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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】中継サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/30 20060101AFI20220531BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
G06F11/30 155
G06F11/34 176
G06F11/30 140A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018109235
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019212149
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 善晴
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-050752(JP,A)
【文献】特開2003-085060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
G06F 11/28-11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置からの要求を受信する第1受信部と、
特定のサーバ装置が稼働しているか停止しているか監視する監視部と、
前記第1受信部が前記要求を受信した場合において前記サーバ装置が稼働しているときは、当該要求を当該サーバ装置に転送する転送部と、
前記第1受信部が前記要求を受信した場合において前記サーバ装置が停止しているときは、当該要求があった日時をデータベースに書き込む書き込み部と
を有する中継サーバ。
【請求項2】
前記書き込み部は、前記監視部における監視の結果を用いて、前記サーバ装置が停止していた時間帯を前記データベースに書き込む
請求項1に記載の中継サーバ。
【請求項3】
前記要求は、前記クライアント装置又は当該クライアント装置のユーザの識別情報を含み、
前記書き込み部は、前記要求と共に前記識別情報を前記データベースに書き込む
請求項1又は2に記載の中継サーバ。
【請求項4】
前記サーバ装置が停止しているときに前記要求を送信したことが前記データベースに記録されているクライアント装置又は当該クライアント装置のユーザに対し、特典を付与する付与部を有する
請求項3に記載の中継サーバ。
【請求項5】
前記付与部は、前記データベースに記録されている要求の属性に応じた重みを付けて、前記特典を付与する
請求項4に記載の中継サーバ。
【請求項6】
前記データベースが、アプリケーションプログラムの識別情報と、当該アプリケーションプログラムにおいて要求を再送信する機能の有無とを含み、
前記要求がアプリケーションプログラムの識別情報を含み、
前記書き込み部は、前記受信部が前記要求を受信した場合において当該要求を送信したアプリケーションプログラムが要求を再送信する機能を有することが前記データベースに記録されているときは、前記サーバ装置が停止していても、前記要求があった日時を前記データベースに書き込まない
請求項3乃至5のいずれか一項に記載の中継サーバ。
【請求項7】
前記サーバ装置が停止状態から稼働状態に変わったことの通知を受信する第2受信部
を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の中継サーバ。
【請求項8】
前記サーバ装置が稼働しているか停止しているか監視をする頻度を変更する変更部
を有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の中継サーバ。
【請求項9】
前記変更部は、前記サーバ装置が停止しているときにあった前記要求の数又は頻度が基準より多い場合、前記監視の頻度を増加させる
請求項8に記載の中継サーバ。
【請求項10】
前記サーバ装置が停止する予定の時間帯を示す情報を取得する取得部を有し、
前記変更部は、前記情報により示される復旧時刻までの時間がしきい値を下回った場合、前記監視の頻度を増加させる
請求項8に記載の中継サーバ。
【請求項11】
前記監視部が行う前記サーバ装置の監視には、処理が軽い第1手法による監視と、当該第1手法より処理が重い第2手法による監視が含まれ、
前記変更部は、前記サーバ装置が稼働しているか停止しているか監視をする手法を変更する
請求項8乃至10のいずれか一項に記載の中継サーバ。
【請求項12】
前記変更部は、監視の頻度を増加させるときは、監視の手法として前記第1手法を用いる
請求項11に記載の中継サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーションシステム1では、メンテナンスや不具合等によりサーバが停止する場合があり、サーバ側では、この停止時にアクセスしてきたクライアントを特定し、そのクライアントに対し、アクセスに応えられなかったことへの対応をする必要がある。特許文献1に開示の技術では、クライアント側で、通信に失敗した時刻をタイムスタンプとして保存し、次回の通信でそのタイムスタンプをサーバに送る。サーバ側は、停止期間を保持しておき、クライアント側から受信したタイムスタンプがこの停止期間内の時刻を示している場合に、そのタイムスタンプを送ってきたクライアントを、サーバ停止時にアクセスしてきたクライアントとして特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5981683号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、サーバに処理を要求するアプリケーションが動作するクライアント装置を含むシステムにおいて、サーバが停止している間にアプリケーションからアクセスがあったことを、アプリケーションの機能によらずに記録する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る中継サーバは、クライアント装置からの要求を受信する第1受信部と、特定のサーバ装置が稼働しているか停止しているか監視する監視部と、前記第1受信部が前記要求を受信した場合において前記サーバ装置が稼働しているときは、当該要求を当該サーバ装置に転送する転送部と、前記第1受信部が前記要求を受信した場合において前記サーバ装置が停止しているときは、当該要求があった日時をデータベースに書き込む書き込み部とを有する。
請求項2に係る中継サーバは、請求項1に係る中継サーバにおいて、前記書き込み部は、前記監視部における監視の結果を用いて、前記サーバ装置が停止していた時間帯を前記データベースに書き込む。
請求項3に係る中継サーバは、請求項1又は2に係る中継サーバにおいて、前記要求は、前記クライアント装置又は当該クライアント装置のユーザの識別情報を含み、前記書き込み部は、前記要求と共に前記識別情報を前記データベースに書き込む。
請求項4に係る中継サーバは、請求項3に係る中継サーバにおいて、前記サーバ装置が停止しているときに前記要求を送信したことが前記データベースに記録されているクライアント装置又は当該クライアント装置のユーザに対し、特典を付与する付与部を有する。
請求項5に係る中継サーバは、請求項4に係る中継サーバにおいて、前記付与部は、前記データベースに記録されている要求の属性に応じた重みを付けて、前記特典を付与する。
請求項6に係る中継サーバは、請求項3乃至5のいずれか一項に係る中継サーバにおいて、前記データベースが、アプリケーションプログラムと、当該アプリケーションプログラムにおいて要求を再送信する機能の有無とを含み、前記要求がアプリケーションプログラムの識別情報を含み、前記書き込み部は、前記受信部が前記要求を受信した場合において当該要求を送信したアプリケーションプログラムが要求を再送信する機能を有すること
が前記データベースに記録されているときは、前記サーバ装置が停止していても、前記要求があった日時を前記データベースに書き込まない。
請求項7に係る中継サーバは、請求項1乃至6のいずれか一項に係る中継サーバにおいて、前記サーバ装置が停止状態から稼働状態に変わったことの通知を受信する第2受信部を有する。
請求項8に係る中継サーバは、請求項1乃至7のいずれか一項に係る中継サーバにおいて、前記サーバ装置が稼働しているか停止しているか監視をする頻度を変更する変更部を有する。
請求項9に係る中継サーバは、請求項8に係る中継サーバにおいて、前記変更部は、前記サーバ装置が停止しているときにあった前記要求の数又は頻度が基準より多い場合、前記監視の頻度を増加させる。
請求項10に係る中継サーバは、請求項8に係る中継サーバにおいて、前記サーバ装置が停止する予定の時間帯を示す情報を取得する取得部を有し、前記変更部は、前記情報により示される復旧時刻までの時間がしきい値を下回った場合、前記監視の頻度を増加させる。
請求項11に係る中継サーバは、請求項8乃至11のいずれか一項に係る中継サーバにおいて、前記監視部が行う前記サーバ装置の監視には、処理が軽い第1手法による監視と、当該第1手法より処理が重い第2手法による監視が含まれ、前記変更部は、前記サーバ装置が稼働しているか停止しているか監視をする手法を変更する。
請求項12に係る中継サーバは、請求項11に係る中継サーバにおいて、前記変更部は、監視の頻度を増加させるときは、監視の手法として前記第1手法を用いる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る中継サーバによれば、クライアント装置からの要求を受信した場合においてサーバ装置が稼働しているときは、当該要求を当該サーバ装置に転送し、要求を受信した場合においてサーバ装置が停止しているときは、当該要求があった日時をデータベースに書き込むので、クライアント装置の機能によらず、サーバ装置停止時にアクセスを行ったクライアント装置を特定することができる。
請求項2に係る中継サーバによれば、サーバ装置が停止していた時間帯をデータベースに書き込むので、サーバ装置停止時にアクセスを行ったクライアント装置を容易に特定することができる。
請求項3に係る中継サーバによれば、前記要求は、クライアント装置又は当該クライアント装置のユーザの識別情報を含み、書き込み部は、前記要求と共に前記識別情報を前記データベースに書き込むので、サーバ装置停止時にアクセスを行ったクライアント装置を正確に特定することができる。
請求項4に係る中継サーバによれば、サーバ装置が停止しているときに前記要求を送信したクライアント装置又は当該クライアント装置のユーザに対し、特典を付与するので、クライアント装置のユーザからの信頼を高めることができる。
請求項5に係る中継サーバによれば、データベースに記録されている要求の属性に応じた重みを付けて、特典を付与するので、要求の属性に応じた適切な特典を付与することができる。
請求項6に係る中継サーバによれば、要求が受け付けられなかった場合に要求を再送信するアプリケーションプログラムからの要求が受信された場合には、サーバ装置が停止していても、要求があった日時をデータベースに書き込まない。従って、サーバ装置の停止により要求の機会を失ったクライアント装置のみに範囲を絞って、要求日時をデータベースに書き込むことができる。
請求項7に係る中継サーバによれば、サーバ装置が停止状態から稼働状態に変わったことの通知を受信するので、サーバ装置の復旧に迅速に対応することができる。
請求項8に係る中継サーバによれば、サーバ装置が稼働しているか停止しているか監視をする頻度を変更する変更部を有するので、サーバ装置に関する監視負担を適正に制御す
ることができる。
請求項9に係る中継サーバによれば、変更部は、サーバ装置が停止しているときにあった要求の数又は頻度が基準より多い場合、監視の頻度を増加させ、サーバ装置の停止期間の測定精度を高めるので、サーバ装置の停止期間に要求を送信したにも関わらず、その旨の特定がされないクライアント装置、あるいはサーバ装置の稼働期間に要求を送信したにも関わらず、停止期間に要求を送信した旨の特定がされるクライアント装置が発生する確率を低くすることができる。
請求項10に係る中継サーバによれば、サーバ装置の復旧時刻までの時間がしきい値を下回った場合、前記監視の頻度を増加させるので、上記と同様、サーバ装置の停止期間に要求を送信したにも関わらず、その旨の特定がされないクライアント装置、あるいはサーバ装置の稼働期間に要求を送信したにも関わらず、停止期間に要求を送信した旨の特定がされるクライアント装置が発生する確率を低くすることができる。
請求項11に係る中継サーバによれば、サーバ装置の監視を、処理が軽い第1手法による監視とするか、当該第1手法より処理が重い第2手法による監視とするかの切り換えを行うので、サーバ装置の監視負担を適正に制御することができる。
請求項12に係る中継サーバによれば、監視の頻度を増加させるときは、監視の手法として前記第1手法を用いるので、サーバ装置の監視負担を適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るアプリケーションシステムの構成を例示するブロック図。
図2】中継サーバの構成を例示するブロック図。
図3】中継サーバにより実行される要求受信処理を例示するフローチャート。
図4】シリアル番号-ユーザID対応テーブルを例示する図。
図5】アクセス日時記録テーブルを例示する図。
図6】中継サーバにより実行される監視処理を例示するフローチャート。
図7】停止期間記録テーブルを例示する図。
図8】第1の動作例を例示するシーケンス図。
図9】第2の動作例を例示するシーケンス図。
図10】第3の動作例を例示するシーケンス図。
図11】停止期間一覧を例示する図。
図12】アクセス失敗リクエスト一覧を例示する図。
図13】停止中アクセス回数一覧を例示する図。
図14】停止遭遇時間一覧を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.構成
図1は、本発明の一実施形態に係るアプリケーションシステム1の構成を例示するブロック図である。図1に示すように、アプリケーションシステム1は、中継サーバ100と、アプリケーションサーバ200と、DB(データベース)300と、クライアント装置400とを有する。
【0009】
DB300には、アプリケーションサーバ200により実行される各種のアプリケーションプログラムの識別情報と、アプリケーションシステム1を管理、制御するための各種のデータが記憶される。アプリケーションサーバ200は、クライアント装置400からの要求に従ってDB300内のアプリケーションプログラムを実行し、クライアント装置400にサービスを提供する。アプリケーションサーバ200は、本実施形態において監視の対処となるサーバ装置の一例である。中継サーバ100は、クライアント装置400及びアプリケーションサーバ200間の中継を行うとともに、アプリケーションサーバ200の停止への対応を行うサーバである。さらに詳述すると、中継サーバ100は、アプリケーションサーバ200が稼働しているか停止しているか監視し、アプリケーションサ
ーバ200の稼働期間内にクライアント装置400からアプリケーションサーバ200への要求を受信した場合には、当該要求をアプリケーションサーバ200に転送し、アプリケーションサーバ200の停止期間内にクライアント装置400からアプリケーションサーバ200への要求を受信した場合には、当該要求があった日時(タイムスタンプ)をDB300に書き込む。
【0010】
図2は、中継サーバ100の構成例を示すブロック図である。この例において、中継サーバ100は、プロセッサ101と、揮発性記憶部及び不揮発性記憶部からなる記憶部102と、ネットワークを介して通信を行う機能を備えた通信部103と、液晶ディスプレイ等からなる表示部104と、キーボードやマウス等の操作子からなる操作部105とを有するコンピュータ装置である。記憶部102の不揮発性記憶部にはプロセッサ101により実行される各種のプログラムが格納されている。アプリケーションサーバ200も中継サーバ100と同様な構成を有するコンピュータ装置。クライアント装置400は、例えば汎用のコンピュータ装置であり、具体的には、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォンである。
【0011】
図1において、中継サーバ100を示すブロック内には、第1受信部111及び第2受信部112を含む通信部110と、監視部120と、転送部130と、書き込み部140と、付与部150と、変更部160と、取得部170が示されている。これらは図2のプロセッサ101が記憶部102の不揮発性記憶部内のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0012】
第1受信部111は、クライアント装置400からのアプリケーションサーバ200への要求を受信する手段である。この要求は、クライアント装置400又は当該クライアント装置400のユーザの識別情報を含む。第2受信部112は、クライアント装置400からの要求以外の各種の情報を受信する手段である。
【0013】
監視部120は、アプリケーションサーバ200が稼働しているか停止しているか監視する手段である。転送部130は、第1受信部111が要求を受信した場合においてアプリケーションサーバ200が稼働しているとき、当該要求をアプリケーションサーバ200に転送する手段である。
【0014】
書き込み部140は、第1受信部111が要求を受信した場合においてアプリケーションサーバ200が停止しているとき、当該要求があった日時と、当該要求の発生元を特定する識別情報をDB300に書き込む手段である。また、書き込み部140は、監視部120における監視の結果を用いて、アプリケーションサーバ200が停止していた時間帯をDB300に書き込む。
【0015】
付与部150は、アプリケーションサーバ200が停止しているときに要求を送信したことがDB300に記録されているクライアント装置400又は当該クライアント装置400のユーザに対し、特典を付与する手段である。ここで、付与部150は、DB300に記録されている要求の属性に応じた重みを付けて、特典を付与する。
【0016】
変更部160は、監視部120による監視処理に関する制御を行う手段である。取得部170は、変更部160が行う制御に使用される制御情報を取得する手段である。
【0017】
2.動作
図3は、本実施形態において中継サーバ100により実行される要求受信処理を示すフローチャートである。この要求受信処理は、第1受信部111がクライアント装置400からの要求を受信することにより実行される。
【0018】
中継サーバ100の第1受信部111は、クライアント装置400からの要求を受信すると、サーバ停止フラグがONか否かを判断する(ステップS101)。このサーバ停止フラグは、監視部120によって切り換えられるフラグであり、アプリケーションサーバ200が停止しているときはON、稼働しているときはOFFとなる。
【0019】
ステップS101の判断結果が「YES」、すなわち、アプリケーションサーバ200が停止している場合、中継サーバ100では、書き込み部140が、第1受信部111によって受信された要求のあった日時を要求の発生元を特定する識別情報とともにDB300に書き込む(ステップS122)。そして、中継サーバ100の通信部110は、要求の発生元であるクライアント装置400に対し、結果を返信、すなわち、要求が受け付けられなかった旨の情報を送信する(ステップS131)。これにより要求受信処理は終了となる。
【0020】
一方、ステップS101の判断結果が「NO」、すなわち、アプリケーションサーバ200が稼働している場合、中継サーバ100では、転送部130が、第1受信部111によって受信された要求をアプリケーションサーバ200に転送する(ステップS102)。そして、中継サーバ100では、第2受信部112が、要求に対する結果をアプリケーションサーバ200から受信し(ステップS103)、結果の受信に成功したか否かを判定する(ステップS111)。
【0021】
ステップS111の判断結果が「YES」である場合、中継サーバ100では、通信部110が、アプリケーションサーバ200から返信された結果を要求の送信元であるクライアント装置400に送信する(ステップS131)。これにより要求受信処理は終了となる。
【0022】
要求の転送に対して、アプリケーションサーバ200から結果が正常に返信されなかった場合、あるいは要求の送信から所定時間が経過しても結果の返信がなくタイムアウトになった場合、ステップS111の判断結果は「NO」となり、中継サーバ100では、監視部120がサーバ停止フラグをONにする(ステップS121)。
【0023】
そして、中継サーバ100では、書き込み部140が、第1受信部111によって受信された要求の送信元を特定する識別情報とともに要求のあった日時をDB300に書き込む(ステップS122)。そして、中継サーバ100の通信部110は、要求の送信元であるクライアント装置400に対し、要求が受け付けられなかった旨の情報を送信する(ステップS131)。これにより要求受信処理は終了となる。
【0024】
ステップS122の処理において、書き込み部140は、DB300内のシリアル番号-ユーザID対応テーブルを参照し、DB300内のアクセス日時記録テーブルへの書き込みを行う。
【0025】
図4は、DB300内のシリアル番号-ユーザID対応テーブルを示す図である。また、図5は、DB300内のアクセス日時記録テーブルを示す図である。
【0026】
本実施形態では、アプリケーションサーバ200のサービスを受ける全ユーザについてシリアル番号が付与され、各ユーザのシリアル番号とユーザIDとを対応付けるシリアル番号-ユーザID対応テーブルがDB300内に格納される。ステップS122の処理において、書き込み部140は、シリアル番号-ユーザID対応テーブルを参照することにより、要求の送信元であるユーザのユーザIDからシリアル番号を求め、このシリアル番号を識別情報として要求のあった日時(図5ではアクセス日時)とともにアクセス日時記
録テーブルに書き込む。
【0027】
図6は、本実施形態において中継サーバ100の監視部120により実行される監視処理を示すフローチャートである。まず、監視部120は、アプリケーションサーバ200に対して、アプリケーションサーバ200が停止中であるか稼働中であるかを確認するための死活確認要求を送信する(ステップS201)。そして、アプリケーションサーバ200から死活確認要求に対する結果を受信し(ステップS211)、アプリケーションサーバ200が稼働中か否かを判断する(ステップS212)。
【0028】
アプリケーションサーバ200が稼働中であることを示す情報が受信された場合、ステップS212の判断結果は「YES」となり、監視部120はサーバ停止フラグをOFFにする(ステップS221)。
【0029】
一方、アプリケーションサーバ200が停止中であることを示す情報が受信された場合、あるいはアプリケーションサーバ200が稼働中であることを示す情報が受信されることなく所定時間が経過してタイムアウトとなった場合、ステップS212の判断結果は「NO」となり、監視部120はサーバ停止フラグをONにする(ステップS222)。
【0030】
ステップS221又はS222が終了すると、監視部120は任意の時間待機する(ステップS331)。そして、ステップS201に戻って処理を繰り返す。
【0031】
監視部120は、以上の監視処理を繰り返すことによりサーバ停止フラグがOFFからONに変化する停止開始日時と、サーバ停止フラグがONからOFFに変化する停止終了日時を求め、停止開始日時から停止終了日時までの停止期間を示す情報をDB300内の停止期間テーブルに書き込む。
【0032】
図7は、本実施形態における停止期間テーブルを示す図である。図7に示すように、停止期間テーブルは、アプリケーションサーバ200の停止期間の各々について停止開始日時と停止終了日時の各情報を示している。
【0033】
図8は、本実施形態の第1の動作例を示すシーケンス図である。この動作例では、クライアント装置400からの要求が中継サーバ100によって受信されたとき(ステップS301)、サーバ停止フラグがOFFであったため、要求が中継サーバ100からアプリケーションサーバ200に転送される(ステップS302)。そして、アプリケーションサーバ200では要求に応じた処理が実行され、その結果が中継サーバ100に返信される(ステップS303)。そして、この処理の結果は中継サーバ100によってクライアント装置400に転送される(ステップS304)。
【0034】
図9は、本実施形態の第2の動作例を示すシーケンス図である。この動作例では、クライアント装置400からの要求が中継サーバ100によって受信されたとき(ステップS311)、サーバ停止フラグがONとなっている。このため、中継サーバ100によって、DB300に、要求のあった日時と要求の発生元の識別情報が書き込まれる(ステップS312)。そして、中継サーバ100から要求の発生元であるクライアント装置400に対し、アプリケーションサーバ200が停止中のため要求が受け付けられなかった旨の結果が返信される(ステップS313)。
【0035】
図10は、本実施形態の第3の動作例を示すシーケンス図である。この動作例では、クライアント装置400からの要求が中継サーバ100によって受信されたとき(ステップS321)、サーバ停止フラグがOFFであったため、要求が中継サーバ100からアプリケーションサーバ200に転送される(ステップS322)。しかしながら、アプリケ
ーションサーバ200が停止し、あるいは何等かの不具合が発生したため、アプリケーションサーバ200から中継サーバ100に結果が返信されない。このため、中継サーバ100では、サーバ停止フラグがONとされ(ステップS323)、DB300に、要求のあった日時と要求の発生元の識別情報が書き込まれる(ステップS324)。そして、中継サーバ100から要求の発生元であるクライアント装置400に対し、アプリケーションサーバ200が停止中のため要求が受け付けられなかった旨の結果が返信される(ステップS325)。
【0036】
次に中継サーバ100の操作部105の操作により実行される各種の処理について説明する。
【0037】
図11は、中継サーバ100の表示部104に表示されるアプリケーションサーバ200の停止期間一覧を示す図である。中継サーバ100では、停止期間の一覧表示を指示する操作部105の操作が行われると、付与部150がDB300内の停止期間記録テーブル(図7参照)を参照し、この停止期間の一覧を表示部104に表示する。図11に示すように、表示部104には、停止期間の開始日時、終了日時が表示されるとともに、当該停止期間に対応付けて「詳細を見る」の文字列を含むソフトボタン、「削除」の文字列を含むソフトボタンが表示される。
【0038】
ここで、「削除」の文字列を含むソフトボタンを指示する操作が行われると、付与部150は、当該ソフトボタンに対応した停止期間に関する情報を停止期間記録テーブルから削除する。一方、「詳細を見る」の文字列を含むソフトボタンを指示する操作が行われると、付与部150は、当該ソフトボタンに対応した停止期間に関する詳細な情報、具体的には当該停止期間内におけるアプリケーションサーバ200への要求の発生状況を示す情報を表示部104に表示する。
【0039】
図12は、本実施形態において表示部104に表示されるアクセス失敗リクエスト一覧を示す図である。これは、停止期間内におけるアプリケーションサーバ200への要求の発生状況を示す情報の第1の例である。このアクセス失敗リクエスト一覧では、「詳細を見る」のソフトボタンにより指示された停止期間内における要求の発生日時と、その要求の発生元を特定するシリアル番号とユーザIDとを含む。これらの情報は、アクセス日時記録テーブル(図5参照)に記録された当該停止期間内のアクセス日時及びシリアル番号と、シリアル番号-ユーザID対応テーブル(図4参照)において当該シリアル番号に対応付けられたユーザIDとに基づいて生成される。
【0040】
アクセス失敗リクエスト一覧において、アクセス日時の左側にはチェックボックスが設けられている。また、アクセス失敗リクエスト一覧の下方には、「特典付与」の文字列を含むソフトボタンと、「お詫びのご連絡メール送信」の文字列を含むソフトボタンが表示されている。あるアクセス日時の左側のチェックボックスがチェックされ、「特典付与」の文字列を含むソフトボタンが指示されると、付与部150は、チェックボックスのチェックされたアクセス日時におけるアクセスを行ったユーザに対し、例えばライセンスを1つ付与する、といった特典を付与する。また、あるアクセス日時の左側のチェックボックスがチェックされ、「お詫びのご連絡メール送信」の文字列を含むソフトボタンが指示されると、付与部150は、チェックボックスのチェックされたアクセス日時におけるアクセスを行ったユーザに対し、お詫びのご連絡メールを送信する。
【0041】
図13は、本実施形態において表示部104に表示される停止中アクセス回数一覧を示す図である。これは、停止期間内におけるアプリケーションサーバ200への要求の発生状況を示す情報の第2の例である。この停止中アクセス回数一覧は、「詳細を見る」のソフトボタン(図11参照)により指示された停止期間内に発生した要求をその要求の発生
元であるユーザ毎にまとめ、ユーザ毎に要求の発生回数をカウントしたものである。また、図13に示す例では、各ユーザについての停止期間内の要求発生回数を回数の多い順に並び替えている。この停止中アクセス回数一覧を生成するに当たって参照する情報は、上述したアクセス失敗リクエスト一覧の場合と同様である。
【0042】
アクセス失敗リクエスト一覧の下方には、「重み付き特典付与」の文字列を含むソフトボタンと、「上位33% 中位33% 下位34%」の文字列が表示されている。本実施形態では、「重み付き特典付与」のソフトボタンが指示されると、付与部150は、該当する停止期間内に要求を送信したユーザを、アクセス回数が上位33%以内に該当するグループと、中位33%以内に該当するグループと、下位34%以内に該当するグループとに分け、グループ毎に異なる重み付けがされた特典を付与する。このように付与部150は、DB300に記憶されたユーザの属性、具体的には停止期間内の要求発生回数に応じて重みを付けて特典を付与する。この場合、特典は、ライセンス数の増加の他、ライセンス期間の延長、サービスにおいて使用可能な容量増加、費用割引、クーポン配布等であってもよい。ユーザの属性に応じて特典に重みを付けるのは、ユーザに対し、被った不利益に応じた特典を与えるためでる。
【0043】
図14は、本実施形態において表示部104に表示される停止遭遇時間一覧を示す図である。これは、停止期間内におけるアプリケーションサーバ200への要求の発生状況を示す情報の第3の例である。この停止遭遇時間一覧は、「詳細を見る」のソフトボタン(図11参照)により指示された停止期間内に発生した要求をその要求の発生元であるユーザ毎にまとめ、当該ユーザが最初にアクセスを行った停止中初回アクセス日時から最後にアクセスを行った停止中最終アクセス日時までの経過時間を停止遭遇時間として計測したものである。また、図14に示す例では、各ユーザについての停止期間内の停止遭遇時間を時間の長い順に並び替えている。この停止遭遇時間一覧を生成するに当たって参照する情報は、上述したアクセス失敗リクエスト一覧の場合と同様である。
【0044】
停止遭遇時間一覧の下方には、上述したアクセス失敗リクエスト一覧(図13参照)と同様、「重み付き特典付与」の文字列を含むソフトボタンと、「上位33% 中位33%
下位34%」の文字列が表示されている。これらの表示の意味するところは、上述したアクセス失敗リクエスト一覧と同様である。このように付与部150は、DB300に記憶されたユーザの属性、具体的には停止期間内の停止遭遇時間に応じて重みを付けて特典を付与する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、中継サーバ100は、クライアント装置400からの要求を受信した場合においてアプリケーションサーバ200が稼働しているときは、当該要求をアプリケーションサーバ200に転送し、要求を受信した場合においてアプリケーションサーバ200が停止しているときは、当該要求があった日時をDB300に書き込むので、クライアント装置400の機能によらず、アプリケーションサーバ200停止時にアクセスを行ったクライアント装置400を特定することができる。また、本実施形態によれば、中継サーバ100、アプリケーションサーバ200が停止していた時間帯をDB300に書き込むので、アプリケーションサーバ200停止時にアクセスを行ったクライアント装置400を容易に特定することができる。また、本実施形態によれば、クライアント装置400からの要求は、ユーザの識別情報を含み、書き込み部140は、前記要求と共に前記識別情報を前記データベースに書き込むので、アプリケーションサーバ200にアクセスを行ったクライアント装置400を正確に特定することができる。また、本実施形態によれば、中継サーバ100は、アプリケーションサーバ200が停止しているときに要求を送信したクライアント装置400又は当該クライアント装置のユーザに対し、特典を付与するので、クライアント装置400のユーザからの信頼を高めることができる。また、本実施形態によれば、中継サーバ100は、DB300に記録され
ている要求の属性に応じた重みを付けて、特典を付与するので、要求の属性に応じた適切な特典を付与することができる。
【0046】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例を説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0047】
(1)中継サーバ100は、クライアント装置400がアプリケーションサーバ200に要求を送信するために実行するアプリケーションプログラムのバージョンに応じて対応を変えてもよい。この例において、DB300は、アプリケーションサーバ200に要求を送信するアプリケーションプログラムが要求を再送信する機能の有無を示す情報を、そのアプリケーションプログラムの識別情報と対応付けて格納する。これらの情報は、例えばアプリケーションプログラムの提供事業者によりあらかじめ提供される。また、クライアント装置400は、上述した要求として、アプリケーションプログラムの識別情報を含む要求を送信する。中継サーバ100の書き込み部140は、第1受信部111が要求を受信した場合において当該要求を送信したアプリケーションプログラムが要求を再送信する機能を有することがDB300に記録されているときは、アプリケーションサーバ200が停止していても、要求があった日時をDB300に書き込まない。この態様によれば、要求の再送機能がなく、アプリケーションサーバ200の停止により要求の機会を失ったクライアント装置400のみに範囲を絞って、要求日時をDB300に書き込む。従って、DB300を小さくすることができる。
【0048】
(2)アプリケーションサーバ200が停止状態か稼働状態かを中継サーバ100が確認する方法は実施形態において例示した方法に限定されない。例えば、中継サーバ100からアプリケーションサーバ200に対し問い合わせを送信することに代えて、又は加えて、アプリケーションサーバ200が、停止状態から稼働状態に変わった場合にその旨の通知を中継サーバ100に送信してもよい。中継サーバ100の第2受信部112は、この通知を受信して、監視部120に引き渡し、監視部120がサーバ停止フラグをOFFにする。この態様によれば、アプリケーションサーバ200の復旧に迅速に対応することができる。
【0049】
(3)変更部160は、アプリケーションサーバ200が稼働しているか停止しているか監視をする頻度を変更してもよい。具体的には、変更部160は、DB300内のアクセス日時記録テーブル(図5参照)と停止期間記録テーブル(図7参照)を参照することにより、アプリケーションサーバ200の停止期間内にあった要求の数又は頻度が基準より多いか否かを判断し、基準より多い場合に監視の頻度を増加させる。この態様によれば、アプリケーションサーバ200に関する監視負担を適正に制御することができる。また、変更部160は、アプリケーションサーバ200の停止期間内の要求の数又は頻度が基準より多い場合、監視の頻度を増加させ、停止期間の測定精度を高めるので、アプリケーションサーバ200の停止期間に要求を送信したにも関わらず、その旨の特定がされないクライアント装置400、あるいはアプリケーションサーバ200の稼働期間に要求を送信したにも関わらず、停止期間に要求を送信した旨の特定がされるクライアント装置400が発生する確率を低くすることができる。
【0050】
(4)監視部120は、処理が軽い第1手法による監視、及び第1手法より処理が重い第2手法による監視を含む複数の監視手法を実行可能であってもよい。この場合において、変更部160が、監視部120における監視手法を変更するようにしてもよい。具体的には、変更部160は、監視の頻度を増加させるときは、監視の手法として第1手法を用いる。処理が軽い第1手法としては、例えばアプリケーションサーバ200とのコネクショ
ン確立が成功するかどうか確認する手法が考えられる。この処理に要する時間は例えば0.1秒程度である。第1手法より処理が重い第2手法としては、中継サーバ100からアプリケーションサーバ200にダミーの処理データを送信し、正しい結果が返ってくるかどうか確認する手法が考えられる。この処理に要する時間は例えば10秒程度である。この態様によれば、アプリケーションサーバ200についての監視負担を適正に制御することができる。
【0051】
(5)アプリケーションサーバ200が停止する予定の時間帯があらかじめ分かっている場合、変更部160は、復旧予定時刻が近づいたらアプリケーションサーバ200の監視の頻度を増加させてもよい。この場合、取得部170は、アプリケーションサーバ200が停止する予定の時間帯を示す情報を取得する。変更部160は、この情報により示される復旧時刻までの時間がしきい値を下回った場合、アプリケーションサーバ200の監視の頻度を増加させる。この態様によれば、アプリケーションサーバ200の復旧時刻までの時間がしきい値を下回った場合、アプリケーションサーバ200に関する監視の頻度を増加させるので、上記と同様、アプリケーションサーバ200の停止期間に要求を送信したにも関わらず、その旨の特定がされないクライアント装置400、あるいはアプリケーションサーバ200の稼働期間に要求を送信したにも関わらず、停止期間に要求を送信した旨の特定がされるクライアント装置400が発生する確率を低くすることができる。
【0052】
(6)アプリケーションシステム1における機能要素とハードウェア要素との対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、複数のコンピュータ装置からなる装置群が全体として中継サーバ100としての機能を有していてもよい。
【0053】
(7)実施形態において示したUI画面、及び各種の情報はあくまで例示である。例えば、実施形態で示した画面のうち、一部のUI要素は省略されてもよい。また、プロセッサ101等により実行されるプログラムは、CD-ROM等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、ネットワーク上のサーバ装置に記憶された状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…アプリケーションシステム、100…中継サーバ、200…アプリケーションサーバ、300…DB、400…クライアント装置、110…通信部、111…第1受信部、112…第2受信部、120…監視部、130…転送部、140…書き込み部、150…付与部、160…変更部、170…取得部、101…プロセッサ、102…記憶部、103…通信部、104…表示部、105…操作部。
図1
図2
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