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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-27
(45)【発行日】2022-06-06
(54)【発明の名称】送信機、受信機、及び送受信システム
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/04 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
B60C23/04 160A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021508326
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2019033898
(87)【国際公開番号】W WO2021038791
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】辻田 泰久
【審査官】西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/122925(WO,A1)
【文献】特開2017-149251(JP,A)
【文献】特開2000-185532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0156087(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機であって、
前記送信機は、
送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、
前記タイヤバルブの種類に応じて車両の制御のための閾値を設定する設定部を備えた受信機に向けて、前記送信データを送信するように構成された送信部と、
前記送信データを前記送信部に送信させる制御部であって、前記送信データは、前記設定部が前記閾値を設定するための情報であって前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を前記設定部に認識させるためのバルブ識別情報を含む、制御部と
を備える送信機。
【請求項2】
前記複数種類のタイヤバルブは、スナップインバルブとクランプインバルブとを含み、
前記送信機は、
ホイールの回転に伴い前記送信機に作用する遠心加速度を検出可能に構成された加速度センサと、
前記加速度センサにより検出される前記遠心加速度と前記加速度センサの検出値に含まれる重力加速度成分の周期とに基づき、前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブが前記スナップインバルブか前記クランプインバルブかを判定するように構成された判定部と
を備える、請求項1に記載の送信機。
【請求項3】
複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機であって、
前記送信機は、
タイヤの圧力を検出可能に構成された圧力センサと、
送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、
受信機に向けて、前記送信データを送信するように構成された送信部と、
前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を特定するように構成された特定部と、
前記圧力センサの検出値が閾値を超えた場合に、前記受信機に警報を行わせるための警報送信を前記送信部に行わせるように構成された警報送信制御部と、
前記タイヤバルブの種類と前記閾値との対応関係を記憶するように構成された送信機用記憶部と、
前記対応関係から、前記特定部で特定された前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された警報閾値設定部と
を備える、送信機。
【請求項4】
複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機であって、
前記送信機は、
ホイールの回転に伴い前記送信機に作用する遠心加速度を検出可能に構成された加速度センサと、
送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、
受信機に向けて、前記送信データを送信するように構成された送信部と、
前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を特定するように構成された特定部と、
前記加速度センサの検出値が閾値を超えた場合に、前記受信機に警報を行わせるための警報送信を前記送信部に行わせるように構成された警報送信制御部と、
前記タイヤバルブの種類と前記閾値との対応関係を記憶するように構成された送信機用記憶部と、
前記対応関係から、前記特定部で特定された前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された警報閾値設定部と
を備える、送信機。
【請求項5】
複数種類のタイヤバルブに取り付け可能な送信機から送信された送信データを受信するように構成された受信機であって、
前記受信機は、
前記送信データを受信するように構成された受信部と、
前記タイヤバルブの種類と車両の制御のための閾値との対応関係を記憶するように構成された受信機用記憶部と、
前記受信部で受信した前記送信データからバルブ識別情報を取得するように構成された取得部と、
前記バルブ識別情報から、前記送信機が取り付けられている前記タイヤバルブの種類を認識し、前記対応関係から、認識した前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された設定部と
を備える、受信機。
【請求項6】
前記送信データは、タイヤの圧力データを含み、
前記閾値は、前記タイヤの圧力が閾値以上となった場合に警報を行わせるための警報閾値を含む、請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
前記閾値は、前記車両の車速上限を含む、請求項5又は請求項6に記載の受信機。
【請求項8】
複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機と、前記送信機から送信された送信データを受信するように構成された受信機とを備える送受信システムであって、
前記送信機は、
送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、
前記送信データを送信するように構成された送信部と、
前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を認識させるためのバルブ識別情報を含む前記送信データを、前記送信部に送信させる制御部と
を備え、
前記受信機は、
前記送信データを受信するように構成された受信部と、
前記タイヤバルブの種類と車両の制御のための閾値との対応関係を記憶するように構成された受信機用記憶部と、
前記受信部で受信した前記送信データから前記バルブ識別情報を取得するように構成された取得部と、
前記バルブ識別情報から、前記送信機が取り付けられている前記タイヤバルブの種類を認識し、前記対応関係から、認識した前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された設定部と
を備える、送受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信機、受信機、及び送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される送受信システムとして、タイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機と、受信機とを備える送受信システムが知られている。送信機は、センサと、送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、送信データを送信するように構成された送信部とを備える。受信機は、送信機から送信された送信データを受信する。特許文献1には、スナップインバルブ及びクランプインバルブの両方に取り付け可能に構成された送信機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2011-513123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、送受信システムを用いて、車両の制御を適切に行いたいという要望がある。
本発明の目的は、車両の制御を適切に行うことができる送信機、受信機及び送受信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様によれば、複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機が提供される。前記送信機は、送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、前記タイヤバルブの種類に応じて車両の制御のための閾値を設定する設定部を備えた受信機に向けて、前記送信データを送信するように構成された送信部と、前記送信データを前記送信部に送信させる制御部であって、前記送信データは、前記設定部が前記閾値を設定するための情報であって前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を前記設定部に認識させるためのバルブ識別情報を含む、制御部とを備える。
【0006】
これによれば、送信機は、バルブ識別情報を含む送信データを送信する。バルブ識別情報は、受信機の設定部にタイヤバルブの種類を認識させるための情報である。従って、受信機は、バルブ識別情報から送信機が取り付けられたタイヤバルブの種類を認識することができる。設定部は、タイヤバルブの種類に応じて車両の制御のための閾値を設定するため、タイヤバルブの種類に応じて車両の適切な制御が可能になる。
【0007】
前記送信機について、前記複数種類のタイヤバルブは、スナップインバルブとクランプインバルブとを含み、前記送信機は、ホイールの回転に伴い前記送信機に作用する遠心加速度を検出可能に構成された加速度センサと、前記加速度センサにより検出される前記遠心加速度と前記加速度センサの検出値に含まれる重力加速度成分の周期とに基づき、前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブが前記スナップインバルブか前記クランプインバルブかを判定するように構成された判定部とを備えてもよい。
【0008】
これによれば、加速度センサの検出値から、タイヤバルブがスナップインバルブかクランプインバルブかを判定することができる。
上記課題を解決するため、本発明の第二の態様によれば、複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機が提供される。前記送信機は、タイヤの圧力を検出可能に構成された圧力センサと、送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、受信機に向けて、前記送信データを送信するように構成された送信部と、前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を特定するように構成された特定部と、前記圧力センサの検出値が閾値を超えた場合に、前記受信機に警報を行わせるための警報送信を前記送信部に行わせるように構成された警報送信制御部と、前記タイヤバルブの種類と前記閾値との対応関係を記憶するように構成された送信機用記憶部と、前記対応関係から、前記特定部で特定された前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された警報閾値設定部とを備える。
【0009】
これによれば、警報閾値設定部は、タイヤバルブの種類に応じた閾値を設定することができる。警報送信制御部は、圧力センサの検出値が閾値を超えると、送信部に警報送信を行われる。これにより、受信機に警報を行わせることができる。車両の制御の一態様である警報の制御をタイヤバルブの種類に応じて受信機に行わせることができる。従って、タイヤバルブの種類に応じて車両の適切な制御が可能になる。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第三の態様によれば、複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機が提供される。前記送信機は、ホイールの回転に伴い前記送信機に作用する遠心加速度を検出可能に構成された加速度センサと、送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、受信機に向けて、前記送信データを送信するように構成された送信部と、前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を特定するように構成された特定部と、前記加速度センサの検出値が閾値を超えた場合に、前記受信機に警報を行わせるための警報送信を前記送信部に行わせるように構成された警報送信制御部と、前記タイヤバルブの種類と前記閾値との対応関係を記憶するように構成された送信機用記憶部と、前記対応関係から、前記特定部で特定された前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された警報閾値設定部とを備える。
【0011】
これによれば、警報閾値設定部は、タイヤバルブの種類に応じた閾値を設定することができる。警報送信制御部は、加速度センサの検出値が閾値を上回ると、送信部に警報送信を行われる。これにより、受信機に警報を行わせることができる。車両の制御の一態様である警報の制御をタイヤバルブの種類に応じて受信機に行わせることができる。従って、タイヤバルブの種類に応じて車両の適切な制御が可能になる。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の第四の態様によれば、複数種類のタイヤバルブに取り付け可能な送信機から送信された送信データを受信するように構成された受信機が提供される。前記受信機は、前記送信データを受信するように構成された受信部と、前記タイヤバルブの種類と車両の制御のための閾値との対応関係を記憶するように構成された受信機用記憶部と、前記受信部で受信した前記送信データからバルブ識別情報を取得するように構成された取得部と、前記バルブ識別情報から、前記送信機が取り付けられている前記タイヤバルブの種類を認識し、前記対応関係から、認識した前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された設定部とを備える。
【0013】
これによれば、受信機の設定部は、送信データから取得したバルブ識別情報から、車両の制御のための閾値を設定するため、タイヤバルブの種類に応じて車両の適切な制御が可能になる。
【0014】
上記受信機について、前記送信データは、タイヤの圧力データを含み、前記閾値は、前記タイヤの圧力が閾値以上となった場合に警報を行わせるための警報閾値を含んでもよい。
【0015】
タイヤバルブの種類によって、対応可能なタイヤの圧力が異なる場合がある。タイヤバルブの種類に応じて、警報閾値を設定することで、タイヤバルブの種類に応じて警報を行うことができる。
【0016】
上記受信機について、前記閾値は、前記車両の車速上限を含んでもよい。
タイヤバルブの種類によって、対応可能な車速が異なる場合がある。タイヤバルブの種類に応じて、車速上限を設定することで、タイヤバルブの種類に応じた制御を行うことができる。
【0017】
上記課題を解決するため、本発明の第五の態様によれば、複数種類のタイヤバルブに取り付け可能に構成された送信機と、前記送信機から送信された送信データを受信するように構成された受信機とを備える送受信システムが提供される。前記送信機は、送信データを生成するように構成されたデータ生成部と、前記送信データを送信するように構成された送信部と、前記送信機が取り付けられた前記タイヤバルブの種類を認識させるためのバルブ識別情報を含む前記送信データを、前記送信部に送信させる制御部とを備える。前記受信機は、前記送信データを受信するように構成された受信部と、前記タイヤバルブの種類と車両の制御のための閾値との対応関係を記憶するように構成された受信機用記憶部と、前記受信部で受信した前記送信データから前記バルブ識別情報を取得するように構成された取得部と、前記バルブ識別情報から、前記送信機が取り付けられている前記タイヤバルブの種類を認識し、前記対応関係から、認識した前記タイヤバルブの種類に応じて前記閾値を設定するように構成された設定部とを備える。
【0018】
これによれば、受信機の設定部は、送信データから取得したバルブ識別情報から、車両の制御のための閾値を設定するため、タイヤバルブの種類に応じて車両の適切な制御が可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、車両の制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】車両、及び車両に搭載される送受信システムの概略構成図。
図2】ホイールに取り付けられた送信機の斜視図。
図3】クランプインバルブ及びクランプインバルブに取り付けられた送信機の一部を破断して示す図。
図4】スナップインバルブ及びスナップインバルブに取り付けられた送信機の一部を破断して示す図。
図5】送信機の概略構成図。
図6】第1実施形態における送信機及び受信機の相互作用図。
図7】送信機に作用する遠心加速度と、加速度センサに検出される遠心加速度とを示す図。
図8】車輪の回転位置と重力加速度成分との対応関係を示す図。
図9】送信データの一例を示す図。
図10】タイヤバルブの種類と、車両の制御のための閾値との対応関係を示す図。
図11】第2実施形態で送信機用制御部が行う処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、送信機、受信機及び送受信システムの第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両10は、4つの車輪11とECU17とを備える。ECU17は、ハードウェアとしてCPU18及び記憶部19を備える電子制御ユニット:Electronic Control Unitである。ECU17は、車両10の走行の制御等、車両10に関する制御を行う。記憶部19には、車両10を制御するための種々のプログラムが記憶されている。CPU18は、記憶部19を参照することで種々の処理を実行する。CPU18は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。記憶部19は、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるものを含む。
【0022】
車両10には、送受信システム20が搭載されている。送受信システム20は、車両10の4つの車輪11にそれぞれ装着されるように構成された送信機21と、車両10に設置されるように構成された受信機40とを備える。
【0023】
図2及び図3に示すように、各車輪11は、ホイール12と、ホイール12に装着されたタイヤ13とを備える。ホイール12は、リム14を有する。リム14には、リム14を貫通する取付孔15が形成されている。取付孔15の内周面が、取付孔形成面16である。各送信機21は、ホイール12のリム14に装着されたタイヤバルブに取り付けられることで、タイヤバルブと一体化されている。これにより、送信機21は、車輪11に装着されている。各送信機21は、タイヤ13の内部空間に配置されるように、そのタイヤ13が装着されたホイール12に対して取り付けられている。送信機21は、タイヤ13の状態、例えば、タイヤ13の空気圧やタイヤ13内の温度を検出して、検出結果を含むデータ信号を受信機40に無線送信する。送受信システム20は、送信機21から送信されるデータ信号を受信機40で受信して、タイヤ13の状態を監視する装置である。
【0024】
送信機21は、複数種類のタイヤバルブに取付可能に構成されている。第1実施形態では、送信機21は、クランプインバルブ51及びスナップインバルブ61の2種類のタイヤバルブに取付可能である。
【0025】
送信機21は、ケース30を備える。ケース30は、送信機21を構成する部材を収容するためのケース本体31と、タイヤバルブを取り付けるための取付壁32とを備える。取付壁32は、タイヤバルブが挿入される挿入部33と、タイヤバルブをケース30に取り付けるネジ35が挿入される挿入孔34とを備える。挿入部33は、取付壁32の一部を取付壁32の厚み方向に凹ませた部分である。挿入孔34は、取付壁32を、取付壁32の厚み方向に貫通している。挿入孔34は、挿入部33に開口している。
【0026】
クランプインバルブ51は、筒状のバルブステム52を備える。バルブステム52は、金属製である。バルブステム52は、フランジ53と締結部54とを備える。フランジ53と締結部54との間には、バルブステム52の軸線方向に間隔が設けられている。フランジ53は、バルブステム52を局所的に径方向に大きくした部分である。締結部54は、バルブステム52の外周面にネジ溝を備えた部分であり、雄ネジとして機能する。ホイール12にクランプインバルブ51が装着された状態で、フランジ53はタイヤ13内に位置し、締結部54はタイヤ13外に位置する。クランプインバルブ51は、ホイール12とフランジ53との間にグロメット55を介在させた状態で、ホイール12に装着されている。締結部54には、ナット56が装着されている。ナット56は、フランジ53との間にホイール12及びグロメット55を挟むことで、取付孔15のシール性を確保している。タイヤバルブとしてクランプインバルブ51を用いる場合、バルブステム52が取付孔形成面16に面する。クランプインバルブ51に送信機21を取り付ける際、バルブステム52の一部が挿入部33に挿入される。そして、挿入孔34を挿通したネジ35がバルブステム52に締結されることで、送信機21はクランプインバルブ51に取り付けられる。
【0027】
図4に示すように、スナップインバルブ61は、筒状のバルブステム62と、バルブステム62の外周に設けられた円筒状の胴体部63とを備える。バルブステム62は金属製であり、胴体部63はゴム製である。バルブステム62の両端部は、胴体部63から突出している。胴体部63は、装着部64と、装着部64の両側に設けられた第1挟持部65及び第2挟持部66とを備える。装着部64は、胴体部63の径方向に凹んでいる部分であり、胴体部63の全周に亘って設けられている。第1挟持部65の直径及び第2挟持部66の直径は、装着部64の直径よりも大きい。スナップインバルブ61は、胴体部63が取付孔15に圧入されることで、ホイール12に装着されている。第1挟持部65と第2挟持部66とはホイール12を挟んでおり、装着部64は取付孔形成面16に密着している。スナップインバルブ61では、胴体部63によって、取付孔15のシール性を確保している。スナップインバルブ61に送信機21を取り付ける際、バルブステム62の一部が挿入部33に挿入される。そして、挿入孔34を挿通したネジ35がバルブステム62に締結されることで、送信機21はスナップインバルブ61に取り付けられる。
【0028】
図5に示すように、送信機21は、圧力センサ22、温度センサ23、加速度センサ24、送信機用制御部25、送信回路26、送信アンテナ27、及びバッテリ28を備える。これらの部材は、ケース本体31に収容されている。なお、ケース本体31の内部は、樹脂によりモールドされてもよい。
【0029】
圧力センサ22は、対応するタイヤ13の圧力を検出し、検出結果を送信機用制御部25に出力する。温度センサ23は、対応するタイヤ13内の温度を検出し、検出結果を送信機用制御部25に出力する。
【0030】
加速度センサ24は、ホイール12と一体となって回転することで、送信機21に作用する遠心加速度を検出する。詳細にいえば、加速度センサ24は、検出軸を備え、検出軸に沿った方向に作用する加速度を検出する。加速度センサ24は、ホイール12の径方向に作用する力が検出軸に作用するように取り付けられることで、送信機21に作用する遠心加速度を検出可能である。送信機21に作用する遠心加速度は、ホイール12に作用する遠心加速度ともいえる。加速度センサ24は、検出結果を送信機用制御部25に出力する。
【0031】
送信機用制御部25は、CPU25a及びROMやRAM等の記憶部25bを含むマイクロコンピュータ等の回路よりなる。記憶部25bには、各送信機21の固有の識別情報であるIDコードが記憶されている。記憶部25bには、送信機21を制御するための種々のプログラムが記憶されている。送信機用制御部25は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、即ち、特定用途向け集積回路:ASICを備えてもよい。送信機用制御部25は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0032】
送信機用制御部25は、送信データを生成し、送信回路26に出力する。送信データは、例えば、圧力データ、及び温度データを含むデータである。圧力データは、圧力センサ22の検出値を示すデータである。温度データは、温度センサ23の検出値を示すデータである。送信回路26は、送信機用制御部25からの送信データを変調してデータ信号を生成し、送信アンテナ27から送信する。これにより、送信データがデータ信号として送信される。なお、送信回路26で行われる変調の方式は任意である。送信機用制御部25は、送信データを生成するように構成されたデータ生成部として機能する。送信回路26は、送信データをデータ信号として送信するように構成された送信部として機能する。データ信号は、所定の送信間隔で送信される。
【0033】
図1に示すように、受信機40は、受信機用制御部41、受信回路42、及び受信アンテナ43を備える。受信回路42は、各送信機21から受信アンテナ43を介して受信されたデータ信号を復調して、受信機用制御部41に送信データを出力する。受信回路42は、送信データを受信する受信部として機能する。受信機用制御部41は、警報器44に接続されている。
【0034】
受信機用制御部41は、受信機用CPU41a及びROMやRAM等の受信機用記憶部41bを含むマイクロコンピュータ等よりなる。受信機用制御部41は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、即ち、特定用途向け集積回路:ASICを備えてもよい。受信機用制御部41は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0035】
受信機用記憶部41bには、各送信機21のIDコードが記憶されている。受信機用制御部41は、送信データに含まれるIDコードと、受信機用記憶部41bに記憶されたIDコードとが一致するか否かの照合を行う。送信データに含まれるIDコードと、受信機用記憶部41bに記憶されたIDコードとが一致する場合、受信機用制御部41は、送信データに含まれる圧力データや温度データを、タイヤ13の状態を示すデータとして採用する。
【0036】
受信機用制御部41は、受信した送信データから、タイヤ13の状態を把握する。タイヤ13に異常が生じている場合、受信機用制御部41は、警報器44による警報を行う。警報器44として、例えば、異常を光の点灯や点滅によって報知する装置や、異常を音によって報知する装置が用いられる。また、受信機用制御部41は、車両10の搭乗者が視認可能な表示器に、タイヤ13の状態を表示してもよい。
【0037】
本実施形態の送受信システム20は、タイヤバルブの種類に応じた車両10の制御が行われるように機能する。以下、タイヤバルブの種類に応じた車両10の制御が行われるように送信機21及び受信機40で行われる処理について説明する。
【0038】
図6に示すように、ステップS1において、送信機用制御部25は、タイヤバルブの種類を判定する。送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値を用いて、タイヤバルブの種類を判定する。
【0039】
車速に比例して、送信機21に作用する遠心加速度は、大きくなる。即ち、送信機21に対してホイール12の径方向外側に作用する力が大きくなる。タイヤバルブは、取付孔形成面16との接触によってホイール12に支持されている。このため、タイヤバルブと取付孔形成面16と接触する箇所には、荷重が集中し易い。タイヤバルブがクランプインバルブ51の場合、取付孔形成面16に面するのは金属製のバルブステム52である。このため、タイヤバルブと取付孔形成面16とが接触する箇所に荷重が集中しても、金属製のバルブステム52は変形し難い。一方で、タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合、取付孔形成面16に面するのはゴム製の胴体部63である。胴体部63はバルブステム52よりも弾性変形し易いため、スナップインバルブ61は、ホイール12の径方向に傾き易い。このため、車速が高くなると、送信機21は、スナップインバルブ61から離れるほどホイール12の径方向外側に位置するように傾く。
【0040】
図7に示すように、送信機21が傾くと、送信機21が傾いていない場合に比べて加速度センサ24によって検出される検出値が小さくなる。上述したように、加速度センサ24は、遠心加速度を検出できるように、検出軸をホイール12の径方向に向けて、送信機21に取り付けられている。このため、送信機21が傾くと、検出軸もホイール12の径方向に対して傾くことから、検出軸によって検出できる加速度は、遠心加速度の分力成分となる。図7に示すように、送信機21に作用する遠心加速度をF1とし、加速度センサ24によって検出できる遠心加速度の分力をF2とすると、F2=F1cosθとなる。θは、ホイール12の径方向に対する検出軸のずれ角である。
【0041】
図8に示すように、加速度センサ24の検出値には、遠心加速度に加えて重力加速度成分が含まれている。加速度センサ24には、重力加速度が作用しており、車輪11が1回転する間に、検出軸によって検出される重力加速度は遠心加速度[G]±1[G]の間で、正弦波状に変化する。検出軸が鉛直方向下方を向いている場合には、重力加速度成分は+1[G]となる。検出軸が鉛直方向上方を向いている場合には、重力加速度成分は-1[G]となる。検出軸が鉛直方向に対して傾いている場合、重力加速度成分は、重力加速度の分力に応じた値となる。加速度センサ24は、遠心加速度に重力加速度成分を加算した値を検出値として出力する。
【0042】
重力加速度成分は、ホイール12が1回転する間に±1[G]の間で変化する。従って、重力加速度成分の周期は、ホイール12の回転周期と同一とみなすことができる。車速が高いほど、重力加速度成分の周期及びホイール12の回転周期はいずれも短くなる。
【0043】
送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値から、想定されるホイール12の回転周期を算出する。車速が高くなり、ホイール12の回転周期が短くなるほど、遠心加速度は大きくなる。このため、ホイール12の回転周期と遠心加速度との間には、相関関係がある。この相関関係を用いて、加速度センサ24の検出値から想定されるホイール12の回転周期を算出することができる。タイヤバルブがクランプインバルブ51の場合、加速度センサ24の検出値から想定されるホイール12の回転周期と、加速度センサ24の検出値に含まれる重力加速度成分の周期との差が、予め定められた許容範囲内に収まる。許容範囲は、誤差や各部材の公差等を加味して設定された範囲である。これに対し、タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合、送信機21に作用する遠心加速度よりも加速度センサ24によって検出される遠心加速度が小さくなる。このため、加速度センサ24の検出値から想定されるホイール12の回転周期と、加速度センサ24の検出値に含まれる重力加速度成分の周期との差が、許容範囲外になる。従って、加速度センサ24の検出値から想定されるホイール12の回転周期と、加速度センサ24の検出値に含まれる重力加速度成分の周期(=実際のホイール12の回転周期)との差が許容範囲内であれば、送信機用制御部25は、タイヤバルブがクランプインバルブ51であると判定する。一方で、加速度センサ24の検出値から想定されるホイール12の回転周期と、加速度センサ24の検出値に含まれる重力加速度成分の周期(=実際のホイール12の回転周期)との差が許容範囲内でなければ、送信機用制御部25は、タイヤバルブがスナップインバルブ61であると判定する。ステップS1の処理を行うことで、送信機用制御部25は、判定部として機能する。なお、ステップS1の判定結果は、記憶部25bのRAM等に記憶される。
【0044】
次に、ステップS2において、送信機用制御部25は、バルブ識別情報を含む送信データを生成する。図9に示すように、送信機用制御部25は、プリアンブル、IDコード、バルブ識別情報等を含む送信データを生成する。即ち、送信機用制御部25は、圧力データや温度データに加えて、バルブ識別情報を含む送信データを生成する。第1実施形態において、バルブ識別情報は、タイヤバルブの種類を示す情報である。バルブ識別情報とは、送信機21が取り付けられているタイヤバルブの種類を受信機用制御部41に認識させるための情報である。バルブ識別情報は、例えば、1ビットの情報である。バルブ識別情報が0であれば、クランプインバルブ51を示し、バルブ識別情報が1であれば、スナップインバルブ61を示す。バルブ識別情報は、2ビット以上の情報であってもよい。送信機用制御部25は、生成した送信データを送信回路26に出力する。送信回路26からは、送信データを変調したデータ信号が受信機40に送信される。送信機用制御部25は、ステップS2の処理を行うことで、制御部として機能する。
【0045】
図6に示すように、ステップS3において、受信機用制御部41は、送信データを受信すると、送信データに含まれるバルブ識別情報からタイヤバルブの種類を取得する。受信機用制御部41は、ステップS3の処理を行うことで、バルブ識別情報を取得する取得部として機能する。
【0046】
次に、ステップS4において、受信機用制御部41は、バルブ識別情報が0であれば、クランプインバルブ51に送信機21が取り付けられていると認識し、バルブ識別情報が1であれば、スナップインバルブ61に送信機21が取り付けられていると認識する。そして、受信機用制御部41は、タイヤバルブの種類に応じて、車両10の制御のための閾値を設定する。第1実施形態において、受信機用制御部41は、受信機用制御部41で用いられる閾値を、タイヤバルブの種類に応じた閾値に設定する。また、受信機用制御部41は、タイヤバルブの種類に応じた閾値をECU17に送信することで、ECU17の制御に用いられる閾値を設定する。第1実施形態において、受信機用制御部41は、受信機用制御部41での制御に用いられる閾値と、ECU17での制御に用いられる閾値との両方を設定する。
【0047】
図10に示すように、受信機用記憶部41bには、タイヤバルブの種類と、閾値との対応関係が記憶されている。第1実施形態の閾値は、車速上限と警報閾値との2つである。タイヤバルブがクランプインバルブ51の場合、第1車速閾値及び第1圧力閾値が設定される。タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合、第2車速閾値及び第2圧力閾値が設定される。車速上限は、車両10に許容される最大速度の閾値である。警報閾値は、タイヤ13に許容される最大圧力の閾値である。
【0048】
車速上限として設定される第1車速閾値は、第2車速閾値よりも高い値である。タイヤバルブとしてクランプインバルブ51が用いられる場合、車速上限は、タイヤバルブとしてスナップインバルブ61が用いられる場合に比べて、高く設定される。前述したように、車速が高くなると、スナップインバルブ61は傾くおそれがある。すると、取付孔15のシール性を確保できなくなるおそれがある。従って、スナップインバルブ61の車速上限は、クランプインバルブ51よりも低く設定される。
【0049】
警報閾値として設定される第1圧力閾値は、第2圧力閾値よりも高い値である。スナップインバルブ61は、クランプインバルブ51に比べて、対応可能な最大圧力が低い。このため、タイヤバルブとしてクランプインバルブ51が用いられる場合の第1圧力閾値は、タイヤバルブとしてスナップインバルブ61が用いられる場合の第2圧力閾値に比べて、高く設定される。受信機用制御部41は、ステップS3の処理を行うことで、設定部として機能する。
【0050】
ステップS1~ステップS4の処理は、車両10の停車時間が予め定められた所定時間以上経過した場合等、所定条件が成立した場合に行われてもよいし、車両10の走行中に繰り返し行われてもよい。なお、車両10が走行しているか否かの判定や、車両10の停車時間の検出は、加速度センサ24の検出値等を用いて行うことができる。
【0051】
第1実施形態の作用について説明する。
送信機21は、バルブ識別情報を含む送信データを送信する。これにより、受信機用制御部41及びECU17には、タイヤバルブの種類に応じた閾値がそれぞれ設定される。ECU17は、タイヤバルブの種類に応じて車速上限を設定する。ECU17は、車速が車速上限に収まるように、車両10の制御を行う。また、ECU17は、搭乗者の視認可能な表示器に車速上限を表示する等の制御を行ってもよい。このように、車速上限を用いて、ECU17は、種々の制御を行うことができる。タイヤバルブの種類に応じて、車速上限には、異なる値が設定される。つまり、車速上限には、タイヤバルブの種類に合わせた適切な値が設定される。
【0052】
受信機用制御部41は、タイヤバルブの種類に応じて警報閾値を設定する。受信機用制御部41は、送信データに含まれる圧力データからタイヤ13の圧力を認識する。タイヤ13の圧力が警報閾値を上回った場合、受信機用制御部41は、警報器44による警報を行う。また、タイヤ13の圧力が警報閾値を上回った場合、受信機用制御部41は、搭乗者の視認可能な表示器に警告を表示する制御を行ってもよい。このように、警報閾値を用いて、受信機用制御部41は、種々の制御を行うことができる。タイヤバルブの種類に応じて、警報閾値には、異なる値が設定される。つまり、警報閾値には、タイヤバルブの種類に合わせた適切な値が設定される。例えば、クランプインバルブ51を装着すべき車輪11にスナップインバルブ61が装着されている場合、警報器44による警報を行うことができる。
【0053】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)送信機用制御部25は、バルブ識別情報を含む送信データを送信回路26から送信する。これにより、受信機用制御部41は、バルブ識別情報から送信機21が取り付けられたタイヤバルブの種類を認識することができる。受信機用制御部41は、タイヤバルブの種類に応じて、車両10の制御のための閾値を設定する。このため、タイヤバルブの種類に応じて、車両10の適切な制御が可能になる。
【0054】
(1-2)クランプインバルブ51とスナップインバルブ61との間には、車速が高くなったときに加速度センサ24で検出される検出値に差が生じる。送信機用制御部25は、クランプインバルブ51とスナップインバルブ61との間に生じる加速度センサ24の検出値の差を利用することで、送信機21が取り付けられているタイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かを判定することができる。従って、送信機21の記憶部25bに、予めバルブ識別情報の書き込みを行わなくてもよい。
【0055】
(1-3)受信機用制御部41は、送信データから取得したバルブ識別情報から、タイヤバルブの種類を認識する。受信機用制御部41は、認識したタイヤバルブの種類と車両10の制御のための閾値との対応関係から、タイヤバルブの種類に応じた閾値を設定することができる。従って、タイヤバルブの種類に応じて、車両10の適切な制御が可能になる。
【0056】
(1-4)タイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かによって、対応可能なタイヤ13の圧力が異なる。この点、受信機用制御部41は、タイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かに応じて、異なる警報閾値を設定する。よって、タイヤバルブの種類に応じて、警報閾値を設定し、警報を行うことができる。
【0057】
(1-5)タイヤバルブの種類によって、対応可能な車速が異なる場合がある。この点、受信機用制御部41は、タイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かに応じて、異なる車速上限を設定する。よって、タイヤバルブの種類に応じて、車速上限を設定し、車両の制御を行うことができる。
【0058】
(第2実施形態)
以下、送信機21の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の送信機は、送信機用制御部が行う処理が、第1実施形態と異なる。送信機及び受信機のハードウェア構成は、第1実施形態と同様である。以下、送信機で行われる処理について説明する。
【0059】
図11に示すように、ステップS11において、送信機用制御部25は、タイヤバルブの種類を判定する。タイヤバルブの種類の判定は、第1実施形態におけるステップS1の処理と同様である。即ち、送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値を用いて、タイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かを判定する。送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値を用いた判定を行うことで、タイヤバルブの種類を特定する。つまり、送信機用制御部25は、ステップS11の処理を行うことで、タイヤバルブの種類を特定するように構成された特定部として機能する。
【0060】
次に、ステップS12において、送信機用制御部25は、タイヤバルブの種類に応じて車両10の制御のための閾値を設定する。第2実施形態では、第1実施形態における警報閾値が設定される。送信機用制御部25は、タイヤバルブがクランプインバルブ51の場合、送信機用制御部25は、警報閾値として第1圧力閾値を設定する。タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合、送信機用制御部25は、警報閾値として第2圧力閾値を設定する。つまり、送信機用制御部25は、ステップS12の処理を行うことで、警報閾値設定部として機能する。なお、タイヤバルブの種類と警報閾値との対応関係は、送信機用記憶部としての記憶部25bに記憶されている。
【0061】
次に、ステップS13において、送信機用制御部25は、圧力センサ22の検出値が、ステップS12で設定された閾値を超えたか否かを判定する。ステップS12で第1圧力閾値が設定された場合、送信機用制御部25は、圧力センサ22の検出値が第1圧力閾値を上回ったか否かを判定する。ステップS12で第2圧力閾値が設定された場合、送信機用制御部25は、圧力センサ22の検出値が第2警報閾値を上回ったか否かを判定する。ステップS13の判定結果が否定の場合、送信機用制御部25は、処理を終了する。一方で、ステップS13の判定結果が肯定の場合、送信機用制御部25は、処理をステップS14に進める。
【0062】
ステップS14において、送信機用制御部25は、警報送信を行う。警報送信とは、搭乗者に対して警報を行うことを要求する信号を送信回路26から受信機40に送信することである。この信号は、例えば、警報フラグを含んだ信号である。つまり、ステップS14の処理を行うことで、送信機用制御部25は、警報送信制御部として機能する。
【0063】
ステップS11~ステップS14の処理は、所定の制御周期で繰り返し行われる。なお、ステップS11、及びステップS12の処理によって閾値が設定された後、ステップS13及びステップS14の処理のみが繰り返されてもよい。この場合、ステップS11及びステップS12の処理は、車両10の停車時間が予め定められた所定時間以上経過した場合等、所定条件が成立した場合に再度行われてもよい。なお、車両10の停車時間は、加速度センサ24の検出値等を用いて把握することができる。
【0064】
第2実施形態の受信機用制御部41は、警報送信により送信機21から送信された信号を受信すると、警報器44による警報や、搭乗者の視認可能な表示器による警報を行う。即ち、第2実施形態では、受信機用制御部41により、タイヤバルブの種類に応じた閾値の設定が行われない。
【0065】
第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)送信機用制御部25は、タイヤバルブの種類に応じて警報閾値を設定する。圧力センサ22の検出値が警報閾値を上回ると、送信機用制御部25は、警報送信を行うことで、受信機40に警報を行わせる。つまり、送信機用制御部25は、車両10の制御の一態様である警報の制御を、タイヤバルブの種類に応じて、受信機40に行わせることができる。従って、タイヤバルブの種類に応じて、車両10の適切な制御が可能になる。
【0066】
(2-2)受信機用制御部41によりタイヤバルブの種類に応じた警報閾値の設定を行うことなく、タイヤバルブの種類に応じて警報を行うことが可能である。従って、受信機用制御部41のソフトウェアを簡略化しつつ、タイヤバルブの種類に応じて警報を行うことができる。
【0067】
各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・各実施形態において、記憶部25bには、送信機21が取り付けられるタイヤバルブの種類に応じたバルブ識別情報が予め記憶されてもよい。バルブ識別情報は、例えば、送信機21の製造時に送信機21の記憶部25bに書き込まれてもよいし、トリガ装置等の外部機器を用いて送信機21の記憶部25bに書き込まれてもよい。この場合、送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値からタイヤバルブの種類の判定を行わなくてもよい。即ち、送信機21は、判定部を備えなくてもよい。この場合、送信機21は、加速度センサ24を備えてもよい。
【0068】
・各実施形態において、送信機21は、タイヤ13の状態及び路面の状態の少なくとも一方を検出できるセンサを少なくとも1つ備えていればよい。即ち、送信機21は、タイヤ13の状態として圧力を検出できる圧力センサ22、タイヤ13の状態として温度を検出できる温度センサ23、及びタイヤ13の状態としてタイヤ13に作用する遠心加速度を検出できる加速度センサ24のうち少なくとも1つを備えていればよい。路面の状態を検出するセンサとして、例えば、加速度センサ24が挙げられる。路面の状態として、例えば、走行中の路面の摩擦係数を挙げることができる。路面の摩擦係数は、加速度センサ24によって車両10の進行方向に対する加速度と横加速度とを検出することで、算出できる。
【0069】
・各実施形態において、タイヤバルブの種類は、クランプインバルブ51とスナップインバルブ61の2種類よりも更に細かく分類してもよい。クランプインバルブ51は、更に、大きさや形状の異なる複数種類のクランプインバルブ51に分類される。スナップインバルブ61も、更に、大きさや形状の異なる複数種類のスナップインバルブ61に分類される。また、クランプインバルブ51の種類によって対応可能な圧力や車速がそれぞれ異なる場合がある。また、スナップインバルブ61の種類によって対応可能な圧力や車速がそれぞれ異なる場合がある。従って、タイヤバルブの種類とは、複数種類のクランプインバルブ51を示すものであってもよいし、複数種類のスナップインバルブ61を示すものであってもよい。よって、クランプインバルブ51やスナップインバルブ61の種類毎に、車両10の制御のための閾値が対応付けられてもよい。
【0070】
・各実施形態において、送信機21によるタイヤバルブの種類の判定や、バルブ識別情報を送信データに含めた送信等、受信機用制御部41にタイヤバルブの種類を認識させるための制御は、特定条件が成立した場合にのみ行われてもよい。同様に、受信機用制御部41によるタイヤバルブの種類に応じた閾値の設定は、特定条件が成立した場合にのみ行われてもよい。特定条件として、例えば、ホイール12の種類が特定のホイールの場合や、温度が過剰に低かったり高かったりする場合が挙げられる。ホイール12の種類として、主としてスチールホイールとアルミホイールが挙げられる。スチールホイールは、タイヤバルブが取り付けられる箇所の厚みがアルミホイールよりも薄い傾向にあり、タイヤバルブに局所的に荷重が集中しやすい。このため、特定条件には、ホイール12の種類がスチールホイールであることを含めてもよい。また、温度によってタイヤ13内の圧力も変動するため、温度が過剰に低いことを検出する低温閾値や、温度が過剰に高いことを検出する高温閾値を設定してもよい。特定条件には、温度が低温閾値未満であることや、温度が高温閾値以上であることを含めてもよい。
【0071】
・各実施形態において、送信機21は、複数種類のタイヤバルブに取り付け可能であれば、任意の構成を備えてもよい。例えば、送信機は、クランプインバルブ51用の取付部とスナップインバルブ61用の取付部とを備えてもよい。
【0072】
・各実施形態において、加速度センサ24は、検出軸を2つ以上備えたものであってもよい。例えば、加速度センサ24は、遠心加速度を検出する第1検出軸と、第1検出軸に直交しかつホイール12の径方向に延びる第2検出軸とを備えてもよい。この場合、加速度センサ24の検出値に含まれる重力加速度成分として、第2検出値に含まれるものを用いてもよい。
【0073】
・各実施形態において、送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値からタイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かを判定できればよく、実施形態とは異なる手法により判定を行ってもよい。タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合、クランプインバルブ51に比べて車速が高くなったときに検出される遠心加速度が小さくなる。このため、クランプインバルブ51に取り付けられる送信機21では、車速に比例して、加速度センサ24の検出値が大きくなる。一方で、スナップインバルブ61に取り付けられる送信機21では、車速の上昇に対する加速度センサ24の検出値の上昇が小さくなる。このため、ホイール12の回転周期の変動に対する加速度センサ24の検出値の変動から、タイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かを判定することができる。また、送信機用制御部25は、重力加速度成分の周期から、送信機21に作用していると想定される遠心加速度を算出し、更に、想定される遠心加速度と加速度センサ24の検出値との差が許容範囲内であれば、タイヤバルブはクランプインバルブ51と判定し、許容範囲外であればスナップインバルブ61と判定してもよい。
【0074】
・各実施形態において、受信機用制御部41は、タイヤバルブの種類に応じた閾値を設定する必要がある装置に対して閾値を設定すればよく、受信機用制御部41及びECU17のいずれかの閾値を設定してもよい。
【0075】
・各実施形態において、車両10の制御のための閾値は、タイヤバルブの種類に応じて変更することが好ましい閾値であれば、車速上限や警報閾値以外の閾値であってもよい。
・各実施形態において、送信データは、少なくとも、受信機40に送信データを受信させるためのデータと、バルブ識別情報とを含んでいればよい。
【0076】
・各実施形態において、車両10は、二輪車や、5つ以上の車輪11を備える車両10であってもよい。
・第1実施形態において、受信機用制御部41は、タイヤバルブの種類に応じて、車速上限及び警報閾値のいずれかを設定してもよい。
【0077】
・第1実施形態において、バルブ識別情報は、0であればスナップインバルブ61、1であればクランプインバルブ51を示していてもよい。
・第1実施形態において、受信機用制御部41にタイヤバルブの種類を認識させるためのバルブ識別情報は、例えば、IDコードの値、データ信号の送信間隔、誤り訂正符号又は誤り検出符号の演算態様、加速度センサ24の検出値等、タイヤバルブの種類を直接表すデータ以外の情報であってもよい。
【0078】
IDコードの値をバルブ識別情報とする場合、例えば、IDコードを16進数で表したときに最上位の値が0~7となるIDコードのグループにはクランプインバルブ51を対応付け、IDコードを16進数で表したときに最上位の値が8~FとなるIDコードのグループにはスナップインバルブ61を対応付ける。送信機21には、取り付けられるタイヤバルブの種類によって、タイヤバルブの種類に対応したIDコードが登録される。受信機用記憶部41bには、IDコードのグループとタイヤバルブの種類とを対応付けた対応関係が記憶されている。受信機用制御部41は、送信データに含まれるIDコードから、タイヤバルブの種類を認識することができる。
【0079】
データ信号の送信間隔をバルブ識別情報とする場合、送信機用制御部25は、タイヤバルブの種類に応じて、データ信号の送信間隔を変更する。例えば、送信機21が取り付けられるタイヤバルブがクランプインバルブ51の場合、送信機21が取り付けられるタイヤバルブがスナップインバルブ61の場合に比べて、データ信号の送信間隔を短くする。なお、データ信号の送信間隔は、トリガ装置等の外部機器によって設定することができる。受信機用記憶部41bには、データ信号の送信間隔とタイヤバルブの種類とを対応付けた対応関係が記憶されている。受信機用制御部41は、送信データの送信間隔から、タイヤバルブの種類を認識することができる。
【0080】
誤り訂正符号又は誤り検出符号の演算態様をバルブ識別情報とする場合、送信機用制御部25は、タイヤバルブの種類に応じて誤り訂正符号又は誤り検出符号の演算態様を変更する。例えば、送信機21が取り付けられるタイヤバルブがクランプインバルブ51の場合と、送信機21が取り付けられるタイヤバルブがスナップインバルブ61の場合とで、誤り訂正符号の演算に用いるデータを異ならせる。受信機用記憶部41bには、誤り訂正符号の演算態様とタイヤバルブの種類とを対応付けた対応関係が記憶されている。受信機用制御部41は、クランプインバルブ51に対応する演算態様と、スナップインバルブ61に対応する演算態様の2つの演算態様とを用いて、誤り訂正符号を演算する。受信機用制御部41は、2つの演算態様で演算された誤り訂正符号のうち、送信データに含まれる誤り訂正符号と一致する誤り訂正符号を選択する。受信機用制御部41は、選択した誤り訂正符号を演算した演算態様に対応するタイヤバルブの種類を、送信機21が取り付けられているタイヤバルブとして認識する。上記した例では、誤り訂正符号を例に挙げたが、誤り検出符号であっても同様である。
【0081】
加速度センサ24の検出値をバルブ識別情報として用いる場合、送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値を送信データに含めてデータ信号の送信を行う。受信機用制御部41は、車両10に搭載された車速センサから、車速情報を取得し、加速度センサ24の検出値と車速との関係からタイヤバルブの種類を認識する。第1実施形態で記載したように、加速度センサ24の検出値は、車速に比例して大きくなる。この際、車速が同一であれば、クランプインバルブ51に取り付けられている送信機21から送信された加速度センサ24の検出値は、スナップインバルブ61に取り付けられている送信機21から送信された加速度センサ24の検出値よりも大きい。この対応関係を利用することで、受信機用制御部41は、タイヤバルブがクランプインバルブ51かスナップインバルブ61かを認識することができる。例えば、受信機用制御部41は、加速度センサ24の検出値から予想される車速を算出し、算出された車速と車速センサから取得した車速との差が許容範囲内であれば、タイヤバルブがクランプインバルブ51であると認識し、上記差が許容範囲外であれば、タイヤバルブがスナップインバルブ61であると認識してもよい。
【0082】
・第1実施形態において、各送信機21から送信された送信データに含まれるバルブ識別情報に、クランプインバルブ51を示す情報とスナップインバルブ61を示す情報とが混在している場合、受信機用制御部41は車輪11毎に個別に警報閾値を設定してもよい。この場合、受信機用制御部41は、警報器44や、表示器により、車輪11毎に個別の警報を行えることが好ましい。同様に、各送信機21から送信された送信データに含まれるバルブ識別情報に、クランプインバルブ51を示す情報とスナップインバルブ61を示す情報とが混在している場合、受信機用制御部41は最も低い車速上限を設定するようにしてもよい。即ち、受信機用制御部41は、スナップインバルブ61に対応する第2車速閾値を車速上限として設定する。なお、バルブ識別情報に、クランプインバルブ51を示す情報とスナップインバルブ61を示す情報とが混在する場合は、例えば、車輪11に代えてスペアタイヤを装着した場合が考えられる。車両10に装着されている車輪11と、スペアタイヤとでタイヤバルブの種類が異なる場合には、各送信機21からの送信データに含まれるバルブ識別情報に、異なる種類のタイヤバルブを示す情報が混在する。
【0083】
・第1実施形態において、ECU17を受信機の一部として捉えてもよい。即ち、受信機とは、送信データを受信する機能を備える装置と、タイヤバルブの種類に応じて車両10の制御のための閾値が設定される装置と、を備えたものであればよい。この場合、ECU17の記憶部19に、バルブ識別情報と、車両10の制御のための閾値との対応関係が記憶されていてもよい。受信機用制御部41は、バルブ識別情報を取得し、バルブ識別情報をECU17に送ることで、ECU17により車両10の制御のための閾値が設定されてもよい。この場合、ECU17の記憶部19が受信機用記憶部として機能し、ECU17が設定部として機能する。
【0084】
・第2実施形態において、ステップS11でのタイヤバルブの種類の特定は、記憶部25bに予めタイヤバルブの種類を記憶しておき、記憶部25bを参照することで行われてもよい。
【0085】
・第2実施形態において、ステップS12で設定される閾値は、車速上限であってもよい。この場合、送信機用制御部25は、タイヤバルブがクランプインバルブ51の場合に第1車速閾値を設定し、タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合に第2車速閾値を設定する。なお、タイヤバルブの種類と、車速上限との対応関係は記憶部25bに記憶されている。ステップS13において、送信機用制御部25は、加速度センサ24の検出値が閾値を超えたか否かを判定する。ステップS13での判定は、加速度センサ24の検出値[G]を用いて行われてもよいし、加速度センサ24の検出値から車速[km/h]を算出したものを用いて行われてもよい。加速度センサ24の検出値[G]を用いてステップS13の判定を行う場合、第1車速閾値及び第2車速閾値は、加速度[G]の値として設定される。加速度センサ24の検出値から車速[km/h]を算出したものを用いてステップS13の判定を行う場合、第1車速閾値及び第2車速閾値は、車速[km/h]の値として設定される。なお、車速と加速度センサ24の検出値との間には相関関係があるため、車速と加速度とは相互に変換することが可能である。第1実施形態で記載したように、タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合には、車速が高くなると、送信機21に作用する遠心加速度と加速度センサ24により検出される遠心加速度との間に差が生じる。タイヤバルブがスナップインバルブ61の場合、送信機用制御部25は、加速度センサ24により検出される検出値を補正することで、送信機21に作用している遠心加速度との差を小さくしてもよい。加速度センサ24の検出値が車速上限を超えると、警報送信が行われる。
【0086】
この場合、送信機用制御部25は、タイヤバルブの種類に応じた車速上限を設定することができる。加速度センサ24の検出値が車速閾値を上回ると、送信機用制御部25は、送信回路26に信号を送信させることで、警報送信を行わせる。これにより、車速が車速上限を上回ると、送信機用制御部25は、受信機40に警報を行わせる。つまり、送信機用制御部25は、車両10の制御の一態様である警報の制御を、タイヤバルブの種類に応じて、受信機40に行わせることができる。従って、タイヤバルブの種類に応じて、車両10の適切な制御が可能になる。
【符号の説明】
【0087】
10…車両、12…ホイール、13…タイヤ、20…送受信システム、21…送信機、22…圧力センサ、24…加速度センサ、25…データ生成部、制御部、判定部、特定部、警報送信制御部、及び警報閾値設定部として機能する送信機用制御部、25b…送信機用記憶部としての記憶部、26…送信部としての送信回路、40…受信機、41…取得部及び設定部として機能する受信機用制御部、41b…受信機用記憶部、42…受信部としての受信回路、51…タイヤバルブとしてのクランプインバルブ、61…タイヤバルブとしてのスナップインバルブ。
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