(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/19 20180101AFI20220531BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20220531BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220531BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220531BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20220531BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20220531BHJP
F21V 29/508 20150101ALI20220531BHJP
F21V 29/74 20150101ALI20220531BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20220531BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220531BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20220531BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20220531BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220531BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/14
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V23/00 150
F21V23/00 160
F21V23/06
F21V29/503 100
F21V29/508
F21V29/74
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:55
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018064722
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】清藤 梢
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-243092(JP,A)
【文献】特開2014-170716(JP,A)
【文献】特開2012-099366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/19
F21V 19/00,23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する光源部材と、
前記光源部材が一面に実装されている基板と、
少なくとも1枚の追加基板と、
前記基板の一面および前記追加基板の両面にそれぞれ実装されていて、前記発光素子の点灯を制御する回路と、
前記基板の他面を保持し、かつ、前記追加基板のうち前記回路が実装されていない箇所を保持する保持部材と、
前記保持部材を介して前記光源部材、前記基板および前記追加基板が組み込まれているソケット部材と、
を備え、
前記保持部材は、
連結部と、
前記連結部の一端に設けられていて、前記基板を保持する基板保持部と、
前記連結部の他端に設けられていて、1枚の前記追加基板を保持する追加基板保持部と、
を有し、
前記基板保持部、前記連結部および前記追加基板保持部は、前記ソケット部材の軸方向に配置され、
前記保持部材は、金属板からなり、
前記基板保持部は、前記基板の前記他面が保持される前記金属板の中央部分からなり、
前記連結部は、前記金属板の前記中央部分から前記ソケット部材の前記軸方向に折り曲げられた前記金属板の両端部分からなり、
前記追加基板保持部は、前記金属板の前記両端部分から前記ソケット部材の前記軸方向に対して垂直方向に折り曲げられ、1枚の前記追加基板の一面もしくは他面の前記回路が実装されていない両側が保持される前記金属板の両先端部分からなる、
ことを特徴とする車両用灯具の光源ユニット。
【請求項2】
発光素子を有する光源部材と、
前記光源部材が一面に実装されている基板と、
少なくとも1枚の追加基板と、
前記基板の一面および前記追加基板の両面にそれぞれ実装されていて、前記発光素子の点灯を制御する回路と、
前記基板の他面を保持し、かつ、前記追加基板のうち前記回路が実装されていない箇所を保持する保持部材と、
前記保持部材を介して前記光源部材、前記基板および前記追加基板が組み込まれているソケット部材と、
を備え、
前記保持部材は、
連結部と、
前記連結部の一端に設けられていて、前記基板を保持する基板保持部と、
前記連結部の他端および途中にそれぞれ設けられていて、複数枚の前記追加基板を保持する追加基板保持部と、
を有し、
前記基板保持部、前記連結部および前記追加基板保持部は、前記ソケット部材の軸方向に配置されている、
ことを特徴とする車両用灯具の光源ユニット。
【請求項3】
前記保持部材は、金属板からなり、
前記基板保持部は、前記基板の前記他面が保持される前記金属板の中央部分からなり、
前記連結部は、前記金属板の前記中央部分から前記ソケット部材の前記軸方向に折り曲げられた前記金属板の両端部分からなり、
前記追加基板保持部は、
前記金属板の前記両端部分から前記ソケット部材の前記軸方向に対して垂直方向に折り曲げられ、1枚の前記追加基板の一面もしくは他面の前記回路が実装されていない両側が保持される前記金属板の両先端部分と、
前記金属板の前記両端部分の途中から前記ソケット部材の前記軸方向に対して垂直方向に折り曲げられ、少なくとも1枚の前記追加基板の一面もしくは他面の前記回路が実装されていない両側が保持される前記金属板の両途中部分と、
からなる、
ことを特徴とする請求項
2に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項4】
前記基板の前記回路と前記追加基板の前記回路との間、もしくは、前記基板の前記回路と前記追加基板の前記回路との間および前記追加基板の前記回路と前記追加基板の前記回路との間、を電気的に接続する接続部材と、
前記追加基板の前記回路に電気的に接続されていて、電源側コネクタと電気的に接続されるコネクタピンと、
を備え、
前記接続部材は、前記金属板の前記両端部分の間に配置されていて、
前記コネクタピンは、前記金属板の前記両先端部分の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項
1または
3に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項5】
前記ソケット部材の外部には、放熱用の複数のフィンが前記ソケット部材の軸に対して放射方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項6】
前記ソケット部材の内部には、前記基板、前記追加基板および前記保持部材が収容されている空間部が設けられていて、
前記ソケット部材の一端には、前記光源部材が配置されている開口部が設けられていて、
前記空間部と前記開口部とは、連通している、
ことを特徴とする請求項
1~5のいずれか1項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項7】
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記請求項
1~6のいずれか1項に記載の車両用灯具の光源ユニットと、
を備え、
前記ソケット部材は、前記ランプハウジングに取り付けられていて、
前記ソケット部材のうち前記光源部材が組み込まれている側は、前記灯室内に配置されていて、
前記ソケット部材のうち前記光源部材が組み込まれている側に対して反対側は、前記灯室外に配置されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの発光素子を使用する光源ユニットとしては、たとえば、特許文献1、特許文献2に示すものがある。特許文献1のLEDユニットは、LEDと、LEDが一面に搭載されているLED搭載部と、第1制御部品搭載部および第2制御部品搭載部と、第1制御部品搭載部の一面および第2制御部品搭載部の一面にそれぞれ搭載されていて、LEDの点灯を制御する制御部品と、LED搭載部、第1制御部品搭載部および第2制御部品搭載部からなるリードフレームと、リードフレームが一体に設けられている樹脂製のハウジングと、を備えるものである。特許文献1のLEDユニットは、LED搭載部、第1制御部品搭載部および第2制御部品搭載部からなるリードフレームを介して、LEDおよび制御部品が樹脂製のハウジングに組み込まれる。
【0003】
特許文献2の光源ユニットは、半導体発光素子と、半導体発光素子が一面に実装されている第1基板と、第1基板と電気的に接続されている第2基板と、第1基板の一面および第2基板の一面に実装されていて、半導体発光素子を駆動する点灯回路と、第1基板が取り付けられている放熱部材と、第2基板が電気的に接続されている給電部材と、放熱部材および給電部材が固定されているソケット部材と、を備えるものである。特許文献2の光源ユニットは、放熱部材および給電部材を介して、半導体発光素子、第1基板および第2基板がソケット部材に組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2015/190431号
【文献】特開2015-69709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のLEDユニットは、第1制御部品搭載部の一面および第2制御部品搭載部の一面にLEDの点灯を制御する制御部品をそれぞれ搭載するものであるから、制御部品を搭載する面が2面である。この結果、特許文献1のLEDユニットは、LEDの点灯制御が複雑化して制御部品が多くなったり、また、LEDの搭載数が増加して制御部品が多くなったりした場合において、制御部品の増加に対応することが難しくなる。
【0006】
特許文献2の光源ユニットは、第1基板の一面および第2基板の一面に半導体発光素子を駆動する点灯回路をそれぞれ実装するものであるから、点灯回路を実装する面が2面である。この結果、特許文献2の光源ユニットは、半導体発光素子の点灯制御が複雑化して点灯回路の部品が多くなったり、また、半導体発光素子の実装数が増加して点灯回路の部品が多くなったりした場合において、点灯回路の部品の増加に対応することが難しくなる。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、発光素子の点灯制御が複雑化して回路の部品が多くなったり、また、発光素子の実装数が増加して回路の部品が多くなったりした場合において、回路の部品の増加に対応することができる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、発光素子を有する光源部材と、光源部材が一面に実装されている基板と、少なくとも1枚の追加基板と、基板の一面および追加基板の両面にそれぞれ実装されていて、発光素子の点灯を制御する回路と、基板の他面を保持し、かつ、追加基板のうち回路が実装されていない箇所を保持する保持部材と、保持部材を介して光源部材、基板および追加基板が組み込まれているソケット部材と、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、保持部材が、連結部と、連結部の一端に設けられていて、基板を保持する基板保持部と、連結部の他端に設けられていて、1枚の追加基板を保持する追加基板保持部と、を有し、基板保持部、連結部および追加基板保持部が、ソケット部材の軸方向に配置されている、ことが好ましい。
【0010】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、保持部材が、金属板からなり、基板保持部が、基板の他面が保持される金属板の中央部分からなり、連結部が、金属板の中央部分からソケット部材の軸方向に折り曲げられた金属板の両端部分からなり、追加基板保持部が、金属板の両端部分からソケット部材の軸方向に対して垂直方向に折り曲げられ、1枚の追加基板の一面もしくは他面の回路が実装されていない両側が保持される金属板の両先端部分からなる、ことが好ましい。
【0011】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、保持部材が、連結部と、連結部の一端に設けられていて、基板を保持する基板保持部と、連結部の他端および途中にそれぞれ設けられていて、複数枚の追加基板を保持する追加基板保持部と、を有し、基板保持部、連結部および追加基板保持部が、ソケット部材の軸方向に配置されている、ことが好ましい。
【0012】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、保持部材が、金属板からなり、基板保持部が、基板の他面が保持される金属板の中央部分からなり、連結部が、金属板の中央部分からソケット部材の軸方向に折り曲げられた金属板の両端部分からなり、追加基板保持部が、金属板の両端部分からソケット部材の軸方向に対して垂直方向に折り曲げられ、1枚の追加基板の一面もしくは他面の回路が実装されていない両側が保持される金属板の両先端部分と、金属板の両端部分の途中からソケット部材の軸方向に対して垂直方向に折り曲げられ、少なくとも1枚の追加基板の一面もしくは他面の回路が実装されていない両側が保持される金属板の両途中部分と、からなる、ことが好ましい。
【0013】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、基板の回路と追加基板の回路との間、もしくは、基板の回路と追加基板の回路との間および追加基板の回路と追加基板の回路との間、を電気的に接続する接続部材と、追加基板の回路に電気的に接続されていて、電源側コネクタと電気的に接続されるコネクタピンと、を備え、接続部材が、金属板の両端部分の間に配置されていて、コネクタピンが、金属板の両先端部分の間に配置されている、ことが好ましい。
【0014】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、ソケット部材の外部には、放熱用の複数のフィンがソケット部材の軸に対して放射方向に設けられている、ことが好ましい。
【0015】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、ソケット部材の内部には、基板、追加基板および保持部材が収容されている空間部が設けられていて、ソケット部材の一端には、光源部材が配置されている開口部が設けられていて、空間部と開口部とが、連通している、ことが好ましい。
【0016】
この発明の車両用灯具は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、前記の車両用灯具の光源ユニット(特許請求の範囲の請求項1~8のいずれか1項に記載の車両用灯具の光源ユニット)と、を備え、ソケット部材が、ランプハウジングに取り付けられていて、ソケット部材のうち光源部材が組み込まれている側が、灯室内に配置されていて、ソケット部材のうち光源部材が組み込まれている側に対して反対側が、灯室外に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明の車両用灯具の光源ユニットおよびこの発明の車両用灯具は、発光素子の点灯制御が複雑化して回路の部品が多くなったり、また、発光素子の実装数が増加して回路の部品が多くなったりした場合において、回路の部品の増加に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態1を示す使用状態の一部断面図である。
【
図2】
図2は、光源ユニットを示す平面図(
図1におけるII矢視図)である。
【
図3】
図3は、光源ユニットを示す底面図(
図1におけるIII矢視図)である。
【
図4】
図4は、光源ユニットを示す縦断面図(
図2におけるIV-IV線断面図)である。
【
図5】
図5は、光源ユニットを示す縦断面図(
図2におけるV-V線断面図)である。
【
図6】
図6は、ソケット部材を除いた主構成部品を示す説明図である。(A)は、組み付けた状態を示す説明図である。(B)は、組み付ける前の状態を示す説明図である。
【
図7】
図7は、ソケット部材を除いた主構成部品を示す説明図である。(A)は、組み付けた状態を示す説明図である。(B)は、組み付ける前の状態を示す説明図である。
【
図8】
図8は、ソケット部材を除いた主構成部品を示す縦断面図(
図5に対応する縦断面図)である。(A)は、組み付けた状態を示す縦断面図である。(B)は、組み付ける前の状態を示す縦断面図である。
【
図9】
図9は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態2を示す縦断面図である。(A)は、ソケット部材を除いた主構成部品の組み付けた状態の縦断面図(
図5に対応する縦断面図)である。(B)は、ソケット部材を除いた主構成部品の組み付けた状態の縦断面図(
図4に対応する縦断面図、(A)におけるB-B線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態(実施例)の2例を図面に基づいて詳細に説明する。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。なお、
図1、
図4、
図5、
図8、
図9において、構成部品の一部のハッチングを省略する。また、
図4、
図5、
図8、
図9において、回路の部品の図示を省略する。さらに、
図6、
図7において、回路の部品の図示を一部省略する。
【0020】
(実施形態1の構成の説明)
図1~
図8は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の構成について説明する。図中、符号1は、この実施形態1にかかる車両用灯具の光源ユニットである。また、図中、符号100は、この実施形態1にかかる車両用灯具である。
【0021】
(車両用灯具100の説明)
車両用灯具100は、この例では、リアコンビネーションランプのうち、赤色光を照射するテール・ストップランプである。車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右両側にそれぞれ装備される。車両用灯具100は、
図1に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ(図示せず)と、この実施形態1における車両用灯具の光源ユニット1と、を備える。
【0022】
ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材、例えば、樹脂部材から構成されている。ランプハウジング101は、一方(後方)が開口し、他方(前方)が閉塞されている中空形状をなす。ランプハウジング101の閉塞部には、取付孔102が設けられている。取付孔102は、円形形状をなす。取付孔102の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0023】
ランプレンズは、たとえば、光透過性の部材、例えば、透明樹脂部材から構成されている。ランプレンズは、一方(前方)が開口し、他方(後方)が閉塞されている中空形状をなす。ランプレンズの開口部の周縁部とランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。ランプハウジング101およびランプレンズにより、灯室103が区画されている。
【0024】
なお、灯室103内に導光部材(図示せず)を配置しても良い。導光部材は、光源ユニット1から放射される光を、灯室103内の所定の箇所まで導いて、その所定の箇所からランプレンズを通して、所定の配光パターン(たとえば、テールランプ用の配光パターンおよびストップランプ用の配光パターン)で外部に照射する。また、灯室103内に導光部材の代わりにインナーレンズ(図示せず)を配置しても良い。インナーレンズは、光源ユニット1から放射される光を、透過させてかつランプレンズを通して、所定の配光パターン(たとえば、テールランプ用の配光パターンおよびストップランプ用の配光パターン)で外部に照射する。インナーレンズは、光源ユニット1に、別体に設けても良いし、一体に設けても良い。
【0025】
(光源ユニット1の説明)
光源ユニット1は、
図1~
図8に示すように、光源部材2と、基板3と、1枚の追加基板41と、回路と、接続部材5およびコネクタピン50と、保持部材6と、ソケット部材7と、を備える。
【0026】
光源ユニット1は、
図1に示すように、車両用灯具100に、固定的にまたは着脱可能に装備されている。すなわち、ソケット部材7がランプハウジング101にパッキン(リングリング)104を介して取り付けられている。ソケット部材7の一端側(上端側であって、光源部材2が組み込まれている側)は、ランプハウジング101の取付孔102を経て灯室103内に挿入して配置されている。一方、ソケット部材7の他端側(下端側であって、光源部材2が組み込まれている側に対して反対側)は、灯室103外に配置されている。
【0027】
(光源部材2の説明)
光源部材2は、
図2、
図4~
図8に示すように、複数個この例では5個の発光素子(半導体発光素子、LEDチップ、発光チップ)20を有する。発光素子20は、包囲壁21で包囲され、かつ、封止材22で封止されている。光源部材2は、基板3の一面(上面)に実装されている。発光素子20から放射される光は、赤色でも白色でも良い。白色の場合、ランプレンズは、赤色が好ましい。
【0028】
(基板3、追加基板41の説明)
基板3は、この例では、セラミック基板、上面に絶縁層が設けられている金属基板(アルミ基板)、FR4などである。基板3の上面には、光源部材2および回路が実装されている。追加基板41は、この例では、セラミック基板、両面(上面および下面)に絶縁層が設けられている金属基板(アルミ基板)、FR4などである。追加基板41の両面には、回路が実装されている。
【0029】
(回路の説明)
回路は、光源部材2の発光素子20の点灯を制御する、いわゆる、点灯制御回路である。回路は、基板3の上面および追加基板41の両面にそれぞれ実装されている。なお、回路は、追加基板41の他面(下面)のうち、左右両側には実装されていない。回路は、部品(電子部品)8と、配線(図示せず)と、からなる。
【0030】
部品8は、たとえば、コンデンサ、抵抗、ダイオード、トランジスタ、電界効果トランジスタ、ツエナーダイオード、コンパレータなどである。また、配線は、たとえば、配線パターン、ボンディングワイヤ、導電性接着剤、実装パッド、ワイヤパッドなどである。
【0031】
(接続部材5、コネクタピン50の説明)
接続部材5は、
図2、
図5~
図8に示すように、基板3の回路と追加基板41の回路との間を電気的に接続する。すなわち、接続部材5の両端(上端および下端)は、基板3の回路と追加基板41の回路とに半田などにより電気的に接続されている。接続部材5は、この例では、3本備える。接続部材5は、導電性の部材からなり、ピン形状をなす。
【0032】
図3~
図8に示すように、コネクタピン50の一端(上端)は、追加基板41の回路に半田などで電気的に接続されている。コネクタピン50は、この例では、3本備える。コネクタピン50は、導電性の部材からなり、ピン形状をなす。コネクタピン50の他端(下端)は、電源側コネクタ51(
図1中の二点鎖線にて示す)と電気的に接続される。電源側コネクタ51は、ハーネス(図示せず)やスイッチ(図示せず)を介して車両の電源(バッテリー)に電気的に接続されている。
【0033】
(保持部材6の説明)
保持部材6は、
図4~
図8に示すように、基板3の他面(下面)を保持し、かつ、追加基板41のうち回路が実装されていない箇所、すなわち、追加基板41の下面の左右両側を保持する。保持部材6と基板3および追加基板41とは、接着剤もしくは熱伝導性接着剤を介して保持される。
【0034】
保持部材6は、連結部60と、基板保持部61と、追加基板保持部62と、を有する。基板保持部61は、連結部60の一端(上端)に設けられていて、基板3の下面を保持する。追加基板保持部62は、連結部60の他端(下端)に設けられていて、追加基板41の下面の左右両側を保持する。基板保持部61、連結部60および追加基板保持部62は、ソケット部材7の軸Z方向(
図4参照)に配置されている。
【0035】
保持部材6は、金属板、この例では、長方形形状のアルミプレートからなる。基板保持部61は、基板3の下面が保持されるアルミプレートの中央部分からなる。連結部60は、アルミプレートの中央部分からソケット部材7の軸Z方向に折り曲げられたアルミプレートの両端部分(左右両端部分)からなる。追加基板保持部62は、アルミプレートの両端部分からソケット部材7の軸Z方向に対して垂直方向に折り曲げられ、追加基板41の他面の左右両側が保持されるアルミプレートの両先端部分(左右両先端部分)からなる。
【0036】
保持部材6の左右の連結部60(アルミプレートの両端部分)の間には、3本の接続部材5が配置されている。保持部材6の左右の追加基板保持部62(アルミプレートの両先端部分)の間には、3本のコネクタピン50が配置されている。保持部材6の基板保持部61の一端(後端)の中央部には、3本の接続部材5が配置する凹部63が設けられている。保持部材6の左右の追加基板保持部62の間には、3本の接続部材5および3本のコネクタピン50が配置する隙間64が設けられている。
【0037】
(ソケット部材7の説明)
ソケット部材7は、熱伝導性樹脂、この例では、炭素繊維(短炭素繊維)、あるいは、炭素顆粒、あるいは、炭素繊維と炭素顆粒との混合物を含有する樹脂から構成されている。
図1~
図5に示すように、ソケット部材7には、保持部材6を介して光源部材2、基板3および追加基板41が組み込まれていて、かつ、基板3および追加基板41を介して回路、接続部材5およびコネクタピン50が組み込まれている。
【0038】
図3に示すように、ソケット部材7の外部には、放熱用の複数のフィン70がソケット部材7の軸Zに対して放射方向に設けられている。
【0039】
図4、
図5に示すように、ソケット部材7の内部には、基板3、追加基板41、回路、接続部材5、コネクタピン50の上端部および保持部材6が収容されている凹形状の空間部71が設けられている。ソケット部材7の一端(上端)には、光源部材2が配置されている開口部72が設けられている。空間部71と開口部72とは、連通している。ソケット部材7の空間部71の底面には、保持部材6の追加基板保持部62の下面が接着剤もしくは熱伝導性接着剤を介して固定されている。
【0040】
図3、
図5に示すように、ソケット部材7の他端(下端)には、コネクタピン50の残りの部分(中間部から下端にかけての部分)が配置されているコネクタ嵌合部73が設けられている。コネクタ嵌合部73中には、コネクタピン50の下端部が配置されている。このコネクタ嵌合部73およびコネクタピン50は、電源側コネクタ51と電気的に接続しかつ機械的に着脱可能に取り付ける光源側コネクタを構成する。
【0041】
(光源ユニット1の製造行程の説明)
以下、光源ユニット1の製造行程について説明する。まず、基板3の上面に部品8と配線とからなる回路を実装する。また、追加基板41の上面と下面のうち左右両側を除いた面に同じく回路を実装する。
【0042】
つぎに、基板3と追加基板41とを上下に配置した状態で、基板3側の回路と追加基板41側の回路とに3本の接続部材5の上下両端を半田などでそれぞれ電気的に接続する。また、追加基板41の回路に3本のコネクタピン50の上端を半田などでそれぞれ電気的に接続する。かつ、3本のコネクタピン50の下端を追加基板41から下方に突出させる。なお、基板3および追加基板41には、接続部材5の上下両端およびコネクタピン50の下端を通す小透孔が予め設けられている。
【0043】
これにより、基板3、追加基板41、回路、接続部材5およびコネクタピン50からなるサブアセンブリが製造される。一方、アルミプレートで保持部材6を製造する。それから、基板3、追加基板41、回路、接続部材5およびコネクタピン50のサブアセンブリを保持部材6に組み付ける。
【0044】
すなわち、基板3の下面を保持部材6の基板保持部61の上面に載置させる。追加基板41の下面の左右両側を保持部材6の追加基板保持部62の上面に載置させる。3本の接続部材5を保持部材6の基板保持部61の凹部63に配置させる。3本のコネクタピン50を保持部材6の隙間64に配置させる。基板3の下面と保持部材6の基板保持部61の上面とを、また、追加基板41の下面の左右両側と保持部材6の追加基板保持部62の上面とを、それぞれ、接着剤もしくは熱伝導性接着剤で固定する。
【0045】
これにより、基板3、追加基板41、回路、接続部材5、コネクタピン50および保持部材6からなるサブアセンブリが製造される。一方、熱伝導性樹脂でソケット部材7を製造する。それから、基板3、追加基板41、回路、接続部材5、コネクタピン50および保持部材6のサブアセンブリをソケット部材7に組み付ける。
【0046】
すなわち、サブアセンブリをソケット部材7の開口部72から空間部71中に収納する。3本のコネクタピン50の下端部をソケット部材7のコネクタ嵌合部73中に配置させる。なお、ソケット部材7の空間部71の底部には、コネクタピン50の下端部を通す小透孔が予め設けられている。保持部材6の追加基板保持部62の下面をソケット部材7の空間部71の底部の上面に載置させる。保持部材6の追加基板保持部62の下面とソケット部材7の空間部71の底部の上面とを、接着剤もしくは熱伝導性接着剤で固定する。これにより、光源ユニット1は、製造される。なお、ソケット部材7の空間部71中に、熱伝導性樹脂あるいは熱伝導性接着剤を充填しても良い。
【0047】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0048】
まず、スイッチをオン操作する。すると、電流(駆動電流)は、電源側コネクタ51、コネクタピン50、接続部材5および回路を介して発光素子20に供給される。すると、発光素子20が発光して、発光素子20から放射された光は、導光部材、インナーレンズを介して、もしくは、直接ランプレンズを通して、所定の配光パターン、たとえば、テールランプ用の配光パターンおよびストップランプ用の配光パターンで外部に照射される。ここで、発光素子20の点灯は、回路の部品8により制御される。
【0049】
発光素子20の点灯時において、発光素子20および回路の部品8で発生した熱は、基板3、追加基板41、保持部材6、熱伝導性樹脂あるいは熱伝導性接着剤を介してソケット部材7に伝達され、かつ、ソケット部材7のフィン70から外部に放射される。スイッチをオフ操作すると、電流が遮断され、発光素子20が消灯する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0050】
ここで、発光素子20の点灯制御が複雑化すると、回路の部品8および配線が多くなる。この発光素子20の点灯制御の複雑化としては、たとえば、1灯断線時全灯消灯制御がある。この1灯断線時全灯消灯制御は、複数個この例では5個の発光素子20のうちの少なくとも1個の発光素子20が断線した場合において、点灯している残りの発光素子20全てを消灯させる制御である。すなわち、複数個の発光素子20のうちの少なくとも1個の発光素子20が断線し、残りの発光素子20が点灯したままの状態においては、所定の光量を満たさないので好ましい状態ではないので、点灯している残りの発光素子20全てを消灯させる必要がある。この点灯制御を1灯断線時全灯消灯制御という。また、発光素子20の実装数、たとえば、LEDの実装個数が増加すると、回路の部品8および配線が多くなる。
【0051】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0052】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3の一面(上面)および1枚の追加基板41の両面(上下両面)、すなわち、3面に、発光素子20の点灯を制御する回路(部品8および配線)を、それぞれ、実装するものである。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、発光素子20の点灯制御が複雑化して回路の部品8および配線が多くなったり、また、発光素子20の実装数が増加して回路の部品8および配線が多くなったりした場合において、回路の部品8および配線の増加に対応することができる。
【0053】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3と1枚の追加基板41とを保持部材6にソケット部材7の軸Z方向に配置して保持するものである。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3と1枚の追加基板41とを、同一の基板にする必要が無く、他種基板との組み合わせが可能となる。
【0054】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、保持部材6がアルミプレートなどの金属板からなるので、基板3および1枚の追加基板41に実装された発光素子20および回路の部品8において発生した熱を、保持部材6を介してソケット部材7に伝達してかつソケット部材7から外部に効率良く放射することができる。
【0055】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3の回路と1枚の追加基板41の回路との間を接続部材5で電気的に接続し、この接続部材5を保持部材6の連結部60すなわちアルミプレートの左右両端部分の間に配置させる。また、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、1枚の追加基板41の回路にコネクタピン50を電気的に接続し、このコネクタピン50を保持部材6の追加基板保持部62すなわちアルミプレートの左右両先端部分の間に配置させる。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、接続部材5およびコネクタピン50と保持部材6すなわちアルミプレートとの間において電気的ショートがない。これにより、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3と1枚の追加基板41とを上下二段に配置し、基板3と1枚の追加基板41とに接続部材5を接続し、かつ、1枚の追加基板41にコネクタピン50を接続することができる。
【0056】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、ソケット部材7の外部に放熱用の複数のフィン70をソケット部材7の軸Zに対して放射方向に設けたものである。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、フィン70の枚数およびフィン70の放熱面積を増加させることができ、その分、放熱効果が向上される。
【0057】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、ソケット部材7に、基板3、1枚の追加基板41および保持部材6からなるサブアセンブリを収納する空間部71を設けたものである。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3と1枚の追加基板41とを保持部材6にソケット部材7の軸Z方向に配置して保持しても、ソケット部材7の軸Z方向の長さ(ソケット部材7の高さ)を、既存の物と同等にすることができる。すなわち、基板3と1枚の追加基板41とのソケット部材7の軸Z方向の長さをソケット部材7の空間部71で吸収することができる。これにより、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、ソケット部材7の軸Z方向の長さが長くなることにより、ソケット部材7をランプハウジング101に取り付けた時のソケット部材7の軸Zがランプハウジング101に対して傾き、光軸が傾くことが無い。
【0058】
(実施形態2の説明)
図9は、この発明にかかる光源ユニット、車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる光源ユニット1A、車両用灯具100について説明する。図中、
図1~
図8と同符号は、同一のものを示す。
【0059】
前記の実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3に対して1枚の追加基板41を追加したものである。これに対して、この実施形態2にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3に対して2枚の追加基板41、42を追加したものである。新たに追加した追加基板42は、実施形態1の追加基板41と同様に、上面に回路が実装されていて、下面のうち、左右両側を除いた面に回路が実装されている。
【0060】
保持部材6Aの連結部60の途中に新たに追加した追加基板42を保持する追加基板保持部65を設ける。すなわち、アルミプレートの左右両端部分の途中から、一部分を切り起こして、ソケット部材7の軸Z方向に対して垂直方向に折り曲げられた左右両途中部分を追加基板保持部65とする。その追加基板保持部65の上面に新たに追加した追加基板42の下面の左右両側を載置させて、接着剤もしくは熱伝導性接着剤で保持する。なお、保持部材6Aの連結部60の途中には、追加基板保持部65を切り起こした後の切欠き66が残る。
【0061】
この実施形態2にかかる光源ユニット1A、車両用灯具100は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100とほぼ同様の作用効果を達成することができる。しかも、この実施形態2にかかる光源ユニット1A、車両用灯具100は、基板3の一面および2枚の追加基板41、42の両面、すなわち、5面に回路を実装するものであるから、さらに回路の部品8および配線の増加に対応することができる。
【0062】
(実施形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2においては、リアコンビネーションランプのうち、赤色光を照射するテール・ストップランプについて説明する。しかしながら、この発明においては、テール・ストップランプ以外に、単独のテールランプ、ストップランプであっても良い。また、リアコンビネーションランプ以外のフロントコンビネーションランプであっても良いし、さらに、白色光を照射するランプ(デイタイムランニングランプ、バックアップランプ、クリアランスランプ、室内ランプなど)、あるいは、アンバー色光を照射するランプ(ターンシグナルランプなど)であっても良い。
【0063】
また、前記の実施形態1、2においては、追加基板41、42の下面の左右両側を保持部材6、6Aの追加基板保持部62、65の上面に接着剤もしくは熱伝導性接着剤で固定保持するものである。しかしながら、この発明においては、追加基板41、42の下面の左右両側以外の回路が実装されていない箇所を、保持部材6、6Aに保持するものであっても良い。
【0064】
さらに、前記の実施形態1、2においては、1枚の基板3に対して1枚の追加基板41、2枚の追加基板41、42を追加するものである。しかしながら、この発明においては、3枚以上の追加基板を追加するものであっても良い。
【0065】
なお、この発明は、前記の実施形態1、2により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1、1A 光源ユニット
2 光源部材
20 発光素子
21 包囲壁
22 封止材
3 基板
41、42 追加基板
5 接続部材
50 コネクタピン
51 電源側コネクタ
6、6A 保持部材
60 連結部
61 基板保持部
62、65 追加基板保持部
63 凹部
64 隙間
66 切欠き
7 ソケット部材
70 フィン
71 空間部
72 開口部
73 コネクタ嵌合部
8 部品(回路)
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 取付孔
103 灯室
104 パッキン
Z 軸