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特許7081771溝が形成されたガスケットを含む円筒型二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】溝が形成されたガスケットを含む円筒型二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/152 20210101AFI20220531BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20220531BHJP
   H01M 50/578 20210101ALI20220531BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20220531BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20220531BHJP
【FI】
H01M50/152
H01M50/184 D
H01M50/578
H01M50/586
H01M50/342 101
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021532879
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 KR2020006498
(87)【国際公開番号】W WO2020256284
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-06-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0072473
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】キム、セ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、フン
(72)【発明者】
【氏名】ナ、ジョン スン
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ウー
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン ジュン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-524118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0028090(US,A1)
【文献】国際公開第2014/017091(WO,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0363824(KR,Y1)
【文献】特開2010-124072(JP,A)
【文献】実開昭52-056225(JP,U)
【文献】実開昭53-166023(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第107437593(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
H01M 50/50
H01M 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極、陰極及び分離膜を含む電極組立体を収容する円筒形カンと、
前記円筒形カンの上部に位置するキャップ組立体と、
前記キャップ組立体のトップキャップ及びベンティング部材の外周縁を取り囲むように設けられた状態で前記円筒形カンを密封する第1ガスケットと、
前記キャップ組立体の下部に位置する電流遮断部材(CID)と、
前記電流遮断部材の外周縁に位置する第2ガスケットと、
を含み、
前記第1ガスケットの上端部は前記トップキャップの外周縁上面を取り囲む構造を有し、
前記第1ガスケットの上端部の内側面の少なくとも一部には、前記トップキャップの外周縁上面と密着することを防止するための溝部が形成されている、円筒型二次電池。
【請求項2】
前記トップキャップは突出形中心部とトップキャップの外周縁を連結するブリッジを含み、前記溝部は前記ブリッジと連結されるトップキャップの外周縁と対面する第1ガスケットの上端部に形成される、請求項1に記載の円筒型二次電池。
【請求項3】
前記溝部の両側末端を連結する長さはブリッジの幅より大きい、請求項2に記載の円筒型二次電池。
【請求項4】
前記溝部は全体として均一な深さの溝が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の円筒型二次電池。
【請求項5】
前記溝部は凹部及び凸部が連続的に形成された構造を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の円筒型二次電池。
【請求項6】
前記凸部の厚さは溝部が形成されなかった第1ガスケットの上端部の厚さと同一である、請求項5に記載の円筒型二次電池。
【請求項7】
前記凸部の厚さは溝部が形成されなかった第1ガスケットの上端部の厚さより小さい、請求項5に記載の円筒型二次電池。
【請求項8】
前記第1ガスケットの上端部は多孔性構造を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の円筒型二次電池。
【請求項9】
前記第2ガスケットは、ベンティング部材と電流遮断部材の接触を防止するために、電流遮断部材の外周部の上面に位置する上部、及び前記電流遮断部材の外周部の外側に位置する側部を含み、
前記上部の少なくとも一部には打抜部が形成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の円筒型二次電池。
【請求項10】
前記打抜部は電流遮断部材と結合する陽極タブに隣接した位置に形成される、請求項9に記載の円筒型二次電池。
【請求項11】
前記打抜部は前記第2ガスケット上部の内側一部が除去された形態を有する、請求項9または10に記載の円筒型二次電池。
【請求項12】
前記打抜部は前記第2ガスケット上部の下面に溝が形成された構造を有する、請求項9または10に記載の円筒型二次電池。
【請求項13】
前記溝はスリット形態を有する、請求項12に記載の円筒型二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年6月18日付の韓国特許出願第2019-0072473号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は溝が形成されたガスケットを含む円筒型二次電池に関するもので、具体的にキャップ組立体において高温の部分に隣接したガスケットの形態を変形して高温に対する安全性を向上させた溝が形成されたガスケットを含む円筒型二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0003】
リチウム二次電池は、電極組立体が円筒形又は角形の金属カンに内蔵されている円筒型二次電池又は角型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ形ケースに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類される。その中で、円筒型二次電池は相対的に容量が大きくて構造的に安定であるという利点がある。
【0004】
円筒型二次電池は、開放した円筒形ケースの上端にキャップ組立体を位置させ、円筒形ケースとキャップ組立体との間にガスケットを介在して密封する。前記ガスケットは、電極組立体の陽極タブと連結されるキャップ組立体と陰極タブと連結される円筒形ケースとの間の絶縁性を確保する機能も有する。
【0005】
図1は一般的な円筒型二次電池の垂直断面図を示している。図1を参照すると、円筒型二次電池100は、円筒形電池ケース120の内部にゼリーロール形電極組立体110が収納され、上部にはキャップ組立体130が位置し、キャップ組立体130の第1ガスケット133によって円筒型二次電池100が密封される。
【0006】
キャップ組立体130は、トップキャップ131の外周を取り囲み、トップキャップの下部に位置する安全ベント132と、安全ベント132の中心部と接触し、安全ベント132の下部に位置する電流遮断部材134とを含む。電流遮断部材134の外周縁には、安全ベント132と電流遮断部材134が前記中心部以外の部分で接触することを防止するための第2ガスケット135が位置する。
【0007】
電流遮断部材134の下面にはゼリーロール形電極組立体110の陽極タブ111が付着されてキャップ組立体130が陽極端子の役割をする。
【0008】
これに関連して、トップキャップ131においてガス排出用開口が形成されていない部分は陽極タブの発熱によって過熱することがあり、前記第1ガスケットにおいて前記トップキャップの発熱部と密着した部分が溶融する可能性が高い。前記第1ガスケットが溶融する場合には、二次電池の密封が問題となるか電池ケースとタブアセンブリーが接触して通電する問題が発生することがある。
【0009】
図2図1の第2ガスケットと陽極タブの位置関係を示すための下部斜視図である。
【0010】
図2を参照すると、ゼリーロール形電極組立体に付着されて伸びた陽極タブ111は電流遮断部材(省略)と結合する。ここで、前記電流遮断部材と安定的に結合するために陽極タブ111の末端112を折り曲げれば、陽極タブ111の末端112が電流遮断部材の下面に結合することができる。すなわち、前記陽極タブは電流遮断部材の下面中心部に結合せず、一側に偏った状態で結合する。第2ガスケット135において陽極タブの末端112に隣接した部分は主要発熱部位である陽極タブの温度によって溶融することがある。このような場合、電流遮断部材134と安全ベント132が通電することができる。
【0011】
よって、高融点の素材から第1ガスケット及び第2ガスケットを製造して使うことができるが、これは製造コストの増加をもたらすから、適用が難しいという問題がある。
【0012】
特許文献1は両面に凸部が形成された内部ガスケットを含む密閉型電池に関するものであり、密封体の内部に電解液が浸透することを抑制し、密封体の内部にあるPTC素子又は防爆バルブなどが誤作動することを防止することができるが、キャップ組立体の発熱によってガスケットが溶融することを防止することができる技術を開示していない。
【0013】
特許文献2は正極端子として使われるキャップ組立体と負極端子として使われるカンとの絶縁のために溝が形成されたガスケットをその間に挿入する構造を開示しているが、電流遮断部材用ガスケットの溶融を防止するための構造は開示していない。
【0014】
特許文献3はキャップ組立体と電池カンとの間に介在されるガスケットにおいて、電池カンの方向に溝が形成された構造を開示しているが、加熱されたトップキャップによってガスケットが溶融することを防止するための技術に相当しない。
【0015】
特許文献4は金属カンの上部としてクランピングされた部分の内面に、クランピングによってガスケットが部分的に湾入した湾入形の溝が形成された円筒形電池セルに関するものであり、クランピング工程の際にガスケットが損傷されることを防止するための構造である。
【0016】
このように、円筒型二次電池において高温によるガスケットの損傷を防止するための解決方案が提示されることができていないので、容易な方法でガスケットの溶融を防止して密封性及び絶縁性を向上させることができる技術に対する必要性が高い、というのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】特開平11-283588号公報
【文献】韓国公開特許第2000-0051436号公報
【文献】特開2009-135008号公報
【文献】韓国公開特許第2018-0036086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、トップキャップと電池ケースとの間に介在される第1ガスケットの形態を変形してトップキャップの高温部分と接触する第1ガスケットの部分を最小化し、電流遮断部材の外周に位置する第2ガスケットの形態を変形して高温の陽極タブと前記第2ガスケットとの距離を最大に維持する構造をなすように、溝が形成されているガスケットを含む円筒型二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このような目的を達成するための本発明による円筒型二次電池は、陽極、陰極及び分離膜を含む電極組立体を収容する円筒形カンと、前記円筒形カンの上部に位置するキャップ組立体と、前記キャップ組立体のトップキャップ及びベンティング部材の外周縁を取り囲むように設けられた状態で前記円筒形カンを密封する第1ガスケットと、前記キャップ組立体の下部に位置する電流遮断部材(CID)と、前記電流遮断部材の外周縁に位置する第2ガスケットとを含み、前記第1ガスケットの上端部は前記トップキャップの外周縁上面を取り囲む構造を有し、前記第1ガスケットの上端部の内側面の少なくとも一部には、前記トップキャップの外周縁上面と密着することを防止するための溝部が形成されている構造を有する。
【0020】
前記トップキャップは突出形中心部とトップキャップの外周縁を連結するブリッジを含むことができ、前記溝部は前記ブリッジと連結されるトップキャップの外周縁と対面する第1ガスケットの上端部に形成されることができる。
【0021】
前記溝部の両側末端を連結する長さはブリッジの幅より大きいとすることができる。
【0022】
前記溝部は全体として均一な深さの溝が形成されていることができる。
【0023】
前記溝部は凹部及び凸部が連続的に形成された構造を有することができる。
【0024】
前記凸部の厚さは溝部が形成されなかった第1ガスケットの上端部の厚さと同一であることができる。
【0025】
前記凸部の厚さは溝部が形成されなかった第1ガスケットの上端部の厚さより小さいとすることができる。
【0026】
前記第1ガスケットの上端部は多孔性構造を有することができる。
【0027】
前記第2ガスケットは、ベンティング部材と電流遮断部材の接触を防止するために、電流遮断部材の外周部の上面に位置する上部、及び前記電流遮断部材の外周部の外側に位置する側部を含むことができ、前記上部の少なくとも一部には打抜部が形成されていることができる。
【0028】
前記打抜部は電流遮断部材と結合する陽極タブに隣接した位置に形成されることができる。
【0029】
前記打抜部は前記第2ガスケット上部の内側一部が除去された形態を有することができる。
【0030】
前記打抜部は前記第2ガスケット上部の下面に溝が形成された構造を有することができる。
【0031】
前記溝はスリット形態を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一般的な円筒型二次電池の垂直断面図である。
図2図1の第2ガスケットと陽極タブの位置関係を示すための下部斜視図である。
図3】キャップ組立体の斜視図である。
図4】第1ガスケットの第1実施例を示す図である。
図5】第1ガスケットの第2実施例を示す図である。
図6】第2ガスケットの第1実施例を示す図である。
図7】第2ガスケットの第2実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0034】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分は同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというとは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0035】
本発明を図面に基づいて詳細な実施例とともに説明する。
【0036】
図3はキャップ組立体の斜視図である。
【0037】
図3を参照すると、キャップ組立体はトップキャップ210の外周縁を第1ガスケット220が取り囲む構造である。トップキャップ210は、突出形の中心部211、円筒形カンの内部で発生したガスを排出するための開口213、及び中心部211と外周縁を連結するブリッジ212を含む。
【0038】
キャップ組立体の下端に位置する電流遮断部材の下面には陽極タブが結合される。前記陽極タブは電流が流れる通路であり、特に発熱が激しく発生する部分である。
【0039】
したがって、前記陽極タブと連結される前記キャップ組立体は全体として温度が増加することになる。特に、第1ガスケット220内で、トップキャップのブリッジ212と連結されるトップキャップの外周縁と対面する第1ガスケット220の上端部は最高温度分布を示す。
【0040】
よって、本発明では、トップキャップの外周縁と第1ガスケットの接触を最小化し、ブリッジの高温が第1ガスケットに伝達されることを抑制することにより、第1ガスケットが溶融することを防止することができる構造を提示する。
【0041】
これに関連して、図4は第1ガスケットの第1実施例を示し、図5は第1ガスケットの第2実施例を示す。
【0042】
図4を参照すると、第1ガスケット230は上端部231の内側面に溝部232が形成された構造である。
【0043】
具体的に、溝部232はトップキャップのブリッジと連結されるトップキャップの外周縁と対面する第1ガスケットの上端部231に形成される。
【0044】
第1ガスケットの上端部において溝部232の厚さは均一に形成され、使用されるトップキャップに形成されたブリッジの個数と同じ個数の溝部232が形成されることができる。
【0045】
第1ガスケットの上端部において、溝部232の厚さは第1ガスケットにおいて溝部が形成されなかった部分の厚さより小さいので、第1ガスケットの溝部232にトップキャップの上面から離隔した空間が形成される。
【0046】
溝部232の大きさはブリッジと連結されたトップキャップの外周縁部分より大きいことが好ましい。第1ガスケット230において溝部232の両側端を連結する長さa1は図3のブリッジ212の幅a2より大きいとすることができる。
【0047】
図5を参照すると、第1ガスケット240は第1ガスケットの上端部241の内側面に溝部242が形成された構造を有する。
【0048】
図4の第1ガスケット230と同様に、第1ガスケット240の溝部242はトップキャップのブリッジと連結されるトップキャップの外周縁と対面する第1ガスケットの上端部の内側面に形成される。
【0049】
溝部242は凹部242a及び凸部242bが連続的に形成された構造を有し、凸部242bの厚さd2が溝部の形成されなかった第1ガスケットの上端部の厚さd1と同じ大きさを有する場合には、ブリッジと連結されるトップキャップの外周縁上面と溝部の凹部242aは密着せず、溝部の凸部242bは密着する。
【0050】
このように、キャップ組立体の高温部分と第1ガスケットとの接触点を部分的に除去することにより、第1ガスケットに高温が伝達されて第1ガスケットが損傷されることを抑制することができる。
【0051】
もしくは、前記凸部242bの厚さd2が溝部の形成されなかった第1ガスケットの上端部の厚さd1より小さい場合には、ブリッジと連結されるトップキャップの外周縁上面から溝部全体が離隔するように構成されるので、第1ガスケットに高温が伝達されることを最小化することができる。
【0052】
もしくは、第1ガスケット230、240の上端部231、241は、高温が第1ガスケットに伝達されることを最小化するために、多孔性構造を有し、第1ガスケット230、240の側部233、243は円筒形カンの密封のために高密度構造を有することができる。
【0053】
一般に、キャップ組立体の下部に位置する電流遮断部材の外周縁には第2ガスケットが位置し、前記第2ガスケットは、前記電流遮断部材と安全ベントが分離されたとき、前記電流遮断部材と安全ベントが絶縁を維持することができる機能を有する。
【0054】
前記電流遮断部材の下面には電極組立体の陽極タブが付着され、前記陽極タブは前記電流遮断部材の中心から一側に偏った位置に付着されるので、第2ガスケットにおいて陽極タブに近い部分は最高温度分布を示す。
【0055】
これに関連して、図6は第2ガスケットの第1実施例を示し、図7は第2ガスケットの第2実施例を示す。
【0056】
図6を参照すると、第2ガスケット350は、ベンティング部材と電流遮断部材の接触を防止するために、電流遮断部材の外周部の上面に位置する第2ガスケット上部351、及び前記電流遮断部材の外周部の外側に位置する第2ガスケット側部352を含み、第2ガスケット上部351の少なくとも一部には打抜部353が形成されている。
【0057】
図6は電流遮断部材の下面に付着されるために伸びた陽極タブ111を点線で示している。電流遮断部材と結合する陽極タブの末端112に隣接した位置に第2ガスケット上部351の内側の一部が除去された形態の打抜部353が形成される。
【0058】
打抜部353は陽極タブ111との離隔距離を確保する大きさ及び位置に形成されることが好ましく、打抜部の両側端を連結する長さc1は陽極タブの幅c2より大きいことが好ましい。
【0059】
したがって、陽極タブの末端112と第2ガスケット350との間の距離を最大化することができる。
【0060】
図7を参照すると、第2ガスケット360は、ベンティング部材と電流遮断部材の接触を防止するために、電流遮断部材の外周部の上面に位置する第2ガスケット上部361、及び前記電流遮断部材の外周部の外側に位置する第2ガスケット側部362を含み、第2ガスケット上部361の少なくとも一部には打抜部363が形成されている。
【0061】
打抜部363は第2ガスケット上部361の下面に溝が形成された構造を有し、前記溝はスリット形態を有する。もしくは、他の一実施例として、前記打抜部は貫通口が形成された構造を有することができる。
【0062】
したがって、円筒型二次電池の内部圧力の増加によって安全ベントが変形して電流遮断部材と結合された安全ベントが分離される場合、安全ベントと電流遮断部材の絶縁性を確保することができ、陽極タブの高温の熱が第2ガスケットに伝達されて第2ガスケットが損傷されることを抑制することができる。
【0063】
打抜部363も、図6の打抜部353と同様に、陽極タブの末端112に隣接した第2ガスケットの上部に形成され、打抜部の両側端を連結する長さは陽極タブの幅より大きい。
【0064】
参考までに、図6及び図7に示す陽極タブにおいて、電流遮断部材と結合された陽極タブの末端112の反対側端は電極組立体と連結される部分であり、キャップ組立体から離隔するように位置するから、図面に示すものとは違い、第2ガスケットに隣接して位置しない。
【0065】
このように、本発明は、第1ガスケット及び第2ガスケットの形態を変形して適用することにより、密封性及び絶縁性を確保するのみならず、高温安全性も向上した円筒型二次電池を提供する。
【0066】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形をなすことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上で説明したように、本発明による円筒型二次電池は、第1ガスケットに溝部が形成されているから、高温部分であるトップキャップと前記第1ガスケットが密着しない部分が形成される。よって、前記トップキャップの発熱によって前記第1ガスケットが溶融することを最小化することができる。
【0068】
また、第2ガスケットに打抜部が形成されることにより前記第2ガスケットと陽極タブとの間の距離を最大に維持することができるので、陽極タブの発熱によって第2ガスケットが溶融することを最小化することができる。
【0069】
このように、第1ガスケット及び第2ガスケットの形態を変形する方法で高温安全性を向上させることができるので、高温安全性を確保するために追加の工程が不要であり、従来の円筒型二次電池の製造工程に容易に適用することができる。
【0070】
また、高価の耐熱性素材を使わないので、製造コストを節減することができる。
【符号の説明】
【0071】
100 円筒型二次電池
110 ゼリーロール形電極組立体
111 陽極タブ
112 陽極タブの末端
120 円筒形電池ケース
130 キャップ組立体
131、210 トップキャップ
132 安全ベント
133、220、230、240 第1ガスケット
134 電流遮断部材
135、350、360 第2ガスケット
211 中心部
212 ブリッジ
213 開口
231、241 第1ガスケットの上端部
232、242 溝部
233、243 (第1ガスケットの)側部
242a 凹部
242b 凸部
351、361 第2ガスケット上部
352、362 第2ガスケット側部
353、363 打抜部
a1 溝部の両側端を連結する長さ
a2 ブリッジの幅
c1 打抜部の両側端を連結する長さ
c2 陽極タブの幅
d1 溝が形成されなかった第1ガスケットの上端部の厚さ
d2 凸部の厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7