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特許7081871熱硬化性組成物及びそれからの三次元物体の形成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】熱硬化性組成物及びそれからの三次元物体の形成
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/314 20170101AFI20220531BHJP
   C08L 67/03 20060101ALI20220531BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20220531BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20220531BHJP
【FI】
B29C64/314
C08L67/03
C08F290/06
B33Y70/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019519367
(86)(22)【出願日】2017-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2017077782
(87)【国際公開番号】W WO2018078160
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-08-25
(31)【優先権主張番号】16196334.3
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16196338.4
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521400615
【氏名又は名称】コベストロ (ネザーランズ) ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】スティーマン, パウルス アントニウス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ドリーセン, マルコ マルクス マテウス
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-124892(JP,A)
【文献】特表2008-516020(JP,A)
【文献】国際公開第2011/129390(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/037574(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0084716(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/178845(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形プロセスを介して三次元物体を形成するための組成物であって:
a.第1網目形成性成分であって:
i.主鎖を含み、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、前記主鎖は、テレフタル酸及びポリオールの反応生成物を含み、前記重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む、TPA系ポリエステルであって、数平均分子量は、800~10000g/molであり、Tgは、少なくとも25℃である、TPA系ポリエステルを、前記第1網目形成性成分の総重量を基準として19.95~80重量%と;
ii.前記TPA系ポリエステルの前記重合性基と(共)重合可能な重合性基を数平均で0.95~1.1個有する1種又は複数種の第1網目モノマーであって、前記1種又は複数種の第1網目モノマーから形成される直鎖状ポリマーは、Tgが少なくとも25℃である、1種又は複数種の第1網目モノマーを、前記網目形成性成分の総重量を基準として19.95~80重量%と;
iii.前記TPA系ポリエステル及び前記第1網目モノマーの重合を開始させることができる1種又は複数種の第1網目開始剤を、前記第1網目形成性成分の総重量を基準として0.05~5重量%と;
iv.任意選択的に、前記TPA系ポリエステル又は前記1種若しくは複数種の第1網目モノマーの前記重合性基と(共)重合可能な重合性基を数平均で2個以上有する1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーを、15重量%までと;
からなる、第1網目形成性成分を、前記組成物の総重量を基準として30~100重量%と;
b.任意選択的に、前記TPA系ポリエステルの前記重合性基と(共)重合しない重合性基を含む1種又は複数種の第2網目化合物と、前記1種又は複数種の第2網目化合物の重合を開始させるための第2網目開始剤と、を含む、第2網目形成性成分と;
c.任意選択的に、前記TPA系ポリエステルの前記重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む、粒子状フィラーと、
を含む、組成物。
【請求項2】
前記第1網目開始剤は、光開始剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の前記重合性基全体の90%以上を重合させることにより形成されるフィルムは、150℃で測定される引張弾性率が3~50MPaであり、Tgが40℃以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記重合性基は末端基を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記重合性基は末端基からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記TPA系ポリエステルは、数平均で2~3個の末端基を有し、前記組成物中における前記TPA系ポリエステルの量、数平均分子量、及び末端基の数平均は、次式:
【数1】

(式中、Rは、気体定数8.314cmMPaK-1mol-1であり、Tは、423.15Kであり、fは、前記TPA系ポリエステルの末端基の数平均であり、ρは、前記TPA系ポリエステルの密度(g/cm)であり、Mpolyesterは、前記TPA系ポリエステルの数平均分子量(g/mol)であり、wpolyesterは、前記第1網目形成性成分中の前記TPA系ポリエステルの重量分率であり、Xは、3であり、Yは、50である)を満たす、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記TPA系ポリエステルの前記主鎖の少なくとも50mol%は、多価酸及びポリオールの反応生成物を含み、前記多価酸の含有量の少なくとも50mol%は、テレフタル酸である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記TPA系ポリエステルの前記主鎖の少なくとも75mol%は、テレフタル酸及びポリオールの反応生成物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記TPA系ポリエステルは、数平均で2~3個の末端基を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記TPA系ポリエステルは、数平均分子量が800~8000g/molである、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記1種又は複数種の第1網目モノマーから形成される直鎖状ポリマーは、Tgが60℃以上である、請求項4に記載の組成物
【請求項12】
前記1種又は複数種の第1網目モノマーは、分子量が300g/mol以下である、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記1種又は複数種の第1網目モノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、又は(メタ)アクリル酸イソブチルを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記1種又は複数種の第1網目モノマーは、シクロヘキセンオキシド、tert-ブチルグリシジルエーテル、4-クロロフェニルグリシジルエーテル、シクロペンテンオキシド、exo-2,3-エポキシノルボルナン、1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパン、(2,3-エポキシプロピル)ベンゼン、N-(2,3-エポキシプロピル)フタルイミド、exo-3,6-エポキシ-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、3,4-エポキシテトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド、フルフリルグリシジルエーテル、グリシジル4-メトキシフェニルエーテル、グリシジル2-メチルフェニルエーテル、イソホロンオキシド、α-ピネンオキシド、cis-スチルベンオキシド、スチレンオキシド、メチル,メチル7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート、7-オキサビシクロ(4.1.0)ヘプタン-3-カルボン酸22-エチルヘキシル、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(3-ヒドロキシプロピル)オキシメチルオキセタン、又は3-エチル-3-(4-ヒドロキシブチル)オキシメチルオキセタンを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
三次元物体を形成する方法であって:
a.請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物の層を形成するステップと、
b.所望の形状を形成するために、前記層を電磁放射により硬化させるステップと、
c.三次元物体を得るために、前記形成ステップ及び前記硬化ステップを複数回繰り返すステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[分野]
本発明は、熱硬化性組成物及び積層造形技法により三次元物体を製造するための方法及びそれから製造される物品に関する。
【0002】
[背景]
三次元印刷としても知られる積層造形は、コンピュータデータをもとに三次元物体を構築するための技法であり、最終的な三次元物体が製造されるまで1回につき一部分ずつ物体を堆積させていくものである。付加技法は、最終的な三次元物体よりも多量の材料から材料の一部を取り除くことにより三次元物体を製造する切削等の除去技法と対比することができる。
【0003】
積層造形プロセスには様々な種類の材料が使用される。一般に、例えば、熱溶解積層(FFF)プロセス及び粉末焼結積層造形(SLS)プロセスには熱可塑性材料が使用され、一方、例えば、槽を用いるプロセス(vat based process)及び液体材料の噴射を含むプロセスには熱硬化性材料が使用される。
【0004】
一般に、熱硬化性材料の高速硬化を促進するために電磁放射が利用される。電磁放射は、UV光、可視光、又は赤外光とすることができ、例えば、レーザー、ランプ、又はLEDにより印加することができる。電磁放射は、選択的に、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)若しくはマスクを利用して特定のパターンをレーザーで描画するか、又は非選択的に、例えば、ランプを表面全体の上方を通過させることにより印加することができる。熱硬化性組成物から形成された三次元物体に所望の性質を付与するためには、新しく形成された三次元物体に更に温度又は光を印加することによる後処理が必要となる場合がある。
【0005】
積層造形用熱硬化性材料は、最終物品の機械的性質を改善するために様々な進化を遂げてきた。例えば、米国特許出願公開第2010/0304088号明細書には、カチオン重合性成分及び耐衝撃性改良剤(これにより、完全硬化後に、高い衝撃強さ及び/又は高い耐亀裂伝播性を示す高い引張弾性率及び高い靭性を有する材料が得られる)を含む放射硬化型樹脂組成物が記載されている。
【0006】
米国特許出願公開第2011/0104500号明細書には、硬化物が、弾性率、衝撃強さ、荷重たわみ温度、及び吸水性の望ましい組合せを有する放射硬化型樹脂が記載されている。この放射硬化型樹脂は、エポキシ官能性成分、オキセタン成分、(メタ)アクリレート成分、耐衝撃性改良剤、光ラジカル開始剤、及び光カチオン開始剤の組合せを含む。
【0007】
近年、積層造形用熱硬化性材料は様々な進化を遂げているが、当該産業においては機械的性質を一層優れたものにすることが要求され続けている。未だ実現していない材料には、例えば、高いガラス転移温度(Tg)及び高い靭性を兼ね備えた光硬化型材料がある。
【0008】
[概要]
本発明は、i)テレフタル酸(TPA)及びポリオールの反応生成物を含む主鎖と、ii)1分子当たり数平均で少なくとも2個の重合性基と、を含むポリエステルを用いるものであり、重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む(以後、「TPA系ポリエステル」と称する)。TPA系ポリエステルの数平均分子量は800~10,000g/molであり、ガラス転移温度(Tg)は40℃以上である。TPA系ポリエステルは、積層造形プロセスを介して三次元物体を形成するための組成物等の組成物中に用いることもできるし、或いは、材料のキットの構成要素を合一することにより組成物が生成する、材料のキットとして用いることもできる。
【0009】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、組成物中に、TPA系ポリエステルを19.95~80重量%と、数平均で0.95~1.1個の重合性基を有する1種又は複数種の第1網目モノマー(network monomer)を19.95~80重量%と、1種又は複数種の第1網目形成性開始剤を0.05~5重量%と、任意選択的に、数平均で2個以上の重合性基を有する1種又は複数種の他の第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーを15重量%以下と、からなる第1網目形成性成分の一部として存在する。第1網目形成性成分の置換基は、TPA系ポリエステル及び/又は1種若しくは複数種の第1網目モノマーの重合性基と(共)重合可能である。重合可能な組成物の成分が第1網目形成性成分のいずれとも(共)重合することができない場合、この成分は第1網目形成性成分となることはできない。TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む粒子状フィラーは、第1網目形成性成分の一部ではない。
【0010】
任意選択的な第2網目形成性成分を組成物中に存在させることができる。第2網目形成性成分は、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合しない重合性基を含む1種又は複数種の第2網目化合物と、1種又は複数種の第2網目化合物の重合を開始させるための第2網目開始剤(network initiator)と、を含む。
【0011】
組成物の成分は、別々にして、材料のキットとして提供することもできる。本発明の更なる実施形態を以下に述べる。
【0012】
[詳細な説明]
積層造形プロセスを介して三次元物体を形成するための組成物は、少なくとも第1網目形成性成分を含む。一実施形態において、積層造形プロセスを介して三次元物体を形成するため組成物は、第1網目形成性成分からなる。
【0013】
第1網目形成性成分は、少なくともTPA系ポリエステルと、1種又は複数種の第1網目モノマーと、第1網目開始剤と、を含む。一実施形態において、第1網目形成性成分は、少なくともTPA系ポリエステルと、1種又は複数種の第1網目モノマーと、第1網目開始剤と、からなる。TPA系ポリエステルは、1種又は複数種の第1網目モノマーに可溶であることが必要であり、それによって、それらを一緒に混合すると、第1網目形成性成分の部分が透明な液体として存在することが必要である。
【0014】
一実施形態において、第1網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は100重量%の量で存在する。一実施形態において、第1網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、100重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、又は60重量%以下の量で存在する。
【0015】
一実施形態において、第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量を除く組成物の総重量を基準として、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は100重量%の量で存在する。溶媒は、組成物の成分が溶解している非反応性の液体である。通常、溶媒は、組成物の反応性官能基に応じて、低分子量アルコール又は水である。一実施形態において、第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、100重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、又は60重量%以下の量で存在する。
【0016】
一実施形態において、第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量及び重合性基を含まない成分(例えば、非反応性粒子状フィラー)(存在する場合)の重量を除く組成物の重量を基準として、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は100重量%の量で存在する。一実施形態において、第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)及び重合性基を含まない成分(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、100重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、又は60重量%以下の量で存在する。
【0017】
任意選択的に、組成物は、TPA系ポリエステル又は1種若しくは複数種の第1網目モノマーの重合性基と(共)重合可能な、数平均で2個以上の重合性基を有する1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーを更に含む。
【0018】
任意選択的に、組成物は、第1網目形成性成分と(共)重合しない1種又は複数種の第2網目化合物と、1種又は複数種の第2網目化合物の重合を開始させるための第2網目開始剤と、を含む第2網目形成性成分を更に含む。例えば、第1網目形成性成分はラジカル重合により重合可能なものとすることができ、第2網目形成性成分はカチオン重合により重合可能なものとすることができる。
【0019】
本願出願の目的における(共)重合する基又は(共)重合しない基の非限定的な一覧を以下に定義する。アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基は、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基と(共)重合し、ヒドロキシル基、エポキシ基、及びオキセタン基とは(共)重合しない。ヒドロキシル基、エポキシ基、及びオキセタン基は、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、及びビニルエーテル基と(共)重合し、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基とは(共)重合しない。ビニルエーテル基は、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基と(共)重合する。
【0020】
したがって、TPA系ポリエステルが、1分子当たり数平均で少なくとも2個のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む場合、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む。TPA系ポリエステルが1分子当たり数平均で少なくとも2個のヒドロキシル基、エポキシ基、又はオキセタン基を含む場合、1種又は複数種の第1網目モノマーは、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、又はビニルエーテル基を含み、任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、又はビニルエーテル基を含む。TPA系ポリエステルが1分子当たり数平均で少なくとも2個のビニルエーテル基を含む場合、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む。
【0021】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、複数の異なる種類の重合性基を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、メタクリレート基及びアクリレート基の組合せを含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、i)アクリレート、メタクリレート、イタコネート、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートから選択される少なくとも1種の重合性基と、ii)ヒドロキシル、エポキシ、又はオキセタンから選択される少なくとも1種の重合性基と、を含む。TPA系ポリエステルが、i)アクリレート、メタクリレート、イタコネート、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートから選択される少なくとも1種の重合性基と、ii)ヒドロキシル、エポキシ、又はオキセタンから選択される少なくとも1種の重合性基と、を含む場合、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、i)少なくとも1種のアクリレート基又はメタクリレート基と、ii)少なくとも1種のエポキシ基と、を含む。
【0022】
本願出願全体を通して、重合性基を「エポキシ」又は「エポキシ基」と称する場合、これは、これらに限定されるものではないが、エポキシ基、オキシラン基、オキシラニル基、グリシジル基、又は脂環式エポキシ基を包含することを意図している。
【0023】
更なる任意選択的な成分は、第1網目形成性成分と(共)重合可能であってもなくてもよい粒子状フィラーである。
【0024】
[TPA系ポリエステル成分]
三次元物体を形成するための組成物は、TPA系ポリエステルを含む。TPA系ポリエステルは、主鎖と、1分子当たり数平均で少なくとも2個の重合性基と、を含む。主鎖は、テレフタル酸(TPA)とポリオールとの反応生成物を含む。
【0025】
主鎖は、テレフタル酸とポリオールとの重縮合物から形成されたポリエステルを含む。ポリオールは2個以上のヒドロキシル基を有するアルコールである。一実施形態において、ポリオールは、ジオール、トリオール、又はテトラオールである。一実施形態において、ポリオールは、ペンタオール又はそれよりも高級なポリオールである。一実施形態において、ポリオールはジオールである。TPA系ポリエステルは、1種類のみのポリオール及びTPAを含むことができるが、1種類を超えるポリオール、例えば、2、3、4、5、又は6種類の異なるポリオール及びTPAを含むこともできる。一実施形態において、TPA系ポリエステルは直鎖状である。一実施形態において、TPA系ポリエステルは分岐状又は樹状である。
【0026】
一実施形態において、ポリオールは、脂肪族又は指環式ポリオールである。一実施形態において、ポリオールは芳香族ポリオールである。一実施形態において、ポリオールは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、又は少なくとも6個のヒドロキシル基を有する。一実施形態において、ポリオールは、最大2個、最大3個、最大4個、最大5個、最大6個、最大8個、又は最大10個のヒドロキシル基を有する。一実施形態において、ポリオールは直鎖状である。一実施形態において、ポリオールは分岐状である。
【0027】
ポリオールは、TPA系ポリエステルのガラス転移温度(Tg)が40℃以上となるように選択される。一実施形態において、TPA系ポリエステルのTgは、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、又は少なくとも70℃である。一実施形態において、TPA系ポリエステルのTgは、150℃以下、125℃以下、又は120℃以下である。
【0028】
一実施形態において、ポリオールは、ポリアルキレンポリオール又はポリアルキレンオキシドポリオールを含む。一実施形態において、ポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド(PTMO)ポリオール、ランダム若しくはブロックポリプロピレンオキシド-ポリエチレンオキシドコポリマーポリオール、ランダム若しくはブロックポリテトラメチレンオキシド-ポリエチレンオキシドコポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ヒドロキシル末端を有するシリコーン、ヒドロキシアルキル末端を有するシリコーン、ランダム若しくはブロックシリコーン-ポリエチレンオキシドコポリマーポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソブチレンポリオール、ポリブチレンオキシドポリオール、又はこれらの混合物を含む。
【0029】
一実施形態において、ポリオールは、1,4-ブタンジオール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメトニレン(octametnylene)グリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、エトキシル化ビスフェノールA、プロポキシル化ビスフェノールA、グリセロール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、ペンタン-1,2,3-トリオール、プロパン-1,1,1-トリオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,1-シクロヘキサンジメチロール、シクロヘキサン-1,2,4-トリオール、シクロプロパン-1,2,3-トリオール、ベンゼントリオール、ペンタン-1,1,5,5-テトラオール、ヘキサン-1,2,5,6-テトラオール、1,2,4,5-テトラヒドロキシベンゼン、ブタン-1,2,3,4-テトラオール、[1,1’-ビフェニル]-3,3’,5,5’-テトラオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、フェニルジエタノールアミン、又はこれらの混合物を含む。
【0030】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、TPA以外の更なる多価酸を含む。一実施形態において、更なる多価酸は、脂肪族多価酸又は芳香族多価酸である。一実施形態において、更なる多価酸は、一般式HOOC-Z-COOH(式中、Zは少なくとも2個の炭素原子を含む脂肪族化合物である)で表されるジカルボン酸を含む。この種のジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、オクタデカン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-オキシビス安息香酸,3,6-ジクロロフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、デカンジカルボン酸、コハク酸、及びトリメリット酸が挙げられる。一実施形態において、更なる多価酸は、フタル酸又はイソフタル酸を含む。
【0031】
一実施形態において、TPA系ポリエステルの主鎖の少なくとも20mol%、少なくとも30mol%、少なくとも40mol%、少なくとも50mol%、少なくとも60mol%、少なくとも70mol%、少なくとも75mol%、少なくとも80mol%、少なくとも85mol%、少なくとも90mol%、少なくとも95mol%、少なくとも98mol%、又は100mol%は、多価酸とポリオールとの反応生成物を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルの主鎖の最大100mol%、最大98mol%、最大95mol%、最大90mol%、最大80mol%、最大70mol%、又は最大60mol%は、多価酸とポリオールとの反応生成物を含む。
【0032】
一実施形態において、TPA系ポリエステルの主鎖の少なくとも20mol%、少なくとも30mol%、少なくとも40mol%、少なくとも50mol%、少なくとも60mol%、少なくとも70mol%、少なくとも75mol%、少なくとも80mol%、少なくとも85mol%、少なくとも90mol%、少なくとも95mol%、少なくとも98mol%、又は100mol%は、TPAとポリオールとの反応生成物を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルの主鎖の最大100mol%、最大98mol%、最大95mol%、最大90mol%、最大80mol%、最大70mol%、又は最大60mol%は、TPAとポリオールとの反応生成物を含む。
【0033】
TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含む。一実施形態において、重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、又はイタコネートを含む。一実施形態において、重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、又はオキセタンを含む。一実施形態において、重合性基は、アクリレート又はメタクリレートを含む。一実施形態において、重合性基は、メタクリレートを含む。重合性基は、例えば、所望の重合性基を含むヒドロキシル基を有するモノマーを、TPA/ポリオール主鎖を含むカルボン酸基を有するポリマーと反応させることにより形成することができる。重合性基を形成する他の可能な方法は、ポリマーのOH基をジイソシアネート又はそれよりも高級なイソシアネートと反応させ、次いで所望の重合性基を含むヒドロキシル基を有するモノマーを、ポリマー上のイソシアネート基と反応させることである。例えば、ヒドロキシル基を有するモノマーは、メタクリル酸ヒドロキシエチルとすることができる。
【0034】
一実施形態において、重合性基は末端基を含む。末端基は、ポリマーの末端に存在する基である。一実施形態において、重合性基は末端基であり、本発明のTPA系ポリエステル中に、末端基ではない重合性基は存在しない。
【0035】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で2.0個、少なくとも2.1個、少なくとも2.2個、少なくとも2.3個、少なくとも2.4個、少なくとも2.5個、少なくとも2.6個、又は少なくとも2.7個の重合性基を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で最大10個、最大9個、最大8個、最大7個、最大6個、最大5個、最大4.5個、最大4個、最大3.5個、又は最大3個の重合性基を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、2.3~3個の重合性基を含む。一般に、TPA系ポリエステルの官能基数が増加すると、組成物中のTPA系ポリエステルの量は低下する可能性がある。
【0036】
一実施形態において、TPA系ポリエステルの数平均分子量は、少なくとも800g/mol、少なくとも900g/mol、少なくとも1000g/mol、少なくとも1100g/mol、少なくとも1200g/mol、少なくとも1300g/mol、少なくとも1400g/mol、又は少なくとも1500g/molである。一実施形態において、TPA系ポリエステルの数平均分子量は、最大10,000g/mol、最大9,000g/mol、最大8,000g/mol、最大7000g/mol、最大6,000g/mol、最大5,000g/mol、最大4,000g/mol、又は最大3,000g/molである。
【0037】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、数平均で2~3個の重合性基を有し、組成物中のTPA系ポリエステルの量、数平均分子量、及び重合性基の数平均は、硬化後の網目の網目密度を調整するように、次式:
【数1】
(式中、Rは、気体定数8.314cmMPaK-1mol-1であり、Tは、423.15Kであり、fは、TPA系ポリエステルの重合性基の数平均であり、ρは、TPA系ポリエステルの密度(単位:g/cm)であり、Mpolyesterは、TPA系ポリエステルの数平均分子量(単位:g/mol)であり、wpolyesterは、第1網目形成性成分中のTPA系ポリエステルの重量分率である)を満たす。一実施形態において、Xは、3、5、7、10、15、又は20である。一実施形態において、Yは、50、45、又は40である。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、数平均で2~3個の末端基を有し、組成物中のTPA系ポリエステルの量、数平均分子量、及び末端基の数平均は上式を満たし、fは、TPA系ポリエステルの末端基の数平均である。
【0038】
異なる官能基数を有するTPA系ポリエステルをブレンドすることにより、TPA系ポリエステルに、1分子当たり数平均で2~3個の重合性基を付与することも可能である。例えば、1分子当たり数平均で2.3個の重合性基を有するTPA系ポリエステル70mol%及び1分子当たり数平均で4.0個の重合性基を有するTPA系ポリエステル30mol%を使用すると、1分子当たり数平均2.8個の重合性基を有するTPA系ポリエステルとなると考えられる。この例において、上式のfは2.8となり、Mpolyesterは、各TPA系ポリエステルのmol%に基づき求められる。
【0039】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0040】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0041】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0042】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは非晶質である。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、非晶質TPA系ポリエステル及び半結晶性TPA系ポリエステルのブレンド物を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、非晶質TPA系ポリエステル、半結晶性TPA系ポリエステル、及び結晶性TPA系ポリエステルのブレンド物を含む。
【0043】
[第1網目モノマー及び第1網目開始剤]
積層造形プロセスを介して三次元物体を形成するための組成物は、TPA系ポリエステルに加えて、1種又は複数種の第1網目モノマー及び第1網目開始剤を含む。TPA系ポリエステルの重合性基に応じて、第1網目モノマー及び任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、ラジカル重合可能な化合物であってもよいし、或いは、カチオン重合可能な化合物であってもよく、第1網目開始剤は、ラジカル開始剤であってもよいし、或いは、カチオン開始剤であってもよい。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、イタコネート、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含み、第1網目モノマー及び任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、ラジカル重合可能な化合物であり、第1網目開始剤は、ラジカル開始剤である。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、ヒドロキシル、エポキシ、又はオキセタンを含む重合性基であり、第1網目モノマー及び任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、カチオン重合可能な化合物であり、第1網目開始剤は、カチオン開始剤である。
【0044】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で少なくとも2個のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、アリルエーテル基、又はフマレート基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で少なくとも2個のヒドロキシル基、エポキシ基、又はオキセタン基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、又はビニルエーテル基を含み、任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、又はビニルエーテル基を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で少なくとも2個のビニルエーテル基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む。
【0045】
第1網目モノマーの重合性基は、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合することができる。第1網目モノマーは、数平均で0.95~1.1個の重合性基を有する。一実施形態において、第1網目モノマーは、数平均で0.95個以上の重合性基、0.97個以上の重合性基、又は0.99個以上の重合性基を有する。一実施形態において、第1網目モノマーは、数平均で1.1個以下の重合性基、1.08個以下の重合性基、1.06個以下の重合性基、1.04個以下の重合性基、又は1.02個以下の重合性基を有する。一実施形態において、第1網目モノマーは、数平均で1.0個の重合性基を有する。
【0046】
1種又は複数種の第1網目モノマーから形成された直鎖状ポリマーのTgは40℃以上である。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーから形成された直鎖状ポリマーのTgは、50℃以上、60℃以上、65℃以上、70℃以上、75℃以上、80℃以上、85℃以上、90℃以上、95℃以上、又は100℃以上である。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーから形成された直鎖状ポリマーのTgは、150℃以下、130℃以下、125℃以下、又は120℃以下である。異なる分子式を有する複数種の第1網目モノマーを1種又は複数種の第1網目モノマー中に存在させることも可能であり、その一部のTgは主張する量よりも高く、一部のTgは主張する量よりも低い。直鎖状ポリマーは、第1網目モノマーを全て合わせたものから形成され、Tgが主張した範囲内にあるか否かを決定するために、直鎖状ポリマーのTgが測定される。
【0047】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーの分子量は、800g/mol以下、700g/mol以下、600g/mol以下、500g/mol以下、400g/mol以下、350g/mol以下、300g/mol以下、250g/mol以下、又は200g/mol以下である。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、分子量が100g/mol以上又は150g/mol以上である。
【0048】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含み、第1網目モノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸イソブチル、アクリロイルモルホリン、イタコン酸ジメチル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルイミダゾール、又はN-メチル-N-アセトアミドを含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含み、第1網目モノマーは、シクロヘキシルビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、アリルフェニルエーテル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、又はフマル酸ジエチルを含む。
【0049】
一実施形態において、TPA系ポリエステルは、ヒドロキシル、エポキシ、オキセタン、又はビニルエーテルを含む重合性基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、シクロヘキセンオキシド、tert-ブチルグリシジルエーテル、4-クロロフェニルグリシジルエーテル、シクロペンテンオキシド、exo-2,3-エポキシノルボルナン、1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパン、(2,3-エポキシプロピル)ベンゼン、N-(2,3-エポキシプロピル)フタルイミド、exo-3,6-エポキシ-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、3,4-エポキシテトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド、フルフリルグリシジルエーテル、4-メトキシフェニルグリシジルエーテル、2-メチルフェニルグリシジルエーテル、イソホロンオキシド、α-ピネンオキシド、cis-スチルベンオキシド、スチレンオキシド、メチル,メチル7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート、2-エチルヘキシル7-オキサビシクロ(4.1.0)ヘプタン-3-カルボキシレートカルボキシレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(3-ヒドロキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(4-ヒドロキシブチル)オキシメチルオキセタン、シクロヘキシルビニルエーテル、1,4,-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、又はフェニルビニルエーテルを含む。
【0050】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、組成物の総重量を基準として、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0051】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0052】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0053】
第1網目開始剤は、TPA系ポリエステルと、1種又は複数種の第1網目モノマーと、任意選択的に、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーと、任意選択的に、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む粒子状フィラーと、の重合を開始させる役割を果たす。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、光開始剤又は熱開始剤を含む。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、UV光、可視光、又はUV光及び可視光の両方に反応して重合を開始させる光開始剤を含む。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、300~470nmの波長で重合を開始させる光開始剤を含む。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、300~395nmの波長で重合を開始させる光開始剤を含む。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、光開始剤及び熱開始剤を含む。
【0054】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、熱開始剤を含む。熱開始剤は、組成物から形成された物品を熱的に後処理する際に、組成物を更に硬化させるために使用することができる。
【0055】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、組成物の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する。
【0056】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目モノマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する。
【0057】
一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、第1網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第1網目開始剤は、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する。
【0058】
[更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマー]
任意選択的に、本発明の組成物は、TPA系ポリエステル又は1種若しくは複数種の第1網目モノマーの重合性基と(共)重合可能な重合性基を数平均で2個以上有する、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーを含む。
【0059】
一実施形態において、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、組成物の総重量を基準として、最大15重量%、最大12重量%、最大10重量%、最大8重量%、最大6重量%、最大5重量%、最大4重量%、最大3重量%、又は最大2重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、組成物の総重量を基準として、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%の量で存在する。
【0060】
一実施形態において、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大15重量%、最大12重量%、最大10重量%、最大8重量%、最大6重量%、最大5重量%、最大4重量%、最大3重量%、又は最大2重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%の量で存在する。
【0061】
一実施形態において、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大15重量%、最大12重量%、最大10重量%、最大8重量%、最大6重量%、最大5重量%、最大4重量%、最大3重量%、又は最大2重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%の量で存在する。
【0062】
[任意選択的な第2網目形成性成分]
任意選択的に、本発明の組成物は、第2網目形成性成分を含む。第2網目形成性成分は、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合しない重合性基を含む1種又は複数種の第2網目化合物と、1種又は複数種の第2網目化合物の重合を開始させるための第2網目開始剤と、を含む。一実施形態において、TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、又はイタコネートを含む重合性基を含み、1種又は複数種の第2網目化合物は、エポキシ、オキセタン、又はヒドロキシルを含む重合性基を含む。
【0063】
一実施形態において、第2網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の量で存在する。一実施形態において、第2網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する。一実施形態において、本発明の組成物は、第2網目形成性成分を含まない。一実施形態において、本発明の組成物は、第2網目形成性成分を実質的に含まない。
【0064】
一実施形態において、第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量を除く組成物の総重量を基準として、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の量で存在する。一実施形態において、第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する。
【0065】
一実施形態において、第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)及び重合性基を含まない成分(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の量で存在する。一実施形態において、第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)及び重合性基を含まない成分(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する。
【0066】
一実施形態において、1種又は複数種の第2網目化合物は、組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第2網目化合物は、組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0067】
一実施形態において、1種又は複数種の第2網目化合物は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第2網目化合物は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する。
【0068】
一実施形態において、1種又は複数種の第2網目化合物は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の量で存在する。一実施形態において、1種又は複数種の第2網目化合物は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、最大99.9重量%、最大99.5重量%、最大99重量%、最大98重量%、最大97重量%、最大96重量%、最大95重量%、最大90重量%、又は最大80重量%の量で存在する。
【0069】
一実施形態において、第2網目開始剤は、光開始剤又は熱開始剤を含む。一実施形態において、第2網目開始剤は、UV光、可視光、又はUV光及び可視光の両方に反応して重合を開始させる光開始剤を含む。一実施形態において、第2網目開始剤は、光開始剤及び熱開始剤を含む。
【0070】
一実施形態において、第2網目開始剤は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する。一実施形態において、第2網目開始剤は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する。
【0071】
一実施形態において、第2網目開始剤は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する。一実施形態において、第2網目開始剤は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する。
【0072】
重合性基を含む様々な成分を組成物中に存在させることができる。様々なラジカル重合可能な化合物及びカチオン重合可能な化合物を以下に記載する。TPA系ポリエステルの重合性基及び化合物の重合性基の数平均に応じて、これらの化合物を、第1網目モノマー、更なる第1網目モノマー、オリゴマー、若しくはポリマー、又は重合性基を含む第2網目化合物とすることができる。
【0073】
[ラジカル重合可能な化合物]
一実施形態において、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分は、少なくとも1種のラジカル重合可能な化合物、即ち、フリーラジカルによって重合を開始する成分を含む。ラジカル重合可能な化合物は、モノマー、オリゴマー、及び/又はポリマーであり;これらは、単官能性又は多官能性材料である、即ち、重合をフリーラジカルにより開始することができる1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100個、又はそれを超える官能基を有し、それぞれ1又は2以上のヘテロ原子を含むことができる、脂肪族、芳香族、脂環式、アリール脂肪族、又はこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0074】
一実施形態によれば、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分は、少なくとも1個の重合可能な(メタ)アクリレート基を含む成分を含む。少なくとも1個の重合可能な(メタ)アクリレート基を含む成分の例としては、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸4-ブチルシクロヘキシル、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、アクリル酸カプロラクトン付加物(caprolactone acrylate)、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸2-(2-エトキシエトキシ)エチル、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ベータ-カルボキシエチル、フタル酸アクリレート(phthalic acid acrylate)、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルカルバミルエチル、n-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、フッ素化(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸7-アミノ-3,7-ジメチルオクチル、アクリル酸2-(フェニルチオ)エチル、及びノニルフェノールアクリレート等のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0075】
1個を超える(メタ)アクリレート基を含む成分の例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジメタノールジ(メタ)アクリレート、[2-[1,1-ジメチル-2-[(1-オキソアリル)オキシ]エチル]-5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル]メチルアクリレート;3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンジ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、リン酸モノ-及びジ(メタ)アクリレート、C~C20アルキルジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)クリレート(hexa(meth)crylate)、トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート、並びに上述のモノマーのいずれかのアルコキシル化形態(例えば、エトキシル化及び/又はプロポキシル化)に加えて、ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物であるジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物であるジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート付加物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキル化ビスフェノールAのジアクリル酸エステル、及びトリエチレングリコールジビニルエーテル、及びアクリル酸ヒドロキシエチルの付加物等の(メタ)アクリロイル基を有するものが挙げられる。
【0076】
一実施形態によれば、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分に含まれるものは、全てメタクリレート基、全てアクリレート基、又はメタクリレート及びアクリレート基の任意の組合せである。
【0077】
一実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エトキシル化若しくはプロポキシル化ビスフェノールA若しくはビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジメタノールジ(メタ)アクリレート、[2-[1,1-ジメチル-2-[(1-オキソアリル)オキシ]エチル]-5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル]メチルアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)クリレート(hexa(meth)crylate)、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、若しくはプロポキシル化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0078】
一実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、イタコン酸、シトラコン酸、又はメサコン酸から生成したエステルを含む。一実施形態において、ラジカル重合可能な化合物はイタコン酸ジメチルである。
【0079】
一実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、チオール含有化合物を含む。一実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、脂肪族チオール、より好ましくは、1級脂肪族チオールを含む。一実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、芳香族チオールを含む。一実施形態において、チオール含有化合物は、脂肪族チオールを含み、α-メルカプト酢酸エステル又はβ-メルカプトプロピオン酸エステル又はそれらの誘導体若しくは混合物を含む。一実施形態において、チオール含有化合物は、ドデシルメルカプタン又はオクチルメルカプタンを含む。一実施形態において、ラジカル重合可能な化合物は、ジチオエステル、チオエーテル、チオン、トリチオ炭酸ジベンジル等のトリチオ炭酸エステル、ジチオカルバミン酸エステル、ジチオ炭酸O-エチル-S-(1-メトキシカルボニル)エチル[RSC(=S)-OC(Rは-CH(CH)-C(=O)-OCH]等のキサントゲン酸エステル、又はそれらの混合物を含む。
【0080】
[カチオン重合可能な化合物]
一実施形態において、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分は、少なくとも1種のカチオン重合可能な化合物、即ち、カチオン重合する化合物を含む。カチオン重合可能な化合物は、環状エーテル化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物、環状ラクトン化合物、及びビニルエーテル化合物、並びにそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。組成物中に存在することができるカチオン重合性基の中でも、指環式エポキシ基及びオキセタン基は、一般に反応が最も速く、そのような理由で好ましい。
【0081】
カチオン重合可能な化合物の例としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物、及びビニルエーテル化合物等の環状エーテル化合物が挙げられる。カチオン重合可能な化合物の具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)-シクロヘキサン-1,4-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキシド、4-ビニルエポキシシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンオキシド、リモネンジオキシド、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε-カプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β-メチル-δ-バレロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘクシルメチル(epoxycyclohexcylmethyl)-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、ビシクロヘキシル-3,3’-エポキシド、-O-、-S-、-SO-、-SO-、-C(CH-、-CBr-、-C(CBr-、-C(CF-、-C(CCl-、又は-CH(C)-結合を有するビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールのジ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロジオクチルフタレート、エポキシヘキサヒドロ-ジ-2-エチルヘキシルフタレート、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセロール等の脂肪族多価アルコールに1種又は複数種のアルキレンオキシドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、又はこれらの化合物にアルキレンオキシドを付加することにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシド化大豆油、エポキシブチルステアリン酸、エポキシオクチルステアリン酸、エポキシド化亜麻仁油、エポキシド化ポリブタジエン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(3-ヒドロキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(4-ヒドロキシブチル)オキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(5-ヒドロキシペンチル)オキシメチルオキセタン、3-エチル-3-フェノキシメチルオキセタン、ビス((1-エチル(3-オキセタニル))メチル)エーテル、3-エチル-3-((2-エチルヘキシルオキシ)メチル)オキセタン、3-エチル-((トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン、3-(メタ)-アリルオキシメチル-3-エチルオキセタン、(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4-フルオロ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4-メトキシ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]-ベンゼン、[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-エチルヘキシル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシプロピル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、及びそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0082】
カチオン重合可能な多官能性材料の例としては、エポキシ、オキセタン、又はヒドロキシル官能基を有する、デンドリマー、リニアデンドリティックポリマー、デンドリグラフトポリマー、ハイパーブランチポリマー、スターブランチポリマー、及びハイパーグラフトポリマー等の樹枝状ポリマーが挙げられる。樹枝状ポリマーは、1種類の重合可能な官能基又は異なる種類の重合可能な官能基、例えば、エポキシ官能基及びオキセタン官能基を含むことができる。
【0083】
一実施形態において、カチオン重合可能な化合物は、少なくとも1種の1級OH基を含むヒドロキシル官能性成分を含む。一実施形態において、カチオン重合可能な化合物は、2個の1級OH基を含むヒドロキシル官能性成分を含む。
【0084】
一実施形態において、カチオン重合可能な化合物は、数平均分子量が約500g/mol未満のジオールを含む。一実施形態において、カチオン重合可能な化合物は、数平均分子量が約400g/mol未満のジオールを含む。一実施形態において、カチオン重合可能な化合物は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、又はトリプロピレングリコールを含む。一実施形態において、カチオン重合可能な化合物は、トリメチロールプロパン、グリセロール、又はペンタエリスリトール等の、3個以上のOH基を有するポリオールを含む。
【0085】
一実施形態において、カチオン重合可能な成分は、前段落のポリオールのエトキシル化又はプロポキシル化形態等のアルコキシル化ポリオールを含む。しかしながら、アルコキシル化ポリオールは、組成物を重合させることにより製造された物品のTgを低下させる作用を有する場合があり、したがって、慎重に使用するべきである。一実施形態において、カチオン重合可能な成分は、アルコキシル化芳香族ジオールを含む。一実施形態において、カチオン重合可能な化合物は、エトキシルル化及び/又はプロポキシル化されたビスフェノールAを含む。このビスフェノールAは、例えば、全体で、ヒドロキシル基当たり約1個~約30個のエトキシル化部分及び/又はプロポキシル化部分を含むことができる。
【0086】
一実施形態において、カチオン重合可能な成分は、ポリ(プロピレングリコール)又はそのコポリマー、ポリ(エチレングリコール)又はそのコポリマー、ポリ(テラメチレンオキシド)(poly(teramethyleneoxide))又はそのコポリマー、ポリ(ブチレンオキシド)又はそのコポリマー、ヒドロキシル末端を有するポリ(ブタジエン)、ポリ(カプロラクトン)ジオール、ポリ(カプロラクタム)ジオール、ヒドロキシル末端を有するポリ(アクリレート)、ヒドロキシル末端を有するポリ(エステル)、ポリ(カーボネート)テレケリックジオール、ポリ(エーテル)テレケリックジオール、ポリ(ウレタン)テレケリックジオール、ヒドロキシル末端を有するポリ(ジメチルシロキサン)及びそのコポリマーを含む。
【0087】
様々な種類の開始剤を組成物中に存在させることができる。以下に様々なフリーラジカル開始剤及びカチオン開始剤を記載する。TPA系ポリエステルの重合性基に応じて、これらの開始剤は第1網目開始剤とすることも第2網目開始剤とすることもできる。
【0088】
重合は、開始剤に必要な開始機構に応じて任意の好適な方法により開始させることができる。一実施形態において、重合は、組成物に光又は熱を照射することにより開始される。好ましくは、重合可能な組成物は、UV光又は可視光を印加することにより重合される。放射は、ランプ、レーザー、LED、又は他の光源により提供することができる。
【0089】
[ラジカル重合開始剤]
第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分がラジカル重合可能な化合物を含む場合、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分はそれぞれ、ラジカル重合開始剤も含む。ラジカル重合開始剤の好ましい例は、熱開始剤及び光開始剤である。好ましくは、ラジカル重合開始剤は、光ラジカル開始剤を含む。
【0090】
一実施形態によれば、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分は、少なくとも1種の光ラジカル開始剤を含む。一実施形態において、光ラジカル開始剤は、ベンゾイルホスフィンオキシド、アリールケトン、ベンゾフェノン、ヒドロキシル化ケトン、I-ヒドロキシフェニルケトン、ケタール、メタロセン、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0091】
一実施形態において、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分は、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及び2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニル、エトキシホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパノン-1,2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、ジメトキシベンゾフェノン、I-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル(1-ヒドロキシイソプロピル)ケトン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、4-イソプロピルフェニル(1-ヒドロキシイソプロピル)ケトン、オリゴ-[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]、カンファーキノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジル(benzil)ジメチルケタール、ビス(η5-2-4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル]チタン、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1種の光ラジカル開始剤を含む。
【0092】
更なる光ラジカル開始剤としては:例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASFからのLucirin TPO)及び2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニル,エトキシホスフィンオキシド(BASFからのLucirin TPO-L)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド(CibaからのIrgacure819又はBAPO)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパノン-1(CibaからのIrgacure907)、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(CibaからのIrgacure369)、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン(CibaからのIrgacure379)、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド(ChitecからのChivacure BMS)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(ChitecからのChivacure EMK)、4,4’-ビス(N,N’-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、カンファーキノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(ChitecからのChivacure EMK)、4,4’-ビス(N,N’-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド(CibaからのIrgacure819又はBAPO)等のベンゾイルホスフィンオキシド、及びビス(η5-2-4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル]チタン(CibaからのIrgacure784)等のメタロセン、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0093】
熱ラジカル重合開始剤の例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、アゾイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンニトリル)、1,1’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等のアゾ化合物、ベンゾピナコール、過酸化物等のC-C結合が不安定な化合物、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0094】
一実施形態において、ラジカル重合は過酸化物を含む。好適な可能性のある過酸化物としては、有機及び無機過酸化物が挙げられる。一実施形態において、熱開始剤は組成物に可溶である。
【0095】
過酸化物の例としては、例えば、過炭酸塩(式-OC(O)O-で表されるもの)、過酸化エステル(peroxyester)(式-C(O)OO-で表されるもの)、過酸化無水物(peranhydride)としても知られる過酸化ジアシル(式-C(O)OOC(O)-で表されるもの)、過酸化ジアルキル又は過酸化エーテル(perether)(式-OO-で表されるもの)、ヒドロペルオキシド(式-OOHで表されるもの)等が挙げられる。過酸化物はまた、低重合体又は重合体の性質を有するものとすることもできる。
【0096】
熱ラジカル重合開始剤は、例えば、過炭酸塩、過酸化エステル、又は過酸化無水物を含むことができる。過酸化無水物は、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)及び過酸化ラウロイル(Laurox(商標)として市販)である。過酸化エステルは、例えば、過安息香酸t-ブチル及び過ラウリン酸2-エチルヘキシルである。過炭酸エステルは、例えば、過炭酸ジ-t-ブチル及び過炭酸ジ-2-エチルヘキシル又はモノ過炭酸エステルである。
【0097】
一実施形態において、熱ラジカル重合開始剤は有機過酸化物である。有機過酸化物の例は:3級アルキルヒドロペルオキシド(例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド等)、他のヒドロペルオキシド(例えば、クメンヒドロペルオキシド等)、過酸化ケトン(過酸化水素及びケトンの付加物である過酸化ケトン、例えば、過酸化メチルエチルケトン、過酸化メチルイソブチルケトン、及び過酸化アセチルアセトン等)、過酸化エステル又は過酸(例えば、過酸化t-ブチル、過酸化ベンゾイル、過酢酸エステル及び過安息香酸エステル、過酸化ラウロイル((ジ)過酸化エステルを含む)、過酸化エーテル(例えば、過酸化ジエチルエーテル等)である。
【0098】
一実施形態において、熱ラジカル重合開始剤は、過酸化無水物、例えば、過酸化ベンゾイル又は過酸化ラウロイル、過炭酸エステル、例えば、ペルオキシ二炭酸ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)、ペルオキシ二炭酸ジセチル、又はペルオキシ二炭酸ジミリスチルを含む。
【0099】
[カチオン重合開始剤]
第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分がラジカル重合可能な化合物を含む場合、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分はそれぞれ、カチオン重合開始剤も含むことができる。カチオン重合開始剤の好ましい例は、熱開始剤及び光開始剤である。好ましくは、カチオン重合開始剤は、光カトニック(catonic)開始剤である。光カチオン開始剤は、光を照射するとカチオン開環重合を開始する。
【0100】
一実施形態において、光カチオン開始剤は、オニウム塩、ハロニウム塩、ヨードシル塩、セレニウム塩、スルホニウム塩、スルホキソニウム塩、ジアゾニウム塩、メタロセン塩、イソキノリニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、トロピリウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、チオピリリウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、フェロセン、ジ(シクロペンタジエニル鉄)アレーン塩化合物、及びピリジニウム塩、又はそれらの任意の組合せの陽イオンを含む。
【0101】
他の実施形態において、光カチオン開始剤の陽イオンは、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン系化合物、芳香族ホスホニウム塩、高分子スルホニウム塩、ナフチルスルホニウム塩、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。一実施形態において、光カチオン開始剤は、トリアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、及びメタロセン系化合物、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0102】
一実施形態において、光カチオン開始剤は、BF 、AsF 、SbF 、PF 、[B(CF、B(C 、B[C-3,5(CF 、B(CCF 、B(C 、B[C-4(CF)] 、Ga(C 、[(CB-C-B(C、[(CB-NH-B(C、テトラキス(3,5-ジフルオロ-4-アルキルオキシフェニル)ホウ酸イオン、テトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-アルキルオキシフェニル)ホウ酸イオン、パーフルオロアルキルスルホン酸イオン、トリス[(パーフルオロアルキル)スルホニル]メチドイオン、ビス[(パーフルオロアルキル)スルホニル]イミドイオン、パーフルオロアルキルリン酸イオン、トリス(パーフルオロアルキル)トリフルオロリン酸イオン、ビス(パーフルオロアルキル)テトラフルオロリン酸イオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸イオン、及び(CH11Br、CH11Cl、並びに他のハロゲン化炭酸陰イオンからなる群から選択される陰イオンを有する。
【0103】
一実施形態において、光カチオン開始剤は、SbF 、PF 、B(C 、[B(CF、テトラキス(3,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)ホウ酸イオン、パーフルオロアルキルスルホン酸イオン、パーフルオロアルキルリン酸イオン、トリス[(パーフルオロアルキル)スルホニル]メチドイオン、及び[(CPFからなる群から選択される陰イオンを少なくとも有する、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、及びメタロセン系化合物からなる群から選択される陽イオンを有する。
【0104】
増感剤を使用せずに300~475nmで硬化させるのに有用な光カチオン開始剤の例として、ヘキサフルオロアンチモン酸4-[4-(3-クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸4-[4-(3-クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、テトラキス(3,5-ジフルオロ-4-メチルオキシフェニル)ホウ酸4-[4-(3-クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、テトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルオキシフェニル)ホウ酸4-[4-(3-クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリス(4-(4-アセチルフェニル)チオフェニル)スルホニウム(BASFからのIrgacure(登録商標)PAG290)、トリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メチドトリス(4-(4-アセチルフェニル)チオフェニル)スルホニウム(BASFからのIrgacure(登録商標)GSID26-1)、ヘキサフルオロリン酸トリス(4-(4-アセチルフェニル)チオフェニル)スルホニウム(BASFからのIrgacure(登録商標)270)、及びサンアプロ株式会社(San-Apro Ltd.)より入手可能なHS-1が挙げられる。
【0105】
好ましい光カチオン開始剤としては、単独又は混合物のいずれかとしての:ビスヘキサフルオロアンチモン酸ビス[4-ジフェニルスルホニウムフェニル]スルフィド;ヘキサフルオロアンチモン酸チオフェノキシフェニルスルホニウム(Chivacure1176としてChitecより入手可能)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリス(4-(4-アセチルフェニル)チオフェニル)スルホニウム(BASFからのIrgacure(登録商標)PAG290)、トリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メチドトリス(4-(4-アセチルフェニル)チオフェニル)スルホニウム(BASFからのIrgacure(登録商標)GSID26-1)、及びヘキサフルオロリン酸トリス(4-(4-アセチルフェニル)チオフェニル)スルホニウム(BASFからのIrgacure(登録商標)270)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸[4-(1-メチルエチル)フェニル](4-メチルフェニル)ヨードニウム(Rhodorsil2074としてRhodiaより入手可能)、ヘキサフルオロアンチモン酸4-[4-(2-クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム(AdekaよりSP-172として)、株式会社ADEKA(Adeka)からのSP-300、及び陰イオン(PF6-m(C2n+1を有する芳香族スルホニウム塩(ここで、mは1~5の整数であり、nは1~4の整数である)(CPI-200K又はCPI-200Sとしてサンアプロ株式会社(San-Apro Ltd.)より入手可能な1価のスルホニウム塩、サンアプロ株式会社(San-Apro Ltd.)より入手可能なTK-1、又はサンアプロ株式会社(San-Apro Ltd.)より入手可能なHS-1)が挙げられる。
【0106】
[任意選択的な粒子状フィラー]
特定の実施形態において、組成物は粒子状フィラーを含む。粒子状フィラーの例としては、有機及び無機粒子状フィラーの両方が挙げられる。粒子状フィラーは表面官能基を有していても有していなくてもよく、表面官能基は、第1網目形成性成分又は第2網目形成性成分と(共)重合可能な重合性基を含む。粒子状フィラーはコア-シェル型粒子等の有機粒子、無機粒子、顔料、又は可塑剤を含む、ミクロ粒子又はナノ粒子とすることができる。一実施形態において、粒子状フィラーは、SiO、AlO、TiO、ZnO、SnO、Am-SnO、ZrO、Sb-SnO、Al、又はカーボンブラック等の無機フィラーを含む。一実施形態において、粒子状フィラーは、ポリウレタン粒子、ポリスチレン粒子、ポリ(メタクリル酸メチル)粒子、ポリカーボネート粒子、又はコア-シェル型粒子等の有機フィラーを含む。
【0107】
一実施形態において、粒子状フィラーは、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む。一実施形態において、粒子状フィラーは、1種又は複数種の第2網目化合物の重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む。一実施形態において、粒子状フィラーは、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含む。一実施形態において、粒子状フィラーは、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、又はイタコネートを含む重合性基を含む。一実施形態において、粒子状フィラーは、アクリレート又はメタクリレートを含む重合性基を含む。一実施形態において、粒子状フィラーは、エポキシ、オキセタン、又はヒドロキシルを含む重合性基を含む。
【0108】
一実施形態において、粒子状フィラーは耐衝撃性改良剤を含む。耐衝撃性改良剤の例は、エラストマー粒子である。一実施形態において、組成物中に分散させることができる耐衝撃性改良成分は、エチレン又はプロピレンと1種又は複数種のC~C12α-オレフィンモノマーとのコポリマーをベースとするエラストマーである。
【0109】
この種のものは、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、又は、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、及びテトラヒドロインデン等の第3の共重合可能なジエンモノマーを任意選択的に含むエチレン/プロピレンコポリマー(EPDM);エチレン-オクテンコポリマー及びエチレン/α-オレフィン/ポリエンコポリマー等のエチレン/α-オレフィンコポリマーである。
【0110】
一実施形態において、粒子状フィラーは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエンランダムコポリマー、スチレン/イソプレンランダムコポリマー、アクリルゴム(例えば、ポリアクリル酸ブチル)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)を含む。
【0111】
エラストマー粒子は、乳化重合により製造したラテックスから単離するなどの様々な手段で調製することができる。これらのエラストマー粒子の平均サイズは、好ましくは約10nm~約10μmの間にある。一実施形態において、エラストマー粒子の平均サイズは10nm~1μmである。
【0112】
任意選択的に、エラストマーは、第1又は第2網目形成性成分と(共)重合可能な反応性基を含むように変性することができる。この変性は、反応によるグラフト化(reactive grafting)又は共重合により導入することができる。後者の市販品は、例えば、Arkema製Lotaderエチレン/アクリル酸エステルランダムコポリマーAX8840(グリシジルメタクリレート/GMA変性)、AX8900、及びAX8930(GMA及び無水マレイン酸変性/MA)である。
【0113】
任意選択的に、例えば、グラフト化によるか又は乳化重合の第2段階を行う最中に導入することができるシェルを粒子上に存在させることもできる。この種の粒子の例は、ゴムのコア及びガラス状シェルを含むコア-シェル型耐衝撃性改良剤粒子である。コア材料の例は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルゴム(例えば、ポリアクリル酸ブチルゴム)、スチレン/ブタジエンランダムコポリマー、スチレン/イソプレンランダムコポリマー、又はポリシロキサンである。シェル材料又はグラフトコポリマーの例は、ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン)とシアン化ビニル(例えば、アクリロニトリル)又は(メタ)アクリル酸エステル(例えば、MMA)との(コ)ポリマーである。
【0114】
任意選択的に、メタクリル酸グリシジルとの共重合等の共重合によるか、又は反応性官能基を形成するようにシェルを処理することによって、重合性基をシェルに組み込むことができる。
【0115】
これらのコア-シェル型エラストマー粒子の市販品は、Resinous Bond RKB(エポキシ中にコア-シェル型粒子が分散した分散体、Resinous Chemical Industries Co.,Ltd.製)、Durastrength D400、Durastrength 400R(Arkema Group製)、Paraloid EXL-2300(非官能性シェル)、Paraloid EXL-2314(エポキシ官能性シェル)、Paraloid EXL-2600、Paraloid EXL-3387、及びParaloid KM-365(Dow製)、Genioperl P53、Genioperl P23、Genioperl P22(Wacker Chemical製)、カネエース(Kane Ace)MX製品(株式会社カネカ(Kaneka)製)等である。
【0116】
この種のエラストマー粒子の他の例は、ジアルキルシロキサン繰り返し単位(ここで、「アルキル」は、C~Cアルキルである)を含むことができる架橋ポリオルガノシロキサンゴムである。粒子は、反応性基を、好ましくは粒子表面に含むように変性することができる。
【0117】
市販のポリオルガノシロキサンエラストマー粒子の例は、Albidur EP 2240(A)、Albidur EP 2640、Albidur VE 3320、Albidur EP 5340、Albidur EP 5640、及びAlbiflex 296(エポキシ又はビニルエーテル樹脂中に粒子を分散させた分散体、Hanse Chemie、Germany)、Genioperl M41 C(エポキシ中分散体、Wacker Chemical)、ケミスノー(Chemisnow)MXシリーズ及びMPシリーズ(綜研化学株式会社(Soken Chemical and Engineering Co.))である。
【0118】
一実施形態においては、2種の異なる直径を有する耐衝撃性改良剤が特定の比率で使用される。一実施形態において、耐衝撃性改良剤の組成は、直径の比が約7~1(例えば、140nm粒子対20nm粒子)であり、重量%の比は約4~1である。他の実施形態において、耐衝撃性改良剤の組成は、直径の比が約5~1であり、重量%の比が約4~1である。他の実施形態において、耐衝撃性改良剤の組成は、直径の比が約5~1であり、重量%の比が約6~1である。
【0119】
一実施形態において、粒子状フィラーは、組成物中に、組成物の総重量を基準として、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、又は50重量%以上の量で存在する。一実施形態において、粒子状フィラーは、組成物中に、組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する。
【0120】
[更なる任意選択的な成分]
組成物中に存在することができる追加成分としては、粘度安定剤又は光安定剤等の安定剤、UV吸収剤、染料、顔料、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、湿潤剤、光増感剤、消泡剤、難燃剤、シランカップリング剤、酸捕捉剤、熱開始剤の促進剤、及び/又は破泡剤(bubble breaker)が挙げられる。
【0121】
一実施形態において、重合可能な組成物は、非粒子状耐衝撃性改良剤を含む。一実施形態において、非粒子状耐衝撃性改良剤は、組成物中に可溶であるか、又はミセルとして分散するブロックコポリマーを含む。一実施形態において、このブロックコポリマーは、エチレン/アクリル酸エステルランダムコポリマー及びアクリル系ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル(SBM)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー(スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SIS)、並びにそれらの水素化形態、SEBS、SEPS)、及び(SIS)、並びにアイオノマーを含む。
【0122】
市販のブロックコポリマーの例は、Shell製Kraton(SBS、SEBS、SIS、SEBS、及びSEPS)ブロックコポリマー、Arkema製NanostrengthブロックコポリマーE20、E40(SBM型)及びM22(完全アクリル系(full-acrylic))、Lotrylエチル/アクリル酸エステルランダムコポリマー(Arkema)、Olin Chemicals製エチレンオキシド-ブチレンオキシドブロックコポリマー、及びSurlynアイオノマー(DuPont)である。
【0123】
非粒子状耐衝撃性改良剤は重合性基を含むことができる。非粒子状耐衝撃性改良剤が重合性基を含む場合、非粒子状耐衝撃性改良剤は、TPA系ポリエステルの重合性基に応じて、更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーとするも、或いは第2網目化合物とすることもできる。
【0124】
本発明の組成物は、任意選択的に溶媒を含むことができる。溶媒は重合性基を含まない。溶媒は1種を超える溶媒の混合物とすることができる。溶媒の例として、アルコール、ケトン、エステル、又はエーテル;好ましくは、メタノール、エタノール、又はイソプロパノール等のアルコールが挙げられる。一実施形態において、組成物は、組成物の総重量を基準として、溶媒を50重量%以下、例えば、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は0重量%含む。
【0125】
[用途]
本発明の実施形態によれば、組成物を重合することにより物品を形成することができる。一実施形態において、組成物中の重合性基を全体の90%以上を重合することにより形成されるフィルムの150℃で測定された引張弾性率は、3MPaから、5MPaから、7MPaから、10MPaから、15MPaから、又は20MPaから50MPaまで、45MPaまで、又は40MPaまでである。一実施形態において、組成物中の重合性基の90%以を重合することにより形成されるフィルムの23℃における降伏応力は50~90MPaであり、23℃における破断伸びは3%を超え、任意選択的に、150℃で測定された上述の引張弾性率を兼ね備える。一実施形態において、組成物中の重合性基全体の90%以上を重合させることにより形成されるフィルムの23℃における引張弾性率は2000~3500MPaである。150℃における引張弾性率は、ASTM D5026に準拠してDMTAにより測定される。23℃における引張弾性率、23℃における降伏強度、及び23℃における破断伸びは、ISO 37:2011 Rubber、vulcanized or thermoplastic-Determination of tensile stress-strain properties(加硫ゴム又は熱可塑性ゴム-引張応力とひずみ特性の求め方)に準拠して測定される。
【0126】
重合した組成物の量は、次に示す方法によりIRを用いて測定される。Universal ATR Sampling accessoryを取り付けたPerkin Elmer Spectrum Oneにて試料を測定に付す。ピークの高さを1727cm-1のカルボニルピーク又は変化しない他のピークに対し正規化する。反応率は次式を用いて求められる:反応率(%)=((A-A)/A)×100%(式中、Aは正規化した硬化前の吸光度であり、Aは正規化した硬化後の吸光度である)。例えば、アクリレート結合の反応率は、810cm-1のIR吸光度のピークの低下を追跡することにより測定することができる。
【0127】
組成物の好ましい用途としては、積層造形プロセスが挙げられる。積層造形プロセスは三次元印刷としても知られ、物体のコンピュータ支援設計(CAD)データを利用して三次元物体を構築するものである。これらの三次元物体は、液状樹脂、粉末、又は他の材料から形成することができる。CADデータを読み込ませたコンピュータが、材料の層を形成及び結合して所望の形状を形成する装置を制御する。この所望の形状は、三次元物体の個々の断面等の、三次元物体の一部分に相当する。この所望の形状は、インクジェット印刷機構等で組成物を所望の形状に選択的に吐出し、次いで必要であれば組成物を硬化又は融解することによって形成することができる。所望の形状を形成する他の方法は、光造形又は粉末焼結積層造形等において、大きな材料床又は材料浴から所望の形状を選択的に硬化又は融解することによるものである。
【0128】
一実施形態において、物品は、TPA系ポリエステルを含む第1組成物から層を形成し、1種又は複数種の第1網目モノマーを含む第2組成物を、三次元物体の一部分の形状に従い第1組成物上に選択的に吐出することにより形成される。1種又は複数種の第1網目開始剤は、TPA系ポリエステルの層内に存在するか、1種若しくは複数種の第1網目モノマーを含む組成物中に存在するか、又は両方に存在するかのいずれかとすることができる。1種又は複数種の第1網目モノマーを含む組成物は、噴射により、例えばインクジェットにより選択的に吐出することができる。
【0129】
一実施形態において、三次元物体を形成する方法は、組成物の層を形成するステップと、所望の形状を形成するために放射により層を硬化させるステップと、三次元物体を得るために形成ステップ及び硬化ステップを複数回繰り返すステップと、を含む。一実施形態において、三次元物体を形成する方法は、組成物を選択的に吐出するステップと、所望の形状を形成するために組成物を放射により硬化させるステップと、三次元物体を得るために選択的吐出ステップ及び硬化ステップを複数回繰り返すステップと、を含む。一実施形態において、三次元物体を形成する方法は、組成物の層を形成するステップと、所望の形状を形成するために放射により層を選択的に硬化させるステップと、三次元物体を得るために組成物の層を形成するステップ及び選択的に硬化させるステップを複数回繰り返すステップと、を含む。
【0130】
一実施形態において、組成物の30℃における粘度は、4000cps以下、3000cps以下、2000cps以下、1500cps以下、又は1200cps以下である。組成物の30℃における粘度は、通常、300cps以上である。
【0131】
一実施形態において、組成物は、光又は熱の印加により重合反応を開始する時点において液体として存在する。一実施形態において、重合を開始する時点における液体組成物の温度は25℃、30℃以上、35℃以上、40℃以上、又は45℃以上である。この温度は、通常、180℃以下等の200℃以下である。一実施形態において、この温度は150℃以下、100℃以下、80℃以下、又は50℃以下である。
【0132】
一実施形態において、物品は、まず最初に重合性組成物を金型に導入するか又は重合性組成物で表面をコーティングすることにより形成することができる。
【0133】
一実施形態において、組成物は、材料のキットにおいて別々の部分として存在する。このキットは、TPA系ポリエステルを含む粒子状の組成物構成成分(sub-composition)と、1種又は複数種の第1網目モノマーを含む液状の組成物構成成分と、を含む。第1網目開始剤は、TPA系ポリエステル又は1種若しくは複数種の第1網目モノマーのいずれかと一緒に存在させることもできるし、或いはキットの別の部分として存在させることもできる。
【0134】
一実施形態において、粒子状の組成物構成成分又は液状の組成物構成成分は、吸収剤を更に含む。吸収剤は電磁放射を吸収する。一実施形態において、吸収剤は、赤外光、近赤外光、及び可視光の1種又は複数種を吸収する。吸収剤によりにより吸収される波長は、電磁放射の波長と重なりがあることが必要である。一実施形態において、吸収剤は、顔料、染料、金属粒子、又はカーボンブラックである。
【0135】
粒子状の組成物構成成分は、染料、着色用顔料、又は吸収剤等の添加剤を更に含むことができる。一実施形態において、粒子状の組成物構成成分は、粒子状フィラーを更に含む。一実施形態において、粒子状フィラーは、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む。一実施形態において、粒子状の組成物構成成分の、ISO 13320(2009)に準拠してレーザー回折により測定された平均粒子径は、10~100μmである。一実施形態において、粒子状の組成物構成成分の、ISO 13320(2009)に準拠してレーザー回折により測定された平均粒子径は、30~80μmである。
【0136】
液状の組成物構成成分は、吸収剤、反射剤、染料、又は着色用顔料等の添加剤を更に含むことができる。
【0137】
一実施形態において、組成物又は液状の組成物構成成分は、分散媒を、組成物の特定の成分が分散媒に分散するように、更に含む。一実施形態において、少なくとも1種又は複数種の第1網目モノマーは、分散媒中に分散している。一実施形態において、少なくとも1種又は複数種の第1網目モノマー及び1種又は複数種の第1網目開始剤は、分散媒中に分散している。分散媒が存在する場合、これは、通常、組成物の総重量を基準として20~70重量%の量で存在するか、又は液状の組成物構成成分を基準として20~80重量%の量で存在する。分散媒は、非溶媒、好ましくは水である。分散媒が水である場合、組成物中にカチオン硬化性成分が存在しないことが好ましい。一実施形態において、組成物は、組成物の総重量を基準として、水を50重量%以上含む。物品又はコーティングは、組成物の層を形成し、必要であれば分散媒を蒸発させ、組成物を重合させることにより形成することができる。
【0138】
本明細書に開示する物品の潜在的な幾つかの用途としては、成形品、靴底、眼鏡、積層造形プロセスにより形成される三次元物体、光ファイバ用コーティング、医療器具及び医療器具用コーティング、並びに塗料が挙げられる。
[実施例]
【0139】
以下に示す実施例は本発明を更に説明することを目的として含まれるものであり、いかなる形でもその範囲を制限するものと見なすべきではない。
【0140】
[ポリエステル合成]
温度計、攪拌機、及び合成中に生成する水を除去するための蒸留装置を取り付けた反応槽に、適切であればスズ触媒及び1,2-プロパンジオール及びトリメチロールプロパンを装入した。槽にテレフタル酸を加えた後、窒素気流中、混合物が110℃に到達するまで加熱した。反応生成水を蒸留しながら温度を徐々に245℃まで昇温し、ポリエステル前駆体の酸価が20mgKOH/g未満になるまで加熱し、水酸基価を測定した。必要であれば、200℃で1,2-プロパンジオールを用いて反応混合物を補正(所望の水酸基価を15~20mgKOH/g超えるように)し、更に1時間245℃で加熱した後、減圧ステップに進んだ。ポリエステルの酸価が5mgKOH/g未満に到達し、所望の水酸基価に到達するまで200℃で減圧した。更に酸価を低下させるために、炭酸エチレンを190℃で加えた。この量は、酸価の測定値をゼロまで低下させることに基づく量とした。温度を1時間200℃に維持した後、15分間減圧し、室温に維持したアルミ箔上に混合物を排出した。ポリエステルの化学的構成を表0.1及び0.2に示す。
【0141】
【表1】
【0142】
【表2】
【0143】
[AV及びOH測定]
ポリエステルの酸価(AV)及び水酸基価(OH)を、ISO 2114-2000及びISO 4629-1978に準拠し、滴定により決定した。
【0144】
[Tg測定]
TA instruments製示差走査熱量分析(DSC)であるDSC Q20装置を使用し、インジウムで校正を行い、N雰囲気中、樹脂のガラス転移温度(T(℃))を測定した。シグナル(DSCサーモグラム、熱流vs温度)の処理を、TA instruments提供のUniversal Analysis 2000ソフトウェアversion 4.5aを用いて、以下に記載するように実施した。
【0145】
試料を秤量(10±3mg)してDSCセルに投入した。試料を150℃に加熱し、150℃の温度を10分間維持した。10分後、試料を可能な限り速やかに0℃まで冷却し、その後平衡化させた。試料を5℃/分の昇温速度で100℃まで加熱した(サーモグラフ)。このサーモグラフを、サーモグラフの熱流を表すY軸の正方向が発熱を表すようにした場合に、ガラス転移シグナルの変曲点の温度をTgとするように処理した。
【0146】
[塩化メタクリロイルによるポリエステルの官能基化]
表0.2に示したポリエステルを塩化メタクリロイルで官能基化することにより、メタクリレート基を有するTPAポリエステルを得た。
NBK-003886-001→MH-01245-029
NBK-003245-072→MH-01245-080
NBK-003245-075→MH-01245-083
NBK-003245-095→MH-01245-87
NBK-003245-096→MH-01245-84及びMH-01245-102
NBK-003245-098→MH-01245-86
NBK-003245-124→MH-01245-112
【0147】
次いで、塩化メタクリロイルを用いる典型的な官能基化実験について説明する。上に記載したポリエステルは全て同様にして官能基化する。
【0148】
[MH-01245-029:]
NBK-003886-001(99g、39.7mmol)を500mL容の4頚RBフラスコに秤量した。秤量後、RBフラスコに、温度計、スターラーバー、N導入口、及びセプタムを取り付ける。RBフラスコにNを最低でも30分間フラッシュした。ジクロロメタン(無水)(250mL)を50mLのガラスシリンジを用いてセプタムからRBフラスコに注入した。次いでオリゴマーを室温で溶解する。オリゴマーが完全に溶解したら、トリエチルアミン(24.19mL、174mmol)を反応混合物に加え、次いで塩化メタクリロイル(13.46mL、138mmol)を滴下した。添加の最中は、約5℃の等温線が認められた。発熱反応を制御するためにフラスコを氷水で冷却した。2.5時間後に反応混合物を分析した。試料を濾過し、室温で真空乾燥させた。反応混合物を室温のN条件下で一晩攪拌した。
【0149】
H-NMRが不確実であったため、10%のトリエチルアミン及び塩化メタクリロイル(トリエチルアミン1.73グラム及び塩化メタクリロイル1.35グラム)を追加し、3時間15分かけて反応を完了させた。
【0150】
反応混合物をフィルター(カートン(carton))で濾過することにより、生成した塩を除去した。DCMが蒸発したため、より多くの塩が溶液から析出した。混合物を冷蔵庫で30分間冷却し、再び濾過して塩を除去した。ブフナーフラスコ及び漏斗をジクロロメタン(2×25mL)で洗浄した。次いで混合物を、5L容のSchott瓶中のメタノール(4.7リットル)に滴下することにより析出させた。DCMを用いて滴下漏斗とフラスコを濯いだ。
【0151】
析出物を攪拌せずに一晩フラスコに放置した。翌日、上清を除去し、析出物をメタノール(200mL)で1時間かけて1回洗浄した。メタノールを除去し、THF(BHTで安定化、200mL)を加えてポリマーを溶解した。ポリマー溶液を週末の間冷蔵庫に保管した。
【0152】
OHの反応率を決定するために試料を採取した。そのために、TFAAの添加前及び後に試料を分析した(H-NMR)。これらの試料にはOH基が認められなかった。
【0153】
オリゴマーを溶解した後、生成物をテフロン製ビーカーに注ぎ、その後THFを24時間蒸発させた。空気中に蒸発させた後、トレイを室温で24時間真空オーブンに入れて、残留THFを除去した。次いでポリマーを50℃で24時間乾燥させ、残留溶媒及びトリエチルアミンを除去した。収量は86.5グラムであった。
【0154】
H-NMR分析は、依然として残留トリエチルアミン及びTHFを示していた。したがって、試料を更に70℃で2時間乾燥させ、次いでオーブンの加熱(temperature)を停止し、一晩で室温まで冷却した。
【0155】
収量は86.0gであり、Et3N含有量は約0.8%(mass/mass)であった。この試料をMH-01245-029と称する。
【0156】
[MH-01245-080:]
003245-072(227g、232mmol)を500mL容の4頚RBフラスコに秤量した。秤量後、RBフラスコに、温度計、スターラーバー、N導入口、及びセプタムを取り付ける。
【0157】
50mLのガラスシリンジを用いてCHCl(無水)(250ml)をセプタムからRBフラスコに注入した。次いでポリエステルを室温で溶解させる。発熱反応を制御するためにフラスコを氷水で冷却した。
【0158】
ポリエステルが完全に溶解したら、トリエチルアミン(78mL、558mmol)を反応混合物に加え、次いで塩化メタクリロイル(49.9mL、511mmol)を滴下する。この滴下中、約20℃の等温線が観測された。混合が不十分であったため、温度は最高35℃まで上昇した。2時間後に反応混合物を分析した。試料を濾過し、室温で真空乾燥させた。反応は完了していた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。
【0159】
次いで反応混合物を冷凍庫で30分間冷却した。反応混合物をフィルターで濾過することにより、生成した塩を除去した。ブフナーフラスコ及び漏斗をジクロロメタン(2×20mL)で洗浄した。次いで混合物を、室温で5L容のSchott瓶中のメタノール(4.5L)に滴下することにより析出させた。滴下漏斗及びフラスコをDCM(40mL)で濯いだ。
【0160】
攪拌しながら析出物をフラスコに2時間放置した。上清をデカンテーションにより除去し、析出物をメタノール(200mL)で1時間かけて1回洗浄した。メタノールを除去し、析出物をオーブンで減圧下に一晩乾燥させた。
【0161】
THF(1400mL)を添加してポリエステルを溶解した。ポリエステルが溶解したら、生成物を濾過して塩を除去した。
【0162】
濾過後、ロータリーエバポレータでTHFの大部分を除去し、2個のテフロン(登録商標)ビーカーに注いだ。残留THFを室温のオーブンで最大真空度にて一晩かけて除去した。次いでポリエステルを35℃で4時間乾燥させ、残留溶媒及びトリエチルアミンを除去した。収量は75gであった。
【0163】
[MH-01245-083:]
003245-075(100g、48.5mmol)を500mL容の4頚RBフラスコに秤量した。秤量後、RBフラスコに温度計、スターラーバー、N導入口、及びセプタムを取り付ける。
【0164】
50mLのガラスシリンジを用いてCHCl(無水)(250mL)をセプタムからRBフラスコに注入した。次いでポリエステルを室温で溶解させる。発熱反応を制御するためにフラコを氷水で冷却した。
【0165】
ポリエステルが完全に溶解したら、トリエチルアミン(42.7mL、306mmol)を反応混合物に加え、次いで塩化メタクリロイル(27.5mL、282mmol)を滴下する。この滴下の最中、等温線が観測された。温度は最高20℃となった。2時間攪拌した後、反応物を分析した。反応を完了させるために、10%のトリエチルアミン及び10%の塩化メタクリロイルを追加した。反応物を室温で一晩攪拌した(50RPM)。反応物をH-NMRにより分析したところ、反応が完了したことが認められた。
【0166】
反応混合物を冷凍庫で30分間冷却した。反応混合物をフィルターで濾過することにより、生成した塩を除去した。ブフナーフラスコ及び漏斗をジクロロメタン(2×20mL)で洗浄した。次いでこの混合物を、5L容のSchott瓶内のメタノール(4.5リットル)に室温で滴下することにより析出させた。滴下漏斗及びフラスコをDCM(40mL)で濯いだ。
【0167】
フラスコを振盪しながら析出物を2時間放置した。上清をデカンテーションにより除去し、沈殿をメタノール(200mL)で1時間かけて1回洗浄した。メタノールを除去し、沈殿を室温のオーブンで減圧下に一晩乾燥させた。
【0168】
THF(200ml)を添加してポリエステルを溶解した。ポリエステルが溶解したら、生成物を濾過して塩を除去した。
【0169】
濾過後、ロータリーエバポレータにてTHFの大部分を除去し、2個のテフロン(登録商標)ビーカーに注いだ。残留THFを室温のオーブンで4時間かけて除去し、次いでポリエステルを50℃で4時間乾燥させることにより残留溶媒及びトリエチルアミンを除去した。収量は85gであった。P-NMRでは1級又は2級アルコール基は認められなかった。
【0170】
[IPDI-HEMA経路を介した代替的な官能基化]
ポリエステルを官能化するための代替的な方法(例えば、NBK-003245-124)は、好ましい反応性希釈剤中でポリエステルをイソホロンジイソシアネート及びメタクリル酸ヒドロキシエチルと反応させるウレタン合成を行うものである。このプロセスにより、反応性希釈剤(この場合はメタクリル酸ベンジル)中でポリエステルウレタンメタクリレートが生成する。希薄空気(lean air)を備えたガラス製反応器に、イソホロンジイソシアネート(979.5g、1.463mol)、ブチル化ヒドロキシトルエン(3g、500ppm)、メタクリル酸ベンジル(1200g)、及びジブチルスズジラウレート(3g)を加え、5分間混合する。反応器を冷却しながら、3時間かけてメタクリル酸ヒドロキシエチル(573.5g)を添加する。1時間後、メタクリル酸ベンジル(1200g)及びジブチルスズジラウレート(3g)、10分間混合する。次いでTPAポリエステル(NBK-003245-124)(2038.0g)を添加し、混合物を85℃に加熱する。反応を85℃で約16時間継続する。次いで反応器を125ミクロンのフィルター上に排出する。得られた材料は、メタクリル酸ベンジル中にポリエステルウレタンメタクリレートを含む60/40混合物である(NBK-003068-110)。
【0171】
[組成物の配合]
固体のポリエステルを紫外線保護されたスクリューキャップ付きバイアルに装入する。次いで反応性希釈剤を添加する。溶解させるために混合物を攪拌し、80℃に加熱する。混合物が均一になったらIrgacure819を加え(全質量の2%)、溶解させる。
【0172】
[硬化]
ガラスをフルオロシラン(fluor silane)で前処理し、120℃で一晩反応させた。前処理したガラス上にドクターブレード(500μm)を用いてフィルムを作製し、次いで、窒素気流を備えたFusion製UV照射装置(UV-rig)を使用し、Dバルブ下で30℃で硬化させる。総UV照射量は13W/cmで約7J/cm(UVA、UVB、及びUVCの合計)とした。
【0173】
80℃での硬化条件:前処理したガラス板に1mmのスペーサを挟むことにより、金型を準備した。配合物を80℃に予熱し、次いで金型に注型した。Hバルブを取り付けた固定型UV光源を用いて3分間紫外線硬化させた。総UV照射量は0.2W/cmで約30J/cmとした。
【0174】
熱による後硬化:材料を確実に完全に変換するために、機械的性質を測定する前に全ての試料を100℃の空気中で一晩後硬化させた。
【0175】
[DMTA]
硬化したフィルムから幅約2mmの試験片を打ち抜く。厚さは、校正済みのハイデンハイン(Heidenhain)厚み測定装置で測定する。動的機械分析は、ASTM D5026に準拠し、RSA-G2試験装置を使用し、周波数を1Hzとし、昇温速度を5℃/分として-100℃~200℃の範囲の温度で実施する。この測定では、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E’)、及び損失正接(tanδ)が温度の関数として求められる。
【0176】
[引張試験]
引張特性は、国際標準規格ISO 37(第3版1994-05-15)「Rubber、vulcanized or thermoplastic-Determination of tensile stress-strain properties(加硫ゴム又は熱可塑性ゴム-引張応力とひずみ特性の求め方)」に準拠し、Zwick製Z010型デジタル式引張試験機で測定する。引張試験のパラメータを表0.3に示す。
【0177】
【表3】
【0178】
[実施例1]
TPA系ポリエステルMH-01245-029(官能基数2、Mn約2500g/mol)70重量部、HEMA(メタクリル酸ヒドロキシルエチル)30重量部、及びIrgacure(登録商標)819を2重量部からなる組成物を調製した。試料は80℃で硬化させる。DMTAの結果を表1.1に示す。引張試験のデータを図1に示し、表1.2に記載する。
【0179】
【表4】
【0180】
【表5】
【0181】
[実施例2]
TPA系ポリエステルMH-01245-083(官能基数2.7、Mn約2000g/mol)60重量部、HEMAを40重量部、及びIrgacure(登録商標)819を2重量部からなる組成物を調製する。試料を30℃で硬化させる。DMTAの結果を表2.1に示す。引張試験のデータを図2に示し、表2.2に記載する。
【0182】
【表6】
【0183】
【表7】
【0184】
[実施例3~5]
次いで、様々な官能基数及び分子量を有するTPAポリエステルの様々な60/40組成物(即ち、TPA系ポリエステル60重量部、HEMA40重量部、及び光開始剤Irgacure819を2重量部)を生成した。それぞれのTg及び150℃における引張弾性率から求めた架橋密度(実施例3:MH-01245-087、官能基数2.85、Mn約2050g/mol;実施例4:MH-01245-084、官能基数2.62、Mn約1500g/mol;実施例5:MH-01245-086、官能基数2.84、Mn約1600g/mol)を次の表2.3に示す。
【0185】
【表8】
【0186】
[実施例6~11]
次いで、TPA系ポリエステルMH-01245-084(官能基数2.62、Mn約1500g/mol)60重量部と、各希釈剤(実施例6:メタクリル酸イソボルニル即ちIBOMA;実施例7:メタクリル酸ベンジル即ちBMA;実施例8:メタクリル酸シクロヘキシル即ちCHMA;実施例9:メタクリル酸テトラヒドロフルフリル即ちTHFMA;実施例10:メタクリル酸ヒドロキシプロピル即ちHPMA;実施例11:メタクリル酸ヒドロキシエチル即ちHEMA)40重量部と、光開始剤Irgacure819)組成物を2重量部とを含む様々な混合物を生成することにより、様々な第1網目モノマーの効果を確認した。ここでも同様に、それぞれのTg及び150℃における引張弾性率から求めた架橋密度を次の表2.4に記載する。
【0187】
【表9】
【0188】
[実施例12~15]
カチオン重合可能な部分を含む材料の網目構造の効果を実施例12~15で観測した。このカチオン性部分は、Somos(登録商標)NeXt(DSMより入手可能)から固形粒子を取り除くために遠心分離に付したものである(0763-119)。これらの実験に使用した組成物(ここでも同様に、Tg及び150℃における引張弾性率により求めた架橋密度)を表2.5に記載し、結果を2.6に反映する。
【0189】
【表10】
【0190】
【表11】
【0191】
[実施例16]
最後に実験を実施し、それによって、粉末/結合剤を用いる3D印刷プロセスを模擬することにより、本発明による組成物の適合性を試験した。これに従い、ポリエステル15グラムを212ミクロンの篩で篩別した。この篩別した粉末4グラムをプレート上に均等に分割した。その間、THFMAを3.54グラム及びBAPO(ビスアシルホスフィンオキシド)89mgを混合した。この混合物をプレート上に延ばして「混合」させた。40℃で15分後、ほぼ全てが「溶解した」。次いでプレートを、Fusion製H-バルブを用いて1分間かけてUV硬化させた。DMTAのグラフをプロットした。結果を表2.7にまとめた。
【0192】
【表12】
【0193】
[結果の考察]
実施例1及び2に対する実験から分かるように、形成された網目により高いTg(約90℃)及び低い架橋密度(3~10MPa)が達成される。これらの値は光造形に使用される既存の材料よりも優れている。一般に、光造形用材料の挙動は、比較的脆性が高く、一般に、降伏応力は70MPaをはるかに超えるが、ここで形成した網目が達成する降伏応力は65MPaである。
【0194】
実施例3~5に対する実験は、異なる分子量及び官能基数により所望の網目構造を達成することができることを裏付けるものである。
【0195】
実施例6~11に対する実験は、多種多様な公知の希釈剤/第1網目モノマーを用いることにより、本発明の組成物が技術的効果を達成することを裏付けるものである。特に、網目密度は全ての希釈剤に関し実質的に類似しており、一方、Tgは、単官能性希釈剤自体の単独重合体のTgに左右される。
【0196】
実施例12~15に対する実験は、カチオン重合可能な網目形成性成分も含有させることによって、本発明の組成物の技術的効果を達成できることを裏付けるものである。
【0197】
実施例16に対するプロセス及び実験は,本発明による組成物の粉末/結合剤型3D印刷用途への適合性を実証するものである。
【0198】
[特定の例示的な実施形態の補足説明]
1)積層造形プロセスを介して三次元物体を形成するための組成物であって:
a.第1網目形成性成分であって:
i.主鎖を含み、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、主鎖は、テレフタル酸及びポリオールの反応生成物を含み、重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む、TPA系ポリエステルであって、数平均分子量は800~10000g/molであり、Tgは40℃以上である、TPA系ポリエステルを、第1網目形成性成分の総重量を基準として19.95~80重量%と;
ii.TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を数平均で0.95~1.1個有する1種又は複数種の第1網目モノマーであって、1種又は複数種の第1網目モノマーから形成される直鎖状ポリマーは、Tgが40℃以上である、第1網目モノマーを、網目形成性成分の総重量を基準として19.95~80重量%と;
iii.TPA系ポリエステル及び第1網目モノマーの重合を開始させることができる1種又は複数種の第1網目開始剤を、第1網目形成性成分の総重量を基準として0.05~5重量%と;
iv.任意選択的に、TPA系ポリエステル又は1種若しくは複数種の第1網目モノマーの重合性基と(共)重合可能な重合性基を数平均で2個以上有する1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーを、15重量%までと;
からなる、第1網目形成性成分を、組成物の総重量を基準として30~100重量%と;
b.任意選択的に、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合しない重合性基を含む1種又は複数種の第2網目化合物と、1種又は複数種の第2網目化合物の重合を開始させるための第2網目開始剤と、を含む第2網目形成性成分と;
c.任意選択的に、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む粒子状フィラーと、
を含む、組成物。
【0199】
2)粒子状の組成物構成成分と、液状の組成物構成成分と、を含み、これらを合一すると、重合性基を含む第1網目形成性成分と、任意選択的に、第1網目形成性成分の重合性基と(共)重合しない第2網目形成性成分と、を含む、積層造形プロセスにより物体を形成するための組成物を生成する、材料のキットであって:
a.粒子状の組成物構成成分であって:
i.主鎖を含み、数平均で少なくとも2個の重合性基を有するTPA系ポリエステルであって、主鎖は、テレフタル酸及びポリオールの反応生成物を含み、重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含み、TPA系ポリエステルは、数平均分子量が800~10000g/molであり、Tgは40℃以上である、TPA系ポリエステルを、第1網目形成性成分の総重量を基準として19.95~80重量%と;
ii.任意選択的に、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む粒子状フィラーと;
を含む、粒子状の組成物構成成分と;
b.液状の組成物構成成分であって:
i.TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を数平均で0.95~1.1個有する1種又は複数種の第1網目モノマーであって、1種又は複数種の第1網目モノマーから形成される直鎖状ポリマーはTgが40℃以上である、第1網目モノマーを、網目形成性成分の総重量を基準として19.95~80重量%と;
ii.任意選択的に、TPA系ポリエステル又は1種若しくは複数種の第1網目モノマーの重合性基と(共)重合可能な重合性基を数平均で2個以上有する1種又は複数種の更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーを、15重量%までと;
を含む、液状の組成物構成成分と;
c.TPA系ポリエステル及び第1網目モノマーの重合を開始させることができる1種又は複数種の第1網目開始剤であって、粒子状の組成物構成成分中、液状の組成物構成成分中、又は両方に存在することができる、第1網目開始剤を、第1網目形成性成分の総重量を基準として0.05~5重量%と;
d.任意選択的に、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合しない重合性基を含む1種又は複数種の第2網目化合物と、1種又は複数種の第2網目化合物の重合を開始させるための第2網目開始剤と、を含む第2網目形成性成分であって、第2網目形成性成分の置換基は、粒子状の組成物構成成分中、又は液状の組成物構成成分中に存在するか、又は、一部は粒子状の組成物構成成分中に存在し、一部は液状の組成物構成成分中に存在することができる、第2網目形成性成分と;
を含む、キット。
【0200】
3)第1網目形成性成分は、TPA系ポリエステルと、1種又は複数種の第1網目モノマーと、1種又は複数種の第1網目開始剤と、任意選択的に、更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーを15重量%までと、からなる、先の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0201】
4)第1網目形成性成分は、TPA系ポリエステルと、1種又は複数種の第1網目モノマーと、1種又は複数種の第1網目開始剤と、からなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0202】
5)TPA系ポリエステルは、1種又は複数種の第1網目モノマーに可溶である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0203】
6)第1網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は100重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0204】
7)第1網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、100重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、又は60重量%以下の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0205】
8)第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量を除く組成物の総重量を基準として、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は100重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0206】
9)第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量を除く組成物の総重量を基準として、100重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、又は60重量%以下の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0207】
10)第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量及び重合性基を含まない成分(例えば、非反応性粒子状フィラー)(存在する場合)の重量を除く組成物の総重量を基準として、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は100重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0208】
11)第1網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量及び重合性基を含まない成分(例えば、非反応性粒子状フィラー)(存在する場合)の重量を除く組成物の総重量を基準として、100重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、又は60重量%以下の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0209】
12)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーが存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0210】
13)TPA系ポリエステルは直鎖状である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0211】
14)TPA系ポリエステルは分岐状である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0212】
15)ポリオールは、脂肪族ポリオール又は芳香族ポリオールである、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0213】
16)ポリオールは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、又は少なくとも6個のヒドロキシル基を有する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0214】
17)ポリオールは、最大2個、最大3個、最大4個、最大5個、最大6個、最大8個、又は最大10個のヒドロキシル基を有する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0215】
18)TPA系ポリエステルは、Tgが少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、又は少なくとも70℃である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0216】
19)TPA系ポリエステルは、Tgが150℃以下、125℃以下、又は120℃以下である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0217】
20)ポリオールはポリアルキレンポリオールを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0218】
21)TPA系ポリエステルは、テレフタル酸以外の更なる多価酸を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0219】
22)TPA系ポリエステルは、テレフタル酸以外の更なる多価酸を含み、この更なる多価酸は、フタル酸又はイソフタル酸を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0220】
23)TPA系ポリエステルは、テレフタル酸以外の更なる多価酸を含み、この更なる多価酸は、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、オクタデカン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-オキシビス安息香酸、3,6-ジクロロフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、デカンジカルボン酸、コハク酸、又はトリメリット酸を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0221】
24)TPA系ポリエステルの主鎖の少なくとも20mol%、少なくとも30mol%、少なくとも40mol%、少なくとも50mol%、少なくとも60mol%、少なくとも70mol%、少なくとも75mol%、少なくとも80mol%、少なくとも85mol%、少なくとも90mol%、少なくとも95mol%、少なくとも98mol%、又は100mol%は、多価酸及びポリオールの反応生成物を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0222】
25)TPA系ポリエステルの主鎖の最大100mol%、最大98mol%、最大95mol%、最大90mol%、最大80mol%、最大70mol%、又は最大60mol%は、多価酸及びポリオールの反応生成物を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0223】
26)TPA系ポリエステルの主鎖の少なくとも20mol%、少なくとも30mol%、少なくとも40mol%、少なくとも50mol%、少なくとも60mol%、少なくとも70mol%、少なくとも75mol%、少なくとも80mol%、少なくとも85mol%、少なくとも90mol%、少なくとも95mol%、少なくとも98mol%、又は100mol%は、TPA及びポリオールの反応生成物を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0224】
27)TPA系ポリエステルの主鎖の最大100mol%、最大98mol%、最大95mol%、最大90mol%、最大80mol%、最大70mol%、又は最大60mol%は、TPA及びポリオールの反応生成物を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0225】
28)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート、メタクリレート、ヒドロキシル、エポキシ、オキセタン、又はイタコネートを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0226】
29)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート、メタクリレート、ヒドロキシル、エポキシ、オキセタン、又はイタコネートからなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0227】
30)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、又はオキセタンを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0228】
31)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、又はオキセタンからなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0229】
32)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート、メタクリレート、又はエポキシを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0230】
33)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート、メタクリレート、又はエポキシからなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0231】
34)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート又はメタクリレートを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0232】
35)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、アクリレート又はメタクリレートからなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0233】
36)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、メタクリレートを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0234】
37)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、メタクリレートからなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0235】
38)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、末端基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0236】
39)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、末端基からなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0237】
40)TPA系ポリエステルは、数平均で少なくとも2個の重合性基を有し、この重合性基は、末端基からなり、TPA系ポリエステル中に末端基ではない重合性基は存在しない、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0238】
41)TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で少なくとも2.0個、少なくとも2.1個、少なくとも2.2個、少なくとも2.3個、少なくとも2.4個、少なくとも2.5個、少なくとも2.6個、又は少なくとも2.7個の重合性基を有する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0239】
42)TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で最大10個、最大9個、最大8個、最大7個、最大6個、最大5個、最大4.5個、最大4個、最大3.5個、又は最大3個の重合性基を有する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0240】
43)TPA系ポリエステルは、数平均分子量が少なくとも800g/mol、少なくとも900g/mol、少なくとも1000g/mol、少なくとも1100g/mol、少なくとも1200g/mol、少なくとも1300g/mol、少なくとも1400g/mol、又は少なくとも1500g/molである、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0241】
44)TPA系ポリエステルは、数平均分子量が最大10,000g/mol、最大9,000g/mol、最大8,000g/mol、最大7000g/mol、最大6,000g/mol、最大5,000g/mol、最大4,000g/mol、又は最大3,000g/molである、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0242】
45)TPA系ポリエステルは、数平均で2~3個の重合性基を有し、組成物中のTPA系ポリエステルの量、数平均分子量、及び重合性基の数平均は、次式:
【数2】

(式中、Rは、気体定数8.314cmMPaK-1mol-1であり、Tは、423.15Kであり、fは、TPA系ポリエステルの重合性基の数平均であり、ρは、TPA系ポリエステルの密度(g/cm)であり、Mpolyesterは、TPA系ポリエステルの数平均分子量(g/mol)であり、wpolyesterは、第1網目形成性成分中におけるTPA系ポリエステルの重量分率であり、Xは、3であり、Yは50である)を満たす、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0243】
46)TPA系ポリエステルは、数平均で2~3個の重合性基を有し、組成物中のTPA系ポリエステルの量、数平均分子量、及び重合性基の数平均は次式:
【数3】

(式中、Rは、気体定数8.314cmMPaK-1mol-1であり、Tは、423.15Kであり、fは、TPA系ポリエステルの重合性基の数平均であり、ρは、TPA系ポリエステルの密度(g/cm)であり、Mpolyesterは、TPA系ポリエステルの数平均分子量(g/mol)であり、wpolyesterは、第1網目形成性成分中におけるTPA系ポリエステルの重量分率であり、Xは、3、5、7、10、15、又は20であり、Yは、50、45、又は40である)を満たす、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0244】
47)TPA系ポリエステルは、組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0245】
48)TPA系ポリエステルは、組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0246】
49)TPA系ポリエステルは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0247】
50)TPA系ポリエステルは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0248】
51)TPA系ポリエステルは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0249】
52)TPA系ポリエステルは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0250】
53)TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、イタコネート、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含み、第1網目モノマー及び任意選択的な更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、ラジカル重合可能な化合物であり、第1網目開始剤は、ラジカル開始剤である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0251】
54)TPA系ポリエステルは、ヒドロキシル、エポキシ、又はオキセタンを含む重合性基を含み、第1網目モノマー及び任意選択的な更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、カチオン重合可能な化合物であり、第1網目開始剤はカチオン開始剤である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0252】
55)TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で少なくとも2個のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0253】
56)TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で少なくとも2個のヒドロキシル基、エポキシ基、又はオキセタン基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、又はビニルエーテル基を含み、任意選択的な更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、又はビニルエーテル基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0254】
57)TPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で少なくとも2個のビニルエーテル基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0255】
58)第1網目開始剤は、光ラジカル開始剤である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0256】
59)第1網目開始剤は、光カチオン開始剤である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0257】
60)TPA系ポリエステルは、非晶質である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0258】
61)TPA系ポリエステルは、非晶質TPA系ポリエステル及び半結晶性TPA系ポリエステルのブレンド物を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0259】
62)TPA系ポリエステルは、非晶質TPA系ポリエステル、半結晶性TPA系ポリエステル、及び結晶性TPA系ポリエステルのブレンド物を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0260】
63)TPA系ポリエステルは、少なくとも2種の異なるTPA系ポリエステルのブレンド物を含み、第1のTPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で3個を超える重合性基を有し、第2のTPA系ポリエステルは、1分子当たり数平均で3個未満の重合性基を有し、TPA系ポリエステルの1分子当たりの重合性基の数平均は、1分子当たり重合性基2個~3個である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0261】
64)TPA系ポリエステルは、少なくとも1個のアクリレート基及び少なくとも1個のメタクリレート基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0262】
65)TPA系ポリエステルは、i)少なくとも1個のアクリレート基又はメタクリレート基と、ii)少なくとも1個のエポキシ基と、を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0263】
66)TPA系ポリエステルは、i)アクリレート、メタクリレート、イタコネート、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートから選択される少なくとも1種の重合性基と、ii)ヒドロキシル、エポキシ、又はオキセタンから選択される少なくとも1種の重合性基と、を含み含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、アクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含み、任意選択的な更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、数平均で2個以上のアクリレート基、メタクリレート基、イタコネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、マレエート基、又はフマレート基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0264】
67)第1網目モノマーは、数平均で0.95個以上の重合性基、0.97個以上の重合性基、又は0.99個以上の重合性基を有する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0265】
68)第1網目モノマーは、数平均で1.1個以下の重合性基、1.08個以下の重合性基、1.06個以下の重合性基、1.04個以下の重合性基、又は1.02個以下の重合性基を有する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。一実施形態において、第1網目モノマーは、数平均で1.0個の重合性基を有する。
【0266】
69)1種又は複数種の第1網目モノマーから形成される直鎖状ポリマーは、Tgが50℃以上、60℃以上、65℃以上、70℃以上、75℃以上、80℃以上、85℃以上、90℃以上、95℃以上、又は100℃以上である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0267】
70)1種又は複数種の第1網目モノマーから形成される直鎖状ポリマーは、Tgが150℃以下、130℃以下、125℃以下、又は120℃以下である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0268】
71)1種又は複数種の第1網目モノマーは、分子量が800g/mol以下、700g/mol以下、600g/mol以下、500g/mol以下、400g/mol以下、350g/mol以下、300g/mol以下、250g/mol以下、又は200g/mol以下である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0269】
72)1種又は複数種の第1網目モノマーは、分子量が100g/mol以上又は150g/mol以上である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0270】
73)TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含み、第1網目モノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸イソブチル、アクリロイルモルホリン、イタコン酸ジメチル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルイミダゾール、又はN-メチル-N-アセトアミドを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0271】
74)TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含み、第1網目モノマーは、シクロヘキシルビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、アリルフェニルエーテル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、又はフマル酸ジエチルを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0272】
75)TPA系ポリエステルは、ヒドロキシル、エポキシ、オキセタン、又はビニルエーテルを含む重合性基を含み、1種又は複数種の第1網目モノマーは、シクロヘキセンオキシド、tert-ブチルグリシジルエーテル、4-クロロフェニルグリシジルエーテル、シクロペンテンオキシド、exo-2,3-エポキシノルボルナン、1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパン、(2,3-エポキシプロピル)ベンゼン、N-(2,3-エポキシプロピル)フタルイミド、exo-3,6-エポキシ-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、3,4-エポキシテトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド、フルフリルグリシジルエーテル、グリシジル4-メトキシフェニルエーテル、グリシジル2-メチルフェニルエーテル、イソホロンオキシド、α-ピネンオキシド、cis-スチルベンオキシド、スチレンオキシド、7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボン酸メチル、7-オキサビシクロ(4.1.0)ヘプタン-3-カルボン酸2-エチルヘキシル、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(3-ヒドロキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(4-ヒドロキシブチル)オキシメチルオキセタン、シクロヘキシルビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、又はフェニルビニルエーテルを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0273】
76)1種又は複数種の第1網目モノマーは、組成物の総重量を基準として、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0274】
77)1種又は複数種の第1網目モノマーは、組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0275】
78)1種又は複数種の第1網目モノマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0276】
79)1種又は複数種の第1網目モノマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0277】
80)1種又は複数種の第1網目モノマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0278】
81)1種又は複数種の第1網目モノマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0279】
82)1種又は複数種の第1網目開始剤は、光開始剤又は熱開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0280】
83)1種又は複数種の第1網目開始剤は、UV光、可視光、又はUV光及び可視光の両方に反応して重合を開始させる光開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0281】
84)1種又は複数種の第1網目開始剤は、300~470nmの波長で重合を開始させる光開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0282】
85)1種又は複数種の第1網目開始剤は、300~395nmの波長で重合を開始させる光開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0283】
86)1種又は複数種の第1網目開始剤は、光開始剤及び熱開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0284】
87)1種又は複数種の第1網目開始剤は、熱開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0285】
88)1種又は複数種の第1網目開始剤は、組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0286】
89)1種又は複数種の第1網目モノマーは、組成物の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0287】
90)1種又は複数種の第1網目開始剤は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0288】
91)1種又は複数種の第1網目モノマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0289】
92)1種又は複数種の第1網目開始剤は、第1網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0290】
93)1種又は複数種の第1網目開始剤は、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0291】
94)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、組成物の総重量を基準として、最大15重量%、最大12重量%、最大10重量%、最大8重量%、最大6重量%、最大5重量%、最大4重量%、最大3重量%、又は最大2重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0292】
95)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、組成物の総重量を基準として、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0293】
96)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大15重量%、最大12重量%、最大10重量%、最大8重量%、最大6重量%、最大5重量%、最大4重量%、最大3重量%、又は最大2重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0294】
97)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0295】
98)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、最大15重量%、最大12重量%、最大10重量%、最大8重量%、最大6重量%、最大5重量%、最大4重量%、最大3重量%、又は最大2重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0296】
99)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、第1網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも4重量%、又は少なくとも5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0297】
100)TPA系ポリエステルは、アクリレート、メタクリレート、又はイタコネートを含む重合性基を含み、1種又は複数種の第2網目化合物は、エポキシ、オキセタン、又はヒドロキシルを含む重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0298】
101)TPA系ポリエステルは、エポキシ、オキセタン、又はヒドロキシルを含む重合性基を含み、1種又は複数種の第2網目化合物は、アクリレート、メタクリレート、又はイタコネートを含む重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0299】
102)第2網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0300】
103)第2網目形成性成分は、組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0301】
104)組成物は、第2網目形成性成分を含まない、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0302】
105)組成物は、第2網目形成性成分を実質的に含まない、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0303】
106)第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)の重量を除く組成物の総重量を基準として、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0304】
107)第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0305】
108)第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)及び重合性基を含まない成分(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0306】
109)第2網目形成性成分は、溶媒(存在する場合)及び重合性基を含まない成分(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0307】
110)1種又は複数種の第2網目化合物は、組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0308】
111)1種又は複数種の第2網目化合物は、組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0309】
112)1種又は複数種の第2網目化合物は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも19.95重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0310】
113)1種又は複数種の第2網目化合物は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大80重量%、最大78重量%、最大75重量%、最大70重量%、最大60重量%、最大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、又は最大20重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0311】
114)1種又は複数種の第2網目化合物は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0312】
115)1種又は複数種の第2網目化合物は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、最大99.9重量%、最大99.5重量%、最大99重量%、最大98重量%、最大97重量%、最大96重量%、最大95重量%、最大90重量%、又は最大80重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0313】
116)第2網目開始剤は、光開始剤又は熱開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0314】
117)第2網目開始剤は、UV光、可視光、又はUV光及び可視光の両方に反応して重合を開始させる光開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0315】
118)第2網目開始剤は、光開始剤及び熱開始剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0316】
119)第2網目開始剤は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0317】
120)第2網目開始剤は、溶媒(存在する場合)を除く組成物の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0318】
121)第2網目開始剤は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0319】
122)第2網目開始剤は、第2網目形成性成分の総重量を基準として、最大10重量%、最大8重量%、最大7重量%、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0320】
123)組成物は、SiO、AlO、TiO、ZnO、SnO、Am-SnO、ZrO、Sb-SnO、Al、又はカーボンブラック等の有機又は無機粒子状フィラーを更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0321】
124)組成物は、TPA系ポリエステルの重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む粒子状フィラーを更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0322】
125)粒子状フィラーは、1種又は複数種の第2網目化合物の重合性基と(共)重合可能な重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0323】
126)粒子状フィラーは、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、イタコネート、ビニルエーテル、アリルエーテル、マレエート、又はフマレートを含む重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0324】
127)粒子状フィラーは、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ヒドロキシル、又はイタコネートを含む重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0325】
128)粒子状フィラーは、アクリレート又はメタクリレートを含む重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0326】
129)粒子状フィラーは、エポキシ、オキセタン、又はヒドロキシルを含む重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0327】
130)粒子状フィラーは、耐衝撃性改良剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0328】
131)粒子状フィラーは、組成物中に、組成物の総重量を基準として、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、又は50重量%以上の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0329】
132)粒子状フィラーは、組成物中に、組成物の総重量を基準として、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は20重量%以下の量で存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0330】
133)組成物は、粘度安定剤又は光安定剤等の安定剤、UV吸収剤、染料、顔料、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、湿潤剤、光増感剤、消泡剤、難燃剤、シランカップリング剤、酸捕捉剤、熱開始剤の促進剤、及び/又は破泡剤を更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0331】
134)組成物は、非粒子状耐衝撃性改良剤を更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0332】
135)組成物は、非粒子状耐衝撃性改良剤を更に含み、非粒子状耐衝撃性改良剤は重合性基を含まない、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0333】
136)組成物は、非粒子状耐衝撃性改良剤を更に含み、非粒子状耐衝撃性改良剤は重合性基を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0334】
137)非粒子状耐衝撃性改良剤は、ブロックコポリマーを含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0335】
138)更なる第1網目モノマー、オリゴマー、又はポリマーは、重合性基を含む非粒子状耐衝撃性改良剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0336】
139)第2網目化合物は、重合性基を含む非粒子状耐衝撃性改良剤を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0337】
140)組成物は、溶媒を、組成物の総重量を基準として、50重量%以下、重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は0重量%含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0338】
141)組成物の30℃における粘度は、4000cps以下、3000cps以下、2000cps以下、1500cps以下、又は1200cps以下である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0339】
142)組成物の30℃における粘度は、300cps以上である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0340】
143)組成物又は液状の組成物構成成分は、分散媒を更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0341】
144)組成物は、20~70重量%の分散媒を更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物。
【0342】
145)液状の組成物構成成分は、分散媒を20~80重量%を更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキット。
【0343】
146)組成物又は液状の組成物構成成分は、分散媒を更に含み、分散媒は水を含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0344】
147)組成物又は液状の組成物構成成分は、分散媒を更に含み、分散媒は水からなる、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物又はキット。
【0345】
148)組成物を重合することにより形成される物品であって、組成物は、任意選択的に、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成する、物品。
【0346】
149)組成物は、任意選択的に、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成し、組成物の重合性基全体の90%以上を重合することにより形成されるフィルムの、ASTM D5026に準拠し、DMTAにより求められる、150℃で測定される引張弾性率は、3MPaから、5MPaから、7MPaから、10MPaから、15MPaから、又は20MPaから、50MPaまで、45MPaまで、又は40MPaまでである、組成物を重合することにより形成される物品。
【0347】
150)組成物は、任意選択的に、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成し、組成物の重合性基全体の90%以上を重合することにより形成されるフィルムの、ISO 37:2011に準拠して求められる、23℃における降伏応力は50~90MPaであり、23℃における破断伸びは3%を超える、組成物を重合することにより形成される物品。
【0348】
151)組成物は、任意選択的に、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成し、組成物の重合性基全体の90%以上を重合することにより形成されるフィルムの、ISO 37:2011に準拠して求められる、23℃における引張弾性率は2000~3500MPaである、組成物を重合することにより形成される物品。
【0349】
152)組成物は、任意選択的に、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成し、重合性基全体の90%以上を重合することにより形成されるフィルムの、23℃における破断伸びは、3%を超え、且つ20%未満、15%未満、又は10%未満である、組成物を重合することにより形成される物品。
【0350】
153)上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物、又は上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成する組成物を準備するステップと、組成物を重合するステップと、を含む、三次元物体を形成する方法。
【0351】
154)上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物、又は上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成する組成物の層を形成するステップと、組成物を放射で硬化させることにより所望の形状を形成するステップと、三次元物体を得るために形成ステップ及び硬化ステップを複数回繰り返すステップと、を含む、三次元物体を形成する方法。
【0352】
155)上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物、又は上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成する組成物を選択的に吐出するステップと、組成物を放射で硬化させることにより所望の形状を形成するステップと、三次元物体を得るために選択的吐出ステップ及び硬化ステップを複数回繰り返すステップと、を含む、三次元物体を形成する方法。
【0353】
156)上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物、又は上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成する組成物の層を形成するステップと、層を放射で選択的に硬化させることにより所望の形状を形成するステップと、三次元物体を得るために組成物の層の形成ステップ及び選択的硬化ステップを複数回繰り返すステップと、を含む、三次元物体を形成する方法。
【0354】
157)上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる組成物を重合することによるか、又は上述の例示的な実施形態のいずれか一つによるキットの構成要素を合一することにより生成する組成物を重合することによる、三次元物品を形成する方法であって、TPA系ポリエステルを含む第1組成物から層を形成するステップと、1種又は複数種の第1網目モノマーを含む第2組成物を、三次元物体の一部分の形状に従い第1組成物上に選択的に吐出するステップと、を含み、1種又は複数種の第1網目開始剤は、TPA系ポリエステルの層中、1種又は複数種の第1網目モノマーを含む組成物中、又は両方のいずれかに存在する、方法。
【0355】
158)上述の例示的な実施形態のいずれか一つのキットから三次元物品を形成する方法であって、粒子状の組成物構成成分の層を形成するステップと;液状の組成物構成成分を噴射等により選択的に吐出するか又は非選択的に吐出するステップと;任意選択的に、放射を選択的に適用するか又は非選択的に適用し、それによって粒子状の組成物構成成分及び液状の組成物構成成分の硬化を誘導するステップと;三次元物体を形成するために、形成ステップ、吐出ステップ、及び選択的硬化ステップを複数回繰り返すステップと、を含む、方法。
【0356】
159)分散媒を蒸発させるステップを更に含む、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる方法。
【0357】
160)組成物は、光又は熱等の放射を適用することにより重合反応を開始させること等により組成物を硬化させる時点において、液体として存在する、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる方法。
【0358】
161)組成物は、光又は熱等の放射を適用することにより重合反応を開始させること等により組成物を硬化させる時点において液体として存在し、液体組成物が重合を開始する時点における温度は、25°以上、30℃以上、35℃以上、40℃以上、又は45℃以上である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる方法。
【0359】
162)組成物は、光又は熱等の放射を適用することにより重合反応を開始させることなどにより組成物を硬化させる時点において液体として存在し、液体組成物が重合を開始する時点における温度は、200℃以下、180℃以下、150℃以下、100℃以下、80℃以下、又は50℃以下である、上述の例示的な実施形態のいずれか一つによる方法。
【0360】
本発明を説明する文脈における(特に、以下に示す特許請求の範囲の文脈における)、「1の(a、an)」及び「その(the)」という語、並びに類似の指示語の使用は、本明細書において別段の指定がないか、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈すべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」という語は、別段の指定がない限り、オープンエンドターム(即ち、「含むが、これらに限定されるものではない」ことを意味する)と解釈すべきである。本明細書において、値の範囲について言及する場合、本明細書において別段の指定がない限り、これは単に、その範囲内の別々の値をそれぞれ個々に言及するための簡便な方法としての役割を果たすことが意図されており、それぞれ別々の値が本明細書において個々に言及されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に示すあらゆる例又は例示の言い回し(例えば、「等(such as)」)の使用は、単に本発明をより適切に例示することを意図するものであり、特許請求されていない限り、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書における言い回しが、特許請求されていない構成要素を本発明の実施に不可欠なものであると示唆していると解釈すべきではない。
【0361】
本発明者らに知られている本発明の実施に最適な態様を含む本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変形は上述の記載を読むことにより当業者に明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者がこのような変形を適切に利用することを想定しており、本発明者らは、本発明を、本明細に具体的に記載したものとは異なる形で実施することを意図している。したがって本発明は、ここに添付する特許請求の範囲に教示されている主題の、準拠法において許されるあらゆる修正及び均等物を包含する。特定の任意選択的な特徴を本発明の実施形態に記載するが、この記載は、特段の指定がないか、物理的に不可能でない限り、これらの実施形態のあらゆる組合せを包含し、具体的に開示していることを意味している。
【図面の簡単な説明】
【0362】
図1図1は実施例1の引張試験のデータを示すものである。
図2図2は実施例2の引張試験のデータを示すものである。
図1
図2