IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフトの特許一覧

特許7080926クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス
<>
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図1
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図2
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図3
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図4
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図5
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図6
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図7
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図8
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図9
  • 特許-クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】クリーニング方法、制御装置及び接続デバイス
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/42 20060101AFI20220530BHJP
   B01D 46/71 20220101ALI20220530BHJP
【FI】
B01D46/42 Z
B01D46/71
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020113778
(22)【出願日】2020-07-01
(62)【分割の表示】P 2017523465の分割
【原出願日】2015-10-14
(65)【公開番号】P2020182941
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】14003655.9
(32)【優先日】2014-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】202014008509.9
(32)【優先日】2014-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503137975
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】バウアー ライナー
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-503120(JP,A)
【文献】国際公開第2014/110354(WO,A1)
【文献】特開2008-221106(JP,A)
【文献】特表平09-504222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D46/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニングデバイス(20)にフィルタ(19)を接続する接続デバイス(18)であって、該接続デバイス(18)は1つの側壁(33)を有し、該側壁(33)は、前記接続デバイス(18)の縦軸(L)に沿って拡大する内部断面(Q)を定めるとともに、割り当てられた主軸(H)を有する横方向の開口部(34)を含み、
前記側壁(33)は、開口部(34)を含む第1の区分(35)と、最大内部断面(Q1)の領域における、開口部を含まない第2の区分(36)と、前記接続デバイス(18)の最小内部断面(Q2)を含む第3の区分とを有し、
前記接続デバイス(18)は、前記第2の区分(36)の軸端で前記フィルタ(19)に接続するためのコネクタと、前記第3の区分(37)の軸端で前記クリーニングデバイス(20)に接続するためのコネクタと、を有する、
ことを特徴とする接続デバイス(18)。
【請求項2】
前記開口部(34)の前記主軸(H)は、前記側壁(33)に対して斜めに延び、それぞれの前記開口部(34)が開口する内部断面(Q)よりも大きな1つの内部断面(Q)の方向に外部から内部に向かい、及び/又は、
前記開口部(34)は、前記縦軸(L)に直交して整列する1又は2以上の平面(E)上に配向される、
請求項1に記載の接続デバイス。
【請求項3】
前記内部断面(Q)は、前記縦軸(L)に沿って、5°よりも大きな、及び/又は18°よりも小さな第1の角度(W1)で拡大する、
請求項1又は2に記載の接続デバイス。
【請求項4】
前記開口部(34)の前記主軸(H)は、前記縦軸(L)に第2の角度(W2)で交差し、及び/又は、前記開口部(34)の前記主軸(H)は、前記接続デバイス(18)の縦断面図において、前記縦軸(L)との間に第2の角度(W2)を有し、該第2の角度(W2)は、90°未満である、
請求項1から3の1項に記載の接続デバイス。
【請求項5】
最小内部断面(Q2)の直径又は幅が、30mmよりも大きく及び/又は70mmよりも小さく、及び/又は前記最大内部断面(Q1)の直径又は幅の20%よりも大きく及び/又は60%よりも小さい、
請求項1から4の1項に記載の接続デバイス。
【請求項6】
前記開口部(34)は、1又は2以上の平面(E)内に配向され、前記平面(E)は、それぞれ少なくとも3つの開口部(34)によって定められ、及び/又は前記平面(E)内に、少なくとも3つの開口部(34)がそれぞれ配置される、
請求項1から5の1項に記載の接続デバイス。
【請求項7】
前記平面(E)は、前記縦軸(L)に沿って、互いに分離し及び/又は互いに平行に配置される、
請求項1から6の1項に記載の接続デバイス。
【請求項8】
平面(E)当たりの前記開口部(34)の数は、内部断面(Q)の拡大と共に増加する、
請求項1から7の1項に記載の接続デバイス。
【請求項9】
前記開口部(34)は、前記最大内部断面(Q1)の直径又は幅の2%を上回る、及び/又は20%を下回る、直径又は幅を有する、
請求項1から8の1項に記載の接続デバイス。
【請求項10】
前記開口部(34)は、少なくとも5mmの及び/又は最大で40mmの、直径及び/又は幅を有する、
請求項1から9の1項に記載の接続デバイス。
【請求項11】
前記開口部(34)は、該開口部(34)の前記直径又は前記幅よりも大きな長さを有する細長い形状又は管状に形成される、
請求項1から10の1項に記載の接続デバイス。
【請求項12】
前記開口部を含まない区分(36)は、前記縦軸(L)に沿って少なくとも部分的に拡大する内部断面(Q)を有する、
請求項1から11の1項に記載の接続デバイス。
【請求項13】
前記第3の区分(37)は、一定の内部断面(Q)を有する、
請求項1から12の1項に記載の接続デバイス。
【請求項14】
前記接続デバイス(18)は、前記フィルタ(19)を前記クリーニングデバイス(20)に強固に接続するように構成される、
請求項1から13の1項に記載の接続デバイス。
【請求項15】
フィルタ(19)をクリーニングするクリーニングデバイス(20)であって、前記フィルタ(19)を前記クリーニングデバイス(20)に接続する接続デバイス(18)を備え、
前記接続デバイス(18)は側壁(33)を有し、該側壁(33)は、内部断面(Q)を定め、該内部断面(Q)は縦軸(L)に沿って拡大するとともに、横方向に開口部(34)を有し、
前記側壁(33)は、開口部(34)を含む第1の区分(35)と、最大内部断面(Q1)の領域における、開口部を含まない第2の区分(36)と、前記接続デバイス(18)の最小内部断面(Q2)を含む第3の区分とを有し、
前記接続デバイス(18)は、前記第2の区分(36)の軸端で前記フィルタ(19)に接続するためのコネクタと、前記第3の区分(37)の軸端で前記クリーニングデバイス(20)に接続されたコネクタと、を有する、
ことを特徴とするクリーニングデバイス。
【請求項16】
前記内部断面(Q)は、前記フィルタ(19)の方向に拡大し、前記クリーニングデバイス(20)の方向に先細になる、
請求項15に記載のクリーニングデバイス。
【請求項17】
前記接続デバイス(18)は、請求項1から14の1項に記載されるように構成される、
請求項15又は16に記載のクリーニングデバイス。
【請求項18】
前記クリーニングデバイス(20)は、第1のガスを用いて、前記フィルタ(19)を前記拡大する内部断面(Q)の方向にクリーニングするように構成され、
前記接続デバイス(18)は、前記第1のガスの質量流量を、第2のガスを用いて前記拡大する内部断面(Q)の方向に増加させ、
前記接続デバイス(18)は、前記開口部(34)を通じて、第2のガスを吸引するように構成される、
請求項15から17の1項に記載のクリーニングデバイス。
【請求項19】
フィルタ(19)と、該フィルタ(19)をクリーニングするクリーニングデバイス(20)とを備えた濾過システム(17)であって、
前記フィルタ(19)は、接続デバイス(18)によって前記クリーニングデバイス(20)に接続され、前記接続デバイス(18)は1つの側壁(33)を有し、該側壁(33)は、1つの縦軸(L)に沿って拡大する内部断面(Q)を定めるとともに、横方向に開口部(34)を有し、
前記側壁(33)は、開口部(34)を含む第1の区分(35)と、最大内部断面(Q1)の領域における、開口部を含まない第2の区分(36)と、前記接続デバイス(18)の最小内部断面(Q2)を含む第3の区分とを有し、
前記接続デバイス(18)は、前記第2の区分(36)の軸端で前記フィルタ(19)に接続されたコネクタと、前記第3の区分(37)の軸端で前記クリーニングデバイス(20)に接続されたコネクタと、を有する、
ことを特徴とする濾過システム。
【請求項20】
前記接続デバイス(18)は、請求項1から14の1項に記載されるように構成される、及び/又は
前記クリーニングデバイス(20)は、請求項15から18の1項に記載されるように構成される、
請求項19に記載の濾過システム。
【請求項21】
前記濾過システム(17)は、前記フィルタ(19)によって浄化された第3のガス及び/又は清浄ガス(26)を、前記開口部(34)を通じて内部から外部に差し向けるように構成される、
請求項19又は20に記載の濾過システム。
【請求項22】
設備ハウジング(2)と、フィルタ(19)と、該フィルタ(19)をクリーニングするクリーニングデバイス(20)とを備えた設備(1)であって、
前記設備ハウジング(2)は、前記フィルタ(19)を前記クリーニングデバイス(20)に接続するように構成された接続デバイス(18)を内部に有し、前記接続デバイス(18)の側壁(33)は、1つの縦軸(L)に沿って拡大する内部断面(Q)を定めるとともに、横方向に開口部(34)を有し、
前記側壁(33)は、開口部(34)を含む第1の区分(35)と、最大内部断面(Q1)の領域における、開口部を含まない第2の区分(36)と、前記接続デバイス(18)の最小内部断面(Q2)を含む第3の区分とを有し、
前記接続デバイス(18)は、前記第2の区分(36)の軸端で前記フィルタ(19)に接続されたコネクタと、前記第3の区分(37)の軸端で前記クリーニングデバイス(20)に接続されたコネクタと、を有する、
ことを特徴とする設備。
【請求項23】
前記設備ハウジング(2)は、第1のガスを前記クリーニングデバイス(20)に供給するように構成された貯蔵装置(28)を内部に有し、及び/又は、
前記設備ハウジング(2)は、クリーニング工程(57)を引き起こす弁(31)を内部に有し、及び/又は、
前記貯蔵装置(28)は、前記第1のガスを前記フィルタ(19)の複数のフィルタ区分(21)に供給するように構成されている、
請求項22に記載の設備。
【請求項24】
前記貯蔵装置(28)は、ガス貯蔵器として及び/又は管路網として構成される、及び/又は
前記貯蔵装置(28)は、少なくとも基本的にリングとして又は環状に形成される、
請求項22又は23に記載の設備。
【請求項25】
前記接続デバイス(20)は、請求項1から14の1項に記載されるように構成される、及び/又は
前記クリーニングデバイス(20)は、請求項15から18の1項に記載されるように構成される、
請求項22から24の1項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の、フィルタを分割クリーニングするクリーニング方法、請求項14に記載の、クリーニング方法を実行する制御装置、請求項15の前文に記載の、フィルタをクリーニングデバイスに接続する接続デバイス、請求項34の前文に記載の、フィルタをクリーニングするクリーニングデバイス、請求項42の前文に記載の、フィルタと、フィルタをクリーニングするクリーニングデバイスとを含む濾過システム、並びに請求項46の前文に記載の、設備ハウジングと、フィルタと、フィルタをクリーニングするクリーニングデバイスとを含む、特に被覆工程のための設備に関する。
【0002】
本発明における「クリーニング方法」という用語は、特にフィルタによる濾過前、濾過中及び/又は濾過後における、フィルタ、濾過システム及び/又は設備のクリーニングの計画、分析、実施、協調、調整及び/又は制御を行う全ての方法、手順及び処理として定義される。
【背景技術】
【0003】
多くの設備及び/濾過システムでは、汚れた又は詰まったフィルタをクリーニングするためにクリーニング方法が必要とされる。複数のフィルタ区分を有するフィルタ、特にフィルタカートリッジを分割クリーニングするための現在のクリーニングシステムでは、フィルタ区分が、不変の又は一定の時間間隔だけ互いに分離したクリーニング工程でクリーニングされる。これにより、フィルタ、又はフィルタ区分のうちの1つのフィルタ区分が、クリーニング時に未だ必要でないにも関わらずクリーニングされているということが起こり得る。特に、このようなクリーニング方法では、フィルタ上に生じる濾過ケーキが、クリーニングによって過度に早く及び/又は過度に遅く洗い落とされ、又は除去されることがある。従って、このようなクリーニング方法には、さらなる回避可能コストも伴う。
【0004】
本発明における「接続デバイス」という用語は、例えば、好ましくはフィルタをクリーニングデバイスに流体的に接続するように構成されたアダプタ又は中間要素のような、特に濾過システム、クリーニングデバイス及び/又は設備のための構造装置であることが好ましい。特に、接続デバイスは、媒体、具体的にはクリーニングデバイスの流体を、好ましくはクリーニングデバイスに接続されるフィルタに導くように構成される。
【0005】
本発明における「クリーニングデバイス」という用語は、好ましくは空気圧で、及び/又は圧縮空気を用いて、好ましくは割り当てられたフィルタをクリーニングし、好ましくはフィルタ内又はフィルタ上の粒子及び/又はフィルタ上に生じた或いは生じつつある濾過ケーキをフィルタから部分的に又は完全に除去するように構成されたデバイスとして定義される。
【0006】
クリーニングデバイスは、特にフィルタによる濾過中にフィルタ内に見られる流れ方向に対して少なくとも基本的に逆らう圧力パルスを生じることが特に好ましい。クリーニングデバイスは、フィルタ又は濾過システムの連続動作(オンライン動作モード)中にも、フィルタ又は濾過システムの動作中断(オフライン動作モード)時にも使用される。
【0007】
本発明における「濾過システム」という用語は、少なくとも1つのフィルタと、このフィルタをクリーニングする少なくとも1つのクリーニングデバイスとを有するシステムとして定義されることが好ましい。濾過システムのフィルタは、流体から流体の固形物/粒子を濾過の範囲内で除去及び/又は濾過するように構成されることが好ましい。具体的には、フィルタのフィルタ媒体によって、フィルタ媒体内で、及び/又はフィルタ媒体上に生じた又は生じつつある濾過ケーキによって、浄化対象の流体の粒子の分離が起きる。この定義によれば、特にフィルタは、特にケーキ濾過及び/又は深層濾過によってガス又は粗ガスの粒子を分離するように構成されたフィルタカートリッジ又はフィルタホースなどの表面フィルタである。
【0008】
本発明における「設備」という用語は、特に産業設備及び/又はプロセス工学設備として定義される。本発明では、これらの設備が、層を有する製品を被覆する被覆設備であることが好ましい。特に、この定義による設備は、ペレットなどの医薬製品を被覆するように構成される。被覆は、流動床プロセスを用いて行われ、特に被覆対象の製品は、流動床として流動化されることが好ましい。この定義による設備は、特に被覆工程中に粗ガスから粉塵などの粒子を分離するために、及び/又は再びこれらを被覆工程に供給するために、フィルタと、このフィルタをクリーニングするクリーニングデバイスとを含む濾過システムを有することが好ましい。
【0009】
汚れた又は詰まったフィルタの多くのクリーニング方法では、クリーニングデバイスが必要とされる。現在のクリーニングデバイス、濾過システム及び/又は設備は、浄化媒体又は清浄ガスが、濾過中にフィルタから、特にフィルタのフィルタ出口から脱出できるように、割り当てられたフィルタから離間したクリーニングデバイスを有する。独国実用新案第29823965号及び欧州特許第1507579号には、圧縮空気による個々のフィルタカートリッジのクリーニング及び再生のためにフィルタの上方に配置されて離間され、クリーニング目的で最初に圧縮空気パルス注入器システムを取り囲む空間内に、次にそれぞれのフィルタカートリッジ内に圧縮空気を吹き付ける圧縮空気パルス注入器システムが開示されている。クリーニングデバイスの出口と、この時にクリーニングされるフィルタカートリッジとの間の距離に基づいて高流動損失が生じ、これによってそれぞれのフィルタカートリッジの、特にそのネック領域が完全にクリーニングされず、及び/又は頻繁に及び/又は繰り返しクリーニングする必要性が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】独国実用新案第29823965号明細書
【文献】欧州特許第1507579号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、フィルタをクリーニングするクリーニング方法と、改善された、信頼できる、効率的な及び/又は経済的なフィルタのクリーニング、及び/又はこのフィルタによる濾過を可能にし、又は支援する、フィルタをクリーニングするクリーニング方法を実行する制御装置とを考案することである。さらに、本発明の目的は、特にフィルタをクリーニングデバイスに接続する接続デバイス、クリーニングデバイス、濾過システム及び設備を考案する結果として、コンパクトな構造、及び/又はフィルタ及び/又はフィルタのフィルタ区分の信頼できる、効率的な、経済的な、維持が楽な及び/又は低損失なクリーニングを可能にし、又は支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1に記載のクリーニング方法、請求項14に記載の制御装置、請求項15の接続デバイス、請求項34のクリーニングデバイス、請求項42に記載の濾過システム、又は請求項46に記載の設備によって達成される。有利な展開は、従属請求項の主題である。
【0013】
本発明の1つの態様では、互いに時間的に分離したクリーニング工程における1つのクリーニングサイクル内でフィルタ区分がクリーニングされ、このクリーニング方法は、少なくとも2つのクリーニングサイクルを有し、それぞれのクリーニングサイクル内のクリーニング工程間の1つの時間間隔と、クリーニングサイクルのうちの1つのクリーニングサイクルの終了と次のクリーニングサイクルの開始との間の1つの時間間隔とが変化する。このようにすると、全体的に必要なクリーニング工程の回数を減少させ、フィルタ区分上にできるだけ長く濾過ケーキを残し、及び/又はそれぞれのクリーニングサイクル内のクリーニング工程間の時間又は時間間隔、並びにクリーニングサイクルのうちの1つのクリーニングサイクルの終了と次のクリーニングサイクルの開始との間の時間間隔を最適化及び/又は変更することが可能になり、このクリーニング方法によって、より確実に、効率的に及び/又は経済的にフィルタが完全にクリーニングされるようになる。
【0014】
本発明の独立して達成可能な別の態様によれば、フィルタが、少なくとも3つのフィルタ区分を有し、これらのフィルタ区分が、互いに時間間隔だけ分離されたクリーニング工程においてクリーニングされ、連続するクリーニング工程間の時間間隔が変化する。このようにして、上述した利点を達成することができる。
【0015】
それぞれのクリーニングサイクル内のクリーニング工程間の時間間隔、並びにクリーニングサイクルのうちの1つのクリーニングサイクルの終了と次のクリーニングサイクルの開始との間の時間間隔は、フィードバック制御によって変化することが好ましい。これにより、好ましくは提案するクリーニング方法の完全な自動化が可能になり、具体的には、確実な、効率的な及び/又は経済的なフィルタのクリーニング、及び/又はフィルタによる濾過が達成される。
【0016】
フィードバック制御は、フィルタのフィルタ入口とフィルタ出口との間の差圧を調整し、及び/又はフィルタ入口とフィルタ出口との間の差圧がフィードバック制御における制御変数として使用されることが特に好ましい。これにより、フィードバック制御を用いて、差圧に応じて時間間隔を変化させることが可能になるという利点が得られる。
【0017】
提案するクリーニング方法の特に好ましい1つの形態では、差圧又は制御偏差が、好ましくは低域通過特性を有する制御フィルタを用いて、及び/又は1又は2以上のクリーニング工程によって生じる差圧のピーク及び/又は変動が少なくとも基本的に抑制及び/又はフィルタ処理されるようにフィルタ処理される。これにより、このクリーニング方法が確実及び/又は安定的であることが保証される。
【0018】
1つのクリーニングサイクル内のクリーニング工程間の時間間隔は一定であり、及び/又は一定値に保たれることが特に好ましい。このようにすると、クリーニング方法の複雑性が低下し、考えられる故障源が最小化される。
【0019】
1つの提案する制御装置は、提案するクリーニング方法を実行するように構成され、少なくとも1つの圧力センサを用いてフィルタのフィルタ入口とフィルタ出口との間の差圧を特定し、及び/又は弁にクリーニング工程を開始させるように構成されることが好ましい。このようにして、上述した利点を同様に達成することができる。
【0020】
やはり本発明の独立して達成可能なさらに別の態様では、接続デバイスが側壁を有し、この側壁が、接続デバイスの縦軸に沿って拡大する内部断面を定めるとともに、割り当てられた主軸を有する横方向の開口部を含み、開口部の主軸は、側壁に対して斜めに延び、それぞれの開口部が開口する内部断面よりも大きな1つの内部断面の方向に外部から内部に向かう。このようにして、提案する接続デバイスは、クリーニングデバイスに対するフィルタの直接接続、及び/又はクリーニング中及び濾過中におけるクリーニングデバイスの支援を可能にする。
【0021】
具体的には、フィルタをクリーニングしている媒体は、クリーニング中及び/又はクリーニングのためにクリーニングデバイスから接続デバイスを介して直接フィルタに進み、フィルタによって浄化された媒体又は清浄ガスは、接続デバイスの開口部を通じて内部から外部にフィルタから逃れる。この結果、フィルタのそれぞれの動作のために接続デバイスを交換し、変更し、又は空間的に移動させる必要がなくなる。
【0022】
側壁に対して斜めに延びる開口部は、クリーニング中にも濾過中にも流動損失を低減することが好ましい。
【0023】
接続デバイスの構造様式は、フィルタをクリーニングする媒体の質量流量及び/又は圧力を増加させ、及び/又はクリーニング中に接続デバイスの側壁上で起こりうる流れ分離のリスクを低下させることが好ましく有利である。
【0024】
やはり本発明の独立して達成可能な別の態様によれば、接続デバイスの開口部が、接続デバイスの縦軸に直交して整列した1又は2以上の平面に配向される。これにより、接続デバイスの経済的な製造が可能になり、特に接続デバイスが安定性を失うことなく、接続デバイスの側壁にできるだけ多くの開口部を設けることが可能になる。
【0025】
やはり本発明の独立して達成可能な別の態様によれば、側壁が、最大内部断面の領域に、開口部を含まない区分を有する。このようにして、クリーニング中の流動損失が低減され、及び/又は、特にフィルタをクリーニングしている媒体が接続デバイスの開口部を通じて内部から外部に流れ、従ってフィルタのクリーニングに寄与しないようにならずに、クリーニング中に接続デバイスによる圧力上昇が可能になる。
【0026】
提案するフィルタクリーニングのためのクリーニングデバイスは、クリーニングデバイスにフィルタを接続する、提案する接続デバイスを有することが好ましい。このようにして、上述した利点を達成することができる。
【0027】
フィルタとフィルタクリーニングのためのクリーニングデバイスとを含む提案する濾過システムは、クリーニングデバイスにフィルタを接続する、提案する接続デバイスを有することが好ましい。このようにして、上述した利点を同様に達成することができる。
【0028】
設備ハウジングと、フィルタと、フィルタクリーニングのためのクリーニングデバイスとを含む、特に被覆工程のための提案する設備は、提案する接続デバイスを有する。このようにして、上述した利点を同様に達成することができる。
【0029】
やはり本発明の独立して達成可能な別の態様によれば、設備が、具体的には圧縮空気である、フィルタをクリーニングする媒体をクリーニングデバイスに供給するように構成された貯蔵装置を内部に有する設備ハウジングを有する。これにより、クリーニングデバイスと設備ハウジングの外部に配置された貯蔵装置との間の距離が減少する。これに伴い、クリーニングデバイスの流動損失が低減され、及び/又は設備ハウジング内の既存の構成空間が効率的に使用され、及び/又はコンパクトな設備が可能になる。
【0030】
やはり本発明の独立して達成可能な別の態様によれば、設備ハウジングが、クリーニング工程を開始する弁を内部に有する。これにより、設備ハウジング内の構成空間の最適な使用、及び素早い制御、及び/又はクリーニングの調整が同様に可能になる。弁は、具体的には流体的に、及び/又はフィルタから離れた方を向いた一端、又は接続デバイスの内部断面が縮小する端部において、貯蔵装置を接続デバイスに接続することが好ましい。
【0031】
上述した態様、並びに特許請求の範囲及び以下の説明から生じる他の態様及び特徴は、互いに独立して実装することも、いずれかの組み合わせで実装することもできる。
【0032】
特許請求の範囲、及び図面を用いた以下の好ましい実施形態の説明からは、本発明の他の利点、特徴、特性及び態様が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】提案する濾過システムと、提案する接続デバイスと、提案するクリーニングデバイスとを含む、提案する設備の概略断面図である。
図2】提案する接続デバイスの斜視図である。
図3】接続デバイスと、閉じた状態の弁と、フィルタの区画とを含む、提案する濾過システムの概略断面図である。
図4】開いた状態の弁を含む図3による濾過システムの概略断面図である。
図5】貯蔵装置及び複数の制御装置を含む、提案する濾過システム及び提案するクリーニングデバイスの概略平面図である。
図6】フィルタの第1のフィルタ区分をクリーニング中の、提案する濾過システム含む提案する設備の概略側面図である。
図7】フィルタの第2のフィルタ区分をクリーニング中の、図6による設備の概略側面図である。
図8】提案するクリーニング方法の基礎を成すフィードバック制御の概略ブロック図である。
図9】クリーニング方法の第1の形態による、提案するクリーニング方法における時間の関数としての圧力の概略図である。
図10】クリーニング方法の第2の形態による、提案するクリーニング方法における時間の関数としての圧力の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
一部が縮尺通りでない概略図では、同一又は同様の部分に同じ参照番号を用いており、説明を繰り返していない場合でも、同様又は同等の特性及び利点を達成することができる。
【0035】
図1に示す設備1は、被覆工程を実行するように構成されることが好ましい。具体的には、設備1は、ペレット(図示せず)生産のための、及び/又は好ましくは医薬製品の範囲内におけるペレット化のための流動床被覆設備である。
【0036】
設備1は、ハウジング入口3及びハウジング出口4を含む設備ハウジング2を有することが好ましい。
【0037】
設備ハウジング2は、反応器として構成されることが好ましい。設備ハウジング2内では、ペレット化及び/又はペレットの被覆/生産が行われることが特に好ましい。
【0038】
設備ハウジング2は、入口空気領域5と、噴霧領域6と、フィルタ領域7と、ドーム領域/清浄ガス領域8とに分割され、及び/又は分割できることが好ましい。
【0039】
ハウジング入口3は、設備1及び/又は設備ハウジング2、特に入口空気領域5に入口空気9を供給するように構成された入口空気システム(図示せず)に流体的に接続され、特に入口空気9は、入口空気システムによって被覆のために調整されることが好ましい。
【0040】
入口空気領域5は、有孔底部10によって噴霧領域6から分離されることが好ましい。
【0041】
具体的には、入口空気9は、入口空気領域5から有孔底部10を通じて噴霧領域6内に差し向けられ又は案内される。
【0042】
設備1は、被覆工程のための懸濁液12又は別の流体を内部に収容する懸濁液タンク11を有することが好ましい。
【0043】
懸濁液12は、懸濁液ポンプ13によって懸濁液管路14を介して設備ハウジング2に供給され、及び/又は設備ハウジング2内にポンプ注入されることが好ましい。
【0044】
噴霧領域6には、設備ハウジング2内で、具体的には噴霧領域6において懸濁液12を霧化するように、及び/又は懸濁液12をペレット(図示せず)に付与するように構成された1又は2以上のノズル15が存在することが好ましく、ペレットは流動床被覆工程の範囲内で流動化され、及び/又は噴霧領域6において流動床として移動することが好ましい。
【0045】
ノズル15は、パイプ内に、具体的にはワースターパイプ(Wurster pipe)16内にそれぞれ配置されることが好ましい。
【0046】
ペレットは、ワースターパイプ16内でノズル15を過ぎて導かれ、ノズル15によって懸濁液12を噴霧され、及び/又は懸濁液12で被覆されることが好ましい。ワースターパイプ16内のペレットは、入口空気9によって上向きに及び/又は重力に逆らって導かれ、又は吹き飛ばされることが好ましい。
【0047】
ペレットは、ワースターパイプ16の外部では、有孔底部10の方向に及び/又は重力によって下向きに落下することが好ましい。このようにして、ペレットは、設備ハウジング2内の少なくとも基本的に楕円形の経路に沿って被覆される。
【0048】
図示の実施形態は、具体的には底部噴霧形態であり、ノズル15は上向きであることが好ましい。しかしながら、設備1及び/又は設備ハウジング2内の他の実施形態又は配置も可能である。
【0049】
フィルタ領域7には、提案する濾過システム17が存在することが好ましい。
【0050】
濾過システム17は、濾過システム17に割り当てられたフィルタ19を、やはり濾過システム17に割り当てられたクリーニングデバイス20に接続するように構成された接続デバイス18を有することが好ましい。接続デバイス18は、フィルタ19又はクリーニングデバイス20の一部とすることも、或いはこれらに接続することも、及び/又は別個に実装することもできる。
【0051】
好ましくは粒子フィルタであるフィルタ19は、設備ハウジング2内に、具体的には噴霧領域6の上方、及び/又はフィルタ領域7内、及び/又はハウジング出口4の領域内に配置されることが好ましい。しかしながら、他の配置及び/又は設計も可能である。
【0052】
フィルタ19は、具体的にはガス透過的な方法及び/又は粒子保持的な方法で、噴霧領域6をドーム領域8から分離することが好ましい。
【0053】
フィルタ19は、複数のフィルタ区分21を有し、及び/又は複数のフィルタ区分21に分割され、及び/又は分割できることが好ましい。フィルタ区分21は、互いに離間し、及び/又はフィルタ19の分離ユニットとして構成されることが特に好ましい。
【0054】
フィルタ区分21は、細長い、管状の、及び/又は円筒形の表面フィルタとして、具体的にはドーム領域8からフィルタ領域7内に突出することが好ましいフィルタカートリッジ22として構成されることが極めて特に好ましい。
【0055】
図1に示すように、具体的には粗ガス23である濾過対象媒体は、フィルタ19による濾過中にフィルタカートリッジ22を通じて外部から内部に流れることが好ましい。
【0056】
具体的には、フィルタ区分21又はフィルタカートリッジ22の表面がフィルタ入口24として構成され、破線で示すフィルタ区分21又はフィルタカートリッジ22の内部がフィルタ出口25として構成される。
【0057】
フィルタ19によって浄化又は濾過された、具体的には清浄ガス26である媒体は、好ましくは接続デバイス18によって設備ハウジング2のドーム領域8内に導かれ、その後に排気27としてハウジング出口4を介して設備ハウジング2から離れることが好ましい。
【0058】
具体的には、ペレットに付着しなかった懸濁液12の一部は、好ましくは粉塵として、具体的には懸濁粉塵又は粗ガス23として、噴霧領域6からフィルタ領域7に運ばれる。
【0059】
フィルタ19は、特に粉塵含有空気又は粗ガス23を濾過した後に、これを好ましくは接続デバイス18を用いて、清浄ガス26としてドーム領域8内に、及び/又はハウジング出口4に差し向けるように構成される。
【0060】
フィルタ19及び/又は個々のフィルタ区分21は、粗ガス23の濾過中に粒子で、具体的には懸濁粉塵で次第に詰まることが好ましい。
【0061】
クリーニングデバイス20は、フィルタ19をクリーニングするように構成されることが好ましい。具体的には、クリーニングデバイス20は、フィルタ19及び/又はフィルタ表面から懸濁液12の粉塵又はその他の粒子を除去し、及び/又はこれをフィルタ領域7から噴霧領域6内に運び、具体的には吹き飛ばすように構成される。図1では、クリーニングデバイス20が作動しておらず、又はクリーニングが行われていない。
【0062】
クリーニングデバイス20は、設備1内に、具体的には設備ハウジング2内に少なくとも部分的に又は完全に配置されることが特に好ましい。図示の配置では、クリーニングデバイス20が、ドーム領域8内に、及び/又は清浄ガス側に、及び/又はフィルタ19及び/又は個々のフィルタ区分21の上方に配置されている。しかしながら、他の配置も可能である。
【0063】
クリーニングデバイス20は、具体的には圧縮空気である媒体をクリーニングデバイス20に供給するように具体的に構成された1つの貯蔵装置28を有することが好ましい。
【0064】
貯蔵装置28は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に設備ハウジング2内に配置されることが好ましい。貯蔵装置28は、ドーム領域8内及び/又はフィルタ19の上方に配置されることが特に好ましい。
【0065】
設備1、濾過システム17及び/又はクリーニングデバイス20は、制御装置29を有することが好ましい。制御装置29は、特にクリーニングデバイス20及び/又はフィルタ19のクリーニングを制御又は調整するように構成される。
【0066】
図示の実施形態では、制御装置29が、好ましくは設備ハウジング2の外部に配置される。しかしながら、他の配置も可能である。
【0067】
設備1、濾過システム17、クリーニングデバイス20及び/又は制御装置29は、特に差圧DPを特定及び/又は測定するように構成された少なくとも1つの圧力センサ30を有することが好ましい。
【0068】
差圧DPは、流体の2つの静圧、動圧又は全圧間の差分であることが好ましい。具体的には、差圧DPは、粗ガス23の好ましくは静圧と、清浄ガス26の好ましくは静圧との間の差分である。
【0069】
差圧DPは、圧力センサ30を用いて、フィルタ入口24とフィルタ出口25との間で、ドーム領域8と設備ハウジング2の他の領域のうちの1つの領域との間で、及び/又はハウジング入口3とハウジング出口4との間で特定及び/又は測定されることが好ましい。
【0070】
制御装置29は、特にクリーニングデバイス20及び/又は濾過システム17に割り当てられた弁31を、差圧DPに応じて、及び/又は提案するクリーニング方法に従って制御又は調整することが好ましい。
【0071】
具体的には、特に好ましくはそれぞれの接続デバイス18によって、各フィルタ区分21又は各フィルタカートリッジ22に、同時に1つの弁31が割り当てられ、及び/又は1つの弁31に、同時に1つのフィルタ区分21又は1つのフィルタカートリッジ22が流体的に接続される。しかしながら、具体的には弁31が複数のフィルタ区分21に流体的に接続される他の設計も可能である。
【0072】
設備1、濾過システム17、クリーニングデバイス20及び/又は制御装置29は、1又は2以上の圧力センサ30を用いて差圧DPを特定及び/又は測定し、及び/又は1又は複数の弁31を作動させてフィルタ19をクリーニングするように構成されることが特に好ましい。
【0073】
設備1、濾過システム17、クリーニングデバイス20及び/又は制御装置29は、本明細書で後述する、提案するクリーニング方法を実行するように構成されることが好ましい。
【0074】
粗ガス23を濾過することにより、フィルタ19の、特にフィルタ区分21の表面には、時間と共に粉塵層、具体的には濾過ケーキ32が生じる。
【0075】
濾過ケーキ32の質量又は体積、特に厚み及び/又は密度は、濾過中及び/又は設備1の稼働中に増加することが好ましい。
【0076】
具体的には、濾過ケーキ32の質量、体積及び/又は密度の増加と共に、又はこの増加により、差圧DPも同様に上昇する。
【0077】
差圧DPは、少なくとも基本的に濾過ケーキ32の質量、体積及び/又は密度の関数であり、及び/又は濾過ケーキ32の質量、体積及び/又は密度との間に特に正の相関性があることが好ましい。
【0078】
具体的には、差圧DPが所与の値に達し、この値を超過し、又はこの値に近づくと、制御装置29は、1又は複数の弁31を制御又は調整して、好ましくは1又は複数の弁31が開き、及び/又は貯蔵装置28から1又は複数の弁31及び/又は接続デバイスを介してフィルタ19及び/又はフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分内に圧縮空気又は他の何らかの媒体が吹き付けられ又は差し向けられるようにする。
【0079】
差圧DPは、フィルタ19及び/又はフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分のクリーニングによって、及び/又はクリーニング中に低下することが好ましい。
【0080】
以下では、最初に図2を用いて、提案する接続デバイス18を単独で説明し、その後に図3及び図4を用いて、取り付けた状態で説明する。
【0081】
図2は、接続デバイス18の斜視図である。
【0082】
接続デバイス18は、フィルタ19(図2には図示せず)をクリーニングデバイス20(図示せず)に接続するように構成され、接続デバイス18の1つの側壁33は、縦軸Lに沿って拡大する内部断面Qを定めるとともに、割り当てられた主軸Hを有する開口部34を含むことが好ましい。
【0083】
接続デバイス18は、少なくとも2つの、特に少なくとも50個の、特に好ましくは少なくとも100個の、及び/又は最大で1000個の、特に最大で500個の、極めて特に好ましくは最大で400個の開口部34を有することが好ましい。
【0084】
接続デバイス18は、少なくとも2つの、好ましくは3つの領域又は区分に分割され、又は分割できることが好ましい。
【0085】
開口部34は、接続デバイス18の第1の区分35内に配置されることが好ましい。
【0086】
接続デバイス18は、開口部が存在しない第2の区分36を有することが特に好ましい。具体的には、第2の区分36は、開口部を含んでおらず、及び/又は縦軸Lに沿って横方向に閉じている。第2の区分36は、第1の区分に直接及び/又は連続的に接し、及び/又は第1の区分と共に途切れのない又は連続的な流路壁を形成することが好ましい。
【0087】
具体的には、第2の区分36は、縦軸Lに沿って拡大する内部断面Q、及び/又は少なくとも部分的に最大内部断面Q1を有する。
【0088】
第2の区分36の各内部断面Qは、第1の区分35の内部断面Qのうちの1つの内部断面よりも大きいことが好ましい。
【0089】
第2の区分36は、接続デバイス18の長さ又は高さの、好ましくは少なくとも10%、特に好ましくは少なくとも20%、特に少なくとも30%、及び/又は最大で70%、特に好ましくは最大で60%、特に最大で50%まで延びる。
【0090】
接続デバイス18及び/又は側壁33は、好ましくは一定の、具体的には円筒形の内部断面Qを有する第3の区分37を有することが好ましい。第3の区分37は、第1の区分35に、好ましくは第2の区分36から離れた方を向く第1の区分35の側に直接隣接することが好ましい。
【0091】
第1の区分35、第2の区分36及び/又は第3の区分37は、密に接続され又は一体化されることが好ましい。
【0092】
第3の区分37の内部断面Qは、第2の区分36の内部断面よりも小さく、及び/又は第1の区分35の好ましくは最も小さな内部断面Q2以下であることが好ましい。具体的には、第3の区分37の内部断面Qは、接続デバイス18の最小内部断面Q2である。
【0093】
具体的には、第1の区分35及び/又は第3の区分37は、接続デバイス18の最小内部断面Q2を有する。
【0094】
最小内部断面Q2の幅又は直径は、33mmよりも大きく、及び/又は70mmよりも小さく、好ましくは少なくとも基本的に50.8mm(2インチ)に等しく、及び/又は接続デバイス18の最大内部断面Q1の直径又は幅の20%よりも大きく、好ましくは30%よりも大きく、及び/又は60%よりも小さく、好ましくは50%よりも小さいことが好ましい。
【0095】
接続デバイス18に割り当てられたフィルタ区分21の表面及び/又は接続デバイス18に割り当てられたフィルタカートリッジ22の表面と、最小内部断面Q2、及び/又はクリーニングデバイス20に隣接する接続デバイス18の内部断面Q2との比率は、特に無次元の特性数Kであることが特に好ましい。
【0096】
特性数Kは、以下の公式を通じて計算又は表現できることが好ましい。
K=AFilter/Q=dFilter*LFilter*4/dQ 2
この公式では、少なくとも基本的に円筒形のフィルタ区分21が想定され、及び/又はAFilterは、接続デバイス18に割り当てられたフィルタ区分21及び/又は接続デバイス18に割り当てられたフィルタカートリッジ22の表面であり、Qは、最小内部断面Q2であり、dFilterは、フィルタ区分21及び/又はフィルタカートリッジ22の内径又は外径であり、LFilterは、フィルタ区分21及び/又はフィルタカートリッジ22の長さ又は高さであり、dQは、最小内部断面Q2、及び/又はクリーニングデバイス20に隣接する内部断面Q2の直径又は幅であることが好ましい。特性数Kは、異なるフィルタ形状に従って計算することができる。
【0097】
接続デバイス18に割り当てられたフィルタ区分21の表面及び/又は接続デバイス18に割り当てられたフィルタカートリッジ22の表面と、最小内部断面Q2、及び/又はクリーニングデバイス20に隣接する内部断面Q2との比率、及び/又は特性数Kは、200よりも大きく、特に250よりも大きく、及び/又は3000よりも小さく、特に2500よりも小さいことが好ましい。
【0098】
内部断面Qは、接続デバイス18の縦軸Lに垂直な(最大)内部断面積、又は液圧断面或いは液圧断面積であることが好ましい。具体的には、内部断面Qは、接続デバイス18の側壁33によって取り囲まれた又は定められた領域である。
【0099】
接続デバイス18は、少なくとも一方の軸端及び/又は開口部又は口部領域に、特に接続デバイス18を成形嵌め、圧力嵌め及び/又は接合によってフィルタ19及び/又はクリーニングデバイス20、弁31及び/又は貯蔵装置28に接続するように構成された少なくとも1つの接続装置、具体的にはフランジ継手38及び/又はクランプ継手39を有することが好ましい。
【0100】
接続デバイス18、特に接続デバイス18の(単複の)接続装置は、接続デバイス18をフィルタ19に、接続デバイス18をクリーニングデバイス20に、及び/又はフィルタ19をクリーニングデバイス20に、固定して、保持的に、支持的に及び/又は強固に接続するように構成されることが好ましい。
【0101】
図2に示すように、接続デバイス18は、2つの軸端に1つの接続装置をそれぞれ有することが特に好ましい。
【0102】
(単複の)接続装置は、フランジ、クランプ接続部及び/又はねじ継手として構成され、及び/又は接続デバイス18の両軸端に配置され、具体的にはこれらと一体に形成されることが好ましい。
【0103】
図2に示す実施形態では、接続デバイス18が、好ましくは第2の区分36の軸端に、フランジ継手38を有し、好ましくは第3の区分37の軸端に、クランプ継手39を有する。しかしながら、具体的には接続デバイス18の両軸端が接続装置としてのフランジ継手38又はクランプ継手39を有する他の設計も可能である。
【0104】
1又は複数の接続装置は、溝継手又は環継手として構成することもできる。図示の実施形態では、フランジ継手38が環継手として構成され、クランプ継手39が溝継手として構成されることが好ましい。
【0105】
接続装置は、好ましくはシール41を保持するように構成された、溝40を有することが好ましい。
【0106】
接続装置の外径は、接続デバイス18の境界断面の外径よりも大きいことが好ましい。具体的には、フランジ継手38の外径は、第2の区分36の最大外径又は境界外径よりも大きく、及び/又はクランプ継手39の外径は、第1の区分35及び/又は第3の区分37の最大外径又は境界外径よりも大きい。
【0107】
図2に示すように、接続デバイス18の内部断面Qは、少なくとも基本的に円形である。しかしながら、具体的には内部断面Qが少なくとも長円形、長方形又は正方形に形成された他の設計も可能である。
【0108】
接続デバイス18及び/又は側壁33は、側壁33の1つの内部42によって内部断面Qの範囲を定めることが好ましい。
【0109】
内部42は、少なくとも第1の区分35及び/又は第2の区分36では、縦軸Lに沿って円錐状に延び、及び/又は少なくとも基本的に真っ直ぐな輪郭を有することが好ましい。これとは別に、又はこれに加えて、内部42は、釣鐘状に成形され、釣鐘状であり、又は末広のラバルノズル(Laval nozzle)断面の形を取る。側壁33の内部42は、少なくとも基本的に凹状及び/又は凸状に形成されることが好ましい。
【0110】
図示の実施形態では、内部断面Q及び/又は内部42の内部断面及び/又は傾斜が縦軸Lに沿って減少し、又は縦軸Lと側壁33の接線との間の角度が減少する。具体的には、第1の区分35の内部断面Qは、第2の区分36よりも縦軸Lに沿って著しく拡大する。
【0111】
接続デバイス18、具体的には側壁33は、外部43を有することが好ましく、外部43の外形又は輪郭は、内部42とは無関係に形成できることが好ましい。
【0112】
外部43は、縦軸Lに沿って拡大する外部断面Aを有することが好ましい。図示の実施形態では、外部43が、縦軸Lに沿って少なくとも基本的に内部42と平行に延びる。しかしながら、他の解決策も可能である。
【0113】
具体的には、外部43は、少なくとも第1の区分35及び/又は第2の区分36では、少なくとも基本的に真っ直ぐであり、及び/又は外部43は、少なくとも基本的に円錐形の輪郭、或いは長手方向にアーチ状になった又は釣鐘状の輪郭を有する。しかしながら、ここでも他の設計が可能である。
【0114】
図3は、接続デバイス18と、閉じた状態の弁31及びフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分の一部とを示す概略断面図である。
【0115】
第1の区分35と第2の区分36との間、及び/又は第2の区分と第3の区分37との間の移行部は、少なくとも基本的に連続的であることが好ましい。少なくとも第1の区分36及び/又は第2の区分37における内部42は、連続的に形成されることが特に好ましい。
【0116】
図示の実施形態では、少なくとも第1の区分35及び第2の区分36における、外部43が、真っ直ぐに及び/又は円錐形に形成されている。しかしながら、ここでも他の設計が可能である。
【0117】
側壁33の厚み、及び/又は内部断面Qと外部断面Aとの間の差分は、縦軸Lに沿って及び/又は拡大する内部断面Qと共に増加することが好ましい。
【0118】
具体的には、内部断面Qは、縦軸Lに沿って、5°を超える及び/又は20°未満の、好ましくは少なくとも基本的に12°に等しい、第1の角度W1で拡大し、具体的には、内部42の仮想延長線又は接線は、縦軸Lとの間に第1の角度W1を含む。
【0119】
図3に示すように、開口部34の主軸Hは、側壁33に対して、特に側壁33の内部42に対して斜めに延びる。図3には、説明目的で1つの開口部34の主軸Hしか示していない。しかしながら、以下の説明は、他の開口部34の主軸Hにも適宜に当てはまることが好ましい。
【0120】
主軸Hは、それぞれの開口部34が開口する内部断面Qよりも大きな内部断面Qの方向に外部から内部に向かうことが好ましい。
【0121】
主軸Hは、最大内部断面Q1の方向に外部から内部に向かい、及び/又は最大内部断面Q1を通って想像される平面と交差することが特に好ましい。具体的には、主軸Hは、図3に示すように、フィルタ19の方向に外部から内部に向かう。
【0122】
図3に示すように、開口部34の主軸Hは、縦軸Lと第2の角度W2で交差し、及び/又は主軸Hは、接続デバイス18の縦断面図において縦軸Lとの間に第2の角度W2を含むことが特に好ましく、第2の角度W2は、90°未満であることが好ましく、少なくとも基本的に45°に等しいことが好ましい。
【0123】
内部42は、特に開口部34のそれぞれの口部の領域において主軸Hとの間に第3の角度W3を含むことが好ましく、具体的には、第3の角度W3は、90°未満であり、及び/又は第1の角度W1及び/又は第2の角度W2よりも大きいことが好ましい。
【0124】
開口部34は、2つの平面Eを用いて図3に示すように、1又は2以上の平面E内に配向及び/又は配置され、具体的には、平面Eは、接続デバイス18の縦軸Lに対して少なくとも基本的に直交して整列することが好ましい。
【0125】
平面Eは、それぞれ少なくとも3つの開口部34によって定められることが好ましい。具体的には、平面Eのうちの1つの平面内に少なくとも3つの開口部34が存在し及び/又は開口する。
【0126】
各開口部34は、平面Eのうちの1つの平面に割り当てられ又は割り当てできることが特に好ましい。
【0127】
図3に示すように、平面Eは、縦軸Lに沿って、好ましくは少なくとも基本的に等距離で、互いにオフセットされて及び/又は互いに平行に配置される。しかしながら、他の設計又は配置も可能である。
【0128】
平面E当たりの開口部34の数は、内部断面Qが縦軸に沿って拡大するとともに増加することが好ましい。
【0129】
1つの平面Eの開口部34の全断面と、その平面Eの開口部34が開口する内部断面Qとの比率は、少なくとも基本的に縦軸Lに沿って一定のままであることが特に好ましい。
【0130】
開口部34は、少なくともそれぞれの開口部34が開口する内部断面Qに沿って、及び/又は平面E内で、少なくとも基本的に環状に配置され、及び/又は縦軸Lに沿って複数の同心円を成す。
【0131】
これとは別に、又はこれに加えて、図示していない1つの代替例では、開口部34が格子状に配置され又は格子構造を形成する。
【0132】
平面Eのうちの1つの平面の開口部34の主軸Hは、1つの共通する交点、特に縦軸L上に存在する交点を有することが好ましい。
【0133】
開口部34は、少なくとも第1の区分35において、好ましくは縦軸Lに沿って、及び/又はそれぞれの内部断面Qにわたって、均一に分布して配置される。それぞれの平面E内の開口部34は、互いに等距離にオフセットされ、及び/又は互いに回転対称に配置されることが好ましい。
【0134】
図3に示す実施形態では、開口部34が穴として形成され、及び/又は円形の断面を有する。しかしながら、具体的には開口部34が、角度の付いた、特に長方形の断面を有し、及び/又はそれぞれの主軸Hに対して円筒状の、回転対称の、及び/又は軸対称のスロットとして構成される他の形状も可能である。
【0135】
開口部34は、最大内部断面Q1の直径及び/又は幅の2%を上回り及び/又は20%を下回る、好ましくは少なくとも基本的に10%に等しい直径及び/又は幅を有することが好ましい。
【0136】
図示の実施形態では、開口部34が、それぞれ少なくとも基本的に同じ直径及び/又は同じ幅を有する。しかしながら、具体的には、開口部34の直径及び/又は幅が平面E毎に、及び/又は1つの平面E内で、及び/又は縦軸Lに沿って変化する他の設計も可能である。
【0137】
開口部34は、少なくとも5mmの、及び/又は最大で40mmの、特に少なくとも基本的に20mmの直径及び/又は幅を有することが好ましい。
【0138】
口部の断面又は全ての開口部34の断面積は、合わせて又は積算して、内部42及び/又は外部43の面積の、好ましくは2%又は5%を上回り、特に8%又は10%を上回り、特に好ましくは12%を上回り、及び/又は50%又は40%を下回り、特に30%又は20%を下回り、極めて特に好ましくは15%を下回る。
【0139】
開口部34は、細長く及び/又は管状に、好ましくは開口部34の直径及び/又は幅よりも大きな長さを有するように形成されることが好ましい。
【0140】
内部断面Qは、クリーニングデバイス20及び/又は弁31の方向に先細になり、及び/又はフィルタ19及び/又はフィルタ区分21の方向に拡大することが好ましい。
【0141】
提案するクリーニングデバイス20は、接続デバイス18を有し、及び/又は接続デバイス18に接続され及び/又は接続できることが好ましい。具体的には、図3に示すように、接続デバイス18には、好ましくはクリーニングデバイス20に割り当てられた、及び/又はクリーニングデバイス20の一体部品である弁31が流体的に接続される。
【0142】
例えば図3に示すように、弁31は、軸方向弁として構成されることが好ましい。しかしながら、他の設計も可能である。
【0143】
弁31は、空気圧で、液圧で、及び/又は電気的に駆動され、又は駆動できることが好ましい。図示の実施形態では、弁31が、特に貯蔵装置28(図示せず)の圧縮空気を用いて空気圧で駆動されることが好ましい。
【0144】
弁31は、好ましくは軸方向に、及び/又は縦軸Lの方向に移動可能なピストン44を有することが好ましい。
【0145】
図3では、弁31が閉じた状態にある。
【0146】
閉じた状態では、弁31内に配置された円錐座45上にピストン44が載り、又は横たわり、弁31を通る流れが防がれる。
【0147】
ピストン44には、ばね46又は他の何らかの張力要素によって予め張力を加えておくことが好ましい。弁31は、弁31を開くために弁室47を有することが好ましい。具体的には、弁室47内の媒体の圧力は、制御装置29(図示せず)を用いて調整又は制御され、或いは調整又は制御することができる。
【0148】
弁31は、弁室47内の圧力がバネ46によって生じる圧力を超えた時に開くことが好ましい。
【0149】
図3に示すフィルタ19、又はフィルタ19のフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分は、複数の穴49を含む1つのマニホールド48を有することが好ましい。マニホールド48は、具体的には濾布50によって覆われる。
【0150】
濾布50は、特定サイズの粒子、具体的には最初に説明した懸濁粉塵を保持又は濾過するように構成されることが好ましい。
【0151】
図3に示すように、濾過中には、及び/又は濾過によって、マニホールド48及び/又は濾布50上に濾過ケーキ32が生じることが好ましい。
【0152】
図3に示す矢印は、フィルタ19による濾過中の、フィルタ19及び接続デバイス18内の好ましい流れ方向を概略的に示すものである。これらの矢印は、流れ方向を概略的に示すものにすぎず、あらゆる乱流、渦、剥離及び/又はその他の流動現象は無視している。
【0153】
フィルタ19による濾過時には、具体的には粗ガス23である浄化対象の媒体が、フィルタ区分21を通じて少なくとも基本的に外部から内部に、及び/又は縦軸Lに向かって半径方向に流れる。
【0154】
フィルタによる濾過中、接続デバイス18内を通る流れは、第2の区分において好ましくは少なくとも基本的に軸方向に、及び/又は縦軸Lに沿って生じる。
【0155】
その後、又は下流において、濾過中の第1の区分35における流れは、開口部34を通じて内部から外部に流れるように方向を変える。
【0156】
濾過中、接続デバイス18及び/又は開口部34を通る流れは、好ましくは少なくとも基本的に内部から外部に生じ、及び/又は接続デバイス18及び/又は開口部34は、濾過中にこれらを通る流れが内部から外部に生じるように構成される。
【0157】
具体的には、提案する濾過システム17は、好ましくは清浄ガス26である媒体を、開口部34を通じて内部及び/又はフィルタ19に面する側から、外部及び/又はフィルタ19から離れた方に面する側に差し向けるように構成される。
【0158】
具体的には、接続デバイス18は、具体的には清浄ガス26である媒体を濾過中に加速させるように構成される。接続デバイス18は、濾過中にノズル及び/又は集束管として機能することが特に好ましい。
【0159】
図4は、図3による接続デバイス18、及び部分的に示すフィルタ19又はフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分、並びに開いた状態の弁31の概略断面図である。
【0160】
設備1、クリーニングデバイス20及び/又は制御装置29(図1と対比)は、接続デバイス18を通る、具体的には開口部34を通る、及び/又はフィルタ19を通る、具体的にはフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分を通る流れ方向を、好ましくは弁31の開閉によって少なくとも基本的に逆転させるように構成されることが好ましい。
【0161】
図4には、フィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分のクリーニング、又はフィルタ19の部分的クリーニングを示す。
【0162】
接続デバイス18及び/又はクリーニングデバイス20は、クリーニング中及び/又はクリーニングのために、具体的には貯蔵装置28(図1と対比)からの圧縮空気である媒体を、特に拡大する内部断面Qの方向に遅らせ、及び/又は具体的には貯蔵装置28の圧縮空気である媒体の静圧を、少なくとも接続デバイス18内で、高めるように構成されることが好ましい。
【0163】
開口部34は、クリーニング中及び/又はクリーニングのために、具体的には清浄ガス26である別の媒体を外部から内部に差し向ける又は吸引するように構成されることが好ましい。具体的には、接続デバイス18及び/又はクリーニングデバイス20は、好ましくは貯蔵装置29の圧縮空気である媒体の質量流量を増加させ、及び/又は好ましくは清浄ガス26である第2の媒体を、具体的には開口部34を通じて及び/又は用いて吸引するように構成される。
【0164】
接続デバイス18は、クリーニング中及び/又はクリーニングのために、ディフューザとして機能することが好ましい。
【0165】
接続デバイス18の動作は、接続デバイス18を通る流れ方向に依存することが特に好ましい。
【0166】
クリーニング中及び/又はクリーニングのために、流れは、接続デバイス18及び/又はフィルタ19、具体的にはフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分を通って、フィルタ19による濾過中及び/又は濾過のために見られる流れ方向とは好ましくは少なくとも基本的に逆の方向に生じることが特に好ましい。
【0167】
接続デバイス18の特に好ましい1つの実施形態では、接続デバイス18が超臨界ディフューザとして構成され、及び/又は内部断面Qが、縦軸Lに沿って8°以上の第1の角度W1で拡大する。
【0168】
具体的には、開口部34は、少なくともクリーニング中及び/又はクリーニングのために、特に接続デバイス18の内部42における及び/又は内部42上の流れ剥離を防止及び/又は低減するように構成される。少なくともクリーニング中、接続デバイス18内には少なくとも基本的に層流が存在し、及び/又は接続デバイス18は、層流を可能にするように又は層流の形成を支援するように構成されることが特に好ましい。
【0169】
図5は、提案する濾過システム17、貯蔵装置28を含む提案するクリーニングデバイス20、並びに好ましくは弁31を制御し、及び/又はフィルタ区分21に割り当てられた1又は2以上の差圧DPを測定するように構成された1又は2以上の、具体的には同期した制御装置29の概略平面図である。
【0170】
貯蔵装置28は、具体的には圧縮空気である媒体をクリーニングデバイス20に供給するように構成されることが好ましい。貯蔵装置28は、濾過システム17及び/又はクリーニングデバイス20に割り当てられ、及び/又は濾過システム17及び/又はクリーニングデバイス20の構成要素であることが特に好ましい。
【0171】
設備ハウジング2は、内部に少なくとも部分的に貯蔵装置28を有し、及び/又は貯蔵装置28は、少なくとも基本的に設備ハウジング2内に又は内部に配置されることが好ましい。図5に示す実施形態では、貯蔵装置28が、設備ハウジング2の内部及び外部の両方に形成される。
【0172】
図5に示すように、貯蔵装置28は、任意に1又は2以上の貯蔵ユニット51を有することが好ましく、貯蔵ユニット51は、設備ハウジング2の外部に配置されることが好ましい。
【0173】
貯蔵装置28には、具体的には(単複の)貯蔵ユニット51及び/又はコンプレッサと、貯蔵装置28によって形成される又は取り囲まれる内部との間の流体接続によって、外部から媒体又は圧縮空気を供給することができる。しかしながら、貯蔵装置28に圧縮空気又は媒体を別様に供給することも可能である。
【0174】
具体的には、貯蔵装置28は、設備ハウジング2の内部に配置された環状貯蔵器52を有する。
【0175】
貯蔵装置28及び/又は環状貯蔵器52は、少なくとも基本的にリングとして又は環状に形成されることが好ましい。
【0176】
図示の実施形態では、貯蔵装置28及び/又は環状貯蔵器52が、設備ハウジング2の具体的にはドーム領域8である上部領域に、及び/又は濾過システム17又はフィルタ19の上方に広がる。しかしながら、他の設計又は配置も可能である。
【0177】
貯蔵装置28は、ガス貯蔵器として、具体的には圧縮空気貯蔵器として、及び/又は管路網として、具体的にはガス管路網として、特に好ましくは圧縮空気管路網として構成されることが好ましい。貯蔵装置28は、具体的には圧縮空気である媒体を弁31及び/又は濾過システム17に均一に分配及び/又は送出するように構成されることが特に好ましい。
【0178】
具体的には、貯蔵装置28は、具体的には圧縮空気である媒体を、フィルタ19の複数のフィルタ区分21に個別に及び/又は時間的に分離して供給するように構成される。
【0179】
貯蔵装置28、具体的には環状貯蔵器52は、少なくとも2つのパイプ部分53を有し、及び/又は複数のパイプ部分53で構成されることが好ましい。
【0180】
パイプ部分53は、好ましくは圧力嵌め、成形嵌め及び/又は接合、具体的には溶接によって互いに接続又は一体に形成される。
【0181】
貯蔵装置28内の媒体の圧力は、1barよりも高く、特に2barよりも高く、及び/又は10barよりも低く、特に8barよりも低いことが好ましく、4barよりも低いことが特に好ましい。貯蔵装置の体積は、50lよりも大きく、特に100lよりも大きいことが好ましく、200lよりも大きいことが特に好ましく、及び/又は1000lよりも小さく、特に800lよりも小さく、500lよりも小さいことが特に好ましい。この体積は、コンパクトな構造及び良好なクリーニング性能に関連して有利であることが分かった。
【0182】
貯蔵装置28、具体的には環状貯蔵器52は、弁31及び/又は接続デバイス18に流体的に接続されることが好ましい。
【0183】
弁31は、設備ハウジング2の内部に、具体的には貯蔵装置28内に、及び/又は貯蔵装置28と接続デバイス18との間に配置されることが極めて特に好ましい。具体的には、貯蔵装置28、好ましくは環状貯蔵器52は、弁31を爆発性雰囲気から保護し、及び/又は弁31と爆発性雰囲気との直接接触、特に設備ハウジング2及び/又はドーム領域8と爆発性雰囲気との直接接触を防ぐように構成される。
【0184】
設備ハウジング2、クリーニングデバイス20及び/又は貯蔵装置28は、クリーニングデバイス20、貯蔵装置28、具体的には環状貯蔵器52、及び/又は弁31に、具体的には圧縮空気である媒体を供給する複数の管路を有することが好ましい。図5に示す実施形態では、圧縮空気管路54によって貯蔵装置28に供給が行われ、及び/又は制御空気管路55によって弁31に供給が行われることが好ましい。
【0185】
制御空気管路55は、弁31を交互に開閉するように構成されることが好ましい。制御装置29は、制御空気管路55を通じて弁31を制御又は調整することが特に好ましい。制御空気管路55内の圧力は、圧縮空気管路54内の圧力よりも高いことが極めて特に好ましい。
【0186】
設備ハウジング2は、複数の貫通部56を有し、具体的には、圧縮空気管路54及び/又は制御空気管路55は、貫通部56を通じて設備ハウジング2の外部から内部に配管されることが好ましい。
【0187】
制御装置29は、フィルタ19、具体的にはフィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分のクリーニングのために弁31を制御するように構成されることが特に好ましい。
【0188】
図5に示す実施形態では、設備1、濾過システム17及び/又はクリーニングデバイス20が、複数の制御装置29、好ましくは少なくとも2つの弁31を同時に制御及び又は調整する1つの制御装置29を有することが好ましい。
【0189】
以下、図6図10を用いて、フィルタ19の分割クリーニングのための提案するクリーニング方法について詳述する。
【0190】
このクリーニング方法は、設備1、濾過システム17、接続デバイス18、クリーニングデバイス20及び/又は制御装置29を用いて実行されることが好ましい。
【0191】
図6及び図7には、提案するクリーニング方法を実行中の設備1、濾過システム17、接続デバイス18、クリーニングデバイス20及び/又は制御装置29を示す。
【0192】
濾過システム17及び/又はフィルタ19は、クリーニング方法中に分割して及び/又は部分的にクリーニングされる。
【0193】
濾過システム17及び/又はフィルタ19は、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、特に少なくとも4つのフィルタ区分21、具体的にはフィルタカートリッジ22を有し、図6及び図7に示すように、クリーニング工程57によって1回にフィルタ区分21のうちの1つ及び/又はフィルタカートリッジ22のうちの1つがクリーニングされることが好ましい。
【0194】
提案するクリーニング方法では、フィルタ区分21が、互いに時間的にオフセット又は分離されたクリーニング工程57でクリーニングされることが好ましい。具体的には、フィルタ区分21は、互いに時間間隔T1だけ分離されたクリーニング工程57でクリーニングされる。
【0195】
このクリーニング方法では、クリーニング工程57が、さらなるクリーニング工程57の開始前に完全に完了又は終了することが好ましい。
【0196】
フィルタ19及び/又はフィルタ19全体の全てのフィルタ区分21及び/又はフィルタカートリッジ22は、1つのクリーニングサイクル58内でクリーニングされることが特に好ましい。
【0197】
具体的には、このクリーニング方法は、少なくとも2つのクリーニングサイクル58を有する。
【0198】
1つのクリーニングサイクル58の終了は、次のクリーニングサイクル58の開始から時間間隔T2だけ時間的に分離されることが好ましい。
【0199】
(第1の)クリーニングサイクル58の後の(第2の)クリーニングサイクル58は、(第1の)クリーニングサイクル58に直接続く(第2の)クリーニングサイクルであり、具体的には、(第1の)クリーニングサイクル58の終了と(第2の)クリーニングサイクル58の開始との間、及び/又は時間間隔T1及び/又はT2中には、一切のクリーニング工程57が引き起こされない又は実行されないことが好ましい。
【0200】
図6及び図7に示すように、濾過システム17又はフィルタ19は、互いに時間間隔T1だけ分離されたクリーニング工程57でクリーニングされる少なくとも3つのフィルタ区分21を有することが特に好ましい。
【0201】
クリーニング工程57及び/又はクリーニングサイクル58は、割り当てられた弁31を開くことによって引き起こされることが好ましく、1回に1つの弁31が1つのフィルタ区分21又はフィルタカートリッジ22に割り当てられ、及び/又は対応する弁31を開くことによって1回に1つのフィルタ区分21をクリーニングできることが好ましい。
【0202】
具体的には、既に最初に説明したように、クリーニング工程57を引き起こすことによって、関連するフィルタ区分21又は関連するフィルタカートリッジ22の流れ方向が逆転する。
【0203】
図6及び図7に示すように、フィルタ区分21のうちの1つのフィルタ区分のクリーニング中にも、他のフィルタ区分21を用いて濾過が継続することが好ましい。しかしながら、具体的にはクリーニング工程57中に濾過が停止する別の態様も可能である。
【0204】
図6には、第1のフィルタ区分21又は第1のフィルタカートリッジ22のクリーニングを示しており、具体的には、弁31を開放することにより、貯蔵装置28から、割り当てられた弁31及び提案する接続デバイス18を通じて、フィルタ区分21又はフィルタカートリッジ22内に圧縮空気が導かれる。
【0205】
クリーニング工程57中には、貯蔵装置28からの圧縮空気に加えて、図6及び図7に矢印で示すように、具体的には清浄ガス26である別の媒体がフィルタ区分21又はフィルタカートリッジ22内に導かれることが好ましい。
【0206】
図7には、別の第2のフィルタ区分21又は別のフィルタカートリッジ22のクリーニング工程57を示す。
【0207】
提案するクリーニング方法では、図6又は図7に示すように、互いに隣接するフィルタ区分21が、互いに時間的にオフセットされたクリーニング工程57でクリーニングされることが好ましい。フィルタ区分21をクリーニングするシーケンスは、各クリーニングサイクル58において同一であることが特に好ましい。しかしながら、具体的には、フィルタ21をクリーニングするシーケンスが各クリーニングサイクル58によって変化する他の方法形態も可能である。
【0208】
この方法の極めて特に好ましい1つの形態では、1つのクリーニングサイクル58において、圧縮空気管路54までの距離が最も長いフィルタ区分21が最初にクリーニングされる。
【0209】
提案するクリーニング方法では、具体的にはそれぞれのクリーニングサイクル58内のクリーニング工程57間の時間間隔T1、及び/又は少なくとも2つのクリーニングサイクル58の一方の終了間の時間間隔T2が変化することが好ましい。
【0210】
具体的には、このクリーニング方法では、連続するクリーニング工程57間の時間間隔T1が変化する。本発明の意味における「2つのクリーニング工程57が互いに続く」という特徴は、2つの連続するクリーニング工程57間にさらなるクリーニング工程57が行われないというように理解することが好ましい。連続するクリーニングサイクル58にも同じことが当てはまる。
【0211】
このクリーニング方法では、フィルタ19が少なくとも3つのフィルタ区分21を有する場合、連続する第1及び第2のフィルタ区分21のクリーニング工程57間の時間間隔T1と、連続する第2及び第3のフィルタ区分21のクリーニング工程57間の時間間隔T2とが、それぞれ変化する。
【0212】
時間間隔T1及び/又は時間間隔T2は、フィードバック制御59によって変化し、及び/又は提案するクリーニング方法においてフィードバック制御59が行われて、時間間隔T1及びT2の変更又は変化が引き起こされることが好ましい。
【0213】
これに関連して、図8に、提案するクリーニング方法の基礎を成すフィードバック制御59、又はフィードバック制御59のフィードバック制御回路の概略ブロック図を示す。
【0214】
このクリーニング方法及び/又はフィードバック制御59では、フィルタ入口24とフィルタ出口25との間の差圧DPが、フィードバック制御59における制御変数60として調整及び/又は使用されることが好ましい。
【0215】
特に、フィードバック制御59には、基準変数61としての目標差圧SPが外因的に指定されることが好ましい。
【0216】
目標差圧SPは、好ましくは1000Paよりも大きく、特に2000Paよりも大きく、特に好ましくは3000Paよりも大きく、及び/又は7000Paよりも小さく、特に6000Paよりも小さく、特に好ましくは5000Paよりも小さい。目標差圧SPは、少なくとも基本的に4000Paであることが極めて特に好ましい。
【0217】
クリーニング工程における目標差圧SPは、一定に保たれることが好ましい。しかしながら、目標差圧SPが変化する他の方法形態も可能である。
【0218】
目標差圧SPと差圧DPの差分は、フィードバック制御59及び/又はクリーニング方法における制御偏差62として使用されることが好ましい。
【0219】
フィードバック制御59及び/又はクリーニング方法は、好ましくは1つのコントローラ、具体的にはPIDコントローラ63を使用する。しかしながら、フィードバック制御59及び/又はクリーニング方法では、他のコントローラを使用することも可能である。
【0220】
クリーニング工程57の始動、及び/又は弁31又は複数の弁31のうちの1つの弁の開放、及び/又は時間間隔T1及び/又はT2は、フィードバック制御59及び/又はクリーニング方法における操作変数64として使用されることが好ましい。
【0221】
コントローラは、制御偏差62を用いて操作変数64を決定するように構成され、具体的には、一定時間にわたって制御偏差62に係数を乗算し、積分及び/又は微分することが好ましい。
【0222】
クリーニング方法及び/又はフィードバック制御59は、濾過システム17及び/又はクリーニングデバイス20と、好ましくは貯蔵装置28とを、制御系65として使用することが好ましい。
【0223】
図8に示すように、クリーニング方法及び/又はフィードバック制御59、特に制御系65には、任意に1つの影響量66が作用する。具体的には、考えられる影響量66としては、フィルタ19の、特にフィルタ区分21の、目詰まり及び/又は汚損の増加、及び/又は濾過ケーキ32の形成及び/又は増加、粗ガス23の粉塵荷重度、設備ハウジング2内の流速、設備ハウジング2に供給される懸濁液12の量及び質、及び/又は設備ハウジング2に供給される入口空気9の量及び質が挙げられる。
【0224】
クリーニング方法及び/又はフィードバック制御59では、差圧DP及び/又は制御偏差62が、好ましくは低域通過特性を有する制御フィルタ67を用いて、及び/又はクリーニング工程57及び/又は1つのクリーニングサイクル58の複数のクリーニング工程57によって生じる差圧DPのピーク及び/又は変動が少なくとも基本的に抑制及び/又はフィルタ処理されるようにフィルタ処理されることが好ましい。
【0225】
上述したように、2つの連続するクリーニング工程57間の時間間隔T1、及び/又は複数のクリーニング工程57を含む2つの連続するクリーニングサイクル58間の時間間隔T2の各々は、好ましくは制御フィルタ67を有するフィードバック制御59によって決定される。
【0226】
制御フィルタ67は、それぞれのクリーニング工程57によって、具体的には圧縮空気の供給によって生じる圧力ピーク、並びにクリーニング工程57の完了後に変化した差圧DPに基づく圧力偏差の両方が平滑化及び/又は平均化されるように構成又は設計されることが好ましい。
【0227】
制御フィルタ67は、1つの好ましい低域通過特性の、1/(2×π×時定数)よりも小さな3dB遮断周波数又は臨界周波数を有することが好ましく、時定数は、最小時間間隔T1、最小時間間隔T2よりも長く、及び/又は1sよりも長く、好ましくは2s又は4sよりも長く、特に5sよりも長いことが好ましい。これとは別に、又はこれに加えて、時定数は、1つのクリーニングサイクル58のクリーニング工程57の時間間隔T1の合計よりも短く、30sよりも短く、好ましくは25sよりも短く、特に好ましくは20s又は15sよりも短いことが好ましい。しかしながら、制御フィルタ67は、好ましくはクリーニング工程57によって生じる差圧DPの偏差を平滑化するように構成された、低域通過特性以外のフィルタ特性を有することもできる。
【0228】
この場合、本発明の意味における差圧DP、又は差圧DPと目標差圧SPとの差分は、クリーニング工程57によって又はクリーニング工程57において生じた偏差が10%よりも多く、好ましくは20%よりも多く、特に30%又は40%よりも多く低減又は減衰した時に平滑化したと見なされる。
【0229】
特に好ましい1つの実施形態では、フィードバック制御59が、10Hzを上回る、好ましくは5Hzを上回る、特に2Hz又は1Hzを上回る周波数が制御フィルタ67によって50%よりも多く減衰するように設計される。
【0230】
図9は、第1の形態による提案するクリーニング方法における、時間Tの関数としての圧力Pの概略図である。
【0231】
図示のクリーニング方法では、1つのクリーニングサイクル58内で、1つのクリーニング工程57によって1回に5つのフィルタ区分21がクリーニングされ、クリーニング工程57間の時間間隔T1は、毎回変化することが好ましい。
【0232】
図示の例では、クリーニング工程57間の時間間隔T1が、フィルタ区分21の、特に濾布50の目詰まり及び/又は汚損の増加と共に、及び/又は時間と共に短くなる。
【0233】
クリーニング工程57が完了又は発生する時間は、10s未満、特に5s未満、特に好ましくは2s未満であることが好ましい。1つのクリーニング工程57の時間は、少なくとも基本的に1sであることが極めて特に好ましい。
【0234】
1つのクリーニング工程57に掛かる時間は、除去された粒子、特に懸濁粉塵及び/又は濾過ケーキ32がクリーニング工程57中にそれぞれのフィルタ区分21の周辺の吸引領域を進む又は離れるのに必要とする時間よりも短いことが好ましい。
【0235】
具体的には、1つのクリーニング工程57中及び/又はその後に、クリーニング工程57によって除去された粒子の再濾過が防止、回避又は抑制される。
【0236】
クリーニング工程57間の時間間隔T1は、好ましくはフィードバック制御59及び/又はクリーニング方法に外因的に指定される最大値及び/又は最小値を用いて制限されることが好ましい。
【0237】
最大値は、500sよりも小さく、特に400sよりも小さく、特に好ましくは300sよりも小さく、及び/又は最小値は、5sよりも大きく、特に10sよりも大きく、特に好ましくは15sよりも大きいことが特に好ましい。
【0238】
差圧DPは、フィルタ19による濾過中、具体的にはクリーニング工程57が行われていない時に上昇することが好ましい。
【0239】
図示の特性では、差圧DPが、好ましくは少なくとも基本的に時間Tと共に直線的に増加し、或いは差圧DPと目標差圧SPとの間の差分が、時間Tと共に基本的に直線的に減少する。しかしながら、他の曲線特性も可能である。
【0240】
クリーニング工程57は、差圧DPが目標差圧SPに達し、これを上回り、及び/又はこれに近づいた時に引き起こされることが好ましい。具体的には、クリーニング工程57は、差圧DP、制御偏差62、及び/又は好ましくは前回の時間間隔T1及び/又は時間間隔T2に依存して引き起こされる。フィードバック制御59のコントローラは、クリーニング工程57の始動及び/又はクリーニングサイクル58の開始の瞬間を決定することが特に好ましい。
【0241】
差圧DPは、クリーニング工程57中に、及び/又はクリーニング工程57によって低下することが好ましい。具体的には、差圧DPと目標差圧SPとの間の差分は、クリーニング工程57中に、及び/又はクリーニング工程57によって増加する。
【0242】
図9に示すように、差圧DPは、クリーニング工程57の完了後に再び上昇し、或いは差圧DPと目標差圧SPとの間の差分は減少する。
【0243】
差圧DPは、クリーニング後又は1つのクリーニング工程57後に直線的に、及び/又は少なくとも基本的にクリーニング前又はクリーニング工程57前のように上昇することが特に好ましい。しかしながら、具体的には差圧DPの勾配が時間Tと共に、及び/又は引き起こされたクリーニング工程の回数と共に増加する他の曲線特性も可能である。
【0244】
フィードバック制御59のコントローラに依存して、第1のクリーニング工程57の後に、具体的には差圧DPが再び目標差圧SPに達し、これを上回り、及び/又はこれに近づいた時に、別のクリーニング工程57が引き起こされる。
【0245】
クリーニング工程57では、差圧DPが、少なくとも基本的に前回のクリーニング工程57における値と同じ値まで低下し、或いは連続するクリーニング工程57後の差圧DPが少なくとも基本的に同じであることが好ましい。
【0246】
図9に示すように、クリーニング工程57の完了直後に見られる差圧DPは、時間Tと共に増加する。
【0247】
具体的には、差圧DPが目標差圧SPに達し、これを上回り、及び/又はこれに近づくまでの時間は、時間Tと共に減少する。
【0248】
2つの連続するクリーニング工程57間の、具体的には2つの連続するクリーニング工程57の開始間及び/又は2つの連続するクリーニング工程57の終了間の、及び/又はクリーニング工程57の終了と次のクリーニング工程57の開始との間の時間間隔T1は、好ましくはフィルタ19による濾過中に及び/又は時間Tと共に、好ましくは少なくとも基本的に指数関数的に短くなる。
【0249】
提案するクリーニング方法では、時間間隔T1及び/又は時間間隔T2が、フィードバック制御59における1又は複数の制御変数60として調整及び/又は使用されることが特に好ましい。
【0250】
具体的には、時間間隔T1及び/又は時間間隔T2は、フィードバック制御59又はクリーニング方法における1又は複数の操作変数64として使用される。
【0251】
時間間隔T1及びT2は、差圧DP、又は差圧DPと目標差圧SPとの比較から直接導出されないことが特に好ましい。時間間隔T1及び時間間隔T2は、フィードバック制御59によって、特に好ましくは制御装置29によって計算、規定又は決定されることが好ましい。
【0252】
図示の曲線特性では、5つのフィルタ区分21全てが、1つのクリーニングサイクル58においてクリーニングされる。図示のクリーニングサイクル58の終了後には、次の1つのクリーニングサイクル(図示せず)が開始されることが好ましい。
【0253】
図10に、具体的には1つのクリーニングサイクル58内の時間間隔T1が少なくとも基本的に一定である第2の方法形態による提案するクリーニング方法における、時間Tの関数として圧力Pの概略図を示す。
【0254】
クリーニング工程57は、差圧DPが目標差圧SPに達し、これを上回り、及び/又はこれに近づいた個々のクリーニングサイクル58の開始時に引き起こされることが好ましい。
【0255】
1つのクリーニングサイクル58の連続するクリーニング工程57間の時間間隔T1は、具体的には上述したフィードバック制御59によって変更され、及び/又はクリーニングサイクル58全体にわたって少なくとも基本的に一定値に固定されることが好ましい。具体的には、クリーニングサイクル58内では、後続のクリーニング工程57が、差圧DP及び/又は目標差圧SPに関わらず、及び/又は時間間隔T1後に発生する。
【0256】
1つのクリーニングサイクル58内の連続するクリーニング工程57間の時間間隔T1は、クリーニングサイクル58の開始前及び/又は開始時に、好ましくはフィードバック制御59によって好ましくは変更及び/又は固定され、及び/又はクリーニングサイクル58全体の期間中、予め設定した値に一定に保たれる。
【0257】
図10に示すように、この方法形態では、1つのクリーニング工程57の開始時及び/又は1つのクリーニング工程57の終了時に見られる差圧DPが、1つのクリーニングサイクル58内で低下及び/又は上昇することができる。
【0258】
図示の例では、フィルタ19が、好ましくは3つのフィルタ区分21を有し、及び/又は1つのクリーニングサイクル58が3つのクリーニング工程57を含む。
【0259】
1つのクリーニングサイクル58内でクリーニング工程57によって全てのフィルタ区分21がクリーニングされた場合、このクリーニングサイクル58は終了する。
【0260】
時間間隔T2だけ時間的に分離した1つのクリーニングサイクル58の完了後には、後続する別のクリーニングサイクル58が開始され、具体的には、連続するクリーニングサイクル58の時間間隔T2は変化することが好ましい。
【0261】
別のクリーニングサイクル58は、クリーニング工程57の始動と共に開始することが好ましい。図10に示すように、第2のクリーニングサイクル58における時間間隔T1は、第1のクリーニングサイクル58と比べて変化している。
【0262】
時間間隔T1は、クリーニングサイクル58毎に、及び/又は時間Tと共に短くなることが好ましい。しかしながら、他の形態も可能である。
【0263】
差圧DPは、時間Tと共に次第に目標差圧SPに近づくことが好ましい。
【0264】
クリーニング方法及び/又はフィードバック制御59によって差圧DPをもはや調整できなくなった場合、具体的には、差圧DPが予め固定された値だけ目標差圧SPを超えた場合、及び/又は時間間隔T1及び/又は時間間隔T2が予め設定した最小値に達した場合、フィルタ19は、具体的には湿式で完全にクリーニングされることが好ましく、設備1及び/又は濾過システム17は稼働を停止し、及び/又はフィルタ19によって濾過が調整されることが好ましい。
【0265】
時間間隔T1は、クリーニング工程57の回数が最小化され、及び/又はフィルタ19の湿式クリーニングが必要になるまでの時間が最大化されるように変更されることが好ましい。
【0266】
方法の異なる実施形態及び形態の個々の態様及び特徴は、互いに単独で実装することもできるが、いずれかの互いの組み合わせによって実装することもできる。
【符号の説明】
【0267】
1 設備
2 設備ハウジング
3 ハウジング入口
4 ハウジング出口
5 入口空気領域
6 噴霧領域
7 フィルタ領域
8 ドーム領域
9 入口空気
10 有孔底部
11 懸濁液タンク
12 懸濁液
13 懸濁液ポンプ
14 懸濁液管路
15 ノズル
16 ワースターパイプ
17 濾過システム
18 接続デバイス
19 フィルタ
20 クリーニングデバイス
21 フィルタ区分
22 フィルタカートリッジ
23 粗ガス
24 フィルタ入口
25 フィルタ出口
26 清浄ガス
27 排気
28 貯蔵装置
29 制御装置
30 圧力センサ
31 弁
32 濾過ケーキ
33 側壁
34 開口部
35 第1の区分(開口部あり)
36 第2の区分(開口部なし)
37 第3の区分(円筒形)
38 フランジ継手
39 クランプ継手
40 溝
41 シール
42 内部(側壁)
43 外部(側壁)
44 ピストン
45 円錐座
46 バネ
47 弁室
48 マニホールド
49 穴
50 濾布
51 貯蔵ユニット
52 環状貯蔵器
53 パイプ部分
54 圧縮空気管路
55 制御空気管路
56 貫通部
57 クリーニング工程
58 クリーニングサイクル
59 フィードバック制御
60 制御変数
61 基準変数
62 制御偏差
63 PIDコントローラ
64 操作変数
65 制御系
66 影響量
67 制御フィルタ
A 外部断面
E 平面
H 主軸
L 縦軸
Q 内部断面
Q1 最大内部断面
Q2 最小内部断面
P 圧力
DP 差圧
SP 目標差圧
T:時間
T1 時間間隔(クリーニング工程)
T2 時間間隔(クリーニングサイクル)
W1 第1の角度
W2 第2の角度
W3 第3の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10