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特許7081087絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20220531BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20220531BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 652J
H01L29/78 653C
H01L29/78 652D
H01L29/78 652T
H01L29/78 658A
H01L29/78 658G
H01L29/78 658E
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2017110281
(22)【出願日】2017-06-02
(65)【公開番号】P2018206923
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】奥村 啓樹
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/064949(WO,A1)
【文献】特開2010-267762(JP,A)
【文献】特開2017-055005(JP,A)
【文献】特開2013-258369(JP,A)
【文献】国際公開第2014/122919(WO,A1)
【文献】特開2009-117593(JP,A)
【文献】特開2015-192028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/12
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面がオフ角を有し、第1導電型で、シリコンよりも禁制帯幅が広い半導体材料のドリフト層と、
前記ドリフト層の上に配置された第2導電型のベース領域と、
前記ベース領域の上部に埋め込まれ、前記ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域と、
前記第1主電極領域及び前記ベース領域を貫通するトレンチの側面及び底面に設けられたゲート絶縁膜と、
前記トレンチ内に前記ゲート絶縁膜を介して埋め込まれたゲート埋込電極と、
前記ドリフト層の下面側に配置された第2主電極領域と、
前記トレンチの底部において前記ドリフト層に埋め込まれた第2導電型のゲート底部保護領域と、
前記ベース領域の下において前記ドリフト層に埋め込まれた、前記ベース領域よりも高不純物密度の第2導電型のベース底部埋込領域と
を備え、前記ベース底部埋込領域の断面形状が、少なくとも底部側に台形のパターンを有し、該台形の上底と下底が平行であり、前記上底の中間点と前記下底の中間点を結ぶ線が、前記ドリフト層の上面の法線に対して前記オフ角方向に傾斜した傾斜角を有し、前記ベース底部埋込領域の下面が前記ゲート底部保護領域の下面よりも深く、
前記ベース底部埋込領域が、
第1の埋込領域と、
前記第1の埋込領域の上に配置された第2の埋込領域と
を含み、
前記第2の埋込領域の底面が前記ゲート底部保護領域の底面よりも浅いことを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項2】
前記傾斜角が、前記ドリフト層を構成する結晶のc軸方向に対し、前記オフ角方向に測って±5°以内であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項3】
前記ベース底部埋込領域の下面が前記ゲート底部保護領域の下面よりも0.1μm以上深いことを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項4】
前記トレンチとは離間した位置において、前記第1主電極領域及び前記ベース領域を貫通するベースコンタクトプラグを更に備え、
前記ベース底部埋込領域が、前記ベースコンタクトプラグの底部に接していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項5】
前記ベースコンタクトプラグの側壁が、前記ベース底部埋込領域の側面と平行であることを特徴とする請求項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項6】
前記ドリフト層が炭化珪素からなることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項7】
前記オフ角が0°~8°であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項8】
前記第1の埋込領域及び前記第2の埋込領域の断面形状がそれぞれ前記台形のパターンを有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項9】
前記第2の埋込領域よりも前記第1の埋込領域が厚いことを特徴とする請求項1~3又は8のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項10】
第1導電型でシリコンよりも禁制帯幅が広い半導体材料のドリフト層、前記ドリフト層のオフ角を有する上面に垂直方向にイオン注入し、前記ドリフト層内に第2導電型のゲート底部保護領域を形成する工程と、
前記ドリフト層の上面の法線に対して前記オフ角方向に傾斜する方向にチャネリング現象を生じさせるチャネリング方向を選択してイオン注入し、前記ドリフト層内に下面の位置が前記ゲート底部保護領域よりも深い、第2導電型のベース底部埋込領域を形成する工程と、
前記ドリフト層の上に第2導電型のベース領域を形成する工程と、
前記ベース領域の上部に、前記ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域を埋め込む工程と、
前記ベース底部埋込領域の上方において、前記ベース領域の上部に第2導電型のベースコンタクト領域を埋め込む工程と、
前記ベース領域を貫通し、前記ゲート底部保護領域に到達するトレンチを形成する工程と、
前記トレンチの側面及び底面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記トレンチ内に前記ゲート絶縁膜を介してゲート埋込電極を埋め込む工程と、
を含み、
前記ベース底部埋込領域を形成する工程が、第1の埋込領域と、前記第1の埋込領域の上の第2の埋込領域とを形成することを含み、
前記第2の埋込領域の底面が前記ゲート底部保護領域の底面よりも浅いことを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記チャネリング方向は、前記ドリフト層を構成する結晶のc軸方向に対し、前記オフ角方向に測って±5°以内で傾斜することを特徴とする請求項10に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記ベース底部埋込領域の下面が前記ゲート底部保護領域の下面よりも0.1μm以上深いことを特徴とする請求項10又は11に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ベース底部埋込領域を形成する工程は、
前記傾斜する方向への第1のイオン注入をするステップと、
前記第1のイオン注入よりも加速電圧の小さい、前記第1のイオン注入と同一方向に沿った第2のイオン注入をするステップと、
を含ことを特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記ベース底部埋込領域に到達するように、前記第1主電極領域及び前記ベース領域を貫通するコンタクト溝を形成する工程と、
前記コンタクト溝にベースコンタクトプラグを埋め込む工程と
を更に含むことを特徴とする請求項10~13のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記コンタクト溝を前記チャネリング方向に沿った側壁を有するように形成し、
前記側壁の平行方向にイオン注入して前記コンタクト溝の底部の下に前記ベース底部埋込領域を形成する
ことを特徴とする請求項14に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記ドリフト層が炭化珪素からなることを特徴とする請求項10~15のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記オフ角が0°~8°であることを特徴とする請求項10~16のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法に係り、特にトレンチゲート構造を有する絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トレンチゲート型のMOS電界効果トランジスタ(MOSFET)は、平面型に対してセルピッチの縮小によるオン抵抗の低減が期待できる。しかし、炭化珪素(SiC)を材料とするSiC-MOSFET等の絶縁ゲート型半導体装置では、SiCの破壊電界強度が高いという特長を生かそうとすると、逆バイアス時の高電圧によりトレンチ底部のゲート絶縁膜が破壊される懸念がある。
【0003】
SiCを材料とした絶縁ゲート型半導体装置の製造にチャネリング現象を利用したイオン注入(チャネリングイオン注入)が試み始められている(特許文献1~3参照。)。しかしながら、特許文献1~3に記載された発明においては、上述したようなトレンチゲート構造に特有の課題を解決するために、チャネリングイオン注入を利用することは検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-216182号公報
【文献】特開2013-219161号公報
【文献】特開2014-49620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題に鑑み、本発明は、トレンチ底部のゲート絶縁膜を逆バイアス時の高電圧から保護することができる絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、(a)上面がオフ角を有し、第1導電型で、シリコンよりも禁制帯幅が広い半導体材料のドリフト層と、(b)ドリフト層の上に配置された第2導電型のベース領域と、(c)ベース領域の上部に埋め込まれ、ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域と、(d)第1主電極領域及びベース領域を貫通するトレンチの側面及び底面に設けられたゲート絶縁膜と、(e)トレンチ内にゲート絶縁膜を介して埋め込まれたゲート埋込電極と、(f)ドリフト層の下面側に配置された第2主電極領域と、(g)トレンチの底部においてドリフト層に埋め込まれた第2導電型のゲート底部保護領域と、(h)ベース領域の下においてドリフト層に埋め込まれた、ベース領域よりも高不純物密度の第2導電型のベース底部埋込領域とを備え、ベース底部埋込領域の断面形状が、少なくとも底部側に台形のパターンを有し、該台形の上底と下底が平行であり、上底の中間点と下底の中間点を結ぶ線が、ドリフト層の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜した傾斜角を有し、ベース底部埋込領域の下面がゲート底部保護領域の下面よりも深い絶縁ゲート型半導体装置であることを要旨とする。
【0007】
本発明の他の態様は、(a)第1導電型でシリコンよりも禁制帯幅が広い半導体材料のドリフト層、このドリフト層のオフ角を有する上面に垂直方向にイオン注入し、ドリフト層内に第2導電型のゲート底部保護領域を形成する工程と、(b)ドリフト層の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜する方向にチャネリング現象を生じさせるチャネリング方向を選択してイオン注入し、ドリフト層内に下面の位置がゲート底部保護領域よりも深い、第2導電型のベース底部埋込領域を形成する工程と、(c)ドリフト層の上に第2導電型のベース領域を形成する工程と、(d)ベース領域の上部に、ドリフト層よりも高不純物密度の第1導電型の第1主電極領域を埋め込む工程と、(e)ベース底部埋込領域の上方において、ベース領域の上部に第2導電型のベースコンタクト領域を埋め込む工程と、(f)ベース領域を貫通し、ゲート底部保護領域に到達するトレンチを形成する工程と、(g)トレンチの側面及び底面にゲート絶縁膜を形成する工程と、(h)トレンチ内にゲート絶縁膜を介してゲート埋込電極を埋め込む工程とを含む絶縁ゲート型半導体装置の製造方法であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、チャネリングイオン注入を利用することにより、トレンチ底部のゲート絶縁膜を逆バイアス時の高電圧から保護することができる絶縁ゲート型半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、本発明の実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の一例を示す要部断面図であり、図1(b)は、図1(a)の部分拡大断面図である。
図2図2(a)は、m面から見た4H-SiC結晶を示す概略図であり、図2(b)は、Si面から見た4H-SiC結晶を示す概略図である。
図3】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置を構成するSiCウェハの一例を示す上面図である。
図4図3のA-A方向から見たSiCウェハの部分拡大図である。
図5】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
図6】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図5に引き続く工程断面図である。
図7】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図6に引き続く工程断面図である。
図8】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図7に引き続く工程断面図である。
図9】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図8に引き続く工程断面図である。
図10】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図9に引き続く工程断面図である。
図11】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図10に引き続く工程断面図である。
図12】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図11に引き続く工程断面図である。
図13】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図12に引き続く工程断面図である。
図14】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図13に引き続く工程断面図である。
図15】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図14に引き続く工程断面図である。
図16】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図15に引き続く工程断面図である。
図17】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図16に引き続く工程断面図である。
図18】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法のイオン注入時のチルト角をオフ角方向で変化させたときの注入深さと不純物密度の関係を表すグラフである。
図19】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法のイオン注入時のチルト角と不純物密度の関係を表すグラフである。
図20】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法のイオン注入時のチルト角をオフ角方向と直交する方向で変化させたときの注入深さと不純物密度の関係を表すグラフである。
図21】実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法のイオン注入時の温度を変化させたときの注入深さと不純物密度の関係を表すグラフである。
図22】実施形態の第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置の一例を示す要部断面図である。
図23】第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
図24】実施形態の第2の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置の一例を示す要部断面図である。
図25】第2の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
図26】第2の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例を説明するための図25に引き続く工程断面図である。
図27】本発明のその他の実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の一例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0011】
本明細書において、「第1主電極領域」とは、絶縁ゲート型FET(MISFET)や絶縁ゲート型静電誘導トランジスタ(MISSIT)においてソース領域又はドレイン領域のいずれか一方となる半導体領域を意味する。絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)においてはエミッタ領域又はコレクタ領域のいずれか一方となる半導体領域を、MISゲート型静電誘導サイリスタ(MISゲートSIサイリスタ)においてはアノード領域又はカソード領域のいずれか一方となる半導体領域を意味する。「第2主電極領域」とは、MISFETやMISSITにおいては上記第1主電極領域とはならないソース領域又はドレイン領域のいずれか一方となる半導体領域を、IGBTにおいては上記第1主電極領域とはならないエミッタ領域又はコレクタ領域のいずれか一方となる領域を、MISゲートSIサイリスタにおいては上記第1主電極領域とはならないアノード領域又はカソード領域のいずれか一方となる領域を意味する。即ち、「第1主電極領域」がソース領域であれば、「第2主電極領域」はドレイン領域を意味する。「第1主電極領域」がエミッタ領域であれば、「第2主電極領域」はコレクタ領域を意味する。「第1主電極領域」がアノード領域であれば、「第2主電極領域」はカソード領域を意味する。
【0012】
以下の実施形態の説明では、第1導電型がn型、第2導電型がp型の場合について例示的に説明するが、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をp型、第2導電型をn型としても構わない。また、本明細書及び添付図面においては、nやpに上付き文字で付す+及び-は、+及び-の付記されていない半導体領域に比してそれぞれ相対的に不純物密度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。更に、以下の説明で「第1導電型」及び「第2導電型」の限定を加えた部材や領域は、特に明示の限定がなくても半導体材料からなる部材や領域を意味していることは、技術的にも論理的にも自明である。また、本明細書では、ミラー指数の表記において、“-”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“-”を付けることで負の指数をあらわしている。
【0013】
更に、以下の説明において「上面」「下面」等の「上」「下」の定義は、図示した断面図上の単なる表現上の問題であって、例えば、絶縁ゲート型半導体装置の方位を90°変えて観察すれば「上」「下」の呼称は、「左」「右」になり、180°変えて観察すれば「上」「下」の呼称の関係は逆になることは勿論である。
【0014】
<絶縁ゲート型半導体装置の構造>
本発明の実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置は、図1(a)に示すように、第1導電型(n-型)のドリフト層2と、ドリフト層2の上面側に配置された第2導電型(p型)のベース領域7a,7b,7cを備えるMISFETである。ベース領域7a,7b,7cの上部にはドリフト層2よりも高不純物密度のn+型の第1主電極領域(ソース領域)8a,8b,8c,8dが設けられている。ソース領域8a,8b,8c,8d及びベース領域7a,7b,7cを貫通してトレンチ21a,21bが設けられ、トレンチ21a,21bの底面及び側面にはゲート絶縁膜10a,10bが設けられている。トレンチ21a,21b内にはゲート絶縁膜10a,10bを介してゲート埋込電極11a,11bが埋め込まれている。なお、本発明の実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置においてはMISFETであるので、ドリフト層2の下面側にn+型の第2主電極領域(ドレイン領域)1が配置されている。
【0015】
便宜上、図1(a)ではトレンチ21a,21bをそれぞれ含む2つの単位セル構造を要部断面として示している。しかしながら、本発明の実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置は、この単位セル構造を、周期的に更に複数個配列してマルチチャネル構造をなすことにより大電流を流すことが可能である。
【0016】
ベース領域7a,7b,7cの上部には、ソース領域8a,8b,8c,8dに接するようにベース領域7a,7b,7cよりも高不純物密度のp+型のベースコンタクト領域9a,9b,9cが設けられている。ドリフト層2の上部には、ドリフト層2の下部とベース領域7a,7b,7cに挟まれるように、ドリフト層2よりも高不純物密度のn+型の電流拡散層(CSL)3が設けられている。電流拡散層3は、ドリフト層2の上部にn型不純物を導入することで設けられており、キャリアの広がり抵抗を低減させる機能を有する。なお、電流拡散層3が無く、電流拡散層3の上面の位置でドリフト層2の上面がベース領域7a,7b,7cに接していてもよい。
【0017】
トレンチ21a,21bの底部のゲート絶縁膜10a,10bを逆バイアス時の高電圧から保護するために、トレンチ21a,21bの底部には、p+型のゲート底部保護領域4a,4bが配置されている。一方、ベースコンタクト領域9a,9b,9cの下方のベース領域7a,7b,7cの下面側には、p+型のベース底部埋込領域(5a,6a),(5b,6b),(5c,6c)がそれぞれ配置されている。ベース底部埋込領域(5a,6a),(5b,6b),(5c,6c)の断面形状は、少なくとも底部側に台形のパターンをそれぞれ有する。図1(b)は、図1(a)のp+型のベース底部埋込領域5b,6bの部分を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0018】
ベース底部埋込領域(5a,6a)は、第1の台形からなる第1の埋込領域5aと、第1の埋込領域5aの上面に配置され、ベース領域7aの下面に接する第2の台形からなる第2の埋込領域6aを含む台形を単位とするパターンである。ベース底部埋込領域(5b,6b)は、第1の台形からなる第1の埋込領域5bと、第1の埋込領域5bの上面に配置され、ベース領域7bの下面に接する第2の台形からなる第2の埋込領域6bを含む台形を単位とするパターンである。ベース底部埋込領域(5c,6c)は、第1の台形からなる第1の埋込領域5cと、第1の埋込領域5cの上面に配置され、ベース領域7cの下面に接する第2の台形からなる第2の埋込領域6cを含む台形を単位とするパターンである。
【0019】
第1の埋込領域5a,5b,5cの上面は、ゲート底部保護領域4a,4bの上面と同じ深さに設けられている。第1の埋込領域5a,5b,5c及びゲート底部保護領域4a,4bの上面から下面までの厚さは例えば0.2μm~1μm程度であるが、第1の埋込領域5a,5b,5cの下面は、ゲート底部保護領域4a,4bの下面よりも深い位置に設けられている。第1の埋込領域5a,5b,5cの下面とゲート底部保護領域4a,4bの下面との差dは例えば0.1μm~0.5μm程度である。例えば差dが0.1μm以上であれば、逆バイアス時の高電圧がかかったときにアバランシェ電流が第1の埋込領域5a,5b,5cに引き抜かれ易くなり好ましい。第2の埋込領域6a,6b,6cの上面から下面までの厚さは0.2μm~1μm程度である。
【0020】
実施形態においては、ドレイン領域1はSiCからなる半導体基板(SiC基板)で構成され、ドリフト層2はSiCからなるエピタキシャル層(SiC層)で構成されるものとする。ドレイン領域1及びドリフト層2としては、SiCの他にも、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンド又は窒化アルミニウム(AlN)等のSiの禁制帯幅1.1eVよりも広い半導体材料がそれぞれ使用可能である。室温における禁制帯幅は3C-SiCでは2.23eV、4H-SiCでは3.26eV、6H-SiCでは3.02eV、GaNでは3.4eV、ダイヤモンドでは5.5eV、AlNでは6.2eVの値が報告されている。禁制帯幅が2.0eV以上のワイドバンドギャップ半導体がドレイン領域1及びドリフト層2等として使用可能であるが、LED等では2.5eV以上の禁制帯幅を「ワイドバンドギャップ」として定義される場合が多い。本発明ではワイドバンドギャップ半導体の禁制帯幅を、3C-SiCの室温における禁制帯幅2.23eVを基準として説明する。
【0021】
ソース領域8a,8b,8c,8d及びベース領域7a,7b,7cを深さ方向に貫通するトレンチ21a,21bは、その底部が電流拡散層3に到達する。図1ではトレンチ21a,21bの底面が曲面である場合を例示するが、トレンチ21a,21bの底面が平面であってもよい。平面パターン上、各単位セル構造のトレンチ21a,21bはストライプ状に配列されていてもよく、矩形の平面パターンや六角形等の多角形の平面パターンを有していてもよい。
【0022】
ゲート絶縁膜10a,10bとしては、シリコン酸化膜(SiO2膜)の他、シリコン酸窒化(SiON)膜、SiO2膜より比誘電率の大きなストロンチウム酸化物(SrO)膜、シリコン窒化物(Si34)膜、アルミニウム酸化物(Al23)膜、マグネシウム酸化物(MgO)膜、イットリウム酸化物(Y23)膜、ハフニウム酸化物(HfO2)膜、ジルコニウム酸化物(ZrO2)膜、タンタル酸化物(Ta25)膜、ビスマス酸化物(Bi23)膜のいずれか1つの単層膜或いはこれらの複数を積層した複合膜等が採用可能である。
【0023】
ゲート埋込電極11a,11bの材料としては、例えば不純物を高濃度に添加したポリシリコン層(ドープドポリシリコン層)が使用可能である。ゲート埋込電極11a,11b上には層間絶縁膜12a,12bを介して第1主電極(ソース電極)16が紙面の奥に位置するゲート表面電極(図示省略)と分離して配置されている。ソース電極16は、ソース領域8a,8b,8c,8d及びベースコンタクト領域9a,9b,9cに電気的に接続される。
【0024】
ソース電極16の下層には、第1の下部バリアメタル層13a,13b,13c、第2の下部バリアメタル層14a,14b及び上部バリアメタル層15を備える。第1の下部バリアメタル層13a,13b,13cは、ベースコンタクト領域9a,9b,9cにそれぞれに金属学的に接するように配置されている。第2の下部バリアメタル層14a,14bは、ソース領域8a,8b,8c,8dに金属学的に接し、層間絶縁膜12a,12bを覆うように配置されている。上部バリアメタル層15は、第1の下部バリアメタル層13a,13b,13c及び第2の下部バリアメタル層14a,14bを覆うように配置され、ソース電極16は、上部バリアメタル層15を覆うように配置されている。例えば、第1の下部バリアメタル層13a,13b,13cがニッケル(Ni)膜、第2の下部バリアメタル層14a,14bが窒化チタン(TiN)膜、上部バリアメタル層15がチタン(Ti)/TiN/Tiの積層構造、ソース電極16がアルミニウム(Al)膜で構成される。ゲート表面電極は、ソース電極16と同様の材料が使用可能である。
【0025】
ドリフト層2の下面側には、ドリフト層2に接するように第2主電極(ドレイン電極)17が配置されている。ドレイン電極17としては、例えば金(Au)からなる単層膜や、Al、ニッケル(Ni)、Auの順で積層された金属膜が使用可能であり、更にその最下層にモリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属板を積層してもよい。
【0026】
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置は、図2に示すように、SiCからなる半導体ウェハ100を基礎として作製される。半導体ウェハ100の外周部には、半導体ウェハ100の結晶方位を示すオリエンテーションフラット101が設けられている。半導体ウェハ100は、特定の結晶方位に対し一定のオフセット角(オフ角)θ1だけ傾いた面となる方向に沿ってスライスされており、結晶方位によってオリエンテーションフラット101の位置が決定されている。オリエンテーションフラット101の代わりに、半導体ウェハ100の外周部にノッチが設けられていてもよい。
【0027】
半導体ウェハ100は、図3に模式的に示すように、例えば、<0001>(c軸)方向に対して<11-20>方向に4°~8°程度のオフ角θ1を有する。オフ角θ1は、(0001)面(Si面)又は(000-1)面(C面)であるc軸と垂直な面(基底面)と、半導体ウェハ100の表面102とがなす角度である。
【0028】
図4(a)は、(0001)面に垂直な(1-100)面であるm面の方向から見た4H-SiCの結晶構造を模式的に示し、図4(b)は、Si面から見た4H-SiCの結晶構造を模式的に示すが、いずれも原子が重ならない疎の部分が存在する。Si面の反対側のC面から見た場合も同様である。このため、c軸に平行な方向等からイオン注入を行えば、イオンがSiCの結晶構造の隙間を通って深く注入されるチャネリング現象が発生する。
【0029】
ここで、SiC等のワイドバンドギャップ半導体材料は、Siと比較してイオンの投影飛程を深くし難く、イオン注入後の熱処理を行った場合に、注入されたイオンが殆ど拡散しない。一方、図1(a)に示した実施形態に係る半導体装置においては、第1の埋込領域5a,5b,5cの下面をゲート底部保護領域4a,4bの下面よりも深い位置に形成するが、深い位置にイオンを注入するためには非常に高い加速電圧が必要になり、形成が非常に困難である。
【0030】
そこで、図3に示すように、イオンビームIBが半導体ウェハ100の表面102の法線に対してオフ角θ1に測った方向(以下、「オフ角方向」と称する)に傾斜するようにイオン注入角(チルト角)θ2を調整してチャネリング方向を選択して、半導体ウェハ100の表面102に対して斜め方向にイオン注入することにより、意図的にチャネリング現象を発生させる。チルト角θ2は、イオンビームIBが半導体ウェハ100の表面102に対する法線となす角度である。チルト角θ2は、例えば半導体ウェハ100を搭載するステージを傾けることにより調整可能である。イオンビームIBのチャネリング方向は、c軸に対してオフ角方向に測って±5°以内であることが好ましく、c軸に対してオフ角方向に測って±3°以内であることがより好ましく、c軸と平行であることが最も好ましい。
【0031】
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置では、イオンビームIBのチャネリング方向がドリフト層2(電流拡散層3)の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜するようにチルト角θ2を調整し、チャネリング方向を選択してチャネリングイオン注入をして、第1の埋込領域5a,5b,5c及び第2の埋込領域6a,6b,6cを形成している。第1の埋込領域および第2の埋込領域は、通常のボックスプロファイルとなるように複数段のイオン注入を行った場合も、上底と下底が平行で、下底が上底よりも0.1μm以下程度若干狭い台形となる。この場合に、上底の中間点と下底の中間点を結ぶ線で見るとドリフト層2の上面と垂直となっている。これがチャネリングイオン注入によると、第1の埋込領域5a,5b,5c及び第2の埋込領域6a,6b,6cの断面は、チャネリング方向に平行な斜辺を有する略平行四辺形をなす。即ち、平行四辺形の斜辺である第1の埋込領域5a,5b,5c及び第2の埋込領域6a,6b,6cの左側面は、右側面と比較して傾斜がきつくなる。つまり、第1の埋込領域5a,5b,5c及び第2の埋込領域6a,6b,6cは、台形であって上底と下底が平行で、上底の中間点と下底の中間点を結ぶ線が、ドリフト層2の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜した傾斜角を有する。図1(b)に示すように、第1の埋込領域5bの上底5b1と下底5b2は平行で、上底5b1の中間点と下底5b2の中間点を結ぶ線5b3はオフ角方向に傾斜した傾斜角を有する。同じく、第2の埋込領域5bの上底6b1と下底6b2は平行で、上底6b1の中間点と下底6b2の中間点を結ぶ線6b3はオフ角方向に傾斜した傾斜角を有する。第1の埋込領域5a,5b,5c及び第2の埋込領域6a,6b,6cの側面の傾斜角は、例えば、ドリフト層2を構成する結晶構造のc軸に対してオフ角方向に測って±5°以内の角度である。
【0032】
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の動作時は、ドレイン電極17に正電圧を印加し、ゲート埋込電極11a,11bに閾値以上の正電圧を印加するとベース領域7a,7b,7cのゲート埋込電極11a,11b側に反転層(チャネル)が形成されてオン状態となる。オン状態では、ドレイン電極17からドレイン領域1、ドリフト層2、ベース領域7a,7b,7cの反転層及びソース領域8a,8b,8c,8dを経由してソース電極16へ電流が流れる。一方、ゲート埋込電極11a,11bに印加される電圧が閾値未満の場合、ベース領域7a,7b,7cに反転層が形成されないため、オフ状態となり、ドレイン電極17からソース電極16へ電流が流れない。
【0033】
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置によれば、第1の埋込領域5a,5b,5cの下面をゲート底部保護領域4a,4bの下面よりも深い位置に設けることにより、逆バイアス時の高電圧がかかったときにアバランシェ電流が第1の埋込領域5a,5b,5cに引き抜かれ易くなり、トレンチ21a,21bの底部のゲート絶縁膜10a,10bを逆バイアス時の高電圧から保護することができる。
【0034】
<絶縁ゲート型半導体装置の製造方法>
次に、図5図17を用いて、本発明の実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法を、トレンチゲート型MISFETの場合を一例に説明する。なお、以下に述べるトレンチゲート型MISFETの製造方法は一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
【0035】
まず、窒素(N)等のn型不純物が添加されたn+型の半導体基板(SiC基板)を用意する。以下の説明ではSiC基板が4H-SiC基板であり、4°のオフ角を有するものとする。このn+型SiC基板をドレイン領域1として、ドレイン領域1の上面に、n-型のドリフト層2をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長することによりドリフト層2の上面も4°のオフ角を有する。
【0036】
次に、ドリフト層2の上面側から、窒素(N)等のn型不純物イオンをドリフト層2の全面に多段イオン注入する。その後、熱処理を行うことにより注入されたn型不純物イオンを活性化させ、図6に示すようにn+型の電流拡散層3を形成する。なお、電流拡散層3はドリフト層2の上面にエピタキシャル成長してもよく、エピタキシャル成長することにより電流拡散層3の上面も4°のオフ角を有する。また、電流拡散層3は必ずしも形成しなくてもよく、以下の工程をドリフト層2上に行ってもよい。
【0037】
次に、図1(a)に示した第1の埋込領域5a,5b,5cを形成するために、電流拡散層3上にフォトレジスト膜31を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜31をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜31をイオン注入用マスクとして用いて、図7に示すように、Al等のp型不純物イオンを深い位置に多段イオン注入する。この際、SiC基板を搭載するステージを傾けてチルト角θ2を調整し、イオンビームを電流拡散層3の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜したチャネリング方向を選択して多段イオン注入する。その後、フォトレジスト膜をウェット処理等で除去する。
【0038】
更に、図1(a)に示したゲート底部保護領域4a,4bを形成するために、電流拡散層3上に新たなフォトレジスト膜32を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜32をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜32をイオン注入用マスクとして用いて、図8に示すように、電流拡散層3の上面に対して垂直に、Al等のp型不純物イオンを前回よりも浅い位置に多段イオン注入する。その後、フォトレジスト膜32をウェット処理等で除去する。
【0039】
更に、図1(a)に示した第2の埋込領域6a,6b,6cを形成するために、電流拡散層3上に新たなフォトレジスト膜33を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜33をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜33をイオン注入用マスクとして用いて、図9に示すように、Al等のp型不純物イオンを多段イオン注入する。この際、SiC基板を搭載するステージを傾けてチルト角θ2を調整し、イオンビームを電流拡散層3の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜したチャネリング方向を選択して多段イオン注入する。
【0040】
第2の埋込領域6a,6b,6cを形成するときのイオン注入のチャネリング方向は、第1の埋込領域5a,5b,5cを形成するときのチャネリング方向と同一方向であってもよく、チャネリング現象を発生させられる範囲で互いに異なっていてもよい。第2の埋込領域6a,6b,6cは、第1の埋込領域5a,5b,5cよりも浅い位置に形成するため、第2の埋込領域6a,6b,6cを形成するときのイオン注入の加速電圧は、第1の埋込領域5a,5b,5cを形成するときの加速電圧よりも小さく設定される。なお、第2の埋込領域6a,6b,6cを形成するときのイオン注入は、電流拡散層3の上面に対して垂直方向から多段イオン注入してもよい。その後、フォトレジスト膜33をウェット処理等で除去する。
【0041】
引き続き、熱処理を行うことにより注入されたp型不純物イオンを活性化させ、図10に示すように、電流拡散層3の内部にp+型のゲート底部保護領域4a,4bを選択的に形成する。更に、電流拡散層3の内部に、ゲート底部保護領域4a,4bよりも深い位置に、p+型の第1の埋込領域5a,5b,5cを平行四辺形(第1の平行四辺形)の領域として形成する。同時に、電流拡散層3の上部に、p+型の第2の埋込領域6a,6b,6cが平行四辺形(第2の平行四辺形)の領域として選択的に形成されるので、ベース底部埋込領域(5a,6a),(5b,6b),(5c,6c)を、平行四辺形が単位となる段差形状のパターンに形成する。
【0042】
次に、図11に示すように、電流拡散層3の上面に、p型のベース領域7をエピタキシャル成長させる。次に、ベース領域7上にフォトレジスト膜(図示省略)を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をイオン注入用マスクとして用いて、N等のn型不純物イオンを多段イオン注入する。その後、フォトレジスト膜をウェット処理等で除去する。引き続き、ベース領域7上に新たなフォトレジスト膜(図示省略)を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いて新たなフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされた新たなフォトレジスト膜を新たなイオン注入用マスクとして用いて、ドリフト層2の上面側から、Al等のp型不純物イオンを多段イオン注入する。その後、熱処理を行うことにより注入されたn型不純物イオン及びp型不純物イオンを活性化させ、図12に示すように、ベース領域7の上面にn+型のソース領域8及びp+型のベースコンタクト領域9a,9b,9cを形成する。
【0043】
次に、n+型のソース領域8及びp+型のベースコンタクト領域9a,9b,9c上にフォトレジスト膜34を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜34をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜34をエッチング用マスクとして用いて、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング等により、図13に示すように、ソース領域8a,8b,8c,8d及びベース領域7a,7b,7cを貫通して電流拡散層3の上部に達するトレンチ21a,21bを選択的に形成する。その後、フォトレジスト膜34をウェット処理等で除去する。なお、ソース領域8及びp+型のベースコンタクト領域9a,9b,9c上に酸化膜を形成し、フォトレジスト膜によって酸化膜をパターニングした後、酸化膜をエッチング用マスクとして用いてドライエッチングによりトレンチ21a,21bを形成してもよい。
【0044】
次に、図14に示すように、熱酸化法又はCVD法等により、トレンチ21a,21bの底面及び側面とソース領域8及びp+型のベースコンタクト領域9a,9b,9cの上面に、SiO2膜等のゲート絶縁膜10を形成する。次に、CVD法等により、ゲート絶縁膜10上にN等の不純物を高濃度で添加したポリシリコン層(ドープドポリシリコン層)を堆積する。その後、ポリシリコン層をエッチバックすることにより、トレンチ21a,21bの内部にゲート絶縁膜10を介してポリシリコン層を埋め込む。この結果、図15に示すように、ポリシリコン層からなるゲート埋込電極11a,11bを形成する。
【0045】
次に、CVD法等により、ゲート埋込電極11a,11b及びゲート絶縁膜10上にSiO2膜等の層間絶縁膜を堆積する。そして、層間絶縁膜上にフォトレジスト膜35を塗布し、フォト・リソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜32をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜35をエッチング用マスクとして用いて、図16に示すように、ドライエッチングにより層間絶縁膜12a,12b及びゲート絶縁膜10a,10bをゲート埋込電極11a,11b上に残存するように選択的に除去してソースコンタクトホールを開孔する。図示を省略しているが、ソースコンタクトホールとは異なる箇所において、ゲート埋込電極11a,11bに接続されたゲート表面電極の一部が露出するように、ゲートコンタクトホールも層間絶縁膜12a,12b及びゲート絶縁膜10a,10bに開孔する。その後、フォトレジスト膜35をウェット処理等で除去する。
【0046】
次に、スパッタリング法又は蒸着法等によりNi膜等の金属層を堆積し、フォト・リソグラフィ技術とRIE等を用いて金属層をパターニングして第1の下部バリアメタル層13a,13b,13cを形成する。次にスパッタリング法等によりTiN膜等の金属層を堆積し、フォト・リソグラフィ技術とRIE等を用いて金属層をパターニングして第2の下部バリアメタル層14a,14bを形成する。更に、次にスパッタリング法等によりTi/TiN/Ti/Al膜等の金属層を連続的に堆積する。フォト・リソグラフィ技術とRIE等を用いてTi/TiN/Ti/Al膜等の金属層をパターニングして、底部に上部バリアメタル層15を備えたソース電極16及びゲート表面電極(図示省略)のパターンを形成する。この結果、ソース電極16とゲート表面電極のパターンは分離される。次に、スパッタリング法又は蒸着法等により、ドレイン領域1の下面の全面にAu等からなるドレイン電極17を図1に示すように形成する。このようにして、実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置が完成する。
【0047】
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法によれば、第1の埋込領域5a,5b,5cを形成するときに、イオンビームを電流拡散層3の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜させて、チャネリング方向を選択して、多段イオン注入する。これにより、チャネリング現象を発生させてイオンの投影飛程を深くし、第1の埋込領域5a,5b,5cの下面の位置をゲート底部保護領域4a,4bの下面の位置よりも深い位置に形成することができる。これにより、トレンチ21a,21bの底部のゲート絶縁膜10a,10bを逆バイアス時の高電圧から保護することができる絶縁ゲート型半導体装置を実現可能となる。
【0048】
図18は、図1(a)に示した第1の埋込領域5a,5b,5cを形成するためのイオン注入時に、チルト角をオフ角方向に変化させて、Alイオンを4段で注入でしたときのモンテカルロシミュレーション結果であるプロファイルを示す。1段目を350keV、7.0×1013atoms/cm2、2段目を300keV、5.0×1013atoms/cm2、3段目を200keV、5.5×1013atoms/cm2、4段目を120keV、2.0×1013atoms/cm2とした。図19は、図18に示した深さ0.6μm、0.8μm、1μmに対するチルト角依存性を示す。図18及び図19から、チルト角が4°(イオンビームがc軸に平行)の場合に最もチャネリング現象が発生し易く、チルト角が1°~7°(c軸に対するイオンビームのオフ角方向の傾きが±3°)以内の場合にチャネリング効果が大きく、チルト角が-1°~9°(c軸に対するイオンビームのオフ角方向の傾きが±5°)の場合でもチャネリング効果が観測できることが分かる。
【0049】
図20は、図1(a)に示した第1の埋込領域5a,5b,5cを形成するためのイオン注入時に、オフ角以外の方向に対してチルト角を変化させた場合のシミュレーション結果を示す。図20から、オフ角以外の方向に対してチルト角θ2を変化させても、チャネリング現象の発生は観測されなかった。
【0050】
図21は、図1(a)に示した第1の埋込領域5a,5b,5cを形成するためのイオン注入時に、イオン注入時の温度を-100℃~900℃の範囲で変化させたシミュレーション結果を示す。図21から、イオン注入時の温度が低いほどチャネリング現象が発生しやすいことが分かる。
【0051】
(第1の変形例)
本発明の実施形態の第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置として、ゲート部分のトレンチ構造に加えて、ベース底部埋込領域(5b,6b)のコンタクト部分にもトレンチ構造を有するダブルトレンチ構造を説明する。第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置は、図22に示すように、トレンチ21a,21bとは離間した位置において、トレンチ21a,21bに挟まれたベース領域7bを貫通するようにコンタクト溝22が設けられ、コンタクト溝22内にベースコンタクトプラグ23が埋め込まれている点が、図1(a)に示した実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置と異なる。図22ではトレンチ21a,21b及びコンタクト溝22のみを例示するが、現実的には図22に示すトレンチ21a,21bによりコンタクト溝22を挟む構造が複数配列されていてもよい。
【0052】
ベースコンタクトプラグ23は、ブレークダウンが発生して、アバランシェ電流がドレイン電極17からソース電極16へ流れる際の引き抜き電極として機能する。ベースコンタクトプラグ23の材料としては、例えばAl等の金属や、不純物を添加したポリシリコン層(ドープドポリシリコン層)、高濃度のエピタキシャル層等が使用可能である。ベースコンタクトプラグ23は、ゲート埋込電極11a,11bと同一の材料から構成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。
【0053】
コンタクト溝22の底部には、ゲート底部保護領域4a,4bよりも深い位置にp+型のベース底部埋込領域(5b,6b)が設けられている。ベース底部埋込領域(5b,6b)は、ベースコンタクトプラグ23の底部を被覆する第1の埋込領域5bと、ベース領域7b,7b及びベースコンタクトプラグ23の側面に接する第2の埋込領域6bを備える。
【0054】
第1の埋込領域5bの断面形状は略平行四辺形の台形をなし、上底と下底が平行で、上底の中間点と下底の中間点を結ぶ線が、ドリフト層2の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜した傾斜角を有する。第1の埋込領域5bの側面の傾斜角は、例えば、ドリフト層2を構成する結晶構造のc軸に対してオフ角方向に測って±5°以内の角度である。第2の埋込領域6bのベースコンタクトプラグ23側とは反対側の側面は、ドリフト層2の上面に対して垂直である場合を例示するが、第1の埋込領域5bの側面と平行であってもよい。他の構成は、図1(a)に示した実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0055】
第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置によれば、コンタクト溝22の底部のベース底部埋込領域(5b,6b)の下面を、トレンチ21a,21bの底部のゲート底部保護領域4a,4bの下面よりも深い位置に設けることにより、逆バイアス時の高電圧がかかった時にアバランシェ電流がベース底部埋込領域5に引き抜かれ易くなり、トレンチ21a,21bの底部のゲート絶縁膜10a,10bを逆バイアス時の高電圧から保護することができる。
【0056】
第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例としては、図6に示すようにn+型の電流拡散層3を形成した後に、第1の埋込領域5bを形成するために、図7に示すようにイオンビームを電流拡散層3の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜させて、チャネリング方向を選択して多段イオン注入する。また、ゲート底部保護領域4a,4bを形成するために、図8に示すように電流拡散層3の上面に垂直方向から多段イオン注入する。そして、第2の埋込領域6bを形成するために、電流拡散層3の上面に垂直方向から多段イオン注入する。なお、第2の埋込領域6bを形成するためのイオン注入は、イオンビームを電流拡散層3の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜させて、チャネリング方向を選択して多段イオン注入してもよい。その後、熱処理を行うことにより、図23に示すように、ゲート底部保護領域4a,4bを形成する。これと同時に、ゲート底部保護領域4a,4bよりも深い第1の埋込領域5bと、第1の埋込領域5b上の第2の埋込領域6bからなるベース底部埋込領域(5b,6b)を形成する。
【0057】
次に、図22に示したRIE法等によりトレンチ21a,21bを形成すると同時に、コンタクト溝22をベース底部埋込領域(5b,6b)の第2の埋込領域6bを貫通し、第1の埋込領域5bに到達するように形成する。その後、コンタクト溝22を埋めるように金属膜を堆積し、金属膜を選択的に除去することにより、ベースコンタクトプラグ23を形成する。他の工程は、実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0058】
(第2の変形例)
本発明の実施形態の第2の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置は、図24に示すように、ベースコンタクトプラグ23が斜めに設けられている点が、図22に示した第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置と異なる。ベース底部埋込領域(5b,6b)は、ベースコンタクトプラグ23の底部を覆うように設けられている。ベース底部埋込領域(5b,6b)は、ベースコンタクトプラグ23の下面に接する第1の埋込領域5bと、第1の埋込領域5bの上面に配置された第2の埋込領域6bを有する。
【0059】
ベースコンタクトプラグ23の側面は、ベース底部埋込領域(5b,6b)の第1の埋込領域5bの斜辺と平行に連続して設けられている。ベースコンタクトプラグ23の側面及び第1の埋込領域5bの側面は、イオンビームを電流拡散層3及びドリフト層2の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜させて、チャネリング方向を選択して傾斜している。第2の埋込領域6bのベースコンタクトプラグ23とは反対側の側面は、ベースコンタクトプラグ23の側面及び第1の埋込領域5bの側面と平行の場合を例示するが、第2の埋込領域6bのベースコンタクトプラグ23とは反対側の側面は、これに限定されない。例えば、第2の埋込領域6bのベースコンタクトプラグ23とは反対側の側面は、電流拡散層3及びドリフト層2の上面に対して垂直であってもよい。他の構成は、図22に示した第1の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0060】
第2の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置によれば、第1の変形例と同様に、コンタクト溝22の底部のベース底部埋込領域(5b,6b)を、トレンチ21a,21bの底部のゲート底部保護領域4a,4bよりも深く設けることにより、逆バイアス時の高電圧がかかったときにアバランシェ電流がベース底部埋込領域(5b,6b)に引き抜かれ易くなり、トレンチ21a,21bの底部のゲート絶縁膜10a,10bを逆バイアス時の高電圧から保護することができる。
【0061】
第2の変形例に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の一例としては、ゲート底部保護領域4a,4bを形成するために、電流拡散層3の上面に垂直方向に、p型不純物イオンを多段イオン注入する。また、第2の埋込領域6bを形成するために、電流拡散層3の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜したチャネリング方向で、p型不純物イオンを多段イオン注入する。その後、熱処理を行うことにより、図25に示すようにp+型のゲート底部保護領域4a,4b及び第2の埋込領域6bを形成する。
【0062】
そして、図26に示すように、第1の埋込領域5bを形成する際のイオン注入時のチャネリング方向に沿った側壁を有するようにコンタクト溝22を形成する。引き続き、イオンビームをコンタクト溝22の側壁と平行方向、即ち電流拡散層3の上面の法線に対してオフ角方向に傾斜したチャネリング方向で、コンタクト溝22の底面にp型不純物イオンを多段イオン注入する。その後、熱処理を行うことにより、第1の埋込領域5bをゲート底部保護領域4a,4bよりも深く形成する。引き続き蒸着法又はスパッタリング法等により金属膜等を堆積し、金属膜をエッチバックすることで、コンタクト溝22にベースコンタクトプラグ23を埋め込む。他の工程は、実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0063】
なお、第1の埋込領域5bとゲート底部保護領域4a,4bとを形成する際に、p型不純物イオンを個別に多段イオン注入する代わりに、一括して多段イオン注入してもよい。即ち、深さ方向に平行の側壁を有するトレンチ21a,21bと、深さ方向に対して側壁が傾斜したコンタクト溝22を形成した後に、コンタクト溝22の側壁に平行な方向にトレンチ21a,21bの底部及びコンタクト溝22の底部に同時にp型不純物イオンを多段イオン注入してもよい。その後、熱処理を行うことにより、ゲート底部保護領域4a,4bを形成するとともに、ベース底部埋込領域5をゲート底部保護領域4a,4bよりも深く形成することができる。
【0064】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0065】
実施形態においては、図1(a)に示すように、p+型のベース底部埋込領域(5a,6a),(5b,6b),(5c,6c)が、第1の埋込領域5a,5b,5c及び第2の埋込領域6a,6b,6cの2層構造を有する場合を例示したが、図27に示すように、p+型のベース底部埋込領域5a,5b,5cが単層で設けられていてもよい。ベース底部埋込領域5a,5b,5cを形成する際のイオン注入では、ベース底部埋込領域5a,5b,5cを深さ方向に厚く形成するように、多段イオン注入の加速電圧、ドーズ量、注入回数等を調整すればよい。
【0066】
実施形態においては、トレンチ構造を有するMISFETを例示したが、これに限定されず、トレンチ構造を有するIGBT等の種々のトレンチ構造を有する絶縁ゲート型半導体装置に適用可能である。トレンチゲート型IGBTとしては、図1(a)に示したMISFETのn+型のソース領域8a,8b,8c,8dをエミッタ領域とし、n+型のドレイン領域1の代わりにドリフト層2の下面側にp+型のコレクタ領域を設けた構造とすればよい。
【0067】
本発明の実施形態においては、SiCを用いた絶縁ゲート型半導体装置を例示したが、窒化ガリウム(GaN)又はダイヤモンド等の他のワイドバンドギャップ半導体を用いた絶縁ゲート型半導体装置に適用することも可能である。また、ワイドバンドギャップ半導体に限定されず、シリコン(Si)を用いた絶縁ゲート型半導体装置に適用することも可能である。
【0068】
また、SiCは、立方晶系の3C-SiC、六方晶系の4H-SiC、6H-SiC等の多くのポリタイプ(多形)が存在するが、それぞれチャネリング現象を発生させるようにチャネリング方向を選択すればよい。
【符号の説明】
【0069】
1…ドレイン領域(第2主電極領域)
2…ドリフト層
4a,4b…ゲート底部保護領域
5a,5b,5c…ベース底部埋込領域(第1の埋込領域)
6a,6b,6c…ベース底部埋込領域(第2の埋込領域)
7,7a,7b,7c…ベース領域
8,8a,8b,8c,8d…ソース領域(第1主電極領域)
9a,9b,9c…ベースコンタクト領域
10,10a,10b…ゲート絶縁膜
11a,11b…ゲート埋込電極
12a,12b…層間絶縁膜
13a,13b,13c…第1の下部バリアメタル層
14a,14b…第2の下部バリアメタル層
15…上部バリアメタル層
16…ソース電極
17…ドレイン電極
21a,21b…トレンチ
22…コンタクト溝
23…ベースコンタクトプラグ
31,32,33,34,35,36…フォトレジスト膜
100…半導体ウェハ
101…オリエンテーションフラット
102…表面
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