクルが材料Mの停止段階及び材料Mの前進段階を含む一連の機械加工サイクルを実施するように、構成することができる。材料Mの各停止段階において、各機械加工ステーション3及び4は、材料Mの一部に対して機械加工タスクを実施する動作位置(例えば、材料に対して動作している工具30及び40の対の閉鎖位置)を採用することができる。材料Mを前進させる各段階において、各機械加工ステーションは、機械加工するために好適な位置に材料の次の部分を位置決めするために、材料をステップPだけ自由に前進させる非動作位置(例えば、工具30及び40の開放位置)を採用することができる。
【0031】
これらの具体的な実施形態では、2つの機械加工ステーションのうちの一方は、溶接ステーション(例えば、溶接によってウェブ又はシートを材料に施すステーション)であり、他方は、溶接ステーションの下流に配置されたせん断ステーション(例えば、せん断により電極タブを形成するステーション)である。溶接ステーション及び/又はせん断ステーションに加えて又はその代わりに、これらの機械加工ステーションの前及び/又は後及び/又は間に配置された、他の機械加工ステーション、例えば、保護材料を施すステーションを設けることができる。機械加工ステーションは、これらの実施形態では、機械加工の点検及び/又は品質制御ステーションでもあることを理解することができる。
【0032】
各機械加工ステーション3及び4は、工具30及び40の動作に対して使用可能である駆動及び送り手段(例えば、既知であり図示しないタイプ)を備えることができる。
【0033】
2つの機械加工ステーションのうちの少なくとも一方は、送り経路に沿ってその位置を変更し、かつ、2つの機械加工ステーション3及び4の間の相互距離を調整することができるようにするように、ガイド手段5において移動可能とすることができる。
【0034】
また、2つの機械加工ステーションのうちの他方は、これらの実施形態におけるように、送り経路に沿ってその位置を変更し、かつ、2つの機械加工ステーション3及び4の間の相互距離を調整することができるようにするように、ガイド手段5(例えば、上述したものと同じガイド手段5)において移動可能とすることができる。
【0035】
両方の機械加工ステーションを調整することができることにより、間欠的に前進し続ける材料のステップ機械加工のために装置の下流に配置された別の機械加工システム(例えば、巻回装置2)からの連続ラインにおいて、正確に受け取られるために、既に所望の基準位置にある製品を、機械加工装置からの出口において取得することができる。言い換えれば、第2の(又は最後の)機械加工ステーションの出口における機械加工された材料は、次の機械加工タスクのために好適な基準位置(例えば、ゼロ位置)に既に配置することができる。
【0036】
上述したガイド手段5は、これらの実施形態におけるように、送り経路に沿って材料Mの前進方向Fに対して平行な少なくとも1つの直線摺動ガイドを備えることができる。
【0037】
機械加工装置1は、特に、材料Mの間欠送りのステップPに関連する少なくとも1つのデータに応じて、2つの機械加工ステーション3及び4の間の上述した相互距離を調整するのに好適である、プログラム可能な電子制御手段(例えば、図示しない電子プロセッサ)を備えることができる。
【0038】
制御手段は、前進のステップPに関連するデータを受け取るように、かつ、2つの機械加工ステーション3及び4の間の距離が、材料Mの各停止段階中に両機械加工ステーション3及び4において対応する機械加工タスクを同時に実施するのに好適であるように、一方又は両方の機械加工ステーション3及び4を移動させるように、構成することができる。特に、材料Mの送り経路に沿って測定される2つの機械加工ステーション3及び4の間の距離は、ステップPの倍数と同じにすることができる。
【0039】
制御手段は、第2の(又は最後の)機械加工ステーション4を離れる材料が、特に巻回デバイス2において、ラインにおいて実施すべき後続する機械加工タスクに関して対応する所望の基準位置に位置決めされるように、機械加工ステーション3及び4の両方を移動させるように、更に構成することができる。言い換えれば、第2の(又は最後の)機械加工ステーションで実施される機械加工は、送り経路に沿って前進する材料をさらに調整する必要なく、送り経路に沿った確定された位置、すなわち、装置に対して外部から参照される選択された位置、すなわち、装置1から出る材料をラインにおいて装置1の下流に配置された別の機械加工デバイスによって受け取ることができるように指示された位置において、実施することができる。
【0040】
機械加工装置1は、特に、材料Mの少なくとも1つの巻出しロール6を備えることができる。
【0041】
ロール6は、材料Mの位置を変更し、かつ材料Mの距離を2つの機械加工ステーション3及び4によって調整することができるようにするように、送り経路に沿った材料Mの前進方向Fに対して平行な直線状ロールガイド手段7に、移動可能に結合することができる。ロールガイド手段7は、これらの実施形態におけるように、送り経路に沿った材料Mの前進方向Fに対して平行な少なくとも1つの直線摺動ガイドを備えることができる。
【0042】
各機械加工ステーション3及び4は、これらの実施形態におけるように、対応する機械加工ステーション3又は4のガイド手段5における移動を駆動するモーター手段8を備えることができる。モーター手段8は、(この場合のように)対応する機械加工ステーション3及び4に取り付けることができ、又は、機械加工ステーションの外部とすることができる。ガイド手段5における機械加工ステーション3及び4の移動システムは、例えば、ラック搬送システム、又は可撓性搬送部材を備えた搬送システム(例えば、ベルト、ケーブル、チェーン等の搬送システム)、又は流体アクチュエーターを備えた移動システム(例えば、リニアアクチュエーター、特に、油圧又は空気圧シリンダー)、又はトランスレーターシステム(例えば、ねじ及びナットねじを備える)、又は別の移動システムを備えることができる。
【0043】
機械加工装置1は、特に
図4の例におけるように、間欠送りで更なる材料M’を送る更なる送り経路を備えることができる。この実施形態では、機械加工装置1は、特に、上記更なる送り経路に沿って続けて配置された少なくとも2つの更なる機械加工ステーション3’及び4’(例えば、機械加工ステーション3及び4と同様)を備えることができる。材料Mは、例えば、1つの符号の電極(カソード又はアノード)を含むことができ、材料M’は、例えば、反対の符号の電極(アノード又はカソード)を含むことができる。
【0044】
上述した更なる機械加工ステーション3’及び4’の各々は、特に、機械加工サイクルを実施するように構成することができ、そうした機械加工サイクルの各々は、少なくとも1つの停止段階と、材料M’を更に前進させる少なくとも1つの段階とを含む。各更なる機械加工ステーション3’及び4’は、更なる送り経路に沿ったその位置を変更し、かつ2つの更なる機械加工ステーション3’及び4’の間で相互距離を変更することができるようにするように、(更なるモーター手段8’のコマンドに従って)更なるガイド手段5’において移動可能とすることができる。各更なる機械加工ステーション3’及び4’は、特に、更なるモーター手段8’のコマンドに従って、更なるロールガイド手段7’において移動可能な更なるロール6’を備えることができる。
【0045】
送り経路及び更なる送り経路は、
図4の例におけるように、材料M及び更なる材料M’の同じ機械加工ゾーンで合流することができる。この機械加工ゾーンは、特に、送り経路から来る材料Mと更なる送り経路から来る更なる材料M’(及び他のあり得る材料)を合わせて巻回するように構成された巻回デバイス2を備えることができる。
【0046】
本明細書に開示した機械加工装置を使用することによって作動可能である電気エネルギー貯蔵デバイスを製造する1つの方法は、送り経路に沿った材料の間欠送りの段階、すなわち交互の停止段階及び前進段階を含むことができる。
【0047】
この方法は、少なくとも2つの機械加工ステーションを送り経路に沿って一直線にかつ続けて配置する段階を含むことができる。
【0048】
この方法は、材料Mの間欠送りのステップPに関連する少なくとも1つのデータに従って、送り経路に沿った2つの上述した機械加工ステーションのうちの少なくとも一方又は両方の位置を、2つの機械加工ステーションの間の相互距離を調整するように変更する段階を含むことができる。
【0049】
動作時、材料Mは、ステップPで間欠的に前進する。機械加工ステーション3及び4は、ステーション自体の間に含まれる部分における送り経路の長さがステップPの倍数であるように、位置決めされる。材料Mの停止段階中、2つの機械加工ステーション3及び4の工具30及び40は、材料Mに対して同時に動作することができ、その結果、第2の機械加工ステーションにおいて処理される材料の部分は、第1の機械加工ステーションにおいて先行する停止段階中に既に処理された部分である。このように、停止段階において材料Mに対して2つの同時の機械加工動作を実施することができる。
【0050】
例えば、製造すべき製品のサイズの変化に起因して、機械加工ステップ、したがって材料の送りステップPを変更しなければならない場合、機械加工ステーションの相対位置により、この場合、2つの機械加工ステーションにおいてかつ同じ停止段階において材料を同時に加工することも可能にするように、2つの機械加工ステーションのうちの少なくとも一方の位置を(送り経路の長さの方向において)調整することができる。
【0051】
この調整は、プログラム可能な電子制御手段と、この制御手段上で実施することができるコンピュータープログラム命令との制御において、自動的に行うことができる。
【0052】
図3は、材料の4つの異なる処理ステップPにおける同時の機械加工を可能にする、機械加工ステーション3及び4の工具30及び40のあり得る位置決めの4つの例を示す。
【0053】
本明細書に記載した例では、各材料供給ラインは2つの機械加工ステーションを備えるが、同じ発明の範囲内で、一直線に配置された3つ以上の機械加工ステーションの使用を可能にすることができる。
【0054】
各機械加工ステーションに対して、機械加工ステップPに応じてその位置を調整することに加えて、機械加工エラーを補償し、材料Mの公差に関して機械加工のばらつきを低減させるように、先行する機械加工ステーションからの材料Mに対して実施された機械加工の実際の位置を検出するセンサー手段(例えば、ビジョンシステム)に従って、更なる調整を実行する、更なる調整手段(例えば、コンピュータープログラム命令)を提供することができる。
【0055】
図5は、上位に固定されたガイド7(直線摺動)に懸架されている、上位に配置された少なくとも2つの機械加工ステーション3及び4(この例では3つのステーション)と、下位に固定されたガイド7’(直線摺動)の上に載っている、下位に配置された少なくとも2つの機械加工ステーション3’及び4’(この例では3つのステーション)とを備える、第3の例を示す。リール6(上部ガイド7に懸架された上部コイル)とリール6’(下部ガイド7’の上に載っている下部リール)とに対しても、同じ構成を提供することができる。この構成では、上部機械加工ステーション3、4と下部機械加工ステーション3’、4’との間に大きい自由空間がある。