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特許7081562フォークリフト及びコンテナ姿勢検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】フォークリフト及びコンテナ姿勢検出方法
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
B66F9/24 L
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019080259
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020175997
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-07-16
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】服部 晋悟
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-058679(JP,A)
【文献】特開2017-019596(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0116587(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に設けられた荷役装置と、
水平方向に対する照射角度を変更しながら前記荷役装置の前方にレーザーを照射し、前記レーザーが当たった照射点までの距離を照射角度に対応付けて測定するレーザーレンジファインダと、を備えたフォークリフトであって、
前記荷役装置の前方に配置されたコンテナに荷を積載する荷役状態において、前記コンテナの内面に照射された前記レーザーの前記照射点から直線を取得する直線取得部と、
前記直線取得部により得られた前記直線から、前記コンテナにおける側壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した側直線を抽出する側直線抽出部と、
前記側直線の傾きからフォークリフトに対する前記コンテナの相対角度を検出するコンテナ姿勢検出部と、を備えるフォークリフト。
【請求項2】
前記コンテナを構成する複数の壁部のうち同一の前記壁部の内面に照射された複数の照射点を点群とすると、
前記直線取得部は、前記点群の両端の照射点を検出し、当該照射点から前記直線を取得する請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項3】
前記直線取得部は、回帰分析により前記直線を取得する請求項1又は請求項2に記載のフォークリフト。
【請求項4】
前記荷役状態において、前記コンテナを構成する複数の壁部のうち、フォークリフトに向かい合う前記壁部を後壁とすると、
前記直線取得部により得られた前記直線から、前記後壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した後直線を抽出する後直線抽出部を備え、
前記コンテナ姿勢検出部は、前記側直線の傾き及び前記後直線の傾きの両方から前記相対角度を検出する請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載のフォークリフト。
【請求項5】
前記コンテナの寸法情報を記憶した記憶部を備え、
前記側直線抽出部は、前記直線により得られた寸法と、前記記憶部に記憶された寸法情報とを照合することで、前記直線から前記側直線を抽出する請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフト。
【請求項6】
車体に設けられた荷役装置を備えるフォークリフトによって前記荷役装置の前方に配置されたコンテナに荷を積載する荷役状態において、前記フォークリフトに対する前記コンテナの相対角度を検出するコンテナ姿勢検出方法であって、
水平方向に対する照射角度を変更しながら前記荷役装置の前方にレーザーを照射し、前記レーザーが当たった照射点までの距離を照射角度に対応付けて測定するレーザーレンジファインダによって前記照射点までの距離を測定し、
前記コンテナの内面に照射されたレーザーの照射点から直線を取得し、
取得した前記直線から、前記コンテナにおける側壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した側直線を抽出し、
前記側直線の傾きから前記フォークリフトに対する前記コンテナの相対角度を検出するコンテナ姿勢検出方法。
【請求項7】
前記コンテナを構成する複数の壁部のうち同一の前記壁部の内面に照射された複数の照射点を点群とすると、
前記点群の両端の照射点を検出し、当該照射点から前記直線を取得する請求項6に記載のコンテナ姿勢検出方法。
【請求項8】
回帰分析により前記直線を取得する請求項6又は請求項7に記載のコンテナ姿勢検出方法。
【請求項9】
前記荷役状態において、前記コンテナを構成する複数の壁部のうち、前記フォークリフトに向かい合う前記壁部を後壁とすると、
前記直線から、前記後壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した後直線を抽出し、
前記側直線の傾き及び前記後直線の傾きの両方から前記相対角度を検出する請求項6~請求項8のうちいずれか一項に記載のコンテナ姿勢検出方法。
【請求項10】
前記直線により得られた寸法と、記憶部に記憶された前記コンテナの寸法情報とを照合することで、前記直線から前記側直線を抽出する請求項6~請求項9のうちいずれか一項に記載のコンテナ姿勢検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフト及びコンテナ姿勢検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
荷の輸送には、荷を積載可能なコンテナが用いられる。コンテナに荷を積載する際には、フォークリフトによってコンテナに荷を搬送する。コンテナは、開閉可能な扉を備えている。荷を積載する際には、扉を開けることで生じた開口部からコンテナに荷を積載する。コンテナに効率良く荷を積載するためには、コンテナの内面に対する荷の傾きを小さくすることが好ましい。コンテナの内面に対する荷の傾きを小さくするためには、コンテナの開口部に対してフォークリフトが真っ直ぐに近付く必要がある。即ち、フォークリフトの前進方向が開口部に対して垂直に交わる状態でコンテナに荷を積載する必要がある。
【0003】
フォークリフトを、フォークリフトの前進方向が開口部に対して垂直に交わる状態にするためには、フォークリフトに対するコンテナの相対角度を求め、相対角度に合わせて操舵を行う。フォークリフトに対するコンテナの相対角度を求めるには、例えば、特許文献1に記載されたマーカーを用いることが考えられる。特許文献1では、自律移動体の自己位置推定のために、自律移動体が用いられる区画にマーカーを配置している。自律移動体は、マーカーを検出する検出部を備え、マーカーを検出することで自己位置を推定している。
【0004】
マーカーを用いてフォークリフトに対するコンテナの相対角度を求める場合、コンテナにマーカーを配置し、フォークリフトにマーカーを検出できる検出部を配置する。例えば、コンテナの2箇所にマーカーを配置し、検出部によって各マーカーまでの距離を検出することで、フォークリフトに対するコンテナの相対角度を求めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-204043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コンテナにマーカーを設ける場合、それぞれのコンテナにマーカーを取り付ける必要があるため手間がかかる。また、マーカーの取付精度によっては、フォークリフトに対するコンテナの相対角度が正確に求められない場合が生じる。
【0007】
本発明の目的は、フォークリフトに対するコンテナの相対角度を検出することができるフォークリフト及びコンテナ姿勢検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するフォークリフトは、車体と、前記車体に設けられた荷役装置と、水平方向に対する照射角度を変更しながら前記荷役装置の前方にレーザーを照射し、前記レーザーが当たった照射点までの距離を照射角度に対応付けて測定するレーザーレンジファインダと、を備えたフォークリフトであって、前記荷役装置の前方に配置されたコンテナに荷を積載する荷役状態において、前記コンテナの内面に照射された前記レーザーの前記照射点から直線を取得する直線取得部と、前記直線取得部により得られた前記直線から、前記コンテナにおける側壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した側直線を抽出する側直線抽出部と、前記側直線の傾きからフォークリフトに対する前記コンテナの相対角度を検出するコンテナ姿勢検出部と、を備える。
【0009】
側直線は、コンテナの側壁における内面にレーザーを照射することで得られる直線である。フォークリフトに対するコンテナの相対角度は、側直線の傾きとなって現れる。このため、側直線の傾きからフォークリフトに対するコンテナの相対角度を検出することができる。
【0010】
上記フォークリフトについて、前記コンテナを構成する複数の壁部のうち同一の前記壁部の内面に照射された複数の照射点を点群とすると、前記直線取得部は、前記点群の両端の照射点を検出し、当該照射点から前記直線を取得してもよい。これによれば、直線の抽出を行いやすい。
【0011】
上記フォークリフトについて、前記直線取得部は、回帰分析により前記直線を取得してもよい。これによれば、距離計の測定精度により生じる誤差の影響を低減することができる。
【0012】
上記フォークリフトについて、前記荷役状態において、前記コンテナを構成する複数の壁部のうち、フォークリフトに向かい合う前記壁部を後壁とすると、前記直線取得部により得られた前記直線から、前記後壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した後直線を抽出する後直線抽出部を備え、前記コンテナ姿勢検出部は、前記側直線の傾き及び前記後直線の傾きの両方から前記相対角度を検出してもよい。
【0013】
フォークリフトに対するコンテナの相対角度は、後直線の傾きとなって現れる。従って、側直線の傾き及び後直線の傾きの両方からフォークリフトに対するコンテナの相対角度を算出することで、検出精度を向上させることができる。
【0014】
上記フォークリフトについて、前記コンテナの寸法情報を記憶した記憶部を備え、前記側直線抽出部は、前記直線により得られた寸法と、前記記憶部に記憶された寸法情報とを照合することで、前記直線から前記側直線を抽出してもよい。これによれば、より正確に側直線を抽出することができる。
【0015】
上記課題を解決するコンテナ姿勢検出方法は、車体に設けられた荷役装置を備えるフォークリフトによって前記荷役装置の前方に配置されたコンテナに荷を積載する荷役状態において、前記フォークリフトに対する前記コンテナの相対角度を検出するコンテナ姿勢検出方法であって、水平方向に対する照射角度を変更しながら前記荷役装置の前方にレーザーを照射し、前記レーザーが当たった照射点までの距離を照射角度に対応付けて測定するレーザーレンジファインダによって前記照射点までの距離を測定し、前記コンテナの内面に照射されたレーザーの照射点から直線を取得し、取得した前記直線から、前記コンテナにおける側壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した側直線を抽出し、前記側直線の傾きからフォークリフトに対する前記コンテナの相対角度を検出する。
【0016】
側直線は、コンテナの側壁における内面にレーザーを照射することで得られる直線である。フォークリフトに対するコンテナの相対角度は、側直線の傾きとなって現れる。このため、側直線の傾きから前記フォークリフトに対するコンテナの相対角度を検出することができる。
【0017】
上記コンテナ姿勢検出方法について、前記コンテナを構成する複数の壁部のうち同一の前記壁部の内面に照射された複数の照射点を点群とすると、前記点群の両端の照射点を検出し、当該照射点から前記直線を取得してもよい。
【0018】
上記コンテナ姿勢検出方法について、回帰分析により前記直線を取得してもよい。
上記コンテナ姿勢検出方法について、前記荷役状態において、前記コンテナを構成する複数の壁部のうち、前記フォークリフトに向かい合う前記壁部を後壁とすると、前記直線から、前記後壁の内面に照射された前記レーザーの前記照射点から取得した後直線を抽出し、前記側直線の傾き及び前記後直線の傾きの両方から前記相対角度を検出してもよい。
【0019】
上記コンテナ姿勢検出方法について、前記直線により得られた寸法と、記憶部に記憶された前記コンテナの寸法情報とを照合することで、前記直線から前記側直線を抽出してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フォークリフトに対するコンテナの相対角度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】フォークリフトを示す概略側面図。
図2】フォークリフトの概略構成図。
図3】フォークリフトが用いられる作業場の模式図。
図4】コンテナの斜視図。
図5】コンテナの断面図と距離計の照射範囲を模式的に示す図。
図6】フォークリフトが荷役状態の際に制御装置が行う処理を示すフローチャート。
図7】コンテナにレーザーを照射したときの照射点を模式的に示す図。
図8】フォークリフトに対するコンテナの相対角度を検出した後のフォークリフトの動きを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、フォークリフト及びコンテナ姿勢検出方法の一実施形態について説明する。
図1に示すように、フォークリフト10は、車体11と、車体11の前下部に配置された駆動輪12と、車体11の後下部に配置された操舵輪13と、を備える。フォークリフト10は、車体11の前方に、荷役装置14を備える。荷役装置14は、車体11の前部に立設されたマスト15と、マスト15に固定されたリフトブラケット16と、リフトブラケット16に固定された一対のフォーク17と、を備える。フォーク17には、荷Wが積載される。図示は省略するが、荷Wはパレットに搭載された状態でフォーク17に積載される。本実施形態において、荷役装置14の前方と車体11の前方とは一致している。荷役装置14の前方とは、フォーク17の延びる方向である。荷役装置14は、マスト15を昇降動作させるリフトシリンダ18を備える。荷役装置14は、マスト15を傾動させるティルトシリンダ19を備える。リフトシリンダ18及びティルトシリンダ19は油圧シリンダである。
【0023】
図2に示すように、フォークリフト10は、駆動機構21と、油圧機構22と、制御装置23と、距離計30と、を備える。駆動機構21は、フォークリフト10を走行動作させるための部材であり、駆動輪12を駆動させるための走行用モータや、操舵輪13を操舵させるための操舵機構を含む。油圧機構22は、リフトシリンダ18及びティルトシリンダ19への作動油の給排を制御するための部材であり、ポンプを駆動させるための荷役モータや、コントロールバルブを含む。
【0024】
制御装置23は、処理部24及び記憶部25を備える。記憶部25には、フォークリフト10を制御するための種々のプログラムが記憶されている。制御装置23は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路:ASICを備えていてもよい。制御装置23は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるものを含む。
【0025】
制御装置23は、記憶部25に記憶されたプログラムに従い、駆動機構21及び油圧機構22を制御することで、フォークリフト10を動作させる。本実施形態のフォークリフト10は、搭乗者による操作が行われることなく、制御装置23による制御によって自動で走行、操舵、荷役の動作を行うフォークリフトである。
【0026】
図3に示すように、フォークリフト10は、工場、港湾などの荷Wを搬送する必要のある作業場で使用される。作業場には、荷Wが置かれる第1位置A1と、コンテナCが配置される第2位置A2と、フォークリフト10が荷WをコンテナCに積載する荷役状態になる第3位置A3と、が設定されている。
【0027】
フォークリフト10は、第1位置A1に置かれた荷WをコンテナCまで搬送し、コンテナCに荷Wを積載する。コンテナCに荷Wを積載する場合、フォークリフト10は、第1位置A1でフォーク17に荷Wを積載した後に、第3位置A3に移動する。第3位置A3に到着した状態で、荷役装置14の前方が第2位置A2を向くようにフォークリフト10は第3位置A3に移動する。
【0028】
制御装置23の記憶部25には、地図情報が記憶されている。地図情報とは、環境地図と、第1位置A1の座標と、第2位置A2の座標と、第3位置A3の座標と、を示す情報である。環境地図は、フォークリフト10の用いられる環境の形状、広さなど、フォークリフト10の周辺環境の物理的構造に関する情報である。第1位置A1の座標、第2位置A2の座標及び第3位置A3の座標は、環境地図内に設定されている。
【0029】
環境地図は、フォークリフト10が用いられる周辺環境を予め把握できていれば、予め記憶部25に記憶されていてもよい。環境地図を予め記憶部25に記憶する場合、建築物の壁、柱など位置の変化しにくい物の座標を環境地図として記憶する。環境地図は、SLAM:Simultaneous Localization and Mappingによるマッピングにより作成されてもよい。マッピングは、例えば、カメラや測域センサ等の環境センサによって得られた座標から局所地図を作成し、この局所地図を自己位置に応じて組み合わせることによって行われる。なお、環境センサとしては、後述する距離計30を用いることもできる。
【0030】
制御装置23は、環境地図上でのフォークリフト10の位置を推定する自己位置推定を行いながら駆動機構21を制御することで、第3位置A3にフォークリフト10を移動させることが可能である。自己位置推定は、例えば、走行用モータの回転数を用いてフォークリフト10の自己移動量を推定するオドメトリと、ランドマークと環境地図とのマッチング結果と、をベイズフィルタにより統合することで行われる。即ち、制御装置23は、オドメトリにより得られた自己位置をランドマークとの相対位置で補正することで自己位置を推定する確率的自己位置推定を行う。また、フォークリフト10が用いられる環境が屋外であれば、GPS:Global Positioning Systemを用いて自己位置を推定してもよい。なお、自己位置とは、車体11の一点を示す座標であり、例えば、車体11の水平方向の中央の座標である。
【0031】
コンテナCは、例えば、コンテナトラックTによって第3位置A3に配置される。
図4及び図5に示すように、コンテナCは中空状であり、内部が荷Wを収容する収容空間になっている。コンテナCは、底部BWと、天部CWと、2つの前壁FW1,FW2と、2つの後壁RW1,RW2と、2つの側壁SW1,SW2と、を備える。底部BW、天部CW、前壁FW1,FW2、後壁RW1,RW2及び側壁SW1,SW2は、それぞれ、四角板状の壁部である。底部BWと天部CWとは互いに向かい合っている。前壁FW1,FW2、後壁RW1,RW2及び側壁SW1,SW2は、底部BWと天部CWとの間に位置する。2つの側壁SW1,SW2同士は、互いに向かい合って配置されている。2つの前壁FW1,FW2と、2つの後壁RW1,RW2とは互いに向かい合って配置されている。前壁FW1はヒンジ等により回動可能な状態で側壁SW1に取り付けられている。前壁FW2はヒンジ等により回動可能な状態で側壁SW2に取り付けられている。後壁RW1はヒンジ等により回動可能な状態で側壁SW1に取り付けられている。後壁RW2はヒンジ等により回動可能な状態で側壁SW2に取り付けられている。前壁FW1,FW2及び後壁RW1,RW2は、扉といえる。前壁FW1,FW2が回動することで、底部BW、天部CW及び側壁SW1,SW2に囲まれた開口部O1の開放と閉塞とが切り替えられる。後壁RW1,RW2が回動することで、底部BW、天部CW及び側壁SW1,SW2に囲まれた開口部O2の開放と閉塞とが切り替えられる。なお、コンテナCとは、荷Wが収容される収容体であり、荷Wが収容可能な形状であればどのような形状であってもよい。例えば、天部CWがない形状であってもよいし、後壁RW1,RW2が開かない形状であってもよい。
【0032】
本実施形態では、記憶部25にはコンテナCの寸法情報が記憶されている。コンテナCの寸法情報としては、側壁SW1の内面I1と、SW2の内面I2の間の長さd1と、各側壁SW1,SW2の内面I1,I2における前壁FW1,FW2と後壁RW1,RW2との間の長さd2と、が記憶されている。
【0033】
なお、便宜上、コンテナCを構成する開閉可能な壁部のうちフォークリフト10がコンテナCと向かい合っている状態でフォークリフト10側に位置している壁部を前壁FW1,FW2、前壁FW1,FW2よりもフォークリフト10から離れて位置する壁部を後壁RW1,RW2と称している。従って、フォークリフト10とコンテナCとの位置関係によって、開閉可能な壁部のうちいずれが前壁FW1,FW2になり、いずれが後壁RW1,RW2になるかが異なる。そして、前壁FW1,FW2と、後壁RW1,RW2との間で延びる壁部が側壁SW1,SW2になる。コンテナCは、開閉可能な壁部である前壁FW1,FW2が第3位置A3を向くように配置される。
【0034】
フォークリフト10が第3位置A3に移動すると、フォークリフト10が荷役状態になる。荷役状態とは、荷役装置14の前方に配置されたコンテナCに荷Wを積載する状態である。荷役状態では、フォークリフト10がコンテナCとの位置関係を調整しながら、コンテナCに荷Wを積載する。荷役状態になると、制御装置23は、距離計30の測定結果からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度及びフォークリフト10に対するコンテナCの相対位置とを検出する。
【0035】
図1に示すように、距離計30は、マスト15とともに上下動するように荷役装置14に配置されている。距離計30は、マスト15とともに上下動できればよく、マスト15やリフトブラケット16等、どのような位置に配置されていてもよい。
【0036】
図5に示すように、距離計30は、レーザーを周辺に照射し、レーザーが当たった照射点から反射された反射光を受信することで周辺環境を認識可能なレーザーレンジファインダである。本実施形態の距離計30としては、水平方向の照射角度を変更しながらレーザーを照射する二次元のレーザーレンジファインダが用いられているが、水平方向に加えて鉛直方向への照射角度を変更する三次元のレーザーレンジファインダを用いてもよい。距離計30のレーザーの照射範囲θ1は、例えば、フォークリフト10の前方に延びる軸Bを中心とした範囲である。照射範囲θ1は、例えば、第3位置A3にあるフォークリフト10から第2位置A2にあるコンテナCにレーザーを照射したときに、水平方向に対してコンテナCの全体が照射範囲θ1に含まれるように設定されている。距離計30は、フォークリフト10の前方にレーザーを照射するように配置されている。以下の説明において、軸Bの延びる方向をX方向、水平方向のうち軸Bに直交する方向をY方向として説明を行う。
【0037】
距離計30は、照射点までの距離を測定する。距離計30は、照射点までの距離を、照射角度に対応付けて制御装置23に出力する。距離計30の測定結果は、フォークリフト10に対する照射点の相対座標を示しているともいえる。制御装置23は、距離計30の測定結果からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度と、フォークリフト10に対するコンテナCの相対位置とを検出する。フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度とは、フォークリフト10が直進している状態、即ち、フォークリフト10の舵角が0の状態での前進方向が開口部O1に対して垂直に交わる状態からのずれ角である。フォークリフト10に対するコンテナCの相対位置とは、フォークリフト10から開口部O1までのX方向の距離である。
【0038】
以下、フォークリフト10が荷役状態の際に制御装置23によって行われる処理について、コンテナ姿勢検出方法とともに説明する。なお、フォークリフト10がコンテナCに荷Wを積載する際には、前壁FW1,FW2が開かれた状態にされる。前壁FW1,FW2は、前壁FW1,FW2の外面と側壁SW1,SW2の外面とのなす角の角度が鈍角になる状態で維持される。
【0039】
図6に示すように、制御装置23は、ステップS1において、コンテナC内の荷Wにレーザーが当たらないようにマスト15を上下動させて位置を調整する。制御装置23は、荷Wの搬送を繰り返し行い、側壁SW1から側壁SW2に向けて、順次、荷Wを積載していく。荷Wが積載されたコンテナCの空き領域に更に荷Wを積載する際には、コンテナC内の荷Wによってレーザーが遮られるおそれがある。コンテナCに荷Wが積載されている場合であっても、荷Wと天部CWとの間には空間が生じるため、この空間にレーザーが照射されるように距離計30の位置を調整する。荷Wと天部CWとの間の空間の探索は、種々の態様で行うことができる。例えば、荷Wにレーザーが遮られているか否かにより、照射点の位置が異なるため、測定される距離の変化量からレーザーが荷Wに照射されているか否かを判定できる。また、コンテナCの配置位置である第2位置A2は予め記憶部25に記憶されているため、距離計30により測定される距離の取り得る範囲は予め算出することができる。距離計30により測定される距離の取り得る範囲外の距離が測定された場合、荷Wによってレーザーが遮られていると判定することもできる。
【0040】
次に、制御装置23は、ステップS2において、距離計30の測定結果を取得する。距離計30の位置を調整した後に距離計30から測定結果を取得することで、仮にコンテナCに荷Wが積載されていたとしても、荷Wによる干渉を受けていない測定結果を得ることができる。一例として、本実施形態のコンテナCにレーザーを照射することで、図7に示す照射点Pまでの距離と、照射角度を測定結果として取得できた場合について説明する。
【0041】
図6及び図7に示すように、制御装置23は、ステップS3において、照射点Pから直線L1~L5を取得する。取得された直線L1~L5は、コンテナCにおける各壁部の内面にレーザーが当たることで生じた直線である。また、図示は省略するが、コンテナCの周囲にレーザーが照射される物体が存在している場合、この物体にレーザーが照射されることで生じた直線も取得される。従って、ステップS3で取得される直線は、コンテナCにおける各壁部の内面にレーザーが照射されることで生じた直線の候補といえる。
【0042】
照射点Pからの直線L1~L5の取得は、コンテナCにおける同一の壁部の内面に照射されたと予測される複数の照射点Pを1つの点群PGとして捉え、点群PGに基づき直線L1~L5を取得することで行われる。照射点PがコンテナCにおける同一の壁部の内面に照射されたか否かの判定は、例えば、隣り合う照射点P同士を比較することで行われる。コンテナCにおける同一の壁部の内面に照射された照射点P同士は一直線上に位置しやすい。一方で、2つの内面が交わる部分には角が生じるため、この角の影響によってコンテナCにおける異なる壁部の内面に照射された照射点P同士は一直線上に位置しにくくなる。コンテナCにおける異なる壁部の内面に照射された照射点P同士を線分で結んだ場合、線分の傾き、即ち、線分の傾斜角度が急激に変化する照射点Pが生じることになる。従って、照射点P同士を線分で結んだ際に生じる傾斜角度に閾値を設定し、傾斜角度が閾値以上に変化する位置で、レーザーが照射される内面が異なる内面に変化したと判断すればよい。傾斜角度が急激に変化する照射点Pは、点群PGのうち両端に位置する照射点Pである。図7に示す例では、各点群PGのうち両端に位置する照射点P1~P10が検出されることになる。
【0043】
制御装置23は、両端の照射点P1~P10を用いて直線L1~L5を取得する。詳細にいえば、制御装置23は、両端の照射点P1~P10と、両端の照射点P1~P10との間の照射点Pを用いて、回帰分析により直線L1~L5を得る。回帰分析としては、例えば、最小二乗法やRANSAC:Random Sample Consensusを用いることができる。回帰分析により得られた直線L1~L5は、近似直線である。制御装置23は、ステップS3の処理を行うことで、直線取得部として機能する。
【0044】
次に、制御装置23は、ステップS4において、取得された直線L1~L5から側直線L1,L2を抽出する。側直線L1,L2とは、直線L1~L5のうちコンテナCにおける側壁SW1,SW2の内面I1,I2に照射されたレーザーの照射点Pによって生じた直線である。本実施形態では、記憶部25に記憶されたコンテナCの寸法情報と、直線L1~L5により得られた寸法とを照合することで側直線L1,L2を抽出する。
【0045】
コンテナCは、前壁FW1,FW2が第3位置A3を向いた状態で配置されているため、2つの側壁SW1,SW2により生じた側直線L1,L2は、X方向又はX方向に若干傾いて延びた2つの平行な直線といえる。なお、ここでいう平行とは、回帰分析による近似や距離計30の測定精度によって生じた差を許容するものである。側直線L1,L2の寸法は、長さd2と一致、あるいは、略一致する。側直線L1,L2同士の間の寸法は、長さd1と一致、あるいは、略一致する。従って、取得された直線L1~L5のうち、X方向又はX方向に若干傾いて延びた2つの平行な直線であって、直線間の距離と記憶部25に記憶された長さd1との差が許容範囲であり、かつ、記憶部25に記憶された長さd2との差が許容範囲内の長さの直線を側直線L1,L2として抽出することができる。なお、許容範囲とは、距離計30の測定精度等を原因として生じる誤差に基づき設定されたものである。制御装置23は、ステップS4の処理を行うことで、側直線抽出部として機能する。
【0046】
次に、制御装置23は、ステップS5において、側直線L1,L2からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度及びフォークリフト10に対するコンテナCの相対位置を検出する。フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度は、側直線L1,L2の傾きから算出することができる。側直線L1,L2の傾きは、X方向、即ち、フォークリフト10の前進方向に対する傾きとなる。従って、X方向に対する側直線L1,L2の傾斜角θ10がフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度になる。なお、傾斜角θ10は、2つの側直線L1,L2のうちいずれの側直線から求めてもよい。
【0047】
フォークリフト10に対するコンテナCの相対位置は、側直線L1,L2の前端E1,E2から算出できる。側直線L1,L2の前端E1,E2は、開口部O1の位置を表しているといえる。従って、側直線L1,L2の前端E1,E2までのX方向の距離を算出することで、制御装置23はフォークリフト10に対するコンテナCの相対位置を検出することができる。側直線L1,L2の前端E1,E2までのX方向の距離とは、2つの側直線L1,L2の前端E1,E2を繋ぐ線分までの距離ともいえる。制御装置23の処理によるコンテナ姿勢検出方法により、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度と、フォークリフト10に対するコンテナCの相対位置とを検出することができる。制御装置23は、ステップS5の処理を行うことでコンテナ姿勢検出部として機能する。
【0048】
本実施形態の作用について説明する。
制御装置23は、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度及びフォークリフト10に対するコンテナCの相対位置を検出する。そして、制御装置23は、検出された相対角度及び相対位置からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度が0になるように駆動機構21を制御する。これにより、フォークリフト10は、図8に示すように、前進方向がコンテナCの開口部O1に対して垂直に交わる状態でコンテナCに近付くことができる。なお、ここでいう垂直とは、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度の検出精度等を原因とした誤差を許容するものである。
【0049】
図8から把握できるように、フォークリフト10の前進方向がコンテナCの開口部O1に対して垂直に交わる状態にするためには、駆動機構21を制御して、フォークリフト10を旋回させる必要がある。従って、第2位置A2と第3位置A3との離間距離は、フォークリフト10の旋回半径等に基づき、フォークリフト10の前進方向をコンテナCの開口部O1に対して垂直に交わる状態にできる距離に設定される。
【0050】
側壁SW1から側壁SW2に向けて荷Wを並べて積載する場合、荷Wを隙間無く積載することが好ましい。フォークリフト10がコンテナCの開口部O1に対して垂直に交わるように前進すると、荷Wが側壁SW1,SW2に対して傾いた状態で積載されることが抑制され、荷Wを効率良く積載することができる。
【0051】
なお、フォークリフト10では、距離計30の情報によってパレットの前面の傾きを検出することで、フォークリフト10に対するパレットの相対角度を検出する場合がある。従って、パレットと同様に、コンテナCの前面の傾きからフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出することも考えられる。しかしながら、コンテナCに荷Wを積載する際には、前壁FW1,FW2は開かれた状態になり、コンテナCの前面は開口した状態になる。前壁FW1,FW2が開かれた状態でコンテナCの前面を検出しようとすると、開口部O1を囲む縁にレーザーを当てる必要があり困難である。本実施形態のように、側直線L1,L2を用いてフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を求めることで、コンテナCの前面からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を求める場合に比べて、容易にコンテナCの相対角度を求めることができる。
【0052】
本実施形態の効果について説明する。
(1)制御装置23は、側直線L1,L2の傾きからフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出している。側直線L1,L2は、コンテナCの側壁SW1,SW2における内面I1,I2にレーザーを照射することで得られる直線である。フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度は、側直線L1,L2の傾きとなって現れるため、側直線L1,L2の傾きからフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出することができる。
【0053】
(2)側直線L1,L2からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出できるため、コンテナCにマーカーを設けることなく、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出することができる。
【0054】
(3)制御装置23は、同一の壁部に照射されたレーザーに生じた点群PGの両端の照射点P1~P10を検出している。直線L1~L5は、両端の照射点P1~P10同士の間で延びるため、制御装置23が直線L1~L5の抽出を取得しやすい。
【0055】
(4)制御装置23は、回帰分析によって直線L1~L5を取得している。距離計30の測定精度により生じる誤差の影響を低減することができる。
(5)コンテナCの寸法情報を記憶部25に記憶しておき、直線L1~L5により得られた寸法との照合を行うことで制御装置23は側直線L1,L2を抽出している。従って、より正確に直線L1~L5から側直線L1,L2を抽出することができる。
【0056】
(6)距離計30を用いたコンテナ姿勢検出方法では、側直線L1,L2の傾きからフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出している。従って、(1)~(5)と同様の効果を得ることができる。
【0057】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
図7に示すように、制御装置23は、直線L1~L5から後直線L3を抽出し、後直線L3の傾き及び側直線L1,L2の傾きの両方からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出してもよい。図5及び図7に示すように、後直線L3とは、直線L1~L5のうちコンテナCにおける後壁RW1,RW2の内面I3,I4に照射されたレーザーの照射点Pによって生じた直線である。直線L1~L5からの後直線L3の抽出は、記憶部25に記憶されたコンテナCの寸法情報と、直線L1~L5により得られた寸法とを照合することで行われる。記憶部25には、コンテナCの寸法情報として、後壁RW1,RW2の内面I3,I3における側壁SW1,SW2同士の間の長さd3が記憶されている。なお、長さd3は、長さd1と同一とみなすことができる。
【0058】
制御装置23は、直線L1~L5のうち、Y方向又はY方向に若干傾いて延びる直線であって、かつ、記憶部25に記憶された長さd3との寸法の差が許容範囲内の直線を後直線L3として抽出する。なお、後直線L3の抽出は、これに限られず、Y方向又はY方向に若干傾いて延びる直線を後直線L3と判断してもよいし、側直線L1,L2に垂直に交わる直線を後直線L3と判断してもよい。制御装置23は、後直線抽出部として機能する。
【0059】
図7に示すように、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度は、後直線L3の傾きとなって現れる。従って、制御装置23は、Y方向に対する後直線L3の傾きから傾斜角θ20を求めることで、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を算出することができる。制御装置23は、側直線L1,L2の傾きから検出したフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度と、後直線L3の傾きから検出したフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度との平均値をフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度としてもよい。また、制御装置23は、側直線L1,L2から検出したフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度及び後直線L3の傾きから検出したフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度のうちいずれの相対角度を用いるかを予め定めていてもよい。この場合、側直線L1,L2の傾きから検出したフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度と、後直線L3の傾きから検出したフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度との差が許容範囲外の場合には再検出を実施する。このように、側直線L1,L2の傾き及び後直線L3の傾きの両方からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を算出することで、検出精度を向上させることができる。
【0060】
○直線L1~L5から側直線L1,L2を抽出する方法は、適宜変更してもよい。例えば、X方向に延びる直線を側直線L1,L2として抽出してもよい。レーザーの照射される照射範囲θ1に、コンテナCのみしか存在しない場合、X方向に延びる直線は側直線L1,L2のみになる。従って、X方向に延びる直線を側直線L1,L2として抽出することができる。また、X方向に延びており、かつ、平行な2つの直線を側直線L1,L2として抽出することで、直線から側直線L1,L2を抽出する精度を高めることができる。なお、制御装置23は、2つの側直線L1,L2のうちいずれかを抽出できればよい。
【0061】
○制御装置23は、両端の照射点P1~P10同士を結ぶことで直線L1~L5を取得してもよい。
○制御装置23は、両端の照射点P1~P10を検出することなく直線L1~L5を取得してもよい。例えば、隣り合う照射点P同士を結んで1つの直線を取得し、直線の傾斜が閾値以上変化する切替点で直線を分割して複数の直線L1~L5を取得してもよい。
【0062】
○フォークリフト10は、搭乗者による操作によって手動で動作するフォークリフト10であってもよいし、自動での動作と手動での動作を切り替え可能なフォークリフト10であってもよい。この場合、制御装置23は、搭乗者の視認可能な表示部に、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を表示する。搭乗者は、表示部の表示からフォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を把握できるため、フォークリフト10を操作して開口部O1に対してフォークリフト10の前進方向が垂直に交わるようにフォークリフト10を進行させる。なお、搭乗者によりフォークリフト10が操作される場合、制御装置23は、フォークリフト10に対するコンテナCの相対位置を検出しなくてもよい。搭乗者の目視によりコンテナCの位置を把握することが可能である。
【0063】
○駆動機構21及び油圧機構22を制御することでフォークリフト10を動作させる制御装置と、フォークリフト10に対するコンテナCの相対角度を検出する制御装置とを別々に設けてもよい。
【符号の説明】
【0064】
C…コンテナ、L1~L5…直線、L1,L2…側直線、L3…後直線、P…照射点、PG…点群、RW1,RW2…後壁、SW1,SW2…側壁、W…荷、10…フォークリフト、11…車体、14…荷役装置、23…直線取得部、側直線抽出部、後直線抽出部及びコンテナ姿勢検出部として機能する制御装置、30…レーザーレンジファインダとしての距離計。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8