(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】スタッキング装置及びシート状要素を成形するための機械
(51)【国際特許分類】
B65H 31/34 20060101AFI20220530BHJP
B65H 31/08 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
B65H31/34
B65H31/08
(21)【出願番号】P 2020568957
(86)(22)【出願日】2019-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2019025125
(87)【国際公開番号】W WO2019238264
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】シャトリー パトリス
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー マウデ
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-305627(JP,A)
【文献】特開昭61-127564(JP,A)
【文献】実開昭59-108759(JP,U)
【文献】特開平8-231112(JP,A)
【文献】米国特許第5544583(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102009046987(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00-31/40
B41F 13/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機(1)の中でシート状要素(P)をスタックに積み重ねるためのスタッキング装置(10)であって、
可動のスタッキング面(11)と
前記スタッキング面(11)を、シートを積み重ねるために往復前進後退運動で後退位置と垂直前方位置との間で、及びシート状要素(P)のスタックへのアクセスを可能にするために後退位置と収容位置との間で動かすための作動デバイス(12)と、を備え、
前記作動デバイス(12)は、前記スタッキング面(11)を前記収容位置に上方に動かして、上昇位置において前記シート
状要素(P)のスタックの上に配置されるようにするためのカム手段を備え、前記カム手段は、前記スタッキング面(11)に固定された少なくとも1つの第1の従動ローラ(14)と、前記少なくとも1つの第1の従動ローラ(14)と協働して前記スタッキング面(11)の移動を案内する少なくとも1つの第1の制御形状(15)とを有し、
前記カム手段は、前記少なくとも1つの第1の従動ローラ(14)の下方で前記スタッキング面(11)に固定された少なくとも1つの第2の従動ローラ(17)と、前記少なくとも1つの第2の従動ローラ(17)と協働する少なくとも1つの第2の制御形状(18)とを備え、前記少なくとも1つの第2の制御形状(18)の第1の部分(18a)は、前記後退位置と前記垂直前方位置との間の前記スタッキング面(11)の移動を案内するために湾曲しており、前記第2の制御形状(18)の第2の部分(18b)は、前記後退位置と前記収容位置との間の前記スタッキング面(11)の移動を案内するために直線である、
ことを特徴とするスタッキング装置(10)。
【請求項2】
前記スタッキング面を前記後退位置と
前記収容位置との間で動かすように構成された前記カム手段は、前記シートを積み重ねるために前記スタッキング面を前記後退位置と前記垂直前方位置との間で動かすように構成されたものと同じである、
請求項1に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の制御形状(15)は直線である、
請求項1又は2に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の制御形状(15)の直線部は、水平方向に関して30度未満の角度(α)を成す、
請求項1から3のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2の制御形状(18)の前記第2の部分(18b)の直線部は、垂直方向に関して30度未満の角度(β)を成す、
請求項1から4のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項6】
前記第2の制御形状(18)の前記第2の部分(18b)は、前記第1の制御形状(15)の方向と交差する、
請求項1から5のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項7】
前記
第1および第2の従動ローラ(14、17)は、前記スタッキング面(11)上に配置され、前記収容位置における前記
第1および第2の制御形状(15、18)との協働は、前記スタッキング面(11)を水平方向に関して30度未満の角度を成す上方位置に動かすようになっている、
請求項1から6のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の制御形状(15)及び前記少なくとも1つの第2の制御形状(18)は横方向にオフセットして、前記少なくとも1つの第1の従動ローラ(14)が前記少なくとも1つの第2の制御形状(18)と協働するのを防止する、
請求項1から7のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の又は第2の制御形状(15、18)は、溝(19、20)で形成される、
請求項1から8のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項10】
前記作動デバイス(12)は、前記少なくとも1つの第1の従動ローラ(14)が前記少なくとも1つの第1の制御形状(15)に接触するのを保証するために、1つの固定された末端(21a)及び前記スタッキング面(11)に固定された1つの末端を有する少なくとも1つの弾性部材(21)を備える、
請求項1から9のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項11】
前記カム手段は、
各々が前記スタッキング面(11)のそれぞれの端部に固定された、2つの第1の従動ローラ(14)と、
前記第1の従動ローラ(14)のそれぞれと協働する、2つの第1の制御形状(15)と、を備えている、
請求項1から10のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項12】
前記カム手段は、
各々が前記第1の従動ローラ(14)の下で前記スタッキング面(11)のそれぞれの端部に固定された、2つの第2の従動ローラ(17)と、
前記第2の従動ローラ(17)のそれぞれと協働する2つの第2の制御形状(18)と、を備えている、
請求項1から11のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項13】
前記作動デバイス(12)は、前記スタッキング面(11)の移動をもたらす少なくとも1つのアクチュエータ(22)を備えている、
請求項1から12のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(22)は、前記スタッキング面(11)を短ストロークで前記後退位置と
前記垂直前方位置との間で動かし、前記スタッキング面(11)を長ストロークで前記後退位置と前記収容位置との間で動かすように構成された、二重空気圧式ジャッキを備えている、
請求項1から13のいずれか1項に記載のスタッキング装置(10)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のシート状要素(P)をスタックにするための少なくとも1つのスタッキング装置(10)を備えることを特徴とする、シート状要素の成形機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状要素を成形機内で積み重ねるスタッキング装置に関する。また、本発明は、少なくとも1つのこのようなスタッキング装置を備えるシート状要素を成形する機械に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージング製造業において、シートは、例えば所定形状の複数の箱を取得するため、所望のように展開された形状に対応する打ち抜き金型によって打ち抜かれる。打ち抜き及び端材の排出後、水平に置かれた各シートの間の付着点が破断され、水平に置かれたシートは受け入れ領域に積み重ねられ、ここではシートはスタッカを用いて垂直パイルに積み重ねられる。
【0003】
それぞれの新しいシートの到来時、多関節アームによって作動されるスタッキンググリッドは、シートを収容して積み重ねるために傾斜位置から垂直位置へ僅かに枢動する。次に、スタッキンググリッドは、新しいシートを受け入れるためにその傾斜した「じょうご状」位置に戻る。スタッキンググリッドのこの前進後進往復動作は「ジョグ動作」とも呼ばれる。
【0004】
シートの成形品質を管理するために、製造時にサンプルが定期的に抽出される。
従って、一部のシステムは、スタッキンググリッドを後方かつ下方へ枢動させるアームを折り畳むことでスタッカの位置でスタックへのアクセスを始める。また、アームが折り畳まれると、スタッキンググリッドは、水平に回転するが依然としてスタックにアクセスする経路内でスタックの前に残る。従って、グリッドの上側で開くスタックへのアクセス口は狭く、サンプルを取りたいと思うオペレータの作業は容易ではない。米国特許第5,544,583号明細書又は米国特許第5,749,571号明細書は他の例を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第5,544,583号明細書
【文献】米国特許第5,749,571号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の1つの目的は、シートのサンプル抽出を容易にするシートのスタッキング装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の主題は、成形機の中でシート状要素をスタックに配置するめのスタッキング装置であり、スタッキング装置は、
可動のスタッキング面と
スタッキング面を、シートを積み重ねるために往復前進後退運動で後退位置と垂直前方位置との間で、及びシート状要素のスタックへのアクセスを可能にするために後退位置と収容位置との間で動かすための作動デバイと、を備え、
アクチュエータは、スタッキング面を収容位置に上方に動かして、上昇位置においてシートスタックの上に配置されるようにするためのカム手段を備える。
従って、全ての高さにわたってシートスタックへのアクセスが可能になる。
【0008】
従って、カム手段は、スタッキング面に固定された少なくとも1つの第1の従動ローラと、少なくとも1つの第1の従動ローラと協働してスタッキング面の移動を案内する少なくとも1つの第1の制御形状とを備える。
【0009】
実施形態の一例によれば、スタッキング面を後退位置と上方収容位置との間で動かすように構成された少なくとも1つの第1の従動ローラと少なくとも1つの第1の制御形状とを備えるカム手段は、シートを積み重ねるためにスタッキング面を往復前進後退運動で後退位置と垂直前方位置との間で動かすように構成されたものと同じである、
【0010】
連接ピボットの代わりに、少なくとも1つの第1の従動ローラ及び少なくとも1つの第1の制御形状によってスタッキング面11の移動を案内することによって、スタッキング面11は、シートスタックから離れてその上に収容することができる。従って、シート状要素の抽出を容易できるように受け入れ領域内のスタックへの広範なアクセスを可能にするために、少なくとも1つの第1の制御形状の機能設計を最適にすることで、単純で頑丈かつ経済的な方法で、スタッキング面の適切な移動をもたらすことが可能である。
【0011】
実施形態の一例によれば、少なくとも1つの第1の制御形状は直線である。
少なくとも1つの第1の制御形状の直線部は、例えば、水平方向に関して30度未満の角度を成す。
カム手段は、少なくとも1つの第1の従動ローラの下方でスタッキング面に固定された少なくとも1つの第2の従動ローラと、少なくとも1つの第2の従動ローラと協働する少なくとも1つの第2の制御形状とを備える。
【0012】
少なくとも1つの第2の制御形状の第1の部分は、後退位置と垂直前方位置との間のスタッキング面の移動を案内するために湾曲しており、第2の制御形状の第2の部分は、後退位置と収容位置との間のスタッキング面の移動を案内するために直線である。
【0013】
実施形態の一例によれば、スタッキング面を後退位置と上方収容位置との間で動かすように構成された少なくとも1つの第2の従動ローラと少なくとも1つの第2の制御形状とを備えるカム手段は、シートを積み重ねるためにスタッキング面を往復前進後退運動で後退位置と垂直前方位置との間で動かすように構成されたものと同じである、
【0014】
少なくとも1つの第2の制御形状の第2の部分の直線部は、垂直方向に関して30度未満の角度を成す。
第2の制御形状の第2の部分は、例えば、第1の制御形状の方向と交差する。
従動ローラは、スタッキング面上に配置され、例えば、収容位置における制御形状との協働は、スタッキング面を水平方向に関して30度未満の角度を成す上方位置に動かすようになっている。
【0015】
少なくとも1つの第1の制御形状及び少なくとも1つの第2の制御形状は横方向にオフセットすることができ、特に、第1の従動ローラが第1の制御形状を辿って収容位置から戻り、後退位置になるために第2の制御形状と交差する際に、少なくとも1つの第1の従動ローラが少なくとも1つの第2の制御形状と協働するのを防止する。
【0016】
作動デバイスは、少なくとも1つの第1の従動ローラが少なくとも1つの第1の制御形状に、必要に応じて少なくとも1つの第2の従動ローラが少なくとも1つの第2の制御形状に接触するのを保証するために、1つの固定された末端及びスタッキング面に固定された1つの末端を有する少なくとも1つの弾性部材を備えることができる。弾性部材は、従動ローラがそれぞれの制御形状を押すのを保証する。
【0017】
実施形態の一例によれば、カム手段は、各々がスタッキング面のそれぞれの端部に固定された2つの第1の従動ローラと、第1の従動ローラのそれぞれと協働する2つの第1の制御形状とを備える。
【0018】
実施形態の一例によれば、カム手段は、各々が第1の従動ローラの下でスタッキング面のそれぞれの端部に固定された2つの第2の従動ローラと、第2の従動ローラのそれぞれと協働する2つの第2の制御形状とを備える。
【0019】
作動デバイスは、例えば、スタッキング面の移動をもたらす少なくとも1つのアクチュエータを備える。
少なくとも1つのアクチュエータは、例えば、スタッキング面を短ストロークで後退位置と前方垂直位置との間で動かし、スタッキング面を長ストロークで後退位置と収容位置との間で動かすように構成された二重空気圧式ジャッキを備える。
【0020】
本発明は、上記の少なくとも1つのシート状のスタッキング装置を備えることを特徴とするシート状要素の成形機に関する。
他の利点及び特性は、本発明の説明を読むことで並びに本発明の実施形態の非限定的な例を示す添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】
図1の成形機のスタッキング装置の斜視図を示す。
【
図3】
図2のスタッキング装置の作動デバイスの要素の斜視図を示す。
【
図4】
図2のスタッキング装置の詳細の部分斜視図を示す。
【
図5A】
図2のスタッキング装置の要素の斜視図を示し、スタッキング面は垂直前方位置にある。
【
図5B】垂直前方位置での
図3のアクチュエータの要素を示す。
【
図6A】スタッキング面が後退位置にある、
図5Aと同様の図である。
【
図7A】スタッキング面が収容位置にある、
図5Aと同じ図である。
【
図8A】スタッキング面が垂直前方位置にある、シート状要素のスタックと
図2のアクチュエータの側面図である。
【
図8B】スタッキング面が後退位置にある、
図8Aと同じ図である。
【
図8C】スタッキング面は収容位置にある、
図8Aと同じ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面において、同じ要素は同じ参照番号を有する。以下の実施形態は例示である。本明細書は、1又は2以上の実施形態に言及するが、これは、各言及が1つの同じ実施形態に関すること又は特徴が単一実施形態に適用されることを必ずしも意味しない。様々な実施形態の簡単な特徴を組み合わせて、又は交換して他の実施形態を形成することができる。
【0023】
用語「上流」及び「下流」は、
図1の矢印Dで示すようにシートの長手方向に関して定められる。シートは、周期的停止によって計時される移動で、機械の長手方向軸線にほぼ従って上流から下流に移動する。
【0024】
用語「シート状要素」及び「シート」は、均等物であると見なされ、かつパッケージング産業で一般的に使用される波形厚紙及び平坦厚紙、紙、又はあらゆる他の材料を含む。本明細書を通して用語「シート」又は「シート要素」又は「シート状要素」は、非常に一般的な方式では例えば厚紙の、紙の、プラスチックのなどのシートのような平坦なあらゆる印刷媒体を示すことは理解されるであろう。
【0025】
用語「上の」、「下の」、「上に」、「下に」、「水平の」、「垂直の」は、床面に設置された成形機内の要素の配置を参照して定められる。
【0026】
図1は、シートを変換させるための成形機1の一例を示す。この成形機1は、従来、並置されるが互いに独立して一体アセンブリを形成する複数の作業ステーションで構成されていた。従って、導入ステーション100と、マージンテーブル200と、例えばデッキプレス301を含むシートを打ち抜く、エンボス加工する、又はスタンプ加工するための変換ステーション300と、打ち抜き機の場合は端材排出ステーション400又はスタンプ加工機の場合はストリップ供給ステーション400と、変換されたシートがスタックに再編成されるシート受け取りステーション500とが存在する。
【0027】
各シートを変換する作業は、変換ステーション300において、例えば、所与の形状の複数の箱を取得するために、取得されることになる展開形状に対応する打ち抜き金型を用いてシートを打ち抜くためのプレス301の固定デッキと下側可動デッキとの間で実施される。可動デッキは、各機械サイクル中に、一回、連続的に上昇し下降する。
【0028】
さらに、搬送デバイス70が、マージンテーブル200の出口から、プレスによる変換ステーション300を通して、シート排出ステーション500まで各シートを個々に移動させるために設けられている。
【0029】
搬送デバイス70は、一般的に把持器バー75として知られているクランプを備えた複数の横断バーを含み、横断バーの各々は、次に、シートを順番に機械1の様々な作業ステーション300、400、500に引き寄せる前に、シートを前縁上で順次把持する。
【0030】
把持器バー75の側端の各々は、一般的にチェーン列80と呼ばれるループを形成する側面チェーンにそれぞれ接続される。従って、把持器バー75の各側に1つずつ2つのチェーン列80が横方に配置される。
【0031】
チェーン列80に伝達される運動によって、把持器バー75のセットは、停止位置から開始して加速し、最大速度を達成して減速し、その後に停止することになり、こうして1つの作業ステーションから次の作業ステーションへのシートの移動に対応するサイクルが説明される。チェーン列80は、各移動中に全ての把持器バー75が1つのステーションから隣接する下流の作業ステーションに移動されるように周期的に移動及び停止する。各ステーションは、一般的に機械サイクルと呼ばれるこのサイクルと同期して作業を実施する。作業ステーションは、各機械サイクルの開始毎に新しい仕事を開始する。
【0032】
成形機1内の処理ステーションの数及び性質は、シートに対して実施される作業の性質及び複雑さに従って様々とすることができる。本発明との関連では、成形機という概念は、これらのアッセンブリのモジュール式構造に起因して多くの実施形態を網羅する。使用される作業ステーションの数、性質、及び配列に基づいて、実際には複数の異なる成形機を得ることが可能である。エンボス加工又がフォージングなどの上述のもの以外の、又はスタンピング機又はホットフォイルスタンピング機のためのスタンピングストリップ装填ステーションなどの別のタイプの作業ステーションが存在することを指摘することも重要であり、1又は2以上のスタンピングストリップによってたらされるフイルムから各シート上に適用されるパターンは、プレスのデッキの間で実行される。最後に、同じ成形機は、1つの同じタイプの複数のステーションを十分良好に装備することができることが分かる。
【0033】
シート受け入れステーション500において、変換されたシートは、受け入れ領域2内で、例えば、垂直移動可能な受け入れパレット4上で垂直パイルに積み重ねられる。
【0034】
成形機1は、変換されたシートをスタックに積み重ねるための、シート受け入れステーション500に配置された少なくとも1つのスタッキング装置10をさらに備える。
【0035】
成形機1は、例えば、シートスタックのそれぞれの面に向かい合って配向された2つのスタッキング装置10を備え、固定ストップは、各スタッキング装置10に関してスタックの反対側に配置されている。例えば、成形機1毎に1つの前方スタッキング装置及び片側スタッキング装置が存在する。
【0036】
図2から分かるように、スタッキング装置10は、可動スタッキング面11と、シートを積み重ねるためにスタッキング面11を往復前進後退運動で後退位置と垂直前方位置との間で移動させる、及びシート状要素Pのスタックへのアクセスを解除するために後退位置と収容位置との間で移動させるための作動デバイス12とを有する。
スタッキング面11は、例えば、格子などのリブ付けする及び/又は穿孔することができるデッキに形成された平面を有する。
【0037】
スタッキング面11は、ジョグ動作に従って、すなわち往復前進後退運動で垂直前方位置(
図5A、8A)と後退位置(
図6A、8B)との間で移動可能である。スタッキング面11のジョグ動作によって、シートは、成形後に格納されてスタックを成すことができる。この動きは、例えば毎秒約2又は3回、各シート受け入れ時に実行される。
【0038】
また、スタッキング面11は、収容位置(
図7A、8C)に動いて、シート状要素Pのスタックへのアクセスのために開くことができる。
アクチュエータ12は、スタッキング面11を後退位置において上方に、シートスタックの上部の上に位置する上昇位置(
図8C)に動かすよう構成されたカム手段を含む。
従って、シートスタックへのアクセスが、全ての高さにわたって可能になる。
【0039】
この目的で、例えば、カム手段は、その1つの末端でスタッキング面11に固定された少なくとも1つの第1の従動ローラ14と(
図3及び
図4)、例えばスタッキング装置10の支持部16の中に配置され少なくとも1つの第1の従動ローラ14と協働してスタッキング面11の移動を案内する少なくとも1つの第1の制御形状15(
図3)とを備える。
【0040】
実施形態の一例によれば、後退位置と上方収容位置との間でスタッキング面11を動かすように構成された、少なくとも1つの第1の従動ローラ14及び少なくとも1つの第1の制御形状15を備えるカム手段は、シートを積み重ねるためにスタッキング領域11を後退位置と垂直前方位置との間で往復前進後退運動で動かすものと同じように構成される。
【0041】
連接ピボットの代わりに、少なくとも1つの第1の従動ローラ14及び少なくとも1つの第1の制御形状15によってスタッキング面11の移動を案内することによって、スタッキング面11を、シートスタックから離れてその上に収容することができる。従って、シート状要素Pの抽出を容易できるように受け入れ領域2内のスタックへの広範なアクセスを可能にするために、少なくとも1つの第1の制御形状15の機能設計を最適にすることで、単純で頑丈かつ経済的な方法で、スタッキング面11の適切な移動をもたらすことが可能である。
【0042】
少なくとも1つの第1の制御形状15は、例えば直線である(
図3)。その結果、この直線部は、少なくとも1つの第1の従動ローラ14を3つの位置の間で案内するので、スタッキング面11を動かすための途切れがない。ジョグ動作でのスタッキング面11の案内は、この直線の制御形状のごく一部、例えば第1の制御形状15の10%未満に相当する。少なくとも1つの第1の制御形状の直線部は、例えば、水平方向に関して30度未満の角度αを成す。
【0043】
カム手段は、少なくとも1つの第1の従動ローラ14の下方でスタッキング面11に固定された少なくとも1つの第2の従動ローラ17と、少なくとも1つの第2の従動ローラ17と協働する少なくとも1つの第2の制御形状18とをさらに備える(
図3)。
【0044】
実施形態の一例によれば、後退位置と上方収容位置との間でスタッキング面11を動かすように構成された少なくとも1つの第1の従動ローラ17及び少なくとも1つの第1の制御形状18を備えるカム手段は、シートを積み重ねるためにスタッキング領域11を後退位置と垂直前方位置との間で往復前進後退運動で動かすものと同じように構成される。
【0045】
少なくとも1つの第2の制御形状18の第1の部分18aは湾曲しており、スタッキング面11の移動を後退位置と垂直前方位置との間で案内するために、例えばループ部を形成する。制御形状18の湾曲形状によって、スタッキング面11は、後退位置において枢動に加えて僅かに引き戻される。
【0046】
第2の制御形状18の第2の部分18bは、後退位置と収容位置との間でスタッキング面11の移動を案内するよう直線である。第1の部分18a及び第2の部分18bは、スタッキング面11を連続して3つの位置の間で動かすために隣接して連続している。
【0047】
少なくとも1つの第2の制御形状18の第2の部分の直線部は、例えば、垂直方向に関し30度未満の角度βを成す。
第2の制御形状18の第2の部分18bは、例えば、制御形状15のごく一部の端部において第1の制御形状15の方向と交差する。
第2の制御形状18は、第2の部分18bの端部に位置し、従動ローラ17が収容位置で協働する傾斜直線部を形成する第3の部分18cをさらに備えることができる(
図3及び
図7B)。
【0048】
従動ローラ14、17は、スタッキング面11上に配置され、例えば、これらが収容位置で制御形状15、18と協働すると、水平方向に関して30度未満の角度を成すことでスタッキング面11を上昇位置に動かすようになっている。
【0049】
従って、垂直前方位置において、スタッキング面11は垂直に配置されシートを積み重ねるために押す(
図5A、
図8A)。後退位置において、スタッキング面11は枢動してスタックから僅かに後ろに変位する(
図6A、
図8B)。収容位置において(
図7A、
図8C)、スタッキング面11は実質的に水平位置に上昇してスタックから離れる。
【0050】
少なくとも1つの第1の又は第2の制御形状(15、18)は、例えば、溝19、20で形成される。第3の部分18cは、例えば、2つの溝19、20に接触する。
第1の制御形状15は、例えば、溝19の両端に形成された2つの端位置(垂直前方位置及び収容位置)のための2つのストップを備えることができる。
【0051】
少なくとも1つの第1の制御形状15及び少なくとも1つの第2の制御形状18は、横方向にオフセットすることができる。例えば、異なる厚さの2つの溝19、20の中に制御形状15、18を形作ることが可能であり、第1の制御形状15は、例えば、より深い溝19で形成される(
図3)。これにより、少なくとも1つの第1の従動ローラ14が、特に、第1の従動ローラ14が第1の制御形状15を辿って収容位置から戻り、後退位置になるために第2の制御形状18と交差する際に、少なくとも1つの第2の制御形状18と協働することが防止される。
【0052】
作動デバイス12は、少なくとも1つの弾性部材21、例えば引張ばねをさらに含むことができ、弾性部材の一方の末端21aは支持体16に固定され、例えばしっかり固定され、他方の末端21bはスタッキング面11にしっかり固定される(
図4)。弾性部材21は、従動ローラ14、17が常に溝19、20の同じ側面に寄りかかり、制御形状15、18のそれぞれと協働するのを保証する。
【0053】
カム手段は、例えば、スタッキング面11のそれぞれの端部に固定され2つの第1の従動ローラ14と、第1の従動ローラ14のそれぞれと協働する2つの第1の制御形状15とを備える。加えて、カム手段は、2つの第2の従動ローラ17と、第2の従動ローラ17のそれぞれと協働する2つの第2の制御形状18を備えることもできる。第2の従動ローラ17の各々は、第1の従動ローラ14の下でスタッキング面11の末端のそれぞれに固定される。
【0054】
第1の制御形状15及び第2の制御形状18は、例えば、スタッキング面11の各側面上でその各末端において横方に配置された2つの支持体16に形成される(
図2)。
スタッキング面11の駆動は、例えば、少なくとも1つのアクチュエータ22を用いて行われる。
【0055】
作動デバイス12は、例えば、各々がスタッキング面11の一端に結合された2つのアクチュエータ22を備える(
図2)。
少なくとも1つのアクチュエータ22のロッドは、例えば、第1の従動ローラ14の背面に位置する作動点に結合される(
図4)。
【0056】
実施形態の一例によれば、少なくとも1つのアクチュエータ22は、スタッキング面11を短ストロークで後退位置と垂直前方位置との間で動かし、スタッキング面11を長ストロークで後退位置と収容位置との間で動かすように構成された二重空気圧式ジャッキを備える。
【0057】
シート受け入れステーション500の受け入れ領域2のスタッキング装置10を運転する例を以下に説明する。
製造時、スタッキング面11は、成形後にシートを一枚ずつ積み重ねてスタックを形成するために、垂直前方位置(
図5A、
図5B、
図8A)及び後退位置(
図6A、
図6B、
図8B)との間で往復様式で移動する。
【0058】
スタッキング面11のジョグ動作での案内は、直線の第1の制御形状15のごく一部に対する第1の従動ローラ14及び第2の制御形状18の湾曲した第1の部分18aに対する第2の従動ローラ17の往復運動によって達成される。
従って、垂直前方位置において、スタッキング面11は垂直方向に位置し、シートをスタックに位置するように押す(
図5A、
図5B、
図8A)。後退位置において、スタッキング面11は枢動してスタックから僅かに後方に変位する(
図6A、
図6B、
図8B)。
【0059】
ユーザが変換されたシートを抽出しようとする際に、ユーザはアクチュエータ22を長ストロークに制御して、スタッキング領域11を収容位置に傾斜させて(
図7A、
図7B、
図8C)、シート状要素Pのスタックへのアクセスを可能にする。
【0060】
第1の従動ローラ14は、直線の第1の制御形状15の大部分で途切れなく移動を続け、第2の従動ローラ17は、第2の制御形状18の直線の第2の部分18b上での移動を続ける。従って、スタッキング面11は、例えば、水平方向に関して30度未満の角度を成すことで、収容位置に動く。この収容位置において(
図7A、
図7B、
図8C)、スタッキング面11は、スタック上方のほぼ水平な上方位置に上昇する。後退位置と収容位置との間で、スタッキング面11は枢動し後方に動く。スタッキング領域11は、スタックから離れてその上方に収容され、対照シートを抽出するために制御広範なアクセスが可能になる。
【0061】
サンプルの取得後、スタッキング面11は後退位置に制御される。次に、従動ローラ14、17は、制御形状15、18を反対方向に辿る。第1の従動ローラ14は、溝19及び20の厚さが異なるので、第2の制御形状18と交差する際にこれを辿ることができない。