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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】車両前部のランプ装置構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20220531BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20220531BHJP
   B60Q 1/34 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
B60Q1/00 E
B60Q1/04 A
B60Q1/34 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018135827
(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020011637
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 真
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-104120(JP,A)
【文献】特開2008-230604(JP,A)
【文献】特開2014-008875(JP,A)
【文献】特開平07-320502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00-1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前面に設けられる第1のランプ装置と、前記第1のランプ装置に対して上下方向に並んで設けられる第2のランプ装置と、
前記第2のランプ装置のハウジングの後面に設けられ、光源となるバルブが挿通されるバルブ装着孔と、
前記第1のランプ装置のハウジングに設けられ、前記第2のランプ装置の車両後方に位置し前記バルブ装着孔に向かい延在し前記バルブを前記バルブ装着孔に導くガイドと、
を備えることを特徴とする車両前部のランプ装置構造。
【請求項2】
前記第1のランプ装置のハウジングは、前記第2のランプ装置に向かい延び、前記第1のランプ装置のハウジングを車体骨格部材に取り付けるための脚部を有し、
前記ガイドは、前記脚部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の車両前部のランプ装置構造。
【請求項3】
前記ガイドは、車幅方向において前記車体骨格部材に対して前記バルブ装着孔側に位置し、前記脚部が取付けられる前記車体骨格部材の前記バルブ装着孔側の端部を車幅方向において覆うように設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の車両前部のランプ装置構造。
【請求項4】
前記脚部は、前記車体骨格部材の車両前方に位置する基部と、
前記基部の前記バルブ装着孔側端部から車両後方に延びる内側面部と、
前記内側面部の後端から車両前方に延びる外側面部と、を有し、
前記ガイドは、前記外側面部で構成される
ことを特徴とする請求項3記載の車両前部のランプ装置構造。
【請求項5】
前記ガイドは、車両前後方向に延在する溝部を有し、
前記溝部の前端は、前記バルブ装着孔の車両後方に位置する
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の車両前部のランプ装置構造。
【請求項6】
前記溝部の幅は、車両前方に至るほど小さく形成されている
ことを特徴とする請求項5記載の車両前部のランプ装置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両前部のランプ装置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前面の車幅方向両側には、ヘッドランプ装置、ターンランプ装置、フォグランプ装置、ポジションランプ装置、デイタイムランニングランプ装置などの様々なランプ装置が設けられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-132185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のランプ装置のバルブの交換作業は、エンジンルーム(車両前部空間)を介して行なわれることが多い。
エンジンルームには種々の部品、部材が配置されていることから、バルブの交換作業にあたっては、ランプ装置に設けられた、バルブを装着するバルブ装着孔が容易に目視できず、また、ランプ装置の周囲の種々の部品、部材と手が干渉することから交換作業を簡単に行なうことが難しく改善が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、バルブの交換作業を簡単かつ確実に行なえると共に、構成の簡素化、部品コストの低減を図る上で有利な車両前部のランプ装置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車両の前面に設けられる第1のランプ装置と、前記第1のランプ装置に対して上下方向に並んで設けられる第2のランプ装置と、
前記第2のランプ装置のハウジングの後面に設けられ、光源となるバルブが挿通されるバルブ装着孔と、前記第1のランプ装置のハウジングに設けられ、前記第2のランプ装置の車両後方に位置し前記バルブ装着孔に向かい延在し前記バルブを前記バルブ装着孔に導くガイドとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ランプ装置のハウジングにバルブをバルブ装着孔に導くガイドを設けたので、バルブを取り付ける箇所が容易に目視できない状態であっても、あるいは、ランプ装置の周囲の種々の部品、部材と手が干渉しやすい状態であっても、バルブの交換作業を簡単かつ確実に行なう上で有利となる。
また、ランプ装置のハウジングを利用してガイドを設けるので、部品点数が増えることがなく、構成の簡素化、部品コストの低減を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態の車両前部のランプ装置構造が適用された車両の正面図である。
図2】車両前部の左側の構造を示す斜視図であり、ヘッドランプ装置およびターンランプ装置が取り付けられていない状態を示す。
図3】車両前部の左側の構造を車両前方から見た斜視図であり、ヘッドランプ装置が取り付けられ、ターンランプ装置が取り付けられていない状態を示す。
図4】車両前部の左側の構造を車両前方から見た斜視図であり、ヘッドランプ装置およびターンランプ装置が取り付けられている状態を示す。
図5】ヘッドランプ装置を車両前方から見た斜視図である。
図6】ヘッドランプ装置を車両前方の下方から見た斜視図である。
図7】脚部を車両前方から見た斜視図である。
図8】車両前部のランプ装置構造の水平断面図であり、(A)はターンランプがハウジングのターンランプ装着孔に装着される前の状態を示し、(B)はターンランプがハウジングのターンランプ装着孔に装着された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
以下の図面において符号UPは車両上方を示し、符号FRは車両前方を示し、符号INは車幅方向内側を示し、符号OUTは車幅方向外側を示す。
また、車両の左右は、車両の後方から前方を見ていうものとする。
図1に示すように、車両10の前面は、車幅方向に延在するバンパーカバー12と、車幅方向の中央でバンパーカバー12の上方に配置されたフロントグリル14とを含んで構成されている。
バンパーカバー12は、左右のサイドメンバ16(図2参照)の前端に連結された不図示のバンパービームに取着されバンパービームの前方を覆っている。
フロントグリル14は、バンパーカバー12の上部と車体フレームを構成する部材に取着されている。
【0009】
図2に示すように、車両10の前部で車幅方向の両側部には、車両骨格部材として、左右のサイドメンバ16と、左右のヘッドランプサポート18と、不図示の左右のアッパーフレームと、左右のアッパーバーサイド20と、左右のフェンダーシールド22と、左右のアッパーバーリンフォース24とが位置している。
左右のサイドメンバ16は、車幅方向に間隔をおいて車両10の前後方向に延在している。
左右のヘッドランプサポート18は、左右のサイドメンバ16の前端からそれぞれ上下方向に立設されている。
左右の不図示のアッパーフレームは、左右のサイドメンバ16の前部の上方で車両10の前後方向に延在している。
左右のアッパーバーサイド20は、左右のヘッドランプサポート18の上部と左右のアッパーフレームの前端とをそれぞれ連結している。
左右のフェンダーシールド22は、タイヤハウスの一部を構成するものであり、左右のサイドメンバ16に取着されている。
左右のアッパーバーリンフォース24は、アッパーバーサイド20の延在方向の中間部とフェンダーシールド22とを連結している。
【0010】
図1に示すように、フロントグリル14の車幅方向の両側に、上から順に、ヘッドランプ装置26、ターンランプ装置28が上方から下方に並べられて配置されている。
車両10の前面の後方と不図示のダッシュパネルの前方との間は、何れも不図示のエンジンやラジエータ(熱交換器)、あるいは、駆動用モータやインバータなどが収納される車両前部空間Sとなっており、車両前部空間Sはフード34により開閉され、図1において符号32はフロントウィンドシールド、符号36はサイドミラーを、符号38は前輪を示している。
【0011】
図4図8(B)に示すように、本実施の形態の車両前部のランプ装置構造40はヘッドランプ装置26とターンランプ装置28に適用されている。本実施の形態では、ヘッドランプ装置26が請求項の第1のランプ装置に対応し、ターンランプ装置28が請求項の第2のランプ装置に対応する。
図8(B)に示すように、ターンランプ装置28は、ターンランプ42と、ターンランプ42を支持し収容するハウジング44と、ハウジング44の開口に装着されるアウターレンズ46とを含んで構成されている。
ターンランプ42は、バルブ4202(光源)と、バルブ4202を差し込んで取り付けるソケット4204とを備えている。
図4に示すように、ハウジング44には、複数の脚部4401が突設され、それら脚部4401の先部が、不図示のボルト、ボルト挿通孔を介してバンパーカバー12(図1参照)に取り付けられることで車体に支持されている。
図8(A)、(B)に示すように、ハウジング44には、ターンランプ42のバルブ4202が挿通されて装着されるバルブ装着孔4402が設けられている。
バルブ装着孔4402は、ハウジング44に形成された貫通孔4402Aと、貫通孔4402Aの内周に設けられた孔側環状壁4402Bと、孔側環状壁4402Bの周方向に間隔をおいて形成された不図示の複数の切欠きとを含んで構成されている。
ソケット4204の外周には、上記複数の切欠きに対応して設けられた複数の爪部4204Aと、それら爪部4204Aを挟んでバルブ4202と反対側の箇所で環状に延在するソケット側環状壁4204Bとが設けられている。
ターンランプ42は、車両後方からバルブ4202をバルブ装着孔4402に挿通させ、ソケット4204の爪部4204Aを切欠きを挿通させたのち、ソケット4204を回転させることで爪部4204Aとソケット側環状壁4204Bとの間に孔側環状壁4402Bを挟持することでハウジング44に結合され、ハウジング44に支持されている。
【0012】
図5図6に示すように、ヘッドランプ装置26は、不図示のヘッドランプと、ヘッドランプを支持し収容するハウジング48と、ハウジング48の開口に装着されるアウターレンズ50とを含んで構成されている。
ハウジング48は、ヘッドランプサポート18で支持されると共に、ハウジング48から突設された複数の脚部が車体に取り付けられることで支持されている。
図3図5図6に示すように、複数の脚部のうちの1つの脚部52は、ハウジング48の車幅方向外側の端部の下面から下方、すなわちターンランプ装置28に向かい延在しており、図8(A)に示すように、バルブ装着孔4402の車幅方向内側に位置するハウジング44の箇所の車両後方に位置している。
図2図3に示すように、脚部52の下端は、上下方向に延在するアッパーバーリンフォース24の取り付け孔2402にボルトBを介して取着されている。
【0013】
アッパーバーリンフォース24は車両前部空間S内で車体骨格部材を構成する部材の一つであり、図8(A)に示すように、平面視した場合にその断面が車両前方に凸のU字状で車幅方向に延在する鋼製の板材で形成され、幅方向の中間部で車両前方に変位した箇所に位置し取り付け孔2402(図2参照)が形成された前面部2404と、前面部2404の両側から車両後方に延在する車幅方向内側の側面部2406と、車幅方向外側の側面部2408とを有し、それら側面部2406、2408の幅方向の両端はエッジ2410,2412となっている。
【0014】
さらに、脚部52には、図7図8(B)に示すように、前面部2404の前方で前面部2404に取付けられる基部5200と、基部5200のバルブ装着孔4402側の端部、本実施形態では車幅方向外側の端部から車両後方に延在する内側面部5202と、内側面部5202の車幅方向外側の端部から車両前方に延在する外側面部5204とを有し、外側面部5204が、バルブ4202をバルブ装着孔4402に導くガイド54を構成している。
なお、バルブ4202をバルブ装着孔4402に導くとは、バルブ4202をガイド54に沿わせて移動させることでバルブ4202がバルブ装着孔4402近傍に到達することだけではなく、バルブ4202を持った作業者の手をガイド54に沿わせて移動させることでバルブ4202がバルブ装着孔4402近傍に到達することも含む。
ガイド54は、車幅方向において車体骨格部材(アッパーバーリンフォース24)に対してバルブ装着孔4402側に位置している。
内側面部5202は車幅方向外側の側面部2408のエッジ2412の車幅方向外側でエッジ2412に近接した箇所に位置し、内側面部5202の後端5202Aは、バルブ装着孔4402よりも車幅方向内側のハウジング44の車両後方の箇所でエッジ2412よりも車両後方に位置している。
外側面部5204は、内側面部5202の後端5202Aから車両前方かつ車幅方向外側に傾斜しながら延在しており、前端がバルブ装着孔4402の車両後方に位置している。すなわち、外側面部5204は、車幅方向において(車幅方向外側から見て)エッジ2412を覆うように設けられている。
また、言い換えると、外側面部5204は、ターンランプ装置28(第2のランプ装置)の車両後方に位置し、バルブ装着孔4402に向かい延在している。
バルブ4202を外側面部5204に沿って移動させることにより、車幅方向においてバルブ4202とバルブ装着孔4402との位置が合う。また、外側面部5204には、車両上下方向においてバルブ4202とバルブ装着孔4402との位置を合わせるための溝部5206が設けられている。
溝部5206は、外側面部5204の一部に形成された車両前後方向に延在する車幅方向内側へ窪んだ湾曲面5206Aで構成され、溝部5206の上下方向の幅は、車両前方に至るほど小さく形成されている。
具体的には、溝部5206の前端側の幅をバルブ4202のソケット側環状壁4204Bと同程度、後端側の幅をバルブ4202のソケット側環状壁4204Bよりも大きく形成している。
なお、図中、符号5208はボルトBが挿通されるボルト挿通孔を示す。
【0015】
次に、ターンランプ42のバルブ4202を交換する場合について説明する。
まず、車両10のフード34を開放し、上方から車両前部空間S内に手を挿入する。
この際、ターンランプ装置28の上方にはヘッドランプ装置26が位置しており、また、ターンランプ装置28の周囲に様々な部材や部品が位置しているため、ターンランプ装置28の周囲は狭いスペースとなっている。
そこで、ターンランプ装置28の車両後方からターンランプ装置28に手を近づけてソケット4204を把持したならば、ソケット4204を回転させ、ソケット4204とハウジング44の結合を解除し、バルブ装着孔4402からバルブ4202を取り出し、ターンランプ42を車両前部空間Sの上方まで移動させる。
次いで、ソケット4204から古いバルブ4202を引き抜き、新たなバルブ4202をソケット4204に差し込む。
新たなバルブ4202が装着されたソケット4204をバルブ装着孔4402の後方の箇所まで移動させ、バルブ4202をバルブ装着孔4402に向け、ターンランプ42を車両前方へ移動させる。
この際、脚部52の存在を指で確認しつつ、ソケット4204のソケット側環状壁4204Bを溝部5206に当接させることで、ソケット4204の上下方向、車幅方向の位置が溝部5206によって位置決めされる。
この状態で、ソケット4204を溝部5206に沿ってバルブ装着孔4402に向けて移動させることで、バルブ4202をバルブ装着孔4402に挿入する。
バルブ4202がバルブ装着孔4402に挿入されたならば、ソケット4204をバルブ装着孔4402の周囲の箇所に押し当てながら回転させることで、ソケット4204の爪部4204Aをバルブ装着孔4402の切欠きに合致させ、さらにソケット4204をバルブ装着孔4402に向けて移動させ、ソケット4204の爪部4204Aをバルブ装着孔4402の切欠きに挿入する。
次いで、ソケット4204を回転させることで爪部4204Aとソケット側環状壁4204Bとの間に孔側環状壁4402Bを挟持することでソケット4204がハウジング44に結合され、これにより、ターンランプ42がハウジング44に支持される。
以上でターンランプ42のバルブ4202の交換作業が終了する。
【0016】
本実施の形態では、ターンランプ装置28のハウジング44に、ターンランプ装置28のバルブ4202を挿通させるバルブ装着孔4402が設けられ、ヘッドランプ装置26のハウジング48に、バルブ4202をバルブ装着孔4402に導くガイド54(外側面部5204)が設けられているので、車両前部空間Sに手を挿入してバルブ交換を行なう際、バルブ4202を取り付ける箇所が容易に目視できない状態であっても、また、車両前部空間Sに存在するターンランプ装置28の周囲の種々の部品、部材と手が干渉しやすい状態であっても、バルブ4202の交換作業を簡単かつ確実に行なう上で有利となる。
また、ヘッドランプ装置26のハウジング48を利用してガイド54を設けるので、部品点数が増えることがなく、構成の簡素化、部品コストの低減を図る上で有利となる。
【0017】
また、本実施の形態では、ヘッドランプ装置26のハウジング48に設けられた取り付け用の脚部52を利用してガイド54を設けたので、ハウジング48の形状を大きく変えることなく、ガイド54を設けることができ、既存のヘッドランプ装置26の設計を大きく変更することなくガイド54を追加することができ、設計の効率化を図る上で有利となる。
【0018】
また、本実施の形態では、脚部52がアッパーバーリンフォース24に取り付けられ、脚部52に設けられたガイド54は車両前後方向に延在し、ガイド54は、車幅方向においてアッパーバーリンフォース24に対してバルブ装着孔4402側に位置し、車両後方に位置するガイド54の後端(内側面部5202の後端5202A)は、アッパーバーリンフォース24のバルブ装着孔4402側の端部よりも車両後方に位置している。
アッパーバーリンフォース24などの車体骨格部材は、鋼製の板材で形成されていることが多く、板材端部がエッジとなっていることが多い。
本実施形態によれば、バルブ4202の交換作業に際して作業者の手指がガイド54の近傍に位置した場合に、手指とエッジ2412との間にガイド54の後端が介在するため、手指がエッジ2412に直接触れることがない。
そのため、作業時に手指がエッジ2412に接触しないように注意を払って慎重に作業をする必要がなく、バルブ交換時の作業効率の向上を図る上で有利となる。
【0019】
また、本実施の形態では、脚部52を、基部5200と、基部5200のバルブ装着孔4402側の端部から車両後方に延びる内側面部5202と、内側面部5202の後端5202Aから車両前方に延びる外側面部5204とで形成し、外側面部5204をガイド54としている。
したがって、基部5200、内側面部5202、外側面部5204の境界で上下に延びる稜線が形成されるので、脚部52をガイド54とするための形状を利用しつつ、脚部52の剛性を向上させることができる。
【0020】
また、本実施の形態では、ガイド54の湾曲面5206Aの幅は、車両前方に至るほど小さく形成されている、すなわち車両後方側の湾曲面5206Aの幅を大きくしているので、作業者が湾曲面5206Aの位置を認識し易くするとともに、湾曲面5206Aでガイドされるバルブ4202がバルブ装着孔4402に到達し易くなり、バルブ交換時の作業効率の向上を図る上で有利となる。
【0021】
なお、本実施の形態では、車両10の前面の車幅方向両側にそれぞれ上下に並べられて設けられた2つのランプ装置が、ヘッドランプ装置26およびターンランプ装置28である場合について説明した。
しかしながら2つのランプ装置は、車両10の前面の車幅方向両側にそれぞれ上下に並べられて設けられていればよく、本発明は、例えば、フォグランプ装置、ポジションランプ装置、デイタイムランニングランプ装置(昼間点灯用ランプ装置)など従来公知の様々なランプ装置にも適用可能である。
また、溝部5206の形状を湾曲面5206Aとしたが、溝部5206の形状は特に限定しない。
【符号の説明】
【0022】
10 車両
24 アッパーバーリンフォース(車体骨格部材)
2412 エッジ
26 ヘッドランプ装置(第1のランプ装置)
28 ターンランプ装置(第2のランプ装置)
40 車両前部のランプ装置構造
4202 バルブ(光源)
44 ハウジング
4402 バルブ装着孔
48 ハウジング
52 脚部
5200 基部
5202 内側面部
5202A 後端
5204 外側面部
5206 溝部
5206A 湾曲面
54 ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8