IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スズキ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-エンジンの排気装置 図1
  • 特許-エンジンの排気装置 図2
  • 特許-エンジンの排気装置 図3
  • 特許-エンジンの排気装置 図4
  • 特許-エンジンの排気装置 図5
  • 特許-エンジンの排気装置 図6
  • 特許-エンジンの排気装置 図7
  • 特許-エンジンの排気装置 図8
  • 特許-エンジンの排気装置 図9
  • 特許-エンジンの排気装置 図10
  • 特許-エンジンの排気装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】エンジンの排気装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 1/08 20060101AFI20220531BHJP
   F01N 13/08 20100101ALI20220531BHJP
【FI】
F01N1/08 G
F01N1/08 K
F01N1/08 B
F01N13/08 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017251533
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019116874
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(72)【発明者】
【氏名】友部 貴仁
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-006417(JP,A)
【文献】実開昭62-000122(JP,U)
【文献】特開昭54-031839(JP,A)
【文献】特開平01-290913(JP,A)
【文献】特開平09-096217(JP,A)
【文献】特開平01-310116(JP,A)
【文献】特開平08-028243(JP,A)
【文献】特開平08-109815(JP,A)
【文献】実開昭50-139846(JP,U)
【文献】特開昭63-131815(JP,A)
【文献】米国特許第05801344(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/08
F01N 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの排気ガスを流す排気管と、前記排気管の下流側に設けられたマフラとを備えたエンジンの排気装置であって、
前記マフラは、
筐体と、
前記筐体内にそれぞれ分かれて形成された第1の膨張室、第2の膨張室および第3の膨張室と、
前記筐体に設けられた第1の連通管、第2の連通管および第3の連通管とを有し、
前記排気管は前記第1の膨張室に接続され、前記第1の膨張室は前記第1の連通管を介して前記第3の膨張室と連通し、前記第1の膨張室は前記第2の連通管を介して前記第2の膨張室と連通し、前記第2の膨張室は前記第3の連通管を介して前記筐体の外部または前記筐体内において前記第1の膨張室、前記第2の膨張室および前記第3の膨張室のいずれとも分かれて形成された他の室と連通し、前記第3の膨張室は前記第1の連通管を介して前記第1の膨張室と連通していることを除き当該第3の膨張室の外部と連通しておらず、前記筐体内において前記第2の膨張室は前記第1の膨張室と前記第3の膨張室との間に配置され、かつ前記第1の連通管の内径は前記第2の連通管の内径よりも大きいことを特徴とするエンジンの排気装置。
【請求項2】
前記マフラは前記エンジンが設けられた車両において前記エンジンよりも後側に設けられ、前記筐体は前記車両の前後方向に長い形状を有し、前記筐体内において、前記第1の膨張室は前記第3の膨張室よりも後側に配置されていることを特徴とする請求項に記載のエンジンの排気装置。
【請求項3】
前記第1の膨張室は前記筐体の最後部に配置され、前記第3の膨張室は前記筐体の最前部に配置されていることを特徴とする請求項に記載のエンジンの排気装置。
【請求項4】
前記第1の連通管において前記第1の膨張室内に開口している端部の開口面積は、前記排気管において前記第1の膨張室内に開口している端部の開口面積以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のエンジンの排気装置。
【請求項5】
前記マフラは複数の前記第1の連通管を有していることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のエンジンの排気装置。
【請求項6】
前記複数の第1の連通管において前記第1の膨張室内にそれぞれ開口している端部の開口面積の合計は、前記排気管において前記第1の膨張室内に開口している端部の開口面積以上であることを特徴とする請求項に記載のエンジンの排気装置。
【請求項7】
前記筐体内において、前記排気管は前記筐体の中心よりも外周側に配置され、前記第1の連通管は前記排気管よりも前記筐体の中心側に配置され、前記第2の連通管は、前記筐体の中心よりも外周側であって前記第1の連通管を挟んで前記排気管の反対側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のエンジンの排気装置。
【請求項8】
前記第1の膨張室、前記第3の膨張室および前記第1の連通管は、これら全体として、前記排気管が接続された初段の膨張室を形成していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のエンジンの排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両等に設けられるエンジンの排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エンジンが設けられた車両等には、エンジンからの排気ガスを流す排気管と、排気管の下流側に設けられたマフラとが設けられている。マフラは排気音を低減する機能を有している。すなわち、マフラの筐体内には、複数の膨張室および膨張室間を連通させる連通路が形成されている。エンジンから排出され、排気管を介してマフラに流入した排気ガスは、これら膨張室および連通路を通過する過程で段階的に膨張し、または減衰する。これにより、排気音が低減される(例えば、下記の特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平1-290913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の騒音規制強化に伴い、マフラの排気音低減効果を高めることが要請されている。マフラの排気音低減効果は、マフラの膨張室の数を多くし、排気ガスの膨張および減衰を多く繰り返す構造とすることにより高めることができる。しかしながら、膨張室の数を多くすると、マフラが大型化してしまう。例えば車両等の小型化を図るに当たり、マフラの大型化は望ましくない。
【0005】
また、一般に、マフラにおいて、排気管が接続された初段の膨張室の容積を大きくすることにより、エンジン出力の低下を抑制する効果を高めることができる。所望のエンジン出力を確保するために、マフラにおける初段の膨張室の容積を大きくすることが要請される。しかしながら、初段の膨張室の容積を大きくすると、マフラが大型化してしまう。
【0006】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、マフラの大型化を抑えながら、マフラの排気音低減効果を高め、かつエンジン出力の低下を抑制することができるエンジンの排気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、エンジンからの排気ガスを流す排気管と、前記排気管の下流側に設けられたマフラとを備えたエンジンの排気装置であって、前記マフラは、筐体と、前記筐体内にそれぞれ分かれて形成された第1の膨張室、第2の膨張室および第3の膨張室と、前記筐体に設けられた第1の連通管、第2の連通管および第3の連通管とを有し、前記排気管は前記第1の膨張室に接続され、前記第1の膨張室は前記第1の連通管を介して前記第3の膨張室と連通し、前記第1の膨張室は前記第2の連通管を介して前記第2の膨張室と連通し、前記第2の膨張室は前記第3の連通管を介して前記筐体の外部または前記筐体内において前記第1の膨張室、前記第2の膨張室および前記第3の膨張室のいずれとも分かれて形成された他の室と連通し、前記第3の膨張室は前記第1の連通管を介して前記第1の膨張室と連通していることを除き当該第3の膨張室の外部と連通しておらず、前記筐体内において前記第2の膨張室は前記第1の膨張室と前記第3の膨張室との間に配置され、かつ前記第1の連通管の内径は前記第2の連通管の内径よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、マフラの大型化を抑えながら、マフラの排気音低減効果を高め、かつエンジン出力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施例の排気装置が設けられた自動二輪車を示す説明図である。
図2】本発明の第1の実施例の排気装置におけるマフラ等を示す外観図である。
図3図2中の矢示III-III方向から見たマフラを示す断面図である。
図4図3中の矢示IV-IV方向から見たマフラを示す断面図である。
図5図3中の矢示V-V方向から見たマフラを示す断面図である。
図6】本発明の第1の実施例の排気装置におけるマフラの構造を模式的に示す説明図である。
図7】本発明の第2の実施例の排気装置におけるマフラ等を示す外観図である。
図8図7中の矢示VIII-VIII方向から見たマフラを示す断面図である。
図9図8中の矢示IX-IX方向から見たマフラを示す断面図である。
図10図8中の矢示X-X方向から見たマフラを示す断面図である。
図11図8中の矢示XI-XI方向から見たマフラを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の排気装置は、エンジンからの排気ガスを流す排気管と、排気管の下流側に設けられたマフラとを備えている。マフラは、筐体と、筐体内にそれぞれ分かれて形成された第1の膨張室、第2の膨張室および第3の膨張室と、筐体に設けられた第1の連通管、第2の連通管および第3の連通管とを有している。
【0011】
排気管は第1の膨張室に接続されている。第1の膨張室は第1の連通管を介して第3の膨張室と連通し、かつ第2の連通管を介して第2の膨張室と連通している。第2の膨張室は第3の連通管を介して筐体の外部に連通している。なお、筐体内に、第1の膨張室、第2の膨張室および第3の膨張室のいずれとも分かれて形成された他の室が形成されており、第2の膨張室が第3の連通管を介し、筐体の外部ではなく、当該他の室と連通している場合もある。第3の膨張室は、第1の連通管を介して第1の膨張室と連通していることを除き、当該第3の膨張室の外部と連通していない。
【0012】
本実施形態の排気装置のマフラにおいて、排気管が第1の膨張室に接続され、第1の膨張室が第1の連通管を介して第3の膨張室と連通し、かつ第3の膨張室が第1の膨張室と第1の連通管を介して連通していることを除いて当該第3の膨張室の外部と連通していない構造により、第1の膨張室、第3の膨張室および第1の連通管の全体を、マフラにおいて排気管が接続された初段の膨張室として機能させることができる。
【0013】
上述したように、マフラにおいて排気管が接続された初段の膨張室の容積を大きくすることにより、エンジン出力の低下を抑制することができる。本実施形態の排気装置のマフラにおいては、第1の膨張室、第3の膨張室および第1の連通管のそれぞれの容積の合計が初段の膨張室の容積となる。したがって、第1の膨張室の容積を大きくし、または第3の膨張室の容積を大きくし、あるいは第1の連通管の容積を大きくする(例えば第1の連通管の長さを長くする)ことにより、全体的に見て、初段の膨張室の容積を大きくすることができる。第1の膨張室、第3の膨張室および第1の連通管は、例えば第1の膨張室を筐体の後部に配置し、第3の膨張室を筐体の前部に配置するといったように、マフラの筐体内において分散させて配置することができる。したがって、例えばマフラの構造上の制約等を考慮しながら、第1の膨張室、第3の膨張室および第1の連通管のうち、マフラの大型化を抑えつつ容積を大きくすることができるものを選択し、その容積を大きくすることにより、全体的に見て、マフラの大型化を抑えつつ、本実施形態のマフラにおける初段の膨張室の容積を大きくすることができる。したがって、マフラの大型化の抑制とエンジン出力低下の抑制とを両立させることができる。
【0014】
また、第1の膨張室と第3の膨張室とを第1の連通管で接続する構造において、排気ガスは、第1の膨張室または第3の膨張室から第1の連通管へ流れ込むときに減衰し、また、第1の連通管から第3の膨張室または第1の膨張室へ流れ出るときに膨張する。このように、本実施形態のマフラにおける初段の膨張室として機能する構造により、排気音低減効果を高めることができる。したがって、当該初段の膨張室として機能する第1の膨張室および第3の膨張室に加え、第2の膨張室を設けるだけで、排気音低減効果を十分に高めることができ、高い排気音低減効果を得るために多くの膨張室を要しない。よって、マフラの大型化の抑制と排気音低減効果の向上とを両立させることができる。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の第1の実施例の排気装置8が設けられた自動二輪車1を示している。なお、各図の右下には、前(F)、後(B)、上(U)、下(D)、右(R)、左(L)をそれぞれ示す矢印を必要に応じて描いた。各実施例の説明において方向を述べる際には、これらの矢印に従う。
【0016】
図1において、自動二輪車1の車体フレーム2の前部にはフロントフォーク3を介して前輪4が回転可能に支持されている。また、車体フレーム2の後部にはスイングアーム5を介して後輪6が回転可能に支持されている。また、車体フレーム2の前後方向中間部にはエンジン7が支持されている。本実施例の排気装置8は、自動二輪車1において、エンジン7の下側から後輪6の右側にかけての部分に設けられている。
【0017】
排気装置8は、エンジン7の排気ガスを大気へ排出する装置である。排気装置8は、前側排気管11、チャンバ12、触媒装置13、後側排気管14およびマフラ15を備えている。
【0018】
前側排気管11は、エンジン7の排気ポートとチャンバ12との間を接続する金属製のパイプであり、排気ポートから排出された排気ガスをチャンバ12へ送る。チャンバ12はエンジン7の下側に設けられている。チャンバ12内には膨張室が形成されており、前側排気管11から送られた排気ガスはこの膨張室内を流れる。触媒装置13は、排気ガスに含まれている有害物質を低減させる装置であり、例えばチャンバ12内において膨張室の上流側または下流側に設けられている。後側排気管14は、チャンバ12とマフラ15との間を接続する金属製のパイプであり、チャンバ12から流出した排気ガスをマフラ15へ送る。マフラ15は後輪6の右側に設けられている。後述するように、後側排気管14から送られた排気ガスはマフラ15内に設けられた複数の膨張室内を流れた後、大気へ排出される。本実施例の排気装置8では、排気音はチャンバ12およびマフラ15により低減される。
【0019】
図2は、排気装置8における後側排気管14の下流側およびマフラ15を示している。図3は、図2中の矢示III-III方向から見たマフラ15の横断面を示している。図4は、図3中の矢示IV-IV方向から見たマフラ15の縦断面を示し、図5は、図3中の矢示V-V方向から見たマフラ15の縦断面を示している。
【0020】
図2ないし図5に示すように、マフラ15は、筐体21と、筐体21内にそれぞれ分かれて形成された第1の膨張室R1、第2の膨張室R2および第3の膨張室R3と、筐体21に設けられた第1の連通管31、第2の連通管32および第3の連通管33とを有している。
【0021】
具体的に説明すると、筐体21は軸方向に長い円筒状に形成され、図1に示すように、その軸線Xが自動二輪車1の後輪6の右側の領域において、前下側から後上側へ向くように配置されている。また、筐体21は、図2に示すように、円筒状に形成された筐体本体22を備えている。筐体本体22は、図3に示すように、外筒23および内筒24を備えた二重筒構造を有している。また、図4に示すように、筐体本体22の前端部には前側蓋部25が設けられ、前側蓋部25により筐体本体22の前端の開口が塞がれている。また、前側蓋部25には、後側排気管14の下流側を筐体21内に挿入するための孔部25Aが形成されている。また、筐体本体22の後端部には後側蓋部26が設けられ、後側蓋部26により筐体本体22の後端の開口が塞がれている。また、後側蓋部26には、後述する第3の連通管33を通すための孔部26Aが形成されている。また、後側蓋部26にはカバー27が取り付けられており、カバー27にも第3の連通管33を通すための孔部27Aが形成されている。これら筐体21の各部は、例えばステンレス鋼、鉄またはチタン等の金属材料等により形成され、溶接またはねじ止め等の手段によりそれぞれ結合されている。
【0022】
また、図4に示すように、筐体21内には、第1の膨張室R1、第2の膨張室R2および第3の膨張室R3が形成されている。すなわち、筐体21内には、後側仕切板28および前側仕切板29が設けられ、筐体21内の円柱状の空間は、後側仕切板28および前側仕切板29により3つの空間に分けられている。そして、これら3つの空間のうち、最も後側の空間が第1の膨張室R1となり、前後方向中間の空間が第2の膨張室R2となり、最も前側の空間が第3の膨張室R3となっている。別言すれば、筐体21において、最も出口側に第1の膨張室R1が形成され、最も入口側に第3の膨張室R3が形成され、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間に第2の膨張室R2が形成されている。
【0023】
後側仕切板28および前側仕切板29は、例えば金属材料により円板状または軸方向に短い有蓋円筒状に形成されている。本実施例において、後側仕切板28は、筐体本体22において前後方向中間部よりも後側の位置に配置されている。具体的には、後側仕切板28は、筐体本体22の後端から筐体本体22の全長の四分の一程度前方の位置に配置されている。また、前側仕切板29は、筐体本体22において前後方向中間部付近、具体的には、前後方向中間部よりも若干前側の位置に配置されている。また、後側仕切板28および前側仕切板29は溶接またはねじ止め等の手段により内筒24の内周面に固定されている。また、後側仕切板28には、後側排気管14を通すための挿通孔28A、第1の連通管31を通すための挿通孔28B、第2の連通管32を通すための挿通孔28C、および第3の連通管33を通すための挿通孔28Dが形成されている。また、前側仕切板29には、後側排気管14を通すための挿通孔29A、および第1の連通管31を通すための挿通孔29Bが形成されている。
【0024】
後側排気管14の下流側は第1の膨張室R1に接続されている。すなわち、後側排気管14はチャンバ12から後方へ伸長し、後側排気管14の後端側(下流側)は、図4に示すように、マフラ15の前側蓋部25に形成された孔部25Aを介して筐体21内に挿入されている。さらに、後側排気管14の後端側は、筐体21内において筐体21の軸線Xと平行に直線状に後方へ伸長し、孔部25Aから第3の膨張室R3および第2の膨張室R2を跨いで第1の膨張室R1内に進入している。そして、後側排気管14の後端の開口部は第1の膨張室R1内に開口している。また、後側排気管14の後端側は、筐体21内において、前側仕切板29の挿通孔29Aおよび後側仕切板28の挿通孔28Aにそれぞれ挿入されており、前側仕切板29および後側仕切板28により支持されている。また、図3に示すように、後側排気管14は、筐体21内において、筐体21の軸線Xが通る筐体21の中心よりも内筒24の内周面に接近した位置、具体的には、筐体21の中心よりも下側に配置されている。また、後側排気管14の後端側は直線状に伸長した円筒状に形成され、その後端の開口部の形状は略真円である。
【0025】
第1の連通管31は、図5に示すように、筐体21内において、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間を接続しており、第1の膨張室R1は第1の連通管31を介して第3の膨張室R3と連通している。第1の連通管31は、横断面形状が略真円の筒状に形成された金属製のパイプである。第1の連通管31は、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間を、第2の膨張室R2を跨いで筐体21の軸線Xと平行に直線状に伸長している。また、第1の連通管31の内径はその前端から後端にかけて一定である。また、第1の連通管31の後端側は第1の膨張室R1内に進入し、第1の連通管31の後端の開口部は第1の膨張室R1内に開口している。また、本実施例において第1の連通管31の後端側は第1の膨張室R1内における前後方向中間部付近まで進入している。一方、第1の連通管31の前端側は第3の膨張室R3内に進入し、第1の連通管31の前端の開口部は第3の膨張室R3内に開口している。また、本実施例において第1の連通管31の前端側は第3の膨張室R3内における前後方向中間部付近まで進入している。また、第1の連通管31は、筐体21内において、前側仕切板29の挿通孔29Bおよび後側仕切板28の挿通孔28Bにそれぞれ挿入されており、前側仕切板29および後側仕切板28により支持されている。また、本実施例において第1の連通管31の長さは、例えば筐体本体22の全長の二分の一よりも長い値に設定されている。
【0026】
また、図3に示すように、第1の連通管31は、筐体21内において後側排気管14よりも筐体21の中心側に配置されている。また、第1の連通管31の流路の断面積(開口面積)は、後側排気管14の後端側の流路の断面積(後端の開口面積)以上に設定されている。また、第1の連通管31の内径は、後側排気管14の内径以上に設定されている。なお、第1の連通管31の流路の断面積は第1の膨張室R1および第3の膨張室R3のそれぞれの内径よりも大幅に小さい。
【0027】
第2の連通管32は、図4に示すように、筐体21内において第1の膨張室R1と第2の膨張室R2との間を接続しており、第1の膨張室R1は第2の連通管32を介して第2の膨張室R2と連通している。第2の連通管32は、横断面形状が略真円の筒状に形成された金属製のパイプである。第2の連通管32は、第1の膨張室R1と第2の膨張室R2との間を筐体21の軸線Xと平行に直線状に伸長している。また、第2の連通管32の内径はその前端から後端にかけて一定である。また、第2の連通管32の後端側は第1の膨張室R1内に進入し、第2の連通管32の後端の開口部は第1の膨張室R1内に開口している。また、本実施例では、第1の膨張室R1内において第2の連通管32の後端は第1の連通管31の後端よりも後方に位置している。一方、第2の連通管32の前端側は第2の膨張室R2内に進入し、第2の連通管32の前端の開口部は第2の膨張室R2内に開口している。また、本実施例において第2の連通管32の前端側は第2の膨張室R2内における前後方向中間部付近まで進入している。また、第2の連通管32は、筐体21内において、後側仕切板28の挿通孔28Cに挿入されており、後側仕切板28により支持されている。また、第2の連通管32は第1の連通管31よりも短い。
【0028】
また、図3に示すように、第2の連通管32は、筐体21内において、筐体21の中心よりも上側に配置されている。また、第2の連通管32は、概ね、第1の連通管31を挟んで後側排気管14の反対側に配置されている。また、第2の連通管32の流路の断面積(開口面積)は、後側排気管14の後端側の流路の断面積(開口面積)未満であり、かつ第1の連通管31の流路の断面積(開口面積)未満に設定されている。また、第2の連通管32の内径は、後側排気管14の内径未満であり、かつ第1の連通管31の内径未満に設定されている。
【0029】
第3の連通管33は、図5に示すように、その前端側が筐体21内の第2の膨張室R2に接続されており、後端側が筐体21からその外部に向かって進出している。これにより、第2の膨張室R2は第3の連通管33を介して筐体21の外部と連通している。第3の連通管33は、横断面形状が略真円の筒状に形成された金属製のパイプである。第3の連通管33は、第2の膨張室R2から第1の膨張室R1を跨いで筐体21の外部に向かって後方へ伸長している。第3の連通管33の前部は筐体21の軸線Xと平行に直線状に伸長しているが、第3の連通管33の後部は下方へ緩やかに湾曲している。また、第3の連通管33の内径はその前端から後端にかけて一定である。また、第3の連通管33の前端側は第2の膨張室R2内に進入し、第3の連通管33の後端の開口部は第2の膨張室R2内に開口している。また、本実施例では、第2の膨張室R2内において第3の連通管33の前端が第2の連通管32の前端よりも前方に位置している。一方、第3の連通管33の後端側は、後側蓋部26に形成された孔部26Aおよびカバー27に形成された孔部27Aを通り、筐体21の外部へ臨む位置まで伸長し、第3の連通管33の後端の開口部は筐体21の外部に開口している。また、第3の連通管33は、後側仕切板28の挿通孔28Dおよび後側蓋部26の孔部26Aに挿入されており、後側仕切板28および後側蓋部26により支持されている。
【0030】
また、図3に示すように、第3の連通管33は、筐体21内において、筐体21の中心よりも上側に配置されている。また、第3の連通管33は、概ね、第1の連通管31を挟んで後側排気管14の反対側に配置されている。また、第3の連通管33の流路の断面積(開口面積)は第2の連通管32の流路の断面積(開口面積)以下に設定されている。また、第3の連通管33の内径は第2の連通管32の内径以下に設定されている。
【0031】
図6は、以上詳説した本実施例の排気装置8におけるマフラ15の構造を模式的に示している。マフラ15は次のような構造的特徴を有している。すなわち、図6に示すように、第1の膨張室R1においては、後側排気管14が排気ガスの流入経路となり、第2の連通管32が排気ガスの流出経路となる。このように、第1の膨張室R1は、それぞれ異なる排気ガスの流入経路と排気ガスの流出経路とを有している。また、第2の膨張室R2においては、第2の連通管32が排気ガスの流入経路となり、第3の連通管33が排気ガスの流出経路となる。このように、第2の膨張室R2も、それぞれ異なる排気ガスの流入経路と排気ガスの流出経路とを有している。これに対し、第3の膨張室R3に接続されているのは第1の連通管31のみである。すなわち、第3の膨張室R3は、第1の連通管31を介して第1の膨張室R1と連通していることを除き、当該第3の膨張室R3の外部と連通していない。したがって、第3の膨張室R3においては、第1の連通管31が排気ガスの流入経路となり、かつ排気ガスの流出経路となる。また、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3とを接続する第1の連通管31の流路の断面積は、後側排気管14の後端の開口面積以上であり、かつ第2の連通管32の流路の断面積よりも大きい。このような構造であるため、マフラ15における第1の膨張室R1、第3の膨張室R3および第1の連通管31は、それらを合わせた全体が、一般的なマフラにおいて排気管が接続された初段の膨張室と同様に機能する。図6中のRcは、機能的に見て、第1の膨張室R1、第3の膨張室R3および第1の連通管31により形成された初段の膨張室を示している。
【0032】
このような構造的特徴を有する本実施例におけるマフラ15によれば、マフラ15の大型化を抑えつつ、排気音の低減効果を高めることができる。
【0033】
すなわち、図6に示すように、チャンバ12から流出した排気ガスは、後側排気管14を通り、マフラ15における初段の膨張室Rc内に流入する。そして、初段の膨張室Rcにおいて排気ガスの膨張、および排気ガスにおける圧力波の干渉が生じる。また、第2の膨張室R2内の圧力が初段の膨張室Rc内の圧力よりも低いとき、排気ガスは、初段の膨張室Rc内から第2の連通管32を通って第2の膨張室R2内へ流入する。そして、第2の膨張室R2において排気ガスの膨張、および排気ガスにおける圧力波の干渉が生じる。また、第2の膨張室R2内の排気ガスは第3の連通管33を通って筐体21の外部に流出する。初段の膨張室Rcおよび第2の膨張室R2において生じる排気ガスの膨張および干渉、さらには排気ガスが第2の連通管32または第3の連通管33を通るときに生じる排気ガスの圧力波の減衰等により、排気音が低減される。
【0034】
さらに、本実施例のマフラ15においては、機能的に見て第1の膨張室R1、第3の膨張室R3および第1の連通管31の全体により初段の膨張室Rcが形成されている。この初段の膨張室Rcにおいて、後側排気管14を流れる排気ガスはまず第1の膨張室R1内に流入し、その排気ガスの多くは、第1の膨張室R1内に開口している連通管のうち流路の断面積が最も大きい第1の連通管31を通って第3の膨張室R3内に流入する。その後、第1の膨張室R1内と第3の膨張室R3内との圧力差等により、第3の膨張室R3と第1の膨張室R1との間を第1の連通管31を介して移動する。初段の膨張室Rc内における、このような排気ガスの流れにより、排気ガスの膨張、干渉または減衰が生じる。これにより、排気音が低減される。
【0035】
このように本実施例におけるマフラ15によれば、初段の膨張室Rcを形成する第1の膨張室R1および第3の膨張室R3と、第2の膨張室R2とにより、排気音の低減効果を高めることができる。すなわち、排気音の低減効果を高めるために、多くの膨張室を要しない。したがって、マフラ15の大型化を抑えつつ、排気音の低減効果を高めることができる。
【0036】
また、上述したような構造的特徴を有するマフラ15によれば、マフラ15の大型化を抑えつつ、エンジン出力の低下を抑制し、所望のエンジン出力を確保することができる。
【0037】
すなわち、一般に、マフラにおいて、排気管が接続された初段の膨張室の容積を大きくすると、エンジン出力の低下を抑制する効果が高まる。本実施例のマフラ15においては、機能的に見て第1の膨張室R1、第3の膨張室R3および第1の連通管31の全体により初段の膨張室Rcが形成されている。このため、初段の膨張室Rcの容積は、第1の膨張室R1、第3の膨張室R3および第1の連通管31のそれぞれの容積を合計した値となる。したがって、第1の膨張室R1の容積を大きくし、または第3の膨張室R3の容積を大きくし、あるいは第1の連通管31の容積を大きくする(例えば第1の連通管31の長さを長くする)ことにより、初段の膨張室Rcの容積を大きくすることができる。第1の膨張室R1、第3の膨張室R3および第1の連通管31はマフラ15の筐体21内において分散して配置されているので、例えばマフラ15の構造上の制約(例えば他の膨張室の配置)や自動二輪車1の構造上の制約(例えば自動二輪車1の後部における他の部品の配置)等を考慮して、第1の膨張室R1、第3の膨張室R3および第1の連通管31のうち、マフラ15の大型化を抑えつつ容積を大きくすることが容易なものを選択し、その容積を大きくすることで、マフラ15の大型化を抑えつつ初段の膨張室Rcの容積を大きくすることができる。したがって、マフラ15の大型化を抑えつつ、エンジン出力の低下を抑制し、所望のエンジン出力を確保することができる。
【0038】
また、本実施例のマフラ15の筐体21内において、第2の膨張室R2は第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間に配置されている。このような配置により、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3とを互いに離すことができ、第1の連通管31を長くすることができる。第1の連通管31を長くすることにより、初段の膨張室Rcの容積を大きくすることができる。したがって、エンジン出力の低下を抑制する効果を高めることができる。
【0039】
また、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間に第2の膨張室R2を配置して、第1の連通管31を第2の膨張室R2を跨ぐように設けることにより、筐体21を延長しなくても、長い第1の連通管31を設けることができる。
【0040】
また、本実施例のマフラ15の筐体21内において、第1の膨張室R1は第3の膨張室R3よりも後側に配置されている。このような配置により、筐体21全体をエンジン7に近づけながらも、第1の膨張室R1をエンジン7から離すことができる。これにより、エンジン7とマフラ15とを互いに近づけて配置することができ、同時にエンジン7と第1の膨張室R1とを接続する排気管、具体的にはチャンバ12と第1の膨張室R1とを接続する後側排気管14を長くすることができる。
【0041】
また、本実施例のマフラ15において、第1の膨張室R1は筐体21の最後部に配置され、第3の膨張室R3は筐体21の最前部に配置されている。第1の膨張室R1を筐体21の最前部に配置することにより、エンジン7とマフラ15とを互いに近づけて配置することができ、かつ後側排気管14を長くすることができるという上記効果を一層高めることができる。また、第1の膨張室R1および第3の膨張室R3を筐体21の最後部と最前部とにそれぞれ配置することにより、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間を接続する第1の連通管31を一層長くすることができ、初段の膨張室Rcの容積を大きくしてエンジン出力の低下を抑制するという上記効果を一層高めることができる。
【0042】
また、本実施例のマフラ15の第1の連通管31において第1の膨張室R1内に開口している後端の開口面積は、後側排気管14において第1の膨張室R1内に開口している後端の開口面積以上である。これにより、第1の膨張室R1から第1の連通管31を介して第3の膨張室R3へ流れる排気ガスの抵抗を小さくすることができる。したがって、エンジン7の排気側の圧力(背圧)の上昇を抑えることができ、エンジン出力の低下を抑えることができる。
【0043】
また、本実施例のマフラ15の筐体21内において、後側排気管14は、筐体21の中心よりも内筒24の内周面に接近した位置に配置され、第1の連通管31は、後側排気管14よりも筐体21の中心側に配置され、第2の連通管32および第3の連通管33は、概ね、第1の連通管31を挟んで後側排気管14の反対側に配置されている。これにより、筐体21内において排気ガスが無駄に迂回することを抑えることができる。したがって、エンジン7の背圧の上昇を抑える効果を高めることができる。
【実施例2】
【0044】
図7は、本発明の第2の実施例の排気装置における後側排気管54の下流側およびマフラ55を示している。図8は、図7中の矢示VIII-VIII方向から見たマフラ55の横断面を示している。図9は、図8中の矢示IX-IX方向から見たマフラ55の縦断面を示し、図10は、図8中の矢示X-X方向から見たマフラ55の縦断面を示し、図11は、図8中の矢示XI-XI方向から見たマフラ55の縦断面を示している。なお、本発明の第2の実施例の排気装置において、本発明の第1の実施例の排気装置8と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
本実施例の排気装置8においては、図9に示すように、後側排気管54の下流側において、マフラ55の筐体21内に位置する部分に触媒装置53が設けられている。また、図10に示すように、筐体21内には、2本の第1の連通管61A、61Bが設けられている。これら第1の連通管61A、61Bは第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間に並列に配置され、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間はこれら第1の連通管61A、61Bにより接続されている。また、図8に示すように、筐体21内において、後側排気管54は、筐体21の軸線Xが通る筐体21の中心よりも左下側に配置され、一方の第1の連通管61Aは筐体21の中心よりも右上側に配置され、他方の第1の連通管61Bは筐体21の中心よりも左上側に配置されている。また、第2の連通管32は筐体21の中心よりも右下側に配置され、第3の連通管33は筐体21の中心よりも上側に配置されている。また、一方の第1の連通管61Aの流路の断面積(開口面積)と他方の第1の連通管61Bの流路の断面積(開口面積)との合計は、後側排気管14の後端の開口面積以上である。また、第1の連通管61A、61Bのうち少なくとも一方の第1の連通管の流路の断面積(開口面積)は、第2の連通管32の流路の断面積(開口面積)よりも大きい。
【0046】
このような構成を有する本実施例におけるマフラ55によっても、本発明の第1の実施例におけるマフラ15と同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施例におけるマフラ55によれば、2本の第1の連通管61A、61Bを設ける構成としたから、マフラ15の小型化を図ることができる。すなわち、所望の流路断面積を有する単一の太い第1の連通管を筐体21内に設ける場合、一箇所にまとまった大きなスペースを筐体21内に確保することが必要になる。これに対し、合計の流路断面積が上記所望の流路断面積となる2本の第1の連通管61A、61Bを筐体21内に設ける場合には、比較的小さい2つのスペースを筐体21内に分散させて確保すればよい。したがって、筐体21の横断面積を小さくすることができ、マフラ15の小型化を図ることができる。
【0047】
なお、上述した各実施例のように、マフラ15(55)において、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間に第2の膨張室R2を配置することによりマフラ15の小型化を図ることができるが、第1の膨張室R1、第2の膨張室R2および第3の膨張室R3の配置(配置の方向や並び順等)はこれに限定されない。また、第1の膨張室R1、第2の膨張室R2および第3の膨張室R3のそれぞれの容積の比率も、図4等に示したものに限定されない。また、筐体21の前後方向における前側仕切板29および後側仕切板28のそれぞれの位置も図4等に示すものに限定されない。また、筐体21内に、第1の膨張室R1、第2の膨張室R2および第3の膨張室R3のいずれからも独立した他の室を追加し、第3の連通管33の下流側を当該他の室に接続してもよい。また、第3の膨張室R3を、第1の膨張室R1および第2の膨張室R2が形成された筐体とは別の筐体内に形成し、これら2つの筐体間を第1の連通管31で接続する構成としてもよい。
【0048】
また、第1の連通管31の本数を3本以上としてもよい。また、第2の連通管32または第3の連通管33の本数を2本以上としてもよい。また、各連通管の横断面の形状は真円に限らず、楕円形等、他の形状でもよい。また、筐体21の横断面の形状も真円に限らず、楕円形、四角形、三角形等の他の形状でもよい。また、自動二輪車1においてマフラ15を設ける位置は図1に示す位置に限定されない。
【0049】
また、上述した本発明の第2の実施例において、2本の第1の連通管61A、61Bのうち、少なくとも1本の第1の連通管の流路の断面積(開口面積)を後側排気管14の後端の開口面積以上としてもよい。これにより、第1の膨張室R1と第3の膨張室R3との間において排気ガスを移動し易くすることができる。
【0050】
また、本発明は、チャンバのない排気装置や、触媒装置のない排気装置にも適用することができる。また、本発明の排気装置は、自動二輪車に限らず、自動三輪車等の他の種類の鞍乗型車両や、自動四輪車等の他の種類の車両、さらには船外機等、車両以外のものにも適用することができる。
【0051】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うエンジンの排気装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 自動二輪車(車両)
7 エンジン
8 排気装置
14、54 後側排気管(排気管)
15、55 マフラ
21 筐体
31、61A、61B 第1の連通管
32 第2の連通管
33 第3の連通管
R1 第1の膨張室
R2 第2の膨張室
R3 第3の膨張室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11