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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20220531BHJP
   A01C 11/02 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
A01B69/00 303E
A01C11/02 331D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020168419
(22)【出願日】2020-10-05
(62)【分割の表示】P 2016241482の分割
【原出願日】2016-12-13
(65)【公開番号】P2020202883
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2020-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神谷 寿
(72)【発明者】
【氏名】小佐野 光
(72)【発明者】
【氏名】堀田 直岐
(72)【発明者】
【氏名】飛田 秀平
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-029913(JP,A)
【文献】特開2004-173698(JP,A)
【文献】特開2008-029212(JP,A)
【文献】特開2005-287356(JP,A)
【文献】特開2001-022460(JP,A)
【文献】米国特許第05666792(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0049337(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(2)の、位置情報を取得する受信アンテナ(121)と、該受信アンテナ(121)を支持するアンテナフレーム(122)を設けた作業車両において、
前記走行車体(2)に、作業者が着座する操作座席(28)を設け、
機体を操作する操作部に備える開閉可能なフロントカバー(31)と、前記アンテナフレーム(122)を機体前側で支持する前支柱(117)を左右に複数設け、前記フロントカバー(31)は、前記前支柱(117)の間に位置し、
前記アンテナフレーム(122)は、前記操作部の上方に位置し、
前記前支柱(117)の上部に前記アンテナフレーム(122)を上下方向に回動する回動部(119a)を設け、機体後部からリアステップ(27)の左右中央に立設する後支柱(118)の上部に前記アンテナフレーム(122)と前記後支柱(118)を脱着可能にする脱着部(122a)を設けていることを特徴とする作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に苗を植え付ける植付装置を車体の後部に連結した苗移植機などの作業車両に関するものであり、農業機械の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の作業車両の一例として苗移植機として、圃場内での農作業を行う農作業車の直進走行作業を容易に行うために、自動操舵装置を備えた農作業車が特開2016-42857号公報に記載されている。
【0003】
この農作業車は、GPS受信装置を備えて車体の走行方向が認識でき、直進となるように自動制御装置で操縦するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-42857号公報
【文献】特開2016-007198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圃場で機体の位置をより正確に認識するためには、GPS受信装置を高い位置に取り付けるフレームを設けることで、受信障害を最低限防止することができ、精度が向上する。
【0006】
しかしながら、このフレームは、機体の振動によりGPS受信装置の精度を低下させることを考慮していない。
【0007】
このため、機体の位置が正確に認識されないため、例えば、自動直進機能を備えた農作業車が意図しない方向へ進む問題があった。
【0008】
また、フレームにより機体の全高が高くなるため、機体を納屋等に収納する場合に、フレームやGPS受信装置が接触し、破損する恐れがある。
【0009】
本発明は、上記従来の作業車両のこの様な課題に鑑み、GPS受信装置の受信障害を軽減すると共に、収納性も考慮された作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、走行車体(2)の、位置情報を取得する受信アンテナ(121)と、該受信アンテナ(121)を支持するアンテナフレーム(122)を設けた作業車両において、
前記走行車体(2)に、作業者が着座する操作座席(28)を設け、
機体を操作する操作部に備える開閉可能なフロントカバー(31)と、前記アンテナフレーム(122)を機体前側で支持する前支柱(117)を左右に複数設け、前記フロントカバー(31)は、前記前支柱(117)の間に位置し、
前記アンテナフレーム(122)は、前記操作部の上方に位置し、
前記前支柱(117)の上部に前記アンテナフレーム(122)を上下方向に回動する回動部(119a)を設け、機体後部からリアステップ(27)の左右中央に立設する後支柱(118)の上部に前記アンテナフレーム(122)と前記後支柱(118)を脱着可能にする脱着部(122a)を設けていることを特徴とする作業車両とした。
【0011】
(削除)
【0012】
(削除)
【0013】
(削除)
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、フロントカバー(31)は、前記前支柱(117)の間に位置することで、フロントカバー(31)の開閉が可能になり、フロントカバー(31)内部の制御装置等のメンテナンスやガソリンタンクへの給油作業性低下を防止する。また、操作部の上方に位置することで、機体の振動の影響を受けにくいと共に、機体上での作業スペースを確保することができる。
【0015】
また、操作部の上方に位置することで、機体の振動の影響を受けにくいと共に、機体上での作業スペースを確保することができる。
【0016】
(削除)
【0017】
(削除)
【0018】
(削除)
【0019】
(削除)
【0020】
また、着部(122a)により、アンテナフレーム(122)と後支柱(118)を取り外し回動部(119a)によりアンテナフレーム(122)を下方に回動することで、アンテナフレーム(122)の高さを低くすることができ、高さの制限がある建屋への収納性向上及び、機体移動中の外部との接触を低減することで、アンテナフレーム(122)と受信アンテナ(121)の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例に係る作業車両の側面図である。
図2図1に示す作業車両の正面図である。
図3】アンテナフレームの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
田植え機1は、作業者が搭乗することのできる走行車体2を備えている。この走行車体2は、左右一対の前輪4と、同様に左右一対の後輪5とを有しており、走行時には各車輪が駆動する四輪駆動車としている。これにより、走行車体2は、圃場や道路を走行することが可能になっている。また、走行車体2の後部には、圃場で作業を行う作業装置として苗植付部昇降機構40によって昇降可能な苗植付部50が配設されている。
【0023】
この走行車体2は、車体の略中央に配置されたメインフレーム7と、このメインフレーム7の上に搭載されたエンジン10と、エンジン10の動力を駆動輪と苗植付部50とに伝える動力伝達装置15とを備えている。このエンジン10や動力伝達装置15は、圃場や道路を走行するための装置である走行装置8を構成している。また、本実施形態に係るこの作業車両では、動力源であるエンジン10で発生した動力は、走行車体2を前進や後進させるために用いるのみでなく、苗植付部50を駆動させるためにも使用され、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関が用いられる。
【0024】
また、エンジン10は、走行車体2の左右方向における略中央で、且つ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ26よりも上方に突出させた状態で配置されている。また、フロアステップ26は、走行車体2の前部とエンジン10の後部との間に渡って設けられてメインフレーム7上に取り付けられており、その一部が格子状になることにより、靴に付いた泥を圃場に落とせるようになっている。また、このフロアステップ26の後方には、後輪5のフェンダを兼ねたリアステップ27が設けられている。このリアステップ27は、後方に向うに従って上方向に傾斜した傾斜面を有しており、エンジン10の左右それぞれの側方に配置されている。フロアステップ26とリアステップ27の下部には、重量増加で作業者が搭乗していることを検出する乗車センサ14を設けている。
【0025】
エンジン10は、これらのフロアステップ26とリアステップ27とから上方に突出しており、これらのステップから突出している部分には、エンジン10を覆うエンジンカバー11が配設されている。即ち、エンジンカバー11は、フロアステップ26とリアステップ27とから上方に突出した状態で、エンジン10を覆っている。
【0026】
また、走行車体2には、エンジンカバー11の上部に、作業者が着席する操縦座席28が設置されており、操縦座席28の前方で、且つ、走行車体2の前側中央部には、操縦部30が配設されている。この操縦部30は、フロアステップ26の床面から上方に突出した状態で配置されており、ハンドルフロアステップ26の前部側を左右に分断している。
【0027】
操縦部30の前部には、開閉可能なフロントカバー31が設けられている。また、操縦部30の上部には、操作装置を作動させる操作レバー等や計器類、ハンドル32、さらに自動操舵スイッチが配設されている。このハンドル32は、作業者が前輪4を操舵操作することにより走行車体2を操舵操作する操舵部材として設けられており、操縦部30内の操作装置等を介して前輪4を転舵させることが可能になっている。また、操作レバーとしては、走行車体2の前後進と走行出力を切替操作する変速操作部材である変速レバー35と、走行車体2の走行速度を、走行する場所に応じた速度に切り替える副走行操作部材である副変速レバー38とが、機体右側と左側に配設されている。
【0028】
操縦部30は、フロアステップ26に取付爪33bを差し込む下カバー33と上部を覆う上カバー34で構成し、上カバー34の下端周縁34aを内側の曲げ、下カバー33の上端周縁33aに重ねて組み付けることで、繋ぎ部の見栄えをよくしている。
【0029】
また、フロアステップ26における操縦部30の左右それぞれの側方に位置する部分には、補給用の苗を載せておく予備苗載台65が配置されている。この予備苗載台65は、フロアステップ26の床面から突出した支持軸(鉛直軸)によって回転自在に支持されており、作業者の手、または電動モータ等の回動部材によって回動させることが可能になっている。
【0030】
また、動力伝達装置15は、エンジン10から伝達される駆動力を変速する変速装置である油圧式無段変速機16と、この油圧式無段変速機16にエンジン10からの動力を伝えるベルト式動力伝達機構17とを有している。このうち、油圧式無段変速機16とは、HST(Hydro Static Transmission)と云われる静油圧式の無段変速装置として構成されている。このため、油圧式無段変速機16は、エンジン10からの動力で駆動する油圧ポンプによって油圧を発生させ、この油圧を油圧モータで機械的な力(回転力)に変換して出力する。これにより、油圧式無段変速機16は、エンジン10で発生する動力を、走行車体2を走行させる力に変換する。
【0031】
その際に、油圧式無段変速機16は、回転力の方向や回転速度を変更することにより、走行車体2の前後進及び走行速度を変更することが可能になっており、変速レバー35は、この油圧式無段変速機16の出力及び出力方向を変更することによって、走行車体2の前後進及び走行速度を操作することが可能になっている。
【0032】
この油圧式無段変速機16は、エンジン10よりも前方で、且つ、フロアステップ26の床面よりも下方に配置されており、走行車体2の上面から見て、エンジン10の前方に配置されている。
【0033】
また、ベルト式動力伝達機構17は、エンジン10の出力軸に取り付けたプーリと、油圧式無段変速機16の入力軸に取り付けたプーリと、双方のプーリに巻き掛けたベルトと、さらに、このベルトの張力を調整するテンションプーリとを備えている。これにより、ベルト式動力伝達機構17は、エンジン10で発生した動力を、ベルトを介して油圧式無段変速機16に伝達可能になっている。
【0034】
さらに、動力伝達装置15は、ベルト式動力伝達機構17を介して油圧式無段変速機16に伝達され、油圧式無段変速機16で変速したエンジン10からの駆動力を各部に伝達する伝動装置であるミッションケース18を有している。このミッションケース18は、路上走行時や植付時等における走行車体2の作業速度を切り替える副変速機構(図示省略)を内設しており、メインフレーム7の前部に取り付けられている。副変速レバー38は、ミッションケース18内の副変速機構を操作することにより、走行車体2の走行速度を切り替えることが可能になっている。ミッションケース18は、ベルト式動力伝達機構17と油圧式無段変速機16とを介して伝達されたエンジン10からの出力を、当該ミッションケース18内の副変速機構で変速して、前輪4と後輪5への走行用動力と、苗植付部50への駆動用動力とに分けて出力可能になっている。
【0035】
このうち、走行用動力は、一部が左右の前輪ファイナルケース21を介して前輪4に伝達可能になっており、残りが左右の後輪ギヤケース22を介して後輪5に伝達可能になっている。左右それぞれの前輪ファイナルケース21は、ミッションケース18の左右それぞれの側方に配設されており、左右の前輪4は、車軸を介して左右の前輪ファイナルケース21に連結されている。また、この前輪ファイナルケース21は、ハンドル32の操舵操作に応じて駆動し、前輪4を転舵させることが可能になっている。同様に、左右それぞれの後輪ギヤケース22には、車軸を介して後輪5が連結されている。一方、駆動用動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチ(図示省略)に伝達され、この植付クラッチの係合時に植付伝動軸(図示省略)によって苗植付部50へ伝達される。
【0036】
また、走行車体2の後部に備えられる苗植付部50を昇降させる苗植付部昇降機構40は、昇降リンク装置41を有しており、苗植付部50は、この昇降リンク装置41を介して走行車体2に取り付けられている。この昇降リンク装置41は、走行車体2の後部と苗植付部50とを連結させる平行リンク機構42を備えている。この平行リンク機構42は、上リンクと下リンクとを有しており、これらのリンクが、メインフレーム7の後部端に立設した背面視門型のリンクベースフレーム43に回動自在に連結され、各リンクの他端側が苗植付部50に回転自在に連結されることにより、苗植付部50を昇降可能に走行車体2に連結している。
【0037】
また、苗植付部昇降機構40は、油圧によって伸縮する油圧昇降シリンダ44を有しており、油圧昇降シリンダ44の伸縮動作によって、苗植付部50を昇降させることが可能になっている。苗植付部昇降機構40は、その昇降動作によって、苗植付部50を非作業位置まで上昇させたり、対地作業位置(対地植付位置)まで下降させたりすることが可能になっている。
【0038】
また、苗植付部50は、苗を植え付ける範囲を複数の区画、或いは複数の列で植え付けることができ、田植え機1では、苗を6つの区画で植え付ける、いわゆる6条植の苗植付部50になっている。この苗植付部50は、苗植付装置60と、苗載置台51及びフロート48,49を備えている。このうち、苗載置台51は、走行車体2の後部に複数条の苗を積載する苗載置部材として設けられており、走行車体2の左右方向において仕切られた植付条数分の苗載せ面52を有し、それぞれの苗載せ面52に土付きのマット状苗を載置することが可能になっている。苗載置台51に載置した苗が植え付けられて無くなるたびに、予備苗載台65から予備苗を供給することで、圃場外に用意している苗を取りに戻る必要が無く、連続した作業を行えるので、作業能率が向上する。
【0039】
また、苗植付装置60は、苗載置台51の下部に配設されており、苗載置台51の前面側に配設される苗植付部50のフレームである植付支持フレーム55によって支持されている。この苗植付装置60は、苗載置台51に載置された苗を苗載置台51から取って圃場に植え付ける装置になっており、植付伝動ケース64と植付体61とを有している。このうち、植付体61は、苗載置台51から苗を取って圃場に植え付けることができるように構成されており、植付伝動ケース64は、植付体61に駆動力を供給することが可能になっている。
【0040】
詳しくは、植付伝動ケース64は、エンジン10から苗植付部50に伝達された動力を、植付体61に供給可能に構成されており、植付体61は、植付伝動ケース64に対して回転可能に連結されている。また、植付体61は、苗載置台51から苗を取って圃場に植え付ける植込杆62と、植込杆62を回転可能に支持すると共に植付伝動ケース64に対して回転可能に連結されるロータリケース63とを有している。
【0041】
ロータリケース63は、植付伝動ケース64から伝達された駆動力によって植込杆62を回転させる際に、回転速度を変化させながら回転させることのできる不等速伝動機構(図示省略)を内装している。これにより、植付体61の回転時には、植込杆62は、ロータリケース63に対する回転角度によって回転速度が変化しながら回転をすることができる。
【0042】
このように構成される苗植付装置60は、2条毎に1つずつ配設されており、即ち、複数の苗植付装置60は、それぞれ植付条が割り当てられている。また、各植付伝動ケース64は、2条分の植付体61を回転可能に備えており、つまり、1つの植付伝動ケース64には、2つのロータリケース63が、機体左右方向の両側に連結されている。田植え機1が有する苗植付装置60は、この植付伝動ケース64を3つ備えており、これにより、6条分の植付体61を備えている。
【0043】
また、フロート48,49は、走行車体2の移動と共に、圃場面上を滑走して整地するものであり、走行車体2の左右方向における苗植付部50の中央に位置するセンターフロート48と、左右方向における苗植付部50の両側に位置するサイドフロート49とを有している。
【0044】
また、苗植付部50の下方側の位置における前側には、圃場の整地を行う整地用ロータ67が設けられている。この整地用ロータ67は、後輪ギヤケース22を介して伝達されるエンジン10からの出力によって回転可能に構成されている。
【0045】
また、苗植付部50の左右両側には、次の植付条に進行方向の目安になる線を形成する線引きマーカ68が備えられている。即ち、線引きマーカ68は、田植え機1が圃場内における直進前進時に、圃場の畦際で転回した後に直進前進する際の目印を圃場上に線引きする。この線引きマーカ68は、マーカモータ69によって作動し、走行車体2が旋回するごとに、左右の線引きマーカ68が入れ替わって作動することができるように構成されている。この左右の線引きマーカ68の入れ替えは、マーカモータ69(図示省略)が接続されるコントローラ150によって行う。即ち、コントローラ(図示省略)は、走行車体2の旋回時に、左右の線引きマーカ68を交互に作動状態と非作動状態とに切り替えるマーカ切替装置としても設けられている。なお、左右の線引きマーカ68の線引き作用部は、図1及び図2に示す通り、円盤の外周部に複数の突起体を設け、回転自在にロッド部に装着したものとすると、圃場面との接地抵抗により確実に圃場面に線を形成することができ、次の植付作業位置での直進作業が行い易くなり、作業能率が向上する。
【0046】
また、田植え機1は、GPS(Global Positioning System)によって田植え機1の位置情報を取得するGPS制御装置120を備えており、走行車体2には、GPS制御装置120を構成する受信アンテナ121が配設されている。この受信アンテナ121は、所定の時間的な間隔でGPS座標を取得することにより、地球上での位置情報を所定間隔で取得する位置情報取得装置として設けられている。この受信アンテナ121は、アンテナフレーム122の上部に取り付けられている。
【0047】
図3は、アンテナフレーム122の側面図である。メインフレーム7の前端からメインフレーム7の後端に機体に受信アンテナ121を備えるための専用のフレームを設け、操作部30と走行座席28の上方を通過する形状とすることで、機体の振動の影響を受けにくいと共に、機体上での作業スペースを確保することができる。
【0048】
また、操作部30後端部より機体前方及び、走行座席28より機体後方でアンテナフレーム122を固定することで、機体左右方向からの乗降りがしやすいため、作業性の低下を防止することができる。
【0049】
また、操作部30と走行座席28より機体左右方向内側にアンテナフレーム122を設けることで、機体前後方向の作業経路及びスペースを確保することができ、作業性の低下を防止することができる。
【0050】
機体前端から立設する前支柱117,117を二股形状に設け、フロントカバー31の開閉が可能な構成とすることで、フロントカバー31内部の制御装置等のメンテナンスやガソリンタンクへの給油作業性低下を防止する。
【0051】
前支柱117,117の上部にアンテナフレーム122を上下方向に回動する回動部117aを設け、機体後端からリアステップ27の左右中央に立設する後支柱118の上部にアンテナフレーム122と後支柱118を脱着可能にする脱着部122aを設けている。
【0052】
脱着部122aにより、アンテナフレーム122と後支柱118を取り外し回動部119aによりアンテナフレーム122を下方に回動することで、アンテナフレーム122の高さを低くすることができ、高さの制限がある建屋への収納性向上及び、機体移動中の外部との接触を低減することで、アンテナフレーム122と受信アンテナ121の破損を防止することができる。
【0053】
また、後支柱118に受け部122b(図3)を設けることで、アンテナフレーム122を下方に回動させたときに固定でき、機体後方に備えた作業装置70との接触を防止することができる。
【0054】
また、アンテナフレーム122を下方に回動するとき、アンテナフレーム122の下端部と機体後方に備えた作業装置70とを接触防止のために一定以上下方への回動を規制させることや、アンテナフレーム122の下部と作業装置70の接触部に衝撃吸収材を設けることとしても良い。
【0055】
また、前支柱117,117の上部にアンテナフレーム122と前支柱117,117を脱着可能にする脱着部122aを設け、後支柱118の上部にアンテナフレーム122を上下方向に回動する回動部を設けることとしても良い。
【0056】
また、アンテナフレーム122を回動部119aにより上下に調整することによって受信アンテナ121の高さを変えて受信感度を調整できる。
【0057】
また、アンテナフレーム122に取り外しが可能な情報処理装置を取付け、受信アンテナ121が取得した機体位置情報に基づき、自動直進することとしても良い。
【0058】
センターマスコット9に、例えば自動操舵装置を起動したときに点灯するランプを設けると、自動直進モード、下記旋回連動機構モード、苗植付装置60の入・切が目視で確認できるようになる。
【0059】
センターマスコット9は、二股形状にすることで、ランプの増やすことができ、操作部30にランプを設ける必要がないため、大幅なレイアウトの変更が不要となる。
【0060】
また、センターマスコット9を、二股形状にすることで、ランプの視認性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明にかかる作業車両は、位置情報を取得する受信アンテナが従来に比べてより正確に機体の位置を認識し、アンテナフレームと受信アンテナの破損を防止することで、作業性と安全性を向上させる作業車両として有用である。
【符号の説明】
【0062】
2 走行車体
28 操縦座席
27 リアステップ
31 フロントカバー
117 前支柱
118 アンテナ支持フレーム
119a 回動部
121 受信アンテナ
122 アンテナフレーム
122a 脱着部
図1
図2
図3