(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】ディスプレイのためのレンダリングの方法およびディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20220530BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220530BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220530BHJP
G09G 3/32 20160101ALI20220530BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20220530BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/13357
G09G3/20 641P
G09G3/20 642A
G09G3/20 642J
G09G3/20 650M
G09G3/20 680C
G09G3/20 680F
G09G3/32 A
G09G3/3233
G09G3/34 D
G09G3/34 J
G09G3/34 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020018092
(22)【出願日】2020-02-05
(62)【分割の表示】P 2017208261の分割
【原出願日】2015-08-20
【審査請求日】2020-02-21
(32)【優先日】2014-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【氏名又は名称】村瀬 成康
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チュン チー
(72)【発明者】
【氏名】ナイナン,アジト
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-271501(JP,A)
【文献】特開2000-330504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0036203(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/133 , 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイのためのレンダリングの方法であって、
1つ以上の光源によって第1の光を量子ドット層に照射するステップと、
前記量子ドット層によって前記第1の光を第2の光に変換するステップと、
光モジュレータのための中間段階のディスプレイ変調駆動信号を決定するステップと、
ライトフィールドに対する空間的な色不均一性の影響を計算する1つ以上のライトフィールドシミュレーションに基づいて前記中間段階のディスプレイ変調駆動信号を調整することによって前記空間的な色不均一性を補償するステップであって、前記空間的な色不均一性は前記1つ以上の光源からの前記第1の光が前記第2の光に変換されるまでに進む移動距離に応じて生じるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記モジュレータは、LCDパネルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モジュレータは、可変形状ミラーデバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記モジュレータは、マイクロエレクトロメカニカルデバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記移動距離は、前記第1の光が前記第2の光に変換される前に前記ディスプレイ
における前記量子ドット層と前記光モジュレータとの間の光再利用フィルムにおいて生じる前記第1の光の1回以上の反射が考慮された距離である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記量子ドット層は、単一のシートである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記量子ドット層は、複数のセグメントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の光源は、個別に制御可能な複数の光源である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサを備えており、請求項1に記載の方法を実行するように構成された装置。
【請求項10】
第1の光を出射するように構成された1つ以上の光源と、
前記第1の光を第2の光に変換するように構成された光変換層と、
表示のために前記第2の光を変調するように構成された光モジュレータと、
前記光モジュレータのための中間段階のディスプレイ変調駆動信号を決定し、ライトフィールドに対する空間的な色不均一性の影響を計算する1つ以上のライトフィールドシミュレーションに基づいて前記中間段階のディスプレイ変調駆動信号を調整することによって前記空間的な色不均一性を補償するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記空間的な色不均一性は、前記1つ以上の光源からの前記第1の光が前記第2の光に変換されるまでに進む移動距離に応じて生じる、
ディスプレイデバイス。
【請求項11】
前記光変換層と前記光モジュレータとの間に光再利用フィルムをさらに備え、
前記移動距離は、前記第1の光が前記第2の光に変換される前に前記光再利用フィルムにおいて生じる前記第1の光の1回以上の反射が考慮された距離である、請求項10に記載のディスプレイデバイス。
【請求項12】
前記光変換層は、第1の周波数帯域の前記第1の光を、第2の周波数帯域の第2の光に変換するように構成されている、請求項10に記載のディスプレイデバイス。
【請求項13】
前記光変換層は、量子ドット材料を含む、請求項10に記載のディスプレイデバイス。
【請求項14】
前記量子ドット材料は、シートを形成する、請求項13に記載のディスプレイデバイス。
【請求項15】
前記光変換層における前記量子ドット層は、複数のセグメントを含む、請求項13に記載のディスプレイデバイス。
【請求項16】
前記ディスプレイデバイスは、LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイデバイス、複数のLED(発光ダイオード)または複数のOLED(有機発光ダイオード)を前記光源として含むディスプレイデバイス、またはプロジェクタである、請求項10に記載のディスプレイデバイス。
【請求項17】
前記光モジュレータは、LCDモジュレータ、可変形状ミラーデバイス、またはマイクロエレクトロメカニカルデバイスである、請求項10に記載のディスプレイデバイス。
【請求項18】
前記1つ以上の光源は、個別に制御可能な複数の光源である、請求項10に記載のディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本願は、2014年8月21日に出願された米国仮特許出願第62/040,352号に基づく優先権を主張するものであり、この米国仮特許出願の全体を本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、広くはディスプレイ技術に関し、具体的には、光変換を伴うデュアルモジュレーションの技術に関する。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ(LCD)および有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイにおけるカラーフィルタアレイは、一般に、LCDおよびOLEDパネル製造プロセスの一部として、フォトリソグラフィー技術または印刷技術によって作製される。LCDおよびOLEDディスプレイなどの発光型ディスプレイにおけるカラーフィルタは、典型的には、赤色、緑色および青色のフィルタで構成される。カラーフィルタは、画素エレメントが、発せられた光を色によって変調し、さらに強度によっても変調するように、画素アレイ上にパターン化される。動作時には、広帯域の光源(例えば、白色光)が、例えばLCDディスプレイシステムにおける画素エレメントに光を提供する。あるいは、OLEDディスプレイシステムにおける白色OLED画素エレメントによって広帯域光が生成される。画素エレメントは、画素エレメントから出射する広帯域光の強度を変化させることができる。カラーフィルタを上に配置することにより、強度変調された各画素エレメントの広帯域光は、さらに色でフィルタリングされる。多くの光がカラーフィルタによって損失する。その理由は、例えば、赤色光スペクトル(例えば、約620~740ナノメートル)を生成するために、広帯域の光源の、緑色光スペクトル(例えば、約520~570ナノメートル)および青色光スペクトル(例えば、約450~495ナノメートル)がブロックされるからである。加えて、この損失した光は、ディスプレイシステムの性能および寿命を悪化させる有害な熱に変換される。
【0004】
このため、多くのディスプレイ製造者は、広色域且つ高輝度のディスプレイシステムを開発することが、コストのかかるものだと考えてきた。比較的高価な光学部品、音声部品、電子部品および機械部品を多数含むこと、および、それら全てを1つのシステムに組み上げることの複雑さから、称賛に値するディスプレイシステムを製造するためのコストは一般に非常に高い。
【0005】
そこで、本発明者らは、光変換を伴うデュアルモジュレーションディスプレイが、カラーフィルタを利用する従来の技術よりも優れた多くの性能上の利点をもたらし得ることを、本明細書に開示する。さらに、本発明者らが気付いたところによれば、光変換をローカルディミングディスプレイアーキテクチャに導入すると、結果的に色の不均一性が生じてしまう。色の不均一性を補償する技術を、特に白色光ローカルディミングディスプレイのために、提供する。
【0006】
本節に記載されているアプローチは、探求し得るアプローチではあるが、必ずしもこれまでに着想または探求されてきたアプローチではない。従って、特に反対の記載がない限り、本節に記載されたアプローチのいずれも、本節に記載されているという理由だけで従来技術としての適格性を有すると考えるべきではない。同様に、特に反対の記載がない限り、本節に基づいて、1以上のアプローチに関して特定される問題が、いずれかの先行技術において認識されたことがあると考えるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
デュアルモジュレーションディスプレイ(本明細書において、ローカルディミングディスプレイと呼ぶこともある)を駆動する方法および装置が提供される。光源は、光変換層に第1の光を照射する。光変換層は、第1の光を第2の光に変換する。第2の光の透過を決定する変調駆動信号は、1以上のライトフィールドシミュレーションに部分的に基づいて調節され得る。
【0008】
本発明のある実施形態において、ローカルディミングディスプレイの駆動は、個々に制御可能な複数の光源を駆動するバックライト駆動信号を生成することを含む。光源は、光変換層に第1の光を照射する。光変換層は、第1の光を第2の光に変換する。光変換層は、量子ドット(QD)または蛍光材料を含み得る。第2の光がディスプレイの個々のサブピクセルを透過することを決定する変調駆動信号が生成される。これらの変調駆動信号は、1以上のライトフィールドシミュレーションに基づいて調整され得る。ライトフィールドシミュレーションは、以下のことに対処し得る:(i)光源の点像分布関数に基づいてある画素において生じる色ズレ、(ii)個々の光源間のビニング差、(iii)性能に関するディスプレイ部品の温度依存性、または(iv)それらの組み合わせ。
【0009】
本発明の他の実施形態において、ローカルディミングディスプレイを駆動する方法は、画像データに基づいてバックライトにおける個々に制御可能な発光ダイオード(LED)光源を駆動するバックライト駆動信号を生成することを含む。個々に制御可能なLED光源は、量子ドット層に第1の光を照射する。量子ドット層は、第1の光(加えて、場合によってはディスプレイ内で再利用された光)の少なくとも一部を第2の光に変換する。第2の光がLCDアレイによるディスプレイの個々のサブピクセルの透過を調整するLCD変調駆動信号が決定される。1つ以上のバックライト駆動信号およびある画素と1以上のLED光源とのそれぞれの距離に基づいて、その画素についての黄色光スペクトル成分の増加が決定される。その画素の少なくとも1つのサブピクセルについてのLCD変調駆動信号が、その画素のレンダリング時に黄色光スペクトル成分を低減させるように調整される。
【0010】
本発明のさらに他の実施形態において、ディスプレイシステムは、第1の光を発するように構成された、バックライトの1つ以上の光源を含む。第1の光は、紫外線(UV)スペクトル成分(例えば、約10~400ナノメートル)および/または青色光スペクトル成分を含み得る。ディスプレイは、第1の光によって刺激され、第1の光の少なくとも一部を第2の光に変換するように構成された、1つ以上の光変換層をさらに含む。光モジュレータは、ディスプレイシステムの個々のサブピクセルを透過する第2の光の量を変調するように構成される。ロジックは、(i)バックライト点像分布関数の作用としての色ズレ、(ii)バックライトの1つ以上の光源のうちの1つの光源の性能特性とバックライトの性能特性との差、(iii)レンダリングされた画素についての温度のばらつき、またはそれらの組み合わせに関する1以上のライトフィールドシミュレーションを実行する。コントローラは、ライトフィールドシミュレーションに基づき、1つ以上の光モジュレータのための駆動値を調整し得る。
【0011】
本発明の他の実施形態において、デュアルモジュレーションディスプレイの駆動は、個々に制御可能な複数の光源のためのバックライト駆動信号を生成することを含む。光源は、光変換層に、紫外または青色光などの第1の光を照射する。光変換層は第1の光を、白色光などの第2の光に変換する。光変換層は量子ドット材料を含み得る。中間的な液晶ディスプレイ(LCD)変調駆動信号が1つ以上のライトフィールドシミュレーションに基づき決定されるが、ここでは空間的な色ズレは殆どあるいは全く想定されない。これらの中間的なLCD変調駆動信号を、1つ以上のカラーフィールドシミュレーションに基づき、光変換層の使用に起因する不均一な空間的色ズレに対処するように調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明を、例示のために、限定の意図なく、添付の図面中の複数の図に示す。これらの図において、同様の構成要素には同じ参照符号を付す。
【0013】
【
図1】
図1は、変換層を含む例示的なカラーアレイパネルを示す図である。
【
図2A】
図2Aは、中心からの距離の作用としての色ズレを有するPSFの一例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、中心からの距離の作用としての色ズレを有するPSFの一例を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、中心からの距離の作用としての色ズレを有するPSFの一例を示す図である。
【
図2D】
図2Dは、青色LEDのバックライトについて空間的に変化する色ズレを有するPSFの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、ディスプレイシステムにおける、ディスプレイロジックの例示的な構成を示す図である。
【
図4】
図4は、ローカルディミングディスプレイを駆動するための例示的なフロー図である。
【
図5】
図5は、本発明の1つの可能な実施形態による、本明細書に記載のコンピュータまたは計算装置が実装され得るハードウェアプラットフォームの一例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、光変換を伴うローカルディミングの簡潔な構成を例示する図である。
【
図6B】
図6Bは、光変換を伴うローカルディミングの簡潔な構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明および図面は、本発明の例示であり、本発明を限定するものとは解釈されない。本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を説明する。しかし、いくつかの例において、本発明の説明が不明瞭になることを避けるため、周知または慣用的な事項の詳細は説明しない。さらに、米国特許出願第14/370,115号(発明の名称「Techniques for Dual Modulation Display with Light Conversion」)の詳細を、あらゆる目的において、本明細書に援用する。
【0015】
図1は、光学積層体(optical stack)101を含む例示的なカラーアレイパネル100を示す。光学積層体101は下記のものを含み得るが、これらに限定されない:
i. 変換層102;
ii. 光源104;
iii. 反射体(リフレクタ)表面106;
iv. 拡散層108;
v. 光再利用フィルム110;
vi. 光変調層112。
【0016】
(観察者(ビューア)の視点から見て)光源104の手前に配置された変換層102は、量子ドットまたは蛍光材料を含み得る。量子ドット(例えば、量子閉じ込め効果を利用して発光するナノスケールの粒子)または蛍光材料は、光学層の上面、底面もしくはそれら両方の表面にコーティングされるか、付着されるか、ドーピングされるか、またはその他配置されて、変換層102を形成し得る。量子ドットまたは蛍光材料は、光学層内に埋め込んでもよい。これらの材料は、さまざまな配置方法の任意の組合せまたは順序で光学層に配置され得る。
【0017】
変換層102は、量子ドットカラーアレイまたは蛍光体カラーアレイを用いて、カラーディスプレイシステムにおいて色を与える。赤色の量子ドットまたは蛍光材料は、緑色光および青色光などの、よりエネルギの高い、すなわちより波長の短い光を吸収して、赤色光を発する。緑色の量子ドットまたは蛍光材料は、青色光を吸収して、緑色光を発する。このように、本発明の実施形態では、変換層102は所望の色を生成する。赤色光および緑色光は青色光源から変換され、一方で、青色光は青色光源から直接出射される。
【0018】
本発明のある実施形態において、変換層102は、表示装置のアクティブ領域の寸法に実質的に等しくなるように幅方向および高さ方向に拡がる単一のシート(あるいは、単一の平面を形成するように配置された複数の部分)である。例えば、変換層102は、対角方向に、約4インチ、10インチ、32インチ、40インチ、50インチ、58インチ、さらにそれ以上の長さであり得る。さらに、変換層102は、例えば、16:9、4:3、3:2、5:3、5:4または1:1等のアスペクト比、すなわち、幅と高さとの比率の関係を有し得る。
図1に示すように、変換層102は、光源104から離れて配置される。本発明の別の実施形態において、変換層102は複数の部分を含む。ある特定の実施形態において、複数の部分の各々が単一の光源104に関係付けられる。
【0019】
光源104は、人間または機械の視覚が知覚可能な光を生成するために変換層102によって利用され得る電磁エネルギを発生する任意の電磁エネルギ源であり得る。例えば、光源104は、OLED、RGBのLED、広帯域のLED、青色スペクトルLED、紫外スペクトルLED等のうちの1つ以上を含み得る。
【0020】
これらの光源104は、表示装置のアクティブ領域の長さおよび高さとほぼ同じ分だけ拡がったアレイとして配置され得る。光源104間のピッチ密度は、ディスプレイの画素解像度に等しいか、それに相当する値であり得る。すなわち、光源104と画素数との比は、1:1(例えば、それぞれの表示解像度に対して、1920×1080、3840×2160または7680×4320個の光源)であり得る。この場合、各光源104の位置は、(観察者の視点から見て)対応する画素の真後ろに整列され得る。他の場合、光源104は、対応する画素から横方向にずれて、あるいは2つの画素の間に、配置され得る。光源104間のピッチは均一または非均一であり得る。例えば、ピッチ密度は、周辺部、エッジ部、コーナー部またはレターボックスフォーマットの黒い境界部においてよりも、ディスプレイの中央のアクティブ領域近傍において高く設定され得る。
【0021】
他の実施形態において、光源104と画素数との比は、より低い比、例えば1:2、1:3、1:4、1:10またはそれ以上などであり得る。この場合、バックライト像の解像度は減少する。あるいはより高い比、例えば2:1、3:1またはそれ以下などであってもよい。例えば、光源は、画素または画素群の代わりに、サブピクセルに関連付けられていてもよい。
【0022】
これらの光源104は個々に制御されるか、あるいは、光源104のサブセットが集合的に同調して制御され得る。個々に制御可能な光源104によるバックライト制御の柔軟性により、ローカルディミングが可能になる。ローカルディミングについてのさらに詳細な事項は、米国特許第8,277,056号(発明の名称「Locally Dimmed Display」)に開示されている。この米国特許の全体を、あらゆる目的において、本明細書に援用する。ただし、光源104が個々に制御されていても、各光源104についてのPSFが重複して、複数の画素の強度に寄与し得る。
【0023】
図1は、直接照射型のバックライトディスプレイを示しているが、エッジ照射型のディスプレイであっても、本開示において教示される発明の利点(例えば、PSFからの色ズレ、光源のビニング、または温度分散の補償)を享受することができる。このような実施例において、空間光モジュレータは、空間光モジュレータの端部に配置された1つ以上の光源によって照らされる。エッジ照射型ローカルディミングについてのさらなる詳細は、米国特許第8,172,401号(発明の名称「Edge Lit Locally Dimmed Display」)に開示されている。この米国特許の全体を、あらゆる目的において、本明細書に援用する。
【0024】
反射体表面106は、広帯域の鏡面、所定のスペクトル(例えば、1つ以上の原色)を反射するダイクロイックミラーの表面であり得る。更に、反射体表面106は、光源104のための貫通孔を有し得る。これらの貫通孔は、リーマー、ドリルまたはミルによって形成され得る。反射体表面106は、効率を高めるために、光学積層体101を再度透過するように光の方向を変える。
【0025】
図1において、拡散(ディフューザ)層108は、ディフューザ108の反対側にいる観察者がより広い領域から光を知覚するような方向の範囲に亘って出射光を散乱させる。一般に、ディフューザ108は、水平面内および垂直面内の異なる角度範囲に光を散乱させ得る。
【0026】
バックライティングの光学効率を上昇させるために、光再利用フィルム110が用いられる。いくつかの実施形態において、光変調層112は(実質的に)偏光光のみを透過させるので、バックライトは基本的に非偏光光を生成する。光変調層112の前の最後の光学層として、反射偏光子(例えば、3M DBEF)が用いられ得る。光変調層112に入射する間違った偏光の光は、そのままでは吸収されてしまうが、光再利用フィルム110によりバックライトに向かって反射される。反射光は、偏光をランダムにする拡散層108において散乱される。偏光がランダムにされた反射光は、光変調層112を通過する正しい偏光の成分を含んでおり、光学積層体内で散乱されたり跳ね返ったりするにつれ、光変調層112に再度向かい得る。
【0027】
他の光再利用フィルム110は、バックライトユニットから出射する光の方向を制御するために用いられるプリズム構造のフィルム(例えば、3M BEF)であり得る。光変調層112の視野角内で光の強度を最大化するために、視野角外の光を反射して光学的な空洞内に戻すことにより、散乱および反射の末に、反射光の一部が視野角内の所望の出射角度をもつようにすることができる。
【0028】
光変調層112は、例えば、(i)透過型光モジュレータの一例であるLCDパネル、(ii)反射型光モジュレータの一例である可変形状ミラーデバイス(DMD)、または(iii)マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)型モジュレータを含み得る。光モジュレータ112の構成要素は、表示される画像を定義するデータに応じて制御される。
【0029】
図1は光学積層体101の一実施形態を例示するものであり、図中における構成要素の配置は変わり得るし、記載されていないさらなる構成要素を含み得ることを理解されたい。例えば、光再利用フィルム110は、拡散層108の手前側ではなく後ろ側に配置されていてもよい。さらに別の例において、変換層102は、光学積層体101内の、光源104の後の任意の場所に配置され得る。このような修正および変更は全て、本開示の範囲内に含まれることを意図している。
【0030】
本発明者らの理解によれば、例示的なカラーアレイパネル100は、「イエローテイルエフェクト」、つまり、中心からの距離の関数として色をずらしてしまう点像分布関数(PSF)という欠点を有する。すなわち、比較的長い光路を移動する光(光源近傍または光源内の空間領域へと方向を変えられた光)は、広角且つ広範囲に亘って空間的に拡がり、特に1回以上の反射を伴う光再利用により、色ズレ(例えば、イエローテイル)を生じ得る。このようなシステムでは、例えば、直接照射型発光体の点像分布関数の中央の光は大部分が変換されるが、受け入れられなかった光の成分は跳ね戻り、発光体の点像分布関数の中央から外周にむけた距離が増加するにつれ緑色および赤色が減少するように変化し、点像分布関数(PSF)に色ズレを生じさせる。PSFの中央が所望の白色点を有する場合でも、PSFのテイル部分は次第に黄色になる。補償されない場合、色ズレによる劣化は特に目立つものになり得、視覚的に突出する可能性さえある。
図2A、2Bおよび2Cは、簡単な例示として、イエローテイルエフェクトを示している。
図2Dは、青色LEDのバックライトについて空間的に変化する色ズレを有するPSFの一例を示す。
【0031】
図3は、ディスプレイシステム300の表示ロジックの例示的な構成を示す。本発明のいくつかの可能な実施形態によれば、ディスプレイシステム300は、バックライト304の光源を制御するバックライト制御ロジック302を含む。これらの光源は、
図1に示す光源104と同じかまたは類似するものであり得る。バックライト制御ロジック302は、画像データ源(図示せず)(例えば、セットトップボックス、ネットワーク化されたサーバ、記録媒体等)に動作可能に接続され得、画像データ源から画像データを受け取るように構成される。内部ソースもしくは外部ソースから受け取られた画像フレーム、または内部ソースもしくは外部ソースからの画像データから生成された画像フレームが、バックライト304を駆動するために、バックライト制御ロジック302によって用いられ得る。例えば、バックライト制御ロジック302は、1つ以上の画素またはサブピクセルを特定の強度で照射するようバックライト304を制御するように構成されてもよい。画像フレームは、バックライト制御ロジック302により、さまざまな解像度のさまざまなフレームにおける個々の駆動値または合計駆動値を導出するために用いられ得る。
【0032】
本発明の本実施形態において、バックライト制御ロジック302は、ライトフィールドシミュレーションロジック306に論理的に接続される。ライトフィールドシミュレーションロジック306は、例えば、イエローテイルエフェクト、光源のビニング、システム構成要素に対する温度依存性などの、ライトフィールドに対する1つ以上の影響を計算する。これらの影響に基づき、ライトフィールドシミュレーションロジック306および/またはモジュレータ制御ロジック308(例えば、LCDパネル制御ロジック)は、画質が向上するように、それらを低減する。例えば、イエローテイルエフェクトを低減するために、モジュレータ310(例えば、LCDパネル)への駆動値は、より青色になるようにバイアスされ得る。
【0033】
ある実施形態において、ライトフィールドシミュレーションは、三原色の各々について3色の三刺激値を表す9つの畳み込みチャネルを利用し得る。しかし、これは計算コストが高い。代わりに、ライトフィールドシミュレーションは、バックライトにおける個々に制御可能な光源を、広帯域の光スペクトル成分についての第1のPSF、および黄色光スペクトル成分についての第2のPSF(すなわち9つではなく2つの畳み込みチャネル)を有するものとして、モデル化し得る。第1のPSFは、イエローテイルエフェクトに起因する、オーバーラップする第2のPSFよりも狭い。
【0034】
ライトフィールドシミュレーションロジック306は、バックライトLED(例えば、光源102)のビニング(の欠如または不十分)を補償するための畳み込みチャネルを含んでいてもよい。広帯域のバックライトとして、青色LEDダイおよび黄色蛍光体(例えば、YAG蛍光体)で構成された白色LEDを使用することができる。しかし、広い動作範囲を有する白色LEDのビニングの変動は、表示精度および均一性を低下させ得る。特に、各青色LEDダイ上の黄色蛍光体材料が変化して、異なる白色点が生じ得る。各青色LEDダイ上の黄色蛍光体はまた、スペクトル発光が変化し得る。同様に、バックライティングのためにUVおよび/または青色スペクトル成分のみを使用する実施形態において、これらのUVまたは青色LEDは、一定の電力について異なる強度を有し得るし、発光スペクトルも変化し得る。
【0035】
本発明の実施形態では、ライトフィールドシミュレーションロジック306は、追加的な畳み込みチャネルを用いて、ディスプレイ性能の温度依存性を補償するためにも用いられ得る。例えば、光源または変換層の温度依存性を個別にまたは全体的に表すために、ディレーティング関数が用いられ得る。他の例では、光学シートの反りに対処するために、温度に依存する点像分布関数が用いられ得る。ある特定の実施形態において、1つ以上の温度測定値が(光学積層体内に配置された)1つ以上のセンサから取得され得る。あるいは、表示特性(例えば、性能の時間変化)から、温度が推定され得る。
【0036】
図4は、ローカルディミングディスプレイを駆動するための例示的なフロー
図400を示す。ステップ402において、バックライト(例えば、光源104)のための駆動信号が生成され得る。ステップ404において、駆動されたバックライトは第1の光を生成する。第1の光は、広帯域光(例えば、白色光)、UVスペクトル成分、青色スペクトル成分、またはスペクトルの任意の部分であり得る。ステップ406に示すように、第1の光は第2の光に変換される。例えば、変換層が、第1の光を受光し、所望の色を有する第2の光(例えば、赤色光または緑色光)を生成する。
【0037】
次に、ステップ408において、モジュレータ(例えば、LCDパネル)のための駆動値、好ましくは各原色についてのサブピクセルモジュレータのための駆動値が、入力画像データに基づいて生成される。ステップ412に示されるように、1つ以上のライトフィールドシミュレーションの結果を用いて、モジュレータ駆動値の調節、修正、または重み付けをすることができる。ステップ410において、補償のための1つ以上のライトフィールドシミュレーションが実行される。本明細書に記載のとおり、ライトフィールドシミュレーションは、一例として、(i)バックライト点像分布関数の作用としての色ズレ、(ii)バックライトの1つ以上の光源のうちの1つの光源の性能特性とバックライトの性能特性との差、(iii)性能についての温度のばらつき、または(iv)それらの組み合わせに対処することができる。
【0038】
本明細書に記載のフロー
図400は例示のみを目的としており、これに基づいて、さまざまな改変または変更が当業者に示唆されることが理解される。他の実施形態において、フロー
図400に示されたステップは、
図4に示した順序とは異なる順序で行われてもよく、追加のステップを含んでもよく、且つ/または、いずれかのステップを省略してしまってもよい。例えば、ステップ402および408は、実際に、実質的に同時に、または、逆の順序で実行されてもよい。別の例において、ステップ410はステップ404の前に実行され得る。このような改変および変形の全てが本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0039】
実施形態には、プロセッサを備え、上述した方法のいずれか1つを実行するように構成された装置が含まれる。
【0040】
実施形態には、1つ以上のプロセッサによって実行されると上で説明した上記方法のいずれか1つを実行させるソフトウェア命令を備えた、コンピュータ読み取り可能な記録媒体が含まれる。
【0041】
実装機構-ハードウェア概要
ある実施形態によれば、本明細書に記載された技術は、1つ以上の専用の計算装置により実施される。専用の計算装置は、ハードワイヤ接続されて当該技術を実行してもよく、
当該技術を実行するように持続的にプログラムされた1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))等のデジタル電子装置を含んでもよく、ファームウェア、メモリ、他の記憶装置または組合せ内のプログラム命令に従って当該技術を実行するようにプログラムされた1つ以上の汎用のハードウェアプロセッサを含んでもよい。このような専用の計算装置はまた、カスタムハードワイヤードロジック、ASICまたはFPGAを、カスタムプログラミングと組み合わせて、当該技術を実現してもよい。専用の計算装置は、デスクトップコンピュータシステム、携帯型コンピュータシステム、手持ち型装置、ネットワーク装置、または、当該技術を実施するためのハードワイヤードロジックおよび/またはプログラムロジックを組み込んだ他の装置であり得る。
【0042】
例えば、
図5は、本発明の実施形態を実施し得るコンピュータシステム500を示すブロック図である。コンピュータシステム500は、バス502または情報通信のための他の通信機構と、バス502に接続された情報処理のためのハードウェアプロセッサ504とを含む。ハードウェアプロセッサ504は、例えば、汎用のマイクロプロセッサでもよい。
【0043】
コンピュータシステム500はまた、情報およびプロセッサ504によって実行される命令を格納するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶装置などの、バス502に接続されたメインメモリ506を含む。メインメモリ506はまた、プロセッサ504によって実行される命令の実行中に一時的な変数または他の中間情報を格納するために用いてもよい。このような命令は、プロセッサ504がアクセス可能である記録媒体に保存されている形態において、コンピュータシステム500を、命令内に指定された動作を実行するようにカスタマイズされた専用装置に変える。
【0044】
コンピュータシステム500は、静的情報およびプロセッサ504のための命令を格納するための、バス502に接続された読出し専用メモリ(ROM)508または他の静的記憶装置を更に含む。情報および命令を格納するために、磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶装置510が設けられ、バス502に接続されている。
【0045】
コンピュータシステム500は、情報をコンピュータのユーザに対して表示するために、バス502を介して液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ512に接続されてもよい。情報およびコマンド選択をプロセッサ504に伝達するために、英数字およびその他のキーを含む入力装置514がバス502に接続される。他の種類のユーザ入力装置は、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ504に伝達するため、ならびに、ディスプレイ512上のカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボールまたはカーソル方向キー等のカーソルコントロール516である。この入力装置は、典型的には、2本の軸、すなわち第1の軸(例えば、x)および第2の軸(例えば、y)において2つの自由度を有し、これにより、装置は面内における位置を指定できる。
【0046】
コンピュータシステム500は、カスタマイズされたハードワイヤードロジック、1つ以上のASICまたはFPGA、コンピュータシステムと協働してコンピュータシステム500を専用装置にするまたは専用装置になるようにプログラムするファームウェアおよび/またはプログラムロジックを用いて、本明細書に記載の技術を実施してもよい。ある実施形態によれば、本明細書の技術は、メインメモリ506に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行しているプロセッサ504に応答して、コンピュータシステム500により実行される。このような命令は、記憶装置510等の他の記録媒体からメインメモリ506に読み出されてもよい。メインメモリ506に含まれる命令のシーケンスを実行することにより、プロセッサ504に、本明細書に記載のプロセスステップを実行させる。別の実施形態において、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤ接続された回路を用いてもよい。
【0047】
本明細書で使用する「記録媒体」という用語は、データおよび/または装置を特定の様態で動作させる命令を格納する任意の媒体を指す。このような記録媒体は、不揮発性の媒体および/または揮発性の媒体を含んでもよい。不揮発性の媒体は、例えば、記憶装置510等の光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性の媒体は、メインメモリ506等のダイナミックメモリを含む。記録媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープまたはその他の磁気データ記録媒体、CD―ROM、その他の光学データ記録媒体、穴のパターンを有する物理的媒体、RAM、PROMおよびEPROM、フラッシュEPROM、NVRAM、その他のメモリチップまたはカートリッジを含む。
【0048】
記録媒体は、伝送媒体と別個のものであるが、伝送媒体と関連付けて用いられてもよい。伝送媒体は、記録媒体間における情報の移動に関与する。例えば、伝送媒体は、バス502を備えたワイヤを含む、同軸ケーブル、銅ワイヤおよび光ファイバを含む。伝送媒体はまた、ラジオ波データ通信および赤外線データ通信において生成されるような、音波または光波の形態をとり得る。
【0049】
1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のためにプロセッサ504へ搬送するにあたり、さまざまな形態の媒体を用いてよい。例えば、命令は、はじめに、リモートコンピュータの磁気ディスクまたはソリッドステートドライブに保持されていてもよい。リモートコンピュータは、命令を自身のダイナミックメモリにロードし、その命令を、モデムを用いて電話回線を介して送信し得る。コンピュータシステム500に対してローカルであるモデムは、電話回線上のデータを受信し、赤外線送信器を用いてそのデータを赤外線信号に変換し得る。赤外線検出器が赤外線信号で搬送されたデータを受信し得、適切な回路がそのデータをバス502上に配置し得る。バス502は、データをメインメモリ506へ搬送し、プロセッサ504がメインメモリ506から命令を取り出して実行する。メインメモリ506によって受信された命令は、随意に、プロセッサ504による実行の前後のいずれかに記憶装置510に保存されてもよい。
【0050】
コンピュータシステム500はまた、バス502に接続された通信インターフェイス518を含む。通信インターフェイス518は、ローカルネットワーク522に接続されたネットワークリンク520に、双方向データ通信接続を提供する。例えば、通信インターフェイス518は、総合サービスデジタル網(ISDN)カード、ケーブルモデム、衛星モデム、または対応する種類の電話回線にデータ通信接続を提供するモデムであってもよい。別の例において、通信インターフェイス518は、互換性のあるLANにデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。また、無線リンクを実装してもよい。そのような態様のいずれかにおいて、通信インターフェイス518は、さまざまな種類の情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号または光信号を送受信する。
【0051】
ネットワークリンク520は、典型的には、1つ以上のネットワークを介して他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク520は、ローカルネットワーク522を介したホストコンピュータ524への接続、または、インターネットサービスプロバイダ(ISP)526によって運用されるデータ装置への接続を提供してもよい。そして、ISP526は、現在一般に「インターネット」528と呼ばれている全世界的なパケットデータ通信網を介して、データ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク522およびインターネット528は、両方が、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号または光信号を用いる。デジタルデータをコンピュータシステム500へ搬送し且つコンピュータシステム500から搬送する、さまざまなネットワークを介した信号ならびにネットワークリンク520上の信号および通信インターフェイス518を介した信号は、伝送媒体の例示的形態である。
【0052】
コンピュータシステム500は、ネットワーク、ネットワークリンク520および通信インターフェイス518を介して、メッセージの送信およびプログラムコードを含むデータの受信を行い得る。インターネットの例において、サーバ530は、アプリケーションプログラムについて要求されたコードを、インターネット528、ISP526、ローカルネットワーク522および通信インターフェイス518を介して送信し得る。受信されたコードは、受信されてそのままプロセッサ504により実行されてもよく、且つ/または、後で実行するために記憶装置510または他の不揮発性記憶装置に保存されてもよい。
【0053】
図6Aは、光変換を伴うローカルディミングのための簡潔な構成を例示する。
図6Bは、空間的な色不均一性に対する補償を有する、光変換を伴うローカルディミングのための簡潔な構成を例示する。
【0054】
本発明の1つ以上の実施形態において、QDローカルディミングの技術が、画面にわたるカラー点像分布関数(PSF)のばらつきを緩和する。複数のライトフィールドシミュレーションを作成してLCD解決行列上のパラメータを変えることにより、このことを数学的に正確におこなえる。ある典型的な態様では、9つのライトフィールドシミュレーションを用い得る。しかし、消費者アプリケーションのためには、完全な数学解は一般に不要である。
【0055】
本発明のある特定の実施形態において、ロジック608が、バックライト光源を制御する1つ以上の駆動信号を決定する。これらの駆動信号に基づき、バックライト光源(例えば、LED群、LED210)が、第1の光(例えば、広いスペクトルの白色光、青色光、紫外光)を、1つ以上の光変換層(例えば、量子ドット層、QDシート212など)に照射する。
【0056】
本明細書の教示に基づき、ライトフィールドシミュレーション610のためのバックライトアルゴリズム(ここでは、PSFは均一な白色光に帰結すると仮定されている)は、中間的なLCD駆動値を得るための第1の経路612を定義する。追加的な経路が、白色、つまり均一の解からの変動を補正して、空間的な色の不均一性を低減する。
【0057】
あるさらなる例において、行列に補正を施す代わりに、補償ロジック614が、RGBシステムの場合には赤、緑、および青の原色を空間的にスケーリングできる。あるいはスケーリングではなく、例えば1次元、2次元、または3次元のLUTなどの適切なルックアップテーブル(LUT)により、補償ロジック614を達成してもよい。補償を、1つ以上の色成分について決定できる。
【0058】
均等物、拡張例、変形例、および雑記
上記詳細な説明において、態様によって変わり得る多数の具体的な詳細を参照しながら、本発明の可能な実施形態を説明した。したがって、本発明が如何なるものかおよび出願人は本発明が如何なるものであると意図しているかについての唯一且つ排他的な指標は、後の修正を含む、これら請求項が生じる具体的な形態の、本願から生じる1組の請求項である。よって、請求項に明示的に記載されていない限定事項、構成要素、特性、特徴、利点または属性は、いかなる形であれ請求の範囲を限定するものではない。したがって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものであると認識されるべきものである。上記教示に基づき、本発明の多くの改変および変形が可能である。
請求項に含まれる用語について本明細書に明示的に記載された定義はいずれも、請求項で使用された用語の意味を決定するものである。明快さのため、「例えば(e.g.)」は、「例示のために」(網羅的でない)という意味であり、「つまり(i.e.)」や「すなわち(that is)」とは異なることをさらに理解されたい。