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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】吊り治具
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/10 20060101AFI20220530BHJP
   B66C 1/62 20060101ALI20220530BHJP
   B66C 13/08 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
B66C1/10 C
B66C1/62 B
B66C13/08 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020149057
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2022043660
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小出 拓希
(72)【発明者】
【氏名】牧戸 俊也
(72)【発明者】
【氏名】川竹 裕顯
(72)【発明者】
【氏名】飛騨 隆道
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-106830(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0107084(US,A1)
【文献】中国実用新案第201713215(CN,U)
【文献】特開2009-073593(JP,A)
【文献】特開2010-083616(JP,A)
【文献】特開2005-145617(JP,A)
【文献】特開2007-022789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00-3/20;
13/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部にフランジを有する円筒状の吊り上げ対象部材を、吊り上げ装置を用いて吊り上げるための吊り治具であって、
前記吊り上げ対象部材の前記フランジに固定される固定部と、
前記吊り上げ装置に接続される接続部と、
前記固定部に接続されて前記吊り上げ対象部材の内部に位置し、前記接続部を前記吊り上げ対象部材の内部で支持する支持部と、
前記接続部に接続され、前記吊り上げ装置を前記吊り上げ対象部材の内部で接続する吊り上げ部材と、
を有する吊り治具。
【請求項2】
前記吊り上げ対象部材の前記フランジの中心を対称に配置される2個の前記固定部を有する、
請求項1に記載の吊り治具。
【請求項3】
前記吊り上げ部材は、吊り上げ方向の長さが前記支持部の吊り上げ方向の長さより短い、
請求項1または2に記載の吊り治具。
【請求項4】
前記接続部は、前記吊り上げ部材を取り付けるための水平方向に配置された複数の開口を有する、
請求項1から3の何れか一項に記載の吊り治具。
【請求項5】
前記固定部は、前記吊り上げ対象部材の直径方向を長手方向とする長穴を有し、前記長穴を貫通するボルトで前記吊り上げ対象部材の前記フランジに固定される、
請求項1からの何れか一項に記載の吊り治具。
【請求項6】
記吊り上げ部材は、
前記吊り上げ装置が取り付けられる取付部と、
前記接続部に前記取付部を鉛直軸回りに回転自在に接続する回転接続部と、
を有する、
請求項1から5の何れか一項に記載の吊り治具。
【請求項7】
前記吊り上げ対象部材のフランジに対向する環状の環状部材を有し、
前記固定部は、前記環状部材の外周に設けられる、
請求項1から6の何れか一項に記載の吊り治具。
【請求項8】
前記環状部材に設けられた取手を有する、
請求項に記載の吊り治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り治具に関する。
【背景技術】
【0002】
地下変電所や屋内変電所等の現場では、管体の機器の据付を行う際、天井に設置された複数のフックに各々チェーンブロックの上フックを掛け、チェーンブロックを配置する。ナイロンスリングで機器を玉掛けし、ナイロンスリングの他端をシャックルとリングで束ねる。リングにチェーンブロックの下フックを掛けて、天井に設置されたチェーンブロックを操作し、リングを吊り上げる。
【0003】
しかしながら、屋内では天井までの高さに制限があるので、リングから天井までの吊り代を確保することが困難な場合がある。リングから天井までの吊り代が短くなると機器を横持ちする際に荷物持ち上げ用鎖の角度が拡がり、通称ケンカ吊りの状態となり、荷物持ち上げ用鎖に加わる張力が大きくなる。その結果、荷物持ち上げ用鎖が切断することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-310781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、チェーンブロックを使用して機器を吊り上げる際の吊り代を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、実施形態に係る吊り治具は、端部にフランジを有する円筒状の吊り上げ対象部材を、吊り上げ装置を用いて吊り上げるための吊り治具であって、固定部と接続部と支持部と吊り上げ部材とを有する。固定部は、吊り上げ対象部材のフランジに固定される。接続部は、吊り上げ装置に接続される。支持部は、固定部に接続されて吊り上げ対象部材の内部に位置し、接続部を吊り上げ対象部材の内部で支持する。吊り上げ部材は、吊り上げ装置と接続部とを吊り上げ対象部材の内部で接続する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る吊り治具の構成図である。
図2】実施形態に係る吊り治具の平面図である。
図3】実施形態に係る吊り上げ部材の正面図である。
図4】実施形態に係る吊り上げ部材の側面図である。
図5】実施形態に係る吊り治具を用いた機器の吊り上げ例について説明するための図である。
図6】従来の機器の吊り上げ例について説明するための図である。
図7】変形例1に係る吊り治具の構成図である。
図8】変形例1に係る吊り治具の平面図である。
図9】変形例2に係る吊り治具の斜視図である。
図10】変形例3に係る係る接続部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態を、図面を用いて説明する。説明には、適宜、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸からなるXYZ座標系を用いる。本実施形態では、吊り治具を使用して、管体の機器を吊り上げる場合について説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る吊り治具1の構成図である。図2は、吊り治具1の平面図である。図2では、吊り上げ部材30の記載を省略している。吊り治具1は、接続部11、支持部12、固定部13、環状部材15、取手17、吊り上げ部材30を有する。
【0010】
接続部11は、吊り上げ部材30を取り付ける部材である。接続部11は、X軸方向を長手方向とする鉄板で形成された部材である。接続部11は、吊り上げ部材30をボルトで取り付けるためのY軸方向に貫通する複数の開口111を有している。複数の開口111は、水平方向(X軸方向)に沿って配置されている。
【0011】
支持部12は、固定部13に対して、接続部11を吊り上げ対象部材の内部で支持するための部材である。支持部12は、鉄板で形成されている。支持部12は、立板121と横板122からなる。図1に示される右側の横板122の-X側の端部は、右側の支持部12の+Z側の端部に接続されている。また、左側の横板122の+X側の端部は、左側の支持部12の+Z側の端部に接続されている。右側の支持部12は、接続部11の+X側の端部に、接続部11に対して鉛直方向(+Z方向)に接続されている。左側の支持部12は、接続部11の-X側の端部に、接続部11に対して鉛直方向(+Z方向)に接続されている。
【0012】
固定部13は、吊り上げ対象である機器を取り付けるための鉄板で形成された部材である。固定部13は、円筒状の吊り上げ対象である機器の直径方向を長手方向とする長穴131を有している。固定部13は、長穴131を貫通するボルトで吊り上げ対象である機器のフランジに固定される。支持部12の横板122は、固定部13の+Z側の面に接続されている。固定部13は、支持部12の+Z側の端部に、支持部12を対称面として接続部11と反対側に接続されている。つまり、図1に示される右側の固定部13は、右側の支持部12の+X側に接続されている。左側の固定部13は、左側の支持部12の-X側に接続されている。
【0013】
環状部材15は、吊り上げ対象である機器のフランジに対向する環状に形成された部材である。環状部材15は、支持部12の+Z側の端部に接続されている。2個の固定部13は、吊り上げ対象部材のフランジの中心を対称点として、環状部材15の外周面に接続されている。
【0014】
取手17は、環状部材15および支持部12の横板122に取り付けられている。
【0015】
図3は、吊り上げ部材30の正面図である。図4は、吊り上げ部材30の側面図である。図3および図4に示されるように、吊り上げ部材30は、取付部31、回転接続部32、吊り上げ部材固定部33を有する。
【0016】
取付部31は、吊り上げ装置であるチェーンブロックの下フックを取り付ける部材である。取付部31は、鉄で形成されたリング状の部材である。
【0017】
回転接続部32は、吊り上げ部材固定部33と取付部31とを鉛直軸回りに回転自在に接続するための部材である。回転接続部32は、鉄で形成されている。回転接続部32は、U字状部材321と塞ぎ板322を有する。U字状部材321は、丸鋼で形成されたU字状の部材である。塞ぎ板322は、中央にボルト35を通す開口324を有する平板である。塞ぎ板322は、取付部31を嵌合した状態で、U字状部材321の-Z側の端部に接続されている。
【0018】
吊り上げ部材固定部33は、吊り上げ部材30を接続部11に固定するための部材である。吊り上げ部材固定部33は、鉄板で形成されている。吊り上げ部材固定部33は、2枚の側板331,332と天板333からなる。2枚の側板331,332は、-Z側の端部近傍にボルトを貫通させるための開口334を有している。天板333は、中央に開口335を有する。側板331の+Z側の端部は天板333の+Y側に接続され、側板332の+Z側の端部は天板333の-Y側に接続されている。
【0019】
吊り上げ部材固定部33は、開口324と開口335に挿通されたボルト35およびナット36により塞ぎ板322に接続される。開口324と開口335の内径は、ボルト35の外径よりも大きい。ナット36は、天板333との間に隙間を有した状態でボルト35に接続される。そのため、吊り上げ部材固定部33は、回転接続部32に鉛直軸回りに回転自在に接続される。吊り上げ部材30は、複数の開口111の何れか一つにボルト37とナット38で固定される。
【0020】
吊り上げ部材30の鉛直方向(Z軸方向)の長さは、支持部12の鉛直方向(Z軸方向)の長さより短い。これにより、吊り上げ部材30における吊り上げ装置による玉掛け位置は、固定部13より鉛直方向の下方(-Z側)となる。
【0021】
次に、吊り治具1の使用例について図5を参照して説明する。ここでは、既設の機器510のフランジ面511に、増設する機器520(吊り上げ対象部材)のフランジ面521を接続する場合について説明する。フランジ面511およびフランジ面521には、ボルトを貫通させる穴が複数設けられており、フランジ面511とフランジ面521とをボルトで締結する。
【0022】
最初に、吊り上げる機器520の重心位置を計算で求める。そして、チェーンブロックで機器520を吊り上げた際に機器520が水平になるように、機器520の重心位置を考慮して接続部11の複数の開口111のいずれかを選択し、吊り上げ部材30を接続部11に取り付ける。
【0023】
次に、機器520のフランジ面522に吊り治具1の固定部13を固定する。吊り治具1の固定部13は、長穴131を有しているので、フランジ面522のボルト穴の位置に合わせて吊り治具1を固定することができる。
【0024】
図5に示されるように、天井Cの所定の場所に天井フック535が設けられている。天井フック535それぞれには、チェーンブロック540が取り付けられている。チェーンブロック540の荷物持ち上げ用鎖541の先端には、下フック542が取り付けられている。次に、チェーンブロック540の下フック542を吊り治具1の吊り上げ部材30に接続し、機器520を吊り上げる。そして、機器520のフランジ面521を機器510のフランジ面511に重なるように、チェーンブロック540の操作鎖543を操作して機器520を移動する。機器520のフランジ面521が既設の機器510のフランジ面511と平行になるように、機器520を吊り上げ部材30の回転接続部32を軸として回転させる。そして、機器520のフランジ面521を機器510のフランジ面511に合わせ、ボルトで締結する。
【0025】
図5に示されるように、吊り治具1を使用することにより、吊り上げ部材30の玉掛け位置は、増設する機器520のフランジ面522より-Z側となる。したがって、吊り治具1を利用することにより、従来よりも長い吊り代L1を確保することができる。
【0026】
従来の機器の吊り上げ方法では、図6に示されるように、機器520の各所をナイロンスリングで玉掛けしてシャックル531を介してリング530で束ねるので、機器520とリング530との鉛直方向の距離L2が長くなる。そのため、玉掛け位置(リング530の位置)から天井までの吊り代L1が短くなる。吊り代L1が短くなると、2本のチェーンブロック540の荷物持ち上げ用鎖541のなす角度θが大きくなり、荷物持ち上げ用鎖541に加わる張力が大きくなる。その結果、荷物持ち上げ用鎖541が切れやすくなる。
【0027】
以上に説明したように、実施形態に係る吊り治具1を使用することにより、玉掛け位置を固定部13より鉛直方向の下方(-Z側)にすることができる。したがって、吊り治具1を使用することにより、従来よりも長い吊り代L1を確保することができる。
【0028】
また、吊り治具1の吊り上げ部材30は、吊り上げ部材固定部33に取付部31を鉛直軸回りに回転自在に接続する回転接続部32を有する。これにより、吊り上げた機器520を鉛直軸回りに回転をすることができる。これにより、既設の機器510のフランジ面511と増設する機器520のフランジ面521とを合わせる作業時間を短縮することができる。
【0029】
また、吊り治具1の接続部11は、水平方向(X軸方向)に配置された複数の開口111を有する。複数の開口111のいずれかを選択して吊り上げ部材30を取り付けることにより、吊り上げ対象の機器520の重心位置が中央からずれている場合でも、機器520を水平な状態で吊り上げることができる。
【0030】
また、吊り治具1の固定部13は、長穴131を有するので、開口径の異なる管体の機器に吊り治具1を接続することができる。これにより、開口径の異なる管体の機器ごとに専用の吊り治具を作成する必要が無くなり、機器の据付費用を低減することができる。
【0031】
また、吊り治具1は、環状部材15に取手17を有する。これにより、吊り治具1を容易に運搬することができる。
【0032】
なお、上記の説明では、吊り上げ部材30の鉛直方向(Z軸方向)の長さが支持部12の鉛直方向(Z軸方向)の長さより短い場合について説明したが、これに限定されない。接続部11に設けられた吊り上げ部材30を取り付ける開口111の位置が、固定部13よりも-Z側にあればよい。これにより、吊り代を確保することができる。
【0033】
また、上記の説明では、吊り上げ対象の機器のフランジ(あるいは、環状部材15)の中心を対称点として、環状部材15の外周に2個の固定部13が設けられている場合について説明した。しかし、固定部13の数を限定する必要はない。吊り上げ対象の機器に応じて、4個もしくは8個の固定部13を環状部材15の外周に設けてもよい。固定部13の数を多くすることにより、吊り治具と機器との結合を強くすることができる。
【0034】
(変形例1)
上記の説明では、吊り治具1が環状部材15を有する場合について説明した。しかし、図7および図8に示されるように、吊り治具1は、環状部材15を有していなくてもよい。図7に示されるように、接続部11は、支持部12により吊り上げ対象部材である機器520の内部で固定部13に支持される。したがって、接続部11における吊り上げ装置による玉掛け位置が、固定部13より鉛直方向の下方となる。これにより、チェーンブロックを使用して機器520を吊り上げる際、従来よりも長い吊り代L1を確保することができる。
【0035】
(変形例2)
実施形態および変形例1で説明した吊り治具1は、接続部11がY軸方向に薄い鉄板で形成されている場合について説明した。変形例2では、接続部11がZ軸方向に薄い鉄板で形成されている場合について説明する。
【0036】
図9は、変形例2に係る吊り治具1の吊り上げ部材30を除いた斜視図である。接続部11は、X軸方向を長手方向とする鉄板で形成された部材である。接続部11は、XY平面にZ軸方向に貫通する複数の開口111を有している。複数の開口111は、X軸方向に沿って配列されている。
【0037】
支持部12は、鉄板で形成されている。支持部12は、接続部11の+X側と-X側の端部に、接続部11に対して鉛直方向(+Z方向)に接続されている。
【0038】
固定部13は、吊り上げ対象である機器を取り付けるための鉄板で形成された部材である。固定部13は、支持部12と接続されている側の端部から支持部12が接続されていない側に向かう方向を長手方向とする長穴131を有している。つまり、固定部13は、円筒状の吊り上げ対象である機器の直径方向を長手方向とする長穴131を有している。
【0039】
固定部13は、支持部12の+Z側の端部に、支持部12を対称面として接続部11と反対側に接続されている。具体的には、図9に示される左上の固定部13は、左側の支持部12を対称面として、接続部11の-X側に接続されている。また、図9に示される右上の固定部13は、右側の支持部12を対称面として、接続部11の+X側に接続されている。
【0040】
変形例2に係る吊り治具1では、接続部11の開口111が、Z軸方向に貫通している。したがって、吊り上げ部材30の吊り上げ部材固定部33は、Z軸方向に貫通した開口111にボルトで固定可能な構造にする。
【0041】
(変形例3)
変形例2に係る吊り治具1は、接続部11の開口111にZ軸方向にボルトを貫通させて吊り上げ部材30を固定する構造である。吊り治具1は、接続部11が吊り上げ対象である機器の管の中に納まった状態で、機器に取り付けられることが多い。この場合、開口111の-Z側からボルトを締め付けることが困難なことがある。変形例3に係る吊り治具1は、図10に示されるように、接続部11の開口111をY軸方向から締め付け可能な構造である。
【0042】
具体的には、図10に示されるように、変形例3に係る吊り治具1の接続部11は、YZ平面がL字状のL字金具118とL字金具119を有する。L字金具118およびL字金具119は、長手方向をX軸方向とする立板115と底板116を有する。立板115は、X軸方向に沿って配列された複数の開口111を有している。開口111は、Y軸方向に貫通する穴である。L字金具118は、立板115の-Z側の端部に-Y側に延びる底板116を有する。L字金具119は、立板115の-Z側の端部に+Y側に延びる底板116を有する。変形例3に係る吊り治具1の接続部11は、L字金具118およびL字金具119をそれぞれの開口111の位置が合うように接続して形成される。
【0043】
上述した実施形態および変形例では、接続部11及び支持部12が矩形の鉄板で形成されている場合について説明した。しかし、接続部11及び支持部12の形状は、矩形に限定されない。例えば、接続部11が円形であり、支持部12が円筒状であってもよい。吊り治具1は、固定部13に対して、接続部11を吊り上げ対象部材の内部で支持する構造であればよい。
【0044】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施しうるものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…吊り治具
11…接続部
111…開口
115…立板
116…底板
118,119…L字金具
12…支持部
121…立板
122…横板
13…固定部
131…長穴
15…環状部材
17…取手
30…吊り上げ部材
31…取付部
32…回転接続部
321…U字状部材
322…塞ぎ板
324…開口
33…吊り上げ部材固定部
331,332…側板
333…天板
334,335…開口
35,37…ボルト
36,38…ナット
510…既設の機器
511,521,522…フランジ面
520…増設する機器(吊り上げ対象部材)
530…リング
531…シャックル
532…ナイロンスリング
535…天井フック
540…チェーンブロック
541…荷物持ち上げ用鎖
542…下フック
543…操作鎖
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10