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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】チャンバ及び血液透析装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
A61M1/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017086879
(22)【出願日】2017-04-26
(65)【公開番号】P2018183408
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】森川 広一
(72)【発明者】
【氏名】冨士野 秀之
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/152934(WO,A1)
【文献】特開2016-158919(JP,A)
【文献】特開2012-095841(JP,A)
【文献】特開2016-135184(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0091048(US,A1)
【文献】特開2015-085181(JP,A)
【文献】登録実用新案第3124924(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液を貯留するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体の側部に配置され前記チャンバ本体に血液を導入する血液導入口と、
前記チャンバ本体の底部に配置され、前記チャンバ本体に貯留された血液を導出する血液導出口と、
前記チャンバ本体の側部に配置され、前記チャンバ本体に補液としての透析液を導入する補液導入口と、を備え、
前記血液導入口は、前記補液導入口よりも下方に配置され、
前記血液導入口が水平方向に対して下向きに傾いて開口し、及び、前記補液導入口が水平方向に対して上向きに傾いて開口するチャンバ。
【請求項2】
前記補液導入口は、血液層の上面よりも上方に位置する請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
前記補液導入口は、前記チャンバ本体の内周面の接線方向を向いて開口する請求項1又は2に記載のチャンバ。
【請求項4】
前記請求項1~3のいずれかに記載のチャンバと、
透析膜を介して血液と透析液とを接触させる血液透析器と、
一端側が対象者の動脈に接続され他端側が前記血液透析器に接続される動脈側ライン、及び一端側が前記血液透析器に接続され他端側が対象者の静脈に接続される静脈側ラインを有する血液回路と、
前記血液透析器に透析液を導入する透析液導入ライン、及び前記血液透析器から透析液を導出する透析液導出ラインを有する透析液回路と、
前記血液回路及び前記透析液回路を制御する制御装置と、を備え、
前記透析液回路は、前記透析液導入ライン又は前記透析液導出ラインを流通する透析液の一部を補液として前記チャンバに供給する送液ラインと、前記送液ラインに配置されるポンプと、を有する血液透析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンバ及びこのチャンバを備える血液透析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腎機能不全の患者に対して、その患者の血液を浄化するために、透析治療が行われている。透析治療においては、患者から取り出した血液を、半透膜を備えるダイアライザによって透析(血液透析)し、血液から不純物を除去する。
【0003】
透析治療のうち、血液濾過透析(HDF:Hemodiafiltration)では、血液透析に濾過を組み合わせることで、血液の浄化効率を向上させることができる。HDFにおいては、濾過による血液の減少分を、透析前又は透析後の血液に補液する。HDFのうち、特に、ダイアライザに供給される透析液の一部を補液に用いる技術は、オンラインHDFと呼ばれる。
【0004】
このようなオンラインHDFを実施する構成において、静脈側チャンバ及び動脈側チャンバを備え、静脈側チャンバ又は動脈側チャンバに貯留された血液に、濾過による血液の減少分を補液する透析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-174235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の静脈側チャンバ又は動脈側チャンバにおいては、血液及び補液をチャンバの上部側から導入するため、血液が直接空気に触れやすく、血液と空気が接触している界面では、血液が凝固しやすい。また、オンラインHDFを行う際に、補液をチャンバの上部側から導入するため、上記界面での乱れや血液の飛び跳ねを起こし易くなり、その結果、チャンバ内で血栓が生成されるおそれがある。
そのため、血液が空気に接触することを抑制できると共に、血液と空気とが接触する界面の乱れや血液の飛び跳ねを抑制できるチャンバが望まれる。
【0007】
本発明は、血液と空気とが接触する界面の形成を抑制できると共に、血液の飛び跳ねを抑制できるチャンバ及び血液透析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、チャンバ内に貯留される血液の液面上側に、補液による液相を重層することで、血液と空気の界面の形成を防止(抑止)することにより、上記課題を解決した。
即ち、本発明は、血液を貯留するチャンバ本体と、前記チャンバ本体に配置され前記チャンバ本体に血液を導入する血液導入口と、前記チャンバ本体の底部に配置され、前記チャンバ本体に貯留された血液を導出する血液導出口と、前記チャンバ本体の側部に配置され、前記チャンバ本体に補液としての透析液を導入する補液導入口と、を備えるチャンバに関する。
【0009】
また、前記補液導入口は、血液層の上面よりも上方に位置することが好ましい。
【0010】
また、前記補液導入口は、前記チャンバ本体の内周面の接線方向を向いて開口することが好ましい。
【0011】
また、前記血液導入口は、前記補液導入口よりも下方に配置されることが好ましい。
【0012】
また、前記血液導入口は、前記チャンバ本体の底部に配置されることが好ましい。
【0013】
また、前記チャンバと、透析膜を介して血液と透析液とを接触させる血液透析器と、一端側が対象者の動脈に接続され他端側が前記血液透析器に接続される動脈側ライン、及び一端側が前記血液透析器に接続され他端側が対象者の静脈に接続される静脈側ラインを有する血液回路と、前記血液透析器に透析液を導入する透析液導入ライン、及び前記血液透析器から透析液を導出する透析液導出ラインを有する透析液回路と、前記血液回路及び前記透析液回路を制御する制御装置と、を備え、前記透析液回路は、前記透析液導入ライン又は前記透析液導出ラインを流通する透析液の一部を補液として前記チャンバに供給する送液ラインと、前記送液ラインに配置されるポンプと、を有する血液透析装置に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、チャンバ内の血液液面の上側に、補液からなる液相を重層することで、血液が空気に接触することを抑制(防止)できると共に、血液の飛び跳ねを抑制できるチャンバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る血液透析装置の全体構成を示す図である。
図2】第1実施形態におけるチャンバの構成を示す斜視図である。
図3図2におけるA-A線断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る血液浄化装置を示す図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る静脈側チャンバの構成を示す図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る静脈側チャンバの構成を示す図である。
図7】本発明の第1変形形態に係る静脈側チャンバの構成を示す図である。
図8】本発明の第2変形形態に係る静脈側チャンバの構成を示す図である。
図9】第3変形形態の構成を示す図であって、補液導入口及び側部血液導入口の位置関係の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の血液透析装置の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。第1実施形態の血液透析装置1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。
本発明の血液透析装置1は、血液濾過透析(HDF:Hemodiafiltration)を行う装置である。HDFにおいては、濾過による血液の減少分を、透析前又は透析後の血液に補液する。本実施形態においては、HDFのうち、特に、ダイアライザに供給される透析液の一部を補液に用いる、いわゆるオンラインHDFと呼ばれる方法を用いている。また、本実施形態においては、血液浄化の方法として、オンラインHDFにおいて、ダイアライザの下流側において血液を補液する後希釈による方法を用いている。
【0017】
血液透析装置1は、図1に示すように、血液透析器としてのダイアライザ10と、静脈側チャンバ60と、血液回路20と、透析液回路30と、温度調節部としてのヒータ40と、制御装置50と、を備える。
【0018】
ダイアライザ10は、筒状に形成された容器本体11と、この容器本体11の内部に収容された透析膜(図示せず)と、を備え、容器本体11の内部は、透析膜により血液側流路と透析液側流路とに区画される(いずれも図示せず)。容器本体11には、血液側流路に連通する血液導入口111及び血液導出口112と、透析液側流路に連通する透析液導入口113及び透析液導出口114と、が形成される。
【0019】
静脈側チャンバ60は、血液回路20内の気泡や血栓等を取り除くために後述する静脈側ライン22に設けられ、例えば20ml程度の所定量の血液や補液(透析液)を貯留可能である。静脈側チャンバ60は、可撓性を有する材質により構成される。
【0020】
静脈側チャンバ60は、図1及び図2に示すように、血液を貯留するチャンバ本体61と、チャンバ本体61の底部に配置される底部血液導入部611と、チャンバ本体61の底部に配置される底部血液導出部612と、オーバーフロー部613と、静脈圧検出部614と、上部血液導入部615と、チャンバ本体61の側部に配置される補液導入部616と、を有する。チャンバ本体61は、底部側筒状部62と、中間筒状部63と、上部側筒状部64と、を備える。
【0021】
中間筒状部63は、上下方向に延びる円筒状に形成される。中間筒状部63の上端部には、上部側筒状部64が接続される。中間筒状部63の下端部には、底部側筒状部62が接続される。
【0022】
底部側筒状部62は、底面を有する円筒状に形成され、上下方向に延び且つ中間筒状部63よりも上下方向の長さが短い。底部側筒状部62は、その下部に、底部血液導入部611及び底部血液導出部612が配置される。
【0023】
底部血液導入部611は、上下方向に延びる。底部血液導入部611は、下方に開口する底部血液導入口611a(血液導入口)を介して、底部側筒状部62の下部に接続されている。
底部血液導入口611aは、チャンバ本体61の内部に血液を導入する開口である。底部血液導入口611aは、後述する静脈側ライン22の静脈側上流ライン22aを介して、ダイアライザ10の血液導出口112に接続されている。
【0024】
底部血液導出部612は、上下方向に延びる。底部血液導出部612は、下方に開口する底部血液導出口612a(血液導出口)を介して、底部側筒状部62の下部に接続されている。
底部血液導出口612aは、チャンバ本体61に貯留された血液をチャンバ本体61の外部に導出する開口である。底部血液導出口612aは、後述する静脈側ライン22の静脈側下流ライン22bを介して、対象者(透析患者)の静脈に接続されている。
【0025】
上部側筒状部64は、天面を有する円筒状に形成され、上下方向に延びる。上部側筒状部64の上部には、オーバーフロー部613、静脈圧検出部614及び上部血液導入部615が配置される。上部側筒状部64の側部には、補液導入部616が配置される。
【0026】
オーバーフロー部613は、オーバーフロー口613aを介して、チャンバ本体61の上部に接続されている。静脈圧検出部614は、静脈圧検出口614aを介して、チャンバ本体61の上部に接続されている。上部血液導入部615は、上部血液導入口615aを介して、チャンバ本体61の上部に接続されている。
オーバーフロー口613a、静脈圧検出口614a及び上部血液導入口615aは、いずれも、上方に向けて開口する。
【0027】
オーバーフロー口613aには、チャンバ本体61の内部に延びるチューブが接続されており、このチューブの下端部は、チャンバ本体61の内部における所定の高さ(本実施形態では補液導入口616aよりも若干上方)まで延びている。
静脈圧検出口614aには、静脈圧センサ221が接続される。静脈圧センサ221は、静脈側チャンバ60の内部の血液の静脈圧を検出する。
上部血液導入口615aには、本実施形態においては、何も接続されていない。なお、上部血液導入口615aには、後述する第2実施形態に説明するように、静脈側ライン22の静脈側上流ライン22aに底部血液導入口611aを接続せずに、上部血液導入口615aには、底部血液導入口611aに接続される静脈側ライン22の静脈側上流ライン22aを接続して構成することもできる。
【0028】
補液導入部616は、チャンバ本体61の側部から略水平方向に延びる。補液導入部616は、チャンバ本体61の側方に開口する補液導入口616aを介して、チャンバ本体61の側部に接続されている。
補液導入口616aは、チャンバ本体61に補液としての透析液を導入する。補液導入口616aは、図3に示すように、チャンバ本体61の内周面の接線方向を向いて形成され、略水平方向に開口する。
【0029】
血液回路20は、図1に示すように、動脈側ライン21と、静脈側ライン22と、薬剤ライン23と、オーバーフローライン24と、を備える。動脈側ライン21、静脈側ライン22、薬剤ライン23及びオーバーフローライン24は、いずれも液体が流通可能な可撓性を有するチューブを主体として構成される。
【0030】
動脈側ライン21は、一端側が対象者(透析患者)の動脈に接続され、他端側がダイアライザ10の血液導入口111に接続される。動脈側ライン21には、気泡センサ211、血液ポンプ212、及び動脈側チャンバ213が配置される。
気泡センサ211は、動脈側ライン21の内部を流通する血液中に含まれる気泡を検出する。血液ポンプ212は、動脈側ライン21における気泡センサ211よりも下流側に配置される。血液ポンプ212は、動脈側ライン21を構成するチューブをしごくことにより、動脈側ライン21の内部の血液を送り出す。動脈側チャンバ213は、動脈側ライン21における血液ポンプ212よりも下流側に配置される。動脈側チャンバ213は、所定量(例えば、20ml)の血液を貯留する。
【0031】
静脈側ライン22は、静脈側上流ライン22aと、静脈側下流ライン22bと、を備える。
静脈側上流ライン22aは、一端側がダイアライザ10の血液導出口112に接続され、他端側が静脈側チャンバ60の底部血液導入口611aに接続される。
静脈側下流ライン22bは、一端側が静脈側チャンバ60の底部血液導出口612aに接続され、他端側が対象者(透析患者)の静脈に接続される。静脈側下流ライン22bには、気泡センサ222、静脈側クランプ223が配置される。
【0032】
気泡センサ222は、静脈側ライン22における静脈側チャンバ60よりも下流側に配置される。気泡センサ222は、静脈側ライン22の内部を流通する血液中に含まれる気泡を検出する。静脈側クランプ223は、静脈側ライン22における気泡センサ222よりも下流側に配置される。静脈側クランプ223は、静脈側ライン22の流路を開閉する。
【0033】
薬剤ライン23は、血液透析中に必要な薬剤を動脈側ライン21に供給する。薬剤ライン23は、一端側(基端側)が薬剤を送り出す薬液ポンプ231に接続され、他端側(先端側)が動脈側ライン21における血液ポンプ212と動脈側チャンバ213との間に接続される。
【0034】
オーバーフローライン24は、一端側(基端側)が静脈側チャンバ60のオーバーフロー口613aに接続される。オーバーフローライン24は、プライミング工程において静脈側ライン22を流通する生理食塩液、空気等を外部に排出する。オーバーフローライン24には、オーバーフロークランプ241が配置される。オーバーフロークランプ241は、オーバーフローライン24の流路を開閉する。
【0035】
以上の血液回路20によれば、対象者(透析患者)の動脈から取り出された血液は、血液ポンプ212により動脈側ライン21を流通してダイアライザ10の血液側流路に導入される。ダイアライザ10に導入された血液は、透析膜を介して後述する透析液回路30を流通する透析液により浄化される。また、ダイアライザ10において浄化された血液は、静脈側チャンバ60に導入されて貯留される。静脈側チャンバ60に一旦貯留された血液には、後述する送液ライン38を介して補液としての透析液が補充される。静脈側チャンバ60に一旦貯留されて補液が補充された血液は、静脈側ライン22を流通して対象者の静脈に返血される。
【0036】
透析液回路30は、本実施形態では、いわゆる密閉容量制御方式の透析液回路30により構成される。この透析液回路30は、透析液チャンバ31と、透析液供給ライン32と、透析液導入ライン33と、透析液導出ライン34と、排液ライン35と、バイパスライン36と、除水/逆ろ過ポンプ37と、送液ライン38と、ポンプとしてのオンライン用補液ポンプ39と、を備える。
【0037】
透析液チャンバ31は、一定容量(例えば、300ml~500ml)の透析液を収容可能な硬質の容器311と、この容器311の内部を区画する軟質の隔膜(ダイアフラム)312と、を備える。透析液チャンバ31の内部は、隔膜312により送液収容部313及び排液収容部314に区画される。
【0038】
透析液供給ライン32は、基端側が透析液供給装置(図示せず)に接続され、先端側が透析液チャンバ31に接続される。透析液供給ライン32は、透析液チャンバ31の送液収容部313に透析液を供給する。
【0039】
透析液導入ライン33は、透析液チャンバ31とダイアライザ10の透析液導入口113とを接続し、透析液チャンバ31の送液収容部313に収容された透析液をダイアライザ10の透析液側流路に導入する。
【0040】
透析液導出ライン34は、ダイアライザ10の透析液導出口114と透析液チャンバ31とを接続し、ダイアライザ10から排出された透析液を透析液チャンバ31の排液収容部314に導出する。
排液ライン35は、基端側が透析液チャンバ31に接続され、排液収容部314に収容された透析液の排液を排出する。
【0041】
バイパスライン36は、透析液導出ライン34と排液ライン35とを接続する。
除水/逆ろ過ポンプ37は、バイパスライン36に配置される。除水/逆ろ過ポンプ37は、バイパスライン36の内部の透析液を排液ライン35側に流通させる方向(除水方向)及び透析液導出ライン34側に流通させる方向(逆ろ過方向)に送液可能に駆動するポンプにより構成される。
【0042】
送液ライン38は、透析液導入ライン33と静脈側チャンバ60とを接続する。送液ライン38は、一端側が透析液導入ライン33の途中に接続され、他端側が静脈側チャンバ60の補液導入口616aに接続される。送液ライン38は、透析液導入ライン33を流通する透析液の一部を補液として、静脈側ライン22に配置された静脈側チャンバ60に供給する。
オンライン用補液ポンプ39は、送液ライン38に配置され、送液ライン38を構成するチューブをしごくことにより、送液ライン38の内部の透析液を静脈側チャンバ60に向けて送り出す。
【0043】
以上の透析液回路30によれば、透析液チャンバ31を硬質の容器311及びこの容器311の内部を区画するダイアフラム312により構成することで、透析液チャンバ31からの透析液の導出量(送液収容部313への透析液の供給量)と、透析液チャンバ31(排液収容部314)に回収される排液の量と、を同量にできる。
これにより、除水/逆ろ過ポンプ37を停止させた状態では、ダイアライザ10に導入される透析液の流量とダイアライザ10から導出される透析液(排液)の量とを同量にできる。
【0044】
また、除水/逆ろ過ポンプ37を除水方向に送液するように駆動させた場合には、透析液導出ライン34を流通する透析液の量は、透析液チャンバ31に回収される透析液の量(即ち、透析液導入ライン33を流通する透析液の量)に、バイパスライン36を流通する透析液の量を加えた量となる。これにより、透析液導出ライン34を流通する透析液の量は、バイパスライン36を通って排液ライン35に排出される透析液(排液)の量分だけ、透析液導入ライン33を流通する透析液の量よりも多くなる。即ち、除水/逆ろ過ポンプ37を除水方向に送液するように駆動させた場合は、ダイアライザ10において、血液から所定量の除水が行われる。
【0045】
一方、除水/逆ろ過ポンプ37を逆ろ過方向に送液するように駆動させた場合には、透析液チャンバ31から排出された排液の一部がバイパスライン36及び透析液導出ライン34を通って再び透析液チャンバ31に回収される。そのため、ダイアライザ10から導出される透析液の量は、透析液チャンバ31に回収される量(即ち、透析液導入ライン33を流通する透析液の量)から、バイパスライン36を流通する透析液の量を減じた量となる。これにより、ダイアライザ10から導出される透析液の量は、バイパスライン36を通って再び透析液チャンバ31に回収される透析液(排液)の量分だけ、透析液導入ライン33を流通する透析液の流量よりも少なくなる。即ち、除水/逆ろ過ポンプ37を逆ろ過方向に送液するように駆動させた場合は、ダイアライザ10において、血液回路20に所定量の透析液が注入(逆ろ過)される。
【0046】
また、送液ライン38により透析液導入ライン33を流通する透析液の一部を補液として静脈側チャンバ60に供給することで、静脈側チャンバ60に貯留された血液には、補液としての透析液が補充される。
【0047】
ヒータ40は、透析液回路30を流通する透析液を所定の温度に加温する。
【0048】
制御装置50は、情報処理装置(コンピュータ)により構成され、制御プログラムを実行することにより、血液透析装置1の動作を制御する。
具体的には、制御装置50は、血液回路20及び透析液回路30に配置された各種のポンプやクランプ、並びにヒータ40等の動作を制御する。これにより、制御装置50は、例えば、血液回路20やダイアライザ30を洗浄し清浄化する準備工程であるプライミング工程、穿刺後に患者の血液を血液回路20に充填させて体外循環させる脱血工程、脱血工程に続いて行われる透析工程、透析工程の実行中に補液を行なう補液工程、血液回路20内の血液を患者の体内に戻す返血工程などを実行する。
【0049】
ここで、返血工程において、静脈側チャンバ60には、ダイアライザ10において浄化された血液が、底部血液導入口611aを介して導入される。また、オンライン用補液ポンプ39が作動されることで、補液としての透析液が、静脈側チャンバ60の側部に設けられた補液導入口616aを介して、静脈側チャンバ60の内部に導入される。補液導入口616aがチャンバ本体61の内周面の接線方向を向いて形成されるため、補液導入口616aから導入された補液は、旋回流を形成しながらチャンバ本体61の内部に導入される。チャンバ本体61の内部に導入された補液は、静脈側チャンバ60に貯留された血液の上方を覆うように重層されて血液の上部に貯留される。静脈側チャンバ60に貯留された血液及び補液は、底部血液導出口612aを介して、静脈側チャンバ60の外部に導出される。そして、静脈側チャンバ60から導出された血液は、静脈側下流ライン22bを介して、患者に戻される。
【0050】
このように、本実施形態の静脈側チャンバ60は、チャンバ本体61の底部の底部血液導入口611aから血液を導入するように構成されると共に、チャンバ本体61の底部の底部血液導出口612aから血液を導出するように構成される。更に、静脈側チャンバ60は、チャンバ本体61の側部の補液導入口616aから補液としての透析液が導入されることで、補液が旋回流を形成しながらチャンバ本体61の内部に導入されて、補液としての透析液が、チャンバ本体61の底部に貯留された血液の上部に貯留されるように構成されている。
【0051】
以上説明した第1実施形態の静脈側チャンバ60によれば、以下のような効果を奏する。
(1)静脈側チャンバ60を、血液を貯留するチャンバ本体61と、チャンバ本体61の底部に配置されチャンバ本体61に貯留された血液を導出する底部血液導出口612aと、チャンバ本体61の側部に配置されチャンバ本体61に補液としての透析液を導入する補液導入口616aと、を含んで構成した。これにより、チャンバ本体61の側部から略水平方向に補液としての透析液を導入できるため、チャンバ本体61の底部に貯留された血液の飛び跳ねを抑制できる。また、チャンバ本体61の底部に貯留された血液の上部を覆うように補液を導入できるため、血液と空気とが接触する界面の形成を抑制でき、血液が空気に接触することを抑制できる。
【0052】
(2)補液導入口616aを、チャンバ本体61の内周面の接線方向を向いて開口させた。これにより、補液が旋回流を形成することで、血液の飛び跳ねを一層抑制できる。また、チャンバ本体61の底部に貯留された血液の上部において補液が旋回流を形成するため、補液としての透析液が血液の上部を覆う層を形成しやすくなり、血液が空気に接触することを一層抑制できる。
【0053】
(3)底部血液導入口611aを、チャンバ本体61の底部に配置して構成した。これにより、チャンバ本体61の底部から血液を導入して、チャンバ本体61の底部から血液を導出できる。よって、血液をチャンバ本体61の上部から導入して底部から導出するよりも、チャンバ本体61の底部から血液を導出しやすく、血液がチャンバ本体61の底部に残存することを抑制できる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る血液透析装置1Aにつき、図4を参照しながら説明する。第2実施形態の血液透析装置1Aは、主として、静脈側ライン22の静脈側上流ライン22aが静脈側チャンバ60の上部血液導入口615a(血液導入口)に接続される点において、第1実施形態と異なる。尚、第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0055】
第2実施形態の血液透析装置1Aにおいては、静脈側ライン22の静脈側上流ライン22aは、第1実施形態のように静脈側チャンバ60の底部の底部血液導入口611aに接続されるのではなく、静脈側チャンバ60の上部の上部血液導入口615aに接続される。
上部血液導入口615aは、チャンバ本体61に貯留された血液をチャンバ本体61の外部に導出する開口である。上部血液導入口615aは、静脈側ライン22の静脈側下流ライン22bを介して、対象者(透析患者)の静脈に接続されている。
これにより、血液を静脈側チャンバ60の上部の上部血液導入口615aから導入して、静脈側チャンバ60に貯留されて血液を、静脈側チャンバ60の底部の底部血液導入口611aから外部に導出することができる。
【0056】
以上説明した第2実施形態の血液透析装置1Aによれば、上述した(1)及び(2)の効果を奏する。
【0057】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る静脈側チャンバ60Aにつき説明する。図5は、本発明の第3実施形態に係る静脈側チャンバ60Aの構成を示す図である。
第1実施形態及び第2実施形態の静脈側チャンバ60に代えて、第3実施形態の静脈側チャンバ60Aを使用することができる。
【0058】
第3実施形態の静脈側チャンバ60Aは、図1に示す静脈側ライン22に設けられる第1実施形態及び第2実施形態の静脈側チャンバ60に代えて、図1に示す静脈側ライン22に設けられる。
静脈側チャンバ60Aは、図5に示すように、血液を貯留するチャンバ本体71を有する。チャンバ本体71は、底部側筒状部72と、中間筒状部73と、上部側筒状部74と、を備える。中間筒状部73は、上下方向に延びる円筒状に形成される。中間筒状部73の上端部には、上部側筒状部74が接続される。中間筒状部73の下端部には、底部側筒状部72が接続される。
【0059】
底部側筒状部72は、底面を有する筒状に形成され、上下方向に延び且つ中間筒状部73よりも上下方向の長さが短い。底部側筒状部72は、その下部に、底部血液導出部712が配置される。底部血液導出部712は、下方に開口する底部血液導出口712a(血液導出口)を介して、チャンバ本体71の底部に接続される。
【0060】
底部血液導出口712aは、チャンバ本体71に貯留された血液をチャンバ本体71の外部に導出する。底部血液導出口712aは、静脈側ライン22の静脈側下流ライン22bを介して、対象者(透析患者)の静脈に接続されている。
【0061】
上部側筒状部74は、天面を有する円筒状に形成され、上下方向に延びる。上部側筒状部74の上部には、オーバーフロー部713が配置される。オーバーフロー部713は、オーバーフロー口713aを介して、チャンバ本体71の上部に接続されている。オーバーフロー口713aには、チャンバ本体71の内部に延びるチューブが接続されており、このチューブの下端部は、チャンバ本体71の内部における所定の高さ(本実施形態では側部血液導入口701の位置よりも上方の位置)まで延びている。血液層の上面が補液層で覆われているため、オーバーフロー口713aに接続されるチューブの下端部は、補液層の内部に位置しており、空気に接触しない。これにより、オーバーフロー口713aに接続されるチューブの下端部には、血栓が生成されにくくなる。
【0062】
上部側筒状部74(チャンバ本体71)の側部には、側部血液導入部711と、側部血液導入部711よりも上方に配置される補液導入部716と、が配置される。
【0063】
側部血液導入部711は、チャンバ本体71の内部に血液を導入する。側部血液導入部711は、図5に示すように、水平方向に延びる筒状に形成される。側部血液導入部711は、側部血液導入口701(血液導入口)を介して、チャンバ本体71の側部に接続されている。側部血液導入口701は、チャンバ本体71の側方に向けて水平方向に開口する。
【0064】
補液導入部716は、チャンバ本体71の内部に補液としての透析液を導入する。補液導入部716は、図5に示すように、水平方向に延びる筒状に形成される。補液導入部716は、補液導入口702を介して、チャンバ本体71の側部に接続されている。補液導入口702は、血液層の上面(血液層と透析液層との境界面K)よりも上方に位置される。補液導入口702は、チャンバ本体71の側方に向けて水平方向に開口する。補液導入口702の高さ方向の位置は、チャンバ本体71の底部から、チャンバ本体71の上下方向の長さの70%よりも高い位置に配置されることが好ましい。
【0065】
補液導入口702及び側部血液導入口701は、チャンバ本体71の上下方向の中央よりも上方側において、上下方向に並んで配置される。補液導入口702と側部血液導入口701との上下方向の位置関係は、上側に補液導入口702が配置され、補液導入口702よりも下側に側部血液導入口701が配置される。補液導入口702及び側部血液導入口701は、上下方向に所定距離をおいて離間して配置され、チャンバ本体71の内部において、補液導入口702と側部血液導入口701との間には、血液層と透析液層との境界面Kが形成される。境界面Kは、血液層の上面でもあり、補液層としての透析液層の下面でもある。補液導入口702及び側部血液導入口701を、上下方向に所定距離をおいて離間して配置したため、血液と補液とを混ざりにくくできる。なお、補液導入口702及び側部血液導入口701の上下方向の位置は限定されず、上方側又は下方側に移動した位置に配置してもよい。
【0066】
以上のように構成される第3実施形態の静脈側チャンバ60Aは、チャンバ本体71の側部において、補液導入口702を上側に配置すると共に、側部血液導入口701を補液導入口702よりも下側に配置することで、チャンバ本体71の側部において、下側で血液を導入させ、上側で透析液を導入させる。これにより、血液層と透析液層との境界面Kの液面の乱れをより少なくして、血液層の上面を、補液としての透析液の層で覆うことができる。
【0067】
また、補液導入口702を血液層の上面よりも上方に位置させたため、チャンバ本体71の底部に貯留された血液の上部を補液としての透析液の層で確実に覆うことができる。これにより、血液と空気とが接触する界面の形成を抑制でき、血液が空気に接触することを抑制できる。
【0068】
また、チャンバ本体71には、水平方向に延びる側部血液導入部711に導かれた血液が側部血液導入口701を介して水平方向に導入され、水平方向に延びる補液導入部716に導かれた補液としての透析液が補液導入口702を介して水平方向に導入される。それによって、血液層と透析液層との境界面Kの液面の乱れをより少なくできる。
【0069】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る静脈側チャンバ60Bにつき説明する。図6は、本発明の第4実施形態に係る静脈側チャンバ60Bの構成を示す図である。
第4実施形態の静脈側チャンバ60Bは、第3実施形態の静脈側チャンバ60Aと比べて、補液導入部716A及び側部血液導入部711Aが傾いて配置される点において、第3実施形態と異なる。第4実施形態の説明において、第3実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
【0070】
側部血液導入部711Aは、図6に示すように、水平方向に対して下向き角度β(-45°~0°)で下向きに傾いた状態で延びる筒状に形成される。側部血液導入部711Aは、側部血液導入口701aを介して、静脈側チャンバ60Bの側部に接続されている。側部血液導入口701aは、チャンバ本体71の側方に向けて下向き角度β傾いて開口する。
【0071】
補液導入部716Aは、図6に示すように、水平方向に対して上向き角度α(0°~45°)で上向きに傾いた状態で延びる筒状に形成される。補液導入部716Aは、補液導入口702aを介して、静脈側チャンバ60Bの側部に接続されている。補液導入口702aは、チャンバ本体71の側方に向けて上向き角度α傾いて開口する。
【0072】
以上のように構成される第4実施形態の静脈側チャンバ60Bは、チャンバ本体71の側部において、補液導入口702aを上側に配置すると共に、側部血液導入口701aを下側に配置することで、チャンバ本体71の側部において、下側で血液を導入させ、上側で透析液を導入させる。これにより、血液層と透析液層との境界面Kの液面の乱れをより少なくして、血液の上面を、補液としての透析液の層で覆うことができる。
また、チャンバ本体71には、上向き角度α(0°~45°)傾いた状態で延びる補液導入部716Aに導かれた血液が補液導入口702aを介して上向き角度α(0°~45°)で導入され、下向き角度β(-45°~0°)傾いた状態で延びる側部血液導入部711Aに導かれた補液としての透析液が側部血液導入口701aを介して上向き角度α(0°~45°)で導入される。そのため、血液の流入方向と補液としての透析液の流入方向とが交差することが抑制されて、血液層と透析液層との境界面Kの液面の乱れをより少なくできる。
【0073】
以上、本発明の血液透析装置の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、静脈側チャンバ60C~60Fを、次の第1変形形態~第3変形形態のように構成することができる。
【0074】
第1変形形態及び第2変形形態について説明する。第1変形形態及び第2変形形態は、第3実施形態及び第4実施形態の補液導入部716,716A及び側部血液導入部711,711Aの組み合わせが異なる。図7は、本発明の第1変形形態に係る静脈側チャンバ60Cの構成を示す図である。図8は、本発明の第2変形形態に係る静脈側チャンバ60Dの構成を示す図である。
【0075】
図7に示すように、第1変形形態の静脈側チャンバ60Cにおいては、側部血液導入部711は、水平方向に延びる筒状に形成され、側部血液導入部711の側部血液導入口701は、チャンバ本体71の側方に向けて水平方向に開口する。
補液導入部716Aは、図7に示すように、水平方向に対して上向き角度α(0°~45°)で上向きに傾いた状態で延びる筒状に形成され、補液導入部716Aの補液導入口702aは、チャンバ本体71の側方に向けて上向き角度α傾いて開口する。
【0076】
また、図8に示すように、第2変形形態の静脈側チャンバ60Dにおいては、側部血液導入部711Aは、水平方向に対して下向き角度β(-45°~0°)で下向きに傾いた状態で延びる筒状に形成され、側部血液導入部711Aの側部血液導入口701aは、チャンバ本体71の側方に向けて下向き角度β傾いて開口する。
補液導入部716は、図8に示すように、水平方向に延びる筒状に形成され、補液導入部716の補液導入口702は、チャンバ本体71の側方に向けて水平方向に開口する。
【0077】
以上のように構成される第1変形形態及び第2変形形態においては、第3実施形態及び第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0078】
第3変形形態について説明する。図9は、第3変形形態の構成を示す図であって、補液導入口702(702a)及び側部血液導入口701(701a)の位置関係の例を模式的に示す図である。第3変形形態は、補液導入口702(702a)及び側部血液導入口701(701a)の位置関係を異ならせた変形形態である。
【0079】
図9(a)に示すように、補液導入口702(702a)及び側部血液導入口701(701a)の位置関係は、前述の第3実施形態及び第4変形形態と同様に、平面視で、チャンバ本体71の周方向において同じ位置に配置してもよいし、図9(b)に示すように、チャンバ本体71の周方向においてθ1(例えば90°)離間した位置に配置してもよいし、図9(c)に示すように、チャンバ本体71の周方向においてθ2(例えば180°)離間した位置に配置してもよい。なお、補液導入口702(702a)及び側部血液導入口701(701a)を離間させる角度は、これらには限定されない。
【0080】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態では、血液浄化の方法としていわゆるオンラインHDFにおいて、後希釈による方法を用いて、静脈側チャンバ60に補液としての透析液を供給する構成について説明したが、これに限られず、前希釈による方法を用いてもよい。この場合には、補液としての透析液を動脈側チャンバに供給する構成とし、前記第1実施形態における静脈側チャンバ60に補液としての透析液を供給する構成に代えて、第1実施形態で説明した静脈側チャンバ60と同様の構成を、動脈側チャンバ213に適用することで、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0081】
また、前記実施形態では、補液としての透析液を、透析液導入ライン33から、送液ライン38を介して、静脈側チャンバ60に供給するように構成したが、これに限られず、補液としての透析液を、透析液導出ライン34から、送液ラインを介して、静脈側チャンバ60に供給するように構成してもよい。
【0082】
また、前記実施形態では、血液導入口615aをチャンバ本体61の底部に配置したが、これに限らない。即ち、血液導入口を、チャンバ本体の側部における補液導入口よりも下部に配置してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,1A 血液透析装置
10 ダイアライザ(血液透析器)
20 血液回路
21 動脈側ライン
22 静脈側ライン
30 透析液回路
33 透析液導入ライン
34 透析液導出ライン
38 送液ライン
39 オンライン用補液ポンプ(ポンプ)
50 制御装置
60,60A,60B,60C,60D,60E,60F 静脈側チャンバ(チャンバ)
61,71 チャンバ本体
611a 底部血液導入口(血液導入口)
612a 底部血液導出口(血液導出口)
615a 上部血液導入口(血液導入口)
616a, 補液導入口
701,701a 側部血液導入口(血液導入口)
702,702a 補液導入口
712a 底部血液導出口(血液導出口)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9