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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】搬送装置及び組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20220531BHJP
   G01G 19/387 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
B65G43/08 Z
G01G19/387 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018057762
(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2019167222
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】上垣内 暁
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-077368(JP,A)
【文献】特開平06-032438(JP,A)
【文献】特開2001-255198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/08
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給される物品を搬送する搬送部と、
前記搬送部上の前記物品の載置量を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて前記搬送部における前記物品の搬送力を設定して、前記搬送部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検出部による前記検出結果において、前記搬送部上の前記物品の載置量の変化量が閾値未満の状態が所定時間以上継続する場合には、前記搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも小さくし、
前記変化量が前記閾値未満の状態が第1所定時間以上継続する場合には、前記搬送部の搬送力を前記現在の搬送力よりも大きくし、
前記変化量が前記閾値未満の状態が前記第1所定時間以上であり且つ前記所定時間である第2所定時間以上継続した場合には、前記搬送部の搬送力を前記現在の搬送力よりも小さくする、搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記搬送力を小さくした後、前記変化量が前記閾値以上となった場合、前記搬送部の搬送力を前記現在の搬送力よりも大きくする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送力を小さくした後、前記変化量が前記閾値以上の状態が第3所定時間以上継続した場合には、前記搬送部の搬送力を前記現在の搬送力よりも大きくする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記搬送部の搬送力を設定するパラメータを変更して、前記搬送部の搬送力を変更する、請求項1~のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置によって搬送された前記物品を一時的に貯留し、且つ、前記物品の質量に応じた計量値を計算する複数の計量ホッパと、
複数の前記計量ホッパにそれぞれ対応付けられた複数の前記計量値から、合計値が目標値となるように前記計量値の組合せを計算する組合制御部と、を備える、組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ計量装置は、物品を搬送する搬送装置と、搬送装置によって搬送された物品を一時的に貯留し、且つ、物品の質量に応じた計量値を計算する複数の計量ホッパと、複数の計量ホッパにそれぞれ対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標値となるように計量値の組合せを計算する制御部と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-55187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような搬送装置では、当該搬送装置に対して物品を供給する上流側装置の稼働状況等により、外部からの物品の供給が一時的に停止されたり、供給量が少なくなったりする場合がある。このとき、物品が通常通りに供給されているときと同じ搬送力で搬送装置が稼働すると、電力を無駄に消費することになり、効率的ではない。
【0005】
本発明の一側面は、効率的な動作を実現できる搬送装置及び組合せ計量装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る搬送装置は、外部から供給される物品を搬送する搬送部と、搬送部上の物品の載置量を検出する検出部と、検出部による検出結果に基づいて搬送部における物品の搬送力を設定して、搬送部の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、検出部による検出結果において、搬送部上の物品の載置量の変化量が閾値未満の状態が所定時間以上継続する場合には、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。
【0007】
本発明の一側面に係る搬送装置では、搬送部上の物品の載置量の変化量が閾値未満の状態が所定時間以上継続する場合には、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。これにより、搬送装置では、搬送部に対して物品が供給されない場合、及び/又は、搬送部に物品が付着する等して物品が搬送されない状態である場合等において、搬送力を小さくできる。そのため、搬送装置では、搬送部において物品を搬送する必要がない場合において、電力を無駄に消費しない。したがって、搬送装置では、消費電力の低減を図れるため、効率的な動作を実現できる。また、搬送装置では、搬送部等に対する負荷の低減も図れるため、寿命の向上が図れる。
【0008】
一実施形態においては、制御部は、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間以上継続する場合には、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも大きくし、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間以上であり且つ所定時間である第2所定時間以上継続した場合には、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも小さくしてもよい。例えば、搬送装置が組合せ計量装置に用いられる場合において、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間以上継続する場合に、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも大きくすることで、搬送先である各計量ホッパ等に対する単位時間当たりの物品の供給量の低下を抑制できる。これにより、搬送装置が設けられる装置の稼働効率の低下を抑制できる。一方で、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間以上であり且つ所定時間である第2所定時間以上継続した場合に、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも小さくすることで、効率的な動作を実現できる。
【0009】
一実施形態においては、制御部は、搬送力を小さくした後、変化量が閾値以上となった場合、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも大きくしてもよい。この構成では、搬送部に対して物品が供給された場合、搬送部の搬送力を直ぐに大きくできる。そのため、搬送装置では、状況に変化に迅速に対応できる。
【0010】
一実施形態においては、制御部は、搬送力を小さくした後、変化量が閾値以上の状態が第3所定時間以上継続した場合には、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも大きくしてもよい。この構成では、搬送部に対して物品が安定して供給されるようになった場合に、搬送部の搬送力を大きくできる。したがって、搬送装置では、一時的に物品の供給を受けるような状況では搬送力を大きくしないため、より効率的な動作を実現できる。
【0011】
一実施形態においては、制御部は、搬送部の搬送力を設定するパラメータを変更して、搬送部の搬送力を変更してもよい。この構成では、搬送部の搬送力を適切に変更できる。
【0012】
本発明の一側面に係る組合せ計量装置は、上記の搬送装置と、搬送装置によって搬送された物品を一時的に貯留し、且つ、物品の質量に応じた計量値を計算する複数の計量ホッパと、複数の計量ホッパにそれぞれ対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標値となるように計量値の組合せを計算する組合制御部と、を備える。
【0013】
組合せ計量装置では、搬送装置の搬送部上の物品の載置量が少なくなった場合、通常、搬送部の搬送力を大きくして、各計量ホッパに対する単位時間当たりの物品の供給量が低下しないようにする。これにより、組合せ計量装置では、組合せ計算に用いる計量ホッパの数を確保できるため、稼働効率の低下を抑制している。ここで、組合せ計量装置に対して物品が供給されない場合、組合せ計量装置は、組合せ計量を行う必要がない状況にある。この状況において、搬送装置の搬送部上の物品の載置量が少なくなったとして、搬送部の搬送力を大きくすると、物品を搬送する必要がないにも関わらず、高い消費電力で搬送装置が稼働する。そのため、搬送装置は、電力を無駄に消費する。
【0014】
本発明の一側面に係る計量装置は、上記の搬送装置を備える。搬送装置では、搬送部に対して物品が供給されない場合、及び/又は、搬送部に物品が付着する等して物品が搬送されない状態である場合等において、搬送力を小さくできる。そのため、搬送装置では、搬送部において物品を搬送する必要がない場合において、電力を無駄に消費しない。したがって、組合せ計量装置の搬送装置では、消費電力の低減を図れるため、効率的な動作を実現できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一側面によれば、効率的な動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係る組合せ計量装置の構成図である。
図2図2は、組合せ計量装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、組合せ計量装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
図1に示されるように、組合せ計量装置1は、投入シュート2と、分散フィーダ(搬送部)3と、複数の放射フィーダ(搬送部)4と、複数のプールホッパ5と、複数の計量ホッパ6と、集合シュート8と、タイミングホッパ9と、計量部11と、制御部(組合制御部)14と、を備える。組合せ計量装置1は、搬送コンベア50によって供給される物品A(農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品)を目標計量値となるように計量して製袋包装機60に供給する。なお、製袋包装機60は、フィルムを所定容量の袋に成形しつつ、組合せ計量装置1によって計量されて供給された物品Aを袋詰めする。
【0019】
投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aの下方に配置される。投入シュート2は、外部から搬送コンベア50によって搬送されて搬送コンベア50の搬送端50aから落下した物品Aを受けて下方に排出する。
【0020】
分散フィーダ3は、投入シュート2の下方に配置される。分散フィーダ3は、下方に向かって末広がりの円錐状の搬送面3aを有する。分散フィーダ3は、搬送面3aが第1駆動部20によって振動されることで、投入シュート2から搬送面3aの頂部に排出された物品Aを搬送面3aの外縁に向かって均一に搬送する。分散フィーダ3は、ロードセル(検出部)3b(図2参照)に支持される。ロードセル3bは、分散フィーダ3に物品Aが載置される際に、当該物品Aの質量に応じた計量値を計量する。ロードセル3bは、計量値を示す信号(検出結果)を制御部14に出力する。
【0021】
複数の放射フィーダ4は、分散フィーダ3の搬送面3aの外縁に沿って放射状に配置される。各放射フィーダ4は、搬送面3aの外縁の下方から外側に延在するトラフ4aを有する。各放射フィーダ4は、トラフ4aが第2駆動部22によって振動されることで、搬送面3aの外縁から排出された物品Aをトラフ4aの先端部に向かって搬送する。
【0022】
複数のプールホッパ5は、例えば鉛直方向に平行な中心線(図示省略)を囲むように配置される。各プールホッパ5は、各放射フィーダ4のトラフ4aの先端部の下方に配置される。各プールホッパ5は、その底部に対して開閉可能なゲート5aを有する。各プールホッパ5は、ゲート5aを閉じることで、対応する放射フィーダ4から排出された物品Aを一時的に貯留する。更に、各プールホッパ5は、ゲート5aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0023】
複数の計量ホッパ6は、例えば上記中心線を囲むように配置される。各計量ホッパ6は、各プールホッパ5のゲート5aの下方に配置される。各計量ホッパ6は、その底部に対して開閉可能なゲート6aを有する。各計量ホッパ6は、ゲート6aを閉じることで、対応するプールホッパ5から排出された物品Aを一時的に貯留する。更に、各計量ホッパ6は、ゲート6aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0024】
集合シュート8は、各計量ホッパ6から排出された物品Aを集合させる。集合シュート8は、内面8aが全ての計量ホッパ6の下方に位置するように配置される。集合シュート8は、各計量ホッパ6から排出された物品Aを内面8aで受けて下方に排出する。
【0025】
タイミングホッパ9は、集合シュート8の下方に配置される。タイミングホッパ9は、その底部に対して開閉可能なゲート9aを有する。タイミングホッパ9は、ゲート9aを閉じることで、集合シュート8から排出された物品Aを一時的に貯留する。更に、タイミングホッパ9は、ゲート9aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを製袋包装機60に排出する。
【0026】
投入シュート2、分散フィーダ3、複数の放射フィーダ4、複数のプールホッパ5及び複数の計量ホッパ6は、ケース13に直接的に又は間接的に支持される。集合シュート8及びタイミングホッパ9は、フレーム12に直接的に又は間接的に支持される。
【0027】
計量部11は、フレーム12に支持されたケース13内に配置される。計量部11は、複数のロードセル11aを有する。各ロードセル11aは、対応する計量ホッパ6を支持する。計量部11は、各計量ホッパ6に物品Aが一時的に貯留される際に、当該物品Aの質量に応じた計量値を計量する。
【0028】
制御部14は、ケース13内に配置される。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。制御部14は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送動作、各プールホッパ5のゲート5aの開閉動作、各計量ホッパ6のゲート6aの開閉動作、並びにタイミングホッパ9のゲート9aの開閉動作等、組合せ計量装置1の各部の動作を制御する。制御部14は、製袋包装機60と通信可能に接続される。
【0029】
制御部14は、計量部11によって計量された計量値と、当該計量値に対応する物品Aを貯留する計量ホッパ6とを対応付けて記憶する。制御部14は、計量部11によって計量され且つ各計量ホッパ6に対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択する。より具体的には、制御部14は、計量部11によって出力された複数の計量値から、目標計量値を下限値とする所定範囲内に合計値が収まるように計量値の組合せを選択する。そして、制御部14は、当該組合せに対応する計量ホッパ6に物品Aを排出させる。
【0030】
制御部14は、ロードセル3bによる計量結果において、分散フィーダ3上の物品Aの載置量の変化量が閾値未満の状態が所定時間以上継続する場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間T1以上継続する場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも大きくする。制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第2所定時間T2以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。閾値は、物品Aに応じて設定されればよく、実験、試験等に基づいて適宜設定される。
【0031】
制御部14は、ロードセル3bから出力された計量信号に基づいて、分散フィーダ3上の物品Aの載置量を算出する。制御部14は、分散フィーダ3上の物品Aの載置量を算出すると、載置量の変化量を取得する。載置量の変化量は、移動平均である。制御部14は、変化量を取得すると、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間T1以上継続しているか否かを判定する。第1所定時間T1は、物品Aに応じて設定されればよく、実験、試験等に基づいて適宜設定される。
【0032】
制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間T1以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも大きくする。具体的には、制御部14は、現在の搬送力が第1搬送力である場合、第1搬送力以上の第2搬送力となるように、第1駆動部20及び第2駆動部22の動作を制御する。第1搬送力及び第2搬送力は、物品Aに応じて適宜設定される。制御部14は、第1駆動部20及び第2駆動部22の動作を制御するパラメータを変更することにより、搬送力を変更する。パラメータは、例えば、設定値、電流値等である。
【0033】
制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第2所定時間T2以上継続しているか否かを判定する。制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第2所定時間T2以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。第2所定時間T2は、第1所定時間T1よりも長い時間であり(T1<T2)、物品Aに応じて設定されればよく、実験、試験等に基づいて適宜設定される。
【0034】
制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第2所定時間T2以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。具体的では、制御部14は、現在の搬送力が第2搬送力である場合、第2搬送力以下で且つ第1搬送力以下の第3搬送力となるように(第3搬送力<第1搬送力<第2搬送力)、第1駆動部20及び第2駆動部22の動作を制御する。第3搬送力は、物品Aに応じて適宜設定される。
【0035】
制御部14は、搬送力を小さくした後、変化量が閾値以上の状態が第3所定時間T3以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも大きくする。制御部14は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を第3搬送力にした後、変化量が閾値以上の状態が第3所定時間T3以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力(第3搬送力)よりも大きくする。第3所定時間T3は、第1所定時間T1及び第2所定時間T2よりも短い時間である(T3<T1<T2)。制御部14は、変化量が閾値以上の状態が第3所定時間以上継続した場合には、第1搬送力となるように、第1駆動部20及び第2駆動部22の動作を制御する。
【0036】
続いて、組合せ計量装置1の動作について、図3を参照して説明する。
【0037】
図3に示されるように、制御部14は、ロードセル3bの計量値に基づいて、分散フィーダ3上の載置量の変化量が閾値未満の状態か否かを判定する(ステップS01)。制御部14は、変化量が閾値未満の状態と判定した場合には、ステップS02に進む。制御部14は、変化量が閾値未満の状態と判定しなかった場合(閾値以上の場合)には、処理を終了する。
【0038】
ステップS02では、制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間T1以上継続したか否かを判定する。制御部14は、第1所定時間T1以上継続したと判定した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を大きくする(第2搬送力にする)(ステップS03)。制御部14は、第1所定時間以上継続したと判定しなかった場合には、ステップS01の処理に戻る。
【0039】
制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第2所定時間T2以上継続したか否かを判定する(ステップS04)。制御部14は、第2所定時間T2以上継続したと判定した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を小さくする(第3搬送力にする)(ステップS05)。制御部14は、第2所定時間以上継続したと判定しなかった場合には、ステップS01の処理に戻る。
【0040】
制御部14は、分散フィーダ3上の載置量の変化量が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS06)。制御部14は、変化量が閾値以上であると判定した場合には、ステップS07に進む。制御部14は、変化量が閾値以上であると判定しなかった場合には、同処理(ステップS06)を繰り返す。
【0041】
ステップS07では、制御部14は、変化量が閾値以上の状態が第3所定時間T3以上継続したか否かを判定する。制御部14は、第3所定時間T3以上継続したと判定した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を大きくする(第1搬送力にする)(ステップS08)。制御部14は、第1所定時間以上継続したと判定しなかった場合には、ステップS06の処理に戻る。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る組合せ計量装置1では、分散フィーダ3上の物品Aの載置量の変化量が閾値未満の状態が所定時間以上継続する場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。これにより、組合せ計量装置1では、分散フィーダ3に対して物品Aが供給されない場合、及び/又は、分散フィーダ3に物品Aが付着する等して物品Aが搬送されない状態である場合等において、搬送力を小さくできる。そのため、組合せ計量装置1では、分散フィーダ3及び放射フィーダ4において物品Aを搬送する必要がない場合において、電力を無駄に消費しない。したがって、組合せ計量装置1では、消費電力の低減を図れるため、効率的な動作を実現できる。また、組合せ計量装置1では、分散フィーダ3及び放射フィーダ4等に対する負荷の低減も図れるため、寿命の向上が図れる。
【0043】
組合せ計量装置1では、分散フィーダ上の物品Aの載置量が少なくなった場合、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を大きくして、各計量ホッパ6に対する単位時間当たりの物品の供給量が低下しないようにする。これにより、組合せ計量装置1では、組合せ計算に用いる計量ホッパ6の数を確保できるため、稼働効率の低下を抑制している。ここで、組合せ計量装置1に対して物品Aが供給されない場合、組合せ計量装置1は、組合せ計量を行う必要がない状況にある。この状況において、分散フィーダ3上の物品Aの載置量が少なくなったとして、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を大きくすると、物品Aを搬送する必要がないにも関わらず、高い消費電力で搬送装置が稼働する。そのため、搬送装置は、電力を無駄に消費する。
【0044】
本実施形態に係る組合せ計量装置1では、制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間T1以上継続する場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも大きくする。制御部14は、変化量が閾値未満の状態が第2所定時間T2以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも小さくする。この構成では、変化量が閾値未満の状態が第1所定時間T1以上継続する場合に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも大きくすることで、各計量ホッパ6に対する単位時間当たりの物品Aの供給量の低下を抑制できる。これにより、組合せ計量装置1の稼働効率の低下を抑制できる。一方で、組合せ計量装置1では、変化量が閾値未満の状態が第2所定時間T2以上継続した場合に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも小さくすることで、効率的な動作を実現できる。
【0045】
本実施形態に係る組合せ計量装置1では、制御部14は、搬送力を小さくした後、変化量が閾値以上の状態が第3所定時間T3以上継続した場合には、搬送部の搬送力を現在の搬送力よりも大きくしてもよい。この構成では、分散フィーダ3に対して物品Aが安定して供給されるようになった場合に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を大きくできる。したがって、組合せ計量装置1では、一時的に物品Aの供給を受けるような状況では搬送力を大きくしないため、より効率的な動作を実現できる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0047】
上記実施形態では、制御部14が搬送力を小さくした後、変化量が閾値以上の状態が第3所定時間T3以上継続した場合には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも大きくする形態を一例に説明した。しかし、制御部14は、変化量が閾値以上となった場合に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を現在の搬送力よりも大きくしてもよい。この構成では、分散フィーダ3に対して物品Aが供給された場合、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を直ぐに大きくできる。そのため、組合せ計量装置では、状況に変化に迅速に対応できる。
【0048】
上記実施形態では、分散フィーダ3が振動によって物品Aを搬送する形態を一例に説明した。しかし、分散フィーダ3は、搬送面3aが回転して物品Aを搬送してもよい。この構成では、回転速度、回転量を制御することにより、物品Aの搬送力を制御すればよい。
【0049】
上記実施形態では、放射フィーダ4が振動によって物品Aを搬送する形態を一例に説明した。しかし、放射フィーダ4は、回転駆動可能なコイルユニット(スクリュー)、又は、ベルトコンベアによって物品Aを搬送する形態であってもよい。コイルユニットの場合には、制御部14は、搬送力として、コイルユニットの回転数(rpm)等を制御する。また、ベルトコンベアの場合には、制御部14は、ベルトを駆動させるローラの回転数等を制御する。
【0050】
上記実施形態では、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送力を変化させる形態を一例に説明した。しかし、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の少なくとも一方の搬送力を変化させてもよい。
【0051】
上記実施形態では、分散フィーダ3上の物品Aの載置量を検出する形態を一例に説明した。しかし、放射フィーダ4上の物品Aの載置量を検出してもよい。或いは、分散フィーダ3上及び放射フィーダ4上の物品Aの載置量を検出してもよい。
【0052】
上記実施形態では、分散フィーダ3を支持するロードセル3bによって、分散フィーダ3上の物品Aの載置量を検出する形態を一例に説明した。しかし、分散フィーダ3上の物品Aの載置量は、他の手段によって検出されてもよい。例えば、カメラにより撮像された画像の画像処理、測距センサ、計量ホッパ6に投入された物品Aの計量値(ロードセル11aの計量値)等によって検出されてもよい。
【0053】
上記実施形態では、搬送装置が組合せ計量装置1に備えられている形態を一例に説明した。しかし、搬送装置は、他の装置に適用されてもよい。例えば、搬送装置は、搬送コンベア50に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…組合せ計量装置、3…分散フィーダ(搬送部)、4…放射フィーダ(搬送部)、6…計量ホッパ、14…制御部(組合制御部)、A…物品。
図1
図2
図3