(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2020113712
(22)【出願日】2020-07-01
(62)【分割の表示】P 2017176518の分割
【原出願日】2017-09-14
【審査請求日】2020-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】手塚 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-131293(JP,A)
【文献】特開2017-131571(JP,A)
【文献】特開2017-121329(JP,A)
【文献】特許第6633557(JP,B2)
【文献】特開2017-086764(JP,A)
【文献】特開2013-240378(JP,A)
【文献】特開2014-183860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飾り図柄の変動表示を行い、飾り図柄が所定表示結果となると遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
前記飾り図柄の変動表示を行っているときに、前記飾り図柄とは異なる所定表示が更新動作を行ない特定態様となる表示をする所定表示手段と、
前記所定表示手段により前記所定表示が前記特定態様となったときに複数種類の特定演出のうちのいずれかの前記特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種類を示唆する示唆画像を表示する示唆画像表示手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、
遊技者に対して前記操作手段の操作促進を行う操作促進画像を表示可能であり、
前記所定表示が前記特定態様となったときに、前記操作促進画像を表示可能であり、
前記示唆画像表示手段は、前記所定表示が前記特定態様となる前に、前記示唆画像を変化させて表示可能であり、
前記
更新動作の実行期間が長いときの方が、前記
更新動作の実行期間が短いときに比べて多くの前記示唆画像を表示する割合が高
く、
前記更新動作の実行期間が長いときの方が、前記更新動作の実行期間が短いときに比べて有利状態に制御される割合が高い、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に、有利状態に制御可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような遊技機としては、所定表示としてのタイマ表示が特定態様(たとえば、0秒)となったときに特定演出を実行するものがあった。また、このような遊技機では、所定表示を表示する前に所定表示が実行されることを示唆演出をするものがあった(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述した特許文献1の遊技機では、所定表示を表示する前の示唆演出について改善の余地があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、所定表示が表示される前の示唆演出の興趣を向上することで遊技の興趣を向上することのできる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A) 上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
飾り図柄の変動表示を行い、飾り図柄が所定表示結果となると遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
前記飾り図柄の変動表示を行っているときに、前記飾り図柄とは異なる所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示をする所定表示手段と、
前記所定表示手段により前記所定表示が前記特定態様となったときに複数種類の特定演出のうちのいずれかの前記特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種類を示唆する示唆画像を表示する示唆画像表示手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、
遊技者に対して前記操作手段の操作促進を行う操作促進画像を表示可能であり、
前記所定表示が前記特定態様となったときに、前記操作促進画像を表示可能であり、
前記示唆画像表示手段は、前記所定表示が前記特定態様となる前に、前記示唆画像を変化させて表示可能であり、
前記
更新動作の実行期間が長いときの方が、前記
更新動作の実行期間が短いときに比べて多くの前記示唆画像を表示する割合が高
く、
前記更新動作の実行期間が長いときの方が、前記更新動作の実行期間が短いときに比べて有利状態に制御される割合が高い。
(1) さらに、他の態様に係る遊技機は、
有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
所定表示(タイマ表示領域154F002の表示値等)の所定動作(タイマのカウントダウン等)に伴い、当該所定表示の表示態様を特定態様(
図9(i)に示すように、タイマの初期秒数として設定された秒数がカウントダウンされ0秒になる等)とする表示が可能な表示手段(
図9の演出領域154F001、画像表示装置5等)と、
前記表示手段により前記所定表示が前記特定態様となったときに複数種類の特定演出(
図9(j)の「激熱」の他、
図14の各種の特定演出等)のうちのいずれかの特定演出を実行可能な特定演出実行手段(演出制御用CPU120等)と、
前記所定動作を開始する前に、当該所定動作を開始することを示唆する示唆演出(
図8に示すカウントアップの演出等)を実行可能な示唆演出実行手段(演出制御用CPU120等)とを備え、
前記示唆演出の実行期間に応じて、前記所定表示の表示態様が前記特定態様となったときに実行される特定演出の実行割合が異なる(
図14に示すように、カウントアップが行われる回数の違い、すなわち、タイマが最終的に0になるまでの長さに応じて、選択される特定演出の割合が異なっている等)。
【0007】
このような構成によれば、所定表示が表示される前の示唆演出の興趣を向上することで遊技の興趣を向上することができる。具体的には、示唆演出の実行期間に注目させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0008】
(2) 前記(1)の遊技機であって、
前記示唆演出の実行期間には、所定の段階数から構成される複数種類の期間があり(
図8に示すように、カウントアップが1段階のもの(
図8(b))。カウントアップが2段階のもの(
図8(c))、カウントアップが3段階もの(
図8(d))が存在する等)、
各段階で確定するか次の段階へ移行するかを煽る煽り演出を実行可能な煽り演出実行手段(
図8あるいは
図9に示す煽り演出(カウントアップが一定値まで進行した後、そこから、カウントダウンに移行するか、それとも、さらに2段階目のカウントアップに進むかを、タイマ値10:00と10:01とを交互に表示させて煽る演出)等)をさらに備える。
【0009】
このような構成によれば、示唆演出がいずれの段階まで実行されるかという点に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
【0010】
(3) 前記(1)または(2)の遊技機であって、
前記示唆演出は、前記所定動作(カウントダウンの動作等)とは異なる特定動作(カウントアップの動作等)を実行することにより、当該特定動作の結果として前記所定動作の開始時における前記所定表示の表示態様となる演出(たとえば、
図8(b)に示すように、カウントダウン動作の前に10秒のカウントアップ動作を行うことで、結果的に、その10秒を起点としてカウントダウンの開示時における、10秒の態様となる等)である。
【0011】
このような構成によれば、所定動作とは異なる特定動作の実行期間に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
【0012】
(4) 前記(1)~(3)のいずれかの遊技機であって、
前記示唆演出の実行前に当該示唆演出が実行されることを示唆する事前示唆演出を実行可能な事前示唆演出実行手段(
図9(b)に示すように、カウントアップの前にカウントアップが実行されることを示唆する演出として、タイマ表示領域154F002が演出領域154F001内で左右に動く演出を行う等)をさらに備える。
【0013】
このような構成によれば、事前示唆演出により示唆演出が実行されるか否かという点に遊技者を注目させることができる。
【0014】
(5) 前記(1)~(4)のいずれかの遊技機であって、
前記示唆演出の実行開始タイミングは複数ある(たとえば、カウントアップの開始タイミングが複数種類の中から選択されるものとしてもよい等)。
【0015】
このような構成によれば、いずれのタイミングで示唆演出が実行されるかという点に遊技者の注目を集めることができる。
【0016】
(6) 前記(1)~(5)のいずれかの遊技機であって、
前記示唆演出を実行した後に実際に前記所定動作を開始するタイミングは複数ある(たとえば、カウントアップを開始した後に実際にカウントダウンを開始するタイミングを遅らせるパターンがある等)。
【0017】
このような構成によれば、いずれのタイミングで所定動作が開始されるかという点に遊技者の注目を集めることができる。
【0018】
(7) 前記(1)~(6)のいずれかの遊技機であって、
前記示唆演出が実行された後に前記所定表示が表示されるパターン(
図8(b)~(d)等)と、前記示唆演出が実行されずに前記所定表示が表示されるパターン(
図8(a)等)とが設けられている。
【0019】
このような構成によれば、所定表示の開始パターンのバリエーションによって、遊技の興趣を向上できる。
【0020】
(8) 前記(1)~(7)のいずれかの遊技機であって、
前記示唆演出における前記特定動作を実行した期間と同じ期間、前記所定動作を実行可能である(
図8(b)ではカウントアップとカウントダウンとが共に10秒、
図8(c)ではカウントアップとカウントダウンとが共に30秒、
図8(d)ではカウントアップとカウントダウンとが共に60秒等)。
【0021】
このような構成によれば、特定動作から所定動作を予測できるので、所定動作より前の特定動作に注目させることができる。なお、同じ期間とは、体感時間は違っていても、表示されている数値として同じ期間であるものも含んでいる。具体的には、特定動作としてのカウントアップを実行したときの体感時間は8秒間、表示時間は10秒間と、所定動作としてのカウントダウンを実行したときの体感時間は6秒間、表示時間は10秒間の様な期間を含む。つまり、カウントの更新速度は異なるが表示時間が同じ期間を含む。
【0022】
また、以下のような構成を備えるようにしてもよい。
(1) 有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
所定表示(タイマ表示領域94の表示値等)が所定動作(タイマ減算動作等)を行い特定態様(
図19(A)に示すように、タイマの初期秒数として設定された20秒、18秒、15秒がカウントダウンされ0秒になる等)となる表示をする所定表示手段(
図16のタイマ表示領域94に示されたタイマ画像等)と、
前記所定表示手段により前記所定表示が前記特定態様となったときに複数種類の特定演出(
図18(A)に示すように、「チャンス」を表示する演出、SPリーチ確定演出、擬似連演出、役物演出、「熱い」を表示する演出等)のうちのいずれかの特定演出を実行可能な特定演出実行手段(演出制御用CPU120等)と、
前記特定演出実行手段により実行される特定演出の種類を示唆する示唆画像(
図16に示す「SP」画像、「連」画像、「役物」画像等)を表示する示唆画像表示手段(演出制御用CPU120,
図16に示す「SP」画像、「連」画像、「役物」画像を表示する処理等)とを備え、
前記示唆画像表示手段は、前記所定表示が前記特定態様となる前に、前記所定表示による前記所定動作に応じて前記示唆画像を変化させて表示可能である(
図16(A)~(D)に示すように、表示していた「SP」画像、「連」画像、「役物」画像を最終的に「役物」画像の表示のみに変化させて表示する等)。
【0023】
このような構成によれば、所定表示が特定態様となるまでにおいて興趣を向上することのできる遊技機を提供することができる。また、所定表示が特定態様となったときに実行される特定演出が事前に示唆されるので、遊技の興趣が向上する。
【0024】
(2) 前記(1)の遊技機であって、
前記示唆画像表示手段は、前記示唆画像として複数の候補画像(
図16(A)に示す「SP」画像、「連」画像、「役物」画像等)を表示し、所定の契機に(5秒経過するごとに等)当該候補画像の数を減少させ(
図16(A)~(C)に示すように、3つの画像を1つに減少させる等)、前記所定表示が前記所定動作を行い前記特定態様となる所定期間(
図16(A)に示すように、タイマの初期秒数として設定された15秒等)が経過したときには、当該候補画像を1つ表示し(
図16(D)に示すように、「役物」画像を1つ表示する等)、
前記特定演出実行手段は、前記所定表示手段により前記所定表示が前記特定態様となったときに、表示されている前記候補画像に対応する特定演出を実行する(
図16(D),(E)に示すように、表示されている「役物」画像に対応する役物演出が実行される等)。
【0025】
このような構成によれば、遊技者をいずれの候補画像が残存するかに注目させることができる。
【0026】
(3) 前記(1)の遊技機であって、
前記示唆画像表示手段は、前記所定表示が前記所定動作を行い前記特定態様となる所定期間が経過したときに、前記示唆画像として複数の候補画像を表示した状態とし(「連」画像、「役物」画像を表示した状態とする等)、
前記特定演出実行手段は、前記所定表示手段により前記所定表示が前記特定態様となったときに、表示されている前記候補画像のうちいずれかの候補画像に対応する特定演出を実行する(「連」画像、「役物」画像が表示されている状態において役物演出を実行する等)。
【0027】
このような構成によれば、遊技者をいずれの候補画像に対応する特定演出が実行されるかに注目させることができる。
【0028】
(4) 前記(1)から(3)のいずれかの遊技機であって、
前記示唆画像表示手段は、前記示唆画像を変化させる前に、当該示唆画像に作用する作用演出を実行可能である(
図19(B),(C)に示す作用演出が実行されることで、青色の「?」と表示されている示唆画像に矢が飛んできて刺さり赤色の「?」の表示に変化する等)。
【0029】
このような構成によれば、遊技者を示唆画像の態様に注目させることができる。
(5) 前記(1)から(4)のいずれかの遊技機であって、
前記所定動作の実行期間は複数種類あり(
図19(A)に示すタイマの初期秒数として設定された20秒、18秒、15秒等)、
前記示唆画像表示手段は、前記所定動作の実行期間が長いときの方が、前記所定動作の実行期間が短いときと比べて前記示唆画像としての複数の候補画像の表示を開始するときの当該候補画像の表示数を多く表示することが可能である(
図19(A)に示すように、タイマの初期秒数が長い場合程、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が多い等)。
【0030】
このような構成によれば、所定動作の実行期間の長さに応じた示唆画像を表示することができ、遊技の興趣が向上する。
【0031】
(6) 前記(1)から(5)のいずれかの遊技機であって、
遊技者による動作を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ35B、コントローラセンサユニット35A等)と、
前記動作検出手段の検出結果に基づいて、遊技者の動作に対応する動作対応演出(
図20および
図21の操作対応演出等)を実行可能な動作対応演出手段(演出制御用CPU120、
図14の演出図柄変動中処理、
図26のS927,S929等)とをさらに備え、
前記所定表示手段は、前記所定動作の実行期間として、第1期間(
図20(B)の25秒間等)および当該第1期間よりも長い第2期間(
図20(C)の60秒間等)のいずれかの経過を表示可能であり、
前記第1期間中よりも前記第2期間中の方が、前記動作対応演出が実行される割合が高くなるように演出を制御する演出制御手段(演出制御用CPU120,
図22(C)~(E)のように、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合が高く設定され、操作回数の合計が多く設定され、単位時間当りの操作回数が多く設定される処理等)をさらに備える。
【0032】
このような構成によれば、遊技者が演出に退屈することを低減可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【
図3】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】カウントアップ回数が異なるタイマ演出の様々な例を示すタイミングチャートである。
【
図9】タイマ演出が実行されるときの演出画像を示す表示画面図である。
【
図10】タイマ演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】大当り時およびはずれ時事前示唆演出決定テーブルを示す図である。
【
図12】大当り時およびはずれ時タイマ演出決定テーブルを示す図である。
【
図13】大当り時およびはずれ時示唆演出決定テーブルを示す図である。
【
図14】大当り時およびはずれ時特定演出決定テーブルを示す図である。
【
図15】タイマ演出の演出実行タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図16】タイマ演出が実行されるときの演出画像を示す表示画面図である。
【
図17】第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを示す図である。
【
図18】スーパーリーチ演出選択テーブルを示す図である。
【
図19】示唆画像表示パターン選択テーブルおよび作用演出選択テーブルを示す図である。
【
図20】タイマ演出の第1例の演出実行タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図21】タイマ演出が実行されるときの第3演出の演出画像を示す表示画面図である。
【
図22】第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブル、第1演出の操作演出選択テーブル、第2演出の操作演出選択テーブル、および、第3演出の操作演出選択テーブルを示す説明図である。
【
図23】第3演出の演出パターンを選択する演出パターン選択テーブルを表形式で示す図である。
【
図24】演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図25】演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図26】演出図柄変動中処理(S802)内でタイマ演出をするときに実行されるタイマ演出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0035】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0036】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0037】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0038】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0039】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
【0040】
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
【0041】
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
【0042】
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
【0043】
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
【0044】
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
【0045】
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(
図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
【0046】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0047】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(
図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0048】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0049】
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0050】
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0051】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
【0052】
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
【0053】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0054】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0055】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
【0056】
遊技盤2の所定位置(
図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
【0057】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
【0058】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
【0059】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(
図2参照)により検出される。
【0060】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(
図2参照)により検出される。
【0061】
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0062】
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
【0063】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
【0064】
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
【0065】
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0066】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0067】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
【0068】
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0069】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0070】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0071】
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0072】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
【0073】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0074】
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
【0075】
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
【0076】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0077】
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
【0078】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
【0079】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
【0080】
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0081】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
【0082】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0083】
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0084】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0085】
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
【0086】
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
【0087】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0088】
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0089】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0090】
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0091】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
【0092】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0093】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
【0094】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0095】
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0096】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
【0097】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
【0098】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
【0099】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
【0100】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0101】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0102】
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
【0103】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
【0104】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
【0105】
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0106】
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
【0107】
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
【0108】
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0109】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0110】
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。
図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0111】
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0112】
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
【0113】
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
【0114】
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0115】
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
【0116】
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0117】
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
【0118】
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
【0119】
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0120】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、
図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
【0121】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
【0122】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
【0123】
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0124】
図5は、特別図柄プロセス処理として、
図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
【0125】
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0126】
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
【0127】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特
図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
【0128】
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
【0129】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
【0130】
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
【0131】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
【0132】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
【0133】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
【0134】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
【0135】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
【0136】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
【0137】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
【0138】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
【0139】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、
図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。
図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
【0140】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
【0141】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0142】
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
【0143】
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0144】
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
【0145】
図7は、演出制御プロセス処理として、
図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
【0146】
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0147】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0148】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
【0149】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
【0150】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
【0151】
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
【0152】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
【0153】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
【0154】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
【0155】
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
【0156】
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
【0157】
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
【0158】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0159】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0160】
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
【0161】
[タイマ演出]
次に、タイマ演出を説明する。タイマ演出は、時間の経過を遊技者に体感させた後に、その時間の経過後に何等かの結果が出す演出である。たとえば、所定時間を計時する様子を表示させ、その計時値が特定の値に達したときに、対応する結果として特定の演出(以下、単に特定演出と称する。)を実行する。もちろん、計時値が特定の値に達した時に、常に同じ内容の特定演出が実行される訳ではなく、特定の値に達したタイミングに応じて特定演出が実行されるため、遊技者に対してタイマ演出に対する期待感を与えることができる。
【0162】
本実施の形態では、たとえば、飾り図柄(演出図柄とも称する)の可変表示(変動表示とも称する)が実行されている間に、大当りの期待度に関する特定演出を実行するものであり、その特定演出が実行されることに対する遊技者の期待を煽る趣旨でタイマ演出が実行される。たとえば、タイマ演出では、タイマの演出期間(設定されたタイマの初期秒数)が特定態様である0秒の表示となるまでタイマ値が更新され、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、画像表示装置5の所定領域であるタイマ表示領域に表示される。なお、
図9では、タイマ表示領域を符号154F002で図示し、
図17では、それを符号94で図示している。
【0163】
[特定演出の種類]
特定演出は、タイマ演出中でのタイマ表示が特定態様(0秒の表示)となったときに実行され得る演出である。本実施の形態では、特定演出を含めて、広い意味でタイマ演出と称する。本実施の形態では、特定演出は、たとえば、実行中の可変表示の結果が大当りとなる期待度を示唆する。特定演出には、様々な態様がある(詳細は
図14を用いて後述する)。
【0164】
[タイマ演出の種類]
図8は、カウントアップ回数が異なるタイマ演出の様々な例を示すタイミングチャートである。本実施の形態では、飾り図柄の可変表示中に、タイマ演出として、所定のタイマ値をカウントダウンしていき、その値が0に至るまでの様子を画面に表示することによって、特定演出が実行されることに対する遊技者の期待感を高めていく。特に、本実施の形態では、カウントダウンするタイマ値の初期値をいきなり表示してカウントダウンしていくパターンのみならず、その初期値をカウントアップによって設定する動作が演出に含まれているパターンも設けている点に特徴がある。
【0165】
図8(a)は、カウントダウンするタイマ値の初期値をいきなり表示してカウントダウンしていくパターンを示している。つまり、カウントアップが実行される回数は0回である。このパターンでは、たとえば、タイマ値として10秒を表示した後、その値をカウントダウンする様子が表示され、タイマ値が0になると、特定演出が実行され得る。
【0166】
図8(b)~(d)は、カウントダウン前にタイマ値をカウントアップするパターンである。特に、
図8(b)は、カウントアップが実行される回数が1回の場合を示し、
図8(c)は、カウントアップが実行される回数が2回の場合を示し、
図8(d)は、カウントアップが実行される回数が3回の場合を示す。いずれの場合も、最初に0秒のタイマ値が表示され、それが10秒間のカウントアップ動作で10秒に変化する。その後、いずれの場合も煽り演出が行われる。この煽り演出は、さらに、次の2段階目のカウントアップ動作に移行するのか、あるいは、カウントアップ動作を終えて、カウントダウン動作が開始するのかを煽るための演出であり、たとえば、タイマ値の下一桁を1つアップした後に、それを元に戻し、再び、その桁を1つアップすることを短時間で繰り返す演出である。
【0167】
カウントアップの実行回数が1回である
図8(b)のパターンの場合には、このような煽り演出の後に、確定演出が行われる。煽り演出の時間と確定演出の時間とを足し合わせた時間は、たとえば、3秒である。確定演出は、カウントダウンの初期値となるタイマの値が確定したこと、換言すると、その後にカウントアップが行われず、カウントダウンに移行することが確定したことを告知する演出である。確定演出の後、
図8(b)のとおり、カウントダウンが開始され、10秒が経過してタイマ値が0秒になったことを条件に、特定演出が実行される。
【0168】
なお、確定演出は、たとえば、タイマ値を一定時間固定的に表示することによって行われる。あるいは、このような表示に加えて、タイマ値を表示する部分を強調表示する(枠や背景の色を変える、枠を太くする、点滅させるなど)ことによって確定演出をしてもよい。
【0169】
カウントアップの実行回数が2回である
図8(c)のパターンの場合には、1段階目のカウントアップを終えた後に煽り演出が3秒間、行われる。その後、2段階目のカウントアップが行われる。2段階目のカウントアップの期間は20秒であるため、そのカウントアップを終えた段階のタイマ値は30秒となる。その後、1段階目のカウントアップが終わったときと同様に、煽り演出が開始され、その後、確定演出が実行される。煽り演出と確定演出とを合わせた時間長さは、
図8(b)の場合と同じく、3秒である。
【0170】
このように、
図8(c)のパターンにおいて、2段階目の20秒のカウントアップが行われると、タイマ値は30秒となる。すると、図示するように、再び、煽り演出が開始し、やがて確定演出が実行される。確定演出の後、
図8(c)のとおり、カウントダウンが開始され、30秒が経過してタイマ値が0秒になったことを条件に、特定演出が実行される。
【0171】
カウントアップの実行回数が3回である
図8(d)のパターンの場合には、先に説明した
図8(c)のパターンと比較すると、2段階目のカウントアップを経て煽り演出に至るまでが共通している。ただし、
図8(d)のパターンの場合には、2段階目のカウントアップを経て実行される3秒間の煽り演出の後、3段階目のカウントアップに移行する。3段階目のカウントアップの時間長さは30秒であるため、そのカウントアップを終えたときのタイマ値は60秒になる。その後、煽り演出を経て、確定演出が実行される。煽り演出と確定演出とを合わせた時間長さは、
図8(b)、
図8(c)の場合と同じく、3秒である。
【0172】
このように、
図8(d)のパターンにおいて、3段階目の30秒のカウントアップが行われると、タイマ値は60秒となる。すると、
図8(d)のとおり、カウントダウンが開始され、60秒が経過してタイマ値が0秒になったことを条件に、特定演出が実行される。なお、カウントの段階が上がるに連れて、タイマ値の色を変化させるようにしてもよい。たとえば、1段階目のカウントアップのときのタイマ値を青色で表示し、2段階目のカウントアップのときのタイマ値を赤色で表示し、3段階目のカウントアップのときのタイマ値を金色で表示してもよい。そして、カウントアップの段階に応じた色によりカウントダウンが実行されるようにしてもよい。
【0173】
また、
図8に説明されているとおり、本実施の形態では、タイマ演出の開始時に事前示唆演出が実行される場合がある。事前示唆演出は、タイマ演出が開始されることを事前に示唆する演出である。事前示唆演出は、たとえば、タイマ値が表示されていないタイマ表示領域を左右に動かすような演出である(
図9(b)参照。)。特に、タイマ演出が大当り期待度を把握できる特定演出に関わるため、そのタイマ演出のきっかけとなり得る事前示唆演出が実行されることで、遊技者の注目を集めることができる。なお、可動体32で構成される役物を画面上に移動させることによって事前示唆演出を行ってもよい。
【0174】
以上、
図8(a)~(d)を用いて説明したとおり、本実施の形態では、タイマ演出のパターンとして、カウントダウンからなるパターンの他、カウントアップを組合せたパターンが設けられており、特に、後者にはカウントアップの段階が1段階から3段階までの複数種類のパターンが存在する。このため、バリエーションの多いパターンでタイマ演出を実行できる。
【0175】
なお、
図8の各パターンでは、煽り演出の時間あるいは煽り演出+確定演出の時間に違いを設けていないが、これに代えて、移行するカウントアップの段階数の多いパターン程、煽り演出の時間を長くして、さらなるカウントアップへの遊技者の期待感を持続させるようにしてもよい。特に、カウントアップの回数が多いパターン程、特定演出の実行確率を高いものとしたり、あるいは、大当り期待度の高い特定演出の実行確率を高いものとしておくような場合には、そのように遊技者の期待感を持続させることの遊技的効果が高められる。
【0176】
[タイマ演出の画面例]
図9は、タイマ演出が実行されるときの演出画像を示す表示画面図である。ここでは、カウントアップが2段階で行われるタイマ演出のパターン(
図8(c))を代表例として、タイマ演出の画面を説明する。
【0177】
図9(a)は、画像表示装置5の画面で飾り図柄の可変表示が開始した様子を示している。左,中,右の飾り図柄は、可変表示中の状態が下向き矢印で示されている。符号154F001は、タイマ演出に用いられる演出領域を示している。
【0178】
次に、
図9(b)を参照して、飾り図柄の可変表示が開始すると、タイマ演出を示唆するための事前示唆演出が実行される。すなわち、枠状のタイマ表示領域154F002が表示され、そのタイマ表示領域154F002が演出領域154F001の範囲内で左右に繰り返し動く。このような事前示唆演出は、たとえば、可変表示の開始から5秒間に亘って行われる。事前示唆演出が実行されることにより、タイマ演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。なお、事前示唆演出の開始タイミングは、可変表示の開始と同時でなくてもよい(可変表示が開始されてから5秒経過後等)。
【0179】
このような事前示唆演出は、実行される場合と実行されない場合とがある。ただし、タイマ演出の前に必ず実行されるものとしてもよい。また、タイマ演出が実行されない場合にも、ガセで事前示唆演出が実行されるようにしてもよい。その場合、事前示唆演出が実行された場合には、事前示唆演出が実行されなかった場合よりも、タイマ演出の実行割合を高くする。また、事前示唆演出が実行された場合には、事前示唆演出が実行されなかった場合よりも、タイマ演出を経た後、特定演出が実行される割合は高くなるようにしてもよい。ただし、それに代えて、あるいは、それに加えて、事前示唆演出が実行された場合には、事前示唆演出が実行されなかった場合よりも、大当り期待度のより高い特定演出が実行されるようにしてもよい。
【0180】
次に、
図9(c)を参照して、枠が演出領域154F001の左右方向いっぱいに伸びることで、タイマ表示領域154F002が本来の大きさに拡張される。また、タイマ表示領域154F002の中にタイマの表示値154F003が現れ、「00:00」を起点として、1段階目のカウントアップが始まる。その後、10秒に達するまで、すなわち、表示値154F003が「10:00」と表示されるまで、カウントアップが続く。なお、図面の「00:01」は、1ミリ秒を表しているが、値は、秒単位で表示してもよい。
【0181】
次に、
図9(d)および
図9(e)を参照して、1段階目のカウントアップが終わると、煽り演出が実行される。このとき、既に、可変表示の開始から少なくとも10秒以上が経過しており、飾り図柄では図柄の「5」でリーチが成立し、そのリーチ態様が画面の右上に縮小表示された状態となっている。煽り演出は、タイマの表示値154F003として、「10:01」と「10:00」とを交互に繰り返し表示する演出である。このような煽り演出が3秒間続く(
図8(c)参照)。これにより、2段階目のカウントアップに対する遊技者の期待感を高めることができる。その後、2段階目のカウントアップに移行する。
【0182】
次に、
図9(f)を参照して、2段階目のカウントアップによって、タイマの表示値154F003が最終の値の1秒手前の「29:00」となる。その1秒後、タイマの表示値154F003が「30:00」となる。
【0183】
すると、
図9(g)のとおり、煽り演出が実行される。ここでの煽り演出は、タイマの表示値154F003が「30:00」と「30:01」とに交互に変化することを繰り返す演出であるが、
図9(g)ではその後者を代表例として表示している。
【0184】
煽り演出の後、
図9(h)を参照して、カウントダウン演出が開始される。これにより、タイマの表示値154F003が「30:00」を初期値として、30秒の間で順次更新され、やがて、
図9(i)のとおり、その値が「00:00」に達する。すると、
図9(j)のとおり、特定演出が実行される。
図9(j)には、特定演出の一例として、画面に大きく「激熱」の文字が表示されている例を示している。この「激熱」という演出は、大当り期待度が高いことを示唆している。したがって、タイマ演出を得て表示されるこのような特定演出に対して、遊技者に大きな期待感を与えることができる。なお、特定演出としては、このような表示による演出に加えて、あるいは、これに代えて、音や光など、遊技者が体感できる何等かの演出を実行すればよい。また、カウントアップ中とカウントダウン中とでタイマ値が変化していく過程の音を異ならせたり、タイマ値が表示される枠の色を異ならせるようにしてもよい。
【0185】
[タイマ演出の内容を決定する処理の説明]
図10は、タイマ演出設定処理の一例を示すフローチャートである。また、
図11~
図14は、タイマ演出設定処理に用いられる各種のテーブルを示す図である。
【0186】
タイマ演出設定処理は、
図7に示した演出制御プロセス処理の可変表示開始設定処理(S171)で実行される。より詳しくは、可変表示開始設定処理において、可変表示の表示結果が決定された後、その決定結果を踏まえて実行される処理であり、各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する一連の処理のうちのひとつである。
【0187】
ただし、タイマ演出設定処理は、
図7の可変表示開始設定処理ではなく、先読予告設定処理(S161)において実行されるものとし、始動入賞の発生の際にタイマ演出の各種内容が決定されるものとしてもよい。
【0188】
タイマ演出設定処理においては、今回、実行しようとする可変表示のパターンが、タイマ演出が可能なスーパーリーチ(SPリーチ)であるか否かが判断される(ステップ154FS001)。タイマ演出は、
図8を用いて説明したとおり、少なくとも10秒以上に亘って行われ、3段階のカウントアップが行われるパターンでは、その長さが129秒を超える。本実施の形態では、タイマ演出は飾り図柄の可変表示中に行われ、その結果として表示される特定演出は大当りの期待度を示唆するものとしているため、変動時間が一定時間を超える図柄の可変表示パターンのときに限って、タイマ演出を実行するものとしている。スーパーリーチは、変動時間が長く、大当り期待度も高いリーチであるが、ステップ154FS001では、特に、その変動時間が一定以上のものであるか否かが判断されている。なお、今回、実行される可変表示がスーパーリーチである場合でも、その変動時間の長さに応じて、選択するタイマ演出の種類を制限するようにしてもよい。
【0189】
タイマ演出が可能なスーパーリーチ(SPリーチ)でない場合には処理を終了し、そのようなスーパーリーチである場合には、事前示唆演出決定テーブル(
図11参照)により事前示唆演出の有無が決定される(ステップ154FS002)。次に、タイマ演出決定テーブル(
図12参照)により、タイマ演出の有無が決定される(ステップ154FS003)。
【0190】
次に、タイマ演出ありに決定されているか否かが判断される(ステップ154FS004)。タイマ演出なしに決定されている場合には処理が終了されるが、タイマ演出ありに決定されている場合には、示唆演出決定テーブル(
図13参照)により示唆演出(カウントアップ演出)の内容が決定される(ステップ154FS005)。次に、特定演出決定テーブル(
図14参照)により特定演出の内容が決定され(ステップ154FS006)、処理が終了する。
【0191】
次に、タイマ演出設定処理に用いられる各種のテーブルを詳細に説明する。
図11は、大当り時およびはずれ時事前示唆演出決定テーブルを示す図である。このテーブルは、タイマ演出の前に事前示唆演出をするか否かを決定するために用いられるテーブルであり、
図11(A)、(B)のとおり、可変表示の結果が大当りの場合とはずれの場合とでテーブルの内容が異なっている。大当り時事前示唆演出決定テーブルを用いると、事前示唆演出有り>事前示唆演出無しの関係となる一方、はずれ時事前示唆演出決定テーブルを用いると、事前示唆演出有り<事前示唆演出無しの関係となる。結果として、事前示唆演出が実行された場合には、事前示唆演出が実行されなかった場合よりも大当りの期待度が高くなる。
【0192】
図12は、大当り時およびはずれ時タイマ演出決定テーブルを示す図である。このテーブルは、タイマ演出をするか否かを決定するために用いられるテーブルであり、
図12(A)、(B)のとおり、可変表示の結果が大当りの場合とはずれの場合とでテーブルの内容が異なっている。大当り時タイマ演出決定テーブルを用いると、タイマ演出有り>タイマ演出無しの関係となる一方、はずれ時タイマ演出決定テーブルを用いると、タイマ演出有り<タイマ演出無しの関係となる。結果として、タイマ演出が実行された場合には、タイマ演出が実行されなかった場合よりも大当りの期待度が高くなる。
【0193】
図13は、大当り時およびはずれ時示唆演出決定テーブルを示す図である。このテーブルは、タイマ演出を実行する場合のそのパターン、すなわち、カウントアップ演出を無しとするか、カウントアップ演出を1回(1段階)するか、カウントアップ演出を2回(2段階)するか、カウントアップ演出を3回(3段階)するかを決定するために用いられるテーブルであり、
図13(A)、(B)のとおり、可変表示の結果が大当りの場合とはずれの場合とでテーブルの内容が異なっている。大当り時示唆演出決定テーブルを用いると、図示のとおり、カウントアップ演出無し、カウントアップ演出1回、2回、3回の順で決定される割合が高くなる一方、はずれ時示唆演出決定テーブルを用いると、カウントアップ演出3回、2回、1回、無しの順で決定される割合が高くなる。結果として、カウントアップ演出の回数が多いほど、大当りの期待度が高くなる。
【0194】
図14は、特定演出決定テーブルを示す図である。このテーブルは、タイマが0秒となったときに実行される特定演出の内容を決定するために用いられるテーブルであり、
図14(A)~(D)と、
図14(E)~(H)とに示すとおり、可変表示の結果が大当りの場合とはずれの場合とでテーブルの内容が異なっている。さらに、それぞれ、タイマ演出で行われるカウントアップの回数別に、テーブルが分かれている。
【0195】
特定演出のバリエーションは、カウントアップ回数=0回の場合(横並びの
図14(A)と
図14(E))には、図示のとおり、「期待度「熱」の表示」、「アクティブ保留「赤」に変更」、「期待度「激熱」の表示」、および「アクティブ保留「金」に変更」の4種類であり、これがカウントアップ回数=1回に増えると(横並びの
図14(B)と
図14(F))、さらに、「擬似連3回目の「連」の表示」と「SP発展時の役物示唆表示」が追加された6種類となる。
【0196】
また、カウントアップ回数=2回の場合(横並びの
図14(C)と
図14(G))には、カウントアップ回数=0回の場合の4種類に加えて、「弱SPから強SPへの発展表示」と「群予告」が追加された6種類となる。また、カウントアップ回数=3回の場合(横並びの
図14(D)と
図14(H))には、カウントアップ回数=0回の場合の4種類に加えて、「最終「赤」カットイン」と「最終「金」カットイン」が追加された6種類となる。
【0197】
それぞれの特定演出の概要は次のとおりである。「期待度「熱」の表示」:画面に「熱」の文字を表示。「期待度「激熱」の表示」:画面に「激熱」の文字を表示。「アクティブ保留「赤」に変更」:アクティブ表示のエリアに表示しているアクティブ保留の色を通常色(たとえば、青色)から第1の特定色である赤色に変更。「アクティブ保留「金」に変更」:アクティブ保留の色を通常色から第2の特定色である金色に変更。「擬似連3回目の「連」の表示」:仮停止した飾り図柄において、「連」が表示され、3回目の擬似連変動が実行されることを示唆。「SP発展時の役物示唆表示」:スーパーリーチに発展するタイミングで、役物としての可動体32を画像表示装置5の画面上に移動させる演出。「弱SPから強SPへの発展表示」:可変表示で表示している現状のスーパーリーチ(弱SP)が、より大当り期待度の高い強スーパーリーチ(強SP)に発展することを示唆する表示。「群予告」:数多くのキャラクタが登場して画面を一方向に通過することで、大当り期待度が高いことを示唆。「最終「赤」カットイン」:画面を赤色を基調とする背景およびキャラクタに短時間だけ差し替え。「最終「金」カットイン」:画面を金色を基調とする背景およびキャラクタに短時間だけ差し替え。
【0198】
大当り用の
図14(A)~(D)のテーブルと、はずれ用の
図14(E)~(H)のテーブルとをカウントアップの回数別に比較する。たとえば、カウントアップ0回のテーブル同士(横並びの
図14(A)と
図14(E))を比較すると、「熱」、「アクティブ保留「赤」に変更」、「激熱」、「アクティブ保留「金」に変更」のそれぞれに対する割合の配分が両者で真逆であり、その結果、大当りの期待度の大きさは、「熱」<「アクティブ保留「赤」に変更」<「激熱」<「アクティブ保留「金」に変更」となる。カウントアップ1回のテーブル同士(横並びの
図14(B)と
図14(F))カウントアップ2回のテーブル同士(横並びの
図14(C)と
図14(G))カウントアップ3回のテーブル同士(横並びの
図14(D)と
図14(H))を比較しても、同様に、それぞれのテーブル同士(大当り用と外れ用)では、各特定演出に充てられた割合の配分が真逆となっている。その結果、各テーブルに示す特定演出のうち、下段に位置する特定演出であるほど、大当り期待度が高くなる。
【0199】
ここでたとえば、「アクティブ保留「金」に変更」は、
図14に示すいずれのテーブルにも含まれているため、タイマ演出の時間の長さに関わらず、また、表示結果が大当りかはずれかにかかわらず、特定演出として実行され得る。このように、同じ内容の特定演出が実行された場合であっても、その特定演出がどのようなタイマ演出を得て実行されたかによって、その特定演出に対応する大当りの期待度が異なってくる。
【0200】
[第2実施形態について]
次に、第2実施形態におけるタイマ演出について説明する。ここでは、上述したタイマ演出とは別のタイマ演出について説明する。なお、各実施形態のタイマ演出を組合せて用いた演出を実行してもよい。第2実施形態のタイマ演出について以下に説明する。
【0201】
図15は、タイマ演出の演出実行タイミングを示すタイミングチャートである。ここでは、第1スーパーリーチ(役物演出決定時の第1SPリーチ)の実行時に、タイマ演出および役物演出を行う例について、以下説明する。
【0202】
横軸は、時刻tを示す。時刻t1において、タイマ演出が開始される。タイマの初期秒数としては15秒が設定されている。このとき、示唆画像として3つの候補画像が選択され表示されているとする。
【0203】
5秒経過後の時刻t2(タイマの残り秒数は10秒)において、表示されている候補画像のうち、1つの候補画像が消去される。これにより、候補画像が2つになり、遊技者は、実行される演出が2つに絞られたことを知ることができる。
【0204】
さらに、5秒経過後の時刻t3(タイマの残り秒数は5秒)において、表示されている候補画像のうち、1つの候補画像が消去され、候補画像が1つになる。ここでは、最終的に役物演出の実行を示唆する候補画像が残る。これにより、遊技者は、実行される特定演出が役物演出であることを知ることができる。
【0205】
さらに、5秒経過後の時刻t4には、タイマの残り秒数が0秒となる。これにより、実行が確定している役物演出が実行される。役物演出の実行が完了した時刻t5には、第1スーパーリーチの演出が実行される。第1スーパーリーチの演出は、時刻t6に終了する。
【0206】
図16は、タイマ演出が実行されるときの演出画像を示す表示画面図である。
図16(A)~(E)では、時間の経過とともに候補画像の数が減少し、最後に役物演出が実行される様子を示している。
図16(A),(F)~(I)では、時間の経過とともに候補画像の数が減少し、最後に擬似連演出が実行される様子を示している。
【0207】
図16において、左,中,右の飾り図柄は、可変表示(変動表示)中の状態が下向き矢印で示されている。タイマ演出が実行されるときには、画像表示装置5の表示領域内において、左下部にタイマ表示をするタイマ表示領域94と、タイマ表示領域94の上部に特定演出の実行を示唆する示唆画像が表示される。
【0208】
図16(A)に示すように、変動中にタイマ演出が開始される。タイマ秒数として15秒が決定されている場合には、タイマ表示領域94の表示値が残り15秒として表示されている。また、特定演出の実行を示唆する示唆画像として、SPリーチ(スーパーリーチ)の確定を示唆する「SP」の画像、擬似連演出の実行を示唆する「連」の画像、および、役物演出の実行を示唆する「役物」の画像が表示されている。これにより、実行可能性のある特定演出が、SPリーチ確定演出、擬似連演出、または役物演出であることが示される。なお、タイマ表示と示唆画像とは、
図16(A)に示すように別体で表示するものではなく、一体で表示するものであってもよい。また、タイマ表示と示唆画像とは、表示位置の関係としてタイマ表示の近傍に示唆画像を表示する方がタイマ表示との関連性を遊技者に分かり易くすることができる。しかしながら、タイマ表示と示唆画像とを離れた位置に表示するようにしてもよい。たとえば、タイマ表示を画像表示装置5の表示領域内の左端に表示し、示唆画像を画像表示装置5の表示領域内の右端に表示するようにしてもよい。
【0209】
以下、役物演出が実行される例について
図16(B)~(E)により説明する。タイマ表示の計時開始時から5秒が経過したときには、
図16(B)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り10秒となる。5秒の経過とともに、「SP」の候補画像は消去され、擬似連演出の実行を示唆する「連」の画像、および、役物演出の実行を示唆する「役物」の画像が表示される。これにより、実行可能性のある特定演出が、擬似連演出または役物演出であることが示される。
【0210】
さらに、5秒が経過したときには、
図16(C)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り5秒となる。5秒の経過とともに、「連」の候補画像は消去され、役物演出の実行を示唆する「役物」の画像のみが表示される。これにより、役物演出の実行が確定したことが示される。このように、タイマ表示が0秒となる前に候補画像が一つに絞られる。
【0211】
さらに、5秒が経過したときには、
図16(D)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り0秒となる。これにより、役物演出が開始される。また、このとき、左の飾り図柄および右の飾り図柄は、ともに「3」の図柄を表示して仮停止している(すなわち、リーチ状態になっている)。
【0212】
図16(E)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り0秒となったことにともない、役物演出が実行される。役物演出では、画像表示装置5の上方から役物としての可動体32が移動し、
図16(E)のように画像表示装置5の前方の位置に移動する。なお、可動体32には、表示領域を設けるものとし、その表示領域に大当りの期待度を示す「チャンス!」の文字を表示する。
【0213】
次に、擬似連演出が実行される例について
図16(F)~(I)により説明する。
図16(B)での説明と同様に、タイマ表示の計時開始時から5秒が経過したときには、
図16(F)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り10秒となる。5秒の経過とともに、「SP」の候補画像は消去され、擬似連演出の実行を示唆する「連」の画像、および、役物演出の実行を示唆する「役物」の画像が表示される。これにより、実行可能性のある特定演出が、擬似連演出または役物演出であることが示される。
【0214】
さらに、5秒が経過したときには、
図16(G)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り5秒となる。5秒の経過とともに、「役物」の候補画像は消去され、擬似連演出の実行を示唆する「連」の画像のみが表示される。これにより、擬似連演出の実行が確定したことが示される。
【0215】
さらに、5秒が経過したときには、
図16(H)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り0秒となる。これにより、擬似連演出が開始される。また、このとき、左の飾り図柄および右の飾り図柄は、ともに「3」の図柄を表示して変動を仮停止している(すなわち、リーチ状態になっている)。
【0216】
図16(I)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り0秒となったことにともない、擬似連演出が実行される。飾り図柄のうち、中の飾り図柄92には「連」の表示で示す擬似連図柄が仮停止する。「連」の図柄が仮停止した後に、3つの飾り図柄の再変動が実行される。
【0217】
このようにすれば、
図16(A)~(D)に示すように、タイマの初期秒数として設定された15秒が0秒となるまでにおいて興趣を向上することのできる遊技機を提供することができる。また、タイマ表示領域94の表示値が残り0秒になったときに実行される特定演出が事前に示唆されるので、遊技の興趣が向上する。
【0218】
また、タイマ表示を開始するときに、候補画像として「SP」画像、「連」画像、「役物」画像を表示し、5秒経過するごとに、当該候補画像の数を減少させ、タイマ表示領域94の表示値が残り0秒になったときに、役物画像のみを表示させ、残存している役物画像に対応する役物演出を実行するため、遊技者をいずれの候補画像が残存するかに注目させることができる。
【0219】
なお、候補画像が1つになるタイミングは、タイマ表示が0秒となる前のタイミングで説明したが、タイマ表示が0秒となるタイミングで候補画像が1つになるようにしてもよい。
【0220】
図17は、第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを示す図である。第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、第1~第3スーパーリーチの実行時にタイマ表示を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルには、
図17(A)の大当り時第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルと、
図17(B)のはずれ時第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルとが含まれている。これらの第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、演出制御基板12に設けられたROM121に記憶されている。
【0221】
図17(A)の大当り時第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「タイマ表示を実行する>タイマ表示を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図17(B)のはずれ時第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「タイマ表示を実行する<タイマ表示を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。
【0222】
図18は、スーパーリーチ演出選択テーブルを示す図である。スーパーリーチ演出選択テーブルは、スーパーリーチの実行時にいずれの示唆画像(候補画像)によって演出を実行するかを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。スーパーリーチ演出選択テーブルには、
図18(A)の大当り時スーパーリーチ演出選択テーブルと、
図18(B)のはずれ時スーパーリーチ演出選択テーブルとが含まれている。これらのスーパーリーチ演出選択テーブルは、演出制御基板12に設けられたROM121に記憶されている。
【0223】
図18(A)の大当り時スーパーリーチ演出選択テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「チャンスの表示(?)<SPリーチの確定(SP)<擬似連(連)<役物(役物)<「熱い」の表示(熱)」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図18(B)のはずれ時スーパーリーチ演出選択テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「チャンスの表示(?)>SPリーチの確定(SP)>擬似連(連)>役物(役物)>「熱い」の表示(熱)」という大小関係となるようにデータが設定されている。
【0224】
図19は、示唆画像表示パターン選択テーブルおよび作用演出選択テーブルを示す図である。
図19(A)の示唆画像表示パターン選択テーブルは、タイマ演出の実行時に、タイマの初期秒数、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数、およびタイマ演出終了時の示唆画像としての候補画像の表示数を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。
【0225】
図19(B),(C)の作用演出選択テーブルは、タイマ演出の実行時に作用演出を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。作用演出選択テーブルには、
図19(B)の大当り時作用演出選択テーブルと、
図19(C)のはずれ時作用演出選択テーブルとが含まれている。これらの作用演出選択テーブルは、演出制御基板12に設けられたROM121に記憶されている。
【0226】
図19(A)の示唆画像表示パターン選択テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、タイマの初期秒数、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数、およびタイマ演出終了時の示唆画像としての候補画像の表示数を同時に決定し、「タイマの初期秒数が15秒、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が3個、およびタイマ演出終了時の示唆画像としての候補画像の表示数1個」>「タイマの初期秒数が18秒、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が4個、およびタイマ演出終了時の示唆画像としての候補画像の表示数1個」>「タイマの初期秒数が20秒、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が5個、およびタイマ演出終了時の示唆画像としての候補画像の表示数1個」>「タイマの初期秒数が20秒、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が5個、およびタイマ演出終了時の示唆画像としての候補画像の表示数2個」という大小関係となるようにデータが設定されている。
【0227】
示唆画像表示パターン選択テーブルにおいては、タイマの初期秒数が長いほどタイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が多くなるよう設定されている。また、たとえば、タイマの初期秒数が20秒、タイマ演出開始時の示唆画像表示数が5個、およびタイマ演出終了時の示唆画像表示数2個のパターンが選択されたとする。このとき、最終的に候補画像である「連」画像、「役物」画像が残存する候補画像として残っていた場合は、連続演出または役物演出が実行されることになる。
【0228】
このように、0秒となったときに候補画像が2つ残ることがある。このような場合には、表示されている候補画像のうちいずれかの候補画像に対応する演出が実行される。このようにすれば、遊技者をいずれの候補画像が残存するかに注目させることができる。なお、候補画像は、3つ以上残すことも可能であり、消去されるタイミングが一定でなくてもよい。
【0229】
図19(B)の作用演出選択テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、「作用演出を実行する>作用演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図19(C)のはずれ時作用演出選択テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、「作用演出を実行する<作用演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。
【0230】
このように、
図19(A)に示すように、タイマの初期秒数が長いほどタイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が多いため、タイマの初期秒数の長さに応じた示唆画像を表示することができ、遊技の興趣が向上する。
【0231】
また、
図19(A)に示すように、タイマの初期秒数として設定された20秒、18秒、15秒が経過してタイマ表示領域94の表示値が残り0秒となったときに、候補画像である「連」画像、「役物」画像が残存する候補画像として残る場合がある。このような場合は、連続演出または役物演出を実行するため、遊技者をいずれの候補画像に対応する特定演出が実行されるかに注目させることができる。
【0232】
[第4スーパーリーチでのタイマ演出の第1例]
次に、本実施の形態の第4スーパーリーチにおいて実行されるタイマ演出の第1例を説明する。タイマ演出の第1例としては、所定表示が所定動作を行い特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明する。
【0233】
「所定表示が所定動作を行い特定態様となる表示」としては、タイマ表示のように、タイマ数値表示が計時動作を行って計時終了態様となる表示がされる。「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、タイマ表示が計時終了態様となったときに、所定の画像を表示することにより遊技者にとって有利な状態となる期待度を示唆する複数種類の期待度示唆表示演出のうち、いずれかの演出を実行する演出がされる。その場合における所定の画像の例としては、たとえば、遊技者に何かの事象が起こることを示唆するために、「READY GO」または「START」というような所定の示唆をする文字を表示してもよく、所定のキャラクタ画像によるアクション表示等の表示をしてもよい。また、そのような文字表示とアクション表とは、いずれか一方を実行してもよく、両方を実行してもよい。なお、「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、計時終了態様を表示した後に、所定の画像を表示することなく特定演出を実行するようにしてもよい。
【0234】
図20は、タイマ演出の第1例の演出実行タイミングを示すタイミングチャートである。
図20(A)には、1回の可変表示(変動表示)中にタイマ演出が複数回実行可能な所定可変表示パターンでの演出実行タイミング例が示されている。
図20(B)には、
図20(A)の第1演出の演出実行タイミング例が示されている。
図20(B)には、
図20(A)の第3演出の演出実行タイミング例が示されている。
【0235】
図20(A)に示すように、たとえば、前述の第4スーパーリーチのような特定スーパーリーチの可変表示時においては、タイマ演出を実行可能な第1演出、第2演出、および、第3演出という複数種類の演出が1回の可変表示中に実行される。複数種類の演出の実行期間の長さは、「第1演出<第2演出<第3演出」という長短関係で設定されている。第1演出、第2演出、および、第3演出においては、演出期間の開始時から所定期間が経過したときに、複数種類の期待度示唆表示演出のような複数種類の特定演出のうちから選択された演出が実行される。
【0236】
第1演出、第2演出、および、第3演出については、タイマ演出が実行される場合と、タイマ演出が実行されない場合とが抽選により選択されるので、タイマ演出が実行される場合をタイマ有演出と呼び、タイマ演出が実行されない場合をタイマ無演出と呼ぶことにより演出態様を区別する。
【0237】
図20(B)においては、
図20(A)に示された第1演出について、(B1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(B2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。
図20(B)に示す第1演出では、その他の演出よりも演出期間が短い演出であり、演出期間の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する背景色の画像を表示する演出が行われる。
【0238】
背景色とは、画像表示装置5で表示される画像のうち、飾り図柄の背景を構成する背景画像の画像色をいう。背景色は、第1演出が実行される前の段階で青色および赤色以外の色(たとえば、黄色)である。第1演出においては、
図20(B1)のタイマ有演出、および、(B2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第1演出の演出期間(第1演出期間)の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として、背景色が赤色(赤色背景)または青色(青色背景)に変化する演出が行われる。期待度示唆表示において表示される背景色による大当りの期待度の高さについては、「青色背景<赤色背景」という関係が設定されている。第1演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、可変表示の開始前に第1演出~第3演出で共通する抽選により、第2演出および第3演出とともに一括的に決定される。
【0239】
図20(B1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第1演出の開始時から25秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、役物としての可動体32が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
【0240】
図20(B2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第1演出の開始時から25秒間が経過すると、不意に可動体32が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、青色背景が選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
【0241】
第1演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外の画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
【0242】
第1演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて可動体32の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
【0243】
なお、タイマ無演出が実行されたときには、期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
【0244】
図20(C)においては、
図20(A)に示された第3演出について、(C1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(C2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。
図20(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも演出期間が長い演出であり、演出期間の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する操作手段の画像を表示する演出が行われる。
図20(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも操作演出を実行する頻度が高くなるような演出制御が行われる。
【0245】
操作手段は、プッシュボタン31Bおよびスティックコントローラ31Aのようなパターンに設けられ、遊技者が操作可能な操作手段をいう。第3演出においては、
図20(C1)のタイマ有演出、および、(C2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第3演出の演出期間(第3演出期間)の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として、スティックコントローラの画像またはプッシュボタンの画像が表示される演出が行われる。その演出は、可変表示結果を表示する直前の操作促進演出でもある。その演出中に表示された操作手段が実行されると、可変表示結果が導出表示される演出が実行される。
【0246】
期待度示唆表示において表示される操作手段による大当りの期待度の高さについては、「プッシュボタン<スティックコントローラ」という関係が設定されている。第3演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、可変表示の開始前に第1演出~第3演出で共通する抽選により、第1演出および第2演出とともに一括的に決定される。
【0247】
図20(C1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第3演出の開始時から60秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じてスティックコントローラの画像とプッシュボタンの画像とのどちらかが選択されて画面中央部に表示される演出が実行される。
【0248】
図20(C2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第3演出の開始時から60秒間が経過すると、不意に期待度示唆表示として、プッシュボタンの画像が選択されて表示される演出が実行される。
【0249】
第3演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
【0250】
第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出~第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合がある。操作演出とは、動作対応演出とも呼ばれ、所定の検出有効期間内に遊技者の動作により所定の操作手段が操作されたときに、その操作に対応する画像表示等の所定の演出が実行される演出である。第3演出における操作演出は、
図22(E)に示すように、特定の割合で実行可能である。一方、第3演出では、タイマ無演出において、タイマ有演出で実行されるような操作演出が実行される場合がない。
【0251】
操作演出としては、第1操作演出~第5操作演出という5種類の操作演出が実行される。第1操作演出は、プッシュボタン31Bの操作を促進する画像を表示(以下、ボタン操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン31Bが操作されたことに対応して、チャンス表示をする演出である。チャンス表示とは、遊技者にとってチャンスとなることを示唆する画像を表示することをいう。第2操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン31Bが操作されたことに対応して、リーチ表示をする演出である。リーチ表示とは、リーチ状態となることを示唆する画像を表示することをいう。
【0252】
第3操作演出は、スティックコントローラ31Aの操作を促進する画像を表示(以下、スティック操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ31Aが操作されたことに対応して、SP表示をする演出である。SP表示とは、スーパーリーチとなることを示唆する画像を表示することをいう。第4操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン31Bが操作されたことに対応して、期待度%表示をする演出である。期待度%表示とは、今回の可変表示により大当り遊技状態となる割合を%で示唆する画像を表示することをいう。第5操作演出は、スティック操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ31Aが操作されたことに対応して、激熱表示をする演出である。激熱表示とは、今回の可変表示が大当り遊技状態となる期待度が激しく高い(極めて高い)ことを示唆する画像を表示することをいう。
【0253】
第2演出の演出内容については、図示を省略するが、たとえば、タイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第2演出の開始時から40秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、複数種類の大当り予告用キャラクタ(第1予告用キャラクタ、第2予告用キャラクタ)の画像のうちから選択された予告用キャラクタが所定位置に表示される。たとえば、第2演出の期待度示唆表示において表示される予告用キャラクタの大当りの期待度の高さについては、「第1予告用キャラクタ<第2予告用キャラクタ」という関係が設定されている。第2演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、可変表示の開始前に第1演出~第3演出で共通する抽選により、第1演出および第3演出とともに一括的に決定される。
【0254】
また、第1演出および第2演出のそれぞれについても、
図22(C),(D)に示すように、タイマ有演出時において、所定の割合(割合は異なる)で、第3演出で実行可能な操作演出と同様の演出を実行することが可能である。
【0255】
第3演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて可動体32の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
【0256】
また、第3演出では、タイマ有演出の進行に応じて、遊技者が操作により介入可能な複数回の操作演出が実行されるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0257】
また、第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出~第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合があるので、タイマ表示において比較的長い時間が表示された場合の遊技者の退屈を低減することができる。
【0258】
また、第3演出では、タイマ計時期間に応じて、ボタン操作に応じた操作演出と、スティック操作に応じた操作演出とのように、異なる操作手段の操作に応じた操作対応演出が実行可能であるので、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
【0259】
なお、タイマ無演出が実行されたときに期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
【0260】
次に、タイマ演出において画像表示装置5で表示される演出画像の一例として、第3演出の演出画像を説明する。
図21は、タイマ演出が実行されるときの第3演出の演出画像を示す表示画面図である。
図21(A)~(L)に、第3演出において画像表示装置5で表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。
図21において、保留表示等のタイマ演出と関係が少ない画像は省略されている。
【0261】
図21において、左,中,右の飾り図柄は、可変表示中の状態が下向き矢印で示されている。画像表示装置5において、可変表示が実行されるときに、左,中,右の飾り図柄は、画面中央部で可変表示が開始される。タイマ演出が実行されるときには、画像表示装置5の表示領域内における右下部に、タイマ演出において数値によりタイマ表示をするタイマ表示領域94と、タイマ演出において操作促進表示、および、操作対応表示等の操作演出に関する画像を表示する操作演出表示領域95とが形成される(設けられる)。
【0262】
第3演出においてタイマ表示の計時開始時から10秒が経過したときには、
図21(A)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り50秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でプッシュボタン31Bを模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、プッシュボタン31Bの操作を促進するボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン31Bの操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
【0263】
図21(A)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作が検出されると、
図20に示す対応関係の操作対応表示に従って、
図21(B)に示すように、「チャンス」という文字画像が表示されるチャンス表示が実行される。
【0264】
タイマ表示の計時開始時から20秒が経過したときには、
図21(C)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り40秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でプッシュボタン31Bを模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン31Bの操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
【0265】
図21(C)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作が検出されると、
図20に示す対応関係の操作対応表示に従って、
図21(D)に示すように、「リーチ」という文字画像が表示されるリーチ表示が実行され、飾り図柄がリーチ表示態様となる。
【0266】
タイマ表示の計時開始時から30秒が経過したときには、
図21(E)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り30秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でスティックコントローラ31Aを模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティックコントローラ31Aの操作を促進するスティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ31Aの操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
【0267】
図21(E)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作が検出されると、
図20に示す対応関係の操作対応表示に従って、
図21(F)に示すように、「SP」という文字画像が表示されるSP表示が実行され、SP演出に用いられるSPキャラクタ画像96が画面中央部で表示される。SPキャラクタ画像96は、遊技者の味方となる味方キャラクタ(左側のキャラクタ)と、遊技者の敵となる敵キャラクタ(右側のキャラクタ)とがバトル(戦う)バトル演出態様で表示される。バトル演出では、味方キャラクタが勝ったときに大当り表示結果が導出表示され、味方キャラクタが負けたときにはずれ表示結果が導出表示される。バトル演出が実行されるときに、飾り図柄は、縮小されて画面右上隅部に移動し、その移動先の位置で可変表示を継続する。
【0268】
タイマ表示の計時開始時から40秒が経過したときには、
図21(G)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り20秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でプッシュボタン31Bを模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン31Bの操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
【0269】
図21(G)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作が検出されると、
図20に示す対応関係の操作対応表示に従って、
図21(H)に示すように、「80%」という文字画像が表示される期待度%表示が実行され、バトル演出が継続される。
【0270】
タイマ表示の計時開始時から50秒が経過したときには、
図21(I)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り10秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でスティックコントローラ31Aを模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ31Aの操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
【0271】
図21(I)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作が検出されると、
図20に示す対応関係の操作対応表示に従って、
図21(J)に示すように、「激熱」という文字画像が表示される激熱表示が実行され、バトル演出が継続される。
【0272】
タイマ表示の計時開始時から60秒が経過したときには、
図21(K)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り0秒となり、画面中央部に、たとえば、スティックコントローラ31Aを模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とよるなる期待度示唆表示97が表示される。期待度示唆表示97は、スティックコントローラ31Aの操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
【0273】
図21(K)の期待度示唆表示97に応じて、遊技者によるスティックコントローラ31Aの操作が検出されると、大当り表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが勝ち、
図20に示す対応関係の操作対応表示に従って、
図21(L)に示すように、大当り表示結果の可変表示結果を導出表示する演出が実行される。一方、はずれ表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが負け、はずれ表示結果の可変表示結果を導出表示する演出が実行される。
【0274】
次に、特定のスーパーリーチの可変表示パターンの可変表示を実行するときに、タイマ演出を実行するか否かの選択、および、タイマ演出を実行するときにおける第1演出~第3演出での操作演出を実行するか否かの選択をするための抽選に用いるデータテーブルを説明する。
【0275】
図22は、第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブル、第1演出の操作演出選択テーブル、第2演出の操作演出選択テーブル、および、第3演出の操作演出選択テーブルを示す説明図である。これらデータテーブルは、演出制御用CPU120のROM121に記憶されている。以下に説明する演出の選択割合には、まったく選択されない割合(0割合(0%))が含まれてもよく、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「小」である例には、選択割合が「0割(0%)」である場合が含まれてもよい。逆に、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「大」である例には、選択割合が「10割(100%)」である場合が含まれてもよい。
【0276】
第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、特定のスーパーリーチである第4スーパーリーチの可変表示パターンを実行するときに、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかの選択をするための抽選に用いられる。第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、可変表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる
図22(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルと、可変表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる
図22(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルとが含まれている。
【0277】
図22(A),(B)のテーブルでは、演出制御用CPU120により更新される乱数の1つとしてのタイマ演出選択用の乱数SR2(0~99の数値範囲)の合計100個の数値が、タイマ表示有演出と、タイマ表示無演出とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2値の個数が示されている。
【0278】
図22(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「タイマ表示有演出>タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示有演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。一方、
図22(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「タイマ表示有演出<タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示無演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
【0279】
このような
図22(A),(B)でのデータの設定により、可変表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、タイマ表示有演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、タイマ表示有演出が実行されるときには、タイマ表示無演出実行されるときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
【0280】
図22(C)の第1演出の操作演出選択テーブルは、
図22(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第1演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。
図22(C)の第2演出の操作演出選択テーブルは、
図22(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第2演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。
図22(D)の第3演出の操作演出選択テーブルは、
図22(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第3演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。
【0281】
図22(C)~(E)の各テーブルでは、演出制御用CPU120により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR3(0~109の数値範囲)の合計110個の数値が、操作演出有と、操作演出無とに割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3値の個数が示されている。
【0282】
図22(C)の第1演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「操作演出有<操作演出無」という大小関係となるように、操作演出無が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図22(D)の第2演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「操作演出有=操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有と操作演出無とが同じ割合で選択されるようにデータが設定されている。
図22(E)の第3演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「操作演出有>操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。このようなテーブルにより、第1演出~第3演出において、演出期間が長いもの程、操作演出有が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
【0283】
図22(C)のテーブルに示すように、25秒間のタイマ表示をする第1演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が1回、すなわち、25秒間のうちに1回の操作演出が実行される。
図22(D)のテーブルに示すように、40秒間のタイマ表示をする第2演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が2回、すなわち、40秒間のうちに2回の操作演出が実行される。
図22(E)のテーブルに示すように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が5回、すなわち、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される。
【0284】
このように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときに、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される、第3演出よりもタイマ表示をする期間が短い第2演出では2回の操作演出が実行され、第2演出よりもタイマ表示をする期間が短い第1演出では1回の操作演出が実行される。このように、同じ可変表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ可変表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行頻度が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合(頻度)が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
【0285】
また、
図22(C)~(E)のように、タイマ表示有演出時にのみ操作演出を実行する選択が可能であり、タイマ表示有演出実行時の方が、タイマ表示無演出実行時よりも操作演出が実行される頻度が高いので、遊技者が介入可能な演出の実行割合(頻度)が高くなることにより、長期間のタイマ表示において遊技者が演出に退屈することをより一層軽減することができる。
【0286】
次に、第1演出~第3演出における操作演出を含む演出パターンの一例を説明する。
図23は、第3演出の演出パターンを選択する演出パターン選択テーブルを表形式で示す図である。
図23(A)には、大当り時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示され、
図23(B)には、はずれ時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示されている。これらデータテーブルは、演出制御用CPU120のROM121に記憶されている。
【0287】
図23(A),(B)の各テーブルでは、演出制御用CPU120により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR4(0~89の数値範囲)の合計90個の数値が、第1パターンと第2パターンと第3パターンとのそれぞれに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4の値の個数が示されている。
【0288】
図23(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図23(B)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
【0289】
図23に示す各操作演出における青、緑、赤という複数種類の色は、「青<緑<赤」という大小関係で大当りについての期待度を示唆する色である。
【0290】
第1パターンは、操作演出パターンが、ボタン操作促進演出が実行された後操作に応じてチャンス表示がされる第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤色の文字で「80%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第1パターンでは、操作演出パターンの後に期待度示唆演出として実行される最終演出が、スティック操作促進表示がされた大当り後操作に応じて大当り表示結果が導出表示される演出である。
【0291】
第2パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、第1パターンと同じ第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「70%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。第2パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
【0292】
第3パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、第2パターンと同じ第第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「60%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第3パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
【0293】
図23(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、
図23(A)の大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルに設定された第1パターン~第3パターンと同様の第1パターン~第3パターンが設定されており、前述したように、これらパターンの選択割合が大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルの選択割合と逆の選択割合となるようにデータが設定されている。
【0294】
前述の第2パターンでは、前述の第3パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。前述の第1パターンでは、第2パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。したがって、
図23(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、大当り表示結果となるときに、大当りの期待度がより高い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。一方、逆に、
図23(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、はずれ表示結果となるときに、大当りの期待度がより低い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
【0295】
図示を省略するが、第1演出では、たとえば、操作演出表示領域95において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、青色背景の期待度示唆表示をする第1可変表示パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、赤色背景の期待度示唆表示をする第2可変表示パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
【0296】
第1演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、可変表示結果別に、第1演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3の値が各演出パターンに割振られている。
【0297】
図示を省略するが、第2演出では、たとえば、操作演出表示領域95において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、飾り図柄周囲に青色のエフェクト画像を表示する第1演出パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、飾り図柄周囲に赤色のエフェクト画像を表示する第2演出パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
【0298】
第2演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、可変表示結果別に、第2演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3の値が各演出パターンに割振られている。
【0299】
次に、
図16、
図20および
図21に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を設定するための処理について説明する。
図24は、演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。
図24においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU120は、次のような処理を行うことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。演出設定処理は、
図7に示した演出制御プロセス処理の可変表示開始設定処理(S171)で実行される。
【0300】
まず、S851において、今回実行される可変表示の可変表示パターンが特定スーパーリーチである第1~第3スーパーリーチの可変表示パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した可変表示パターンコマンドに基づいて判定する(S851)。受信した可変表示パターンコマンドは、RAM122の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU120は、RAM122の記憶領域を参照し、今回実行される可変表示を示す領域に第1~第3スーパーリーチの可変表示パターンコマンドが格納されているか否かにより、第1~第3スーパーリーチの可変表示パターンであるか否かを判定する。判定した結果、今回の変動が第1~第3スーパーリーチである場合は(S851のY)、S852の処理へ移行する。
【0301】
S852においては、
図17(A),(B)に示す可変表示結果に応じた第1~第3スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いて、タイマ表示の有無を決定し(S852)、S853の処理に移行する。S853においてタイマ表示を行う演出を選択していた場合は(S853のY)、S854の処理に移行する。一方、タイマ表示を行わない演出を選択していた場合は(S853のN)、S857の処理に移行する。
【0302】
S854においては、可変表示結果に応じて実行する演出種類(示唆画像種類)を
図18(A),(B)に示すスーパーリーチ演出選択テーブルを用いて選択決定し(S854)、S855の処理に移行する。
【0303】
S855においては、
図19(A)に示す示唆画像表示パターン選択テーブルにより、タイマの初期秒数、タイマ演出開始時の示唆画像表示数、タイマ演出終了時の示唆画像表示数を選択決定し(S855)、S856の処理に移行する。
【0304】
S856においては、
図19(B),(C)に示す可変表示結果に応じて作用演出選択テーブルを用いて、作用演出の実行の有無を決定し(S856)、S857の処理に移行する。
【0305】
S851において、今回の変動が第1~第3スーパーリーチでない場合は(S851のN)、S858の処理へ移行する。S858においては、今回実行される可変表示の可変表示パターンが特定スーパーリーチである第4スーパーリーチの可変表示パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した可変表示パターンコマンドに基づいて判定する(S858)。
【0306】
今回の変動が第4スーパーリーチである場合は(S858のY)、
図25のS902以降の処理に移行する。今回の変動が第4スーパーリーチでない場合は(S858のN)、S857の処理へ移行する。
【0307】
図25は、演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。
図24のS858で説明したように、今回の変動が第4スーパーリーチであった場合に、以下の処理に移る。第4スーパーリーチの可変表示パターンであるときに、SR2の値を抽出し、今回の可変表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、
図22(A),(B)に示すいずれかのタイマ演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR2の値から、今回の可変表示について、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかを選択決定する(S902)。今回の可変表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される可変表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の可変表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
【0308】
次に、S902の決定結果に基づいて、タイマ表示有演出が選択決定されたか否かを判定する(S903)。S903でタイマ表示有演出が選択決定されていない(タイマ表示無演出が選択決定された)ときは、たとえば
図20(B2),(C2)等に例示したような第1~第3演出においてタイマ表示をしない演出を実行するためのデータ設定を行い、S912に進む。一方、S903でタイマ表示有演出が選択決定されたときは、SR3の値を抽出し、
図22(C)~(E)の第1演出~第3演出のそれぞれの操作演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR3の値から、今回の可変表示における第1~第3演出のそれぞれについて、操作演出を実行するか否か(有無)を選択決定する(S904)。
【0309】
次に、S904の決定結果に基づいて、第1演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S905)。S905で操作演出有に選択決定されていないときは、S907に進む。一方、S905で操作演出有に選択決定されているときは、SR4の値を抽出し、今回の可変表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第1演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4の値から、今回の可変表示の第1演出の演出パターンを選択決定し(S906)、S907に進む。
【0310】
S907では、S904の決定結果に基づいて、第2演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S907)。S907で操作演出有に選択決定されていないときは、S909に進む。一方、S907で操作演出有に選択決定されているときは、SR4の値を抽出し、今回の可変表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第2演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4の値から、今回の可変表示の第2演出の演出パターンを選択決定し(S908)、S909に進む。
【0311】
S909では、S904の決定結果に基づいて、第3演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S909)。S909で操作演出有に選択決定されていないときは、S911に進む。一方、S909で操作演出有に選択決定されているときは、SR4の値を抽出し、今回の可変表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、
図23(A),(B)のいずれかの第3演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4の値から、今回の可変表示の第3演出の演出パターンを選択決定し(S910)、S911に進む。
【0312】
S911では、今回の可変表示で、第1~第3演出のそれぞれにおいてタイマ表示をし、前述のように選択した操作演出の有無に応じて、前述のように選択した演出パターンで操作演出が実行可能な演出を実行するためのデータを設定し(S911),S912に進む。
【0313】
S912では、今回の可変表示の演出に関し、前述した第1演出、第2演出、および、第3演出以外のその他の演出内容を決定する。その後、処理を終了する。
【0314】
演出設定処理においては、
図20および
図21に示すような操作演出を含むタイマ演出を実行するときに、可変表示の開始時において、タイマ表示演出の有無、操作演出の有無、操作演出の実行回数、および、操作演出の演出パターン等の各種事項を予め決定し、その後の可変表示中は、当該決定にしたがって演出を実行するので、可変表示中における演出制御用CPU120の制御処理負荷を軽減することができる。
【0315】
次に、飾り図柄の可変表示中において、
図20および
図21に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を実行する処理について説明する。
図26は、演出図柄変動中処理(S802)内でタイマ演出をするときに実行されるタイマ演出処理を示すフローチャートである。
【0316】
図26においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU120は、次のような処理を行うことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。
【0317】
まず、現在が第1演出~第3演出で実行され得るいずれかのタイマ演出の実行開始時であるかどうかを判定する(S920)。S920においては、可変表示を実行中の第4スーパーリーチの可変表示パターンにおいて予め定められた演出進行のタイムスケジュールと、可変表示の開始時からの時間を計時する可変表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在がタイマ演出の実行開始時であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、各可変表示パターンについて、演出進行のタイミングのタイムスケジュールが予め定められており、可変表示タイマの計時値に基づき、演出を進行させる演出制御が実行されるからである。
【0318】
S920でタイマ演出の実行開始時であるときは、演出制御用CPU120においてタイマ表示に用いる演出タイマの計時を開始させ(S921)、その計時値に対応したタイマ表示を開始させ(S922)、処理を終了する。一方、S920でタイマ演出の実行開始時でないときは、可変表示タイマの計時値に基づき、現在が操作演出有が設定された演出(たとえば、第1演出、第2演出、第3演出)の期間中であるか否かを判定する(S923)。
【0319】
S923で現在が操作演出有が設定された演出期間中であるときは、可変表示タイマの計時値に基づき、当該演出期間中におけるいずれかの操作演出期間中であるか否かを判定する(S924)。S924で操作演出期間中であるときは、操作演出中における操作促進表示(前述のボタン操作促進表示、スティック操作促進表示)中である否かを判定する(S925)。S925で操作促進表示中であるときは、S927に進む。一方、S925で操作促進表示中でないときは、実行中の操作演出期間の態様に応じて設定されている操作促進表示を開始させ(S926)、S927に進む。これにより、各操作演出においては、
図21(A),(C),(E),(G),(I)のような操作促進表示が実行される。
【0320】
S927では、操作促進演出に対応した所定の操作演出が検出されたか否かを確認する(S927)。S927で対応した所定の操作演出が検出されなかったときは、処理を終了する。一方、S927で対応した所定の操作演出が検出されたときは、実行中の操作促進表示を終了させ(S928)、S911での設定情報に基づいて、第1演出の期間、第2演出の期間、および、第3演出の期間のような操作演出の期間の種類に応じた操作対応演出を開始させ(S929)、処理を終了する。
【0321】
前述のS923で特定演出有設定の特定演出期間中ではないとき、および、S924でいずれかの操作演出期間中ではないときのそれぞれでは、演出タイマの計時終了時(第1演出では25秒経過時、第2演出では40秒経過時、第3演出では60秒経過時)であるか否かを判定する(S930)。S930で演出タイマの計時終了時ではないときは、現在が操作促進演出中または操作対応演出中であるか否かを判定する(S931)。S931で操作促進演出中または操作対応演出中ではないときは、処理を終了する。一方、S931で操作促進演出中または操作対応演出中であるときは、演出期間が終了したので、実行中の操作促進演出または操作対応演出理を終了し(S932)、処理を終了する。
【0322】
前述のS930で演出タイマの計時終了時であるときは、タイマ表示の終了時であるともに、タイマ表示終了後の期待度示唆表示の実行開始時であるので、S911で設定された期待度示唆表示の実行を開始する(S933)。そして、実行中のタイマ表示を終了し(S934)、処理を終了する。これにより、
図21(K)に示すような期待度示唆表示が実行され、
図21(K)に示すようなタイマ表示領域94の消去と、操作演出表示領域95の消去とが行われる。
【0323】
〔複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する操作演出例〕
次に、動作対応演出である操作演出として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)となる期待度を示唆する演出(
図20および
図21の期待度%等)と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例を説明する。
【0324】
図23に示した演出パターンでは、操作演出について、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出は実行されない。しかし、操作演出については、たとえば、特別なリーチ演出(SP演出等)が複数種類あり、ノーマルリーチの演出状態から特別なリーチ演出に演出が発展するときに、演出の発展先を示唆する演出をする等、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出が実行されるようにしてもよい。そのような操作演出を実行するときには、当該操作演出と、
図20および
図21の期待度%を表示する操作演出のような大当りとなる期待度を示唆する操作演出との少なくとも一方の演出を実行する演出制御をしてしてもよい。このようにすれば、操作演出のバリエーションが豊富化し、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
【0325】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
図14に示すように、カウントアップが行われる回数の違い、すなわち、タイマが最終的に0になるまでの長さに応じて、選択される特定演出の割合が異なっていた。このようにすれば、タイマが表示される前のカウントアップの興趣を向上することで遊技の興趣を向上することができる。具体的には、カウントアップの実行期間に注目させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0326】
図8あるいは
図9に示す煽り演出(カウントアップが一定値まで進行した後、そこから、カウントダウンに移行するか、それとも、さらに2段階目のカウントアップに進むかを、タイマ値10:00と10:01とを交互に表示させて煽る演出)が実行されていた。これによれば、カウントアップがいずれの段階まで実行されるかという点に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
【0327】
図8(b)に示すように、カウントダウン動作の前に10秒のカウントアップ動作を行うことで、結果的に、その10秒を起点としてカウントダウンの開示時における、10秒の態様となっていた。これによれば、カウントダウン動作とは異なるカウントアップ動作の実行期間に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
【0328】
図9(b)に示すように、カウントアップの前にカウントアップが実行されることを示唆する演出として、タイマ表示領域154F002が演出領域154F001内で左右に動く演出を行う。このようにすれば、事前示唆演出により示唆演出が実行されるか否かという点に遊技者を注目させることができる。特にタイマ演出は、大当り期待度が高い演出であるので、そのタイマ演出の開始のきっかけとなり得る事前示唆演出が実行されることで、遊技者にその後の展開に注目させることができる。
【0329】
カウントアップの開始タイミングが複数種類の中から選択されるものとしてもよい。このようにすれば、いずれのタイミングでカウントアップが実行されるかという点に遊技者の注目を集めることができる。
【0330】
カウントアップを開始した後に実際にカウントダウンを開始するタイミングを遅らせるパターンがあってもよい。このようにすれば、いずれのタイミングでカウントダウンが開始されるかという点に遊技者の注目を集めることができる。たとえば、短い時間のタイマより長い時間のタイマの方が期待度が高いものが前提であれば、短いタイマでも長いタイマと同じタイミングが選ばれることがあるので、短いタイマであっても期待感を持たせることができる。
【0331】
図8のように、カウントアップした後にタイマが表示されるパターンと、カウントアップが実行されずにタイマ表示が表示されるパターンとが設けられている。このようにすれば、タイマの開始パターンのバリエーションによって、遊技の興趣を向上できる。
【0332】
図8(b)ではカウントアップとカウントダウンとが共に10秒、
図8(c)ではカウントアップとカウントダウンとが共に30秒、
図8(d)ではカウントアップとカウントダウンとが共に60秒のように、カウントアップにおけるカウントアップ動作を実行した期間と同じ期間、カウントダウンを実行可能である。このようにすれば、カウントアップ動作からカウントダウン動作を予測できるので、カウントダウン動作より前のカウントアップ動作に注目させることができる。
【0333】
図16(A)~(D)に示すように、表示していた「SP」画像、「連」画像、「役物」画像を最終的に「役物」画像の表示のみに変化させて表示することが可能となるので、タイマ表示が0秒となるまでにおいて興趣を向上することのできる遊技機を提供することができる。また、タイマ表示が0秒となったときに実行される演出が事前に示唆されるので、遊技の興趣が向上する。
【0334】
図16(A)~(I)に示すように、「SP」画像、「連」画像、「役物」画像の数を5秒経過するごとに減少させ、0秒となったときに残った1つの候補画像に対応する演出が実行される。このようにすれば、遊技者をいずれの候補画像が残存するかに注目させることができる。
【0335】
図19(A)に示すように、0秒となったときに候補画像が2つ残ることがある。このような場合には、表示されている候補画像のうちいずれかの候補画像に対応する演出が実行される。このようにすれば、遊技者をいずれの候補画像が残存するかに注目させることができる。
【0336】
図19(B),(C)に示す作用演出が実行されることで、青色の「?」と表示されている示唆画像に矢が飛んできて刺さり赤色の「?」の表示に変化することがある。このような構成によれば、遊技者を示唆画像の態様に注目させることができる。
【0337】
図19(A)に示すように、タイマの初期秒数が長い場合程、タイマ演出開始時の示唆画像としての候補画像の表示数が多いため、タイマ表示の数値が減算する実行期間の長さに応じた示唆画像としての候補画像を表示することができ、興趣が向上する。
【0338】
図22(C)~(E)に示すように、同じ可変表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ可変表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行割合が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
【0339】
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
図14に示したように、カウントアップの回数が異なる場合であっても、タイマ演出によって表示される特定演出の内容が同じになる場合がある。たとえば、「期待度「熱」の表示」は、カウントアップ回数に関わらず、特定演出として選択され得る。ただし、それぞれのテーブルでの割合の配分が異なるため、その特定演出が出たときの大当りの期待度が異なるものとなる。その結果、遊技者に対して、同じ特定演出であっても、その状況次第で異なる大きさの期待を抱かせることができる。なお、カウントアップ回数に関わらず選択される共通の演出は、期待度が同じであってもよい。
【0340】
カウントアップによって設定されたタイマの値と、それに基づいてカウントダウンされる値とを異ならせてもよい。たとえば、カウントアップによって20秒の期間を経てタイマの値が「20:00」に設定された後、カウントダウンする場合には、カウントダウン時間を実際の時間の半分に短縮(早送り)してもよい。また、カウントアップを実際の時間経過よりも短くし、カウントダウンを実際の時間経過と同じにしてもよい。また、カウントアップやカウントダウンの一部の期間を実際のカウント時間と異ならせてもよい。
【0341】
図8に示したタイマ演出が開始されるタイミングは、可変表示の開始後、複数種類の待機時間の中から選択した時間の経過後としてもよい。つまり、タイマ演出の開始タイミングが複数種類の中から選択されるものとしてもよい。あるいは、煽り演出を経て次のカウントアップに移行する場合、その移行タイミングを複数種類の中から選択するようにしてもよい。この場合、その前の煽り演出の時間の長さを調整することによって、次のカウントアップへの移行タイミングを変化させてもよい。また、タイマ演出が開始されるタイミングの違い、あるいは、カウントダウンが開始されるタイミングの違いに応じて、そのタイマ演出を経て特定演出が実行される割合が異なるものとしてもよい。あるいは、それらのタイミングの違いに応じて、各種の特定演出が選択される割合が異なるものとしてもよい。
【0342】
カウントアップ動作をしてからカウントダウン動作に移行する場合、本実施の形態では煽り演出や確定演出をその間に割り込ませているが、少なくともいずれか一方の演出の時間を様々に変化させることにより、あるいは、別の演出等を割り込ませることにより、カウントダウンが開始するタイミングが様々なタイミングに変化するようにしてもよい。つまり、カウントダウンの開始タイミングが遅れるようなパターンを設けてもよい。このようにすると、タイマ演出の開始から終了までの期間が長いほど、特定演出の実行確率が高いという前提、あるいは、大当り期待度の高い特定演出の実行確率が高いという前提において、遊技者の期待感を煽る効果が得られる。つまり、仮に、タイマ演出の中で設定されたタイマ値が
図8(b)のように10秒であり、
図8(c)に比べると、期待感に欠けるような場合であっても、
図8(b)の「煽り演出+確定演出」の部分を延長すれば、タイマ演出の開始から特定演出の導出タイミングまでの長さを
図8(c)の「カウントアップ2回パターン」に近づけることができる。そのため、遊技者は、長い期間のタイマ演出を体感でき、その結果として、
図8(b)のとおりの時間枠でタイマ演出を実行する場合よりも遊技者の期待度を高めることができる。
【0343】
カウントアップ動作をしてからカウントダウンに移行する場合、本実施の形態では煽り演出や確定演出をその間に割り込ませているが、少なくともいずれか一方の演出をなくしてもよい。特に、両演出を無くした場合には、カウントアップ動作を終えた直後にカウントダウンに移行することになる。
【0344】
カウントアップの実行パターンとして、複数種類の実行期間のものを設ける場合において、それぞれの実行期間に応じて、そのカウントアップの実行態様を異ならせてもよい。たとえば、10秒のカウントアップのときと、20秒のカウントアップのときとで、タイマに使用する文字の色や形を異ならせることが考えられる。また、それらの複数種類のカウントアップの実行期間を組み合わせてタイマ演出を構成する場合、それぞれの組合せに応じて、特定演出が実行される割合を異ならせてもよい。
【0345】
カウントアップの態様として、単に数字を更新するようなものに代えて、導火線の長さの異なる複数種類の爆弾の画像を用意しておき、その爆弾の導火線に火をつけることで時間経過を開始し、爆弾が爆発したらカウントダウンを開始するようにしてもよい。このような場合に、それぞれの導火線の長さの時間に応じてカウントアップに対応する時間の長さが異なるようにしてもよい。また、時間経過の途中で火を消すことで時間経過を遅くしてもよい。あるいは、何等かのデータをダウンロードするような表示を行い、そのダウンロード時間を様々に異ならせ、ダウンロード完了の表示とともに、カウントダウンをスタートさせるものなどしてもよい。たとえば、ダウンロードが早く実行されるパターンや途中でダウンロードがゆっくりとなるパターンを設けて、カウントダウンが開始されるまでに様々な態様の演出が実行されるようにしてもよい。このように、示唆演出としてタイマ表示自体と同じ態様を実行しないようにしてもよい。
【0346】
図9(b)に示した事前示唆演出を実行してから、カウントアップの演出を実行する前に、画面に「タイマ準備中」という表示を行い、間もなく、タイマが表示されることを示唆してもよい。この場合、「タイマ準備中」という表示が継続する時間は、常に一定としてもよく、様々に変化し得るものとしてもよい。また、「タイマ準備中」という表示が継続する時間が長いほど、特定演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。また、
図9(b)に示した態様の事前示唆演出(タイマ表示領域154F002)の代わりに、事前示唆演出の一例として、「タイマ準備中」を表示するようにしてもよい。
【0347】
上記のとおり「タイマ準備中」を表示する場合、現在行われている可変表示を対象とするのではなく、その後で行われる可変表示を対象としてもよい。つまり、将来、行われる可変表示においてタイマのカウントダウンが行われることを、「タイマ準備中」という表示によって示唆してもよい。この場合には、保留記憶の内容を先読予告設定処理(
図7のS161)において先読みすることに基づいて、「タイマ準備中」という表示をするか否かを決定することが考えられる。たとえば、ある可変表示が実行されているときに、“先読み”として、画面に「タイマ準備中」と表示する。先読みであることを遊技者に理解させるために、今回の可変表示を対象として「タイマ準備中」と表示する場合と、将来の可変表示を対象として「タイマ準備中」と表示する場合とで、その表示の態様を異ならせてもよい。
【0348】
可動体32に表示領域を設けて、タイマ演出をその表示領域で行うようにしてもよい。その場合、事前示唆演出は、
図9に示す態様としてもよく、可動体32に設けたLEDを発光させることによって、事前示唆演出をしてもよい。
【0349】
タイマ演出としては、先にカウントダウン動作を行って、タイマ値を設定し、その設定されたタイマ値をカウントアップして特定値になったときに特定演出を実行するものであってもよい。たとえば、はじめにタイマ値として90を表示し、そこから第1段階のカウントダウンを開始して、値を80にした後、カウントアップ動作を行って、値が100になると特定演出を実行するパターンをパターン1とする。そのパターン1と同様に第1段階のカウントダウンを行った後、さらに、第2段階のカウントダウンを行って、値を70にした後、カウントアップ動作を行って、値が100になると特定演出を実行するパターン2をさらに設けるようにしてもよい。
【0350】
煽り演出や確定演出の時間は、カウントアップの段階数により異なるようにしてもよい。また、煽り演出や確定演出の時間は、大当り期待度により異なるようにしてもよい。
【0351】
前述した実施の形態では、事前示唆演出は画面上で実行される演出であった。しかし、事前示唆演出として可動体32としての役物を画面上に移動させる演出を実行してもよい。
【0352】
前述した実施の形態では、所定表示が所定動作を行い特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明した。「所定表示」とは、時間経過に応じて数値が変化する表示に限らず、砂時計のように、時間経過を直接的に数値で示すものではなく、砂の流れ等により時間経過を間接的に示すようなものであってもよい。時間経過を間接的に示すその他の例としては、たとえば、時間経過に応じて爆弾を示す画像が爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているような同じ動作を繰返す表示であってもよい。また、「所定表示」は、時間経過に応じて、所定タイミングまで爆弾が同じ大きさで爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているが、所定タイミング経過後に、爆弾が徐々に拡大表示されていくような異なる動作を実行するようなものであってもよい。また、「所定動作を行い特定態様となる」とは、減算のみではなく、加算動作であってもよい。
【0353】
また、「所定表示」は、時間経過を示さないが、所定時間が経過すると、特定態様となるようなものであってもよい。たとえば、所定動作として、虫が幼虫からさなぎとなり成虫(特定態様)となる動作過程を時間経過の経過に対応して実行するようなものであってもよい。
【0354】
前述した実施の形態では、示唆画像としての候補画像の数は、時間経過とともに減少していく場合について説明した。しかし、時間の経過とともに候補画像の数が増加するようにしてもよい。このような場合には、たとえば、大当り期待度の低い候補画像を先に表示していた場合に、大当り期待度の高い候補画像が追加表示されることで、遊技者にその後の展開に期待を持たせることができる。
【0355】
前述した実施の形態では、示唆画像としての候補画像は、5秒経過毎に消去される場合について説明した。しかし、候補画像が5秒経過しても消去されないガセパターンを設けてもよい。また、ランダムな時間で候補画像が消去されるようにしてもよい。なお、ランダムな時間で候補画像を消去する場合には、タイマ表示として表示される初期秒数が長い程、候補画像が消去されるタイミングが多くなるようにしてもよい。
【0356】
前述した実施の形態では、タイマの初期秒数や候補画像の表示数が、大当り期待度に基づいて異なるようにしてもよい。たとえば、大当り期待度が高い場合には、大当り期待度が低い場合よりもタイマの初期秒数を長くし、候補画像の表示数を多くしてもよく、いずれか一方のみ増加するようにしてもよい。
【0357】
前述した実施の形態では、作用演出は1回のみ実行される場合について説明した。しかしながら、作用演出は、タイマ表示の実行期間内において複数回実行されるようにしてもよい。また、複数回実行する場合には、1回目に失敗し(ガセパターン)、2回目に成功するパターンを設けるようにしてもよい。また、作用演出により複数段階候補画像が変化する場合にあっては、1回の作用演出により1段階変化するものであってもよいし、1回の作用演出により2段階以上変化するものであってもよい。
【0358】
前述した実施の形態では、示唆画像として候補画像を複数表示する場合を説明した。しかし、示唆画像は、候補画像を複数表示するのではなく、示唆画像の表示態様が複数種類存在し、そのいずれかの示唆画像を表示するようにしてもよい。たとえば、示唆画像の種類として、○、□、△等の形を設け、時間の経過とともに表示態様が変化し、最終的に表示される表示態様の違いより、特定演出として実行される演出の内容が異なるようにしてもよい。また、示唆画像として文字が表示される場合に、時間の経過とともに文字の内容が変化し、最終的に表示される表示態様の違いにより、特定演出として実行される演出の内容が異なるようにしてもよい。
【0359】
前述した実施の形態では、候補画像を複数個一気に減少させるパターンや候補画像を複数個一気に増加させるパターンを設けてもよい。また、減少させるパターンと増加させるパターンとがいずれも実行されるパターンを設けてもよい。たとえば、最初3つ表示されていたものが、時間経過により2つに減少し、その後さらに3つに増加するようなパターンを設けてもよい。このように、タイマ表示期間内において候補画像の表示パターンは複数設けることができる。また、候補画像の表示パターンの内容によって大当り期待度が異なるようにしてもよい。
【0360】
前述した実施の形態では、擬似連演出や先読み演出(複数変動に亘る連続演出)において、可変表示していた図柄が仮停止(停止も含む)するタイミングにおいて、仮停止(停止)する図柄の数字がタイマ表示に加算される演出を実行してもよい。たとえば、可変表示が仮停止(停止)したときの数字が「1,3,5」であるときは、合計9秒がタイマ表示に加算されるようにしてもよい。また、タイマ表示が加算される演出の実行中は、タイマ表示の減少を停止することが望ましいが、タイマ表示が動いている最中に時間が加算するようにしてもよい。また、タイマ表示に時間が加算される演出の実行中のみ、タイマ表示の減算動作を遅延させるようにしてもよい。
【0361】
前述した実施の形態では、作用演出が実行されることで候補画像の表示態様が変化する場合を説明した。しかし、作用演出が実行されることで候補画像の数自体が減るようにしてもよい。たとえば、3つの候補画像を表示されている場合に、時間経過とともに候補画像を1つ減らすとともに、作用演出により候補画像を1つ減らし、タイマ表示が0秒となったタイミングで残った1つの候補画像による特定演出が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、候補画像が時間以外の要因により消去されるので、演出の種類が増加し、興趣が向上する。
【0362】
前述した実施の形態では、作用演出が実行されることで、候補画像の表示態様が青色から赤色に変化する場合を説明した。しかしながら、作用演出が実行されることで、候補画像に対して別の画像が付加するようにしてもよい。たとえば、作用演出が実行されることで、候補画像に対して所定のエフェクト画像を付加することで、候補画像が変化するようにしてもよい。
【0363】
前述した実施の形態では、タイマ演出の開始タイミングと同時に示唆画像として複数の候補画像が表示される場合について説明した。しかしながら、候補画像が表示されるタイミングは、それ以外のタイミングであってもよい。たとえば、タイマ表示が表示されたタイミングから少し後のタイミング(たとえば、0.2秒後)に候補画像が表示されるようにしてもよい。また、「タイマ準備中」の表示をし、タイマ演出が将来実行されることが示されている場合には、「タイマ準備中」の段階では示唆画像として候補画像を表示させず、タイマ表示が動き出したタイミング以降のタイミングで示唆画像として候補画像を表示するようにしてもよい。
【0364】
タイマ演出で説明した「動作対応演出(操作演出)」は、遊技者が動作したときに応じて実行する演出であり、
図22(C)~(E)のように、たとえば、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるように演出が制御される。動作対応演出が実行される割合(頻度)を高くすることは、
図21等に示した操作促進表示を実行する頻度を高く設定することより実現してもよい。また、割合(頻度)を高くする動作対応演出は、操作促進表示を実行した後遊技者の実際の動作が検出されなくても、動作の検出有効期間の経過時において、自動的に動作対応演出が実行されるものが含まれてもよい。
【0365】
図20に示す操作演出表示領域95においては、操作演出が実行されるときの操作有効期間を特定画像な画像を表示してもよい。その場合には、操作有効期間の表示がタイマ表示と見間違えられないようにするのが好ましい。たとえば、操作有効期間の表示は、数値ではなく、メーター表示のゲージの増減により操作有効期間を示してもよく、ボタン画像またはスティック画像を操作有効期間中に明滅表示させる等により操作有効期間を示してもよい。
【0366】
図23に示すように、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、1種類に固定されたように表示されるものと、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとが混在している例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、すべての操作演出について、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとしてもよく、すべての操作演出について、1種類に固定されたように表示されるものとしてもよい。
【0367】
図23に示すように、複数の操作演出については、大当りの期待度が異なっても、同じ種類の演出が予め定められた順番で実行される例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出については、大当りの期待度に応じて、実行される演出の種類が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの期待度が高い程、希少な演出(プレミア演出)が実行可能となるようにしてもよい。
【0368】
図23に示すように、複数の操作演出については、異なる種類の演出が実行される例を示した。しかしこれに限らず、所定のストーリー(物語)に従った1種類の演出を複数回に分けて実行し、操作演出ごとにストーリが進んでいくような演出を実行してもよい。
【0369】
図20に示すように、複数の操作演出については、一定間隔で実行される例を示した。しかし、これに限らず、不定間隔で実行されるようにしてもよい。また、複数の操作演出の実行間隔は、抽選によりランダムな実行間隔となるようにしてもよい。
【0370】
前述した演出期間が最も短い第1演出については、複数回の操作演出を実行することを可能としてもよい。その場合においては、第1演出~第3演出においては、演出期間の短い演出は、演出期間が長い演出よりも短い時間間隔で操作演出を実行するようにしてもよい(たとえば、第3演出の10秒間隔に対し、第1演出は3秒間隔等)。
【0371】
図20(C)に一例を示したようにタイマ表示時における操作演出の実行間隔は、1種類(10秒)であるものを示したが、これに限らず、タイマ表示時における操作演出の実行間隔は、複数種類(たとえば、5秒、10秒、15秒)設けてもよく、複数種類のうちから抽選により選択した実行間隔で操作演出を実行してもよい。
【0372】
動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出として、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出を示唆してもよく、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出とは特に関係なく、実行されるスーパーリーチの種類等のその他の情報を示唆してもよい。
【0373】
動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、操作手段の操作検出ごとに、いずれか一方の示唆をしてもよく、可変表示の開始時において、演出の進行に応じてどちらの示唆をするかを演出制御用CPU120が抽選により選択決定しておき、その選択決定に沿って示唆する演出を実行するようにしてもよい。
【0374】
図23に示すように、複数回の操作演出の実行順番パターンとしては、予め固定的に定められたもの(複数種類の操作手段の順番が交互のように規則的に定められたものでもよく、複数種類の操作手段の順番が不規則に定められたものでもよい)を実行してもよく、可変表示開始時等に実行順番を抽選によりランダムに決定されたものを実行してもよい。
【0375】
前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、プッシュボタン31Bおよびスティックコントローラ31Aのような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能なプッシュセンサ35Bおよびコントローラセンサユニット35Aのような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
【0376】
前述した操作演出については、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出において、操作演出が実行可能である例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出においては、操作演出が1回も実行されないようにしてもよい。そのような制御例も、第3演出のような演出期間が長い演出において、第1演出のような演出期間が短い演出と比べて、高い割合(頻度)で操作演出を実行可能な一制御例として含まれる。
【0377】
領域演出は第1領域910および第2領域920のいずれか一方の領域でのみしか実行されないようにしてもよい。なお、このような場合には、いずれか一方の領域で領域演出を実行すると決定した場合には、他方の領域で領域演出を実行しないように制限するようにしてもよい。
【0378】
前述した実施の形態では、第1領域910においてタイマ演出(ガセ演出)が実行される場合には、第2領域920ではタイマ演出の実行が制限される場合について説明した。しかし、第1領域910と第2領域920との両方の領域において、同時にタイマ演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、第1領域910に表示されるタイマ表示940の数値と第2領域920に表示されるタイマ表示940の数値とが同時に更新されるようにしてもよい。また、そのときの数値は一方の領域と他方の領域とで同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、一方の領域での数値のカウントダウンが終了した後に他方の領域での数値のカウントダウンが開始されるようにしてもよい。
【0379】
前述した実施の形態では、第1領域910および第2領域920においてタイマ演出が実行されるようにしてもよい。そして、第1領域910と第2領域920とにおいたタイマ表示940の数値が同時に0秒を示す値となったときに、所定の演出が実行がされるようにしてもよい。このような場合には、一方の領域のみにおいてタイマ演出が実行されるよりも両方の領域においてタイマ演出が実行される場合の方が大当り値期待が高くなるように設定してもよい。
【0380】
領域演出が実行されるタイミングは、変動開始時またはリーチ開始前時以外のタイミングであってもよい。たとえば、リーチ成立時やリーチ中の所定のタイミング、擬似連の最可変表示の開始時のタイミング、SPリーチの開始タイミング、先読み演出を実行するときのタイミング等のタイミング実行されるようにしてもよい。また、実行されるタイミングにより大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、複数のタイミングのうち2つ以上のタイミングで実行されるようにしてもよい。
【0381】
前述した実施の形態では、大当り遊技中の保留連予告としてタイマ表示を行ってもよい。保留連予告とは、大当り表示結果となった時点の保留記憶および大当り遊技中の保留記憶を先読みし、当該保留記憶に新たな大当りを発生させるものが存在している、いわゆる、保留連チャン(大当り遊技状態が連続して発生すること)が生じていることを予告するものをいう。たとえば、このような保留記憶がある場合には、大当りの終了前の所定のタイミングでタイマ演出を開始し、タイマの数値が0となったタイミングで大当りとなる保留記憶の可変表示が開始されるようにすればよい。
【0382】
前述した実施の形態では、大当りのラウンド中にタイマ演出を実行してもよい。このような場合には、たとえば、タイマの数値が0となったタイミングで保留連予告を実行してもよいし、確変状態であることを示す確変告知を実行してもよいし、ラウンドが継続するか否かを示すラウンド継続告知を実行してもよい。
【0383】
特殊演出時とタイマ演出時とに実行される演出は、同時に決定されてもよく、特殊演出時とタイマ演出時とで実行される演出を別々に決定するようにしてもよい。また、特殊演出で実行される演出を決定するときは枠色を決定し、タイマ演出で実行される演出を決定するときはタイマの表示色を決定するようにしてもよい。
【0384】
前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときにタイマ演出が複数回実行されるようにしてもよい。このような場合には、将来実行されるタイマ演出の実行回数を示すようにしてもよい。たとえば、「×2」と表示するときには、タイマ演出が2回実行されることを示すようにすればよい。また、タイマ演出の実行回数をタイマ画像を複数個表示することで示してもよい。
【0385】
前述した実施の形態では、第2領域920において実行される演出について、期間表示が実行される場合と期間表示以外の特定表示が実行される場合とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、期間表示が実行される場合には、特定表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、特定表示が実行される場合には、期間表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
【0386】
前述した実施の形態では、第2領域920の枠が画像表示装置5の画面上で常に表示されている場合を示した。しかし、第2領域920の枠は、領域演出が実行されるタイミングでのみ表示されるようにしてもよい。また、第2領域920についても特殊演出が実行されるようにしてもよい。
【0387】
前述した実施の形態では、タイマ表示が0となったときに実行される所定演出は、どのような演出であってもよい。たとえば、所定演出としてリーチ図柄が停止するもの、擬似連演出を実行する際の擬似連図柄が停止するもの、大当り確定となる予告を実行するもの(大当り確定音やプレミアム予告等)、所定のスーパーリーチに発展するもの、役物が動作するものが実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマ表示が0となったタイミングにおいて、複数種類の演出の中から選択されるいずれかの演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、擬似連図柄の停止するタイミングにおいて、一発告知(大当り確定予告)が実行されるようにすると、遊技者に意外性を与え、遊技の興趣を向上させることができる。
【0388】
前述した実施の形態では、第1領域910と第2領域920との両方の領域において、領域演出を実行するときは、一方の領域でタイマ演出を実行し、その値が0となったときに、他方の領域でタイマ演出が開始されるようにしてもよい。
【0389】
前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、前述した実施の形態のタイマ演出が実行されるようにすればよい。
【0390】
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
【0391】
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
【0392】
前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
【0393】
前述した実施の形態では、可変表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの可変表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
【0394】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0395】
1 パチンコ遊技機、5 画像表示装置、100 遊技制御用マイクロコンピュータ、120 演出制御用CPU。