(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】パレット及び表示システム
(51)【国際特許分類】
B65D 19/28 20060101AFI20220531BHJP
B65D 19/38 20060101ALI20220531BHJP
B66F 9/075 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
B65D19/28 Z
B65D19/38 Z
B66F9/075 J
(21)【出願番号】P 2019003354
(22)【出願日】2019-01-11
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大橋 孝治
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-252969(JP,A)
【文献】特開2005-328620(JP,A)
【文献】特開2007-290817(JP,A)
【文献】特開2005-096894(JP,A)
【文献】特開2006-248745(JP,A)
【文献】特開2019-026474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/28
B66F 9/075
B65D 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークリフトのフォークによって支持され、荷とともに搬送されるパレットであって、
前記荷が積載されるパレット本体と、
前記パレット本体に搭載された撮影ユニットと、
前記撮影ユニットに電力を供給する電源線と、を備え、
前記撮影ユニットは、
少なくとも前記フォークリフトの前方を撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影された映像データを、当該映像データによる映像が表示される表示部に伝送する伝送部と、を備え、
前記伝送部によって前記映像データを伝送することで、前記フォークリフトの搭乗者が前記フォークリフトの前方を向いた状態で視認可能な位置に配置された前記表示部に前記カメラによって撮影されている映像を表示するパレット。
【請求項2】
前記電源線に接続される充電池を備え、
前記伝送部は、前記映像データを無線信号として前記フォークリフトに搭載された受信装置に送信する請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記撮影ユニットは、
前記パレット本体に生じる振動を検出する振動センサを備え、
前記撮影ユニットは、
前記振動センサによって前記パレット本体の振動が検出されると、動作モードよりも消費電力の少ない待機モードから前記動作モードに遷移する請求項2に記載のパレット。
【請求項4】
前記カメラは、異なる方向を向いて複数配置され、
前記撮影ユニットは、
ヨーレートを検出するヨーレートセンサを備える請求項2又は請求項3に記載のパレット。
【請求項5】
前記撮影ユニットは、
前記充電池の電圧が閾値未満になったことを検出する低電圧検出部を備え、
前記伝送部は、前記充電池の電圧が閾値未満である旨の情報を前記受信装置に送信可能である請求項2~請求項4のうちいずれか一項に記載のパレット。
【請求項6】
前記撮影ユニットは、
現在時刻を検出するリアルタイムクロックを備え、
前記伝送部は、前記映像データに前記現在時刻を対応付けて送信を行う請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載のパレット。
【請求項7】
フォークリフトと、
前記フォークリフトのフォークによって支持され、荷とともに搬送されるパレットと、を備えた表示システムであって、
前記表示システムは、
電力源を備え、
前記フォークリフトは、
前記フォークリフトの搭乗者が前記フォークリフトの前方を向いた状態で視認可能な位置に配置された表示部を備え、
前記パレットは、
前記荷が積載されるパレット本体と、
前記パレット本体に搭載された撮影ユニットと、
前記電力源と前記撮影ユニットとを接続しており、前記撮影ユニットに電力を供給する電源線と、を備え、
前記撮影ユニットは、
少なくとも前記フォークリフトの前方を撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影された映像データを、当該映像データによる映像が表示される表示部に伝送する伝送部と、を備え、
前記伝送部によって前記映像データを伝送することで、前記表示部に前記カメラによって撮影されている映像を表示する表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトは、荷が積載されるパレットをフォークによって支持し、搬送を行う。フォークは、フォークリフトの前方に位置している。従って、パレットに積載した荷の高さによっては、フォークリフトの搭乗者の視界が荷によって狭くなる。
【0003】
特許文献1に記載のフォークリフトは、フォークリフトの先端に配置されたカメラと、カメラによって撮影された映像が表示される表示部と、を備える。表示部は、運転席の前方に配置されている。フォークリフトの搭乗者は、表示部に表示された映像を見ながらフォークリフトの操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、フォークに支持されたパレットの位置によって、カメラの撮影範囲にパレットの一部が入り込むおそれがあり、カメラの撮影範囲が実質的に狭くなる。従って、表示部に表示される映像は、パレットに対するフォークの位置に依存しており、パレットに対するフォークの位置によってはフォークリフトの前方を十分に表示できない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、パレットに対するフォークの位置に依存せずに、フォークリフトの前方を表示部に表示させることができるパレット及び表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するパレットは、フォークリフトのフォークによって支持され、荷とともに搬送されるパレットであって、前記荷が積載されるパレット本体と、前記パレット本体に搭載された撮影ユニットと、前記撮影ユニットに電力を供給する電源線と、を備え、前記撮影ユニットは、少なくとも前記フォークリフトの前方を撮影するカメラと、前記カメラによって撮影された映像データを、当該映像データによる映像が表示される表示部に伝送する伝送部と、を備え、前記伝送部によって前記映像データを伝送することで、前記フォークリフトの搭乗者が前記フォークリフトの前方を向いた状態で視認可能な位置に配置された前記表示部に前記カメラによって撮影されている映像を表示する。
【0008】
これによれば、パレットに搭載されたカメラによって撮影された映像が表示部に表示される。パレットにカメラを設けることで、撮影範囲内に荷が写りこまないようにカメラを配置することができる。また、パレットにカメラを設けることで、カメラの位置はパレットに対するフォークの位置によって変動しない。従って、パレットに対するフォークの位置に依存せずに、フォークリフトの前方を表示部に表示させることができる。これにより、搭乗者が荷より前方を確認しながらフォークリフトの操作を行うことができる。
【0009】
上記パレットについて、前記電源線に接続される充電池を備え、前記伝送部は、前記映像データを無線信号として前記フォークリフトに搭載された受信装置に送信する。これによれば、パレットに設けられた伝送部と、表示部とを有線接続することなく映像データの送信を行うことができる。従って、パレットやフォークリフトの構成が複雑化しにくい。
【0010】
上記パレットについて、前記撮影ユニットは、前記パレット本体に生じる振動を検出する振動センサを備え、前記撮影ユニットは、前記振動センサによって前記パレット本体の振動が検出されると、動作モードよりも消費電力の少ない待機モードから前記動作モードに遷移してもよい。
【0011】
フォークリフトによってパレットが搬送される場合、パレット本体に振動が加わる。振動センサが、この振動を検出すると、撮影ユニットは待機モードから動作モードに遷移する。撮影ユニットは、振動センサによって振動が検出されるまでは待機モードとされるため、電力の消費を抑えることができる。
【0012】
上記パレットについて、前記カメラは、異なる方向を向いて複数配置され、前記撮影ユニットは、ヨーレートを検出するヨーレートセンサを備えていてもよい。
上記パレットについて、前記撮影ユニットは、前記充電池の電圧が閾値未満になったことを検出する低電圧検出部を備え、前記伝送部は、前記充電池の電圧が閾値未満である旨の情報を前記受信装置に送信可能である。
【0013】
上記パレットについて、前記撮影ユニットは、現在時刻を検出するリアルタイムクロックを備え、前記伝送部は、前記映像データに前記現在時刻を対応付けて送信を行ってもよい。
【0014】
上記課題を解決する表示システムは、フォークリフトと、前記フォークリフトのフォークによって支持され、荷とともに搬送されるパレットと、を備えた表示システムであって、前記表示システムは、電力源を備え、前記フォークリフトは、前記フォークリフトの搭乗者が前記フォークリフトの前方を向いた状態で視認可能な位置に配置された表示部を備え、前記パレットは、前記荷が積載されるパレット本体と、前記パレット本体に搭載された撮影ユニットと、前記電力源と前記撮影ユニットとを接続しており、前記撮影ユニットに電力を供給する電源線と、を備え、前記撮影ユニットは、少なくとも前記フォークリフトの前方を撮影するカメラと、前記カメラによって撮影された映像データを、当該映像データによる映像が表示される表示部に伝送する伝送部と、を備え、前記伝送部によって前記映像データを伝送することで、前記表示部に前記カメラによって撮影されている映像を表示する。これによれば、パレットに対するフォークの位置に依存せずに、フォークリフトの前方を表示部に表示させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、パレットに対するフォークの位置に依存せずに、フォークリフトの前方を表示部に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図7】表示部とCPUを有線接続する場合のパレット及びフォークリフトの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、パレット及び表示システムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、表示システムDSは、フォークリフト10と、パレット30と、を備える。図示は省略するが、フォークリフト10及びパレット30は、それぞれ複数設けられている。
【0018】
フォークリフト10は、車体11と、荷役装置12と、バッテリ13と、を備える。荷役装置12は、マスト14と、フォーク15と、を備える。バッテリ13は、フォークリフト10を走行させるためのモータや、荷役装置12を動作させるためのモータの電力源である。フォークリフト10は、フォーク15によってパレット30を支持し、パレット30に積載された荷Wとともにパレット30を搬送する。
【0019】
フォークリフト10は、表示ユニット16を備える。表示ユニット16は、表示部17と、車両側通信モジュール18と、受信制御部21と、を備える。車両側通信モジュール18は、車両側接続通信部19と、車両側映像通信部20と、を備える。車両側接続通信部19は、Bluetooth(登録商標)規格の無線信号を受信し、受信した信号を電気信号に復調する。車両側接続通信部19は、電気信号をBluetooth規格の無線信号に変調し、変調した無線信号を送信する。図示は省略するが、車両側接続通信部19は、無線信号のRSSI値を検出する検出回路を備える。RSSI値とは、無線信号の受信強度=RSSI:Received Signal Strength Indicationを示す値である。車両側映像通信部20は、IEEE802.11規格(Wi-Fi規格)の無線信号を受信し、受信した信号を電気信号に復調する。復調された電気信号は、受信制御部21に出力される。
【0020】
受信制御部21は、例えば、CPU、RAM、ROMなどによって構成されたマイクロコンピュータである。受信制御部21は、車両側通信モジュール18を用いた情報の送受信や、表示部17の表示を制御する。
【0021】
表示部17は、フォークリフト10の搭乗者Mがフォークリフト10の前方を向いた状態で視認可能な位置に配置されているディスプレイである。表示部17は、フォーク15よりも後方に配置されている。表示部17には、車両側映像通信部20で受信した無線信号の復調により得られた映像データが反映される。表示部17は、例えば、ヘッドガードを含む車体11に設置される。
【0022】
図2及び
図3に示すように、パレット30は、パレット本体31と、パレット本体31に搭載された撮影ユニット40と、充電池60と、電源線61と、金属接点62と、充電線63と、を備える。パレット本体31は、長方形状の載置部32と、載置部32の四隅に設けられた支持部35と、支持板36と、を備える。本実施形態の載置部32は、複数の板を並べて配置することで構成されている。支持部35は、載置部32の両面のうち荷Wが置かれる載置面33の裏面34に固定されている。支持板36は、隣り合う支持部35同士に重ねて設けられており、隣り合う支持部35同士の間で延びている。各支持部35同士の間は、フォーク15が差し込まれる差込口37である。差込口37は、載置部32の四辺に沿って4箇所に設けられている。従って、パレット本体31は、四方差し型の平パレットであるといえる。
【0023】
撮影ユニット40は、各支持部35同士の間に設けられている。言い換えれば、撮影ユニット40は4つの差込口37に1つずつ設けられている。撮影ユニット40は、載置部32の裏面34に固定されている。撮影ユニット40は、載置部32の縁に沿って配置されている。
【0024】
充電池60は、載置部32の裏面34に固定されている。充電池60と撮影ユニット40は電源線61によって接続されている。充電池60は撮影ユニット40の電力源となる。撮影ユニット40は、充電池60の電力によって動作する。
【0025】
各金属接点62は、パレット本体31の四隅に設けられている。金属接点62は、パレット本体31を貫通している。金属接点62は、パレット本体31のうち荷Wが置かれる載置面33と、床面に接する接地面38に露出している。詳細にいえば、金属接点62のうち載置面33に露出する面は載置面33と面一であり、金属接点62のうち接地面38に露出する面は接地面38に面一である。充電線63は、各金属接点62と充電池60とを接続している。
【0026】
図4に示すように、撮影ユニット40は、CPU41と、振動センサ42と、リアルタイムクロック43と、低電圧検出部44と、ヨーレートセンサ45と、カメラ46と、荷側通信モジュール47と、を備える。
【0027】
CPU41は、各種のソフトウェアを実行することにより、撮影ユニット40の動作を制御するマイクロコンピュータである。CPU41は、例えば、ROM、RAM、入出力制御回路、A/Dコンバータ等を含む。CPU41の電源端子Vccには、充電池60の正極が接続されている。CPU41のグランド端子GNDはグランド接続されている。
【0028】
振動センサ42は、パレット30に加わる振動を検出する。振動センサ42は、CPU41の割り込み端子Intに接続されている。振動センサ42は、振動を検出すると検出信号をCPU41に出力する。
【0029】
リアルタイムクロック43は、現在時刻をCPU41に出力する。リアルタイムクロック43は、CPUのクロック端子CLKに接続されている。リアルタイムクロック43は、クロック信号をCPU41に出力する。
【0030】
低電圧検出部44は、充電池60の電圧が閾値未満になったことを検出するために設けられている。低電圧検出部44は、例えば、充電池60の電圧である電源電圧を分圧して、CPU41のアナログ/デジタル変換入力端子A/Dに入力する分圧抵抗である。CPU41は、分圧された電源電圧から充電池60の電圧が閾値未満になったことを検出する。アナログ/デジタル変換入力端子A/Dは、A/Dコンバータに接続される端子である。閾値としては、例えば、充電池60の電圧が撮影ユニット40を動作させるのに必要となる電圧より低くなる前に、充電池60の充電を搭乗者Mに促すことができる値に設定される。
【0031】
ヨーレートセンサ45は、ヨーレートをCPU41に出力する。ヨーレートセンサ45は、アナログ/デジタル変換入力端子A/Dに接続されている。
カメラ46は、撮影した映像データをデジタルデータとしてCPU41に出力するものであり、例えば、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサを用いたものである。撮影ユニット40は、カメラ46の撮影範囲がパレット本体31の外部を向くように配置されている。4つのカメラ46は、パレット本体31から四方を撮影するように配置されている。
【0032】
4つの差込口37のいずれかにフォーク15が差し込まれると、フォーク15が差し込まれた差込口37の反対側の差込口37に設けられたカメラ46は、フォークリフト10の前方を向く。このように、各差込口37にフォーク15が差し込まれた際に、フォーク15が差し込まれる方向を向くようにカメラ46を配置することで、カメラ46はフォークリフト10の前方を撮影することができる。なお、「カメラ46がフォークリフト10の前方を撮影する」とは、カメラ46の光軸がフォークリフト10の前方に延びている態様に限られず、カメラ46の撮影範囲にフォークリフト10の前方が含まれていればよい。
【0033】
本実施形態では、4つの差込口37のいずれかにフォーク15が差し込まれると、4つのカメラ46のうちいずれかがフォークリフト10の右方を向き、4つのカメラ46のうちいずれかがフォークリフト10の左方を向く。従って、カメラ46は、フォークリフト10の前方に加えて、フォークリフト10の左右方向を撮影可能に配置されている。
【0034】
カメラ46は、水平画角と垂直画角で定まる撮影範囲内にパレット本体31が写り込まないように配置されている。特に、カメラ46の垂直画角内に載置部32が写り込まないようにすることで、撮影範囲が実質的に制限されないようにカメラ46は配置されている。カメラ46は、CPU41の入出力ポートI/Oに接続されている。
【0035】
荷側通信モジュール47は、カメラ46によって撮影された映像データを車両側通信モジュール18に送信するためのものである。荷側通信モジュール47は、CPU41の入出力ポートI/Oに接続されている。荷側通信モジュール47は、荷側接続通信部48と、荷側映像通信部49と、を備える。荷側接続通信部48は、Bluetooth規格の無線信号を受信し、受信した信号を電気信号に復調する。荷側接続通信部48は、電気信号をBluetooth規格の無線信号に変調し、変調した無線信号を送信する。図示は省略するが、荷側接続通信部48は、無線信号のRSSI値を検出する検出回路を備える。荷側映像通信部49は、電気信号をIEEE802.11規格(Wi-Fi規格)の無線信号に変調し、変調した無線信号を送信する。
【0036】
荷側通信モジュール47と車両側通信モジュール18は、予めペアリングに必要となる情報を登録し合っている。ペアリングとは、荷側通信モジュール47と車両側通信モジュール18とで互いにデータの送受信を行えるように接続を行うことである。言い換えれば、特定の荷側通信モジュール47と特定の車両側通信モジュール18との紐付けを行うことで、紐付けが行われた機器から送信された無線信号のみを受信するようにすることである。これにより、車両側通信モジュール18は、ペアリングされた荷側通信モジュール47から送信された無線信号のみを受信可能になる。フォークリフト10及びパレット30が用いられる作業場では、当該作業場で使用されるフォークリフト10に搭載された車両側通信モジュール18と、パレット30に搭載された荷側通信モジュール47とが接続可能な状態にされている。
【0037】
撮影ユニット40には、外部記憶媒体50を装着可能である。外部記憶媒体50としては、CPU41によるデータの書き換えが可能であり、撮影ユニット40から取り外し可能な媒体が用いられる。外部記憶媒体50としては、例えば、フラッシュメモリや、EEPROMなどの読み込み及び書き込みが可能な記憶媒体が用いられる。
【0038】
次に、表示部17にカメラ46によって撮影されている映像を表示するためのシーケンスについて説明する。
図5に示すように、ステップS1において、振動センサ42が振動を検出し、検出信号をCPU41に出力すると、ステップS2において、CPU41は撮影ユニット40を待機モードから動作モードに遷移させる。待機モードとは、電力の消費を抑えることを目的として撮影ユニット40の機能を制限するモードであり、例えば、カメラ46による撮影などを行わないモードである。動作モードとは、表示部17にカメラ46によって撮影されている映像を表示するためのモードであり、撮影ユニット40を構成する各部材を動作させるモードである。待機モードは、動作モードに比べて消費電力が少ない。CPU41は、振動センサ42によってパレット本体31の振動が検出されるまで撮影ユニット40を待機モードにすることで、電力の消費を抑えている。
【0039】
パレット30を搬送する際には、フォークリフト10のフォーク15がパレット30に差し込まれ、パレット30がフォーク15に支持される。パレット30がフォーク15に支持されると、フォーク15の上下動やフォークリフト10の移動に伴いパレット30に振動が加わる。従って、振動センサ42からの検出信号がCPU41に入力される場合、パレット30がフォーク15によって支持されているといえる。
【0040】
次に、ステップS3において、荷側通信モジュール47は、車両側通信モジュール18とのペアリングを行う。ペアリングは、車両側通信モジュール18から送信されている接続要求信号を受信することで行われる。接続要求信号は、フォークリフト10に搭載された車両側通信モジュール18の車両側接続通信部19から送信されている。接続要求信号は、荷側通信モジュール47の荷側接続通信部48で受信される。
【0041】
荷側接続通信部48は、接続要求信号を受信すると、接続要求信号のRSSI値を検出する。RSSI値は、車両側接続通信部19と荷側接続通信部48の離間距離が短いほど大きくなる。従って、接続要求信号のRSSI値は、車両側接続通信部19と荷側接続通信部48との離間距離を表しているといえる。荷側接続通信部48は、RSSI値が閾値以上の接続要求信号を受信すると、当該接続要求信号を送信した車両側接続通信部19とペアリングを行う。RSSI値の閾値としては、フォーク15にパレット30を支持したときの車両側接続通信部19と荷側接続通信部48との離間距離を考慮して設定される。閾値は、フォークリフト10の車両側接続通信部19と、当該フォークリフト10に支持されたパレット30の荷側接続通信部48とのペアリングが行われ、かつ、フォークリフト10の車両側接続通信部19と、当該フォークリフト10に支持されていないパレット30の荷側接続通信部48とのペアリングが行われない離間距離に設定される。即ち、フォーク15に支持されたパレット30の荷側接続通信部48とペアリングが行われるように閾値は設定されている。閾値としては、例えば、車両側接続通信部19と荷側接続通信部48との離間距離が1[m]のときのRSSI値が用いられる。なお、RSSI値から車両側接続通信部19と荷側接続通信部48との離間距離を算出し、離間距離に応じてペアリングを行うか否かを判定してもよい。この場合も、RSSI値を用いる場合と同様に、フォーク15に支持されたパレット30の荷側接続通信部48とペアリングが行われるように離間距離に閾値を設定する。
【0042】
ステップS4において、車両側通信モジュール18と荷側通信モジュール47との接続が確立すると、荷側通信モジュール47と車両側通信モジュール18との通信が開始される。
【0043】
ステップS5において、荷側接続通信部48は、車両側接続通信部19から車両側映像通信部20のIPアドレスを取得する。これにより、荷側映像通信部49と車両側映像通信部20との通信が可能になる。
【0044】
ステップS6において、CPU41は、各カメラ46から取得した映像データ、リアルタイムクロック43から取得した現在時刻、及びヨーレートセンサ45から取得したヨーレートのデータを示す電気信号を荷側映像通信部49に出力する。リアルタイムクロック43から取得した現在時刻は、映像の撮影時刻を表しているといえる。荷側映像通信部49は、電気信号を無線信号にし、車両側映像通信部20に送信する。これにより、映像データが表示部17に伝送される。荷側通信モジュール47は、映像データを伝送する伝送部として機能する。車両側通信モジュール18は、無線信号を受信する受信装置として機能する。また、CPU41は、外部記憶媒体50に映像データとリアルタイムクロック43から取得した現在時刻とを対応付けて記憶する。即ち、外部記憶媒体50には、カメラ46によって撮影された映像と、当該映像の撮影時刻とが記憶される。
【0045】
ステップS7において、受信制御部21は、ヨーレートから表示部17に表示する映像データを選択する。まず、受信制御部21は、車両側映像通信部20によって復調された電気信号から、映像データ、撮影時刻及びヨーレートを取得する。
【0046】
本実施形態のように、フォーク15を四方から差し込むことができるパレット30では、4つのカメラ46のうちのいずれがフォークリフト10の前方を向いているかを判断する必要がある。前方を向いたカメラ46は、フォークリフト10の車体11から最も離間したカメラ46といえる。
【0047】
受信制御部21は、ヨーレートから、いずれのカメラ46がフォークリフト10の前方を向いた状態でパレット30が搬送されているかを把握することができる。即ち、4つのカメラ46による映像データのうち、いずれがフォークリフト10の前方を撮影したデータであるかをヨーレートから把握することができる。また、受信制御部21は、ヨーレートからフォークリフト10の進行方向を認識する。受信制御部21は、フォークリフト10が前進している場合、フォークリフト10の前方を撮影しているカメラ46の映像データを表示部17に出力し、フォークリフト10の前方を表示部17に表示する。受信制御部21は、フォークリフト10が右折している場合、右方を撮影しているカメラ46の映像データを表示部17に出力し、フォークリフト10の右方を表示部17に表示する。受信制御部21は、フォークリフト10が左折している場合、左方を撮影しているカメラ46の映像データを表示部17に出力し、フォークリフト10の左方を表示部17に表示する。受信制御部21は、フォークリフト10が後進している場合、表示部17に映像を表示してもよいし、表示しなくてもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、4つのカメラ46の映像データを車両側通信モジュール18に送信し、受信制御部21によって表示部17に表示する映像を選択させるようにしたが、CPU41は4つの映像データのうちいずれかの映像データを送信するようにしてもよい。CPU41は、ヨーレートからフォークリフト10の進行方向に対応するカメラ46の映像データを選択し、この映像データのみを車両側通信モジュール18に送信する。即ち、4つのカメラ46のうちのいずれの映像を表示部17に表示するかは、フォークリフト10側で選択されてもよいし、パレット30側で選択されてもよい。
【0049】
ステップS8において、受信制御部21から映像データが出力されると、表示部17には映像データによる映像が表示される。搭乗者Mは、表示部17を見ながらフォークリフト10の操作を行うことができる。
【0050】
ステップS9において、フォークリフト10が荷Wを積載したパレット30を搬送先に載置し、フォークリフト10がパレット30から離れると、ステップS10において車両側接続通信部19と荷側接続通信部48の接続(ペアリング)が解除される。ステップS11において、CPU41は接続が解除されると、動作モードから待機モードに撮影ユニット40を遷移させる。以上の処理によって、フォークリフト10がパレット30を搬送する際には、表示部17にカメラ46によって撮影されている映像が映ることになる。
【0051】
次に、充電池60の充電を行う場合について説明する。
充電池60の残容量と充電池60の電圧とは相関関係がある。充電池60の残容量が低くなると、低電圧検出部44によって充電池60の電圧が閾値未満になったことが検出される。充電池60の電圧が閾値未満になると、荷側通信モジュール47は充電池60の電圧が閾値未満である旨の情報を送信する。この情報は、荷側接続通信部48から送信される無線信号に含まれていてもよいし、荷側映像通信部49から送信される無線信号に含まれていてもよい。受信制御部21は、充電池60の電圧が閾値未満であることを認識すると、充電池60の残容量が少ない旨の表示を表示部17に行う。これにより、フォークリフト10の搭乗者Mに充電池60の充電を促す。
【0052】
図6に示すように、パレット30の充電池60を充電する際には、充電台70にパレット30が重ねて置かれる。重ねられたパレット30同士の金属接点62は接触し、電気的に接続される。重ねられたパレット30のうち最も下方のパレット30は、充電台70の給電部71,72に接触する。
【0053】
給電部71,72には、系統電源から供給された電力を電力変換した後の電力が供給されている。給電部71,72から金属接点62に電力が供給されることで、充電池60は充電される。なお、各金属接点62は、正極及び負極の両極性の接点であってもよいし、正極及び負極のうちのいずれかの接点であってもよい。例えば、4つの金属接点62のうち2つを正極用とし、残りの2つを負極用としてもよい。この際、パレット本体31の四隅に位置する金属接点62のうち対角同士を同一の極性用の接点とすることで、長辺同士を揃えて重ねるパレット30であれば、パレット30を重ねたときにパレット30の向きに関わらず同一極性用の金属接点62同士が接触する。
【0054】
各金属接点62のそれぞれを正極及び負極の両極性の接点とする場合、金属接点62の中心部と、中心部よりも外側の外周部とを別々の極性にするなど、金属接点62を2つに分割し、かつ、両者を絶縁する。これにより、パレット30を重ねたときにパレット30の向きに関わらず同一極性の部分同士が接触する。
【0055】
本実施形態の作用について説明する。
図1に示すように、フォークリフト10によって荷Wが積載されたパレット30を搬送する場合、荷Wによって搭乗者Mの視界が狭くなる場合がある。本実施形態では、パレット30に搭載されたカメラ46によって撮影された映像が表示部17に表示される。搭乗者Mは、表示部17を見ながらフォークリフト10を操作することで、荷Wよりも前方を視認しながらフォークリフト10の操作を行うことができる。
【0056】
パレット30にカメラ46を設けることで、撮影範囲内に荷Wが写り込まないようにカメラ46を配置することができる。また、パレット30にカメラ46を設けることで、カメラ46の位置はパレット30に対するフォーク15の位置によって変動しない。このため、フォーク15がパレット30よりも前方に突出するか否か、荷Wの形状、荷Wの高さに関わらずカメラ46はフォークリフト10の前方を撮影することができる。詳細にいえば、カメラ46をフォーク15の先端に設けた場合には、フォーク15がパレット30よりも前方に突出しないと垂直画角にパレット本体31が写り込み、撮影範囲が実質的に制限されるおそれがある。また、マスト14の上方など荷役装置12の上方にカメラ46を配置することも考えられる。しかしながら、この場合、垂直画角の下方に荷Wが写り込むおそれがある。従って、荷Wの形状や、荷Wの高さによっては撮影範囲が実質的に制限されることになる。これに対し、パレット本体31にカメラ46を設けた場合、垂直画角にパレット本体31が写り込まないように、あるいは、パレット本体31が垂直画角に写り込んだとしても実用上の支障が生じない程度に収めることができる。
【0057】
仮に、搭乗者Mが荷Wよりも前方を視認しながらフォークリフト10の操作を行えない場合、搭乗者Mはフォークリフト10の後方を視認しながらフォークリフト10を後進させて荷Wが積載されたパレット30を搬送することになる。搭乗者Mは、不自然な姿勢でフォークリフト10を操作することになり、操作性が悪い。また、搭乗者Mはフォークリフト10の後方を向くため、荷Wの落下の兆候に気付かず、荷Wが落下するおそれがある。更に、棚から荷Wを取る作業や、棚に荷Wを置く作業を行う場合、荷Wの隙間や荷Wの横から棚を除いて作業する必要があり、効率が悪い。
【0058】
これに対して、本実施形態のように、表示部17に荷Wよりも前方の映像が映ることで、搭乗者Mは荷Wの落下の兆候に気づくことができる。また、棚から荷Wを取る作業や、棚に荷Wを置く作業を行う場合に棚の位置や、棚の状態を、カメラ46を通じて確認することができる。
【0059】
本実施形態の効果について説明する。
(1)パレット30にカメラ46を設けることで、パレット30に対するフォーク15の位置に依存せずに、フォークリフト10の前方を表示部17に表示させることができる。カメラ46によって撮影された映像は、表示部17に表示される。従って、搭乗者Mが荷Wより前方を確認しながらフォークリフト10の操作を行うことができる。
【0060】
(2)仮に、有線接続によって映像データの伝送を行う場合、フォーク15及びパレット30に接点を設けたり、フォーク15に配線を通すなどパレット30やフォークリフト10の構成が複雑化する。同様に、撮影ユニット40をフォークリフト10に搭載したバッテリ13を電力源として動作させようとすると、パレット30やフォークリフト10の構成が複雑化する。これに対し、本実施形態において、撮影ユニット40は、パレット30に設けられた充電池60を電力源として動作し、荷側通信モジュール47は、映像データを無線送信する。従って、パレット30やフォークリフト10の構成が複雑化しにくい。
【0061】
(3)振動センサ42による検出信号の入力を契機として、CPU41は撮影ユニット40を待機モードから動作モードに遷移させる。撮影ユニット40は、振動センサ42によって振動が検出されるまでは待機モードとされるため、電力消費を抑えることができる。
【0062】
(4)パレット30は、複数のカメラ46と、ヨーレートセンサ45と、を備える。ヨーレートセンサ45によりヨーレートを検出することで、フォークリフト10の進行方向と各カメラ46との対応付けをすることができる。実施形態でいえば、4つのカメラ46のうち、いずれのカメラ46がフォークリフト10の前後左右方向を向いているかの対応付けを行える。従って、フォークリフト10の進行方向に対応するカメラ46の映像を表示部17に表示することができる。
【0063】
(5)パレット30は、低電圧検出部44を備える。充電池60の電圧が閾値未満になったことを検出できるため、充電池60の残容量が尽きる前に搭乗者Mに充電を促すことができる。
【0064】
(6)撮影ユニット40はリアルタイムクロック43を備える。従って、映像データと、撮影時刻とを対応付けることができる。映像データと撮影時刻とを対応させて外部記憶媒体50に記憶することで、外部記憶媒体50に保存された映像を確認する際に、当該映像が撮影された時刻を確認することができる。フォークリフト10の運転状況などを確認する際に、撮影時刻から搭乗者Mの特定などを行える。
【0065】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○映像データは、有線で伝送されてもよい。例えば、
図7に示すように、フォーク15は2つの車両側電源接点81,82と、車両側信号用接点83と、2つの車両側電源線84、85と、車両側信号線86と、を備える。各車両側電源接点81,82及び車両側信号用接点83は、フォーク15の上面に露出している。車両側電源接点81,82の一方は車両側電源線84によってバッテリ13の正極に接続され、車両側電源接点81,82の他方は車両側電源線85によってバッテリ13の負極に接続されている。車両側信号用接点83は、車両側信号線86によって表示部17に接続されている。
【0066】
パレット30は、2つの荷側電源接点91,92と、荷側信号用接点93と、2つの荷側電源線94,95と、荷側信号線96と、を備える。荷側電源接点91,92は、フォーク15によってパレット30が支持されている状態で、車両側電源接点81,82に接する位置に配置されている。荷側信号用接点93は、フォーク15によってパレット30が支持されている状態で車両側信号用接点83に接する位置に配置されている。荷側電源接点91,92は、荷側電源線94,95によって撮影ユニット40に接続されている。荷側信号用接点93は、荷側信号線96によってCPU41に接続されている。
【0067】
フォーク15によってパレット30が支持されると、車両側電源線84,85、車両側電源接点81,82、荷側電源接点91,92及び荷側電源線94,95を介してバッテリ13の電力が撮影ユニット40に供給される。撮影ユニット40は、バッテリ13の電力によって動作する。従って、パレット30は、充電池60、金属接点62及び充電線63を備えていなくてもよい。荷側電源線94,95は、電源線として機能する。
【0068】
フォーク15によってパレット30が支持されると、車両側信号線86、車両側信号用接点83、荷側信号用接点93、及び荷側信号線96を介してCPU41と表示部17とが接続される。CPU41は、車両側信号線86、車両側信号用接点83、荷側信号用接点93、及び荷側信号線96を介して映像データを表示部17に伝送する。即ち、車両側信号線86、車両側信号用接点83、荷側信号用接点93、及び荷側信号線96によってバスが構成される。荷側信号用接点93及び荷側信号線96は、表示部17に映像データを伝送するための伝送部となる。映像データを無線信号にする必要がないため、パレット30は、荷側通信モジュール47を備えていなくてもよい。また、フォークリフト10は、車両側通信モジュール18を備えていなくてもよい。
【0069】
○パレット30は、リアルタイムクロック43を備えていなくてもよい。
○CPU41は、外部記憶媒体50への映像データの記憶を行わなくてもよい。
○パレット30は、低電圧検出部44を備えていなくてもよい。この場合、定期的に充電池60の充電を行うなど、充電池60の残容量が尽きないように運用することが好ましい。例えば、動作モードで一定時間が継続した場合には充電池60の充電を搭乗者Mに促すようにしてもよい。
【0070】
○フォークリフト10は、表示部17への表示に代えて、ランプの点灯や、音によって搭乗者Mに充電池60の充電を促してもよい。
○カメラ46としては、少なくともフォークリフト10の前方を撮像できるカメラがあればよく、カメラ46の数は、増やしてもよいし、減らしてもよい。例えば、パレット30は、カメラ46を1つ備える構成であってもよい。この場合、パレット30の差込口37を1つにし、この差込口37に向かい合う位置にカメラ46を配置する。これにより、フォーク15にパレット30が支持された状態で、カメラ46はフォークリフト10の前方を向くことになる。表示部17にはフォークリフト10の進行方向に関わらず、フォークリフト10の前方を向くカメラ46によって撮影された映像が表示される。この場合、パレット30は、ヨーレートセンサ45を備えていなくてもよい。
【0071】
○パレット30は、振動センサ42を備えていなくてもよい。この場合、撮影ユニット40は、常に動作モードに維持される。
○映像データ及び映像データに対応付けられた撮影時刻は、外部記憶媒体50に代えて、サーバーに記憶されてもよい。この場合、荷側通信モジュール47は、車両側通信モジュール18に加えて、サーバーにも映像データ及び撮像時刻を無線送信する。サーバーは、受信した映像データ及び撮影時刻を記憶する。
【0072】
○荷側通信モジュール47は、車両側通信モジュール18に加えて、車両側通信モジュール18とは異なる受信装置にも無線信号を送信してもよい。例えば、管理者が視認可能なモニタに映像データによる映像を反映する受信装置に無線信号を送信してもよい。管理者とは、フォークリフト10及びパレット30が用いられる作業場を管理する者である。
【0073】
○表示部17には、複数のカメラ46の映像が表示されてもよい。例えば、2つのカメラ46の映像を合成して1つの映像として表示してもよい。この場合、例えば、フォークリフト10が右折している場合には、フォークリフト10の前方を撮影しているカメラ46とフォークリフト10の右方を撮影しているカメラ46の映像を合成してもよい。即ち、フォークリフト10の進行方向に対応するカメラ46は、1つに限られず複数であってもよい。また、表示部17を複数の領域に分割し、それぞれの領域に別々のカメラ46の映像を表示するようにしてもよい。
【0074】
○車両側通信モジュール18及び荷側通信モジュール47は、ペアリングと映像データの通信の両方を行うことができる通信部を備えていてもよい。実施形態の車両側通信モジュール18及び荷側通信モジュール47は、ペアリングを行うための通信部と、映像データを送信するための通信部とを備えていたが、車両側通信モジュール18及び荷側通信モジュール47は、1つの通信部を備える構成であってもよい。なお、通信部としては、Wi-Fi、Bluetooth、Zigbee(登録商標)などどのような通信規格を用いたものでもよい。
【0075】
○作業場で使用されるパレット30が単数の場合、車両側通信モジュール18と荷側通信モジュール47とのペアリングを行わなくてもよい。作業場で使用されるパレット30が単数の場合、車両側通信モジュール18に映像データを送信する荷側通信モジュール47も1つである。従って、車両側通信モジュール18に無線信号を送信する荷側通信モジュール47は1つのみであり、ペアリングを行う必要がない。
【0076】
○作業場で使用されるパレット30及びフォークリフト10のそれぞれが複数である場合であっても、フォークリフト10が使用するパレット30を予め1つのみ定めておくことで、車両側通信モジュール18と荷側通信モジュール47とのペアリングを行わなくてもよい。例えば、複数のパレット30毎に、色、形状、目印などを異ならせる。搭乗者Mは、フォークリフト10に対応するパレット30のみをフォークリフト10で搬送する。フォークリフト10は、予め搬送するパレット30を把握しているため、搬送するパレット30の荷側映像通信部49のIPアドレスを登録しておくことで、映像データを送信することができる。ペアリングを行う必要がないため、車両側通信モジュール18は、車両側接続通信部19を備えていなくてもよく、荷側通信モジュール47は荷側接続通信部48を備えていなくてもよい。
【0077】
○パレット本体31は、どのような形状のものを用いてもよい。例えば、平パレットのうち差込口の数が実施形態とは異なるものを用いてもよいし、ポストパレットのように平パレットとは異なる種類のパレットを用いてもよい。
【0078】
○カメラ46の配置位置は、フォーク15及び荷Wに干渉しない位置であり、かつ、パレット本体31が撮影範囲に写り込むことを抑制できる位置であれば、どのような位置であってもよい。
【0079】
○金属接点62は、少なくとも1つ設けられていればよい。
【符号の説明】
【0080】
DS…表示システム、M…搭乗者、W…荷、10…フォークリフト、15…フォーク、18…車両側通信モジュール(受信装置)、30…パレット、31…パレット本体、40…撮影ユニット、42…振動センサ、43…リアルタイムクロック、44…低電圧検出部、45…ヨーレートセンサ、46…カメラ、47…荷側通信モジュール(伝送部)、60…充電池、61…電源線。