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特許7081780情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220531BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220531BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 350
G06Q30/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021189649
(22)【出願日】2021-11-22
【審査請求日】2022-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521567930
【氏名又は名称】ライフジェンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100211719
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 和真
(72)【発明者】
【氏名】野村 正和
(72)【発明者】
【氏名】松下 敦士
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-022406(JP,A)
【文献】特開2020-161184(JP,A)
【文献】特開2002-189798(JP,A)
【文献】特開2004-013721(JP,A)
【文献】特開2021-105880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理装置であって、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の購入希望を取得した場合、該第2ユーザに対して、該物品の購入後に該第2ユーザが行う該物品の出品に関する案内である第2案内情報を更に通知するとともに、該第2ユーザからの該物品の出品の予約の有無を含んだ所定の予約情報を取得する、
情報処理装置。
【請求項2】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理装置であって、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、
を実行する制御部を備え、
前記物品の取引において前記第1ユーザから前記第2ユーザへ該物品の売却が行われた場合に、該物品を販売した前記第1ユーザを販売ユーザとし、該物品を購入した前記第2ユーザを購入ユーザとしたとき、
前記制御部は、
前記物品の取引において前記販売ユーザから前記購入ユーザへ該物品が転々流通した回数である流通回数を取得することと、
前記物品の取引において最初に該物品を流通させた前記販売ユーザに対して、前記流通回数に応じた所定のインセンティブを付与することと、を更に実行する、
情報処理装置。
【請求項3】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理装置であって、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の返却希望を取得した場合、該物品を貸与した前記第1ユーザに対して、該物品についての再出品案内を含んだ情報である第3案内情報を通知することを、更に実行する、
情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第3案内情報に対する前記第1ユーザからの応答として前記物品の再出品希望を取得した場合、
前記第1ユーザからの前記物品の再出品に対する前記申込情報を取得することと、
貸与している前記物品が前記第1ユーザへ返却される前に、前記申込情報に基づいて、該物品を新たな前記第2ユーザへ配送するための所定の配送処理を実行することと、を更に実行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理装置であって、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記物品の流通市場から取得され得る情報であって、該物品を製造する製造者、該物品を販売する販売者、該物品を現在所有している所有者、及び該物品を過去に所有していた所有経験者に関する情報を含んだ所定の流通市場情報を取得することと、
前記物品の取引において該物品を使用する前記個人ユーザに対して、前記流通市場情報に基づいて形成される所定のコミュニティへの参加案内を含んだ情報である第4案内情報を通知することと、
前記コミュニティへ参加した前記個人ユーザに対して、前記製造者又は/及び前記販売者又は/及び前記所有者又は/及び前記所有経験者からの前記物品に関する所定の情報を提供することと、を更に実行する、
情報処理装置。
【請求項6】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行し、
前記コンピュータは、
前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の購入希望を取得した場合、該第2ユーザに対して、該物品の購入後に該第2ユーザが行う該物品の出品に関する案内である第2案内情報を更に通知するとともに、該第2ユーザからの該物品の出品の予約の有無を含んだ所定の予約情報を取得する、
情報処理方法。
【請求項7】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行し、
前記物品の取引において前記第1ユーザから前記第2ユーザへ該物品の売却が行われた場合に、該物品を販売した前記第1ユーザを販売ユーザとし、該物品を購入した前記第2ユーザを購入ユーザとしたとき、
前記コンピュータが、
前記物品の取引において前記販売ユーザから前記購入ユーザへ該物品が転々流通した回数である流通回数を取得することと、
前記物品の取引において最初に該物品を流通させた前記販売ユーザに対して、前記流通回数に応じた所定のインセンティブを付与することと、を更に実行する、
情報処理方法。
【請求項8】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理方法であって、
コンピュータが、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、
前記物品の流通市場から取得され得る情報であって、該物品を製造する製造者、該物品を販売する販売者、該物品を現在所有している所有者、及び該物品を過去に所有していた所有経験者に関する情報を含んだ所定の流通市場情報を取得することと、
前記物品の取引において該物品を使用する前記個人ユーザに対して、前記流通市場情報に基づいて形成される所定のコミュニティへの参加案内を含んだ情報である第4案内情報を通知することと、
前記コミュニティへ参加した前記個人ユーザに対して、前記製造者又は/及び前記販売者又は/及び前記所有者又は/及び前記所有経験者からの前記物品に関する所定の情報を提供することと
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行させ、
前記コンピュータに、
前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の購入希望を取得した場合、該第2ユーザに対して、該物品の購入後に該第2ユーザが行う該物品の出品に関する案内である第2案内情報を更に通知させるとともに、該第2ユーザからの該物品の出品の予約の有無を含んだ所定の予約情報を取得させる、
情報処理プログラム。
【請求項10】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行させ、
前記物品の取引において前記第1ユーザから前記第2ユーザへ該物品の売却が行われた場合に、該物品を販売した前記第1ユーザを販売ユーザとし、該物品を購入した前記第2ユーザを購入ユーザとしたとき、
前記コンピュータに、
前記物品の取引において前記販売ユーザから前記購入ユーザへ該物品が転々流通した回数である流通回数を取得することと、
前記物品の取引において最初に該物品を流通させた前記販売ユーザに対して、前記流通回数に応じた所定のインセンティブを付与することと、を更に実行させる、
情報処理プログラム。
【請求項11】
個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、
所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、
前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、
前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、
前記物品の流通市場から取得され得る情報であって、該物品を製造する製造者、該物品を販売する販売者、該物品を現在所有している所有者、及び該物品を過去に所有していた所有経験者に関する情報を含んだ所定の流通市場情報を取得することと、
前記物品の取引において該物品を使用する前記個人ユーザに対して、前記流通市場情報に基づいて形成される所定のコミュニティへの参加案内を含んだ情報である第4案内情報を通知することと、
前記コミュニティへ参加した前記個人ユーザに対して、前記製造者又は/及び前記販売者又は/及び前記所有者又は/及び前記所有経験者からの前記物品に関する所定の情報を提供することと
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自身の所有物が不要になった場合などにおいて、その所有物を二次流通させる取引が増加傾向にある。例えば、ユーザ間で直接取引を行うためのプラットフォームを提供するサービスが知られており、インターネットを使用した個人ユーザ間での商品売買が盛んに行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、インターネットを使用した電子商取引において、出品ユーザが出品する商品の商品情報を取得し、購入ユーザが商品ページの表示要求をした場合に、その商品情報と購入ユーザに関する情報に基づいて商品説明文を生成し購入ユーザに送信する情報処理方法が開示されている。
【0004】
また、従来から、商品等を一時的に使用するレンタルシステムが知られている。このようなレンタルシステムでは、ユーザは、商品を使用しているうちにその商品に愛着が生じたとしても、それを返さずに自分のものとして所持することはできない。一方で、ユーザは、商品等を購入すればそれを所持することができるが、購入した商品等が必ずしも望んでいた通りのものであるとは限らず、この場合、ユーザが支払った商品等の購入代金が無駄になってしまう虞がある。そこで、ユーザが商品等を返却するか購入するかを決めることなく商品等を借りることができるシステムが提案されている。例えば、特許文献2には、ゲームソフトの貸出情報に販売金額を含めて記憶するとともに、該貸出情報に関連づけてクレジットカード情報を記憶し、貸出期間満了時までに返却情報が入力されないときにはクレジットカード情報に対応するクレジットカードに販売金額を課金する、ゲームソフトの貸借および購買システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6469923号公報
【文献】特開2011-181002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年増加傾向にある物品の二次流通の取引では、これまで販売業者等から物品を購入していた消費者が、その物品を他者に販売することで該物品を二次流通させる販売者ともなり得る。この場合、上記の他者の視点では、物品を購入する際に新品の代替品として中古品も比較検討できることになり、結果として、中古品の取引機会が増加することになる。そうすると、物品の二次流通の取引がサスティナブル社会実現への貢献となり得る。ここで、消費者による物品の二次流通に関する技術として、特許文献1に記載の技術によれば、出品ユーザが出品する商品の説明文が自動で生成される。これによれば、商品の出品作業の負担が軽減されることで、個人ユーザによる中古品の売買取引の負担が軽減され、その結果、物品の二次流通が促進されるようにも思われる。しかしながら、このような中古品の売買取引では、購入ユーザが、その中古品が望んでいた通りのものであるかどうか確信がもてず、例えば、その中古品の出所が正規のものであるか確信がもてない場合は鑑定を要する事態が生じるなど、購入を躊躇する事態が生じ得る。
【0007】
一方で、特許文献2に記載の技術によれば、ユーザが商品等を返却するか購入するかを決めることなく商品等を借りることができるため、ユーザは、商品等を試用した後に、該商品等を所有し続けるか返却するかを判断することができる。しかしながら、この技術では、貸出期間が満了すると自動でその商品等の販売金額が課金されてしまうため、ユーザにとっての利便性が高くない。また、このようなシステムは、店舗等の事業者とユーザとの間の取引を対象としたものであって、個人ユーザ間における取引の実態にはそぐわない場合がある。そして、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を促進させることができる技術については、未だ改良の余地を残すものである。
【0008】
本開示の目的は、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の情報処理装置は、個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理装置である。そして、この情報処理装置は、前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行する制御部を備える。
【0010】
上記の情報処理装置では、制御部が、第2ユーザからの物品の購入又は借用の申込みに関する申込情報を取得する。これにより、第2ユーザは、第1ユーザから出品された物品を購入する前に試用することができる。更に、制御部は、物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、第2ユーザに対して上記の第1案内情報を通知する。そうすると、第2ユーザは、第1ユーザが出品した物品の借用が終了する前に、その物品の返却または購入の応答を行うことが可能になる。これによれば、個人ユーザによる二次流通品(中古品)の取引において、該個人ユーザは安心して物品の取引を行うことができ、以て、物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0011】
そして、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の購入希望を取得した場合、該第2ユーザに対して、該物品の購入後に該第2ユーザが行う該物品の出品に関する案内である第2案内情報を更に通知するとともに、該第2ユーザからの該物品の出品の予約の有無を含んだ所定の予約情報を取得してもよい。このような情報処理装置では、第1ユーザから出品された物品の購入希望をした第2ユーザに上記の第2案内情報が通知される。そのため、この第2ユーザに対して、将来的な物品の出品について動機付けをすることができる。また、制御部によって上記の予約情報が取得されることで、将来的に第2ユーザから更に流通する二次流通品(中古品)の取引機会を担保することができる。
【0012】
ここで、以上に述べた情報処理装置において、前記物品の取引において前記第1ユーザから前記第2ユーザへ該物品の売却が行われた場合に、該物品を販売した前記第1ユーザを販売ユーザとし、該物品を購入した前記第2ユーザを購入ユーザとしたとき、前記制御部は、前記物品の取引において前記販売ユーザから前記購入ユーザへ該物品が転々流通した回数である流通回数を取得することと、前記物品の取引において最初に該物品を流通させた前記販売ユーザに対して、前記流通回数に応じた所定のインセンティブを付与することと、を更に実行してもよい。このような情報処理装置では、一次流通品を購入したユーザが、その物品を二次流通の取引に出品することについて、動機付けが行われる。そのため、二次流通品(中古品)の取引機会が増加することになり、以て、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0013】
また、本開示の情報処理装置において、前記制御部は、前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の返却希望を取得した場合、該物品を貸与した前記第1ユーザに対して、該物品についての再出品案内を含んだ情報である第3案内情報を通知することを、更に実行してもよい。これによれば、第1ユーザに対して、物品の再出品について動機付けをすることができ、以て、物品の二次流通を好適に促進することができる。そして、この場合、前記制御部は、前記第3案内情報に対する前記第1ユーザからの応答として前記物品の再出品希望を取得した場合、前記第1ユーザからの前記物品の再出品に対する前記申込情報を取得することと、貸与している前記物品が前記第1ユーザへ返却される前に、前記申込情報に基づいて、該物品を新たな前記第2ユーザへ配送するための所定の配送処理を実行することと、を更に実行してもよい。これによれば、貸与中の物品が第1ユーザへ一旦返却されることなく新たな第2ユーザの元へ配送されることになるため、物品の効率的な二次流通が実現される。
【0014】
更に、以上に述べた情報処理装置では、前記制御部は、前記物品の流通市場から取得され得る情報であって、該物品を製造する製造者、該物品を販売する販売者、該物品を現在所有している所有者、及び該物品を過去に所有していた所有経験者に関する情報を含んだ所定の流通市場情報を取得することと、前記物品の取引において該物品を使用する前記個人ユーザに対して、前記流通市場情報に基づいて形成される所定のコミュニティへの参加案内を含んだ情報である第4案内情報を通知することと、前記コミュニティへ参加した前記個人ユーザに対して、前記製造者又は/及び前記販売者又は/及び前記所有者又は/及び前記所有経験者からの前記物品に関する所定の情報を提供することと、を更に実行してもよい。このような情報処理装置では、二次流通する物品を仲介してユーザ同士がつながるユーザネットワークが形成される。そうすると、二次流通品の取引が新たな価値を創造することになり、以て、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0015】
また、本開示は、コンピュータによる情報処理方法の側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理方法は、個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理方法であって、コンピュータが、前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行する。このとき、前記コンピュータは、前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の購入希望を取得した場合、該第2ユーザに対して、該物品の購入後に該第2ユーザが行う該物品の出品に関する案内である第2案内情報を更に通知するとともに、該第2ユーザからの該物品の出品の予約の有無を含んだ所定の予約情報を取得してもよい。
【0016】
そして、このような情報処理方法において、前記物品の取引において前記第1ユーザから前記第2ユーザへ該物品の売却が行われた場合に、該物品を販売した前記第1ユーザを販売ユーザとし、該物品を購入した前記第2ユーザを購入ユーザとしたとき、前記コンピュータが、前記物品の取引において前記販売ユーザから前記購入ユーザへ該物品が転々流通した回数である流通回数を取得することと、前記物品の取引において最初に該物品を流通させた前記販売ユーザに対して、前記流通回数に応じた所定のインセンティブを付与することと、を更に実行してもよい。また、以上に述べた情報処理方法において、前記コンピュータが、前記物品の流通市場から取得され得る情報であって、該物品を製造する製造者、該物品を販売する販売者、該物品を現在所有している所有者、及び該物品を過去に所有していた所有経験者に関する情報を含んだ所定の流通市場情報を取得することと、前記物品の取引において該物品を使用する前記個人ユーザに対して、前記流通市場情報に基づいて形成される所定のコミュニティへの参加案内を含んだ情報である第4案内情報を通知することと、前記コミュニティへ参加した前記個人ユーザに対して、前記製造者又は/及び前記販売者又は/及び前記所有者又は/及び前記所有経験者からの前記物品に関する所定の情報を提供することと、を更に実行してもよい。
【0017】
また、本開示は、情報処理プログラムの側面から捉えることができる。すなわち、本開示の情報処理プログラムは、個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理プログラムであって、コンピュータに、前記物品の出品を希望する前記個人ユーザである第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、所定のインタフェースを介して、前記出品情報を複数の前記個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、前記出品情報を閲覧した前記個人ユーザのうち前記物品の購入又は借用を希望する前記個人ユーザである第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、前記申込情報に基づいて前記第1ユーザから前記第2ユーザへ前記物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行させる。このとき、前記コンピュータに、前記第1案内情報に対する前記第2ユーザからの応答として前記物品の購入希望を取得した場合、該第2ユーザに対して、該物品の購入後に該第2ユーザが行う該物品の出品に関する案内である第2案内情報を更に通知させるとともに、該第2ユーザからの該物品の出品の予約の有無を含んだ所定の予約情報を取得させてもよい。
【0018】
そして、このような情報処理プログラムにおいて、前記物品の取引において前記第1ユーザから前記第2ユーザへ該物品の売却が行われた場合に、該物品を販売した前記第1ユーザを販売ユーザとし、該物品を購入した前記第2ユーザを購入ユーザとしたとき、前記コンピュータに、前記物品の取引において前記販売ユーザから前記購入ユーザへ該物品が転々流通した回数である流通回数を取得することと、前記物品の取引において最初に該物品を流通させた前記販売ユーザに対して、前記流通回数に応じた所定のインセンティブを付与することと、を更に実行させてもよい。また、以上に述べた情報処理プログラムにおいて、前記コンピュータに、前記物品の流通市場から取得され得る情報であって、該物品を製造する製造者、該物品を販売する販売者、該物品を現在所有している所有者、及び該物品を過去に所有していた所有経験者に関する情報を含んだ所定の流通市場情報を取得することと、前記物品の取引において該物品を使用する前記個人ユーザに対して、前記流通市場情報に基づいて形成される所定のコミュニティへの参加案内を含んだ情報である第4案内情報を通知することと、前記コミュニティへ参加した前記個人ユーザに対して、前記製造者又は/及び前記販売者又は/及び前記所有者又は/及び前記所有経験者からの前記物品に関する所定の情報を提供することと、を更に実行させてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態における、情報処理システムに含まれるサーバの構成要素をより詳細に示すとともに、サーバと通信を行うユーザ端末の構成要素を示した図である。
図3】第1実施形態における情報処理システムの動作の流れを例示する第1の図である。
図4】第1ユーザが出品情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。
図5】第2ユーザが第1ユーザからの出品情報を検索し申込情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。
図6】第2ユーザが通知された第1案内情報を確認し応答情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。
図7】第1実施形態における情報処理システムの動作の流れを例示する第2の図である。
図8】第1ユーザが通知された第3案内情報を確認するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。
図9】第1実施形態の変形例における情報処理システムの動作の流れを例示する図である。
図10】第2ユーザが通知された第2案内情報を確認し予約情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。
図11】流通回数に応じて付与されるインセンティブについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0022】
<第1実施形態>
第1実施形態における情報処理システムの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム100は、ネットワーク200と、サーバ300と、ユーザ端末400と、を含んで構成される。なお、本開示の情報処理システムは、個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理するシステムであって、該物品の取引の管理がサーバ300によって実行される。
【0023】
ネットワーク200は、例えば、IPネットワークである。ネットワーク200は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、ユーザ端末400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ300と通信してもよい。また、ネットワーク200は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網や、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0024】
サーバ300は、ネットワーク200を介して、ユーザ端末400と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、サーバ300は1台、ユーザ端末400は4台示してあるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0025】
サーバ300は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。すなわち、サーバ300は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。
【0026】
また、サーバ300は、本実施形態に係る情報処理システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)を適宜用いてもよい。
【0027】
ユーザ端末400は、情報処理システム100を利用するユーザが保有する携帯端末等の電子機器であればよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。
【0028】
次に、図2に基づいて、主にサーバ300の構成要素の詳細な説明を行う。図2は、第1実施形態における、情報処理システム100に含まれるサーバ300の構成要素をより詳細に示すとともに、サーバ300と通信を行うユーザ端末400の構成要素を示した図である。
【0029】
サーバ300は、機能部として通信部301、記憶部302、制御部303を有しており、補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各機能部等が制御されることによって、各機能部における所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0030】
ここで、通信部301は、サーバ300をネットワーク200に接続するための通信インタフェースである。通信部301は、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。サーバ300は、通信部301を介して、ユーザ端末400やその他の外部装置と通信可能に接続される。
【0031】
記憶部302は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部303によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部303において実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。また、記憶部302は、ユーザ端末400等から送信されたデータを記憶し、記憶部302には、後述する出品情報や申込情報が記憶される。なお、サーバ300は、通信部301を介してユーザ端末400等から送信されたデータを取得する。また、記憶部302には、後述する第1案内情報が記憶される。
【0032】
制御部303は、サーバ300が行う制御を司る機能部である。制御部303は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。制御部303は、更に、第1取得部3031と、提供部3032と、第2取得部3033と、通知部3034と、の4つの機能部を有して構成される。各機能部は、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0033】
第1取得部3031は、第1ユーザからの物品の出品に関する所定の出品情報を取得する。詳しくは、第1取得部3031は、第1ユーザのユーザ端末400から送信された上記の出品情報を取得する。ここで、第1ユーザは、情報処理システム100を介して所定の物品を出品することを希望する個人ユーザであって、該物品とは、例えば、第1ユーザが販売業者等から購入した商品(所謂、一次流通品)である。なお、第1取得部3031が取得した出品情報は、サーバ300の記憶部302に記憶される。
【0034】
ここで、本実施形態におけるユーザ端末400は、機能部として通信部401、入出力部402、記憶部403を有している。通信部401は、ユーザ端末400をネットワーク200に接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。入出力部402は、通信部401を介して外部から送信されてきた情報等を表示させたり、通信部401を介して外部に情報を送信する際に当該情報を入力したりするための機能部である。記憶部403は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。
【0035】
入出力部402は、更に、表示部4021、操作入力部4022、画像・音声入出力部4023を有している。表示部4021は、各種情報を表示する機能を有し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等により実現される。操作入力部4022は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有し、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。画像・音声入出力部4023は、静止画や動画等の画像の入力を受け付ける機能を有し、具体的には、Charged-Coupled Devices(CCD)、Metal-oxide-semiconductor(MOS)あるいはComplementary Metal-Oxide-Semiconductor(CMOS)等のイメージセンサを用いたカメラにより実現される。また、画像・音声入出力部4023は、音声の入出力を受け付ける機能を有し、具体的には、マイクやスピーカーにより実現される。
【0036】
第1ユーザは、このように構成されたユーザ端末400を用いて、上記の出品情報をサーバ300に送信することができる。
【0037】
そして、提供部3032は、所定のインタフェースを介して、上記の出品情報を複数の個人ユーザに対して閲覧可能に提供する。詳しくは、提供部3032は、サーバ300の通信部301を介して、出品情報を、情報処理システム100を利用する複数の個人ユーザのユーザ端末400に送信する。そして、このように送信される出品情報は、個人ユーザのユーザ端末400に予めインストールされた所定のアプリによって提供されるインタフェース、または所定のウェブサイト(例えば、オンラインショップ)によって提供されるインタフェースを用いて閲覧可能に表示される。
【0038】
そして、第2取得部3033は、第2ユーザからの物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得する。詳しくは、第2取得部3033は、第2ユーザのユーザ端末400から送信された上記の申込情報を取得する。ここで、第2ユーザは、出品情報を閲覧した上記の個人ユーザのうち、該出品情報に係る物品(第1ユーザが出品した物品)の購入又は借用を希望する個人ユーザである。なお、第2取得部3033が取得した申込情報は、サーバ300の記憶部302に記憶される。
【0039】
そして、通知部3034は、上記の申込情報に基づいて第1ユーザから第2ユーザへ物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知する。この第1案内情報は、サーバ300の通信部301を介して第2ユーザのユーザ端末400に送信され、第2ユーザは、該ユーザ端末400の表示部4021に表示された該第1案内情報を閲覧することができる。
【0040】
なお、制御部303が、第1取得部3031、提供部3032、第2取得部3033、および通知部3034の処理を実行することで、本開示に係る制御部として機能する。
【0041】
ここで、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れについて説明する。図3は、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れを例示する第1の図である。図3では、本実施形態における情報処理システム100におけるサーバ300とユーザ端末400との間の動作の流れ、およびサーバ300とユーザ端末400とが実行する処理を説明する。
【0042】
本実施形態では、先ず、第1ユーザのユーザ端末400に、出品情報が入力される(S101)。ここで、出品情報は、第1ユーザからの物品の出品に関する所定の情報であって、第1ユーザは、所定のインタフェースを用いてこの出品情報を入力することができる。そして、出品情報は、第1ユーザのユーザ端末400からサーバ300に送信される。
【0043】
ここで、第1ユーザのユーザ端末400には、所定のアプリが予めインストールされていて、該アプリによって提供されるインタフェースを用いて、上記の出品情報が入力される。図4は、第1ユーザが出品情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。図4に例示する画面SC1、画面SC2は第1ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、図4(a)に例示する画面SC1には、ユーザ情報表示フィールドSC11、保有商品リスト表示フィールドSC12が示される。図4(a)に示す保有商品リスト表示フィールドSC12には、保有商品として、腕時計、ジャケット、ギターが表示されており、各商品に対して「出品する」ボタンSC121が併せて表示されている。そうすると、第1ユーザは、自身の保有商品リストの中から、出品しようとする商品について「出品する」ボタンSC121を押下することで、出品情報を入力することができる。本実施形態では、第1ユーザが腕時計について「出品する」ボタンSC121を押下することで、該腕時計が出品商品として選択されるものとする。そして、腕時計について「出品する」ボタンSC121が押下されると、インタフェースが図4(b)に例示する画面SC2に遷移する。
【0044】
図4(b)に例示する画面SC2には、選択商品表示フィールドSC21、商品説明表示フィールドSC22、送信ボタンSC23が示される。ここで、選択商品表示フィールドSC21には、出品商品として腕時計が表示されている。また、商品説明表示フィールドSC22には、商品状態入力フィールドSC221、売却価格入力フィールドSC222、および貸与価格入力フィールドSC223が更に表示され、第1ユーザは、操作入力部4022を用いてこれら情報を入力することができる。ここで、本開示における物品の取引では、サーバ300が、第2ユーザからの物品の購入又は借用の申込みを取得する。そのため、出品情報には、売却価格および貸与価格(貸与価格には、併せて貸与期間が入力される。)が含まれることになる。なお、本実施形態では、商品のメーカーや型式等の説明は、保有商品として登録された情報に基づいて予め表示されるものとする。そして、第1ユーザは、送信ボタンSC23を押下することで、上述した商品説明を出品情報として、サーバ300に送信することができる。
【0045】
そして、図3に戻って、サーバ300は、第1ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S102)。そして、サーバ300は、取得した出品情報を複数の個人ユーザに対して閲覧可能に提供する(S103)。ここで、サーバ300は、情報処理システム100を利用する複数の個人ユーザのユーザ端末400に情報を送信することで、出品情報を提供することができる。
【0046】
そして、第2ユーザのユーザ端末400は、サーバ300から送信された情報を取得する(S104)。そうすると、第2ユーザのユーザ端末400には、該ユーザ端末400に予めインストールされた所定のアプリによって提供されるインタフェース、または所定のウェブサイト(例えば、オンラインショップ)によって提供されるインタフェースを用いて、取得した出品情報が閲覧可能に表示されることになる。そして、第2ユーザのユーザ端末400に、申込情報が入力される(S105)。
【0047】
ここで、図5は、第2ユーザが第1ユーザからの出品情報を検索し申込情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。図5に例示する画面SC3、画面SC4は第2ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、図5(a)に例示する画面SC3には、ユーザ情報表示フィールドSC31、商品検索結果表示フィールドSC32が示される。図5(a)に示す例では、腕時計についての出品情報が検索され、商品検索結果表示フィールドSC32には、複数の第1ユーザからの出品情報に係る腕時計についての検索結果が表示されている。そして、検索結果の各商品に対して詳細ボタンSC321が併せて表示されている。そうすると、第2ユーザは、出品情報の検索結果の中から、購入又は借用の申込みをしようとする商品について詳細ボタンSC321を押下することで、申込情報を入力することができる。なお、詳細ボタンSC321が押下されると、インタフェースが図5(b)に例示する画面SC4に遷移する。
【0048】
図5(b)に例示する画面SC4には、選択商品表示フィールドSC41、商品説明表示フィールドSC42、購入ボタンSC43、借用ボタンSC44が示される。ここで、商品説明表示フィールドSC42には、出品者ID、メーカー、型式に加えて、購入価格SC422および借用価格SC423が表示される。
【0049】
ここで、このような物品の二次流通の取引では、仮に、第2ユーザが、購入しようとしている物品を試用できないとすると、該第2ユーザが、その物品が望んでいた通りのものであるかどうか確信がもてず、例えば、その中古品の出所が正規のものであるか確信がもてない場合は鑑定を要する事態が生じるなど、購入を躊躇する事態が生じ得る。そこで、本開示における物品の取引では、第2ユーザは、物品の購入又は借用の申込みに関する申込情報を入力することができる。詳しくは、第2ユーザは、物品を試用することなく購入したい場合には、購入ボタンSC43を押下することで、物品の購入に関する申込情報をサーバ300に送信することができる。一方で、第2ユーザは、物品を購入する前にその物品を試用したい場合や、物品を一定期間レンタルしたい場合には、借用ボタンSC44を押下することで、物品の借用に関する申込情報をサーバ300に送信することができる。
【0050】
そして、図3に戻って、サーバ300は、第2ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S106)。そして、サーバ300は、取得した申込情報に基づいて、第1ユーザが出品した物品を第2ユーザへ配送するための所定の配送処理を実行する(S107)。ここで、サーバ300は、上記の配送処理に必要な情報(第2ユーザの氏名、住所、連絡先等)をユーザ情報として事前に取得しているものとする。また、上記の配送処理には、周知の技術を用いることができる。
【0051】
そして、本実施形態では、申込情報に基づいて第1ユーザから第2ユーザへ物品の貸与が行われる。この場合、サーバ300は、上述したように、物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知する。そこで、サーバ300は、上記のタイミングが到来したか否かを判別する(S108)。このとき、サーバ300は、取得した申込情報に含まれる貸与期間に基づいて、上記を判別することができる。そして、S108の処理で肯定判定された場合、サーバ300はS109の処理へ進む。
【0052】
そして、サーバ300は、第2ユーザに対して上記の第1案内情報を通知する(S109)。ここで、サーバ300は、第1案内情報を第2ユーザのユーザ端末400に送信することで、第2ユーザに対して第1案内情報を通知することができる。
【0053】
そして、第2ユーザのユーザ端末400は、サーバ300から送信された情報を取得する(S110)。そうすると、第2ユーザのユーザ端末400に第1案内情報が通知されることになる。そして、第2ユーザのユーザ端末400に、応答情報が入力される(S111)。
【0054】
ここで、第2ユーザのユーザ端末400には、所定のアプリが予めインストールされていて、該アプリによって提供されるインタフェースを用いて、上記の第1案内情報が表示される。図6は、第2ユーザが通知された第1案内情報を確認し応答情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。図6に例示する画面SC5、画面SC6は第2ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、図6(a)に例示する画面SC5には、ユーザ情報表示フィールドSC51、保有商品リスト表示フィールドSC52が示される。図6(a)に示す保有商品リスト表示フィールドSC52には、保有商品として、自転車、バッグ、腕時計が表示されており、各商品に対して「出品する」ボタンSC521、「借用中」表示SC522、「通知あり」ボタンSC523が併せて表示されている。この場合、ユーザが購入することで保有している商品については、該ユーザが該商品を出品する権限を有しているとして「出品する」ボタンSC521が表示され、ユーザが借用することで保有している商品については、該ユーザが該商品を出品する権限を有していないとして、「出品する」ボタンSC521の代わりに「借用中」表示SC522が表示される。そして、ユーザが借用することで保有している商品のうち、上記のタイミングが到来してサーバ300から第1案内情報が通知されている商品については、更に「通知あり」ボタンSC523が併せて表示される。そうすると、第2ユーザは、「通知あり」ボタンSC523を押下することで、第1案内情報を確認することができる。そして、「通知あり」ボタンSC523が押下されると、インタフェースが図6(b)に例示する画面SC6に遷移する。
【0055】
図6(b)に例示する画面SC6には、借用商品表示フィールドSC61、第1案内情報表示フィールドSC62、返却ボタンSC63、購入ボタンSC64が示される。ここで、第1案内情報表示フィールドSC62には、借用商品についての返却案内と購入案内とを含んだ案内情報が表示され、購入案内には、併せて購入価格が表示される。そして、第2ユーザは、借用商品を引き続き所有することを希望する場合には、購入ボタンSC64を押下することで、物品の購入希望に関する応答情報をサーバ300に送信することができる。一方で、第2ユーザは、借用商品の購入を希望しない場合には、返却ボタンSC63を押下することで、物品の返却希望に関する応答情報をサーバ300に送信することができる。
【0056】
ここで、従来技術によれば、貸与期間が満了すると自動でその貸与商品の販売金額が借用ユーザに課金されてしまう。この場合、借用ユーザの利便性が損なわれてしまう虞がある。これに対して、本開示の技術によれば、第1ユーザが出品した物品を借用している第2ユーザに対して、返却案内と購入案内とを含んだ第1案内情報が通知される。そうすると、第2ユーザは、この第1案内情報に対して、借用商品の返却または購入の応答を行うことが可能になる。
【0057】
そして、図3に戻って、サーバ300は、第2ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S112)。そして、サーバ300は、取得した応答情報に基づいて、第1ユーザから出品され第2ユーザに貸与された物品に対する所定の返却処理または所定の売却処理を実行する。
【0058】
このように、本開示における物品の取引によれば、第2ユーザは、第1ユーザから二次流通される物品を購入する前にその物品を試用することができる。更に、第2ユーザは、第1ユーザが出品した物品の借用が終了する際に、その借用商品の返却または購入の応答を行うことができる。これによれば、個人ユーザによる二次流通品(中古品)の取引において、該個人ユーザは安心して物品の取引を行うことができ、以て、物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0059】
なお、サーバ300は、上記の応答情報として物品の返却希望を取得した場合、該物品を貸与した第1ユーザに対して、該物品についての再出品案内を含んだ情報である第3案内情報を通知することを、更に実行してもよい。これについて、図7および図8に基づいて説明する。
【0060】
図7は、本実施形態における情報処理システム100の動作の流れを例示する第2の図である。図7に示す各処理において、上記の図3に示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0061】
図7に示す例では、サーバ300は、S112の処理の後に、取得した応答情報が返却希望であるか否かを判別する(S113)。そして、S113の処理で肯定判定された場合、サーバ300はS114の処理へ進む。
【0062】
そして、サーバ300は、第1ユーザに対して上記の第3案内情報を通知する(S114)。ここで、サーバ300は、第3案内情報を第1ユーザのユーザ端末400に送信することで、第1ユーザに対して第3案内情報を通知することができる。
【0063】
そして、第1ユーザのユーザ端末400は、サーバ300から送信された情報を取得する(S115)。そうすると、第1ユーザのユーザ端末400に第3案内情報が通知されることになる。一方、S113の処理で否定判定された場合、サーバ300はS116の処理へ進む。この場合、サーバ300は、第1ユーザから出品され第2ユーザに貸与された物品に対する所定の売却処理を実行する(S116)。
【0064】
ここで、図8は、第1ユーザが通知された第3案内情報を確認するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。図8に例示する画面SC7、画面SC8は第1ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示され、図8(a)に例示する画面SC7には、ユーザ情報表示フィールドSC71、保有商品リスト表示フィールドSC72が示される。図8(a)に示す保有商品リスト表示フィールドSC72には、保有商品として、腕時計、ジャケット、ギターが表示されており、第1ユーザから第2ユーザへ貸与中の商品については、「出品する」ボタンの代わりに「貸与中」表示SC721が表示される。そして、第1ユーザから第2ユーザへ貸与されている商品のうち、該第2ユーザから返却希望の応答情報が取得された商品については、更に「返却希望あり」ボタンSC722が併せて表示される。そうすると、第1ユーザは、「返却希望あり」ボタンSC722を押下することで、第3案内情報を確認することができる。そして、「返却希望あり」ボタンSC722が押下されると、インタフェースが図8(b)に例示する画面SC8に遷移する。
【0065】
図8(b)に例示する画面SC8には、貸与商品表示フィールドSC81、第3案内情報表示フィールドSC82、再出品ボタンSC83、利用ボタンSC84が示される。ここで、第3案内情報表示フィールドSC82には、貸与商品についての再出品案内が表示され、第1ユーザは、該商品の再出品を希望する場合、売却価格入力フィールドSC821、および貸与価格入力フィールドSC822に出品価格を入力することができる。そして、第1ユーザは、貸与商品を再出品することを希望する場合には、再出品ボタンSC83を押下することで、上記の出品価格を含んだ出品情報をサーバ300に送信することができる。一方で、第1ユーザは、貸与商品が返却された後に該商品を自身で利用することを希望する場合には、利用ボタンSC84を押下することができる。この場合には、返却される商品についての出品情報が、情報処理システム100を利用する複数の個人ユーザに対して再度提供されることはない。
【0066】
なお、上記の第1ユーザによる貸与商品の再出品の処理によって、その出品情報がサーバ300に送信された後は、上記の図3に示したS102~S112の処理、または図7に示すS102~S116の処理が再度実行されることになる。
【0067】
このように、第1ユーザに第3案内情報が通知されることによれば、第1ユーザに対して、物品の再出品について動機付けをすることができ、以て、物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0068】
そして、サーバ300は、第3案内情報に対する第1ユーザからの応答として物品の再出品希望を取得した場合、該再出品に対して第2ユーザから申込情報を取得することと、貸与している物品が第1ユーザへ返却される前に、該申込情報に基づいて、該再出品に対して申込みをした新たな第2ユーザへ該物品を配送するための所定の配送処理を実行することと、を更に実行してもよい。なお、上記の配送処理には、周知の技術を用いることができる。
【0069】
これによれば、貸与中の物品が第1ユーザへ一旦返却されることなく新たな第2ユーザの元へ配送されることになるため、物品の効率的な二次流通が実現される。この場合、物品の二次流通の取引における輸送負荷も軽減されることになり、以て、サスティナブル社会実現へ貢献することができる。
【0070】
以上に述べた情報処理システム100によれば、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0071】
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態の変形例における情報処理システム100について、図9および図10に基づいて説明する。なお、本変形例では、サーバ300が、第1実施形態の説明で述べた応答情報として物品の購入希望を取得した場合の例について説明する。
【0072】
ここで、上記の第1実施形態の処理によって、物品が第1ユーザから第2ユーザへ二次流通したとしても、仮に、物品を購入した第2ユーザが該物品を所有し続けると、二次流通品(中古品)の取引機会が減少してしまう事態が生じ得る。
【0073】
そこで、本変形例に係るサーバ300の制御部303は、第1案内情報に対する第2ユーザからの応答として物品の購入希望を取得した場合、該第2ユーザに対して、該物品の購入後に該第2ユーザが行う該物品の出品に関する案内である第2案内情報を更に通知するとともに、該第2ユーザからの該物品の出品の予約の有無を含んだ所定の予約情報を取得する。これによれば、物品を購入した第2ユーザから更に流通する二次流通品(中古品)の取引機会を担保することができ、以て、物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0074】
ここで、本変形例における情報処理システム100の動作の流れについて説明する。図9は、本変形例における情報処理システム100の動作の流れを例示する図である。図9では、本変形例における情報処理システム100におけるサーバ300とユーザ端末400との間の動作の流れ、およびサーバ300とユーザ端末400とが実行する処理を説明する。なお、図9に示す各処理において、上記の図7に示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0075】
図9に示す例では、S113の処理で否定判定された場合、サーバ300はS201の処理へ進む。そして、サーバ300は、第2ユーザに対して第2案内情報を通知する(S201)。ここで、第2案内情報は、第1ユーザから出品された物品の購入希望をした第2ユーザが、その物品を購入後に情報処理システム100に該物品を更に出品することに関する案内である。サーバ300は、この第2案内情報を第2ユーザのユーザ端末400に送信することで、第2ユーザに対して第2案内情報を通知することができる。
【0076】
そして、第2ユーザのユーザ端末400は、サーバ300から送信された情報を取得する(S202)。そうすると、第2ユーザのユーザ端末400に第2案内情報が通知されることになる。そして、第2ユーザのユーザ端末400に、予約情報が入力される(S203)。ここで、予約情報は、第2案内情報が通知された第2ユーザからの物品の出品の予約の有無を含んだ情報である。
【0077】
図10は、第2ユーザが通知された第2案内情報を確認し予約情報を入力するために用いられるインタフェースで表示される画面を例示する図である。図10に例示する画面SC9、画面SC10は第2ユーザのユーザ端末400の表示部4021に表示される。なお、図10(a)に例示する画面SC9は、上記の図6(a)に示した画面SC5と同様であって、本変形例では、サーバ300から第2案内情報が通知されている商品について、「通知あり」ボタンSC923が表示される。
【0078】
図10(b)に例示する画面SC10には、購入希望商品表示フィールドSC101、第2案内情報表示フィールドSC102、「予約する」ボタンSC103、「予約しない」ボタンSC104が示される。ここで、第2案内情報表示フィールドSC102には、購入後に本システムに商品を更に出品するための予約案内を含んだ案内情報が表示され、予約案内には、併せて参考出品価格が表示される。なお、この参考出品価格は、例えば、その商品が使用に供されてからの経過時間に応じて減少する該商品の金銭的価値である残価に基づいて算出される。そして、第2ユーザは、購入した商品を将来的に出品することを予約する場合には、「予約する」ボタンSC103を押下することで、出品を予約する予約情報をサーバ300に送信することができる。この場合、サーバ300は、出品予約された商品の出品時期を更に取得するようにしてもよい。一方で、第2ユーザは、購入した商品を出品することを予約しない場合には、「予約しない」ボタンSC104を押下することで、出品を予約しない予約情報をサーバ300に送信することができる。
【0079】
そして、図9に戻って、サーバ300は、第2ユーザのユーザ端末400から送信された情報を取得する(S204)。そうすると、サーバ300は、取得した予約情報に基づいて、例えば、第2ユーザから出品予約がされた場合には、その出品情報を、情報処理システム100を利用する複数の個人ユーザに事前に提供することや、出品時期が到来する前の所定のタイミングにおいて、その出品予約をした第2ユーザに対して出品案内を通知することができる。
【0080】
このように、第1ユーザから出品された物品の購入希望をした第2ユーザに第2案内情報が通知されることによれば、該第2ユーザに対して、将来的な物品の出品について動機付けをすることができ、また、予約情報が取得されることで、該第2ユーザから更に流通する二次流通品(中古品)の取引機会を担保することができる。
【0081】
そして、以上に述べた情報処理システム100によっても、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0082】
<第2実施形態>
第2実施形態における情報処理システム100について、図11に基づいて説明する。本実施形態では、物品の取引において第1ユーザから第2ユーザへ該物品の売却が行われた場合に、該物品を販売した第1ユーザを販売ユーザとし、該物品を購入した第2ユーザを購入ユーザとして、サーバ300が行う処理について説明する。
【0083】
ここで、物品の二次流通の取引においては、販売ユーザから購入ユーザへの物品の売却が繰り返し行われると、つまり、物品を購入した購入ユーザが次にその物品を販売することで販売ユーザとなり該物品を二次流通させていくと、結果として、二次流通品(中古品)の取引機会が増加することになり、このような取引がサスティナブル社会実現への貢献となり得る。
【0084】
そこで、本実施形態に係るサーバ300の制御部303は、物品の取引において販売ユーザから購入ユーザへ該物品が転々流通した回数である流通回数を取得することと、その物品の取引において最初に該物品を流通させた販売ユーザに対して、流通回数に応じた所定のインセンティブを付与することと、を更に実行する。
【0085】
ここで、サーバ300は、例えば、上記の第1実施形態の説明で述べた第1案内情報に対する応答として取得した物品の購入希望に基づいて、上記の流通回数を取得することができる。
【0086】
また、図11は、流通回数に応じて付与されるインセンティブについて説明するための図である。ここで、物品の二次流通の取引においては、一次流通品を購入したユーザからのその物品の出品が行われなければ、取引自体が成立しない。したがって、最初に物品を二次流通させた販売ユーザに対して上記のインセンティブが付与される。
【0087】
本実施形態では、図11に示すように、個人ユーザ間での物品の二次流通の取引における売却価格について、該売却価格に所定の割合(例えば、2%)を乗じた金額がインセンティブとして、最初に該物品を流通させた販売ユーザに付与される。ここで、図11に示す例では、最初に物品を流通させた販売ユーザがユーザAであって、ユーザAは、一次流通品を10,000円で購入している。そして、ユーザAは、上記の物品をユーザBに対して9,000円で売却している。更に、ユーザBは、9,000円で購入した上記の物品を8,500円でユーザCに売却し、同様に、ユーザCはユーザDに6,000円で、ユーザDはユーザEに4,750円で上記の物品を売却することで、最初に情報処理システム100にユーザAが出品した物品が転々流通することになる。この場合、上記の流通回数は4回であって、これら4回の取引における各売却価格に所定の割合(例えば、2%)を乗じた金額がインセンティブとして、最初に物品を流通させたユーザAに付与される。つまり、最初に物品を流通させた販売ユーザに対して、流通回数に応じたインセンティブが付与されることになる。なお、上記の売却価格はあくまで一例であって、例えば、転々流通する物品の残価に基づいて定められ得る。
【0088】
このようなシステムによれば、一次流通品を購入したユーザが、その物品を二次流通の取引に出品することについて、動機付けが行われるため、二次流通品(中古品)の取引機会が増加することになる。
【0089】
そして、以上に述べた情報処理システム100によっても、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0090】
<第3実施形態>
第3実施形態における情報処理システム100について、以下に説明する。本実施形態に係るサーバ300の制御部303は、物品の流通市場から取得され得る情報であって、該物品を製造する製造者、該物品を販売する販売者、該物品を現在所有している所有者、及び該物品を過去に所有していた所有経験者に関する情報を含んだ所定の流通市場情報を取得することと、物品の取引において該物品を使用する個人ユーザに対して、流通市場情報に基づいて形成される所定のコミュニティへの参加案内を含んだ情報である第4案内情報を通知することと、コミュニティへ参加した個人ユーザに対して、製造者又は/及び販売者又は/及び所有者又は/及び所有経験者からの物品に関する所定の情報を提供することと、を更に実行する。
【0091】
ここで、サーバ300は、物品の流通市場から取得された流通市場情報に基づいて、情報処理システム100のネットワーク上に、該物品に関する所定のコミュニティを形成することができる。なお、上記のコミュニティには、物品を製造する製造者、物品を販売する販売者、物品を現在所有している所有者、及び物品を過去に所有していた所有経験者が参加し得る。
【0092】
そして、サーバ300は、上記の物品を使用する個人ユーザに対して、上記のコミュニティへの参加案内を含んだ第4案内情報を通知する。ここで、サーバ300は、第4案内情報を上記の個人ユーザのユーザ端末400に送信することで、該ユーザに対して第4案内情報を通知することができる。そうすると、第4案内情報が通知された個人ユーザは、ユーザ端末400を介して、第4案内情報を閲覧するとともに上記のコミュニティへの参加申込みをサーバ300に送信することができる。
【0093】
そうすると、参加申込みを取得したサーバ300は、上記の個人ユーザの参加承認の処理を実行するとともに、該個人ユーザに対して、製造者、販売者、所有者、所有経験者からの上記の物品に関する所定の情報を提供する。ここで、サーバ300を介して上記のコミュニティから提供される情報とは、例えば、製造者や販売者からの顧客サポート情報、保証サービス情報であったり、所有者、所有経験者からのナレッジ共有情報(上記の物品に関する困りごとに対する自己解決手段など)である。
【0094】
これによれば、二次流通する物品を仲介してユーザ同士がつながるユーザネットワークが形成されることで、二次流通品の取引が新たな価値を創造することになる。そして、これにより、個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる。
【0095】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0096】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、第1取得部3031および提供部3032をサーバ300とは別の演算処理装置に形成してもよい。このとき当該別の演算処理装置はサーバ300と好適に協働可能に構成される。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0097】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0098】
100・・・情報処理システム
200・・・ネットワーク
300・・・サーバ
301・・・通信部
302・・・記憶部
303・・・制御部
400・・・ユーザ端末
【要約】
【課題】個人ユーザ間での物品の取引において、その物品の二次流通を好適に促進することができる技術を提供する。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、個人ユーザ間における所定の物品の取引を管理する情報処理装置である。この情報処理装置は、物品の出品を希望する第1ユーザからの該物品の出品に関する所定の出品情報を取得することと、この出品情報を複数の個人ユーザに対して閲覧可能に提供することと、出品情報を閲覧した個人ユーザのうち物品の購入又は借用を希望する第2ユーザからの該物品の購入又は借用の申込みに関する所定の申込情報を取得することと、この申込情報に基づいて第1ユーザから第2ユーザへ物品の貸与が行われた場合、該物品の貸与期間が終了する前の所定のタイミングにおいて、該第2ユーザに対して、該物品についての返却案内と購入案内とを含んだ情報である第1案内情報を通知することと、を実行する制御部を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11