IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井関農機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-コンバイン 図1
  • 特許-コンバイン 図2
  • 特許-コンバイン 図3
  • 特許-コンバイン 図4
  • 特許-コンバイン 図5
  • 特許-コンバイン 図6
  • 特許-コンバイン 図7
  • 特許-コンバイン 図8
  • 特許-コンバイン 図9
  • 特許-コンバイン 図10
  • 特許-コンバイン 図11
  • 特許-コンバイン 図12
  • 特許-コンバイン 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/24 20060101AFI20220531BHJP
【FI】
A01D34/24 103
A01D34/24 105Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020198265
(22)【出願日】2020-11-30
(62)【分割の表示】P 2017209225の分割
【原出願日】2017-10-30
(65)【公開番号】P2021027846
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 豊文
(72)【発明者】
【氏名】三宅 達也
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-080511(JP,A)
【文献】特開2015-122977(JP,A)
【文献】実開昭57-155025(JP,U)
【文献】実開昭58-130422(JP,U)
【文献】特開2004-261060(JP,A)
【文献】特開2014-212744(JP,A)
【文献】特開2014-087310(JP,A)
【文献】特開平07-236329(JP,A)
【文献】実開昭57-194628(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を刈取る刈取装置(4)に分草装置(7)を備え、前記分草装置(7)の下部に刈高さ検出装置(30)を有するコンバインであって、
前記刈高さ検出装置(30)は、圃場面に接触する接触体(50)と、前記接触体(50)の接地高さの変化を検出する検出装置(58)と、前記検出装置(58)を支持するケース(32)を有し、
前記ケース(32)の前部は左右方向の第一軸(33)により分草装置(7)側に回動可能に支持され、
前記接触体(50)は、前記ケース(32)に対して下方への回動が許容されて上方への回動が規制される状態で、前記ケース(32)に支持され、
前記接触体(50)の先端部(60)が前記分草装置(7)の分草杆(40)の下端部よりも上方に位置する状態で前記刈高さ検出装置(30)を保持するストッパ機構(70)を備え
前記接触体(50)が、前記ストッパ機構(70)に上側から係合して、前記接触体(50)のケース(32)に対する上方への回動が規制されてロックすることで前記格納状態となる、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
記ストッパ機構(70)は、前記接触体(50)の後方に配置され、
前記接触体(50)が下方回動することで前記第一軸(33)の軸心から前記接触体(50)の先端部(60)までの距離が短縮された状態で、前記ケース(32)が上方回動することにより、前記先端部(60)がストッパ機構(70)の上方に移動し、
前記ケース(32)が上方回動した後に前記接触体(50)が元の位置に復帰するように上方回動することで前記接触体(50)と前記ストッパ機構(70)が係合する、請求項1に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定位置に設けた刈高さ検出装置により所定高さに位置するように自動刈高さ制御を行う刈取装置において、刈高さ検出装置は、ケースの前側に前側軸により接触体を回動自在に取付け、ケースの後側を後側軸によりブラケットに横軸回動自在に取付け、ケースを格納位置に保持する保持手段を設けた構成は、公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-122977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知のものは、ピンにより構成した保持手段でケースを保持する構成のため、格納位置に保持されたケースが上方に動くことができないという課題がある。また、不使用状態のピンの管理が面倒であり、その結果、刈高さ検出装置の格納位置と使用位置との
切替作業が面倒であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、 穀稈を刈取る刈取装置(4)に分草装置(7)を備え、前記分草装置(7)の下部に刈高さ検出装置(30)を有するコンバインであって、
前記刈高さ検出装置(30)は、圃場面に接触する接触体(50)と、前記接触体(50)の接地高さの変化を検出する検出装置(58)と、前記検出装置(58)を支持するケース(32)を有し、前記ケース(32)の前部は左右方向の第一軸(33)により分草装置(7)側に回動可能に支持され、前記接触体(50)は、前記ケース(32)に対して下方への回動が許容されて上方への回動が規制される状態で、前記ケース(32)に支持され、前記接触体(50)の先端部(60)が前記分草装置(7)の分草杆(40)の下端部よりも上方に位置する状態で前記刈高さ検出装置(30)を保持するストッパ機構(70)を備え、前記接触体(50)が、前記ストッパ機構(70)に上側から係合して、前記接触体(50)のケース(32)に対する上方への回動が規制されてロックすることで前記格納状態となる、ことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記ケース(32)の前部は左右方向の第一軸(33)により分草装置(7)側に回動可能に支持され、前記接触体(50)は、前記ケース(32)に対して下方への回動が許容されて上方への回動が規制される状態で、前記ケース(32)に支持され、前記ストッパ機構(70)は、前記接触体(50)の後方に配置され、前記接触体(50)が下方回動することで前記第一軸(33)の軸心から前記接触体(50)の先端部(60)までの距離が短縮された状態で、前記ケース(32)が上方回動することにより、前記先端部(60)がストッパ機構(70)の上方に移動し、前記ケース(32)が上方回動した後に前記接触体(50)が元の位置に復帰するように上方回動することで前記接触体(50)と前記ストッパ機構(70)が係合する、請求項1に記載のコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、格納位置で保持されたケースが上方へ回動することを許容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】コンバインの側面図。
図2】刈取装置の分草装置付近の側面図。
図3】同正面図。
図4】刈取装置の分草装置付近の側面図。
図5】刈高さ検出装置付近の側面図。
図6】刈高さ検出装置付近の側面図。
図7】刈高さ検出装置の断面図。
図8】刈高さ検出装置の位置変化状態を説明する側面図および平面図。
図9】刈高さ検出装置付近の平面図。
図10】刈高さ検出装置の他の実施形態の側面図。
図11】ストッパ機構の本体部分の展開状態の正面図およびストッパ機構の正面図。
図12】ストッパ機構の本体部分の位置を切り替えた状態の側面図。
図13】刈高さ検出装置の他の実施形態の位置変化状態を説明する側面図および平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方位置に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、5はグレンタンク、6は操縦部である。
【0010】
刈取装置4は、左右方向に間隔をおいて配置した複数の分草装置7と、各分草装置7の後方に設けた複数の引起装置8等を有して構成する。引起装置8の後方には、穀稈の株元を切断する刈刃10および刈り取った穀稈を搬送する穀稈搬送装置を設ける。
【0011】
刈取装置4は刈取フレーム20に縦支持フレーム21の先端を取付けて構成し、縦支持フレーム21の基部を機体フレーム1側に設けた支持台(図示省略)に回動自在に取付け、刈取上下シリンダ(図示省略)により上下動自在に取付ける。
【0012】
刈取装置4は、刈取装置4に設けた刈高さ検出装置30により、所定高さに位置するように自動刈高さ制御を行って、刈取作業を行う。
【0013】
刈高さ検出装置30の構成は任意であるが、一例を示すと、ケース32の前側を左右方向の第一軸33により分草装置7側にブラケット35を介して回動自在に取付ける。ブラケット35は刈取装置4側に取付ける取付部36と該取付部36に機外から受ける力により少なくとも横方向(左右方向)への移動を許容する弾性部材により形成した変形部37とにより構成する。
【0014】
即ち、図6のように、分草装置7を取付ける刈取フレーム20側に基部を取付けた前後方向の分草杆40の先端を上方に屈曲させて屈曲部41に形成し、屈曲部41の下面(前面)と圃場面の間に空間42を形成し、空間42内に刈高さ検出装置30を位置させる。
【0015】
空間42内の前側部分に位置する分草装置7にブラケット35の取付部36を固定状態に取付け、取付部36に第一軸33を固定状態に設け、第一軸33にケース32の軸筒34を回動自在に取付けている。
【0016】
ケース32の後部には左右方向の第二軸46を設け、第二軸46に後方に突出する接触体50の基部を回動自在に取付ける(図6,7)。
【0017】
接触体50は、左右方向の板部材により形成した接触部55の上部に取付部56を設け、取付部56を第二軸46に固定し、第二軸46をケース32に回転自在に取付ける。
【0018】
接触体50は、時計回り方向には回動するが、反時計回り方向には回動しないように構成する。
【0019】
即ち、接触体50の第二軸46にはストッパ43を固定し、ストッパ43は接触部55が所定位置にてケース32の内壁の所定部位に常時当接して、反時計回り方向の回動を規制する。
【0020】
44は接触体50が第二軸46中心に常時上方回動するように付勢するバネであり、ストッパ43がケース32の内壁の所定部位に当接して接触体50の上方回動を規制する。
【0021】
ブラケット35側に固定状態の第一軸33にはストッパ45を固定し、ストッパ45はケース32内に設けた当接部45Aに常時当接し、第一軸33に軸筒34を介して回動自在に取付けたケース32の下方回動を規制する。
【0022】
ケース32はストッパ45が当接部45Aに当接した最下方位置から、ストッパ45が当接部45Aの反対側のケース32の内壁に当接する最上方位置の間回動する。
【0023】
49はケース32を常時時計回り方向に回動(下方回動)するように付勢するバネであり、ケース32および接触体50を所定位置に保持する。
【0024】
ケース32には、ブラケット35に対する第一軸33回りの回転位置を検出する検出装置(ポテンショメータ)58を設ける。検出装置58の検出軸58Aには、アーム48を固定し、アーム48は前記ストッパ45に設けた係合ピン47を係合させる。
【0025】
検出装置58の一部となる係合ピン47およびアーム48はケース32内に設ける。
【0026】
刈高さ検出装置30は、機体前進時、接触体50の先端が圃場面に接触すると、接触体50は第二軸46に対して固定状態を維持したままケース32を第一軸33中心一体的に上方回動させ、位置不動の係合ピン47に対してアーム48が回動し、アーム48の回動位置を検出装置58が検出して刈取装置4を上昇させる信号を送る。
【0027】
反対に、接触体50の先端が圃場面から離れようとすると、ケース32がバネ46の弾力により第一軸33中心に下方回動し、ケース32の下方回動による係合ピン47に対するアーム48の回動を検出装置58が検出して刈取装置4を下降させる信号を送り、自動刈高さ制御を行う。
【0028】
また、機体後進時、刈高さ検出装置30は、接触体50の先端が圃場面に接触すると、接触体50は第二軸46中心に時計回り方向回動して退避し、破損するのを防止する。
【0029】
接触部55の上下方向の所定部分より先端側は、後側に屈曲させて先端部60を形成する。
【0030】
そのため、接触部55の先端部60は、屈曲させないときに比し、圃場面に対して水平状態で接触することになり、圃場面の凹凸に対する追従性を良好にする。
【0031】
先端部60の上端は、接触体50が圃場に非接触状態でケース32の下端面よりも上方に位置させる。
【0032】
そのため、ケース32と接触体50との間の隙間に藁屑が引っ掛かるのを防止する。
【0033】
なお、図6では、接触体50と圃場面との位置関係の理解を容易にするため、複数の線を図示しているが、これにより、本発明の構成は限定されない。
【0034】
しかして、刈高さ検出装置30のケース32と前記分草装置7との間には、刈高さ検出装置30(ケース32)の下降を防止するストッパ機構70を設ける(図2等)。ストッパ機構70は取付部71と接触体50の先端部60に係合する係合部72を有して構成し(図8)、ストッパ機構70の係合部72に接触体50の先端部60を係合させて格納位置に保持する。
【0035】
これにより、麦刈り等の刈取装置4を高く上昇させて行う高刈りで、刈高さ検出装置30による制御が不要なときに、刈高さ検出装置30の下降をストッパ機構70により停止させ、穀稈等に刈高さ検出装置30の接触体50が引っ掛かるのを防止する。
【0036】
この場合、ストッパ機構70は穀稈の通過範囲よりも内側に設ける。
【0037】
これにより、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えない。
【0038】
ストッパ機構70は分草装置7の左右幅より内側に設ける。
【0039】
これにより、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0040】
ストッパ機構70は穀稈株元の通過範囲よりも上方に設ける。
【0041】
すなわち、刈高さ検出装置30およびストッパ機構70の側方には前後方向に分草ガイド75を一対設け、分草ガイド75は前端を第一軸33によりも下方であってブラケット35に取付けている。
【0042】
これにより、分草装置7により分草された穀稈は引き続き分草ガイド75により分草されることになり、穀稈株元の通過範囲となる左右の分草ガイド75の間であって上方にストッパ機構70が位置するので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えない。
【0043】
なお、理解を容易にするため、図4図6等において、分草ガイド75の図示を省略しているが、これにより、本発明の構成は限定されない。
【0044】
ストッパ機構70は圃場面と並行となる分草杆40の下側直線部40Aよりも上方に設ける(図2)。
【0045】
これにより、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0046】
ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60よりも後方に設ける。
【0047】
これにより、刈高さ検出装置30の回動支点である第一軸33により遠く、確実な下降を規制が可能となる。
【0048】
ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲外に設ける。
【0049】
これにより、通常の刈高さ制御中の刈高さ検出装置30に、ストッパ機構70の存在が影響しない。
【0050】
ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲よりも上方で固定可能な位置に設ける。
【0051】
すなわち、接触体50は第一軸33中心に時計回転可能であるが、ストッパ43およびバネ44により反時計回り方向の回動が規制されているので、接触体50を第二軸46中心に時計回転させながら刈高さ検出装置30を反時計回りに回転させると、接触体50の先端部60がストッパ機構70の係合部72の先端を通過させることができ、これにより、接触体50の先端部60が元の位置に戻ってストッパ機構70に係合する。
【0052】
そのため、ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60が通常の作動範囲よりも上方に位置し、かつ、刈高さ検出装置30の接触体50を通過させたとき、接触体50が反時計回りに回転しないことを利用して、ストッパ機構70に係合するように、刈高さ検出装置30の接触体50の時計回転方向の回動範囲とストッパ機構70の高さ位置との相対関係で、ストッパ機構70を設ける。
【0053】
これにより、刈高さ検出装置30を良好に格納位置にストッパ機構70が保持することができる。
【0054】
ストッパ機構70により刈高さ検出装置30の接触体50を保持固定すると、接触体50は通常の作動範囲よりも上方に位置することになり、これを検出装置58が検出すると、刈高さ検出装置30による刈高さの自動制御を無効にする。
【0055】
これにより、高刈り時等における刈高さ検出装置30の誤検知を防止できる。
【0056】
この場合、刈高さ自動制御を実行させる刈高さ自動制御スイッチ(図示省略)がオンになっていても、ストッパ機構70による刈高さ検出装置30の保持固定を検出すると、刈高さ検出装置30による刈高さの自動制御を無効にする。
【0057】
これにより、高刈り時等における刈高さ検出装置30の誤検知を防止できると共に、操作性を向上させられる。
【0058】
この刈高さ自動制御スイッチのオン状態で、刈高さ検出装置30による刈高さの自動制御を無効にしたときには、音・音声等により作業者に報知する。
【0059】
これにより、作業者は作業状態の把握を容易でしかも正確に行え、操作性を向上させられる。
【0060】
また、ストッパ機構70により刈高さ検出装置30を固定した状態で刈高さ自動制御スイッチをオンにした場合、モニタ(図示省略)にその旨表示してもよい。
【0061】
図10は、ストッパ機構70の他の実施形態を示し、U字形状のピアノ線により形成し、アーム状でU型形状の本体部分80の基部に横方向に屈曲形成した取付部81を設けて形成する。
【0062】
ストッパ機構70は、分草杆40に設けた左右一対の取付板82に取付部81を回動自在に取付ける。
【0063】
これにより、刈高さ検出装置30の接触体50をストッパ機構70の本体部分80に引っ掛けることにより、刈高さ検出装置30を格納保持する。
【0064】
そのため、刈高さ検出装置30をノンツールで格納保持できる。
【0065】
ストッパ機構70の左右の取付部81は、それぞれ取付板82への取付る高さ位置を変更させて取付けてもよい(図12)。
【0066】
これにより、ストッパ機構70の本体部分80は捻り作用を受けて刈高さ検出装置30の支持剛性を高め、ストッパ機構70が取付部81中心に下方回動するのを規制して、刈高さ検出装置30を格納保持する。
【0067】
すなわち、ストッパ機構70の本体部分80は、刈高さ検出装置30を支持する支持位置と、刈高さ検出装置30の下方より後方に退避する退避位置の間回動自在に取り付けられ、ストッパ機構70の左右の取付部81の取付け高さを変更することにより、本体部分80の支持姿勢と退避姿勢を切替保持させられ、一旦、本体部分80を退避させた状態で刈高さ検出装置30を上方回動させ、刈高さ検出装置30の格納位置にて本体部分80を支持位置に回動させればよく、刈高さ検出装置30の格納操作を容易にする。
【0068】
なお、ストッパ機構70の本体部分80の姿勢保持させる構成は任意であるが、換言すると、ストッパ機構70の取付部81の軸心方向が同一直線状に位置しないようにして、取付部81のそれぞれ取付板82への取付位置を変更させて、本体部分80が捻られるようにしている。
【0069】
この場合、ストッパ機構70を設けた左右方向に複数の分草杆40のうち、中央に設けた分草杆40は、引起装置8の引起ラグ85の通過位置より上方に位置させる。
【0070】
これにより、旋回時に分草杆40が圃場の穀稈を押し倒すのを防止する。
【0071】
また、ストッパ機構70を設けた左右方向に複数の分草杆40のうち、左側の未刈地側に設けた分草杆40を除き、引起装置8の引起ラグ85の通過位置より上方に位置させる。
【0072】
これにより、旋回時に分草杆40が圃場の穀稈を押し倒すのを防止すると共に、左端の分草杆40の接地により、オペレータが刈取装置4の接地を容易に視認できる。
【0073】
また、ストッパ機構70の本体部分80は分草装置7の幅より内側に設ける。
【0074】
これにより、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0075】
また、ストッパ機構70の本体部分80は穀稈株元の通過範囲よりも上方となる、分草ガイド75よりも上方に位置するように設ける。
【0076】
これにより、穀稈株元の通過範囲となる左右の分草ガイド75の間であって上方にストッパ機構70の本体部分80が位置するので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えない。
【0077】
ストッパ機構70の本体部分80の先端は圃場面と並行となる分草杆40の下側直線部40Aよりも上方に設ける。
【0078】
これにより、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0079】
ストッパ機構70の本体部分80は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60よりも後方に設ける。
【0080】
これにより、刈高さ検出装置30の回動支点である第一軸33により遠く、確実な下降を規制が可能となる。
【0081】
ストッパ機構70の本体部分80は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲外に設ける。
【0082】
これにより、通常の刈高さ制御中の刈高さ検出装置30に、ストッパ機構70の存在が影響しない。
【0083】
ストッパ機構70の本体部分80は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲よりも上方で固定可能な位置に設ける。
【0084】
すなわち、接触体50は第一軸33中心に時計回転可能であるが、ストッパ43により反時計回り方向の回動が規制されているので、一旦、刈取装置4を上昇させ、刈高さ検出装置30の格納操作を行いやすい他高さとし、この状態で、接触体50を第二軸46中心に時計回転させながら刈高さ検出装置30を反時計回りに回転させると、接触体50の先端部60がストッパ機構70の本体部分80の先端を通過させることができ、ストッパ機構70の本体部分80の先端を接触体50の先端部60が通過すると、バネ4により接触体50が第二軸46中心に上方回動して、接触体50の先端部60がストッパ機構70の本体部分80に係合する。
【0085】
換言すると、接触体50を第二軸46中心に時計回転させながら刈高さ検出装置30を反時計回りに回転させると、接触体50の先端部60の移動軌跡はストッパ機構70の先端より前側になるので、接触体50の先端部60がストッパ機構70の本体部分80の先端を通過可能となる。
【0086】
そのため、ストッパ機構70の本体部分80は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲よりも上方に位置し、かつ、刈高さ検出装置30の接触体50の先端部60を通過させたとき、接触体50が反時計回りに回転しないことを利用して、ストッパ機構70の本体部分80に係合するように、刈高さ検出装置30の接触体50の時計回転方向の回動範囲(回動軌跡)とストッパ機構70の高さ位置との相対関係で、ストッパ機構70の取付位置を設定する。
【0087】
これにより、刈高さ検出装置30を良好に格納位置にストッパ機構70が保持することができる。
【0088】
また、ストッパ機構70の本体部分80はU字形状のピアノ線により形成し、アーム状でU型形状の本体部分80の基部に横方向に屈曲形成した取付部81を設けて形成し、分草杆40に設けた左右一対の取付板82に取付部81を回動自在に取付けているので、ストッパ機構70の本体部分80自体が弾性変形することとと、本体部分80が取付部81中心に回動することにより、刈高さ検出装置30の接触体50とストッパ機構70の本体部分80が破損するのを防止している。
【0089】
(実施形態の作用)
機体を走行させ、分草装置7により分草し、分草した穀稈をの引起装置8により引起し、引き起こした穀稈の株元を掻込装置により掻込ながら刈刃10により切断し、刈り取った穀稈は穀稈搬送装置の株元搬送装置と穂先搬送装置により搬送して穀稈供給搬送装置に引き継ぎ、穀稈供給搬送装置は穀稈を脱穀装置3に供給して脱穀する。
【0090】
このとき、刈高さ検出装置30は、圃場面に対する刈取装置4の上下位置を検出し、この検出値により所定高さに刈高さを一定にする自動刈高さ制御を行って、コンバインにおける穀稈搬送および脱穀性能を向上させるように、刈取作業を行う。
【0091】
刈高さ検出装置30は、ケース32の前側部分を左右方向の第一軸33によりブラケット35の取付部52に回動自在に取付け、ケース32の後部に左右方向の第二軸46を設け、第二軸46に後方に突出する接触体50の基部を回動自在に取付けて構成し、刈高さ検出装置30ブラケット35に対するケース32の第一軸33回りの回転位置を検出する検出装置58をケース32内に設けているので、接触体50が圃場面に接触すると、接触体50は第二軸46に対する上方回動が規制されて、接触の反力によりケース32が第一軸33中心に上方回動し、これを検出装置58が検出して刈取装置4を上昇させる。
【0092】
また、接触体50は、第二軸46に所定位置からの下方回動(時計回動)は許容するように構成しているので、機体後進時には、第二軸46中心に時計回転方向に回動して、退避する。
【0093】
しかして、刈高さ検出装置30のケース32と前記分草装置7との間には、刈高さ検出装置30(ケース32)の下降を防止するストッパ機構70を設け、ストッパ機構70は接触体50の接触部55の先端部60に接触して刈高さ検出装置30が第一軸33中心に下方回動するのを阻止するので、麦刈り等の刈取装置4を高く上昇させて行う高刈りで、刈高さ検出装置30による制御が不要なときに、刈高さ検出装置30の下降をストッパ機構70により停止させ、穀稈等に刈高さ検出装置30の接触体50が引っ掛かるのを防止する。
【0094】
この場合、ストッパ機構70は穀稈の通過範囲よりも内側に設けているので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えない。
【0095】
ストッパ機構70は分草装置7の幅より内側に設けているので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0096】
刈高さ検出装置30およびストッパ機構70の側方には左右一対設けた分草ガイド75のとなる、穀稈株元の通過範囲よりも上方にストッパ機構70を設けているので、分草装置7により分草された穀稈は引き続き分草ガイド75により分草されることになる。
【0097】
これにより、穀稈株元の通過範囲となる左右の分草ガイド75の間であって上方にストッパ機構70が位置するので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えない。
【0098】
ストッパ機構70は圃場面と並行となる分草杆40の下側直線部40Aよりも上方に設けているので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0099】
ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60よりも後方に設けているので、刈高さ検出装置30の回動支点である第一軸33により遠く、確実な下降を規制が可能となる。
【0100】
ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲外に設けているので、通常の刈高さ制御中の刈高さ検出装置30に、ストッパ機構70の存在が影響しない。
【0101】
ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲よりも上方で固定可能な位置に設けているので、接触体50は第一軸33中心に時計回転可能であるが、ストッパ43により反時計回り方向の回動が規制されているので、接触体50を第二軸46中心に時計回転させながら刈高さ検出装置30を反時計回りに回転させて、接触体50の先端部60がストッパ機構70の先端を通過させ、通過すると、接触体50の先端部60が元の位置に戻ってストッパ機構70に係合する。
【0102】
そのため、ストッパ機構70は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60が通常の作動範囲よりも上方に位置し、かつ、刈高さ検出装置30の接触体50を通過させたとき、接触体50が反時計回りに回転しないことを利用して、ストッパ機構70に係合するように、刈高さ検出装置30の接触体50の時計回転方向の回動範囲とストッパ機構70の高さ位置との相対関係で、ストッパ機構70を設けているので、刈高さ検出装置30を良好に格納位置にストッパ機構70が保持することができる。
【0103】
ストッパ機構70により刈高さ検出装置30の接触体50を保持固定すると、接触体50は通常の作動範囲よりも上方に位置することになり、これを検出装置58が検出すると、刈高さ検出装置30による刈高さの自動制御を無効にするので、高刈り時等における刈高さ検出装置30の誤検知を防止できる。
【0104】
図10のストッパ機構70の他の実施形態では、U字形状のピアノ線により形成した本体部分80の基部に横方向に屈曲形成した取付部81を設けて形成し、分草杆40に設けた左右一対の取付板82に取付部81を回動自在に取付けているので、刈高さ検出装置30の接触体50をストッパ機構70のU字本体部分80に引っ掛けることにより、刈高さ検出装置30をノンツールで格納保持できる。
【0105】
ストッパ機構70のU字本体部分80の左右の取付部81は、それぞれ取付板82への取付位置を変更させて取付けているので、ストッパ機構70のU字本体部分80には捻り作用が作用してストッパ機構70が取付部81中心に下方回動するのを規制して、刈高さ検出装置30を格納保持する。
【0106】
この場合、ストッパ機構70を設けた左右方向に複数の分草杆40のうち、中央に設けた分草杆40は、引起装置8の引起ラグ85の通過位置より上方に位置させているので、旋回時に分草杆40が圃場の穀稈を押し倒すのを防止する。
【0107】
また、ストッパ機構70を設けた左右方向に複数の分草杆40のうち、左側の未刈地側に設けた分草杆40を除き、引起装置8の引起ラグ85の通過位置より上方に位置させているので、旋回時に分草杆40が圃場の穀稈を押し倒すのを防止すると共に、左端の分草杆40の接地により、オペレータが刈取装置4の接地を容易に視認できる。
【0108】
また、ストッパ機構70のU字本体部分80は分草装置7の幅より内側に設けているので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0109】
また、ストッパ機構70のU字本体部分80は穀稈株元の通過範囲よりも上方となる、分草ガイド75よりも上方に位置するように設けているので、穀稈株元の通過範囲となる左右の分草ガイド75の間であって上方にストッパ機構70のU字本体部分80が位置するので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えない。
【0110】
ストッパ機構70のU字本体部分80の先端は圃場面と並行となる分草杆40の下側直線部40Aよりも上方に設けているので、ストッパ機構70の存在が圃場の穀稈の姿勢に影響を与えず、また、刈高さ検出装置30とストッパ機構70の破損を防止する。
【0111】
ストッパ機構70のU字本体部分80は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60よりも後方に設けているので、刈高さ検出装置30の回動支点である第一軸33により遠く、確実な下降を規制が可能となる。
【0112】
ストッパ機構70のU字本体部分80は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲外に設けているので、通常の刈高さ制御中の刈高さ検出装置30に、ストッパ機構70の存在が影響しない。
【0113】
ストッパ機構70のU字本体部分80は刈高さ検出装置30の接触体50の接触部55の先端部60の通常の作動範囲よりも上方で固定可能な位置に設けているので、刈高さ検出装置30を良好に格納位置にストッパ機構70が保持することができる。
【0114】
また、ストッパ機構70のU字本体部分80はU字形状のピアノ線により形成し、アーム状でU型形状の本体部分U字本体部分80の基部に横方向に屈曲形成した取付部取付部81を設けて形成し、分草杆40に設けた左右一対の取付板82に取付部81を回動自在に取付けているので、ストッパ機構70のU字本体部分80自体が弾性変形することとと、U字本体部分80が取付部81中心に回動することにより、刈高さ検出装置30の接触体50とストッパ機構70のU字本体部分80が破損するのを防止している。
【0115】
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0116】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、5…グレンタンク、6…操縦部、7…分草装置、8…引起装置、10…刈刃、30…刈高さ検出装置、32…ケース、33…第一軸、34…軸筒、35…ブラケット、36…取付部、37…変形部、40…分草杆、41…屈曲部、42…空間、46…第二軸、49…バネ、50…接触体、52…取付部、55…接触部、56…取付部、58…検出装置、60…先端部、70…ストッパ機構、71…取付部、72…係合部、75…分草ガイド、80…本体部分(U字本体部分)、81…取付部、82…取付板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13