(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/04 20060101AFI20220531BHJP
H02K 11/30 20160101ALI20220531BHJP
【FI】
H02K5/04
H02K11/30
(21)【出願番号】P 2018003768
(22)【出願日】2018-01-12
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 敬三
(72)【発明者】
【氏名】金谷 忠之
【審査官】柏崎 翔
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-215782(JP,A)
【文献】特開2001-159397(JP,A)
【文献】特開平8-275432(JP,A)
【文献】特開2007-300741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/04
H02K 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる中心軸に沿って延びるシャフトを含み中心軸周りに回転可能なロータと、
前記ロータと径方向に対向するステータと、
中心軸と直交する方向に拡がるとともに軸方向において前記ステータの下方に配置され
て前記ステータの少なくとも一部が固定されるベース部と、
軸方向において前記ステータと前記ベース部との間に配置される電気絶縁性を有するスペーサと、を備え、
前記ステータは、
軸方向下端部に中心軸と直交する方向に拡がる回路基板をさらに備え、
前記回路基板は、前記回路基板に実装された回路素子と、を備え、
前記ベース部は、軸方向に貫通するベース貫通部を備え、
前記スペーサは、
中心軸に直交する方向に拡がるスペーサ第1領域と、
前記スペーサ第1領域から軸方向下方に凹むスペーサ第2領域と、を備え、
前記スペーサ第2領域は、前記ベース貫通部に挿入され、
前記ステータの少なくとも一部は、前記スペーサ第2領域の軸方向上面と軸方向に対向
し、
前記回路素子は、
前記スペーサ第2領域が挿入された
前記ベース貫通部内部に収納される、モータ。
【請求項2】
前記ベース貫通部及び前記スペーサ第2領域は、同数備えられているとともに、各々が周方向に等間隔に配置される請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ステータの軸方向下端は、軸方向において、前記スペーサ第1領域の軸方向上面の軸方向位置よりも軸方向下方に位置する請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記スペーサの径方向外縁は、前記回路基板の径方向外縁と、軸方向に対向する、請求項1から請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記スペーサの径方向外縁は、全周に渡って前記スペーサ第1領域である、請求項1から請求項4のいずれかに記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータは特許文献1に開示されている。特許文献1のモータは、円柱形状のフレーム組立体と、フレーム組立体に対して回転軸周りに回転可能に支持されたロータと、基板と、カバーとを有している。フレーム組立体は、ハウジング、コア及びコイルなどで構成されている。
【0003】
ハウジングは、ケースと、ベアリングホルダと、インシュレータとで構成されている。インシュレータは、絶縁性を有する樹脂部材で形成されている。インシュレータは、後方に開口する開口部を有している。インシュレータの開口部の近傍(すなわち、インシュレータ30の後端部の近傍)には、後方に突出する端部が形成されている。端部のうち一部には、スナップ部及びループ部を1つの組とする固定部が設けられている。
【0004】
スナップ部のカバー側の先端部近傍における部位には、爪部が形成されている。爪部は、基板に向けて突出する。爪部は、基板と接触する。ループ部は、カバーの筒部にスナップフィットにより固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のモータでは、カバー筒部にループ部をスナップフィットにより固定しているため、インシュレータとカバーの底板部との間に隙間があり、軸方向の長さが長くなる。そのため、小型化が困難である。
【0007】
本発明は、簡単な構成で、軸方向の長さを短くできるモータを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的なモータは、上下に延びる中心軸に沿って延びるシャフトを含み中心軸周りに回転可能なロータと、前記ロータと径方向に対向するステータと、中心軸と直交する方向に拡がるとともに軸方向において前記ステータの下方に配置されて前記ステータの少なくとも一部が固定されるベース部と、軸方向において前記ステータと前記ベース部との間に配置される電気絶縁性を有するスペーサと、を備え、前記ステータは、軸方向下端部に中心軸と直交する方向に拡がる回路基板をさらに備え、前記ベース部は、軸方向に貫通するベース貫通部を備え、前記スペーサは、中心軸に直交する方向に拡がるスペーサ第1領域と、前記スペーサ第1領域から軸方向下方に凹むスペーサ第2領域と、を備え、前記スペーサ第2領域は、前記ベース貫通部に挿入され、前記ステータの少なくとも一部は、前記スペーサ第2領域の軸方向上面と軸方向に対向し、前記回路素子は、前記スペーサ第2領域が挿入された前記ベース貫通部内部に収納される、モータ。
【発明の効果】
【0009】
例示的な本発明のモータによれば、簡単な構成で軸方向の長さを短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明にかかるモータの一例の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すモータのII-II断面の断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すモータのIII-III断面の断面図である。
【
図4】
図4は、シャフトを保持した状態のベース部の斜視図である。
【
図9】
図9は、ステータの一部を上方から見た斜視図である。
【
図10】
図10は、ステータの一部を下方から見た斜視図である。
【
図11】
図11は、インシュレータ及びベース部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、中心軸Axが延びる方向、すなわち、
図2において上下方向を軸方向とする。また、軸方向に対して直交する方向を径方向とし、軸を中心とする円の接線方向を周方向とする。軸方向において上向きを「上方」、下向きを「下方」と定義する。なお、本書における「上方」又は「下方」は、説明のために定義したものである。そのため、これらの方向は、モータAを実際に使用するときの向きや重力の作用方向における上下を限定するものではない。
【0012】
<1.第1実施形態>
図1は、本発明にかかるモータの一例の斜視図である。
図2は、
図1に示すモータのII-II断面の断面図である。
図3は、
図1に示すモータのIII-III断面の断面図である。
図4は、シャフトを保持した状態のベース部の斜視図である。
図5は、ベース部の斜視図である。
図6は、ベース部の平面図である。
図7は、スペーサの斜視図である。
図8は、スペーサの平面図である。
図9は、ステータの一部を上方から見た斜視図である。
図10は、ステータの一部を下方から見た斜視図である。
図11は、インシュレータ及びベース部の断面図である。
図12は、回路基板の底面図である。
図1に示すように、II-II断面は、中心軸を含む平面で切断した断面である。III-III断面は、II-II断面と平行で、II-II断面よりも径方向外方の断面である。
【0013】
<1.1 モータの構成>
図1から
図3に示すように、本実施形態にかかるモータAは、ステータ1と、ロータ2と、ベース部3と、スペーサ4と、を備える。より詳細には、モータAは、第1軸受51と、第2軸受52と、をさらに備える。ベース部3は、後述する保持筒部33を備える。ステータ1は、保持筒部33の径方向外面に固定される。ステータ1の固定は、例えば、圧入、接着等の固定方法で固定される。また、保持筒部33の内部には、第1軸受51及び第2軸受52とが、保持される。第1軸受51及び第2軸受52は、保持筒部33に対して高い同軸度を保って保持される。ロータ2は、後述するシャフト20を備え、シャフト20が第1軸受51及び第2軸受52に回転可能に保持される。これにより、ロータ2は、ベース部3、すなわち、ステータ1に対して回転可能である。ロータ2の後述するロータマグネット22は、ステータ1の径方向外側に配置される。すなわち、ステータ1は、ロータ3と径方向に対向する。つまり、本実施形態にかかるモータAは、ステータ1の外側でロータ2が回転するアウターロータ型DCブラシレスモータである。
【0014】
<1.2 ベース部の構成>
図1から
図3に示すように、ベース部3は、ステータ1及びロータ2よりも軸方向において下方に配置される。
図4から
図6に示すように、ベース部3は、ベース底板部31と、ベースフランジ部32と、保持筒部33と、台座部34とを備える。ベース底板部31は、径方向に拡がる円板形状である。すなわち、ベース部3は中心軸Axと直交する方向に拡がる。
図5及び
図6に示すように、ベース底板部31は、軸方向に貫通する3個のベース貫通部311を備える。すなわち、ベース部3は、軸方向に貫通するベース貫通部311を備える。3個のベース貫通部311は、周方向に一定の幅を有する。
【0015】
ベースフランジ部32は、ベース底板部31の径方向外縁から径方向外側に延びる。ベース部3は、3個のベースフランジ部32を備える。3個のベースフランジ部32は、周方向に等間隔に配置される。ベース底板部31及びベースフランジ部32とは、一体に形成される。ベースフランジ部32は、径方向外側に向かって、周方向の幅が狭くなる形状である。ベースフランジ部32は、軸方向に貫通する外貫通孔321を備える。
【0016】
外貫通孔321は、モータAを機器に固定するときにねじを貫通させるための孔である。そのため、外貫通孔321の内面には、ねじを固定するための雌ねじを備えていてもよい。また、ねじを貫通させて、貫通した部分に座金、ナット等を取り付けて、固定してもよい。また、外貫通孔321は、一定の強度が必要である。そのため、モータAでは、軸方向上方に延びる凸部322を貫通して形成される。
【0017】
保持筒部33は、軸方向に延びる筒状である。保持筒部33は、ベース底板部31の径方向中央部を貫通する。ベース底板部31は、保持筒部33と隣接する部分に、軸方向に貫通する挿入部35を備える。挿入部35には、後述するインシュレータ12における下インシュレータ122のインシュレータ延伸部123が挿入される。なお、ベース部3では、挿入部35は、軸方向に貫通した貫通孔であるが、これに限定されない。
【0018】
挿入部35は、例えば、ベース底板部31の上面から軸方向に凹んだ凹部であってもよい。挿入部35として、下インシュレータ122を含むステータ1をベース部3に取り付けたとき、インシュレータ延伸部123の軸方向の下端部を挿入可能な形状を広く採用できる。
【0019】
なお、挿入部35が、軸方向に凹む形状又は貫通する形状であれば、インシュレータ延伸部123の長さが長くても収納可能である。挿入部35にインシュレータ延伸部123を挿入する構成であり、インシュレータ12の一部を挿入部35に収納することで、モータAの軸方向の長さを短くできる。
【0020】
台座部34は、ベース底板部31の径方向外縁及びベースフランジ部32から軸方向に突出する。台座部34は、ベース部3に3個備えられる。そして、台座部34は、周方向に一定の幅を有し、ベースフランジ部32と径方向に重なる領域を有する。すなわち、ベースフランジ部32は、ベース底板部31の台座部34が突出する部分から径方向外側に延びる。なお、本実施形態では、台座部34を、ベース部3の径方向外縁部に配置しているが、これに限定されない。インシュレータ第2突出部125の径方向外縁部よりも径方向外側に配置されていればよい。インシュレータ第2突出部125については、後述する。
【0021】
ベース部3は、金属の成形体である。すなわち、ベース底板部31、ベースフランジ部32、保持筒部33及び台座部34は、一体である。
図4に示すように、ベース部3の軸方向上面には、スペーサ4が取り付けられる。なお、ベース部3は、一体でなくてもよい。例えば、ベース底板部31に貫通孔を設けておき、その貫通孔に保持筒部33を挿入して固定してもよい。これら以外の部材についても、分解可能な構成であってもよい。
【0022】
<1.3 スペーサの構成>
次に、スペーサ4の詳細について、説明する。
図2及び
図3に示すように、スペーサ4は、ベース部3と回路基板14との間に配置される。スペーサ4は、例えば、樹脂等の絶縁性を有する材料で形成される。
図7及び
図8に示すように、スペーサ4は、スペーサ第1領域41と、スペーサ第2領域42と、スペーサフランジ部43とを備える。
【0023】
スペーサ4は、例えば樹脂の一体成形体である。スペーサ第1領域41は、円形状であり、中央にスペーサ貫通孔411を備える。スペーサ第2領域42は、スペーサ第1領域41と一体であり、スペーサ第1領域41から軸方向下方に押し出された形状である。スペーサ第2領域42は、軸方向から見たときに、周方向に一定の幅を有し、スペーサ第1領域41の外縁に沿って湾曲した矩形である。スペーサ第2領域42は、スペーサ4に3個備えられる。3個のスペーサ第2領域42は、それぞれ、周方向に等間隔で配列される。すなわち、スペーサ4は、中心軸Axに直交する方向に拡がるスペーサ第1領域41と、スペーサ第1領域41から軸方向下方に凹むスペーサ第2領域42と、を備える。
【0024】
スペーサ4において、スペーサ第1領域41とスペーサ第2領域42とは、連続している。つまり、スペーサ第1領域41及びスペーサ第2領域42は、それ自体、水分、塵及び埃等の異物の通過を抑制するとともに、スペーサ第1領域41とスペーサ第2領域42の接続境界においても、上述の異物の通過を抑制する。
【0025】
図8に示すように、スペーサ4において、スペーサ第2領域42の少なくとも一部は、スペーサ第1領域41の径方向内側に備えられる。すなわち、スペーサ4の径方向外縁は、スペーサ第1領域41である。少なくとも、スペーサ第1領域41は、径方向外縁に円環部412を備える。スペーサフランジ部43は、スペーサ第1領域41の径方向外縁の円環部412から径方向外側に延びる。スペーサ4は、スペーサフランジ部43を3個備える。3個のスペーサフランジ部43は、周方向に等間隔で平板状である。
【0026】
図4に示すように、スペーサ4は、ベース部3のベース底板部31の上面に配置される。このとき、スペーサ第1領域41は、ベース底板部31の上面と接触する。また、第2領域は、ベース貫通部311の内部に挿入される。すなわち、スペーサ第2領域41は、ベース貫通部311に挿入される。このとき、スペーサ第1領域41のスペーサ貫通孔411を保持筒部33が貫通する。そして、スペーサフランジ部43は、ベース部3の隣り合う台座部34同士の間の領域に嵌る。
【0027】
スペーサ第2領域42をベース貫通部311の軸方向上方に配置できるようにするため、スペーサ第2領域42は、ベース貫通部311に挿入できる形状及び大きさである。すなわち、スペーサ第2領域42は、軸方向から見て、ベース貫通部311と同じ形状且つ大きさであってもよいし、スペーサ第2領域42の方がベース貫通部311よりも小さくてもよい。
【0028】
スペーサ4は、スペーサフランジ部43が台座部34と周方向に接触することで、周方向の移動、すなわち、回転移動が規制される。なお、スペーサ第2領域42がベース貫通部311の内面とぴったり接触している場合、スペーサ第2領域42とベース貫通部311との周方向の接触によって、回転移動を規制する。
【0029】
スペーサ4をベース部3に取り付けることで、ベース貫通部311にスペーサ第2領域42が嵌る。このとき、ベース貫通部311の辺縁部分には、スペーサ第1領域41が接触する。このような構成とすることで、ベース貫通部311を介して、ベース底板部31の下方から上方への異物の侵入を抑制できる。
【0030】
<1.4 ステータの構成>
ステータ1について、説明する。
図2、
図3、
図9及び
図10に示すように、ステータ1は、ステータコア11と、インシュレータ12と、コイル13と、回路基板14と、を備える。
【0031】
ステータコア11は導電性を有する。ステータコア11は、コアバック111と、ティース112とを備える。コアバック111は、軸方向に延びる環状である。ティース112は、コアバック111の径方向外面から径方向外側に延びる。ステータコア11は、12個のティース112を備える。ティース112は、周方向に等間隔に配列される。すなわち、本実施形態のモータAにおいて、ステータ1は、12スロットである。
【0032】
ステータコア11は、電磁鋼板を積層した構造であってもよいし、紛体の焼成、鋳造等、単一の部材であってもよい。また、ステータコア11は、ティース112を1個含む分割コアに周方向に分割可能な構成であってもよいし、帯状の部材を環状に巻いて形成される構成であってもよい。
【0033】
インシュレータ12は、樹脂の成形体である。インシュレータ12は、ステータコア11のティース112の一部を覆うとともに、コアバック111の軸方向の両端面の一部を覆う。インシュレータ12は、上下に分割可能な構成を有する。すなわち、インシュレータ12は、上インシュレータ121と、下インシュレータ122とを備える(
図10参照)。
【0034】
上インシュレータ121は、ステータコア11の一部を軸方向上方から覆う。上インシュレータ121は、コアバック111の上面の一部を覆うとともに、ティース112それぞれの上面の一部を覆う。下インシュレータ122は、ステータコア11の一部を軸方向下方から覆う。
【0035】
図3、
図10及び
図11に示すように、下インシュレータ122は、径方向中央に軸方向に貫通するインシュレータ貫通孔1220を備える。インシュレータ貫通孔1220は、ステータ1をベース部3に取り付けたときに、ベース部3の保持筒部33が貫通する。下インシュレータ122は、インシュレータ延伸部123と、インシュレータ第1突出部124と、インシュレータ第2突出部125とを備える。
【0036】
インシュレータ延伸部123は、インシュレータ貫通孔1220の辺縁部から軸方向下方に向かって延びる。インシュレータ延伸部123は、コイル13の軸方向下端部よりも下方に延びる。すなわち、インシュレータ12は、軸方向において、コイル13の下端よりも下方に延びるインシュレータ延伸部123を備える。
【0037】
下インシュレータ122には、インシュレータ延伸部123が3個備えられる。3個のインシュレータ延伸部123は、周方向に等間隔で配置される。なお、インシュレータ延伸部123は、3個に限定されない。インシュレータ延伸部123は、回路基板14の後述する基板中央孔141を貫通する。そして、インシュレータ第1突出部124は、インシュレータ延伸部123の軸方向下端部から径方向外側に突出する。インシュレータ第1突出部124は、延伸部傾斜面1241と、延伸部上面1242とを備える。延伸部傾斜面1241は、軸方向下部の径方向外面であり、軸方向上方に向かうにつれて径方向外側に拡がる。延伸部上面1242は、軸方向と交差する面である。本実施形態においては、延伸部上面1242は、軸方向と直交する。
【0038】
インシュレータ第2突出部125は、軸方向下方に向かって延びる。下インシュレータ122には、インシュレータ第2突出部125が3個備えられる。3個のインシュレータ第2突出部125は、周方向に等間隔で配置される。なお、インシュレータ第2突出部125は、3個に限定されない。インシュレータ第2突出部125は、インシュレータ延伸部123と周方向にずれた領域に配置される。しかしながら、これに限定されず、インシュレータ第2突出部125はインシュレータ延伸部123と、周方向において同一の領域に配置されてもよい。
【0039】
インシュレータ第2突出部125は回路基板14の上面と接触する。インシュレータ12は、コイル13の軸方向下端よりも軸方向下方に突出するインシュレータ第2突出部125を備える。インシュレータ第2突出部125の軸方向下端は、回路基板124の軸方向上面と接触する。
【0040】
インシュレータ12で一部を覆われたティース112に導線を巻きつけてコイル13が形成される。インシュレータ12によって、ステータコア11とコイル13とが絶縁される。なお、本実施形態において、インシュレータ12は、樹脂の成型体であるが、これに限定されない。ステータコア11とコイル13とを絶縁することができる構成を広く採用できる。
【0041】
コイル13は、ステータコア11のティース112のそれぞれに構成される。すなわち、モータAでは、12個のコイル13が配置される。そして、ステータ1に構成された12個のコイル13には、位相が異なる3系統(以下、3相とする)の電流が所定の順序で供給される。
【0042】
すなわち、ステータ1は、環状のコアバック111と、コアバック111から径方向に延び、周方向に配列される複数のティース112と、ティース112の少なくとも一部を覆うインシュレータ12と、インシュレータ12を介してティース112に導線を巻き回して形成されるコイルと13、を備える。
【0043】
ステータ1は、軸方向下端部に中心軸AXと直交する方向に拡がる回路基板14をさらに備える。回路基板14は、コイル13よりも軸方向下方に配置される。
図12に示すように、回路基板14は、基板中央孔141を備える。基板中央孔141は、回路基板14の径方向中央部に形成され、軸方向に貫通する。基板中央孔141は、軸方向から見て円形であり、径方向外縁に、径方向外側に凹んだ基板貫通部142を備える。
【0044】
回路基板14は、コイル13の導線と接続されて、コイル13に電流を供給する電源回路(不図示)を含む。回路基板14は、平板であり、中央に基板中央孔141を備える。そして、回路基板14をベース部3に取り付けたときに基板中央孔141を保持筒部33が貫通する。また、回路基板14をステータ1に取り付けたときに、基板中央孔141の基板貫通部142を下インシュレータ121のインシュレータ延伸部123が貫通する。回路基板14は、中心軸Axと直交して、ベース部3に固定される。
【0045】
すなわち、ステータ3は、コイル13よりも下方且つベース部3よりも上方に配置され、導線が接続される回路基板14を備える。これにより、コイル13とベース部3との軸方向間隙に回路基板14を配置できるため、モータAの軸方向長さを短くできる。本実施形態では、ステータ3は、回路基板14を備える構成としているが、モータAの外部に設けられた電源回路から直接電力が供給される構成等の場合、回路基板14を備えていない場合もある。また、回路基板14として、ステータ1を挟んで、ベース部3と反対側に配置される場合もある。
【0046】
<1.5 ロータの構成>
図1から
図3に示すように、ロータ2は、シャフト20と、ロータハウジング21と、ロータマグネット22と、を備える。ロータハウジング21は、金属製である。ロータハウジング21は、ロータ筒部211と、ロータ天板部212と、を備える。ロータ筒部211は、筒体であり軸方向に延びる。ロータ天板部212は、平板状であり、ロータ筒部211の軸方向上端部から軸方向内側に延びる。そして、ロータ天板部212は径方向中央に、軸方向に貫通するロータ貫通孔213が設けられている。そして、ロータ貫通孔213の辺縁部から軸方向下方に延びる筒状のロータボス部214を備える。ロータボス部214の内部には、シャフト20が固定される(
図2参照)。ロータ2は、上下に延びる中心軸Axに沿って延びるシャフト20を含み中心軸Ax周りに回転可能である。
【0047】
シャフト20は、円柱状である。シャフト20は、ロータボス部214に挿入される。そして、シャフト20はロータボス部214に、固定される。なお、固定方法としては、圧入、溶接等を挙げることができるが、これに限定されない。シャフト20とロータボス部214を固定できる方法を広く採用することができる。シャフト20は、第1軸受51及び第2軸受52を介して、ベース部3に回転可能に支持される。これにより、シャフト20が中心軸Axを中心として回転する。すなわち、ロータ2は、中心軸Axを中心として回転する。
【0048】
ロータマグネット22は、円筒形の磁性体に対し、周方向にN極とS極とを交互に着磁させたマグネットである。ロータマグネット22は、ロータ筒部211の径方向内面に固定される。なお、ロータマグネット22のロータ筒部211への固定は、圧入、接着、溶接等を採用できる。ここでは、ロータマグネット22の外面をロータ筒部211の内面に圧入して固定する。なお、ロータマグネット22としては、周方向に分割可能な構成であってもよい。
【0049】
<1.6 軸受の構成>
第1軸受51及び第2軸受52は、いずれも玉軸受である。そして、第1軸受51及び第2軸受52は、円筒状の内輪及び外輪と、内輪及び外輪の間に配置される複数個のボールとを含む。第1軸受51及び第2軸受52は、外輪が、保持筒部33の内面に固定される。第1軸受51及び第2軸受52は、軸方向に離れて配置される。そして、内輪には、シャフト20が固定される。そのため、シャフト20は、第1軸受51及び第2軸受52によって、軸方向に異なる2箇所で、回転可能に支持される。
【0050】
<1.7 モータの詳細>
図2から
図4に示すように、ベース底板部31の上面にスペーサ4を取り付ける。スペーサ4のスペーサ第1領域41の中央部に設けられたスペーサ貫通孔411に保持筒部33を挿入する。そして、スペーサ4を周方向に移動させて、スペーサ第2領域42をベース貫通部311と軸方向に移行させる。このとき、スペーサフランジ部43は、ベース底板部31における台座部34の周方向間の部分と軸方向に対向する。そして、スペーサ第2領域42をベース貫通部311に挿入し、スペーサフランジ部43が台座部34の周方向の間に配置される。スペーサ4のスペーサ第1領域41は、ベース底板部31の上面に接触する。すなわち、スペーサ第1領域41の円環部412は、ベース底板部31の径方向外縁部に接触する。つまり、ベース底板部31の上面のベース貫通部311の辺縁部にスペーサ4が接触する。これにより、ベース貫通部311の軸方向上面を、スペーサ4が覆う。そのため、ベース底板部31の下面側からベース貫通部311を通して、水分、塵、埃等の異物が侵入するのを抑制する。
【0051】
回路基板14では、下面に実装された回路素子や、上面に実装された回路素子の端子が下面から下方に突出する。ステータコア11にインシュレータ12を取り付けた後、コイル13を形成する。そして、下インシュレータ122の下方に回路基板14を配置し、インシュレータ延伸部123を基板中央孔141の基板貫通部142に挿入させて貫通させる。このとき、インシュレータ第1突出部124の延伸部傾斜面1241が基板貫通部142の径方向内面と接触する。すなわち、スペーサ4は、電気絶縁性を有し、軸方向においてステータ1とベース部3との間に配置される。
【0052】
そして、回路基板14をステータコア11に軸方向に移動させることで、基板貫通部142が延伸部傾斜面1241を押し、インシュレータ延伸部123を弾性変形させる。そして、インシュレータ第1突出部124が、基板貫通部142を貫通することで、インシュレータ延伸部123が元の形状に戻る。このとき、インシュレータ第1突出部124の延伸部上面1242が、回路基板14の下面の基板貫通部142の辺縁部と接触する。すなわち、インシュレータ延伸部123は、径方向に突出するインシュレータ第1突出部124を備え、回路基板14の軸方向下面は、インシュレータ第1突出部124の上面1242と接触する。これにより、回路基板14を軸方向に支持することができる。
【0053】
なお、本実施形態の構成では、インシュレータ延伸部123が貫通する基板貫通部142が、基板中央孔141から径方向外側に凹む構成であるため、インシュレータ第1突出部124は、径方向外側に突出する形状である。しかしながら、これに限定されない。例えば、基板貫通部142が基板中央孔141と独立して形成される場合、インシュレータ第1突出部124は径方向内側に突出させる場合もある。また、インシュレータ第1突出部124が挿入部35に挿入されてもよい。これにより、特にインシュレータ延伸部123が軸方向に長い場合においても、インシュレータ第1突出部124をできるだけ軸方向下方に配置できるため、モータAの軸方向長さを短くすることができる。
【0054】
これにより、回路基板14は、下インシュレータ122に固定される。なお、インシュレータ延伸部123の周方向の側面は、基板貫通部142の内面の周方向の端面と接触する。これにより、回路基板14は、下インシュレータ122に対して、周方向に位置決めされる。
【0055】
このとき、回路基板14に備えられた電源回路(不図示)とコイル13とが接続される。回路基板14がインシュレータ延伸部123に保持されて、ステータ1が形成される。このとき、回路基板14の上面は、インシュレータ第2突出部125と接触する。すなわち、回路基板14は、インシュレータ第1突出部124の延伸部上面1242と、インシュレータ第2突出部125とによって、上面及び下面が保持される。これにより、回路基板14は、下インシュレータ122に、保持される。なお、インシュレータ延伸部123と、インシュレータ第2突出部125とが周方向に異なる領域に配置されることで、回路基板14は、バランスよく保持される。
【0056】
次に、ステータ1をベース部3に取り付ける。ベース部3の保持筒部33をコアバック111の内部に挿入する。すなわち、ベース部3は、軸方向上側にステータ1の少なくとも一部が固定される。より詳細に述べると、ベース部3は、中心軸AXと直交する方向に拡がるとともに、軸方向においてステータ1の下方に配置されてステータ1の少なくとも一部が固定される。インシュレータ延伸部123の下端部は、回路基板14よりも、軸方向下方に突出している。インシュレータ延伸部123において回路基板14よりも軸方向下方に突出している部分を、挿入部35に上方から挿入する。
【0057】
このとき、回路基板14の径方向の外縁は、台座部34の上面と接触する。これにより、台座部34によって回路基板14を軸方向に支持できる。回路基板14の径方向外縁には、回路素子が実装されることが少ない。そのため、回路基板14において、径方向外縁部分では、下面(表面)に、絶縁層(絶縁膜)が形成される。すなわち、回路基板14は、絶縁層で台座部34と接触するため、回路基板14のパターン配線や実装された回路素子と台座部34とは、絶縁される。
【0058】
回路基板14の下面の径方向外縁は、台座部34に下方から支持される。一方、回路基板14の上面の径方向内部は、インシュレータ第2突出部125から押される。よって、回路基板14は、ベース部3と下インシュレータ122とによって軸方向に挟まれて保持される。インシュレータ延伸部123の下端部を、挿入部35に挿入したとき、インシュレータ第2突出部125は、台座部34と周方向に異なる領域に配置される。このように構成することで、回路基板14の径方向外縁と径方向内部とが、周方向にずれた領域で押されるため、回路基板14は、バランスよく保持される。ステータ1は、ベース部3と軸方向に対向する。
【0059】
このとき、ステータ1の少なくとも一部は、スペーサ第2領域42の軸方向上面と軸方向に対向する。このように配置することで、ステータ1の一部、ここでは、回路基板14に実装された回路素子や回路基板14から突出する端子が、スペーサ第2領域42が挿入されたベース貫通部311内部に収納される。これにより、回路基板14とベース部3とを絶縁しつつ、モータAの軸方向の長さを短くできる。
【0060】
また、回路基板14の径方向外縁は、スペーサフランジ部43と軸方向に対向する。すなわち、スペーサ4の径方向外縁は、回路基板14の径方向外縁と、軸方向に対向する。これにより、回路基板14の径方向外縁における軸方向下方の領域にスペーサ4の一部が配置される。よって、例えば回路基板14の径方向外縁とベース部3とが軸方向に対向する場合においても、回路基板14の径方向外縁とベース部3との軸方向間にスペーサ4が配置されるため、回路基板14とベース部3との絶縁性を高めることができる。
【0061】
そして、シャフト20を、第1軸受51及び第2軸受52の内輪に固定する。これにより、モータAの組み立てが完了する。
【0062】
このように、モータAを組み立てたとき、回路基板14とベース部3との間にスペーサ4が配置される。すなわち、回路基板14の軸方向下面は、スペーサ第2領域42の軸方向上面と軸方向に対向する。これにより、回路基板14に備えられるプリント配線、実装される回路素子と、金属製のベース部3とを絶縁することが可能である。すなわち、回路基板14及び回路基板14に実装された回路素子とベース部3との沿面距離を確保できる。
【0063】
また、インシュレータ延伸部123の軸方向の下端部を、ベース底板部31の上面から下方に凹む挿入部35に挿入する構成とすることで、ステータ1とベース部3との隙間を狭くすることができる。すなわち、モータAの軸方向の長さを短くすることができる。ステータ1をベース部3に取り付けたときに、回路基板14の下面に実装された回路素子と、ベース貫通部311に挿入されたスペーサ第2領域42とを軸方向に対向させる。
【0064】
すなわち、回路基板14の軸方向下面には、複数の回路素子が配置され、複数の回路素子のうち、最も軸方向下方に延びる回路素子は、第2領域42と軸方向に対向する。このように、回路基板14を配置することで、回路素子の少なくとも一部を、第2領域42が配置されているベース貫通部311に挿入させて、ステータ1をベース部3に固定する。よって、回路基板14とベース底板部31との軸方向距離を短くでき、モータAの軸方向長さを短くできる。すなわち、ステータ1の軸方向下端は、軸方向において、スペーサ第1領域41の軸方向上面の軸方向位置よりも軸方向下方に位置させることができる。これにより、ステータ1とベース部3とを有するモータAの軸方向長さを短くできる。
【0065】
さらに、回路基板14の上面に配置された回路素子の端子であって、下面から下方に貫通した端子と、ベース貫通部311に挿入されたスペーサ第2領域42とを軸方向に対向させる。このようにすることで、端子の軸方向下端部とベース底板部31と確実に絶縁できるとともに、モータAの軸方向の長さを短くできる。
【0066】
また、回路基板14が、コイル13とベース部3との間に配置されない構成のモータAもある。その場合、コイル13の軸方向下端部を、スペーサ第2領域42の軸方向上面と軸方向に対向させてもよい。このように配置することで、コイル13の軸方向下端部の軸方向位置がばらついた場合や、コイル13の軸方向長さが長い場合であっても、ステータ1の一部、ここでは、コイル13の軸方向下端をベース貫通部311の内部に挿入することが可能である。このようにすることで、コイル13とベース部3との絶縁性を保ちつつ、モータAの軸方向の長さを短くすることができる。なお、このように、コイル13をスペーサ第2領域42と軸方向に対向させる場合、コイル13をスペーサ第2領域42と同数としてもよい。つまり、コイル13は、第2領域42と同数であってもよい。また、複数のコイル13を1つのスペーサ第2領域42と軸方向に対向させてもよい。これにより、コイル13の全てをスペーサ第2領域42と軸方向に対向させることが可能なため、複数のコイル13を有するモータにおいても、モータの軸方向長さを短くできる。
【0067】
また、モータAでは、ベース貫通部311にスペーサ4のスペーサ第2領域42が挿入される。そして、ベース底板部31の上面には、スペーサ第1領域41が接触する。さらに、スペーサ第1領域41には、径方向外縁に円環部412を備えており、円環部412は、ベース底板部31と接触する。すなわち、スペーサ4の径方向外縁は、全周に渡ってスペーサ第1領域41であるこのため、スペーサ4は、ベース貫通部311を含むベース底板部31の上方を覆う。これにより、水分、塵、埃等の異物が、ベース貫通部311を通って、基板に移動するのを抑制できる。なお、ベース貫通部311及びスペーサ第2領域42は、同数備えられているとともに、各々が周方向に等間隔に配置されていてもよい。このようにすることで、全てのベース貫通部311からの異物の侵入を抑制できる。また、ベース貫通孔311を周方向等間隔に配置することによって、ベース部3の周方向のバランスが向上する。さらに、第2領域42を周方向等間隔に配置することによって、ステータ1の少なくとも一部を第2領域42と軸方向に対向させる際に、第2領域42と対向するステータ1の部位を周方向等間隔に配置できるため、ステータ1をより好ましい設計にできる。
【0068】
さらに、下インシュレータ122がステータ1とベース部3とを接続している。そのため、別途、ステータ1の位置決めのための部材を設ける場合に比べて、モータAの軸方向の長さを短くできる。
【0069】
また、モータAの軸方向の長さを短くすることで、モータAの小型化が可能であるとともに、シャフト20を短くできる。そのため、シャフト20の剛性を高めることが可能である。そして、シャフト20の剛性を高めることで、ロータ2の回転時におけるシャフト20の変形を小さく抑え、モータAの回転精度を高めることができる。
【0070】
<2. 第2実施形態>
本発明にかかるモータにおいて、回路基板Aは、台座部34に下方から支持されるとともに、インシュレータ第2突出部125によって上方から押されることによって固定される。第1実施形態では、インシュレータ第2突出部125の下端部の軸方向位置が、回路基板14の台座部34の上面と軸方向に重なる領域の軸方向の位置と同じである。これにより、台座部34が回路基板14の下面と接触し、インシュレータ第2突出部125が回路基板14の上面と接触することによって、回路基板14は保持される。
【0071】
インシュレータ第2突出部125の下端部を、回路基板14における台座部34の上面と軸方向に重なる領域の上面よりも軸方向下方に配置してもよい。
【0072】
このように配置することで、回路基板14の径方向外縁部は、台座部34によって上方に押されるとともに、回路基板14の径方向中央部は、インシュレータ第2突出部125によって下方に押される。これにより、回路基板14は、撓んで保持される。これにより、回路基板14は、より確実に保持される。なお、インシュレータ第2突出部125と台座部34、回路基板14を弾性変形させている。このとき、回路基板14に過剰な負担がかからない程度に弾性変形することが好ましい。本実施形態のモータAでは、インシュレータ第2突出部125の突出量を調整することで、回路基板14の変形量を調整して、回路基板14を適切に弾性変形させることができる。
【0073】
台座部34が回路基板14を上方に押し、インシュレータ第2突出部125が回路基板14を下方に押す。このとき、インシュレータ第2突出部125は、台座部34と周方向に異なる領域に配置されていることが好ましい。これにより、回路基板14に作用する応力を分散させることができる。つまり、回路基板14を適切に弾性変形させることができる。
【0074】
なお、インシュレータ第2突出部125は、回路基板14を上方から下方に向かって押す。そのため、インシュレータ第2突出部125の回路基板14と接触する部分は、基板貫通部142から離れている方が好ましい。すなわち、インシュレータ第2突出部125は、インシュレータ延伸部123と周方向に異なる領域に配置されることが好ましい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、例えば、ロボットを駆動するモータとして用いることができる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・ステータ、2・・・ロータ、3・・・ベース部、4・・・スペーサ、11・・・ステータコア、12・・・インシュレータ、13・・・コイル、14・・・回路基板、20・・・シャフト、21・・・ロータハウジング、22・・・ロータマグネット、31・・・ベース底板部、32・・・ベースフランジ部、33・・・保持筒部、34・・・台座部、35・・・挿入部、41・・・第1領域、42・・・第2領域、43・・・スペーサフランジ部、51・・・第1軸受、52・・・第2軸受、111・・・コアバック、112・・・ティース、121・・・上インシュレータ、122・・・下インシュレータ、123・・・インシュレータ延伸部、124・・・インシュレータ第1突出部、125・・・インシュレータ第2突出部、141・・・基板中央孔、142・・・貫通部凹部、211・・・ロータ筒部、212・・・ロータ天板部、213・・・ロータ貫通孔、214・・・ロータボス部、311・・・ベース貫通部、321・・・外貫通孔、322・・・凸部、411・・・スペーサ貫通孔、412・・・円環部、1220・・・インシュレータ貫通孔、1241・・・延伸部傾斜面、1242・・・延伸部上面、A・・・モータ