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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】回路基板構成体
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20220531BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20220531BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
H02M3/28 Y
H05K1/02 F
H05K7/20 F
H05K7/20 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018242334
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020108192
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 知行
(72)【発明者】
【氏名】堀田 祐希
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-90523(JP,A)
【文献】特開2016-86494(JP,A)
【文献】特開平7-86717(JP,A)
【文献】特開2018-125515(JP,A)
【文献】特開2010-205992(JP,A)
【文献】特開2008-41910(JP,A)
【文献】特開2006-128265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H05K 1/02,7/20
H01L 23/36,25/07,25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンクと、
前記ヒートシンク上に配置された基板と、
前記基板に搭載され、前記ヒートシンクと熱的に結合された接続金属体と、
前記基板に搭載された板状の巻線と、
前記基板に搭載されたスイッチング素子と、
を備え、
前記接続金属体は、前記基板に形成された貫通孔内に挿通される柱部と、前記柱部の下部から外方に延びる鍔部とを有し、
前記板状の巻線は、端部が前記接続金属体の柱部の上面とはんだ接続され、
前記スイッチング素子の電極は、前記接続金属体の柱部の上面とはんだ接続されてなることを特徴とする回路基板構成体。
【請求項2】
前記接続金属体の柱部の上面に、複数の前記板状の巻線の端部が接近してはんだ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板構成体。
【請求項3】
前記接続金属体は、前記柱部が二対の対向する辺を有する多角形をなし、前記対向する辺に前記鍔部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板構成体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示のスイッチング電源装置においては、トランスの二次側コイル導体の端部及びスイッチング素子の端子がプリント基板の接続用配線パターンに設けられた貫通孔に挿入され、半田付によって実装されている。また、二次側コイル導体の端部の半田材とスイッチング素子の端子の半田材とが、接続用配線パターン上で一体に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-93926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、巻線とスイッチング素子を導体パターンで接続する場合には、大きなスペースが必要となる。また、巻線及びスイッチング素子は作動に伴い発熱するので、そのための対策が必要となる。
【0005】
本発明の目的は、省スペース化を図るとともに放熱性に優れた回路基板構成体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決する回路基板構成体は、ヒートシンクと、前記ヒートシンク上に配置された基板と、前記基板に搭載され、前記ヒートシンクと熱的に結合された接続金属体と、前記基板に搭載された板状の巻線と、前記基板に搭載されたスイッチング素子と、を備え、前記接続金属体は、前記基板に形成された貫通孔内に挿通される柱部と、前記柱部の下部から外方に延びる鍔部とを有し、前記板状の巻線は、端部が前記接続金属体の柱部の上面とはんだ接続され、前記スイッチング素子の電極は、前記接続金属体の柱部の上面とはんだ接続されてなることを要旨とする。
【0007】
これによれば、接続金属体の柱部が基板の貫通孔内に挿通され、鍔部が柱部の下部から外方に延びている。巻線の端部が接続金属体の柱部の上面とはんだ接続されているとともにスイッチング素子の電極が接続金属体の柱部の上面とはんだ接続されている。また、接続金属体はヒートシンクと熱的に結合されているので、板状の巻線及びスイッチング素子で発生する熱は接続金属体を介してヒートシンクに逃がすことができる。よって、巻線とスイッチング素子を導体パターンで接続する場合に比べて、省スペース化を図るとともに放熱性に優れたものとなる。
【0008】
また、回路基板構成体において、前記接続金属体の柱部の上面に、複数の前記板状の巻線の端部が接近してはんだ接続されているとよい。
また、回路基板構成体において、前記接続金属体は、前記柱部が二対の対向する辺を有する多角形をなし、前記対向する辺に前記鍔部を有するとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、省スペース化を図るとともに放熱性に優れたものにできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】絶縁型DC-DCコンバータの電気的構成を示す回路図。
図2】(a)は実施形態における回路基板構成体の平面図、(b)は(a)のA-A線での断面図、(c)は(a)のB-B線での断面図。
図3図2(a)のC-C線での断面図。
図4】(a)は基板を表面側から見た図、(b)は基板を正面側から見た図、(c)は基板を側面側から見た図。
図5】基板を裏面側から見た図。
図6】(a)は接続金属体の周辺での平面図、(b)は接続金属体の周辺での正面図。
図7】(a)は別例の接続金属体の周辺での平面図、(b)は接続金属体の周辺での側面図。
図8】別例の接続金属体の周辺での平面図。
図9】別例の接続金属体の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、絶縁型DC-DCコンバータに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態では、回路基板構成体は絶縁型DC-DCコンバータに適用している。
図1に示すように、絶縁型DC-DCコンバータ10は、フォワード形DC-DCコンバータであって、トランス11を備えている。トランス11は一次側コイル11aと二次側コイル11bを備えている。絶縁型DC-DCコンバータ10は自動車用であり、車両に搭載される。絶縁型DC-DCコンバータ10は、トランス11の一次側の入力電圧Vinを降圧してトランス11の二次側に出力する。例えば、300ボルトを入力して12ボルトに降圧して出力する。
【0012】
トランス11の一次側コイル11aには一次電流I1として15Aが流れるとともに二次側コイル11bには二次電流I2として80Aが流れる。つまり、トランス11の一次側の電圧がトランス11の二次側の電圧より大きい場合、トランス11の二次側に流れる電流はトランス11の一次側に流れる電流より大きな電流になる。
【0013】
一次側コイル11aの一方の端子は入力端子と接続され、入力端子はバッテリ12の正極端子と接続される。一次側コイル11aの他方の端子は一次側スイッチング素子14を介して接地されている。一次側スイッチング素子14としてパワーMOSFETが用いられている。
【0014】
入力端子とトランス11の一次側コイル11aとの間には平滑コンデンサ13の正極が接続され、平滑コンデンサ13の負極は接地されている。平滑コンデンサ13には電解コンデンサが使用される。平滑コンデンサ13によりトランス11の一次側電圧が平滑される。
【0015】
トランス11の二次側コイル11bには、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17よりなる整流回路が接続されている。第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17は、スイッチング素子であり、いずれも縦型MOSトランジスタであり、下面に電極としてのドレイン電極を有する。
【0016】
第1同期整流素子16は、トランス11の二次側のグランドにソース電極が接続され、トランス11の二次側コイル11bの一方端にドレイン電極が接続される。
第2同期整流素子17は、第1同期整流素子16のソース電極にソース電極が接続され、トランス11の二次側コイル11bの他方端にドレイン電極が接続される。
【0017】
さらに、コンデンサ19が第2同期整流素子17に並列接続されている。直列接続されたコイル18a,18bが、トランス11の二次側コイル11bとコンデンサ19との間に設けられている。また、コンデンサ21がコンデンサ19に並列接続されている。コイル20が、コンデンサ19とコンデンサ21との間に設けられている。
【0018】
一次側スイッチング素子14のゲート端子に制御IC15が接続されている。また、第1同期整流素子16のゲート電極及び第2同期整流素子17のゲート電極には制御IC15が接続されている。
【0019】
制御IC15から一次側スイッチング素子14のゲート電極にパルス信号が出力され、このパルス信号により一次側スイッチング素子14がスイッチングされる。一次側スイッチング素子14がオンしているときに一次側の電源からエネルギーを二次側へ供給する。一次側スイッチング素子14がオフしているときにコイル18a,18b,20に溜め込んだエネルギーを出力へ放出する。詳しくは、直流電圧が平滑コンデンサ13を通してトランス11の一次側コイル11aに供給され、制御IC15により、一次側スイッチング素子14がオン/オフ制御され、このオン/オフ動作における、一次側スイッチング素子14のオン期間において一次側コイル11aに一次電流が流れ、トランス11の起電力で二次電流が流れる。一次側スイッチング素子14がオフしているときにコイル18a,18b,20の電流がコイル18a,18b,20の逆起電力で第2同期整流素子17経由で出力に流れる。第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17は制御IC15によりオン/オフ制御される。
【0020】
制御IC15には検出回路22が接続され、検出回路22により出力電圧Voutが検出される。検出回路22による出力電圧Voutの測定結果が制御IC15に送られる。制御IC15は検出回路22による出力電圧Voutの測定結果をフィードバック信号として出力電圧Voutが所望の一定値となるように一次側スイッチング素子14のデューティを制御する。
【0021】
絶縁型DC-DCコンバータ10の駆動に伴いスイッチング損失や導通損失により同期整流素子16,17、トランス11の二次側コイル11b、コイル18a等が発熱する。
以下、トランス11、コイル18a、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17についての具体的構造を、図2(a)、図2(b)、図2(c)、図3図4(a)、図4(b)、図4(c)、図5図6(a)、図6(b)を用いて説明する。
【0022】
なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
トランス11、コイル18a、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17は、図2(a)、図2(b)、図2(c)、図3に示すように、回路基板構成体30によって構成されている。
【0023】
図2(a)、図2(b)、図2(c)に示すように、回路基板構成体30は、ヒートシンク40と、基板50と、第1接続金属体60及び第2接続金属体61と、板状の第1巻線70と、板状の第2巻線71と、線状の巻線72と、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17を備える。板状の第1巻線70は、図1のトランス11の二次側コイル11bを構成する。板状の第2巻線71は、図1のコイル18aを構成する。線状の巻線72は、図1のトランス11の一次側コイル11aを構成する。
【0024】
また、回路基板構成体30は、EI型コア90とEI型コア95を備える。
基板50は、ヒートシンク40上に配置される。第1接続金属体60及び第2接続金属体61は、基板50に搭載されている。板状の第1巻線70及び第2巻線71は、基板50に搭載されている。第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17は、基板50に搭載されている。
【0025】
ヒートシンク40は板状のアルミ材よりなり、水平方向に配置されている。
図4(a),(b),(c)に示すように、板状の第1巻線70及び第2巻線71は、基板50の表面(上面)に配置されている。板状の第1巻線70は、金属板よりなり、ターン数が「1」である。板状の第2巻線71は、金属板よりなり、ターン数が「1」である。
【0026】
図5に示すように、線状の巻線72は、基板50の裏面(下面)に配置されている。線状の巻線72は、金属の線材よりなり、ターン数が「2」以上である。なお、図5では線状の巻線72のターン数は図示の容易性を考慮してターン数「2」で表している。
【0027】
図2(a),(b),(c)に示すように、ヒートシンク40に基板50が固定されている。基板50の上面に、ターン数「1」の板状の第1巻線70及びターン数「1」の板状の第2巻線71が搭載されている。本実施形態では、板状の第1巻線70及び第2巻線71は、銅の平板である。
【0028】
図4(a)に示すように、基板50には貫通孔50a,50b,50cが並んで形成されている。また、基板50には貫通孔50d,50e,50fが並んで形成されている。
図2(a),(b),(c)に示すように、EI型コア90は、E型コア91とI型コア92よりなる。I型コア92がヒートシンク40の上面に開口する凹部40aに挿入されている。E型コア91とI型コア92との間に基板50が位置している。E型コア91の3つの脚部91a,91b,91cが基板50の貫通孔50a,50b,50cを貫通してI型コア92と当接している。脚部91bの周りに板状の第1巻線70が延びている。また、脚部91bの周りに線状の巻線72が延びている。
【0029】
EI型コア95は、E型コア96とI型コア97よりなる。I型コア97がヒートシンク40の上面に開口する凹部40bに挿入されている。E型コア96とI型コア97との間に基板50が位置している。E型コア96の3つの脚部96a,96b,96cが基板50の貫通孔50d,50e,50fを貫通してI型コア97と当接している。脚部96bの周りに板状の第2巻線71が延びている。
【0030】
図3に示すように、基板50は、多層基板よりなり、絶縁層51a,51b,51cと、導体パターン52a,52b,52c,52dと、基板表面を覆うレジスト53a,53bを有する。基板50は、裏面レジスト53b、裏面配線層としての導体パターン52d、絶縁層51a,51b,51c及び導体パターン52b,52cよりなる基材、表面配線層としての導体パターン52a、表面レジスト53aが積層されている。
【0031】
図6(a),(b)に示すように、第1接続金属体60及び第2接続金属体61は、銅等の金属部材よりなる。第1接続金属体60及び第2接続金属体61は、それぞれ、基板50に形成された貫通孔55(図3参照)内に挿通される柱部65と、柱部65の下部から外方に延びる鍔部66とを有する。貫通孔55は柱部65より若干大きくなっている。
【0032】
第1接続金属体60及び第2接続金属体61は同じ形状をなしている。図6(a)に示すように、第1接続金属体60及び第2接続金属体61の柱部65は、平面視において多角形(図6(a)では長方形)をなし、対向する長辺S1,S2及び対向する短辺S3,S4を有する。柱部65における対向する短辺S3,S4から鍔部66が外方に突出している。このように、柱部65が二対の対向する辺S1,S2及びS3,S4を有する多角形をなし、対向する辺S3,S4に鍔部66を有する。
【0033】
図3図4(a),(b),(c)に示すように、板状の第1巻線70は、一端部70aが第1接続金属体60の柱部65の上面とはんだ接続されている。詳しくは、図3において一端部70aは、はんだ105で柱部65の上面と接合されている。図4(a)に示すように、第1巻線70の端部70aは、X方向に延び、柱部65の上面の左側にはんだ接続されている。
【0034】
同様に、板状の第1巻線70は、他端部70bが第2接続金属体61の柱部65の上面とはんだ接続されている。詳しくは、図6(b)に示すように他端部70bは、はんだ106で柱部65の上面と接合されている。また、板状の第2巻線71は、一端部71aが第2接続金属体61の柱部65の上面とはんだ接続されている。図4(a)に示すように、第1巻線70の端部70b及び第2巻線71の端部71aは、X方向に延び、Y方向に接近した状態で柱部65の上面の左側にはんだ接続されている。つまり、柱部65の上面において巻線70,71の端部70b,71aが接近してはんだ接続されている。板状の第2巻線71の他端部71bは基板50の導体パターンとはんだ接続されている。
【0035】
図3図4(a),(b),(c)に示すように、第1同期整流素子16の下面のドレイン電極16aは、第1接続金属体60の柱部65の上面と、はんだ接続されている。詳しくは、図3においてドレイン電極16aは、はんだ107で柱部65の上面と接合されている。図4(a)に示すように、第1同期整流素子16は、柱部65の上面の右側にはんだ接続されている。これにより、第1同期整流素子16のドレイン電極16aと第1巻線70とが第1接続金属体60を介して電気的に接続されている。
【0036】
同様に、図6(a),(b)に示すように、第2同期整流素子17の下面のドレイン電極17aは、第2接続金属体61の柱部65の上面と、はんだ接続されている。詳しくは、ドレイン電極17aは、はんだ108で柱部65の上面と接合されている。図4(a)に示すように、第2同期整流素子17は、柱部65の上面の右側にはんだ接続されている。これにより、第2同期整流素子17のドレイン電極17aと第1巻線70及び第2巻線71とが第2接続金属体61を介して電気的に接続されている。
【0037】
第1接続金属体60における鍔部66は、基板50の裏面配線層としての導体パターン52dと、はんだ接続されている。同様に、第2接続金属体61における鍔部66は、裏面配線層としての導体パターン52dと、はんだ接続されている。
【0038】
図6(a),(b)に示すように、第2同期整流素子17におけるソース端子80及びゲート端子81は、柱部65の長辺S1側において基板50の表面配線層としての導体パターン52aとはんだ接続されている。同様に、第1同期整流素子16におけるソース端子80及びゲート端子81は、柱部65の長辺S1側において基板50の表面配線層としての導体パターン52aとはんだ接続されている。
【0039】
第1接続金属体60及び第2接続金属体61の下面は、図3に示すように、絶縁性放熱シート100を介してヒートシンク40と熱的に結合されている。
次に、作用について説明する。
【0040】
第1接続金属体60及び第2接続金属体61の柱部65が基板50の貫通孔55内に挿通され、鍔部66が柱部65の下部から外方に延びている。第1巻線70及び第2巻線71の端部70a,70b,71aが第1接続金属体60及び第2接続金属体61の柱部65の上面とはんだ接続されているとともに第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17のドレイン電極16a,17aが第1接続金属体60及び第2接続金属体61の柱部65の上面とはんだ接続されている。
【0041】
よって、第1巻線70及び第2巻線71と第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17を導体パターンで接続する場合に比べて、省スペース化が図られる。
また、図3に示すように、板状の第1巻線70及び第2巻線71で発生する熱Q1は第1接続金属体60及び第2接続金属体61を介してヒートシンク40に逃がされる。つまり、板状の第1巻線70及び第2巻線71で発生する熱Q1は第1接続金属体60及び第2接続金属体61を介してヒートシンク40で放熱される。また、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17で発生する熱Q2は第1接続金属体60及び第2接続金属体61を介してヒートシンク40に逃がされる。つまり、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17で発生する熱Q2は第1接続金属体60及び第2接続金属体61を介してヒートシンク40で放熱される。よって、放熱性に優れる。
【0042】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)回路基板構成体30の構成として、ヒートシンク40と、ヒートシンク40上に配置された基板50と、基板50に搭載され、ヒートシンク40と熱的に結合された接続金属体60,61と、基板50に搭載された板状の巻線70,71と、基板50に搭載されたスイッチング素子としての同期整流素子16,17と、を備える。接続金属体60,61は、基板50に形成された貫通孔55内に挿通される柱部65と、柱部65の下部から外方に延びる鍔部66とを有する。板状の巻線70,71は、端部70a,70b,71aが接続金属体60,61の柱部65の上面とはんだ接続されている。スイッチング素子の電極としての同期整流素子16,17のドレイン電極16a,17aは、接続金属体60,61の柱部65の上面とはんだ接続されている。よって、巻線70,71と同期整流素子16,17を導体パターンで接続する場合に比べて、省スペース化を図るとともに放熱性に優れたものとなる。
【0043】
(2)接続金属体61の柱部65の上面に、複数の板状の巻線70,71の端部70b,71aが接近してはんだ接続されている。よって、接続金属体61の柱部65の上面において、板状の巻線70,71の端部70b,71aが同期整流素子を挟んではんだ接続されている場合に比べ省スペース化を図ることができる。
【0044】
(3)接続金属体60,61は、柱部65が二対の対向する辺S1,S2及びS3,S4を有する多角形をなし、対向する辺S3,S4に鍔部66を有する。よって、柱部65の全周にわたり鍔部を形成する場合に比べ、プレスにより鍔部を成形する際に製造が容易となる。
【0045】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
図6(a),(b)に代わり図7(a)及び図7(b)に示すように構成してもよい。図7(a)及び図7(b)において、第1接続金属体60及び第2接続金属体61の柱部65は、平面視において多角形(図7(a)では長方形)をなし、対向する長辺S1,S2及び対向する短辺S3,S4を有する。柱部65における対向する長辺S1,S2から鍔部67が外方に突出している。このように、柱部65が二対の対向する辺S1,S2及びS3,S4を有する多角形をなし、対向する辺S1,S2に鍔部67を有する構成としてもよい。
【0046】
なお、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17におけるソース端子80及びゲート端子81は、柱部65の短辺S4側において基板50の導体パターンとはんだ接続されている。
【0047】
図6(a),(b)に代わり図8に示すように構成してもよい。図8において、板状の第1巻線70の端部と板状の第2巻線71の端部とが連続するように一体に繋がる構成にし、この連続する部位(一体化された部位)110が第2接続金属体61の柱部65の上面とはんだ接続されている構成としてもよい。
【0048】
図6(a),(b)に代わり図9に示すように構成してもよい。図9において、第1接続金属体60及び第2接続金属体61の柱部65は、平面視において面取り面S10,S11,S12,S13を有する形状としてもよく、対向する辺S3,S4に鍔部68を有する構成としてもよい。あるいは、対向する辺S1,S2に鍔部を有する構成とする。
【0049】
○ 同期整流素子16,17としてMOSトランジスタを用いたが、バイポーラトランジスタやIGBT等を用いてもよく、この場合にはコレクタ電極を接続金属体の柱部の上面とはんだ接続する。
【0050】
○ 回路基板構成体30は、第1接続金属体60及び第2接続金属体61と、板状の第1巻線70及び板状の第2巻線71と、第1同期整流素子16及び第2同期整流素子17を備えていたが、これに限るものではない。接続金属体は、1つでも3つ以上でもよい。板状の巻線は、1つでも3つ以上でもよい。スイッチング素子としての同期整流素子は、1つでも3つ以上でもよい。
【0051】
○ 基板50は多層基板を用いたが多層基板でなくてもよい。
○ 柱部65が挿通される基板50の貫通孔はスルーホールであってもよい。
○ 接続金属体の柱部の形状は正方形でもよい。
【0052】
○ 回路基板構成体は絶縁型DC-DCコンバータに具体化したがこれに限るものではなく、他の電力変換装置等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0053】
16…第1同期整流素子、16a…ドレイン電極、17…第2同期整流素子、17a…ドレイン電極、30…回路基板構成体、40…ヒートシンク、50…基板、55…貫通孔、60…第1接続金属体、61…第2接続金属体、65…柱部、66…鍔部、67…鍔部、68…鍔部、70…板状の第1巻線、71…板状の第2巻線、70a,70b,71a…端部、S1,S2,S3,S4…辺。
図1
図2
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図5
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図7
図8
図9