(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】トイガンの自動装填装置に使われるシリンダー組立体
(51)【国際特許分類】
F41B 11/721 20130101AFI20220531BHJP
F41B 11/89 20130101ALI20220531BHJP
【FI】
F41B11/721
F41B11/89
(21)【出願番号】P 2019542335
(86)(22)【出願日】2017-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2017011280
(87)【国際公開番号】W WO2018070815
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-10-09
(31)【優先権主張番号】10-2016-0132816
(32)【優先日】2016-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519134304
【氏名又は名称】キム、コンヒョン
【氏名又は名称原語表記】KIM, Keon Hyeong
【住所又は居所原語表記】(SK skyview), No.119-1601, Imok-ro 24, Jangan-gu, Suwon 16336, Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】キム、コンヒョン
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0051008(US,A1)
【文献】登録実用新案第3065816(JP,U)
【文献】実開平05-008285(JP,U)
【文献】特開2011-085300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41B 11/721
F41B 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間が形成されたシリンダーボディと、
前記シリンダーボディに受容されて、前記シリンダーボディの内で前記シリンダーボディの長手方向へ移動可能な延長シリンダーと、
少なくとも一部が前記シリンダーボディに受容され、前記シリンダーボディの長手方向へ移動可能で、両側が開放してガス注入口が形成されているノズル部と、
前記延長シリンダーと連結し、前記ノズル部を支えるノズル部支持部材と、
前記ノズル部を開閉できるシリンダーバルブと、を備え、
前記延長シリンダーの移動によって1次的に前記内部空間が拡張されて、前記ノズルの移動によって2次的に前記内部空間が追加的に拡張され
、
前記シリンダーボディは、前記シリンダーボディの長手方向に沿って外面を貫通して形成される第1ガイド溝を含み、
前記延長シリンダーは、外側に突出形成される突出部を含み、
前記突出部は、前記第1ガイド溝に受容され、前記延長シリンダーを前記シリンダーボディの長手方向に沿って前記内部空間の密封が保持される範囲で移動するようにガイドし、
前記ノズル部支持部材は、前記ノズル部の外側を包むボディ部と、前記ボディ部の外面後端に形成され、前記突出部が受容される受容溝を含む掛止部と、を含み、
前記ノズル部支持部材は、前記延長シリンダーと共に移動しながら、前記ノズル部の外面を支えるシリンダー組立体。
【請求項2】
一つの側は前記シリンダーボディに連結し、他側は前記ノズルに連結して前記ノズルに復元力を提供する第1弾性体をさらに含む請求項1に記載のシリンダー組立体。
【請求項3】
前記第1弾性体の前記他側は前記ノズルを貫通するピンによって、前記ノズルに固定される請求項
2に記載のシリンダー組立体。
【請求項4】
一つの側は前記ノズルと連結し、他側は前記シリンダーバルブに連結して前記シリンダーバルブに復元力を提供できる第2弾性体をさらに含む請求項1
から3のいずれか1項に記載のシリンダー組立体。
【請求項5】
前記延長シリンダーの一つの側には、前記ガス注入口から注入されるガスを前記シリンダーボディに注入できる煙筒穴が形成される請求項1
から4のいずれか1項に記載のシリンダー組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記の説明はガス式トイガンに装備される自動装填装置に使われるシリンダー組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
実銃の作動と類して、スライドあるいはボルトキャリアを作動させる方式の現代式自動装填装置を持つガス式トイガンは90年代前半、日本のMGC、ウェスタンアームズなどで開発され、相変わらず彼らの設計に基づいたトイガンが市場の主となっている。MGCで開発した「ハイパー・ブローバックエンジン」は、ウェスタンアームズの「マグナ・ブローバックエンジン」との競争から押されてMGCを倒産させたが、以降東京マルイ、タニオコバ、KSCなどの企業により改良を経て、現在大多数のガス式トイガンに装着されている。マルイはこれを「ハードキック」、タニオコバは「プレシュートシステム」、KSCは「System7」という名で「ハイパー・ブローバックエンジン」の後を継いでいて、現在改良を重ねてウェスタンアームズの「マグナ・ブローバックエンジン」と対等水準の性能を出すに至った。MGCの設計を引き継いだ企業の自動装填装置は、だいたい14~15mm直径のシリンダーと20mm代前半から後半の長さのシリンダーを利用している。ウェスタンアームズの場合、独特に30mm代半ばの長いシリンダーの長さを持つモデルもあるが、これはシリンダーの直径を14mm未満に抑えて可能だった。これら既存の製品はシリンダーを1つだけ内蔵していて、モデルガンの形状によってシリンダーの長さあるいは直径が縮まる構造である。
【0003】
これに関して、特許文献1はトイガンのBB弾丸供給装置を開示し、特許文献2はトイガンの撃発構造を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第2003-0070418号
【文献】韓国公開特許第2010-0132379号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガス作動式トイガンの場合、自動装填装置の性能はシリンダーの容積に比例することになる。シリンダーの直径が大きいほどガスの圧力を大きく受けるので、より重いボルトキャリアを円滑に作動でき、シリンダーの長さが長いほどボルトキャリアがガス圧によって加速する時間が長くなり、より強力な反動力を発生させる。実際の銃器では反動をできるだけ抑えるのが美徳であるが、ガス作動式トイガンでは反動が強いほど高性能の製品と認識されるため、シリンダーの大きさは高性能のトイガンを製造するに重要な変数のひとつと言える。
【0006】
しかし、既存のガス作動式トイガンの場合はシリンダーを単一装備しているため、銃器の形状による制約で大きさも制限されることになる。
【0007】
一般的に、拳銃のスライド最大移送距離は44~50mm程度であり、小銃のボルトキャリアの場合は80mm以上になる。しかし、既存のガス作動式トイガンは拳銃の形の場合に20~25mm、小銃の形の場合に50~62mm程度のシリンダーの長さを持つので、20~30mmの距離をボルトキャリアが慣性力だけで複座ばねの弾性をこらえて進んでいかなければならない。
【0008】
これは外部気温が高くてガスの気化に必要な潜熱が十分な場合には大きな問題にならないが、外部気温が下がったり、ガス作動式トイガンを持続撃発してガスタンクの潜熱が極少ない場合にはボルトキャリアの移送距離がますます短くなって作動不良を起こすことになる。
【0009】
特に、ガス作動式トイガンはマガジン内部の弾丸が全て発射された場合、ボルトキャリアを後退固定するボルトストッパーが装備された場合が多いが、既存の自動装填器具は低温、持続撃発の状況でボルトキャリアをボルトストッパーがかかる位置まで移送できない場合が相次ぐことになる。
【0010】
しかし、シリンダーの長さが伸びる場合はその分だけ作動時にノズルが長く突出するため、てこの原理によってBB弾にかかるスプリングの張力がノズルを食い違わせる可能性が高い。
【0011】
再装填器具の最大伸長の時ノズルの食い違いが発生すると、ノズルを回収してマガジンを装填する過程が中断となるため、機能故障が生じる恐れがあるので、これの防止する方法に対する研究が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のシリンダーの大きさの制約を克服するため、本発明では2つのシリンダーがテレスコピックになるように配置することによって、シリンダーの長さを既存に比べて大きく伸ばせる。
【0013】
シリンダーボディの内部にはシリンダーの長手方向へ移送される延長シリンダーがあり、この延長シリンダーの内部にガス入力および再装填を担当するノズル部がある。
【0014】
自動装填器具に圧縮ガスが入力されると、ノズル部内部のシリンダーバルブが作動して少量のガスを前方排出して弾丸を発射し、前方の排出口を閉鎖する。前方の排出口の閉鎖によって後方へ誘導された圧縮ガスは、シリンダーボディの内部へまず流入される。シリンダーボディへ流入したガスが延長シリンダーとノズルを一緒に押して、ボルトキャリアの1次移送作用が始まる。延長シリンダーは、延長シリンダーとシリンダーボディとの間の密閉が維持される限界点まで移送され、以降は移送距離制限装置によってガス圧の密閉を維持したままで仮に停止する。そして延長シリンダーの内部にガスが流入し、延長シリンダーはノズルを前方へ押してシリンダーボディを2次移送する。この時、上記の延長シリンダーの突出部とつながり、ノズル部を支えるノズル部支持部材がノズル部を支えることになる。ノズル部は外部へ延長し、ノズル部に作用する弾性力によってノズル部がてこの原理で食い違う問題が発生する恐れがある。より具体的に説明すると、マガジンスプリングが弾を押し上げる弾性によって外部へ延長したノズルが食い違うようになる可能性がある。即ち、発射の時スライドが後に押されてノズル部が外部から内部へ復帰する時、下の部分から上へBB弾などの弾丸を押すスプリングの力がノズル部にかかるが、このような弾性力によってノズル部が食い違う問題が発生する恐れがある。
【0015】
これにより、ノズル部が長手方向で食い違うことを防止するためノズル部の外側を包みながら、延長シリンダーにつながれたノズル部支持部材がこれを支えることになる。
【0016】
2次移送まで終了となると、ノズル部とシリンダーボディとをつなぐ弾性体によってノズル部と延長シリンダーがシリンダーボディに収納されるようになり、シリンダーバルブもシリンダーバルブを原状回復させる弾性体によって再び前方開放状態に戻り、次の弾丸の撃発準備を終える。以降シリンダーボディが弾性体によって前進しながら、次の弾丸を薬室に装填する。
【0017】
このため、ある実施例によるシリンダー組立体は内部空間が形成されたシリンダーボディと、前記シリンダーボディに受容されて、前記シリンダーボディの内で前記シリンダーボディの長手方向へ移動可能な延長シリンダーと、少なくとも一部が前記シリンダーボディに受容され、前記シリンダーボディの長手方向へ移動可能で、両側が開放してガス注入口が形成されているノズル部と、前記延長シリンダーと連結し、前記ノズル部を支えるノズル部支持部材と、前記ノズルを開閉できるシリンダーバルブと、を備え、前記延長シリンダーの移動によって1次的に前記内部空間が拡張されて、前記ノズルの移動によって2次的に前記内部空間が追加的に拡張できる。
【0018】
一例として、前記ノズル部支持部材は前記ノズル部の外側を包むボディ部と、前記延長シリンダーに形成された突出部と挿入結合し、前記ボディ部に沿って延長形成された被掛止部とを含むことができる。
【0019】
一例として、前記延長シリンダーの外側に突出部が形成され、前記シリンダーボディに、前記シリンダーボディの長手方向に第1ガイド溝が形成され、前記突出部は前記1ガイド溝に受容され、前記第1ガイド溝の内で移動することによって前記延長シリンダーの移動が制限されることができる。
【0020】
一例として、一つの側は前記シリンダーボディに連結し、他側は前記ノズルに連結して前記ノズルに復元力を提供する第1弾性体をさらに含むことができる。
【0021】
一例として、前記第1弾性体の前記他側は前記ノズルを貫通するピンによって、前記ノズル部に固定されることができ、一つの側は前記ノズルと連結し、他側は前記シリンダーバルブに連結して前記シリンダーバルブに復元力を提供できる第2弾性体をさらに含むことができる。
【0022】
一例として、前記延長シリンダーの一つの側には、前記ガス注入口から注入されるガスを前記シリンダーボディに注入できる煙筒穴が形成されることができる。
【発明の効果】
【0023】
1次移送は牽引力が強いが最高移送速度は低い延長シリンダーによって、2次移送は比較的に牽引力は低いが作動最高移動速度が速いノズルによってボルトキャリアの加速が行われるため、まるで自動車が1段から2段へ変速して加速することと同じような効果を得ることになる。
【0024】
最終的に、本発明によるシリンダー組立体は既存の自動装填器具に比べて1.5倍以上のシリンダーの長さを持つことになるので、全体のボルトキャリアの移送距離の中、ボルトキャリアの加速区間を1.5倍以上伸ばして、ボルトキャリアが摩擦や複座ばねの弾性によって減速する区間を半分以下縮めることになるので、より強力な反動力を発生させるようになる。また、圧縮ガスの圧力が下がる低温および持続撃発の状況でもボルトキャリアが最大移送距離まで作動するようにプッシュしてくれる能力が維持されることになる。
【0025】
これだけでなく、これまで説明した通り弾性力によってノズル部の食い違いの問題を支持部材を別途具備するによってこれを解決し、これによる故障の問題などを解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ある実施例によるシリンダー組立体(1)の斜視図である。
【
図2】
図2(a)はシリンダー組立体(1)の側面図であり、
図2(b)はシリンダー組立体(3)の側断面図である。
【
図3】
図3(a)はシリンダー組立体(1)の平面図であり、
図3(b)はシリンダー組立体(1)の平断面図である。
【
図4】
図4(a)は延長シリンダーが延長されていない初期の状態を側面から見た側断面図であり、
図4(b)は延長シリンダーが延長されていない初期の状態を上から見た平断面図である。
【
図5】
図5(a)はシリンダー組立体(1)が1段階へ延長された様子を側面から見た側断面図であり、
図5(b)はシリンダー組立体(1)が1段階へ延長された様子を上から見た平断面図である。
【
図6】
図6(a)はノズル部(130)が移動する2段階へ延長された様子を側面から見た側断面図であり、
図6(b)はノズル部(130)が移動する2段階へ延長された様子を上から見た平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の実施例を例示的な図面を通じて詳細に説明する。各図面の構成要素に参照記号を付けるにおけて、同一な構成要素に対しては他の図面上に表示されていてもできるだけ同一記号を持つようにしているということに注意してほしい。また、実施例を説明するにおいて、関連のお知らせの構成または機能に対する具体的な説明が実施例に対する理解に邪魔になると判断された場合はその詳細な説明は省略する。
【0028】
また、実施例の構成要素を説明するにおけて、第1・第2・A・B・(a)・(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その用語によって当該の構成要素の本質や順番などは限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、あるいは「接続」されると記載されている場合、その構成要素は他の構成要素に直接に連結や接続されることができるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」、あるいは「接続」されることもできると理解してほしい。
【0029】
図1はある実施例によるシリンダー組立体(1)の四時図であり、
図2(a)はシリンダー組立体(1)の側面図であり、
図2(b)はシリンダー組立体(3)の側断面図である。
【0030】
このように、シリンダー組立体(1)はシリンダーボディ(110)と、シリンダーボディ(110)から延長できるように出入りできる延長シリンダー(120)と、延長シリンダー(120)内部で一部重なるように内蔵されたノズル部(130)と、ノズル部(130)を支えるノズル部支持部材(200)を含む。
【0031】
シリンダーボディ(110)は内部空間(111)が形成され、作動に対しては後で詳細に述べるが、延長シリンダー(120)の移動によって1次的に内部空間(111)が拡張されて、ノズル部(130)の移動によって2次的に内部空間(111)が拡張できる。以下、具体的に説明することにする。
【0032】
シリンダー組立体(1)はBB弾銃のようなトイガンの銃器に使われることができる。シリンダー組立体(1)はBB弾のような発射体を発射さえるためのものとして、シリンダーボディ(110)はガスを受容するための内部空間(111)を含むことができる。
【0033】
延長シリンダー(120)はシリンダーボディ(110)に受容できる。延長シリンダー(120)の少なくとも一つの側は開放されて、延長シリンダー(120)はシリンダーボディ(110)の長手方向に移動できる。
【0034】
ノズル部(130)は少なくとも一部が延長シリンダー(120)に受容できる。ノズル部(130)の両側が開放されて、ノズル部(130)はシリンダーボディ(110)の長手方向に移動できる。
【0035】
即ち、シリンダーボディ(110)と延長シリンダー(120)とノズル部(130)は重なって配置されて、ノズル部(130)と延長シリンダー(120)がシリンダーボディ(110)に収納される形態で構成できる。シリンダー組立体(1)は第1弾性体(131)、第2弾性体(141)を含み、各構成に弾性力による復元力を提供することができる。
【0036】
具体的に、第1弾性体(131)はノズル部(130)および延長シリンダー(120)に復元力を提供することができる。第1弾性体(131)は一つの側がシリンダーボディ(110)と連結されて、他側はノズル部(130)に連結できる。例えば、ノズル部(130)が注入されるガスによってシリンダーボディ(110)の長手方向へ前進移動すると第1弾性体(131)は伸び、ガスの供給が中止されると弾性体によってノズル部(130)が元の状態に復元できる。
【0037】
この時、ノズル部(130)の後方部にノズル部(130)の直径より小さいガス流路だけが開いて、ノズル部(130)の後方直径の部分が延長シリンダーにかかるようになるので、ノズル部(130)は延長シリンダー(120)と共に元の状態に復元できる。
【0038】
シリンダー組立体(1)はノズル部(130)を開閉できるシリンダーバルブ(140)を含むことができる。シリンダーバルブ(140)の一部はノズル部(130)の直径より小さく形成されているのでノズル部(130)内に挿入され、シリンダーバルブ(140)の一部は断面積がノズル部(130)の直径より大きく形成されているのでノズル部(130)を閉鎖できる。
【0039】
第2弾性体(141)はシリンダーバルブ(140)に復元力を提供できる。第2弾性体(141)は一つの側はノズル部(130)に連結されて他側はシリンダーバルブ(140)に連結できる。シリンダーバルブ(140)は注入されるガスによってノズル部(130)の前方部に移動してノズル部(130)を閉鎖することができる。以降ガスの供給が中止されると第2弾性体(141)の復元力によってシリンダーバルブ(140)がノズル部(130)と離れるので、ノズル部(130)を外気に対して開放できる。
【0040】
図3(a)はシリンダー組立体(1)の平面図であり、
図3(b)はシリンダー組立体(1)の平断面図である。
【0041】
ノズル部支持部材(200)はノズル部(130)を支えるようにその外側を包む形態で形成された空パイプの形になっているといえるが、直径方向の切断面が半円形態のボディ部(201)を持つ。また、ボディ部(201)の後段には延長シリンダー(120)の外側に突出形成された突出部(122)に結合できるように、突出部(122)に相応する内部受容の溝を持つように「U」字の形になっている被掛止部(202、203)がボディ部(201)の外周面に沿って形成されている。
【0042】
ここでは突出部(122)にノズル部支持部材(200)の被掛止部(202、203)が挿入結合される方式で説明したが、これに限ることではなく、特に本明細書の請求項2項で述べる結合とは、挿入結合、ボルトやピンなどの締結器具による結合およびどのような物理的/科学的な連結方式を包括するものとして使われていることを述べておく。
【0043】
延長シリンダー(120)の外側に形成されている突出部(122)は、シリンダーボディ(110)に形成されている第1ガイド溝(112)に受容されて延長シリンダー(120)の移動をガイドできる。突出部(122)は延長シリンダー(120)の移動範囲を制限し、突出部(122)が内部空間(111)の密閉が維持される範囲を外れないようにできる。この時、突出部(122)と結合されたノズル部支持部材(200)は二つの段階で延長されるノズル部(130)を支えて、ノズル部(130)が弾性力によって食い違うことを防止できるが、これに対しては後で詳しく説明することにする。
【0044】
本発明によって2段階のノズル部が前進する作動を説明すると次の通りである。
図4(a)および
図4(b)はシリンダー組立体(1)の初期の状態として、
図4(a)は延長シリンダーが延長されていない初期の状態を側面から見た側断面図であり、
図4(b)は延長シリンダーが延長されていない初期の状態を上から見た平断面図である。ノズル部(130)の前方部は開放されている状態の可能性がある。この状態で、ガス注入口(134)を通じてガスが注入できる。ガスは矢印方向に注入できる。
【0045】
図5(a)はシリンダー組立体(1)が1段階へ延長された様子を側面から見た側断面図であり、
図5(b)はシリンダー組立体(1)が1段階へ延長された様子を上から見た平断面図である。
【0046】
図5(a)および
図5(b)は内部空間(111)にガスが注入される形態を表すが、これを参考すると、ガス注入口(134)を通じてガスが注入されると、注入されたガスがシリンダーバルブ(140)を加圧してシリンダーバルブ(140)がノズル部(130)の前方へ移動し、それによってノズル部(130)が閉鎖できる。したがって、内部空間(111)に集中的にガスが注入されることができる。ガスの注入方向は矢印で表す。
【0047】
延長シリンダー(120)にはノズル部(130)とシリンダーボディ(110)を煙筒してガス注入口(134)から注入されるガスをシリンダーボディ(110)に注入できる煙筒穴(121)が形成できる。したがって、ガスは煙筒穴(121)を通じてシリンダーボディ(110)の方へ注入され、注入されたガスは延長シリンダー(120)を加圧して延長シリンダー(120)を移動させることができる。
【0048】
延長シリンダー(120)はシリンダーボディ(110)の長手方向へ移動可能に構成され、煙筒穴(121)を通じてシリンダーボディ(110)にガスが注入されることによって、注入されたガスのため延長シリンダー(120)がノズル部(130)の前方へ移動できる。延長シリンダー(120)が移動するによって内部空間(111)が拡張できる。
【0049】
ノズル部(130)の表面にはノズル部(130)のと延長シリンダー(120)との間に摩擦力を提供する摩擦部材(未図示)を含むことができる。摩擦部材による内部空間(111)の1次拡張の時、ノズル部(130)は延長シリンダー(120)の内側で独立に移動せず、延長シリンダー(120)と共に移動するように構成できる。
【0050】
延長シリンダー(120)の移動は、第1ガイド溝(112)で移動される突出部(122)によって制限できる。 第1ガイド溝(112)は延長シリンダー(120)が内部空間(111)の密閉を解除しない道が形成されて延長シリンダー(120)の移動を制限できる。
【0051】
この時、ノズル部(130)と延長シリンダー(120)、ノズル部支持部材(200)は一緒に前進移動する。ノズル部支持部材(200)は延長シリンダー(120)に形成された突出部(112)に結合されているので、延長シリンダー(120)およびノズル部(130)と共に移動する。
【0052】
図6(a)はノズル部(130)が移動する2段階へ延長された様子を側面から見た側断面図であり、
図6(b)はノズル部(130)が移動する2段階へ延長された様子を上から見た平断面図である。
【0053】
図6(a)および
図6(b)を参考すると、1次に拡張された内部空間(111)にガスが十分供給されると、供給されたガスがノズル部(130)を加圧できる。加圧されたノズル部(130)はシリンダーボディ(110)の長手方向に移動し、内部空間(111)を2次に拡張できる。
【0054】
この時、ノズル部支持部材(200)は延長シリンダー(120)の突出部(122)に結合したまま、延長シリンダー(120)から延長されたノズル部(130)を支持する役割を果たす。即ち、ノズル部(130)が延長シリンダー(120)から突出されて外部に露出されるとしても、弾性力(張力)によってこのように食い違いのないようノズル部支持部材(200)のボディ部(201)がノズル部(130)を支えるようになる。即ち、説明した通りにマガジンスプリングが弾を押し上げる弾性によってノズルが食い違うことができるが、ノズル部支持部材(200)が支えることによって、このような食い違いが防止できるようになる。
【0055】
内部空間(111)が最大拡張された状態では、ガスの供給が中止できる。ガスの供給が中止されると、第1弾性体(131)と第2弾性体(141)から復元力が発生し、これによってノズル部(130)、延長シリンダー(120)およびシリンダーバルブ(140)が
図2(a)および
図2(b)の形に復元されることができる。
【0056】
以上のように、実施例が限定されて例と図面によって説明されたが、当該の技術分野で通常の知識を持つ者なら、上記の記載から色々な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法の違う順番に行われたり、説明されたシステム・構造・装置・回路などの構成要素が説明された方法と違う形態に結合あるいは組み合わされたり、他の構成要素あるいは均等物によって代置あるいは置換されても適切な結果が達成できる。
【0057】
したがって、他の具現、他の実施例および特許請求の範囲と均等なものも後で述べる特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
110 シリンダーボディ
120 延長シリンダー
130 ノズル部
140 シリンダーバルブ