(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】ハンドヘルドジンバルの制御方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
F16M 13/00 20060101AFI20220530BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20220530BHJP
H04M 1/12 20060101ALI20220530BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20220530BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
F16M13/00 K
G06F1/16 313A
H04M1/12 D
G03B17/56 B
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2020540489
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(86)【国際出願番号】 CN2018085554
(87)【国際公開番号】W WO2019153558
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】201810132674.5
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518040943
【氏名又は名称】グイリン ジーシェン インフォメーション テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUILIN ZHISHEN INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】6th FLOOR, BUILDING 13, CREATIVE INDUSTRIAL PARK, GUIMO ROAD, QIXING DISTRICT, GUILIN 541004, GUANGXI, CHINA.
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】リアオ,イールン
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0013228(US,A1)
【文献】登録実用新案第3204705(JP,U)
【文献】特表2016-541011(JP,A)
【文献】特表2016-515348(JP,A)
【文献】特開2010-130061(JP,A)
【文献】特開2017-102138(JP,A)
【文献】特表2017-504818(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0310868(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0120585(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 13/00
F16M 13/04
H04M 1/12
H04N 5/222
G03B 17/56
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルドジンバル制御方法であって、
前記ハンドヘルドジンバルの現在のモードを検出するステップ1)と、
前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあるか否かを検出し、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルを待機モードにするステップ2)と、
前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあるか否かを検出し、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルを動作モードにするステップ3)を含み、
ここで、上記ステップ2)及びステップ3)が順不同で実行され
、
前記ステップ1)では、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターの動作状態を検出し、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターが動作している場合、前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにあると判断し、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターが動作していない場合、前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにあると判断することを特徴とする前記制御方法。
【請求項2】
前記ステップ2)では、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあることが検出される場合、前記ハンドヘルドジンバルは動作モードに維持し、前記ステップ3)では、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあることが検出される場合、前記ハンドヘルドジンバルは待機モードに維持することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記ステップ2)では、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターの電源を切断することをさらに含み、前記ステップ3)では、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターに電力を供給することをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項4】
待機モードでは、前記ハンドヘルドジンバルの通信を切断することをさらに含み、動作モードでは、前記ハンドヘルドジンバルの通信を復元することをさらに含むことを特徴とする請求項
3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記ハンドヘルドジンバルは、ロール軸モーター、前記ロール軸モーターに固定接続された第一の接続アームと第二の接続アームを備え、前記第一の接続アームの中軸線と前記第二の接続アームの中軸線に夾角があり、前記ステップ2)及び前記ステップ3)では、前記夾角を測定することにより、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置又は非折り畳み位置にあるかを判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項6】
前記夾角が所定の閾値角度以下である場合、前記ハンドヘルドジンバルは折り畳み位置にあると判断され、前記夾角が所定の閾値角度よりも大きい場合、前記ハンドヘルドジンバルは非折り畳み位置にあると判断されることを特徴とする請求項
5に記載の制御方法。
【請求項7】
前記所定の閾値角度が10°であることを特徴とする請求項
6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記所定の閾値角度が5°であることを特徴とする請求項
6に記載の制御方法。
【請求項9】
メモリとプロセッサを備えるハンドヘルドジンバル制御装置であって、
前記メモリには前記プロセッサで実行されるコンピュータプログラムが記憶され、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1-
8のいずれか一項に記載される制御方法を実行することを特徴とする前記ハンドヘルドジンバル制御装置。
【請求項10】
ハンドヘルドジンバル制御装置であって、
前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあるか否かを検出するように構成される折り畳み位置検出装置と、
前記ハンドヘルドジンバルの現在のモードを検出し、
前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを待機モードにし、
前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを動作モードにするように構成される主制御ユニットとを備え
、
前記ハンドヘルドジンバルはモーターを備え、前記主制御ユニットは、前記モーターの動作状態を検出し、前記モーターが動作している場合、前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにあると判断し、前記モーターが動作していない場合、前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにあると判断することを特徴とする前記ハンドヘルドジンバル制御装置。
【請求項11】
前記主制御ユニットはさらに、
前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを動作モードに維持させ、
前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを待機モードに維持させるように構成されることを特徴とする請求項
10に記載の制御装置。
【請求項12】
電源制御装置をさらに備え、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にある場合、前記主制御ユニットは、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターの電源を切断するように前記電源制御装置を制御し、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にある場合、前記主制御ユニットは、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターに電力を供給するように前記電源制御装置を制御することを特徴とする請求項
10に記載の制御装置。
【請求項13】
前記ハンドヘルドジンバルは、ロール軸モーター、前記ロール軸モーターに固定接続された第一の接続アームと第二の接続アームを備え、前記第一の接続アームの中軸線と前記第二の接続アームの中軸線に夾角があり、前記折り畳み位置検出装置は前記夾角を測定するための角度センサーであることを特徴とする請求項
10に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドヘルドジンバルに関し、具体的にハンドヘルドジンバルの制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドヘルドジンバルは、撮影装置(例えば携帯電話)をインストール及び固定するための支持装置であり、撮影装置が写真を安定して撮ったり、撮像したりすることができるように、撮影装置の動き状態及び位置を調整することに用いられる。現在、主流のハンドヘルドジンバルは、単軸ハンドヘルドジンバル、2軸ハンドヘルドジンバル及び3軸ハンドヘルドジンバルを含み、3軸ハンドヘルドジンバルが3つの方向に撮影装置の動きを制御することができ、したがって、撮影効果が高い。
【0003】
ユーザが従来のハンドヘルドジンバルを使用して携帯電話で写真を撮る際に、ユーザが一時的に電話をかけたり、電話に出たり、ハンドヘルドジンバルの動作を停止したりする必要がある場合、ハンドヘルドジンバルのモーターへの損傷を避けるために、ハンドヘルドジンバルを先にオフにしなければならない。ユーザが通話を終了した後、ハンドヘルドジンバルがオンになって再起動するように、もう一度電源ボタンを押す必要がある。ハンドヘルドジンバルと協働するためのAPPが携帯電話に設定された場合にのみ、ハンドヘルドジンバルは正常に動作することができる。
【0004】
しかし、現在のハンドヘルドジンバルの上記操作方法は、煩雑で時間がかかり、ユーザにとって不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の上記問題に対して、本発明は、ハンドヘルドジンバルの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記制御方法は、
前記ハンドヘルドジンバルの現在のモードを検出するステップ1)と、
前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあるか否かを検出し、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルを待機モードにするステップ2)と、
前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあるか否かを検出し、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルを動作モードにするステップ3)とを含み、
ここで、上記ステップ2)及び3)が順不同で実行される。
【0007】
好ましくは、前記ステップ2)では、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあることが検出された場合、前記ハンドヘルドジンバルは動作モードに維持し、前記ステップ3)では、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあることが検出された場合、前記ハンドヘルドジンバルは待機モードに維持する。
【0008】
好ましくは、前記ステップ1)では、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターの動作状態を検出し、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターが動作している場合、前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにあると判断し、前記ハンドヘルドジンバルのモーターが動作していない場合、前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにあると判断する。
【0009】
好ましくは、前記ステップ2)では、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターの電源を切断することをさらに含む。前記ステップ3)では、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にある場合、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターに電力を供給することをさらに含む。
【0010】
好ましくは、待機モードでは、前記ハンドヘルドジンバルの通信を切断することをさらに含み、動作モードでは、前記ハンドヘルドジンバルの通信を復元することをさらに含む。
【0011】
好ましくは、前記ハンドヘルドジンバルは、ロール軸モーター、前記ロール軸モーターに固定接続された第一の接続アームと第二の接続アームを備え、前記第一の接続アームの中軸線と前記第二の接続アームの中軸線に夾角がある。前記ステップ2)及び前記ステップ3)では、前記夾角を測定することにより、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置又は非折り畳み位置にあるかを判断する。
【0012】
好ましくは、前記夾角が所定の閾値角度以下である場合、前記ハンドヘルドジンバルは折り畳み位置にあると判断され、前記夾角が所定の閾値角度よりも大きい場合、前記ハンドヘルドジンバルは非折り畳み位置にあると判断される。
【0013】
好ましくは、前記所定の閾値角度が10°である。
【0014】
好ましくは、前記所定の閾値角度が5°である。
【0015】
本発明の実施形態によるハンドヘルドジンバル制御装置は、メモリとプロセッサを備え、前記メモリには前記プロセッサで実行されるコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、前記制御装置が上述した制御方法を実行する。
【0016】
本発明の実施形態によるハンドヘルドジンバル制御装置は、
前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあるか否かを検出するように構成される折り畳み位置検出装置と、
前記ハンドヘルドジンバルの現在のモードを検出し、
前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを待機モードにし、
前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを動作モードにするように構成される主制御ユニットとを備える。
【0017】
好ましくは、前記主制御ユニットはさらに前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを動作モードに維持させ、前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにある場合、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあると、前記ハンドヘルドジンバルを待機モードに維持させるように構成される。
【0018】
好ましくは、前記ハンドヘルドジンバルはモーターを備え、前記主制御ユニットは、前記モーターの動作状態を検出し、前記モーターが動作している場合、前記ハンドヘルドジンバルが動作モードにあると判断し、前記モーターが動作していない場合、前記ハンドヘルドジンバルが待機モードにあると判断する。
【0019】
好ましくは、電源制御装置をさらに備え、前記ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にある場合、前記主制御ユニットは、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターの電源を切断するように前記電源制御装置を制御し、前記ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にある場合、前記主制御ユニットは、前記ハンドヘルドジンバルにおけるモーターに電力を供給するように前記電源制御装置を制御する。
【0020】
好ましくは、前記ハンドヘルドジンバルは、ロール軸モーター、前記ロール軸モーターに固定接続された第一の接続アームと第二の接続アームを備え、前記第一の接続アームの中軸線と前記第二の接続アームの中軸線に夾角があり、前記折り畳み位置検出装置は前記夾角を測定するための角度センサーである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の制御方法に基づき、ユーザは、ハンドヘルドジンバルを折り畳むことにより、モーターに動作を一時停止させるので、速く電話に出たり、電話をかけたりすることができ、電話に出たり、電話をかけたりする過程においてモーターが損傷されない。ハンドヘルドジンバルが折り畳まれた状態でオフにならないので、電話に出たり、電話をかけたりした後、ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置から離れるだけで、ハンドヘルドジンバルの動作を再開できる。ユーザにとって操作しやすく、時間を節約する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下に図面を参照して本発明の実施形態をさらに説明する。ここで、
【
図1】ハンドヘルドジンバルが動作する場合の概略斜視図である。
【
図2】矢印Aで示される方向に沿った、
図1に示されるハンドヘルドジンバルの概略平面図である。
【
図3】ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にある場合の概略平面図である。
【
図4】本発明の好ましい実施形態によるハンドヘルドジンバル制御装置のブロック図である。
【
図5】本発明の好ましい実施形態によるハンドヘルドジンバル制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、以下に図面と組み合わせて具体的な実施形態で本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
本発明の制御方法を容易に説明するために、以下にまず
図1-3と組み合わせて前記ハンドヘルドジンバル1の構造及び様々な状態を説明する。
図1はハンドヘルドジンバルが動作する場合の概略斜視図である。
図2は矢印Aで示される方向に沿った、
図1に示されるハンドヘルドジンバルの概略平面図である。
図1及び
図2に示されるように、ハンドヘルドジンバル1は、ヨー軸モーター11、ロール軸モーター12とピッチ軸モーター13を備え、ヨー軸モーター11の回転軸、ロール軸モーター12の回転軸L1とピッチ軸モーター13の回転軸という3つの軸が相互に垂直である。ロール軸モーター12は、対向して設けられたモーターエンドカバー121及びモーターハウジング122と、モーターエンドカバー121及びヨー軸モーター11に固定接続された第一の接続アーム123と、モーターハウジング122及びピッチ軸モーター13に固定接続された第二の接続アーム124とを含む。第一の接続アーム123の中軸線L2は、ロール軸モーター12の回転軸L1に垂直であり、第二の接続アーム124の中軸線L3は、ロール軸モーター12の回転軸L1に垂直である。
図1及び
図2に示される中軸線L2と中軸線L3の間の夾角θが90°である。
【0025】
ユーザは、
図2に示される矢印Bの方向に沿って第二の接続アーム124を動かし且つそれを90°回転させることができ、そのため、夾角θは0°まで徐々に小さくなる。
図3に示されるように、この状態で、ハンドヘルドジンバル1により占有されたスペースが最も小さい。本発明の一つの実施形態によれば、夾角θが0~10°であるとハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にあると定義され、夾角θが10°よりも大きいとハンドヘルドジンバル1が非折り畳み位置にあると定義される。
【0026】
本出願ではハンドヘルドジンバル1が電源投入された後の動作モードと待機モードが定義されている。本発明の一つの実施形態によれば、動作モードとは、主制御ユニット24が動作し且つ全てのモーターが電源投入された動作状態にあり、この時にハンドヘルドジンバルシステムが通常動作状態にあることを意味する。待機モードとは、主制御ユニット24が動作し且つ全てのモーターに電力が供給されない(即ち動作を停止する)ことを意味する。
【0027】
図4は本発明の好ましい実施形態によるハンドヘルドジンバル制御装置のブロック図である。前記装置は、主制御ユニット24、主制御ユニットに接続された角度センサー22と電源制御装置23を備える。本発明の一つの実施形態によれば、角度センサー22は、中軸線L2と中軸線L3の間の夾角θを測定するためにロール軸モーター12にインストールされる。主制御ユニット24は、ハンドヘルドジンバル1の現在のモードを検出し、全てのモーターの電源を切断し又は全てのモーターに電力を供給するように電源制御装置23を制御するように構成される。
【0028】
図5は本発明の好ましい実施形態によるハンドヘルドジンバル制御方法のフローチャートである。
図5に示すように、前記方法は次のステップを含む。
【0029】
ハンドヘルドジンバル1は、オンになった後に自動的に動作モードに入るように予め設けられてもよく、他の実施形態によれば、自動的に待機モードに入るように予め設けられてもよい。次に以下の判断ステップに入る。
【0030】
ステップS1)において、ハンドヘルドジンバル1の現在のモードを検出する。
【0031】
ハンドヘルドジンバル1が動作モードにある場合、ステップS1)の後に次のステップS21)を実行する。
【0032】
ステップS21)において、夾角θを測定する。
【0033】
ステップS22)において、夾角θが0~10°であるか否か(即ちハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にあるか否か)を判断し、0~10°範囲にないとステップS21)を繰り返し、該範囲にある(即ちハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にある)と、次のステップS23)を実行する。
【0034】
ステップS23)において、ハンドヘルドジンバル1を待機モードにし、全てのモーターの電源を切断する。
【0035】
ハンドヘルドジンバル1が待機モードにある場合、ステップS1)の後に次のステップS31)を実行する。
【0036】
ステップS31)において、夾角θを測定する。
【0037】
ステップS32)において、夾角θが10°よりも大きいか否か(即ちハンドヘルドジンバル1が非折り畳み位置にあるか否か)を判断し、夾角θが10°以下であるとステップS31)を繰り返し、夾角θが10°よりも大きい(即ちハンドヘルドジンバル1が非折り畳み位置にある)と、次のステップS33)を実行する。
【0038】
ステップS33)において、ハンドヘルドジンバル1を動作モードにし、全てのモーターの電源を入れる。
上記ステップS1)を繰り返す。
【0039】
以下にユーザの実際の使用プロセスと組み合わせて上記制御方法を具体的に説明する。
まずハンドヘルドジンバル1に携帯電話を挟持し、ハンドヘルドジンバル1の電源ボタンを押してオンにし、携帯電話のブルートゥース(登録商標)をオンにし、携帯電話APPを開いて設定し、携帯電話をハンドヘルドジンバル1に接続する。
【0040】
ユーザは、ハンドヘルドジンバル1を使用して携帯電話を固定して写真を撮ったり、撮影したりする。
写真を撮る過程では、ユーザが電話をかけたり、電話に出たりする必要がある場合、ユーザは、ハンドヘルドジンバル1をオフにすることなく、第二の接続アーム124を手で動かしてハンドヘルドジンバル1を
図3に示される折り畳み位置にあるとするだけでよい。ここで、ユーザが第二の接続アーム124を動かす過程では、第一の段階(夾角θが徐々に10°まで小さくなる)でステップS1)、ステップS21)、ステップS22)を順次実行し、ステップS21)とステップS22)を繰り返す。次に第二の段階(夾角θが10°から0°に小さくなり、又は10°内に変化する)でステップS23)、ステップS1)、ステップS31)、ステップS32)を順次実行し、ステップS31)とステップS32)を繰り返す。
【0041】
第二の段階のステップS23)で全てのモーターの電源が切断されるので、電話に出たり、電話をかけたりする過程においてハンドヘルドジンバル1の電気量を節約することができ、且つモーターが損傷されない。ハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にある場合、ユーザは、ハンドヘルドジンバル1の電源ボタンを押してオフにすることなく、容易に電話に出たり、電話をかけたりすることができる。ユーザは、電話に出る過程において、ステップS31)とステップ32)を繰り返し実行する。
【0042】
ユーザが通話を終了した後、携帯電話を再度使用して写真を撮る必要がある場合、第二の接続アーム124を動かしてハンドヘルドジンバル1を
図3に示される折り畳み位置から離れ、即ち非折り畳み位置にあるとするだけでよい。ここで、ユーザが第二の接続アーム124を動かす過程において、第三の段階(夾角θが0°から10°に増大する)で次のステップを順次実行する:ステップS31)とステップS32)を繰り返す。第四の段階(夾角θが10°よりも大きい)で実行される制御プロセスでは、ステップS33)、ステップS1)、ステップS21)、ステップS22)を実行し、ステップS21)とステップS22)を繰り返す。
【0043】
ユーザは、ハンドヘルドジンバル1を折り畳むことにより、全てのモーターに動作を一時停止させるので、速く電話に出ることができ、電話に出る過程においてモーターが損傷されない。ハンドヘルドジンバル1が折り畳まれた状態でオフにならないので、電話に出た後、ハンドヘルドジンバル1を折り畳み位置から離れるだけで、全てのモーターの電源を入れてハンドヘルドジンバル1を正常動作させることができ、したがって、ハンドヘルドジンバル1の動作を速く再開できる。ユーザにとって操作しやすく、時間を節約する。
【0044】
本発明の他方の実施形態では、ハンドヘルドジンバル1が待機モードに入った後、携帯電話とハンドヘルドジンバル1の間の通信接続が切断される。ハンドヘルドジンバル1が動作モードに入った後、携帯電話とハンドヘルドジンバル1の間の通信接続が復元される。
【0045】
本発明の他方の実施形態では、夾角θが0~5°であるとハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にあると定義される。本発明のさらなる他方の実施形態では、夾角θが0°であるとハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にあると定義される。本発明の他の実施形態では、夾角θが他の角度範囲にあるとハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にあると定義される。
【0046】
本発明の他の実施形態では、第一の接続アーム123又は第二の接続アーム124に距離センサーが設けられ、第一の接続アーム123と第二の接続アーム124の間の距離によってハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にあるか否かを判断する。
【0047】
本発明のさらなる実施形態では、第一の接続アーム123又は第二の接続アーム124にスイッチが設けられ、ハンドヘルドジンバル1が折り畳み位置にある場合、該スイッチがトリガーされ、スイッチの導通状態に従ってハンドヘルドジンバル1の折り畳み状態又は非折り畳み状態を判断する。
【0048】
本発明の制御方法は、2軸ハンドヘルドジンバル(即ちピッチ軸モーター13とヨー軸モーター11のいずれかの一方とロール軸モーター12で構成される)に用いられてもよいし、単軸ハンドヘルドジンバル(即ちロール軸モーター12で構成される)に用いられてもよい。
【0049】
本発明のさらなる他の実施形態では、単軸ハンドヘルドジンバルはロール軸モーターを備え、主制御ユニットは、ロール軸モーターの動作状態を検出し、ロール軸モーターが動作している場合、単軸ハンドヘルドジンバルが動作モードにあると判断し、ロール軸モーターが動作していない場合、単軸ハンドヘルドジンバルが待機モードにあると判断する。主制御ユニットはさらに単軸ハンドヘルドジンバルが動作モードにある場合、単軸ハンドヘルドジンバルが折り畳み位置にあると、前記単軸ハンドヘルドジンバルを待機モードにし、且つロール軸モーターの電源を切断し、単軸ハンドヘルドジンバルが待機モードにある場合、単軸ハンドヘルドジンバルが非折り畳み位置にあると、前記単軸ハンドヘルドジンバルを動作モードにし、且つロール軸モーターの電源を入れるように構成される。
【0050】
本発明はさらにハンドヘルドジンバル制御装置を提供する。前記装置は、メモリとプロセッサを備え、メモリにプロセッサで実行されるコンピュータプログラムが記憶され、プロセッサがコンピュータプログラムを実行すると、上述した制御方法を実行する。
【0051】
本発明は好ましい実施形態で説明されたが、本発明は、本明細書で説明される実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び変形を含む。