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特許7080983統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/50 20220101AFI20220530BHJP
【FI】
H04L45/50
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020544421
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2019074875
(87)【国際公開番号】W WO2019165888
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-08-21
(31)【優先権主張番号】201810171541.9
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ アイファ
(72)【発明者】
【氏名】ザン シャンピン
(72)【発明者】
【氏名】フー ファンウェイ
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-159486(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0256456(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0373966(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、統一セグメントルーティングヘッダU-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、を含む
統一セグメントルーティングSRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う方法。
【請求項2】
前記転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップは、
前記転送プレーンのタイプがマルチプロトコルラベルスイッチMPLSまたはマルチプロトコルラベルスイッチ送信プロトコルMPLS-TP転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するMPLSまたはMPLS-TP予約ラベルを互換性インジケータとして割り当てるステップと、
前記転送プレーンのタイプがIPv6転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するIPv6拡張ヘッダを互換性インジケータとして割り当てるステップと、
前記転送プレーンのタイプがIPv4転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示する指定されたユーザデータグラムプロトコルUDPポート番号を互換性インジケータとして割り当てるステップと、
前記転送プレーンのタイプが仮想拡張可能ローカルエリアネットワーク(VxLAN)転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示する拡張ヘッダタイプを互換性インジケータとして割り当てるステップと、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記U-SRHは、前記SRラベルスタックのフォーマットを指示するパラメータを含み、前記パラメータは、ヘッダバージョン、ラベルスタックの最大ラベル数および現在ラベル数、最大ラベルスタック深度および現在ラベルスタック深度、SRラベルのフォーマット幅、転送プレーン封止タイプ、OAMパケット指示情報(O-Flag)、次のU-SRHを搬送していることの指示情報(N-Flag)、およびユーザ定義情報を搬送していることの指示情報(U-Flag)のうちの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップは、
プッシュ・スタック方式に基づいて、前記SRラベルスタックと前記U-SRHを前記サービスメッセージにプッシュして、前記U-SRHの前に前記互換性インジケータをプッシュして前記拡張メッセージを得るステップを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップは、
前記拡張メッセージを解析することによって、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別でき、前記U-SRHをサポートする場合、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、
前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別できない場合、前記転送プレーンの転送フローに基づいて前記拡張メッセージを転送するステップと、
前記拡張メッセージを解析することによって、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別できるが、前記U-SRHをサポートしない場合、前記拡張メッセージを廃棄するステップと、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記拡張メッセージが前記転送プレーンの出口に転送されると、前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信するステップをさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、統一セグメントルーティングヘッダU-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当て、SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るように設けられたイングレスノードと、
前記拡張メッセージが搬送した前記互換性インジケータに基づいて、前記拡張メッセージが前記U-SRHを搬送していることを確定し、前記U-SRHおよび前記SRラベルスタックに基づいて、前記拡張メッセージを処理し転送するように設けられた転送ノードと、
前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信するイグレスノードと、を備える
統一セグメントルーティング(SR)ラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うシステム。
【請求項8】
統一セグメントルーティング(SR)ラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムを記憶している記憶媒体において、前記統一セグメントルーティング(SR)ラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムはプロセッサによって実行されるときに、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、統一セグメントルーティングヘッダU-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、を実現する 記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パケット伝送ネットワーク(Packet Transport Network,PTN)の分野に関し、特に、統一セグメントルーティング(Segment Routing,SR)ラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
SRは、送信元アドレスに基づくルーティング方法であり、従来のマルチプロトコルラベルスイッチング(Multi-Protocol Label Switching,MPLS)ネットワークのヘッダまたはインターネットプロトコルバージョン6(Internet Protocol Version 6,IPv6)ヘッダ内でセグメントルーティングヘッダ(Segment Routing Header,SR header)を搬送することによって、ネットワーク内でのデータのルーティングおよび送信のための一連の指示操作(セグメントオペレーションとも呼ばれる)をSRH内で搬送する。セグメントルーティングによって、ネットワークの負荷分散とプロセスエンジニアリング、および高速再ルーティングなどの複雑なネットワーク機能を非常に容易に実現でき、セグメントオペレーション指示も拡張してサービスまたはトポロジに基づくルーティング指示を実現できる。
【0003】
セグメントルーティング技術の原理図は図1に示されており、図1において、Iは、メッセージPに対しセグメントルーティングフォーマットの封止を担当するイングレス(ingress)ノードであり、Eは、セグメントルーティングメッセージの封止解除を担当するイグレス(Egress)ノードであり、A、B、C、D、Fは、セグメントルーティングメッセージのデータ転送を担当する中間の転送ノードである。図1では、IノードからEノードへの最短経路はI-A-B-C-Eであり、一方、ユーザのニーズとしては、メッセージの転送時にノードBを経由したいが、A-BとC-Eとの間のリンクは経由したくない。この場合、従来の最短経路に基づく計算方法では、顧客のニーズを満たすことができないため、業界は次のようなセグメントルーティングの技術を提案した。即ち、イングレスノードIにおいて、経由する必要がある経路の指示操作をSR headerに封止し、中間ルータがこれら指示操作に基づいてデータ転送を行い、これら指示標示が内部ゲートウェイプロトコル(Interior Gateway Protocol,IGP)によって通知され、従来のシグナリングプロトコルの方式で通知する必要がなく、中間ノードがサービスエンジニアリングの転送情報を維持する必要もなく、ネットワーク配置が簡略化されるという技術である。
【0004】
現在のSR技術では、異なる転送プレーンに対して異なるルーティング命令ラベルスタック(Label Stack)を有する。SRは、MPLS転送プレーンに対してMPLSラベルフォーマットと互換性のあるラベルスタック[I-D.ietf-spring-segment-routing-mpls]を用い、IPv6転送プレーンに対してルーティング拡張ヘッダ(Segment Routing Extension Header,SRH)によりIPv6アドレスフォーマットと互換性のあるラベルスタック[I-D.ietf-6man-segment-routing-header]を用い、他の転送プレーンに対しても、対応するラベルスタックフォーマットを適応させる必要がある。このような設計は、SRラベルスタックの処理に以下の問題をもたらす:
【0005】
1. SRは、異なる転送プレーンに対して異なるラベルスタックフォーマットを適応させる必要がある。ラベルスタックフォーマットが統一的でなく、特にサービスのエンドツーエンド転送経路が異なる転送プレーンにまたがるシナリオが存在する場合、転送ボーダーノードがラベルスタックに対して転送プレーンフォーマットを適応させるための翻訳を行う必要がある。
【0006】
2. SRの応用は具体的な転送プレーン技術を感知する必要がある。異なる転送プレーンに対して、封止が異なるラベルスタックフォーマットを適応させ、SR応用の複雑さが増している。
【0007】
3. SRは、異なる転送プレーンに対してラベルスタックフォーマットを適応させるため、新しい転送プレーンにSR技術を拡張することには不利であり、即ち、新しい転送プレーンは新しいSRラベルスタックフォーマットを特別に定義する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本開示の実施例は、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う方法および装置を提供し、現在のSRが、メッセージ転送時に異なる転送プレーンに対して異なるラベルスタック封止フォーマットを適応させる必要があるという問題を解決する。
【0009】
本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う方法は、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、統一セグメントルーティングヘッダU-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、を含む。
【0010】
好ましくは、前記転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップは、
前記転送プレーンのタイプがマルチプロトコルラベルスイッチMPLSまたはマルチプロトコルラベルスイッチ送信プロトコルMPLS-TP転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するMPLSまたはMPLS-TP予約ラベルを互換性インジケータとして割り当てるステップと、
前記転送プレーンのタイプがIPv6転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するIPv6拡張ヘッダを互換性インジケータとして割り当てるステップと、
前記転送プレーンのタイプがIPv4転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するユーザデータグラムプロトコルUDPポート番号を互換性インジケータとして割り当てるステップと、
前記転送プレーンのタイプが他の転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示する拡張ヘッダタイプを互換性インジケータとして割り当てるステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記U-SRHは、前記SRラベルスタックのフォーマットを指示するパラメータを含み、前記パラメータは、ヘッダバージョン、ラベルスタックの最大ラベル数および現在ラベル数、最大ラベルスタック深度および現在ラベルスタック深度、SRラベルのフォーマット幅、転送プレーン封止タイプ、および他のフラグのうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
好ましくは、前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップは、
プッシュ・スタック方式に基づいて、前記SRラベルスタックと前記U-SRHを前記サービスメッセージにプッシュして、前記U-SRHの前に前記互換性インジケータをプッシュして前記拡張メッセージを得るステップを含む。
【0013】
好ましくは、前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップは、
前記拡張メッセージを解析することによって、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別でき、かつ前記互換性インジケータが指示する互換性のある転送プレーンを識別できる場合、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、
前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別できない場合、前記転送プレーンの転送フローに基づいて前記拡張メッセージを転送するステップと、
前記互換性インジケータが指示する互換性のある転送プレーンを識別できない場合、前記拡張メッセージを廃棄するステップと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記方法は、
前記拡張メッセージが前記転送プレーンの出口に転送されると、前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記転送プレーン互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信するステップをさらに含む。
【0015】
本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う装置は、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるように設けられた割り当てモジュールと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るように設けられたプッシュ・スタックモジュールと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するように設けられた転送モジュールと、を備える。
【0016】
本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う設備は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、前記メモリには、前記プロセッサにおいて実行可能な、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムが記憶されており、前記統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムは前記プロセッサによって実行されるときに、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、を実現する。
【0017】
本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うシステムは、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、統一セグメントルーティングヘッダU-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当て、SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るように設けられたイングレスノードと、
前記拡張メッセージが搬送した前記互換性インジケータに基づいて、前記拡張メッセージが前記U-SRHを搬送していることを確定し、前記U-SRHおよび前記SRラベルスタックに基づいて、前記拡張メッセージを処理し転送するように設けられた転送ノードと、
前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記転送プレーン互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信するイグレスノードと、を備える。
【0018】
本開示の実施例が提供する記憶媒体には、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムが記憶されており、前記統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムは前記プロセッサによって実行されるときに、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、を実現する。
【0019】
本開示の実施例が提供する技術案は以下の有益な効果を有する:
本開示の実施例は、PTNにおいて統一SRラベルスタックを実現し、具体的には、統一SRラベルスタックフォーマットを異なる転送プレーン技術に適用することにより、SR技術の統一性、有効性および拡張性を向上させ、MPLS/MPLS-TP、IPv4/IPv6などを含む様々なパケット転送ネットワークに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】SR技術の原理構造図である。
図2】本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うフローチャートである。
図3】本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う装置のブロック図である。
図4】本開示の実施例が提供する、統一SRヘッダ(Unified Segment Routing Header,U-SRH)フォーマット定義の概略図である。
図5】本開示の実施例が提供する、転送プレーンの転送処理のフローチャートである。
図6】本開示の実施例が提供する、MPLS/MPLS-TP転送プレーンにおける統一SRラベルスタックのメッセージフォーマットの概略図である。
図7】本開示の実施例が提供する、IPv6転送プレーンにおける統一SRラベルスタックのメッセージフォーマットの概略図である。
図8】本開示の実施例が提供する、IPv4転送プレーンにおける統一SRラベルスタックのメッセージフォーマットの概略図である。
【具体的な実施形態】
【0021】
以下では図面を組み合わせて本開示の好適な実施例について詳細に説明する。以下に説明する好適な実施例は、本開示を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではないと理解されたい。
【0022】
実施例1
図2は、本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うフローチャートである。図2に示すように、以下のステップを含む。
【0023】
ステップS101:転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、統一セグメントルーティングヘッダ((Unified Segment Routing Header,U-SRH))を搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てる。
【0024】
前記転送プレーンのタイプがMPLSまたはMPLS-TP転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、前記U-SRHを搬送することを指示するMPLSまたはMPLS-TP予約ラベル(例えば、予約ラベル値8)を互換性インジケータとして割り当てる。前記転送プレーンのタイプがIPv6転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するIPv6拡張ヘッダ(例えば、拡張ヘッダ45)を互換性インジケータとして割り当てる。前記転送プレーンのタイプがIPv4転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するUDPポート番号(例えば、UDPポート番号2000)を互換性インジケータとして割り当てる。前記転送プレーンのタイプが、仮想拡張可能ローカルエリアネットワーク(Virtual extensible Local Area Network,VxLAN)転送プレーンといった他の転送プレーンである場合、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示する拡張ヘッダタイプを互換性インジケータとして割り当てる。当該拡張ヘッダタイプは、定義された新しい拡張ヘッダタイプであってもよく、SRHに基づいて定義された新しいルーティング拡張ヘッダタイプであってもよい。
【0025】
ステップS102:SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得る。
【0026】
プッシュ・スタック方式に基づいて、前記SRラベルスタックと前記U-SRHを前記サービスメッセージにプッシュして、前記U-SRHの前に前記互換性インジケータをプッシュし、前記拡張メッセージを得る。
【0027】
ステップS103:前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送する。
【0028】
前記拡張メッセージを解析することによって、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別でき、前記互換性インジケータが指示する互換性のある転送プレーンを識別できる場合、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて前記拡張メッセージを処理し転送する。前記互換性インジケータが指示する互換性のある転送プレーンを識別できない場合、前記拡張メッセージを廃棄する。
【0029】
なお、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別できない場合、前記転送プレーンの転送フローに基づいて前記拡張メッセージを転送する。
【0030】
上記U-SRHは、前記SRラベルスタックのフォーマットを指示するパラメータを含み、前記パラメータは、ヘッダバージョン、ラベルスタックの最大ラベル数および現在ラベル数、最大ラベルスタック深度および現在ラベルスタック深度、SRラベルのフォーマット幅、転送プレーン封止タイプ、および他のフラグのうちの少なくとも1つを含む。ここで、前記他のフラグは、オペレーション管理メンテナンス(Operation Administration and Maintenance,OAM)メッセージ指示などの情報を含んでもよい。
【0031】
さらに、拡張メッセージが前記転送プレーンの出口に転送されると、前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記転送プレーン互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信する。
【0032】
当業者であれば、上記実施例の方法におけるステップの全部または一部は、プログラムを介して関連するハードウェアに命令することにより実現でき、前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよいということを理解できる。本開示の実施例はさらに記憶媒体を提供でき、当該記憶媒体には、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムが記憶されており、前記統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムはプロセッサによって実行されるときに、転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップと、SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップと、前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、を実現する。ここで、前記記憶媒体はROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク、Uディスクを含んでもよい。
【0033】
実施例2
図3は、本開示の実施例が提供する、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う装置のブロック図である。図3に示すように、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるように設けられた割り当てモジュールと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るように設けられたプッシュ・スタックモジュールと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するように設けられた転送モジュールと、を備える。
【0034】
前記装置は転送プレーンのイングレスノードに設けられることができ、その動作プロセスは次の通りである:前記転送プレーンのタイプがMPLSまたはMPLS-TP転送プレーンである場合、割り当てモジュールは、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するMPLSまたはMPLS-TP予約ラベル(例えば、予約ラベル値8)を互換性インジケータとして割り当てる。前記転送プレーンのタイプがIPv6転送プレーンである場合、割り当てモジュールは、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するIPv6拡張ヘッダ(例えば、拡張ヘッダ45)を互換性インジケータとして割り当てる。前記転送プレーンのタイプがIPv4転送プレーンである場合、割り当てモジュールは、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するUDPポート番号(例えば、UDPポート番号2000)を互換性インジケータとして割り当てる。前記転送プレーンのタイプがVxLAN転送プレーンといった他の転送プレーンである場合、割り当てモジュールは、前記サービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示する拡張ヘッダタイプを互換性インジケータとして割り当てる。プッシュ・スタックモジュールは、前記SRラベルスタックと前記U-SRHを前記サービスメッセージにプッシュして、前記U-SRHの前に前記互換性インジケータをプッシュして前記拡張メッセージを得る。転送モジュールは前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて前記拡張メッセージを処理し転送する。
【0035】
前記転送モジュールは転送ノードとイグレスノードに設けられることができる。転送ノードがメッセージを受信すると、前記拡張メッセージを解析することによって、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別でき、かつ前記互換性インジケータが指示する互換性のある転送プレーンを識別できる場合、前記拡張メッセージを処理して転送し、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別できるが、前記互換性インジケータが指示する互換性のある転送プレーンを識別できない場合、前記拡張メッセージを廃棄する。イグレスノードが前記拡張メッセージを受信すると、前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記転送プレーン互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信する。
【0036】
実施例3
本開示は、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行う設備を提供し、当該設備は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、前記メモリには、前記プロセッサにおいて実行可能な、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムが記憶されており、前記統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うプログラムは前記プロセッサによって実行されるときに、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、U-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当てるステップと、
SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るステップと、
前記SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータに基づいて、前記転送プレーンにおいて前記拡張メッセージを処理し転送するステップと、を実現する。
【0037】
実施例4
本開示は、統一SRラベルスタックを用いてメッセージ処理を行うシステムを提供し、前記システムは、
転送プレーンのタイプに基づいて、前記転送プレーンに入るサービスメッセージに、統一セグメントルーティングヘッダU-SRHを搬送することを指示するための互換性インジケータを割り当て、SRラベルスタック、前記U-SRHおよび前記互換性インジケータを前記サービスメッセージに追加して拡張メッセージを得るように設けられたイングレスノードと、
前記拡張メッセージが搬送した前記互換性インジケータに基づいて、前記拡張メッセージが前記U-SRHを搬送していることを確定し、前記U-SRHおよび前記SRラベルスタックに基づいて、前記拡張メッセージを処理し転送するように設けられた転送ノードと、
前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記転送プレーン互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信するイグレスノードと、を備える。
【0038】
前記システムの動作プロセスは次の通りである:イングレスノードはサービスメッセージを受信した後、SRラベルスタックとU-SRHを前記サービスメッセージにプッシュして、前記U-SRHの前にサービスメッセージに割り当てられた前記互換性インジケータをプッシュして前記拡張メッセージを得て、メッセージの処理と転送を容易にする。転送ノードは拡張メッセージを受信した後、前記拡張メッセージが前記互換性インジケータを搬送することを識別でき、かつ前記互換性インジケータが指示する互換性のある転送プレーンを識別できる場合、前記拡張メッセージを処理し転送する。イグレスノードは、前記拡張メッセージにおける前記U-SRH、前記SRラベルスタックおよび前記転送プレーン互換性インジケータをポップアップして、前記転送プレーンの外部に送信する。
【0039】
実施例5
本開示の実施例は、パケット転送ネットワークにおいて、SRが異なる転送プレーンに対して異なるラベルスタックを適応させる必要のない、統一されたSRラベルスタックフォーマットを実現し、これによって、統一されたSRラベルスタックは異なる転送プレーンに適応することができる。即ち、本開示の実施例は、統一されたSRラベルスタックフォーマットを設計し、統一されたSRラベルスタックフォーマットにより、異なる転送プレーンに対して異なるラベルスタックを適応させる必要がなく、統一されたSRラベルスタックを用いて異なる転送プレーンに応用する。
【0040】
図4は、本開示の実施例が提供するU-SRHフォーマット定義の概略図である。図4に示すように、定義を追加してSRヘッダ(Unified Segment Routing Header,U-SRH)を統一し、SRヘッダにはSRラベルスタックフォーマットの関連パラメータ、例えば、ラベルスタックのバージョン番号(Version,VerまたはV)、ラベルスタックの最大数(Max Label Num,MLNまたはM)、ラベルスタックの現在の数(Current Label Num,CLNまたはC)、ラベルの封止タイプ(Label Type,LT)、および他のフラグ(Flags,F)などの情報が定義されている。U-SRHを用いて、統一されたSRラベルスタックを容易に実現でき、異なる転送プレーン技術を感知する必要がない。
【0041】
本開示の実施例のアルゴリズムは以下の通りである。
【0042】
ステップ1:U-SRHを定義する。当該ヘッダはSRラベルスタックのフォーマットを指示するパラメータを含み、統一SRラベルスタックフォーマットは図4に示されている。
【0043】
ステップ2:従来の転送プレーンと互換性があるようにするために、U-SRHの転送プレーン互換性インジケータを定義する。MPLS/MPLS-TP転送プレーンに対して、U-SRHの拡張指示にMPLS予約ラベル値を用いる(例えば、MPLS/MPLS-TP転送プレーンがSRラベルスタックを搬送しているか否かを識別することの標記として予約値8を用いることを提案する)ことができるが、これに限定されない。IPv6の転送プレーンに対して、新たな拡張ヘッダタイプ(Extension Header Type)を定義するか、またはSRHに基づいて新たなルーティング拡張ヘッダタイプを定義してSRラベルスタックを搬送しているか否かを指示することが可能であるが、これに限定されない。VxLANなどの他の転送プレーンに対して、同様の考え方でU-SRHインジケータを定義することができる。
【0044】
ここで、ステップ1においてU-SRHヘッダにはバージョン(Ver,例えば2 bit)パラメータが含まれることができるが、これに限定されず、ヘッダのバージョンを指示し、U-SRHバージョンの後続のアップグレード拡張をサポートする。
【0045】
ここで、ステップ1においてU-SRHヘッダには、要求される最大ラベルスタック深度(MLD)と現在ラベルスタック深度(CLD)を含むラベルスタックの深度(Label Depth,LD,例えば6 bit)パラメータが含まれることができるが、これに限定されず、転送プレーンによるラベルスタック処理を容易にする。
【0046】
ここで、ステップ1においてU-SRHには、SRラベルスタックのフォーマット幅(W,例えば2 bit)パラメータが含まれることができるが、これに限定されず、ラベルのビット幅(例えば0:32 bit/1:128 bit)を指示する。
【0047】
ここで、ステップ1においてU-SRHには、転送プレーンの封止タイプ(LT,例えば3 bit)パラメータが含まれることができるが、これに限定されず、ラベルの封止プロトコルフォーマットを指示し、柔軟なラベル封止タイプをサポートし、デフォルトではMPLSラベルタイプ(例えば0:MPLS/1:IPv6、その他は割り当て待ち)を用いることを提案する。
【0048】
ここで、ステップ1においてU-SRHには、OAMメッセージ指示情報(O-Flag:OAMメッセージ指示)を含む他のフラグ(Flags)情報パラメータが含まれることができるが、これに限定されず、次のU-SRH指示情報(N-Flag:次のU-SRHヘッダを搬送している)を搬送し、ユーザ定義情報(U-Flag:ユーザ定義情報を搬送している)を搬送する。
【0049】
ここで、ステップ2に記載の転送プレーンは、U-SRH互換性インジケータに対し、転送プレーンと互換性のある指示案を定義することによってU-SRHを搬送するか否かを指示する。互換性インジケータの選択は次の2つの要件を満たす。一つは、対応する転送プレーンと互換性がある必要があること、つまり、U-SRHを感知しない転送プレーンに対し元の転送フローに従って転送することであり、もう一つは、互換性インジケータを感知するが当該インジケータを識別できない転送プレーンに対し、デフォルトで当該メッセージを破棄して誤転送を回避することである。例えば、MPLS/MPLS-TPに対し予約ラベル値が互換性インジケータとして選択される。
【0050】
ここで、ステップ2に記載の転送プレーンはU-SRH互換性インジケータを識別できた後、U-SRHの転送フローに従って転送処理を行い、SRラベルスタックに関する転送処理を完了することを含むが、これに限定されない。転送プレーンの処理フローは図5に示されており、以下では、図6乃至図8を組み合わせて各転送プレーンの処理フローを詳細に説明する。
【0051】
実施例6:統一されたSegment RoutingラベルスタックをMPLS/MPLS-TP転送プレーンに適用する。
【0052】
MPLS/MPLS-TP転送プレーンに対し、従来のラベルフォーマット自体では、SRラベルと通常のMPLS/MPLS-TPラベルとのどちらであるかを区別することができず、即ち、管理制御プレーンを通じて配置または指定しない限り、ラベル自体を通じてSRラベルスタックを搬送しているか否かを識別することができない。
【0053】
本開示の実施例の方法では、図6に示すように、まず、U-SRHを搬送するか否かを指示するための1つのMPLS/MPLS-TPの予約ラベルを割り当て(例えば、予約ラベル値8を割り当てる)、適切なパラメータを設定して、次にSRラベルスタックを追加する。
【0054】
MPLS/MPLS-TP転送プレーンの処理は以下の通りである:
1. PEイングレスノードはU-SRHおよびSRラベルスタックのプッシュ・スタックを完了し、MPLS/MPLS-TPのSR互換性インジケータを追加し、即ち、U-SRHの前に予約ラベル8をプッシュする。
【0055】
2. 純PノードはU-SRHおよびSRラベルスタックを感知せず、元のMPLS/MPLS-TP転送フローに従って転送するだけである。
【0056】
3. U-SRHを感知し、即ち、ラベル8(U-SRH互換性インジケータ)を識別し、かつU-SRHをサポートするノードは、対応するSR転送フロー処理を行う。同時に、U-SRHのフラグと後続のSRラベルを識別することにより拡張処理(例えば、OAM)を行うことができる。
【0057】
4. U-SRHを感知するがサポートしないノード、即ち、ラベル8を識別するが当該ラベル処理をサポートしないノードは、当該メッセージを破棄する。
【0058】
5. PEイグレスノードは、U-SRHおよびSRラベルスタックのポップアップを完了し、ペイロードを復元する。
【0059】
実施例7:統一されたSegment RoutingラベルスタックをIPv6転送プレーンに適用する。
【0060】
IPv6転送プレーンに対し、従来のラベルフォーマット自体では、SRラベルと通常のIPv6アドレスとのどちらであるかを区別することができず、即ち、管理制御プレーンを通じて配置または指定しない限り、ヘッダ自体を通じてSRラベルスタックを搬送しているか否かを識別することができない。
【0061】
本開示の実施例の方法では、図7に示すように、まず、U-SRHを搬送するか否かを指示するためのIPv6拡張ヘッダタイプを割り当て(例えば、SR拡張のための拡張ヘッダ45を割り当てる)、適切なパラメータを設定して、次にSRラベルスタックを追加する。特に、IPv6アドレスロングフォーマット(128 bit)に対して、U-SRHにおいてフラグを用いてSRラベルスタックが用いるラベルアドレスフォーマットを指示することができ、例えば、ショートフォーマットのMPLSラベルと互換性がある32 bitラベルを用いて、ヘッダの長さを減少することができる。
【0062】
IPv6転写面の処理は以下の通りである:
【0063】
1. PEイングレスノードはU-SRHおよびSRラベルスタックのプッシュ・スタックを完了し、IPv6のSR互換性インジケータを追加し、即ち、U-SRHの前にIPv6拡張ヘッダを追加し、規則に従ってSR拡張ヘッダと互換性があるタイプであることを明示する。
【0064】
2. 純PノードはU-SRHおよびSRラベルスタックを感知せず、元のIPv6転送フローに従って転送するだけである。
【0065】
3. U-SRHを感知し、即ち、U-SRHを含む拡張ヘッダ(U-SRH互換性インジケータ)を識別し、かつU-SRHをサポートするノードは、対応するSR転送フロー処理を行う。同時に、U-SRHのフラグと後続のSRラベルを識別することにより拡張処理(例えば、OAM)を行うことができる。
【0066】
4. U-SRHを感知するがサポートしないノード、即ち、拡張ヘッダを識別するが当該ラベル処理をサポートしないノードは、当該メッセージを破棄する。
【0067】
5. PEイグレスノードは、U-SRHおよびSRラベルスタックのポップアップを完了し、ペイロードを復元する。
【0068】
実施例8:統一されたSegment RoutingラベルスタックをIPv4転送プレーンに適用する。
【0069】
IPv4転送プレーンに対し、従来のIPv4ヘッダ自体では、SRラベルスタックを搬送しているか否かを識別することができず、即ち、管理制御プレーンを通じて配置または指定しない限り、ヘッダ自体を通じてSRラベルスタックを搬送しているか否かを識別することができない。
【0070】
本開示の実施例の方法では、図8に示すように、まず、U-SRHを搬送するか否かを指示するためのIPv4転写面SR互換性インジケータを割り当て(例えば、指定されたUDPポート番号2000を用いる)、適切なパラメータを設定して、次にSRラベルスタックを追加する。
【0071】
IPv4転写面の処理は以下の通りである:
【0072】
1. PEイングレスノードはU-SRHおよびSRラベルスタックのプッシュ・スタックを完了し、IPv4のSR互換性インジケータを追加し、即ち、U-SRHの前にUDP封止を追加し、規則に従って互換性インジケータ(指定されたUDPポート番号、例えば2000)を用いる。
【0073】
2. 純PノードはU-SRHおよびSRラベルスタックを感知せず、元のIPv4転送フローに従って転送するだけである。
【0074】
3. U-SRHを感知し、即ち、U-SRHを含む拡張ヘッダ(U-SRH互換性インジケータ)を識別し、かつU-SRHをサポートするノードは、対応するSR転送フロー処理を行う。同時に、U-SRHのフラグと後続のSRラベルを識別することにより拡張処理(例えば、OAM)を行うことができる。
【0075】
4. U-SRHを感知するがサポートしないノード、即ち、拡張ヘッダを識別するが当該ラベル処理をサポートしないノードは、当該メッセージを破棄する。
【0076】
5. PEイグレスノードは、U-SRHおよびSRラベルスタックのポップアップを完了し、ペイロードを復元する。
【0077】
実施例9:統一されたSegment Routingラベルスタックをハイブリッド転送プレーンに適用する。
【0078】
MPLS/MPLS-TPとIPv6ハイブリッドネットワークが存在する転送プレーンには、以下2つのシナリオがある:
1. サービスは、異なる転送プレーンを順次経由し、異なる転送プレーンの間でノードの交差点がなく、即ち、2つの転送ドメインに同時に属するノードがない。
【0079】
2. 異なる転送プレーンにおいてノードの交差点がある場合、異なる転送プレーンの相互通信を可能にするハイブリッド転送プレーンのエッジノード(Edge Node)を導入する。
【0080】
前者について、単独のMPLS/MPLS-TPとIPv6転送ドメイン内の転送プレーンは依然として実施例6、7と同一であり、相違点がない。
【0081】
後者について、エッジノードは、2種類の転送プレーンの、SRに対するPEノード機能を同時に完了させる必要があり、MPLS/MPLS-TP転送ドメインからIPv6転送ドメインに入るとき、まずMPLS/MPLS-TP転送プレーンのPEイグレスノード機能を完了させ、次にIPv6転送プレーンのイングレスノード機能を完了させる。
【0082】
本開示の実施例は、統一されたSRラベルスタックを実現することにより、異なる転送プレーンにおけるSR技術の応用を簡略化し、SR封止フォーマットの統一性を向上させる。
【0083】
以上のように、本開示の実施例は以下の技術効果を有する。
【0084】
本開示の実施例は、U-SRHを用いて、統一されたSRラベルスタックを容易に実現することができ、異なる転送プレーン技術を感知する必要がなく、SR応用の複雑さを低減し、SR技術のスケーラビリティを向上させる。
【0085】
以上では本開示を詳細に説明したが、本開示はこれに限定されず、当業者であれば、本開示の原理に基づいて種々の変形を行うことができる。よって、本開示の原理に基づいてなす変形は、全て本開示の請求範囲内にあると理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8