(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】撮像システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20220531BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220531BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20220531BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220531BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
H04N5/225 430
G03B15/00 U
G03B17/56 B
G03B17/02
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2020173582
(22)【出願日】2020-10-14
【審査請求日】2020-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】6F,HKUST SZ IER Bldg.NO.9 Yuexing 1st Rd.Hi-Tech Park(South),Nanshan District Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中川 敬太
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 大
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 尚志
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-183738(JP,A)
【文献】特開2013-098580(JP,A)
【文献】特開2001-069495(JP,A)
【文献】特開2002-131806(JP,A)
【文献】特開2001-078063(JP,A)
【文献】特開2004-266876(JP,A)
【文献】特開2016-144074(JP,A)
【文献】特開2015-018000(JP,A)
【文献】特開2013-065939(JP,A)
【文献】特開2019-061055(JP,A)
【文献】特開2019-020557(JP,A)
【文献】特開2011-083454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G03B 15/00
G03B 17/56
G03B 17/02
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサを搭載する第1基板を有する撮像装置と、
前記撮像装置を回転可能に支持する支持機構と、
前記支持機構を保持する本体と
を備え、
前記支持機構は、
前記イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路を搭載する第2基板
と、
前記第2基板を有し、第1軸を中心に前記撮像装置を回転させる第1腕部と、
前記第1腕部に連結され、第2軸を中心に前記撮像装置を回転させる第2腕部と、
前記第2腕部に連結され、第3軸を中心に前記撮像装置を回転させる基部と、
前記本体に連結され、前記基部を前記第3軸に沿った方向に移動可能に保持する保持機構と
を有する、撮像システム。
【請求項2】
前記増幅回路は、緩衝増幅器である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記本体は、前記増幅回路から出力される前記画像信号から画像データを生成する画像処理回路を備える、請求項1
または2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記イメージセンサに印加される電圧を調整する第1電圧レギュレータを搭載する第3基板をさらに有する、請求項1
から3の何れか1つに記載の撮像システム。
【請求項5】
前記第1基板は、前記第1電圧レギュレータで調整された電圧をさらに調整して、前記イメージセンサに印加する第2電圧レギュレータを搭載する、請求項
4に記載の撮像システム。
【請求項6】
イメージセンサを搭載する第1基板を有する撮像装置と、
前記撮像装置を回転可能に支持する支持機構と、
前記支持機構を保持する本体と
を備え、
前記支持機構は、前記イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路を搭載する第2基板を有し、
前記撮像装置は、前記イメージセンサに印加される電圧を調整する第1電圧レギュレータを搭載する第3基板をさらに有し、
前記第1基板は、前記第1電圧レギュレータで調整された電圧をさらに調整して、前記イメージセンサに印加する第2電圧レギュレータを搭載する、撮像システム。
【請求項7】
前記第1電圧レギュレータは、スイッチングレギュレータであり、
前記第2電圧レギュレータは、リニア・レギュレータである、請求項
5または6に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記第1基板と前記第3基板とは、前記撮像装置の光軸方向において重ならない位置に配置されている、請求項
4から6の何れか1つに記載の撮像システム。
【請求項9】
イメージセンサを搭載する第1基板を有する撮像装置と、
前記撮像装置を回転可能に支持する支持機構と、
前記支持機構を保持する本体と
を備え、
前記支持機構は、前記イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路を搭載する第2基板を有し、
前記撮像装置は、前記イメージセンサに印加される電圧を調整する第1電圧レギュレータを搭載する第3基板をさらに有し、
前記第1基板と前記第3基板とは、前記撮像装置の光軸方向において重ならない位置に配置されている、撮像システム。
【請求項10】
前記本体は、前記第1電圧レギュレータに電力を供給する電源を有する、請求項
4から9の何れか1つに記載の撮像システム。
【請求項11】
イメージセンサを搭載する第1基板を有する撮像装置と、
前記撮像装置を回転可能に支持する支持機構と、
前記支持機構を保持する本体と
を備え、
前記支持機構は、前記イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路を搭載する第2基板を有し、
前記撮像装置は、前記イメージセンサに印加される電圧を調整する第1電圧レギュレータを搭載する第3基板をさらに有し、
前記本体は、前記第1電圧レギュレータに電力を供給する電源を有する、撮像システム。
【請求項12】
前記撮像装置は、
前記イメージセンサに光学像を結像させるレンズユニットと、
前記レンズユニットを制御する制御回路に電圧を印加する第3電圧レギュレータを搭載する第4基板と
をさらに有する、請求項
4から11の何れか1つに記載の撮像システム。
【請求項13】
イメージセンサを搭載する第1基板を有する撮像装置と、
前記撮像装置を回転可能に支持する支持機構と、
前記支持機構を保持する本体と
を備え、
前記支持機構は、前記イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路を搭載する第2基板を有し、
前記撮像装置は、
前記イメージセンサに印加される電圧を調整する第1電圧レギュレータを搭載する第3基板と、
前記イメージセンサに光学像を結像させるレンズユニットと、
前記レンズユニットを制御する制御回路に電圧を印加する第3電圧レギュレータを搭載する第4基板と
をさらに有する、撮像システム。
【請求項14】
前記第4基板の少なくとも一部は、前記第1基板と前記撮像装置の光軸方向において重なっている、請求項12
または13に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記第1電圧レギュレータの電源ライン及びグランドラインと、前記第3電圧レギュレータの電源ライン及びグランドラインとは共通である、請求項12
から14の何れか1つに記載の撮像システム。
【請求項16】
前記撮像装置は、前記撮像装置の両側部のそれぞれに固定され、前記撮像装置を支持する一対の第1支持部を有し、
前記第1腕部は、一対であり、一対の前記第1腕部のそれぞれの一端は、前記一対の第1支持部のそれぞれに前記撮像装置が前記第1軸を中心に回転可能に連結される、
請求項
1から5の何れか1つに記載の撮像システム。
【請求項17】
一対の前記第1腕部の一方が、前記第2基板を有する、請求項
16に記載の撮像システム。
【請求項18】
一対の前記第1腕部の他方が、前記撮像装置の回転角度を検出するセンサと、前記センサを搭載する第5基板とを有する、請求項
17に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、撮像装置と、撮像装置を回転可能に支持するジンバルとを備える撮像システムが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-203938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような撮像システムにおいて、イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路による熱の影響を抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る撮像システムは、イメージセンサを搭載する第1基板を有する撮像装置と、撮像装置を回転可能に支持する支持機構と、支持機構を保持する本体とを備えてよい。支持機構は、イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路を搭載する第2基板を有してよい。
【0005】
増幅回路は、緩衝増幅器でよい。
【0006】
支持機構は、第1軸を中心に撮像装置を回転させる第1腕部を有してよい。第1腕部が第2基板を有してよい。
【0007】
支持機構は、第1腕部に連結され、第2軸を中心に撮像装置を回転させる第2腕部と、第2腕部に連結され、第3軸を中心に撮像装置を回転させる基部とを有してよい。
【0008】
支持機構は、本体に連結され、基部を第3軸に沿った方向に移動可能に保持する保持機構をさらに有してよい。
【0009】
本体は、増幅回路から出力される画像信号から画像データを生成する画像処理回路を備えてよい。
【0010】
撮像装置は、イメージセンサに印加される電圧を調整する第1電圧レギュレータを搭載する第3基板をさらに有してよい。
【0011】
第1基板は、第1電圧レギュレータで調整された電圧をさらに調整して、イメージセンサに印加する第2電圧レギュレータを搭載してよい。
【0012】
第1電圧レギュレータは、スイッチングレギュレータでよい。第2電圧レギュレータは、リニア・レギュレータでよい。
【0013】
第1基板と第3基板とは、撮像装置の光軸方向において重ならない位置に配置されてよい。
【0014】
本体は、第1電圧レギュレータに電力を供給する電源を有してよい。
【0015】
撮像装置は、イメージセンサに光学像を結像させるレンズユニットと、レンズユニットを制御する制御回路に電圧を印加する第3電圧レギュレータを搭載する第4基板とをさらに有してよい。
【0016】
第4基板の少なくとも一部は、第1基板と撮像装置の光軸方向において重なっていてよい。
【0017】
第1電圧レギュレータの電源ライン及びグランドラインと、第3電圧レギュレータの電源ライン及びグランドラインとは共通でよい。
【0018】
撮像装置は、撮像装置の両側部のそれぞれに固定され、撮像装置を支持する一対の第1支持部を有してよい。第1腕部は、一対であり、一対の第1腕部のそれぞれの一端は、一対の第1支持部のそれぞれに撮像装置が第1軸を中心に回転可能に連結されてよい。
【0019】
一対の第1腕部の一方が、第2基板を有してよい。
【0020】
一対の第1腕部の他方が、撮像装置の回転角度を検出するセンサと、センサを搭載する第5基板とを有してよい。
【0021】
本発明の一態様によれば、イメージセンサから出力される画像信号を増幅させる増幅回路による熱の影響を抑制できる。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】ジンバルの回路基板を正面左側から見た斜視図である。
【
図4】ジンバルの回路基板を背面左側から見た斜視図である。
【
図5】ジンバルの回路基板を背面右側から見た斜視図である。
【
図6】撮像装置の本体からジンバルの基部までの配線経路を模式的に示す図である。
【
図7】センサ基板及び電源基板を裏側から見た斜視図である。
【
図10】無人航空機及び遠隔操作装置の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0026】
図1は、本実施形態に係る撮像システム10の外観斜視図である。撮像システム10は、撮像装置100、本体200、ジンバル300、及び保持機構400を備える。撮像装置100は、内部にイメージセンサを備える。撮像装置100は、レンズユニット104着脱可能に保持する。レンズユニット104は、交換レンズでよい。ジンバル300は、撮像装置100を回転可能に支持する。ジンバル300は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸を中心に撮像装置100を回転可能に支持する。保持機構400は、ジンバル300を本体200に対してヨー軸方向に移動可能に保持する。本体200は、保持機構400を駆動するモータを有する。ジンバル300及び保持機構400は、撮像装置100を回転可能に支持する支持機構の一例である。
【0027】
ジンバル300は、第1支持部301、第1腕部303、第2腕部305、及び基部306を有する。
【0028】
第1支持部301は、撮像装置100の本体を支持する。第1支持部301は、撮像装置100の本体である筐体に固定されてよい。第1支持部301は、一対であり、撮像装置100の本体の両側部のそれぞれに固定されている。第1支持部301は、撮像装置100の筐体と一体的に構成されてよい。
【0029】
一対の第1支持部301のそれぞれの一端が撮像装置100の筐体に連結され、一対の第1支持部301のそれぞれの他端が、一対の第1腕部303のそれぞれにピッチ軸を中心に撮像装置100が回転可能に連結される。一対の第1腕部303のそれぞれは、一端に第1回転部302を有する。一対の第1回転部302は、それぞれ内部にモータを有する。モータが駆動することで、撮像装置100が第1腕部303に対してピッチ軸を中心に回転する。
【0030】
一対の第1腕部303のそれぞれの他端同士は、連結され、一体的に構成されている。一対の第1腕部303の連結部分には、第2腕部305の一端が、ロール軸を中心に撮像装置100が回転可能に連結される。第2腕部305は、一端に第2回転部304を有する。第2回転部304は、内部にモータを含む。モータが駆動することで、撮像装置100が第2腕部305に対してロール軸を中心に回転する。ロール軸は、撮像装置100の光軸と平行な軸でもよいし、撮像装置100の光軸と交差する軸でもよい。
【0031】
第2腕部305の他端は、ヨー軸を中心に撮像装置100が回転可能に基部306に連結される。基部306は、内部にモータを含む。モータが駆動することで、撮像装置100が基部306に対してヨー軸を中心に回転する。保持機構400は、一端で、基部306を保持する。本体200は、保持機構400がピッチ軸を中心に回転可能に保持機構400の他端を保持してよい。
【0032】
このように構成された撮像システム10において、撮像装置100がイメージセンサを有し、本体200が、イメージセンサから出力される画像信号から画像データを生成する画像処理回路を有する。画像処理回路は、イメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)を含んでよい。撮像装置100と、本体200とは、ジンバル300及び保持機構400を介して連結されている。撮像装置100と本体200との間で信号を伝送するためには、符号116で示す線のように比較的長い配線が必要になる。そのため、イメージセンサから出力される画像信号は、増幅回路で増幅された後、画像処理回路に入力される必要がある。ここで、増幅回路は、緩衝増幅器(バッファ回路)でよい。
【0033】
増幅回路の発熱量は比較的多い。イメージセンサの発熱量も比較的多い。イメージセンサは熱の影響を受けやすく、熱の影響で画質に影響が出る可能性がある。したがって、イメージセンサ及び増幅回路で発生する熱の排出は効率的に行われることが好ましい。
【0034】
そこで、本実施形態では、イメージセンサと、増幅回路とを離間して配置して、イメージセンサ及び増幅回路で発生した熱の排出を効率的に行う。
【0035】
図2は、撮像システム10の回路構成の一例である。撮像システム10は、直流安定化電源250、緩衝増幅器132、スイッチングレギュレータ122、リニア・レギュレータ(LDO)112、イメージセンサ114、及びスイッチングレギュレータ142を備える。LDO112及びイメージセンサ114は、センサ基板110に搭載される。スイッチングレギュレータ122は、電源基板120に搭載される。緩衝増幅器132は、バッファ基板130に搭載される。スイッチングレギュレータ142は、デジタル回路基板140に搭載される。デジタル回路基板140は、レンズユニット104のフォーカス制御、ズーム制御などの各種レンズ制御を実行する制御回路、TOFなどの測距センサを制御する制御回路を搭載する。スイッチングレギュレータ142からの電流がデジタル回路基板140に搭載される各制御回路に供給される。センサ基板110、電源基板120、バッファ基板130、及びデジタル回路基板140は、それぞれ別個の基板である。
【0036】
直流安定化電源250は、本体200に設けられる。直流安定化電源250は、緩衝増幅器132、スイッチングレギュレータ122、及びスイッチングレギュレータ142に予め定められた第1電圧値の電圧を印加する。スイッチングレギュレータ122は、LDO112に予め定められた第2電圧値の電圧を印加する。LDO112は、イメージセンサ114に予め定められた第3電圧値の電圧を印加する。スイッチングレギュレータ142は、予め定められた第4電圧値の電圧をデジタル回路基板140に搭載される各制御回路に印加する。第1電圧値、第2電圧値、第3電圧値、及び第4電圧値のそれぞれは、同一の値でもよいし、異なる値でもよい。
【0037】
緩衝増幅器132は、イメージセンサ114から出力される画像信号の信号レベルを増幅させて、本体200に搭載される画像処理回路に向けて出力する。
【0038】
図3、
図4、及び
図5は、ジンバル300に搭載される各種回路基板の配置関係の一例を示す。
図3は、ジンバル300の正面左側から見た斜視図である。
図4は、ジンバル300の背面左側から見た斜視図である。
図5は、ジンバル300の背面右側から見た斜視図である。
図6は、撮像装置100の本体からジンバル300の基部306までの配線経路を模式的に示す図である。
図6において、配線経路は、符号116で示す点線で示す。
【0039】
撮像装置100の本体が、センサ基板110、電源基板120、及びデジタル回路基板140を有する。一対の第1腕部303の一方が、バッファ基板130を有する。一対の第1腕部303の一方の第1回転部302が、モータ320を有する。一対の第1腕部303の他方の第1回転部302が、モータ321を有する。モータ320及びモータ321が回転することで、撮像装置100がピッチ軸を中心に回転する。
【0040】
一対の第1腕部303の一方の第1回転部302は、TOFセンサと接続されるコネクタ322を有する。一対の第1腕部303の他方の第1回転部302は、撮像装置100のピッチ軸回りの回転角度を検出する回転角度センサを搭載する基板150を有する。一対の第1腕部303の他方の第1回転部302の基板150と反対側には、回転角度センサの磁石が配置される。すなわち、基板150と回転角度センサの磁石との間に、モータ320が配置される。一対の第1腕部303の他方の第1回転部302は、レンズユニット104のフォーカスレンズを駆動する駆動部と接続されるコネクタ324をさらに有する。
【0041】
第2回転部304は、モータ330を有する。モータ330が回転することで、撮像装置100がロール軸を中心に回転する。一対の第1腕部303の連結部分には、モータ320、モータ321、及びモータ330の駆動を制御する制御回路を搭載する基板160が設けられる。
【0042】
基部306は、モータ340を有する。モータ340が回転することで、撮像装置100がヨー軸を中心に回転する。第2腕部305の基部306側の一端には、モータ340の駆動を制御する制御回路、及び撮像装置100のヨー軸回りの回転角度を検出する回転角度センサを搭載する基板170が設けられる。基部306は、モータ340のヨー軸方向の下側に、本体200と電気的に接続するための基板180を有する。
【0043】
以上のように構成された撮像システム10によれば、イメージセンサ114を搭載するセンサ基板110と、緩衝増幅器132を搭載するバッファ基板130とが別個の基板であり、それぞれ離間して配置される。バッファ基板130は、ジンバル300のデッドスペースである第1腕部303の内部に配置される。緩衝増幅器132を撮像装置100の本体の外部に配置することで、撮像装置100の本体内部の熱源を減らすことができる。また、緩衝増幅器132を撮像装置100の本体の外部に配置することで、撮像装置100の本体の内部に配置されるイメージセンサ114に緩衝増幅器132の熱の影響を及ぼすことを防止できる。さらに、撮像装置100の本体の内部の熱源を減らすことで、撮像装置100の本体に設けられるファン及びヒートシンクを小型化及び軽量化できる。
【0044】
バッファ基板130が設けられる一方の第1腕部303とは異なる他方の第1腕部303に、撮像装置100のピッチ軸回りの回転角度を検出する回転角度センサを搭載する基板150が設けられる。これにより、一対の第1腕部303の左右の重量の差を低減させ、重心のズレを抑制できる。なお、バッファ基板130は、第2腕部305、または保持機構400に設けられてもよい。
【0045】
図7は、センサ基板110及び電源基板120を裏側から見た斜視図である。
図8は、センサ基板110を裏側から見た斜視図である。
図9は、センサ基板110を表側から見た斜視図である。
【0046】
センサ基板110と、電源基板120とを分けて、重心が光軸P付近に位置するように配置する。センサ基板110と、電源基板120とを分けることで、重心バランスを取りやすくなる。また、センサ基板110と、デジタル回路基板140とを光軸P方向にずらして配置することで、光軸P方向の重心バランスを取りやすくする。
【0047】
また、センサ基板110、電源基板120、及びバッファ基板130を撮像装置100の本体内で適切に配置することで、撮像装置100の本体の重心をピッチ軸付近に位置付けることができる。
【0048】
撮像装置100の本体が軽量化し、撮像装置100の本体の重心がピッチ軸付近に位置付けられることで、撮像装置100を回転させるための負荷が低減され、ジンバル300に設けられるモータを小型化できる。
【0049】
撮像装置100の本体の外部にバッファ基板130を設けることで、撮像装置100の本体を小型化でき、撮像装置100の移動範囲を小さくでき、ジンバル300を小型化でき、撮像システム10全体を小型化できる。
【0050】
センサ基板110に搭載されるLDO112で発生するノイズは比較的少ない。一方、電源基板120に搭載されるスイッチングレギュレータ122で発生するノイズはLDO112より多い。しかし、スイッチングレギュレータ122は、変換効率が高く、大きな入出力電位差を実現できる。そこで、LDO112及びスイッチングレギュレータ122の2段のDC/DCコンバータで構成する。センサ基板110と電源基板120とが別個の基板で構成されているので、スイッチングレギュレータ122で発生するノイズが、センサ基板110に搭載されるイメージセンサ114に影響を及ぼすことを防止できる。
【0051】
イメージセンサ114用のスイッチングレギュレータ122の電源ライン及びGNDラインと、その他の制御回路用のスイッチングレギュレータ142との電源ライン及びGNDラインとを共通にしている。これにより、スイッチングレギュレータ142のノイズの影響を、スイッチングレギュレータ122が受けやすくなる。しかし、センサ基板110が電源基板120と物理的に分離しているので、スイッチングレギュレータ142のノイズの影響を、イメージセンサ114が受けにくい。よって、イメージセンサ114がノイズの影響を受けることで、画質が低下することを防止できる。
【0052】
上記のような撮像システム10は、移動体に搭載されてもよい。撮像システム10は、
図10に示すような、無人航空機(UAV)に搭載されてもよい。UAV1000は、UAV本体20、ジンバル300、複数の撮像装置60、及び撮像装置100を備えてよい。ジンバル300、及び撮像装置100は、撮像システム10の一例である。UAV1000は、推進部により推進される移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機などの飛行体、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
【0053】
UAV本体20は、複数の回転翼を備える。複数の回転翼は、推進部の一例である。UAV本体20は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV1000を飛行させる。UAV本体20は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV1000を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。また、UAV1000は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0054】
撮像装置100は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。ジンバル300は、撮像装置100を回転可能に支持する。ジンバル300は、支持機構の一例である。例えば、ジンバル300は、撮像装置100を、アクチュエータを用いてピッチ軸で回転可能に支持する。ジンバル300は、撮像装置100を、アクチュエータを用いて更にロール軸及びヨー軸のそれぞれを中心に回転可能に支持する。ジンバル300は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像装置100を回転させることで、撮像装置100の姿勢を変更してよい。
【0055】
複数の撮像装置60は、UAV1000の飛行を制御するためにUAV1000の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置60が、UAV1000の機首である正面に設けられてよい。更に他の2つの撮像装置60が、UAV1000の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置60はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置60もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置60により撮像された画像に基づいて、UAV1000の周囲の3次元空間データが生成されてよい。UAV1000が備える撮像装置60の数は4つには限定されない。UAV1000は、少なくとも1つの撮像装置60を備えていればよい。UAV1000は、UAV1000の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置60を備えてもよい。撮像装置60で設定できる画角は、撮像装置100で設定できる画角より広くてよい。撮像装置60は、単焦点レンズまたは魚眼レンズを有してもよい。
【0056】
遠隔操作装置600は、UAV1000と通信して、UAV1000を遠隔操作する。遠隔操作装置600は、UAV1000と無線で通信してよい。遠隔操作装置600は、UAV1000に上昇、下降、加速、減速、前進、後進、回転などのUAV1000の移動に関する各種命令を示す指示情報を送信する。指示情報は、例えば、UAV1000の高度を上昇させる指示情報を含む。指示情報は、UAV1000が位置すべき高度を示してよい。UAV1000は、遠隔操作装置600から受信した指示情報により示される高度に位置するように移動する。指示情報は、UAV1000を上昇させる上昇命令を含んでよい。UAV1000は、上昇命令を受け付けている間、上昇する。UAV1000は、上昇命令を受け付けても、UAV1000の高度が上限高度に達している場合には、上昇を制限してよい。
【0057】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0058】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0059】
10 撮像システム
20 UAV本体
60 撮像装置
100 撮像装置
104 レンズユニット
110 センサ基板
112LDO
114 イメージセンサ
120 電源基板
122,142 スイッチングレギュレータ
130 バッファ基板
132 緩衝増幅器
140 デジタル回路基板
150,160,170,180 基板
200 本体
250 直流安定化電源
300 ジンバル
301 第1支持部
302 第1回転部
303 第1腕部
304 第2回転部
305 第2腕部
306 基部
320,321,330,340 モータ
322,324 コネクタ
400 保持機構
600 遠隔操作装置
1000 UAV